ハイブリッド・ターンテーブル
本発明は一般に、デジタル媒体およびアナログ・ビニール・レコードの両方を演奏できる新規なかつユニークなハイブリッド・ターンテーブルを対象とする。本発明のターンテーブルは、同じターンテーブルを使用しながらアナログ・ビニール・レコードをスクラッチすることもできながら、デジタル・オーディオを使用してスクラッチ演奏を模擬するのにハイブリッド・ターンテーブルを使用できる、ディスク・ジョッキー音楽業界での具体的な用途を有する。デジタル・オーディオおよびアナログ・オーディオは選択的に再生できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオーディオの再生および操作に関する。本発明は詳しくは、異なる種類の音響効果を提供するようにリアルタイムでオーディオを操作することができるオーディオ・プレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ターンテーブルは、ビニール・レコード上にある音楽などのオーディオの再生に使用するために、従来技術でよく知られている。アナログ・ターンテーブルの動作の詳細は非常によく知られているので、その動作の詳細は本明細書で論じる必要はない。背景として、これらの従来技術のターンテーブルは、モータによって直接またはベルトを介して駆動される回転円盤を含む。スピンドルが円盤の軸のところに配置される。中央穴を有するレコードが、円盤スピンドルがこの穴を貫通して、円盤上に配置される。結果としてビニール・レコードは、円盤と共に回転するように円盤上に芯合わせされた状態になる。
【0003】
その自由端上にカートリッジを有するトーン・アームが設けられる。カートリッジ内の針がレコードのビニール表面上に配置される溝と通信する。ビニール・レコードの溝を通る針の通過がアナログ音響波を作り出し、それが音響システムによって放送するために、トーン・アームを介して電子的に通信する。通常、レコードは前方方向に、かつ1分間に33−1/3回転などの特定の速度で再生される。そのような「正規な(normal)」再生は結果として、記録されたオーディオがビニール・レコードの創作者によって当初望まれたように再生されることになる。
【0004】
しかしながら、これらの従来技術のアナログ・ビニール・レコードがユニークな音響効果を作り出すように操作することができることも考えうる。例えば、針がビニール・レコードの溝内に残っている間に、レコードを速度上昇させ、または速度低下させ、または前後に移動させることができる。ビニール・レコードの再生を手動で変更するこの技術は、音楽芸術形態の「スクラッチ(scratching)」として知られており、現行のポピュラー・ミュージックのレコーディングなどの、任意のビニール・レコードに対して行うことができる。
【0005】
ビニール・レコード・スクラッチの業界では、ビニール・レコードの相互作用的再生のこの特定の様式に対応するために、特別な装置が何年にもわたり設計されてきている。例えば、円盤の絶えず続く前後移動用に設計された駆動システムを有する、専門の針およびターンテーブルが作り出されてきた。同様に、ターンテーブル円盤と独立したレコードの回転を容易にするために、滑りマットがビニール・レコードとモータ駆動円盤の間に通常配置される。スクラッチ・ターンテーブルの使用者のニーズに適合するように、異なるレベルの摩擦を有する異なる滑りマットを用いることができる。前述の観点から、効果的なスクラッチのための鍵は、使用者のレコードおよびターンテーブルおよび針との物理的な相互作用である。
【0006】
ビニール・レコードを使用する音響再生のスクラッチ技術の使用は、非常に一般的になってきている。しかしながら、コンパクト・ディスク(CD)およびフラッシュ媒体などのデジタル媒体の販売および人気が、音楽などのオーディオ記録用の好ましい媒体として数年ほどで顕著に増加してきている。したがって、デジタル・オーディオがその音質、記録および再生の容易さのために、多くの人達によって好まれるようになってきている。例えばデジタル・オーディオは、一般にデジタル・ファイルとして記録される。それは、光学的コンパクト・オーディオ・ディスクおよび磁気ディスクなどの、ハード・ドライブやコンパクト・フラッシュ媒体などの任意の型式のデジタル記録媒体に記録することができる。結果として、ターンテーブルはそのようなデジタル音楽の再生に一般に使用されない。代わりに、デジタル・コンパクト・ディスク・プレーヤ、コンピュータおよびデジタル・ポータブル・メディア・プレーヤが今は再生に用いられる。
【0007】
デジタル音楽はアナログ・ビニール・レコードより優れたかなりの利点を有するけれども、デジタル・オーディオはアナログ音楽のようにレコード・ターンテーブル上で再生されないのでデジタル・オーディオはスクラッチすることができないという重大な欠点が存在する。したがって、ビニール・レコード上にあるアナログ・オーディオをスクラッチするのと類似する結果を得るために、デジタル・オーディオのスクラッチを模擬する望みが生じてきている。
【0008】
デジタル・オーディオ・ファイルにスクラッチ効果を発揮させるために、従来技術で多くの試みが存在してきている。従来技術では、デジタル・オーディオ・ファイルは、コンパクト・ディスクまたは他の記録媒体からメモリー・バッファ内に通常読み込まれる。ディスクの速度および方向を測定するために、回転ディスクは、それに接続されるセンサと共に通常用いられる。ディスクの回転速度および回転方向に関するデータは、所望のアルゴリズムおよびシステム・ソフトウェアに従ったデジタル信号処理のために、デジタル・マイクロプロセッサによって受信される。例えば、ディスクが半分の回転速度に速度が低下したデータがマイクロプロセッサによって受信される場合は、次いでマイクロプロセッサは制御器ディスクの速度に合致させるように、それに応じて出力信号を減速させるであろう。同様に、制御器ディスクが後向きに回転している場合は、マイクロプロセッサはデジタル・オーディオを処理し、それを逆転するオーディオとして出力するであろう。制御器ディスクによるデジタル信号処理の詳細はこの分野でよく知られており、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。
【0009】
一般に、スクラッチ音響効果を達成するためのデジタル・オーディオのデジタル信号処理は、ディスク・ジョッキー等による演奏に対して極めて現実的でありかつ適している。しかしながら、そのようなスクラッチ演奏者は、できるだけ近いスクラッチ演奏を提供するために、外見と感触および動作の両方でアナログ・ターンテーブルにできるだけ近い物理的インターフェースも必要とする。最も重要なことには、デジタル・スクラッチのためのこの物理的インターフェースは、アナログ・スクラッチ演奏を最も厳密に模擬するスクラッチ演奏に結果としてなるであろう。
【0010】
従来技術のデジタル・スクラッチ装置の物理的インターフェースは、ディスク・ジョッキーや他の演奏者が慣れているアナログ・ターンテーブルを厳密に模擬しない。従来技術のインターフェース制御器ディスクは、現実のアナログ・ターンテーブルにある実際のビニール・レコードを単に全体的に模擬するように設けられたに過ぎない通常は小さな円形の円盤である。結果として、これらの従来技術のデジタル・スクラッチ装置の全体的な感触および動作は、現実のアナログ・ターンテーブルにあまり近似していない。
【0011】
しかしながら、デジタル装置でアナログ・スクラッチ・ターンテーブルを厳密に模擬するための試みが従来技術に存在している。例えば、従来技術で別々の「レコード」および円盤を設けるための取り組みが行われてきており、それら両者は、速度および方向を監視するためにそれらに接続されるそれら自体の検出器を有する。これらの従来技術装置の「レコード」は、装置のスピンドルに連結されるオーダーメイドのビニールまたはプラスチック・ディスクである。例えば、これらの「レコード」は、特別に構成されるターンテーブル・スピンドルと係合する特別のキー付きの中央穴を有する。ディスクのサイズもまた、正規のLPディスクより通常小さい。このオーダーメイドのディスクは、従来技術のデジタル・スクラッチ・ターンテーブルと共に使用しなければならない。
【0012】
デジタルで記録されたオーディオの高品質および使用の容易さにもかかわらず、ディスク・ジョッキーが、まだそのデジタル・バージョンと交換していない可能性のあるそのようなビニール・レコードの大量の保管物を一般に有しているので、ビニール・レコードが依然としてしばしば使用される。同様に、何人かのディスク・ジョッキーは、真の、本物のスクラッチ効果を得るために、アナログ・ビニール・レコードをスクラッチするのを依然として好む場合がある。したがって、ディスク・ジョッキーがトーン・アームおよびカートリッジを使用してアナログ式にビニール・レコードを再生し、スクラッチすることができるニーズが依然として存在する。したがって、ディスク・ジョッキーがデジタル記録媒体ならびにビニール・レコードの両方を再生し、かつスクラッチしようと望む場合は、彼らはアナログ・ビニール・ターンテーブルのみならず、デジタル再生およびスクラッチ装置の両方を所有しなければならない。これはディスク・ジョッキーにとって、彼らが演奏のために2つのターンテーブルを持って移動しなければならないので、高価のみならずわずらわしい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述の観点から、デジタル記録オーディオを使用して音響出力の観点のみならず物理的インターフェースの観点からもビニール・レコードのアナログ・スクラッチを厳密に模擬することができるのみならず、ビニール・レコードも再生しかつスクラッチすることができるハイブリッド・ターンテーブルに対する要求が存在する。事実上アナログ・ターンテーブルと識別不可能なデジタル・スクラッチ・ターンテーブル、あるいはアナログ・ビニール・ターンテーブル、いずれとしても機能することができるハイブリッド・ターンテーブルに対する具体的な要求が存在する。インターフェース「レコード」が現実のビニール・レコードにできるだけ近くなることの要求が存在する。そのようなデジタル・スクラッチ・ターンテーブルがアナログ・ターンテーブルにある円盤と同一である円盤を含むことの要求が存在する。デジタル・スクラッチ・ターンテーブルが、アナログ・スクラッチ動作をより厳密に模擬するように滑りマットを使用することのさらなる要求が存在する。全体的なスクラッチ演奏および演奏者の楽しみを改善するために、デジタル・スクラッチ・ターンテーブルがアナログ・ターンテーブルの感触を有することの要求も存在する。デジタルで記録されたオーディオのデジタル・スクラッチのために制御インターフェース・ディスクを担持し、かつアナログ・オーディオ再生のためにトーン・アームおよびカートリッジと通信する間、ビニール・レコード・ディスクを支持するために、円盤が両方に使用されるハイブリッド・ターンテーブルに対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、従来技術のデジタルおよびアナログ・スクラッチ・ターンテーブルの利点を残している。そのうえ本発明は、現行の入手可能なターンテーブルに存在しない新たな利点を提供し、そのような現行の入手可能なターンテーブルの多くの欠点を克服する。
本発明は一般に、デジタル媒体およびアナログ・ビニール・レコードの両方を演奏できる新規なかつユニークなハイブリッド・ターンテーブルを対象とする。本発明のターンテーブルは、同じターンテーブルを使用しながらアナログ・ビニール・レコードをスクラッチすることもできながら、デジタル・オーディオを使用してスクラッチ演奏を模擬するのにハイブリッド・ターンテーブルを使用できる、ディスク・ジョッキー音楽業界での具体的な用途を有する。デジタル・オーディオおよびアナログ・オーディオは選択的に再生できる。
【0015】
このハイブリッド・ターンテーブルは、同じターンテーブルでデジタル媒体およびビニール・レコード・ディスクの両方を演奏する能力がある。このターンテーブルは、モータ化された円盤および独立に回転するスピンドルとを含む。円盤およびスピンドルの回転は独立に回転可能である。インターフェース制御ディスクは、スピンドルを制御可能に回転させるようにスピンドルに連結可能である。インターフェース制御ディスクのスピンドルへの連結を容易にするために、アダプタを使用することができる。円盤およびスピンドルの回転位置は、デジタル的に模擬されるスクラッチ・タイプの音楽演奏を発生させるようにデジタル・オーディオ出力信号を供給するためにデジタル媒体を処理するために使用される。別法として、ビニール・レコード・ディスクを円盤上に、かつスピンドルに直接連結することなくスピンドルの周りに配置することができる。トーン・アームも、アナログ・フォノ・オーディオ出力信号を供給するためにビニール・レコード・ディスクと通信するように設けられる。アナログの実際のスクラッチ・タイプ演奏または正規のレコード再生がトーン・アームおよびビニール・レコード・ディスクを使用して可能である。デジタル・オーディオ出力信号およびアナログ・フォノ・オーディオ出力は、同じターンテーブルを使用して選択的に演奏させることができる。
