説明

ハイブリッドコンピュータシステム

【課題】ハイブリッドコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】ハイブリッドコンピュータシステムを提供し、第1、第2コンピュータ装置を有する。第1コンピュータ装置は、接続ユニットにより、第2コンピュータ装置上に設置される。第1コンピュータ装置と第2コンピュータ装置が分離された時、それぞれ単独に稼働、動作する。第1、第2コンピュータ装置は、マスタースレーブ構造中で互いに通信し、単一システムに結合する。第1、第2コンピュータ装置の周辺機器は共有され、第1、第2コンピュータ装置は、マスター/スレーブシステム、或いは、スレーブ/マスターシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドコンピュータシステムに関するものであって、特に、各々単独で稼働、動作するか、或いは、協働して同時に稼働、動作する、同質或いは異質の少なくとも2台のコンピュータ装置(第1コンピュータ装置及び第2コンピュータ装置)を有するハイブリッドコンピュータシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザーの要求が増加するにつれて、単一のコンピュータ装置を有するシステムでは、ユーザーの要求を十分に満たすことができなくなっている。よって、複数のコンピュータ装置を有するシステムが更に一般的になっている。2つのコンピュータ装置を有するシステムにおいては、例えば、キーボード、ビデオ(ディスプレイ)、及び、マウスの集積装置であるKVMが、2つのコンピュータ装置の間の切り換えに一般に用いられる。複数のコンピュータ装置の信号は、KVM装置のスイッチ機能により切り換えられて、ディスプレイに出力される。キーボードとマウスは、全コンピュータ装置により共有され、ネットワークやシステムの中央制御は、KVM装置により達成される。
【0003】
しかし、このようなシステムの2つのコンピュータ装置は、互いに独立して操作されるので、一度には1つのコンピュータ装置だけが用いられる。よって、2つのコンピュータによって共有されているリソースは、ユーザーは十分利用できない。
【0004】
一方、幾つかのシステムは、取り外し可能な構造を有するが、取り外し可能な設計のシステムは、ユーザーにとっては能率が上がらずまだ役に立たない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、複数の同質或いは異質のコンピュータ装置を有するハイブリッドコンピュータシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のハイブリッドコンピュータシステムは、第1コンピュータ装置と第2コンピュータ装置を有する。第1コンピュータ装置は、少なくとも1つの第1処理ユニット、第1ストレージユニット、及び、第1オペレーティングシステム(OS)を有する。第2コンピュータ装置は、少なくとも1つの第2処理ユニット、第2ストレージユニット、及び、第2OSを有する。第2コンピュータ装置は、更に接続ユニットを有し、且つ、接続ユニットにより第1コンピュータ装置に結合され、これにより、第1、第2コンピュータ装置は単一システムに結合される。第1コンピュータ装置の第1処理ユニット、第1ストレージユニット、及び、第1OSと、第2コンピュータ装置の第2処理ユニット、第2ストレージユニット、及び、第2OSは、単一システムにより共有される。第1コンピュータ装置と第2コンピュータ装置が分離された時、第1コンピュータ装置は、第1処理ユニット、第1ストレージユニット、及び、第1OSを独立して単独で使用し、第2コンピュータ装置は、第2処理ユニット、第2ストレージユニット、及び、第2OSを独立して単独で使用する。
【0007】
また、本発明の他のハイブリッドコンピュータシステムも、第1コンピュータ装置と第2コンピュータ装置を有する。第1コンピュータ装置は、少なくとも1つの第1処理ユニット、第1ストレージユニット、第1オペレーティングシステム(OS)、及び、タッチセンサーパネルを有する。第2コンピュータ装置は、少なくとも1つの第2処理ユニット、第2ストレージユニット、第2OS、及び、入力装置を有する。第2コンピュータ装置は、接続ユニットを有し、且つ、接続ユニットにより第1コンピュータ装置に結合され、これにより、第1、第2コンピュータ装置は単一システムに結合される。単一システムは、第2コンピュータ装置の入力装置を利用して、データを入力し、第1コンピュータ装置のタッチパネルを利用して、データを出力する。第1コンピュータ装置の第1処理ユニット、第1ストレージユニット、及び、第1OSと、第2コンピュータ装置の第2処理ユニット、第2ストレージユニット、及び、第2OSは、単一システムにより共有される。第1コンピュータ装置と第2コンピュータ装置が分離された時、第1コンピュータ装置は、第1処理ユニット、第1ストレージユニット、及び、第1OSを独立して単独で使用し、第2コンピュータ装置は、第2処理ユニット、第2ストレージユニット、及び、第2OSを独立して単独で使用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低消費電力で高パフォーマンスなハイブリッドコンピュータシステムが達成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明に係るハイブリッドコンピュータシステムの一実施形態を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係るハイブリッドコンピュータシステムのブロック図である。
