ノズル間隔が調整可能な手持ち式多重チャネルピペット用液端アセンブリ
手持ち式多重チャネルピペットは、複数の流体取り扱いノズル、およびノズルの対間に等しい間隔を維持しながら、ノズルのパターンの幅を調整する回転調整機構を含む。間隔が調整可能な多重チャネルピペットの実施形態は、調整可能な止め機構を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体のボリュームを抜き取り、その後に抜き取った液体の正確なボリュームを放出する多重チャネルピペットに関する。特に、本発明は、ピペットの主要動作要素の汚染を防止するように、使い捨ての先端が通常は抜き取った液体を含み、空気緩衝器が抜き取った液体を、通常は、液体の抜き取りおよび放出に使用される複数のピストンおよびシリンダ構造から分離する多重チャネル空気置換型ピペットに関する。特に、本発明は、液端アセンブリのノズル間の間隔が回転機構によって容易に調整される空気置換型ピペット用の多重チャネル液端アセンブリを指向する。
【背景技術】
【0002】
従来の多重チャネルピペットは数十年前から使用可能であり、使用者が1組の受けから別の組へと流体サンプルを移動させられるようにした。一般に、このようなピペットは、1つまたは2つの等間隔の列に配置された複数のノズルを含み、ノズルは、単チャネルの手持ち式ピペットに使用される先端と類似のまたは同一の使い捨てピペット先端を受けるように構成される。
【0003】
従来の手持ち式多重チャネルピペットの大部分は、ノズルが9mmの固定ピッチで配置されている。例えば、Rainin Instrument,LLC社は、8チャネル(8つのノズルが1列)、12チャネル(12のノズルが1列)、16チャネル(8つのノズルが2列)、および24チャネル(12のノズルが2列)の構成で多重チャネルピペットを提供している。ノズルが4.5mmの固定ピッチで配置され、マイクロプレートへのアクセスを可能にする多重チャネルピペットを提供する企業もある。
【0004】
しかし、この固定ノズルの構成が幾つかの意味で制限的になり得ることに留意されたい。例えば、液体のサンプル源と行き先とが同じピッチを有していなければならない。固定した9mmの多重チャネルピペットで、液体を96ウェルのプレートから9mmより大きく隔置された試験管のラックに直接移動させることは不可能である。また、標準的な9mmの多重チャネルピペットでは、(例えば先端を装着しないことによって)交互のチャネルを使用不能にしない限り、使用者が2組の試験管の間で移動させることが全くできない。後者の場合は、未使用のノズルが邪魔になることがあるので、性能が損なわれることがある。
【0005】
これらの短所に対応しようと試みられている。
【0006】
Matrix Technologies Corporation社に譲渡された米国特許第5,057,281号(「第’281号特許」)に、各ノズルがスロット付きプレートに沿って個々に調整可能である手持ち式多重チャネルピペットが開示されている。これによって隣接するノズル間に不等間隔ができるが、間隔の変更が望ましい場合はその都度、個々の各ノズルを手作業で位置決めし、所定の位置にロックする必要があるという欠点を有する。これは時間がかかる綿密な作業であり、ピペット作業の非能率さにつながることがある。
【0007】
米国特許第5,061,449号(「第’449号特許」)に、Matrix Technologies Corporation社からの手持ち式ピペットのEXPラインで使用可能なノズル調整機構が開示されている。このピペットにより、ピペットのハウジングの一方側から延在する摺動式動作棒によって動作する1つの機構を使用して、ノズルを調整することができる。棒をノズルに押し込み、これを最も収縮した構成にするか、またはノズルから引き出して最も伸張した構成にする。ノズルはすべてスロット付きプレートに載り、可撓性であるが、それでも比較的非弾性のストラップが隣接するノズルを接続する。したがって、ノズルを合わせて押すと、可撓性ストラップが折り畳まれて隣接するノズルを妨害するのを回避することができ、ノズルは相互に対して均一の狭い間隔で位置することができる。同様に、ノズルを引き離すと、ストラップがノズル間で一定の長さまで広がり、均一の広い間隔が達成される。
【0008】
この構成は幾つかの欠点を有することに留意されたい。十分に収縮した位置および十分に伸張した位置しか、均一の間隔を保証しない。中間の位置は一貫性がない間隔になることがある。このような場合、ノズルは「一団になる」。すなわち、ノズル間のストラップの一部が広がり、他は完全に、または部分的に折り畳まれたままであることがある。さらに、ピペットのハウジングの側部から延在する動作棒は、ピペットが限られた空間で使用される能力を制限することがある。ノズルを十分に収縮した状態から十分に伸張した状態にするために、棒の数センチメートルの伸張が必要なことがあり、ノズルが伸張されたままである間、棒はハウジングから数センチメートル出たままである。
【0009】
米国特許第6,235,244号(「第’244号特許」)は、ノズル間に等しい間隔を維持するために使用されるパントグラフリンク機構を開示している。この構成は、Matrix Technologies Corporation社から市販されているピペットのEqualizerラインで使用されている。第’449号特許と同様に、ノズルがスロット付きプレートに沿って摺動し、ピペットの側部から延在する動作棒によって動かされる。上述したように、パントグラフリンク機構を使用して、等しいノズル間隔が維持され、ハウジング上に摺動自在に装着された止め部の追加機能が提供される。止め部によって最大の間隔を設定し、止め部を感じるまで動作棒を摺動させることにより、その位置に繰り返しアクセスすることができる。上記理由から、限られた空間でのピペットの使用を妨げることがあるので、直線の動作棒は理想的でない。さらに、棒の端部が不注意により何らかの表面に軽く叩かれるだけで偶発的に動作しやすいことがある。
【0010】
米国特許第4,830,832号(「第’832号特許」)に、収縮した位置と伸張した位置との間でピペットノズルを均一に動かす回転機構が開示されている。ノズルが案内レールに沿って摺動し、回転する溝付きカムによって動かされる。各ノズルがカムの溝を追従する。しかし、第’832号特許は、ロボット型液体取扱装置を指向し、その概念を手持ち式装置で使用することができる方法は示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,057,281号
【特許文献2】米国特許第5,061,449号
【特許文献3】米国特許第6,235,244号
【特許文献4】米国特許第4,830,832号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
先行技術の限界を回避する調整可能な多重チャネルピペットに対する要求が存在することは明らかである。このようなピペットは、コンパクトな設計、均一な間隔、および調整可能な止め機構などの有利な機能を含む一方、不必要な空間を占め、不注意により動くことがある延在した調整棒などの欠点を回避する。このようなピペットは、容易に使用され、サンプルのプレートとチューブの間を動き、使い捨ての先端ラックに使用される9mmの間隔に容易に嵌合することができるようにするために、繰り返し可能な調整を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書で開示する多重チャネル液端は、既知の市販の間隔が調整可能なピペットの能力に合致するが、幾つかの追加の利点がある。ノズルの間隔は調整可能であり、ノズルが十分に収縮した構成と十分に伸張した構成の間で調整される場合に、均一な間隔が維持される。しかし、上記参照文献の幾つかで使用されるような押し引き式の調整棒ではなく、間隔を調整する回転式ノブを使用して調整する。本発明による液端では、ノズル間隔調整機構は、回転する溝付きカムおよび溝を追従するノズルを使用し、案内レールがカムに沿ったノズルの望ましくない回転を防止する。この構成は第’832号特許で述べられた構成と類似であるが、手持ち式ピペットの有利で都合がよい使用法に適している。
【0014】
本発明によるピペットは、標準的な48ウェルおよび24ウェルのプレートばかりでなく、標準的な96ウェルのサンプルプレートへの容易なアクセスも可能にする。ピペット先端補充パッケージに使用される従来の9mmの間隔と、ピペットの動作範囲内に入る任意の他の望ましい間隔との間で、間隔を調整することができる。
【0015】
本発明によるピペットでは、マルチウェルプレートと中心間に14.5mm以上の間隔を有する試験管のラックとの間でサンプルの移動が簡単である。本発明による調整可能な多重チャネルピペットは、任意の望ましいピッチでゲルの装填を達成することもできる。本発明のある実施形態は、下方向に4.5mmの中心まで調整可能であり、それによって上記容器ばかりでなく384ウェルのマイクロプレートへもアクセスすることができる。
【0016】
簡単で容易に使用される調整ノブにより、本明細書で述べるような液端を使用するピペットは、容易に操作され、不必要な横方向の空間を占有せず、限られた環境で使用することができる。露出した調整棒がないので、日常のラボラトリーの操作で時々起こるような不注意によるピペットと表面の接触の際に、望ましいノズル間隔から偶発的に離れることが回避される。
【0017】
本発明による液端の実施形態はハウジングを含み、これはハウジング内で軸方向に移動するためにピペットの駆動機構と接続可能なプランジャシャフトを受ける上壁の開口を有する。プランジャシャフトは、手動のタイプと電子タイプの両方を含む様々な種類のピペット本体に適合可能であることが好ましい。
【0018】
従来の手持ち式多重チャネルピペットと同様、ハウジング内に複数のシリンダが装着され、それぞれがその中でプランジャシャフトの移動に対して軸方向に移動するように装着された空気置換型ピストンを受ける。シリンダはそれぞれ、開放端がハウジングの下壁から延在する状態で、ノズルに結合される。従来のピペットのように、ノズルは、使い捨てのピペット先端を装着し、解放するために使用される。
【0019】
本明細書に記載する利点を提供するために、液端は、使用者によって操作され、回転するカムが常に均一のノズル間隔を維持した状態でノズルを複数の間隔の間で動かすように構成された間隔調整機構も含む。この機構は間隔調整ノブを介して操作され、それは液端のハウジングの側部から非常にわずかしか突出せず、様々な実施形態は、望ましい最大ノズル間隔を確実に超えないようにする、または自身によって提供される触覚の抵抗に気付くことによって望ましい設定に非常に容易に到達できる止め機構も含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになる。
【図1】本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端を有する手持ち式電子ピペットの全体図である。
【図2】本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の内部図である。
【図3】ノズルが最も収縮した構成で図示された、本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の遠位端の図である。
【図4】ノズルが最も伸張した構成で図示された、本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の遠位端の図である。
【図5】本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の内部の等角図である。
【図6】幾つかの構成要素が除去され、可撓性エアホースが見える、本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の内部の等角図である。
【図7】図5および図6に示した液端に使用されるマニホールドの上面図である。
【図8】図7に示したマニホールドの底面図である。
【図9】本発明の実施形態によるノズル間隔調整機構の重要な構成要素の組立分解図である。
【図10】本発明の実施形態による1つのノズルおよびノズル間隔付与カムの一部の組立分解図である。
【図11】本発明の実施形態によるノズル間隔調整ノブアセンブリの組立分解図である。
【図12】異なる方向から見た図11のノズル間隔ノブアセンブリの組立分解図である。
【図13】本発明の実施形態による止め部ノブアセンブリの組立分解図である。
【図14】異なる方向から見た図13の止め部ノブアセンブリの組立分解図である。
【図15】本発明による6チャネルの間隔を調整可能な液端に使用される止め部ノブの一実施形態の図である。
【図16】本発明の実施形態による8チャネルの間隔を調整可能な液端に使用される止めノブの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を、詳細な例示的実施形態を参照しながら以下で説明する。本発明によるシステムが多種多様な形態で実現することができることを理解されたい。その結果、本明細書で開示する特定の構造および機能的詳細は代表的なものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0022】
最初に図1を参照すると、Rainin Instrument,LLC社からのEDP3−Plusと称するピペットと類似の電子ピペット110が図示されている。ピペット110は、手で保持可能な本体120を含み、この本体は軸方向に作用する駆動機構をその内部に含む。図示のピペット110では、モータが本体120内でシャフトを上下に駆動し、この動作が液端アセンブリ130に伝達される。
