説明

ノード装置、終端装置および通信制御方法

【課題】周波数切り替え処理を低コストで実施可能なマルチホップ無線システムを実現するノード装置を得ること。
【解決手段】本発明は、ツリー構造のマルチホップネットワークの頂点となる終端装置とともにマルチホップネットワークを形成するノード装置であって、1ホップ上位の終端装置または1ホップ上位の他のノード装置である1ホップ上位装置との間の無線伝播環境の悪化を検出した場合に、自装置を含む所定範囲内に位置している他のノード装置および終端装置が所定範囲内における通信で使用する周波数を、それまで使用していた第1の周波数とは異なる第2の周波数へ変更するよう要求するための周波数変更要求を1ホップ上位装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチホップ無線システムを形成するノード装置、終端装置、およびマルチホップ無線通信システムで使用する通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なマルチホップ無線システムにおいては、端末(ノード)間にて相互に通信を行うことによりデータを収集する。例えば、複数のノードとノードを収容する終端装置とによって形成されたマルチホップ無線システムにおいては、複数のノードをホッピングさせることによって、終端装置または終端装置の上位の装置が各ノードからデータを収集する。すなわち、ある装置がシステム内のノードで測定されたデータを収集することを目的としたマルチホップ無線システムは、終端装置の配下にツリー状にノードが収容されて形成されており、各ノードは、測定したデータを上位のノードに対して送信し、下位のノードからデータを受信したノードは、受信したデータをさらに上位のノードに送信することで、終端装置に対してデータを送信する。このような手順によって、終端装置または終端装置のさらに上位の装置は、各ノードで測定されたデータを収集する。
【0003】
上述したようなマルチホップ無線システムにおいては、終端装置と、終端装置に対してデータを送信する複数のノードとの間で、単一の無線周波数を使用する構成をとっている。他システム等からの電波干渉等によって使用中の無線周波数における伝播環境が悪化した場合には、使用する周波数を変更するなどの措置が取られる。
【0004】
例えば、特許文献1に記載されたセンサネットワークシステムでは、干渉等の発生に伴ってマルチホップ通信で使用している単一無線周波数を変更する必要が生じると、センサネットワークシステムを形成している各ノードの重要度(例えば、終端装置に近いものほど重要度が大きいとする)に応じて重み付けした指標を用い、最適な周波数への切り替えを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−245725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のマルチホップ無線システムでは、通信品質(伝播環境)が悪化した場合、終端装置配下の全てのノードにおいて周波数切り替えを行う必要があるため、以下のような問題があった。すなわち、ネットワーク規模が大きくなると切り替え対象となるノードの台数が多くなるので、周波数切り替え処理にかかるメッセージ量が大きくなり、周波数切り替えのコスト(処理負荷、所要時間、トラフィック量、など)が増大する、という問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、伝播環境が悪化した場合に通信品質を改善する(伝播環境を良化させる)ための周波数切り替え処理を低コストで実施可能なマルチホップ無線システムを実現するノード装置、終端装置および通信制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ツリー構造のマルチホップネットワークの頂点となる終端装置とともに前記マルチホップネットワークを形成するノード装置であって、1ホップ上位の前記終端装置または1ホップ上位の他のノード装置である1ホップ上位装置との間の無線伝播環境の悪化を検出した場合に、自装置を含む所定範囲内に位置している他のノード装置および終端装置が当該所定範囲内における通信で使用する周波数を、それまで使用していた第1の周波数とは異なる第2の周波数へ変更するよう要求するための周波数変更要求を前記1ホップ上位装置へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、伝播環境が悪化した場合に、悪化している箇所を含む一定範囲においてのみ周波数を切り替えて伝播環境を良化させることが可能となるので、伝播環境が悪化した場合の周波数切り替え処理にかかるコストを低く抑えることが可能なマルチホップ無線システムが得られる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明にかかるマルチホップ無線システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、ノードの構成例を示す図である。
【図3】図3は、無線伝播環境が悪化した場合の制御手順の一例を示す図である。
【図4】図4は、周波数変更通知を受信したノードがその後に実施する動作を決定する手順の一例を示す図である。