【図3】図3は、本発明に係るハイブリッドコンピュータシステムの各コンピュータ装置が各々単独で稼働、動作する形態を示す図である。
【図4】図4は、図3に続き本発明に係るハイブリッドコンピュータシステムの各コンピュータ装置が各々単独で稼働、動作する形態を示す図である。
【図5】図5は、本発明に係るハイブリッドコンピュータシステムが結合(一体化)操作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態のハイブリッドコンピュータシステム100を示す図である。ハイブリッドコンピュータシステム100は、少なくとも2個のコンピュータ装置110と120を有する。コンピュータ装置110と120は、それぞれ、中央処理ユニット(CPU)、メモリストレージユニット、及び、他の周辺機器或いはリソース(単にリソースと称する場合もある。)を有する。ここでリソースとは、例えば、ディスプレイパネル、キーボード、有線/無線ネットワーク装置、ブルートゥース装置、USBポート、及び、I/Oポート等である。
【0011】
本発明のハイブリッドコンピュータシステム100の内部構成は、例えば図2に示すような構成である。図2のように、第1コンピュータ装置110は、コンピュータ装置110の制御や計算、演算等をする第1処理ユニット112と、第1ストレージユニット114と、第1コンピュータ装置110にインストールされ動作する第1オペレーティングシステム(OS)116と、少なくとも1つの第1リソース118とを有する。第2コンピュータ装置120は、コンピュータ装置120の制御や計算、演算等をする第2処理ユニット122と、第2ストレージユニット124と、第2コンピュータ装置120にインストールされ動作する第2オペレーティングシステム(OS)126と、少なくとも1つの第2リソース128とを有する。第1リソース118と第2リソース128は、各々、例えば、前述したような、ディスプレイパネル、キーボード、有線/無線ネットワーク装置、ブルートゥース装置、USBポート、又は、I/Oポートである。第1リソース118と第2リソース128とは同じであってもよいし(同じものを含んでいてもよいし)、或いは、第1リソース118と第2リソース128とは、異なっていてもよい(全く異なっていてもよいし、異なる少なくとも1つのリソースを含んでいてもよい)。例えば、第1リソース118には、1つのディスプレイ装置が含まれるが、キーボードは含まれず、第2リソース128には、キーボードが含まれるが、ディスプレイ装置は含まないというような構成であってよい。
【0012】
一実施形態として、ハイブリッドコンピュータシステム100は、同じプラットホーム上に、2個の同質のコンピュータ装置を有する。第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120とは、例えばCPUアーキテクチュアが同じであるというような同じ処理ユニットタイプの処理ユニットを含む。例えば、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、ともにx86シリーズのCPU処理ユニットタイプの処理ユニットである。他の実施形態として、ハイブリッドコンピュータシステム100は、同じプラットホーム上に、2個の異質のコンピュータ装置を有する。第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、例えばCPUアーキテクチュアが異なるというような異なる処理ユニットタイプの処理ユニット、例えば、x86シリーズのCPU処理ユニットタイプ、ARMプロセッサ(「ARM」は英国アーム・リミテッド の登録商標)、MIPSプロセッサ(「MIPS」は、米国ミップス テクノロジーズ インコーポレイテッドの登録商標)、或いは、その他の処理ユニットタイプを含む。例えば、第1コンピュータ装置110の処理ユニットタイプは×86シリーズのCPUで、第2コンピュータ装置120の処理ユニットのタイプはARMプロセッサである。
【0013】
入力装置160は、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120に結合されて、第1コンピュータ装置110、及び/又は、第2コンピュータ装置120の入力ユニット、例えば、キーボード、マウス、或いは、その他により生成される入力信号を受信する。プリンター等の出力装置170は、データ出力に用いられる。注意すべきことは、入力装置160と出力装置170は、第1リソース118、及び/又は、第2リソース128より割り当てられることである。例えば、第1リソース118に入力ユニット(キーボード)が含まれ、第2リソース128に出力ユニット(プリンター)が含まれる場合、ハイブリッドコンピュータシステム100は、第1リソース118に含まれる入力ユニット(キーボード)を入力装置160とし、第2リソース128に含まれる出力ユニット(プリンター)を出力装置170とする。
