説明

ノズルディスペンス用活物質インク

【課題】ノズルディスペンス法で電極を作製する際に用いるのに適しており、高アスペクト比の線状活物質部を形成可能なノズルディスペンス用活物質インクを提供する。
【解決手段】活物質、バインダ、導電材及び分散媒を含み、100s−1のせん断速度で48.9Pa・s以下、0.01s−1のせん断速度で4060Pa・s以上のせん断粘度を有すること、を特徴とするノズルディスペンス用活物質インク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池の電極をノズルディスペンス法により作製する際に用いるノズルディスペンス用活物質インクに関する。
【背景技術】
【0002】
正極、負極、電解質(電解液)及びセパレータ等で構成されているリチウムイオン二次電池は、軽量、大容量かつ高速充放電可能であるため、現在、ノートパソコンや携帯電話等のモバイル機器や自動車等の分野において広く普及しているが、更なる大容量化及び高速充放電のために、様々な研究がなされている。
【0003】
このようなリチウムイオン二次電池の製造方法としては、従来、例えば、アルミニウム箔や銅箔等の集電体上に活物質インクを塗布して乾燥した後、規定密度になるようにプレスを行う方法が多く用いられ、その後、所定の容器に挿入し、電解液が注入されて作製される。
【0004】
これに対し、電解液には有機溶媒が含まれ、ショート等による発火事件が懸念されることから、固体電解質を用いてセパレータを省略した全固体電池が提案されている。この全固体電池では、正極及び負極にそれぞれ含まれる正極活物質及び負極活物質と電解質との反応が律速となるが、固体電解質のリチウムイオン伝導度が低いため、正極と負極との間隔をできるだけ狭くする必要がある。
【0005】
この点に着目し、例えば、特許文献1(特開2011−70788号公報)においては、低コスト、高安全性、高エネルギー密度・高出力を実現する全固体電池構造を提供することを意図して、凹凸構造を有する活物質層を含む3次元構造の電極を有する全固体電池の製造方法が提案されている。薄い固体電解質層を形成すると、抵抗が小さく、イオン移動距離が短いためより高出力の電池が得られ、また、平面状の正極及び負極よりも、凹凸構造を有する正極及び負極を用いたほうが、反応面積が向上して効果的である。
【0006】
上記特許文献1において、凹凸構造を有する活物質層の形成については、具体的には、活物質を含むペースト状乃至はスラリー状の塗布液(インク)をノズルから吐出させて基材である集電体の表面に塗布して凹凸パターンを有する活物質層を形成する方法(ノズルディスペンス法)が提案されている。
【0007】
このようなノズルディスペンス法による塗布技術は研究が進んでおり、塗布液の組成を適宜調整した上で、基材表面に対してノズルを所定方向に相対移動させて、ライン状に塗布液を基材表面に塗布する。このような構成によれば、ラインの幅や高さの安定したパターンを形成することが可能であり、良好な性能を有する電池を安定して製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−70788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のようなノズルディスペンス法により、活物質インクを集電体に塗布して凹凸構造の電極を得るためには、高いせん断粘度の活物質インクを用いることが考えられるが、むやみに活物質インクのせん断粘度を増大させるとノズルからの吐出が困難になることがある。
【0010】
また、逆にせん断粘度を低減させると、集電体に塗布された直後の活物質インクの形状が流れたり崩れたりしてしまい、凹凸構造の電極が得られにくい。単位面積当たりの容量(Ah/cm)の大きい電池を実現する電極を得るためには、単純に考えれば、活物質インクの塗布量を増大させて活物質層を構成する線状活物質部のアスペクト比を高めることが好適であるが、活物質インクのせん断粘度を低減させるとこれを実現できない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、ノズルディスペンス法で電極を作製する際に用いるのに適しており、高アスペクト比の線状活物質部を形成可能なノズルディスペンス用活物質インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決すべく、本発明者らは、
活物質、バインダ、導電材及び分散媒を含み、
100s−1のせん断速度で48.9Pa・s以下、0.01s−1のせん断速度で4060Pa・s以上のせん断粘度を有すること、
を特徴とするノズルディスペンス用活物質インクを提供する。
【0013】
このような構成を有する本発明のノズルディスペンス用活物質インクは、せん断力が大きい場合に低いせん断粘度を有することから、ノズルから確実に吐出することができ、また、せん断力が小さい場合に高いせん断粘度を有することから、ノズルから吐出されて集電体上に塗布された状態で、その形状が崩れにくく、高アスペクト比の線状活物質部を有する凹凸構造の電極を確実に得ることができる。
【0014】
