説明

ネットワーク装置

【課題】 特定のファイル共有機能に対応していない他のネットワーク装置とファイルデータを共有することを可能とするネットワーク装置を提供する。
【解決手段】 サーバ端末20は、サーバ側特定機能部24と、クライアント側特定機能部23と、サーバ側汎用機能部25と、クライアント側汎用機能部22とを備える。サーバ側汎用機能部25は、サーバ側特定機能部24及びクライアント側特定機能部23を経由して、クライアント側汎用機能部22に対して、ファイルデータの取得を要求する。クライアント側汎用機能部22は、分散サーバ端末30から、サーバ側汎用機能部25から要求されたファイルデータを取得する。クライアント側特定機能部23とサーバ側特定機能部24との間は、サーバ端末20内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汎用のファイル共有機能及び特定のファイル共有機能の双方に対応しているネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の端末間においてファイルデータを共有するために、複数の端末間に設けられるネットワークを介してファイルデータを転送する通信システムの開発が進められている。このような通信システムでは、ファイルデータを共有するための特定のファイル共有機能(特定のファイル共有プロトコル)が必要とされる。このような特定のファイル共有機能の一例としては、“Gfarm”などが挙げられる。
【0003】
例えば、ネットワーク装置間でファイルデータを共有するケースについて説明する。一方のネットワーク装置は、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側特定機能部を有しており、他方のネットワーク装置は、ファイルデータの所在を管理する機能を有するサーバ側特定機能部を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“Gfarmファイルシステム”、[online]、2011年1月12日、GRID DATA FARM、[平成23年1月20日検索]、インターネット〈URL:http://datafarm.apgrid.org/index.ja.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特定のファイル共有機能を有していないネットワーク装置とファイルデータを共有したいというニーズが存在する。また、NAS(Network Attached Storage)などのように、ユーザインタフェースを有していない端末がネットワーク装置として用いられることも考えられる。このようなケースでは、ネットワーク装置に特定のファイル共有機能を実装することが困難であることも想定される。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされてものであり、特定のファイル共有機能に対応していない他のネットワーク装置とファイルデータを共有することを可能とするネットワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係るネットワーク装置は、特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有するサーバ側特定機能部(サーバ側特定機能部24)と、前記特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側特定機能部(クライアント側特定機能部23)と、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有するサーバ側汎用機能部(サーバ側汎用機能部25)と、前記汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側汎用機能部(クライアント側汎用機能部22)とを備える。前記サーバ側汎用機能部は、前記サーバ側特定機能部及び前記クライアント側特定機能部を経由して、前記クライアント側汎用機能部に対して、ファイルデータの取得を要求する。前記クライアント側汎用機能部は、他のネットワーク装置から、前記サーバ側汎用機能部から要求されたファイルデータを取得する。前記サーバ側特定機能部と前記クライアント側特定機能部との間は、前記ネットワーク装置内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。
【0008】
第1の特徴において、前記サーバ側特定機能部及び前記クライアント側特定機能部には、前記仮想的なネットワークを構築するために、前記ネットワーク装置内で用いる仮想的なネットワークアドレスが割当てられる。
【0009】
第1の特徴において、前記サーバ側汎用機能部は、前記他のネットワーク装置が前記特定のファイル共有機能に対応していない場合に、前記サーバ側特定機能部及び前記クライアント側特定機能部を経由して、前記クライアント側汎用機能部に対して、ファイルデータの取得を要求する。
【0010】
第1の特徴において、前記サーバ側汎用機能部は、前記他のネットワーク装置が前記特定のファイル共有機能に対応している場合に、前記サーバ側特定機能部に対して、ファイルデータの所在を問い合わせる。前記サーバ側特定機能部は、前記クライアント側特定機能部に対して、前記サーバ側汎用機能部から要求されたファイルデータの取得を要求する。前記クライアント側特定機能部は、前記他のネットワーク装置から、前記サーバ側汎用機能部から要求されたファイルデータを取得する。
【0011】