【図5】図5は、干渉検出ノードが親ノードから周波数変更通知を受信できなかった場合の動作例を示す図である。
【図6】図6は、干渉検出ノードが子ノードから周波数変更完了を受信できなかった場合の動作例を示す図である。
【図7】図7は、干渉検出ノードが終端装置まで所定のホップ数より小さい場合の制御手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかるノード装置、終端装置および通信制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる終端装置およびノード装置(以下、ノードと記載する)を含むマルチホップ無線システムの構成例を示す図である。本発明にかかるマルチホップ無線システムは、上位サーバ1と、複数の終端装置2と、複数のノード3とにより構成されている。なお、終端装置2およびノード3は、1台以上であればよい。各終端装置2は同じ機能を有し、各ノード3は同じ機能を有している。上位サーバ1は終端装置2を収容している。上位サーバ1と終端装置2は、有線通信路または無線通信路を介して接続されている。終端装置2はノード3を収容している。終端装置2とノード3は無線通信路を介して接続されている。終端装置2に直接収容されていないノード3は、無線通信路を介して他のノード3と接続されている。図1においては接続関係にある装置同士(直接通信を行う装置同士)を直線で結んでいる。なお、図1では、終端装置2に直接収容されているノード3(終端装置2と直接通信するノード3)が1台となっているが、1台の終端装置2に対して複数のノード3が直接収容される構成であってもよい。
【0013】
ノード3は、所定のセンシング機能を有しており、上位サーバ1から指示を受けた場合や予め規定されたタイミングなどにおいて測定を行う。また、他のノード3や終端装置2から信号を受信した場合、転送する必要があるかどうかを確認し、転送が必要な場合には転送処理を行う。
【0014】
終端装置2は、ノード3における測定結果を示す測定データを、収容している各ノード3から収集し、上位サーバ1へ転送する。
【0015】
上位サーバ1は、終端装置2を介して、各ノード3から測定データを収集する。このとき、終端装置2に直接収容されていないノード3での測定データは、隣接したノード3を介してマルチホップ転送され、やがて終端装置2に到達し、さらに、終端装置2から上位サーバ1へ転送される。
【0016】
図2は、ノード3の構成例を示す図である。図示したように、ノード3は、アンテナ31、無線通信部32、メッセージ送信部33、メッセージ受信部34、エラーカウント部35、周波数指示部36および計測部37を備えている。
【0017】
無線通信部32は、アンテナ31を介して他の無線通信機器(終端装置2または他のノード3)との間で無線信号(フレーム)を送受信する。なお、周波数指示部36から指示された無線周波数(以下、単に「周波数」と記載する)を使用する。
【0018】
メッセージ送信部33は、制御情報や測定データ等をメッセージ化して他の無線通信機器または上位サーバ1宛に送信する。
【0019】
メッセージ受信部34は、他の無線通信機器または上位サーバ1から送信されたメッセージを受信する。受信するメッセージとしては、使用する周波数が変更となったことを通知するメッセージである周波数変更通知、通信で使用している周波数における伝播環境が悪化したことを検出した他のノード3が周波数の変更を要求するために送信したメッセージである周波数変更要求、などがある。周波数変更要求を受信した場合には、システムで使用可能な周波数の中から、要求元のノード3との通信で使用する周波数(それまで使用していた周波数は除く)を選択する。なお、選択結果は、周波数変更通知として、メッセージ送信部33から要求元のノード3へ送信される。
【0020】
エラーカウント部35は、送信フレーム(メッセージ送信部33で生成したメッセージを無線通信部32がフレーム化して送信したもの)に対するACKを受信しなかった、またはパケットのFCS(フレームチェックシーケンス)誤りの数等を計測し、単位時間あたりのフレームの受信誤り数(受信誤り率)を算出する。算出した受信誤り率がある閾値以上となった場合や、過去の適当な時間における受信誤り率と比較して値の偏移が大きい等の条件を満たした場合には、干渉等による通信品質の劣化(無線伝播環境の悪化)が発生したと判断し、使用周波数の変更動作(詳細は後述する)の開始契機とする。
【0021】
なお、送信フレームに対するACKを受信しなかったことは、メッセージ送信部33およびメッセージ受信部34から得られる情報、具体的には、フレームの送信およびフレームの受信の情報を確認することにより検出する。FCS誤りの数は、FCS誤りが発生したときにその旨を無線通信部32から通知してもらうなどしてカウントする。無線通信部32が一定時間における誤り数をカウントし、カウント結果をエラーカウント部35へ通知するようにしてもよい。
【0022】
