説明

ネット利用宅配認証システム

【課題】宅配システムに関し、特にセキュリティを高めるにあたって、住宅に来訪する宅配業者を確認するネット利用宅配認証システムを提供する
【解決手段】Webサーバ1と、少なくとも物流拠点サーバ又は配達者端末のIPアドレスを蓄積する物流拠点サーバ3と、配達予定日時を含んだ未配達物情報を蓄積する宅配管理サーバ4を備え、複数の物流拠点サーバ7及び配達者端末8と情報送信可能に接続してなるネット利用宅配認証システムであって、Webサーバ1が配達依頼情報とパスワードを受信すると、受信した前記配達依頼情報をもとに担当物流拠点サーバ7若しくは担当配達者端末8又は両者のIPアドレスを物流拠点サーバ7に抽出させ、抽出されたIPアドレス宛に前記配達依頼情報ならびに前記パスワードを送信する機能を備えたネット利用宅配認証システム

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、宅配システムに関し、特にセキュリティを高めるにあたって、住宅に来訪する宅配業者を確認するネット利用宅配認証システムに関するものである。
【従来技術】
【0002】
従来、宅配を利用するために送り主が宅配取扱店または宅配業者の営業所などに荷物を持ち込むことによって、あるいは、電話等により申し込みをして引き取りに来てもらうことによって送り先への配達依頼をしていた。そして、業者がトラックや船舶、航空機などにより送り先に配達配送し、手渡し、あるいは、宅配ボックスなどによる間接的な引渡しを行なっていた。
また下記の特開2003−135254の通り、住宅において宅配業者を識別するIDカードや電子キーなどの媒体の情報を読み取る手段と、受付荷物を識別できるバーコードや記号・符号などの番号もしくは情報を読み取る手段と、前記各々の読み取った情報を合致するかどうかを照合する手段を有し、照合された結果に応じて住宅の入り口に設置されている電子錠の開閉を制御したり、照合結果を通報する手段とを有したシステムという先行技術が存在する。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【特許文献】特開2003−135254 宅配システム及びその方法
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記の従来技術においては、仮に来訪した人物が宅配業者と偽っていた場合は、応対した人間や他の人間に何らかの危害が加えられる可能性が存在する。現に宅配業者と偽った者による家宅侵入や殺傷事件が近年多発している。
一方で、特開2003−135254の先行技術については、住宅においては宅配業者を識別するIDカードや電子キーなどの媒体の情報を読み取る手段と、受付荷物を識別できるバーコードや記号・符号などの番号もしくは情報を読み取る手段を具備する必要があり、宅配業者においても宅配業者を識別するIDカードや電子キーなどの媒体の運用と、受付荷物を識別できるバーコードや記号・符号などの番号もしくは情報を付与する手段を備える必要があり、両者ともに大きな投資コストを必要とするため実用化ならびに普及が困難という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための第一考案は、Webサーバと、少なくとも物流拠点サーバ又は配達者端末のIPアドレスと担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する物流拠点サーバと、配達予定日時を含んだ未配達物情報を蓄積する宅配管理サーバと、顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末のIPアドレスなどの顧客情報と担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する顧客情報データベースとを備え、複数の物流拠点サーバ及び配達者端末と情報送信可能に接続してなるネット利用宅配認証システムであって、Webサーバから顧客端末に対してインターネットを介して前記配達予定日時と前記パスワードを送信し、顧客端末から返信される配達予定日時を含む配達依頼情報とパスワードをWebサーバが受信すると、受信した配達依頼情報内のいずれかの顧客情報に関連付けられている担当地域識別情報を顧客情報データベースに抽出させ、抽出された担当地域識別情報に関連付けられた担当物流拠点サーバ若しくは担当配達者端末又は両者のIPアドレスを物流拠点サーバに抽出させ、抽出されたIPアドレス宛に前記配達依頼情報と前記パスワードを送信する機能を備えたネット利用宅配認証システム。
