説明

ネブライザ

本発明は、特に医学的エーロゾル治療のために用いられる流体(2)のアトマイザ(1)に関する。アトマイザの使用を単純化するために、アトマイザは、マウスピース(13)に設けられた空気開口部(15)を閉鎖できるように弁装置(24)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載されたネブライザ及びネブライザ又は他の吸入器用のマウスピースに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の出発点は、国際公開第91/14468号パンフレットに原理が示され、特に国際公開第97/12687号パンフレット(図6A及び図6B)並びに本願の図面の図1及び図2に示された吸入器の形態をしている“Respimat”という名称で市販されているネブライザである。このネブライザは、霧化されるべき流体のリザーバとして、流体の入った挿入可能な容器を有すると共に流体を運搬して霧化するための駆動ばねを備えた圧力発生器を有している。
【0003】
本願の開示内容を完全にするため、念のため、国際公開第91/14468号パンフレットと国際公開第97/12687号パンフレットの両方の開示内容全体を参照されたい。一般に、これら特許文献の開示内容は好ましくは、流体に加わるばね圧力が5ないし60MPa、好ましくは10ないし50MPa、1回の作動で送りだされる容積が10ないし50μl、好ましくは10ないし50μl、最も好ましくは約15μlのネブライザに関する。流体は、エーロゾルの状態に変えられ、エーロゾルの液滴は、最高20μmまで、好ましくは3ないし10μmの空力学的直径を有する。さらに、これら特許文献の開示内容は好ましくは、長さが約9cmないし約15cm、幅が約2cmないし約5cmの円筒形の形をしていて、ノズルスプレー広がりが20°ないし160°、好ましくは80°ないし100°のネブライザに関する。これらの量は、特に好ましい値として本発明のネブライザにも適用される。
【0004】
ネブライザの下側ハウジング部分の形態をした作動部材を回転させることにより、駆動ばねを緊張させることができ、流体を圧力発生器の圧力チャンバ内へ吸い上げることができる。ロック要素の手動作動後、圧力チャンバ内の流体は、駆動ばねにより加圧され、推進ガス等を用いないで、ノズルを通ってマウスピース内へ追い出されてエーロゾルを形成する。エーロゾル雲の速度は、非常に遅く、その結果、エーロゾルの雲は、マウスピース内で事実上静止状態である。次に、ユーザは、結果的に得られたエーロゾルをできるだけ長く、例えば10秒以上かけてゆっくりと吸入しなければならない。マウスピースは、少なくとも1つの空気供給開口部を有し、ユーザは、吸入時に、かかる空気供給開口部を通って、生じたエーロゾルと一緒に大気から空気を吸い込む。これにより、吸入に必要な供給空気及びエーロゾルの空気流が作られるようになると共に吸入プロセスに必要なエーロゾルの量が有効量になる。
【0005】
【特許文献1】国際公開第91/14468号パンフレット
【特許文献2】国際公開第97/12687号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ユーザがネブライザの動作と自分の吸息を協調させることに問題がある場合でもエーロゾルを安全に吸息し又は吸入することができるように動作上の安全性が向上したネブライザ及びマウスピースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、請求項1記載のネブライザ又は請求項28記載のマウスピースによって解決される。
【0008】
別の特徴は、従属形式の請求項に記載されている。
【0009】
本発明の基本的な思想は、ネブライザ又はマウスピースが、1又は複数個の空気供給開口部を通る逆流、即ち、噴出を阻止することができるよう1又は複数個の空気供給開口部と関連した弁装置を有することにある。かくして、ユーザによる呼息の結果として、マウスピースから1又は複数個の空気供給開口部を通って環境中へ出る霧化流体又はエーロゾルの望ましくない放出が生じないようにする安価且つ有効な方法が提供される。
【0010】
提供された弁装置は好ましくは、ユーザがマウスピース内へ(知らず知らずに)呼息した場合に、ユーザに誤動作を指示してユーザに、将来ネブライザの使用時に呼息しかすべきでないことを知らせる過剰圧力が作られるようになる。
【0011】
さらに、ユーザが偶発的に早過ぎるタイミングで呼息した後、吸入を続行することができる。というのは、マウスピース内に依然として存在する霧化流体又はエーロゾルが引き続き吸息可能だからである。
【0012】
上述の解決策は、上述のRespimat型ネブライザ又は吸入器だけでなく、生じたエーロゾルが大気からの空気と共に空気供給開口部を備えたマウスピースを通って供給されてユーザに必要な吸入量を達成しなければならない任意の形式の吸入器にも当てはまる。好ましくは、本発明は、Respimat型の装置に用いられる。以下に詳細に説明する好ましいRespimat自体に加えて、特に、推進剤を用いず、活性物質を含む水性又はアルコール溶液を霧化するネブライザを用いることも可能である。しかしながら、本発明は、従来型推進剤により駆動されるネブライザ又は吸入器、特にいわゆるMDI(計量吸入器)及び他の吸入器にも利用できる。
【0013】
特に好ましい特徴によれば、弁装置は、弁装置の弁要素の開閉又は運動を検出する関連のセンサを有する。かくして、ネブライザの正しい使用、例えば、十分に長く且つ(或いは)強い吸入を検出することができる。ネブライザは好ましくは、適当なモニタ装置等を有する。
【0014】
特に好ましい別の特徴によれば、信号装置は、圧力発生器と同様、もっぱら機械的に、即ち電気、推進ガス等を用いないで動作する。
【0015】
本発明の別の利点、特徴、性質及び観点は、図面を参照して好ましい実施形態についての以下の説明を読むと明らかになろう。