【0023】
図1は電子ピペットを示しているが、手で駆動するピペットも使用することができることを理解されたい。そのような場合、プランジャボタンにかかる圧力がシャフトを上下に駆動し、同じ動作が液端アセンブリ130に伝達される。
【0024】
図示のように、液端アセンブリ130は、アレイ状に配置された8個のノズル140を含む。上述したように、1列の(固定された構成の)8個または12個のノズルを有するピペットが現在入手可能であり、6個のノズルがある実施形態について、以下でさらに詳細に説明する。
【0025】
液端アセンブリ130には、間隔調整ノブ150が設けられる。ピペット110の使用者は、間隔調整ノブ150を回転することにより、ノズル140を収縮した位置と伸張した位置との間、およびその間の任意の望ましい位置に移動させることができる。隣接するノズルの対間の間隔は常に均一に維持される。
【0026】
図示のピペット110は、止めノブ160をさらに含み、これによって使用者はノズル140の最大間隔を選択することができる。所望の間隔に到達した後、間隔調整ノブ150を回転しようとすると抵抗を受ける。したがって止めノブ160が設定された状態で、ノズル140を収縮した位置(通常は中心間が9mmであるが、代替実施形態は異なる最小間隔を使用することができる)と所望の設定との間で動かすだけである。本発明のある実施形態では、止めノブ160には回り止めが設けられ、これによって浮動しにくい比較的正確な止めの設定をすることができ、さらに使用者が間隔調整ノブ150を強制的に回転することによって、止めの設定を変更することができる。
【0027】
図2は、本発明による液端の内部を示す。図示のように、第1のノズル210は第2のノズル212から、第1のノズル210の中心から第2のノズル212の中心まで延在する間隔214で表される距離だけ隔置される。ノズル140はそれぞれ、回転可能なノズル間隔付与カム216および中実のノズルレール218に結合され、これは両方とも液端アセンブリ130のハウジング220の底部にまたがって横方向に延在する。以下でさらに詳細に説明するように、ノズル間隔付与カム216を(間隔調整ノブ150を回転することによって)回転すると、ノズル140がレール218に沿って収縮した状態と伸張した状態の間で摺動する。
【0028】
液端ハウジング220は、基本的に、液端アセンブリ130内の機構上に浮遊していることに留意されたい。具体的には、液端ハウジング220が排出カラー222に結合され、ハウジングとカラーは両方とも排出ばね224によって(ピペット本体120に向かって)押し上げられる。液端ハウジング220は、排出カラー222およびハウジング220に下方向の圧力を加えることによってハウジング220の底部がノズル140上に設置されたどの先端にも作用し、それを排出するほど十分に近くでノズル140を囲む。通常、電子および手動ピペットは両方とも、排出カラー222に力を伝達するように動作する排出ボタンを装備し、排出カラーが排出ばね224に抗して作用し、それによってハウジング220が下降し、先端を排出する。
【0029】
図2にはピストンプレート226も図示され、これは液端アセンブリ130の近位端の付近に配置される。ピストンプレート226は、ピペット110によって(手動ピペットでは人の力で、電子ピペットではモータにより)液端アセンブリ130内で上下に、すなわちピペット本体120に対して軸方向に動作可能である。
【0030】
シリンダプレート230およびマニホールド232が、液端アセンブリ130に対して所定の位置に固定される。シリンダプレート230は、複数のピストン(ピストン228を含む)を受ける複数の開口を画定し、ピストンは気密シールを通って、シリンダプレート230とマニホールド232との間に位置する対応する複数のシリンダ(シリンダ234を含む)内に延在する。
【0031】
あるいは、シリンダ234とピストン228の間において滑らかで円筒形のピストン228が通過する静止気密シールではなく、シールはピストン228(任意の妥当な形状でよい)と結合し、それと一緒に動作し、シリンダ234の滑らかな内壁に対して気密シールを維持することができる。両方の場合に、ピストン228によって置換される空気の量は、シリンダ234内のピストン228の位置に対して線型比例する。
【0032】
多重チャネル空気置換型ピペットでよくあるように、ピストンプレート226が動作すると、複数のピストン(ピストン228を含む)が動作し、対応する複数のシリンダ(シリンダ234を含む)のそれぞれの内部で等しい量の空気を置換する。本発明によりピペット110内の正確な流体測定を確実に行うために、ピストンプレート226の軸方向の動作は極めて安定していなければならず、ピストンプレート226は、高い精度までシリンダプレートに平行なままでなければならない。空気の流れの詳細については、図5を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0033】
開示された実施形態では、ピストンプレート226、シリンダプレート230、およびマニホールド232はすべて、主にアルミニウムから製作される。ピストンは研磨したステンレス鋼であり、シリンダはGE Plastics社のVALOXポリブチレンテレフタレート(PBT)から成形または機械加工されるが、すべての場合で、類似の特性の材料、または十分な性能(特に強度、熱安定性、および耐化学薬品性)を提供する異種材料で代替することができる。特に、異なる液体容量を有するピペットには、異なる材料および特有の構成を用いることができる。図示のピペットは、(チャネル当たり)300マイクロリットルの容量を有し、容量が異なると何らかの変更を必要とすることがあるが、それでも本発明の範囲内に入るものと理解される。
【0034】
次に図3および図4を参照すると、ノズル間隔を調整するために実行される動作が図示されている。
【0035】
図3は、ノズル140が最も収縮した構成にある状態の液端アセンブリ130を示す。(矢印310で示すように)ノズル140を伸張させるには、使用者が間隔調整ノブ150を反時計回りの方向に必要なだけ、または最大の伸張位置に到達したことを示す抵抗を受けるか、または止めノブ160によって設定された止め部に達するまで回転する。
【0036】
第1のノズル314上に設けられた位置合わせマーク312が、液端アセンブリ130のハウジング220上にマークされた目盛り316を基準にしてノズル間隔の表示を提供することに留意されたい。詳細には、図3に示すように、位置合わせマーク312は左端マーク318と位置合わせされ、9mmの間隔を表わす。したがって、最も狭く最も収縮した位置で、ノズル140は中心間が9mm離れている。
【0037】
図4は、ノズル140が最も伸張した構成にある状態の液端アセンブリ130を示す。(矢印410で示すように)ノズル140を収縮させるには、使用者が間隔調整ノブ150を時計回りの方向に必要なだけ、または最大の収縮位置に到達したことを示す抵抗を受けるまで回転する。
【0038】
図4では、第1のノズル314上の位置合わせマーク312が目盛り316の左端マーク412をわずかに過ぎて、中心間が14mmの間隔であることを表わす。したがって、その視覚的表示に基づいて、使用者はノズル140が約14.5mmという最大間隔であるか、またはそれに近いことを知る。
【0039】
図5は、液端アセンブリ130の追加の態様を示す。最初に、プランジャシャフト510が液端アセンブリ130の上端に露出していることに留意されたい。図示のように、プランジャシャフト510はピペット本体120内で隣接するシャフトとともに玉継手の一部を形成し、特にプランジャシャフト510の近位端は側部からアクセス可能なソケットとして成形される。この構成は、プランジャシャフト510とピペット本体120の駆動機構との間に比較的剛性のある直線連結部が得られるが、継手をある角度まで動かすだけで連結部を容易に取り外しできるという点で有利である。通常、結合ナット512は液端アセンブリ130をピペット本体120に接続し、継手が実質的に直線以外の任意の角度になることを防止する。しかし、結合ナット512が係合解除した状態で、液端アセンブリ130をピペット110から外す、または液端アセンブリ130をピペット本体120に再接続することは簡単な動作である。プランジャシャフト510の玉継手が360°回転でき、それによってノズルをピペット本体の軸線に対して任意の半径方向の角度に配向できることがさらなる利点である。
【0040】
図示のプランジャシャフト510は、玉継手の形態で、通常はシャフト510を必要に応じて上下に動かすために電動機を使用する電子ピペットとともに使用される。しかし、手動ピペットは異なる継手を使用することができ、プランジャシャフト510の近位端にコップ状の受け、ピペット本体内に丸められた隣接シャフトがある。後者の場合は、ばねがプランジャシャフトをピペット本体に向かって上方向に押しやり、これがプランジャシャフト510とピペット本体シャフトを密接な結合状態に維持する。この継手は、結合ナット512を緩め、シャフトを引き離すことによって簡単に取り外すことができる。
【0041】
開示されたピペット110は、ノズル140の間隔を変更するために使用者が操作する外部間隔調整ノブを使用するが、自動の動作を変更するために、カム216の自動モータドライブを単独で、または手動ノブに加えて含むことも、本発明の範囲内に入るものとみなされる。
【0042】
マニホールド232は、図2に関して説明したシリンダに加えて、それぞれがシリンダのうち1つに関連する複数のエアフィッティング(エアフィッティング514など)も含む。シリンダ内でピストンが動作すると、空気がエアフィッティングを通って移動する。シリンダとエアフィッティングの間の空気の経路については、以下で説明し、図7から図8に示す。開示された実施形態では、エアフィッティングは、マニホールド232の開口に挿入され、所定の位置に接着されたステンレス鋼のチューブである。開口は、マニホールド232内のエアフィッティングの均一な挿入深さを容易にするために、棚構造を画定することが好ましい。
【0043】
図5には、ハウジング220の一部分(しかし、排出カラー222に排出力が加えられてもハウジング220とともに動作しない一部分)として形成された矢印516が見える。矢印516は、止めノブ160上に止め部の位置を示す位置合わせマーク517が設けられている場合は、それと位置合わせすることができる。例えば、12mmという最大ノズル間隔が望ましい場合、使用者は矢印516が止めノブ160上にマークされ、図示のように「12」と読める表示と位置合わせされるまで、止めノブ160を回転することができる。止めノブ160およびそれに関連する止め機構の動作については、以下でさらに詳細に説明する。
【0044】
特定のノズル140は、図示のチューブクリップ518のようなチューブクリップを含むことに留意されたい。図6を参照しながら以下で説明するように、チューブクリップは、可撓性のエアホースを(エアフィッティング514のような)エアフィッティングとノズル140の間で経由し、ノズル140が繰り返し再構成されると、エアホースの不必要なもつれまたは磨耗を防止するために使用される。
【0045】
本発明による液端アセンブリ130のさらなる動作の詳細が図6に示され、この図は明快さを期して液端アセンブリ130の幾つかの構成要素を省略している。上述したように、プランジャシャフト510はピペット本体120から入力を受信し、それに応答して軸方向に動作する。プランジャシャフトはピストンプレート226に結合され、これによってピストンプレート226(およびピストン)はピペット110の駆動装置からの動作に応答して動作する。
【0046】
結合ナット512(図5)は、移動せず、ピペット本体120に確実に取り付けられ、これは2つのシリンダプレート支持部610を係留する働きもする。上述したように、シリンダプレート230は、液端アセンブリ130およびピペット本体120に対して所定の位置に固定され、ピストンプレート226の開口を通って延在するシリンダプレート支持体610がこれを容易にする。
【0047】
前述のように、複数のシリンダがシリンダプレート230とマニホールド232の間に位置する。しかし本発明によるピペット110の精度および安定性は、シリンダプレート230とマニホールド232の間の正確な相対位置の安定性に依存するので、追加の支柱が設けられる。液端アセンブリ130の中心に近い2つの金属支柱612が、シリンダプレート230をマニホールド232に確実に接続する。液端アセンブリ130の横方向端部にある2つの追加の金属支柱614は、シリンダプレートをマニホールド232およびレール218に接続し、これはマニホールド232の下側に頑丈に係留される。
【0048】
図6は、2つのノズルを示す。第1のノズル616は、マニホールド232上のエアフィッティングの1つを介して、第1の可撓性エアホース620でマニホールド232に接続される。第1の可撓性エアホース620は、液密の状態で第1のノズル内に係留され、したがってエアホース620の開放端が漏れを生ぜずにノズル616の開放端と連通する。第1の可撓性エアホース620はマニホールドの外側で経由され、ノズル616が横方向に有意に動作するために十分な緩みを有する。
【0049】
