説明

ノニオン性セルロースエーテル及びその使用

本発明は、70〜95℃の凝集温度、0.1〜0.8のメチル置換度、及び0.1〜0.7のエチル置換度を有するノニオン性メチルエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルに関する。該セルロースエーテルは、種々の性質を有し、水性配合物、例えば水性ラテックス含有ペイント組成物における増粘剤又はレオロジー改質剤として使用され得る。該セルロースエーテルを製造する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、70〜95℃の凝集温度を有するノニオン性メチルエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルに関する。セルロースエーテルは種々の性質を有し、水性配合物、例えば水性ラテックス含有ペイント組成物における増粘剤又はレオロジー改質剤として使用され得る。
【背景技術】
【0002】
ノニオン性セルロースエーテルは、水性ペイント組成物、例えばラテックス含有ペイント組成物における増粘剤として長い間使用されてきた。該エーテルは、水性ペイント組成物の安定性、コンシステンシー、及び水保持性にもまたかなりの影響を及ぼす。さらに、ノニオン性セルロースエーテルは、ペイント組成物中にしばしば存在する成分と併用することが容易である。
【0003】
水性ペイント組成物においてしばしば使用されるノニオン性セルロースエーテルの1つの群は、ヒドロキシエチルセルロースエーテルであり、水中で100℃より下の凝集温度を欠く。そのようなセルロースエーテルは評価される、なぜなら水性ペイント組成物において使用されるとき、安定な粘度、有機及び無機顔料を凝集させる低い傾向、及び安定な泡を形成する低い傾向に通常貢献するからである。しかし、ヒドロキシエチルセルロースエーテルは、相対的に弱い増粘効果を有し、かつ湿潤性(wetting ability) が全くない又は弱いという欠点を有する。
【0004】
ノニオン性セルロースエーテルのもう1つの群は、100℃より低い水中凝集温度を示す水溶性のセルロースエーテルである。そのようなセルロースエーテルの例は、約50〜75℃の水中凝集温度を有するメチルヒドロキシエチルセルロースエーテル、メチルヒドロキシプロピルセルロースエーテル、メチルセルロースエーテル、及びエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルである。これらのセルロースエーテルは、評価される、なぜなら該エーテルは、良好な増粘及び湿潤性を有し、表面張力を下げるからである。該エーテルは、100℃より上の凝集温度を有するヒドロキシエチルセルロースエーテルと比較して改善された流動性をもまた水性ペイント組成物に与える。しかしアルキルセルロースエーテルの欠点は、ペイントを製造するときには、該エーテルが安定な泡の形成及び無機又は有機顔料の凝集に、並びに貯蔵の間には、ペイント組成物における増加された粘度に、貢献することがあることである。
【0005】
