ノード装置、無線ネットワークシステムおよびバックアップ方法
【課題】無線ネットワークを形成するノード装置のセンサ情報のバックアップをより確実に行うことができるノード装置を提供する。
【解決手段】ノード10は、センサ11と、センサ11のセンサ情報を、無線ネットワークを介して、自ノードに接続されているゲートウェイに送信するプロセッサ12と、複数のゲートウェイの管理下から自ノードが孤立した状態となったか否かを検出する検出部14と、孤立した状態となったときに、センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部13とを備える。
【解決手段】ノード10は、センサ11と、センサ11のセンサ情報を、無線ネットワークを介して、自ノードに接続されているゲートウェイに送信するプロセッサ12と、複数のゲートウェイの管理下から自ノードが孤立した状態となったか否かを検出する検出部14と、孤立した状態となったときに、センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部13とを備える。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、無線ネットワークを形成するノード装置で取得されるセンサ情報のバックアップ技術に関する。
【0002】
従来、複数のセンサノードと、各センサノードから計測データを受信するゲートウェイと、ゲートウェイに接続可能な上位計算機とを備え、上位計算機が、ゲートウェイの切り替えを行うことで障害時の計測データの収集を行うように構成されているシステムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-260778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたシステムでは、上位計算機がゲートウェイの切り替えを行っている。しかしながら、無線ネットワークを形成するノード装置間では、ノード装置間の接続状態が変化しているため、ゲートウェイに接続されないノード装置が存在する可能性がある。すなわち、この従来のシステムでは、無線ネットワークを形成するノード装置のセンサのバックアップが十分ではない。
【0005】
そこで本発明は、無線ネットワークを形成するノード装置のセンサ情報のバックアップをより確実に行うことが可能なノード装置、無線ネットワークシステムおよびバックアップ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためのノード装置は、複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置であって、センサ情報を取得するセンサと、上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、上記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、上記孤立した状態となったときに、上記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部とを備えるものである。
【0007】
上記の課題を解決するための無線ネットワークシステムは、無線ネットワークを形成する複数のノード装置と、上記各ノード装置と接続可能な複数のゲートウェイとを備えた無線ネットワークシステムであって、上記複数のノード装置の各々は、センサ情報を取得するセンサと、上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、上記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、上記孤立した状態となったときに、上記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部とを備えるものである。
【0008】
上記の課題を解決するためのバックアップ方法は、複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置によるバックアップ方法であって、センサ情報を取得するステップと、上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信するステップと、上記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出するステップと、上記孤立した状態となったときに、上記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積するステップとを含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線ネットワークを形成するノード装置のセンサ情報のバックアップをより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る無線ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】ノードの構成例を示すブロック図である。
【図3】第2のノードの構成例を示すブロック図である。
【図4】第1ゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【図5】第2ゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【図6】サーバの構成例を示すブロック図である。
【図7】ゲートウェイ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図8】図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、ノードが第1ゲートウェイの管理下から孤立した状態例を示す図である。
【図9】図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、第2のノードが接続されているノードが第1ゲートウェイの管理下から孤立した状態例を示す図である。
【図10】図8の孤立状態において、ノードの動作の一例を示すフロー図である。
【図11】図8および図9の孤立状態の場合の全体動作を示すフロー図である。
【図12】図8の孤立状態後に、孤立状態のノードが第1ゲートウェイと接続される状態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る無線ネットワークシステム1について図面を参照して説明する。この実施形態に係る無線ネットワークシステム1は、例えば複数のノード装置が相互に接続可能なメッシュネットワーク上に設けられ、メッシュネットワークの回線障害等が発生した際にノード装置で取得されるセンサ情報を保持するためのシステムである。
【0012】
先ず、本実施形態に係る無線ネットワークシステム1の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、無線ネットワークシステム1の概略構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、無線ネットワークシステム1では、複数のノード装置10a,10b,10c,・・・,10l(以下、「ノード10a,・・・,10l」と略記する。)と、第2のノード装置20a,20b,20c(以下、単に「ノード20a,・・・,20c」と略記する。)が、第1ゲートウェイ30(以下、「ゲートウェイ30」と略記する。)と無線通信可能に構成され、ゲートウェイ30が有線LAN(Local Area Network)に接続されている。有線LANはさらに、第2ゲートウェイ40(以下、「ゲートウェイ40」と略記する。)およびサーバ50に接続されている。
【0014】
この無線ネットワークシステム1では、ノード10a,・・・,10l;20a,・・・,20c間の無線通信(メッシュネットワーク技術)によるパケット(この実施形態では、後述するセンサ情報を含む。)の転送を実現するために、例えばZigbeeに従った通信の確立および切断が行われる。いったん、通信が確立されると、パケットの転送は、ゲートウェイ30を介して行われる。図1において、ゲートウェイ40は、ノード10a,・・・,10l;20a,・・・,20cとゲートウェイ30との間の通信障害時にノード20a,・・・,20cの切り替え処理により使用される。また、この実施形態では、ノードとして、無線機能を持つセンサが適用される。
【0015】
[無線ネットワークシステム1の構成]
次に、図1に示した無線ネットワークシステム1を構成する各装置について説明する。図2は、複数のノード10a,・・・,10lの構成例を説明するためのブロック図である。なお、以下の説明において、複数のノード10a,・・・,10lの各々に共通の説明では、各ノードが単にノード10として参照され、複数のノード20a,・・・,20cの各々に共通の説明では、各ノードが単にノード20として参照される。
【0016】