第1の特徴において、前記特定のファイル共有機能又は前記汎用のファイル共有機能によって共有されるファイルデータは、複数の他のネットワーク装置に断片化して記憶される。前記複数の他のネットワーク装置に断片化して記憶されたファイルデータの実アドレスは、前記ネットワーク装置内で用いるローカルアドレスと対応付けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特定のファイル共有機能に対応していない他のネットワーク装置とファイルデータを共有することを可能とするネットワーク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1実施形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るサーバ端末20の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係るファイルデータの第1取得例を説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係るファイルデータの第2取得例を説明するための図である。
【図5】図5は、実施例1に係るネットワークを示す図である。
【図6】図6は、実施例1に係る設定画面を示す図である。
【図7】図7は、実施例1に係るディレクトリ構成を示す図である。
【図8】図8は、実施例1に係る記憶領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係るネットワーク装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係るネットワーク装置は、特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有するサーバ側特定機能部と、特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側特定機能部と、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有するサーバ側汎用機能部と、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側汎用機能部とを備える。サーバ側汎用機能部は、サーバ側特定機能部及びクライアント側特定機能部を経由して、クライアント側汎用機能部に対して、ファイルデータの取得を要求する。クライアント側汎用機能部は、他のネットワーク装置から、サーバ側汎用機能部から要求されたファイルデータを取得する。サーバ側特定機能部とクライアント側特定機能部との間は、ネットワーク装置内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。
【0017】
実施形態では、サーバ側特定機能部及びクライアント側特定機能部が1つのネットワーク装置内に設けられており、サーバ側特定機能部とクライアント側特定機能部との間は、ネットワーク装置内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。また、サーバ側汎用機能部は、サーバ側特定機能部及びクライアント側特定機能部を経由して、クライアント側汎用機能部に対して、ファイルデータの取得を要求する。従って、他のネットワーク装置が特定のファイル共有機能に対応していない場合であっても、他のネットワーク装置からファイルデータを取得することができる。
【0018】
なお、特定のファイル共有機能は、例えば、“Gfarm”などである。また、汎用のファイル共有機能は、例えば、“SAMBA”などである。
【0019】
ここで、特定のファイル共有機能又は汎用のファイル共有機能によって共有されるファイルデータの実アドレスは、前記ネットワーク装置内で用いるローカルアドレスと対応付けられている。
【0020】
また、特定のファイル共有機能又は汎用のファイル共有機能によって共有されるファイルデータは、複数の他のネットワーク装置に断片化して記憶されてもよい。このような場合には、複数の他のネットワーク装置に断片化して記憶されたファイルデータの実アドレス(複数の実アドレス)は、ネットワーク装置内で用いるローカルアドレス(1つの実アドレス)と対応付けられている。
【0021】
[第1実施形態]
(ネットワークの構成)
以下において、第1実施形態に係るネットワークの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【0022】
図1に示すように、ネットワークは、クライアント端末10と、サーバ端末20と、分散サーバ端末30(分散サーバ端末30A〜分散サーバ端末30C)とを有する。
【0023】
クライアント端末10は、パーソナルコンピュータなどの端末である。クライアント端末10は、サーバ端末20と接続されている。クライアント端末10とサーバ端末20との間では、例えば、SMB(Server Message Block)やCIFS(Common Internet File System)などの通信プロトコルが用いられる。
【0024】
クライアント端末10は、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側汎用機能部を有する。汎用のファイル共有機能は、汎用的に用いられるファイル共有機能であり、例えば、“SAMBA”などである。
【0025】
サーバ端末20は、NAS(Network Attached Storage)などの端末であり、ネットワーク装置の一例である。サーバ端末20は、複数の分散サーバ端末30と接続されている。サーバ端末20と各分散サーバ端末30との間では、例えば、SMBやCIFSなどの通信プロトコルが用いられる。なお、サーバ端末20の詳細については後述する(図2を参照)。
【0026】
分散サーバ端末30は、NAS(Network Attached Storage)などの端末であり、他のネットワーク装置の一例である。例えば、分散サーバ端末30Aは、特定のファイル共有機能に対応している。一方で、分散サーバ端末30B及び分散サーバ端末30Cは、特定のファイル共有機能に対応しておらず、汎用のファイル共有機能のみに対応している。なお、特定のファイル共有機能は、例えば、“Gfarm”などである。