水溶性のメチルエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルもまた公知であり、欧州特許出願公開第929716号、PCT/SE02/02164号、及びPCT/SE02/02165号に開示されている。これらのセルロースエーテルは、モルタル、又は紙のコーティング組成物において有利に使用され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、該エーテルを水性ペイント組成物における使用に適するようにする、新規でより多様な、改善された性質を有するノニオン性セルロースエーテルを見出すための明らかなニーズがあり、改善された性質を有するそのようなノニオン性セルロースエーテルは、表面張力を下げる(改善された湿潤性)が、高い安定性の泡に貢献しないセルロースエーテル、又は高い安定性を水性ペイント組成物に与え、無機及び有機顔料の凝集を起こさず、良好な色受容(color acceptance)をもたらすセルロースエーテルであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
あるタイプの水溶性メチルエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルが、安定な泡の形成を減らし、水性ペイント組成物において使用されたとき安定性を改善するが、有機及び無機顔料を凝集させる、又は貯蔵の間に、粘度を増加させる、妨害傾向を有しないことが今見出された。それでもセルロースエーテルはアルキルセルロースエーテルの有利な性質、例えば良好な湿潤性及び高い増粘効果を維持する。本発明に従うセルロースエーテルは、70〜95℃、適切に75〜90℃、好ましくは78〜85℃の凝集温度を有し、0.1〜0.8、好ましくは0.2〜0.6のメチル置換のDS、及び0.1〜0.7、好ましくは0.2〜0.6のエチルの置換のDSを有する。MS−ヒドロキシエチルは適切に1.5〜2.8、好ましくは1.7〜2.5である。本発明に従うアルキルヒドロキシルエチルセルロースエーテルの粘度は、20℃において12rpmにおいてブルックフィールドLVに従ってpH7の1%水溶液中で測定されて、通常10〜10000cp、好ましくは100〜7000cpである。
【0008】
メチル、エチル、ヒドロキシエチル置換の測定のために、2つの方法が併用されてきた。両方の方法は同じ原理を用い、即ちハロゲン酸によるエーテル結合の開裂、及び生成されるアルキルハロゲン化物の定量ガスクロマトグラフィーである。メチル置換は、エーテル結合の開裂及び対応するヨウ化アルキルの生成をもたらすヨウ素酸及びアジピン酸を用いることにより測定される。反応の間、生成されるヨウ化アルキルは、連続的にキシレン相に抽出され、該キシレン相はガスクロマトグラフィーにより分析される。
【0009】
開裂反応において、エチル及びヒドロキシエチル置換の両者ともヨウ化エチルを生成し、それはエチル及びヒドロキシエチル置換をさらに分析することを必要にする。従って、エトキシ及びヒドロキシエトキシ基もまた酢酸中で臭化水素酸によって開裂され、エチル及びヒドロキシエチル基は臭化エチル及び1,2−ジブロモエタンを生成する。これらの臭化物の量はガスクロマトグラフィーにより測定される。Hodges,K. L.;「分析化学(AnalyticalChemistry)」;第 51巻(1979年),2172ページ、及びStead Hindley;J. Chromatog(1969年);470〜475ページもまた参照されたい。
【0010】
メチル、エチル、及びヒドロキシエチル置換以外に、アルキルヒドロキシエチルセルロースエーテルは、他の置換基、例えばヒドロキシプロピル及び4〜22の炭素原子の炭化水素基の存在により炭化水素的に変性された置換基をもまた含むことができる。4〜22の炭素原子を有する炭化水素基を含む適切な置換基が、米国特許第4228277号及び5140099号、及び国際公開第00/08058号に開示されている。特に適切であるのは、式
【0011】
【化1】