したがって、同じターンテーブルを使用してデジタル媒体およびアナログ・ビニール・レコードを再生できるハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の1つの目的である。
【0016】
同じターンテーブルを使用してデジタル媒体をデジタル的にスクラッチでき、かつアナログ・ビニール・レコードをスクラッチできるハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の別の目的である。
【0017】
デジタル媒体またはアナログ・ビニール・レコードのどちらも演奏できるように容易に改変することができるハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の1つの目的である。
【0018】
デジタル・スクラッチのために、インターフェース制御ディスクのターンテーブルへの搭載を容易にするアダプタを含むハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の別の目的である。
【0019】
本発明の別の目的は、ディスク・ジョッキーがデジタルおよびアナログ・オーディオの両方を演奏しかつスクラッチすることを可能にするハイブリッド・ターンテーブルを提供することである。
【0020】
本発明の特徴である、新規な機構は添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明の好ましい実施形態は、別の目的および付随する利点と共に、添付の図面と共に行われる以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
最初に図1を参照すると、本発明のハイブリッド・ターンテーブル音響再生装置10の斜視図が示されている。この装置10は一般に、アナログ・ビニール・レコードの再生のみならず、オーディオそれ自体の追加の楽しみのために、その再生を改変するために使用者による後でのオーダーメイドの、オンザフライ操作用に、記録装置からデジタル・オーディオ・ファイルを読み出し、それをメモリ内に置くオーディオ再生機械である。
【0022】
デジタル・オーディオ再生のために、オーディオ・ファイルは、コンパクト・ディスク(「CD」)またはハード・ドライブなどの任意の記録媒体から取り出すことができる。論議および説明を容易にするために本発明は、デジタル・オーディオ・ファイルをCDから取り出すことに関連して詳細に示されかつ説明されるが、本発明は、ハード・ドライブ、またはフラッシュ・メモリ・カードなどのリムーバブル媒体などの任意の記憶媒体から、後での操作のためにデジタル・オーディオ・ファイルを取り出すために使用できることを理解されたい。本発明の範囲は前述の記憶媒体のどのような型式も包含することを意図している。
【0023】
このハイブリッド・ターンテーブル再生装置10は、壁コンセント等を使用して、交流電力などの電力源によって駆動される電気装置である。以下に説明するように、様々な電子構成部品が本発明の装置に用いられる。電力供給の性質および種類は、この再生装置に用いられる構成部品に適合するように改変することができる。
【0024】
さらに図1を参照すると、本発明のハイブリッド・ターンテーブル再生装置10は、ターンテーブル円盤14が上に回転可能に搭載される外側主ハウジング12を含む、デジタル再生およびスクラッチ・モードで最初に示されている。実際のビニール・レコードであることが好ましい使用者制御ディスク16が、以下で詳細に説明するように、全体的に31として指示されるユニークなアダプタを使用して中央スピンドル18に脱着可能に連結されている。例えば、使用者のお気に入りのビニール・レコードをこの円形ディスク16として使用することができる。以下に詳細に説明するように、円盤14および円形ディスク16の回転速度および回転方向は、オーディオ信号の改変のための制御信号を発生させるように独立に監視される。
【0025】
再生装置10は、装置10の主ハウジング12の頂部表面12aの周りに配置される多数の使用者制御器も含む。この使用者制御器の性質およびレイアウトは、ディスク・ジョッキーの要求に最もよく適合するように設けるのが好ましい。本発明のハイブリッド・ターンテーブル10は、デジタル再生およびビニール・レコードのアナログ再生の両方に使用されるので、ディスク・ジョッキーに非常によく知られているアナログ・スクラッチ・ターンテーブルをできるだけ厳密に模擬する再生装置を提供する使用者制御器が設けられる。見れば分かるように、このハイブリッド・ターンテーブル再生装置10の外観は、標準のアナログ・スクラッチにそっくりである。
【0026】
本発明の再生装置10は、すなわちコンパクト・ディスク駆動部として別に知られている、組み込みの光学読み取り器19を含む。前方装填スロット20が、コンパクト・ディスク22を受け入れるために装置の前方に配置される。コンパクト・ディスク22の引き出しベースの装填を図1に示すスロット装填の代わりに使用することができる。このコンパクト・ディスク・プレーヤ19は、光学ディスク22上のデジタル・オーディオ・データを光学的に読み取り、デジタル・オーディオ波形データを出力する。コンパクト・ディスク・プレーヤ19はこの分野でよく知られており、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。そのディスクのさらなる使用がもはや必要ないとき、コンパクト・ディスク22を取り出すためにエジェクト・ボタン24が使用される。様々なボタンが、選択されるオーディオ信号の再生の完全な制御のために設けられる。使用者制御器のさらなる詳細は、本発明の再生装置の動作および使用と関連して以下で論じられる。
【0027】
本発明のハイブリッド・ターンテーブル再生装置10は、ベース25に枢動可能に搭載されるトーン・アーム23も含む。カートリッジ27も、トーン・アーム23およびベース25を通りハイブリッド・ターンテーブル再生装置10の本体12内の電子装置にアナログ・オーディオ信号を伝達するためにトーン・アーム23に連結される。カートリッジ、トーン・アーム23およびベース25の構成は、この分野でよく知られたように動作し、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。
【0028】
図2および3を見れば最もよく分かるように、トーン・アーム23およびカートリッジ27を使用するアナログ再生のために、使用者制御ディスク16が上に設置されるアダプタ31と共に取り外され、ビニール・レコード17と交換される。図3を見れば分かるように、ビニール・レコード17は中にスピンドル18が受けられる中央穴21を含む。トーン・アーム23およびカートリッジ27は、正規のアナログ方式で再生するためにカートリッジがビニール・レコード17の表面と係合するように、ベース25の周りを回転させられる。したがって同じ円盤14が、図1でのようにデジタル・スクラッチ・モードにあるとき使用者制御ディスク16およびアダプタ31と、図2でのようにアナログ・スクラッチ・モードにあるときビニール・ディスク17との両方を受けかつ支持するために使用される。
【0029】
次に図4に転じると、上にアダプタ31が設置される使用者制御ディスク16および円盤14上の滑りマット44の分解斜視図が示されている。標準の滑りマット44が円盤14の頂部表面14a上に置かれる。スクラッチ滑りマット44は一般に、発泡体またはフェルトで作られ、適切なスクラッチ感触に不可欠な円盤に対するレコードの相対的な滑りおよび掴みの必要とされる組合せを提供する。滑りマット44は、中央スピンドル18が貫通して上向きに出てくるのを可能にする中央穴56を含む。
【0030】
上記で述べたように、使用者制御ディスク16は通常、丸い中央穴58を有する標準的なビニール・ディスクである。理解できるように、デジタル・スクラッチのためには、円盤14およびスピンドル18は、それらの回転が模擬されたデジタル・スクラッチおよび再生のために別々に検出できるように、互いに対して独立に回転しなければならない。モータ・アセンブリおよびデジタル・エンコーダの構成の詳細は以下で図10〜12を参照して論じる。デジタル・スクラッチが正確にかつ現実的に機能するためには、模擬されるデジタル・スクラッチのためにデジタル的に符号化される使用者制御ディスク16の移動がスピンドルに変換されるように、使用者ディスク16はスピンドル18に直接的に接続されなければならない。同様に、このハイブリッド・ターンテーブル再生装置では、スピンドル18は、デジタル再生のための使用者制御ディスク16、およびアナログ再生のためのビニール・レコードの両方に対応できなければならない。
【0031】
図5を見れば分かるように、これに対応するために、スピンドル18はそれに脱着可能に結合される使用者制御ディスク16を回転的にキー止めする目的のための非円形の横断面を有するようにユニークな形状にされている。図5の好ましい実施形態では、スピンドル18は、通常のビニール・レコードの直径とほぼ同じ約7.3mmの第1の幅寸法Bを有する長円形の形状を有する。スピンドル18は、寸法Bより小さな第2の横断方向幅寸法Aを有する。したがって、スピンドル18のこの非円形形状は、上に設置されるアダプタ31を有する使用者制御ディスク16がスピンドル18上に配置されるとき、使用者制御ディスク16の回転が効果的にスピンドル18を回転させるであろうように、回転キーとして作用する。平らな対向する側面18aを有する長円形のスピンドル18が好ましいけれども、他の非円形キー形態も使用することができ、依然として本発明の範囲内である。例えば、三角形状のスピンドル18も、アダプタ31によって画成される相補的形状の三角形の穴と共に必要とされるキー作用を提供することができる。
【0032】
貫通する円形穴を有する標準的なビニール・レコードが使用者制御ディスク16として使用することが望まれる場合は、その円形穴はこの非円形スピンドル18と相補的にキー止めされるようになされなければならない。このアダプタ31は、標準的なビニール・レコード・ディスクをスピンドル18を効果的に回転させることができる1つの使用者制御ディスクに効果的に適合させる。図4を参照すると、数が3であることが好ましい多数の穴60が、制御ディスク16を貫通して設けられる。使用者制御ディスク16として作用するビニール・ディスクは、頂部プレート35と底部プレート37の間に挟まれるのが好ましい。頂部プレート35および底部プレート37の平面図は、それぞれ図6および7に示す。貫通する穴43を有する頂部プレート35は、図4の線8−8を通る横断面図である図8に詳細に見ることができるねじ切りされた隔離体41を有するねじ39の係合によって、貫通する穴45を有する底部プレート37に結合されるのが好ましい。頂部プレート35は、スピンドルに対して実質的に相補的な中央キー開口部47を含む。底部プレート37は、スピンドルに対して実質的に相補的な中央キー開口部49を含む。
【0033】
図8の横断面図では、他の2つの穴60が同じ横断面平面内にないので、ディスク16を貫通する1つの穴60、頂部プレート35を貫通する1つの穴43、および底部プレート37を貫通する1つの穴45、ならびに中央開口部58のみ見ることができる。頂部プレート35および底部プレート37は、貫通するスピンドル18を受けるように位置合わせされる、それらそれぞれの中央開口部47および49で使用者ディスク16を挟む。上にアダプタ31を有するディスク16がスピンドル18上に配置されるのを可能にするために、頂部プレート35および底部プレート37の長円形の開口部47および49それぞれが、回転的にスピンドル18と位置合わせされ、それによってスピンドル18の減少した幅Aがそれらと位置合わせされるように、ディスク16を回転させなければならない。この適切な位置合わせによって、上記で説明したように模擬されるスクラッチのために効果的にスピンドルを回転させることができながら、ディスク16は容易にスピンドル18に設置しかつスピンドルから取り外すことができる。
