ノイズ検知装置、再生装置、およびノイズ検知プログラム
【課題】動画像に含まれる点滅ノイズを、精度良く的確に自動で検知する。
【解決手段】処理の対象となる動画像の情報を取得する取得部と、動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割部と、領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出部と、複数枚の画像間において、現在の画像における特徴量と、1つ前の画像における特徴量との差分に基づいて領域の特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定部と、状態判定部により判定した状態に基づき特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出部と、状態判定部により判定した状態が増加から減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、特徴量の変化量に基づいて、動画像の任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定部と、領域ノイズ判定部の判定結果に基づいて、動画像に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定部とを備える。
【解決手段】処理の対象となる動画像の情報を取得する取得部と、動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割部と、領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出部と、複数枚の画像間において、現在の画像における特徴量と、1つ前の画像における特徴量との差分に基づいて領域の特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定部と、状態判定部により判定した状態に基づき特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出部と、状態判定部により判定した状態が増加から減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、特徴量の変化量に基づいて、動画像の任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定部と、領域ノイズ判定部の判定結果に基づいて、動画像に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズ検知装置、再生装置、およびノイズ検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画像においては、特定の要因に起因する固有のノイズが発生することが知られている。例えば、動画像において輝度や色が短い時間内に大きく変化する点滅ノイズがある。そこで、このような点滅ノイズの検知を自動化することが考えられている。例えば、特許文献1の発明では、フレーム画像にサンプリング位置を表す標本点を複数設定し、標本点の色情報を順次抽出して判断を行うことにより、点滅ノイズを自動的に検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4476125号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明は、各標本点の色情報を、フレーム全体で平均化しているため、正しい検知が行われない場合がある。例えば、上述した平均化により求められた平均値は、「フレームの一部が非常に明るい点滅ノイズ」と「フレーム全体が中程度に明るい点滅ノイズ」とで同じになってしまう場合がある。
【0005】
本発明の目的は、動画像に含まれる点滅ノイズを、精度良く的確に自動で検知するための手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の態様のノイズ検知装置は、処理の対象となる動画像の情報を取得する取得部と、前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割部と、前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出部と、前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定部と、前記状態判定部により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出部と、前記状態判定部により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定部と、前記領域ノイズ判定部の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定部とを備える。
【0007】
なお、前記状態判定部は、現在の画像における前記特徴量と1つ前の画像における前記特徴量との差分が予め定められた閾値を越えないときには、1つ前の判定を維持しても良い。
【0008】
また、前記特徴量変化算出部は、前記状態判定部により判定した前記状態が1つ前の画像における前記状態と同一のときは前記差分の値を累積しても良い。
【0009】
前記状態判定部は前記増加もしくは前記減少のどちらかの状態を所定時間維持した場合に定常状態と判定しても良い。
【0010】
また、前記ノイズ判定部は、前記領域ノイズ判定部による判定結果に基づいて、前記動画像を構成するそれぞれの画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行っても良い。
【0011】
また、前記ノイズ判定部は、前記画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定した判定結果に基づいて、前記対象動画像において、所定の時間内に所定の回数以上の前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行っても良い。
【0012】
また、前記領域ノイズ判定部は、前記特徴量の変化量が所定の閾値より大きい場合に、前記対象動画像の前記任意の領域に前記点滅ノイズが含まれると判定しても良い。
【0013】
また、前記ノイズ判定部は、前記特徴量変化算出部により算出された前記特徴量の変化量に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う際に、連続する少なくとも2枚の前記画像における前記判定結果を加味して判定を行っても良い。
【0014】
また、前記算出部は、前記特徴量として、前記画像の輝度に関する特徴量と、前記画像の色情報に関する特徴量との少なくとも一方を算出しても良い。
【0015】
一の態様の再生装置は、動画像を記録する記録部と、前記動画像を再生する再生部と、上述した何れかのノイズ検知装置とを備え、前記取得部は、前記記録部から前記対象動画像の情報を取得する。
【0016】
一の態様のノイズ検知プログラムは、処理の対象となる動画像の情報を取得する取得処理と、前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割処理と、前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出処理と、前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定処理と、前記状態判定処理により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出処理と、前記状態判定処理により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定処理と、前記領域ノイズ判定処理の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、動画像に含まれる点滅ノイズを、精度良く的確に自動で検知するための手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ノイズ検知装置の構成例を示すブロック図
【図2】ノイズ検知時のノイズ検知装置の動作例を示す流れ図
【図3】ノイズ検知時のノイズ検知装置の動作例を示す流れ図(続き)
【図4】ノイズ検知時のノイズ検知装置の動作例を示す流れ図(続き)
【図5】分割処理について説明する図
【図6】色相に関する重み付けテーブルの例
【図7】彩度に関する重み付けテーブルの例
【図8】明度に関する重み付けテーブルの例
【図9】差分値の変化の状態について説明する図
【図10】差分値の変化の状態について説明する別の図
【図11】輝度点滅の検出の変形例について説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、実施形態でのノイズ検知装置の構成例を示すブロック図である。ノイズ検知装置には、処理の対象となる動画像(対象動画像)について、ノイズを検知するためのノイズ検知プログラムが予めインストールされる。
【0020】
なお、対象動画像はどのようなものであっても良い。例えば、デジタル画像を生成可能な撮像装置により生成されたものであっても良いし、アナログの動画像の画像データをデジタルデータに変換したものであっても良いし、ビデオテープなどに記録された動画像をデジタルデータに変換したものであっても良い。また、コンピュータなどにより作成された動画像であっても良い。
【0021】
また、以下では、対象動画像の全フレームをノイズ検知の対象として処理を行う例を示すが、対象動画像の一部のフレームのみをノイズ検知の対象として処理を行っても良い。この場合、ノイズ検知の対象となるフレームは、ユーザ操作に基づいて指定されても良いし、対象動画像の情報などに基づいて自動で指定されても良い。
【0022】
図1に示すノイズ検知装置11は、ノイズ検知部12、CPU13、アラーム出力部14および入出力I/F15、バス16を有している。CPU13は、入出力I/F14と相互に接続される。また、ノイズ検知部12の出力は、バス16を介してCPU13に接続される。さらに、アラーム出力部14は、CPU13により制御される。
【0023】
ノイズ検知装置11に入力された対象動画像の画像データは、ノイズ検知部12に入力される。
【0024】
さらに、ノイズ検知装置11には、入出力I/F14を介して、不図示の入力デバイス(キーボード、ポインティングデバイスなど)やモニタ、LAN接続のためのネットワークケーブルなどが接続されている。
【0025】
また、ノイズ検知装置11は、不図示の記憶装置(例えば、ハードディスクや、不揮発性の半導体メモリなどの記憶媒体で構成される)を備える。この記憶装置には、画像処理プログラムや、プログラムの実行に必要となる各種のデータが記録されている。
【0026】
CPU13は、ノイズ検知装置11の各部を統括的に制御するプロセッサである。また、アラーム出力部14は、スピーカ、モニタ、ランプなどの報知部材を備え、ノイズ検知部12による検知結果をユーザに報知する。
【0027】
