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ノイズ抑制シート用組成物及びそれを硬化させてなるノイズ抑制シート
説明

ノイズ抑制シート用組成物及びそれを硬化させてなるノイズ抑制シート

【課題】優れたノイズ抑制性能、電磁波吸収性能と耐久性を付与するとともに、必要に応じ熱伝導性をも付与しうるうえ、揮発成分が少なく、表面粘着性を容易に制御し得る、生産性の高いノイズ抑制シート用組成物、及び、該組成物を硬化させて得られるノイズ抑制シートの提供。
【解決手段】下記(A)〜(C)成分を含有してなるノイズ抑制シート用組成物。
(A)一般式(1):
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり平均で1個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を0.8個以上有するビニル系重合体
(B)開始剤
(C)軟磁性充填材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズ抑制シート用組成物及びそれを硬化させてなるノイズ抑制シートに関する。さらに詳しくは、(メタ)アクリロイル系基を有するビニル系重合体、開始剤及び軟磁性充填材を含有してなるノイズ抑制シート用組成物、及び、それを硬化させて得られるノイズ抑制シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゴム弾性を有する熱伝導性材料は、トランジスタやダイオード、IC等の半導体をはじめ、各種のヒーター、温度センサー等の電子部品の放熱・伝熱スペーサーとして幅広く使用されている。このような熱伝導性材料としては、例えば、シリコーンゴムやEPDMゴム等のベースゴムに熱伝導性フィラーを配合したものが知られており(特許文献1参照)、熱伝導性フィラーの高充填に向けた技術等が開示されている。また、シリコーンゴムを用いたものは最もよく知られており、各種熱伝導性フィラーとシリコーンゴムとの組み合わせによる技術が開示されている(特許文献2〜4参照)。このような熱伝導を目的とした材料には、材料自体の熱伝導性だけでなく、基材との密着性が重要とされている。この基材との密着性には、基材表面への密着性並びに、基材形状及び変形に対する追従性が重要となる。ゴム弾性を有する材料は後者の観点において好適とされる。また、前者に関しては、不定形の接着剤等の場合を除き、シートやテープ等、定形形態の場合には接着層や粘着層を別途設ける方法や、表面粘着性を発現させることにより密着性を確保している。
【0003】
しかし、熱伝導性材料においては、熱伝導性を高めるために通常熱伝導性フィラーを高充填することになるが、フィラーを高充填するほど材料自体の弾性は失われ、表面粘着性も減少する傾向にあり、その結果、基材との密着性が損なわれる問題がある。一方で、前記接着層や粘着層を設ける方法は、材料自体の表面性の影響は小さく有効な手法となるが、新たにそれらの層を形成する工程が必要であり生産性に劣るという問題がある。一方で、ポリアルキレングリコールやポリイソブチレン等の加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有化合物をベースに、熱伝導性充填材を配合したものは、優れた強度と密着性を併せ持つ樹脂組成物であることが開示されている(特許文献5参照)。しかし、密着性の制御方法については特に示されておらず、また硬化形式が湿気硬化型であることより硬化養生に数時間以上を要するため、生産性が劣るという問題がある。
【0004】
一方、電気・電子機器においては、回路周辺からさまざまな電磁波がノイズとして発生することがある。これら不要電磁波は、他の機器の誤動作を誘発したり、携帯電話などの通信機器の混信、パーソナルコンピューターのデータ欠損、人体への影響、などさまざまな問題を引き起こすことがあるため、電磁波ノイズを低減する目的で、さまざまなノイズ抑制シートが用いられている。これらノイズ抑制シートは、電磁波を吸収する目的のみで使用する際にはフェライトなど硬い材料であっても使用できるが、例えば上記熱伝導性シートとしての役割も兼ね備えたいような用途では熱伝導性シートと同様に、シリコーン等の柔軟性を有する樹脂に軟磁性フェライトなどのノイズ抑制能を有するフィラーを配合したものが用いられている。しかしながら、シリコーンをベース樹脂として用いたシートでは、使用時に低分子量シロキサン成分が発生し接点不良を引き起こすなどの課題があるため、適用範囲が限られている。
【0005】
これら課題を解決するため、例えば特許文献6では、アクリル系オリゴマーと軟磁性粉体との混合物を固化させる方法により、非シリコーン系樹脂をベースとしたノイズ抑制シートを作成している。ところがこのような方法で作成されたシートは、可塑剤や低分子量アクリルオリゴマー成分を大量に含有しているため、高温での使用時に有機揮発性分が発生し、周辺の機器を汚染したりすることがあるという課題がある。
【特許文献1】特開2001−139733号公報
【特許文献2】特公平6−55891号公報
【特許文献3】特公平6−38460号公報
【特許文献4】特公平7−91468号公報
【特許文献5】特開2001−302936号公報
【特許文献6】特開2001−310984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、優れたノイズ抑制性能、電磁波吸収性能と耐久性を付与するとともに、揮発成分が少なく、必要に応じ熱伝導性をも付与しうるうえ、表面粘着性を容易に制御し得る、生産性の高いノイズ抑制シート用組成物、及び、該組成物を硬化させて得られるノイズ抑制シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、(メタ)アクリロイル系基を有するビニル系重合体、開始剤に、さらに軟磁性充填材を配合したノイズ抑制シート用組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記ノイズ抑制シート用組成物、ノイズ抑制シートに関する。
1)(A)一般式(1):−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり平均で1個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を0.8個以上有するビニル系重合体、(B)開始剤、(C)軟磁性充填材を含有してなるノイズ抑制シート用組成物。
2)(A)成分(B)成分(C)成分に、さらに(D)熱伝導性充填材を含有してなる1)に記載のノイズ抑制シート用組成物。
3)前記(A)成分が、
(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体、および、
(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体、
を含有することを特徴とする、1)〜2)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
4)前記(A)成分が、
(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体99〜1重量%、
(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体1〜99重量%、および、
(A−3)分子内に前記一般式(1)で表わされる基を有しないビニル系重合体0〜20重量%、
(ただし、(A−1)、(A−2)、(A−3)の合計を100重量%とする)
からなることを特徴とする、1)〜3)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
5)前記(A)成分が、
(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体50〜10重量%、
(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体5〜90重量%、および、
(A−3)分子内に前記一般式(1)で表わされる基を有しないビニル系重合体0〜20重量%、
(ただし、(A−1)、(A−2)、(A−3)の合計を100重量%とする)
からなることを特徴とする、1)〜4)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
6)(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、(メタ)アクリル系モノマーである1)〜5)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物に関する。
7)(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、アクリル酸エステル系モノマーである1)〜6)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
8)(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル及び2−メトキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1つを含むものである1)〜7)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
9)(A)成分の一般式(1)におけるRが、水素原子又はメチル基である1)〜8)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
10)前記(A)成分の主鎖が、ビニル系モノマーのリビングラジカル重合により製造されてなる1)〜9)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
11)リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合である10)記載のノイズ抑制シート用組成物。
12)前記(A)成分の数平均分子量が3000以上である1)〜11)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
13)前記(A)成分のビニル系重合体が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満である1)〜12)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
14)(C)成分が、Znフェライトとの複合フェライト、Fe−Al−Si系三元合金および金属粉末から選ばれる少なくとも1種である1)〜13)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
15)(C)成分が、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Fe−Al−Si系三元合金、純度95%以上の純鉄粉末、鉄ニッケル合金粉末、から選ばれる少なくとも1種である、14)記載のノイズ抑制シート用組成物。
16)(D)成分が、炭素化合物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、結晶性シリカ、有機ポリマー焼成物及び炭化窒素から選ばれる少なくとも1種である1)〜15)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
17)(D)成分が、グラファイト、ダイヤモンド、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である16)記載のノイズ抑制シート用組成物。
18)(C)成分である軟磁性充填材、(D)成分である熱伝導性充填材、を併せた充填材全体の容積率が、全組成物中25容積%以上である、1)〜17)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
19)前記(A)、(B)、(C)成分、必要により(D)成分、に加えて、さらに(E)難燃剤を含有してなる1)〜18)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
20)前記(E)成分がハロゲン化合物系難燃剤、リン化合物系難燃剤、シリコーン化合物系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、チッ素化合物系難燃剤、より選ばれる1種以上である、である19)記載のノイズ抑制シート用組成物。
21)前記(E)成分がリン酸エステル化合物系難燃剤、水酸化アルミニウム系難燃剤、水酸化マグネシウム系難燃剤、より選ばれる1種以上である、19)〜20)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
22)1)〜21)のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物を硬化させて得られてなるノイズ抑制シート。
23)デュロメーター硬度タイプEが75未満である、22)に記載のノイズ抑制シート。
【発明の効果】
【0009】
本発明のノイズ抑制シート用組成物は、(メタ)アクリロイル基含有ビニル系重合体及び熱伝導性充填材を配合することにより、優れたノイズ抑制性能、電磁波吸収性能と耐久性を付与するとともに、必要に応じ熱伝導性をも付与しうる。また揮発成分が少なく、表面粘着性を容易に制御し得ることから、特に密着性が重要となるノイズ抑制材料や放熱材料等の目的に使用されるノイズ抑制材料に好適なものである。また、本発明のノイズ抑制シート用組成物は、加熱により短時間での成型が可能であり、生産性にも優れている。さらに難燃剤を添加することで難燃性を付与できるうえ、有機カルボン酸化合物を添加することにより、離型性にも優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明のノイズ抑制シート用組成物について詳細に説明する。
本発明のノイズ抑制シート用組成物は、下記(A)、(B)、(C)成分を含有してなる組成物である。(A)一般式(1):
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり2個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を1個以上有するビニル系重合体、(B)開始剤、(C)軟磁性充填材。