【0034】
次に図9に転じると、ターンテーブル10の斜視図は、使用者ディスクと円盤の間に滑りマット44が配設された円盤14と通信するために、キー付きスピンドル18上に設置されつつある工程中の、上に設置されたアダプタ31を有する使用者ディスク16を示す。使用のこのモードでは、トーン・アーム構造体(23、25、27)は使用されない。
【0035】
次に図10〜12を参照すると、ターンテーブル・モータおよびデジタル・エンコーダの構造の詳細が詳細に示されている。図1を見れば分かるように、直接駆動モータ30のモータ本体32を貫通して受けるために、ターンテーブル・ハウジング3のベース・プレート26内に貫通開口部28が存在する。このモータ30は、その内側表面に取り付けられる環形状の磁石34を有するモータ・ハウジング32を含む。中空スピンドル36が、モータ30の外側ハウジング32に取り付けられる。結果として、モータ・ハウジング32は中空スピンドル36と一致して回転する。図12に示すように、ポスト40上に搭載される複数の線コイル38がモータ30内の環状磁石34に向かって半径方向外向きに出てくる。このコイル38は、この分野でよく知られているように、銅などの金属線の巻かれた形態であることが好ましい。コイル38を支持するポスト40は、ターンテーブル再生装置10の主ハウジング12に取り付けられるベース・プレート26に搭載される、支持回路基板42に搭載される。電気がコイル38を通過するとき、環状磁石34およびモータ・ハウジング32は一致して回転し、それによって円盤14に対して直接モータ化された駆動を提供する。中空スピンドル36は、アルミニウムなどの金属から作られるのが好ましいが、プラスチックなどの他の材料であることもできる。
【0036】
中央スピンドル18が中空スピンドル36を貫通して同軸に搭載され、中空スピンドル36内で自由に回転する。この中央スピンドル18は、アルミニウムなどの金属から作られるのが好ましいが、プラスチックなどの他の材料であることもできる。コイル38の作動は、(例えば、金属の)環状磁石34およびそれに結合されたモータ・ハウジング32のみ回転させ、中央スピンドル18は回転させない。
【0037】
このモータ30は、4.5kgf−cmの出力を有する高トルクであることが好ましい。モータ30は、33RPMまたは45RPMで動作することができる。直接駆動モータ30は、その信頼性および性能の故に他の型式のモータより優れて好ましい。同様に静止コイル38が好ましいが、固定磁石を有するモータなどの、他の型式のモータも本発明によって企図されている。これらのモータ構造は、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0038】
ターンテーブル円盤14のモータ・ハウジング32への相互結合の詳細は図10および12に見られる。図10では、ベース・プレート26内の開口部28を貫通して上向きに延びるモータ30の斜視図が示されている。上記で説明したようにモータ・ハウジング32は、電気がモータ30内のコイル38を通過するとき、ベース・プレート26の開口部28内で回転する。多数のキー付き穴46が、その底部が図12に示されているターンテーブル円盤14と係合するために、モータ・ハウジング32の頂部表面32a上に設けられる。アルミニウムから作られるのが好ましい円盤14の底部は、全体的に48として指示される搭載結合領域をその中央に含む。この搭載結合領域48は、モータ・ハウジング32の頂部表面32a上のキー付き穴46と係合し、かつその中に存在する1対のキー付きポスト50を含む。多数の接触パッド52も、円盤14がモータ・ハウジング32の頂部表面32aと同じ高さで、かつ平行のままであることを確実にするために、モータ・ハウジング32の平らな頂部表面32aと連絡するように搭載結合領域48内に設けられる。円盤14は、モータ・ハウジング32の頂部上に単純に置かれ、重力によって定位置に保持される。円盤14の取り扱いを容易にするために指穴54も設けられる。
【0039】
円盤14のモータ・ハウジング32に対するキー係合の結果として、モータ30内のコイル38の電気的作動は、モータ・ハウジング32および円盤14を同時に効果的に回転させるであろう。したがって円盤14は順繰りに、その上にあるビニール・ディスク17を回転させ、かつアナログ再生モードでトーン・アーム構造体23、25、27を使用してそれを演奏させるように回転させることができる。デジタル・スクラッチに対しては、円盤14の中央を貫通する中央スピンドル18は、円盤14と独立に回転する。アナログ再生モードでターンテーブル10が使用されるとき、デジタル・エンコーダが使用されないことが好ましいので、スピンドル18のこの独立の回転はアナログ再生モードでターンテーブル10の使用に影響を及ぼさないので、少しも重要ではない。
【0040】
本発明によれば、円盤14および円形ディスク16は互いに独立に回転する。円盤14はその回転を制御するモータ30に結合されている。使用のデジタル・スクラッチ・モードでは、中央スピンドル18の回転は、使用者のオンザフライ操作によってリアルタイムで制御される。これを達成するためのインターフェースは、上記で述べたように円形ディスク16として全体的に指示される標準サイズのビニール・レコードである。
【0041】
図11に戻り参照すると、ディスク16および円盤14の回転速度および回転方向検出の詳細が、デジタル・スクラッチ・モードでターンテーブル10が使用されるときに対して示されている。第1のエンコーディング・ディスク82が、中央スピンドル18およびそれに連結される円形ディスク16に対して設けられ、第2のエンコーディング・ディスク84が、中空スピンドル36およびそれに連結される円盤14に対して設けられる。光学的検出器86、88がそれぞれエンコーディング・ディスク82、84のそれぞれに対して設けられる。
【0042】
回転速度および回転方向の判定のために光学的センサを使用するデジタル・エンコーディング・ディスクの使用はこの分野でよく知られており、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。このエンコーダ・ディスク82、84は、鋼またはアルミニウムなどの打ち抜きまたは穴あき金属から作られるのが好ましいが、他の材料から作ることもできる。その点に関しては、中空スピンドル36および中央スピンドル18の回転速度および回転方向を測定するための多くの異なる方法が存在する。しかしながら、スピンドル18、36の回転速度および回転方向を検出する多くの他の技術は本明細書で企図されており、本発明の範囲内であることを理解されたい。
【0043】
本発明の動作に対して、このターンテーブル再生装置10は電源が入れられ、ターンテーブルがデジタル・モードまたはアナログ再生モードで動作するかどうかを指示するように、モード・スイッチ91が適切に設定される。デジタル・モードに対しては、コンパクト・ディスク22が装置10の前面のスロット20内に挿入され、コンパクト・ディスク光学読み取り器19内に効果的に装填される。光学的ディスク22からの再生のために、選択つまみ108および表示器110を使用してオーディオ・トラックが選択される。別法として上記で論じたように、本発明の再生装置10は、オーディオ・ファイルが取り出されるハード・ドライブまたは記憶ディスクを含むことができる。オーディオ・ファイルが適切な記憶源から装填された後、2つのPLAYボタン112が設けられている。どちらのボタン112もオーディオ・トラックの再生を開始するために押すことができる。この時点で円盤14は、あたかも本物のアナログ・ターンテーブル上にあるかのように、再生を模擬するために同時に回転し始めるであろう。したがって、円盤14の回転は再生が進行中であることを指示する。この状態で、円盤14はモータ30によって駆動されている。このデジタル・モードでは、トーン・アーム構造体23、25、27は使用されない。
【0044】
この正規速度再生中、円形ディスク16は、滑りマット44を介して円盤14と摩擦連絡している。その間に十分な摩擦が存在するため、円形ディスク16は円盤14と同期して回転する。円形ディスク16(すなわち、上に設置されたアダプタ31を有するビニール・レコード)および円盤14の速度および回転方向は、それらそれぞれの光学的エンコーダ82、84およびセンサ96、98によって等しいとして検出されるであろう。したがって、マイクロプロセッサ100は、光学読み取り器19によって出力されるように改変なしで単純にオーディオ信号を再生する。この再生信号は、円形ディスク16および円盤14両方の速度および方向に基づく。
【0045】
図13に示すように、スクラッチ演奏などの改変されたオーディオ信号の再生用に、円盤14および円形ディスク16のうちの1つまたは両方の速度および/または方向が再生装置10の使用者によって変更される。例えば、円盤14および円形ディスク16の両方を同じ量だけ減速させることができる。マイクロプロセッサ100は、適切な減速されたオーディオを出力するためにこの情報を使用する。別の例では、円盤14が正規速度で前向きに移動し、円形ディスク16が正規速度で逆転している場合、出力されるオーディオ106は、逆に演奏されるオーディオ信号になるであろう。スクラッチに対しては、円形ディスク16が前後に移動している間に円盤14が前向きに移動していることが可能である。本発明でスクラッチ、ピッチ・ベンディング(pitch bending)、頭出しを容易に行うことができる。
【0046】
したがって、光学的検出器82、84は、検知される行為に従ってオーディオ信号を前向きにかつ後向きに演奏するために、マイクロプロセッサ100にリアルタイム信号を供給するように円形ディスク16および円盤14の相対的な移動のすべてを検知するであろう。この処理は、読み取り専用メモリ(ROM)、オンボードのチップにある、またはリムーバブル記憶装置を介して読み込まれるソフトウェアによって実施することができる。
【0047】
いくつかの型式の使用者制御器の入力に基づくオーディオ信号のリアルタイム・マイクロプロセッサ制御は、この分野でよく知られていることに留意されたい。したがって、そのさらなる詳細は本明細書で扱う必要はない。
【0048】
本発明の再生装置10は、オーディオ信号の現実的なレコード制御を活用する多くの動作特徴を含む。図1に戻り参照すると、電源スイッチ(図示せず)が装置10に電力を供給するために係合される。操作すべきオーディオ・ファイルを収容するコンパクト・ディスク22が、前方装填スロットを介してCD−ROM駆動部19内に挿入される。エジェクト・ボタン24は、コンパクト・ディスク22をCD−ROM駆動部19から取り出す。TRACK/MENU−SELECTつまみ108がトラックを選択するために回される。それが選択するのを押すのは再生のためである。PLAY/PAUSEボタン112は、再生および円盤14を開始させかつ停止させる。押しボタン112は、円盤のPLAYとPAUSEの間を切り替える。PAUSEの後でPLAYボタン112が押される毎に、新たな頭出し点が設定される。CUEボタン118は、最後に設定された頭出し点にオーディオを戻し、一時停止させる。様々な他の動作を、デジタル伝送を制御するためにこの装置によって実施することができる。
【0049】
アナログ・ターンテーブルとして使用するために、図1のスイッチ91をアナログに設定することによって、ターンテーブル10はアナログ・モードに切り替えられる。次に、このターンテーブルは標準のアナログ・ターンテーブルのように動作するであろう。図2を参照して論じたように、カートリッジ27がディスクの所望の部分と通信できるように、トーン・アームがビニール・ディスク17上を所定の位置に回転させられる。所望の場合、ディスク17のアナログ・スクラッチも、好ましく使用される滑りマット44によって実施することができる。
【0050】
したがって、本発明のターンテーブル10は所望の場合、どちらのモードでも再生が「スクラッチされる」ことができる、デジタル再生モードまたはアナログ再生モードのいずれでも動作させることができる。ユニークな音響効果を作り出すために、ターンテーブル10を同時にデジタルおよびアナログ再生モードで使用することも可能である。
【0051】
