説明

ノンガス飲料用充填バルブ、同バルブの充填制御方法、及び同バルブのCIP洗浄制御方法

【課題】充填終了後に容器が充填バルブから離れる際に液体を充填バルブ外に漏らすことがなく、容器が容器口パッキンに付着したまま離れない問題に対応でき、充填開始時にベントチューブ内の残留液体を短時間に確実に落下させて充填時間を短くした。
【解決手段】充填バルブ1は、バルブ本体5の内側に配置されたベントチューブ7と、バルブ本体5の下部に設けられた注液パイプ14とベントチューブ7との相対移動によって開閉される液バルブ15及び空気バルブ16とを有すると共に、容器20内を密封するパッキンを容器20の口部の天面に密着すると共に注液パイプ14の外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキン21と、容器口パッキン21の上部に設けてその外周側に空気圧を加えて注液パイプ14の外周との間をシールし、空気圧を解除又は微小な負圧にしてシールを解除するようにした可撓性のシールパッキンとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内にノンガス液体即ち炭酸ガスを含まない飲料類を充填する充填バルブに係わり、特に、容器口パッキン等により容器内を密封し、容器内の空気をベントチューブから排気しつつ、液通路を介して容器内に液体を充填する所謂グラビティ式のノンガス飲料用充填バルブ、同バルブの充填制御方法、及び同バルブのCIP洗浄制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ノンガス飲料用の充填装置は、容器を載せて昇降する容器昇降装置と、この容器昇降装置の上方に配置された充填バルブと、充填液タンクから充填バルブへ至る液通路を開閉する液バルブと、充填時に容器口に圧接されて容器内を密封する密封用パッキンを備えており、容器昇降装置の上昇によって容器を上昇させ、充填バルブの先端を相対的に下降させて容器内に挿入するとともに、密封用パッキンによって容器口を密閉シールした後、液バルブを開放して容器内に液体を充填するようになっている。そして、容器内に充填された液体の液面が上昇して、容器内の空気を排出するベントチューブの下部に設けられている空気バルブの開口部上端に達すると、液体はベントチューブ内に入って空気通路を上昇し、容器内の上部空間の圧力が充填される液体の供給圧力と平衡したときに液通路からの液体の流入が停止して充填が終了する。
【0003】
このような充填装置では、充填終了時には、容器が容器昇降装置の下降により下降することによって容器口の密閉シールが解除されるが、特にペットボトルのような合成樹脂等の柔軟な素材で形成されている場合には、液体充填中の充填圧力により容器内に内圧を生じて容器が膨張変形してしまう。このような容器では、容器昇降装置の下降によって容器口と密封用パッキンとのシール状態が一気に破られると、前記内圧が急激に解除されるために容器内からの液はねが生じやすいという問題があった。
また、一方では、小形ガラスびんのような容器の場合には、充填後に密封用パッキンにより容器口を密閉シールしたまま充填バルブの先端が容器内から離れることによって、容器内の圧力が僅かに負圧になる等の不安定な状態になることがあり、そのために、容器が容器昇降装置によって下降する際に、容器口が密封用パッキンに付着したまま離れないという問題があった。
さらに、次の充填を開始するときに、ベントチューブ内に残留している液体が容器内に落下してベントチューブの空気通路内が容器内の空気を通すことができるようになるまで、正常な液体充填ができず、そのために充填時間が長くなるという問題があった。
【0004】
上記液はね問題に対応するために、例えば特許文献1に開示されている充填バルブでは、容器口のシール部材と接合するエアシリンダを設けて、充填終了後に、このエアシリンダを作動させることにより容器口のシール部材の一部を持ち上げてスニフト即ち容器内圧力を逃す機構としている。
【0005】
また、上記液はね問題に対応するために、例えば特許文献2に開示されている充填バルブは、充填バルブの直上にスニフト手段を設けて、充填時にはスニフト通路を閉じ、充填完了後は容器が下降するとき、ベントチューブと液バルブを同時に閉じた後の筒状体の残りの下降ストロークを使用してスニフト回路を開くように作動させて容器内のエア圧を逃すような構成としている。
【0006】
さらに、上記ベントチューブ内の残留液体が次の充填開始時に容器内へ落下するために充填時間が長くかかるという問題に対処するために、例えば特許文献3に開示されている充填バルブは、容器内に充填を行う際に、排気パイプ(ベントチューブ)の下降により液バルブおよびエアバルブを開放させ、この両バルブの開放からタイミングを遅らせてびん口パッキンを容器の口部に密着させる構成として、排気パイプ内に残留していた充填液を、次の充填開始時に速やかに排出して充填時間を短縮するとしている。
【特許文献1】特許第3750192号公報(図1および図2)
【特許文献2】特開2006−76614号公報(図1および図4)
【特許文献3】特公平7−49316号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の特許文献1の充填バルブでは、充填終了後の液はね防止を、エアシリンダを作動させ容器口のシール部材の一部を持ち上げてスニフトさせる構成として、各バルブにエアシリンダ、支持部材、エアシリンダ作動弁、作動電気回路等が必要となり、装置コストが高くなるという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2の従来の充填バルブでは、充填バルブの直上にスニフト手段を設けて、充填完了後は容器が下降するとき、ベントチューブと液バルブを同時に閉じた後の筒状体の残りの下降ストロークを使用してスニフト回路を開くように作動させて容器内のエア圧を逃すような構成として、各バルブにスニフト固定部材、スニフト摺動部材、扇形フック、ゴム製リング、ばね等が必要となり、装置コストが高くなるという問題点があった。