【0011】
<<(A)成分>>(A)成分は、一般式(1):
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり2個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を1個以上有するビニル系重合体である。
【0012】
(A)成分における上記一般式(1)で表わされる基((メタ)アクリロイル系基)の数は、1分子あたり平均で1個以上であり、かつ、そのうち分子末端に平均で0.8個以上である。また、分子末端の(メタ)アクリロイル系基が1分子あたり平均で1個以上が好ましい。なお、(A)成分を製造する際、実際には副反応が起こることがあるため、製造されたビニル系重合体の混合物中の上記(メタ)アクリロイル系基の個数の平均値が平均で1個未満になることがある。本発明においては、実際に製造されるビニル系重合体の混合物中の(メタ)アクリロイル系基の個数の平均値が0.8以上である場合は、この混合物を(A)成分という。つまり、(A)成分としては、上記(メタ)アクリロイル系基を1分子あたり平均で1個以上かつ分子末端に平均で0.8個以上有するビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体の混合物を含むものである。また、架橋させるという観点から、上記(メタ)アクリロイル系基の個数の平均値は、1分子あたり1.0個以上が好ましく、1.1個以上がより好ましい。上限は、シート化したとき柔軟になるという観点からは、1分子あたり2.0個以下が好ましい。(メタ)アクリロイル系基の個数が平均2.0個を超えても、可塑剤を大量に入れれば柔軟なシートを得ることは可能であるが、加熱時にブリードアウトすることがある。さらに、平均で該(メタ)アクリロイル系基の0.8個以上は分子末端に存在するものであるが、他の(メタ)アクリロイル系基の位置は特に限定されない。架橋点間距離を長くできる点から、いずれも分子末端側近くにある形態が好ましく、いずれも分子末端にある形態が特に好ましい。
【0013】
さらに、架橋点間距離を長くでき、容易に柔軟なシートが得られるという点から、前記(A)成分が、(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体、および、(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体を含有することが好ましい。(A−1)と(A−2)との重量比は、好ましくは99/1〜1/99、より好ましくは95/5〜5/95、さらに好ましくは90/10〜10/90である。
【0014】
なお実際には、(A)成分を製造する際副反応が起こることがあるため、製造されたビニル系重合体の混合物中には(メタ)アクリロイル系基を有しない樹脂が少量含まれることがある。前記(A)成分が、(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体99〜1重量%、(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体1〜99重量%、および、(A−3)分子内に前記一般式(1)で表わされる基を有しないビニル系重合体0〜20重量%、(ただし、(A−1)、(A−2)、(A−3)の合計を100重量%とする)からなるものであれば良い。
【0015】
さらには前記(A)成分が、(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体50〜10重量%、(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体5〜90重量%、および、(A−3)分子内に前記一般式(1)で表わされる基を有しないビニル系重合体0〜20重量%、(ただし、(A−1)、(A−2)、(A−3)の合計を100重量%とする)からなると、より柔軟なノイズ抑制シートが得られるため好ましい。
【0016】
(メタ)アクリロイル系基中のRは、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わし、好ましくは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基である。前記炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、ニトリル基等が挙げられ、これらは水酸基等の置換基を有していてもよい。前記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。Rの好ましい具体例としては、例えば−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表わす)、−C、−CHOH、−CN等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。
【0017】
(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定はなく、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
なかでも、生成物の物性等の点から、芳香族ビニル系モノマー及び(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸エステルモノマーであり、さらに好ましくは、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、2−メトキシエチルアクリレートである。さらに、耐油性等の観点から、主鎖を構成するビニル系モノマーは、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル及び2−メトキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも2つを含むことが特に好ましい。
本発明においては、これらの好ましいモノマーを他の前記モノマーと共重合させてもよく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお、上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
【0019】
(A)成分の分子量分布[ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比]には、特に限定はないが、好ましくは1.8未満、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.5以下、特別に好ましくは1.4以下、最も好ましくは1.3以下である。なお、本発明におけるGPC測定の際には、通常は、クロロホルム又はテトラヒドロフランを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを使用し、分子量の値はポリスチレン換算値で求めている。
【0020】
(A)成分の数平均分子量の下限は、好ましくは500、より好ましくは3000であり、上限は、好ましくは100000、より好ましくは40000である。分子量が500未満であると、ビニル系重合体の本来の特性が発現されにくくなる傾向があり、また、100000をこえると、ハンドリングが困難になりやすい傾向がある。
【0021】
<(A)成分の製法>(A)成分の製法については特に限定はない。ビニル系重合体は、一般にアニオン重合あるいはラジカル重合によって製造されるが、モノマーの汎用性あるいは制御の容易さからラジカル重合が好ましい。ラジカル重合の中でも、リビングラジカル重合あるいは連鎖移動剤を用いたラジカル重合によって製造されるのが好ましく、特に前者が好ましい。
【0022】
(A)成分の製造に用いられるラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と、末端等の制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類することができる。
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題がある。また、フリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。
【0023】
「制御ラジカル重合法」は、さらに、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行なうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに、分類することができる。
【0024】
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また、前記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング等による停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができる。したがって、「リビングラジカル重合法」では、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、前記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
【0025】
なお、リビング重合とは、狭義には、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
【0026】
「リビングラジカル重合法」は、近年様々なグループで積極的に研究されている。その例としては、例えばジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されているようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されているようなニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(AtomTransferRadicalPolymerization:ATRP)等が挙げられる。
【0027】
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、前記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としては、さらに好ましい。
【0028】
前記原子移動ラジカル重合法としては、例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁、サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号パンフレット、WO97/18247号パンフレットあるいはSawamotoら、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁等に記載の方法が挙げられる。
【0029】
本発明において、これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、基本的には制御ラジカル重合法が利用され、さらに制御の容易さ等からリビングラジカル重合法が好ましく、特に原子移動ラジカル重合法が好ましい。
【0030】
まず、制御ラジカル重合法のうちの一つ、連鎖移動剤を用いた重合法について説明する。連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル重合としては、特に限定はないが、本発明に適した末端構造を有するビニル系重合体を得る方法としては、次の2つの方法が例示される。特開平4−132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−271306号公報、特許2594402号公報、特開昭54−47782号公報に示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法である。
【0031】
次に、リビングラジカル重合法について説明する。そのうち、まず、ニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤(キャッピング剤)を用いる方法について説明する。この重合法では、一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。このような化合物には特に限定はないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。
【0032】
前記ニトロキシフリーラジカル化合物の具体例としては、特に限定はないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。前記ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
【0033】
前記ラジカルキャッピング剤はラジカル発生剤と併用される。ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定はないが、ラジカルキャッピング剤1モルに対し、ラジカル開始剤0.1〜10モルが適切である。
【0034】
ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件下でラジカルを発生し得るパーオキシドが好ましい。前記パーオキシドには特に限定はないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等が挙げられる。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジカル発生剤も使用し得る。
【0035】
マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、2993頁に報告されているように、ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下記のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用いても構わない。
【0036】
【化1】

アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、それが前記のような水酸基等の官能基を有するものを用いると末端に官能基を有する重合体が得られる。これを本発明に利用すると、末端に官能基を有する重合体が得られる。
【0037】
前記ニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶剤、重合温度等の重合条件には特に限定はないが、次に説明する原子移動ラジカル重合について用いるのと同様で構わない。
【0038】
次に、本発明に使用するリビングラジカル重合法としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。この原子移動ラジカル重合法では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
【0039】
具体的に例示するならば、
−CHX、C−C(H)(X)CH、C−C(X)(CH
(式中、Cはフェニル基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、
−C(H)(X)−CO、R−C(CH)(X)−CO、R−C(H)(X)−C(O)R、R−C(CH)(X)−C(O)R
(式中、R、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、
−C−SO
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)
等が挙げられる。
【0040】
原子移動ラジカル重合法の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に前記官能基を、他方の主鎖末端に前記一般式(1)で表わされる構造を有するビニル系重合体が製造される。前記官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
【0041】
前記アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては、特に限定はなく、例えば一般式(6):
C(X)−R−R−C(R)=CH(6)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は他端において相互に連結したもの、Rは−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)又はo−,m−,p−フェニレン基、Rは直接結合又は1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)で示されるものが例示される。
【0042】
前記置換基R、Rの具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。RとRは、他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。Rの1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20のアルキレン基等が挙げられる。
【0043】
一般式(6)で示されるアルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、
XCHC(O)O(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CH)nCH=CH
【0044】
【化2】

(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは0〜20の整数)、
XCHC(O)O(CHO(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
【0045】
【化3】

(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)、
o,m,p−XCH−C−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH)n−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH)n−CH=CH
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは0〜20の整数)、
o,m,p−XCH−C−(CH)n−O−(CH)m−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH)n−O−(CH)m−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH)n−O−(CH)mCH=CH
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)、
o,m,p−XCH−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
等が挙げられる。
【0046】
前記アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては、さらに一般式(7):
C=C(R)−R−C(R)(X)−R10−R (7)
(式中、R、R、R、R、Xは前記に同じ、R10は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)又はo−,m−,p−フェニレン基を表わす)
で示される化合物が挙げられる。
【0047】
前記Rは、直接結合又は炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含有していてもよい)であるが、直接結合である場合は、ハロゲン原子の結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R10としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。R9が直接結合でない場合、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R10としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
【0048】
一般式(7)で示される化合物を具体的に例示するならば、
CH=CHCHX、CH=C(CH)CHX、
CH=CHC(H)(X)CH、CH=C(CH)C(H)(X)CH
CH=CHC(X)(CH、CH=CHC(H)(X)C
CH=CHC(H)(X)CH(CH、CH=CHC(H)(X)C
CH=CHC(H)(X)CH
CH=CHCHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CHCHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等をあげることができる。
【0049】
前記アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例をあげるならば、
o−,m−,p−CH=CH−(CH)n−C−SOX、
o−,m−,p−CH=CH−(CH)n−O−C−SO
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは0〜20の整数)
等をあげることができる。
【0050】
前記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物には特に限定はなく、例えば一般式(8):
C(X)−R−R−C(H)(R)CH−[Si(R112−b(Y)O]−Si(R123−a(Y) (8)
(式中、R、R、R、R、R、Xは前記に同じ、R11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は(R’)SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R11又はR12が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい、Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい、aは0、1、2又は3、bは0、1又は2、mは0〜19の整数、ただし、a+mb≧1を満足する)
に示すものが例示される。
【0051】
一般式(8)で示される化合物を具体的に例示するならば、
XCHC(O)O(CHSi(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHSi(CH)(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、nは0〜20の整数)、
XCHC(O)O(CHO(CHSi(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHO(CHSi(CH)(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)、
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)Si(OCH)、
o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)
等が挙げられる。
【0052】
前記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては、さらに一般式(9):
(R123−a(Y)Si−[OSi(R112−b(Y)−CH−C(H)(R)−R−C(R)(X)−R10−R (9)
(式中、R、R、R、R、R10、R11、R12、a、b、X、Yは前記に同じ、mは0〜19の整数)
で示されるものが例示される。
【0053】
一般式(9)で示される化合物を具体的に例示するならば、
(CHO)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)(CH)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
【0054】
前記ヒドロキシル基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物には特に限定はなく、下記のようなものが例示される。
HO−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
前記アミノ基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物には特に限定はなく、下記のようなものが例示される。
N−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
前記エポキシ基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物には特に限定はなく、下記のようなものが例示される。
【0055】
【化4】

(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
一般式(1)で表わされる基を1分子あたり2個以上、分子末端に有するビニル系重合体を得るためには、2個以上の開始点を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
【0056】
【化5】