[ノード10]
図2に示すように、ノード10は、センサ11、プロセッサ12、蓄積部13、検出部14、無線通信部15および通信制御部16を備える。センサ11は、一例として、温度センサとするが、圧力センサ、CO2センサ、ガスセンサなどでもよい。センサ11が測定対象の物理量を測定すると、その物理量をセンサ情報として取得し、蓄積部13に蓄積される。
【0017】
プロセッサ12は、ノード10内のデータ処理、タイミング処理、演算処理等を行う。例えば、プロセッサ12は、蓄積部13を参照して、接続中のゲートウェイ30または40に対してセンサ情報を含むパケットを送信する。プロセッサ12は、センサ情報を含むパケットを送信する場合には、当該センサ情報と、このセンサ情報の取得時間と、ノードIDとをパケットに含めて送信する。センサ情報とその取得時間とを含むパケットの送信は、所定のタイミングで行われる。
【0018】
検出部14は、複数のゲートウェイ30,40の管理下から自ノード10が孤立した状態となったか否かを検出する。具体的には、検出部14は、接続中のゲートウェイ30との接続が切断し、かつ、ノード10と接続可能なノード20が存在しない場合に、複数のゲートウェイ30,40の管理下から自ノード10が孤立状態となったと検出する。この実施形態では、ノード20は、ゲートウェイ40への接続の切り替え機能を持つ。ノード20の存在の検出は、ノード10を、ノード20を介してゲートウェイ40に接続する目的で行われる。
【0019】
本実施形態の検出部14は、切断検出部141と、ノード検出部142とを備えている。
【0020】
切断検出部141は、接続中のゲートウェイとの切断の有無を検出する。この実施形態の説明では、ゲートウェイ40は、ノード10,20とゲートウェイ30との間の接続が切断したときに使用されるために、切断検出部141は、ゲートウェイ30との切断の有無を検出するように構成されている。この検出は以下のように行われる。すなわち、後述する通信制御部16が、接続中のゲートウェイ30に対し、接続の確認を問い合わせるためのパケットを送信し、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信しなかった場合に、切断検出部141では、ノード10とゲートウェイ30との切断が検出される。
【0021】
ノード10,20とゲートウェイ30との間の接続が切断する要因としては、ノード10,20やゲートウェイ30の故障、天候、ノード数の増加に伴うメッシュネットワークの輻輳等が考えられる。
【0022】
ノード検出部142は、ノード10とゲートウェイ30との切断が検出されたときに、自ノード10に接続可能なノード20の存在の有無を検出する。この検出は以下のように行われる。すなわち、後述する通信制御部16が、接続中の全ノードに対し、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットをブロードキャスト送信し、ノード20から、当該ノード20の存在を示す応答パケットを受信しなかった場合に、ノード検出部142では、ノード20が存在しないこと、すなわちノード20の不存在が検出される。
【0023】
無線通信部15は、例えばIEEE802.15.4により標準化された無線通信規格等による通信機能を有しており、パケットの送受信を行う。
【0024】
通信制御部16は、他のノードへの接続の切り替え処理、接続中のゲートウェイ30との接続確認を行うための問い合わせ処理、ノード20の存在を確認するための問い合わせ処理などを行う。上記の問い合わせ処理は、通信制御部16がパケットを送信して行われる。パケットの送信は、所定のタイミングで行われる。パケットの送信は、例えば、定期的に行われるようにしてもよいし、無線ネットワークの構成が変化したときに行われるようにしてもよい。
【0025】
さらに、通信制御部16は、ノード20から、後述するゲートウェイ40との接続許可を示すパケットを受信した場合に、通信接続動作を開始する。
【0026】
[ノード20]
次に、ノード20の構成について説明する。ノード20は、ノード10と異なり、ゲートウェイ30との接続だけでなく、ゲートウェイ40との接続が可能である。そのため、この実施形態のノード20は、ゲートウェイ40との接続を行うため、メッシュネットワーク回線とは異なるネットワーク、たとえば、携帯電話網を利用したネットワークなど、バックアップ回線と接続し得る構成を備えている。そのために、ノード20には、バックアップ回線との接続を可能にする回線コントローラが設けられる。また、ノード20においては、バックアップ回線との接続機能に関連して、ノード10の構成と異なる。
【0027】
図3は、ノード20の構成例を説明するためのブロック図である。図3に示すように、ノード20は、センサ21、プロセッサ22、蓄積部23、検出部24、無線通信部25、通信制御部26、返答部27および回線コントローラ28を備える。なお、センサ21、プロセッサ22、蓄積部23および無線通信部25の構成は、ノード10のセンサ11、蓄積部13および無線通信部15で説明したもの(図2参照)と同様である。
【0028】
本実施形態のノード20では、ゲートウェイ40への接続の切り替えが可能であるため、ノード20の検出部24は、ノード20の存在を問い合わせる必要がない。そのために、検出部24は、ノード10の検出部14と異なり、ノード20の存在を検出するためのノード検出部を要しない。
【0029】
検出部24は、接続中のゲートウェイ30との切断の有無を検出する切断検出部241を備える。この検出の方法は、ノード10の切断検出部141と同様である。すなわち、後述する通信制御部26が、接続中のゲートウェイ30に対し、接続の確認を問い合わせるためのパケットを送信し、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信しなかった場合に、切断検出部241では、ゲートウェイ30との切断が検出される。
【0030】
通信制御部26は、他のノードへの接続の切り替え処理、ゲートウェイ30との接続確認を行うための問い合わせ処理などを行う。この問い合わせ処理が、所定のタイミングで送信されるパケットを用いて行われる点は、ノード10の通信制御部16の場合と同様である。
【0031】
返答部27は、ノード10から、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットを受信した場合には、そのノード10に対してノード20の存在を示す応答パケットを送信する。
【0032】
回線コントローラ28は、メッシュネットワークを介さずに携帯電話網ネットワークに接続されてゲートウェイ40と通信可能な構成となっている。携帯電話網ネットワークとの接続は、ゲートウェイ30との接続が切断した際に、ノード10,20で取得されるセンサ情報の送信先をゲートウェイ40へ切り替える目的で行われる。
【0033】
回線コントローラ28は、切断検出部241においてゲートウェイ30との切断が検出された場合、または、ノード10から、ノード20の存在を確認するためのパケットを受信した場合に、ゲートウェイ40との接続を行うために携帯電話網ネットワーク回線と接続する。さらに回線コントローラ28は、返答部27が、ノード20の存在を確認するためのパケットをノード10から受信し、そのノード10とゲートウェイ40との接続を許可する場合には、接続許可を示すパケットをそのノード10へ送信する。これにより、そのノード10とゲートウェイ40との通信が確立する。
【0034】
[ゲートウェイ30]
ゲートウェイ30は、電波到達範囲に位置するノード10,20と無線通信を行い、ノード10,20とサーバ50との間のパケットの中継を行う。
【0035】
図4は、ゲートウェイ30の構成例を説明するためのブロック図である。図4に示すように、ゲートウェイ30は、プロセッサ31、メモリ32、有線コントローラ33、返答部34および無線コントローラ35を備える。
【0036】
プロセッサ31は、ゲートウェイ30内のデータ処理、タイミング処理、演算処理等を行う。この実施形態のプロセッサ31は、ノード10,20からのパケットに基づいて、対応するセンサ情報を転送先のサーバ50に送信する。センサ情報の送信は、所定のタイミングで順次、行うようにしてもよい。あるいは、プロセッサ31は、所定数のセンサ情報の平均値を求めて、その平均値をサーバ50に送信するようにしてもよい。
【0037】
メモリ32は、ROMおよびRAMを含んでおり、プログラムやデータを蓄積する。
【0038】
有線コントローラ33は、有線LANに接続されており、サーバ50とのパケットの送受信を行う。
【0039】
返答部34は、ノード10,20から、ゲートウェイ30との接続を確認するためのパケットを受信し、ゲートウェイ30とそのノード10,20との接続を許可する場合には、接続確認を示す応答パケットをそのノード10,20へ送信する。
【0040】
無線コントローラ35は、例えばIEEE802.15.4により標準化された無線通信規格による通信機能を有しており、接続中のノード10,20とのパケットの送受信を行う。
