説明

ネットワーク終端装置

顧客建物における公衆通信回線網のネットワークケーブルを終端するためのインストレーションであって、前記インストレーションは、前記ネットワークケーブルを終端するための終端手段と、前記公衆通信回線網と前記顧客建物の間で終端手段を介して接続を確立できるようにする接続手段とを備える。前記終端手段は前記顧客建物の外壁の中に封じ込められており、前記装置は、前記顧客建物の外部からの前記終端手段へのアクセスを可能にする第1の閉鎖可能なアクセス開口と、前記顧客建物からの前記終端手段へのアクセスを可能にする第2の閉鎖可能なアクセス開口とをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顧客建物における外部電気通信網のケーブルの終端のための方法及び装置に関し、特にファイバートゥザホーム(FTTH)を実現することの関連での光ファイバの終端に関する。
【背景技術】
【0002】
公衆交換電気通信網は、現在、様々な交換局を通るケーブルのアクセスネットワークを備え、これは最終的に、商業的、工業的、又は消費者顧客の建物(premises)の分配側で終端する。これらのケーブルは、通常、顧客建物(client premises)にあるネットワーク終端点(network termination points)(NTEs)上で終端される。歴史的には、これらのケーブルはツイスト銅対線であったが、顧客に通信目的のためにより大きな帯域幅を提供するためのFTTHマイグレーションがある。
【0003】
光ファイバによりアクセスネットワークに接続された顧客の大部分は商業的なエンティティである。光接続を取得する多大な費用のために、個人又は住宅による占有は最近まで捗っていなかった。さらに、ファイバ接続−通常は専用の通信室から隠されていて、産業環境又は商業環境では重要ではない−をサポートするために必要とされる、現行の光ネットワーク終端装置(ONT)は目障りなため、住宅の場面ではうまくいかないであろう。しかしながら価格が低下し始めるのにつれて、FTTHに対する需要が伸びている。
【発明の開示】
【0004】
現在では、銅ベースのシステムでは、電気通信のために住宅用顧客建物を、建物の工事をした上で接続することは慣例である。前記プロセスは、通常以下のステップを必要とする。つまり顧客建物の近くで終端するアクセスネットワークからのケーブルは、ストリートキャビネット(street cabinet)に位置する一次交差接続ポイントから、高架又は地下を通して送ることによって建物の壁に導かれる。到着したケーブルを建物の内部に通すことができるようにするために、壁の骨組を貫いて穴が開けられる。ケーブルは建物の内部に入り込み、(英国におけるNTE5マスタラインボックスのような)NTEで終端する。その名前が示唆するように、NTEは通常(英国におけるブリティッシュテレコミュニケーションズplcのような)外部のネットワークサービスプロバイダの権限と責任の法律上の範囲を記す。このような終端ボックスは内壁上の未処理アクセス穴を覆い、表面実装又は埋め込み型のどちらかであり、電話用のBT431コネクタ等の互換性のあるコネクタプラグのための面板の上のソケットを含む。
【0005】
表面実装型ボックスは前記壁から約36mm当接する傾向があり、一般的にはかさばり、美的に不快である。それらはまた強打され、取り除かれることがあるため、予想外の損傷又は悪意のある損傷を受けやすい。埋め込み型ボックスは互換性のある背面ボックスと共に使用される必要がある。しかしながら、背面ボックスを受け入れるための適当な空洞を作るために壁の表面を壊す必要があるため、これらは表面実装型ボックスより設置により多くの時間を要する。
【0006】
したがって、銅ワイヤ終端点を設置する本方法は、進入する外部ケーブルへのアクセスを生じさせることにより建物の建物骨組を破壊する必要性を被っている。NTEは特に住宅用のセッティングでは、見栄えが悪くかさばり不適切である、あるいはかなりの費用、技能及び不便さをかけて、建物の基礎構造に追加の修正を加えることによって設置される。
【0007】
アクセス性の問題点は、建物の内壁にNTEを配置する現在の方法から生じる。外部ネットワークサービスプロバイダは接続を設置するため、あるいは保守作業、試験及び代用品の製造等の終端点に関連する他の作業を実施するために、建物にアクセスするために加入者と日程を調整する必要がある。これは外部サービスプロバイダ及び家屋所有者の忙しい、相反する予定により生じる重大な問題である。サービスプロバイダは作業を主に営業時間中、つまり働いている加入者が在宅しない時間に実施しようとする。予定が合わない場合−関係者の自由にならない要因のために特定の時間帯に作られた約束にも関わらず発生することがある−、多くの時間が失われ、訪問の予定を建て直し、行うことの金銭的な費用は多大である。自由な電気通信市場では特に重要である貴重な営業上の信用も、前記過程で失われてしまう。
【0008】
1つの解決策はNTEを建物の外部に提供することである。これは米国では一般的な慣習である。この解決策は外部のネットワークサービスプロバイダにNTEと終端点への迅速なアクセスを可能にする一方、装置のこの配置は−環境上の、予想外の、及び悪意のある−被害を受けやすい。NTEの筺体はその内容を保護するために非常に強力に作られなければならない−これがその費用とサイズに影響を及ぼす。さらに、建物の内部から外部への装置用筺体の移転は、必ずしも建物の美観を改善しない可能性がある−特に住宅地の場合には関連性がある。さらに詳しく後述するように、脆性、費用及びサイズが増すことにより、光ネットワーク終端装置(ONT)は建物の外部のこのような被害を受けやすい場所には不適切になる可能性がある。
【0009】
さらにネットワーク終端点へのアクセス性に関する別の問題がある。英国及び他の多くの国々では、単一のサービスプロバイダが顧客に、ネットワークへのアクセスから居間の電話まですべてを供給する時代は過ぎ去った。顧客は現在自らの内部連絡のニーズを自由に調整できる。サービスプロバイダがこうむる問題が議論されてきた。顧客は外部に配置されたNTEへのアクセスにまつわる同じ問題を経験する必要はないが、例えば、顧客がアクセスネットワークから届くファイバ装置にアクセスできる場合に生じる可能性のある、加入者がプラグ端部をじかに見るリスク及び他のレーザ光線障害等の安全性に対する懸念が生じる場合がある。