ノイズ検知部12は、図1に示すように、対象動画像が入力されるYHSV変換部31、輝度点滅ノイズを検知する輝度点滅ノイズ検知部22、色点滅ノイズを検知する色点滅ノイズ検知部23を有する。そして、輝度点滅ノイズ検知部22は、Y評価値算出部31、ブロック輝度点滅検出部32、フレーム輝度点滅判定部33、輝度点滅判定部34の各部を備え、色点滅ノイズ検知部23は、H評価値算出部35、S評価値算出部36、V評価値算出部37、ブロック色情報算出部38、ブロック色点滅検出部39、フレーム色点滅判定部40、色点滅判定部41の各部を備える。
【0028】
以上説明した構成のノイズ検知装置11は、予め定められた固有の点滅ノイズを検知する。検知の対象となる点滅ノイズはどのようなものであっても良いが、以下では、「鮮やかな赤色の点滅」が、「1フレームの所定の面積以上の頻度」で、「1秒間に3回以上」発生する点滅ノイズを検知対象の例として説明する。また、以下では、上述した点滅ノイズを検知する際に、「輝度点滅」および「色点滅」の2つの要素について検知を行う例を説明する。なお、検知対象となる「固有の点滅ノイズ」には、表現上の必要に基づき対象動画像に存在する点滅も含まれる。例えば、アニメーションにおいて、爆発などを表現するための点滅も、「固有の点滅ノイズ」としてノイズ検知装置11の検知対象になり得る。
【0029】
まず、図2から図4の流れ図を参照しつつ、ノイズ検知部12における点滅ノイズの検知の動作例を説明する。なお、図2から図4の流れ図の処理は、ユーザによるプログラム実行指示に応じて、各部がノイズ検知プログラムを実行することで開始される。
【0030】
(ステップS101)
ノイズ検知部12は、ユーザにより指定された対象動画像の1フレームの画像データを取得する。取得した1フレームの画像データは、図1に示すように、YHSV変換部21に入力される。
【0031】
(ステップS102)
ノイズ検知部12は、YHSV変換部21によりYHSV変換処理を行う。
【0032】
YHSV変換部21は、入力信号に対して公知のYHSV変換処理を施し、輝度信号(以下、Y信号と称する)、色相信号(以下、H信号と称する)、彩度信号(以下、S信号と称する)、明度信号(以下、V信号と称する)の各信号を生成する。YHSV変換処理の内容は、入力信号の形式によって異なる。例えば、入力信号がYCbCr信号である場合には、Y成分をそのままY信号として出力し、H信号、S信号、V信号をそれぞれ生成する。また、例えば、入力信号がRGB信号である場合には、公知のRGB色空間からYHSV色空間への変換処理を行い、Y信号、H信号、S信号、V信号をそれぞれ生成する。
【0033】
生成されたY信号は、Y評価値算出部31に入力される。また、生成されたH信号は、H評価値算出部35に入力される。また、生成されたS信号は、S評価値算出部36に入力される。また、生成されたV信号は、V評価値算出部37に入力される。
【0034】
(ステップS103)
ノイズ検知部12は、Y評価値算出部31により、分割処理を行う。Y評価値算出部31は、入力されたY信号について、フレームごとに複数の領域に分割する。Y評価値算出部31は、例えば、図5に示すように、各フレームのY信号を、縦横それぞれ5ずつの25の領域に分割する。この分割による25の領域を、それぞれ、B(1)〜B(25)と称する。
【0035】
また、ノイズ検知部12は、H評価値算出部35、S評価値算出部36、V評価値算出部37により、それぞれ、H信号、S信号、V信号に対して同様の分割処理を行い、上述したB(1)〜B(25)の25の領域に分割する。
【0036】
なお、図5の例では、5×5に等分割する例を示したが、他の分割方法であっても良い。例えば、フレーム内の場所によって大きさの違う領域に分割しても良い。
【0037】
さらに、対象動画像の内容や、対象動画像を撮影時の撮影モードなどに応じて、分割方法を適宜変更する構成としても良い。
【0038】
(ステップS104)
ノイズ検知部12は、Y評価値算出部31により、評価値算出処理を行う。Y評価値算出部31は、ステップS103で分割したB(1)〜B(25)の25の領域ごとに、評価値を算出する。Y評価値算出部31は、例えば、評価値として、各領域に含まれるY信号の平均値を算出する。この結果、B(1)〜B(25)の25の領域に対応して、25の評価値(以下、Ey(1)〜Ey(25)と称する。)が算出される。この評価値は、ブロック輝度点滅検出部32に入力され、輝度点滅ノイズの検出に用いられる(詳細は後述する)。
【0039】
また、ノイズ検知部12は、H評価値算出部35により、H信号に対して同様の処理を行い、25の評価値(以下、Eh(1)〜Eh(25)と称する。)を算出し、S評価値算出部36により、S信号に対して同様の処理を行い、25の評価値(以下、Es(1)〜Es(25)と称する。)を算出し、V評価値算出部37により、V信号に対して同様の処理を行い、25の評価値(以下、Ev(1)〜Ev(25)と称する。)を算出する。
【0040】
さらに、ノイズ検知部12は、ブロック色情報算出部38により、色情報に関する評価値算出処理を行う。ブロック色情報算出部38は、上述したH信号に基づく評価値(Eh(1)〜Eh(25))と、S信号に基づく評価値(Es(1)〜Es(25))と、V信号に基づく評価値(Ev(1)〜Ev(25))とに対して、重み付け積算を行い、色情報に関する評価値(以下、Ec(1)〜Ec(25)と称する。)を算出する。
【0041】
重みは、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて定められる。本実施形態では、「鮮やかな赤色の点滅」の点滅ノイズが検知対象であるため、赤色の純度の最も高い色相がピークになるようなテーブルを用いて重み付けを行う。
【0042】
図6から図8は、それぞれ、色相、彩度、明度に関する重み付けテーブル(それぞれTh、Ts、Tvと称する)の一例である。図6に示すように、彩度に関しては、「鮮やかな赤色の点滅」の点滅ノイズに合わせて、彩度が0°がピークになるようなテーブルを用いる。
【0043】
ブロック色情報算出部38は、領域ごとに、これらのテーブルを用いて色情報に関する評価値(以下、Ec(1)〜Ec(25)と称する。)を算出する。
【0044】
任意の領域B(X)における評価値Ec(X)は、以下の式で算出される。
【0045】
Ec(X)={Thにより重み付けしたEh(X)}*{Tsにより重み付けしたEs(X)}*{Tvにより重み付けしたEv(X)}
ブロック色情報算出部38は、B(1)〜B(25)のそれぞれについて同様の処理を行い、色情報に関する評価値(Ec(1)〜Ec(25))を算出する。この評価値は、ブロック色点滅検出部39に入力され、色点滅ノイズの検出に用いられる(詳細は後述する)。
【0046】
なお、重み付けを行う際に、テーブル以外の手法を用いても良い。また、彩度に関するテーブルTsと明度に関するテーブルTvについては、それぞれ用意しても良いし、同じものを利用しても良い。
【0047】
また、輝度情報に関する評価値、および、色情報に関する評価値を算出する際に、各領域に適宜重み付けを行ってから評価値を算出しても良い。例えば、中央の領域(例えば、図5の領域B(13))について重みを大きくし、外側へ向かう程重みが小さくなるように、領域ごとに重み付けを行ってから評価値を算出しても良い。
【0048】
(ステップS105)
ノイズ検知部12は、ブロック輝度点滅検出部32、フレーム輝度点滅判定部33、輝度点滅判定部34の各部により、輝度点滅検出を行う。検出の詳細は後述する。
【0049】
(ステップS106)
ノイズ検知部12は、ブロック色点滅検出部39、フレーム色点滅判定部40、色点滅判定部41の各部により、色点滅検出を行う。検出の詳細は後述する。
【0050】
(ステップS107)
CPU13は、ステップS102からステップS106の処理を、全フレーム分行ったか否かを判定する。CPU13は、全フレーム分終了したと判定すると一連の処理を終了し、全フレーム分終了していないと判定すると、ステップS108に進む。
【0051】
(ステップS108)
ノイズ検知部12は、次のフレームの画像データを取得し、ステップS102に戻る。
【0052】
次に、図3の流れ図を参照しつつ、ステップS105の輝度点滅検出処理時の輝度点滅ノイズ検知部22における輝度点滅ノイズの検知の動作例を説明する。
【0053】
(ステップS121)
ノイズ検知部12は、ブロック輝度点滅検出部32により、ブロック単位で輝度点滅の検出を行う。ブロック輝度点滅検出部32は、以下の4つの処理を領域ごとに行うことにより、ブロック単位で輝度点滅の検出を行う。この検出により、領域B(1)〜B(25)のうち、輝度点滅が含まれる領域(ブロック)を検出することができる。以下では、任意の領域B(X)を例に挙げて説明する。
(a)差分値の算出
ブロック輝度点滅検出部32は、フレームの画像が取得されるたびに、取得したフレームと1つ前のフレームとに関して、ステップS104で算出した輝度情報に関する評価値Ey(X)の差分値を算出する。
(b)状態の監視
ブロック輝度点滅検出部32は、図9に示す条件にしたがって、上述した差分値の変化の状態が、「増加中」、「減少中」、「定常」のうち何れの状態であるかを監視する。図9において、「有効な増加あり」とは、上述した差分値が正の値で(取得したフレームの評価値>1つ前のフレームの評価値)、かつ、差分値の絶対値が所定の閾値より大きい場合である。このような場合には、状態は「増加中」となる。また、図9において、「有効な減少あり」とは、上述した差分値が負の値で(取得したフレームの評価値<1つ前のフレームの評価値)、かつ、差分値の絶対値が所定の閾値より大きい場合である。このような場合には、状態は「減少中」となる。一方、所定のフレーム間に渡って「有効な増加なし」かつ「有効な減少なし」である場合には、状態は「定常」となる。なお、有効な増加および減少を判別するための閾値、および、上述した所定のフレームの数は、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて予め定められる。
【0054】
上述した3つの状態の変化について、図10を参照して例示する。図10は、任意の領域B(X)における評価値Ey(X)の変化を示す一例である。図10において、点線のグラフは評価値Ey(X)のアナログ信号の変化を示し、実線グラフは各処理時の評価値Ey(X)のデジタル的な変化を示す。また、図10の横軸はフレームNo(つまり、時間)を示し、縦軸は評価値Ey(X)を示す。なお、図10において、F(X)は、フレームNoがXであることを示す。また、図10の例では、説明のために、フレームNoを「1」から順に付しているが、対象動画像のどの部分であっても同様である。また、図10の例では、上述した3つの状態のうち、「増加中」および「減少中」のみを例示し、「定常」については特に例示していない。
【0055】
図10において、F(2)からF(3)への変化は、上述した「有効な増加あり」には相当しない。これは、F(3)の評価値>F(2)の評価値ではあるが、F(2)およびF(3)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より小さいためである。F(3)からF(4)への変化についても同様である。一方、F(4)からF(5)への変化は、上述した「有効な増加あり」に相当する。これは、F(5)の評価値>F(4)の評価値であり、かつ、F(4)およびF(5)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より大きいためである。このタイミングで、ブロック輝度点滅検出部32は、状態が「増加中」に変化したと判定し、後述する「状態が増加中である場合の処理」を実行する。
