ハイブリッド型分岐ステント
ステントアセンブリ(10)は第1ステント本体および第2ステント本体を有する。第1ステント本体は、第1長手方向軸線(16a)を有する第1管腔を画定し、第2ステント本体(14)は、第2長手方向軸線(16b)を有する第2管腔を画定する。第2ステント本体の一端は、第1ステント本体の一部分にヒンジ式に係合され、第1管腔と第2管腔は互いに連通する。ステントアセンブリは非展開状態と展開状態とを有する。非展開状態において、第1長手方向軸線と第2長手方向軸線は互いにほぼ平行であり、第2管腔の全体が第1管腔の中に配置される。展開状態においては、第2長手方向軸線は第1長手方向軸線に対して斜角を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一部の実施形態では、植込み可能な医療器具、その製造、および使用方法に関する。また一部の実施形態は、このような器具の送達に利用されるあらゆるタイプの送達システム、例えばカテーテルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ステントとは身体の管腔に導入される医療器具であり、当技術分野でよく知られている。一般的には、ステントは、狭窄または動脈瘤部位で、血管内において内管腔的に、即ち所謂「最小侵襲性技法」によって植込まれる。この技法では、径方向に縮小された形状にある(場合によりシースおよび/またはカテーテルによって径方向に圧縮された形状に拘束された)ステントが、ステント送達システムまたは「イントロデューサ」によって、必要とされる部位に送達される。イントロデューサは、患者の皮膚を介すなどして、あるいは軽微な外科用手段によって進入用血管が露出される「切開法」によって、身体の外側のアクセス位置から身体に進入することができる。
【0003】
以下でステントと総称するステント、グラフト、ステントグラフト、大静脈フィルタ、拡張可能な骨組み、および同様の植込み可能な医療器具は、径方向に拡張可能な人工器官であり、これらは典型的には、経皮的に導入された後に経腔的に植込まれ、径方向に拡張可能な血管内インプラントである。ステントは、脈管系、尿路、胆管、卵管、冠状血管、二次的脈管内などの様々な体内管腔または脈管に植込むことができる。ステントを使用して、体内管を補強し、脈管系内での血管形成術の後に起こる再狭窄を防止することができる。これらのステントは、自己拡張型であってもよく、バルーンに取り付けられたときのように、内部からの径方向の力によって拡張されるものであってもよく、あるいは自己拡張型とバルーン拡張型の組み合わせ(ハイブリッド拡張型)であってもよい。
【0004】
ステントは、管材から、あるいは切断またはエッチングされた後に丸められる平坦なシートから、あるいは1つまたは複数の織り合わされたワイヤまたは網目体から図案を切断またはエッチングすることを含む方法によって形成することができる。
【0005】
血管系内では、狭窄が血管の分岐部で形成されることが珍しくない。分岐部とは、第1(または親)血管が2本以上の枝血管に分岐する血管系の領域、または身体の他の部分である。1つまたは複数の狭窄病変がこのような分岐部で生じる場合、こうした1つまたは複数の狭窄は、それらの血管のうちの1本だけ(即ち枝血管または親血管のうちのいずれか)、それらの血管の2本、あるいは3本全ての血管に影響を及ぼし得る。しかしながら、多くの従来技術によるステントは、ステントを使用することが望まれる部位が並列している場合や、例えば哺乳類の大動脈から総腸骨動脈への分岐点などの、動脈または静脈の分岐点を越えて延在する場合に使用するには、完全に満足のいくものではない。
【0006】
なお、以上に参照および/または記述した技術は、本願明細書で参照した特許文献、刊行物、または他の情報が本発明に対して「先行技術」であることを認めるものではない。
本願明細書のいずれかの箇所で言及した全ての米国特許および米国出願、ならびに他の全ての刊行物について、その全体を本願明細書に援用する。
【0007】
本発明の範囲を限定することなく、特許を請求する本発明の実施形態のいくつかについての概要を以下に述べる。本発明の実施形態の概要に対するさらなる詳細および/または本発明の追加の実施形態については、以下の実施するための最良の形態において説明する。
【0008】
要約書は、本発明の請求の範囲を解釈するために使用するためのものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ハイブリッド型分岐ステントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