【0010】
上記の問題は一般的には銅ベースのシステムに関連するが、それらだけに限定されているわけではない。問題はFTTHの到来を受けてさらに複雑化している。これはONT装置の繊細な性質、同様にずれ、埃等に対する光ファイバ接合部の感度のためである。(本説明の中では、「ファイバユニット」に対する参照は、多くのファイバ部材を備えるファイババンドルだけではなく、個別のファイバ部材も含むものとする。)
銅ワイヤとは異なり、光ファイバは、ファイバユニットに物理的に損傷を与える、あるいはファイバの性能に悪影響を及ぼす危険なく超えることができない、固有の最小曲げ半径を有する。コア、クラッディング及び一次バッファだけを備える裸の光ファイバは、通常約60mmの最小許容曲げ半径を有する。外部保護層及び光ファイバのバンドルを含むファイバケーブルは、さらに大きな最小許容曲げ半径を有する。ファイバの筺体は曲げに対応するために相応して寸法を取る必要がある。
【0011】
さらに銅の接続で必要となるよりも−装置用の電源、イーサネット(登録商標)ケーブル、同軸ケーブル等の−建物への光接続をサポートする、さらに多くの装置がある可能性がある。このすべては、建物の内部に配置されているのか、外部に配置されているのかに関係なく、FTTH用装置の筺体の全体的なサイズが、今日の銅ベースのNTEがすでにそうであるより、なおさらにかさばる−そして、なおさらに目障りで損害を受けやすい−ものとなることを意味している。
【0012】
英国で発生している追加の問題は、サービスプロバイダ間でのさらに大きな競合につながるネットワークへのオープンアクセスに向けた、オフコム(Ofcom)(英国における通信業界のための監督競合機関)による動きである。出願人は、この環境下ではネットワーク終端点は、アクセスネットワークサービスプロバイダの責任の範囲の限度を明確に定めるために、正確に規定される必要があると予想する。通信市場は、アクセスネットワークサービスプロバイダが電話に至る且つ電話を含むすべてを供給した時代から離れつつある。
【0013】
光ネットワークを終端するための本方法は、銅ベースのNTEに使用される位置と同じ位置に、つまり建物の内壁上に、又は建物の外部にONTを配置させる。NTEが経験する問題は、ONT装置によって必要とされる筺体のサイズの拡大、光ファイバの脆性、及び接続を提供するあらゆるスプライス又は接続によって悪化する。
[発明の開示]
【0014】
すべての前記理由から、建物の内部に、又は建物の外部にアクセスネットワークのために終端点を配置することに関連する問題に対処するための解決策を有するのが望ましいであろう。
【0015】
本発明の第1の態様によると、顧客建物における公衆通信回線網のネットワークケーブルを終端するためのインストレーションが提供される。前記インストレーションは、前記ネットワークケーブルを終端するための終端手段と、前記公衆通信回線網と前記顧客建物の間で終端手段を介して接続を確立できるようにする接続手段とを備える。前記終端手段は前記顧客建物の外壁の中に封じ込められ、前記装置は、前記顧客建物の外部からの前記終端手段へのアクセスを可能にする第1の閉鎖可能なアクセス開口と、前記顧客建物からの前記終端手段へのアクセスを可能にする第2の閉鎖可能なアクセス開口とをさらに含む。
【0016】
本発明の方法及び装置は、前述された欠点の少なくともいくつかを軽減する又は回避しようとする顧客建物での−銅又は光ファイバを備える−外部ネットワークケーブルの終端のための現在の方法及び装置に対する、改善策及び/又は代替策を提供する。
【0017】
本発明を具現化するシステム、方法及び装置は以下の図面を参照して、ここでほんの一例として説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
前記に概略されたように、−銅ベースであるのか、ファイバベースであるのかに関係なく−顧客建物へ電気通信接続を提供する現在の方法は、それらを建物にレトロフィット(retrofit)させることである。これは、例えば(高架構成における)電柱の上等の上部から、又は(地下構成における)地中に埋めらたケーブルダクトを通して、ケーブル又は光ファイバ管をアクセスネットワークから建物に導くことにより行われる。次に建物の1つの壁−又は空洞壁インストレーションの場合には複数の壁−を通して穴をあけることによって、アクセス口が作成される。英国では、通例では建物の内部を外部から分離するために空洞壁が使用される。これは通常、その間に絶縁体を設置できる2つの断面または外板を備える。図1に描かれている空洞壁インストレーションでは、W1及びW2はそれぞれ外壁と内壁である。外壁W1は外面WF1を有し、内壁W2は内壁W2を有する。外部ネットワークから通じるケーブル(1)は、この目的のために作られたアクセス穴(複数の場合がある)(2)を通過する。次に、ケーブル(1)は、NTE5のような終端ボックス(4)等のネットワーク終端点で終端する。終端ボックスは、建物の内壁(W2)に、内壁内に、あるいは内壁上に配置される。これは図に描かれているように内壁の表面上に取り付けることができる、あるいはそれはボックスの壁からの突出の範囲がいくぶん減ぜられるように埋め込み型となるであろう。
【0019】
図2は、一般的に使用されているNTE(4)、NTE5の前面図と背面図を示す。前面パネル(6)には、ソケット(8)の形をしたアクセスがBT431コネクタ等の互換性のあるコネクタプラグに提供される。背面(10)では、ケーブルは(表面実装型又は埋め込み型である)背面ボックスの穴の内の1つを通って到着し、ねじ込み端子で終端する。
【0020】
前記に示されたように、レトロフィットさせることによって顧客建物に電気通信接続を提供する本方法は費用がかかり、無駄が多く、不便である。顧客建物の内壁から突出する、結果として生じるNTEは見栄えが悪い。埋め込み型NTEのインストレーションは、内壁のさらなる破壊を必要とし、かなりの費用、時間及び技能を必要とする。NTEは顧客建物の内壁(W2)上に位置しているので、外部ネットワークを担当する関係者は、建物の内部へのアクセスを許可する権限を持つ関係者と調整を行わなければならない。どちらかの関係者が約束を守ることができない場合には、多くの時間と金が無駄になり、営業上の信用が失われる。