【0009】
さらに、特許文献1と2は、何れも液はね防止としての対応を試みているが、小形ガラスびんのような容器の容器口がシール部材に付着したまま離れないという問題の対応、および、ベントチューブ内に残留している液体が容器内に落下してベントチューブ内が容器内の空気を通すことができるようになるまでに時間がかかるという問題への対応についての技術は開示されていない。
【0010】
また、特許文献3の従来の充填バルブでは、ベントチューブ内に残留している液体を次の充填開始時に、液バルブおよびエアバルブの開放からタイミングを遅らせて排出するという方式にしているが、残留液体の排出は容器の口部をびん口パッキンに密着させずに容器の口部とびん口パッキンとの僅かな隙間を利用してびん内の空気を押し出すことにより行うこととしているため、前の充填でびん口パッキンのシール面が液体の付着により濡れたままのときには、この付着している液体の表面張力により隙間が塞がれた状態となることがあり、残留液体の排出が不安定になるという問題点があった。特に液体の粘性が高い場合にはこの問題点が顕著であった。
【0011】
本発明は、充填終了後に、液はねがなく、即ち、容器が充填バルブから離れる際に液体を充填バルブ外に漏らすことがなく、また、容器が容器口パッキンに付着したまま離れないという問題に対応でき、さらに、充填開始時にベントチューブ内に残留していた液体を短時間に確実に落下させて充填時間が短くて生産性の良い低コストのノンガス飲料用充填バルブ、同バルブの充填制御方法、及び同バルブのCIP洗浄制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段のノンガス飲料用充填バルブは、内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンと、前記容器を昇降する容器昇降手段とを有するノンガス飲料用充填バルブにおいて、前記容器内を密封するパッキンを該容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に設けてその外周側に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小な負圧にすることによりシールを解除するようにした可撓性のシールパッキンとで構成したことを特徴とする。
(2)第2の手段のノンガス飲料用充填バルブは、内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンと、前記容器を昇降する容器昇降手段とを有するノンガス飲料用充填バルブにおいて、前記容器内を密封するパッキンを容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に設けてチューブ内に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小な負圧にすることによりシールを解除するようにした半径方向に膨張・収縮性のあるシールチューブとで構成したことを特徴とする。
(3)第3の手段のノンガス飲料用充填バルブは、前記第1又は第2の手段のノンガス飲料用充填バルブにおいて、前記ベントチューブを昇降させる昇降装置を設けて前記ベントチューブの昇降により前記液バルブおよび前記空気バルブを開閉するようにしたことを特徴とする。
(4)第4の手段のノンガス飲料用充填バルブは、前記第1乃至第3のいずれかに記載の手段のノンガス飲料用充填バルブにおいて、容器の口部の天面を密封する容器口パッキンを保持するセンタリングカップまたはホルダーを前記充填バルブの案内筒の内周側に嵌装し、センタリングカップまたはホルダーの外周側に設けた溝と前記充填バルブの案内筒に設けたスリットにスナップリングを嵌装するように構成して交換容易型としたことを特徴とする。
(5)第5の手段のノンガス飲料用充填バルブは、前記第1乃至第4のいずれかに記載の手段のノンガス飲料用充填バルブにおいて、CIP洗浄の際に使用するCIPキャップに切欠き溝を設け、該充填バルブの下部外周側に前記CIPキャップを着脱容易に装着するピンを設けたことを特徴とする。
【0013】
(6)第6の手段のノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法は、内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンと、該容器を昇降する容器昇降手段とを有し、前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に設けて外周側に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした可撓性のシールパッキンとで構成したノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法において、前記シールパッキンと前記注液パイプが相対移動する際は、前記シールパッキンをシール解除の状態にするように制御することを特徴とする。
(7)第7の手段のノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法は、内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンと、該容器を昇降する容器昇降手段とを有し、前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に設けてチューブ内に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした半径方向に膨張・収縮性のあるシールチューブとで構成したノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法において、前記シールチューブと前記注液パイプが相対移動する際は、前記シールチューブをシール解除の状態にするように制御することを特徴とする。