【0027】
このように、第1実施形態では、特定のファイル共有機能に対応している分散サーバ端末30及び特定のファイル共有機能に対応していない分散サーバ端末30が混在している。
【0028】
(サーバ端末の構成)
以下において、第1実施形態に係るサーバ端末の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係るサーバ端末20の構成を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、サーバ端末20は、物理層機能部21と、クライアント側汎用機能部22と、クライアント側特定機能部23と、サーバ側特定機能部24と、サーバ側汎用機能部25と、ファイルシステム26と、データベース27とを有する。
【0030】
物理層機能部21は、物理層の処理を行う。具体的には、物理層機能部21は、クライアント端末10及び分散サーバ端末30と通信を行う。
【0031】
クライアント側汎用機能部22は、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有する。具体的には、クライアント側汎用機能部22は、汎用のファイル共有機能に従って、汎用のファイル共有機能に対応する他のネットワーク装置(第1実施形態では、分散サーバ端末30B、分散サーバ端末30C)からファイルデータを取得する。
【0032】
クライアント側特定機能部23は、特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有する。具体的には、クライアント側特定機能部23は、特定のファイル共有機能に従って、特定のファイル共有機能に対応する他のネットワーク装置(第1実施形態では、分散サーバ端末30A)からファイルデータを取得する。
【0033】
サーバ側特定機能部24は、特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有する。具体的には、サーバ側特定機能部24は、特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータの仮想的なディレクトリ階層のメタデータを管理する。また、サーバ側特定機能部24は、特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータの実アドレスのメタデータを管理する。なお、サーバ側特定機能部24は、特定のファイル共有機能に対応する他のネットワーク装置(第1実施形態では、分散サーバ端末30A)で管理されるファイルデータの所在も管理することに留意すべきである。
【0034】
サーバ側汎用機能部25は、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有する。具体的には、サーバ側汎用機能部25は、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータの仮想的なディレクトリ階層のメタデータを管理する。また、サーバ側汎用機能部25は、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータの実アドレスのメタデータを管理する。なお、サーバ側汎用機能部25は、汎用のファイル共有機能に対応する他のネットワーク装置(第1実施形態では、分散サーバ端末30B、分散サーバ端末30C)で管理されるファイルデータの所在も管理することに留意すべきである。
【0035】
ファイルシステム26は、データベース27に格納されるファイルデータを管理する。具体的には、ファイルシステム26は、クライアント側汎用機能部22(或いはクライアント側特定機能部23)からの要求に応じて、データベース27に格納されるファイルデータをクライアント側汎用機能部22(或いはクライアント側特定機能部23)に提供する。
【0036】
データベース27は、ファイルデータを格納する。
【0037】
第1実施形態では、クライアント側特定機能部23とサーバ側特定機能部24との間は、サーバ端末20内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。具体的には、クライアント側特定機能部23及びサーバ側特定機能部24には、サーバ端末20内で用いる仮想的なネットワークアドレスが割当てられる。
【0038】
(ファイルデータの第1取得例)
以下において、第1実施形態に係るファイルデータの第1取得例について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係るファイルデータの第1取得例を説明するための図である。詳細には、第1取得例では、特定のファイル共有機能に対応していない分散サーバ端末30(分散サーバ端末30B、分散サーバ端末30C)からファイルデータをクライアント端末10が取得するケースについて説明する。
【0039】
図3に示すように、クライアント端末10は、物理層機能部11と、クライアント側汎用機能部12と、上位層機能部13とを有する。また、分散サーバ端末30は、物理層機能部31と、サーバ側汎用機能部32と、ファイルシステム33とを有する。
【0040】
なお、物理層機能部11及び物理層機能部31の機能は、物理層機能部21と同様であるため、物理層機能部11及び物理層機能部31の説明については省略する。クライアント側汎用機能部12の機能は、クライアント側汎用機能部22と同様であるため、クライアント側汎用機能部12の説明については省略する。サーバ側汎用機能部32の機能は、サーバ側汎用機能部25と同様であるため、サーバ側汎用機能部32の詳細については省略する。ファイルシステム33の機能は、ファイルシステム26と同様であるため、ファイルシステム33の説明については省略する。上位層機能部13は、クライアント端末10で動作するアプリケーションなどを制御する。