第2のノズル618は、マニホールド232上の別のエアフィッティングを介して、第2の可撓性エアホース622でマニホールド232に接続される。このエアホース622は、マニホールド232の開口624を介してマニホールド232に経由され、それでもノズル618が横方向に有意に動作するために十分な緩みがあるが、第2のノズル618は第1のノズル616ほど移動しない。開口624(およびマニホールド232の他のエアホース開口)は、滑らかな縁部を有するように構成され、それによりノズル140が狭い位置と広い位置の間で繰り返し再構成されても、エアホースの不必要な磨耗または損傷を回避する。
【0050】
図6(および本明細書の他の箇所)で示すように、ノズル616および618は、Rainin Instrument,LLC社により商品化されたLTS先端/シャフトシステムに合わせて構成される。本発明の範囲内で他のノズルの構成および形状を使用することができることに留意されたい。
【0051】
マニホールド232(レール218との関連でのみマニホールドとして作用する)が、図7から図8でさらに詳細に示されている。
【0052】
マニホールド232の上面726が図7に示されている。上面726は、本発明による液端アセンブリ130に使用される各シリンダに1つで、複数のシリンダ受けを有する。第1のシリンダ受け710が図示され、このシリンダ受けは円形の輪郭および実質的に平坦な底部を有し、内径が相手方のシリンダの外径と実質的に等しい。第1のシリンダ受け710とそれに相手方のシリンダの間に、2つの間に挿入された可撓性Oリングによって(すべての他の受けおよびシリンダと同様に)シールが維持される。
【0053】
同様に、第2のシリンダ受け712が図示され、このシリンダ受けは第1のシリンダ受け710と実質的に等しい寸法を有するが、マニホールド232の反対側の縁部に配置される。
【0054】
シリンダの壁もOリングも各受け内の空気穴を遮断せず、第1の例示的空気穴714が第1のシリンダ受け内に図示されている。マニホールド232がレール218に強固に結合されると、エアホース714が第1のエアフィッティング受け716と連絡し、これは上述したように、エアフィッティング514を受ける。したがって、マニホールド232の第1のシリンダ受け710内のシリンダは、空気穴714を通して対応するエアフィッティング514へと空気を通すことができる。同様に、マニホールド232の第2のシリンダ受け712内のシリンダは、第2のエアフィッティング受け718を介して別の対応するエアフィッティングに空気を通すことができる。この構造は、開示された実施形態の8個のシリンダ受け(および8個のシリンダ)のそれぞれについても同様であるが、6、12、または何らかの他の数のチャネルがある他の構成も等しく可能であることに留意されたい。
【0055】
上述したように、開口720などの開口がマニホールド232に設けられ、それによって実質的な摩擦、磨耗または曲げを回避しながら、エアホースが(ノズル140が配置されている)マニホールド232の底部から(エアフィッティングが配置されている)マニホールド232の頂部まで横断することができる。
【0056】
マニホールド232には、マニホールド232をシリンダプレート230に接続する支柱612の第1の貫通穴722、およびシリンダプレート230をマニホールド232およびレール218の両方に接続する支柱614の第2の貫通穴724がさらに設けられる。
【0057】
図8に示すようにマニホールド232の底面810は、2つの隆起部812によって区切られたチャネルを画定し、隆起部の間にレール218が嵌合する。隆起部812の間に複数の空気室が設けられ、これらの空気室は、レール218が支柱614を介してマニホールド232に確実に装着されると、Oリングで密封される。例示により、第1の空気室814は、第1のシリンダ受け710内の第1の空気穴714と第1のエアフィッティング受け716の両方から空気を受け入れる。他の空気室も同様に構成され、それぞれが(マニホールド232の上面726にある)シリンダ受けからの空気穴を対応するエアフィッティング受けに接続する。
【0058】
要約すると、次に、液端アセンブリ130の各シリンダがOリングを介してマニホールド232に密封されて、Oリングおよびピストンシールを介してシリンダプレート230にさらに密封され、さらにレール218が複数のOリングを介してマニホールド232の底面810に密封されて、空気室を密封し、隔離するので、複数の液密の空気路が生成される。ピストンが複数のシリンダ内で上下に均一に動作するので、シリンダ内の空気を置換し、各シリンダはマニホールドに結合され、空気穴を介して空気室およびエアフィッティングに接続する。次に、各エアフィッティングは可撓性エアホースを介して複数のノズル140のうち1つのノズルに接続される。したがって、各シリンダは対応するノズルに結合され、ノズル140は調整されて横方向に動作することができるが、エアホースは可撓性で、それでも比較的非弾性であり、したがって各ピストンとそのノズルの間の気柱は、ノズルの間隔が変動しても実質的に一定である。開示された実施形態では、エアホースはSaint−Gobain Performance Plastics社のTYGON R−3603チューブから作成され、これは本発明に関連して使用するために十分に可撓性で、非弾性、耐化学薬品性で非汚染性であり、耐摩耗性である。しかし、他のチューブ材料も使用することができることに留意されたい。
【0059】
本発明が適用される様々な用途で、構成要素間を密封するためにOリングが使用されることに留意されたい。Oリングの代わりに、またはそれに加えて接着剤を使用することができるが、保守および構成要素の交換を容易にするために、Oリングでの圧縮取付けの方に利点がある。
【0060】
図9は、本発明の実施形態による液端アセンブリ130のノズル間隔調整部分の重要な構成要素の組立分解図を示す。図示の部分は、第1のキー付き端部910および第2のキー付き端部912を有する溝付きカム216の周囲に設計される。
【0061】
カム216の第1のキー付き端部910に隣接する液端アセンブリ130の一方の側方端部にて、ノズル間隔調整機構914は間隔調整ノブ150を含む。
【0062】
カム216の第2のキー付き端部912に隣接する液端アセンブリ130の他方の側方端部にて、間隔止め機構916は止めノブ160を含む。上記説明したように、間隔止め機構916に取り付けられたハウジング220の一部918には、止めノブ160上のマーク517を基準とする矢印516が設けられる。対応するハウジングの一部920は、ノズル間隔調整機構914に取り付けることができる。
【0063】
ノズル間隔調整機構914の動作については、図11から図12を参照しながら以下で説明する。また、間隔止め機構916の動作については、図13から図14を参照しながら以下で説明する。
【0064】
図10は、ノズルをカム216に結合する方法を示す。ノズルは2つの部品、すなわちノズル底部部品1010およびノズル頂部部品1012を有し、2つの部品はカム216の周囲に一緒にスナップ留めされる。
【0065】
ノズル底部部品1010は窓1014を含み、これを通してエアホース(エアホース620または622など)を経由し、ノズル開口1024に接続することができる。エアホースは、ノズル底部部品1010の内面とともに液密のシールを作成する。上述したように、先端は底部部品1010に装着され、開口1024を通して空気の置換が生じる。
【0066】
ノズル上部部品1012は、カム216の溝内に嵌合するような寸法にされた内部の玉形状の突起1016を有する。ノズルを組み立てる場合は、カム216を回転すると、突起1016が螺旋溝を追従し、カム216に沿って移動する。1つの可能な代替実施形態では、玉形状の突起1016を、受けと別個の玉、または溝を最善に追従する好ましいサイズ、形状および材料の他の独立した部品に代替することができる。
【0067】
開示された実施形態では、カム216はノズル140と等しい数の複数の螺旋溝を有する。溝はカムの中心点に対して対称である。図示のように、溝は最初に9mm離れ、これによってノズル140の間隔を最も狭い構成で9mm離すことができる。中心点に最も近い溝は、最も内側のノズルの間隔を最も広い位置へと移動するのに十分な一定のピッチを有する。すなわち、9mmから14.5mmの間隔が可能である開示された実施形態では、中心に最も近い溝はそれぞれ中心点から4.5mm離れている。これらの溝は、ノズルが溝の行程にわたって7.25mmまで移動できるようなピッチを有し、これはカム216の部分回転に対応する。最も内側の溝は、その最も狭い位置で中心点からそれぞれ4.5mmであり、したがって9mm離れ、最も内側の溝は、最も広い位置では中心点からそれぞれ7.25mmであり、したがって14.5mm離れている。
【0068】
中心点から離れる連続する各溝は、最も内側にある溝の整数倍のピッチを有する。例えば、第2の溝のピッチは最も内側にある溝のそれの2倍であり、第3の溝のピッチは最も内側にある溝のそれの3倍である。この構成は、ノズル間隔付与カム216が回転する場合に、ノズル140間に均一の間隔を与える。
【0069】
ノズルは、ノズル底部部品1010上で上方向に突出する第1のガイド1018および下方向に突出する第2のガイド1020によって、カム216の周囲での回転が阻止される。これらのガイド1018および1020は、レール218の滑らかな側部に沿って追従し、ノズル上部部品1012の上面1022は、レール218の滑らかな底面に沿って追従する。上面1022およびノズルのガイド1018および1020は、遊びまたは緩みがほとんどない状態でレール218の3つの側部を係合する「U」字形を形成する。
【0070】
上記カム216は、中心点に対して対称である溝を有しているが、溝を非対称に構成することも可能である。1つの可能な代替方法では、1つのノズルが静止した状態を維持している間に、他が溝を追従し、互いに対して比例して等距離の状態を維持している。さらに、開示された実施形態では溝付きのカムを使用するが、その構成が唯一の可能な構成ではない。ノズル140が溝ではなく螺旋状の隆起したローブと追従するように適切に構成すれば、ローブ付きカムを溝付きカム216に代替できることに留意されたい。他の実施形態も可能である。
【0071】
開示された実施形態では、ノズル底部部品1010がArkema Inc.社のKYNARポリフッ化ビニリデン(PVDF)から成形または機械加工され、ノズル上部部品1012は、Dupont社のDELRINアセタールから成形または機械加工される。所望の物理的(例えば強度、剛性、および潤滑性)および化学的(例えば非反応性)特性を有する他の材料に代替できることに留意されたい。
【0072】
図11から図12は、本発明による液端アセンブリ130の間隔調整機構914の組立分解図を示す。
【0073】
図11では、間隔調整ノブのブラケット1110がねじ締結具1112によってレール218にしっかり取り付けられる。開口1116を画定する軸受けスリーブ1114が、これもねじ締結具1118によってブラケット1110に結合される。開示された実施形態では、スリーブはDELRINから製作される。DELRINは、好適な潤滑性を提供してカム216が開口1116内で容易に回転できるようにするからである。間隔調整ノブ150は、ねじ締結具1120によりカム216の第1のキー付き端部910(図9)に取り付けられ、間隔調整ノブ150は、カム216のキー付き端部910を受けるキー付き開口を有し、したがってカム216がノブ150とともに回転する。任意選択で、印刷したインサート1124および透明プラスチックレンズ1126を間隔調整ノブ150にスナップ留めで挿入し、ねじ締結具1120を覆うことができる。図12は同じ構成要素を示すが、代替図は、間隔調整ノブ150が構造的剛性を提供する強化リブ1210を含むことを示すが、言うまでもなく、当業者に知られている他の方法によりこれを提供することもできる。
【0074】
図13から図14は、本発明による液端アセンブリ130の間隔止め機構916の組立分解図を示す。
【0075】
図13に示すように、止めノブのブラケット1310は、ねじ締結具1312によってレールにしっかり取り付けられる。任意選択のハウジング部品918が、これもねじ締結具1316により止めノブのブラケットに取り付けられる。
【0076】
回り止めリング1318が複数のねじ締結具1324によって止めノブのブラケット1310に取り付けられ、回り止めリング1318がブラケット1310に対して確実に回転しないようにする。回り止めリング1318の半径方向外側の表面は、回り止めバンプ1320を有し、回り止めリング1318の面は、回り止めバンパ1322を有する。
【0077】
回転する止め突起部1326(以下で説明)を含む止めノブ160は、回り止めリング1318を覆い、止めノブのエンドキャップ1328によって保持され、これはねじ締結具1330によってカム216の第2のキー付き端部912に取り付けられ、このねじ締結具も印刷されたインサート1332および透明レンズ1334によって覆うことができる。
【0078】
図14に示した間隔止め機構916の後部は、多少例示的である。回り止めリング1318の回り止めバンプ1320は、止めノブ160の半径方向内側の表面を取り巻く一連の窪みと係合する。止めノブ160は円形の中心開口1414を有し、カム216と係合せずに自由に回転することに留意されたい。しかし、以下で図15から図16との関連で示すように、止めノブ160は内部の回転バンパを有し、これは回り止めリング1318上にある回り止めバンパ1322に関して止めノブ160の回転範囲を制限する。回り止めバンパ1322および止めノブ160の内部回転バンパはともに、止めノブ160の過剰回転を防止する。
【0079】