【0016】
図において、同一の参照符号は、同一又は類似の部品について用いられ、対応の又は同等な性質及び利点は、たとえ説明を繰り返さないでも達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1及び図2は、流体2、特に、効果の高い医薬組成物又は薬剤等を霧化する公知のネブライザ1を非緊張状態(図1)及び緊張状態(図2)で概略的に示している。ネブライザは、特に、携帯用吸入器として構成され、好ましくは、推進ガスが無くても動作する。
【0018】
流体2、好ましくは液体、特に医薬組成物を霧化する場合、ユーザ(図示せず)により吸気され又は吸入できるエーロゾルが形成される。通常、吸入は、1日に少なくとも1回、特に1日に数回、好ましくは、設定された間隔で行われる。
【0019】
ネブライザ1は、流体2を収容した挿入可能な、好ましくは、交換可能な容器3を有し、この容器は、霧化される流体2のリザーバを形成している。好ましくは、容器3は、例えば100回分の投与ユニットを提供するのに十分な量の活性物質調合薬を含む或る量の流体2を収容する。国際公開第96/06011号パンフレットに開示されているような典型的な容器3は、約2ないし10mlの量を収容する。
【0020】
容器3は、実質的に円筒形又はカートリッジの形状を有しており、ネブライザ1をいったん開けると、容器をネブライザ内に下から挿入でき、所望ならば交換することができる。この容器は、好ましくは剛性構造のものであり、流体2は特に、容器3内の押し潰し可能な袋4内に保持される。
【0021】
ネブライザ1は、特にあらかじめ設定され、任意に調節可能な用量bの流体2を運搬して霧化する圧力発生器5を有している。圧力発生器5は、容器3のホルダ6と、手動で操作して解除できるロック要素8を備えた関連の駆動ばね7(一部しか示さず)と、逆止弁10を備えた運搬管9と、圧力チャンバ11と、マウスピース13の付近に設けられた放出ノズル12とを有している。容器3は、ホルダ6によってネブライザ1内に固定されていて、運搬管9が容器3内に浸漬されるようになっている。ホルダ6は、容器3を交換できるように構成されたものであるのがよい。
【0022】
駆動ばね7を軸方向に緊張させると、ホルダ6は、容器3及び運搬管9と共に図面において下方に移動し、流体2は、容器3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧力チャンバ11内に吸い込まれる。放出ノズル12が非常に狭い流れ断面を有し、特に毛管として構成されているので、逆止弁が設けられていなくてもこの時点で吸引力による空気の吸入又は取り込みを信頼性をもって阻止するような強力なスロットル作用が作られる。
【0023】
ロック要素8の作動後の弛緩中、圧力チャンバ11内の流体2は、今や閉鎖状態にある逆止弁10を備えた運搬管9を駆動ばね7の弛緩によって上方に戻され、今や圧力ラムとして働くと、加圧される。この圧力により、流体2は、放出ノズル12を通って押し出され、ここで霧化されてエーロゾル14になる。Respimat型の装置に関する粒子の液滴のサイズについては既に上述してある。
【0024】
ユーザ(図示せず)は、エーロゾル14を吸入することができ、その間、少なくとも1つの供給開口部15を通って供給空気をマウスピース13内に吸い込むことができる。
【0025】
ネブライザ1は、上側ハウジング部分16及びこの上側ハウジング部分に対して回転可能な内側部分17を有し、この内側部分は、上側部分17a及び下側部分17bを有し、特に手動操作可能なハウジング部分18は、好ましくは保持要素19によって内側部分17に解除自在に固定され、特に嵌着されている。容器3を挿入し且つ/又は交換するために、ハウジング部分18をネブライザ1から取り外すことができる。
【0026】
ハウジング部分18をハウジング部分16とは逆に回転させることができ、それにより、図面では下側部分である内側部分17の部分17bがハウジング部分18と共に連行される。このように、駆動ばね7は、ホルダ6に作用する歯車(図示せず)により軸方向に緊張させられる。緊張中、容器3は、容器3が図2に示すような端位置を取るまで軸方向下方に動かされる。この位置では、駆動ばね7は、緊張させられている。霧化プロセス中、容器3は、駆動ばね7によりその元の位置に戻される。かくして、容器3は、緊張プロセス中及び霧化中、一ストロークを行う。
【0027】
ハウジング部分18は好ましくは、キャップ状の下側ハウジング部分を形成し、容器3の下方自由端部周りに又はこの上に嵌まっている。駆動ばね7を緊張させると、容器3は、その端部分と共にハウジング部分1815内へ(更に)動き又はその端フェースに向かって動き、他方、ハウジング部分18内に設けられた軸方向に作用するばねが、容器のベース21に当接し、容器が最初に穿刺要素19に接触すると、このばねは、穿刺要素22により容器3又はそのベースに設けられたシールを穿刺し、空気を取り込むことができる。
【0028】
ネブライザ1は、好ましくはハウジングの上側部分16に対する内側部分17の回転を検出することにより、ネブライザ1の作動をカウントするモニタ装置23を有している。
【0029】
次に、図3ないし図22を参照するが、図1及び図2のネブライザ1とは本質的に異なる点のみを強調して、本発明のネブライザ1及び本発明の容器3の構造及び動作モードを説明する。したがって、図1及び図2に関する説明は、それに応じて当てはまる。
【0030】
図3ないし図6は、第1の実施形態の弁装置24を備えた本発明のネブライザ1の細部の概略断面図である。図3は、弁装置24を閉鎖状態で示している。図4は、点線に沿う図3の詳細図である。図5は、弁装置24を開放状態で示している。図6は、点線に沿う図5の詳細図である。
【0031】
