説明

ハイヒール靴用の装置およびハイヒール靴を構築する方法

着用者のかかとの骨の前縁の下にある区域内の第1の三日月形の盛り上がった領域と、着用者の中足骨の下にある第2の盛り上がった領域とを有する、ハイヒール靴に挿入するための装置に関する。また、この装置を用いて靴を構築する方法、およびその結果もたらされる靴に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容易に構築され、靴の適合性またはスタイルに影響を及ぼさずにより良い履き心地を着用者に与える靴に関する。本発明は、ハイヒール靴に関する特定の有用性を有する。
【背景技術】
【0002】
従来のハイヒール靴は、極めて履き心地が悪いと言われている。そのような靴の使用者の20%が靴に関する足の痛みを直ちに感じ、使用者の過半数がわずか4時間の使用後にそのような痛みを感じていることを示す調査情報がある。
【0003】
従来技術および本発明を理解するために、足の解剖学的構造および靴の基本的な構造を理解する必要がある。図1は、そのために足の骨、および足底の下にある靴の部分を示す図である。図1を参照することにより、足の解剖学的構造および靴の基本的な構造を、以下で簡単に説明する。
【0004】
図1は、人間の足10の骨の内側側面図を示す。この応用例において、後方とは、足の後部またはかかと20の方向を意味し、前方とは、つま先または指節骨31が位置する足の前部30の方向を意味し、内側とは、アーチ40が位置する足の側部を意味し、外側とは、足の外側を意味し、上方および頂部、ならびに底部または下方とは、足または靴が直立位置に向けられることを想定する。
【0005】
かかと20(足根骨とも呼ばれる)は、距骨21および踵骨22を有する。踵骨22の後部下面は、踵骨粗面として知られるわずかな隆起23を有する。足の骨はまた、舟状骨41、楔状骨42、中足骨45、および指節骨またはつま先を備え、図1では母趾31を見ることができる。中足骨頭46は、中足骨体47の前端に位置する。中足骨には、1から5の番号が付けられ、1は母趾を示す。
【0006】
図1はまた、足底の下にある、従来のハイヒール靴50の一部の部分分解図を示す。靴50は、靴底52の下面に取り付けられるヒール51を有し、靴底52は、中敷54がその上に置かれる中底板53を支持する。従来の靴では、中底板は通常、着用者のかかとの下にある領域から中足骨頭までの比較的剛性のある構造である。中敷は一般に、非常に可撓性が高く、非常に薄く、通常0.5mm以下の厚さである。中敷は、通常足底がその上に載る面である。
【0007】
従来の靴構築方法によれば、足型は、靴がその周りに構築される形である。製造時は、足型の下面が中底板の上面に載り、次いで靴の甲革が足型の周りに形成され、中底板に取り付けられる。最適には、靴を正しく製造するために、足型の下面および中底板の上面が互いに平滑に合わさる。足型の下面上または中底板の上面上に何らかの凸部がある場合、それぞれ中底板内または足型内に、対応する凹部が存在しなければならない。良質の靴構造を保証するために、そのようないかなる凸部および対応する凹部も、靴の製造時に注意深く位置合せされなければならず、それによって靴の製造に、さらなる複雑さおよび/または品質管理問題が生じる。
【0008】
図1に示すものなど従来のハイヒール靴では、着用者の足が基本的に傾斜面上に置かれることが理解されよう。その結果、足は、立つ、または歩く際に重力によってつま先空間内へと前方に押し出される。この結果、母指球または足の前側区域への圧力およびつま先の詰まりが生じ、つま先の詰まりによって、足のこの領域内の激しい痛み、ならびに足および身体のその他の領域の疲労および不快感がしばしば生じる。
【0009】
本発明者の先行特許および特許公報における提案を含めて、ハイヒール靴の履き心地を改善するための数多くの提案がなされてきた。たとえば、1990年2月のCurrent Podiatric Medicine、29〜32頁の記事において、本発明者は、かかとの下の靴部分がアーチから足の母指球へと下る連続的な傾斜部を形成するのではなく、かかとの下にある部分が比較的地面に対して平行となる、ハイヒール靴の設計を記載した。この設計では、かかとを受けるようにカップ状にされ、かかとを床とより平行な平面内へと位置決めするように傾けられた、剛性がありプラスチック成形された中物を使用した。
【0010】
米国特許第5,373,650号において、本発明者は、かかとの下となるオルソティックを提案した。このオルソティックは、かかとの下にある剛性または半剛性のシェルであり、アーチサポートと共に前方に、足の中足骨後方の点へと延びる。かかとはこの装置内で、地面と平行に、またはわずかに後方に傾けられて支持される。
【0011】
米国特許第5,782,015号において本発明者は、かかとが土踏まず平面に対してより平行に、またはわずかに下方向に傾斜した角度で位置決めされ、舟状骨頭を着用者のかかとの骨とほぼ同一平面内に支持するアーチサポートを有する、ハイヒール設計を記載した。本発明者の1998年4月9日公開のPCT公開WO98/14083は、かかとカップおよび解剖学的に形状付けされたアーチ装具を備える、剛性のある成形装置を記載する。
【0012】
ハイヒール靴の履き心地の改善を意図するその他の発明者による数多くの設計例が、従来技術の米国特許第1,864,999号、同第1,907,997号、同第4,317,293号、同第4,631,841号、同第4,686,993号、同第4,932,141号、および同第6,412,198に存在し、それぞれが、ハイヒール靴の履き心地改善を意図する靴インサートまたはオルソティックを記載している。いくつかのものは、アーチサポートを伴う。剛性のあるものもあり、履き心地を改善する手段として緩衝作用を提案するものもある。従来技術のインサートおよびオルソティックは通常、比較的かさばり、製造後に着用者によって加えられる場合に、靴の適合性に影響を及ぼす可能性がある。着用者の履き心地を改善するための従来技術のその他の提案では、靴自体の形状を変化させるために、靴を製造するために使用される各足型を修正することが要求される。
【0013】
これらの従来技術の構造は、足の部分を支持または緩衝することによって、ならびに/または、前方への滑りを低減するため、および/または足の様々な部分によって担持される着用者の体重の割合を変えるために、足の角度を変えることによって、履き心地を改善する。それらの教示は、とりわけ、体重をかかと上へと後方にうつすためにかかとをより水平な平面上に配置すること、アーチを支持すること、つま先を上方へと傾斜させること、および/または体重の最も大きい割合がその上で担持される表面を緩衝することを提言する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、いかなるスタイルの靴にも容易に適合させることができ、足型の修正を必要とせず製造上の複雑さを伴わずに靴に組み込むことができる、薄い可撓性の靴インサートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