(8)第8の手段のノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法は、内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンとを有し、前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に外周側に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした可撓性のシールパッキンとで構成したノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法において、CIPキャップを装着してCIP洗浄する際に、前記シールパッキンをシール解除の状態にして前記シールパッキンと注液パイプとの隙間にCIP洗浄液が流れるように制御することを特徴とする。
【0014】
(9)第9の手段のノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法は、内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンとを有し、前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部にチューブ内に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした半径方向に膨張・収縮性のあるシールチューブとで構成したノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法において、CIPキャップを装着してCIP洗浄する際に、前記シールチューブをシール解除の状態にして前記シールチューブと注液パイプとの隙間にCIP洗浄液が流れるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、2、3に係わる本発明は、容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に空気が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部で前記注液パイプの外周との間をシールするシールパッキンまたはシールチューブとで構成して、該シールパッキンの外周側またはシールチューブ内に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小な負圧にすることによりシールを解除するように構成したので、充填終了後に容器内の圧力を大気圧に開放して、液はねを防止でき、容器が容器口パッキンに付着したまま離れないという問題に対応でき、さらに、ベントチューブ内に残存している液体を次の充填開始時に短時間で確実に容器内へ落下させて充填時間を短くするという効果を有する。
請求項4に係わる本発明は、前記シールパッキンまたはシールチューブを構成した充填バルブにおいて、容器の天面を密封するための容器口パッキンを保持するセンタリングカップまたはホルダーを交換容易型としたので、異なった容器、容器把持部を持つ容器等による生産への変更が容易になるという効果を有する。
【0016】
請求項5、8および9に係わる本発明は、前記シールパッキンまたはシールチューブを構成した充填バルブにおいて、CIPキャップを着脱容易に取り付けられるようになったことと、CIP洗浄の際は前記シールパッキンまたはシールチューブと前記注液パイプとをシール解除の状態に制御するようにしたので、前記シールパッキン部またはシールチューブ部もCIP洗浄できて、衛生的な充填バルブを提供できるという効果を有する。
請求項6および7に係わる本発明は、前記シールパッキンまたはシ−ルチューブと前記注液パイプが相対移動する際は、前記シールパッキンまたはシールチューブと前記注液パイプとをシール解除の状態に制御するようにしたので、前記シールパッキンまたはシールチューブが摺動によって磨耗することがなく、前記シールパッキンまたはシールチューブの耐久性が向上するとともに、液体が充填される容器内に磨耗粉のような異物が混入することを防止できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0018】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4によって説明する。
図1は、本発明を適用した充填バルブの充填前で、容器が充填バルブに係合する前の状態を示す一部側面断面図である。
図2は、図1の充填バルブの充填中の状態を示す一部側面断面図である。
図3は、図2における充填中の状態の充填バルブの液バルブ部を拡大した側面断面図である。
図4は、図3のA−A断面図である。
【0019】
図において、充填バルブ1の円筒状のバルブ本体(筒状体)5は、液体3が一定の液面103の高さに溜められているフィラーボウル(充填液タンク)2の底板に明けられた孔2aに嵌装されたスライドブッシュ4の下部を囲むようにして、図示しないシールリングでフィラーボウル2の底板と液密に固設されており、その下部には注液パイプ14が一体結合されていて、内部は液通路5aとなっている。また、スライドブッシュ4はフィラーボウル2内の液体3を液通路5aに導入する液流入孔4aを有している。
【0020】