弁装置24は、開放状態では、ネブライザ1の使用者(図示せず)による吸入、即ち吸息中、空気供給開口部15を通ってマウスピース13内へ入る供給空気の流れ25(図5及び図6では対応の矢印で示す)を可能にする。ユーザは、マウスピース13を自分の口に当て、そして、好ましくは数秒間、詳細には、約10秒以上、できるだけ均等且つゆっくりと呼吸すべきであり、それにより、霧化流体2又はエーロゾル14を吸入させる。このように、供給空気は、同時に吸い込まれるが、流体2を霧化し又はエーロゾル14を生成するためには用いられない。むしろ、これは、好ましくは推進ガスを用いないで、上述したように圧力発生器5により別々に又は独立して行われる。
【0032】
図示の実施形態では、弁装置24は、マウスピース13内に、好ましくは流体2又はエーロゾル14のための放出ノズル12に横付け状態で配置されている。変形例として、弁装置24をマウスピース13の外部に取り付けてもよく又は他の何らかの方法でこれと関連させてもよい。外部に設けるという構成は、弁装置24がマウスピース13内のエーロゾル雲にさらされず、それにより弁装置24の汚染が防止されるという利点を有する。好ましくは、弁装置24は、特に構造ユニット又は組立体としてマウスピース13内に挿入される。この弁装置を好ましくは後で、即ち、アドオン(add-on)(図示せず)として組み込むことができる。
【0033】
変形例として、弁装置24の少なくとも一部は、ネブライザ1、特にマウスピース13に固定的に取り付けられ、好ましくは形成され、射出成形され、接着され又はこれらに類似した仕方で取り付けられる。詳細には図示していない変形実施形態によれば、弁装置24をマウスピース13と一緒に交換することができる。しかしながら、図示の実施形態では、マウスピース13は好ましくは、ネブライザ1、特にその上側ハウジング部分16と一体形成され、又はこれにより形成されている。
【0034】
弁装置24は、空気供給開口部15を通って大気中に出る(特にユーザが呼息することにより生じる場合がある)逆流、即ち、マウスピース13から空気供給開口部15を通る空気流(供給空気の流れ25とは逆の流れ)が特に自動的に阻止できるように構成されると共に空気供給開口部15と関連している。これによりユーザの呼息により、霧化流体2又はエーロゾル14を望ましくなく空気供給開口部15を通って大気中に放出されることが不可能となっている。これとは逆に、弁装置24は好ましくは、マウスピース13を装着すると、ユーザ(図示せず)の口を通って又はマウスピース13を通って吸息し、霧化流体2又はエーロゾル14がユーザにより吸入される確率又は蓋然性が高くなるようにすることだけが可能になる。この結果、操作上の安全性が実質的に良好になる。
【0035】
弁装置24は好ましくは、ネブライザ1の空間中での向きとは少なくとも実質的に独立して動作するよう構成されている。
【0036】
弁装置24は、必要ならば、電気的手段、磁気的手段、空気圧的手段又は他の手段により動作してもよい。弁装置24は好ましくは、好ましい実施形態を参照して以下に説明するように、もっぱら機械的に動作する。
【0037】
第1の実施形態では、弁装置24は、貫通開口部27を備えた好ましくはプレート状の受座要素26及びプレート状の可動弁要素28を有する。受座26は好ましくは、一体構造のものであり、マウスピース13内に挿入され又は組み込まれて、この受座要素は、空気が貫通開口部27を通ってしかマウスピース13内に流入できないような仕方で空気供給開口部17への連結部を封止するようになっている。
【0038】
可動弁要素28は、上述したような逆流を阻止するために図3及び図4に示す閉鎖位置で貫通開口部27を封止するよう受座要素26又は貫通開口部27と関連している。
【0039】
このように、受座要素26と弁要素28は一緒になって、少なくとも1つの弁29、特に逆止弁又は一方向弁を形成している。しかしながら、弁29を又、他の適当な仕方で構成してもよい。
【0040】
第1の実施形態では、共通の受座要素26及び共通の弁要素28が、空気供給開口部15のうちの幾つか、特に全てについて設けられている。しかしながら、独立して動作する別々の受座要素26、別々の弁要素28又は弁29を他の実施形態を参照して説明するように、空気供給開口部15と関連させてもよい。
【0041】
第1の実施形態では、弁要素28は、ネブライザ1の長手方向及び/又は少なくとも実質的に供給空気の流れ25の方向に動くことができる。
【0042】
第1の実施形態では、弁要素28は、特にばね力、図示の実施形態では、ばね30、好ましくはコイルばねにより閉鎖位置に付勢されている。しかしながら、これらに代えて他の適当なばね又は付勢手段を用いることも又可能である。
【0043】
変形例として又は追加例として、弁要素28をそれ自体の弾性及び/又は重力により閉鎖位置に付勢してもよい。
【0044】
さらに、必要ならば、弁要素28は又、開放位置に付勢されてもよく且つ(或いは)2つの安定した位置、具体的には、一方においては閉鎖位置及び他方においては開放位置を有してもよい。
【0045】
第1の実施形態では、弁要素28は好ましくは、具体的にはこれに一体に形成されたバー状の案内要素31を有し、これら案内要素は、ネブライザ1、具体的には受座要素2上への弁要素28の可動状態における案内と保持の両方に役立ち、しかも、関連のばね30を案内し又は保持するのに役立つ。
【0046】
弁装置24は好ましくは、弁要素24が実質的に邪魔の無い吸入又は呼息を可能にするようできるだけ容易に開くよう構成されている。したがって、供給空気の流れ25は、できるだけ邪魔されないようになっている。したがって、弁要素28は好ましくは、容易に働き、第1の実施形態では閉鎖方向に働くばね力は、可能な限り小さい。
【0047】
弁装置24がいったん開かれると、即ち、弁要素28が図5及び図6に示すように持ち上げられた状態では、供給空気の流れ25は、ユーザ(図示せず)が吸息し又は吸入すると、少なくとも大部分が妨げられない状態で空気供給開口部15を通り、次に貫通開口部27を通ってマウスピース13内に流入することができる。
【0048】