少なくとも一実施形態では、本発明は第1ステント本体および第2ステント本体を有するステントアセンブリに関する。第1ステント本体は第1長手方向軸線を有する第1管腔を画定し、第2ステント本体は第2長手方向軸線を有する第2管腔を画定する。第2ステント本体の一端部は第1ステント本体の一部分にヒンジ式に係合され、第1管腔と第2管腔は互いに連通している。ステントアセンブリは、非展開状態および展開状態を有する。少なくとも一実施形態では、非展開状態において、第1長手方向軸線と第2長手方向軸線は互いにほぼ平行であり、第2管腔の全体が第1管腔内に配置される。少なくとも一実施形態では、展開状態において、第2長手方向軸線は第1長手方向軸線に対して斜角を形成する。本願において、「斜」とは1度から180度の間の角度を指し、明確に約90度の角度を含むものとする。
【0011】
少なくとも一実施形態では、第2ステント本体は、内側領域および外側領域によって画定することができ、外側領域は第1ステント本体の一部分とすることができ、内側領域は第1ステント本体の前記一部分と係合することができる。
【0012】
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体の形状はほぼ管状をなす。少なくとも一実施形態では、その管状体は楕円形の断面を有する。
少なくとも一実施形態では、非展開形状において、第2ステント本体がほぼ卵形の断面形状を有する。一部の実施形態では、非展開状態のステント本体はほぼ扁平の断面形状を有する。少なくとも一実施形態では、展開状態において、第2ステント本体はほぼ円形の断面形状を有する。他の可能な形状には六角形、三角形、四角形、菱形などが含まれる。
【0013】
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体は複数の相互連結される第1ステント部材からなる。少なくとも一実施形態では、隣接する第1ステント部材が、第1管腔と連通する複数の開口部を第1ステント本体に画定する。
【0014】
少なくとも一実施形態では、各開口部は面積を有する。少なくとも一実施形態では、開口部のうちの少なくとも1つは、他の開口部のそれぞれの面積より大きな面積を有する側枝開口部として特徴付けることができる。
【0015】
少なくとも一実施形態では、この側枝開口部は、第2ステント本体の端部に隣接し、該第2ステント本体の端部は、第1ステント本体の一部分にヒンジ式または他の形で柔軟に係合される。少なくとも一実施形態では、側枝開口部は第1管腔および第2管腔と連通する。
【0016】
少なくとも一実施形態では、第2ステント本体は、複数の相互連結される第2ステント部材からなり、隣接する第2ステント部材が、第2ステント本体に複数の開口部を画定する。少なくとも一実施形態では、これらの開口部は第2管腔と連通する。少なくとも一実施形態では、第1ステント部材は第1ステント構成を形成し、第2ステント部材は第2ステント構成を形成する。少なくとも一実施形態では、第1ステント構成は、視覚的に第2ステント構成とはっきりと区別できる。少なくとも一実施形態では、第1ステント構成と第2ステント構成は視覚的に、実質的に類似している。
【0017】
少なくとも一実施形態では、第1ステント構成および第2ステント構成は、異なる拡張特性を有する。
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分は、非展開状態から展開状態に実質的に自己拡張可能である。
【0018】
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分は、径方向外側に作用する力を付与することによって、非展開状態から展開状態に実質的に拡張可能である。
【0019】
少なくとも一実施形態では、第2ステント本体は、内側領域および外側領域によって画定されており、非展開状態においては、内側領域および外側領域が第1ステント本体の一部であることができ、展開状態においては、第2ステント本体が実質的に円形の断面形状を有することができる。
【0020】
少なくとも一実施形態では、分岐ステント送達システムは、器具受容部分を有するカテーテルシャフトと、該器具受容部分のまわりに配置されるステントとを有する。少なくとも一実施形態では、ステントはステント本体および主長手方向軸線を有し、ステント本体の一部分はステント本体の取り付け部分にヒンジ式に取り付けられたフラップである。ステントは展開状態および非展開状態を有する。少なくとも一実施形態では、非展開状態において、フラップは長手方向軸線とほぼ平行な方向に延在する。少なくとも一実施形態では、展開状態において、フラップは管形状に拡張し、主長手方向軸線に対して斜めの方向に延在する副長手方向軸線を有する。
【0021】
少なくとも一実施形態では、フラップは交互に配置された第1ステント部材および第2ステント部材から構築され、非展開状態においては、第1ステント部材および第2ステント部材が主長手方向軸線からほぼ同じ距離にあり、展開状態においては、第1ステント部材および第2ステント部材は、副長手方向軸線を通る平面の両側にある。
【0022】
少なくとも一実施形態では、フラップはステント本体と一体をなす部分である。
少なくとも一実施形態では、フラップはステント本体の他の部分とは異なる材料で形成される。
【0023】