【0014】
第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、ともにディスプレイパネルを有するコンピュータ装置であるか、或いは、第1コンピュータ装置110がディスプレイパネルを有するコンピュータ装置で、第2コンピュータ装置120が、キーボード、マウス、CD-ROM、及び、対応する入力/出力ポートを有するコンピュータ装置であるか、である。第2コンピュータ装置120は、更に、接続ユニット130を有し、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、互いに結合されて使用されるか、或いは、結合状態から分離されて、各々単独で(独立して)用いられる。第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120が結合される時、接続ユニット130は、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120のハードウェアリソースをも接続する。すなわち、接続ユニット130は、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120とを、機械的(物理的)にも、電気的にも、一体に接続(連結)する。第1コンピュータ装置110は、ウェッジかベアリングにより、第2コンピュータ装置120に結合される。
【0015】
一実施形態としては、第2コンピュータ装置120の接続ユニット130はスライドバーで、よって、第1コンピュータ装置110は、スライドバーの導引により、第2コンピュータ装置120と結合、或いは、分離される。
【0016】
例えば、図1を参照すると、第2コンピュータ装置120は、更に、両側端縁上に、一対のスライドバー131と132を有する。スライドバー131と132は、対応する端部から外向けに(上方に向かって)延伸する。第1コンピュータ装置110は、スライドバー131と132の導引により、第2コンピュータ装置120に結合、或いは、分離される。
【0017】
第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、それぞれ、独立したOS、例えば、第1OS116と第2OS126を有する。第1OS116と第2OS126は互いに通信し、それらの間で、ファイルとリソースを共有する。
【0018】
第1OS116と第2OS126は、同一種類のOSか、或いは、異なる種類のOSかである。OSは、例えば、MicrosoftウィンドウズベースOS(「Microsoft」、「ウインドウズ」は米国マイクロソフト コーポレイションの登録商標)、Linux OS(「Linux」は米国トルヴアルドズ リヌスの登録商標) 、Android OS(「Android」米国グーグル インコーポレイテッド の登録商標)、 Mac OS(「MAC」、「MAC OS」は米国アップル インコーポレイテッドの登録商標) 、 Symbian OS(「Symbian」は英国シンビアン リミテッドの登録商標)、Sun OS(「SUN」は米国サン・マイクロシステムズ・インコーポレイテッドの登録商標)、 FreeBSD(「FreeBSD」は米国ザ フリービーエスディー ファウンデーションの登録商標)等である。
【0019】
具体的な一実施形態としては、例えば、第1コンピュータ装置110の第1OS116と第2コンピュータ装置120の第2OS126のタイプは、共に、MicrosoftウィンドウズベースのOSである。或いは、第1コンピュータ装置110の第1OS116のタイプがMicrosoftウィンドウズベースのOSで、第2コンピュータ装置120の第2OS126のタイプがLinux OSである。
【0020】
第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120が、スライドバー131と132の導引により、接続ユニット130により互いに結合される時、第1、第2コンピュータ装置110,120は、図1で示される単一システムに結合される。第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120のCPU、ストレージユニット、及び、他のリソース、或いは、周辺機器は共有される。つまり、第2コンピュータ装置120が、第1接続ユニット130により第1コンピュータ装置110に結合される時、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、単一システムに結合され、第1コンピュータ装置110の第1処理ユニット112、第1ストレージユニット114、第1OS116、及び、第1リソース118と、第2コンピュータ装置120の第2処理ユニット122、第2ストレージユニット124、第2OS126、及び、第2リソース128は、単一システム100中で共有される。第1コンピュータ装置100は、マスタースレーブ構造中で、第2コンピュータ装置120と通信し、ユーザーは、コンピュータ装置をマスターシステムとスレーブシステムのどちらにするか決定する。マスタースレーブ構造においては、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120のいずれか一方をマスターシステム、他方をスレーブシステムに設定する。