次に、本発明のネブライザ又は本発明の弁装置24の幾つかの追加の実施形態について他の図面を参照して説明する。特に、第1の実施形態とは本質的に異なる点についてのみ説明する。その他の点においては、第1の実施形態及び公知のネブライザ1と同一の特性及び利点が当てはまる。
【0049】
図7及び図8は、本発明のネブライザ1及び本発明の弁装置24の第2の実施形態を示している。図7では、弁装置24は、閉鎖されている。図8では、弁装置24は、開かれている。
【0050】
第2の実施形態では、別々の弁要素28又は弁29が、空気供給開口部15と関連している。弁要素28は、フラップ又は舌部として構成されており、好ましくは回動可能である。弁要素28は、弁29を形成するよう好ましくは別々の受座要素26と協働し又はマウスピース13の適当な形をした内壁と直接協働する。
【0051】
第2の実施形態では、弁要素28は、所望ならば、開放位置に付勢されるのがよい。これにより、ユーザは、妨害なく吸息し又は吸入することができる。しかしながら、ユーザがマウスピース13内へ呼息した場合、弁要素28は、生じる逆流により少なくとも実質的に瞬間的に閉鎖され、それにより逆流を止める。開放位置で作用するばね力は、それに応じて低く選択される。
【0052】
しかしながら、変形例として、第2の実施形態では、弁要素28を第1の実施形態の場合と同様、閉鎖位置に付勢してもよい。
【0053】
図9及び図10は、本発明のネブライザ1又は本発明の弁装置24の第3の実施形態を示している。図9は、弁装置24を閉鎖状態で示している。図10は、弁装置24を開放状態で示している。
【0054】
図3の実施形態では、好ましくは数個の別々の又は独立して動作する弁要素28又は弁29が、この場合も又設けられており、特に、空気供給開口部15と関連している。
【0055】
第2の実施形態の場合と同様、弁要素28も又、プレート又はタペットとして構成されている。好ましくは、弁要素28は、第1の実施形態の場合と同様、共通の受座要素26内で案内される。
【0056】
この場合も又、弁要素28及び弁29は好ましくは、ばね30、特にコイルばねによって閉鎖位置に付勢される。
【0057】
第3の実施形態では、各弁要素28は好ましくは、案内要素31を有し、この案内要素は、第1の実施形態の場合と同様、一方においては、弁要素28を好ましくは受座要素26上に保持するよう案内し、他方において、関連のばね30を案内し又は保持するよう働く。
【0058】
図11及び図12は、本発明のネブライザ1又は本発明の弁装置24の第4の実施形態を示している。図11は、弁装置24を閉鎖状態で示している。図12は、弁装置24を開放状態で示している。図12は、弁装置24を開放状態で示している。
【0059】
第4の実施形態は、実質的に第3の実施形態に一致している。ばね30が省かれているに過ぎない。したがって、弁要素28は、自由に動くことができ又は容易に動くことができ、特にばね力によっては付勢されていない。しかしながら、図示の構成では、ネブライザ1が少なくとも使用中実質的に垂直に位置合わせされるということに基づいて、弁要素28は、重力の結果として、好ましい位置、即ち、閉鎖位置を取ることができる。
【0060】
図13ないし図16は、本発明のネブライザ1又は本発明の弁装置24の第5の実施形態を示している。図13は、弁装置24を閉鎖状態で示している。図14は、点線に沿う図13の詳細図である。図15は、弁装置24を開放状態で示している。図16は、点線に沿う図15の詳細図である。
【0061】
第5の実施形態は、ばね構造が本質的に改造されている点を除き、実質的に第3の実施形態に一致している。ばね30は好ましくは、コイルばね、特に圧縮ばねとして形成されている。しかしながら、第5の実施形態では、ばね30は、空気供給開口部15から見て遠くに位置する受座要素26の側に設けられ、弁要素28のプレート32は、関連のばね30を受け入れる適当な凹部33を有し、この凹部は、図示の実施形態では環状である。
【0062】
したがって、第5の実施形態では、弁要素28及び弁29は、好ましくは開放位置に付勢されている。ばね力の構成及び設定に関しては、第2の実施形態に関して同じことが当てはまる。
【0063】
図17ないし図21は、本発明のネブライザ1又は本発明の弁装置24の第6の実施形態を示している。図17及び図18は、弁装置24を閉鎖状態で示している。図19及び図20は、弁装置24を開放状態で示している。図21は、第6の実施形態に従って弁装置24の弁要素28を形成する展開部又は材料片34を示している。
【0064】
弁要素28は、構造が弾性且つ可撓性である。第6の実施形態における好ましくは舌状又はフラップ状の弁要素28は、これらの固有の弾性により、これらの好ましい位置として閉鎖位置を取り、即ち、これら弁要素は、空気供給開口部15を閉鎖する。
【0065】
吸入又は吸息中、弁要素28は、特に図19に示すように内方へ動かされ又は回動する。かくして、空気供給開口部15は、開放され、空気がマウスピース13内に流入することができる。
【0066】
弁要素28は、好ましくは同一の材料片34、特に、箔又は他の適当な材料で作られている。しかしながら、弁要素28は、別々の材料片34から作られていてもよい。
【0067】
図18の平面図は、閉鎖状態を示している。弁要素28は、平らに置かれ、即ち、これら弁要素は、平面図では見えない。
【0068】
図20に示す平面図では、弁要素28は、開放状態で示され、それに応じて、内方へひっくり返され又は回動している。
【0069】
図18及び図20の平面図は、弁装置24又は材料片34を包囲し又は少なくとも実質的に平らな位置でマウスピースの内部に挿入できることを示している。これにより、容易且つ安価な組み立てが可能になり、特に、ネブライザ1の改造が可能になる。
【0070】