【0057】
【化6】

等が挙げられる。この重合において用いられるビニル系モノマーには特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
【0058】
また、重合触媒として用いられる遷移金属錯体には特に限定はないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族又は11族元素を中心金属とする金属錯体、例えば銅、ニッケル、ルテニウム、鉄の金属錯体である。さらに好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。
【0059】
前記1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等が挙げられる。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2’−ビピリジル、その誘導体、1,10−フェナントロリン、その誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子を添加することができる。
【0060】
また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh3)3)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類を添加することができる。さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh3)2)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh3)2)、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu3)2)も、触媒として好適である。
【0061】
重合は無溶剤又は各種の溶剤中で行なうことができる。溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶剤等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を混合して用いてもよい。また、重合は、室温〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲で行なうことができる。
【0062】
<官能基導入法>(A)成分の製造方法には特に限定はないが、例えば前述の方法により反応性官能基を有するビニル系重合体を製造し、反応性官能基を(メタ)アクリロイル系基を有する置換基に変換することにより製造することができる。以下に、反応性官能基を有するビニル系重合体の末端を一般式(1)で表わされる基に変換する方法について説明する。
【0063】
ビニル系重合体の末端に(メタ)アクリロイル系基を導入する方法には特に限定はないが、例えば以下の方法が挙げられる。
【0064】
(導入方法1)末端にハロゲン基(ハロゲン原子)を有するビニル系重合体と、一般式(2):
+−OC(O)C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、M+はアルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを表わす)
で示される化合物との反応による方法。末端にハロゲン基を有するビニル系重合体としては、一般式(3):
−CRX (3)
(式中、R、Rは、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす)
で示される末端基を有するものが好ましい。
【0065】
(導入方法2)末端に水酸基を有するビニル系重合体と、一般式(4):
C(O)C(R)=CH (4)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、Xは塩素原子、臭素原子又は水酸基を表わす)
で示される化合物との反応による方法。
【0066】
(導入方法3)末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(5):
HO−R’−OC(O)C(R)=CH (5)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物との反応による方法。
【0067】
以下に、前記各方法について詳細に説明する。
【0068】
[導入方法1]導入方法1は、末端にハロゲン基を有するビニル系重合体と、一般式(2)で示される化合物との反応による方法である。末端にハロゲン基を有するビニル系重合体には特に限定はないが、一般式(3)に示される末端基を有するものが好ましい。一般式(3)中のR、Rにおけるビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基としては、水素原子、メチル基、カルボニル基、カルボキシレート基、トルイル基、フルオロ基、クロロ基、トリアルコキシシリル基、フェニルスルホン酸基、カルボン酸イミド基、シアノ基等が挙げられる。末端にハロゲン基を有するビニル系重合体、特に一般式(3)で表わされる末端基を有するビニル系重合体は、前述の有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいはハロゲン化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
【0069】
一般式(2)で表わされる化合物には特に限定はない。一般式(2)中のRaにおける炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示され、その具体例としても前述と同様のものが例示される。一般式(2)中のM+は、オキシアニオンの対カチオンであり、その種類としては、アルカリ金属イオン、4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
【0070】
前記アルカリ金属イオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。4級アンモニウムイオンとしては、例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられる。これらのうち、好ましいものとしてはアルカリ金属イオンが、より好ましいものとしてはナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。
【0071】
一般式(2)で示される化合物の使用量は、一般式(3)で示される末端基に対して、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1.0〜1.2当量である。前記反応を実施する溶剤には特に限定はないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等が好ましく用いられる。反応温度には特に限定はないが、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。
【0072】
[導入方法2]導入方法2は、末端に水酸基を有するビニル系重合体と、一般式(4)で示される化合物との反応による方法である。一般式(4)で表わされる化合物には特に限定はない。一般式(4)中のRにおける炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示され、その具体例としても前述と同様のものが例示される。
【0073】
前記末端に水酸基を有するビニル系重合体は、前述の有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合させる方法、あるいは水酸基を有する化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合させる方法により製造されるが、好ましくは前者である。
【0074】
末端に水酸基を有するビニル系重合体を製造する方法には特に限定はないが、例えば以下の方法が例示される。(a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、一般式(10):
C=C(R13)−R14−R15−OH (10)
(式中、R13は水素原子又は炭素数1〜20の有機基、R14は−C(O)O−(エステル基)又はo−,m−もしくはp−フェニレン基、R15は直接結合又は1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表わす)
で示される一分子中に重合性のアルケニル基及び水酸基を併せもつ化合物等を第2のモノマーとして反応させる方法。
【0075】
前記R13としては、水素原子、メチル基が好ましい。また、R14がエステル基のものは(メタ)アクリレート系化合物、R14がフェニレン基のものはスチレン系化合物である。R15の具体例はRの具体例と同じである。なお、一分子中に重合性のアルケニル基及び水酸基を併せもつ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にゴム的な性質を期待する場合には、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0076】
(b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基及び水酸基を有する化合物を反応させる方法。前記化合物には特に限定はないが、例えば一般式(11):
C=C(R13)−R16−OH (11)
(式中、R13は前記と同じ、R16は1個以上のエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物等が挙げられる。前記R16の具体例は、Rの具体例と同じである。一般式(11)で示される化合物には特に限定はないが、入手が容易であるという点から、10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
【0077】
(c)特開平4−132706号公報等に開示されているような方法で、原子移動ラジカル重合により得られる一般式(3)で示される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを、加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
【0078】
(d)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(3)で示される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(12):
(R17)(R18)−R16−OH (12)
(式中、R16及びMは前記と同じ、R17、R18はともにカルバニオンCを安定化する電子吸引基又は一方が前記電子吸引基で、他方が水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を表わす)
で示される水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲン原子を置換する方法。
【0079】
前記電子吸引基としては、−COR(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R)(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN(ニトリル基)、−NO2(ニトロ基)等が挙げられ、−COR、−C(O)R、−CNが特に好ましい。置換基Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基である。
【0080】
(e)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(3)で示される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかるのちにアルデヒド類又はケトン類を反応させる方法。
【0081】
(f)重合体末端のハロゲン原子、好ましくは一般式(3)で示されるハロゲン原子を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(13):HO−R16−O−M+(13)(式中、R16及びM+は前記と同じ)で示される水酸基含有化合物等や、一般式(14):
HO−R16−C(O)O (14)
(式中、R16及びMは上記と同じ)で示される水酸基含有化合物等を反応させて、前記ハロゲン原子を水酸基含有置換基に置換する方法。
【0082】
(a)〜(b)のような水酸基を導入する方法にハロゲン原子が直接関与しない場合、制御がより容易である点から(b)の方法がさらに好ましい。また、(c)〜(f)のような炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲン原子を変換することにより水酸基を導入する場合、制御がより容易である点から(f)の方法がさらに好ましい。
【0083】
一般式(4)で示される化合物の使用量は、ビニル系重合体の末端水酸基に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜5当量である。前記反応を実施する溶剤には特に限定はないが、求核置換反応であるため極性溶剤が好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等が好ましく用いられる。反応温度は特に限定はないが、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。
【0084】
[導入方法3]導入方法3は、末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(5):
HO−R’−OC(O)C(Ra)=CH (5)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物との反応による方法である。
【0085】
一般式(5)中のRaにおける炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示され、その具体例としても前述と同様のものが例示される。一般式(5)中のR’の炭素数2〜20の2価の有機基としては、例えば炭素数2〜20のアルキレン基(エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等)、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基等が挙げられる。一般式(5)で示される化合物には特に限定はないが、特に好ましい化合物としては、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。前記末端に水酸基を有するビニル系重合体は、前記のとおりである。
【0086】
ジイソシアネート化合物には特に限定はなく、従来公知のものをいずれも使用することができる。具体例としては、例えばトルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ブロックイソシアネートを使用しても構わない。より優れた耐候性を得る点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香環を有しないジイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
【0087】
ジイソシアネート化合物の使用量は、ビニル系重合体の末端水酸基に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜5当量である。一般式(5)で示される化合物の使用量は、残存イソシアネート基に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜5当量である。また、反応溶剤には特に限定はないが、非プロトン性溶剤等が好ましい。反応温度には特に限定はないが、好ましくは0〜250℃、より好ましくは20〜200℃である。
【0088】
<<(B)成分>>(B)成分の開始剤としては、特に限定はないが、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤等が挙げられる。なお、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として使用してもよいが、混合物として使用する場合には、各種開始剤の使用量は、後述のそれぞれの範囲内にあることが好ましい。
【0089】
光重合開始剤としては、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤、近赤外光重合開始剤等が挙げられ、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤が好ましく、光ラジカル開始剤が特に好ましい。光ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾイル等が挙げられる。これらのうち、α−ヒドロキシケトン化合物(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等)、フェニルケトン誘導体(例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン等)が好ましい。
【0090】
光アニオン開始剤としては、例えば、1,10−ジアミノデカン、4,4’−トリメチレンジピペラジン、カルバメート類及びその誘導体、コバルト−アミン錯体類、アミノオキシイミノ類、アンモニウムボレート類等が挙げられる。
【0091】
近赤外光重合開始剤としては、近赤外光吸収性陽イオン染料等を使用しても構わない。近赤外光吸収性陽イオン染料としては、650〜1500nmの領域の光エネルギーで励起する、例えば特開平3−111402号公報、特開平5−194619号公報等に開示されている近赤外光吸収性陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体等を用いるのが好ましく、ホウ素系増感剤を併用することがさらに好ましい。
【0092】