符号7はベントチューブであり、その内部は空気通路7aとなっていて、フィラーボウル2内の液面103より上方で空気孔7bが開口し、中間部でスライドブッシュ4によって昇降自在に支持されており、中間部および下部は液通路5aの中にあって、その外筒の一端は注液パイプ14の内筒に接触・摺動し、図2、図3の様に他端には羽根72が取り付けられていて、羽根72の先端部が注液パイプ14の内筒に接触・摺動するようになっている。また、ベントチューブ7の下端において、図2、図3の様に側面に開口する空気バルブ16と共に液バルブ15の片方を形成する液バルブ体71が一体に結合されており、注液パイプ14の内筒と係合した時、図3に示すシールリング13により液バルブ15および空気バルブ16が閉じた状態を形成する。
ベントチューブ7は、フィラーボウル2内の位置にばね受11が取り付けられていて、該ばね受11の下面とスライドブッシュ4の上面と間に設けられたばね12によって、上方へ付勢されている。また、フィラーボウル2の上面に孔2aと同心の孔2b に液密に嵌装された受台8の上面にはエアシリンダ(アクチュエータ)9が取り付けられており、前記ベントチューブ7の頭部73をと連結したスライドバー10が受台8の下部の孔8a に昇降自在に支持されるとともに、エアシリンダ9のロッド91と結合されていて、ベントチューブ7はエアシリンダ9の押し力とばね12の上方への付勢力によって昇降されるようになっている。なお、スライドバー10と孔8a は図示しないシールリングで液密に摺動する構造となっている。
【0021】
図2に示す符号35は充填バルブ1の下方で容器20を載せて容器20を昇降させる容器台で、図示しない昇降手段により昇降するようになっている。符号22は容器20が上昇する際に容器20の口部をセンタリングするセンタリングベルで、外周に固定された回り止め用のピン19を、案内筒17の径方向の穴17dに挿入されているとともに、容器口パッキン21を有しており、該容器口パッキン21はその内筒と注液パイプ14の外筒との間に、図3に示すように隙間21aが形成されていて、流体が通過できるようになっている。
【0022】
容器口パッキン21の上面には図3に示すようにスペーサ23が摺動本体24に嵌装されており、該摺動本体24はセンタリングベル22にシールリング241によって液密に嵌装されている。スペーサ23の内筒側は注液パイプ14の外筒側と摺動自在となっており、内筒側に菊形状の配置で明けられた複数個の隙間23a(図3、図4)によって流体が通過できるように形成されている。
【0023】
符号25は可撓性を持ったシールパッキンで、図3に示すようにその上下端の鍔部がパッキン押え26および中央部に空気孔27aを有するホルダー27によってそれぞれ押えられており、可撓性を持った中央部はホルダー27側から空気圧をかけない時または微小な負圧の時には注液パイプ14の外筒から離れて隙間を形成して流体が通過できるようにし、空気圧をかけることによって注液パイプ14の外筒を押えるように撓むことによってシールする機能を有している。なお、ホルダー27はシールリング271によりパッキン押え26および摺動本体24と液密に装着されている。
【0024】
図3に示す符号30はパッキン押え26およびホルダー27を固定するスペーサで、止め輪31によって摺動本体24に取り付けられている。なお、摺動本体24にはホルダー27の空気孔27aに空気を送る空気孔24aが円周の空気溝24cにつながるように明けられている。さらに、パッキン押え26およびスペーサ30の内筒と注液パイプ14の外筒との間には隙間26aおよび30aが形成されていて流体が通過できるようになっている。
センタリングベル22には孔22aが明けられており、摺動本体24に明けられた孔24bと一体構成となっていて、流体が通過できるようになっている。
【0025】
符号17は案内筒(外筒)で、図3に示すように、その下部には案内筒17の中心に対して対称位置に2個の水平のスリット17cが設けられていて、例えば特許第3771594号のスナップリング(33)と同様に、センタリングベル22の全周溝22bとの間にスナップリング18を装着することによりセンタリングベル22と結合されるようになっており、シールリング221によりセンタリングベル22、および、シールリング242により摺動本体24と液密に装着されるようになっている。また、案内筒17は下方に図示しないエア源と配管接続する流体継手を継ぐ穴17aを有しており、空気溝24cに連通するとともに、図示しない制御回路により前記シールパッキン25への空気圧を付与または解除或いは微小な負圧の付与をするための配管に継がれるようになっている。
案内筒17の上部にはキャップ34が図示しないシールリングで液密に装着されており、該キャップ34の内筒とバルブ本体5の外筒が昇降自在に支持されている。また、案内筒17は上方に図示しない流体継手を継ぐ穴17bを有している。
符号32は圧縮ばねであり、バルブ本体5の段差部5bに嵌装されたばね受け33の下面と前記摺動本体24の上面溝との間に当接されて、センタリングベル22、案内筒17他を下方へ付勢するようになっている。なお、ばね受け33の上面の溝にはシールリング331が嵌装されていて、キャップ34が下降位置にあるときにはキャップ34の下面と液密に接触する。
【0026】
次に、本実施の形態に係わる充填バルブの作用を説明する。
シールパッキン25は非充填時においては、図示しない制御回路の制御によって空気圧が解除または微小な負圧になっていて、注液パイプ14の外筒との間には隙間が形成されている。
容器台35に載置された容器20が図示しない昇降手段によって上昇する際は、容器20の口部天面が容器口パッキン21に当接し、さらに上昇すると容器口パッキン21を介してセンタリングベル22、摺動本体24他と一体になった案内筒17を持ち上げて、図2に示す所定ストロークの位置まで上昇する。このとき容器20の口部天面は、圧縮ばね32による下方への付勢で容器口パッキン21に密着している。
【0027】
次いで、図示しない制御回路の制御によってエアシリンダ9が作動して、ロッド91、スライドバー10を介してベントチューブ7が所定量だけ下降し、液バルブ体71が図2に示すように下降することによって液バルブ15および空気バルブ16が開く。