【0056】
続いて、F(5)からF(6)への変化、および、F(6)からF(7)への変化は、図9で説明した何れの条件も満たさないため、状態は変化せず、「増加中」のままである。そして、F(7)からF(8)への変化は、上述した「有効な減少あり」に相当する。これは、F(8)の評価値<F(7)の評価値であり、かつ、F(7)およびF(8)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より大きいためである。このタイミングで、ブロック輝度点滅検出部32は、状態が「減少中」に変化したと判定し、後述する「状態が減少中である場合の処理」を実行する。
【0057】
続いて、F(8)からF(9)への変化、および、F(9)からF(10)への変化は、図9で説明した何れの条件も満たさないため、状態は変化せず、「減少中」のままである。そして、F(10)からF(11)への変化は、上述した「有効な増加あり」に相当するため、このタイミングで、ブロック輝度点滅検出部32は、状態が「増加中」に変化したと判定し、後述する「状態が増加中である場合の処理」を実行する。
【0058】
以降同様であるが、状態が「増加中」であるF(15)からF(16)への変化は、F(16)の評価値<F(15)の評価値ではあるが、F(15)およびF(16)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より小さいため、上述した「有効な減少あり」に相当せず、「無効な減少」となる。そのため、状態は変化せず、「増加中」のままである。
(c)状態別の処理
<増加中>
状態が「増加中」の場合、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した差分値の算出および状態の監視に加えて、状態が増加中に変化した際の「有効な増加」を起点として、上述した差分値を累積していき、累積値として更新する。例えば、図10の例では、F(4)からF(5)への変化のタイミングで状態が「増加中」に変化するため、図10に示すように、F(4)から差分値が累積されることになる。また、累積値の更新は、状態が「増加中」からその他の状態に変化するまで行われる。このように求められた累積値は、後述する点滅候補の検出時に用いられる。
<減少中>
状態が「減少中」の場合、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した差分値の算出および状態の監視のみを行う。なお、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した累積値の算出を減少中においても行い、後述する点滅候補の検出時に加味しても良い。
<定常>
状態が「定常」の場合、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した差分値の算出および状態の監視のみを行う。
(d)状態が「増加中」から「減少中」を経て、その他の任意の状態に変化した際の検出処理
状態が「増加中」から「減少中」を経て、その他の任意の状態に変化すると、ブロック輝度点滅検出部32は、まず、上述した「増加中」に保持した累積値を、所定の閾値と比較する。なお、上述したその他の任意の状態とは、「増加中」、または、「定常」の状態の他に、差分値が0以上となった場合も含む。そして、累積値>所定の閾値である場合には、状態が「減少中」に変化した際の「有効な減少」の起点に対応するフレーム近傍に点滅候補が存在すると推定し、この時刻に輝度点滅ノイズが含まれていると判定する。例えば、図10の例では、F(4)からF(5)への変化に応じて状態が「増加中」に変化し、さらに、F(7)からF(8)への変化に応じて状態が「減少中」に変化し、さらに、F(10)からF(11)への変化に応じて状態が「増加中」に変化するため、状態が「減少中」に変化した際の「有効な減少」の起点は、F(7)となり、F(7)の近傍に点滅候補が存在すると推定し、この時刻に輝度点滅ノイズが含まれていると判定する。
【0059】
なお、累積値<所定の閾値である場合とは、輝度に関する評価値の触れ幅が小さく、輝度点滅ノイズと判定するには不十分な点滅が含まれる場合である。また、累積値と比較する閾値は、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて予め定められる。
【0060】
また、状態の変化に「定常」が含まれる場合とは、輝度に関する評価値の触れ幅は十分である一方、変化時間が長く、輝度に関する評価値の変化スピードが緩やかな点滅が含まれる場合である。このような点滅は、評価値の極値が存在するものの、点滅ノイズとしては検出しない。
【0061】
ブロック輝度点滅検出部32は、上述した4つの処理を領域B(1)〜B(25)のそれぞれについて行い、ステップS122に進む。
【0062】
なお、ステップS121で説明した輝度点滅の検出方法は一例である。例えば、単純に極大値や極小値などを求めることにより輝度点滅の検出を行っても良い。また、例えば、評価値の変化の立ち上がり部分のみを検出することにより輝度点滅の検出を行っても良い。
【0063】
また、ステップS121で説明した輝度点滅の検出において、評価値の変化におけるベースの明るさを加味して輝度点滅の検出を行っても良い。例えば、ベースの明るさが暗いほど、輝度点滅の影響が大きく、ベースの明るさが明るいほど、輝度点滅の影響は目立ちにくい。そこで、ベースの明るさが暗いほど、上述した累積値と比較する閾値を小さくするなど、評価値の変化におけるベースの明るさを加味して輝度点滅の検出を行っても良い。
【0064】
(ステップS122)
ノイズ検知部12は、ステップS121で行ったブロック単位での輝度点滅の検出の結果に基づいて、ブロック単位での輝度点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、ブロック単位での輝度点滅があると判定するとステップS123に進み、ブロック単位での輝度点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0065】
(ステップS123)
ノイズ検知部12は、フレーム輝度点滅判定部33により、フレーム単位で輝度点滅の検出を行う。フレーム輝度点滅判定部33は、フレーム単位で、そのフレーム内において輝度点滅が検出された領域の数をカウントし、領域の数が所定の閾値より大きい場合には、そのフレームには輝度点滅ノイズが含まれると判定する。閾値は、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて定められる。本実施形態では、「1フレームの所定の面積以上の頻度」の点滅ノイズが検知対象であるため、例えば、閾値が5である場合には、輝度点滅が検出された領域の数が5以上、すなわち、フレームの20%以上の領域において輝度点滅が発生している場合に、そのフレームに輝度点滅ノイズが含まれていると判定する。
【0066】
このように、面積に閾値を設けて点滅ノイズが含まれるか否かを判定することにより、離散的に発生する点滅ノイズも、まとまって発生する点滅ノイズも検知することが可能になる。
【0067】
(ステップS124)
ノイズ検知部12は、ステップS123で行ったフレーム単位での輝度点滅の検出の結果に基づいて、フレーム単位での輝度点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、フレーム単位での輝度点滅があると判定するとステップS125に進み、フレーム単位での輝度点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0068】
(ステップS125)
ノイズ検知部12は、輝度点滅判定部34により、フレーム単位の輝度点滅について、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であると判定するとステップS126に進み、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt未満であると判定すると、一連の処理を終了する。
【0069】
閾値Thは、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて定められる。本実施形態では、「1秒間に3回以上」の点滅ノイズが検知対象であるため、1秒間の点滅回数の閾値Th=3となる。
【0070】
(ステップS126)
ノイズ検知部12は、判別内容として、輝度点滅ノイズが存在することを示す情報(発生フレームNo、発生時刻など)を、バス16を介してCPU13に出力し、一連の処理を終了する。
【0071】
このような処理を行うことにより、例えば、3秒間に、1回のみフレーム単位の輝度点滅が発生した場合には、輝度点滅ノイズは存在しないと判定されることになる。
【0072】
次に、図4の流れ図を参照しつつ、ステップS106の色点滅検出処理時の色点滅ノイズ検知部23における色点滅ノイズの検知の動作例を説明する。なお、色点滅ノイズの検知は、図3を参照して説明した輝度点滅ノイズの検知と共通する処理を含むため、以下では、輝度点滅ノイズの検知と異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
(ステップS131)
ノイズ検知部12は、ブロック色点滅検出部39により、ステップS104で算出した色情報に関する評価値(Ec(1)〜Ec(25))を用いて、上述した図3のステップS121と同様の処理を行い、ブロック単位で色点滅の検出を行う。
【0074】
(ステップS132)
ノイズ検知部12は、ステップS131で行ったブロック単位での色点滅の検出の結果に基づいて、ブロック単位での色点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、ブロック単位での色点滅があると判定するとステップS133に進み、ブロック単位での色点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0075】
(ステップS133)
ノイズ検知部12は、フレーム色点滅判定部40により、上述した図3のステップS123と同様の処理を行い、フレーム単位で色点滅の検出を行う。
【0076】
(ステップS134)
ノイズ検知部12は、ステップS133で行ったフレーム単位での色点滅の検出の結果に基づいて、フレーム単位での色点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、フレーム単位での色点滅があると判定するとステップS135に進み、フレーム単位での色点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0077】
(ステップS135)
ノイズ検知部12は、色点滅判定部41により、フレーム単位の色点滅について、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であると判定するとステップS136に進み、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt未満であると判定すると、一連の処理を終了する。
【0078】
(ステップS136)
ノイズ検知部12は、判別内容として、色点滅ノイズが存在することを示す情報(発生フレームNo、発生時刻など)を、バス16を介してCPU13に出力し、一連の処理を終了する。
【0079】