これらの光重合開始剤は、単独、又は2種以上混合して用いても、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。他の化合物との組み合わせとしては、具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩を組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。
なお、前記光重合開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。
【0093】
(B)成分として光重合開始剤を使用する場合、その添加量は特に制限はないが、硬化性と貯蔵安定性の点から、(A)成分100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましい。
【0094】
また、熱重合開始剤としては、特に制限はないが、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤等が挙げられる。
【0095】
適切なアゾ系開始剤としては、限定されるわけではないが、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO33)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO50)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO52)、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO64)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO88)(全てDuPontChemicalから入手可能)、2,2′−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、及び2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(和光純薬より入手可能)等が挙げられる。
【0096】
適切な過酸化物開始剤としては、限定されるわけではないが、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox16S)(AkzoNobelから入手可能)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(Lupersol11)(ElfAtochemから入手可能)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(Trigonox21−C50)(AkzoNobelから入手可能)、及び過酸化ジクミル等が挙げられる。
【0097】
適切な過硫酸塩開始剤としては、限定されるわけではないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
【0098】
好ましい熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤及び過酸化物開始剤からなる群から選ばれる。更に好ましいものは、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、並びにこれらの混合物である。
【0099】
熱重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。(B)成分として熱重合開始剤を使用する場合、熱重合開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明の(A)成分及び他に添加可能な後述のモノマー及び/又はオリゴマー混合物の合計量を100重量部とした場合に、好ましくは約0.01〜5重量部、より好ましくは約0.025〜2重量部である。
【0100】
さらに、(B)成分として使用可能なレドックス(酸化還元)系開始剤は、幅広い温度領域で使用できる。特に、下記開始剤種は常温で使用できることが有利である。適切なレドックス系開始剤としては、限定されるわけではないが、上記過硫酸塩開始剤と還元剤(メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)の組み合わせ;有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせ、例えば過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンの組み合わせ、クメンハイドロパーオキサイドとアニリン類の組み合わせ;有機過酸化物と遷移金属の組み合わせ、例えばクメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートの組み合わせ等が挙げられる。好ましいレドックス系開始剤としては、有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせ、有機過酸化物と遷移金属の組み合わせであり、より好ましくは、クメンハイドロパーオキサイドとアニリン類の組み合わせ、クメンハイドロパーオキサイドとコバルトナフテートの組み合わせである。
【0101】
レドックス系開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。(B)成分としてレドックス系開始剤を使用する場合、レドックス系開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明の(A)成分及び他に添加可能な後述のモノマー及び/又はオリゴマー混合物の合計量を100重量部とした場合に、好ましくは約0.01〜5重量部、より好ましくは約0.025〜2重量部である。
【0102】
<<(C)成分>>(C)成分の軟磁性充填材としては、市販されている一般的な良ノイズ抑制性充填材を用いることができる。なかでも、高周波透磁率に優れる、入手性、等の観点から、Znフェライトとの複合フェライト、例えば、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Fe−Al−Si系三元合金( センダスト)、カルボニル鉄,純鉄,アモルファス合金などの金属粉末、等を挙げることができる。
【0103】
これら軟磁性充填材の中でも、周波数帯100〜1000KHzにおける透磁率や磁性損が比較的大きいなど高周波透磁率に優れることから、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソフトフェライト、Fe−Al−Si系三元合金( センダスト)、純鉄(純度95%以上のもの)、鉄ニッケル合金( パーマロイ)、を使用することが好ましい。
【0104】
(C)軟磁性充填材の形状は特に限定されるものではなく、球状、板状、繊維状、不定形状等の所望の形状のものを用いることができる。但し本発明のノイズ抑制シート用組成物から得られるノイズ抑制材料に対して低硬度などの柔軟性を付与したい場合には、充填剤として球状に近い形状のものを用いることが好ましい。また(C)軟磁性充填材の粒径は特に限定されないが、(A)成分との相溶性、補強性、吸収性能等から1〜100μm程度が好適である。
【0105】
また(C)軟磁性充填材は、(A)成分に対する分散性が向上する点から、シランカップリング剤(ビニルシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアナートシラン、クロロシラン、アミノシラン等)やチタネートカップリング剤(アルコキシチタネート、アミノチタネート等)、又は、脂肪酸(カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸等)や樹脂酸(アビエチン酸、ピマル酸、レボピマール酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、デヒドロアピエチン酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、コムル酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等)等により、表面が処理されたものであることが好ましい。
【0106】
<<(D)成分>>本発明のノイズ抑制シート用組成物は、必要に応じて、(D)成分の熱伝導性充填材を含有してもよい。熱伝導性充填材としては、市販されている一般的な良熱伝導性充填材を用いることができる。なかでも、熱伝導率、入手性、等の観点から、グラファイト、ダイヤモンド、等の炭素化合物;アクリロニトリル系ポリマー焼成物、フラン樹脂焼成物、クレゾール樹脂焼成物、ポリ塩化ビニル焼成物、砂糖の焼成物、木炭の焼成物等の有機ポリマー焼成物;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物;炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素等の金属炭化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩;結晶性シリカ;炭化窒素等が好ましく挙げられる。さらに、入手性や熱伝導性の観点から、グラファイト、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、結晶性シリカがより好ましく、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
【0107】
(D)熱伝導性充填材の形状は特に限定されるものではなく、球状、板状、繊維状、不定形状等の所望の形状のものを用いることができる。但し本発明のノイズ抑制シート用組成物から得られるノイズ抑制材料に対して低硬度などの柔軟性を付与したい場合には、充填剤として球状に近い形状のものを用いることが好ましい。また(D)熱伝導性充填材の粒径は特に限定されないが、(A)成分との相溶性、補強性、熱伝導性能等から、0.1〜500μm程度が好適である。
【0108】
また、(D)熱伝導性充填材は、(A)成分に対する分散性が向上する点から、シランカップリング剤(ビニルシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアナートシラン、クロロシラン、アミノシラン等)やチタネートカップリング剤(アルコキシチタネート、アミノチタネート等)、又は、脂肪酸(カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸等)や樹脂酸(アビエチン酸、ピマル酸、レボピマール酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、デヒドロアピエチン酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、コムル酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等)等により、表面が処理されたものであることが好ましい。
【0109】
このような軟磁性充填材、熱伝導性充填材の使用量としては、本発明のノイズ抑制シート用組成物から得られるノイズ抑制材料のノイズ抑制性や熱伝導率を高くすることができる点から、軟磁性充填剤と熱伝導性充填材を併せた充填材全体の容積率(%)が全組成物中の25容量%以上となることが好ましい。25容量%よりも少ない場合は、ノイズ抑制性や熱伝導性が十分でなくなる傾向がある。さらに高いノイズ抑制性や熱伝導率を望む場合は、充填材の使用量を、全組成物中の40容量%以上とすることがより好ましい。
【0110】
ここで充填材の容積率(%)とは、樹脂分及び充填材のそれぞれの重量分率と比重から算出されるものであり、次式により求められる。なお、次式においては、軟磁性充填材及び熱伝導性充填材を単に「充填材」と記載した。
充填材容積率(容量%)=(充填材重量比率/充填材比重)÷[(樹脂分重量比率/樹脂分比重)+(充填材重量比率/充填材比重)]×100
ここで、樹脂分とは、充填材を除いた全成分を指し、具体的には(A)〜(B)成分、さらに(E)成分のうち無機系難燃剤を除く有機成分や、その他各種有機系添加剤を指す。
【0111】
充填材全体に対する(C)軟磁性充填材と(D)熱伝導性充填材との比率は、ノイズ抑制シートに要求されるノイズ抑制性能や熱伝導性により適宜決定される。熱伝導性が要求されない場合には(D)熱伝導性充填材を用いる必要は無い場合も有るが、望ましくは(C)軟磁性充填材の容積率/(D)熱伝導性充填材の容積率=99.9/0.1〜10/90の範囲であり、さらに好ましくは99/1〜15/85の範囲であり、最も好ましくは95/5〜20/80の範囲である。
【0112】
また、(A)成分に対する充填材の充填率を高める1手法として、粒子径の異なる充填材を2種以上併用することが好適である。この場合、粒子径の大きい充填材を10μmを超えるものとし、粒子径の小さい充填材を10μm以下とすることが好ましい。また、これら充填材は、同一種類の充填材だけでなく、種類の異なる2種以上を併用することもできる。さらには(C)軟磁性充填材と(D)熱伝導性充填材とで粒子系の異なる充填材を用いることで、充填材全体としての充填率をより高めることもできる。
【0113】
<<(E)成分>>本発明のノイズ抑制シート用組成物は、必要に応じて、(E)成分の難燃剤を含有してもよい。難燃剤としては、市販されている一般的な難燃剤を用いることができる。なかでも、難燃性、入手性、等の観点から、ハロゲン化合物系難燃剤、リン化合物系難燃剤、シリコーン化合物系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、チッ素化合物系難燃剤、より選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0114】
これら難燃剤の中でも、リン酸エステル化合物系難燃剤を用いると、リン酸エステル化合物系難燃剤が可塑剤としての効果を併せ持つことから、本発明のノイズ抑制シート用組成物から得られるノイズ抑制材料に、難燃性と同時に柔軟性が向上する効果を付与することができるため好ましい。
【0115】
また、水酸化アルミニウム系難燃剤、水酸化マグネシウム系難燃剤、などの金属水酸化物系難燃剤は、(D)成分である熱伝導性充填材としての役割を併せ持っており、本発明のノイズ抑制シート用組成物から得られるノイズ抑制材料に、難燃性と同時に熱伝導性も付与することができるため、好ましい。金属水酸化物の中では、難燃性や熱伝導率にも優れることから、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
【0116】
このような難燃剤の使用量としては、本発明のノイズ抑制シート用組成物から得られるノイズ抑制材料の難燃性を高くすることができる点から、難燃剤の容積率(%)が全組成物中の0.1容量%以上となることが好ましい。0.1容量%よりも少ない場合は、難燃性が十分でなくなる傾向がある。さらに高い難燃性を望む場合は、難燃剤の使用量を、全組成物中の0.5容量%以上とすることがより好ましい。
【0117】
<<その他成分>>本発明のノイズ抑制シート用組成物は、必要に応じて、その他の成分として有機カルボン酸化合物を含有してもよい。有機カルボン酸化合物としては、例えば、ステアリン酸化合物等が挙げられ、ステアリン酸化合物以外にも炭素数1〜18の飽和脂肪酸化合物、炭素数3〜18の不飽和脂肪酸化合物、2〜36の脂肪族ジカルボン酸化合物等が挙げられる。ステアリン酸化合物としては、ステアリン酸鉛、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等のステアリン酸金属塩;ステアリン酸、ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸メチル等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛が好ましい。なお、上記有機カルボン酸化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0118】
(D)成分の使用量は、離型性とシートの物性バランスの観点から、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.025〜5重量部、より好ましくは0.05〜4重量部である。
【0119】
<<ノイズ抑制シート用組成物>>本発明のノイズ抑制シート用組成物は、耐油性や耐熱性を要求される部位に用いることが好ましい。本発明のノイズ抑制シート用組成物は、上述のように(A),(B),(C)成分を含有してなる組成物である。また、必要に応じて、(D)成分,(E)成分を含有させることができる。さらに、表面硬化性の向上、タフネスの付与、粘度低減による作業性の向上等を目的として、重合性のモノマー及び/又はオリゴマー等を併用することもできる。さらに、本発明のノイズ抑制シート用組成物には、必要に応じて、物性を調節するために各種添加剤等を配合してもよい。
【0120】
<重合性のモノマー及び/又はオリゴマー>前記重合性のモノマー及び/又はオリゴマーとしては、ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
【0121】
前記ラジカル重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用するビニル系重合体と類似する(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
【0122】
前記アニオン重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用するビニル系重合体と類似する(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
【0123】
前記モノマーの具体例としては、(メタ)アクリレート系モノマー、環状アクリレート、スチレン系モノマー、アクリロニトリル、ビニルエステル系モノマー、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド系モノマー、共役ジエン系モノマー、ビニルケトン系モノマー、ハロゲン化ビニル・ハロゲン化ビニリデン系モノマー、多官能モノマー等が挙げられる。
【0124】
(メタ)アクリレート系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。また、下式で示される化合物等もあげることができる。なお、下式において、nは0〜20の整数を示す。
【0125】
【化7】