また、上記本発明のノズルディスペンス用活物質インクは、開口面積dが7500〜32000μmであるノズルを用いたノズルディスペンス法に使用するのが好ましい。
【0015】
上記本発明のノズルディスペンス用活物質インクは、開口面積dが7500〜32000μmであるノズルを用いた場合に、より確実にノズルから吐出することができ、また、より確実に高アスペクト比の線状活物質部を有する凹凸構造の電極を形成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ノズルディスペンス法で電極を作製する際に用いるのに適しており、高アスペクト比の線状活物質部を形成可能なノズルディスペンス用活物質インクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ノズルディスペンス法において、活物質インクをノズルから吐出して集電体上に塗布し線状活物質部を形成する様子を示す図である。
【図2】本発明の実験例において調製した活物質インク1〜8のせん断速度とせん断粘度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のノズルディスペンス用活物質インクは、活物質、バインダ、導電材及び分散媒を含み、0.01s−1のせん断速度で4060Pa・s以上で、100s−1のせん断速度で48.9Pa・s以下のせん断粘度を有すること、を特徴とする。
【0019】
まず、本発明のノズルディスペンス用活物質インクをノズルディスペンス法を用いて線状活物質部で構成される活物質層を形成する様子を図1に示す。図1の(a)は、ノズルディスペンス法によって集電体10上に活物質層を構成する線状活物質部12aが形成される様子を模式的に示す側面図(即ち、集電体10の主面に対して略平行なX方向からみた場合にみえる図)であり、図1の(b)は、ノズルディスペンス法によって活物質層を構成する線状活物質部12aが形成される様子を模式的に示す斜視図である。
【0020】
線状活物質部12aは、図1に示すように、例えば(ア)活物質を含む活物質インク(ペースト状乃至はスラリー状の塗布液)を間隔Sで線状に吐出するノズル40を集電体10に対して相対移動させ、集電体10上に複数本の凸状の線状活物質部12aを形成する塗布工程(即ち、ノズルディスペンス法を用いた塗布工程)、及び、(イ)線状活物質部12aを乾燥させる乾燥工程により形成される。
【0021】
より具体的には、上記(ア)の塗布工程では、図1の(a)に示すように、集電体10を矢印Yの方向に搬送することにより、ノズル40を集電体10に対して相対移動させる。搬送される集電体10の表面には、ノズル40から、活物質インクが間隔Sで吐出されて線状活物質部12aを形成する。ノズル40の位置が固定して、集電体10が搬送されることにより、ノズル40が集電体10に対して相対移動される。もちろん、集電体10の位置を固定して、ノズル40を走査することにより、ノズル40を集電体10に対して相対移動させてもよい。
【0022】
図1においては、活物質インクを吐出するための吐出口が複数設けられたノズル40を、集電体10上方に配置し、その吐出口から一定量の活物質インクを吐出させながら、集電体10をノズル40に対して相対的に矢印Yの方向に一定速度で搬送させる。これにより、集電体10上には、Y方向に沿って活物質インクからなる複数本の線状の凸状活物質活部12aが間隔Sで形成されて、ストライプ状のラインアンドスペースのパターン形状となるように活物質インクが塗布される。
【0023】
ノズル40に複数個の吐出口を間隔Sで設ければ一方向における一回の相対移動で複数本の線状活物質部12aを形成してストライプ状とすることができ、集電体10の搬送を続けることにより、集電体10の全面にストライプ状に凸状の線状活物質部12aを形成することができる。ノズル40には単一の吐出口だけが設けられていてもよく、この場合、当該ノズル40と集電体10とを往復して相対移動させ、また、線状活物質部12aの長さ方向に対して略垂直な方向において、当該ノズル40と集電体10との位置を相対的にずらすことにより、集電体10の全面にストライプ状に凸状の線状活物質部12aを形成することができる。
【0024】
ここで、ノズル40から活物質インクが吐出される場合には活物質インクに大きなせん断力がかかるところ(装置にもよるが、例えば100s−1〜10000s−1)、100s−1のせん断速度で48.9Pa・s以下のせん断粘度を有すれば、活物質インクをノズルから確実に吐出することができることを本発明者らは見出した。
【0025】
また、ノズル40から活物質インクが吐出されて集電体10上に塗布された状態では、活物質インクにほとんどせん断力がかからないところ(例えば0〜0.01s−1)、0.01s−1のせん断速度で4060Pa・s以上のせん断粘度を有すれば、その形状が崩れにくく、高アスペクト比の線状活物質部を確実に得ることができることを本発明者らは見出した。
【0026】
そこで、本発明のノズルディスペンス用活物質インクは、100s−1のせん断速度で48.9Pa・s以下で、0.01s−1のせん断速度で4060Pa・s以上のせん断粘度を有すること、を特徴とする。
【0027】
