説明

ハイファイレコード

【課題】今日のCDまでの音声記憶媒体は、電蓄になり、声の他に楽器音も収録しなくてはならなくなったが、その要求に適合しうるための計算設計指針を提案する。
【解決手段】音溝盤を高忠実度再生化するにおいて、再生針の先端の太さ(曲率半径で以て表わされる)と音溝の記憶波形との関係において、再生針の先端が記憶波形における部分音分もなどって、相当十分な音色が出せるように、可能な限り細い再生針を制作し、その針の先端が程好くぴったりと滑走しうるような音溝幅を定め、その音溝のうねりの納まる帯幅を定め、成る可く低音領域の楽器を用いるか或いは高音領域の使用を避けるかして、例えば2000Hzまでにして、その上で、回転速度、記憶時間、盤の大きさとその場合の最外渦輪直径および最内渦輪直径を最望的に折り合うように定めて、より良質の音声を記憶再生しうるようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の属する技術分野]
今日、所謂流行歌の音声記憶媒体に、これはと言う信頼の置けるものがない
LPレコードしかり、カセットテープしかり、CDしかりである。
【0002】
[従来の技術]
所謂流行歌の媒体は、SPレコードから創まり、今日のCDに至っているが、市販レコードは元より原盤録音媒体にも基本発明思想に則って完成を見ているものは無く、普及は元より遺産としての記憶保存にも事欠く有り様である。
【0003】
[発明が解決しようとする課題]
CDとしての光学録音は、兎も角、音溝録音や磁気録音には基本原理としの不可能性は無いと思われる。音溝録音は、1877年エジソンが円筒型のものを発明してから1887年にベルリナーが平円盤(グラモホン)に改良発明したものでも、所謂機械式で電子の世話にはならないものであったが、再生音声は不味くとも、記憶できないシステムでは無いことは証明されている。
そして、磁気録音は、1898年デンマークのパウルセンによって発明されたが、それには、鋼線が用いられていた。その後、1930年代に入って、ドイツのローレンツ社とイギリスのマルコニー社が鋼帯に改良発明して、実用性が出てきた。そこまでの発明では、磁気記憶は機能するものであることは証明されていたと言える。
その後、1930年にドイツのブロイマーが今日のような鉄粉を用いる磁気テープを発明した。戦後それをアメリカが押収して持ち帰って、3M社を中心に実用化して、書き消し自在と称する今日の磁気テープを売り出した。
そして、1963年にオランダのフィリップ社がコンパクトカセットテープ所謂カセットテープを開発商品化した。フィリップは特許を世界的に無償公開したので、日本でも、周知のような大変な普及を見た。
しかし、何故かそれがまやかしの何かの上にしか繁栄しないものであることが当初は日本のメーカーも見抜けなかったのではないかと思われる。
前述したように、私は、スチールテープやスチールシートを提案しているが、それが上手く音色を記憶してくれるものかどうかまだ実験していないので、何とも言えないが、音色を決める部分音も磁気出力の変化とはなりうるので、十分にテープを用いれば、それを録音記憶再生できないものではないと思える。 同じように、音溝録音においても、可能な限り細い針で十分な距離の音溝を使用すれば、差し障りを感じない再生音声を可能とすることができる。
しかし、その諸元をよく検討して見ると、どうも理屈に合わないものを制作していたとしか言いようがない。即ち、SP(スタンダードプレイ)盤は、曲率半径0.0635mmの先端の針を用いていた。毎分78回転の300mm盤の一杯を使って、片面4〜5分の記憶容量であったので、これなら、十分に記憶再生できると一見思われるが、そうではないことが判った。
つまり、その最内渦輪直径は、125mmであり、その円周は、125mm×π=392.7mmであり、収録音声周波数の上限は4000Hzであったとしても、記憶波形の最狭の山か谷の幅は、392.7mm×78/60s÷8000/s=0.0638mmであつて、先端の太さ直径、0.0635mm×2=0.127mmの針ではとてもトレイスできるものではないことが判る。
それどころか、最外渦輪、直径295mmにおいてさえ、295mm×π×78/60s÷8000/s=0.1506mmであるが、0.127mmの先端では、これでやっと填るくらいである。
それは、そもそもベルリナーが機械式で声だけ録音記録再生していたものであるから、125mm×π×78/60s÷2000/s=0.2553mmであり、0.127の針先は可なり良く働くことが判る。
それがそのまま楽器の音にも、電子式として採用された所に、大きな過失があったと言えよう。
1948年に、アメリカのCBS社が曲率半径0.0254mmの先端の針を用いるLP(ロングプレー)盤の販売を開始した。ところが、これが厳格な設計計算の上に立ったものではなく、全く実用性の無いものであった。
今日、この無実用性を覆い隠し補完する放送的電波の助けを借りなくはならないものであった。即ち、記憶波形の最狭波の山か谷の幅は125mm×π×33.33/60s÷8000/s=0.0273mmとなり、針先の太さ直径、0.0245mm×2=0.0508mmの針では全く物にならないことが判る。
それは、78/0.0635=X/0.0254、X=31.2から判るように、CBSは単純にベルリナーを踏襲して、声だけに通用するもののままであることが判る。これも、まやかしの放送的電波を必要とし、ただ、一枚当たりの販売価格を大幅に引き上げ、電波使用料の高騰に応えたに過ぎないと言えよう。
時代は、全ての機器がハンディーに向かっていた。1982年のオーディオフェアで、フィリップ社とソニー社の共同開発によるコンパクトディスク(CD)が発表され、販売され始めた。これによって、所謂レコードはハンディーにコンパクトとなり、大規模な普及を見るかに一般的には思われたが、単に収金だけに使用されるものであると思われ、その放送的電波の性質からして、それ程、広範な普及を可能とするものではありえない。
【0004】
[課題を解決するための手段]