【0021】
さらに、現在のNTE装置及び設置方法は、銅ワイヤ対線の配備だけに対処し、その結果、建物を光接続にアップグレードするときがやってくると、建物は、さらに費用がかかり時間を費やす作業と損害をこうむることになる。これは、例えば、光ファイバはきわめて曲げに敏感である等、光ファイバの特性が銅ワイヤとは実質的に異なるためである。半径をきつく曲げすぎると光損失が増加し、ファイバの損傷又は破砕につながることもある。しかしながら、銅ワイヤは曲げに敏感ではなく、銅ワイヤ対線は光ファイバに激しく損傷を与える条件下で日常的に設置されている。
【0022】
第1の実施形態:単一チャンバ
図3は、その構成部品パーツとともに単一チャンバデバイスである本発明の第1の実施形態を分解形式で示す。デバイス(5)は筺体(20)と、ファイバ管理アダプタ(30)と、フロントカバー(40)とを備える。ファイバ管理アダプタを有する本実施形態は、(例えば、後述の図8と図9を参照されたい。空洞送りとは対照的な)外壁の外面(WF1)に達する分配ケーブルによって外部に送られるインストレーションに使用されるであろう。
【0023】
設置時、デバイスは「レンガ代用品」として建物の骨組の一部を形成する。それは、それが壁の中に設置でき、いったん設置されると、デバイスが好ましくは壁の外面(WF1)又は内面(WF2)から実質的に突出しないように、バランスが取られる。
【0024】
好ましくは、デバイスは、建物の建設中に設置される。壁が家用レンガから造られている場合、デバイスは、それもまた家用レンガであるかのようにモルタルの中に置くことによって設置できるであろう。建設中に設置すると、後にレトロフィットにより建物の骨組を破壊する費用と作業が未然に回避されるので、このようにすると本発明の重大な利点が実現されるであろう。しかしながら、本発明の採用により可能になる他の利点を実現するために、レトロフィットによりデバイスを設置させることは本発明の範囲内である。
【0025】
ハウジング又はレセプタクル(20)は、前述されたインストレーションの好ましい形態に従って、建物が建てられるにつれて壁の中に組み込むために建築業に提供されるであろう構成部品である。前記ユニットは、設置時に「レンガ代用品」としての機能を果たすほど十分に強い、鋼又はエンジニアリンググレードのプラスチック材等の材料から作られる。材料は好ましくは、大部分の建築用モルタルの中に存在する強いアルカリに敏感であってはならず、あるいは強いアルカリから適切に保護されている。加えて、プラスチック材が使用される場合、それは太陽光の中に存在する紫外線の影響下で望ましい機械的な特性を失ってはならず、それは敏感ではない材料が使用されるか、又はそれに紫外線放射線から適切且つ耐性のある保護が与えられるかの、どちらかを意味してよい。筺体に対するモルタルの結合を改善するために、モルタル結合される対象であるレンガの表面は、好ましくはモルタル接着性コーティングで仕上げられる。これは、例えば、筺体の表面に(例えば、砂又は砂利等の)集合体でのり付けできる、さもなければ固定できるであろう。
【0026】
図3に示されている実施形態では、筺体(20)は、レンガ等の壁を構成する関連した構成部品の容積に実質的に容積が類似した空洞を含む。デバイスは、例えば(図6に関して後述される)スプライストレイ(23)を受け入れるための受け取りアーム(22)を含む。ケーブルの終端、接続等のためのあらゆる他の構成部品も、前記空洞の中に収容できる。特に、前記デバイスは多様なケーブルタイプ(ツイスト銅対、同軸ケーブル、光ファイバ等)のために使用することもできるため、本発明の使用は柔軟性があり、それは両方の特性に等しくよく対処できるため、例えば銅対から光ファイバへのアップグレードが可能である。本発明はこのようにして、この態様において旧くならない顧客建物に役立つ。
【0027】
英国では、標準的な建物のレンガは、10mmのモルタル接合部と使用するために、通常長さ215mm、幅102.5mm、および高さが50mm又は65mmのどちらかである。他のサイズが英国で使用されることもあり、他の国々での標準的なサイズは英国での標準的なサイズとは異なる可能性が高い。明らかに、本発明による筺体の正確な寸法は地域の標準的なレンガサイズについて設定できる。同様に、地域のビルディング「ブロック」が何らかの他の典型的なサイズの石又はセメントのブロックである場合、そのサイズは前記筺体の寸法を決定するための基礎として使用できる。しかしながら、長さが約175mmから250mm、幅が75mmから150mm、及び高さ50mmから150mmの寸法の筺体は、壁の建物との構造上の問題を起こすほど大きくない一方で、有用且つ実用的である。概して、大きすぎる筺体は回避される。
【0028】
建築業による本発明の採用を奨励し、容易にするためには、本発明の筺体が、レンガ工が自らの業務習慣を採用する必要なく、他のレンガ又はビルディングブロックのように置くことができることを確実にすることが賢明である。これは、筺体が標準的なレンガより目立って長い、幅広い、又は厚くあってはならない、あるいははるかに薄くてもならないことを示唆している。「2倍の長さ」又は「2倍の高さ」(であるが、その寸法が1つのモルタル接合部の損失を実際に考慮に入れる)の筺体の利用法が見つけられる可能性があることは言うまでもない。多くのレンガ敷設パターン(結合)が半分のレンガを利用するので、多くのケースでは半分の長さの筺体を使用する方が容易であろう。しかしながら、このような半分のレンガに所望されるすべての構成要素とファイバを嵌めることが必ずしも可能ではない可能性がある。さらに、ファイバの曲げ管理はこのような半分のレンガでの(ファイバの種別に応じた)問題である場合がある。また、筺体は従来のレンガより幾分狭くなるであろうが、たとえあったとしてもそれにはほとんど利点はなく、事実上全幅も筺体のスプライスと電子回路には有用であろう。
【0029】