インサートは、かかとおよび中足骨の下の、2つのわずかに盛り上がった領域を有する。インサートは、2つのわずかに持ち上がった領域を有するに過ぎないが、非常に高いヒールにおいても、着用者の履き心地を大幅に増大させる。インサートは、いくつかの従来技術の場合のように、床と平行な平面にかかとの位置を置き換えることを必要としない。2つのわずかに盛り上がった領域以外では、インサートは極めて薄くすることができ、それによって、靴の適合性へのいかなる影響も最低限に抑えられ、靴のスタイルまたは外観へのいかなる影響もなくなる。あるいは、薄い可撓性インサートは、着用者によって靴内部に配置されることが可能である。
【0016】
本発明によれば、ハイヒール靴内部に挿入するための装置、およびこの装置を使用してなる靴の構築方法が提供される。この装置は、(a)少なくとも踵骨の粗面の前方領域において踵骨の下になるように位置決めされる後部区域を備え、後部区域の上面が、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、最高部が、踵骨の粗面の前方領域にある。この装置はさらに、(b)中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされた前方区域を備え、前方区域の上面が、第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する。好ましい実施形態では、装置は、前方区域と後部区域とを接続するブリッジまたは中間区域を有し、装置は可撓性であり、装置の上面はすべての領域間で滑らかに輪郭付けられる。本発明の装置の特徴および利点は、靴または足型をその他の方法で修正する必要を伴わずに、装置を従来のハイヒール靴に全般的に適合させることができることである。靴は、装置を製造工程中に靴内部に組み込むことによって、本発明による装置と共に構築することができ、または装置は、製造後に着用者によって取り付けられることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明では、履き心地を改善し、ハイヒール靴内に容易に挿入される、装置が提供される。本発明において、ハイヒール靴とは、約1インチまたはそれより高いヒールを有するすべての履物を含むことを理解されたい。本発明の利点は、盛り上がった領域が、中足骨体およびかかとの下になるように靴の中に配置されるときに実現される。通常、本発明の装置は、ハイヒール靴の中底板または中敷上に配置される。好ましくは、装置は、装置がその上に配置される中底板または中敷の上面と容易に同一形状となるように、十分に可撓性を有する。これは、成形または形成することが可能であり、本発明の利点を維持するために十分な寸法安定性を維持しながら靴の正常な使用状態下で可撓性を有する装置を生み出すことになる、当業者に知られたいかなる材料で形成することもできる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、装置は、少なくとも(i)踵骨粗面の縁部から、踵骨粗面のすぐ前方であるかかとの部分へと延びるかかとの部分、および(ii)第2および第3の中足骨体の下の領域、の下になるように形状付けられる。装置は、これらの領域を超えて広がることができ、中敷または中底板の形状と同一形となるように形状付けることができる。最適には、装置は、中敷の下に位置決めされる場合、中敷よりも狭くなる。このより狭いサイズによって、中敷の縁部を、本発明の装置の縁部に沿って中底板に接着することが可能になる。靴のスタイルによっては、このより狭い構成が特に望ましいことがある。
【0019】
装置は、2つの別個の盛り上がった領域を有し、第1の盛り上がった領域は、踵骨粗面の前縁から、着用者の足の踵骨粗面の前方領域内で踵骨下に置かれる三日月形の最高部へと盛り上がり、第2の盛り上がった領域は、着用者の足の中足骨体の下に置かれ、その最高部が第2および第3の中足骨体の下またはそれらの間となるように、靴の内部に配置される。第1および第2の盛り上がった領域は、ブリッジまたは中央区域によって接続される。明確にするために、狭いまたは広いとは、靴または装置の側部から側部への寸法を意味し、盛り上がった、低くなった、薄さ、深さまたは高さとは、装置の垂直寸法を意味することを理解されたい。
【0020】
図3〜5は、本発明による、装置100の例示的な一実施形態を示す。装置100は、たとえば、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム(TPR)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはエチレン酢酸ビニル(EVA)など、成形された可撓性プラスチックまたはゴムなどの可撓性材料から形成される。装置の盛り上がった領域は、約20から90の間のショア硬さAを有し、好ましくは30から50の、最も好ましくは約40のショア硬さAを有する。装置全体は、必須ではないが好ましくは、同じ硬さを有する。装置100は、中足骨側端部110およびかかと側端部120を有する。装置は、2つの盛り上がった領域130および140を備える。後部区域内に配置される第1の盛り上がった領域130は、ほぼ三日月形であり、着用者の足のかかとの骨または踵骨22の粗面23のすぐ前方の領域の下になるように、靴の中に位置決めされる。三日月形の第1の盛り上がった領域130は、三日月が図3〜図5に示すように向けられるように、装置の後部から盛り上がる。本明細書において、この盛り上がった領域が装置の後部から盛り上がるとは、盛り上がりの方向および三日月の向きを意味する。したがって、装置が踵骨粗面を超えて後方へと延びる場合、盛り上がった領域は、必要ではないが好ましくは、装置の端部から盛り上がり始めるべきではないことを理解されたい。
【0021】
第2の盛り上がった領域140は、前方区域内に配置され、着用者の足の中足骨体47の下になるように位置決めされる。最適には、第2の盛り上がった領域の最高部は、第2および第3の中足骨体の下またはそれらの間に配置される。第2の盛り上がった領域は、中足骨頭の方向に向かって最高部へと盛り上がる、ほぼ円形または楕円形を含む。前方の盛り上がった領域は好ましくは、かかと側端部120に向かって配置されるより薄い側面、および前端110に向かって配置されるより広い側面を有する。
【0022】
盛り上がった領域の最高部は、好ましくは、中足骨体の下の前方の盛り上がった領域のすぐ前方、および踵骨の下の盛り上がった領域のすぐ後方にある、装置の上面よりも2から8mm高い。好ましい実施形態では、最高部同士は、同様または同一の高さである。好ましくは、各最高部は、より高いハイヒール靴でより高く、より低いヒール靴でより低い。また、各最高部は、好ましくは、より小さいサイズの靴でより低く、より大きいサイズの靴でより高い。最も好ましい実施形態では、各最高部は、1から5インチのヒール高さを有する、米国婦人靴サイズ1で約3mmであり、米国婦人靴サイズ16(または、たとえば英国、欧州、および日本の靴サイズ基準における同等サイズ)で約6mmである。盛り上がった区域で覆われる面積はまた、靴のサイズに伴って変化し、面積のサイズは、長さおよび/または幅が増大すると共に増大する。通常、隆起部のサイズは、高さおよび面積の両方に関して、靴の長さおよび幅がサイズの増大と共に増大するにときに当てはまる通常の縮尺規則を用いて、靴のサイズ用に縮尺される。ただし、狭い範囲内のサイズでは、装置に関する履き心地の改善を大幅に失わずに、同一の装置を使用することができることが見出されている。本発明の装置を用いて実現される履き心地の良さの限定要因は、踵骨の下であるが踵骨の粗面の前方にあり、また中足骨中間の下であるが中足骨頭の後方にある、2つの盛り上がった領域の最高部の位置であると思われる。