【0126】
【化8】

【0127】
【化9】

【0128】
【化10】

【0129】
【化11】

スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。ビニルエステル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。アクリルアミド系モノマーとしては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。共役ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。ビニルケトン系モノマーとしては、メチルビニルケトン等が挙げられる。ハロゲン化ビニル・ハロゲン化ビニリデン系モノマーとしては、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールポリプロポキシジアクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリアクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、ジペンタエリスリトールポリヘキサノリドヘキサクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートポリヘキサノリドトリアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート2−(2−アクリロイルオキシ−1,1−ジメチル)−5−エチル−5−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジオキサン、テトラブロモビスフェノールAジエトキシジアクリレート、4,4−ジメルカプトジフェニルサルファイドジメタクリレート、ポリテトラエチレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
【0130】
オリゴマーとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂、COOH基変性エポキシアクリレート系樹脂等のエポキシアクリレート系樹脂;ポリオール(ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコールとアジピン酸のポリエステルジオール、ε−カプロラクトン変性ポリエステルジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端水添ポリイソプレン、水酸基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリイソブチレン等)と有機イソシアネート(トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)から得られたウレタン樹脂を、水酸基含有(メタ)アクリレート{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等}と反応させて得られたウレタンアクリレート系樹脂;前記ポリオールにエステル結合を介して(メタ)アクリル基を導入した樹脂;ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリ(メタ)アクリルアクリレート系樹脂(重合性の反応基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂)等が挙げられる。
【0131】
上記のうち、(メタ)アクリロイル系基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが好ましい。また、(メタ)アクリロイル系基を有するモノマー及び/又はオリゴマーの数平均分子量は、5000以下であることが好ましい。さらに、表面硬化性の向上や、作業性向上のための粘度低減のために、モノマーを用いる場合には、分子量が1000以下であることが、相溶性が良好であるという理由からさらに好ましい。
【0132】
重合性のモノマー及び/又はオリゴマーの使用量としては、表面硬化性の向上、タフネスの付与、粘度低減による作業性の観点から、(A)成分100重量部(以下、単に部ともいう)に対して、1〜200部が好ましく、5〜100部がより好ましい。
【0133】
<その他充填剤>本発明のノイズ抑制シート用組成物には、(C)(D)成分以外にも、各種充填材を必要に応じて用いてもよい。該充填材には特に限定はないが、ヒュームドシリカ、沈降法シリカ、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、ケイソウ土、白土、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック等の補強性充填材;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛及びシラスバルーン等の充填材;石綿、ガラス繊維及びガラスフィラメント、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。これら充填材のうちでは、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。また、低強度で伸びが大であるノイズ抑制シートを得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、及びシラスバルーン等から選ばれる充填材を添加することができる。これら充填材は、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ましい。前記表面処理剤としては、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等の有機物や各種界面活性剤、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の各種カップリング剤が用いられる。充填材は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0134】
<接着性付与樹脂>本発明のノイズ抑制シート用組成物は、好ましくは(メタ)アクリル系重合体を主成分とするものであるため、接着性付与樹脂を添加する必要は必ずしもないが、必要に応じて、各種のものを使用することができる。具体例をあげるならば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂等である。接着性付与樹脂の使用量は、ノイズ抑制シートの機械物性、耐熱性、耐油性と接着性のバランスの観点から、(A)成分100部に対して、0.1〜100部が好ましい。
【0135】
<老化防止剤>本発明のノイズ抑制シート用組成物には、物性を調製するために老化防止剤を配合してもよい。アクリル系重合体は、本来、耐熱性、耐候性、耐久性に優れた重合体であるので、老化防止剤は必ずしも必要ではないが、従来公知の酸化防止剤、光安定剤を適宜用いることができる。また、老化防止剤は、重合時の重合制御にも用いることができ、物性制御を行なうことができる。
【0136】
酸化防止剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。酸化防止剤としては、例えば、アデカスタブPEP−36、アデカスタブAO−23(以上、いずれも(株)アデカ製)等のチオエーテル系;Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等のリン系酸化防止剤;ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
【0137】
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、以下のものを例示することができる。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ又はトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0138】
商品名で言えば、ノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業(株)製)、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−616、アデカスタブAO−635、アデカスタブAO−658、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−15、アデカスタブAO−18、アデカスタブ328、アデカスタブAO−37(以上いずれも(株)アデカ製)、IRGANOX−245、IRGANOX−259、IRGANOX−565、IRGANOX−1010、IRGANOX−1024、IRGANOX−1035、IRGANOX−1076、IRGANOX−1081、IRGANOX−1098、IRGANOX−1222、IRGANOX−1330、IRGANOX−1425WL(以上、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、SumilizerGA−80(以上、いずれも住友化学工業(株)製)等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0139】
さらに、アクリレート基とフェノール基を併せもつモノアクリレートフェノール系酸化防止剤、ニトロキシド化合物等が挙げられる。モノアクリレートフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート(商品名スミライザーGS)等が例示される。
【0140】
ニトロキシド化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが例示される。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
【0141】
酸化防止剤は光安定剤と併用してもよく、併用することによりその効果をさらに発揮し、特に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。予め酸化防止剤と光安定剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上、いずれも日本チバガイギー(株)製)等を使用してもよい。
【0142】
分子中に(メタ)アクリロイル系基を有するビニル系重合体を用いて、光ラジカル硬化によりノイズ抑制シートを作製する場合、重合が速く進行するために、その制御が難しく、重合が行き過ぎた場合には過架橋状態となり、得られたノイズ抑制シートが十分な伸びを示さない等、機械強度が不十分な場合が少なくない。重合を制御する方法として、重合に関与する官能基をメタアクリロイル基にすることにより、アクリロイル基の場合よりも重合性を低下させることもできるが、この場合、極端に重合性が低下することが多く実用的ではない。また一般に、重合禁止剤を用いることがあるが、これは重合そのものを抑制させる目的であり、重合の制御には適さない。一方、得られたノイズ抑制シートの耐熱性、耐侯性を向上させるために、老化防止剤を添加することがあるが、これはノイズ抑制シートの初期物性を向上させる目的では使用されていない。上記モノアクリレートフェノール系酸化防止剤は、酸化防止剤としてだけではなく、重合を制御することができ、ノイズ抑制シートの伸びを改善することもできる。ノイズ抑制シートの物性制御を容易に行なえることから、上述と同じものが例示される。当該モノアクリレートフェノール系酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0143】
モノアクリレートフェノール系酸化防止剤をはじめとする上記各種酸化防止剤の使用量は、特に限定されないが、得られるノイズ抑制シートの機械物性によい効果を与えることを目的として、(A)成分100部に対して0.01部以上が好ましく、0.05部以上がより好ましい。また、5.0部以下が好ましく、3.0部以下がより好ましく、2.0部以下がさらに好ましい。
【0144】
<可塑剤>本発明のノイズ抑制シート用組成物には、可塑剤を配合してもよい。可塑剤としては、物性の調整、性状の調節等の目的により、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なお、これら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。可塑剤の使用量は、伸び付与、作業性、ノイズ抑制シートからのブリード防止の観点から、(A)成分100部に対して、5〜800部が好ましい。
【0145】
<溶剤>本発明のノイズ抑制シート用組成物には、塗工時の作業性、硬化前後の乾燥性等の観点から、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤としては、通常、沸点が50〜180℃のものが、塗工時の作業性、硬化前後の乾燥性に優れることから好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ジオキサン等の環状エーテル系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。溶剤の使用量は、ノイズ抑制シートの仕上がり、作業性、乾燥のバランスの観点から、(A)成分100部に対して、1〜900部が好ましい。
【0146】
<接着性改良剤>本発明のノイズ抑制シート用組成物には、各種支持体(プラスチックフィルム等)に対する接着性を向上させるために各種接着性改良剤を添加してもよい。接着性改良剤としては、例示するならば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。接着性改良剤の使用量は、ノイズ抑制シートの機械物性(伸びと強度)と接着性のバランスの観点から、(A)成分100部に対して、0.1〜20部が好ましい。
【0147】
<ノイズ抑制シート用組成物の調製>本発明のノイズ抑制シート用組成物は、全ての配合成分を予め配合密封した1液型として調製でき、また、開始剤だけを抜いたA液と、開始剤を充填材、可塑剤、溶剤等と混合したB液を成形直前に混合する2液型としても調製できる。
【0148】
<<ノイズ抑制シート>>本発明のノイズ抑制シートは、上記ノイズ抑制シート用組成物を硬化させて得られるものである。当該ノイズ抑制シート用組成物を硬化させる方法としては、特に限定されない。(B)成分として光重合開始剤を用いる場合、活性エネルギー線源により光又は電子線を照射して、硬化させることができる。活性エネルギー線源としては特に限定はないが、用いる光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライド等が挙げられる。(B)成分として光重合開始剤を用いる場合、その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。