周波数指示部36は、無線通信部32に対して、使用する周波数を通知する。使用する周波数は、上位のノード3などによって決定される。決定された使用周波数が通知されてきた場合、使用周波数を記憶しておき、所定のタイミングで無線通信部32に通知する。なお、使用周波数は複数記憶することが可能であり、複数記憶している場合には、記憶している各周波数を順次切り替えて使用するよう無線通信部32に指示する。詳細については別途説明するが、周波数指示部36の動作概要は以下の通りである。例えば、メッセージ受信部34が周波数変更要求を受信し、それに伴って周波数が選択された場合(変更後に使用する周波数が決定され、決定結果が通知されてきた場合)、周波数指示部36は、選択された周波数を使用して通信を行うよう無線通信部32へ指示を行う。また、メッセージ受信部34が周波数変更通知を受信した場合には、受信した周波数変更通知が示している周波数(新周波数)と、それまで使用していた周波数(旧周波数)とを時間的に切り替えて通信するよう無線通信部32へ指示を行う(使用周波数を複数記憶している場合の動作に該当)。すなわち、周波数変更通知を受信した場合には、所定時間ごとに新周波数と旧周波数を切り替えながらフレームの送受信を行うよう無線通信部32に指示を行う。これは、周囲の無線通信機器の中に、旧周波数を使用して通信を行っているものと新周波数を使用して通信を行っているものが混在している可能性があり、旧周波数を使用している無線通信機器との通信を維持できるようにするためである。また、周波数変更通知を受信した場合、周波数指示部36は、必要に応じて周波数変更通知を他のノード3へ送信する。周波数変更通知の受信および周波数変更通知の送信を行った後、送信した周波数変更通知に対する応答である周波数変更完了通知を受信した場合には、無線通信部32に対して旧周波数と新周波数を時間的に切り替えて通信するように指示することは終了し、新周波数のみを使用して通信するように指示する。すなわち、周波数変更完了通知の受信を契機として、旧周波数を使用周波数から削除する。
【0023】
計測部37は、温度や湿度、電力使用量など、上位サーバ1が必要としている各種データを得るための計測を行う。なお、図2では、ノード3に計測部37が含まれる構成としているが、ノード3の外部(別の装置)としても構わない。
【0024】
以上のような構成のマルチホップ無線システムでは、一部のノード3において干渉等により無線伝播環境が悪化したことを検出した場合の制御動作に特徴を有する。以下、無線伝播環境が悪化した場合の制御動作について詳しく説明する。
【0025】
図3は、無線伝播環境が悪化した場合の制御手順の一例を示す図である。この制御は、システム内の一部のノード3が使用周波数を変更するためのものである。図3に示した親ノード、干渉検出ノード、子ノード、孫ノードAおよび孫ノードBは、すべてノード3である。図3およびこれ以降の説明においては、複数存在しているノード3を区別するとともに各ノード3の接続関係を分かり易くするために、このように表現している。各ノードについては次のように定義する。
【0026】
「干渉検出ノード」は、無線伝播環境の悪化を検出したノード3である。「親ノード」は、干渉検出ノードを直接収容しているノード3(干渉検出ノードから1ホップ上位のノード3)である。「子ノード」は、干渉検出ノードに直接収容されているノード3(干渉検出ノードから1ホップ下位のノード3)である。「孫ノードA」は、子ノードに直接収容されているノード3(干渉検出ノードから2ホップ下位のノード3)である。「孫ノードB」は、孫ノードAに直接収容されているノード3(干渉検出ノードから3ホップ下位のノード3)である。なお、干渉検出ノードが終端装置2に直接収容されている場合には、終端装置2が親ノードとなる。よって、終端装置2は、以下に示す親ノードとして動作する機能も有している。
【0027】
本実施の形態のマルチホップ無線システムにおいて、各ノード3は、上述したように、エラーカウント部35でACKの未受信やFCS誤りの発生状況などを利用して干渉発生(無線伝播環境の悪化)の有無を監視しており、干渉発生を検出した場合には、図3に示した干渉検出ノードとして動作する。また、干渉検出ノードとして動作するノード3の周囲の他のノード3は、図3に示した親ノード、子ノードまたは孫ノードとして動作する。
【0028】
すなわち、図3に示したように、干渉検出ノードは、干渉を検出すると、親ノードに対して周波数変更要求を送信する(ステップS11,S12)。親ノードは干渉検出ノードとの通信で使用している周波数を認識しているが、現在使用中の周波数の情報を周波数変更要求に含ませて明示的に通知するようにしてもよい。なお、この時点において、干渉検出ノードの周波数指示部36は、使用周波数として単一の周波数を記憶しているものとする。
【0029】
周波数変更要求を受信した親ノードは、システムで使用可能な周波数のうち、干渉検出ノードで使用中の周波数以外の1つを選択し(ステップS13)、選択した周波数を、干渉検出ノードとの通信で使用する周波数として、使用周波数に追加する(ステップS14)。このステップS14を実行した後、親ノードは、ステップS13で選択した周波数を含む複数の使用周波数を、時間的に切り替えて使用する。例えば、使用周波数としてf1およびf2が設定されている場合には、一定時間ごとにf1とf2を切り替えながら、隣接しているノード3と通信する。使用周波数が3以上の場合の動作も同様である。なお、親ノードは、隣接している各ノードが使用中の周波数を認識しているので、送信動作では送信先(ノード3または終端装置2)に応じた周波数(送信先が使用している周波数)で信号を送信し、受信動作(f1での受信動作とf2での受信動作)のみを一定時間ごとに切り替えるようにしてもよい。このとき、ブロードキャスト送信については、複数の使用周波数それぞれを順番に使用して同じ内容の信号を送信すればよい。このような動作を行うのは、親ノードが干渉検出ノードとの通信で使用する周波数と、親ノードが干渉検出ノード以外の無線通信機器との通信で使用する周波数とが不一致状態となっているためである。親ノードが無線通信部32を複数備え、かつ無線通信部32の数よりも使用周波数の数が少ない場合には、複数の使用周波数を時間的に切り替えて使用する必要はない。