なお、色点滅ノイズの検出に用いる各閾値等は、図3を参照して説明した輝度点滅ノイズの検出に用いる各閾値等と同じであっても良いし、異なっても良い。
【0080】
また、上述した例では、輝度点滅ノイズの検知と色点滅ノイズの検知とを、それぞれ独立して行う例を示したが、両者の検知結果を複合的に判断してノイズの検知を行っても良い。また、一方の検知結果を他方の検知に反映させても良い。
【0081】
また、上述の例では、1フレームの画像データを取得するたびに、一連の検知処理を行う例を示したが、数フレームの画像データを取得するごとに、一連の検知処理を行っても良いし、すべてのフレームを取得した後に、一連の検知処理を行っても良い。この場合、例えば、図10に示した差分値の変化の状態を示すグラフをブロック数分作成し、これらのグラフを総合的に解析することにより、より詳細な点滅ノイズの検知を行うこともできる。
【0082】
また、例えば、連続するフレーム間で点滅ノイズの形状などが微妙に変化した場合であっても、確実に点滅ノイズとして検知するために、図11に示す処理をさらに行っても良い。図11中のステップ番号は、図3中のステップ番号に対応する。図11に示すように、ステップS121のブロック単位での輝度点滅の検出を行った結果、F(n−1)およびF(n)の間で、点滅ノイズが微妙に移動している場合、ステップS123のフレーム単位での輝度点滅の検出を行うと、輝度点滅が検出された領域の数が5以下となるため、F(n−1)およびF(n)の両方において、輝度点滅は検出されない。そこで、図11に示すように、ステップS121*として、1つ前のフレームにおけるブロック単位での輝度点滅との論理和の算出(OR合成)を行う。このような処理を行うことにより、例えば、F(n)において輝度点滅が検出された領域の数が5以上となるため、F(n)においてフレーム単位の輝度点滅を検出することができる。なお、本実施形態において検知対象とした点滅ノイズは、2フレーム連続で含まれるということはない。そこで、上述した処理を行った際に、2フレーム連続でフレーム単位での輝度点滅が検出された場合には、何れかのフレームの輝度点滅を無視し、一方のフレームの輝度点滅のみを有効とすると良い。
【0083】
そして、ノイズの検知の結果は、アラーム出力部14を介したユーザへの報知に用いられても良いし、入出力I/F1を介してノイズ検知装置11の外部に出力されても良い。また、対象動画像のタグ情報などに、検知したノイズの種類などを示す情報として記録しても良い。
【0084】
また、上述の例で説明した各処理は、ハードウエアで行っても良いし、CPU13によるソフトウェアで行っても良い。
【0085】
上記のように、本実施形態のノイズ検知装置は、処理の対象となる対象動画像の情報を取得し、対象動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する。そして、領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する。さらに、複数枚の画像間において、現在の画像における特徴量と、1つ前の画像における特徴量との差分に基づいて領域の特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定し、判定した状態に基づき特徴量の変化量を算出する。そして、判定した状態が増加から減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、特徴量の変化量に基づいて、動画像の任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、動画像に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うものである。
【0086】
よって、本実施形態の構成によれば、動画像に含まれる点滅ノイズが画像において局部的に含まれる場合であっても、その点滅ノイズを検知することができる。また、経時変化に基づいて状態を判定し、状態に応じて点滅ノイズの検知を行うことにより、誤検出や検出漏れを防ぐことができる。そのため、動画像に含まれる点滅ノイズを、精度良く的確に自動で検知することができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、動画像を構成するそれぞれの画像単位で点滅ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、対象動画像に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う。そのため、局所的に発生する点滅ノイズと全体的に発生する点滅ノイズとの両方を区別して、検知することが可能となる。
【0088】
なお、上述した例では、ユーザによるプログラム実行指示に応じて、一連の処理を実行する例を示したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、ノイズ検知装置11が何らかの動画像の画像データを読み込むたびに、自動で一連の処理を実行しても良い。
【0089】
<実施形態の補足事項>
(1)上記実施形態で説明した各処理や各閾値などは一例であり本発明はこの例に限定されない。
【0090】
例えば、上記実施形態では、「鮮やかな赤色の点滅」が、「1フレームの所定の面積以上の頻度」で、「1秒間に3回以上」発生する点滅ノイズを検知対象として挙げたが、他の性質を有する点滅ノイズを検知対象としても良い。例えば、「シアンの点滅」などを検知対象としても良い。赤色以外の点滅ノイズを検知対象とする際には、その性質に応じて各種テーブルや閾値を定めれば良い。また、複数色の色点滅ノイズを検知対象としても良い。このような場合には、それぞれの色の色点滅ノイズを独立に検出すれば良い。
【0091】
また、上記実施形態では、YHSV変換部21により、色空間をHSV色空間に変換した後に一連の処理を行う例を示したが、HSV色空間以外の色空間に変換する構成としても良い。
【0092】
また、上記実施形態では、ブロック単位、フレーム単位、動画像単位の順で点滅ノイズの検出を行う例を示したが、検知対象の動画像が複数フィールドからなる場合には、ブロック単位、フィールド単位、動画像単位の順で点滅ノイズの検出を行っても良い。また、フレーム単位で点滅ノイズの検出を省略し、ブロック単位で点滅ノイズの検出を行った結果に基づいて、動画像全体に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行っても良い。
【0093】
(2)上記実施形態で説明したノイズ検知装置による処理を実行するノイズ検知プログラムも本発明の具体的態様として有効である。このノイズ検知プログラムは、磁気ディスクなどの記憶媒体に記憶されたものであっても良いし、インターネットなどを介してダウンロード可能なものであっても良い。また、上記実施形態で説明したノイズ検知装置を備えた画像処理装置や再生装置(例えば、フォトビューアー、デジタルフォトフレーム、各種印刷装置など)も本発明の具体的態様として有効である。上述した再生装置においては、画像の再生を行う際に一連の処理を実行する構成としても良い。
【0094】
(3)上記実施形態の各画像処理および各判定の方法は一例であり、本発明はこの例に限定されない。
【0095】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図する。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。
【符号の説明】
【0096】
11…ノイズ検知装置、12…ノイズ検知部、13…CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズ検知装置、再生装置、およびノイズ検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画像においては、特定の要因に起因する固有のノイズが発生することが知られている。例えば、動画像において輝度や色が短い時間内に大きく変化する点滅ノイズがある。そこで、このような点滅ノイズの検知を自動化することが考えられている。例えば、特許文献1の発明では、フレーム画像にサンプリング位置を表す標本点を複数設定し、標本点の色情報を順次抽出して判断を行うことにより、点滅ノイズを自動的に検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4476125号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明は、各標本点の色情報を、フレーム全体で平均化しているため、正しい検知が行われない場合がある。例えば、上述した平均化により求められた平均値は、「フレームの一部が非常に明るい点滅ノイズ」と「フレーム全体が中程度に明るい点滅ノイズ」とで同じになってしまう場合がある。
【0005】
本発明の目的は、動画像に含まれる点滅ノイズを、精度良く的確に自動で検知するための手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の態様のノイズ検知装置は、処理の対象となる動画像の情報を取得する取得部と、前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割部と、前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出部と、前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定部と、前記状態判定部により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出部と、前記状態判定部により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定部と、前記領域ノイズ判定部の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定部とを備える。
【0007】
なお、前記状態判定部は、現在の画像における前記特徴量と1つ前の画像における前記特徴量との差分が予め定められた閾値を越えないときには、1つ前の判定を維持しても良い。
【0008】
また、前記特徴量変化算出部は、前記状態判定部により判定した前記状態が1つ前の画像における前記状態と同一のときは前記差分の値を累積しても良い。
【0009】
前記状態判定部は前記増加もしくは前記減少のどちらかの状態を所定時間維持した場合に定常状態と判定しても良い。
【0010】
また、前記ノイズ判定部は、前記領域ノイズ判定部による判定結果に基づいて、前記動画像を構成するそれぞれの画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行っても良い。
【0011】
また、前記ノイズ判定部は、前記画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定した判定結果に基づいて、前記対象動画像において、所定の時間内に所定の回数以上の前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行っても良い。
【0012】
また、前記領域ノイズ判定部は、前記特徴量の変化量が所定の閾値より大きい場合に、前記対象動画像の前記任意の領域に前記点滅ノイズが含まれると判定しても良い。
【0013】