本発明の再生装置10は、装置の裏面上のオーディオ/ビデオ・コネクタ・セット(図示せず)によって、別のオーディオおよびビデオ装置に容易に接続することができる。ターンテーブル10のオーディオ・サブシステムへのそのような電気的相互接続は、この分野で非常によく知られており、さらに論じる必要はない。一般に、デジタル出力のみならず、左および右チャンネル用のRCA型コネクタが好ましく設けられる。リレー・コネクタおよび遠隔開始コネクタも設けることができる。楽器用デジタル・インターフェース(MIDI)用の入力および出力ポートも、別のMIDI装置に対するデジタル相互接続のために設けることができる。電圧セレクタおよび電力プラグ・コネクタも設けることができる。そのようなコネクタはこの分野でよく知られており、ディスク・ジョッキーおよびオーディオ技術者におなじみである。
【0052】
本発明の趣旨から逸脱することなく図示の実施形態に様々な変更および改変を加えることができることは当業者によって理解されるであろう。すべてのそのような改変および変更は、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】使用のデジタル再生モードにある、本発明のハイブリッド・ターンテーブルの斜視図である。
【図2】使用のアナログ再生モードにある、本発明のハイブリッド・ターンテーブルの斜視図である。
【図3】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのスピンドル上に取り付けられたアナログ・ビニール・レコード・ディスクのクローズアップ斜視図である。
【図4】本発明によるインターフェース制御部材および円盤構造の分解正面図である。
【図5】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのスピンドルの上面図である。
【図6】本発明のアダプタの頂部プレートの平面図である。
【図7】本発明のアダプタの底部プレートの平面図である。
【図8】図4の線8−8を通る横断面線の図である。
【図9】デジタル媒体源からのオーディオの再生のために、円盤およびスピンドル上に設置される工程での、上にアダプタが設置されるインターフェース制御部材を有する本発明のハイブリッド・ターンテーブルの上面斜視図である。
【図10】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのベースおよびモータ・アセンブリの斜視図である。
【図11】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのモータ・アセンブリの部分切欠き側面立面図である。
【図12】本発明のハイブリッド・ターンテーブルの円盤の底部斜視図である。
【図13】本発明によるデジタル・オーディオ・ストリームの処理のフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオーディオの再生および操作に関する。本発明は詳しくは、異なる種類の音響効果を提供するようにリアルタイムでオーディオを操作することができるオーディオ・プレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ターンテーブルは、ビニール・レコード上にある音楽などのオーディオの再生に使用するために、従来技術でよく知られている。アナログ・ターンテーブルの動作の詳細は非常によく知られているので、その動作の詳細は本明細書で論じる必要はない。背景として、これらの従来技術のターンテーブルは、モータによって直接またはベルトを介して駆動される回転円盤を含む。スピンドルが円盤の軸のところに配置される。中央穴を有するレコードが、円盤スピンドルがこの穴を貫通して、円盤上に配置される。結果としてビニール・レコードは、円盤と共に回転するように円盤上に芯合わせされた状態になる。
【0003】
その自由端上にカートリッジを有するトーン・アームが設けられる。カートリッジ内の針がレコードのビニール表面上に配置される溝と通信する。ビニール・レコードの溝を通る針の通過がアナログ音響波を作り出し、それが音響システムによって放送するために、トーン・アームを介して電子的に通信する。通常、レコードは前方方向に、かつ1分間に33−1/3回転などの特定の速度で再生される。そのような「正規な(normal)」再生は結果として、記録されたオーディオがビニール・レコードの創作者によって当初望まれたように再生されることになる。
【0004】
しかしながら、これらの従来技術のアナログ・ビニール・レコードがユニークな音響効果を作り出すように操作することができることも考えうる。例えば、針がビニール・レコードの溝内に残っている間に、レコードを速度上昇させ、または速度低下させ、または前後に移動させることができる。ビニール・レコードの再生を手動で変更するこの技術は、音楽芸術形態の「スクラッチ(scratching)」として知られており、現行のポピュラー・ミュージックのレコーディングなどの、任意のビニール・レコードに対して行うことができる。
【0005】
ビニール・レコード・スクラッチの業界では、ビニール・レコードの相互作用的再生のこの特定の様式に対応するために、特別な装置が何年にもわたり設計されてきている。例えば、円盤の絶えず続く前後移動用に設計された駆動システムを有する、専門の針およびターンテーブルが作り出されてきた。同様に、ターンテーブル円盤と独立したレコードの回転を容易にするために、滑りマットがビニール・レコードとモータ駆動円盤の間に通常配置される。スクラッチ・ターンテーブルの使用者のニーズに適合するように、異なるレベルの摩擦を有する異なる滑りマットを用いることができる。前述の観点から、効果的なスクラッチのための鍵は、使用者のレコードおよびターンテーブルおよび針との物理的な相互作用である。
【0006】
ビニール・レコードを使用する音響再生のスクラッチ技術の使用は、非常に一般的になってきている。しかしながら、コンパクト・ディスク(CD)およびフラッシュ媒体などのデジタル媒体の販売および人気が、音楽などのオーディオ記録用の好ましい媒体として数年ほどで顕著に増加してきている。したがって、デジタル・オーディオがその音質、記録および再生の容易さのために、多くの人達によって好まれるようになってきている。例えばデジタル・オーディオは、一般にデジタル・ファイルとして記録される。それは、光学的コンパクト・オーディオ・ディスクおよび磁気ディスクなどの、ハード・ドライブやコンパクト・フラッシュ媒体などの任意の型式のデジタル記録媒体に記録することができる。結果として、ターンテーブルはそのようなデジタル音楽の再生に一般に使用されない。代わりに、デジタル・コンパクト・ディスク・プレーヤ、コンピュータおよびデジタル・ポータブル・メディア・プレーヤが今は再生に用いられる。
【0007】
デジタル音楽はアナログ・ビニール・レコードより優れたかなりの利点を有するけれども、デジタル・オーディオはアナログ音楽のようにレコード・ターンテーブル上で再生されないのでデジタル・オーディオはスクラッチすることができないという重大な欠点が存在する。したがって、ビニール・レコード上にあるアナログ・オーディオをスクラッチするのと類似する結果を得るために、デジタル・オーディオのスクラッチを模擬する望みが生じてきている。
【0008】
デジタル・オーディオ・ファイルにスクラッチ効果を発揮させるために、従来技術で多くの試みが存在してきている。従来技術では、デジタル・オーディオ・ファイルは、コンパクト・ディスクまたは他の記録媒体からメモリー・バッファ内に通常読み込まれる。ディスクの速度および方向を測定するために、回転ディスクは、それに接続されるセンサと共に通常用いられる。ディスクの回転速度および回転方向に関するデータは、所望のアルゴリズムおよびシステム・ソフトウェアに従ったデジタル信号処理のために、デジタル・マイクロプロセッサによって受信される。例えば、ディスクが半分の回転速度に速度が低下したデータがマイクロプロセッサによって受信される場合は、次いでマイクロプロセッサは制御器ディスクの速度に合致させるように、それに応じて出力信号を減速させるであろう。同様に、制御器ディスクが後向きに回転している場合は、マイクロプロセッサはデジタル・オーディオを処理し、それを逆転するオーディオとして出力するであろう。制御器ディスクによるデジタル信号処理の詳細はこの分野でよく知られており、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。
【0009】
一般に、スクラッチ音響効果を達成するためのデジタル・オーディオのデジタル信号処理は、ディスク・ジョッキー等による演奏に対して極めて現実的でありかつ適している。しかしながら、そのようなスクラッチ演奏者は、できるだけ近いスクラッチ演奏を提供するために、外見と感触および動作の両方でアナログ・ターンテーブルにできるだけ近い物理的インターフェースも必要とする。最も重要なことには、デジタル・スクラッチのためのこの物理的インターフェースは、アナログ・スクラッチ演奏を最も厳密に模擬するスクラッチ演奏に結果としてなるであろう。
【0010】
従来技術のデジタル・スクラッチ装置の物理的インターフェースは、ディスク・ジョッキーや他の演奏者が慣れているアナログ・ターンテーブルを厳密に模擬しない。従来技術のインターフェース制御器ディスクは、現実のアナログ・ターンテーブルにある実際のビニール・レコードを単に全体的に模擬するように設けられたに過ぎない通常は小さな円形の円盤である。結果として、これらの従来技術のデジタル・スクラッチ装置の全体的な感触および動作は、現実のアナログ・ターンテーブルにあまり近似していない。
【0011】
しかしながら、デジタル装置でアナログ・スクラッチ・ターンテーブルを厳密に模擬するための試みが従来技術に存在している。例えば、従来技術で別々の「レコード」および円盤を設けるための取り組みが行われてきており、それら両者は、速度および方向を監視するためにそれらに接続されるそれら自体の検出器を有する。これらの従来技術装置の「レコード」は、装置のスピンドルに連結されるオーダーメイドのビニールまたはプラスチック・ディスクである。例えば、これらの「レコード」は、特別に構成されるターンテーブル・スピンドルと係合する特別のキー付きの中央穴を有する。ディスクのサイズもまた、正規のLPディスクより通常小さい。このオーダーメイドのディスクは、従来技術のデジタル・スクラッチ・ターンテーブルと共に使用しなければならない。
【0012】
デジタルで記録されたオーディオの高品質および使用の容易さにもかかわらず、ディスク・ジョッキーが、まだそのデジタル・バージョンと交換していない可能性のあるそのようなビニール・レコードの大量の保管物を一般に有しているので、ビニール・レコードが依然としてしばしば使用される。同様に、何人かのディスク・ジョッキーは、真の、本物のスクラッチ効果を得るために、アナログ・ビニール・レコードをスクラッチするのを依然として好む場合がある。したがって、ディスク・ジョッキーがトーン・アームおよびカートリッジを使用してアナログ式にビニール・レコードを再生し、スクラッチすることができるニーズが依然として存在する。したがって、ディスク・ジョッキーがデジタル記録媒体ならびにビニール・レコードの両方を再生し、かつスクラッチしようと望む場合は、彼らはアナログ・ビニール・ターンテーブルのみならず、デジタル再生およびスクラッチ装置の両方を所有しなければならない。これはディスク・ジョッキーにとって、彼らが演奏のために2つのターンテーブルを持って移動しなければならないので、高価のみならずわずらわしい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述の観点から、デジタル記録オーディオを使用して音響出力の観点のみならず物理的インターフェースの観点からもビニール・レコードのアナログ・スクラッチを厳密に模擬することができるのみならず、ビニール・レコードも再生しかつスクラッチすることができるハイブリッド・ターンテーブルに対する要求が存在する。事実上アナログ・ターンテーブルと識別不可能なデジタル・スクラッチ・ターンテーブル、あるいはアナログ・ビニール・ターンテーブル、いずれとしても機能することができるハイブリッド・ターンテーブルに対する具体的な要求が存在する。インターフェース「レコード」が現実のビニール・レコードにできるだけ近くなることの要求が存在する。そのようなデジタル・スクラッチ・ターンテーブルがアナログ・ターンテーブルにある円盤と同一である円盤を含むことの要求が存在する。デジタル・スクラッチ・ターンテーブルが、アナログ・スクラッチ動作をより厳密に模擬するように滑りマットを使用することのさらなる要求が存在する。全体的なスクラッチ演奏および演奏者の楽しみを改善するために、デジタル・スクラッチ・ターンテーブルがアナログ・ターンテーブルの感触を有することの要求も存在する。デジタルで記録されたオーディオのデジタル・スクラッチのために制御インターフェース・ディスクを担持し、かつアナログ・オーディオ再生のためにトーン・アームおよびカートリッジと通信する間、ビニール・レコード・ディスクを支持するために、円盤が両方に使用されるハイブリッド・ターンテーブルに対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、従来技術のデジタルおよびアナログ・スクラッチ・ターンテーブルの利点を残している。そのうえ本発明は、現行の入手可能なターンテーブルに存在しない新たな利点を提供し、そのような現行の入手可能なターンテーブルの多くの欠点を克服する。