【0023】
装置の近位および遠位端、すなわち、かかとの後方および盛り上がった領域140の前方の下にある部分は、盛り上がった領域に対して相対的に薄い。好ましくは、これらの近位および遠位端はある深さを有し、その結果、靴の甲革が内底板の上面を包み込むところで、近位および遠位端が靴の甲革の上面と面一になる。好ましくは、端部はまた、中底板の表面上に載る甲革の縁部間に広がる領域といくらか同一形となるように形状付けることができる。装置のこれらの端部の厚さは、通常厚さ0.2から1mmとなる。
【0024】
第1の盛り上がった領域130と第2の盛り上がった領域140との間の、装置のブリッジまたは中間区間または領域もまた、好ましくは、盛り上がった領域に比べて相対的に薄い。この領域の厚さは、靴の製造工程時に、構造的完全性の問題によってある程度決定される。より強い材料を用いると、この領域は厚さ1mm以下とすることができ、理想的にはそうなるべきである。一般に、このブリッジまたは中央区間または領域は、盛り上がった領域130および140よりも薄くなくてはならず、好ましくは、厚さ約4mm以下であり、より好ましくは米国婦人靴サイズ6で約2mm、米国婦人靴サイズ10(またはその他のサイズ基準におけるそれらの同等サイズ)で約3mmである。このより薄いブリッジまたは中央区域によって、装置を中底の形状とより容易に同一形とすることが可能になる。このブリッジまたは中央区域の幅の最小値もまた、製造要件によって決定され、最適な最小幅は、前方および後方区域のジオメトリを互いに相対的に維持するものとなる。最大幅は、靴の外観を損ねないようなものとなる。好ましくは、このブリッジまたは中間区域は中底板よりも狭く、装置の端部と同様、ブリッジまたは中間区域は、中底板を包み込む甲革の上面と面一になり、甲革の縁部によって中底板上に生み出された領域の形状とほぼ同一形となる。図6は、前方区域210および中間またはブリッジ区域が後方区域220より狭い、装置の他の実施形態200を示す。前方最高部は、要素240であり、後方最高部は、要素230である。
【0025】
従来技術の教示と対照的に、本発明の装置では、着用者の足のアーチを支持するために盛り上がった領域を設けるのではなく、アーチの下にあるブリッジまたは中間区域の少なくとも一部が、第1および第2の盛り上がった領域130、140の最高部よりも薄いことに留意されたい。これはすなわち、従来のアーチサポートが靴の中に通常配置されるであろう位置で、足のアーチの下にある領域の少なくとも一部が、中空となりまたは隣接領域よりも低くなり、アーチを部分的に非支持状態にする。
【0026】
好ましくは、装置の上面は滑らかに輪郭付けされ、不快感を与える可能性がある鋭い移行部または縁部をもたない。具体的には、盛り上がった領域の最高部と、装置の周囲領域との間の移行部は、滑らかになる。
【0027】
上記で説明したように、本発明は、両方の盛り上がった領域がその中に組み込まれる、単一の可撓性装置を企図する。本発明はまた、2つの別々の可撓性装置を企図し、すなわち、各装置が上記で説明した盛り上がった領域の一方を実施し、本発明の利点を共に実現する。本発明はまた、上記の盛り上がった領域のいずれか一方を実施し、もう一方の盛り上がった領域を組み込む靴または靴の部品と組み合わせて使用される、単一の可撓性装置を企図する。最後に、本発明は、上記で説明した装置の実施形態のいずれかがその中に組み込まれた、靴を企図する。
【0028】
装置100は、好ましくは、製造工程中に靴50内に配置される。したがって本発明はまた、ハイヒール靴の構築方法を提供し、この方法は、(a)甲革、中底板、および靴底を組み立てること、(b)中底板の上に可撓性装置を取り付けることとを含み、この可撓性装置は、以下を備える。(i)踵骨粗面の前縁の前方領域内で踵骨の下になるように位置決めされる後部区域。前記後部区域の上面は、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部は、踵骨粗面の前方領域の下に置かれる。(ii)中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域。前記前方区域の上面は、中足骨頭後方の部分から、第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされる最高部へと、盛り上がる部分を有する。(iii)前方区域と後部区域を接続するブリッジまたは中間区域。(iv)前記装置の上面は、すべての区域間で滑らかに移行する。さらに前記方法は、(c)中敷を中底板および本装置に固定することを含む。これらのステップが行われる順番は、製造業者が選択することができる。本発明の好ましい実施形態では、装置100は、靴50の中底板53上に位置決めされ、中敷54が、中底板および装置100の頂部に接着される。装置100は、いくつかの実施形態では、たとえば製造後に中底板53または中敷54上に配置することなどによって、製造後または販売後に挿入することができることが企図される。装置100は、糊、感圧接着剤(PSA)、たとえばVelcro(登録商標)などのテープ、あるいは釘またはステープルなど機械的締結具などの手段によって、中底板53および中敷54に取り付けることができる。一般に、装置を靴内部で位置決めするために、装置の盛り上がった領域を定位置に維持させるいかなる手段を使用することもできる。装置100はまた、中敷から分離する必要はないが、中敷と一体にすることができる。
【0029】
装置の正しい位置決めを容易にするために、装置は、装置の向きを決める印または構造を備えることができる。これらの印は、矢印とすることができ、または装置自体を、装置の向きを決める働きをする点とともに構成することができる。
【0030】
2つの盛り上がった領域は、別々の部片として製作し、靴の中に個別に位置決めすることができる。その場合、装置の2つの盛り上がった領域の間の区域は、中底板または中敷と一体であり、可撓性である必要はない。さらなる他の実施の形態の製造方法は、盛り上がった領域の一方を中底板内に組み込むことであり、この場合も、この組み込まれた盛り上がった領域は、可撓性である必要はない。さらに他の実施の形態の方法は、一方または両方の盛り上がった領域を、中敷内へと組み込むことである。ただし、製造を容易にするために、ブリッジまたは中間区間によって接続される別々の盛り上がった領域を有する単一の装置が好ましい。すべての場合において、靴の中底板上に取り付けられる装置の部分は、それらがその上に取り付けられる中底板の上面と容易に同一形となるように、十分に可撓性をもたなければならない。
【0031】
本発明の装置は、従来技術に勝る、予想外の利点を提供する。たとえば、後部の盛り上がった領域は、わずか数ミリメートルの高さであるが、装置は、足によって担持される重量を母指球から取り除き、かかとに向かって大幅に移動させる。その結果、装置によって、ハイヒール靴の着用に関するつま先の痛みおよび一般的な腰の痛みが低減される。すなわち、ハイヒール靴の使用に固有の足の痛みが、本装置を使用することによって低減されまたはなくなる。装置はまた、安定性を増すために足首の位置を変える。
【0032】