【0030】
また、親ノードは、ステップS14を実行すると、次に、ステップS13で選択した周波数を干渉検出ノードに通知するために、選択した周波数の情報を含んだ周波数変更通知を送信する(ステップS15)。周波数変更通知はブロードキャストすることとし、そのTTL(Time To Live)には、周波数変更が一体範囲内のノード3においてのみ実施されるように考慮した値を設定する。TTL値は、マルチホップ無線システムの規模や仕様などに基づいて予め決定され、各ノードで記憶しているものとする。
【0031】
干渉検出ノードは、親ノードから周波数変更通知を受信すると、図4に示した手順に従って、実施する動作を決定する(ステップS16)。なお、図4は、周波数変更通知を受信したノード3がその後に実施する動作を決定する手順の一例を示す図である。
【0032】
図4に示したように、干渉検出ノードは、周波数変更通知を受信すると、そのTTLを確認し、TTL>1の場合(ステップS61:Yes)、周波数の追加およびメッセージ(周波数変更通知)の転送を実施することに決定する(ステップS62)。TTL>1ではない場合(ステップS61:No)、周波数追加のみを実施することに決定する(ステップS63)。ただし、周波数変更通知が親ノード以外のノードから送信されたものである場合、例えば、下位のノード3から送信されたものである場合、無視する。転送動作も実施しない。
【0033】
干渉検出ノードは、周波数変更通知を受信した後に実施する動作を図4に示した手順に従って決定すると、決定した動作を実行する。ここでは、周波数変更通知のTTL値が1より大きく(TTL>1)、周波数の追加とメッセージの転送を実施することに決定したものとして説明を続ける。
【0034】
干渉検出ノードは、ステップS16を実行すると、次に、周波数変更通知によって親ノードから通知された周波数(新周波数とする)を使用周波数に追加する(ステップS17)。この結果、干渉検出ノードは、それまで使用していた周波数(伝播環境が悪化している周波数、旧周波数とする)と新周波数とを使用周波数として記憶した状態となり、旧周波数と新周波数を切り替えながら無線信号を送受信するようになる。
【0035】
ステップS17での使用周波数追加が完了すると、干渉検出ノードは、その旨を示す周波数変更完了(ステップS15で受信した周波数変更通知に対する応答メッセージ)を親ノードへ送信する(ステップS18)。また、子ノードに対して、周波数変更通知を転送する(ステップS19)。
【0036】
子ノードは、干渉検出ノードから周波数変更通知を受信すると、干渉検出ノードが親ノードから周波数変更通知を受信した場合と同様の処理を実施する(ステップS20〜S22、S24)。すなわち、ステップS20〜S22およびS24は、上述したステップS16〜S19と同様の処理である。なお、子ノードは、下位のノードから周波数変更通知を受信した場合には、無視する。
【0037】
また、干渉検出ノードは、子ノードから周波数変更完了を受信すると、子ノードが新周波数(上記ステップS15で親ノードから通知された周波数)を使用した通信を開始したと判断し、旧周波数(伝播環境が悪化している周波数)を使用周波数から削除する(ステップS23)。この結果、上記ステップS15で新周波数のみを使用周波数として記憶した状態となる。すなわち、旧周波数と新周波数を切り替えながら行う送受信動作を終了し、新周波数のみを使用した送受信動作を開始する。子ノードが孫ノードAから周波数変更完了を受信した場合の動作(ステップS28)も同様である。これに対して、親ノードは、干渉検出ノードから周波数変更完了を受信しても旧周波数を使用周波数から削除しない。親ノードは、図示を省略した他の無線通信機器(終端装置2または他のノード3)との通信で旧周波数を使用し続けるためである。
【0038】
なお、干渉検出ノードおよび子ノードは、周波数変更通知を受信し、図4に従った動作によって、周波数追加動作のみを実施する(周波数変更通知の転送を実施しない)ことに決定した場合、下位に他のノード3が存在しているか否かに応じて、以下のように動作する。すなわち、下位に他のノード3が存在している場合、周波数変更通知の転送を実施しないことに決定すると、周波数追加および周波数変更完了通知の返送を行って、旧周波数と新周波数を切り替えながら行う送受信動作を開始し、その後、新周波数のみを使用した送受信動作へは遷移しない。周波数変更通知の転送を実施しない場合、下位のノード3との通信で使用する周波数は変更されないためである。これに対して、下位に他のノード3が存在していない場合には、周波数変更通知の転送を実施しないことに決定すると、周波数追加および周波数変更完了通知の返送を行うとともに、それまで使用していた周波数(旧周波数)を使用周波数から削除し、新周波数のみを使用した送受信動作をすぐに開始する(旧周波数と新周波数を切り替えながら行う送受信動作への遷移を省略する。下位に他のノード3が存在していないので、旧周波数を使用して通信する相手が存在しないためである。下位に他のノード3が存在しているかどうかは、他のノード3によるマルチホップ無線システムへの参入動作を監視することで認識可能である。また、下位のノード3により送信された信号を一定時間受信しなかった場合に、下位に他のノード3が存在していないと判断してもよい。