【0041】
[ゲートウェイ40]
ゲートウェイ40は、ゲートウェイ30と同等の機能を備えるが、この実施形態の説明では、ゲートウェイ40は、ノード20との間で接続されて使用される。
【0042】
図5は、ゲートウェイ40の構成例を説明するためのブロック図である。図5に示すように、ゲートウェイ40は、プロセッサ41、メモリ42、有線コントローラ43および無線コントローラ44を備える。なお、プロセッサ41、メモリ42および有線コントローラ43の構成は、ゲートウェイ30のプロセッサ31、メモリ32および有線コントローラ33で説明したもの(図4参照)と同様である。
【0043】
無線コントローラ44は、メッシュネットワークを介さずに、携帯電話網ネットワーク等を介して、接続中のノード10,20とのパケットの送受信を行う。さらに無線コントローラ44は、接続を求めるパケットをノード20から受信し、接続を許可する場合には、接続許可を示す応答パケットをそのノード20へ送信する。これにより、そのノード20とゲートウェイ40との通信が確立する。
【0044】
[サーバ50]
サーバ50は、有線LANに接続されており、ゲートウェイ30,40からのパケットを受信することによって、ノード10,20で取得されたセンサ情報を管理する役割を果たす。
【0045】
図6は、サーバ50の構成例を説明するためのブロック図である。図6に示すように、サーバ50は、プロセッサ51、メモリ52および通信部53を備える。プロセッサ51は、サーバ50全体の動作を実現するための各種のプログラムの実行、演算処理、タイミング処理等を行う。
【0046】
通信部53は、ネットワークインターフェース機能を有しており、ゲートウェイ30,40との通信を行う。
【0047】
メモリ52は、ROMおよびRAMを含んでおり、プログラムやデータを蓄積する。管理テーブル521は、ゲートウェイとノードとの接続状態を管理するために設けられている。図7に管理テーブル521の構成例を示す。図7に示すように、管理テーブル521は、接続中のノードを識別するためのノードIDと、そのノードと接続しているゲートウェイのIPアドレスとが記録されている。
【0048】
プロセッサ51は、ノード10,20と通信を開始するときには、ノード10,20からのノードIDに基づいて、そのノードIDに対応するゲートウェイのIPアドレス宛てにパケットを送信する。プロセッサ51は、ノード10,20との通信を終了するときには、該当するノードに対応するテーブルのレコード部分を管理テーブル521から削除する。またプロセッサ51は、ノードとゲートウェイとの接続状態に変更があるときには、その状態を管理テーブル521に反映する。
【0049】
[ノード10の孤立状態]
次に、無線ネットワークシステム1においてノード10がゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となる態様について、図8および図9を参照して説明する。図8は、図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、4つのノード10i,10j,10k,10lがゲートウェイ30の管理下から孤立した状態例を示す図である。図9は、図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、ノード20b,20cと接続されているノード10e〜10lがゲートウェイ30の管理下から孤立した状態例を示す図である。
【0050】
図8の例では、ノード10i,10j,10kと他のノード10g,10h,20b,20cとの間の接続が切断することによって、4つのノード10i,10j,10k,10lが、ゲートウェイ30の管理対象外となり、ゲートウェイ30の管理下から孤立する。さらに、4つのノード10i,10jとノード20b,20cとの間の接続が切断することによって、各ノード10i,10j,10k,10lが、ノード20b,20cを介して、ゲートウェイ40に対してパケットを送信することができなくなり、ゲートウェイ40の管理下からも孤立する。
【0051】
一方、図9の例では、ゲートウェイ30の管理下から孤立したノード20b,20cが、携帯電話網ネットワーク等(図9のノード20b,20cとゲートウェイ40との間を破線で示す。)を介してゲートウェイ40と接続することによって、ゲートウェイ30の管理下から孤立した各ノード10e,10f,10g,10h,10i,10lが、ノード20b,20cを介して、ゲートウェイ40に対してパケットを送信する。
【0052】
[ノード10の動作]
次に、接続中のゲートウェイ30の管理下からノード10が孤立した状態となった場合に、そのノード10がセンサ情報をバックアップする動作について図2および図8〜図10を参照して説明する。図10は、孤立状態を検出するノード10の動作の一例を示すフロー図である。
【0053】
図10では、一例として、接続中のゲートウェイ30に対してセンサ情報を送信するノード10が、定期的に、ゲートウェイ30に対して接続を確認するためのパケットを送信する場合の動作を示している。
【0054】
図10において先ず、切断検出部141は、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信したか否かに基づいて、ゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となったか否かを検出する(ステップS1)。
【0055】
ノード10の孤立状態が検出された場合には(ステップS1のYES)、そのノード10(図8の例では、ノード10i〜10l、図9の例では、ノード10e〜10l)がノード20の存在を確認するために以下の処理が行われる。すなわち、通信制御部16は、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットをブロードキャスト送信する。そして、ノード検出部142は、ノード20から存在を示す応答パケットを受信したか否かに基づいて、ノード20の存在の有無を検出する(ステップS2)。
【0056】
ノード20が検出されなかった場合には(ステップS2のYES)、ノード10(図8の例では、ノード10i〜10l)のプロセッサ12は、センサ11で取得されたセンサ情報を蓄積部13に蓄積する(ステップS3)。
【0057】
このセンサ情報の蓄積が行われることにより、ノード10は、再びゲートウェイ30との接続が行われた後は、孤立状態の間に取得されたセンサ情報を蓄積部13から取り出してゲートウェイ30に対して送信する。この場合には、センサ情報を受信したゲートウェイ30は、そのセンサ情報を転送先のサーバ50に対して送信する。これにより、サーバ50は、ゲートウェイ30からのセンサ情報を保存することが可能となっている。
【0058】
一方、ノード20が検出された場合には(ステップS2のNO)、ノード10(図9の例では、ノード10e、または、ノード10g〜10l)のプロセッサ12は、そのノード20(図9の例では、ノード20b、または、ノード20c)を介して、ゲートウェイ40に対してセンサ情報を送信する(ステップS4)。この場合には、センサ情報を受信したゲートウェイ40は、そのセンサ情報を転送先のサーバ50に対して送信する。これにより、サーバ50は、ゲートウェイ40からのセンサ情報を保存することが可能となっている。
【0059】
[無線ネットワークシステム1の動作]
以下、本実施形態の無線ネットワークシステム1の全体動作について、図8、図9、図11および図12を参照して説明する。図11は、ノード10がゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となった場合の全体動作を示すフロー図である。図12は、図8の状態において、ゲートウェイの管理下から孤立した状態となったノードが再びゲートウェイと接続された場合の無線ネットワークシステムの状態例を示す図である。
【0060】
図11では、一例として、ノード10iが、接続中のゲートウェイ30に対してパケットの送信を行う場合の無線ネットワークシステム1の全体動作を示している。
【0061】
図11において先ず、ノード10iとゲートウェイ30との間の通信が確立される(ステップS101)。
【0062】
ノード10iは、ゲートウェイ30を介してサーバ50に対し、自ノードのセンサ情報を含むパケットを送信する(ステップS102)。このパケットに基づいて、ノード10iのノードIDと、ゲートウェイ30のIPアドレスとがサーバ50の管理テーブル521に登録される。さらにセンサ情報がサーバ50に保存される。
【0063】
ここで、ノード10iとゲートウェイ30との間の通信が確立されると、ノード10iは、ゲートウェイ30に対して接続の確認をするためのパケットを送信する。ゲートウェイ30は、このパケットを受信すると、接続確認を示す応答パケットをノード10iへ送信する。この応答パケットを受信するか否かに基づいて、ノード10iは、ゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となったか否か、すなわち、ゲートウェイ30との接続が切断したか否か検出する(ステップS103)。図8の例では、ノード10iが他のノード10g,20bとの接続が切断されたために、ステップS103において、ゲートウェイ30との接続が切断したと検出される。あるいは、図9の例においても、接続中のノード間の接続が切断されたために、ステップS103において、ゲートウェイ30との接続が切断したと検出される。