さらに、本装置は、従来の靴を製造するために使用される靴型のいかなる変更も要求せず、むしろ本装置は、従来どおり構築された靴の中に、製造業者または着用者が単に配置することができる。本装置は、靴の中に大いに侵入して足が入ることができる空間を減少させることがないので、靴の適合性に大幅に影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】足の骨を示す概略断面図、および足裏の下にある従来のハイヒール靴の部分を示す部分分解図である。
【図2】本発明の装置の一実施形態を示す上面図である。
【図3】図2に示す本発明の装置の、「III-III」に沿った側断面図である。
【図4】図2に示す装置の、「IV-IV」に沿った側断面図である。
【図5】足の骨の概略断面図、および、図2に示す本発明の装置が挿入されている、足裏の下にある従来のハイヒール靴の部分を示す部分分解図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0034】
50…靴、53…中底板、54…中敷、100,200…装置、110…中足骨側端部、120…かかと側端部、130,140…盛り上がった領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイヒール靴内に挿入するための装置において、
a.上面を有し、踵骨粗面の縁部前方で、着用者の前記踵骨の少なくとも一領域の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記踵骨の前記領域の下にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.中間区域であって、その少なくとも一部が前記後部および前方区域の前記最高部より薄く、前記前方区域と後部区域を接続する、中間区域と、
d.滑らかに輪郭付けされた上面と、を備える装置。
【請求項2】
前記前方区域の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ前方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記前方区域の前記盛り上がる部分の前記最高部の高さが、前記靴のサイズおよび高さに対して縮尺される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記前方区域の盛り上がる部分の前記最高部が、米国婦人靴サイズ1での3mmから、米国婦人靴サイズ16での6mmの範囲で変化する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記後部区域の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ後方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記後部区域の前記盛り上がる部分の前記最高部の前記高さが、前記靴のサイズおよび高さに対して縮尺される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記後部区域の盛り上がる部分の前記最高部が、米国婦人靴サイズ1での3mmから、米国婦人靴サイズ16での6mmの範囲で変化する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記前方の盛り上がる部分が、前記着用者の中足骨頭に向かってより広くなり前記中足骨体の後部に向かって先細になる形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記前方の盛り上がる部分が、楕円形である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が可撓性である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記より薄い部分が、前記装置の内側から前記装置の外側へと延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも中間区域が可撓性である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記盛り上がる部分が、前記装置の最も厚い部分である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記盛り上がる部分および前記盛り上がる部分から前記装置の残りの部分への移行部以外の、前記装置のすべての部分が、厚さ0.5mmから1mm以下である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記後部および前方区域の前記盛り上がる部分が、ほぼ同じ高さである、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも前記盛り上がる部分が、20から90のショア硬さAを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも前記盛り上がる部分が、35から50のショア硬さAを有する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも前記盛り上がる部分が、約40のショア硬さAを有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置全体が、全体にわたりほぼ同一のショア硬さAである、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
ハイヒール靴内部へと挿入するための可撓性の装置において、
a.上面を有し、踵骨の粗面の縁部前方で、着用者の踵骨の少なくとも一領域の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記踵骨の前記領域の下にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.前記前方区域と前記後部区域を接続する中間区域と、
d.滑らかに輪郭付けされた上面と、を備える装置。
【請求項21】
前記前方区域の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ前方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記前方区域の前記盛り上がる部分の前記最高部の高さが、前記靴のサイズおよび高さに対して縮尺される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記前方区域の盛り上がる部分の前記最高部が、米国婦人靴サイズ1での3mmから、米国婦人靴サイズ16での6mmの範囲で変化する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記後部区域の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ後方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記後部区域の前記盛り上がる部分の前記最高部の前記高さが、前記靴の前記サイズおよび高さに対して縮尺される、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記後部区域の盛り上がる部分の前記最高部が、米国婦人靴サイズ1での3mmから、米国婦人靴サイズ16での6mmの範囲で変わる、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記前方の盛り上がる部分が、前記着用者の中足骨頭に向かってより広くなり前記中足骨体の前記後部に向かって先細になる形状を有する、請求項20に記載の装置。