この際、シールパッキン25によるシールは解除されたままで大気開放状態となっているので、ベントチューブ7の空気通路7a内の前の充填による残留液は短時間に容器20内に落下する。
ベントチューブ7の空気通路7a内の残留液が容器20に落下した直後のタイミングで、図示しない制御回路の制御によって図示しないエア源から空気孔24a等を介して空気孔27aに給気されて、シールパッキン25が注液パイプ14に押えられ、シールされた状態になる。
上記のように、ベントチューブ7の空気通路7a内の残留液を極めて短時間で容器20内に落下させることができるので、充填開始時間を短縮することができて、充填時間が短くなり、生産能力が向上する。
【0028】
液バルブ15および空気バルブ16が開くことによって、液バルブ15から容器20内に液体3が充填されるとともに、容器20内の空気がベントチューブ7内の空気通路7a、空気孔7bを通ってフィラーボウル2内の液面103の上部空間に押し出される。
容器20内で液体3が上昇して空気バルブ16を塞ぐと、液体3はベントチューブ7内の空気通路7aを上昇して、容器20内の上部空間内の圧力が充填される液体3の供給圧力と平衡したときに液体3の流入が停止して液バルブ15からの充填は止まる。
この時点で、図示しない制御回路の制御によってエアシリンダ9を上昇の方向に作動させると、ばね12の付勢によりロッド91、スライドバー10を介してベントチューブ7が上昇し、液バルブ体71が注液パイプ14と係合してシールリング13によって液バルブ15および空気バルブ16が閉じられて、充填は終了する。
【0029】
次いで、図示しない制御回路の制御によって空気孔27aの空気圧を解除または微小な負圧にすると、シールパッキン25は注液パイプ14の外筒から離れてシールが解除され、容器20内の空気は隙間21a、23a、26a、シールパッキン25と注液パイプ14との隙間、26a,、30aを通って孔24b、22aによって大気に開放されている案内筒17の内部空間に通じる。
その後、容器台35の下降によって、容器20は下降する。
【0030】
上記のように、空気孔27aへの空気圧の付与、空気圧の解除または微小な負圧の付与を制御することによって、容器20の昇降時にシールパッキン25が注液パイプ14の外筒と非接触となるので、シールパッキン25は摺動による磨耗がなく、容器20内の液体3にシールパッキン25の磨耗粉等の異物の混入を避けることができる。
また、上記のように、充填直後に容器20を容器口パッキン21に押し当てたまま、容器20の上部空間が大気開放されるので、従来問題となっていた充填直後の液はねが防止できるとともに、容器20の天面が容器口パッキン21から離れるときに、容器20内に挿入されていた注液パイプ14分の容積減少による負圧が発生せず、従来問題となっていた容器20が容器口パッキン21に付着したまま離れないという問題を防止できる。
【0031】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図5および図6によって説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係わる充填バルブの一部側面断面図で、図3に相当するものである。
図6は、図5のB−B断面図である。
【0032】
図5および図6において、符号60は第2の実施の形態に係わる充填バルブで、第1の実施の形態に係わる充填バルブ1と同じ部分は同じ記号で記してあり、重複する部分は説明を省略する。符号36は半径方向に膨張・収縮性のあるシールチューブで、孔36aに中空の口金37が液密に取り付けられている。該口金37は継手を兼ねており、該継手と係合する穴38dを持ったホルダー38のリブ状の複数の座38b上にシールチューブ36が載せられている。シールチューブ36はその内部に空気圧をかけない時または微小な負圧の時には注液パイプ14の外筒から離れて隙間を形成して流体が通過できるようにし、空気圧をかけることで注液パイプ14の外筒を押えるように膨張することによってシールする機能を有している。ホルダー38には注液パイプ14の外筒との間に隙間38aが形成されていて、流体が通過できるようになっている。また、ホルダー38は、シールリング381によって摺動本体24およびスペーサ30と液密に装着されている。なお、図6に示すように、ホルダー38のリブ状の複数の座38bの隣は、三方に壁がある空間38cになっている。
【0033】
シールチューブ36の作用を説明すると、シールチューブ36は非充填時においては、図示しない制御回路の制御によって空気圧が解除または微小な負圧になっていて、注液パイプ14の外筒との間には隙間が形成されている。
容器20の口部天面が容器口パッキン21に押し当てられている状態で、図示しない制御回路の制御によってエアシリンダ9が作動して、ベントチューブ7が所定量だけ下降し、液バルブ15および空気バルブ16が開くと、シールチューブ36によるシールは解除されたままとなっているので、容器20内は大気開放状態となっており、ベントチューブ7の空気通路7a内の前の充填による残留液は短時間に容器20内に落下する。
ベントチューブ7の空気通路7a内の残留液が容器20内に落下した直後のタイミングで、図示しない制御回路の制御によって図示しないエア源から空気孔24a等を介してシールチューブ36内に給気されると、シールチューブ36が半径方向に膨張して注液パイプ14を押えてシールした状態となる。
【0034】
液バルブ15および空気バルブ16が開くことによって、液バルブ15から容器20内に液体3が充填されるとともに、容器20内の空気がベントチューブ7内の空気通路7a、空気孔7bを通ってフィラーボウル2内の液面103の上部空間に押し出され、容器20内で液体3が上昇して空気バルブ16を塞ぐと、液体3はベントチューブ7内の空気通路7aを上昇して、容器20内の上部空間内の圧力が充填される液体3の供給圧力と平衡したときに液体3の流入が停止して液バルブ15からの充填は止まり。この時点で図示しない制御回路の制御によってエアシリンダ9が上昇する方向に作動すると液バルブ15および空気バルブ16が閉じられて充填は終了する。