少なくとも一実施形態では、ステントシステムは、ステント器具、カテーテル、1つまたは複数の押圧および/または牽引器具を含む。ステント器具は拡張状態および非拡張状態を有し、互いに対して緩く連結された複数のワイヤを備える。ステント器具は自己拡張型である。ステント器具は、カテーテル内に配置されているときには非拡張状態にある。ステント器具は、カテーテルの外側で拘束されていないときは拡張状態にある。カテーテル内に配置されると、ワイヤはカテーテルの内側管腔の壁と直接接触する。押圧および/または牽引器具は、少なくとも1つのワイヤに着脱可能に連結することが可能である。押圧器具を遠位方向に動かすと、ステントはカテーテル端部から外に押し出されて拡張状態に移行する。牽引器具を近位方向に動かすと、ステントはカテーテル内に引き込まれて非展開状態に移行する。
【0024】
少なくとも一実施形態では、押圧器具と牽引器具は同じものである。
少なくとも一実施形態では、ワイヤは、各ワイヤの形状によって、リングによって、スエージ加工によって、スエージ加工されたコネクタによって、溶接によって、接着によって、スエージ加工以外の機械的連結方法(例えば嵌合、圧入など)によって、および/またはカフによって取り付けられる。
【0025】
少なくとも一実施形態では、ステント器具は、身体の管腔内にありながら何度も拡張状態から非拡張状態に移行することができる。
少なくとも一実施形態では、ワイヤはマンドレル、型、鋳型などの上で予め賦形される。少なくとも一実施形態では、ワイヤは身体管腔の治療部位の形状と合致するように賦形される。
【0026】
少なくとも一実施形態では、ステント器具は、拡張状態にあるときよりも非拡張状態にあるときの方が、実質的に長い。
少なくとも一実施形態では、ステント器具の長さは最大200mmである。
【0027】
少なくとも一実施形態では、ステントシステムはシースを備える。シースは、少なくとも部分的にカテーテル内に配置され、非展開状態においては、該シース内にステント器具が配置される。
【0028】
少なくとも一実施形態では、シースを近位方向に引き戻してステント器具を身体管腔の中へ解放し、拡張させることができる。
本発明を特徴付けるこれらおよび他の実施形態は、本願明細書に添付し、本願明細書の一部をなす特許請求の範囲で詳しく説明する。しかしながら、本発明と、本発明を使用することによって得られる利点および目的とをさらに理解するために、本願明細書のさらなる一部を形成している図面と、これに付随する記述を参照されたい。それらにおいて本発明の実施形態を図示し、述べてある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
本発明は多数の異なった形態で実施することができるが、本願明細書では本発明の特定の好ましい実施形態について詳細に説明する。この説明は本発明の原理を例証するものであり、本発明を示される特定の実施形態に限定することを意図したものではない。
【0030】
本開示において、各図面における同様の参照番号は、特に明示しない限り同様の特徴を指す。
図1には、長手方向軸線16を有するステント10の一実施形態が平面図で示されている。ステント10は2つのヒンジ点12を有する。ヒンジ点12によって、ステント10の一部分、すなわちフラップ14がステント10の残りの部分から枢動することができる。非展開状態においては、フラップ14は、ステント10の他の部分とほぼ同じ径方向距離にて、長手方向軸線のまわりに配置される。図2に示すような一部の実施形態では、フラップ14は、非展開状態において独立した副管腔を有する第2ステント本体であってもよい。第2ステント本体14は、ステント10の主管腔内に存在する。この実施形態では、主管腔および副管腔は別個の平行な長手方向軸線16a、16bを有する。
【0031】
一部の実施形態では、図3に示すように、副ガイドワイヤ18が、フラップ14のストラット20間を交互に反対方向にくぐるように織り込まれている。いくつかの例では、ガイドワイヤ18はフラップ14の隣接するストラット20間に織り込まれ、他の例では、ガイドワイヤは、2つ以上のストラットごとに交互に反対方向にくぐっている。副ガイドワイヤ18は複数の目的に役立つことができる。ガイドワイヤ18は、拡張バルーンを交互に配置されたストラットまたは交互に配置されたストラットグループ20の間を進ませながら案内して、拡張バルーンの拡張によってフラップ14を拡張および/または展開できるようにする。
【0032】
さらに、ガイドワイヤ18を、主ステント本体の一部分と同様にフラップ14にも織り込むことができるが、これにより、フラップ14が展開前に外方に枢動し、または開いてしまうことを防止することができる。次いで副ガイドワイヤ18を部分的に引き戻して、ガイドワイヤ18が主ステント本体およびフラップ14の中に織り込まれていない状態にして、フラップ14がヒンジ点12を中心に枢動し、展開されるようにすることができる。
【0033】