【0021】
ディスプレイ装置140は、マスターシステムに対応するOS環境で表示を行うのに用いられる。注意すべきことは、本実施形態中のディスプレイ装置140は、リソース118、及び/又は、リソース128から得られることである。例えば、リソース118がディスプレイユニット(LCDディスプレイ)を含む場合、ハイブリッドコンピュータ100は、ディスプレイユニット(LCDディスプレイ)をディスプレイ装置140とする。
【0022】
切り換えユニット150は、コンピュータ装置110と120とディスプレイ装置140間に接続されて、どのコンピュータ装置がマスターシステムになるのか選択するマスター選択に従って、第1コンピュータ装置110か第2コンピュータ装置120を選択的にマスターシステムに切り換え、ディスプレイ装置140上に、マスターシステムに対応するOS環境での表示を行う。例えば、切り換えユニット150が、コンピュータ装置110がマスターシステムに設定されることを示すマスター選択を受信する場合、第1コンピュータ装置110のOS環境の画面が、ディスプレイ装置140上に表示される。マスターシステムのOSは、更に、実際の応用要求、例えば、アプリケーションのロードとアプリケーションの動作に必要な環境に従って、第1コンピュータ装置110、或いは、第2コンピュータ装置120をマスターシステムとして設定するか決定する。注意すべきことは、マスターシステムとスレーブシステムは、同時にノーマルモードに設定してもよいし、スレーブシステムが動作しない時はスレーブシステムの処理ユニットをスリープモード或いはパワーオフモードに設定するようにしてもよい。
【0023】
例えば、第1コンピュータ装置110の処理ユニット112が、第2コンピュータ装置120の処理ユニット122よりも消費電力が小さく、第2コンピュータ装置120の処理ユニット122のパフォーマンスが、第1コンピュータ装置110の処理ユニット112より高い場合、ブラウザやテキスト編集アプリケーション等の幾つかの特定のアプリケーションだけが実行される時は、低消費電力の第1コンピュータ装置110の処理ユニット112が選択されて動作し、マルチメディアアプリケーション等の複雑な計算を必要とするアプリケーションが実行される時は、高いパフォーマンスの第2コンピュータ装置120の処理ユニット122が選択されて動作するようにすればよい。
【0024】
例えば、第2OS126がマスターシステムに設定される場合、第1OS116はスレーブシステムである。この場合、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120が結合される時、第1OSシステム116が、いかなる処理も実行しない場合、第1コンピュータ装置110の処理ユニット112と第1OS116は、スリープモードかパワーダウンモードに設定される。一方、第2OS126は、周辺機器かソフトウェア/ハードウェアリソースを含む第1コンピュータ装置110の第1リソース118全てを引き継ぎ、第1コンピュータ装置110のディスプレイパネルを利用して、第2コンピュータ装置120に対応するOS環境と進行中のアプリケーションの処理結果の表示を行う。具体的な一実施形態としては、第1OS116の処理と第1コンピュータ装置110の関連アプリケーションの処理とを実行するためにはバーチャルOSを第2OS126で使用することができ、その後、単一のウィンドウにより、又は複数のウィンドウ間の切り換えにより、或いは、第1OS116と第2OS126のアプリケーションの処理結果を同時に表示することにより、第1OS116及び/又は第2OS126のアプリケーションの処理結果が、ディスプレイ装置上に表示される。
【0025】
また、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120が分離されている時は、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、別々に動作する。第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120が分離されている時、第1コンピュータ装置110は、第1処理ユニット112、第1ストレージユニット114、及び、第1OS116を独立に使用し、第2コンピュータ装置120は、第2処理ユニット122、第2ストレージユニット124、及び、第2OS126を独立に使用する。
【0026】