NTE5のような従来技術のNTEボックスは主に、単一の目的−外部ネットワークからのケーブルを終端させ、RJ11のようなコネクタプラグを受け入れるためのソケットを提供すること−に役立つ。それが設置される位置のために、このようなボックスの設計者は、(表面実装における)壁からのその突出を削減するために、あるいは(埋め込み型で)その設置を容易にするためにそのサイズを最小に保とうとする。
【0030】
これに比べて、好ましい実施形態における本発明のデバイスは、相対的に大きな空洞を含む。つまり、家用レンガ等の関連する建築構成部品の容積に実質的に類似している。好ましい実施形態では、ケーブル終端と接続の従来のNTE機能のための装置のためだけではなく、ファイバの保管、受動的な光デバイス、DSLフィルタ等の他の機能性のためにも、前記空洞内にスペースがあるであろう。このようにして他の機能性を含む能力を有することにより、本発明のデバイスを使用することにより建物の家屋所有者の目に見える電気通信設備の量は削減されるであろう。さらに開発されなければならない方法及び技術のために新規に開発されたデバイスと装置は、本発明のデバイス内に立地を決めることができるので、それはインストレーションの早期老朽化を防ぐ上でいくらか助けになる可能性もある。
【0031】
外部ネットワークからの分散ケーブル/ファイバ管は、例えば、
・外壁の外面(WF1)に対して地上で終端し、次にデバイスまで壁を越えて上方に、そしてファイバ管理アダプタ(30)の正面を介して進入する、ダクトを通る地下送りによって、
・外壁の外面(WF1)に対して終端し、次にデバイスまで壁を越えて下方に、そしてファイバ管理アダプタ(30)の正面を介して進入する、ダクトを通る高架の送りによって、
・空洞壁のあるインストレーションにおいて、地下送りによって、次に上方に空洞を通って空洞送りのデバイスの背面に向かって、
等多くの方法で、外部ケーブルダクトから筺体(20)の中に入ることができるであろう。
【0032】
本説明では、適切なケースにおいて「ケーブル」に対する参照は、顧客建物が当初、吹き付けによって光ファイバを設置する前に管で初期に設置されることを目的とする、吹き付けられたファイバ管を含むであろう。
【0033】
空洞送りは「新築」の状況で使用される可能性が最も高い。ケーブルをこのようにして建物に供給する利点は、ケーブルがダクト出口で要素から保護されることである。空洞送りでは、外部ネットワークのケーブルはダクト入口(25)を介して筺体の中に送り込まれる。
【0034】
好ましくは、ダクト入口をどこに配置するのかの選択を可能にするために、多くのノックアウト穴(knockout hole)が筺体の中に設けられる。これにより、筺体を、ダクト位置により引き起こされる歪みを防ぐ又は最小限に抑えるために最適位置に据えることができるであろう。外壁に接触して地上で終端する高架の、又は地下の送りダクトでは、ダクト入口は入ってくるケーブルを可能な限り垂直に保つために設置されるであろう。
【0035】
図は、筺体が設置されているときに筺体の正しい位置合わせと設置を容易にするために、及びそれをその後に支え、固定するために、筺体の外部に設けることができるフランジ(26)とバックプレート(28)を示す。
【0036】
図3に示されている実施形態は、任意のファイバ管理アダプタ(30)を含む。これは光ファイバセットアップで使用され、光管又はファイバは(空洞送りとは対照的に)外壁を介して到着する。経路(32)は、(34等の)角の周りに管又はファイバを誘導するように構成されている前記光管又はファイバを受け入れるために設けられる。これによりファイバ曲げは制御され、過剰な曲げ及び結果として生じるファイバ性能の低下を妨げるのに役立つことができる。好ましくはノックアウト穴(例えば25)は、管又はケーブルを多岐に渡る入口位置から受け入れるためにファイバ管理アダプタ内に設けられる。
【0037】
図3に示されたデバイスは、フロントカバー(40)を含む。本発明のデバイスは、筺体に建物の外部からアクセスできるように設置されるように構成される。カバーは筺体(20)の内容物を保護し、それ以外の場合要素にさらされるであろう。例えば水の進入を防ぐために筺体のカバーと本体の間の接合部を密封するために、好ましくは全天候型のシールが設けられる。設置されるようにロックは提供されない、つまりロックは、回路が供給されるときに後に設置される可能性があるが、何らかの形式のロック機構も設けられてよい。
【0038】
好ましい実施形態では、フロントカバーの外観の色、質感等は、外壁を構成する他の構成要素(共通の家用レンガ、軽量コンクリートブロック、石又はセメントブロック等)に似せられる。設置時にデバイスが存在すると、外壁の外面(WF1)の外観に少しだけ影響を及ぼすであろう。
【0039】
図4は、空洞壁のセットアップで使用されるときのデバイスの構成部品パーツの分解図であり、ケーブルダクトは地下送りから筺体(20)に入る。(吹き付けられたファイバ管を使用するときにこの点を超えてシステム内に存在する、いかなるガスの移動をも封鎖する働きをする)ガスブロックコネクタ(21)は、筺体の空洞の中に含まれる。代わりに、本発明はガスを建物の外部に排出し、建物の内部につながる経路を閉鎖できるであろう。
【0040】
図5Aは、ファイバ管理アダプタ(30)が取り付けられている筺体(20)を描いている。受け取りアーム(22)の中にスロットが作られているのは、別の任意のアイテム、つまりコンポーネントトレイ(23)である。前記トレイは受け取りアーム(22)上で摺動自在に取り付けられ、アームに沿ってそれを筺体の背面に押し付けることによって設置される。図中、トレイはそれをさらによく示すために、その閉じられている位置から引き離された。トレイが他の方法で−例えば、摺動自在に取り付けられるだけではなく、水平軸又は垂直軸に沿ってピボット上に、あるいはこのような取り付け技法の組み合わせで−筺体内に設置できることはもちろんである。本実施形態ではトレイは、光管又は前記デバイスに進入するファイバを受け取るためのファイバ保管トレイであって、光ファイバ又は管曲を制御し、誘導するために独自の経路を備える。トレイは、等しく受動光デバイス又は他の構成要素を備える又は収容することができるであろう。本実施形態では、NTE、DSLフィルタ等の密封された電子モジュール、プリント基板又は図5Bに示されているような以後のトレイ又はそれ以外の形を取る他のコンポーネント(27)をさらに収容するために、コンポーネントトレイの上部に空間がある。