図4には、フラップ14を有する別のステント10を示す。ステント10は、コイルステント、分節ステント、ブロックステントなどを含む多様なステントのうち、任意のものとすることができる。図示されるように、フラップ14はヒンジ点12を中心に枢動する。一部の実施形態では、送達中にフラップを定位置に保持する助けとするように、脆弱部材23を使用することができる。脆弱部材を有する実施形態では、脆弱部材23は、特定時間内に溶解するように、またはステント10内で径方向外向きの力が及ぼされることによって破壊されるように設計することができる。脆弱部材は、フラップ14のヒンジ式に連結された側とは反対の側に配設することができる。脆弱部材は、フラップ14の両側に沿って配設することもできる。脆弱部材は、ステントの他の部分とは異なる材料で作製された、かつ/またはステントの他の部分よりも小さく/細く作製されたストラットとすることができる。異なる材料または寸法の差異は、ステント10の拡張時に破壊される脆弱な部分を生じさせる。
【0034】
ステント10の一実施形態の上面斜視図を図5に示す。この実施形態では、フラップ14は、フレーム22によって互いに連結された、互いにほぼ平行なストラット部材20を有する。フラップ14は、主たるステント部分とは別の、はっきりと区別できる形態であることが可能である。これによって、フラップが主たるステント本体とは異なる拡張特徴を有することが可能となる。ステント10を単一の管片から形成して、展開前にフラップが主たるステント本体の壁に組み込まれるようにしてもよい。
【0035】
図6および6Aに示すように、拡張状態または展開状態において、フラップ14のストラット20は、隣接するストラット同士がフレーム22内で反対方向に屈曲するように拡張することが可能である。一部の実施形態では、フラップ14は、拡張状態または展開状態において卵形をなしていてもよい。他の可能な形状には、六角形、三角形、四角形、菱形などが含まれる。一部の実施形態では、隣接するストラットのグループ同士が、拡張時に反対方向に屈曲する。この拡張は、自己拡張であってもよく、図7に示すように拡張バルーンを使用する拡張であってもよい。
【0036】
図7では、フラップは、副ガイドワイヤ18のまわりを進行させられる膨張バルーン24の拡張によって拡張される。ガイドワイヤ18を、隣接するストラット20間に織り込んで、進行させられたバルーン24の拡張が隣接するストラットを押して反対方向に屈曲させるようにし、図6Aで示す管腔と同様の第2管腔26を作り出すことができる。
【0037】
主管腔と副管腔の両方を同じバルーンで膨張させることができる。一部の実施形態では、2つの異なるバルーンを使用することもできる。一部の実施形態では、より小型の、より用途が限定されたバルーン(例えば直径が1.0よりも小さい)を、フラップ14の副管腔を拡張するために使用し、かつ/または、別の膨張バルーンを挿入できるように副管腔を最初に開くために使用する。マウフ(Mauch)の米国特許第6780174号明細書で開示されているものを含め、マルチバルーンカテーテルがこの技術分野で知られている。同米国特許明細書を、参照により本願明細書に援用する。
【0038】
図8および9に示されるような一部の実施形態では、フラップ14は主ステント本体部分10’と一体ではない。一部の実施形態では、フラップ14は、ヒンジ点12において、主ステント本体10’の外側に取り付けられる。この実施形態では、主ステント本体の副管腔内へ位置を変える部分がより少ないため、主管腔内の骨格を最大限にしている。
【0039】
少なくとも一実施形態では、膨張バルーン24が主ステント本体10’の壁を通過し、フラップ14のストラット20の間を進むことができるように、1つのストラットが主ステント本体10’から取り外されている。一部の実施形態では、フラップ14および主ステント本体10’を、様々な性能基準を達成できるように、様々な材料で形成することができる。このフラップはNiTi合金で形成することもでき、シースを引き戻すと自己拡張できる。
【0040】
一部の実施形態では、構造支持体が主ステント本体10’から副管腔に位置を変えないため、一体的なフラップ14ではなく、取り付けフラップ14を用いてフラップをより長くできる。
【0041】
図10に示されるように、具体化された様々なステント10は、ステント受容領域30を備えたカテーテルシャフト28を有するステント送達システム26の一部とすることができる。ステント10をバルーン24のまわりに配置することができる。図面では単一のバルーンしか示されていないが、複数のバルーンを使用してもよい。1つのバルーンを使用してステント10の主本体部分を拡張させ、別のバルーンを使用して副管腔に進入させて、フラップを拡張させてもよい。
【0042】