【0039】
子ノードの下位に位置している孫ノードAおよび孫ノードBの動作(ステップS25〜S29、…)は、子ノードと同様である。
【0040】
なお、上記のステップS18については実行しなくてもよい。すなわち、干渉検出ノードは、周波数追加を行った後、親ノードに対して周波数変更完了を送信しなくてもよい。干渉検出ノードよりも下位のノードは、周波数追加を行った場合、周波数変更完了の送信を必須とする。
【0041】
また干渉検出ノードは、周波数変更要求に対する応答として周波数変更通知を受信できなかった場合、および、周波数変更通知に対する応答として周波数変更完了を受信できなかった場合には、メッセージを再送する。同様に、干渉検出ノードの下位のノード(子ノード、孫ノード)は、周波数変更通知に対する応答として周波数変更完了を受信できなかった場合、メッセージを再送する。以下、詳細な動作を説明する。
【0042】
(親ノードから周波数変更通知を受信できなかった場合の動作)
干渉検出ノードは、周波数変更要求を送信したが、それに対する応答である周波数変更通知を受信できなかった場合、再度干渉を検出し、周波数変更要求を送信する。対応するシーケンスを図5に示す。または、干渉検出ノードが周波数変更要求を送信した段階でタイマを設定し、タイマの満了をもって周波数変更要求を再送信する。図5においては、図3に示した処理と同じ処理に同一のステップ番号を付している。また、ステップS31〜S35では、図3に示したステップS11〜S15と同様の処理を行う。
【0043】
(子ノードから周波数変更完了を受信できなかった場合の動作)
干渉検出ノードは、周波数変更通知を送信後、これに対する応答である周波数変更完了を一定時間内に受信できなかった場合、周波数変更通知を再送信する。対応するシーケンスを図6に示す。図6においては、図3に示した処理と同じ処理に同一のステップ番号を付している。また、ステップS41〜S43では、図3に示したステップS19、S22およびS23と同様の処理を行う。なお、子ノードは、干渉検出ノードから最初に送信された周波数変更通知を正常に受信するとともに周波数追加などを行った後、正常に受信済みのものと同じ周波数変更通知を再度受信した場合には、周波数追加などを行わずに直ちに周波数変更完了を送信する。干渉検出ノードの下位のノードにおいても同様とする。
【0044】
このように、本実施の形態のマルチホップ無線システムでは、あるノードが上位装置(ノードまたは終端装置)との通信で使用している周波数における伝播環境の劣化を検出した場合、上位装置と上位装置からNホップ下位のノード(Nは2以上の整数)との間に位置しているノードの使用周波数をそれまで使用していた第1の周波数から第2の周波数に変更するとともに、上位装置および上位ノードからNポップ下位のノードが、第1の周波数と第2の周波数を切り替えて使用しながら無線信号の送受信を行うこととした。これにより、伝播環境が悪化した場合に、悪化している箇所を含む一定範囲においてのみ周波数を切り替えて伝播環境を良化させることが可能となるので、周波数切り替え処理にかかるコストを低く抑えることができる。なお、上記のNは、上位装置から送信される周波数変更通知のTTL(TTLの初期値)に依存する。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態2について説明する。なお、マルチホップ無線システムおよびノード3の構成は実施の形態1と同様とする(図1および図2参照)。本実施の形態では実施の形態1と異なる事項についてのみ説明し実施の形態1と共通する事項については説明を省略する。
【0046】
実施の形態1では、周波数を切り替えるノード3を、干渉を検知したノード3の下位ノードとしたが、本実施の形態では、干渉を検知したノード3から終端装置2までのホップ数が小さい値である場合には、干渉を検知したノード3から終端装置2までの間に位置しているノード3(上位ノード)に対し、周波数の変更を要求する。この一方で、干渉を検出したノード3(干渉検出ノード)は、周波数を追加し、新周波数と旧周波数を切り替えながら行う送受信動作に遷移する。
【0047】
図1に示したような、終端装置2を介して上位サーバ1とノード3が通信する構成のマルチホップ無線システムでは、終端装置2に近く、終端装置2までのホップ数が小さいノードほど、他ノードから送信されたトラヒックが集中することから、無線リソースの空きが少なくなる。このため、本実施の形態では、干渉検出ノードと終端装置2との間のホップ数が少ない場合、干渉検出ノードと終端装置2との間のノードは同一の新周波数を使用する。また、干渉検出ノードよりも下位のノード(子ノード)において、新周波数と旧周波数の切り替え動作を行う。これらの動作により、無線リソースの空きが少ない終端装置2近傍において更なる無線リソース低下を発生させることを回避しながら、無線周波数の切り替え対象となるノード台数を最小化しつつ、干渉回避を行うことが可能となる。