図示しない別の変形実施形態によれば、弁装置24又は弁29は、弁要素28がもっぱら重力及び/又は供給空気の流れ25又はこれとは逆の空気流により動くことができ、その結果、関連の空気供給開口部15を開放し又は閉鎖することができるよう構成されたものであってもよい。例えば、弁要素28をこれに対応して空気供給開口部15に隣接し又はマウスピース13内に設けられた空気供給チャネル等内で可動的に取り付けられたゆるい密封要素又はゆるいワッシャ又はガスケットとしてこの目的のために構成されたものであるのがよい。このようにすると、例えば、適当なグリッド、ホルダ、案内、肩、絞り部等によって、供給空気の流れ15が吸息されたとき、弁要素28をその関連の空気供給開口部15から意のままには遠ざけることができず、したがって、ユーザがマウスピース13内へ呼息すると、最初の逆流により、弁要素28が即座に関連の空気供給開口部15を閉鎖し、それ故望ましくない逆流を止めるようにすることが可能である。
【0071】
上述の実施形態は、種々の構造的な解決策を示している。しかしながら、他の適当な構造上の解決策が可能であり、必要ならば、純粋に機械的に動作する弁装置24に代えて、別の弁手段24を使用してもよい。
【0072】
本発明の本質的な特徴は、流体2の霧化又はエーロゾル14の生成が、供給空気の流れ25とは独立して行われるということにある。エーロゾル14を放出ノズル12を通ってマウスピース13内に直接放出するのではなく、エーロゾル14は先ず最初に、ネブライザ1内の他の或る受け入れチャンバ内に放出され、次に、吸入又は吸息の際に、供給空気の流れ25により実際のマウスピース13に移送され、これを通って吸入できる。したがって、「マウスピース」という用語は、好ましくはこの用語が供給空気を空気供給開口部15を通って送り込むことができ、好ましくは管状の部分が取り付けられる、生じたエーロゾル14の受け入れ又は収集チャンバを含むことを意味するものとして広く理解されるべきであり、この管状部分は次に、吸入又は吸息のために実際にユーザの口に嵌められる。
【0073】
図22を概略断面図を参照して本発明のネブライザ1の第7の実施形態について好ましい特徴を以下に詳細に説明する。この追加の特徴は、必要ならば、特に上述の実施形態又は弁装置24と組み合わせることができる。
【0074】
ネブライザ1は、弁装置24、特に可動弁要素28又は少なくとも1つの弁29と関連したセンサ35を有する。センサ35は、弁装置24、特に弁要素28の開放位置、閉鎖位置及び(又は)運動を検出するのに役立つ。
【0075】
したがって、センサ35は又、弁要素28の運動又は少なくとも位置を検出するのにも役立ち、これは、機械的、光学的、電気的、誘導的、容量的な及び(又は)他の無接触方式の手段によって行われる。特に、センサ35は、マイクロスイッチ又はリード接点の形態をしている。
【0076】
図示の実施形態では、センサ35は、弁要素28のすぐ付近又はこれに隣接して且つ/又はマウスピース13内に設けられる。
【0077】
センサ35によって、供給空気の流れ25は好ましくは、弁装置24の開放、少なくとも1つの弁要素28又は弁29の少なくとも開放によって間接的に検出される。かくして、ネブライザ1により生じたエーロゾル14の実際の吸入を検出することができる。
【0078】
追加的に又は代替的に、空気流を直接検出するいわゆるフローセンサを設けてもよく、このフローセンサを特に空気供給開口部15に隣接して設けるのがよい。
【0079】
第7の実施形態では、モニタ装置23は好ましくは、ハウジング部分18内に設けられ且つ/またはセンサ35からの信号を検出してこれを評価できるように構成されている。この目的のため、モニタ装置23は好ましくは、電気的に動作され、センサ35は好ましくは、電気的手段又はワイヤレス手段によりモニタ装置23に接続されている。
【0080】
センサ35による流体2又はエーロゾル14の実際の吸入の検出をモニタ装置23により評価して吸入が十分に長かったかどうかを確かめることができ、必要ならば、吸入時間を記憶且つ/または表示できる。さらに、得に容器3の実際の霧化又はストロークと組み合わされたこの実際の吸入をネブライザ1の作動又は使用として検出し又はカウントし、表示し且つ/又は記憶することができる。
【0081】
しかしながら、モニタ装置23は又、センサ35とは独立して設けられてもよく、かかるモニタ装置は必要ならば、例えば機械的に、電気的に又は電子的に動作できる。
【0082】
本発明のネブライザ1は好ましくは、霧化される流体2として液体を使用するよう構成されている。
【0083】
上述した実施形態、特に、実施形態の個々の要素及び特徴を互いに組み合わせることができ且つ/または運動学的に逆にすることができる。
【0084】
本発明は、一般的に言って、エーロゾルの事実上静止した雲又はエーロゾルの雲をエーロゾルの雲の伝搬が事実上数センチメートル後に依然として立ったものとなるような低い出口発生速度で発生させる吸入用ネブライザ1に関する。エーロゾルの雲の出口速度又は少なくとも最初の初期伝搬速度は、好ましくは、約5ないし20m/分、具体的には10ないし15m/分、最も好ましくは約12.5m/分である。
【0085】
特に、低い出口速度又は伝搬速度により、供給空気の流れ25が吸入によりエーロゾル14を取り込むのに必要である。しかしながら、僅かな供給空気の流れ25であっても、吸入によりエーロゾル14を取り込むのには好ましくは十分である。
【0086】
低い流速及び(又は)流量でもネブライザ1の所望の動作を可能にし又は保証するために、弁装置24又はその弁要素28又は弁29は、比較的容易に動作し、特に小さな力で閉鎖できる。閉鎖力は好ましくは、数cN以下であるに過ぎない。特に、閉鎖力は、1cN未満、最も好ましくは0.5cN未満である。閉鎖力を重量だけで、ばね30、特にフラップ状の構造をしたばねからの固有の弾性及び(又は)ばね付勢力により生じさせることができる。特に、ばね力は、好ましくは、数cNに過ぎず、特に、1cN以下であり、最も好ましくはせいぜい0.5cN以下である。
【0087】