【0041】
図6は顧客建物に設置されるように、外壁上で高架又は地下の送りを受け入れる構成でセットアップされたデバイスを示している。(通例では1つの送り方向だけが任意のインストレーションに使用されるので、図面は、主に図解の目的で両方の送り方向を示している。)筺体の中身を示すためにフロントカバー(40)は取り外されている。ここでは、ファイバ管理アダプタ(30)が嵌められた筺体(20)は、ファイバ保管トレイ(23)を含む。ファイバインストレーションでは、ファイバ管理アダプタは、ファイバがきつく曲げられすぎるのを防ぐために、デバイスに進入する光ファイバの曲げに対する誘導及び制御を与える。
【0042】
図は、実際にはレンガの段の間のモルタルの存在によって分かりにくくなるであろう特長を示している。外部ケーブル(1)は壁の外面(WF1)上を通り、ノックアウト穴(25)を通ってデバイスに入る。次に、ケーブルはファイバ管理アダプタ(20)の経路(32、34)に沿って誘導され、過剰なファイバは、それがガスブロックコネクタ(21)に送り込まれる前に、(ここでは閉じられた位置に示されている)ファイバ保管トレイ(23)上に保管される。
【0043】
図7A及び図7Bは、図6に示されているように構成されたデバイスの内部での光管又はファイバにより取られる経路を示している。両方の図とも吹き付けられたファイバ管インストレーションを示しており、管はスプライストレイの一方の側で終端し、管はスプライストレイの他方の側で終端する。前記管はデバイスの内部に配置されたNTEに通じることができよう。外部ケーブルは、スプライストレイに送られ、それはNTEに接続されてよい建物の内部からファイバに継ぎ合わされる。代わりに、外部ファイバは本発明のデバイス内に位置するNTEモジュールから通じるファイバ尾部に継ぎ合わされてよい。
【0044】
図7Aは壁面上での地下送りを示すが、図7Bは壁表面高架送りを描いている。
【0045】
図8は、ガスブロックコネクタ(21)とともに、空洞ダクト送り装置で設置された、フロントカバーのないデバイスを示している。外部ケーブル(1)は、ここでは地下送りから通じ、ガスブロックコネクタの中に送り込まれるように示されている。ファイバ管理アダプタ(30)は外壁表面に到達する入信ファイバだけを管理するため、この構成にない。
【0046】
図9は、空洞壁インストレーションにおいてW1とW2を分ける空洞の中からの外壁(W1)を描いており、本発明の実施形態の背面図を示している。外壁(W1)の中に設置される筺体(20)のバックプレート(28)はこの図で可視であり、外部ケーブル(1)は壁空洞の中で地下送りから筺体に入る。この図は、デバイスをサポートし、設置後に適所にデバイスを保持するために、どのようにしてバックプレートが役立つのかも示す。内部ケーブルダクト(24)は、外壁から内壁(W2、図示せず)に向かって指し、その結果内部ケーブルは内壁を通して顧客建物に通じ、電気通信接続のための手段を提供する。
【0047】
図10Aと図10Bは、空洞壁インストレーションにおける本発明(5)のデバイスを含む、顧客建物の外壁と内壁の断面図を示している。図10Aと図10Bの両方において、デバイスは地下ケーブルダクトから送られるように示されている。外部ケーブル(1)は、外壁表面の足もとに到達し、デバイスへ、及びデバイスの中へ上方に送られる。
【0048】
(ケーブルが管/ファイバを備える場合は)曲げ管理、及びデバイス内での終端(これは内壁W2内で、又は内壁W2上で発生しない)の後に、ケーブルは空洞を通って外壁から送られ、図10Aでは、該当する場合、光ファイバケーブルの曲げ半径を制御する曲げ管理デバイス(31)を通してさらに送られる。この図の中の曲げ管理デバイスは壁の本体の中に配置された一種の中空のプラグの形で描かれている。前記デバイスを使用すると、建物に入るケーブルの内面(WF2)での突起の範囲を縮小するのに役立つであろう。図10Aに示されるプラグの実施形態の代わりに代替曲げ制御手段が使用できることが明らかであろう。例えば、光ファイバ曲げの曲げ制御は内壁の表面に適用できる−内部コンポーネント(11)はこの目的のための装置を含むことができる。代わりに、銅のインストレーションでは、コンポーネント(11)は銅のワイヤ出口を備えることができるであろう。
【0049】
内壁の曲げ制御は望ましいが、本発明の必要な特長ではない。ケーブルは単に点検口(2)を通って移動し、建物の内部で出現することができるであろう。したがって、図10Bは内壁の中の曲げ制御装置のないインストレーションを描いている。
【0050】
高架送りのケースでは、ケーブル(1)が前記デバイスを越える高さで外壁の表面に到達することは別にして、地下送りのある装置のこの描写は、高架送りのための描写に類似している。
【0051】
図3に関連して前記に注記されたように、本発明のデバイスは、ユーザが見るプラントの量の増加にまつわる問題なく、セットアップの内部で相当量の装置を包含することを可能にする。前記デバイスを使用すると、顧客建物の内部の中での電気通信クラッタ(clutter)は大幅に削減できる。
【0052】
図11A及び図11Aは、空洞送りインストレーションではあるが、それぞれ図10Aと図10Bに類似する顧客建物の外壁と内壁の断面図である。外部ケーブル(1)は壁空洞の中の地下ダクトから、それが終端する外壁(W1)の中に設置されているデバイス(5)の後部に送り込まれる。次に、内部ケーブルは建物に電気通信接続を提供するために内壁(W2)を通って送られる。
【0053】
図10Aと同様に、壁骨組の中に配置されたプラグの形を取る曲げ制御デバイス(31)は、図11Aで利用されるのが分かる。図11Bは、ケーブルが単にアクセス口(2)を通って移動するように、壁の中に曲げ制御装置がない類似したインストレーションを示している。しかしながら、単純な曲げ制御は内向きの壁(WF2)の表面で達成できるであろう。
【0054】