本発明は一般に、デジタル媒体およびアナログ・ビニール・レコードの両方を演奏できる新規なかつユニークなハイブリッド・ターンテーブルを対象とする。本発明のターンテーブルは、同じターンテーブルを使用しながらアナログ・ビニール・レコードをスクラッチすることもできながら、デジタル・オーディオを使用してスクラッチ演奏を模擬するのにハイブリッド・ターンテーブルを使用できる、ディスク・ジョッキー音楽業界での具体的な用途を有する。デジタル・オーディオおよびアナログ・オーディオは選択的に再生できる。
【0015】
このハイブリッド・ターンテーブルは、同じターンテーブルでデジタル媒体およびビニール・レコード・ディスクの両方を演奏する能力がある。このターンテーブルは、モータ化された円盤および独立に回転するスピンドルとを含む。円盤およびスピンドルの回転は独立に回転可能である。インターフェース制御ディスクは、スピンドルを制御可能に回転させるようにスピンドルに連結可能である。インターフェース制御ディスクのスピンドルへの連結を容易にするために、アダプタを使用することができる。円盤およびスピンドルの回転位置は、デジタル的に模擬されるスクラッチ・タイプの音楽演奏を発生させるようにデジタル・オーディオ出力信号を供給するためにデジタル媒体を処理するために使用される。別法として、ビニール・レコード・ディスクを円盤上に、かつスピンドルに直接連結することなくスピンドルの周りに配置することができる。トーン・アームも、アナログ・フォノ・オーディオ出力信号を供給するためにビニール・レコード・ディスクと通信するように設けられる。アナログの実際のスクラッチ・タイプ演奏または正規のレコード再生がトーン・アームおよびビニール・レコード・ディスクを使用して可能である。デジタル・オーディオ出力信号およびアナログ・フォノ・オーディオ出力は、同じターンテーブルを使用して選択的に演奏させることができる。
したがって、同じターンテーブルを使用してデジタル媒体およびアナログ・ビニール・レコードを再生できるハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の1つの目的である。
【0016】
同じターンテーブルを使用してデジタル媒体をデジタル的にスクラッチでき、かつアナログ・ビニール・レコードをスクラッチできるハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の別の目的である。
【0017】
デジタル媒体またはアナログ・ビニール・レコードのどちらも演奏できるように容易に改変することができるハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の1つの目的である。
【0018】
デジタル・スクラッチのために、インターフェース制御ディスクのターンテーブルへの搭載を容易にするアダプタを含むハイブリッド・ターンテーブルを提供することが本発明の別の目的である。
【0019】
本発明の別の目的は、ディスク・ジョッキーがデジタルおよびアナログ・オーディオの両方を演奏しかつスクラッチすることを可能にするハイブリッド・ターンテーブルを提供することである。
【0020】
本発明の特徴である、新規な機構は添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明の好ましい実施形態は、別の目的および付随する利点と共に、添付の図面と共に行われる以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
最初に図1を参照すると、本発明のハイブリッド・ターンテーブル音響再生装置10の斜視図が示されている。この装置10は一般に、アナログ・ビニール・レコードの再生のみならず、オーディオそれ自体の追加の楽しみのために、その再生を改変するために使用者による後でのオーダーメイドの、オンザフライ操作用に、記録装置からデジタル・オーディオ・ファイルを読み出し、それをメモリ内に置くオーディオ再生機械である。
【0022】
デジタル・オーディオ再生のために、オーディオ・ファイルは、コンパクト・ディスク(「CD」)またはハード・ドライブなどの任意の記録媒体から取り出すことができる。論議および説明を容易にするために本発明は、デジタル・オーディオ・ファイルをCDから取り出すことに関連して詳細に示されかつ説明されるが、本発明は、ハード・ドライブ、またはフラッシュ・メモリ・カードなどのリムーバブル媒体などの任意の記憶媒体から、後での操作のためにデジタル・オーディオ・ファイルを取り出すために使用できることを理解されたい。本発明の範囲は前述の記憶媒体のどのような型式も包含することを意図している。
【0023】
このハイブリッド・ターンテーブル再生装置10は、壁コンセント等を使用して、交流電力などの電力源によって駆動される電気装置である。以下に説明するように、様々な電子構成部品が本発明の装置に用いられる。電力供給の性質および種類は、この再生装置に用いられる構成部品に適合するように改変することができる。
【0024】
さらに図1を参照すると、本発明のハイブリッド・ターンテーブル再生装置10は、ターンテーブル円盤14が上に回転可能に搭載される外側主ハウジング12を含む、デジタル再生およびスクラッチ・モードで最初に示されている。実際のビニール・レコードであることが好ましい使用者制御ディスク16が、以下で詳細に説明するように、全体的に31として指示されるユニークなアダプタを使用して中央スピンドル18に脱着可能に連結されている。例えば、使用者のお気に入りのビニール・レコードをこの円形ディスク16として使用することができる。以下に詳細に説明するように、円盤14および円形ディスク16の回転速度および回転方向は、オーディオ信号の改変のための制御信号を発生させるように独立に監視される。
【0025】
再生装置10は、装置10の主ハウジング12の頂部表面12aの周りに配置される多数の使用者制御器も含む。この使用者制御器の性質およびレイアウトは、ディスク・ジョッキーの要求に最もよく適合するように設けるのが好ましい。本発明のハイブリッド・ターンテーブル10は、デジタル再生およびビニール・レコードのアナログ再生の両方に使用されるので、ディスク・ジョッキーに非常によく知られているアナログ・スクラッチ・ターンテーブルをできるだけ厳密に模擬する再生装置を提供する使用者制御器が設けられる。見れば分かるように、このハイブリッド・ターンテーブル再生装置10の外観は、標準のアナログ・スクラッチにそっくりである。
【0026】
本発明の再生装置10は、すなわちコンパクト・ディスク駆動部として別に知られている、組み込みの光学読み取り器19を含む。前方装填スロット20が、コンパクト・ディスク22を受け入れるために装置の前方に配置される。コンパクト・ディスク22の引き出しベースの装填を図1に示すスロット装填の代わりに使用することができる。このコンパクト・ディスク・プレーヤ19は、光学ディスク22上のデジタル・オーディオ・データを光学的に読み取り、デジタル・オーディオ波形データを出力する。コンパクト・ディスク・プレーヤ19はこの分野でよく知られており、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。そのディスクのさらなる使用がもはや必要ないとき、コンパクト・ディスク22を取り出すためにエジェクト・ボタン24が使用される。様々なボタンが、選択されるオーディオ信号の再生の完全な制御のために設けられる。使用者制御器のさらなる詳細は、本発明の再生装置の動作および使用と関連して以下で論じられる。
【0027】
本発明のハイブリッド・ターンテーブル再生装置10は、ベース25に枢動可能に搭載されるトーン・アーム23も含む。カートリッジ27も、トーン・アーム23およびベース25を通りハイブリッド・ターンテーブル再生装置10の本体12内の電子装置にアナログ・オーディオ信号を伝達するためにトーン・アーム23に連結される。カートリッジ、トーン・アーム23およびベース25の構成は、この分野でよく知られたように動作し、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。
【0028】
図2および3を見れば最もよく分かるように、トーン・アーム23およびカートリッジ27を使用するアナログ再生のために、使用者制御ディスク16が上に設置されるアダプタ31と共に取り外され、ビニール・レコード17と交換される。図3を見れば分かるように、ビニール・レコード17は中にスピンドル18が受けられる中央穴21を含む。トーン・アーム23およびカートリッジ27は、正規のアナログ方式で再生するためにカートリッジがビニール・レコード17の表面と係合するように、ベース25の周りを回転させられる。したがって同じ円盤14が、図1でのようにデジタル・スクラッチ・モードにあるとき使用者制御ディスク16およびアダプタ31と、図2でのようにアナログ・スクラッチ・モードにあるときビニール・ディスク17との両方を受けかつ支持するために使用される。
【0029】
次に図4に転じると、上にアダプタ31が設置される使用者制御ディスク16および円盤14上の滑りマット44の分解斜視図が示されている。標準の滑りマット44が円盤14の頂部表面14a上に置かれる。スクラッチ滑りマット44は一般に、発泡体またはフェルトで作られ、適切なスクラッチ感触に不可欠な円盤に対するレコードの相対的な滑りおよび掴みの必要とされる組合せを提供する。滑りマット44は、中央スピンドル18が貫通して上向きに出てくるのを可能にする中央穴56を含む。
【0030】
上記で述べたように、使用者制御ディスク16は通常、丸い中央穴58を有する標準的なビニール・ディスクである。理解できるように、デジタル・スクラッチのためには、円盤14およびスピンドル18は、それらの回転が模擬されたデジタル・スクラッチおよび再生のために別々に検出できるように、互いに対して独立に回転しなければならない。モータ・アセンブリおよびデジタル・エンコーダの構成の詳細は以下で図10〜12を参照して論じる。デジタル・スクラッチが正確にかつ現実的に機能するためには、模擬されるデジタル・スクラッチのためにデジタル的に符号化される使用者制御ディスク16の移動がスピンドルに変換されるように、使用者ディスク16はスピンドル18に直接的に接続されなければならない。同様に、このハイブリッド・ターンテーブル再生装置では、スピンドル18は、デジタル再生のための使用者制御ディスク16、およびアナログ再生のためのビニール・レコードの両方に対応できなければならない。
【0031】
図5を見れば分かるように、これに対応するために、スピンドル18はそれに脱着可能に結合される使用者制御ディスク16を回転的にキー止めする目的のための非円形の横断面を有するようにユニークな形状にされている。図5の好ましい実施形態では、スピンドル18は、通常のビニール・レコードの直径とほぼ同じ約7.3mmの第1の幅寸法Bを有する長円形の形状を有する。スピンドル18は、寸法Bより小さな第2の横断方向幅寸法Aを有する。したがって、スピンドル18のこの非円形形状は、上に設置されるアダプタ31を有する使用者制御ディスク16がスピンドル18上に配置されるとき、使用者制御ディスク16の回転が効果的にスピンドル18を回転させるであろうように、回転キーとして作用する。平らな対向する側面18aを有する長円形のスピンドル18が好ましいけれども、他の非円形キー形態も使用することができ、依然として本発明の範囲内である。例えば、三角形状のスピンドル18も、アダプタ31によって画成される相補的形状の三角形の穴と共に必要とされるキー作用を提供することができる。
【0032】