また、前記ノイズ判定部は、前記特徴量変化算出部により算出された前記特徴量の変化量に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う際に、連続する少なくとも2枚の前記画像における前記判定結果を加味して判定を行っても良い。
【0014】
また、前記算出部は、前記特徴量として、前記画像の輝度に関する特徴量と、前記画像の色情報に関する特徴量との少なくとも一方を算出しても良い。
【0015】
一の態様の再生装置は、動画像を記録する記録部と、前記動画像を再生する再生部と、上述した何れかのノイズ検知装置とを備え、前記取得部は、前記記録部から前記対象動画像の情報を取得する。
【0016】
一の態様のノイズ検知プログラムは、処理の対象となる動画像の情報を取得する取得処理と、前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割処理と、前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出処理と、前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定処理と、前記状態判定処理により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出処理と、前記状態判定処理により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定処理と、前記領域ノイズ判定処理の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、動画像に含まれる点滅ノイズを、精度良く的確に自動で検知するための手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ノイズ検知装置の構成例を示すブロック図
【図2】ノイズ検知時のノイズ検知装置の動作例を示す流れ図
【図3】ノイズ検知時のノイズ検知装置の動作例を示す流れ図(続き)
【図4】ノイズ検知時のノイズ検知装置の動作例を示す流れ図(続き)
【図5】分割処理について説明する図
【図6】色相に関する重み付けテーブルの例
【図7】彩度に関する重み付けテーブルの例
【図8】明度に関する重み付けテーブルの例
【図9】差分値の変化の状態について説明する図
【図10】差分値の変化の状態について説明する別の図
【図11】輝度点滅の検出の変形例について説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、実施形態でのノイズ検知装置の構成例を示すブロック図である。ノイズ検知装置には、処理の対象となる動画像(対象動画像)について、ノイズを検知するためのノイズ検知プログラムが予めインストールされる。
【0020】
なお、対象動画像はどのようなものであっても良い。例えば、デジタル画像を生成可能な撮像装置により生成されたものであっても良いし、アナログの動画像の画像データをデジタルデータに変換したものであっても良いし、ビデオテープなどに記録された動画像をデジタルデータに変換したものであっても良い。また、コンピュータなどにより作成された動画像であっても良い。
【0021】
また、以下では、対象動画像の全フレームをノイズ検知の対象として処理を行う例を示すが、対象動画像の一部のフレームのみをノイズ検知の対象として処理を行っても良い。この場合、ノイズ検知の対象となるフレームは、ユーザ操作に基づいて指定されても良いし、対象動画像の情報などに基づいて自動で指定されても良い。
【0022】
図1に示すノイズ検知装置11は、ノイズ検知部12、CPU13、アラーム出力部14および入出力I/F15、バス16を有している。CPU13は、入出力I/F14と相互に接続される。また、ノイズ検知部12の出力は、バス16を介してCPU13に接続される。さらに、アラーム出力部14は、CPU13により制御される。
【0023】
ノイズ検知装置11に入力された対象動画像の画像データは、ノイズ検知部12に入力される。
【0024】
さらに、ノイズ検知装置11には、入出力I/F14を介して、不図示の入力デバイス(キーボード、ポインティングデバイスなど)やモニタ、LAN接続のためのネットワークケーブルなどが接続されている。
【0025】
また、ノイズ検知装置11は、不図示の記憶装置(例えば、ハードディスクや、不揮発性の半導体メモリなどの記憶媒体で構成される)を備える。この記憶装置には、画像処理プログラムや、プログラムの実行に必要となる各種のデータが記録されている。
【0026】
CPU13は、ノイズ検知装置11の各部を統括的に制御するプロセッサである。また、アラーム出力部14は、スピーカ、モニタ、ランプなどの報知部材を備え、ノイズ検知部12による検知結果をユーザに報知する。
【0027】
ノイズ検知部12は、図1に示すように、対象動画像が入力されるYHSV変換部31、輝度点滅ノイズを検知する輝度点滅ノイズ検知部22、色点滅ノイズを検知する色点滅ノイズ検知部23を有する。そして、輝度点滅ノイズ検知部22は、Y評価値算出部31、ブロック輝度点滅検出部32、フレーム輝度点滅判定部33、輝度点滅判定部34の各部を備え、色点滅ノイズ検知部23は、H評価値算出部35、S評価値算出部36、V評価値算出部37、ブロック色情報算出部38、ブロック色点滅検出部39、フレーム色点滅判定部40、色点滅判定部41の各部を備える。
【0028】
以上説明した構成のノイズ検知装置11は、予め定められた固有の点滅ノイズを検知する。検知の対象となる点滅ノイズはどのようなものであっても良いが、以下では、「鮮やかな赤色の点滅」が、「1フレームの所定の面積以上の頻度」で、「1秒間に3回以上」発生する点滅ノイズを検知対象の例として説明する。また、以下では、上述した点滅ノイズを検知する際に、「輝度点滅」および「色点滅」の2つの要素について検知を行う例を説明する。なお、検知対象となる「固有の点滅ノイズ」には、表現上の必要に基づき対象動画像に存在する点滅も含まれる。例えば、アニメーションにおいて、爆発などを表現するための点滅も、「固有の点滅ノイズ」としてノイズ検知装置11の検知対象になり得る。
【0029】
まず、図2から図4の流れ図を参照しつつ、ノイズ検知部12における点滅ノイズの検知の動作例を説明する。なお、図2から図4の流れ図の処理は、ユーザによるプログラム実行指示に応じて、各部がノイズ検知プログラムを実行することで開始される。
【0030】
(ステップS101)
ノイズ検知部12は、ユーザにより指定された対象動画像の1フレームの画像データを取得する。取得した1フレームの画像データは、図1に示すように、YHSV変換部21に入力される。
【0031】
(ステップS102)
ノイズ検知部12は、YHSV変換部21によりYHSV変換処理を行う。
【0032】
YHSV変換部21は、入力信号に対して公知のYHSV変換処理を施し、輝度信号(以下、Y信号と称する)、色相信号(以下、H信号と称する)、彩度信号(以下、S信号と称する)、明度信号(以下、V信号と称する)の各信号を生成する。YHSV変換処理の内容は、入力信号の形式によって異なる。例えば、入力信号がYCbCr信号である場合には、Y成分をそのままY信号として出力し、H信号、S信号、V信号をそれぞれ生成する。また、例えば、入力信号がRGB信号である場合には、公知のRGB色空間からYHSV色空間への変換処理を行い、Y信号、H信号、S信号、V信号をそれぞれ生成する。
【0033】
生成されたY信号は、Y評価値算出部31に入力される。また、生成されたH信号は、H評価値算出部35に入力される。また、生成されたS信号は、S評価値算出部36に入力される。また、生成されたV信号は、V評価値算出部37に入力される。
【0034】
(ステップS103)
ノイズ検知部12は、Y評価値算出部31により、分割処理を行う。Y評価値算出部31は、入力されたY信号について、フレームごとに複数の領域に分割する。Y評価値算出部31は、例えば、図5に示すように、各フレームのY信号を、縦横それぞれ5ずつの25の領域に分割する。この分割による25の領域を、それぞれ、B(1)〜B(25)と称する。
【0035】
また、ノイズ検知部12は、H評価値算出部35、S評価値算出部36、V評価値算出部37により、それぞれ、H信号、S信号、V信号に対して同様の分割処理を行い、上述したB(1)〜B(25)の25の領域に分割する。
【0036】
なお、図5の例では、5×5に等分割する例を示したが、他の分割方法であっても良い。例えば、フレーム内の場所によって大きさの違う領域に分割しても良い。
【0037】
さらに、対象動画像の内容や、対象動画像を撮影時の撮影モードなどに応じて、分割方法を適宜変更する構成としても良い。
【0038】
(ステップS104)
ノイズ検知部12は、Y評価値算出部31により、評価値算出処理を行う。Y評価値算出部31は、ステップS103で分割したB(1)〜B(25)の25の領域ごとに、評価値を算出する。Y評価値算出部31は、例えば、評価値として、各領域に含まれるY信号の平均値を算出する。この結果、B(1)〜B(25)の25の領域に対応して、25の評価値(以下、Ey(1)〜Ey(25)と称する。)が算出される。この評価値は、ブロック輝度点滅検出部32に入力され、輝度点滅ノイズの検出に用いられる(詳細は後述する)。
【0039】
また、ノイズ検知部12は、H評価値算出部35により、H信号に対して同様の処理を行い、25の評価値(以下、Eh(1)〜Eh(25)と称する。)を算出し、S評価値算出部36により、S信号に対して同様の処理を行い、25の評価値(以下、Es(1)〜Es(25)と称する。)を算出し、V評価値算出部37により、V信号に対して同様の処理を行い、25の評価値(以下、Ev(1)〜Ev(25)と称する。)を算出する。
【0040】
さらに、ノイズ検知部12は、ブロック色情報算出部38により、色情報に関する評価値算出処理を行う。ブロック色情報算出部38は、上述したH信号に基づく評価値(Eh(1)〜Eh(25))と、S信号に基づく評価値(Es(1)〜Es(25))と、V信号に基づく評価値(Ev(1)〜Ev(25))とに対して、重み付け積算を行い、色情報に関する評価値(以下、Ec(1)〜Ec(25)と称する。)を算出する。
【0041】
重みは、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて定められる。本実施形態では、「鮮やかな赤色の点滅」の点滅ノイズが検知対象であるため、赤色の純度の最も高い色相がピークになるようなテーブルを用いて重み付けを行う。
【0042】
図6から図8は、それぞれ、色相、彩度、明度に関する重み付けテーブル(それぞれTh、Ts、Tvと称する)の一例である。図6に示すように、彩度に関しては、「鮮やかな赤色の点滅」の点滅ノイズに合わせて、彩度が0°がピークになるようなテーブルを用いる。
【0043】
ブロック色情報算出部38は、領域ごとに、これらのテーブルを用いて色情報に関する評価値(以下、Ec(1)〜Ec(25)と称する。)を算出する。
【0044】
任意の領域B(X)における評価値Ec(X)は、以下の式で算出される。
【0045】
Ec(X)={Thにより重み付けしたEh(X)}*{Tsにより重み付けしたEs(X)}*{Tvにより重み付けしたEv(X)}
ブロック色情報算出部38は、B(1)〜B(25)のそれぞれについて同様の処理を行い、色情報に関する評価値(Ec(1)〜Ec(25))を算出する。この評価値は、ブロック色点滅検出部39に入力され、色点滅ノイズの検出に用いられる(詳細は後述する)。