【0064】
ゲートウェイ30との切断が検出された場合には、ノード10iは、接続中の全ノードに対してノード20の存在を問い合わせるためのパケットを送信する(ステップS104)。ノード20は、このパケットを受信すると、存在を示す応答パケットをノード10iへ送信する。
【0065】
さらにノード10iは、ノード20が存在するか否か、すなわち、ゲートウェイ40の管理下から孤立した状態となったか否か検出する(ステップS105)。この検出は、ステップS104でパケットを送信した後に、ノード20から、存在を示す応答パケットを受信するか否かに基づいて行われる。図8の例では、ノード10iがノード20と接続されていないために、ステップS105において、ノード20が存在しないと検出される。一方、図9の例では、接続中のノード20bが存在するために、ステップS105において、ノード20bが存在すると検出される。
【0066】
ノード20が存在しないと検出された場合(ステップS105のNO)には、ノード10iは、センサ11で検出されたセンサ情報を取得時間とともに蓄積部13に蓄積する(ステップS106)。
【0067】
図11には図示されていないが、ノード10iは、ステップS103でゲートウェイ30との切断を検出した後も、ゲートウェイ30に対して接続の確認をするためのパケットを送信し続ける。そして、ノード10iが、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信した場合には、以後、ノード10iとゲートウェイ30との間の接続が再び行われる。これにより、ノード10iは、新規に取得されるセンサ情報をゲートウェイ30に対して送信するとともに、ステップS106で蓄積したセンサ情報をゲートウェイ30に対して送信する(ステップS107)。図12の例では、ノード10iがノード10gと接続するために、ノード10iは、ノード10gを介してセンサ情報をゲートウェイ30へ送信する。
【0068】
ステップS106で蓄積したセンサ情報の送信は、取得時間が最新のものから優先的に行われる。この場合には、ノード10iは、蓄積部13を参照して、取得時間が新しいセンサ情報を取り出して送信する。
【0069】
ステップS104の処理が完了し、ノード20bが、ノード10iから、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットを受信した場合には、ノード20bは、ノード10iに対して自ノード20bの存在を示す応答パケットを送信する。
【0070】
さらにノード20bは、携帯電話網ネットワークを介してゲートウェイ40に対して接続を求めるパケットを送信し、ゲートウェイ40から接続許可を示す応答パケットを受信すると、ノード20bとゲートウェイ40との間の通信が開始される(ステップS108)。この場合には、ノード10iは、パケットの送信先を、すでに接続中のゲートウェイ30からゲートウェイ40に切り替える。
【0071】
ステップS105において、ノード20が存在すると検出された場合(YES)には、ノード10iは、センサ11で取得されたセンサ情報を含むパケットを、ノード20を経由してゲートウェイ40に送信する(ステップS109)。図9の例では、ノード10iがノード20bと接続するために、ノード10iは、センサ情報を含むパケットを、ノード20bを経由してゲートウェイ40へ送信する。ゲートウェイ40は、ノード10iのセンサ情報をサーバ50に送信する(ステップS110)。
【0072】
なお、その後、ノード20bは、例えば、ノード10iからのパケットを受信してから所定の期間、ノード10iからのパケットを受信しなくなった場合には、ゲートウェイ40との接続を切断する。あるいは、このゲートウェイ40との接続の切断は、ノード10iの場合と同様に、以下のタイミングで行われるようにしてもよい。すなわち、ノード20bは、ステップS108でゲートウェイ40との通信を開始した後、任意のタイミングでゲートウェイ30に対して接続の確認をするためのパケットを送信し続ける。そして、ノード20bが、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信した場合に、ゲートウェイ40からゲートウェイ30への接続に切り替える。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の無線ネットワークシステム1は、複数のゲートウェイの管理下からノードが孤立した状態となった場合には、センサ情報の送信を停止し、そのセンサ情報を蓄積する。これにより、このノードのセンサ情報が保持される。
【0074】
以上の実施形態に関し、さらに以下の構成を開示する。
複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置であって、
センサ情報を取得するセンサと、
上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、
上記複数のゲートウェイのうちの接続中のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、
上記孤立した状態となったときに、上記無線ネットワークを介さずに他のゲートウェイと接続を切り替える回線コントローラと
を備えたことを特徴とするノード装置。
【0075】
なお、この実施形態では、2つのゲートウェイを設ける場合について説明したが、3つ以上のゲートウェイを備えるようにしてもよい。この場合には、ノード10は、どのゲートウェイの管理下からも孤立の状態になったときに、センサ情報の送信を停止して蓄積する。
【0076】
また、この実施形態では、接続先が固定のメッシュネットワークの場合について説明したが、随時接続先の変更を可能とするアドホックネットワークなどであってもよい。
【0077】
また、ノード10,20、ゲートウェイ30,40およびサーバ50のハードウェア構成、動作手順およびテーブル構成は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10a〜10l ノード装置
11,21 センサ
12,22 プロセッサ
13,23 蓄積部
14,24 検出部
15,25 無線通信部
16,26 通信制御部
20a〜20c 第2のノード装置
30 第1ゲートウェイ
40 第2ゲートウェイ
50 サーバ
【背景技術】
【0001】
本発明は、無線ネットワークを形成するノード装置で取得されるセンサ情報のバックアップ技術に関する。
【0002】
従来、複数のセンサノードと、各センサノードから計測データを受信するゲートウェイと、ゲートウェイに接続可能な上位計算機とを備え、上位計算機が、ゲートウェイの切り替えを行うことで障害時の計測データの収集を行うように構成されているシステムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-260778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたシステムでは、上位計算機がゲートウェイの切り替えを行っている。しかしながら、無線ネットワークを形成するノード装置間では、ノード装置間の接続状態が変化しているため、ゲートウェイに接続されないノード装置が存在する可能性がある。すなわち、この従来のシステムでは、無線ネットワークを形成するノード装置のセンサのバックアップが十分ではない。
【0005】
そこで本発明は、無線ネットワークを形成するノード装置のセンサ情報のバックアップをより確実に行うことが可能なノード装置、無線ネットワークシステムおよびバックアップ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためのノード装置は、複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置であって、センサ情報を取得するセンサと、上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、上記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、上記孤立した状態となったときに、上記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部とを備えるものである。
【0007】