【0048】
図7は、本実施の形態のマルチホップ無線システムにおいて無線伝播環境が悪化した場合の制御手順の一例を示す図である。図7では、終端装置2までのホップ数が小さいノード3が干渉検出ノードとなる場合の制御手順を示している。干渉を検出したノード3と終端装置2までのホップ数は3である。
【0049】
図7に示すように、本実施の形態のマルチホップ無線システムにおいて、干渉検出ノードは、干渉を検出すると、まず、親ノードに対して周波数変更要求を送信する(ステップS71,S72)。なお、ステップS71およびS72で干渉検出ノードが実行する処理は、実施の形態1のステップS11およびS12と同じ処理である。
【0050】
干渉検出ノードから周波数変更要求を受信した親ノードは、終端装置2までのホップ数を参照し、ホップ数がシステムであらかじめ規定する値より小さい場合には、自ノードの上位ノードに対し、周波数変更要求を転送する。なお、システムで規定する値より大きい値の場合は、実施の形態1で説明した制御(図3参照)のステップS13以降と同様の動作を実行する。また、親ノードにおいて、終端装置2との間のホップ数を参照するのではなく、干渉検出ノードが、終端装置2までのホップ数を参照し、システムで規定する値より大きい場合には、その旨の情報を周波数変更要求に含めて親ノードへ送信してもよい。
【0051】
親ノードの上位ノードは、1ホップ下位のノード(図7の例では親ノードとなる)によって転送された周波数変更要求を受信した場合、更に上位のノード(上位のノード3または終端装置2、図7の例では終端装置2となる)へ周波数変更要求を転送する。この結果、周波数変更要求は終端装置2まで到達することになる。
【0052】
終端装置2は、周波数変更通知を受信すると、周波数選択および周波数追加を行う(ステップS73およびS74)。これらのステップS73およびS74は、実施の形態1のステップS13およびS14と同じ処理である。終端装置2は、ステップS74の周波数追加が完了すると、旧周波数と新周波数を切り替えながら送受信動作を行う。
【0053】
また、終端装置2は、ステップS74の処理が完了すると、1ホップ下位のノードである親ノードの上位ノードに対して、ステップS73で選択した周波数を通知するための周波数変更通知を送信する(ステップS75)。このステップS75は実施の形態1のステップS15と同じ処理である。なお、周波数変更通知はブロードキャストすることとし、そのTTL(Time To Live)には、干渉検出ノードまでのホップ数よりも長い値を設定する。周波数の変更を行うノード数を最小限とするには「TTL=干渉検出ノードまでのホップ数+1」とするのが望ましい。
【0054】
親ノードの上位ノードは、終端装置2から周波数変更通知を受信すると、図4に示した手順に従い、実施する動作を決定する(ステップS76)。このステップ76は実施の形態1のステップS16と同じ処理である。実施する動作を決定した親ノードの上位ノードは、周波数変更通知によって通知された周波数(新周波数)を使用周波数に追加する(ステップS77)。さらに、終端装置2へ周波数変更完了を通知するとともに、下位の親ノードへ周波数変更通知を転送する(ステップS78,S80)。これらのステップS77,S78,S80は、実施の形態1のステップS17,S18,S19と同じ処理である。
【0055】
終端装置2は、周波数変更完了を受信すると、旧周波数(伝播環境が悪化している周波数)を使用周波数から削除する(ステップS79)。このステップS79は実施の形態1のステップS23と同じ処理である。ステップS79を行った終端装置2は、旧周波数と新周波数を切り替えながら送受信を行っていた状態から、新周波数のみで送受信を行う状態に遷移する。
【0056】
以降、親ノードおよび干渉検出ノードは、それぞれ、ステップS81〜S85、ステップS86〜S90の各処理を実行する。ステップS81〜S85およびステップS86〜S90は、ステップS76〜S80と同じ処理である。
【0057】
図7では記載を省略しているが、子ノードは、干渉検出ノードから周波数変更通知を受信すると、通知された周波数を使用周波数に追加し、以降、追加した新周波数と旧周波数を切り替えながら送受信動作を行う。この動作は、実施の形態1の親ノードがステップS14を実行した後の動作と同じである。
【0058】