次いで、図示しない制御回路の制御によってシールチューブ36内の空気圧を解除または微小な負圧にすると、シールチューブ36は注液パイプ14の外筒から離れてシールが解除され、容器20内の上部空間は隙間21a、23a、38a、シールチューブ36と注液パイプ14との隙間、38a、30aによって大気に開放されている案内筒17の内部空間に通じる。
【0035】
上記のように、シールチューブ36内への空気圧の付与、空気圧の解除または微小な負圧の付与を制御することによって、容器20の昇降時にシールチューブ36が注液パイプ14の外筒と非接触となるので、シールチューブ36は摺動による磨耗がなく、容器20内の液体3にシールチューブ36の磨耗粉等の異物の混入を避けることができる。
また、上記のように、充填直後に容器20を容器口パッキン21に押し当てたまま、容器20内の上部空間が大気開放されるので、従来問題となっていた充填直後の液はねが防止できるとともに、容器20の天面が容器口パッキン21から離れるときに、容器20内に挿入されていた注液パイプ14の容積減少による負圧が発生せず、従来問題となっていた容器20が容器口パッキン21に付着したまま離れないという問題を防止できる。
【0036】
(第3の実施の形態)
また、本発明の第3の実施の形態を図7によって説明する。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係わる充填バルブの一部側面断面図で、図1に相当するものである。
【0037】
図7において、符号80は第3の実施の形態に係わる充填バルブであって、第1の実施の形態に係わるシールパッキン25で構成した充填バルブ1と同じ部分は同じ記号で記してあり、重複する部分は説明を省略する。
図7において、符号50は鍔のような容器把持部501を有する容器(例えばPETボトル)であり、図示しない昇降および把持装置により容器把持レバー52によって容器把持部501を把持されて昇降されるようになっており、上昇時は容器50の天面がホルダー51に嵌装された容器口パッキン21に当接して、容器口パッキン21、ホルダー51、案内筒17他を所定ストローク分だけ押し上げるようになっている。なお、ホルダー51には孔51aが明けられており、第1の実施の形態の場合のセンタリングベル22と同様に、孔24bと一体の孔を形成するようになっている。
液体3を充填する構造、作用については、前記第1の実施の形態での説明と同様であり、重複するので、詳細な説明は省略するが、ホルダー51は溝51bと案内筒17のスリット17cにスナップリング18を装着することにより充填バルブ80に取り付けられるようになっており、前記第1の実施の形態で説明したセンタリングベル22と容易に交換可能になっている。
なお、シールチューブ36で構成した充填バルブ60に対しても、上記充填バルブ80と同様に、容器20に対応するセンタリングベル22と容器50に対応するホルダー51とが容易に交換可能とすることができ、構造、作用の説明は重複するので、説明を省略する。
即ち、容器把持部501を持った容器50と容器把持部501を持たない容器20の何れにも対応できる構造となっており、容器変更等による生産変更への対応が容易である。
【0038】
(第4の実施の形態)
さらに、本発明の第4の実施の形態を図8によって説明する。
図8は、本発明の第4の実施の形態に係わる充填バルブで、CIPキャップを装着した場合の一部側面断面図を示す。
【0039】
図8において、符号40はCIP洗浄用のCIPキャップであって、案内筒17に嵌装された一対のピン19にCIPキャップ40に形成された切り欠のある溝40aと係合することによって容易に充填バルブ1または80に液密に装着することができるようになっている。
CIP洗浄の作用について説明すると、CIP洗浄時はホルダー27の空気孔27aへの空気圧を解除または微小な負圧にしてシールパッキン25と注液パイプ14の外筒との隙間を開けておくとともに、エアシリンダ9の作動によりベントチューブ7を下降状態にさせて、液バルブ15および空気バルブ16を開いておき、フィラーボウル2への図示しない液供給配管を介して、図示しないCIP洗浄液タンクから図示しないポンプの作動によりフィラーボウル2内にCIP洗浄液を満杯になるまで注入し続けると、CIP洗浄液は図示矢印C1に示すようにスライドブッシュ4の液流入孔4aから液通路5aを経由して液バルブ15から矢印C2のようにCIPキャップ40内に流れ込む。一方、矢印C3に示すようにベントチューブ7の空気孔7bから空気通路7aを経由して空気バルブ16からも矢印C4のようにCIPキャップ40内に流れ込む。CIPキャップ40内に溜まったCIP洗浄液は、一つの経路として隙間21a、23a、26a、シールパッキン25と注液パイプ14との隙間、隙間26a、30aを経由して、矢印C5のように案内筒17の内部空間へ流れ、もう一つの経路として孔22a、24bを経由して、矢印C6のように案内筒17の内部空間へ流れて、案内筒17内に溜まったCIP液は矢印C7のように流体継ぎ手の接続用の穴17bに接続された図示しない配管によって図示しないCIP洗浄液タンクへと循環して流れる。
【0040】
上記CIP洗浄の説明では、センタリングベル22を使用した場合を示したが、PETボトルのような容器50用のホルダー51を使用する場合でも同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
(第5の実施の形態)
さらに、本発明の第5の実施の形態を図9によって説明する。