図23及び図24は、本発明のネブライザ1又は本発明の弁装置24の第8の実施形態を更に示している。図23は、弁装置24を閉鎖状態で示している。図24は、弁装置24を開放状態で示している。図25は、この場合プレートの形をした弁要素28の平面図である。
【0088】
弁要素28はこの場合、特に剛性構造のものである。第8の実施形態では、この弁要素は、放出ノズル12を備えた中央突起を少なくとも弁装置24が閉鎖されている場合、図23に示すように通過させることができるよう設計された中央凹部又は開口部を有している。かくして、内側輪郭は、放出ノズル12又はネブライザ1の他の部分を含む突起をマウスピース13の内部に嵌まるのに必要な遊びを持つように設計されている。
【0089】
弁要素28の外側輪郭は、マウスピース13の内側輪郭にマッチしており、図示の実施形態では、形状が楕円形である。
【0090】
マウスピース13の内側には、図示の実施形態では放出ノズル12の周り又はその下に同心状に配置された内側Oリング36及び外側Oリング37が、特に、弁装置24を閉鎖したとき、弁要素28の密封弁座を形成している。特に、弁要素28は、それ自体の重量の結果として、Oリング36,37又は他の適当なシールに当たって空気供給開口部15(閉鎖状態において)を通る望ましくない逆流を阻止するようになっている。
【0091】
吸入の際、弁要素28は、圧力を受けることにより図24に示すように持ち上げられ、その結果、弁装置24又は弁要素28により形成された弁29が開かれる。すると、供給空気の流れ25が、図示の実施形態では、放出ノズル12を含む中央突起と弁要素28の中央凹部との間でマウスピース13内に流入することができる。
【0092】
図示の実施形態では、Oリング36,37は、ネブライザ1又はマウスピース13に設けられた適当な環状肩、段部等上に保持される。しかしながら、特に他の適当なシールが用いられる場合、他の構造上の解決策も又可能である。
【0093】
弁要素28の遊び又はストロークを制限するため、第8の実施形態のネブライザ1は好ましくは、図23及び図24に示すように、マウスピース13の内部にインサート38等を有する。このインサート38は、必要ならば、円周方向構造のものであるのがよく、このインサートは、特にマウスピース13の好ましくは楕円形の内側輪郭に適合している。必要ならば、インサート38をいわゆる2Cプロセス、即ち、2部品射出法で射出成形される。しかしながら、他の構造上の解決策も又可能である。
【0094】
マウスピース13の内部の弁要素28の半径方向遊び及び弁要素28の質量は、弁装置24又は弁29が所望の容易な作用を有するように構成されている。特に、上述したことは、開閉力に関して当てはまる。
【0095】
本発明のネブライザ1を用いると、好ましくはたった1回の呼吸の際の吸入により活性物質が取り込まれることは注目されるべきである。ネブライザ1は、それに応じて構成されている。具体的に説明すると、ネブライザ1は、十分に高い液滴又はエーロゾル密度を、それ故に活性物質の密度を発生させることができる。正確に言えば、この種のネブライザ1では、空気供給開口部15を通る逆流を阻止するために設けられている弁装置24は、活性物質の量全体が偶発的にユーザの呼息の場合に偶発的に噴出される恐れを回避する上では特に重要である。
【0096】
自立型機器等とは対照的に、本発明のネブライザ1は好ましくは、携帯用であるよう設計されており、特に、手持ち型可動装置である。
【0097】
好ましくは、流体2は、上述したように、液体であり、特に、水性医薬調合物である。しかしながら、流体は又、異なる種類の調合物、懸濁物質等であってもよい。
【0098】
一変形実施形態によれば、流体2は、粒子又は粉末であってもよい。この場合、放出ノズル12に代えて、流体2又は粉末等をマウスピース13に供給するための別の供給装置、特に放出開口部(図示せず)又は供給チャネル(図示せず)を設けるのがよい。この場合、オプションとしての空気供給開口部15は、周囲空気を好ましくは並行して供給し、それによりマウスピース13内での吸息又は吸入に十分な量で空気の流れを生じさせ又は可能にするのに役立つ。
【0099】
先の例及び上述の変形実施形態では、供給装置、特に放出開口部又は放出ノズル12は、周囲空気を供給する空気供給開口部15又は任意他のチャネルとは別個のものとして構成されている。かくして、一方においては、オプションとして運搬ガス、推進ガス、運搬空気等と一緒に流体2又は粉末等と他方において十分な量の空気の流れを発生させる周囲空気の並行した供給が存在する。しかしながら、別の変形実施形態によれば、この供給は又、特にマウスピース13内への共通の開口部(図示せず)により共同して又は一緒に起こってもよい。例えば、この目的のため、放出ノズル12を空気供給開口部15内に組み込んでもよく、或いはその逆の関係にしてもよい。
【0100】
上述の変形実施形態の弁装置24は、望ましくない逆流を回避するよう空気供給開口部15及び(又は)放出開口部又は供給チャネルと関連していてもよい。特に、粉末の場合又は粒子エーロゾル14を生じさせる場合、弁装置24は好ましくは、逆止弁及び(又は)逆流防止弁の形態に構成される。
【0101】
所望ならば、流体2は又、推進ガスを用いて霧化してもよいことは注目されるべきである。したがって、本発明の弁装置24を推進ガスにより作動されるネブライザ又は吸入器において用いることができる。
【0102】
また、本発明の弁装置24又はこの弁装置を備えたマウスピース13を、具体的に上述したネブライザ1だけでなく、他のネブライザ又は吸入器、例えば粉末吸入器又はいわゆる計量吸入器に用いることができることは注目されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】非緊張状態にある公知のネブライザの概略断面図である。
【図2】図1と比較して90°回転させた緊張状態にある公知のネブライザの概略断面図である。