止めノブのエンドキャップ1328は、その背面にエンドキャップ止めタブ1410、およびカム216の第2のキー付き端部912を受けるキー付き開口を含む。したがって、止めタブ1410が止めノブ160の止め突起部1326と係合するまで、エンドキャップ1328はカム216とともに回転する。止め突起部1326は(回り止めの窪みを受ける)止めノブ160とともに動作するので、止め突起部1326の位置を任意の望ましい角度位置に動かすことができる。エンドキャップ1328は、カム216上でノズル140が最も収縮した位置を表す位置と、エンドキャップ止めタブ1410が止め突起部1326に妨害される時点での止め突起部1326の位置との間で、カム216とともに自由に動作する。
【0080】
所望に応じて、回り止めバンプ1320および止めノブ160が、比較的軽い力で回り止めから回り止めへと移動できるように構成されている場合、使用者が、止め突起部1326に到達する点まで間隔調整ノブ150を回転すると、抵抗を受ける。間隔調整ノブ150に追加の力を加えると、エンドキャップ止めタブ1410が止めノブ上の止め突起部1326に押しつけられ、力が回り止めに打ち勝つのに十分である場合、止め部は逸れて押し出される。この望ましい動作は、止めノブ160が押されると、明確で顕著な触覚の「クリック」感および音を伴なう。回り止め上で止めノブ160を手作業で調整する場合、この同じ音および感覚がある。
【0081】
止めノブ160の2つのタイプが、図15および図16に図示されている。
【0082】
図15は、本発明による6チャネルの間隔を調整可能な液端アセンブリ130に使用可能な止めノブ1510を示す。6つのチャネルしか使用しないので、より広い範囲の(幅を、最も狭い設定の9mmから最も広い設定の23mm超まで)調整が可能であり、したがって止めノブ1510は同様に広範囲にわたって調整可能になる。したがって、キーなし開口1512に加えて、止めノブ1510の縁1514は、縁1514の周囲の有意の部分にわたって複数の回り止めの窪み1516を含む。しかし、止めノブの回転バンパ1518がノブ1510の内面に設定され、回転バンパから直径方向で反対側の縁1514の一部分1520には回り止めがない。止めノブ1510のチャネル6つのタイプは、回転バンパ1518によって妨害される範囲、および回り止めリング1318の回り止めバンパ1322との相互作用を除いて自由に回転し、ほぼ1回転する。
【0083】
図16は、本発明による8チャネルの間隔を調整可能な液端アセンブリ130に使用可能な止めノブ1610を示す。8個のチャネルを使用するので、開示された実施形態では、止め部を約9mmから約14.5mmまで調整することができる。その結果、キーなし開口1612に加えて、止めノブ1610の縁1614は、縁1614の周囲のある部分にわたって複数の回り止め窪み1616を含む。2つの止めノブの回転バンパ1618および1620があり、回り止めリング1318の回り止めバンパ1322は、バンパ1618と1620の間の範囲にしかなくてよい。したがって、回り止めの窪み1616と反対側の縁1614の一部分1622は滑らかで、回り止めがない。
【0084】
間隔調整機構914と間隔止め機構916の両方の代替実施形態が可能であることに留意されたい。特に、間隔調整ノブ150および止めノブ160を両方とも液端アセンブリの同じ端部に配置することが可能である。間隔調整ノブ150と同様に、以上で開示された止めノブのエンドキャップ1328はカム216とともに回転し、したがってカム216の第1のキー付き端部910にある間隔調整ノブ150を除去し、止めノブのエンドキャップ1328を交換用調整ノブで補足することが可能になる。
【0085】
同様に、開示された実施形態では、止めノブ160を所定の位置にロックし、不注意による調整を回避するために、軟質の回り止めを使用する。ばね式止めノブ160を引き出すと回り止め(または摩擦コレットロック)が係合解除される、または止めノブを所定の位置にロックするラチェットを係合解除するために押しボタンを使用することができる代替実施形態が可能である。あるいは、止め機構916を、ハウジング220の側部に沿って摺動する止め部として実現することができる。多数の他の実施例が可能であり、本発明の範囲内に入るものとする。
【0086】
開示された実施形態では、ピストンおよびシリンダが所定の位置に静止している間に、ノズル140がカム216およびレール218に沿って移動する。代替実施形態では、ピストンおよびシリンダがノズルとともに移動できるようにすることができ、このような実施形態は、マニホールド232およびマニホールド232をノズル240に接続するエアホースの機能を省略することができる場合がある。この構成は本発明の範囲内に入るものとみなされるが、安定性および精度が低下すると予想され、したがって開示された実施形態は明白な利点を有する。
【0087】
本発明の様々な実施形態に関する以上の詳細な説明は、多少詳細に述べられているが、本発明はこれらの詳細な説明に制限されず、本発明により作成される調整可能なノズル間隔を有する手持ち式ピペット液端は、様々な方法で開示された実施形態と異なってよいことに留意されたい。特に、本発明の実施形態は、多くの異なる流体取り扱いの用途で使用することができることを理解されたい。説明および明快さのために、以上では機能面で区別した。本発明によるシステムまたは方法の構造的な区別には同じ境界線を引けないことに留意されたい。したがって、本発明の適切な範囲は、請求の範囲に従うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体のボリュームを抜き取り、その後に抜き取った液体の正確なボリュームを放出する多重チャネルピペットに関する。特に、本発明は、ピペットの主要動作要素の汚染を防止するように、使い捨ての先端が通常は抜き取った液体を含み、空気緩衝器が抜き取った液体を、通常は、液体の抜き取りおよび放出に使用される複数のピストンおよびシリンダ構造から分離する多重チャネル空気置換型ピペットに関する。特に、本発明は、液端アセンブリのノズル間の間隔が回転機構によって容易に調整される空気置換型ピペット用の多重チャネル液端アセンブリを指向する。
【背景技術】
【0002】
従来の多重チャネルピペットは数十年前から使用可能であり、使用者が1組の受けから別の組へと流体サンプルを移動させられるようにした。一般に、このようなピペットは、1つまたは2つの等間隔の列に配置された複数のノズルを含み、ノズルは、単チャネルの手持ち式ピペットに使用される先端と類似のまたは同一の使い捨てピペット先端を受けるように構成される。
【0003】
従来の手持ち式多重チャネルピペットの大部分は、ノズルが9mmの固定ピッチで配置されている。例えば、Rainin Instrument,LLC社は、8チャネル(8つのノズルが1列)、12チャネル(12のノズルが1列)、16チャネル(8つのノズルが2列)、および24チャネル(12のノズルが2列)の構成で多重チャネルピペットを提供している。ノズルが4.5mmの固定ピッチで配置され、マイクロプレートへのアクセスを可能にする多重チャネルピペットを提供する企業もある。
【0004】
しかし、この固定ノズルの構成が幾つかの意味で制限的になり得ることに留意されたい。例えば、液体のサンプル源と行き先とが同じピッチを有していなければならない。固定した9mmの多重チャネルピペットで、液体を96ウェルのプレートから9mmより大きく隔置された試験管のラックに直接移動させることは不可能である。また、標準的な9mmの多重チャネルピペットでは、(例えば先端を装着しないことによって)交互のチャネルを使用不能にしない限り、使用者が2組の試験管の間で移動させることが全くできない。後者の場合は、未使用のノズルが邪魔になることがあるので、性能が損なわれることがある。
【0005】
これらの短所に対応しようと試みられている。
【0006】
Matrix Technologies Corporation社に譲渡された米国特許第5,057,281号(「第’281号特許」)に、各ノズルがスロット付きプレートに沿って個々に調整可能である手持ち式多重チャネルピペットが開示されている。これによって隣接するノズル間に不等間隔ができるが、間隔の変更が望ましい場合はその都度、個々の各ノズルを手作業で位置決めし、所定の位置にロックする必要があるという欠点を有する。これは時間がかかる綿密な作業であり、ピペット作業の非能率さにつながることがある。
【0007】
米国特許第5,061,449号(「第’449号特許」)に、Matrix Technologies Corporation社からの手持ち式ピペットのEXPラインで使用可能なノズル調整機構が開示されている。このピペットにより、ピペットのハウジングの一方側から延在する摺動式動作棒によって動作する1つの機構を使用して、ノズルを調整することができる。棒をノズルに押し込み、これを最も収縮した構成にするか、またはノズルから引き出して最も伸張した構成にする。ノズルはすべてスロット付きプレートに載り、可撓性であるが、それでも比較的非弾性のストラップが隣接するノズルを接続する。したがって、ノズルを合わせて押すと、可撓性ストラップが折り畳まれて隣接するノズルを妨害するのを回避することができ、ノズルは相互に対して均一の狭い間隔で位置することができる。同様に、ノズルを引き離すと、ストラップがノズル間で一定の長さまで広がり、均一の広い間隔が達成される。
【0008】
この構成は幾つかの欠点を有することに留意されたい。十分に収縮した位置および十分に伸張した位置しか、均一の間隔を保証しない。中間の位置は一貫性がない間隔になることがある。このような場合、ノズルは「一団になる」。すなわち、ノズル間のストラップの一部が広がり、他は完全に、または部分的に折り畳まれたままであることがある。さらに、ピペットのハウジングの側部から延在する動作棒は、ピペットが限られた空間で使用される能力を制限することがある。ノズルを十分に収縮した状態から十分に伸張した状態にするために、棒の数センチメートルの伸張が必要なことがあり、ノズルが伸張されたままである間、棒はハウジングから数センチメートル出たままである。
【0009】
米国特許第6,235,244号(「第’244号特許」)は、ノズル間に等しい間隔を維持するために使用されるパントグラフリンク機構を開示している。この構成は、Matrix Technologies Corporation社から市販されているピペットのEqualizerラインで使用されている。第’449号特許と同様に、ノズルがスロット付きプレートに沿って摺動し、ピペットの側部から延在する動作棒によって動かされる。上述したように、パントグラフリンク機構を使用して、等しいノズル間隔が維持され、ハウジング上に摺動自在に装着された止め部の追加機能が提供される。止め部によって最大の間隔を設定し、止め部を感じるまで動作棒を摺動させることにより、その位置に繰り返しアクセスすることができる。上記理由から、限られた空間でのピペットの使用を妨げることがあるので、直線の動作棒は理想的でない。さらに、棒の端部が不注意により何らかの表面に軽く叩かれるだけで偶発的に動作しやすいことがある。
【0010】
米国特許第4,830,832号(「第’832号特許」)に、収縮した位置と伸張した位置との間でピペットノズルを均一に動かす回転機構が開示されている。ノズルが案内レールに沿って摺動し、回転する溝付きカムによって動かされる。各ノズルがカムの溝を追従する。しかし、第’832号特許は、ロボット型液体取扱装置を指向し、その概念を手持ち式装置で使用することができる方法は示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,057,281号
【特許文献2】米国特許第5,061,449号
【特許文献3】米国特許第6,235,244号
【特許文献4】米国特許第4,830,832号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
先行技術の限界を回避する調整可能な多重チャネルピペットに対する要求が存在することは明らかである。このようなピペットは、コンパクトな設計、均一な間隔、および調整可能な止め機構などの有利な機能を含む一方、不必要な空間を占め、不注意により動くことがある延在した調整棒などの欠点を回避する。このようなピペットは、容易に使用され、サンプルのプレートとチューブの間を動き、使い捨ての先端ラックに使用される9mmの間隔に容易に嵌合することができるようにするために、繰り返し可能な調整を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書で開示する多重チャネル液端は、既知の市販の間隔が調整可能なピペットの能力に合致するが、幾つかの追加の利点がある。ノズルの間隔は調整可能であり、ノズルが十分に収縮した構成と十分に伸張した構成の間で調整される場合に、均一な間隔が維持される。しかし、上記参照文献の幾つかで使用されるような押し引き式の調整棒ではなく、間隔を調整する回転式ノブを使用して調整する。本発明による液端では、ノズル間隔調整機構は、回転する溝付きカムおよび溝を追従するノズルを使用し、案内レールがカムに沿ったノズルの望ましくない回転を防止する。この構成は第’832号特許で述べられた構成と類似であるが、手持ち式ピペットの有利で都合がよい使用法に適している。
【0014】
本発明によるピペットは、標準的な48ウェルおよび24ウェルのプレートばかりでなく、標準的な96ウェルのサンプルプレートへの容易なアクセスも可能にする。ピペット先端補充パッケージに使用される従来の9mmの間隔と、ピペットの動作範囲内に入る任意の他の望ましい間隔との間で、間隔を調整することができる。
【0015】