【請求項28】
前記前方の盛り上がる部分が、楕円形である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
少なくとも前記盛り上がる部分が、20から90のショア硬さAを有する、請求項20に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも前記盛り上がる部分が、30から50のショア硬さAを有する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも前記盛り上がる部分が、約40のショア硬さAを有する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記装置全体が、全体にわたりほぼ同一のショア硬さAである、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記盛り上がる部分が、前記装置の最も厚い部分である、請求項20に記載の装置。
【請求項34】
前記盛り上がる部分および前記盛り上がる部分から前記装置の残りの部分への前記移行部以外の、前記装置のすべての部分が、厚さ0.5mmから1mm以下である、請求項20に記載の装置。
【請求項35】
前記後部および前方区域の前記盛り上がる部分が、ほぼ同じ高さである、請求項20に記載の装置。
【請求項36】
ハイヒール靴内部に挿入するための装置において、
a.上面を有し、踵骨の粗面の縁部前方で、着用者の踵骨の少なくとも一領域の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記踵骨の前記領域の下にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.滑らかに輪郭付けされた上面と、を備え、少なくとも前記盛り上がる部分が、20から90のショア硬さAを有する、装置。
【請求項37】
少なくとも前記盛り上がる部分が、30から50のショア硬さAを有する、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
少なくとも前記盛り上がる部分が、約40のショア硬さAを有する、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記装置全体が、全体にわたりほぼ同一のショア硬さAである、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記前方区域の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ前方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記前方区域の前記盛り上がる部分の前記最高部の高さが、前記靴のサイズおよび高さに対して縮尺される、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記前方区域の盛り上がる部分の前記最高部が、米国婦人靴サイズ1での3mmから、米国婦人靴サイズ16での6mmの範囲で変化する、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記後部区域の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ後方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項36に記載の装置。
【請求項44】
前記後部区域の前記盛り上がる部分の前記最高部の高さが、前記靴のサイズおよび高さに対して縮尺される、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記後部区域の盛り上がる部分の前記最高部が、米国婦人靴サイズ1での3mmから、米国婦人靴サイズ16での6mmの範囲で変化する、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記前方の盛り上がる部分が、前記着用者の中足骨頭に向かってより広くなり前記中足骨体の前記後部に向かって先細になる形状を有する、請求項36に記載の装置。
【請求項47】
前記前方の盛り上がる部分が、楕円形である、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
少なくとも前記中間区域が可撓性である、請求項36に記載の装置。
【請求項49】
前記盛り上がる部分が、前記装置の最も厚い部分である、請求項36に記載の装置。
【請求項50】
前記盛り上がる部分および前記盛り上がる部分から前記装置の残りの部分への前記移行部以外の、前記装置のすべての部分が、厚さ0.5mmから1mm以下である、請求項36に記載の装置。
【請求項51】
前記後部および前方区域の前記盛り上がる部分が、ほぼ同じ高さである、請求項36に記載の装置。
【請求項52】
ハイヒール靴を構築する方法であって、
a.甲革、中底板、および靴底を組み立てることと、
b.前記中底板の上方に可撓性の装置を取り付けることと、を含み、前記可撓性の装置が、
(i)上面を有し、少なくとも踵骨の粗面の前縁の前方領域において着用者の踵骨の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域の下にある、後部区域と、
(ii)上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の中足骨頭の後方部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、上方区域と、
(iii)滑らかに輪郭付けされた上面と、を備える方法。
【請求項53】
前記装置が、前記前方区域と前記後部区域とを接続する中間区域を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記中間区域の少なくとも一部が、前記前方および後部区域の前記盛り上がる部分の前記最高部よりも薄い、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記装置の前記形状が、前記中底板の前記上面上に載る前記甲革の前記縁部によって形成される形状と同一となる、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
中敷と前記装置が互いに一体である、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
ハイヒール靴を構築する方法であって、
a.甲革、中底板、および靴底を組み立てることと、
b.前記中底板の上方に装置を取り付けることと、を含み、前記装置が、
(i)上面を有し、少なくとも踵骨の粗面の前縁前方の一領域において着用者の踵骨の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域の下にある、後部区域と、