の基を含む置換基である。ここでRは8〜16の炭素原子の脂肪族基であり、nは1〜7の数である。もし存在するならば、MSヒドロキシプロピルは、通常0.1〜0.5であり、C〜C22の炭化水素基を含む置換基のMSは、適切に0.006〜0.1である。
【0012】
本発明に従うメチルエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルは、当該分野においてよく確立された慣用技術に従って自体公知である反応段階により製造されることができる。即ち、アルカリでセルロースをマーセライズ加工することにより、アルカリセルロース(活性化されたセルロース)が1又は複数の段階で製造され得、さらに1又は複数の段階において適切な量のエチレンオキシド、塩化メチル、及び塩化エチルと、有機反応媒体、例えば塩化エチル、アセトン、アルキルブロック化されたモノ又はポリ(エチレン)グリコール、イソプロパノール、tertブタノール、又はジメトキシエタン又はそれらの混合物の存在下で、50〜120℃の温度において反応される。適切には、セルロースは1又は複数の工程において、糖類単位1モル当たり0.8〜1.8モルの合計量の水性アルカリでマーセライズ加工され;そして糖類単位1モル当たり2.6〜5.5モルの合計量のエチレンオキシド、糖類単位1モル当たり0.2〜1.5モルの合計量の塩化メチル、及び糖類単位1モル当たり0.2〜1.5モルの合計量の塩化エチルが、有機反応媒体の存在下で、50〜120℃の温度において1又は複数の工程において、マーセライズ加工されたセルロースに添加され、そして反応される。反応媒体及びセルロースの重量比は、1:1〜10:1、適切に4:3〜3:1であり得る。塩化エチルが反応媒体として使用される場合、塩化エチルの所望される量は既に反応混合物中に存在し、塩化エチルの更なる添加は不要である。エチル化は、使用されるアルカリの量、反応温度、及び反応時間により制御され得る。もし所望されるならば、アルカリの一部は、反応の後の段階において添加され得、セルロースをさらに活性化してもよい。メチル及びエチルの合計置換度は、マーセライズ加工において使用されるアルカリの量により制御される、なぜならNaOHの対応する当量が消費され、塩化ナトリウムを生成するからである。副反応のため、アルキル置換の収率は40〜60%に過ぎない。
【0013】
本発明の適切な実施態様に従うと、アルカリによるセルロースのマーセライズ加工は、加工の初期段階及び加工の後の段階の両方において行うことができるが、好ましくはエチレンオキシドの合計量の一部及び塩化メチルの合計量の少なくとも一部、及び塩化エチルの合計量の少なくとも一部の添加及び最初にマーセライズ加工されたセルロースとの反応の後に行うことができる。そのような加工において、セルロースはアルカリの合計量の一部で最初にマーセライズ加工され得、エチレンオキシドの合計量の一部、塩化メチルの合計量の一部、及び、もし塩化エチルが反応媒体中に存在しなければ塩化エチルの合計量の一部が、50〜120℃の温度において1又は複数の段階において、最初にマーセライズ加工されたセルロースに添加され、そして反応され、その上で、部分的に置換されたマーセライズ加工されたセルロースはアルカリの残りの部分でさらにマーセライズ加工され;そしてエチレンオキシドの残りの部分、及び塩化メチルの残りの部分及び、もし塩化エチルが反応媒体として存在しなければ、部分的に、塩化エチルの任意の残りの部分が、1又は複数の段階において50〜120℃の温度においてマーセライズ加工されたセルロースにさらに添加され、そして反応される。通常、エトキシ化反応は50〜80℃において、メチル化反応は65〜90℃において、そしてエチル化反応は95〜115℃において行われる。
【0014】
本発明の種々のセルロースエーテルは、増粘剤又はレオロジー改質剤として0.1〜2.5重量%の量で水性配合物において有利に使用され得る。配合物は、溶液、乳化物、分散物又は懸濁物の形を有し得る。典型的な応用範囲は、水性ペイント組成物、例えばラテックスペイント;水性有機フィラー組成物;水性パーソナルケア製品、例えばシャンプー、水性コンディショナー及び化粧料;水性洗剤組成物、例えば硬い表面の洗浄剤、及び洗濯用組成物;水性紙コーティング組成物、例えばコーティングスリップである。
【0015】