【0006】
上記の課題を解決するための第二考案は、顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末のIPアドレスなどの顧客情報と担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する顧客情報データベースを備え、顧客端末から返信されるパスワードと顧客情報データベースに蓄積されたパスワードを照合し、一致しない場合には顧客端末から返信されるパスワードを顧客情報データベースに記録するWebサーバを備えたネット利用宅配認証システム。
【0007】
上記の課題を解決するための第三考案は、配達予定日時を含んだ未配達物情報を蓄積する宅配管理サーバを備え、顧客端末から返信される配達依頼情報に含まれる配達依頼日時と宅配管理サーバの配達予定日時を照合し、一致しない場合には顧客端末から返信される配達依頼日時を宅配管理サーバに記録するWebサーバを備えたネット利用宅配認証システム。
【発明の効果】
【0008】
第一、第二又は第三考案によれば、Webサーバが顧客端末からの配達依頼情報とパスワードを受信すると、前記配達依頼情報内のいずれかの顧客情報に関連付けられている担当地域識別情報を顧客情報データベースに抽出させ、抽出された担当地域識別情報に関連付けられた担当物流拠点サーバ若しくは担当配達者端末又は両者のIPアドレスを物流拠点サーバに抽出させ、抽出されたIPアドレス宛に前記配達依頼情報と前記パスワードを送信するため、担当配達者が顧客の住宅に配達を行った際に、担当配達者端末上に表示された顧客が指定する前記パスワードをインターホンもしくはドア越しに読み上げることにより、顧客が宅配業者の識別を行うことが可能となり、安全な配達物の受渡しが可能となる。住宅において新規の投資は不要であり、宅配業者においても既存の会員登録システムならびに配達者端末を流用できるため、大きな投資が不要で実現ならびに普及が容易となる。
また、パスワードは顧客自身が指定するため、宅配業者が一方的にパスワードを設定する手法に比べて顧客がパスワードを覚えやすく、配達物の受け渡し時に顧客側の手間を軽減できる。さらにパスワードを毎配達時に変更することができるので、読み上げられるパスワードを盗み聞きされて悪用されるケースを防止することができ、高いセキュリティ性を確保することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この考案の一実施形態を示すもので、ネット利用宅配認証システムを実現するためのシステム構成の一例を示した図である
【図2】この考案の一実施形態を示すもので、ネット利用宅配認証システムにおける顧客の顧客端末11における操作遷移構造を示した図である
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記の課題を解決するために、Webサーバと、少なくとも物流拠点サーバ又は配達者端末のIPアドレスと担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する物流拠点サーバと、配達予定日時を含んだ未配達物情報を蓄積する宅配管理サーバと、顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末のIPアドレスなどの顧客情報と担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する顧客情報データベースとを備え、複数の物流拠点サーバ及び配達者端末と情報送信可能に接続してなるネット利用宅配認証システムであって、Webサーバから顧客端末に対してインターネットを介して前記配達予定日時と前記パスワードを送信し、顧客端末から返信される配達予定日時を含む配達依頼情報とパスワードをWebサーバが受信すると、受信した配達依頼情報内のいずれかの顧客情報に関連付けられている担当地域識別情報を顧客情報データベースに抽出させ、抽出された担当地域識別情報に関連付けられた担当物流拠点サーバ若しくは担当配達者端末又は両者のIPアドレスを物流拠点サーバに抽出させ、抽出されたIPアドレス宛に前記配達依頼情報と前記パスワードを送信する機能を備えたネット利用宅配認証システムを提供する。
【0011】