(ii)上面を有し、前記着用者の前記中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
(iii)滑らかに輪郭付けされた上面と、を備え、前記装置の少なくとも前記盛り上がる部分が20から90のショア硬さAを有する、方法。
【請求項58】
前記装置の少なくとも前記盛り上がる部分が、30から50のショア硬さAを有する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記装置の少なくとも前記盛り上がる部分が、約40のショア硬さAを有する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記装置が、全体にわたりほぼ同一のショア硬さAである、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記装置が、前記前方区域と前記後部区域を接続する中間区域を有する、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記中間区域の少なくとも一部が、前記前方および後部区域の盛り上がる部分の前記最高部よりも薄い、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
前記装置の前記形状が、前記中底板の前記上面上に載る前記甲革の前記縁部によって形成される形状と同一となる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記中敷と前記装置が互いに一体である、請求項57に記載の方法。
【請求項65】
甲革、中底板、および靴底を有するハイヒール靴を構築する方法において、
前記中底板の上方で、可撓性の装置を前記靴内部に挿入することを含み、前記装置が、
a.上面を有し、少なくとも踵骨の粗面の前縁の前方領域において、着用者の踵骨の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記領域の下にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.前記前方区域と前記後部区域を接続する中間区域と、
d.すべての領域間で滑らかに輪郭付けされた上面と、を備える方法。
【請求項66】
甲革、中底板、および靴底を有するハイヒール靴を構築する方法において、
前記中底板の上方で、20から90のショア硬さAを有する装置を前記靴内部に挿入することを含み、前記装置が、
a.上面を有し、踵骨の粗面の前縁前方の少なくとも一領域内で着用者の踵骨の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の前記後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記領域の下にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の前記中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.前記前方区域と前記後部区域を接続する中間区域と、
d.すべての領域間で滑らかに輪郭付けされた上面と、を備える方法。
【請求項67】
甲革、中底板、および靴底を有するハイヒール靴を構築する方法において、
前記中底板の上方で、前記靴内部に装置を挿入することを含み、前記装置が、
a.上面を有し、少なくとも踵骨の粗面の前縁の前方領域において、着用者の踵骨の下になるように位置決めされる後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.中間区域であって、その少なくとも一部が、前記盛り上がる区域の前記最高部よりも薄く、前記前方区域と後部区域とを接続する、中間区域と、
d.すべての領域間で滑らかに輪郭付けされた上面と、を備える方法。
【請求項68】
ハイヒール靴内部に挿入するための2つの装置の組合せであって、
a.上面を有し、踵骨の粗面の前縁前方にある少なくとも着用者の踵骨の領域の下になるように位置決めされる第1の可撓性装置であって、第1の装置の前記上面が、該装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にある、第1の可撓性装置と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる第2の可撓性の装置であって、第2の装置の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、第2の可撓性装置と、を含む装置の組合せ。
【請求項69】
前記第2の装置の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ前方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項68に記載の装置の組合せ。
【請求項70】
前記第1の装置の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ後方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項68に記載の装置の組合せ。
【請求項71】
前記第2の装置の前記盛り上がる部分が、前記着用者の中足骨頭に向かってより広くなり前記中足骨体の前記後部に向かって先細になる形状を有する、請求項68に記載の装置の組合せ。
【請求項72】
前記第2の装置上の前記盛り上がる部分が、楕円形である、請求項68に記載の装置の組合せ。
【請求項73】
前記第1および第2の装置の前記盛り上がる部分が、ほぼ同じ高さである、請求項68に記載の装置の組合せ。
【請求項74】
前記盛り上がる部分の少なくとも一部が、20から90のショア硬さAを有する、請求項68に記載の装置の組合せ。
【請求項75】
前記盛り上がる部分の少なくとも一部が、30から50のショア硬さAを有する、請求項74に記載の装置の組合せ。
【請求項76】
前記盛り上がる部分の少なくとも一部が、約40のショア硬さAを有する、請求項75に記載の装置の組合せ。
【請求項77】
ハイヒール靴内部に挿入するための2つの装置の組合せにおいて、
a.上面を有し、踵骨の粗面の前縁前方で、少なくとも着用者の踵骨の領域の下になるように位置決めされる第1の装置であって、前記第1の装置の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にある、第1の装置と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下になるように位置決めされる第2の装置であって、前記第2の装置の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、第2の装置と、を備え、前記第1および第2の装置が、20から90のショア硬さAを有する、装置の組合せ。
【請求項78】
前記第1および第2の装置が、30から50のショア硬さAを有する、請求項77に記載の装置の組合せ。
【請求項79】
前記第1および第2の装置が、約40のショア硬さAを有する、請求項78に記載の装置の組合せ。
【請求項80】