外部ネットワークの終端は、外壁の中に配置された本発明の前記デバイスの中で行われる。これは本発明の空間節約態様の完全な利点を実現する。このようにしてデバイスを使用することは、RJ11プラグ等のコネクタ用のソケット等の、内壁(WF2)で必要とされるすべてが、顧客の電気通信装置のためのインタフェースであることを意味するであろう。したがって、それ以外の場合建物の内部で対処されなければならないであろう、目障りで損傷を受けやすいクラッタは、前記デバイスを使用することにより除去される。
【0055】
第2の実施形態:二重チャンバ付き
前述された本発明の第1の実施形態、つまり外壁(W1)内に位置する単一チャンバ付き筺体(20)。本発明の好ましい実施形態では、デバイスは2つのセクションまたは壁の全幅に広がるチャンバを備える。デバイスのこのバージョンは主に、空洞壁のように相対的にさらに大きな幅の壁インストレーション向けを意図し、顧客に終端点への容易なアクセスを与える際に特に有利である。
【0056】
図12は、デバイスが顧客の壁の中に設置されるときに、サービスプロバイダが有する可能性のある二重チャンバ付きデバイスを「外部」ビューから描いている。それは第1のチャンバ(100a)と第2のチャンバ(100b)付きの筺体を備える。前記第1の、または外部チャンバ(100a)は、建物の外部に面し、サービスプロバイダがアクセスできること及びサービスプロバイダの責任を目的とする。第2の、または顧客のチャンバ(100b)は、顧客がアクセスできることを目的としている。本実施形態では、チャンバは分割するバルクヘッド(101)によって分離される。
【0057】
本実施形態では、2つのチャンバは矢印(102)によって示されるように互いに、及び互いから伸縮するが、当業者は、これがチャンバが互いに協働する1つの方法に過ぎないことを理解するであろう。等しく、壁のトポロジに応じて、筺体及びチャンバの形状及び接続に関して任意の数の変型が可能であることが理解されるであろう。
【0058】
設置中、チャンバは、設置時に建物の内部と外部に向く壁表面でチャンバにアクセスできるように、互いから引き離される。好ましくは、チャンバは建物の構築中に設置される。
【0059】
他のケーブル送り形態ももちろん考えられるが、外部アクセスネットワークケーブル(104)は、外壁表面の進入送りで前記筺体に入ることが示されている。例えば、空洞ダクト(105)は、壁の間で空洞を通って進入するケーブルを受け入れることができる。外部チャンバ(100a)は、ファイバ終端又はスプライストレイ(106)、及び光インタフェース又はコネクタ(108)を含む。スプライストレイ付単一チャンバ付きデバイスに関連して前記に示された形式も取ることができるであろうが、スプライストレイは、ここではチャンバに対する開き戸(105)の中に内蔵されると示されている。進入する外部ケーブル(104)はスプライストレイで継ぎ合わされる。そこから、光終端装置(109)と接続された追加のファイバユニット(110)が、光コネクタに差し込まれる。顧客は依然として専用のケーブルをONTに接続しなければならないが、建物は顧客のケーブルを受け入れ、したがって(顧客のモデム等の)前記顧客の装置を外部ネットワークに接続する準備が整っているという意味で、これで建物は外部ネットワークに接続される。
【0060】
外部ネットワークのファイバの光コネクタは、通常、一方の側のアクセスネットワークから及び他方の側の顧客装置からファイバを搬送する光終端装置(109)を受け入れる二重ソケットである。顧客のケーブルは、光ファイバを備える場合、同様の終端装置を取り付けることができる。図面中、各ソケットが建物の外部と内部を向くように、光コネクタは分割するバルクヘッド(101)上に配置すると示されている。
【0061】
前記の代わりに、外部ネットワークの進入するファイバユニットは、初期にスプライストレイで継ぎ合わされる必要はないが、スプライシングによって、又は光終端装置を用いてのどちらかで光コネクタに直接接続される必要がある。
【0062】
図12に示されているセットアップでは、顧客の空間を越えて、光コネクタはサービスプロバイダの責任の範囲の境界を定めるONTとしての役割を果たしている。光コネクタ又はこのような他のユニットは、したがって関係者の境界を明確に定める。分割するバルクヘッド(101)の存在は、他のパーツのアクセスから各チャンバをさらに遮蔽することによってこれを強調する。しかしながら、バルクヘッドは本発明にとって必須ではない。また、有利なことにこの図では光コネクタは分割するバルクヘッド上に位置すると示されているが、分界点は筺体の中の任意の特定の位置を有する必要はない。
【0063】
終端した光ファイバ(110)が光コネクタに接続されると、建物は外部ネットワークに接続していると見なされる。カスタマのチャンバの中に複数のアクセスポイント(111)が設けられ、建物のマルチメディアとネットワークアクセスポイントとして機能し、データ用のケーブル(例えばイーサネット)、ビデオ同軸ケーブル、電話等のケーブル(113)と、無線LAN及びDECT電話等の他のネットワーク化された装置を、顧客が接続できるようにする。ONTのための電源ケーブルもここに含むことができる。当業者は、(例えば、電力がダウンしているときにも911 callsを可能にできる)緊急通信を可能にする基本バックアップ電源、電源に代わるソーラーパネル、ONTの電力ニーズを満たすための光トリックラー(trickler)充電器等の、多様な他のタイプの装置を含むことができるであろうことを理解するであろう。
【0064】
好ましくは、未熟な顧客が−例えば、単にソケットの中にプラグを押し込む又はスナップ嵌合することによって−自分自身で接続を行うことができるように、複数のアクセスポイントが標準化され、作成されなければならない。装置はビュー(view)と損害から、きちんと及び安全に離れ、ボックス又は緩いケーブル及び接続の形を取る建物のクラッタを排除するであろうため、これは好ましい実施形態である。
【0065】