上記のネット利用宅配認証システムとしては、顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末のIPアドレスなどの顧客情報と担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する顧客情報データベースを備え、顧客端末から返信されるパスワードと顧客情報データベースに蓄積されたパスワードを照合し、一致しない場合には顧客端末から返信されるパスワードを顧客情報データベースに記録するWebサーバを備えたネット利用宅配認証システムとして構成することができる。
【0012】
上記のネット利用宅配認証システムとしては、配達予定日時を含んだ未配達物情報を蓄積する宅配管理サーバを備え、顧客端末から返信される配達依頼情報に含まれる配達依頼日時と宅配管理サーバの配達予定日時を照合し、一致しない場合には顧客端末から返信される配達依頼日時を宅配管理サーバに記録するWebサーバを備えたネット利用宅配認証システムとして構成することができる。
以下、本考案の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1はこのネット利用宅配認証システムを実現するためのシステム構成の一例を示した図であり、Webサーバ1と、顧客情報データベースサーバ(以下「顧客情報DB」という)2と、物流拠点サーバ3と、宅配管理サーバ4と、メールサーバ5と、ネットワーク6を介してメールサーバ5に接続する複数の物流拠点サーバ7と配達者端末8から構成され、インターネット10を介して本システムを利用する顧客の顧客端末11と接続している。なお、上記サーバの実体はいずれもプログラムであり、1台若しくは複数台のコンピュータに格納されている。
【0014】
Webサーバ1は、配達予定日時通知手段、パスワード通知手段、配達日時変更依頼受付手段、パスワード変更依頼受付手段を備えるとともに、顧客端末11とのインターフェースとしてWeb上に配達予定日時とパスワードの通知ならびに変更依頼受付を表示するWebサイトを開設している。
【0015】
配達予定日時通知手段は、宅配管理サーバ4から配達予定日時を含んだ未配達物情報を取得し、通知規定時間が到来するとパスワード通知手段は顧客情報DB2から顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末11のIPアドレスを取得し、配達予定日時通知手段ならびにパスワード通知手段はそれぞれ配送予定日時とパスワードをインターネット10を介して顧客端末11にメールやWebサイトなどで通知する。なお、この場合の通知規定時間は配送予定日時の前の任意の時間を設定することができ、例えば配送予定日時の1時間前である。
【0016】
Webサーバ1は、配達依頼日時や顧客端末11のIPアドレスを含む配達依頼情報とパスワードを顧客端末11から受信すると、受信した配達依頼情報内のいずれかの顧客情報に関連付けられている担当地域識別情報を顧客情報DB2に抽出させ、抽出された担当地域識別情報に関連付けられた担当物流拠点サーバ7若しくは担当配達者端末8又は両者のIPアドレスを物流拠点サーバ3に抽出させ、抽出されたIPアドレス宛に前記配達依頼情報と前記パスワードを送信する。
【0017】
配達日時変更依頼受付手段は、顧客端末11から返信される配達依頼情報に含まれる配達依頼日時と、宅配管理サーバ4の配達予定日時を照合し、一致しない場合には顧客端末11から返信される配達依頼日時を宅配管理サーバ4に記録する。
【0018】
パスワード変更依頼受付手段は、顧客端末11から返信されるパスワードと顧客情報DB2に蓄積されたパスワードを照合し、一致しない場合には顧客端末11から返信されるパスワードを顧客情報DB2に記録する。
【0019】
メールサーバ5は、少なくとも通常のメールサーバの機能を備えており、ネットワーク6に接続されたWebサーバ1、顧客情報DB2、物流拠点サーバ3、宅配管理サーバ4のインターフェースとして機能し、メールサーバ5からネットワーク6を介して配達者端末8に直接送受信することができる機能を備えている。
【0020】
ネットワーク6は、インターネットであっても専用回線網であってもよい。
【0021】
配達者端末8は、配達者が携帯したり、配達車に設置された端末であり、メールサーバ5及び物流拠点サーバ7と無線もしくは有線で信号を送受信できる機能を備えている。
【0022】
顧客端末11はインターネット10に接続されている全ての端末を含み、端末の種類はコンピュータであっても携帯電話などの携帯端末であってもよい。
【0023】