【図3】弁装置が閉鎖状態にある第1の実施形態として提案されたネブライザのマウスピースの細部の概略断面図である。
【図4】点線に沿う図3の拡大詳細図である。
【図5】開放状態にある図3の弁装置の略図である。
【図6】点線に沿う図5の拡大詳細図である。
【図7】弁装置が閉鎖状態にある第2の実施形態として提案されたネブライザのマウスピースの細部の概略断面図である。
【図8】開放状態にある図7の弁装置の略図である。
【図9】弁装置が閉鎖状態にある第3の実施形態として提案されたネブライザのマウスピースの細部の概略断面図である。
【図10】開放状態にある図9の弁装置の略図である。
【図11】図9と対応した断面図であり、閉鎖状態にある第4の実施形態の弁装置の図である。
【図12】開放状態にある図11の弁装置の断面図である。
【図13】図9に対応した断面図であり、閉鎖状態にある図5の実施形態の弁装置の図である。
【図14】点線に沿う図13の拡大詳細図である。
【図15】開放状態にある図13にある弁装置の断面図である。
【図16】点線に沿う図15の拡大詳細図である。
【図17】弁装置が閉鎖状態にある第6の実施形態として提案されたネブライザのマウスピースの細部の概略断面図である。
【図18】図17のネブライザの平面図である。
【図19】閉鎖状態にある図17の弁装置の断面図である。
【図20】図19のネブライザの平面図である。
【図21】第6の実施形態の弁装置の弁要素を形成するための材料片を示す図である。
【図22】開放状態にある弁装置及び関連のセンサを備えた第7の実施形態として提案されたネブライザの概略断面図である。
【図23】弁装置が閉鎖状態にある第8の実施形態として提案されたネブライザのマウスピースの細部の概略断面図である。
【図24】弁装置が開放状態にある図23のネブライザの断面図である。
【図25】図23の弁装置の弁要素の平面図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ネブライザ
2 流体
3 容器
4 袋
5 圧力発生器
6 ホルダ
7 駆動ばね
8 ロック要素
9 運搬管
10 逆止弁
11 圧力チャンバ
12 放出ノズル
13 マウスピース
14 エーロゾル
15 空気供給開口部
16 上側ハウジング部分
17 内側部分
17a 内側部分の上側部分
17b 内側部分の下側部分
18 ハウジング部分(下側部分)
19 保持要素
20 ばね(下側ハウジング部分のばね)
21 容器ベース
22 穿刺要素
23 モニタ装置
24 弁装置
25 供給空気の流れ
26 受座要素
27 貫通開口部
28 弁要素
29 弁
30 ばね(弁装置)
31 案内要素
32 プレート
33 凹部
34 材料片
35 センサ
36 内側Oリング
37 外側Oリング
38 インサート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(2)用のネブライザ(1)であって、マウスピース(13)及び前記マウスピース(13)と関連した少なくとも1つの空気供給開口部(15)を有し、前記流体(2)が前記マウスピース(13)内にスプレー可能であるネブライザにおいて、
1又は複数の前記空気供給開口部(15)は、1又は複数個の空気供給開口部(15)を通る逆流を止めることができる少なくとも1つの弁装置(24)と関連している、
ことを特徴とするネブライザ。
【請求項2】
前記弁装置(24)は、前記マウスピース(13)内に設けられ且つ/又は前記流体(2)のための放出ノズル(12)の側方に並んで設けられている、
請求項1に記載のネブライザ。
【請求項3】
前記弁装置は好ましくは、構造ユニットとして特にアドオン(add-on)としてマウスピース(13)内に挿入できる、
請求項1又は2に記載のネブライザ。
【請求項4】
前記弁装置(24)の少なくとも1つのコンポーネントは、前記ネブライザ(1)、特に前記マウスピース(13)に固定的に取り付けられている、
請求項1又は2に記載のネブライザ。
【請求項5】
前記弁装置(24)は好ましくは、前記マウスピースと一緒に交換可能である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項6】
前記弁装置(24)は、少なくとも前記ネブライザ(1)の空間内での向きとは実質的に独立して動作する、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項7】
前記弁装置(24)は、機械的にのみ動作する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項8】
前記弁装置(24)は、少なくとも1つの弁(29)及び(又は)可動弁要素(28)を有する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項9】
前記弁要素(28)は、前記ネブライザ(1)の長手方向に動くことができ且つ/又は1又は複数個の空気供給開口部(15)を通る供給空気の流れ(25)の方向に動くことができる、
請求項8に記載のネブライザ。
【請求項10】
前記空気供給開口部(17)のうち幾つか又は全ては、共通の弁(29)及び(又は)共通の弁要素(28)と関連している、
請求項8又は9に記載のネブライザ。
【請求項11】
別々の弁(29)及び(又は)別々の弁要素(28)が、各前記空気供給開口部(15)と関連している、
請求項8又は9に記載のネブライザ。
【請求項12】
前記弁要素(28)は、プレート又はフラップの形態をしている、
請求項8ないし11のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項13】
前記弁要素(28)は、構造が少なくとも実質的に剛性である、
請求項8ないし12のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項14】
前記弁要素(28)は、可撓性の構造のもの、特に、箔のような構造のものである、