前記第2の装置の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ前方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項76に記載の装置の組合せ。
【請求項81】
前記第1の装置の前記盛り上がる部分の前記最高部が、前記盛り上がる部分のすぐ後方の表面に対して2から8mmの高さである、請求項76に記載の装置の組合せ。
【請求項82】
前記第2の装置上の前記盛り上がる部分が、前記着用者の中足骨頭に向かってより広くなり前記中足骨体の後部に向かって先細になる形状を有する、請求項76に記載の装置の組合せ。
【請求項83】
前記第2の装置の前記盛り上がる部分が、楕円形である、請求項76に記載の装置の組合せ。
【請求項84】
前記第1および第2の装置の前記盛り上がる部分が、ほぼ同じ高さである、請求項76に記載の装置の組合せ。
【請求項85】
ハイヒール靴を構築する方法であって、
a.甲革、中底板、および靴底を組み立てることと、
b.着用者の踵骨の下および前記踵骨の粗面の前縁前方に位置決めされた前記中底板の領域内で、前記中底板の上方に、装置の前記後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する第1の可撓性装置を取り付けることであって、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記踵骨の前記領域の下にあることと、
c.前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の領域内で、前記中底板の上方に第2の可撓性装置を取り付けることであって、前記第2の装置が、着用者の中足骨頭後方の位置から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる上面を有することと、を含む方法。
【請求項86】
ハイヒール靴を構築する方法において、
a.甲革、中底板、および靴底を組み立てることと、
b.着用者の踵骨の下および前記踵骨の粗面の前縁前方に位置決めされた前記中底板の領域内で、前記中底板の上方に、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する第1の装置を取り付けることであって、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記踵骨の前記領域の下にあることと、
c.前記着用者の前記中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の領域内で、前記中底板の上方に第2の装置を取り付けることであって、前記第2の装置が、着用者の中足骨頭の後方の位置から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる上面を有することと、を含み、前記第1および第2の装置が20から90のショア硬さAを有する、方法。
【請求項87】
甲革、中底板、および靴底を組み立てることを含む、ハイヒール靴を構築する方法において、
a.少なくとも踵骨の粗面の前縁前方の領域内で着用者の踵骨の下に位置決めされ、前記中底板の領域内で前記中底板の上方に、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する第1の可撓性装置を取り付けることであって、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域の下にあることと、
b.前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の領域で、前記中底板の上方に、前記着用者の中足骨頭の後方部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する、第2の可撓性の装置を取り付けることと、を含む方法。
【請求項88】
甲革、中底板、および靴底を組み立てることを含む、ハイヒール靴を構築する方法において、
a.少なくとも踵骨の粗面の前縁前方の領域内で着用者の踵骨の下に位置決めされ、前記中底板の領域内で前記中底板の上方に、装置の前記後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する第1の装置を取り付けることであって、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記領域の下にある、取り付けることと、
b.前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の領域で、前記中底板の上方に、前記着用者の中足骨頭後方の部分から前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する、第2の装置を取り付けることと、を含み、前記第1および第2の装置が20から90のショア硬さAを有する、方法。
【請求項89】
ハイヒール靴を構築する方法において、
a.甲革と、靴底と、着用者の中足骨体の少なくとも一部の下となる盛り上がる領域を備える上面を有する中底板とを組み立てることであって、前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下にある最高部へと徐々に盛り上がることと、
b.少なくとも、踵骨の粗面の前縁前方で、前記踵骨の下にある前記中底板の領域内で前記中底板の上方に、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する可撓性の装置を取り付けることであって、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域の下にあることと、を含む方法。
【請求項90】
ハイヒール靴を構築する方法において、
a.甲革と、靴底と、着用者の中足骨体の少なくとも一部の下となる盛り上がる領域を備える上面を有する中底板とを組み立てることであって、前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下の最高部へと徐々に盛り上がることと、
b.少なくとも、踵骨の粗面の前縁前方で、前記踵骨の下にある前記中底板の領域内で前記中底板の上方に、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する装置を取り付けることであって、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域の下にあり、前記装置が20から90のショア硬さAを有することと、を含む方法。
【請求項91】
甲革と、靴底と、着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある盛り上がる領域を備える上面を有する中底板と、を組み立てることを含み、前記上面が、着用者の前記中足骨頭の後方部分から前記着用者の第2および第3の中足骨体へと徐々に盛り上がる、ハイヒール靴を構築する方法において、
前記中底板の上方で、前記着用者の踵骨の下にあり前記踵骨の粗面の前縁前方にある前記中底板の少なくとも一領域において、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する可撓性装置を、前記靴内部に挿入することを含み、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記領域の下にある、方法。