一部の実施形態では、ステント器具は一連のワイヤ40から形成され、それらは接合される場合もされない場合もある。これらのワイヤは幾何学的パターンをなすように賦形されて、自己拡張型ステントを形成する。ステント器具を構成するこれらのワイヤはマンドレル、型、鋳型などの上で、送達システムの外側において予め賦形することができる。ワイヤ40は、個別または単独に型または固定具のまわりで賦形することができる。ワイヤ40を、非塑性変形状態であるように圧力をかけ、または賦形し、所望の径方向強度、外形、直径、骨格などをもたらすことができる。複数のワイヤ40は、互いに分離しないように一緒に配列することができる。次いでこれらのワイヤを外形の小さな送達システム45またはカテーテルの中へと引き込むことができる。次にカテーテル45を身体内に挿入して病変域まで到達させることができ、そこでステント器具10を、送達システム45から押し出すことによって、または図12で示すようにシース50を引き戻すことによって展開し、ステント器具10を所定の位置に留置することができる。
【0043】
図11および12のステント器具10は、いくつかの利点を有する。一つの利点は、最初に送達を行った際に必要な標的域に到達しなかった場合、ステント器具10を、ステント器具10のワイヤ40をカテーテル45の中に引き込むことによって回収することができるということである。
【0044】
少なくとも一実施形態では、ステント器具10を極めて長く(最長200mm)することができる。即ち、器具10が溶接部を有さないように形成することができるため、極めて長いステントの溶接部または他の連結点における疲労の問題に対処できる。一実施形態では、ステント器具10は、溶接部を有さず、複数のワイヤ40の配置方向を変えることによって構築される。一部の実施形態では、完全なまたは部分的な輪が、ワイヤ40同士が互いから離れないように保ちしながら、同時にワイヤ40の個々の動きを維持する。したがって、器具の接合域に発生する応力がより小さい。一部の実施形態では、ワイヤをリング、スエージ加工されたコネクタ、またはカフを用いて賦形または接合することも可能である。
【0045】
一部の実施形態では、図13に示すように、フラップ14は、図11および12のワイヤと同様の1つまたは複数のワイヤ40から形成される。これらワイヤは接合される場合もされない場合もある。一部の実施形態では、ワイヤは、リング、スエージ加工されたコネクタ、またはカフを用いて溶接または結合される。一部の実施形態では、フラップ14はステント本体部分10’と一体ではない。フラップ14は、ステント本体部分10’に、治療部位領域においてであっても、本体の外側または本体内に取り付けることができる。
【0046】
一部の実施形態では、フラップ14は主ステント本体10’と一体であってもよい。フラップ14は主ステント本体10’の外側に、場合によっては図9のフラップ14のようにヒンジ点で取り付けることができる。フラップは主ステント本体10’の材料と同じ材料で形成することも、異なる材料で形成することができる。
【0047】
ステント本体10’と一体であるなしに関わらず、送達前には、フラップ14のワイヤ40をカテーテル内に保持しておくことができる。一部の実施形態では、ワイヤ40はシース50内に保持され、図13で示すようにシースが後退すると送達される。図13のシース50およびステント器具を、カテーテル内または他の送達アセンブリ内に配置してもよい。
【0048】
図14では、カテーテル45またはシース50内にフラップ14の1つまたは複数のワイヤ40が収容される。図示されるように、フラップ14の1つまたは複数のワイヤ40を遠位方向に押して、送達することができる。一実施形態では、任意で押ロッド55を設けて、該押ロッド55を、送達のためにワイヤ40を前方に押す助けとすることができる。押ロッド55は、ワイヤが連結部60において主ステント本体10’に取り付けられている場合に、ワイヤ40を遠位方向に押す際に特に有用であり得る。
【0049】
少なくとも一実施形態では、シース50は任意で設け得る特徴であり、カテーテルの端部を越えて遠位方向に延在することができる。少なくとも一実施形態では、フラップ14は、1つまたは複数のワイヤあるいは上述の押ロッド55を使用して少なくとも1つのワイヤ40を押すことにより、かつシース50を引き戻すことにより、送達することができる。
【0050】
少なくとも一実施形態では、膨張バルーン24が主ステント本体10’の壁を通過し、フラップ14のストラット20間を進むことができるように、主ステント本体10’から1つのストラットが取り除かれる。一部の実施形態では、フラップ14および主ステント本体10’を、様々な性能基準を達成できるように、異なる材料で形成することができる。フラップは、NiTi合金で形成することもでき、シースが引き戻されると自己拡張できる。
【0051】
一部の実施形態では、構造支持体が主ステント本体10’から副管腔に位置を変えないため、一体的なフラップ14ではなく、取り付けフラップ14を用いてフラップをより長くできる。
【0052】