貫通する円形穴を有する標準的なビニール・レコードが使用者制御ディスク16として使用することが望まれる場合は、その円形穴はこの非円形スピンドル18と相補的にキー止めされるようになされなければならない。このアダプタ31は、標準的なビニール・レコード・ディスクをスピンドル18を効果的に回転させることができる1つの使用者制御ディスクに効果的に適合させる。図4を参照すると、数が3であることが好ましい多数の穴60が、制御ディスク16を貫通して設けられる。使用者制御ディスク16として作用するビニール・ディスクは、頂部プレート35と底部プレート37の間に挟まれるのが好ましい。頂部プレート35および底部プレート37の平面図は、それぞれ図6および7に示す。貫通する穴43を有する頂部プレート35は、図4の線8−8を通る横断面図である図8に詳細に見ることができるねじ切りされた隔離体41を有するねじ39の係合によって、貫通する穴45を有する底部プレート37に結合されるのが好ましい。頂部プレート35は、スピンドルに対して実質的に相補的な中央キー開口部47を含む。底部プレート37は、スピンドルに対して実質的に相補的な中央キー開口部49を含む。
【0033】
図8の横断面図では、他の2つの穴60が同じ横断面平面内にないので、ディスク16を貫通する1つの穴60、頂部プレート35を貫通する1つの穴43、および底部プレート37を貫通する1つの穴45、ならびに中央開口部58のみ見ることができる。頂部プレート35および底部プレート37は、貫通するスピンドル18を受けるように位置合わせされる、それらそれぞれの中央開口部47および49で使用者ディスク16を挟む。上にアダプタ31を有するディスク16がスピンドル18上に配置されるのを可能にするために、頂部プレート35および底部プレート37の長円形の開口部47および49それぞれが、回転的にスピンドル18と位置合わせされ、それによってスピンドル18の減少した幅Aがそれらと位置合わせされるように、ディスク16を回転させなければならない。この適切な位置合わせによって、上記で説明したように模擬されるスクラッチのために効果的にスピンドルを回転させることができながら、ディスク16は容易にスピンドル18に設置しかつスピンドルから取り外すことができる。
【0034】
次に図9に転じると、ターンテーブル10の斜視図は、使用者ディスクと円盤の間に滑りマット44が配設された円盤14と通信するために、キー付きスピンドル18上に設置されつつある工程中の、上に設置されたアダプタ31を有する使用者ディスク16を示す。使用のこのモードでは、トーン・アーム構造体(23、25、27)は使用されない。
【0035】
次に図10〜12を参照すると、ターンテーブル・モータおよびデジタル・エンコーダの構造の詳細が詳細に示されている。図1を見れば分かるように、直接駆動モータ30のモータ本体32を貫通して受けるために、ターンテーブル・ハウジング3のベース・プレート26内に貫通開口部28が存在する。このモータ30は、その内側表面に取り付けられる環形状の磁石34を有するモータ・ハウジング32を含む。中空スピンドル36が、モータ30の外側ハウジング32に取り付けられる。結果として、モータ・ハウジング32は中空スピンドル36と一致して回転する。図12に示すように、ポスト40上に搭載される複数の線コイル38がモータ30内の環状磁石34に向かって半径方向外向きに出てくる。このコイル38は、この分野でよく知られているように、銅などの金属線の巻かれた形態であることが好ましい。コイル38を支持するポスト40は、ターンテーブル再生装置10の主ハウジング12に取り付けられるベース・プレート26に搭載される、支持回路基板42に搭載される。電気がコイル38を通過するとき、環状磁石34およびモータ・ハウジング32は一致して回転し、それによって円盤14に対して直接モータ化された駆動を提供する。中空スピンドル36は、アルミニウムなどの金属から作られるのが好ましいが、プラスチックなどの他の材料であることもできる。
【0036】
中央スピンドル18が中空スピンドル36を貫通して同軸に搭載され、中空スピンドル36内で自由に回転する。この中央スピンドル18は、アルミニウムなどの金属から作られるのが好ましいが、プラスチックなどの他の材料であることもできる。コイル38の作動は、(例えば、金属の)環状磁石34およびそれに結合されたモータ・ハウジング32のみ回転させ、中央スピンドル18は回転させない。
【0037】
このモータ30は、4.5kgf−cmの出力を有する高トルクであることが好ましい。モータ30は、33RPMまたは45RPMで動作することができる。直接駆動モータ30は、その信頼性および性能の故に他の型式のモータより優れて好ましい。同様に静止コイル38が好ましいが、固定磁石を有するモータなどの、他の型式のモータも本発明によって企図されている。これらのモータ構造は、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0038】
ターンテーブル円盤14のモータ・ハウジング32への相互結合の詳細は図10および12に見られる。図10では、ベース・プレート26内の開口部28を貫通して上向きに延びるモータ30の斜視図が示されている。上記で説明したようにモータ・ハウジング32は、電気がモータ30内のコイル38を通過するとき、ベース・プレート26の開口部28内で回転する。多数のキー付き穴46が、その底部が図12に示されているターンテーブル円盤14と係合するために、モータ・ハウジング32の頂部表面32a上に設けられる。アルミニウムから作られるのが好ましい円盤14の底部は、全体的に48として指示される搭載結合領域をその中央に含む。この搭載結合領域48は、モータ・ハウジング32の頂部表面32a上のキー付き穴46と係合し、かつその中に存在する1対のキー付きポスト50を含む。多数の接触パッド52も、円盤14がモータ・ハウジング32の頂部表面32aと同じ高さで、かつ平行のままであることを確実にするために、モータ・ハウジング32の平らな頂部表面32aと連絡するように搭載結合領域48内に設けられる。円盤14は、モータ・ハウジング32の頂部上に単純に置かれ、重力によって定位置に保持される。円盤14の取り扱いを容易にするために指穴54も設けられる。
【0039】
円盤14のモータ・ハウジング32に対するキー係合の結果として、モータ30内のコイル38の電気的作動は、モータ・ハウジング32および円盤14を同時に効果的に回転させるであろう。したがって円盤14は順繰りに、その上にあるビニール・ディスク17を回転させ、かつアナログ再生モードでトーン・アーム構造体23、25、27を使用してそれを演奏させるように回転させることができる。デジタル・スクラッチに対しては、円盤14の中央を貫通する中央スピンドル18は、円盤14と独立に回転する。アナログ再生モードでターンテーブル10が使用されるとき、デジタル・エンコーダが使用されないことが好ましいので、スピンドル18のこの独立の回転はアナログ再生モードでターンテーブル10の使用に影響を及ぼさないので、少しも重要ではない。
【0040】
本発明によれば、円盤14および円形ディスク16は互いに独立に回転する。円盤14はその回転を制御するモータ30に結合されている。使用のデジタル・スクラッチ・モードでは、中央スピンドル18の回転は、使用者のオンザフライ操作によってリアルタイムで制御される。これを達成するためのインターフェースは、上記で述べたように円形ディスク16として全体的に指示される標準サイズのビニール・レコードである。
【0041】
図11に戻り参照すると、ディスク16および円盤14の回転速度および回転方向検出の詳細が、デジタル・スクラッチ・モードでターンテーブル10が使用されるときに対して示されている。第1のエンコーディング・ディスク82が、中央スピンドル18およびそれに連結される円形ディスク16に対して設けられ、第2のエンコーディング・ディスク84が、中空スピンドル36およびそれに連結される円盤14に対して設けられる。光学的検出器86、88がそれぞれエンコーディング・ディスク82、84のそれぞれに対して設けられる。
【0042】
回転速度および回転方向の判定のために光学的センサを使用するデジタル・エンコーディング・ディスクの使用はこの分野でよく知られており、本明細書でさらに詳細に論じる必要はない。このエンコーダ・ディスク82、84は、鋼またはアルミニウムなどの打ち抜きまたは穴あき金属から作られるのが好ましいが、他の材料から作ることもできる。その点に関しては、中空スピンドル36および中央スピンドル18の回転速度および回転方向を測定するための多くの異なる方法が存在する。しかしながら、スピンドル18、36の回転速度および回転方向を検出する多くの他の技術は本明細書で企図されており、本発明の範囲内であることを理解されたい。
【0043】
本発明の動作に対して、このターンテーブル再生装置10は電源が入れられ、ターンテーブルがデジタル・モードまたはアナログ再生モードで動作するかどうかを指示するように、モード・スイッチ91が適切に設定される。デジタル・モードに対しては、コンパクト・ディスク22が装置10の前面のスロット20内に挿入され、コンパクト・ディスク光学読み取り器19内に効果的に装填される。光学的ディスク22からの再生のために、選択つまみ108および表示器110を使用してオーディオ・トラックが選択される。別法として上記で論じたように、本発明の再生装置10は、オーディオ・ファイルが取り出されるハード・ドライブまたは記憶ディスクを含むことができる。オーディオ・ファイルが適切な記憶源から装填された後、2つのPLAYボタン112が設けられている。どちらのボタン112もオーディオ・トラックの再生を開始するために押すことができる。この時点で円盤14は、あたかも本物のアナログ・ターンテーブル上にあるかのように、再生を模擬するために同時に回転し始めるであろう。したがって、円盤14の回転は再生が進行中であることを指示する。この状態で、円盤14はモータ30によって駆動されている。このデジタル・モードでは、トーン・アーム構造体23、25、27は使用されない。
【0044】
この正規速度再生中、円形ディスク16は、滑りマット44を介して円盤14と摩擦連絡している。その間に十分な摩擦が存在するため、円形ディスク16は円盤14と同期して回転する。円形ディスク16(すなわち、上に設置されたアダプタ31を有するビニール・レコード)および円盤14の速度および回転方向は、それらそれぞれの光学的エンコーダ82、84およびセンサ96、98によって等しいとして検出されるであろう。したがって、マイクロプロセッサ100は、光学読み取り器19によって出力されるように改変なしで単純にオーディオ信号を再生する。この再生信号は、円形ディスク16および円盤14両方の速度および方向に基づく。
【0045】
図13に示すように、スクラッチ演奏などの改変されたオーディオ信号の再生用に、円盤14および円形ディスク16のうちの1つまたは両方の速度および/または方向が再生装置10の使用者によって変更される。例えば、円盤14および円形ディスク16の両方を同じ量だけ減速させることができる。マイクロプロセッサ100は、適切な減速されたオーディオを出力するためにこの情報を使用する。別の例では、円盤14が正規速度で前向きに移動し、円形ディスク16が正規速度で逆転している場合、出力されるオーディオ106は、逆に演奏されるオーディオ信号になるであろう。スクラッチに対しては、円形ディスク16が前後に移動している間に円盤14が前向きに移動していることが可能である。本発明でスクラッチ、ピッチ・ベンディング(pitch bending)、頭出しを容易に行うことができる。
【0046】
したがって、光学的検出器82、84は、検知される行為に従ってオーディオ信号を前向きにかつ後向きに演奏するために、マイクロプロセッサ100にリアルタイム信号を供給するように円形ディスク16および円盤14の相対的な移動のすべてを検知するであろう。この処理は、読み取り専用メモリ(ROM)、オンボードのチップにある、またはリムーバブル記憶装置を介して読み込まれるソフトウェアによって実施することができる。
【0047】
いくつかの型式の使用者制御器の入力に基づくオーディオ信号のリアルタイム・マイクロプロセッサ制御は、この分野でよく知られていることに留意されたい。したがって、そのさらなる詳細は本明細書で扱う必要はない。
【0048】
本発明の再生装置10は、オーディオ信号の現実的なレコード制御を活用する多くの動作特徴を含む。図1に戻り参照すると、電源スイッチ(図示せず)が装置10に電力を供給するために係合される。操作すべきオーディオ・ファイルを収容するコンパクト・ディスク22が、前方装填スロットを介してCD−ROM駆動部19内に挿入される。エジェクト・ボタン24は、コンパクト・ディスク22をCD−ROM駆動部19から取り出す。TRACK/MENU−SELECTつまみ108がトラックを選択するために回される。それが選択するのを押すのは再生のためである。PLAY/PAUSEボタン112は、再生および円盤14を開始させかつ停止させる。押しボタン112は、円盤のPLAYとPAUSEの間を切り替える。PAUSEの後でPLAYボタン112が押される毎に、新たな頭出し点が設定される。CUEボタン118は、最後に設定された頭出し点にオーディオを戻し、一時停止させる。様々な他の動作を、デジタル伝送を制御するためにこの装置によって実施することができる。