上記の課題を解決するための無線ネットワークシステムは、無線ネットワークを形成する複数のノード装置と、上記各ノード装置と接続可能な複数のゲートウェイとを備えた無線ネットワークシステムであって、上記複数のノード装置の各々は、センサ情報を取得するセンサと、上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、上記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、上記孤立した状態となったときに、上記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部とを備えるものである。
【0008】
上記の課題を解決するためのバックアップ方法は、複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置によるバックアップ方法であって、センサ情報を取得するステップと、上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信するステップと、上記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出するステップと、上記孤立した状態となったときに、上記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積するステップとを含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線ネットワークを形成するノード装置のセンサ情報のバックアップをより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る無線ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】ノードの構成例を示すブロック図である。
【図3】第2のノードの構成例を示すブロック図である。
【図4】第1ゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【図5】第2ゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【図6】サーバの構成例を示すブロック図である。
【図7】ゲートウェイ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図8】図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、ノードが第1ゲートウェイの管理下から孤立した状態例を示す図である。
【図9】図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、第2のノードが接続されているノードが第1ゲートウェイの管理下から孤立した状態例を示す図である。
【図10】図8の孤立状態において、ノードの動作の一例を示すフロー図である。
【図11】図8および図9の孤立状態の場合の全体動作を示すフロー図である。
【図12】図8の孤立状態後に、孤立状態のノードが第1ゲートウェイと接続される状態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る無線ネットワークシステム1について図面を参照して説明する。この実施形態に係る無線ネットワークシステム1は、例えば複数のノード装置が相互に接続可能なメッシュネットワーク上に設けられ、メッシュネットワークの回線障害等が発生した際にノード装置で取得されるセンサ情報を保持するためのシステムである。
【0012】
先ず、本実施形態に係る無線ネットワークシステム1の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、無線ネットワークシステム1の概略構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、無線ネットワークシステム1では、複数のノード装置10a,10b,10c,・・・,10l(以下、「ノード10a,・・・,10l」と略記する。)と、第2のノード装置20a,20b,20c(以下、単に「ノード20a,・・・,20c」と略記する。)が、第1ゲートウェイ30(以下、「ゲートウェイ30」と略記する。)と無線通信可能に構成され、ゲートウェイ30が有線LAN(Local Area Network)に接続されている。有線LANはさらに、第2ゲートウェイ40(以下、「ゲートウェイ40」と略記する。)およびサーバ50に接続されている。
【0014】
この無線ネットワークシステム1では、ノード10a,・・・,10l;20a,・・・,20c間の無線通信(メッシュネットワーク技術)によるパケット(この実施形態では、後述するセンサ情報を含む。)の転送を実現するために、例えばZigbeeに従った通信の確立および切断が行われる。いったん、通信が確立されると、パケットの転送は、ゲートウェイ30を介して行われる。図1において、ゲートウェイ40は、ノード10a,・・・,10l;20a,・・・,20cとゲートウェイ30との間の通信障害時にノード20a,・・・,20cの切り替え処理により使用される。また、この実施形態では、ノードとして、無線機能を持つセンサが適用される。
【0015】
[無線ネットワークシステム1の構成]
次に、図1に示した無線ネットワークシステム1を構成する各装置について説明する。図2は、複数のノード10a,・・・,10lの構成例を説明するためのブロック図である。なお、以下の説明において、複数のノード10a,・・・,10lの各々に共通の説明では、各ノードが単にノード10として参照され、複数のノード20a,・・・,20cの各々に共通の説明では、各ノードが単にノード20として参照される。
【0016】
[ノード10]
図2に示すように、ノード10は、センサ11、プロセッサ12、蓄積部13、検出部14、無線通信部15および通信制御部16を備える。センサ11は、一例として、温度センサとするが、圧力センサ、CO2センサ、ガスセンサなどでもよい。センサ11が測定対象の物理量を測定すると、その物理量をセンサ情報として取得し、蓄積部13に蓄積される。
【0017】
プロセッサ12は、ノード10内のデータ処理、タイミング処理、演算処理等を行う。例えば、プロセッサ12は、蓄積部13を参照して、接続中のゲートウェイ30または40に対してセンサ情報を含むパケットを送信する。プロセッサ12は、センサ情報を含むパケットを送信する場合には、当該センサ情報と、このセンサ情報の取得時間と、ノードIDとをパケットに含めて送信する。センサ情報とその取得時間とを含むパケットの送信は、所定のタイミングで行われる。
【0018】
検出部14は、複数のゲートウェイ30,40の管理下から自ノード10が孤立した状態となったか否かを検出する。具体的には、検出部14は、接続中のゲートウェイ30との接続が切断し、かつ、ノード10と接続可能なノード20が存在しない場合に、複数のゲートウェイ30,40の管理下から自ノード10が孤立状態となったと検出する。この実施形態では、ノード20は、ゲートウェイ40への接続の切り替え機能を持つ。ノード20の存在の検出は、ノード10を、ノード20を介してゲートウェイ40に接続する目的で行われる。
【0019】
本実施形態の検出部14は、切断検出部141と、ノード検出部142とを備えている。
【0020】
切断検出部141は、接続中のゲートウェイとの切断の有無を検出する。この実施形態の説明では、ゲートウェイ40は、ノード10,20とゲートウェイ30との間の接続が切断したときに使用されるために、切断検出部141は、ゲートウェイ30との切断の有無を検出するように構成されている。この検出は以下のように行われる。すなわち、後述する通信制御部16が、接続中のゲートウェイ30に対し、接続の確認を問い合わせるためのパケットを送信し、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信しなかった場合に、切断検出部141では、ノード10とゲートウェイ30との切断が検出される。
【0021】
ノード10,20とゲートウェイ30との間の接続が切断する要因としては、ノード10,20やゲートウェイ30の故障、天候、ノード数の増加に伴うメッシュネットワークの輻輳等が考えられる。
【0022】
ノード検出部142は、ノード10とゲートウェイ30との切断が検出されたときに、自ノード10に接続可能なノード20の存在の有無を検出する。この検出は以下のように行われる。すなわち、後述する通信制御部16が、接続中の全ノードに対し、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットをブロードキャスト送信し、ノード20から、当該ノード20の存在を示す応答パケットを受信しなかった場合に、ノード検出部142では、ノード20が存在しないこと、すなわちノード20の不存在が検出される。
【0023】
無線通信部15は、例えばIEEE802.15.4により標準化された無線通信規格等による通信機能を有しており、パケットの送受信を行う。
【0024】