【0046】
なお、重み付けを行う際に、テーブル以外の手法を用いても良い。また、彩度に関するテーブルTsと明度に関するテーブルTvについては、それぞれ用意しても良いし、同じものを利用しても良い。
【0047】
また、輝度情報に関する評価値、および、色情報に関する評価値を算出する際に、各領域に適宜重み付けを行ってから評価値を算出しても良い。例えば、中央の領域(例えば、図5の領域B(13))について重みを大きくし、外側へ向かう程重みが小さくなるように、領域ごとに重み付けを行ってから評価値を算出しても良い。
【0048】
(ステップS105)
ノイズ検知部12は、ブロック輝度点滅検出部32、フレーム輝度点滅判定部33、輝度点滅判定部34の各部により、輝度点滅検出を行う。検出の詳細は後述する。
【0049】
(ステップS106)
ノイズ検知部12は、ブロック色点滅検出部39、フレーム色点滅判定部40、色点滅判定部41の各部により、色点滅検出を行う。検出の詳細は後述する。
【0050】
(ステップS107)
CPU13は、ステップS102からステップS106の処理を、全フレーム分行ったか否かを判定する。CPU13は、全フレーム分終了したと判定すると一連の処理を終了し、全フレーム分終了していないと判定すると、ステップS108に進む。
【0051】
(ステップS108)
ノイズ検知部12は、次のフレームの画像データを取得し、ステップS102に戻る。
【0052】
次に、図3の流れ図を参照しつつ、ステップS105の輝度点滅検出処理時の輝度点滅ノイズ検知部22における輝度点滅ノイズの検知の動作例を説明する。
【0053】
(ステップS121)
ノイズ検知部12は、ブロック輝度点滅検出部32により、ブロック単位で輝度点滅の検出を行う。ブロック輝度点滅検出部32は、以下の4つの処理を領域ごとに行うことにより、ブロック単位で輝度点滅の検出を行う。この検出により、領域B(1)〜B(25)のうち、輝度点滅が含まれる領域(ブロック)を検出することができる。以下では、任意の領域B(X)を例に挙げて説明する。
(a)差分値の算出
ブロック輝度点滅検出部32は、フレームの画像が取得されるたびに、取得したフレームと1つ前のフレームとに関して、ステップS104で算出した輝度情報に関する評価値Ey(X)の差分値を算出する。
(b)状態の監視
ブロック輝度点滅検出部32は、図9に示す条件にしたがって、上述した差分値の変化の状態が、「増加中」、「減少中」、「定常」のうち何れの状態であるかを監視する。図9において、「有効な増加あり」とは、上述した差分値が正の値で(取得したフレームの評価値>1つ前のフレームの評価値)、かつ、差分値の絶対値が所定の閾値より大きい場合である。このような場合には、状態は「増加中」となる。また、図9において、「有効な減少あり」とは、上述した差分値が負の値で(取得したフレームの評価値<1つ前のフレームの評価値)、かつ、差分値の絶対値が所定の閾値より大きい場合である。このような場合には、状態は「減少中」となる。一方、所定のフレーム間に渡って「有効な増加なし」かつ「有効な減少なし」である場合には、状態は「定常」となる。なお、有効な増加および減少を判別するための閾値、および、上述した所定のフレームの数は、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて予め定められる。
【0054】
上述した3つの状態の変化について、図10を参照して例示する。図10は、任意の領域B(X)における評価値Ey(X)の変化を示す一例である。図10において、点線のグラフは評価値Ey(X)のアナログ信号の変化を示し、実線グラフは各処理時の評価値Ey(X)のデジタル的な変化を示す。また、図10の横軸はフレームNo(つまり、時間)を示し、縦軸は評価値Ey(X)を示す。なお、図10において、F(X)は、フレームNoがXであることを示す。また、図10の例では、説明のために、フレームNoを「1」から順に付しているが、対象動画像のどの部分であっても同様である。また、図10の例では、上述した3つの状態のうち、「増加中」および「減少中」のみを例示し、「定常」については特に例示していない。
【0055】
図10において、F(2)からF(3)への変化は、上述した「有効な増加あり」には相当しない。これは、F(3)の評価値>F(2)の評価値ではあるが、F(2)およびF(3)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より小さいためである。F(3)からF(4)への変化についても同様である。一方、F(4)からF(5)への変化は、上述した「有効な増加あり」に相当する。これは、F(5)の評価値>F(4)の評価値であり、かつ、F(4)およびF(5)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より大きいためである。このタイミングで、ブロック輝度点滅検出部32は、状態が「増加中」に変化したと判定し、後述する「状態が増加中である場合の処理」を実行する。
【0056】
続いて、F(5)からF(6)への変化、および、F(6)からF(7)への変化は、図9で説明した何れの条件も満たさないため、状態は変化せず、「増加中」のままである。そして、F(7)からF(8)への変化は、上述した「有効な減少あり」に相当する。これは、F(8)の評価値<F(7)の評価値であり、かつ、F(7)およびF(8)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より大きいためである。このタイミングで、ブロック輝度点滅検出部32は、状態が「減少中」に変化したと判定し、後述する「状態が減少中である場合の処理」を実行する。
【0057】
続いて、F(8)からF(9)への変化、および、F(9)からF(10)への変化は、図9で説明した何れの条件も満たさないため、状態は変化せず、「減少中」のままである。そして、F(10)からF(11)への変化は、上述した「有効な増加あり」に相当するため、このタイミングで、ブロック輝度点滅検出部32は、状態が「増加中」に変化したと判定し、後述する「状態が増加中である場合の処理」を実行する。
【0058】
以降同様であるが、状態が「増加中」であるF(15)からF(16)への変化は、F(16)の評価値<F(15)の評価値ではあるが、F(15)およびF(16)の評価値の差分値の絶対値が所定の閾値より小さいため、上述した「有効な減少あり」に相当せず、「無効な減少」となる。そのため、状態は変化せず、「増加中」のままである。
(c)状態別の処理
<増加中>
状態が「増加中」の場合、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した差分値の算出および状態の監視に加えて、状態が増加中に変化した際の「有効な増加」を起点として、上述した差分値を累積していき、累積値として更新する。例えば、図10の例では、F(4)からF(5)への変化のタイミングで状態が「増加中」に変化するため、図10に示すように、F(4)から差分値が累積されることになる。また、累積値の更新は、状態が「増加中」からその他の状態に変化するまで行われる。このように求められた累積値は、後述する点滅候補の検出時に用いられる。
<減少中>
状態が「減少中」の場合、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した差分値の算出および状態の監視のみを行う。なお、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した累積値の算出を減少中においても行い、後述する点滅候補の検出時に加味しても良い。
<定常>
状態が「定常」の場合、ブロック輝度点滅検出部32は、上述した差分値の算出および状態の監視のみを行う。
(d)状態が「増加中」から「減少中」を経て、その他の任意の状態に変化した際の検出処理
状態が「増加中」から「減少中」を経て、その他の任意の状態に変化すると、ブロック輝度点滅検出部32は、まず、上述した「増加中」に保持した累積値を、所定の閾値と比較する。なお、上述したその他の任意の状態とは、「増加中」、または、「定常」の状態の他に、差分値が0以上となった場合も含む。そして、累積値>所定の閾値である場合には、状態が「減少中」に変化した際の「有効な減少」の起点に対応するフレーム近傍に点滅候補が存在すると推定し、この時刻に輝度点滅ノイズが含まれていると判定する。例えば、図10の例では、F(4)からF(5)への変化に応じて状態が「増加中」に変化し、さらに、F(7)からF(8)への変化に応じて状態が「減少中」に変化し、さらに、F(10)からF(11)への変化に応じて状態が「増加中」に変化するため、状態が「減少中」に変化した際の「有効な減少」の起点は、F(7)となり、F(7)の近傍に点滅候補が存在すると推定し、この時刻に輝度点滅ノイズが含まれていると判定する。
【0059】
なお、累積値<所定の閾値である場合とは、輝度に関する評価値の触れ幅が小さく、輝度点滅ノイズと判定するには不十分な点滅が含まれる場合である。また、累積値と比較する閾値は、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて予め定められる。
【0060】
また、状態の変化に「定常」が含まれる場合とは、輝度に関する評価値の触れ幅は十分である一方、変化時間が長く、輝度に関する評価値の変化スピードが緩やかな点滅が含まれる場合である。このような点滅は、評価値の極値が存在するものの、点滅ノイズとしては検出しない。
【0061】
ブロック輝度点滅検出部32は、上述した4つの処理を領域B(1)〜B(25)のそれぞれについて行い、ステップS122に進む。
【0062】
なお、ステップS121で説明した輝度点滅の検出方法は一例である。例えば、単純に極大値や極小値などを求めることにより輝度点滅の検出を行っても良い。また、例えば、評価値の変化の立ち上がり部分のみを検出することにより輝度点滅の検出を行っても良い。
【0063】
また、ステップS121で説明した輝度点滅の検出において、評価値の変化におけるベースの明るさを加味して輝度点滅の検出を行っても良い。例えば、ベースの明るさが暗いほど、輝度点滅の影響が大きく、ベースの明るさが明るいほど、輝度点滅の影響は目立ちにくい。そこで、ベースの明るさが暗いほど、上述した累積値と比較する閾値を小さくするなど、評価値の変化におけるベースの明るさを加味して輝度点滅の検出を行っても良い。
【0064】
(ステップS122)
ノイズ検知部12は、ステップS121で行ったブロック単位での輝度点滅の検出の結果に基づいて、ブロック単位での輝度点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、ブロック単位での輝度点滅があると判定するとステップS123に進み、ブロック単位での輝度点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0065】
(ステップS123)
ノイズ検知部12は、フレーム輝度点滅判定部33により、フレーム単位で輝度点滅の検出を行う。フレーム輝度点滅判定部33は、フレーム単位で、そのフレーム内において輝度点滅が検出された領域の数をカウントし、領域の数が所定の閾値より大きい場合には、そのフレームには輝度点滅ノイズが含まれると判定する。閾値は、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて定められる。本実施形態では、「1フレームの所定の面積以上の頻度」の点滅ノイズが検知対象であるため、例えば、閾値が5である場合には、輝度点滅が検出された領域の数が5以上、すなわち、フレームの20%以上の領域において輝度点滅が発生している場合に、そのフレームに輝度点滅ノイズが含まれていると判定する。