請求項8ないし12のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項15】
前記弁要素(28)は、特にばね力、固有弾性及び/又は重量により開放位置又は閉鎖位置に付勢されている、
請求項8ないし14のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項16】
前記ネブライザ(1)は、前記弁装置(24)、特に前記弁装置(24)の弁要素(28)と関連していて、特に開放及び/又は閉鎖を検出するセンサ(35)を有する、
請求項1ないし15のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項17】
前記センサ(35)は、機械的、光学的、電気的、誘導的、容量的な及び(又は)他の無接触方式の手段により前記弁要素(28)の運動又は少なくとも1つの位置を検出する、
請求項16記載のネブライザ。
【請求項18】
前記センサ(35)は、マイクロスイッチ又はリード接点として構成されている、
請求項16又は17に記載のネブライザ。
【請求項19】
前記ネブライザ(1)は、前記ネブライザ(1)の作動をカウントし且つ/または評価し、又は前記センサ(35)が前記弁装置(24)又は前記弁要素(28)の開放及び(又は)閉鎖を検出したかどうかを検出するモニタ装置(23)を有する、
請求項16ないし18のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項20】
前記霧化は、特に推進ガスを用いず、好ましくはばね力により純粋に機械的に行われる、
請求項1ないし19のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項21】
前記ネブライザ(1)は、前記流体(2)、特に液体を収容する開口部(3)を有し、前記ネブライザは、好ましくは圧力の発生又は霧化中、ストロークの状態で動くことができる、
請求項1ないし20のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項22】
前記ネブライザ(1)は、特に医学的エーロゾル治療用の吸入器として構成されている、
請求項1ないし21のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項23】
前記ネブライザ(1)は、前記流体(2)を1又は複数個の空気供給開口部(15)を通る供給空気の流れ(25)とは独立して霧化できるよう構成されている、
請求項1ないし22のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項24】
前記ネブライザ(1)は、前記流体(2)を前記マウスピース(13)内へスプレーする供給装置、特に放出開口部又はノズル(12)を有する、
請求項1ないし23のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項25】
前記供給装置は、1又は複数個の前記供給開口部(15)とは別個に、好ましくはこれと平行に前記マウスピース(13)内へ開口し、特に、前記供給開口部とは別個に配置され且つ/または構成されている、
請求項24に記載のネブライザ。
【請求項26】
前記空気供給開口部(15)は、前記供給装置内に組み込まれており、特に、前記空気供給開口部(15)及び前記供給装置は、前記マウスピース(13)内への共通開口部を有する、
請求項24に記載のネブライザ。
【請求項27】
前記マウスピース(13)は、請求項28ないし32のうちいずれか1つに従って構成されている、
請求項1ないし26のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項28】
好ましくは請求項1ないし27のうちいずれか1つに従って構成された吸入器又はネブライザ(11)用のマウスピース(13)であって、吸息又は吸入するのに十分な量で空気の流れを発生させるために周囲空気を供給するチャネル又は空気供給開口部(15)を有し、前記チャネル又は前記空気供給開口部(15)を通る逆流を止めることができる弁装置(24)を有する、
ことを特徴とするマウスピース。
【請求項29】
前記弁装置(24)は、逆止弁及び(又は)逆流防止弁として構成されている、
請求項28に記載のマウスピース。
【請求項30】
霧化されるべき媒体、好ましくは粉末又は流体(2)、或いはエーロゾル(14)のための供給装置、特に放出開口部又はノズル(12)が、特に前記チャネル又は前記空気供給開口部(15)に平行に前記マウスピース(13)内へ開口している、
請求項28又は29に記載のマウスピース。
【請求項31】
前記供給装置は、前記チャネル又は前記空気供給開口部(15)とは別個に、好ましくはこれと平行に前記マウスピース(13)内へ開口し、特に、前記チャネル又は前記空気供給開口部(15)とは別個に配置及び/又は構成されている、
請求項30に記載のマウスピース。
【請求項32】
前記チャネル又は前記空気供給開口部(15)は、前記供給装置内に組み込まれており、特に、前記チャネル又は前記空気供給開口部(15)及び前記供給装置は、前記マウスピース(13)内への共通開口部を有する、
請求項30に記載のマウスピース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公表番号】特表2007−522902(P2007−522902A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500156(P2007−500156)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001947
【国際公開番号】WO2005/079997
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)