セルロースエーテルは、水性のフラット、セミフラット、セミグロス、及びグロスペイント組成物における使用によく適する。セルロースエーテルの添加された量は、ペイント組成物の成分及びセルロースエーテルの置換及び粘度の両方に依存して変化するが通常添加は、ペイント組成物の0.2〜1.5重量%である。適するバインダーは、乳化物バインダー、例えばアルキド樹脂、及びラテックスバインダー、例えばポリビニルアセテート、ビニルアセテート及びアクリレートの共重合体、ビニルアセテート及びエチレンの共重合体、ビニルアセテート、エチレン及び塩化ビニルの共重合体、及びスチレン及びアクリレートの共重合体である。ラテックスバインダーは、しばしばアニオン界面活性剤で安定化される。
【0016】
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。
【実施例1】
【0017】
130リットルの体積を有する反応器は8kgの粉砕されたコットンリンターを搭載され、その上で、反応器の気相が5kPaに排気され、窒素で大気圧まで充填された。排気及び窒素ガスによる再充填は1度繰り返され、最終的に反応器は5kPaまで排気された。その後、50重量%のNaOHを含む4.74kgの水性アルカリ溶液(1.2モルのNaOH)が、攪拌の間粉砕されたコットンリンターの上に噴霧され、続いて13.6kgの塩化エチルが添加された。反応器中の混合物は30℃において15分間攪拌されて、粉砕されたコットンリンターをアルカリセルロースにマーセライズした。その後、2.17kgのエチレンオキシド(1.0モル)及び1.50kgの塩化メチル(0.6モル)が添加された。反応混合物は連続的に70℃に20分間の間に加熱された。20分後、70℃においてエチレンオキシド及び塩化メチルの大部分がアルカリセルロースと反応し、5.43kgのエチレンオキシド(2.5モル)の追加量がゆっくり45分間の間に添加された。10分後、温度がさらに105℃まで上昇され、塩化エチル及び残っているセルロースのアルカリ活性化された位置との最終的な反応が行われた。
【0018】
反応後、反応媒体として使用された塩化エチルを含む揮発性化合物は除去され、反応混合物の残りは、約95℃の温度の5重量%のNaSOを含む水で洗浄され、反応の間に生成された副生物、例えばNaCl及びグリコールを除去した。固相は遠心分離により分離され、3重量%未満の水分含有量に乾燥された。
【0019】
最終的にセルロースエーテルは1mm未満の粒子サイズに粉砕された。セルロースエーテルはメチル、及びエチルの置換度(DS)、及びヒドロキシエチルの分子置換(MS)に関して、臭化水素酸及びヨウ化水素酸による開裂の後のガスクロマトグラフィーにより分析された。凝集温度は、連続的な温度上昇の下で、スペクトルフォトメーターの使用により測定された。粘度はブルックフィールドの粘度計、タイプLV,により20℃の温度において1%のバッファー用液中でpH7.0において測定され、透明度は20℃における水との比較における光の透過により測定された。
【0020】
バイオ安定性(酵素的な耐性)は、20℃におけるセルラーゼによる60分間の分解後に残っている粘度として測定された。
【0021】
置換値及び他の分析された性質は下の表1に示される。
【実施例2】
【0022】
この実施例において、NaOHの添加は、50重量%のNaOHを含む5.53kgの水性溶液(1.4モル)に増加されたことを除いて、実施例1に記載された方法が行われた。得られた結果は、表1に示される。
【実施例3】
【0023】
この実施例において、50重量%のNaOHを含む水性溶液の添加が6.32kg(1.60モルNaOH)に増加されたことを除いて実施例1に記載された方法が行われた。
【実施例4】
【0024】
この実施例において、実施例2の手順が行われたが、初期の部分においてNaOH水性溶液及びエチレンオキシドの量は5.14kg(1.3モル)及び3.26kg(1.5モル)にそれぞれ減少され、塩化エチルの量は16kgに増加された。塩化エチルとの反応後、温度は105℃から70℃に下げられ、50重量%のNaOH(0.2モル)を含む0.79kgの水溶液が攪拌中に反応混合物の上に噴霧され、部分的に置換されたセルロースエーテルがさらにマーセライズされた。マーセライズ化の後、追加の量の3.26kg(1.5モル)のエチレンオキシドが導入され、さらにマーセライズ化されたセルロースと20分間反応された。それから温度が70〜100℃に上昇され、約30分間維持され、ほとんどすべてのアルカリが反応した。
【実施例5】
【0025】
この例は実施例4の手順に従ったが、エチレンオキシドとの第一の反応後、塩化メチルが、1.75kg(0.7モル)の量でゆっくり添加された。
【実施例6】
【0026】
この実施例は実施例5の手順に従ったが、NaOHの初期量は5.53kg(1.4モル)に増加され、塩化メチルの添加は2.24kg(0.9モル)に、増加され、エチレンオキシドの第2の添加は3.69kg(1.7モル)に増加された。
【0027】
【表1】