また、本発明のノズルディスペンス用活物質インクは、開口面積dが7500〜32000μmである吐出口を有するノズルを用いて、ノズルディスペンス法に使用するのが好ましい。この範囲であれば、より確実にノズルから吐出することができ、また、より確実に高アスペクト比の線状活物質部を有する凹凸構造の電極を形成することができる。
【0028】
活物質インクに含まれる活物質は、負極活物質又は正極活物質である。
負極極活物質としては、本発明の技術分野で常用されるものを使用でき、例えば、金属、金属繊維、炭素材料、酸化物、窒化物、珪素、珪素化合物、錫、錫化合物、各種合金材料等が挙げられる。これらのなかでも、容量密度の大きさ等を考慮すると、酸化物、炭素材料、珪素、珪素化合物、錫、錫化合物等が好ましい。酸化物としては、例えば、式:Li4/3Ti5/3−xFe(0≦x≦0.2)で表されるチタン酸リチウム等が挙げられる。炭素材料としては、例えば、各種天然黒鉛(グラファイト)、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、各種人造黒鉛、非晶質炭素等が挙げられる。珪素化合物としては、例えば、珪素含有合金、珪素含有無機化合物、珪素含有有機化合物、固溶体等が挙げられる。珪素化合物の具体例としては、例えば、SiO(0.05<a<1.95)で表される酸化珪素、珪素とFe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn及びTiから選ばれる少なくとも1種の元素とを含む合金、珪素、酸化珪素又は合金に含まれる珪素の一部がB、Mg、Ni、Ti、Mo、Co、Ca、Cr、Cu、Fe、Mn、Nb、Ta、V、W、Zn、C、N及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素で置換された珪素化合物又は珪素含有合金、これらの固溶体等が挙げられる。錫化合物としては、例えば、SnO(0<b<2)、SnO、SnSiO、NiSn、MgSn等が挙げられる。負極活物質は1種を単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
正極活物質としては、例えば、リチウム含有複合金属酸化物、カルコゲン化合物、二酸化マンガン等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物は、リチウムと遷移金属とを含む金属酸化物又は該金属酸化物中の遷移金属の一部が異種元素によって置換された金属酸化物である。ここで、異種元素としては、例えば、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、B等が挙げられ、Mn、Al、Co、Ni、Mg等が好ましい。異種元素は1種でも又は2種以上でもよい。これらのなかでも、リチウム含有複合金属酸化物を好ましく使用できる。リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−y、LiCo1−y、LiNi1−y、LiMn、LiMn2−y、LiMPO、LiMPOF(前記各式中、例えば、MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、V及びBよりなる群から選ばれる少なくとも1種。0<x≦1.2、0<y≦0.9、2.0≦z≦2.3)、LiMeO(式中、Me=MxMyMz;Me及びMは遷移金属、x+y+z=1)等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物の具体例としては、例えば、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNi0.8Co0.15Al0.05等が挙げられる。ここで、上記各式中リチウムのモル比を示すx値は、充放電により増減する。また、カルコゲン化合物としては、例えば二硫化チタン、二硫化モリブデン等が挙げられる。正極活物質は1種を単独で使用でき2種以上を併用してもよい。
【0030】
また、活物質インクは導電材を含む。導電材としては、本発明の技術分野で常用されるものを使用でき、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物、フェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられる。導電剤は1種を単独で使用でき又は必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
【0031】
活物質インクに含まれるバインダ(結着剤)としても、本発明の技術分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルホン、ポリヘキサフルオロプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンジエン共重合体、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエン等から選ばれるモノマー化合物の共重合体を結着剤として用いてもよい。結着剤は1種を単独で使用でき又は必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