このように、本実施の形態のマルチホップ無線システムでは、干渉を検知したノードから終端装置2までのホップ数が小さい値である場合、終端装置2と終端装置2からNホップ下位のノード(Nは干渉を検出したノードから終端装置2までのホップ数よりも大きな整数)との間に位置しているノードの使用周波数をそれまで使用していた第1の周波数から第2の周波数に変更するとともに、終端装置2および終端装置2からNポップ下位のノードが、第1の周波数と第2の周波数を切り替えて使用しながら無線信号の送受信を行うこととした。これにより、終端装置2の近傍において無線リソースが低下するのを回避しつつ干渉の回避を実現できる。また、干渉を検出したノードの1ホップ下位のノード(子ノード)が旧周波数と新周波数を切り替えながら送受信を行う構成とすることにより、周波数の変更を行うノード数を最小限とすることができる。すなわち、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、さらに、終端装置2の近傍において無線リソースが低下するのを回避できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明は、伝播環境が悪化した場合に実施する周波数変更を低コストで実施可能なマルチホップ無線システムとして有用である。
【符号の説明】
【0060】
1 上位サーバ、2 終端装置、3 ノード、31 アンテナ、32 無線通信部、33 メッセージ送信部、34 メッセージ受信部、35 エラーカウント部、36 周波数指示部、37 計測部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツリー構造のマルチホップネットワークの頂点となる終端装置とともに前記マルチホップネットワークを形成するノード装置であって、
1ホップ上位の前記終端装置または1ホップ上位の他のノード装置である1ホップ上位装置との間の無線伝播環境の悪化を検出した場合に、自装置を含む所定範囲内に位置している他のノード装置および終端装置が当該所定範囲内における通信で使用する周波数を、それまで使用していた第1の周波数とは異なる第2の周波数へ変更するよう要求するための周波数変更要求を前記1ホップ上位装置へ送信することを特徴とするノード装置。
【請求項2】
下位のノード装置から前記周波数変更要求を受信した場合、自装置から所定ホップ下位のノード装置までの範囲内における通信で使用する第2の周波数を決定し、当該決定した第2の周波数を当該範囲内のノード装置へ通知するための周波数変更通知を送信するとともに、当該第2の周波数と当該第2の周波数を決定する前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始することを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
下位のノード装置から前記周波数変更要求を受信した場合、前記終端装置までのホップ数が所定値よりも小さければ、受信した周波数変更要求を前記1ホップ上位装置へ転送し、その後、前記終端装置から無線伝播環境の悪化を検出したノード装置までの範囲内における通信で使用する第2の周波数を通知するための周波数変更通知を受信した場合、下位のノード装置へ転送し、また、当該周波数変更通知で通知された第2の周波数と当該第2の周波数を通知される前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始するとともに、当該第2の周波数の使用を開始した旨を前記1ホップ上位装置へ通知し、その後、下位のノード装置から当該第2の周波数の使用を開始した旨が通知されてきた場合には、当該第2の周波数のみを使用する通信動作を開始することを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項4】
前記周波数変更通知は、設定されているTTLの値に基づいてマルチホップ転送される信号であり、
TTLが1に設定された周波数変更通知を受信した場合、当該周波数変更通知で通知された第2の周波数と当該第2の周波数を通知される前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始するとともに、当該第2の周波数の使用を開始した旨を上位の他のノード装置へ通知することを特徴とする請求項2または3に記載のノード装置。
【請求項5】
前記周波数変更通知は、設定されているTTLの値に基づいてマルチホップ転送される信号であり、
TTLが1よりも大きな値に設定された周波数変更通知を受信した場合、当該周波数変更通知を下位の他のノード装置へ転送し、また、当該周波数変更通知で通知された第2の周波数と当該第2の周波数を通知される前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始するとともに、当該第2の周波数の使用を開始した旨を上位の他のノード装置へ通知し、その後、下位のノード装置から当該第2の周波数の使用を開始した旨が通知されてきた場合には、当該第2の周波数のみを使用する通信動作を開始することを特徴とする請求項2、3または4に記載のノード装置。
【請求項6】
ノード装置とともにツリー構造のマルチホップネットワークを形成し、かつ当該ツリー構造の頂点に位置する終端装置であって、
1ホップ上位の終端装置または1ホップ上位の他のノード装置である1ホップ上位装置との間の無線伝播環境が悪化したことを検出したノード装置を含む所定範囲内に位置しているノード装置、および自装置が当該所定範囲内における通信で使用する周波数を、それまで使用していた第1の周波数とは異なる第2の周波数へ変更するよう要求する周波数変更要求、を受信した場合に、当該第2の周波数を決定し、当該決定した第2の周波数を当該所定範囲内のノード装置へ通知するための周波数変更通知を送信するとともに、当該第2の周波数と当該第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始することを特徴とする終端装置。