【実施例7】
【0028】
実施例1〜6のセルロースエーテルの性質及びA〜Dと呼ばれる対照セルロースエーテルの性質が以下の処方を有する装飾ペイント組成物において試験された。

【0029】
ストーマー粘度計、KU、及び色受容は直ちに測定されたが、安定性は50℃における1週間の貯蔵後に測定された。高いストーマー粘度は、増粘剤が有効であることを示す。組成物の安定性は50℃における1週間の貯蔵後に測定された。ストーマー粘度の増加は段階に従って判定され、ここで値1は20KU超の増加を表し、2は、20KU未満の場合、3は10KU未満の場合、4は5KU未満の場合、及び5は2KU未満の場合を表す。色受容は、1〜7に渡る段階に従って、磨耗試験(rub out test)に従って測定され、ここで7は、目に見える相違がないことを示す(Unisperse-黒 CE-2)
【0030】
【表2】

【0031】
この結果から、実施例1〜6に従うセルロースエーテルは、対照のセルロースエーテルよりかなり改善された安定性及び色受容を有するが、ストーマー粘度は似ていることが明らかである。
【実施例8】
【0032】
実施例7のセルロースエーテルは、20℃において0.1重量%のセルロースエーテルを含む水性水溶液中での泡立ち能力に関してもまた試験された。泡立ち試験は500mlの円筒中で行われ、該円筒は円筒の軸に対して垂直な、水平シャフトの周りを40rpm/分のスピードで回転する。円筒は、0〜500mmの目盛を有し、試料は100mlの量で添加された。泡の高さは、直後、及び60分後に測定された。
【0033】
【表3】

【0034】
実施例1〜6に従うセルロースエーテルは、比較試験におけるセルロースエーテルより低い泡立ちを有する。
【実施例9】
【0035】
下の表に従う種々のセルロースエーテルを含む装飾ペイント組成物が製造されたが、実施例7のスチレン−アクリレート分散物バインダーは、別のスチレン−アクリレート分散物バインダー、Joncryl 537により置き変えられた。種々の組成物の色受容及びストーマー粘度が測定された。
【0036】
【表4】

【0037】
得られた結果は、実施例7における対応する結果を立証する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メチルエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルにおいて、該セルロースエーテルが70〜95℃の凝集温度、0.1〜0.8のメチル置換度、及び0.1〜0.7のエチル置換度を有することを特徴とするセルロースエーテル。
【請求項2】
1.5〜2.8のヒドロキシエチル分子置換を有することを特徴とする、請求項1に記載のセルロースエーテル。
【請求項3】
0.2〜0.6のメチル置換度、0.2〜0.6のエチル置換度及び1.7〜2.5のヒドロキシエチル分子置換を有することを特徴とする請求項1に記載のセルロースエーテル。
【請求項4】
78〜85℃の凝集温度を有することを特徴とする、請求項3に記載のセルロースエーテル。
【請求項5】
ヒドロキシプロピル及び4〜22の炭素原子の炭化水素基を含む置換基からなる群から選択された置換基をもまた含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエーテル。
【請求項6】
セルロースが、1又は複数の工程において、糖類単位1モル当たり0.8〜1.8モルの合計量の水性アルカリでマーセライズ加工され;そして糖類単位1モル当たり2.6〜5.5モルの合計量のエチレンオキシド、糖類単位1モル当たり0.2〜1.5モルの合計量の塩化メチル、及び糖類単位1モル当たり0.2〜1.5モルの合計量の塩化エチルが、有機反応媒体の存在下で、50〜120℃の温度において1又は複数の工程において、マーセライズ加工されたセルロースに添加され、そして反応されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメチルエチルヒドロキシエチルセルロースエーテルを製造する方法。
【請求項7】
反応媒体が塩化エチルであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
セルロースがアルカリの合計量の一部で最初にマーセライズ加工され;エチレンオキシドの合計量の一部、塩化メチルの合計量の一部、及びもし塩化エチルが反応媒体中に存在しなければ塩化エチルの合計量の一部が、50〜120℃の温度において1又は複数の段階において、上記最初にマーセライズ加工されたセルロースに添加され、そして反応され、その上で部分的に置換されたマーセライズ加工されたセルロースはアルカリの残りの部分でさらにマーセライズ加工され;そしてエチレンオキシドの残りの部分、及び塩化メチルの残りの部分及び、もし塩化エチルが反応媒体として存在しなければ、塩化エチルのあり得る残りの部分が、1又は複数の段階において50〜120℃の温度において、上記さらにマーセライズ加工されたセルロースに添加され、そして反応されることを特徴とする、請求項6又は7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
0.1〜2.5重量%の、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロースエーテルを含む水性配合物。
【請求項10】
配合物がラテックスバインダーを含む水性ペイント組成物であることを特徴とする、請求項9に記載の水性配合物。
【請求項11】
増粘剤又はレオロジー改質剤として、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメチルエチルヒドロキシエチルセルロースを水相において使用する方法。

【公表番号】特表2006−518792(P2006−518792A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502772(P2006−502772)
【出願日】平成16年1月16日(2004.1.16)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000041
【国際公開番号】WO2004/067573
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】