しかしながら、図面の中で示される代替シナリオにおいて、本発明の範囲は、例えば押し込み型プラグを受け入れる準備が整ったソケットを含む面板(face plate)付きのケーシングを備えるモジュール(112)を含むであろう。前記ケースの一方の端部は、光コネクタ(108)及び顧客のチャンバの中の複数のアクセスポイント(111)に接続されるであろう。これは、壁の表面に、(WF2)にONT接続ポイントを「持ち出す(bring out)」ことができるであろう。面板は複数のアクセスポイント(111a)を含むであろう。これにより顧客はONT装置に容易にアクセスでき、自分のコンピュータ等への表面接続を可能にするであろう。
【0066】
図13は、本発明に従って設置された二重チャンバ付きデバイスを含む2つの壁外板(W1とW2)を備える空洞壁を通る断面の概略図である。
【0067】
吹き付け(blown)ファイバ技法を使用する典型的なインストレーションプロセスは、以下のステップを含む。
【0068】
・締切ポイント又は管マニホルドポイントを顧客の終端「ボックス」の中に/まで接合する吹き付けられたファイバ管を、最も近いネットワークから引き出すこと
・前記でファイバを吹き付けること
・初期スプライシング、及びネットワークから吹き付けられたファイバへの短い接続(connectorised)尾部(顧客/ONT接続)のファイバ管理
・交換機又は他の装置の終端からの光路の完全性を証明するために前記のテストを委託すること
・ONT装置(電力/警報、イーサネット、音声対線及び場合によってはビデオ同軸ケーブル)への「銅」接続を行い、顧客建物装置構成を管理するための、サービスプロバイダエンジニアによる訪問
・場合により:失敗に終わった設置/委託試験を診断するためのサービスプロバイダエンジニアによる再訪
・場合により:修理/交換が前記の結果である場合にサービスプロバイダエンジニアによる再訪
単一チャンバ付きのバージョンに関して、WF2は建物の内部に面するが、WF1は建物の外部に面する壁である。外部チャンバ(100a)は顧客のチャンバ(100b)と連通する。外部ケーブル(104)は壁表面(104a)全体、又は空洞ダクト(105)を介して空洞送り(104b)によってのどちらかで、アクセスネットワークから達することができる。光終端装置(109)が取り付けられている進入するケーブルからのファイバユニット(110)は、光コネクタ(108)の中に差し込まれ、前記コネクタは分割するバルクヘッド(101)上にあり、そのソケットは両方向に面している。
【0069】
デバイスのこの図は、筺体が空洞壁の全幅にどのようにして及ぶのか、したがってサービスプロバイダと顧客に、ONT及び責任の境界を表す光コネクタへのアクセスを与えることを示している。前記に注記されたように、実際的な理由から、この境界を壁幅の中心点に又は中心点近くに配置すると、それぞれの関係者がほぼ同じレベルのアクセスの容易さを与えられるであろうが、この境界は壁空間内の筺体のどんな特定の部分に配置される必要もない。また、この図から、ONTが建物の内部へのアクセスを取得する必要なく、(WF1)上の建物の外部からのアクセスポイントからサービスプロバイダによってアクセスできることが分かる。同時に、顧客はまた(WF2)に位置するアクセスポイントにある建物の内部から顧客のチャンバの中に到達することによって、ONTに対する容易なアクセスを有する。
【0070】
前記装置及び方法は、電気通信ケーブルの終端と接続に制限されず、建物へのケーブルの侵入を必要とする任意の状況に拡張できる、本発明の概念のある特定の実施を説明する。最も好ましい実施形態では、デバイスを設置するために建物骨組を修正することを必要とする必要はなく、サービスに対するニーズが終了すると、前記デバイスは削除される必要がないが、望まれる場合には壁の骨組の中に残すことができる。
【0071】
本発明による装置及び設置方法を使用することの重要な利点は、外部ネットワークサービスプロバイダが、顧客建物の内部への訪問を予定する必要なく終端ポイントにアクセスできるようになるという点である。前記に簡略に注記されたように、スケジューリングの困難性は、失われる時間、労働力及び営業上の信用を考えることにより、金銭的に定量化できる現実の問題である。したがって、本発明を採用することは、外部ネットワークへの顧客建物の初期のケーブル敷設にまつわる問題を解決するのに役立つ。さらに、また本当の利点は、外部ネットワークサービスプロバイダが例えば接続を試験するためにつねにNTE又はONTにアクセスできる能力に関連して獲得できる。
【0072】
現在の装置及び方法に優る本発明の別の重要な利点は、インストレーションを旧くしないために、いくらか助けになるという点である。デバイスの容量により、相対的にさらに多くの、及びさらに多岐に渡る電気通信プラントに対処することが可能になり、その結果、筺体がいったん設置されると、適切なコンポーネントを前記筺体(20)の中に含むことができる。外壁でのその位置は、外部ネットワークサービスプロバイダからの人員が、NTEを維持、試験し、また例えば光ファイバを直接家庭の中に持ち込むために、銅電話接続を現在有している建物をアップグレードするためのコンポーネントを削除する、及び/又は追加できるようにする。前記説明は、建物を銅からファイバにアップグレードする本例を通して指す。等しく、銅は同軸ケーブル又は他のケーブルにアップグレードできるか、あるいはより可能性が低いシナリオでは、光接続又は同時接続を銅の接続に格下げすることができるであろう。
【0073】
本発明は、便宜上、主に空洞壁を備えるインストレーションの関連で説明されている。本発明が中実の壁構造(つまり、空洞のない壁)で使用できることも明確である。今日、少なくとも非熱帯性の天候では、このような壁は通常相対的に厚く、レンガで造られている場合には少なくとも2個のレンガの厚さになるであろう。結果的に、このような状況では単一チャンバ付き筺体が、レンガの代わりに壁の外層に使用されるであろう−筺体から建物の内部へのアクセスを可能にするために適切な開口が内層に設けられている。等しく、単一チャンバ付きデバイスがこの目的に十分ではなく伸張する場合には、本発明の二重チャンバ付きバージョンは、壁インストレーションの全幅を拡張するために使用できるであろう。
【0074】
