説明

ノード群

【課題】ライセンス結合機能を有するネットリンクにおいて、ライセンスされた端末の数が不法に増加してしまうことを防止する。
【解決手段】1以上のノードを備え、そのうちの1のノードが第1の主ノードとなっている第1のネットリンクと、1以上のノードを備え、そのうちの1のノードが第2の主ノードとなっている第2のネットリンクとを接続した時に、前記第2の主ノードが保有しているライセンスを前記第1の主ノードが保有しているライセンスに追加し、前記第2の主ノードが保有しているライセンスに記載されている利用可能端末数をゼロにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2以上のネットリンクが結合された時にライセンスを結合するためのノード群に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、ネットリンク909には、相互に接続された複数のノード901、903、905が含まれ、それぞれのノードに端末907が接続される。複数のノード901、903、905のうちの1つのノード901が主ノードとなり、他のノード903、905は副ノードとなる。
【0003】
ネットリンク909では、複数のサービス(ファクシミリ、IP電話、CTI(Computer Telephony Integration)、ACD(Automatic Call Distribution))が稼働することができる。
【0004】
ネットリンク909でのサービスを稼働させるためには、ライセンスが必要であり、このライセンスの提供のために図2に示すようなライセンスファイルが主ノード901に投入される。
【0005】
図2の第1行目は、主ノード901のMACアドレスを示す。従って、ライセンスファイルは、主ノード901のみに投入することができる。図2の第2行目は、セクション数を表す。セクションとは、図2の第5行目から第7行目の情報の組のことである。図2の例では、セクション数が1となっているので、セクションは、図2の第5行目から第7行目の情報の組のみであるが、セクション数が2以上である場合には、図2の第5行目から第7行目の情報の組がその下に続く。図2の第3行目はライセンスの識別番号を表す。図2の第4行目はライセンスの有効期限を表す。図2の例ではこの値がゼロとなっており、これは有効期限が無期限であることを示す。図2の第5行目は、サービスの種類とライセンスされた数量を示す。7桁の数字のうち左側の4桁の数字は、サービスの種類を表し、右側の3桁の数字はライセンスされた端末の数量を表す。図2の第6行目は、図2の第5行目と同様な情報を表す。従って、図2のライセンスファイルでは、2種類のサービスのライセンスを与えていることになる。図2の第7行目は、図2の第5行目の数値と図2の第6行目の数値から所定のアルゴリズムにより算出された認証キーである。従って、ライセンスファイルに記述されているサービスの種類とライセンスされた端末の数量がエディタなどで改竄されても、改竄後の数値から前述した所定のアルゴリズムにより算出された数値と認証キーの数値とを比較することにより、改竄されたことが検出され、改竄後のライセンスファイルが投入されることを防止することができる。
【0006】
ライセンスファイルが主ノード901に投入されると、主ノードには、図3に示すような情報が格納される。図3の第1行目は、ライセンスの識別番号を示し、図3の第2行目と第3行目は、ライセンスされたサービスの種類とライセンスされた端末の数量を表す。
【0007】
主ノード901に複数のライセンスファイルが投入された場合には、主ノード901に格納される情報は、図4に示すようなものとなる。図4は、4つのライセンスファイルが投入された場合の主ノード901に格納された情報を示す。図4の例では、4つのライセンスファイルが投入された結果、8種類のサービスのライセンスが与えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−285323号公報
【特許文献2】特開2006−155385号公報
【特許文献3】特開2008−085477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図5に示すように、第1のネットリンク109と第2のネットリンク209とを接続した場合において、元々、第1の主ノード101が図4に示すような情報を格納しており、第2の主ノード101が図6に示すような情報を格納していたとする。この場合において、第1の主ノード101を2つのネットリンク109、209を代表する新たな主ノードとした場合、第1の主ノード101に格納される情報は、図7に示すようなものとなる。図4と図7とを比較すると明らかなように、例えば、番号が0111のサービスのライセンスされた端末数が10から15に増加している。
【0010】
このような場合において、第2の主ノード201に格納された情報を図6に示すようなものにしたままであるとすると、第1のネットリンク109と第2のネットリンク209とを切断し、再結合すると、第1の主ノードに格納されるライセンス情報において、例えば、番号が0001のサービスのライセンスされた端末数が20となってしまい、この切断、再結合を続けると、その端末数が、25、30、・・・と増え続けてしまう。このような増加は、ライセンスされた端末数の不法な増加であり、防止する必要がある。
【0011】
また、第1のネットリンク109と第2のネットリンク209とを切断した後に、第2の主ノードに前回投入したライセンスファイルと同一のライセンスファイルを投入し、その後、第1のネットリンク109と第2のネットリンク209とを結合すると、上記と同様に、ライセンスされた端末の数が20、25、30、・・・と増え続けてしまう。
【0012】