本発明によるピペットでは、マルチウェルプレートと中心間に14.5mm以上の間隔を有する試験管のラックとの間でサンプルの移動が簡単である。本発明による調整可能な多重チャネルピペットは、任意の望ましいピッチでゲルの装填を達成することもできる。本発明のある実施形態は、下方向に4.5mmの中心まで調整可能であり、それによって上記容器ばかりでなく384ウェルのマイクロプレートへもアクセスすることができる。
【0016】
簡単で容易に使用される調整ノブにより、本明細書で述べるような液端を使用するピペットは、容易に操作され、不必要な横方向の空間を占有せず、限られた環境で使用することができる。露出した調整棒がないので、日常のラボラトリーの操作で時々起こるような不注意によるピペットと表面の接触の際に、望ましいノズル間隔から偶発的に離れることが回避される。
【0017】
本発明による液端の実施形態はハウジングを含み、これはハウジング内で軸方向に移動するためにピペットの駆動機構と接続可能なプランジャシャフトを受ける上壁の開口を有する。プランジャシャフトは、手動のタイプと電子タイプの両方を含む様々な種類のピペット本体に適合可能であることが好ましい。
【0018】
従来の手持ち式多重チャネルピペットと同様、ハウジング内に複数のシリンダが装着され、それぞれがその中でプランジャシャフトの移動に対して軸方向に移動するように装着された空気置換型ピストンを受ける。シリンダはそれぞれ、開放端がハウジングの下壁から延在する状態で、ノズルに結合される。従来のピペットのように、ノズルは、使い捨てのピペット先端を装着し、解放するために使用される。
【0019】
本明細書に記載する利点を提供するために、液端は、使用者によって操作され、回転するカムが常に均一のノズル間隔を維持した状態でノズルを複数の間隔の間で動かすように構成された間隔調整機構も含む。この機構は間隔調整ノブを介して操作され、それは液端のハウジングの側部から非常にわずかしか突出せず、様々な実施形態は、望ましい最大ノズル間隔を確実に超えないようにする、または自身によって提供される触覚の抵抗に気付くことによって望ましい設定に非常に容易に到達できる止め機構も含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになる。
【図1】本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端を有する手持ち式電子ピペットの全体図である。
【図2】本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の内部図である。
【図3】ノズルが最も収縮した構成で図示された、本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の遠位端の図である。
【図4】ノズルが最も伸張した構成で図示された、本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の遠位端の図である。
【図5】本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の内部の等角図である。
【図6】幾つかの構成要素が除去され、可撓性エアホースが見える、本発明の実施形態による、ノズル間隔を変更可能な液端の内部の等角図である。
【図7】図5および図6に示した液端に使用されるマニホールドの上面図である。
【図8】図7に示したマニホールドの底面図である。
【図9】本発明の実施形態によるノズル間隔調整機構の重要な構成要素の組立分解図である。
【図10】本発明の実施形態による1つのノズルおよびノズル間隔付与カムの一部の組立分解図である。
【図11】本発明の実施形態によるノズル間隔調整ノブアセンブリの組立分解図である。
【図12】異なる方向から見た図11のノズル間隔ノブアセンブリの組立分解図である。
【図13】本発明の実施形態による止め部ノブアセンブリの組立分解図である。
【図14】異なる方向から見た図13の止め部ノブアセンブリの組立分解図である。
【図15】本発明による6チャネルの間隔を調整可能な液端に使用される止め部ノブの一実施形態の図である。
【図16】本発明の実施形態による8チャネルの間隔を調整可能な液端に使用される止めノブの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を、詳細な例示的実施形態を参照しながら以下で説明する。本発明によるシステムが多種多様な形態で実現することができることを理解されたい。その結果、本明細書で開示する特定の構造および機能的詳細は代表的なものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0022】
最初に図1を参照すると、Rainin Instrument,LLC社からのEDP3−Plusと称するピペットと類似の電子ピペット110が図示されている。ピペット110は、手で保持可能な本体120を含み、この本体は軸方向に作用する駆動機構をその内部に含む。図示のピペット110では、モータが本体120内でシャフトを上下に駆動し、この動作が液端アセンブリ130に伝達される。
【0023】
図1は電子ピペットを示しているが、手で駆動するピペットも使用することができることを理解されたい。そのような場合、プランジャボタンにかかる圧力がシャフトを上下に駆動し、同じ動作が液端アセンブリ130に伝達される。
【0024】
図示のように、液端アセンブリ130は、アレイ状に配置された8個のノズル140を含む。上述したように、1列の(固定された構成の)8個または12個のノズルを有するピペットが現在入手可能であり、6個のノズルがある実施形態について、以下でさらに詳細に説明する。
【0025】
液端アセンブリ130には、間隔調整ノブ150が設けられる。ピペット110の使用者は、間隔調整ノブ150を回転することにより、ノズル140を収縮した位置と伸張した位置との間、およびその間の任意の望ましい位置に移動させることができる。隣接するノズルの対間の間隔は常に均一に維持される。
【0026】
図示のピペット110は、止めノブ160をさらに含み、これによって使用者はノズル140の最大間隔を選択することができる。所望の間隔に到達した後、間隔調整ノブ150を回転しようとすると抵抗を受ける。したがって止めノブ160が設定された状態で、ノズル140を収縮した位置(通常は中心間が9mmであるが、代替実施形態は異なる最小間隔を使用することができる)と所望の設定との間で動かすだけである。本発明のある実施形態では、止めノブ160には回り止めが設けられ、これによって浮動しにくい比較的正確な止めの設定をすることができ、さらに使用者が間隔調整ノブ150を強制的に回転することによって、止めの設定を変更することができる。
【0027】
図2は、本発明による液端の内部を示す。図示のように、第1のノズル210は第2のノズル212から、第1のノズル210の中心から第2のノズル212の中心まで延在する間隔214で表される距離だけ隔置される。ノズル140はそれぞれ、回転可能なノズル間隔付与カム216および中実のノズルレール218に結合され、これは両方とも液端アセンブリ130のハウジング220の底部にまたがって横方向に延在する。以下でさらに詳細に説明するように、ノズル間隔付与カム216を(間隔調整ノブ150を回転することによって)回転すると、ノズル140がレール218に沿って収縮した状態と伸張した状態の間で摺動する。
【0028】
液端ハウジング220は、基本的に、液端アセンブリ130内の機構上に浮遊していることに留意されたい。具体的には、液端ハウジング220が排出カラー222に結合され、ハウジングとカラーは両方とも排出ばね224によって(ピペット本体120に向かって)押し上げられる。液端ハウジング220は、排出カラー222およびハウジング220に下方向の圧力を加えることによってハウジング220の底部がノズル140上に設置されたどの先端にも作用し、それを排出するほど十分に近くでノズル140を囲む。通常、電子および手動ピペットは両方とも、排出カラー222に力を伝達するように動作する排出ボタンを装備し、排出カラーが排出ばね224に抗して作用し、それによってハウジング220が下降し、先端を排出する。
【0029】
図2にはピストンプレート226も図示され、これは液端アセンブリ130の近位端の付近に配置される。ピストンプレート226は、ピペット110によって(手動ピペットでは人の力で、電子ピペットではモータにより)液端アセンブリ130内で上下に、すなわちピペット本体120に対して軸方向に動作可能である。
【0030】
シリンダプレート230およびマニホールド232が、液端アセンブリ130に対して所定の位置に固定される。シリンダプレート230は、複数のピストン(ピストン228を含む)を受ける複数の開口を画定し、ピストンは気密シールを通って、シリンダプレート230とマニホールド232との間に位置する対応する複数のシリンダ(シリンダ234を含む)内に延在する。
【0031】
あるいは、シリンダ234とピストン228の間において滑らかで円筒形のピストン228が通過する静止気密シールではなく、シールはピストン228(任意の妥当な形状でよい)と結合し、それと一緒に動作し、シリンダ234の滑らかな内壁に対して気密シールを維持することができる。両方の場合に、ピストン228によって置換される空気の量は、シリンダ234内のピストン228の位置に対して線型比例する。
【0032】
多重チャネル空気置換型ピペットでよくあるように、ピストンプレート226が動作すると、複数のピストン(ピストン228を含む)が動作し、対応する複数のシリンダ(シリンダ234を含む)のそれぞれの内部で等しい量の空気を置換する。本発明によりピペット110内の正確な流体測定を確実に行うために、ピストンプレート226の軸方向の動作は極めて安定していなければならず、ピストンプレート226は、高い精度までシリンダプレートに平行なままでなければならない。空気の流れの詳細については、図5を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0033】
開示された実施形態では、ピストンプレート226、シリンダプレート230、およびマニホールド232はすべて、主にアルミニウムから製作される。ピストンは研磨したステンレス鋼であり、シリンダはGE Plastics社のVALOXポリブチレンテレフタレート(PBT)から成形または機械加工されるが、すべての場合で、類似の特性の材料、または十分な性能(特に強度、熱安定性、および耐化学薬品性)を提供する異種材料で代替することができる。特に、異なる液体容量を有するピペットには、異なる材料および特有の構成を用いることができる。図示のピペットは、(チャネル当たり)300マイクロリットルの容量を有し、容量が異なると何らかの変更を必要とすることがあるが、それでも本発明の範囲内に入るものと理解される。
【0034】
次に図3および図4を参照すると、ノズル間隔を調整するために実行される動作が図示されている。
【0035】
図3は、ノズル140が最も収縮した構成にある状態の液端アセンブリ130を示す。(矢印310で示すように)ノズル140を伸張させるには、使用者が間隔調整ノブ150を反時計回りの方向に必要なだけ、または最大の伸張位置に到達したことを示す抵抗を受けるか、または止めノブ160によって設定された止め部に達するまで回転する。
【0036】
第1のノズル314上に設けられた位置合わせマーク312が、液端アセンブリ130のハウジング220上にマークされた目盛り316を基準にしてノズル間隔の表示を提供することに留意されたい。詳細には、図3に示すように、位置合わせマーク312は左端マーク318と位置合わせされ、9mmの間隔を表わす。したがって、最も狭く最も収縮した位置で、ノズル140は中心間が9mm離れている。
【0037】
図4は、ノズル140が最も伸張した構成にある状態の液端アセンブリ130を示す。(矢印410で示すように)ノズル140を収縮させるには、使用者が間隔調整ノブ150を時計回りの方向に必要なだけ、または最大の収縮位置に到達したことを示す抵抗を受けるまで回転する。
【0038】
図4では、第1のノズル314上の位置合わせマーク312が目盛り316の左端マーク412をわずかに過ぎて、中心間が14mmの間隔であることを表わす。したがって、その視覚的表示に基づいて、使用者はノズル140が約14.5mmという最大間隔であるか、またはそれに近いことを知る。
【0039】
図5は、液端アセンブリ130の追加の態様を示す。最初に、プランジャシャフト510が液端アセンブリ130の上端に露出していることに留意されたい。図示のように、プランジャシャフト510はピペット本体120内で隣接するシャフトとともに玉継手の一部を形成し、特にプランジャシャフト510の近位端は側部からアクセス可能なソケットとして成形される。この構成は、プランジャシャフト510とピペット本体120の駆動機構との間に比較的剛性のある直線連結部が得られるが、継手をある角度まで動かすだけで連結部を容易に取り外しできるという点で有利である。通常、結合ナット512は液端アセンブリ130をピペット本体120に接続し、継手が実質的に直線以外の任意の角度になることを防止する。しかし、結合ナット512が係合解除した状態で、液端アセンブリ130をピペット110から外す、または液端アセンブリ130をピペット本体120に再接続することは簡単な動作である。プランジャシャフト510の玉継手が360°回転でき、それによってノズルをピペット本体の軸線に対して任意の半径方向の角度に配向できることがさらなる利点である。
【0040】