【0149】
(B)成分として熱重合開始剤を用いる場合、その硬化温度は、使用する熱重合開始剤、(A)成分、添加される他の化合物等の種類により異なるが、通常50℃〜250℃が好ましく、70℃〜200℃がより好ましい。(B)成分としてレドックス系開始剤を用いる場合、その硬化温度は、−50℃〜250℃が好ましく、0℃〜180℃がより好ましい。
【0150】
ノイズ抑制シートの硬度は、JIS K−6253に準じ測定されるデュロメーター硬度タイプEにて、75未満であることが、シートの柔軟性が高く発熱体との密着性に優れるため好ましい。デュロメーター硬度タイプEの値は、好ましくは73未満、さらに好ましくは71未満である。
【0151】
<<用途>>本発明のノイズ抑制シート用組成物の使用方法としては、特に制限はない。射出成形や押出成形、圧縮成形、液状射出成形、コーター、カレンダー等一般的に利用されている各種成形方法により、シート状、フィルム、成形体、ガスケット等の定形状に成形して使用する場合や、接着剤のように不定形で塗布、充填し、その後加熱すること等により硬化させることができる。本発明のノイズ抑制シート用組成物は、発熱性のあるヒーター、温度センサー、CPU、トランジスタ等の電子部品等からの熱を、冷却部材等に放散させる熱伝導性材料を形成することができる。また、(A)成分として(メタ)アクリロイル基含有ビニル系重合体をベース樹脂として使用した場合は、耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐水性、電気絶縁性に優れるため、過酷な使用環境に耐え得るものである。
【実施例】
【0152】
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0153】
また、下記実施例中、「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodexGPCK−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
【0154】
下記実施例中、「平均末端(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりに導入された(メタ)アクリロイル基数」であり、H−NMR分析及びGPCにより求められた数平均分子量より算出した。なお、下記実施例中の「部」は「重量部」を表す。
【0155】
製造例1(アクリロイル基両末端ポリアクリル酸n−ブチルの合成)
臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、ジエチル−2,5−ジブロモアジペートを開始剤として、アクリル酸n−ブチルを重合し、数平均分子量22500、分子量分布1.15の末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル)を得た。この重合体300gをN,N−ジメチルアセトアミド(300mL)に溶解させ、アクリル酸カリウム8.3gを加え、窒素雰囲気下、70℃で3時間加熱攪拌し、アクリロイル基両末端ポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下、重合体〔1〕という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去した後、残渣にトルエンを加えて、不溶分をろ過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体〔1〕を精製した。精製後の重合体〔1〕の数平均分子量は22800、分子量分布は1.15、平均末端アクリロイル基数は2.0であった。
【0156】
製造例2(アクリロイル基片末端ポリアクリル酸n−ブチルの合成)
臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、2−ブロモブチル酸エチルを開始剤として、アクリル酸n−ブチルを重合し、数平均分子量11800、分子量分布1.08の片末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル)を得た。この重合体1050gをN,N−ジメチルアセトアミド(1050g)に溶解させ、アクリル酸カリウム19.7gを加え、窒素雰囲気下、70℃で3時間加熱攪拌し、アクリロイル基片末端ポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下、重合体〔2〕という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去した後、残渣にトルエンを加えて、不溶分を濾過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体〔2〕を精製した。精製後のアクリロイル基片末端重合体〔2〕の数平均分子量は11900、分子量分布は1.09、平均末端アクリロイル基数は0.90であった。
【0157】
製造例3(アクリロイル基片末端ポリアクリル酸n−ブチルの合成)
臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、2−ブロモブチル酸エチルを開始剤として、アクリル酸n−ブチルを重合し、数平均分子量3700、分子量分布1.14の片末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル)を得た。この重合体1050gをN,N−ジメチルアセトアミド(1050g)に溶解させ、アクリル酸カリウム56.2gを加え、窒素雰囲気下、70℃で4時間加熱攪拌し、アクリロイル基片末端ポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下、重合体〔3〕という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去した後、残渣にトルエンを加えて、不溶分を濾過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体〔3〕を精製した。精製後のアクリロイル基片末端重合体〔3〕の数平均分子量は3800、分子量分布は1.15、平均末端アクリロイル基数は1.0(すなわち、末端へのアクリロイル基の導入率はほぼ100%)であった。
【0158】
実施例1
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)600部、ナイパーBW(ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を150℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0159】
実施例2
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、CGC−100(球状化黒鉛、日本黒鉛工業製)20部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)450部、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0160】
実施例3
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、CGC−100(球状化黒鉛、日本黒鉛工業製)100部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)250部、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0161】
実施例4
製造例1で得られた重合体〔1〕20部、製造例3で得られた重合体〔3〕80部、BSN−714(Ni−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)750部、ナイパーBW(ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を150℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0162】
実施例5
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)500部、センダスト粉(メイト製)85部、TCP(トリクレジルホスフェート、大八化学製)15部、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)1.5部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部、ステアリン酸カルシウム(和光純薬製)0.5部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0163】
実施例6
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、CGC−100(球状化黒鉛、日本黒鉛工業製)100部、カルボニル鉄(戸田工業製)400部、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)1.5部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0164】
実施例7
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、CGC−100(球状化黒鉛、日本黒鉛工業製)20部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)400部、BF013(水酸化アルミニウム、日本軽金属製)50部、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0165】
実施例8
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、CGC−100(球状化黒鉛、日本黒鉛工業製)20部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)400部、AS−50(丸み状アルミナ、昭和電工製)50部、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0166】
実施例9
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、CGC−100(球状化黒鉛、日本黒鉛工業製)20部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)400部、PTX60(球状化窒化ホウ素、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)50部、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、ノイズ抑制シート用組成物を得た。上記ノイズ抑制シート用組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のノイズ抑制シートを得た。
【0167】
比較例1
製造例1で得られた重合体〔1〕25部、製造例2で得られた重合体〔2〕75部、ナイパーBW(ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製)1部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合して混練し、比較用組成物を得た。上記組成物を150℃×15分間プレスして、1mm厚のシートを得た。
【0168】
比較例2
アクリルゴムであるトアアクロンAR860(トウペ製)100部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)600部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、比較用組成物を得た。上記組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のシートを得た。
【0169】
比較例3
アクリルゴムであるトアアクロンAR860(トウペ製)100部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)600部、トリメックスT08(可塑剤、花王製)50部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、比較用組成物を得た。上記組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のシートを得た。
【0170】
比較例4
アクリル系共重合体であるであるアクトフローCB−3098(COOH基含有アクリル系共重合体、綜研化学製)100部、SR−MK3(グリシジル硬化剤、阪本薬品工業製)23部、キュアゾール2E4MEZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール系触媒、四国化成工業製)1部、BSF−547(Mn−Zn系ソフトフェライト、戸田工業製)600部、アデカスタブAO−60(アデカ製)1部を加え、充分に混合、さらに3本ロールに3回通して混練し、比較用組成物を得た。上記組成物を180℃×15分間プレスして、1mm厚のシートを得た。
【0171】
実施例及び比較例で得られたノイズ抑制シート用組成物、ノイズ抑制シートを用いて、ノイズ抑制性、熱伝導率、加熱減量、表面抵抗値、硬度(DuroE)、難燃性、を下記のようにして評価した。また、上記組成物における各成分の配合量(部)と、測定結果を表1に示す。
【0172】
<ノイズ抑制性>
IEC62333−2の近傍界用ノイズ抑制シート評価法規格に準じ、トランスミッションアッテネーションパワーレシオ測定システムにて、測定周波数100MHz〜5GHzの範囲で、厚み1mmのシートにてノイズ抑制性Rtpを測定した。評価は周波数2GHz及び3GHzでの値を代表値として用いた。
【0173】
<熱伝導性>
ホットディスク法熱伝導率測定装置TPA−501(京都電子工業(株)製)を用い、4φサイズのセンサーを厚み3mm、直径20mmの円盤状サンプル2枚で挟む方法にて熱伝導率を測定した。
【0174】
<加熱減量>
熱重量測定装置TGA−50(島津製作所(株)製)を用い、窒素雰囲気下、室温から150℃まで5℃/分で昇温し、150℃における重量減少率を測定した。
【0175】
<表面抵抗値>
JIS K7194に準じ、4端子法にて、印加電圧=250V、23℃×50%RHで表面抵抗値を測定した。
【0176】
<硬度>
JIS K−6253に準じ、デュロメーター硬度タイプEを、アスカーゴム硬度計E型を使用し、23℃×50%RHで測定した。
【0177】
<難燃性>
厚み1mmのシートにおける難燃性を、UL94のV規格に準じ評価した。
【0178】
【表1】