図9は、本発明の第5の実施の形態に係わる充填バルブで、CIPキャップを装着した場合の一部側面断面図であり、図8に相当するものである。
【0042】
図9において、符号40はCIP洗浄用のCIPキャップであって、案内筒17に嵌装された一対のピン19にCIPキャップ40に形成された切り欠のある溝40aを係合することによって容易に図5の充填バルブ60に液密に装着することができるようになっている。なお、図8と同じ部分は同じ記号で記してあり、重複する説明は省略する。
CIP洗浄の作用について説明すると、CIP洗浄時はシールチューブ36内への空気圧を解除または微小な負圧にしてシールチューブ36と注液パイプ14の外筒との隙間を開けておくとともに、エアシリンダ9の作動によりベントチューブ7を下降状態にさせて、液バルブ15および空気バルブ16を開いておき、フィラーボウル2への図示しない液供給配管を介して、図示しないCIP洗浄液タンクから図示しないポンプの作動によりフィラーボウル2内にCIP洗浄液を満杯になるまで注入し続けると、CIP洗浄液は図示矢印C11に示すようにスライドブッシュ4の液流入孔4aから液通路5aを経由して液バルブ15から矢印C12のようにCIPキャップ40内に流れ込む。一方、矢印C13に示すようにベントチューブ7の空気孔7bから空気通路7aを経由して空気バルブ16からも矢印C14のようにCIPキャップ40内に流れ込む。CIPキャップ40内に溜まったCIP洗浄液は、一つの経路として隙間21a、23a、38a、シールチューブ36と注液パイプ14との隙間、隙間38a、30aを経由して、矢印C15のように案内筒17の内部空間へ流れ、もう一つの経路として孔22a、24bを経由して、矢印C16のように案内筒17の内部空間へ流れて、案内筒17内に溜まったCIP液は矢印C17のように流体継ぎ手の接続用の穴17bに接続された図示しない配管によって図示しないCIP洗浄液タンクへと循環して流れる。
【0043】
上記CIP洗浄の説明では、センタリングベル22を使用した場合を示したが、PETボトルのような容器50用のホルダー51を使用する場合でも同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0044】
上記説明のようにCIP液を循環することにより、シールパッキン25と注液パイプ14との隙間、および、シールチューブ36と注液パイプ14との隙間もCIP洗浄することができて、充填バルブ1、60および80を衛生的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態に係わる充填バルブの充填前で、容器が充填バルブに係合する前の状態を示す一部側面断面図である。
【図2】図1の充填バルブの充填中の状態を示す一部側面断面図である。
【図3】図2における充填中の状態の充填バルブの液バルブ部を拡大した側面断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わる充填バルブの一部側面断面図で、図3に相当するものである。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係わる充填バルブの一部側面断面図で、図1に相当するものである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係わる充填バルブで、CIPキャップを装着した場合の一部側面断面図を示す。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係わる充填バルブで、CIPキャップを装着した場合の一部側面断面図であり、図8に相当するものである。
【符号の説明】
【0046】
1、60、80 充填バルブ
5 バルブ本体(筒状体)
5a 液通路
7 ベントチューブ
7a 空気通路
9 エアシリンダ(アクチュエータ)
12 ばね
14 注液パイプ
15 液バルブ
16 空気バルブ
17 案内筒(外筒)
17a スリット
18 スナップリング
19 ピン
20、50 容器
21 容器口パッキン
22 センタリングベル
25 シールパッキン
27、38、51 ホルダー
32 圧縮ばね
35 容器台
36 シールチューブ
40 CIPキャップ
40a 溝(切欠き溝)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、
該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、
前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、
容器内を密封するパッキンと、
前記容器を昇降する容器昇降手段とを有するノンガス飲料用充填バルブにおいて、
前記容器内を密封するパッキンを該容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、
該容器口パッキンの上部に設けてその外周側に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小な負圧にすることによりシールを解除するようにした可撓性のシールパッキンと、
で構成したことを特徴とするノンガス飲料用充填バルブ。
【請求項2】
内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、
該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、
前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、
容器内を密封するパッキンと、
前記容器を昇降する容器昇降手段とを有するノンガス飲料用充填バルブにおいて、
前記容器内を密封するパッキンを容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、