通信制御部16は、他のノードへの接続の切り替え処理、接続中のゲートウェイ30との接続確認を行うための問い合わせ処理、ノード20の存在を確認するための問い合わせ処理などを行う。上記の問い合わせ処理は、通信制御部16がパケットを送信して行われる。パケットの送信は、所定のタイミングで行われる。パケットの送信は、例えば、定期的に行われるようにしてもよいし、無線ネットワークの構成が変化したときに行われるようにしてもよい。
【0025】
さらに、通信制御部16は、ノード20から、後述するゲートウェイ40との接続許可を示すパケットを受信した場合に、通信接続動作を開始する。
【0026】
[ノード20]
次に、ノード20の構成について説明する。ノード20は、ノード10と異なり、ゲートウェイ30との接続だけでなく、ゲートウェイ40との接続が可能である。そのため、この実施形態のノード20は、ゲートウェイ40との接続を行うため、メッシュネットワーク回線とは異なるネットワーク、たとえば、携帯電話網を利用したネットワークなど、バックアップ回線と接続し得る構成を備えている。そのために、ノード20には、バックアップ回線との接続を可能にする回線コントローラが設けられる。また、ノード20においては、バックアップ回線との接続機能に関連して、ノード10の構成と異なる。
【0027】
図3は、ノード20の構成例を説明するためのブロック図である。図3に示すように、ノード20は、センサ21、プロセッサ22、蓄積部23、検出部24、無線通信部25、通信制御部26、返答部27および回線コントローラ28を備える。なお、センサ21、プロセッサ22、蓄積部23および無線通信部25の構成は、ノード10のセンサ11、蓄積部13および無線通信部15で説明したもの(図2参照)と同様である。
【0028】
本実施形態のノード20では、ゲートウェイ40への接続の切り替えが可能であるため、ノード20の検出部24は、ノード20の存在を問い合わせる必要がない。そのために、検出部24は、ノード10の検出部14と異なり、ノード20の存在を検出するためのノード検出部を要しない。
【0029】
検出部24は、接続中のゲートウェイ30との切断の有無を検出する切断検出部241を備える。この検出の方法は、ノード10の切断検出部141と同様である。すなわち、後述する通信制御部26が、接続中のゲートウェイ30に対し、接続の確認を問い合わせるためのパケットを送信し、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信しなかった場合に、切断検出部241では、ゲートウェイ30との切断が検出される。
【0030】
通信制御部26は、他のノードへの接続の切り替え処理、ゲートウェイ30との接続確認を行うための問い合わせ処理などを行う。この問い合わせ処理が、所定のタイミングで送信されるパケットを用いて行われる点は、ノード10の通信制御部16の場合と同様である。
【0031】
返答部27は、ノード10から、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットを受信した場合には、そのノード10に対してノード20の存在を示す応答パケットを送信する。
【0032】
回線コントローラ28は、メッシュネットワークを介さずに携帯電話網ネットワークに接続されてゲートウェイ40と通信可能な構成となっている。携帯電話網ネットワークとの接続は、ゲートウェイ30との接続が切断した際に、ノード10,20で取得されるセンサ情報の送信先をゲートウェイ40へ切り替える目的で行われる。
【0033】
回線コントローラ28は、切断検出部241においてゲートウェイ30との切断が検出された場合、または、ノード10から、ノード20の存在を確認するためのパケットを受信した場合に、ゲートウェイ40との接続を行うために携帯電話網ネットワーク回線と接続する。さらに回線コントローラ28は、返答部27が、ノード20の存在を確認するためのパケットをノード10から受信し、そのノード10とゲートウェイ40との接続を許可する場合には、接続許可を示すパケットをそのノード10へ送信する。これにより、そのノード10とゲートウェイ40との通信が確立する。
【0034】
[ゲートウェイ30]
ゲートウェイ30は、電波到達範囲に位置するノード10,20と無線通信を行い、ノード10,20とサーバ50との間のパケットの中継を行う。
【0035】
図4は、ゲートウェイ30の構成例を説明するためのブロック図である。図4に示すように、ゲートウェイ30は、プロセッサ31、メモリ32、有線コントローラ33、返答部34および無線コントローラ35を備える。
【0036】
プロセッサ31は、ゲートウェイ30内のデータ処理、タイミング処理、演算処理等を行う。この実施形態のプロセッサ31は、ノード10,20からのパケットに基づいて、対応するセンサ情報を転送先のサーバ50に送信する。センサ情報の送信は、所定のタイミングで順次、行うようにしてもよい。あるいは、プロセッサ31は、所定数のセンサ情報の平均値を求めて、その平均値をサーバ50に送信するようにしてもよい。
【0037】
メモリ32は、ROMおよびRAMを含んでおり、プログラムやデータを蓄積する。
【0038】
有線コントローラ33は、有線LANに接続されており、サーバ50とのパケットの送受信を行う。
【0039】
返答部34は、ノード10,20から、ゲートウェイ30との接続を確認するためのパケットを受信し、ゲートウェイ30とそのノード10,20との接続を許可する場合には、接続確認を示す応答パケットをそのノード10,20へ送信する。
【0040】
無線コントローラ35は、例えばIEEE802.15.4により標準化された無線通信規格による通信機能を有しており、接続中のノード10,20とのパケットの送受信を行う。
【0041】
[ゲートウェイ40]
ゲートウェイ40は、ゲートウェイ30と同等の機能を備えるが、この実施形態の説明では、ゲートウェイ40は、ノード20との間で接続されて使用される。
【0042】
図5は、ゲートウェイ40の構成例を説明するためのブロック図である。図5に示すように、ゲートウェイ40は、プロセッサ41、メモリ42、有線コントローラ43および無線コントローラ44を備える。なお、プロセッサ41、メモリ42および有線コントローラ43の構成は、ゲートウェイ30のプロセッサ31、メモリ32および有線コントローラ33で説明したもの(図4参照)と同様である。
【0043】
無線コントローラ44は、メッシュネットワークを介さずに、携帯電話網ネットワーク等を介して、接続中のノード10,20とのパケットの送受信を行う。さらに無線コントローラ44は、接続を求めるパケットをノード20から受信し、接続を許可する場合には、接続許可を示す応答パケットをそのノード20へ送信する。これにより、そのノード20とゲートウェイ40との通信が確立する。
【0044】
[サーバ50]
サーバ50は、有線LANに接続されており、ゲートウェイ30,40からのパケットを受信することによって、ノード10,20で取得されたセンサ情報を管理する役割を果たす。
【0045】
図6は、サーバ50の構成例を説明するためのブロック図である。図6に示すように、サーバ50は、プロセッサ51、メモリ52および通信部53を備える。プロセッサ51は、サーバ50全体の動作を実現するための各種のプログラムの実行、演算処理、タイミング処理等を行う。
【0046】
通信部53は、ネットワークインターフェース機能を有しており、ゲートウェイ30,40との通信を行う。
【0047】
メモリ52は、ROMおよびRAMを含んでおり、プログラムやデータを蓄積する。管理テーブル521は、ゲートウェイとノードとの接続状態を管理するために設けられている。図7に管理テーブル521の構成例を示す。図7に示すように、管理テーブル521は、接続中のノードを識別するためのノードIDと、そのノードと接続しているゲートウェイのIPアドレスとが記録されている。
【0048】
プロセッサ51は、ノード10,20と通信を開始するときには、ノード10,20からのノードIDに基づいて、そのノードIDに対応するゲートウェイのIPアドレス宛てにパケットを送信する。プロセッサ51は、ノード10,20との通信を終了するときには、該当するノードに対応するテーブルのレコード部分を管理テーブル521から削除する。またプロセッサ51は、ノードとゲートウェイとの接続状態に変更があるときには、その状態を管理テーブル521に反映する。
【0049】
[ノード10の孤立状態]
次に、無線ネットワークシステム1においてノード10がゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となる態様について、図8および図9を参照して説明する。図8は、図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、4つのノード10i,10j,10k,10lがゲートウェイ30の管理下から孤立した状態例を示す図である。図9は、図1と同一の無線ネットワークシステムの例において、ノード20b,20cと接続されているノード10e〜10lがゲートウェイ30の管理下から孤立した状態例を示す図である。
【0050】