【0066】
このように、面積に閾値を設けて点滅ノイズが含まれるか否かを判定することにより、離散的に発生する点滅ノイズも、まとまって発生する点滅ノイズも検知することが可能になる。
【0067】
(ステップS124)
ノイズ検知部12は、ステップS123で行ったフレーム単位での輝度点滅の検出の結果に基づいて、フレーム単位での輝度点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、フレーム単位での輝度点滅があると判定するとステップS125に進み、フレーム単位での輝度点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0068】
(ステップS125)
ノイズ検知部12は、輝度点滅判定部34により、フレーム単位の輝度点滅について、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であると判定するとステップS126に進み、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt未満であると判定すると、一連の処理を終了する。
【0069】
閾値Thは、検知対象の点滅ノイズの性質に応じて定められる。本実施形態では、「1秒間に3回以上」の点滅ノイズが検知対象であるため、1秒間の点滅回数の閾値Th=3となる。
【0070】
(ステップS126)
ノイズ検知部12は、判別内容として、輝度点滅ノイズが存在することを示す情報(発生フレームNo、発生時刻など)を、バス16を介してCPU13に出力し、一連の処理を終了する。
【0071】
このような処理を行うことにより、例えば、3秒間に、1回のみフレーム単位の輝度点滅が発生した場合には、輝度点滅ノイズは存在しないと判定されることになる。
【0072】
次に、図4の流れ図を参照しつつ、ステップS106の色点滅検出処理時の色点滅ノイズ検知部23における色点滅ノイズの検知の動作例を説明する。なお、色点滅ノイズの検知は、図3を参照して説明した輝度点滅ノイズの検知と共通する処理を含むため、以下では、輝度点滅ノイズの検知と異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
(ステップS131)
ノイズ検知部12は、ブロック色点滅検出部39により、ステップS104で算出した色情報に関する評価値(Ec(1)〜Ec(25))を用いて、上述した図3のステップS121と同様の処理を行い、ブロック単位で色点滅の検出を行う。
【0074】
(ステップS132)
ノイズ検知部12は、ステップS131で行ったブロック単位での色点滅の検出の結果に基づいて、ブロック単位での色点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、ブロック単位での色点滅があると判定するとステップS133に進み、ブロック単位での色点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0075】
(ステップS133)
ノイズ検知部12は、フレーム色点滅判定部40により、上述した図3のステップS123と同様の処理を行い、フレーム単位で色点滅の検出を行う。
【0076】
(ステップS134)
ノイズ検知部12は、ステップS133で行ったフレーム単位での色点滅の検出の結果に基づいて、フレーム単位での色点滅があるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、フレーム単位での色点滅があると判定するとステップS135に進み、フレーム単位での色点滅がないと判定すると、一連の処理を終了する。
【0077】
(ステップS135)
ノイズ検知部12は、色点滅判定部41により、フレーム単位の色点滅について、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であるか否かを判定する。ノイズ検知部12は、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt以上であると判定するとステップS136に進み、所定の時間内の点滅回数が閾値Tt未満であると判定すると、一連の処理を終了する。
【0078】
(ステップS136)
ノイズ検知部12は、判別内容として、色点滅ノイズが存在することを示す情報(発生フレームNo、発生時刻など)を、バス16を介してCPU13に出力し、一連の処理を終了する。
【0079】
なお、色点滅ノイズの検出に用いる各閾値等は、図3を参照して説明した輝度点滅ノイズの検出に用いる各閾値等と同じであっても良いし、異なっても良い。
【0080】
また、上述した例では、輝度点滅ノイズの検知と色点滅ノイズの検知とを、それぞれ独立して行う例を示したが、両者の検知結果を複合的に判断してノイズの検知を行っても良い。また、一方の検知結果を他方の検知に反映させても良い。
【0081】
また、上述の例では、1フレームの画像データを取得するたびに、一連の検知処理を行う例を示したが、数フレームの画像データを取得するごとに、一連の検知処理を行っても良いし、すべてのフレームを取得した後に、一連の検知処理を行っても良い。この場合、例えば、図10に示した差分値の変化の状態を示すグラフをブロック数分作成し、これらのグラフを総合的に解析することにより、より詳細な点滅ノイズの検知を行うこともできる。
【0082】
また、例えば、連続するフレーム間で点滅ノイズの形状などが微妙に変化した場合であっても、確実に点滅ノイズとして検知するために、図11に示す処理をさらに行っても良い。図11中のステップ番号は、図3中のステップ番号に対応する。図11に示すように、ステップS121のブロック単位での輝度点滅の検出を行った結果、F(n−1)およびF(n)の間で、点滅ノイズが微妙に移動している場合、ステップS123のフレーム単位での輝度点滅の検出を行うと、輝度点滅が検出された領域の数が5以下となるため、F(n−1)およびF(n)の両方において、輝度点滅は検出されない。そこで、図11に示すように、ステップS121*として、1つ前のフレームにおけるブロック単位での輝度点滅との論理和の算出(OR合成)を行う。このような処理を行うことにより、例えば、F(n)において輝度点滅が検出された領域の数が5以上となるため、F(n)においてフレーム単位の輝度点滅を検出することができる。なお、本実施形態において検知対象とした点滅ノイズは、2フレーム連続で含まれるということはない。そこで、上述した処理を行った際に、2フレーム連続でフレーム単位での輝度点滅が検出された場合には、何れかのフレームの輝度点滅を無視し、一方のフレームの輝度点滅のみを有効とすると良い。
【0083】
そして、ノイズの検知の結果は、アラーム出力部14を介したユーザへの報知に用いられても良いし、入出力I/F1を介してノイズ検知装置11の外部に出力されても良い。また、対象動画像のタグ情報などに、検知したノイズの種類などを示す情報として記録しても良い。
【0084】
また、上述の例で説明した各処理は、ハードウエアで行っても良いし、CPU13によるソフトウェアで行っても良い。
【0085】
上記のように、本実施形態のノイズ検知装置は、処理の対象となる対象動画像の情報を取得し、対象動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する。そして、領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する。さらに、複数枚の画像間において、現在の画像における特徴量と、1つ前の画像における特徴量との差分に基づいて領域の特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定し、判定した状態に基づき特徴量の変化量を算出する。そして、判定した状態が増加から減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、特徴量の変化量に基づいて、動画像の任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、動画像に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うものである。
【0086】
よって、本実施形態の構成によれば、動画像に含まれる点滅ノイズが画像において局部的に含まれる場合であっても、その点滅ノイズを検知することができる。また、経時変化に基づいて状態を判定し、状態に応じて点滅ノイズの検知を行うことにより、誤検出や検出漏れを防ぐことができる。そのため、動画像に含まれる点滅ノイズを、精度良く的確に自動で検知することができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、動画像を構成するそれぞれの画像単位で点滅ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、対象動画像に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う。そのため、局所的に発生する点滅ノイズと全体的に発生する点滅ノイズとの両方を区別して、検知することが可能となる。
【0088】
なお、上述した例では、ユーザによるプログラム実行指示に応じて、一連の処理を実行する例を示したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、ノイズ検知装置11が何らかの動画像の画像データを読み込むたびに、自動で一連の処理を実行しても良い。
【0089】
<実施形態の補足事項>
(1)上記実施形態で説明した各処理や各閾値などは一例であり本発明はこの例に限定されない。
【0090】
例えば、上記実施形態では、「鮮やかな赤色の点滅」が、「1フレームの所定の面積以上の頻度」で、「1秒間に3回以上」発生する点滅ノイズを検知対象として挙げたが、他の性質を有する点滅ノイズを検知対象としても良い。例えば、「シアンの点滅」などを検知対象としても良い。赤色以外の点滅ノイズを検知対象とする際には、その性質に応じて各種テーブルや閾値を定めれば良い。また、複数色の色点滅ノイズを検知対象としても良い。このような場合には、それぞれの色の色点滅ノイズを独立に検出すれば良い。
【0091】
また、上記実施形態では、YHSV変換部21により、色空間をHSV色空間に変換した後に一連の処理を行う例を示したが、HSV色空間以外の色空間に変換する構成としても良い。
【0092】
また、上記実施形態では、ブロック単位、フレーム単位、動画像単位の順で点滅ノイズの検出を行う例を示したが、検知対象の動画像が複数フィールドからなる場合には、ブロック単位、フィールド単位、動画像単位の順で点滅ノイズの検出を行っても良い。また、フレーム単位で点滅ノイズの検出を省略し、ブロック単位で点滅ノイズの検出を行った結果に基づいて、動画像全体に点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行っても良い。
【0093】