そこで、本発明は、ライセンス結合機能を有するネットリンクにおいて、ライセンスされた端末の数が不法に増加してしまうことを防止することを可能とするノード群を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、1以上のノードを備え、そのうちの1のノードが第1の主ノードとなっている第1のネットリンクと、1以上のノードを備え、そのうちの1のノードが第2の主ノードとなっている第2のネットリンクとを接続した時に、前記第1の主ノードが保有しているライセンスを表すライセンスファイルにおいて、前記第2の主ノードが保有しているライセンスを前記第1の主ノードが保有しているライセンスに追加する手段と、前記第2の主ノードが保有しているライセンスを表すライセンスファイルにおいて、記載されている利用可能端末数をゼロにする手段と、を備えることを特徴とするノード群が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ライセンス結合機能を有するネットリンクにおいて、ライセンスされた端末の数が不法に増加してしまうことを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】通常のネットリンクの構成を示す概念図である。
【図2】ライセンスファイルの内容の一例を示す図である。
【図3】図2に示すライセンスファイルを基に主ノードに格納された情報の内容の1例を示す図である。
【図4】複数のライセンスファイルを基に主ノードに格納された情報の内容の1例を示す図である。
【図5】2つのネットリンクが接続された状態を示す図である。
【図6】図5に示す第2の主ノードに格納されている情報の内容の1例を示す図である。
【図7】図5に示すように2つのネットリンクが接続され、第1の主ノードが全体の主ノードになった場合において、第1の主ノードに格納される情報の内容の1例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態において、図5に示すように2つのネットリンクが接続され、第1の主ノードが全体の主ノードになった場合において、第2の主ノードに格納される情報の内容の1例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0017】
図5に示すように、第1のネットリンク109と第2のネットリンク209とを接続し、第1の主ノード101に格納される情報を図7に示すようなものに更新した場合において、第2の主ノード201に格納された情報を図6に示すようなものから図8に示すようなものに変更する。
【0018】
図8に示す情報においては、ライセンスされた端末の数は、全てのサービスにおいてゼロとなっている。また、元々あったライセンスファイルの識別情報は維持されている。
【0019】
第2の主ノード201に格納された情報において、ライセンスされた端末の数を全てのサービスにおいてゼロにすることにより、第1のネットリンク109と第2のネットリンク209とが切断され、再結合され、ライセンスの結合が再度行われても、ライセンスされた端末の数は増えなくなる。
【0020】
また、第2の主ノード201に新たなライセンスファイルが投入されようとしている時に、その投入されようとしているライセンスファイルの識別番号が図8に示すようなライセンスファイルの識別番号と同一である場合、その新たなライセンスファイルの投入を禁止する。こうすることにより、同一のライセンスファイルを第2の主ノード201に複数回投入することができなくなるため、第1のネットリンク109と第2のネットリンク209とが切断され、再結合され、ライセンスの結合が再度行われても、ライセンスされた端末の数は増えなくなる。
【符号の説明】
【0021】
101、201 第1の主ノード
103、105、203、205 副ノード
107 端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のノードを備え、そのうちの1のノードが第1の主ノードとなっている第1のネットリンクと、1以上のノードを備え、そのうちの1のノードが第2の主ノードとなっている第2のネットリンクとを接続した時に、前記第1の主ノードが保有しているライセンスを表すライセンスファイルにおいて、前記第2の主ノードが保有しているライセンスを前記第1の主ノードが保有しているライセンスに追加する手段と、
前記第2の主ノードが保有しているライセンスを表すライセンスファイルにおいて、記載されている利用可能端末数をゼロにする手段と、
を備えることを特徴とするノード群。
【請求項2】
請求項1に記載のノード群において、
前記第2の主ノードが保有しているライセンスを表すライセンスファイルにおいて、記載されているライセンスファイルの識別番号を維持する手段と、
前記第2の主ノードに新たなライセンスファイルが投入されようとしている時に、その投入されようとしているライセンスファイルに記載されている識別番号と前記第2の主ノードで維持されているライセンスファイルに記載されている識別番号が同一である場合、その新たなライセンスファイルの投入を禁止する手段と、
を更に備えることを特徴とするノード群。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のノード群において、
前記第1の主ノードが保有しているライセンスを表すライセンスファイルのコピーを他のノードが保有し、前記第1の主ノードがネットリンクから切り離された時に、他のノードが代理の主ノードとなり、一定期間経過後に、前記代理の主ノードが保有するライセンスファイルのコピーを削除する手段を更に備えることを特徴とするノード群。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−65333(P2013−65333A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253329(P2012−253329)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2009−68005(P2009−68005)の分割
【原出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】