【0032】
分散媒としては、多くの電解液に含まれ得る六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等を分解しないように、水を除く有機溶媒を用いるのが好ましい。かかる有機溶媒としては、本発明の技術分野で常用されるものを使用でき、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアミン、アセトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。有機溶媒は1種を単独で使用でき又は2種以上を混合して使用できる。
【0033】
なお、集電体10としては、本発明の属する技術分野において公知の材料が用いられ、例えばアルミニウム箔等の金属膜であればよい。また、集電体10は、絶縁性の基材の表面に形成されていてもよい。このような基材としては絶縁性材料で形成された平板状部材を用いればよく、かかる絶縁性材料としては、例えば樹脂、ガラス又はセラミックス等が挙げられる。また、基材は可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。
【0034】
ここで、本発明のノズルディスペンス用活物質インクは、当該活物質インクがノズル40から確実に吐出でき、かつ吐出後集電体10上においてその形状を維持し得るのであれば、種々の固形分割合を有することができる。ただし、85質量%であるのが好ましい。
【0035】
本発明のノズルディスペンス用活物質インクのせん断粘度は、活物質、バインダ、導電材及び分散媒(並びにその他の任意成分)の種類や配合量及び固形分割合によって異なるが、これら各成分を常法により攪拌・混合(混練)する際の強さや時間によっても調整することができる。
【実施例】
【0036】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0037】
質量比8:1:1の割合で、下記の表1に示す活物質と、導電材であるアセチレンブラックと、バインダであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、を混合した。得られた混合物に、活物質濃度が表2に示す濃度となるように、分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンを混合し、インク1〜8を調製した。
【0038】
なお、チタン酸リチウムについて、比表面積はBET法、タップ密度は200回タッピング、メジアン径はレーザー回折散乱法((株)堀場製作所製LA−910)、コバルト酸リチウムについて、メジアン径はMicrotrac(×100)を用いた。
【0039】
【表1】

【0040】
[評価]
幅70μm、高さ110μm(開口面積d=7700μm)のノズルA、又は、幅50μm、高さ150μm(開口面積d=7500μm)のノズルB、を用いて、得られた活物質インク1〜8を吐出させることができるか否かを調べた。結果を表2に示した。また、吐出後の活物質インクの形状状態を目視により観察したところ、インク1〜8のいずれの場合にもその形状は崩れていなかった。
【0041】
また、活物質インク1〜8について、Anton Paar社製のレオメータ「Physica MCR301」を用いて、せん断速度が100s−1又は0.01s−1のときのせん断粘度を測定した。結果を表2に示すとともに、図2のグラフに示した。なお、グラフには、せん断速度が0.10S−1、1.00S−1及び10.0S−1の場合のせん断粘度も示した。
【0042】
【表2】

【0043】
表2に示す結果から、100s−1のせん断速度で48.9Pa・s以下のせん断粘度を有し、0.01s−1のせん断速度で4060Pa・s以上のせん断粘度を有する活物質インクであれば、ノズルから確実に吐出することができ、吐出後にその形状が崩れにくく、高アスペクト比の線状活物質部が確実に得られることがわかる。
【符号の説明】
【0044】
10・・・集電体、
12a・・・線状活物質部、
40・・・ノズル。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質、バインダ、導電材及び分散媒を含み、
100s−1のせん断速度で48.9Pa・s以下、0.01s−1のせん断速度で4060Pa・s以上のせん断粘度を有すること、
を特徴とするノズルディスペンス用活物質インク。
【請求項2】
前記ノズルディスペンス用活物質インクを吐出するノズルの開口面積dが7500〜32000μmであること、
を特徴とする請求項1に記載のノズルディスペンス用活物質インク。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−67747(P2013−67747A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208527(P2011−208527)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】