上記したように、SP盤は最低秒速510.5mmであり、LP盤は218.14mmである。カセットテープの47.6mmに比べて比較にならない程長いのであるが、それでも本質的な技術思想を満足させる再生針と記憶距離の関係にはなっていない。
そもそも、本発明の切っ掛けとなったのは、たまたま、正確な音声の振動数を知りえたからである。それまでは、録音媒体の周波数特性は12000Hzとも20000Hzともいわれているのに従っていた。事実、ソニーCDF−S26では20〜20000Hzとなっており、ビクターのPC−X600も同じ特性となっている。
この周波数特性を満足するには、0.0508mm直径のLP盤用再生針用に20000Hzの周波数の場合の最狭波の山か谷の幅を仮に0.17mmとすると、0.17mm×40000=6800mm、即ち1秒間に6m80cmも走らさなくてはならないことになる。これでは、どんなに針先を細くしても対応できるものではない。
この途轍もない誰も手の付けられなかった難問に妥協的にではあるがこれならと言う案を出しえたのが本発明である。
【0005】
[発明の実施の形態]
「特許請求の範囲」に簡潔に述記してある。
【0006】
[発明の効果]
現在、レコード業界は、世界的に大不況下にある。
日本では、(公序良俗違反につき、不掲載)を最後に本格的なニューシンガーは全く現れなくなっている。CDを記憶媒体とする流行歌販売システムは全く生き詰まっているのである。正確には判らないが、例えば、私が(公序良俗違反につき、不掲載)の「(公序良俗違反につき、不掲載)」を求めて帰り、プレーヤーに掛けると、それを見張っていて、スイッチを入れると、(公序良俗違反につき、不掲載)に歌わせて、それを電波で送らなくてはならないようなシステムになっているのではないかと思われる。
若しそうであれば、レコード愛好者は、山で300万人くらいに絞り込んで、発売されるレコードは総てその人たちにだけ販売するような策を講じなくてはならないことになろう。
これでは、レコードの大衆化など全くありえよう筈が無い。CDを出そうとMDを出そうとまたDVDに衣更えしようと、売れる範囲は知れたものである。
我国は、食糧の自給率が30%くらいしかない。後の70%は輸入に頼らなくてはならない。1億3000万人の70%と言えば、9100万人である。
我国民は、何を物作りして、外国の食糧と交換すればよいのであろうか。
輸出産業についは、数年前には可なり広く論じられていた。代表的な我国固有の輸出産業はアニメーションであると論じる人が多かったのを覚えでいる。
しかし、それから数年経つが、日本固有の誇りうる輸出用作品は一本も制作されていない。第一、ストーリーさえ真面に描けるひとは一人もいない。
(公序良俗違反につき、不掲載)
本発明が実用化されれば、流行歌は世界の各国で爆発的に復活しよう。私の経験では、流行歌には水平同和主義を歌ったものは無いように思う。
(公序良俗違反につき、不掲載)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音溝盤(Phonograph record)を高忠実度再生化するにおいて、再生針の先端の太さ(曲率半径で以て表わされる)と音溝の記憶波形との関係において、再生針の先端が記憶波形における部分音(「要訣物理(文英堂・昭和28年)262頁」)分もなどって(トレイスして)、相当十分な音色が出せるように、可能な限り先端の細い再生針を制作し、その針の先端が程好くぴったりと滑走しうるような音溝幅(原盤用のカッター針の先端を再生針の先端より心持ち太くするなどして)を定め、その音溝のうねり(振幅)の納まる帯幅を定め、そして、それから、音声の振動数のうち、楽器は30〜4000Hz、声楽は80〜1000Hzと言われている(「要訣物理」261頁)ので、収録行声振動数は30〜4000Hzにある筈であるが、直径300mm以下の盤では、とても4000Hzまでは収録できないので、成る可く低音領域の楽器を用いるか或いは高音領域の使用を避けるかして、例えば2000Hzまでとか1500Hzまでとかにして、その上で、回転速度、記憶時間、盤の大きさとその場合の最外渦輪直径および最内渦輪直径を最望的に折り合うように定めて、より良質の音声を記憶再生しうるようにした、ハイファイレコードあるいはハイファイディスクと呼ぶことにする、高忠実度記憶再生化音溝盤。
【請求項2】
「請求項1」におけるハイファイレコードのうちの片面5分記憶容量のものの として、その他の諸元を次のように定めて、即ち、収録旨声振動数30〜1500Hz、回転速度60rpm、ディスク直径300mm、再生針の曲率半径0.0254mm(従来のLP盤用)、音溝幅0.06mm、音溝のうねり(揺れ)の帯幅0.16mm、うねり帯間隔0.06mm、とすれば、記憶帯幅は、5min×60sec/min×(0.16mm+0.06mm)×1rps=66mm、従って、最内渦輪直径は、295mm−(66mm+66mm)=163mm、そこで、最内渦輪における最狭の山あるいは谷の幅は、163mm×π÷1500×2=0.1701mm、となるような、或いは大体このような諸元に近くなるような、相当音色が良くて実用に堪えうる、高忠実度記憶再生化音溝盤。
【請求項3】
「請求項1」および「請求項2」におけるハイファイレコード用の、ハイファイレコードプレーヤーあるいはハイファイディスクプレーヤーと呼ぶことにする、再生装置すなわちプレーヤー。

【公開番号】特開2005−11480(P2005−11480A)
【公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−200134(P2003−200134)
【出願日】平成15年6月16日(2003.6.16)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により明細書の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(594052526)
【出願人】(502234662)
【出願人】(502378678)
【出願人】(502395365)
【Fターム(参考)】