【請求項92】
甲革と、靴底と、着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある盛り上がる領域を備える上面を有する中底板と、を組み立てることを含み、前記上面が、着用者の中足骨頭後方の部分から前記着用者の第2および第3の中足骨体へと徐々に盛り上がる、ハイヒール靴を構築する方法において、
前記中底板の上方で、前記着用者の踵骨の下にあり前記踵骨の粗面の前縁前方にある前記中底板の少なくとも一領域において、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる上面を有する装置を、前記靴内部に挿入することを含み、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記領域の下にあり、前記装置が20から90のショア硬さAを有する、方法。
【請求項93】
ハイヒール靴を構築する方法において、
a.甲革と、靴底と、踵骨の粗面の前縁前方で、着用者の踵骨の下にある盛り上がる領域を備える上面を有する中底板とを組み立てることであって、前記上面が、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がり、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面前方の前記領域の下にあることと、
b.前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の領域内で、前記中底板の上方に、可撓性の装置を取り付けることであって、その前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がることと、を含む方法。
【請求項94】
ハイヒール靴を構築する方法において、
a.甲革と、靴底と、踵骨の粗面の前縁前方で、着用者の踵骨の下の盛り上がった領域を備える上面を有する中底板とを組み立てることであって、前記上面が、装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がり、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にあることと、
b.前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の領域内で、前記中底板の上方に、可撓性の装置を取り付けることであって、その前記上面が、前記着用者の中足骨頭後方の部分から、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がることと、を含み、前記装置が20から90のショア硬さAを有する方法。
【請求項95】
靴底、甲革、および中底板を有するハイヒール靴において、
前記中底板上に取り付けられた可撓性の装置を備え、前記装置が、
a.上面を有し、踵骨の粗面の前縁前方で、着用者の踵骨の少なくとも前記領域の下にある前記中底板の前記部分上に位置決めされた後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の前記位置上に位置決めされた前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.前記後部および前方区域よりも薄く、前記後部および前方区域を接続し、滑らかに輪郭付けされた上面を有する中間区域と、を有するハイヒール靴。
【請求項96】
靴底、甲革、および中底板を有するハイヒール靴において、
前記中底板上に取り付けられた装置を備え、前記装置が、
a.上面を有し、踵骨の粗面の前縁前方で、着用者の踵骨の少なくとも前記領域の下にある前記中底板の前記部分上に位置決めされた後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の前記中足骨体の少なくとも一部の下にある、前記中底板の前記部分上に位置決めされた前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.前記後部および前方区域の前記最高部よりも薄く、前記後部および前方区域を接続し、滑らかに輪郭付けされた上面を有する中間区域と、を有するハイヒール靴。
【請求項97】
靴底、甲革、および中底板を有するハイヒール靴において、前記中底板上に取り付けられた装置を備え、前記装置が、
a.上面を有し、踵骨の粗面の前縁前方で、着用者の踵骨の少なくとも前記領域の下にある前記中底板の前記部分上に位置決めされた後部区域であって、前記後部区域の前記上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にある、後部区域と、
b.上面を有し、前記着用者の中足骨体の少なくとも一部の下にある前記中底板の前記部分上に位置決めされた前方区域であって、前記前方区域の前記上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、前方区域と、
c.前記後部および前方区域よりも薄く、前記後部および前方区域を接続し、滑らかに輪郭付けされた上面を有する中間区域と、を有し、前記装置が20から90のショア硬さAであるハイヒール靴。
【請求項98】
靴底と、甲革と、着用者の中足骨の少なくとも一部の下にある前方区域を有する中底板とを備え、前記前方区域の上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有する、ハイヒール靴において、
少なくとも前記着用者の粗面の前縁前方で、踵骨の領域の下にある前記中底板の前記領域内で前記中底板上に取り付けられた可撓性装置を備え、前記装置の上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にある、ハイヒール靴。
【請求項99】
靴底と、甲革と、着用者の中足骨の少なくとも一部の下にある前方区域を有する中底板とを備え、前記前方区域の上面が、前記着用者の第2および第3の中足骨体の下になるように位置決めされた最高部へと徐々に盛り上がる部分を有するハイヒール靴において、
少なくとも前記着用者の粗面の前縁前方で、踵骨の領域の下にある前記中底板の前記領域内で、前記中底板上に取り付けられた装置を備え、前記装置の上面が、前記装置の後部から三日月形最高部へと徐々に盛り上がる部分を有し、前記最高部が、前記踵骨の前記粗面の前記前方領域にあり、前記装置が20から90のショア硬さAを有する、ハイヒール靴。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−515589(P2008−515589A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536664(P2007−536664)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/033795
【国際公開番号】WO2006/043923
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(505391595)エイチビーエヌ シュー,エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】