該容器口パッキンの上部に設けてチューブ内に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小な負圧にすることによりシールを解除するようにした半径方向に膨張・収縮性のあるシールチューブと、
で構成したことを特徴とするノンガス飲料用充填バルブ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のノンガス飲料用充填バルブにおいて、
前記ベントチューブを昇降させる昇降装置を設けて前記ベントチューブの昇降により前記液バルブおよび前記空気バルブを開閉するようにしたことを特徴とするノンガス飲料用充填バルブ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のノンガス飲料用充填バルブにおいて、
容器の口部の天面を密封する容器口パッキンを保持するセンタリングカップまたはホルダーを前記充填バルブの案内筒の内周側に嵌装し、前記センタリングカップまたはホルダーの外周側に設けた溝と前記充填バルブの案内筒に設けたスリットにスナップリングを嵌装するように構成して交換容易型としたことを特徴とするノンガス飲料用充填バルブ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のノンガス飲料用充填バルブにおいて、
CIP洗浄の際に使用するCIPキャップに切欠き溝を設け、該充填バルブの下部外周側に前記CIPキャップを着脱容易に装着するピンを設けたことを特徴とするノンガス飲料用充填バルブ。
【請求項6】
内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンと、該容器を昇降する容器昇降手段とを有し、
前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に設けて外周側に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした可撓性のシールパッキンとで構成したノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法において、
前記シールパッキンと前記注液パイプが相対移動する際は、前記シールパッキンをシール解除の状態にするように制御することを特徴とするノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法。
【請求項7】
内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンと、該容器を昇降する容器昇降手段とを有し、
前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に設けてチューブ内に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした半径方向に膨張・収縮性のあるシールチューブとで構成したノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法において、
前記シールチューブと前記注液パイプが相対移動する際は、前記シールチューブをシール解除の状態にするように制御することを特徴とするノンガス飲料用充填バルブの充填制御方法。
【請求項8】
内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンとを有し、
前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部に外周側に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした可撓性のシールパッキンとで構成したノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法において、
CIPキャップを装着してCIP洗浄する際に、前記シールパッキンをシール解除の状態にして前記シールパッキンと注液パイプとの隙間にCIP洗浄液が流れるように制御することを特徴とするノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法。
【請求項9】
内部に液通路が形成された筒状のバルブ本体と、該バルブ本体の内側に配置されてその内部に空気通路が形成されたベントチューブと、前記バルブ本体の下部に設けられ前記バルブ本体の下部を構成する注液パイプと前記ベントチューブとの相対移動によって開閉される液バルブおよび空気バルブと、容器内を密封するパッキンとを有し、
前記容器内を密封するパッキンを、容器の口部の天面に密着すると共に前記注液パイプの外周との間に流体が貫通する隙間を構成した容器口パッキンと、該容器口パッキンの上部にチューブ内に空気圧を加えることにより前記注液パイプの外周との間をシールし、空気圧を解除または微小の負圧にすることによりシールを解除するようにした半径方向に膨張・収縮性のあるシールチューブとで構成したノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法において、
CIPキャップを装着してCIP洗浄する際に、前記シールチューブをシール解除の状態にして前記シールチューブと注液パイプとの隙間にCIP洗浄液が流れるように制御することを特徴とするノンガス飲料用充填バルブのCIP洗浄制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−149899(P2010−149899A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330584(P2008−330584)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】