一部の実施形態では、ステント器具10のワイヤは、フィラメント管またはフィラメントロッドを含むことができる。ワイヤ、フィラメント管、および/またはフィラメントロッドは、ニチノールまたは他の形状記憶金属、チタン、ステンレス鋼、エルジロイ(Elgiloy)、NP35N、ハステロイ(Hastelloy)または他の合金で形成してもよい。架橋ポリウレタン、ポリノルボルネン、ポリジメタクリル酸や、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオールなどの生物分解可能な形状記憶ポリマーを用いてもよい。
【0053】
一部の実施形態では、ワイヤに予応力を与えて塑性状態にし、これを身体の内で賦形することができる。このため、システムを病変部(legion)または患部の内側に形成できる。
【0054】
一部の実施形態では、ステント、送達システム、またはアセンブリの他の部分が、X線、MRI、超音波などの画像診断法によって検出可能な1つまたは複数の領域、帯、被覆、部材などを含むことができる。一部の実施形態では、ステントおよび/または隣接アセンブリの少なくとも一部分が少なくとも部分的に放射線不透過性である。
【0055】
一部の実施形態では、ステントの少なくとも一部分が、治療薬を送達するための1つまたは複数の機構を含むように構成される。多くの場合、治療薬は、ステントの表面領域に配置された材料の被覆または他の1つまたは複数の層の形態をとり、治療薬は、ステントが植込まれた部位またはそれに隣接する領域で放出されるように構成される。
【0056】
治療薬は、薬物、または非遺伝物質、遺伝物質、細胞物質などの他の製剤であってよい。好適な非遺伝物質治療薬の一部の例には、ヘパリン、ヘパリン誘導体などの抗血栓剤、血管細胞成長促進剤、成長因子阻害剤、パクリタクセルが含まれるが、これらに限定されるものではない。治療薬が遺伝物質治療薬を含む場合、そのような遺伝物質には、DNA、RNA、それらのそれぞれの誘導体および/または成分、ならびにヘッジホッグ蛋白質などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。治療薬に細胞物質が含まれる場合、細胞物質には、ヒト由来の細胞および/または非ヒト由来の細胞、ならびにそれらのそれぞれの成分および/または派生物が含まれるが、これらに限定されるものではない。治療薬にポリマー剤が含まれる場合、ポリマー剤には、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)、ポリエチレンオキシド、シリコーンゴムおよび/または他の任意の好適な基材を含むが、これらに限定されるものではない。
【0057】
上記開示は例示することを目的としており、包括的なものではない。本説明は、当業者に多くの変更形態および代替形態を示唆するであろう。個々の図面に示され、上述される様々な要素を、必要に応じて組み合わせ、または組み合わせるために改変することができる。これらの全ての代替形態および変更形態は、特許請求の範囲内に含まれるものである。請求項において用いられる「備える」という用語は「含むがそれに限定されない」ことを意味している。
【0058】
さらに、従属請求項に提示する特定の特徴を、本発明の範囲内で他の形で互いに組み合わせることができることから、本発明を、従属請求項の特徴の他の任意の可能な組み合わせを有する他の実施形態をも明確に対象とするものとして認識されるべきである。例えば、請求項の公開にあたり、後続の従属請求項は、多数項従属形式が管轄内で認められている場合、このような従属請求項で参照した全ての既述部を有する全ての先行請求項からの多数項従属形式で択一的に記載されているものと見なされるべきである(例えば請求項1に直接従属する請求項はそれぞれ、先行する全ての請求項に択一的に従属するものと見なされるべきである)。多数項従属請求項の形式が禁止される管轄内では、後続の従属請求項はそれぞれ、それぞれの単一従属請求項形式で択一的に記載されているものと見なされるべきであり、この形式は、このような下位の従属請求項で掲げる特定の請求項以外の、既述部を有する1つの先行請求項への従属関係を生じさせるものである。
【0059】
以上で本発明の好ましい実施形態および代替的実施形態についての説明を終了する。当業者であれば、本願明細書で説明した特定の実施形態に対する他の均等物を認識し得るであろうが、それらの均等物は、本願明細書に添付する特許請求の範囲に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】ステントの一実施形態の側面図。
【図2】本発明のステントの横断面図。
【図3】本発明のフラップの縦断面図。
【図4】ステントの一実施形態の側面図。
【図5】ステントの一実施形態の上面斜視図。
【図6】フラップの一実施形態の上面斜視図。
【図6A】フラップ管腔の横断面図。
【図7】フラップ管腔内に配置された膨張バルーンを備えたステントの側面図。
【図8】ステントの一実施形態の上面図。
【図9】フラップ管腔内に配置された膨張バルーンを備えたステントの側面図。
【図10】ステント送達装置の縦断面図。
【図11】ステント送達装置の縦断面図。
【図12】ステント送達装置の縦断面図。