【0049】
アナログ・ターンテーブルとして使用するために、図1のスイッチ91をアナログに設定することによって、ターンテーブル10はアナログ・モードに切り替えられる。次に、このターンテーブルは標準のアナログ・ターンテーブルのように動作するであろう。図2を参照して論じたように、カートリッジ27がディスクの所望の部分と通信できるように、トーン・アームがビニール・ディスク17上を所定の位置に回転させられる。所望の場合、ディスク17のアナログ・スクラッチも、好ましく使用される滑りマット44によって実施することができる。
【0050】
したがって、本発明のターンテーブル10は所望の場合、どちらのモードでも再生が「スクラッチされる」ことができる、デジタル再生モードまたはアナログ再生モードのいずれでも動作させることができる。ユニークな音響効果を作り出すために、ターンテーブル10を同時にデジタルおよびアナログ再生モードで使用することも可能である。
【0051】
本発明の再生装置10は、装置の裏面上のオーディオ/ビデオ・コネクタ・セット(図示せず)によって、別のオーディオおよびビデオ装置に容易に接続することができる。ターンテーブル10のオーディオ・サブシステムへのそのような電気的相互接続は、この分野で非常によく知られており、さらに論じる必要はない。一般に、デジタル出力のみならず、左および右チャンネル用のRCA型コネクタが好ましく設けられる。リレー・コネクタおよび遠隔開始コネクタも設けることができる。楽器用デジタル・インターフェース(MIDI)用の入力および出力ポートも、別のMIDI装置に対するデジタル相互接続のために設けることができる。電圧セレクタおよび電力プラグ・コネクタも設けることができる。そのようなコネクタはこの分野でよく知られており、ディスク・ジョッキーおよびオーディオ技術者におなじみである。
【0052】
本発明の趣旨から逸脱することなく図示の実施形態に様々な変更および改変を加えることができることは当業者によって理解されるであろう。すべてのそのような改変および変更は、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】使用のデジタル再生モードにある、本発明のハイブリッド・ターンテーブルの斜視図である。
【図2】使用のアナログ再生モードにある、本発明のハイブリッド・ターンテーブルの斜視図である。
【図3】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのスピンドル上に取り付けられたアナログ・ビニール・レコード・ディスクのクローズアップ斜視図である。
【図4】本発明によるインターフェース制御部材および円盤構造の分解正面図である。
【図5】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのスピンドルの上面図である。
【図6】本発明のアダプタの頂部プレートの平面図である。
【図7】本発明のアダプタの底部プレートの平面図である。
【図8】図4の線8−8を通る横断面線の図である。
【図9】デジタル媒体源からのオーディオの再生のために、円盤およびスピンドル上に設置される工程での、上にアダプタが設置されるインターフェース制御部材を有する本発明のハイブリッド・ターンテーブルの上面斜視図である。
【図10】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのベースおよびモータ・アセンブリの斜視図である。
【図11】本発明のハイブリッド・ターンテーブルのモータ・アセンブリの部分切欠き側面立面図である。
【図12】本発明のハイブリッド・ターンテーブルの円盤の底部斜視図である。
【図13】本発明によるデジタル・オーディオ・ストリームの処理のフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータに連結され、かつ前記モータによって駆動される、回転軸を有する中空スピンドルと、
前記中空スピンドルに連結され、回転速度および回転方向を有する円盤と、
前記中空スピンドルを貫通して通り、回転軸および頂部自由端を有する中央スピンドルであって、前記中空スピンドルの回転軸が前記中央スピンドルの回転軸と同軸であり、前記中央スピンドルが回転速度および回転方向ならびに非円形横断面形状を有する中央スピンドルと、
回転速度および回転方向ならびに頂部側および底部側を伴う、貫通する中央円形穴を有する使用者操作可能部材であって、前記底部側が前記円盤と対面する部材と、
貫通する前記中央円形穴のサイズを、前記中央スピンドルの前記非円形横断面形状に実質的にキーで対合可能な形状に縮小するために、前記使用者操作可能部材に取り付けられるアダプタ手段と、
円盤制御信号を作り出すために、前記円盤の回転速度および回転方向を検出するための手段と、
使用者操作可能部材制御信号を作り出すために、前記使用者操作可能部材の回転速度および回転方向を検出するための手段と、
デジタル化されたオーディオ信号と、
デジタル・オーディオ出力信号を作り出すために、前記円盤制御信号および前記使用者操作可能部材制御信号に基づいて前記デジタル化されたオーディオを改変するための処理手段とを備え、
上にアダプタ手段を伴う前記使用者操作可能部材が、標準のビニール・レコードの上への装填を可能にするように前記スピンドルから取り外すことができる、使用者によって制御可能な音響再生装置。
【請求項2】
前記円盤に近接して配置され、標準のビニール・レコードが前記円盤上に配置されるとき、それからフォノ出力信号を発生させるように、前記標準のビニール・レコードと通信可能なトーン・アームをさらに備える、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項3】
前記アダプタ手段が、前記中央スピンドルの前記非円形横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の頂部側に取り付けられる頂部プレートであり、前記頂部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項4】
前記アダプタ手段が、前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の底部側に取り付けられる底部プレートであり、前記底部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項5】
前記アダプタ手段が、前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の頂部側に取り付けられる頂部プレートであって、前記頂部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる頂部プレートと、前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の底部側に取り付けられる底部プレートであって、前記底部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる底部プレートとである、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項6】
前記頂部プレートを前記底部プレートに連結する手段をさらに備える、請求項5に記載の音響再生装置。
【請求項7】
連結するための前記手段が、前記底部プレートと連絡しているねじ切りされた隔離体にねじで結合される、前記頂部プレートと連絡している少なくとも1つのねじ切りされた留め具である、請求項6に記載の音響再生装置。
【請求項8】
前記モータが直接駆動モータである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記中空スピンドルおよび前記中央スピンドルが前記直接駆動モータを貫通して通る、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記使用者操作可能部材が円形ディスクである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記円形ディスクがビニール・レコードである、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記円形ディスクおよびアダプタ手段が、前記中央スピンドルに脱着可能に連結される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記使用者操作可能部材が前記円盤と摩擦的な連絡状態にある、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記使用者操作可能部材と前記円盤の間に配設される滑りマットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
円盤制御信号を作り出すために前記円盤の回転速度および回転方向を検出するための手段が、
前記中空スピンドルに連結される第1のデジタルコード化されたディスクと、
前記第1のデジタルコード化されたディスクに近接して配置される第1の光学的センサとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
使用者操作可能部材制御信号を作り出すために前記使用者操作可能部材の回転速度および回転方向を検出するための手段が、
前記中央スピンドルに連結される第2のデジタルコード化されたディスクと、
前記第2のデジタルコード化されたディスクに近接して配置される第2の光学的センサとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記音響再生装置が、前記デジタル・オーディオ出力信号および前記フォノ出力信号を選択的に演奏することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
互いに独立に移動する円盤と非円形横断面形状を有する中央スピンドルとを伴うデジタル・ターンテーブルと共に使用するための、頂部側、底部側、および中央穴とを有するビニール・ディスク用のアダプタであって、
前記ビニール・ディスクの前記頂部側に取り付けられ、かつ前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する頂部プレートを備え、前記頂部プレートの前記開口部が前記ビニール・ディスクの前記中央穴と実質的に位置合わせされるアダプタ。
【請求項19】
前記ビニール・ディスクの前記底部側に取り付けられ、かつ前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する底部プレートをさらに備え、前記底部プレートの前記開口部が前記ビニール・ディスクの前記中央穴と実質的に位置合わせされる、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項20】
前記頂部プレートおよび前記底部プレートが互いに連結される、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項21】
本体と、
前記本体に回転可能に搭載され、貫通する開口部と円盤の回転を検出するための手段とを有するモータ化された円盤と、
前記円盤の前記開口部を貫通して通るスピンドルであって、前記スピンドルの回転を制御するためのインターフェース手段、すなわち前記スピンドルの回転を検出するための手段が前記スピンドルに連結され、前記モータ化された円盤および前記スピンドルが互いに対して独立に回転可能であり、前記円盤および前記スピンドルの回転位置がデジタル・オーディオ出力信号を供給するようにデジタル媒体処理のために使用されるスピンドルと、
中央穴を有するビニール・ディスクであって、前記ビニール・ディスクの前記中央穴を貫通して通る前記スピンドルを有する、前記円盤上に配置可能なビニール・ディスクと、
前記本体に連結され、フォノ出力信号を供給するように前記モータ化された円盤上に配置されるビニール・レコードを再生することができるトーン・アームとを備え、