実施例では、ノイズ抑制性能に優れた組成物及びシートが得られている。また熱伝導性充填材を添加した実施例では高熱伝導率のサンプルが、難燃剤を添加した実施例では難燃性に優れたサンプルが、それぞれ得られた。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明のノイズ抑制シート用組成物は、(メタ)アクリロイル基含有ビニル系重合体及び熱伝導性充填材を配合することにより、優れたノイズ抑制性能、電磁波吸収性能と耐久性を付与するとともに、必要に応じ熱伝導性をも付与しうる。また揮発成分が少なく、表面粘着性を容易に制御し得ることから、特に密着性が重要となるノイズ抑制材料や放熱材料等の目的に使用されるノイズ抑制材料に好適なものである。また、本発明のノイズ抑制シート用組成物は、加熱により短時間での成型が可能であり、生産性にも優れている。さらに難燃剤を添加することで難燃性を付与できるうえ、有機カルボン酸化合物を添加することにより、離型性にも優れたものとなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(1):−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり平均で1個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を0.8個以上有するビニル系重合体、(B)開始剤、(C)軟磁性充填材を含有してなるノイズ抑制シート用組成物。
【請求項2】
(A)成分(B)成分(C)成分に、さらに(D)熱伝導性充填材を含有してなる請求項1に記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項3】
前記(A)成分が、
(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体、および、
(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体、
を含有することを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項4】
前記(A)成分が、
(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体99〜1重量%、
(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体1〜99重量%、および、
(A−3)分子内に前記一般式(1)で表わされる基を有しないビニル系重合体0〜20重量%、
(ただし、(A−1)、(A−2)、(A−3)の合計を100重量%とする)
からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項5】
前記(A)成分が、
(A−1)分子の両末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体50〜10重量%、
(A−2)分子の片末端に前記一般式(1)で表わされる基を有するビニル系重合体5〜90重量%、および、
(A−3)分子内に前記一般式(1)で表わされる基を有しないビニル系重合体0〜20重量%、
(ただし、(A−1)、(A−2)、(A−3)の合計を100重量%とする)
からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項6】
(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、(メタ)アクリル系モノマーである請求項1〜5のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項7】
(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、アクリル酸エステル系モノマーである請求項1〜6のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項8】
(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル及び2−メトキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1つを含むものである請求項1〜7のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項9】
(A)成分の一般式(1)におけるRが、水素原子又はメチル基である請求項1〜8のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項10】
前記(A)成分の主鎖が、ビニル系モノマーのリビングラジカル重合により製造されてなる請求項1〜9のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項11】
リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合である請求項10記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項12】
前記(A)成分の数平均分子量が3000以上である請求項1〜11のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項13】
前記(A)成分のビニル系重合体が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満である請求項1〜12のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項14】
(C)成分が、Znフェライトとの複合フェライト、Fe−Al−Si系三元合金および金属粉末から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜13のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項15】
(C)成分が、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Fe−Al−Si系三元合金、純度95%以上の純鉄粉末、鉄ニッケル合金粉末、から選ばれる少なくとも1種である、請求項14記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項16】
(D)成分が、炭素化合物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、結晶性シリカ、有機ポリマー焼成物及び炭化窒素から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜15のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項17】
(D)成分が、グラファイト、ダイヤモンド、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である請求項16記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項18】
(C)成分である軟磁性充填材、(D)成分である熱伝導性充填材、を併せた充填材全体の容積率が、全組成物中25容積%以上である、請求項1〜17のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項19】
前記(A)、(B)、(C)成分、必要により(D)成分、に加えて、さらに(E)難燃剤を含有してなる請求項1〜18のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項20】
前記(E)成分がハロゲン化合物系難燃剤、リン化合物系難燃剤、シリコーン化合物系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、チッ素化合物系難燃剤、より選ばれる1種以上である、である請求項19記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項21】
前記(E)成分がリン酸エステル化合物系難燃剤、水酸化アルミニウム系難燃剤、水酸化マグネシウム系難燃剤、より選ばれる1種以上である、請求項19〜20のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載のノイズ抑制シート用組成物を硬化させて得られてなるノイズ抑制シート。
【請求項23】
デュロメーター硬度タイプEが75未満である、請求項22に記載のノイズ抑制シート。

【公開番号】特開2009−67950(P2009−67950A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239845(P2007−239845)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】