図示のプランジャシャフト510は、玉継手の形態で、通常はシャフト510を必要に応じて上下に動かすために電動機を使用する電子ピペットとともに使用される。しかし、手動ピペットは異なる継手を使用することができ、プランジャシャフト510の近位端にコップ状の受け、ピペット本体内に丸められた隣接シャフトがある。後者の場合は、ばねがプランジャシャフトをピペット本体に向かって上方向に押しやり、これがプランジャシャフト510とピペット本体シャフトを密接な結合状態に維持する。この継手は、結合ナット512を緩め、シャフトを引き離すことによって簡単に取り外すことができる。
【0041】
開示されたピペット110は、ノズル140の間隔を変更するために使用者が操作する外部間隔調整ノブを使用するが、自動の動作を変更するために、カム216の自動モータドライブを単独で、または手動ノブに加えて含むことも、本発明の範囲内に入るものとみなされる。
【0042】
マニホールド232は、図2に関して説明したシリンダに加えて、それぞれがシリンダのうち1つに関連する複数のエアフィッティング(エアフィッティング514など)も含む。シリンダ内でピストンが動作すると、空気がエアフィッティングを通って移動する。シリンダとエアフィッティングの間の空気の経路については、以下で説明し、図7から図8に示す。開示された実施形態では、エアフィッティングは、マニホールド232の開口に挿入され、所定の位置に接着されたステンレス鋼のチューブである。開口は、マニホールド232内のエアフィッティングの均一な挿入深さを容易にするために、棚構造を画定することが好ましい。
【0043】
図5には、ハウジング220の一部分(しかし、排出カラー222に排出力が加えられてもハウジング220とともに動作しない一部分)として形成された矢印516が見える。矢印516は、止めノブ160上に止め部の位置を示す位置合わせマーク517が設けられている場合は、それと位置合わせすることができる。例えば、12mmという最大ノズル間隔が望ましい場合、使用者は矢印516が止めノブ160上にマークされ、図示のように「12」と読める表示と位置合わせされるまで、止めノブ160を回転することができる。止めノブ160およびそれに関連する止め機構の動作については、以下でさらに詳細に説明する。
【0044】
特定のノズル140は、図示のチューブクリップ518のようなチューブクリップを含むことに留意されたい。図6を参照しながら以下で説明するように、チューブクリップは、可撓性のエアホースを(エアフィッティング514のような)エアフィッティングとノズル140の間で経由し、ノズル140が繰り返し再構成されると、エアホースの不必要なもつれまたは磨耗を防止するために使用される。
【0045】
本発明による液端アセンブリ130のさらなる動作の詳細が図6に示され、この図は明快さを期して液端アセンブリ130の幾つかの構成要素を省略している。上述したように、プランジャシャフト510はピペット本体120から入力を受信し、それに応答して軸方向に動作する。プランジャシャフトはピストンプレート226に結合され、これによってピストンプレート226(およびピストン)はピペット110の駆動装置からの動作に応答して動作する。
【0046】
結合ナット512(図5)は、移動せず、ピペット本体120に確実に取り付けられ、これは2つのシリンダプレート支持部610を係留する働きもする。上述したように、シリンダプレート230は、液端アセンブリ130およびピペット本体120に対して所定の位置に固定され、ピストンプレート226の開口を通って延在するシリンダプレート支持体610がこれを容易にする。
【0047】
前述のように、複数のシリンダがシリンダプレート230とマニホールド232の間に位置する。しかし本発明によるピペット110の精度および安定性は、シリンダプレート230とマニホールド232の間の正確な相対位置の安定性に依存するので、追加の支柱が設けられる。液端アセンブリ130の中心に近い2つの金属支柱612が、シリンダプレート230をマニホールド232に確実に接続する。液端アセンブリ130の横方向端部にある2つの追加の金属支柱614は、シリンダプレートをマニホールド232およびレール218に接続し、これはマニホールド232の下側に頑丈に係留される。
【0048】
図6は、2つのノズルを示す。第1のノズル616は、マニホールド232上のエアフィッティングの1つを介して、第1の可撓性エアホース620でマニホールド232に接続される。第1の可撓性エアホース620は、液密の状態で第1のノズル内に係留され、したがってエアホース620の開放端が漏れを生ぜずにノズル616の開放端と連通する。第1の可撓性エアホース620はマニホールドの外側で経由され、ノズル616が横方向に有意に動作するために十分な緩みを有する。
【0049】
第2のノズル618は、マニホールド232上の別のエアフィッティングを介して、第2の可撓性エアホース622でマニホールド232に接続される。このエアホース622は、マニホールド232の開口624を介してマニホールド232に経由され、それでもノズル618が横方向に有意に動作するために十分な緩みがあるが、第2のノズル618は第1のノズル616ほど移動しない。開口624(およびマニホールド232の他のエアホース開口)は、滑らかな縁部を有するように構成され、それによりノズル140が狭い位置と広い位置の間で繰り返し再構成されても、エアホースの不必要な磨耗または損傷を回避する。
【0050】
図6(および本明細書の他の箇所)で示すように、ノズル616および618は、Rainin Instrument,LLC社により商品化されたLTS先端/シャフトシステムに合わせて構成される。本発明の範囲内で他のノズルの構成および形状を使用することができることに留意されたい。
【0051】
マニホールド232(レール218との関連でのみマニホールドとして作用する)が、図7から図8でさらに詳細に示されている。
【0052】
マニホールド232の上面726が図7に示されている。上面726は、本発明による液端アセンブリ130に使用される各シリンダに1つで、複数のシリンダ受けを有する。第1のシリンダ受け710が図示され、このシリンダ受けは円形の輪郭および実質的に平坦な底部を有し、内径が相手方のシリンダの外径と実質的に等しい。第1のシリンダ受け710とそれに相手方のシリンダの間に、2つの間に挿入された可撓性Oリングによって(すべての他の受けおよびシリンダと同様に)シールが維持される。
【0053】
同様に、第2のシリンダ受け712が図示され、このシリンダ受けは第1のシリンダ受け710と実質的に等しい寸法を有するが、マニホールド232の反対側の縁部に配置される。
【0054】
シリンダの壁もOリングも各受け内の空気穴を遮断せず、第1の例示的空気穴714が第1のシリンダ受け内に図示されている。マニホールド232がレール218に強固に結合されると、エアホース714が第1のエアフィッティング受け716と連絡し、これは上述したように、エアフィッティング514を受ける。したがって、マニホールド232の第1のシリンダ受け710内のシリンダは、空気穴714を通して対応するエアフィッティング514へと空気を通すことができる。同様に、マニホールド232の第2のシリンダ受け712内のシリンダは、第2のエアフィッティング受け718を介して別の対応するエアフィッティングに空気を通すことができる。この構造は、開示された実施形態の8個のシリンダ受け(および8個のシリンダ)のそれぞれについても同様であるが、6、12、または何らかの他の数のチャネルがある他の構成も等しく可能であることに留意されたい。
【0055】
上述したように、開口720などの開口がマニホールド232に設けられ、それによって実質的な摩擦、磨耗または曲げを回避しながら、エアホースが(ノズル140が配置されている)マニホールド232の底部から(エアフィッティングが配置されている)マニホールド232の頂部まで横断することができる。
【0056】
マニホールド232には、マニホールド232をシリンダプレート230に接続する支柱612の第1の貫通穴722、およびシリンダプレート230をマニホールド232およびレール218の両方に接続する支柱614の第2の貫通穴724がさらに設けられる。
【0057】
図8に示すようにマニホールド232の底面810は、2つの隆起部812によって区切られたチャネルを画定し、隆起部の間にレール218が嵌合する。隆起部812の間に複数の空気室が設けられ、これらの空気室は、レール218が支柱614を介してマニホールド232に確実に装着されると、Oリングで密封される。例示により、第1の空気室814は、第1のシリンダ受け710内の第1の空気穴714と第1のエアフィッティング受け716の両方から空気を受け入れる。他の空気室も同様に構成され、それぞれが(マニホールド232の上面726にある)シリンダ受けからの空気穴を対応するエアフィッティング受けに接続する。
【0058】
要約すると、次に、液端アセンブリ130の各シリンダがOリングを介してマニホールド232に密封されて、Oリングおよびピストンシールを介してシリンダプレート230にさらに密封され、さらにレール218が複数のOリングを介してマニホールド232の底面810に密封されて、空気室を密封し、隔離するので、複数の液密の空気路が生成される。ピストンが複数のシリンダ内で上下に均一に動作するので、シリンダ内の空気を置換し、各シリンダはマニホールドに結合され、空気穴を介して空気室およびエアフィッティングに接続する。次に、各エアフィッティングは可撓性エアホースを介して複数のノズル140のうち1つのノズルに接続される。したがって、各シリンダは対応するノズルに結合され、ノズル140は調整されて横方向に動作することができるが、エアホースは可撓性で、それでも比較的非弾性であり、したがって各ピストンとそのノズルの間の気柱は、ノズルの間隔が変動しても実質的に一定である。開示された実施形態では、エアホースはSaint−Gobain Performance Plastics社のTYGON R−3603チューブから作成され、これは本発明に関連して使用するために十分に可撓性で、非弾性、耐化学薬品性で非汚染性であり、耐摩耗性である。しかし、他のチューブ材料も使用することができることに留意されたい。
【0059】
本発明が適用される様々な用途で、構成要素間を密封するためにOリングが使用されることに留意されたい。Oリングの代わりに、またはそれに加えて接着剤を使用することができるが、保守および構成要素の交換を容易にするために、Oリングでの圧縮取付けの方に利点がある。
【0060】
図9は、本発明の実施形態による液端アセンブリ130のノズル間隔調整部分の重要な構成要素の組立分解図を示す。図示の部分は、第1のキー付き端部910および第2のキー付き端部912を有する溝付きカム216の周囲に設計される。
【0061】
カム216の第1のキー付き端部910に隣接する液端アセンブリ130の一方の側方端部にて、ノズル間隔調整機構914は間隔調整ノブ150を含む。
【0062】
カム216の第2のキー付き端部912に隣接する液端アセンブリ130の他方の側方端部にて、間隔止め機構916は止めノブ160を含む。上記説明したように、間隔止め機構916に取り付けられたハウジング220の一部918には、止めノブ160上のマーク517を基準とする矢印516が設けられる。対応するハウジングの一部920は、ノズル間隔調整機構914に取り付けることができる。
【0063】
ノズル間隔調整機構914の動作については、図11から図12を参照しながら以下で説明する。また、間隔止め機構916の動作については、図13から図14を参照しながら以下で説明する。
【0064】
図10は、ノズルをカム216に結合する方法を示す。ノズルは2つの部品、すなわちノズル底部部品1010およびノズル頂部部品1012を有し、2つの部品はカム216の周囲に一緒にスナップ留めされる。
【0065】
ノズル底部部品1010は窓1014を含み、これを通してエアホース(エアホース620または622など)を経由し、ノズル開口1024に接続することができる。エアホースは、ノズル底部部品1010の内面とともに液密のシールを作成する。上述したように、先端は底部部品1010に装着され、開口1024を通して空気の置換が生じる。
【0066】
ノズル上部部品1012は、カム216の溝内に嵌合するような寸法にされた内部の玉形状の突起1016を有する。ノズルを組み立てる場合は、カム216を回転すると、突起1016が螺旋溝を追従し、カム216に沿って移動する。1つの可能な代替実施形態では、玉形状の突起1016を、受けと別個の玉、または溝を最善に追従する好ましいサイズ、形状および材料の他の独立した部品に代替することができる。
【0067】
開示された実施形態では、カム216はノズル140と等しい数の複数の螺旋溝を有する。溝はカムの中心点に対して対称である。図示のように、溝は最初に9mm離れ、これによってノズル140の間隔を最も狭い構成で9mm離すことができる。中心点に最も近い溝は、最も内側のノズルの間隔を最も広い位置へと移動するのに十分な一定のピッチを有する。すなわち、9mmから14.5mmの間隔が可能である開示された実施形態では、中心に最も近い溝はそれぞれ中心点から4.5mm離れている。これらの溝は、ノズルが溝の行程にわたって7.25mmまで移動できるようなピッチを有し、これはカム216の部分回転に対応する。最も内側の溝は、その最も狭い位置で中心点からそれぞれ4.5mmであり、したがって9mm離れ、最も内側の溝は、最も広い位置では中心点からそれぞれ7.25mmであり、したがって14.5mm離れている。
【0068】
中心点から離れる連続する各溝は、最も内側にある溝の整数倍のピッチを有する。例えば、第2の溝のピッチは最も内側にある溝のそれの2倍であり、第3の溝のピッチは最も内側にある溝のそれの3倍である。この構成は、ノズル間隔付与カム216が回転する場合に、ノズル140間に均一の間隔を与える。