本発明の範囲は、断面でかなりの幅の壁インストレーションのある建物に限定されない。筺体は、筺体内で使用可能な空間の量は、含むことができる装置の量を制約するであろうが、単一レンガ幅(英国では、通常約102.5mm)を備える壁の中に設置できるであろう。しかしながら、当業者は、図3に関連した前記説明に従って、筺体の幅を、細いが(設置時に)相対的に高く作ることができ、そこでの装置は相応して配列し直され、例えばスプライストレイは設置時に垂直に位置合わせできることを認識するであろう。
【0075】
特定の状況では、本発明は(音、温度、及び水分に対する絶縁等の)環境上の要因を考慮に入れ、空洞のない中実な壁インストレーションの壁の内向きの面と外向きの面をブリッジ(架橋)するために適応されるために、適切な修正を必要とする可能性がある。木造の場合、「レンガ」を建物の材木に固定できるように、ネジや釘のための開口のある外部フランジを設けることができるであろうが、レンガ構造のために設計されるのと同じ筺体を使用できるであろう。
【0076】
前記に、及び図中で説明された装置、方法及び構成は、説明を容易にするためだけのものであり、本発明をいかなる特定の実施形態に制限することを意図していない。説明されている装置及び方法での多様なシーケンス及び順列が、開示されたように本発明の範囲内で可能であることは、当業者にとって明らかとなるであろう。同様に、本発明は多様な類似したシナリオ及び建物タイプで使用できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】顧客建物の壁の断面図であり、図2の終端点を使用して電気通信接続を提供する従来技術の方法を描く。
【図2】従来技術のネットワーク終端点、つまりNTE5ラインボックスを示す。
【図3】本発明の単一チャンバの実施形態のデバイスを構成する構成要素を示す分解図である。
【図4】下の空洞から入るダクトで空洞壁内に設置されるときの、図3の単一チャンバデバイス及びその構成部品の図である。
【図5A】ファイバ記憶装置トレイとファイバ管理アダプタを含む単一チャンバデバイスの図である。
【図5B】プリント基板又は他の電子モジュール用トレイを含む単一チャンバデバイスの図である。
【図6】高架及び地下の管/ケーブル入力を有する、設置時の単一チャンバデバイスを示す。
【図7A】地下の送り構成における筺体の中でのケーブル/管の経路選択を示す単一チャンバデバイスの図である。
【図7B】高架送り構成での筺体内にケーブル/管の経路選択を示す単一チャンバデバイスの図である。
【図8】空洞ダクト送りを有する、設置時の単一チャンバデバイスを示す。
【図9】壁空洞の内部からの、設置された単一チャンバ装置の図を示す。
【図10】顧客建物の壁の断面図であり、地下送り構成において本発明の単一チャンバデバイスを使用して電気通信接続を提供する方法を描く。
【図11】顧客建物の壁の断面図であり、地下空洞送り構成において本発明の単一チャンバデバイスを使用して電気通信接続を提供する方法を描く。
【図12】二重チャンバデバイスである本発明の第2の実施形態を示す。
【図13】空洞壁内で使用されるときの図12の二重チャンバデバイスと、その構成要素を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客建物における公衆通信回線網のネットワークケーブルを終端するためのインストレーションであって、前記インストレーションは、
前記ネットワークケーブルを終端するための終端手段と、
公衆通信回線網と顧客建物との間に、前記終端手段を介して接続を行うことができるようにする接続手段と、
を備え、
前記終端手段は前記顧客建物の外壁の中に封じ込められ、
前記装置は、
前記顧客建物の外部から前記終端手段へのアクセスを可能とするための第1の閉鎖可能なアクセス開口と、
前記顧客建物の中から前記終端手段へのアクセスを可能にするために第2の閉鎖可能なアクセス開口と、
をさらに含む、インストレーション。
【請求項2】
前記外壁は空洞壁であり、前記装置は前記壁の空洞をブリッジする筺体を含む、請求項1に記載のインストレーション。
【請求項3】
前記筺体は、前記筺体が前記壁の空洞をブリッジできるようにするための調節可能手段を含む、請求項2に記載のインストレーション。
【請求項4】
前記調節可能手段は、前記筺体が前記壁の空洞をブリッジできるようにするために入れ子配列を備える、請求項3に記載のインストレーション。
【請求項5】
前記外壁はレンガから構築され、前記筺体は、前記壁の表面が構築されるタイプのレンガの代わりに、前記壁の表面の中に嵌るような寸法に作られた端部を有する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のインストレーション。
【請求項6】
前記ネットワークケーブルは光ファイバを含む、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のインストレーション。
【請求項7】
前記終端手段は光ファイバスプライスを含む、請求項6に記載のインストレーション。
【請求項8】
前記筺体は前記光ファイバの曲げを制御するための光ファイバ管理装置をさらに含む、請求項7に記載のインストレーション。
【請求項9】
前記筺体は、データに基づいたアプリケーション、又はビデオに基づいたアプリケーション、あるいは電話に基づいたアプリケーションの内の、任意の1つ又は複数をサポートする電子通信装置をさらに含む、請求項8に記載のインストレーション。
【請求項10】
前記筺体は太陽エネルギー電源をさらに含む、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のインストレーション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−531440(P2007−531440A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505634(P2007−505634)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001265
【国際公開番号】WO2005/096054
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】