【図13】ステント送達装置の縦断面図。
【図14】ステント送達装置の縦断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一部の実施形態では、植込み可能な医療器具、その製造、および使用方法に関する。また一部の実施形態は、このような器具の送達に利用されるあらゆるタイプの送達システム、例えばカテーテルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ステントとは身体の管腔に導入される医療器具であり、当技術分野でよく知られている。一般的には、ステントは、狭窄または動脈瘤部位で、血管内において内管腔的に、即ち所謂「最小侵襲性技法」によって植込まれる。この技法では、径方向に縮小された形状にある(場合によりシースおよび/またはカテーテルによって径方向に圧縮された形状に拘束された)ステントが、ステント送達システムまたは「イントロデューサ」によって、必要とされる部位に送達される。イントロデューサは、患者の皮膚を介すなどして、あるいは軽微な外科用手段によって進入用血管が露出される「切開法」によって、身体の外側のアクセス位置から身体に進入することができる。
【0003】
以下でステントと総称するステント、グラフト、ステントグラフト、大静脈フィルタ、拡張可能な骨組み、および同様の植込み可能な医療器具は、径方向に拡張可能な人工器官であり、これらは典型的には、経皮的に導入された後に経腔的に植込まれ、径方向に拡張可能な血管内インプラントである。ステントは、脈管系、尿路、胆管、卵管、冠状血管、二次的脈管内などの様々な体内管腔または脈管に植込むことができる。ステントを使用して、体内管を補強し、脈管系内での血管形成術の後に起こる再狭窄を防止することができる。これらのステントは、自己拡張型であってもよく、バルーンに取り付けられたときのように、内部からの径方向の力によって拡張されるものであってもよく、あるいは自己拡張型とバルーン拡張型の組み合わせ(ハイブリッド拡張型)であってもよい。
【0004】
ステントは、管材から、あるいは切断またはエッチングされた後に丸められる平坦なシートから、あるいは1つまたは複数の織り合わされたワイヤまたは網目体から図案を切断またはエッチングすることを含む方法によって形成することができる。
【0005】
血管系内では、狭窄が血管の分岐部で形成されることが珍しくない。分岐部とは、第1(または親)血管が2本以上の枝血管に分岐する血管系の領域、または身体の他の部分である。1つまたは複数の狭窄病変がこのような分岐部で生じる場合、こうした1つまたは複数の狭窄は、それらの血管のうちの1本だけ(即ち枝血管または親血管のうちのいずれか)、それらの血管の2本、あるいは3本全ての血管に影響を及ぼし得る。しかしながら、多くの従来技術によるステントは、ステントを使用することが望まれる部位が並列している場合や、例えば哺乳類の大動脈から総腸骨動脈への分岐点などの、動脈または静脈の分岐点を越えて延在する場合に使用するには、完全に満足のいくものではない。
【0006】
なお、以上に参照および/または記述した技術は、本願明細書で参照した特許文献、刊行物、または他の情報が本発明に対して「先行技術」であることを認めるものではない。
本願明細書のいずれかの箇所で言及した全ての米国特許および米国出願、ならびに他の全ての刊行物について、その全体を本願明細書に援用する。
【0007】
本発明の範囲を限定することなく、特許を請求する本発明の実施形態のいくつかについての概要を以下に述べる。本発明の実施形態の概要に対するさらなる詳細および/または本発明の追加の実施形態については、以下の実施するための最良の形態において説明する。
【0008】
要約書は、本発明の請求の範囲を解釈するために使用するためのものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ハイブリッド型分岐ステントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
少なくとも一実施形態では、本発明は第1ステント本体および第2ステント本体を有するステントアセンブリに関する。第1ステント本体は第1長手方向軸線を有する第1管腔を画定し、第2ステント本体は第2長手方向軸線を有する第2管腔を画定する。第2ステント本体の一端部は第1ステント本体の一部分にヒンジ式に係合され、第1管腔と第2管腔は互いに連通している。ステントアセンブリは、非展開状態および展開状態を有する。少なくとも一実施形態では、非展開状態において、第1長手方向軸線と第2長手方向軸線は互いにほぼ平行であり、第2管腔の全体が第1管腔内に配置される。少なくとも一実施形態では、展開状態において、第2長手方向軸線は第1長手方向軸線に対して斜角を形成する。本願において、「斜」とは1度から180度の間の角度を指し、明確に約90度の角度を含むものとする。
【0011】