【0041】
(1−1)クライアント側汎用機能部12は、サーバ側汎用機能部25に対して、ファイルデータを要求する。例えば、クライアント側汎用機能部12は、ファイルデータのファイル名を指定して、ファイルデータを要求する。
【0042】
(1−2)サーバ側汎用機能部25は、仮想的なディレクトリ階層のメタデータを参照して、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータが特定のファイル共有機能に対応していない分散サーバ端末30に格納されているか否かを判定する。なお、ここでは、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータが特定のファイル共有機能に対応していない分散サーバ端末30に格納されているケースについて説明する。
【0043】
(1−3)サーバ側汎用機能部25は、サーバ側特定機能部24及びクライアント側特定機能部23を経由して、クライアント側汎用機能部22に対して、ファイルデータの取得を要求する。なお、上述したように、クライアント側特定機能部23とサーバ側特定機能部24との間には、サーバ端末20内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。
【0044】
(1−4)クライアント側汎用機能部22は、サーバ側汎用機能部32に対して、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータを要求する。
【0045】
(1−5)サーバ側汎用機能部32は、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータをファイルシステム33から取得して、クライアント側汎用機能部22に対して、ファイルシステム33から取得したファイルデータを提供する。
【0046】
(1−6)クライアント側汎用機能部22は、サーバ側汎用機能部25を経由して、クライアント側汎用機能部12に対して、サーバ側汎用機能部32から取得したファイルデータを提供する。
【0047】
なお、第1取得例では特に触れていないが、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータがデータベース27に格納されている場合には、サーバ側汎用機能部25は、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータをファイルシステム26(データベース27)から取得して、クライアント側汎用機能部12に対して、ファイルシステム26(データベース27)から取得したファイルデータを提供する。
【0048】
(ファイルデータの第2取得例)
以下において、第1実施形態に係るファイルデータの第2取得例について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係るファイルデータの第2取得例を説明するための図である。詳細には、第2取得例では、特定のファイル共有機能に対応している分散サーバ端末30(分散サーバ端末30A)からファイルデータをクライアント端末10が取得するケースについて説明する。
【0049】
図4に示すように、クライアント端末10は、図3と同様の構成を有する。また、分散サーバ端末30は、図3に示す構成と比べて、サーバ側汎用機能部32に代えて、サーバ側特定機能部34を有する。
【0050】
なお、サーバ側特定機能部34の機能は、サーバ側特定機能部24と同様であるため、サーバ側特定機能部34の詳細については省略する。
【0051】
(2−1)クライアント側汎用機能部12は、サーバ側汎用機能部25に対して、ファイルデータを要求する。例えば、クライアント側汎用機能部12は、ファイルデータのファイル名を指定して、ファイルデータを要求する。
【0052】
(2−2)サーバ側汎用機能部25は、仮想的なディレクトリ階層のメタデータを参照して、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータが特定のファイル共有機能に対応していない分散サーバ端末30に格納されているか否かを判定する。なお、ここでは、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータが特定のファイル共有機能に対応していない分散サーバ端末30に格納されていないケースについて説明する。
【0053】
(2−3)サーバ側汎用機能部25は、サーバ側特定機能部24に対して、ファイルデータの所在を問い合わせる。
【0054】
(2−4)サーバ側特定機能部24は、クライアント側特定機能部23に対して、ファイルデータの取得を要求する。なお、上述したように、クライアント側特定機能部23とサーバ側特定機能部24との間には、サーバ端末20内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。
【0055】
(2−5)クライアント側特定機能部23は、サーバ側特定機能部34に対して、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータを要求する。
【0056】
(2−6)サーバ側特定機能部34は、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータをファイルシステム33から取得して、クライアント側特定機能部23に対して、ファイルシステム33から取得したファイルデータを提供する。
【0057】
(2−7)クライアント側特定機能部23は、サーバ側汎用機能部25を経由して、クライアント側汎用機能部12に対して、サーバ側特定機能部34から取得したファイルデータを提供する。
【0058】