図8の例では、ノード10i,10j,10kと他のノード10g,10h,20b,20cとの間の接続が切断することによって、4つのノード10i,10j,10k,10lが、ゲートウェイ30の管理対象外となり、ゲートウェイ30の管理下から孤立する。さらに、4つのノード10i,10jとノード20b,20cとの間の接続が切断することによって、各ノード10i,10j,10k,10lが、ノード20b,20cを介して、ゲートウェイ40に対してパケットを送信することができなくなり、ゲートウェイ40の管理下からも孤立する。
【0051】
一方、図9の例では、ゲートウェイ30の管理下から孤立したノード20b,20cが、携帯電話網ネットワーク等(図9のノード20b,20cとゲートウェイ40との間を破線で示す。)を介してゲートウェイ40と接続することによって、ゲートウェイ30の管理下から孤立した各ノード10e,10f,10g,10h,10i,10lが、ノード20b,20cを介して、ゲートウェイ40に対してパケットを送信する。
【0052】
[ノード10の動作]
次に、接続中のゲートウェイ30の管理下からノード10が孤立した状態となった場合に、そのノード10がセンサ情報をバックアップする動作について図2および図8〜図10を参照して説明する。図10は、孤立状態を検出するノード10の動作の一例を示すフロー図である。
【0053】
図10では、一例として、接続中のゲートウェイ30に対してセンサ情報を送信するノード10が、定期的に、ゲートウェイ30に対して接続を確認するためのパケットを送信する場合の動作を示している。
【0054】
図10において先ず、切断検出部141は、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信したか否かに基づいて、ゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となったか否かを検出する(ステップS1)。
【0055】
ノード10の孤立状態が検出された場合には(ステップS1のYES)、そのノード10(図8の例では、ノード10i〜10l、図9の例では、ノード10e〜10l)がノード20の存在を確認するために以下の処理が行われる。すなわち、通信制御部16は、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットをブロードキャスト送信する。そして、ノード検出部142は、ノード20から存在を示す応答パケットを受信したか否かに基づいて、ノード20の存在の有無を検出する(ステップS2)。
【0056】
ノード20が検出されなかった場合には(ステップS2のYES)、ノード10(図8の例では、ノード10i〜10l)のプロセッサ12は、センサ11で取得されたセンサ情報を蓄積部13に蓄積する(ステップS3)。
【0057】
このセンサ情報の蓄積が行われることにより、ノード10は、再びゲートウェイ30との接続が行われた後は、孤立状態の間に取得されたセンサ情報を蓄積部13から取り出してゲートウェイ30に対して送信する。この場合には、センサ情報を受信したゲートウェイ30は、そのセンサ情報を転送先のサーバ50に対して送信する。これにより、サーバ50は、ゲートウェイ30からのセンサ情報を保存することが可能となっている。
【0058】
一方、ノード20が検出された場合には(ステップS2のNO)、ノード10(図9の例では、ノード10e、または、ノード10g〜10l)のプロセッサ12は、そのノード20(図9の例では、ノード20b、または、ノード20c)を介して、ゲートウェイ40に対してセンサ情報を送信する(ステップS4)。この場合には、センサ情報を受信したゲートウェイ40は、そのセンサ情報を転送先のサーバ50に対して送信する。これにより、サーバ50は、ゲートウェイ40からのセンサ情報を保存することが可能となっている。
【0059】
[無線ネットワークシステム1の動作]
以下、本実施形態の無線ネットワークシステム1の全体動作について、図8、図9、図11および図12を参照して説明する。図11は、ノード10がゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となった場合の全体動作を示すフロー図である。図12は、図8の状態において、ゲートウェイの管理下から孤立した状態となったノードが再びゲートウェイと接続された場合の無線ネットワークシステムの状態例を示す図である。
【0060】
図11では、一例として、ノード10iが、接続中のゲートウェイ30に対してパケットの送信を行う場合の無線ネットワークシステム1の全体動作を示している。
【0061】
図11において先ず、ノード10iとゲートウェイ30との間の通信が確立される(ステップS101)。
【0062】
ノード10iは、ゲートウェイ30を介してサーバ50に対し、自ノードのセンサ情報を含むパケットを送信する(ステップS102)。このパケットに基づいて、ノード10iのノードIDと、ゲートウェイ30のIPアドレスとがサーバ50の管理テーブル521に登録される。さらにセンサ情報がサーバ50に保存される。
【0063】
ここで、ノード10iとゲートウェイ30との間の通信が確立されると、ノード10iは、ゲートウェイ30に対して接続の確認をするためのパケットを送信する。ゲートウェイ30は、このパケットを受信すると、接続確認を示す応答パケットをノード10iへ送信する。この応答パケットを受信するか否かに基づいて、ノード10iは、ゲートウェイ30の管理下から孤立した状態となったか否か、すなわち、ゲートウェイ30との接続が切断したか否か検出する(ステップS103)。図8の例では、ノード10iが他のノード10g,20bとの接続が切断されたために、ステップS103において、ゲートウェイ30との接続が切断したと検出される。あるいは、図9の例においても、接続中のノード間の接続が切断されたために、ステップS103において、ゲートウェイ30との接続が切断したと検出される。
【0064】
ゲートウェイ30との切断が検出された場合には、ノード10iは、接続中の全ノードに対してノード20の存在を問い合わせるためのパケットを送信する(ステップS104)。ノード20は、このパケットを受信すると、存在を示す応答パケットをノード10iへ送信する。
【0065】
さらにノード10iは、ノード20が存在するか否か、すなわち、ゲートウェイ40の管理下から孤立した状態となったか否か検出する(ステップS105)。この検出は、ステップS104でパケットを送信した後に、ノード20から、存在を示す応答パケットを受信するか否かに基づいて行われる。図8の例では、ノード10iがノード20と接続されていないために、ステップS105において、ノード20が存在しないと検出される。一方、図9の例では、接続中のノード20bが存在するために、ステップS105において、ノード20bが存在すると検出される。
【0066】
ノード20が存在しないと検出された場合(ステップS105のNO)には、ノード10iは、センサ11で検出されたセンサ情報を取得時間とともに蓄積部13に蓄積する(ステップS106)。
【0067】
図11には図示されていないが、ノード10iは、ステップS103でゲートウェイ30との切断を検出した後も、ゲートウェイ30に対して接続の確認をするためのパケットを送信し続ける。そして、ノード10iが、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信した場合には、以後、ノード10iとゲートウェイ30との間の接続が再び行われる。これにより、ノード10iは、新規に取得されるセンサ情報をゲートウェイ30に対して送信するとともに、ステップS106で蓄積したセンサ情報をゲートウェイ30に対して送信する(ステップS107)。図12の例では、ノード10iがノード10gと接続するために、ノード10iは、ノード10gを介してセンサ情報をゲートウェイ30へ送信する。
【0068】
ステップS106で蓄積したセンサ情報の送信は、取得時間が最新のものから優先的に行われる。この場合には、ノード10iは、蓄積部13を参照して、取得時間が新しいセンサ情報を取り出して送信する。
【0069】
ステップS104の処理が完了し、ノード20bが、ノード10iから、ノード20の存在を問い合わせるためのパケットを受信した場合には、ノード20bは、ノード10iに対して自ノード20bの存在を示す応答パケットを送信する。
【0070】
さらにノード20bは、携帯電話網ネットワークを介してゲートウェイ40に対して接続を求めるパケットを送信し、ゲートウェイ40から接続許可を示す応答パケットを受信すると、ノード20bとゲートウェイ40との間の通信が開始される(ステップS108)。この場合には、ノード10iは、パケットの送信先を、すでに接続中のゲートウェイ30からゲートウェイ40に切り替える。
【0071】
ステップS105において、ノード20が存在すると検出された場合(YES)には、ノード10iは、センサ11で取得されたセンサ情報を含むパケットを、ノード20を経由してゲートウェイ40に送信する(ステップS109)。図9の例では、ノード10iがノード20bと接続するために、ノード10iは、センサ情報を含むパケットを、ノード20bを経由してゲートウェイ40へ送信する。ゲートウェイ40は、ノード10iのセンサ情報をサーバ50に送信する(ステップS110)。