【0069】
ノズルは、ノズル底部部品1010上で上方向に突出する第1のガイド1018および下方向に突出する第2のガイド1020によって、カム216の周囲での回転が阻止される。これらのガイド1018および1020は、レール218の滑らかな側部に沿って追従し、ノズル上部部品1012の上面1022は、レール218の滑らかな底面に沿って追従する。上面1022およびノズルのガイド1018および1020は、遊びまたは緩みがほとんどない状態でレール218の3つの側部を係合する「U」字形を形成する。
【0070】
上記カム216は、中心点に対して対称である溝を有しているが、溝を非対称に構成することも可能である。1つの可能な代替方法では、1つのノズルが静止した状態を維持している間に、他が溝を追従し、互いに対して比例して等距離の状態を維持している。さらに、開示された実施形態では溝付きのカムを使用するが、その構成が唯一の可能な構成ではない。ノズル140が溝ではなく螺旋状の隆起したローブと追従するように適切に構成すれば、ローブ付きカムを溝付きカム216に代替できることに留意されたい。他の実施形態も可能である。
【0071】
開示された実施形態では、ノズル底部部品1010がArkema Inc.社のKYNARポリフッ化ビニリデン(PVDF)から成形または機械加工され、ノズル上部部品1012は、Dupont社のDELRINアセタールから成形または機械加工される。所望の物理的(例えば強度、剛性、および潤滑性)および化学的(例えば非反応性)特性を有する他の材料に代替できることに留意されたい。
【0072】
図11から図12は、本発明による液端アセンブリ130の間隔調整機構914の組立分解図を示す。
【0073】
図11では、間隔調整ノブのブラケット1110がねじ締結具1112によってレール218にしっかり取り付けられる。開口1116を画定する軸受けスリーブ1114が、これもねじ締結具1118によってブラケット1110に結合される。開示された実施形態では、スリーブはDELRINから製作される。DELRINは、好適な潤滑性を提供してカム216が開口1116内で容易に回転できるようにするからである。間隔調整ノブ150は、ねじ締結具1120によりカム216の第1のキー付き端部910(図9)に取り付けられ、間隔調整ノブ150は、カム216のキー付き端部910を受けるキー付き開口を有し、したがってカム216がノブ150とともに回転する。任意選択で、印刷したインサート1124および透明プラスチックレンズ1126を間隔調整ノブ150にスナップ留めで挿入し、ねじ締結具1120を覆うことができる。図12は同じ構成要素を示すが、代替図は、間隔調整ノブ150が構造的剛性を提供する強化リブ1210を含むことを示すが、言うまでもなく、当業者に知られている他の方法によりこれを提供することもできる。
【0074】
図13から図14は、本発明による液端アセンブリ130の間隔止め機構916の組立分解図を示す。
【0075】
図13に示すように、止めノブのブラケット1310は、ねじ締結具1312によってレールにしっかり取り付けられる。任意選択のハウジング部品918が、これもねじ締結具1316により止めノブのブラケットに取り付けられる。
【0076】
回り止めリング1318が複数のねじ締結具1324によって止めノブのブラケット1310に取り付けられ、回り止めリング1318がブラケット1310に対して確実に回転しないようにする。回り止めリング1318の半径方向外側の表面は、回り止めバンプ1320を有し、回り止めリング1318の面は、回り止めバンパ1322を有する。
【0077】
回転する止め突起部1326(以下で説明)を含む止めノブ160は、回り止めリング1318を覆い、止めノブのエンドキャップ1328によって保持され、これはねじ締結具1330によってカム216の第2のキー付き端部912に取り付けられ、このねじ締結具も印刷されたインサート1332および透明レンズ1334によって覆うことができる。
【0078】
図14に示した間隔止め機構916の後部は、多少例示的である。回り止めリング1318の回り止めバンプ1320は、止めノブ160の半径方向内側の表面を取り巻く一連の窪みと係合する。止めノブ160は円形の中心開口1414を有し、カム216と係合せずに自由に回転することに留意されたい。しかし、以下で図15から図16との関連で示すように、止めノブ160は内部の回転バンパを有し、これは回り止めリング1318上にある回り止めバンパ1322に関して止めノブ160の回転範囲を制限する。回り止めバンパ1322および止めノブ160の内部回転バンパはともに、止めノブ160の過剰回転を防止する。
【0079】
止めノブのエンドキャップ1328は、その背面にエンドキャップ止めタブ1410、およびカム216の第2のキー付き端部912を受けるキー付き開口を含む。したがって、止めタブ1410が止めノブ160の止め突起部1326と係合するまで、エンドキャップ1328はカム216とともに回転する。止め突起部1326は(回り止めの窪みを受ける)止めノブ160とともに動作するので、止め突起部1326の位置を任意の望ましい角度位置に動かすことができる。エンドキャップ1328は、カム216上でノズル140が最も収縮した位置を表す位置と、エンドキャップ止めタブ1410が止め突起部1326に妨害される時点での止め突起部1326の位置との間で、カム216とともに自由に動作する。
【0080】
所望に応じて、回り止めバンプ1320および止めノブ160が、比較的軽い力で回り止めから回り止めへと移動できるように構成されている場合、使用者が、止め突起部1326に到達する点まで間隔調整ノブ150を回転すると、抵抗を受ける。間隔調整ノブ150に追加の力を加えると、エンドキャップ止めタブ1410が止めノブ上の止め突起部1326に押しつけられ、力が回り止めに打ち勝つのに十分である場合、止め部は逸れて押し出される。この望ましい動作は、止めノブ160が押されると、明確で顕著な触覚の「クリック」感および音を伴なう。回り止め上で止めノブ160を手作業で調整する場合、この同じ音および感覚がある。
【0081】
止めノブ160の2つのタイプが、図15および図16に図示されている。
【0082】
図15は、本発明による6チャネルの間隔を調整可能な液端アセンブリ130に使用可能な止めノブ1510を示す。6つのチャネルしか使用しないので、より広い範囲の(幅を、最も狭い設定の9mmから最も広い設定の23mm超まで)調整が可能であり、したがって止めノブ1510は同様に広範囲にわたって調整可能になる。したがって、キーなし開口1512に加えて、止めノブ1510の縁1514は、縁1514の周囲の有意の部分にわたって複数の回り止めの窪み1516を含む。しかし、止めノブの回転バンパ1518がノブ1510の内面に設定され、回転バンパから直径方向で反対側の縁1514の一部分1520には回り止めがない。止めノブ1510のチャネル6つのタイプは、回転バンパ1518によって妨害される範囲、および回り止めリング1318の回り止めバンパ1322との相互作用を除いて自由に回転し、ほぼ1回転する。
【0083】
図16は、本発明による8チャネルの間隔を調整可能な液端アセンブリ130に使用可能な止めノブ1610を示す。8個のチャネルを使用するので、開示された実施形態では、止め部を約9mmから約14.5mmまで調整することができる。その結果、キーなし開口1612に加えて、止めノブ1610の縁1614は、縁1614の周囲のある部分にわたって複数の回り止め窪み1616を含む。2つの止めノブの回転バンパ1618および1620があり、回り止めリング1318の回り止めバンパ1322は、バンパ1618と1620の間の範囲にしかなくてよい。したがって、回り止めの窪み1616と反対側の縁1614の一部分1622は滑らかで、回り止めがない。
【0084】
間隔調整機構914と間隔止め機構916の両方の代替実施形態が可能であることに留意されたい。特に、間隔調整ノブ150および止めノブ160を両方とも液端アセンブリの同じ端部に配置することが可能である。間隔調整ノブ150と同様に、以上で開示された止めノブのエンドキャップ1328はカム216とともに回転し、したがってカム216の第1のキー付き端部910にある間隔調整ノブ150を除去し、止めノブのエンドキャップ1328を交換用調整ノブで補足することが可能になる。
【0085】
同様に、開示された実施形態では、止めノブ160を所定の位置にロックし、不注意による調整を回避するために、軟質の回り止めを使用する。ばね式止めノブ160を引き出すと回り止め(または摩擦コレットロック)が係合解除される、または止めノブを所定の位置にロックするラチェットを係合解除するために押しボタンを使用することができる代替実施形態が可能である。あるいは、止め機構916を、ハウジング220の側部に沿って摺動する止め部として実現することができる。多数の他の実施例が可能であり、本発明の範囲内に入るものとする。
【0086】
開示された実施形態では、ピストンおよびシリンダが所定の位置に静止している間に、ノズル140がカム216およびレール218に沿って移動する。代替実施形態では、ピストンおよびシリンダがノズルとともに移動できるようにすることができ、このような実施形態は、マニホールド232およびマニホールド232をノズル240に接続するエアホースの機能を省略することができる場合がある。この構成は本発明の範囲内に入るものとみなされるが、安定性および精度が低下すると予想され、したがって開示された実施形態は明白な利点を有する。
【0087】
本発明の様々な実施形態に関する以上の詳細な説明は、多少詳細に述べられているが、本発明はこれらの詳細な説明に制限されず、本発明により作成される調整可能なノズル間隔を有する手持ち式ピペット液端は、様々な方法で開示された実施形態と異なってよいことに留意されたい。特に、本発明の実施形態は、多くの異なる流体取り扱いの用途で使用することができることを理解されたい。説明および明快さのために、以上では機能面で区別した。本発明によるシステムまたは方法の構造的な区別には同じ境界線を引けないことに留意されたい。したがって、本発明の適切な範囲は、請求の範囲に従うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリであって、
自身内でプランジャシャフトが軸方向に動作するために、前記ピペットの駆動機構と接続可能な前記プランジャシャフトを受けるように構成された前記液端アセンブリのハウジングと、
前記ハウジング内に装着された複数のシリンダと、
前記ハウジング内の前記シャフトの軸方向の動作に応答して、前記シリンダのうち1つのシリンダの開放した上端内およびそれを通して軸方向に動作するようにそれぞれ装着された複数の空気置換ピストンと、
それぞれが前記複数のシリンダのうち個々のシリンダと接続され、それぞれに前記ハウジングの底壁から延在する開放下端を有する複数のノズルと、
を備え、
使用者によって操作され、調整構成要素の回転に対して少なくとも1つのノズルから別のノズルへと置換するように構成された間隔調整機構をさらに備えることを特徴とする液端アセンブリ。
【請求項2】
前記間隔調整機構が、前記複数のノズルの隣接する対間に均一の間隔を維持するように構成される、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項3】
前記複数のノズルがそれぞれ使い捨てのピペット先端を受けるように構成される、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項4】
前記液端アセンブリが、前記複数のシリンダのそれぞれと、対応するノズルに結合された対応する先端との間に複数の流体密の通路を含む、請求項3に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のシリンダのうち1つのシリンダ内でピストンが動作すると、該ピストンと前記対応するノズルの前記開放下端との間で気柱のが対応する動作をする、請求項4に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項6】
前記シリンダが、前記調整構成要素の動作に応答しない固定された間隔を有し、前記液端アセンブリが、前記複数のシリンダの各シリンダを対応するノズルに結合する複数の可撓性ホースをさらに備える、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項7】
前記複数のシリンダに結合され、前記シリンダをそれぞれ前記複数の可撓性ホースのうち1つに結合するマニホールドをさらに備える、請求項6に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項8】
前記調整機構を操作すると、前記複数のシリンダのうち少なくとも1つのシリンダが、前記複数のノズルのうち対応するノズルとともに動作する、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項9】
前記間隔調整機構の前記調整構成要素が、回転可能なノズル間隔カムを備える、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項10】
前記ノズル間隔カムが、複数の螺旋溝を有する、請求項9に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項11】
前記ノズル間隔カムが、中心点を有し、
前記複数の溝が、前記中心点に対して実質的に対称であり、
前記中心点に対していずれかの側において、前記溝のピッチが連続的に増大し、