なお、第2取得例では特に触れていないが、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータがデータベース27に格納されている場合には、サーバ側汎用機能部25は、クライアント側汎用機能部12から要求されたファイルデータをファイルシステム26(データベース27)から取得して、クライアント側汎用機能部12に対して、ファイルシステム26(データベース27)から取得したファイルデータを提供する。
【0059】
(作用及び効果)
第1実施形態では、クライアント側特定機能部23及びサーバ側特定機能部24が1つのサーバ端末20内に設けられており、クライアント側特定機能部23とサーバ側特定機能部24との間は、サーバ端末20内に構成される仮想的なネットワークによって接続される。また、サーバ側汎用機能部25は、サーバ側特定機能部24及びクライアント側特定機能部23を経由して、クライアント側汎用機能部22に対して、ファイルデータの取得を要求する。従って、他のネットワーク装置(分散サーバ端末30)が特定のファイル共有機能に対応していない場合であっても、他のネットワーク装置(分散サーバ端末30)からファイルデータを取得することができる。
【0060】
詳細には、他のネットワーク装置(分散サーバ端末30)が特定のファイル共有機能に対応していない場合には、サーバ側汎用機能部25は、サーバ側特定機能部24及びクライアント側特定機能部23を経由して、クライアント側汎用機能部22に対して、ファイルデータの取得を要求する。これによって、汎用のファイル共有機能にのみ対応している他のネットワーク装置(分散サーバ端末30B、分散サーバ端末30C)からファイルデータを取得することができる。
【0061】
一方で、他のネットワーク装置(分散サーバ端末30)が特定のファイル共有機能に対応している場合には、サーバ側汎用機能部25は、サーバ側特定機能部24に対して、ファイルデータの所在を問い合わせる。これによって、特定のファイル共有機能に対応している他のネットワーク装置(分散サーバ端末30A)からもファイルデータを取得することができる。
【0062】
[実施例1]
以下において、第1実施形態の実施例1について説明する。実施例1では、なお、特定のファイル共有機能が“Gfarm”であるケースを例示して、第1実施形態の運用例について説明する。また、サーバ端末の一例として、NAS(Network Attached Storage)を例に挙げて説明する。
【0063】
具体的には、図5に示すように、ネットワーク通信システムは、クライアント端末10と、NAS100と、NAS200と、NAS300とを有する。NAS100は、Gfarmに対応する装置であり、上述したサーバ端末20と対応する。NAS200及びNAS300は、Gfarmに対応していない装置であり、上述した分散サーバ端末30と対応する。
【0064】
実施例1では、このようなネットワークにおいて、Gfarmネットワークを構築する。なお、NAS200及びNAS300は、Gfarmに対応していないが、NAS100(サーバ端末20)の機能によって、Gfarmネットワークに参加することが可能である。言い換えると、NAS100はGfarmサーバとして機能し、NAS200及びNAS300は、Gfarmクライアントとして機能する。
【0065】
例えば、ユーザは、図6に示す設定画面を用いて、NAS200又はNAS300がGfarmネットワークに参加するか否かを設定することが可能である。図6に示すように、設定画面には、“Yes”及び“No”のチェックボックスが設けられる。“Yes”がチェックされた場合には、NAS200又はNAS300がGfarmネットワークに参加する。一方で、“No”がチェックされた場合には、NAS200又はNAS300がGfarmネットワークに参加しない。
【0066】
なお、ユーザは、NAS200又はNAS300にアクセス可能な端末を用いて、NAS200又はNAS300がGfarmネットワークに参加するか否かを設定する。ユーザは、クライアント端末10を用いて、NAS200又はNAS300がGfarmネットワークに参加するか否かを設定してもよい。
【0067】
実施例1では、ユーザは、NAS200がGfarmネットワークに参加するように設定し、NAS300がGfarmネットワークに参加しないように設定する。すなわち、NAS100及びNAS200によってGfarmネットワークが構成される。
【0068】
但し、Gfarmサーバに対して、Gfarmネットワークに参加するGfirmクライアント(例えば、NASなど)を予め登録可能であってもよい。
【0069】
ここで、クライアント端末10は、NAS100(サーバ端末20)を介して、NAS200にアクセスすることができる。クライアント端末10は、Gfarmネットワークのディレクトリ構成として、図7に示すディレクトリ構成を取得する。
【0070】
図7に示すように、ローカルドライブEに対して、フォルダa〜フォルダcが対応付けられている。フォルダaには、フォルダa1及びフォルダa2が対応付けられている。フォルダbには、フォルダb1〜フォルダb3が対応付けられている。フォルダcには、フォルダc1及びフォルダc2が対応付けられている。
【0071】
このようなディレクトリ構成において、例えば、フォルダa1、フォルダa2、フォルダb1、フォルダb2及びフォルダb3に格納されるファイルの実体は、NAS100に格納される。一方で、フォルダc1及びフォルダc2に格納されるファイルの実体は、NAS200に格納される。
【0072】
このように、NAS100及びNAS200の記憶領域は、NAS100及びNAS200を区別することなく、1つの記憶領域(ここでは、ローカルドライブE)として管理される。NAS100及びNAS200の記憶領域は、統合された1つの記憶領域(ここでは、ローカルドライブE)としてユーザから認識される。
【0073】