【0072】
なお、その後、ノード20bは、例えば、ノード10iからのパケットを受信してから所定の期間、ノード10iからのパケットを受信しなくなった場合には、ゲートウェイ40との接続を切断する。あるいは、このゲートウェイ40との接続の切断は、ノード10iの場合と同様に、以下のタイミングで行われるようにしてもよい。すなわち、ノード20bは、ステップS108でゲートウェイ40との通信を開始した後、任意のタイミングでゲートウェイ30に対して接続の確認をするためのパケットを送信し続ける。そして、ノード20bが、ゲートウェイ30から、接続確認を示す応答パケットを受信した場合に、ゲートウェイ40からゲートウェイ30への接続に切り替える。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の無線ネットワークシステム1は、複数のゲートウェイの管理下からノードが孤立した状態となった場合には、センサ情報の送信を停止し、そのセンサ情報を蓄積する。これにより、このノードのセンサ情報が保持される。
【0074】
以上の実施形態に関し、さらに以下の構成を開示する。
複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置であって、
センサ情報を取得するセンサと、
上記センサ情報を、上記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、
上記複数のゲートウェイのうちの接続中のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、
上記孤立した状態となったときに、上記無線ネットワークを介さずに他のゲートウェイと接続を切り替える回線コントローラと
を備えたことを特徴とするノード装置。
【0075】
なお、この実施形態では、2つのゲートウェイを設ける場合について説明したが、3つ以上のゲートウェイを備えるようにしてもよい。この場合には、ノード10は、どのゲートウェイの管理下からも孤立の状態になったときに、センサ情報の送信を停止して蓄積する。
【0076】
また、この実施形態では、接続先が固定のメッシュネットワークの場合について説明したが、随時接続先の変更を可能とするアドホックネットワークなどであってもよい。
【0077】
また、ノード10,20、ゲートウェイ30,40およびサーバ50のハードウェア構成、動作手順およびテーブル構成は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10a〜10l ノード装置
11,21 センサ
12,22 プロセッサ
13,23 蓄積部
14,24 検出部
15,25 無線通信部
16,26 通信制御部
20a〜20c 第2のノード装置
30 第1ゲートウェイ
40 第2ゲートウェイ
50 サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置であって、
センサ情報を取得するセンサと、
前記センサ情報を、前記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、
前記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、
前記孤立した状態となったときに、前記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部と
を備えたことを特徴とするノード装置。
【請求項2】
前記無線ネットワークは、接続先のゲートウェイの切り替えが可能な第2のノード装置を含んでいる場合、
前記検出部は、接続中のゲートウェイとの切断の有無を検出する切断検出部と、前記切断が検出されたときに、自ノード装置に接続可能な前記第2のノード装置の存在の有無を検出するノード検知部とを有し、
前記蓄積部は、前記ゲートウェイとの切断が検出され、かつ、前記第2のノード装置の不存在が検出された場合に、前記センサ情報を蓄積することを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
無線ネットワークを形成する複数のノード装置と、前記各ノード装置と接続可能な複数のゲートウェイとを備えた無線ネットワークシステムであって、
前記複数のノード装置の各々は、
センサ情報を取得するセンサと、
前記センサ情報を、前記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、
前記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、
前記孤立した状態となったときに、前記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部と
を備えたことを特徴とする無線ネットワークシステム。
【請求項4】
複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置によるバックアップ方法であって、
センサ情報を取得するステップと、
前記センサ情報を、前記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信するステップと、
前記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出するステップと、
前記孤立した状態となったときに、前記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積するステップと
を含むことを特徴とするバックアップ方法。
【請求項1】
複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置であって、
センサ情報を取得するセンサと、
前記センサ情報を、前記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、
前記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、
前記孤立した状態となったときに、前記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部と
を備えたことを特徴とするノード装置。
【請求項2】
前記無線ネットワークは、接続先のゲートウェイの切り替えが可能な第2のノード装置を含んでいる場合、
前記検出部は、接続中のゲートウェイとの切断の有無を検出する切断検出部と、前記切断が検出されたときに、自ノード装置に接続可能な前記第2のノード装置の存在の有無を検出するノード検知部とを有し、
前記蓄積部は、前記ゲートウェイとの切断が検出され、かつ、前記第2のノード装置の不存在が検出された場合に、前記センサ情報を蓄積することを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
無線ネットワークを形成する複数のノード装置と、前記各ノード装置と接続可能な複数のゲートウェイとを備えた無線ネットワークシステムであって、
前記複数のノード装置の各々は、
センサ情報を取得するセンサと、
前記センサ情報を、前記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信する送信部と、
前記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出する検出部と、
前記孤立した状態となったときに、前記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積する蓄積部と
を備えたことを特徴とする無線ネットワークシステム。
【請求項4】
複数のゲートウェイと接続可能に構成され、無線ネットワークを形成するノード装置によるバックアップ方法であって、
センサ情報を取得するステップと、
前記センサ情報を、前記無線ネットワークを介して、自ノード装置に接続されているゲートウェイに送信するステップと、
前記複数のゲートウェイの管理下から自ノード装置が孤立した状態となったか否かを検出するステップと、
前記孤立した状態となったときに、前記センサ情報の送信を停止して当該センサ情報を蓄積するステップと
を含むことを特徴とするバックアップ方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−235311(P2012−235311A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102411(P2011−102411)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
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