図3は、本発明のハイブリッドコンピュータシステムの分離操作を示す図である。図3のように、第1コンピュータ110は、第2スライドバー131と132の導引により、第2コンピュータ装置120から分離される。この時、図4で示されるように、スライドバー131と132は、第2コンピュータ装置120の接触点を支点とし、第2コンピュータ装置120の方向に折り畳まれる。これにより、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120が互いに分離された後、スライドバー131と132は、第2コンピュータ装置120上に収容される。第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120が互いに分離された後、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、それぞれのCPU、ストレージユニット、インストールされたOS、及び、必要な周辺機器を有するので、独立して動作することができる。一実施形態として、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120がどちらも、タッチパネルなどのディスプレイ装置を有する時、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120は、それぞれ、携帯インターネット機器(mobile internet device、MID)として用いられて、複数のユーザーに、同時並列的な処理、動作を提供する。他の実施形態として、第2コンピュータ装置120が、キーボード、マウス、及び、関連する入力/出力ポート等の入力装置だけを有し、いかなるディスプレイ装置も有さず、且つ、VGAポート、DVIポート、AV、及び、S端末ポート、色差端末ポート、HDMI端末ポート等のディスプレイ出力インターフェイスを含む場合、第2コンピュータ装置120は、これらのディスプレイ出力インターフェイスにより、他の外部のディスプレイ装置に接続されて、ディスプレイ装置の1つを出力装置として出力を行う。
【0027】
更に、一対のスライドバー131と132が、第1コンピュータ装置110を第2コンピュータ装置120に接続するのに用いられるが、注意すべきことは、本発明はこれに制限されないことである。つまり、他の接続方法が用いられて、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120を接続することができる。例えば、図5に示すように、導引スライド133が、第2コンピュータ装置120の側辺に装着され、第1コンピュータ装置110が導引スライド133に滑入することにより、第1コンピュータ装置110が第2コンピュータ装置120に接続される構成でもよい。或いは、第1コンピュータ装置110、及び/又は、第2コンピュータ装置120上に、更に、対応する磁石コネクタを有し、磁力により、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120を接続するようにしてもよい。この他、第2コンピュータ装置120は、更に、双方向コネクタを設置し、双方向コネクタのピンが適当に設計されて、第1コンピュータ装置110が第2コンピュータ装置120に正方向か反対方向で接続される時、正常に操作する。例えば、2つのコンピュータ装置が互いに分離された時、第1コンピュータ装置110は、まず、180度反転し、その後、スライドバー131と132の導引により、第2コンピュータ装置120に接続される。第1コンピュータ装置110が安定して、第2コンピュータ装置120に接続された後、第1コンピュータ装置110は、更に、第2コンピュータ装置120の方向に折り畳まれて、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120により結合されるハイブリッドコンピュータシステム100は、タブレット型PCになる。双方向コネクタのピンが適当に設計されると、第1コンピュータ装置110は正常に動作し、第2コンピュータ装置120は、通常通りに、第1コンピュータ装置110の周辺機器と全共有可能なソフトウェア/ハードウェアリソースにアクセスする。
説明のため、ハイブリッドコンピュータシステム機構の一実施形態が以下で説明されるが、本発明はこれに制限されない。
【0028】
本実施形態において、ハイブリッドコンピュータシステム100は、第1コンピュータ装置110と第2コンピュータ装置120を有し、それぞれ、CPU、ストレージユニット、及び、インストールされたOS、を有する。第1コンピュータ装置110は、更に、タッチパネルを有し、第2コンピュータ装置120は、いかなるディスプレイ装置もないが、キーボードや触れることが出来るボード等の入力装置を有する。第1、第2コンピュータ装置110と120は、それぞれ、独立して動作する。
【0029】
第1、第2コンピュータ装置110と120が結合されて用いられる時、ラップトップコンピュータシステムと同様の形態のハイブリッドコンピュータシステム100が形成される。ユーザーは、第1コンピュータ装置110のOSをマスターシステムとして選択するか、或いは、他のコンピュータ装置(第2コンピュータ装置120)のOSをマスター装置として選択する。マスターシステムのOSは、第1コンピュータ装置110のディスプレイ装置のディスプレイスクリーンで示され、2つのコンピュータ装置110と120の周辺機器が、OSマスターシステムのOSにより用いられる。2つのコンピュータ装置が互いに結合される時、マスターシステムのOSは、それらの間に接続された物理的ハードウェア回路により、2つのコンピュータ装置のハードウェアリソースにアクセスし、これにより、2つの相互接続コンピュータ装置間のデータ共有を達成する。
【0030】
更に、マスターシステムのOSは、プログラムやアプリケーションを制御することが出来、実際のアプリケーション要求に基づいて、どのOSが特定のプログラムかアプリケーションを実行するか決定する。例えば、マスターシステムのOSは、自身のリソースを用いて、或いは、スレーブシステムのリソースを用いることにより、特定のアプリケーションの実行を決定するか、或いは、スレーブシステムのOSに制御権を与え、スレーブシステムのOSにより特定のアプリケーションが、実行される。