また、NAS100及びNAS200の記憶領域の一部が統合された1つの記憶領域(ここでは、ローカルドライブE)として管理されてもよい。
【0074】
ここで、フォルダa1、フォルダa2、フォルダb1、フォルダb2、フォルダb3、フォルダc1及びフォルダc2に格納されるファイルの実アドレスは、サーバ端末20(例えば、ローカルドライブE)内で用いるローカルアドレスと対応付けられている。
【0075】
また、フォルダa1、フォルダa2、フォルダb1、フォルダb2、フォルダb3、フォルダc1及びフォルダc2に格納されるファイルの実体は、NAS100及びNAS200に断片化して記憶されてもよい。例えば、フォルダa1に格納されるファイルの実体は、NAS100及びNAS200に断片化して記憶される。このようなケースでは、複数の実アドレスが1つのローカルアドレスと対応付けられる。
【0076】
このような結果、図8に示すように、クライアント端末10のユーザは、NAS100及びNAS200を特に区別することなく、NAS100の記憶領域(例えば、1Tバイト)及びNAS200の記憶領域(例えば、2Tバイト)を、1つの記憶領域(1Tバイト+2Tバイト≒3Tバイト)として扱うことができる。言い換えると、クライアント端末10のユーザからは、ローカルドライブEの記憶容量が約3Tバイトであるように認識される。なお、Gramを用いるために必要な記憶容量を確保する必要があるため、ファイルの記憶容量は、NAS100及びNAS200の合計記憶容量よりも少し減少することに留意すべきである。
【0077】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0078】
上述した実施形態では、ネットワーク装置の一例としてサーバ端末20を例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、ネットワーク装置は、パーソナルコンピュータなどの端末であってもよい。或いは、ネットワーク装置は、ハードディスクなどのデータベースを有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…クライアント端末、11…物理層機能部、12…クライアント側汎用機能部、13…上位層機能部、20…サーバ端末、21…物理層機能部、22…クライアント側汎用機能部、23…クライアント側特定機能部、24…サーバ側特定機能部、25…サーバ側汎用機能部、26…ファイルシステム、27…データベース、30…分散サーバ端末、31…物理層機能部、32…サーバ側汎用機能部、33…ファイルシステム、34…サーバ側特定機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有するサーバ側特定機能部と、前記特定のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側特定機能部と、汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータの所在を管理する機能を有するサーバ側汎用機能部と、前記汎用のファイル共有機能に従って、ファイルデータを取得する機能を有するクライアント側汎用機能部とを備えたネットワーク装置であって、
前記サーバ側汎用機能部は、前記サーバ側特定機能部及び前記クライアント側特定機能部を経由して、前記クライアント側汎用機能部に対して、ファイルデータの取得を要求し、
前記クライアント側汎用機能部は、他のネットワーク装置から、前記サーバ側汎用機能部から要求されたファイルデータを取得し、
前記サーバ側特定機能部と前記クライアント側特定機能部との間は、前記ネットワーク装置内に構成される仮想的なネットワークによって接続されることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記サーバ側特定機能部及び前記クライアント側特定機能部には、前記仮想的なネットワークを構築するために、前記ネットワーク装置内で用いる仮想的なネットワークアドレスが割当てられることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記サーバ側汎用機能部は、前記他のネットワーク装置が前記特定のファイル共有機能に対応していない場合に、前記サーバ側特定機能部及び前記クライアント側特定機能部を経由して、前記クライアント側汎用機能部に対して、ファイルデータの取得を要求することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記サーバ側汎用機能部は、前記他のネットワーク装置が前記特定のファイル共有機能に対応している場合に、前記サーバ側特定機能部に対して、ファイルデータの所在を問い合わせ、
前記サーバ側特定機能部は、前記クライアント側特定機能部に対して、前記サーバ側汎用機能部から要求されたファイルデータの取得を要求し、
前記クライアント側特定機能部は、前記他のネットワーク装置から、前記サーバ側汎用機能部から要求されたファイルデータを取得することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記特定のファイル共有機能又は前記汎用のファイル共有機能によって共有されるファイルデータは、複数の他のネットワーク装置に断片化して記憶されており、
前記複数の他のネットワーク装置に断片化して記憶されたファイルデータの実アドレスは、前記ネットワーク装置内で用いるローカルアドレスと対応付けられていることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−160024(P2012−160024A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19252(P2011−19252)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】