【請求項7】
前記周波数変更通知は、設定されているTTLの値に基づいてマルチホップ転送される信号であり、
前記TTLの初期値として、前記無線伝播環境が悪化したことを検出したノード装置までのホップ数よりも大きな値を設定することを特徴とする請求項6に記載の終端装置。
【請求項8】
ツリー構造のマルチホップネットワークの頂点となる終端装置と、前記終端装置とともに前記マルチホップネットワークを形成するノード装置とを備えたマルチホップ無線システムにおける通信制御方法であって、
前記ノード装置は、
1ホップ上位の前記終端装置または1ホップ上位の他のノード装置である1ホップ上位装置との間の無線伝播環境の悪化を検出した場合に、自装置を含む所定範囲内に位置している他のノード装置および終端装置が当該所定範囲内における通信で使用する周波数を、それまで使用していた第1の周波数とは異なる第2の周波数へ変更するよう要求するための周波数変更要求を前記1ホップ上位装置へ送信することを特徴とする通信制御方法。
【請求項9】
前記ノード装置は、
下位のノード装置から前記周波数変更要求を受信した場合、自装置から所定ホップ下位のノード装置までの範囲内における通信で使用する第2の周波数を決定し、当該決定した第2の周波数を当該範囲内のノード装置へ通知するための周波数変更通知を送信するとともに、当該第2の周波数と当該第2の周波数を決定する前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始することを特徴とする請求項8に記載の通信制御方法。
【請求項10】
前記ノード装置は、
下位のノード装置から前記周波数変更要求を受信した場合、前記終端装置までのホップ数が所定値よりも小さければ、受信した周波数変更要求を前記1ホップ上位装置へ転送し、その後、前記終端装置から無線伝播環境の悪化を検出したノード装置までの範囲内における通信で使用する第2の周波数を通知するための周波数変更通知を受信した場合、下位のノード装置へ転送し、また、当該周波数変更通知で通知された第2の周波数と当該第2の周波数を通知される前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始するとともに、当該第2の周波数の使用を開始した旨を前記1ホップ上位装置へ通知し、その後、下位のノード装置から当該第2の周波数の使用を開始した旨が通知されてきた場合には、当該第2の周波数のみを使用する通信動作を開始することを特徴とする請求項8に記載の通信制御方法。
【請求項11】
前記周波数変更通知は、設定されているTTLの値に基づいてマルチホップ転送される信号であり、
前記ノード装置は、
TTLが1に設定された周波数変更通知を受信した場合、当該周波数変更通知で通知された第2の周波数と当該第2の周波数を通知される前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始するとともに、当該第2の周波数の使用を開始した旨を上位の他のノード装置へ通知することを特徴とする請求項9または10に記載の通信制御方法。
【請求項12】
前記周波数変更通知は、設定されているTTLの値に基づいてマルチホップ転送される信号であり、
前記ノード装置は、
TTLが1よりも大きな値に設定された周波数変更通知を受信した場合、当該周波数変更通知を下位の他のノード装置へ転送し、また、当該周波数変更通知で通知された第2の周波数と当該第2の周波数を通知される前に使用していた第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始するとともに、当該第2の周波数の使用を開始した旨を上位の他のノード装置へ通知し、その後、下位のノード装置から当該第2の周波数の使用を開始した旨が通知されてきた場合には、当該第2の周波数のみを使用する通信動作を開始することを特徴とする請求項9、10または11に記載の通信制御方法。
【請求項13】
前記終端装置は、
前記周波数変更要求を受信した場合に、前記第2の周波数を決定し、当該決定した第2の周波数を前記所定範囲内のノード装置へ通知するための周波数変更通知を送信するとともに、当該第2の周波数と前記第1の周波数とを所定のタイミングで切り替えて併用する通信動作を開始することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一つに記載の通信制御方法。
【請求項14】
前記周波数変更通知は、設定されているTTLの値に基づいてマルチホップ転送される信号であり、
前記終端装置は、
前記TTLの初期値として、前記無線伝播環境が悪化したことを検出したノード装置までのホップ数よりも大きな値を設定することを特徴とする請求項13に記載の通信制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−110737(P2013−110737A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−227800(P2012−227800)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】