前記複数のノズルの各ノズルが、前記ノズル間隔カム上の前記複数の溝のうちの1つの溝に対応する、請求項10に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項12】
前記ノズル間隔カムが回転するにつれて、前記複数のノズルの各ノズルが、前記ノズル間隔カム上の前記対応する溝に追従する、請求項10に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項13】
前記ノズル間隔カムに平行なノズルレールと係合することによって、前記複数のノズルの各ノズルが、前記ノズル間隔カムとともに回転することが制止される、請求項12に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項14】
前記ノズル間隔カムが回転することにより、前記複数のノズルの各ノズルが前記ノズル間隔カムに沿って軸方向に横断すると共に、前記ノズルレールに沿って摺動する、請求項13に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項15】
前記複数のノズルのうち1つのノズルが静止し、
前記静止するノズルに隣接した前記間隔調整カムの端部から開始して、該間隔調整カム上の前記溝のピッチが連続的に増大し、
前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが、前記ノズル間隔カム上の複数の溝のうち1つの溝に対応する、請求項10に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項16】
前記ノズル間隔カムが回転するにつれて、前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが前記ノズル間隔カム上の前記対応する溝に追従する、請求項15に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項17】
前記ノズル間隔カムに平行なノズルレールと係合することによって、前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが前記ノズル間隔カムとともに回転することが制止される、請求項16に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項18】
前記ノズル間隔カムが回転することにより、前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが前記ノズル間隔カムに沿って軸方向に横断すると共に、前記ノズルレールに沿って摺動する、請求項17に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項19】
前記ノズル間隔カムが、複数の螺旋ローブを有する、請求項9に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項20】
前記複数のノズルのうち少なくとも1つのノズルが、前記ノズル間隔カム上の対応するローブに追従する、請求項19に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項21】
前記間隔調整機構が、間隔調整ノブをさらに含み、前記ノズル間隔カムが、前記間隔調整ノブに結合される、請求項9に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項22】
前記ピペットが、最大ノズル間隔を設定するために使用者によって構成可能な止め調整機構をさらに備える、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項23】
前記止め調整機構が、所望の最大ノズル間隔に対応する止めレッジの角度位置を設定可能な止めノブを備える、請求項22に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項24】
前記間隔調整機構が、前記調整構成要素とともに回転するように結合された止め構成要素を備え、前記止め構成要素は、前記ノズルの間隔が前記所望の最大ノズル間隔に到達すると、前記止めノブの前記止めレッジに衝突して、前記調整構成要素の前記回転を限定するように配置された止めタブを有する、請求項23に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項1】
手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリであって、
自身内でプランジャシャフトが軸方向に動作するために、前記ピペットの駆動機構と接続可能な前記プランジャシャフトを受けるように構成された前記液端アセンブリのハウジングと、
前記ハウジング内に装着された複数のシリンダと、
前記ハウジング内の前記シャフトの軸方向の動作に応答して、前記シリンダのうち1つのシリンダの開放した上端内およびそれを通して軸方向に動作するようにそれぞれ装着された複数の空気置換ピストンと、
それぞれが前記複数のシリンダのうち個々のシリンダと接続され、それぞれに前記ハウジングの底壁から延在する開放下端を有する複数のノズルと、
を備え、
使用者によって操作され、調整構成要素の回転に対して少なくとも1つのノズルから別のノズルへと置換するように構成された間隔調整機構をさらに備えることを特徴とする液端アセンブリ。
【請求項2】
前記間隔調整機構が、前記複数のノズルの隣接する対間に均一の間隔を維持するように構成される、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項3】
前記複数のノズルがそれぞれ使い捨てのピペット先端を受けるように構成される、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項4】
前記液端アセンブリが、前記複数のシリンダのそれぞれと、対応するノズルに結合された対応する先端との間に複数の流体密の通路を含む、請求項3に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のシリンダのうち1つのシリンダ内でピストンが動作すると、該ピストンと前記対応するノズルの前記開放下端との間で気柱のが対応する動作をする、請求項4に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項6】
前記シリンダが、前記調整構成要素の動作に応答しない固定された間隔を有し、前記液端アセンブリが、前記複数のシリンダの各シリンダを対応するノズルに結合する複数の可撓性ホースをさらに備える、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項7】
前記複数のシリンダに結合され、前記シリンダをそれぞれ前記複数の可撓性ホースのうち1つに結合するマニホールドをさらに備える、請求項6に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項8】
前記調整機構を操作すると、前記複数のシリンダのうち少なくとも1つのシリンダが、前記複数のノズルのうち対応するノズルとともに動作する、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項9】
前記間隔調整機構の前記調整構成要素が、回転可能なノズル間隔カムを備える、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項10】
前記ノズル間隔カムが、複数の螺旋溝を有する、請求項9に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項11】
前記ノズル間隔カムが、中心点を有し、
前記複数の溝が、前記中心点に対して実質的に対称であり、
前記中心点に対していずれかの側において、前記溝のピッチが連続的に増大し、
前記複数のノズルの各ノズルが、前記ノズル間隔カム上の前記複数の溝のうちの1つの溝に対応する、請求項10に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項12】
前記ノズル間隔カムが回転するにつれて、前記複数のノズルの各ノズルが、前記ノズル間隔カム上の前記対応する溝に追従する、請求項10に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項13】
前記ノズル間隔カムに平行なノズルレールと係合することによって、前記複数のノズルの各ノズルが、前記ノズル間隔カムとともに回転することが制止される、請求項12に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項14】
前記ノズル間隔カムが回転することにより、前記複数のノズルの各ノズルが前記ノズル間隔カムに沿って軸方向に横断すると共に、前記ノズルレールに沿って摺動する、請求項13に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項15】
前記複数のノズルのうち1つのノズルが静止し、
前記静止するノズルに隣接した前記間隔調整カムの端部から開始して、該間隔調整カム上の前記溝のピッチが連続的に増大し、
前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが、前記ノズル間隔カム上の複数の溝のうち1つの溝に対応する、請求項10に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項16】
前記ノズル間隔カムが回転するにつれて、前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが前記ノズル間隔カム上の前記対応する溝に追従する、請求項15に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項17】
前記ノズル間隔カムに平行なノズルレールと係合することによって、前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが前記ノズル間隔カムとともに回転することが制止される、請求項16に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項18】
前記ノズル間隔カムが回転することにより、前記複数のノズルのうち残りの各ノズルが前記ノズル間隔カムに沿って軸方向に横断すると共に、前記ノズルレールに沿って摺動する、請求項17に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項19】
前記ノズル間隔カムが、複数の螺旋ローブを有する、請求項9に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項20】
前記複数のノズルのうち少なくとも1つのノズルが、前記ノズル間隔カム上の対応するローブに追従する、請求項19に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項21】
前記間隔調整機構が、間隔調整ノブをさらに含み、前記ノズル間隔カムが、前記間隔調整ノブに結合される、請求項9に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項22】
前記ピペットが、最大ノズル間隔を設定するために使用者によって構成可能な止め調整機構をさらに備える、請求項1に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項23】
前記止め調整機構が、所望の最大ノズル間隔に対応する止めレッジの角度位置を設定可能な止めノブを備える、請求項22に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【請求項24】
前記間隔調整機構が、前記調整構成要素とともに回転するように結合された止め構成要素を備え、前記止め構成要素は、前記ノズルの間隔が前記所望の最大ノズル間隔に到達すると、前記止めノブの前記止めレッジに衝突して、前記調整構成要素の前記回転を限定するように配置された止めタブを有する、請求項23に記載の手持ち式多重チャネルピペットの液端アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2011−500318(P2011−500318A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530020(P2010−530020)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/078624
【国際公開番号】WO2009/051970
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(502280223)ライニン インストルメント、エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/078624
【国際公開番号】WO2009/051970
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(502280223)ライニン インストルメント、エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】
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