図2はこのネット利用宅配認証システムを実現するための顧客の顧客端末11における操作遷移構造を示した図であり、まず配達予定日時通知手段は宅配管理サーバ4から配達予定日時を取得し、配達予定日時が表示されるWebサイト情報を顧客端末11に送信し、顧客は顧客端末11において配達予定日時を閲覧した上で了承の可否を入力する(ステップ1−1)。了承操作された場合は宅配管理サーバ4に記録されている配達予定日時に修正を加えず顧客端末11からWebサーバ1に対して配達予定日時を送信する。拒否操作された場合は(ステップ1−2)に遷移する。
【0024】
顧客が配達予定日時通知手段から送信されてきた宅配管理サーバ4に記録されている配達予定日時を拒否操作した場合には、希望する配達依頼日時の入力選択Webサイトに遷移し、顧客端末11からWebサーバ1に対して入力された配達依頼日時を送信する(ステップ1−2)
【0025】
パスワード通知手段は顧客情報DB2から顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末11のIPアドレスを取得し、パスワードが表示されるWebサイト情報を顧客端末11に送信し、顧客は顧客端末11においてパスワードを閲覧した上で了承の可否を入力する(ステップ1−3)。了承操作された場合は顧客情報DB2に記録されているパスワードに修正を加えず顧客端末11からWebサーバ1に対してパスワードを送信する。拒否操作された場合は(ステップ1−4)に遷移する。
【0026】
顧客がパスワード通知手段から送信されてきた顧客情報DB2に記録されているパスワードを拒否操作した場合には、希望するパスワードの入力選択Webサイトに遷移し、顧客端末11からWebサーバ1に対して入力されたパスワードを送信する(ステップ1−4)
【符号の説明】
【0027】
1 Webサーバ1
2 顧客情報DB2
3 物流拠点サーバ3
4 宅配管理サーバ4
5 メールサーバ5
6 ネットワーク6
7 物流拠点サーバ7
8 配達者端末8
10 インターネット
11 顧客端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webサーバと、少なくとも物流拠点サーバ又は配達者端末のIPアドレスと担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する物流拠点サーバと、配達予定日時を含んだ未配達物情報を蓄積する宅配管理サーバと、顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末のIPアドレスなどの顧客情報と担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する顧客情報データベースとを備え、複数の物流拠点サーバ及び配達者端末と情報送信可能に接続してなるネット利用宅配認証システムであって、Webサーバから顧客端末に対してインターネットを介して前記配達予定日時と前記パスワードを送信し、顧客端末から返信される配達予定日時を含む配達依頼情報とパスワードをWebサーバが受信すると、受信した配達依頼情報内のいずれかの顧客情報に関連付けられている担当地域識別情報を顧客情報データベースに抽出させ、抽出された担当地域識別情報に関連付けられた担当物流拠点サーバ若しくは担当配達者端末又は両者のIPアドレスを物流拠点サーバに抽出させ、抽出されたIPアドレス宛に前記配達依頼情報と前記パスワードを送信する機能を備えたネット利用宅配認証システム。
【請求項2】
顧客の電話番号、配達先住所、届け先住所、パスワードや顧客端末のIPアドレスなどの顧客情報と担当地域識別情報とを関連付けて蓄積する顧客情報データベースを備え、顧客端末から返信されるパスワードと顧客情報データベースに蓄積されたパスワードを照合し、一致しない場合には顧客端末から返信されるパスワードを顧客情報データベースに記録するWebサーバを備えた請求項1に記載のネット利用宅配認証システム。
【請求項3】
配達予定日時を含んだ未配達物情報を蓄積する宅配管理サーバを備え、顧客端末から返信される配達依頼情報に含まれる配達依頼日時と宅配管理サーバの配達予定日時を照合し、一致しない場合には顧客端末から返信される配達依頼日時を宅配管理サーバに記録するWebサーバを備えた請求項1あるいは2に記載のネット利用宅配認証システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−158468(P2012−158468A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31370(P2011−31370)
【出願日】平成23年1月30日(2011.1.30)
【出願人】(510268071)