(2)上記実施形態で説明したノイズ検知装置による処理を実行するノイズ検知プログラムも本発明の具体的態様として有効である。このノイズ検知プログラムは、磁気ディスクなどの記憶媒体に記憶されたものであっても良いし、インターネットなどを介してダウンロード可能なものであっても良い。また、上記実施形態で説明したノイズ検知装置を備えた画像処理装置や再生装置(例えば、フォトビューアー、デジタルフォトフレーム、各種印刷装置など)も本発明の具体的態様として有効である。上述した再生装置においては、画像の再生を行う際に一連の処理を実行する構成としても良い。
【0094】
(3)上記実施形態の各画像処理および各判定の方法は一例であり、本発明はこの例に限定されない。
【0095】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図する。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。
【符号の説明】
【0096】
11…ノイズ検知装置、12…ノイズ検知部、13…CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理の対象となる動画像の情報を取得する取得部と、
前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割部と、
前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出部と、
前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定部と、
前記状態判定部により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出部と、
前記状態判定部により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定部と、
前記領域ノイズ判定部の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定部と
を備えることを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載のノイズ検知装置において、
前記状態判定部は、現在の画像における前記特徴量と1つ前の画像における前記特徴量との差分が予め定められた閾値を越えないときには、1つ前の判定を維持する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のノイズ検知装置において、
前記特徴量変化算出部は、前記状態判定部により判定した前記状態が1つ前の画像における前記状態と同一のときは前記差分の値を累積する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記状態判定部は前記増加もしくは前記減少のどちらかの状態を所定時間維持した場合に定常状態と判定する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記ノイズ判定部は、前記領域ノイズ判定部による判定結果に基づいて、前記動画像を構成するそれぞれの画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記ノイズ判定部は、前記画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定した判定結果に基づいて、前記対象動画像において、所定の時間内に所定の回数以上の前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記領域ノイズ判定部は、前記特徴量の変化量が所定の閾値より大きい場合に、前記対象動画像の前記任意の領域に前記点滅ノイズが含まれると判定する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記ノイズ判定部は、前記特徴量変化算出部により算出された前記特徴量の変化量に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う際に、連続する少なくとも2枚の前記画像における前記判定結果を加味して判定を行う
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のノイズ検知装置において、
前記算出部は、前記特徴量として、前記画像の輝度に関する特徴量と、前記画像の色情報に関する特徴量との少なくとも一方を算出する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項10】
動画像を記録する記録部と、
前記動画像を再生する再生部と、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載のノイズ検知装置とを備え、
前記取得部は、前記記録部から前記対象動画像の情報を取得する
ことを特徴とする再生装置。
【請求項11】
処理の対象となる動画像の情報を取得する取得処理と、
前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割処理と、
前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出処理と、
前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定処理と、
前記状態判定処理により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出処理と、
前記状態判定処理により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定処理と、
前記領域ノイズ判定処理の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定処理と
をコンピュータに実行させるノイズ検知プログラム。
【請求項1】
処理の対象となる動画像の情報を取得する取得部と、
前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割部と、
前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出部と、
前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定部と、
前記状態判定部により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出部と、
前記状態判定部により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定部と、
前記領域ノイズ判定部の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定部と
を備えることを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載のノイズ検知装置において、
前記状態判定部は、現在の画像における前記特徴量と1つ前の画像における前記特徴量との差分が予め定められた閾値を越えないときには、1つ前の判定を維持する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のノイズ検知装置において、
前記特徴量変化算出部は、前記状態判定部により判定した前記状態が1つ前の画像における前記状態と同一のときは前記差分の値を累積する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記状態判定部は前記増加もしくは前記減少のどちらかの状態を所定時間維持した場合に定常状態と判定する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記ノイズ判定部は、前記領域ノイズ判定部による判定結果に基づいて、前記動画像を構成するそれぞれの画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記ノイズ判定部は、前記画像単位で前記点滅ノイズが含まれるか否かを判定した判定結果に基づいて、前記対象動画像において、所定の時間内に所定の回数以上の前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記領域ノイズ判定部は、前記特徴量の変化量が所定の閾値より大きい場合に、前記対象動画像の前記任意の領域に前記点滅ノイズが含まれると判定する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか一項に記載のノイズ検知装置において、
前記ノイズ判定部は、前記特徴量変化算出部により算出された前記特徴量の変化量に基づいて、前記対象動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行う際に、連続する少なくとも2枚の前記画像における前記判定結果を加味して判定を行う
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のノイズ検知装置において、
前記算出部は、前記特徴量として、前記画像の輝度に関する特徴量と、前記画像の色情報に関する特徴量との少なくとも一方を算出する
ことを特徴とするノイズ検知装置。
【請求項10】
動画像を記録する記録部と、
前記動画像を再生する再生部と、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載のノイズ検知装置とを備え、
前記取得部は、前記記録部から前記対象動画像の情報を取得する
ことを特徴とする再生装置。
【請求項11】
処理の対象となる動画像の情報を取得する取得処理と、
前記動画像を構成する複数枚の画像のそれぞれを、複数の領域に分割する分割処理と、
前記領域ごとに、検知対象の点滅ノイズに関する特徴量を算出する算出処理と、
前記複数枚の画像間において、現在の画像における前記特徴量と、1つ前の画像における前記特徴量との差分に基づいて前記領域の前記特徴量の変化が増加又は減少であるかを判定する状態判定処理と、
前記状態判定処理により判定した前記状態に基づき前記特徴量の変化量を算出する特徴量変化算出処理と、
前記状態判定処理により判定した状態が前記増加から前記減少を経て、その他の任意の状態に変化した場合に、前記特徴量の変化量に基づいて、前記動画像の前記任意の領域に領域ノイズが含まれるか否かを判定する領域ノイズ判定処理と、
前記領域ノイズ判定処理の判定結果に基づいて、前記動画像に前記点滅ノイズが含まれるか否かの判定を行うノイズ判定処理と
をコンピュータに実行させるノイズ検知プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−106207(P2013−106207A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249037(P2011−249037)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(592217093)株式会社ニコンシステム (102)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(592217093)株式会社ニコンシステム (102)
【Fターム(参考)】
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