前記インターフェース手段および前記ビニール・ディスクがそれぞれ、交換可能に前記スピンドルに連結され、かつ前記円盤上に配置される、デジタル媒体およびビニール・レコード・ディスクの演奏が可能なハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項22】
前記インターフェース手段がビニール・ディスクである、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項23】
前記インターフェース手段がプラスチック・ディスクである、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項24】
前記インターフェース手段と前記円盤の間に配置される滑りマットをさらに備える、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項25】
前記ビニール・ディスクと前記円盤の間に配置される滑りマットをさらに備える、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項26】
前記デジタル・オーディオ出力信号および前記フォノ出力信号が二者択一的に演奏される、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項27】
前記デジタル・オーディオ出力信号および前記フォノ出力信号が同時に演奏される、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項1】
モータと、
前記モータに連結され、かつ前記モータによって駆動される、回転軸を有する中空スピンドルと、
前記中空スピンドルに連結され、回転速度および回転方向を有する円盤と、
前記中空スピンドルを貫通して通り、回転軸および頂部自由端を有する中央スピンドルであって、前記中空スピンドルの回転軸が前記中央スピンドルの回転軸と同軸であり、前記中央スピンドルが回転速度および回転方向ならびに非円形横断面形状を有する中央スピンドルと、
回転速度および回転方向ならびに頂部側および底部側を伴う、貫通する中央円形穴を有する使用者操作可能部材であって、前記底部側が前記円盤と対面する部材と、
貫通する前記中央円形穴のサイズを、前記中央スピンドルの前記非円形横断面形状に実質的にキーで対合可能な形状に縮小するために、前記使用者操作可能部材に取り付けられるアダプタ手段と、
円盤制御信号を作り出すために、前記円盤の回転速度および回転方向を検出するための手段と、
使用者操作可能部材制御信号を作り出すために、前記使用者操作可能部材の回転速度および回転方向を検出するための手段と、
デジタル化されたオーディオ信号と、
デジタル・オーディオ出力信号を作り出すために、前記円盤制御信号および前記使用者操作可能部材制御信号に基づいて前記デジタル化されたオーディオを改変するための処理手段とを備え、
上にアダプタ手段を伴う前記使用者操作可能部材が、標準のビニール・レコードの上への装填を可能にするように前記スピンドルから取り外すことができる、使用者によって制御可能な音響再生装置。
【請求項2】
前記円盤に近接して配置され、標準のビニール・レコードが前記円盤上に配置されるとき、それからフォノ出力信号を発生させるように、前記標準のビニール・レコードと通信可能なトーン・アームをさらに備える、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項3】
前記アダプタ手段が、前記中央スピンドルの前記非円形横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の頂部側に取り付けられる頂部プレートであり、前記頂部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項4】
前記アダプタ手段が、前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の底部側に取り付けられる底部プレートであり、前記底部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項5】
前記アダプタ手段が、前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の頂部側に取り付けられる頂部プレートであって、前記頂部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる頂部プレートと、前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する前記使用者操作可能部材の底部側に取り付けられる底部プレートであって、前記底部プレートの前記開口部が前記使用者操作可能部材の前記中央穴と実質的に位置合わせされる底部プレートとである、請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項6】
前記頂部プレートを前記底部プレートに連結する手段をさらに備える、請求項5に記載の音響再生装置。
【請求項7】
連結するための前記手段が、前記底部プレートと連絡しているねじ切りされた隔離体にねじで結合される、前記頂部プレートと連絡している少なくとも1つのねじ切りされた留め具である、請求項6に記載の音響再生装置。
【請求項8】
前記モータが直接駆動モータである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記中空スピンドルおよび前記中央スピンドルが前記直接駆動モータを貫通して通る、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記使用者操作可能部材が円形ディスクである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記円形ディスクがビニール・レコードである、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記円形ディスクおよびアダプタ手段が、前記中央スピンドルに脱着可能に連結される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記使用者操作可能部材が前記円盤と摩擦的な連絡状態にある、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記使用者操作可能部材と前記円盤の間に配設される滑りマットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
円盤制御信号を作り出すために前記円盤の回転速度および回転方向を検出するための手段が、
前記中空スピンドルに連結される第1のデジタルコード化されたディスクと、
前記第1のデジタルコード化されたディスクに近接して配置される第1の光学的センサとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
使用者操作可能部材制御信号を作り出すために前記使用者操作可能部材の回転速度および回転方向を検出するための手段が、
前記中央スピンドルに連結される第2のデジタルコード化されたディスクと、
前記第2のデジタルコード化されたディスクに近接して配置される第2の光学的センサとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記音響再生装置が、前記デジタル・オーディオ出力信号および前記フォノ出力信号を選択的に演奏することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
互いに独立に移動する円盤と非円形横断面形状を有する中央スピンドルとを伴うデジタル・ターンテーブルと共に使用するための、頂部側、底部側、および中央穴とを有するビニール・ディスク用のアダプタであって、
前記ビニール・ディスクの前記頂部側に取り付けられ、かつ前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する頂部プレートを備え、前記頂部プレートの前記開口部が前記ビニール・ディスクの前記中央穴と実質的に位置合わせされるアダプタ。
【請求項19】
前記ビニール・ディスクの前記底部側に取り付けられ、かつ前記中央スピンドルの非横断面形状と実質的に対合可能である形状を有する、貫通する開口部を画成する底部プレートをさらに備え、前記底部プレートの前記開口部が前記ビニール・ディスクの前記中央穴と実質的に位置合わせされる、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項20】
前記頂部プレートおよび前記底部プレートが互いに連結される、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項21】
本体と、
前記本体に回転可能に搭載され、貫通する開口部と円盤の回転を検出するための手段とを有するモータ化された円盤と、
前記円盤の前記開口部を貫通して通るスピンドルであって、前記スピンドルの回転を制御するためのインターフェース手段、すなわち前記スピンドルの回転を検出するための手段が前記スピンドルに連結され、前記モータ化された円盤および前記スピンドルが互いに対して独立に回転可能であり、前記円盤および前記スピンドルの回転位置がデジタル・オーディオ出力信号を供給するようにデジタル媒体処理のために使用されるスピンドルと、
中央穴を有するビニール・ディスクであって、前記ビニール・ディスクの前記中央穴を貫通して通る前記スピンドルを有する、前記円盤上に配置可能なビニール・ディスクと、
前記本体に連結され、フォノ出力信号を供給するように前記モータ化された円盤上に配置されるビニール・レコードを再生することができるトーン・アームとを備え、
前記インターフェース手段および前記ビニール・ディスクがそれぞれ、交換可能に前記スピンドルに連結され、かつ前記円盤上に配置される、デジタル媒体およびビニール・レコード・ディスクの演奏が可能なハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項22】
前記インターフェース手段がビニール・ディスクである、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項23】
前記インターフェース手段がプラスチック・ディスクである、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項24】
前記インターフェース手段と前記円盤の間に配置される滑りマットをさらに備える、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項25】
前記ビニール・ディスクと前記円盤の間に配置される滑りマットをさらに備える、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項26】
前記デジタル・オーディオ出力信号および前記フォノ出力信号が二者択一的に演奏される、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【請求項27】
前記デジタル・オーディオ出力信号および前記フォノ出力信号が同時に演奏される、請求項21に記載のハイブリッド・ターンテーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−512105(P2009−512105A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534549(P2008−534549)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/035884
【国際公開番号】WO2007/044177
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506231537)ヌマーク インダストリーズ,エルエルシー (5)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/035884
【国際公開番号】WO2007/044177
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506231537)ヌマーク インダストリーズ,エルエルシー (5)
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