【0031】
総合すると、本発明のハイブリッドコンピュータシステムにより、2個のコンピュータシステム機構を有する装置に対し、更に便利な使用方法が提供される。ユーザーは、2つのコンピュータ装置の1つだけを用いることを選択するか、或いは、2つのコンピュータ装置を結合することを選択して、好ましいパフォーマンスの提供を受けることができる。取り外し可能な構造により、装置の携帯性が達成され、2つのコンピュータ装置が単一システムに結合される時、結合された単一システムは、公知のコンピュータシステムと同じ方法で用いられ操作される。更に、2つのコンピュータ装置が互いに結合されて用いられる時、本発明のハイブリッドコンピュータシステムは、進行しているアプリケーションに必要とされる環境等、実際のアプリケーション要求に基づいて、自動的に、マスターシステムとなる適当なコンピュータ装置を選択して、操作する。これにより、ハイブリッドコンピュータシステムの低消費電力と高パフォーマンスが達成される。
【0032】
本発明では好ましい実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、コンピュータを使用する全ての機器、装置、機械等に適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
100…ハイブリッドコンピュータシステム
110…第1コンピュータ装置
112…第1処理ユニット
114…第1ストレージユニット
116…第1OS
118…第1リソース
120…第2コンピュータ装置
122…第2処理ユニット
124…第2ストレージユニット
126…第2OS
128…第2リソース
130…接続ユニット
131、132…スライドバー
133…導引スライド
140…ディスプレイ装置
150…切り換えユニット
160…入力装置
170…出力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドコンピュータシステムであって、
少なくとも1つの第1処理ユニット、第1ストレージユニット、及び、第1オペレーティングシステム(OS)を有する第1コンピュータ装置と、
少なくとも1つの第2処理ユニット、第2ストレージユニット、及び、第2OSを有する第2コンピュータ装置とを有し、
前記第2コンピュータ装置は、当該第2コンピュータ装置を前記第1コンピュータ装置に結合する接続ユニットを有し、
前記接続ユニットにより前記第1コンピュータ装置と前記第2コンピュータ装置とが単一システムに結合された時は、前記第1コンピュータ装置の前記第1処理ユニット、前記第1ストレージユニット、及び、前記第1OSと、前記第2コンピュータ装置の前記第2処理ユニット、前記第2ストレージユニット、及び、前記第2OSは、前記結合された単一システムにより使用され、
前記第1コンピュータ装置と前記第2コンピュータ装置が分離された時は、前記第1コンピュータ装置は、前記第1処理ユニット、前記第1ストレージユニット、及び、前記第1OSを単独で使用し、前記第2コンピュータ装置は、前記第2処理ユニット、前記第2ストレージユニット、及び、前記第2OSを単独で使用する
ことを特徴とするハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項2】
前記第1コンピュータ装置は、更に、第1リソースを含み、前記第2コンピュータ装置は、更に、第2リソースを含み、前記第1、第2コンピュータ装置が前記単一システムに結合される時、前記第1、第2リソースは前記単一システムにより使用されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項3】
ハイブリッドコンピュータシステムであって、
少なくとも1つの第1処理ユニット、第1ストレージユニット、第1オペレーティングシステム(OS)、及び、タッチセンサーパネルを有する第1コンピュータ装置と、
少なくとも1つの第2処理ユニット、第2ストレージユニット、第2OS、入力装置、及び、接続ユニットを有し、前記接続ユニットにより前記第1コンピュータ装置と結合する第2コンピュータ装置とを有し、
前記第1コンピュータ装置及び前記第2コンピュータ装置が単一システムに結合された時は、前記単一システムは、
前記第2コンピュータ装置の入力装置を利用してデータを入力し、
前記第1コンピュータ装置のタッチパネルを利用してデータを出力し、
前記第1コンピュータ装置の前記第1処理ユニット、前記第1ストレージユニット及び前記第1OSと、前記第2コンピュータ装置の前記第2処理ユニット、前記第2ストレージユニット及び前記第2OSは、前記単一システムにより共有され、
前記第1コンピュータ装置と第2コンピュータ装置が分離された時は、
前記第1コンピュータ装置は、前記第1処理ユニット、前記第1ストレージユニット、及び、前記第1OSを単独で使用し、
前記第2コンピュータ装置は、前記第2処理ユニット、前記第2ストレージユニット、及び、前記第2OSを単独で使用する
ことを特徴とするハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項4】
前記第2コンピュータ装置は、更に、ディスプレイ出力インターフェイスを有し、前記第1コンピュータ装置と前記第2コンピュータ装置が分離した時、前記第2コンピュータ装置は、前記ディスプレイ出力インターフェイスによりディスプレイ装置に接続されて、前記出力装置とすることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項5】
前記第1コンピュータ装置と前記第2コンピュータ装置との間の前記接続ユニットは、は、ウェッジ、或いは、ベアリングにより、前記第1コンピュータ装置と前記第2コンピュータ装置とを結合することを特徴とする請求項1又は3に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項6】
前記第2コンピュータ装置の前記接続ユニットはスライドバーを有し、前記第1コンピュータ装置は、前記スライドバーの導引により、前記第2コンピュータ装置と結合、或いは、分離されることを特徴とする請求項5に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項7】
前記第2コンピュータ装置の前記接続ユニットはコネクタを含み、前記第1コンピュータ装置は、前記コネクタにより、前記第2コンピュータ装置と結合、或いは、分離されることを特徴とする請求項5に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項8】
前記第1コンピュータ装置及び前記第2コンピュータ装置は、マスタースレーブ構造に形成され、前記第1コンピュータ装置は、前記第2コンピュータ装置と通信し、いずれか一方がマスターシステムで、いずれか他方がスレーブシステムに設定されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項9】
前記第1コンピュータ装置及び前記第2コンピュータ装置は、マスタースレーブ構造に形成され、前記第1コンピュータ装置は、前記第2コンピュータ装置と通信し、いずれか一方がマスターシステムで、いずれか他方がスレーブシステムに設定されることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項10】
前記マスターシステムに対応する前記OS環境を表示するディスプレイ装置を含むことを特徴とする請求項8に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項11】
前記第1コンピュータ装置、或いは、前記第2コンピュータ装置を、前記マスターシステムに切り換え、前記ディスプレイ装置に、前記マスターシステムの前記OSを表示する切り換えユニットを含むことを特徴とする請求項9又は10に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項12】
前記マスターシステムの前記OSは、更に、実際のアプリケーション要求に従って、前記第1コンピュータ装置、或いは、前記第2コンピュータ装置を前記マスターシステムに設定するか否かを決定することを特徴とする請求項11に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項13】
前記スレーブシステムが動作しない時、前記スレーブシステムの前記処理ユニットは前記スリープモードに設定されることを特徴とする請求項12に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項14】
前記第1OSの前記オペレーションシステムのタイプは、前記第2OSと異なることを特徴とする請求項1又は3に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項15】
前記第1処理ユニットのタイプは、前記第2処理ユニットと異なることを特徴とする請求項1又は3に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項16】
前記第1コンピュータ装置及び前記第2コンピュータ装置の少なくともいずれか一方は、携帯型電子装置或いは携帯機器であることを特徴とする請求項1又は3に記載のハイブリッドコンピュータシステム。
【請求項17】
前記ハイブリッドコンピュータシステムは、携帯型インターネット装置、ラップトップコンピュータシステム、或いは、タブレットPCとして用いられることを特徴とする請求項1又は3に記載のハイブリッドコンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−277592(P2010−277592A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121221(P2010−121221)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(599064731)インスティチュート フォー インフォメイション インダストリ (24)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE FOR INFORMATION INDUSTRY
【Fターム(参考)】