少なくとも一実施形態では、第2ステント本体は、内側領域および外側領域によって画定することができ、外側領域は第1ステント本体の一部分とすることができ、内側領域は第1ステント本体の前記一部分と係合することができる。
【0012】
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体の形状はほぼ管状をなす。少なくとも一実施形態では、その管状体は楕円形の断面を有する。
少なくとも一実施形態では、非展開形状において、第2ステント本体がほぼ卵形の断面形状を有する。一部の実施形態では、非展開状態のステント本体はほぼ扁平の断面形状を有する。少なくとも一実施形態では、展開状態において、第2ステント本体はほぼ円形の断面形状を有する。他の可能な形状には六角形、三角形、四角形、菱形などが含まれる。
【0013】
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体は複数の相互連結される第1ステント部材からなる。少なくとも一実施形態では、隣接する第1ステント部材が、第1管腔と連通する複数の開口部を第1ステント本体に画定する。
【0014】
少なくとも一実施形態では、各開口部は面積を有する。少なくとも一実施形態では、開口部のうちの少なくとも1つは、他の開口部のそれぞれの面積より大きな面積を有する側枝開口部として特徴付けることができる。
【0015】
少なくとも一実施形態では、この側枝開口部は、第2ステント本体の端部に隣接し、該第2ステント本体の端部は、第1ステント本体の一部分にヒンジ式または他の形で柔軟に係合される。少なくとも一実施形態では、側枝開口部は第1管腔および第2管腔と連通する。
【0016】
少なくとも一実施形態では、第2ステント本体は、複数の相互連結される第2ステント部材からなり、隣接する第2ステント部材が、第2ステント本体に複数の開口部を画定する。少なくとも一実施形態では、これらの開口部は第2管腔と連通する。少なくとも一実施形態では、第1ステント部材は第1ステント構成を形成し、第2ステント部材は第2ステント構成を形成する。少なくとも一実施形態では、第1ステント構成は、視覚的に第2ステント構成とはっきりと区別できる。少なくとも一実施形態では、第1ステント構成と第2ステント構成は視覚的に、実質的に類似している。
【0017】
少なくとも一実施形態では、第1ステント構成および第2ステント構成は、異なる拡張特性を有する。
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分は、非展開状態から展開状態に実質的に自己拡張可能である。
【0018】
少なくとも一実施形態では、第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分は、径方向外側に作用する力を付与することによって、非展開状態から展開状態に実質的に拡張可能である。
【0019】
少なくとも一実施形態では、第2ステント本体は、内側領域および外側領域によって画定されており、非展開状態においては、内側領域および外側領域が第1ステント本体の一部であることができ、展開状態においては、第2ステント本体が実質的に円形の断面形状を有することができる。
【0020】
少なくとも一実施形態では、分岐ステント送達システムは、器具受容部分を有するカテーテルシャフトと、該器具受容部分のまわりに配置されるステントとを有する。少なくとも一実施形態では、ステントはステント本体および主長手方向軸線を有し、ステント本体の一部分はステント本体の取り付け部分にヒンジ式に取り付けられたフラップである。ステントは展開状態および非展開状態を有する。少なくとも一実施形態では、非展開状態において、フラップは長手方向軸線とほぼ平行な方向に延在する。少なくとも一実施形態では、展開状態において、フラップは管形状に拡張し、主長手方向軸線に対して斜めの方向に延在する副長手方向軸線を有する。
【0021】
少なくとも一実施形態では、フラップは交互に配置された第1ステント部材および第2ステント部材から構築され、非展開状態においては、第1ステント部材および第2ステント部材が主長手方向軸線からほぼ同じ距離にあり、展開状態においては、第1ステント部材および第2ステント部材は、副長手方向軸線を通る平面の両側にある。
【0022】
少なくとも一実施形態では、フラップはステント本体と一体をなす部分である。
少なくとも一実施形態では、フラップはステント本体の他の部分とは異なる材料で形成される。
【0023】
少なくとも一実施形態では、ステントシステムは、ステント器具、カテーテル、1つまたは複数の押圧および/または牽引器具を含む。ステント器具は拡張状態および非拡張状態を有し、互いに対して緩く連結された複数のワイヤを備える。ステント器具は自己拡張型である。ステント器具は、カテーテル内に配置されているときには非拡張状態にある。ステント器具は、カテーテルの外側で拘束されていないときは拡張状態にある。カテーテル内に配置されると、ワイヤはカテーテルの内側管腔の壁と直接接触する。押圧および/または牽引器具は、少なくとも1つのワイヤに着脱可能に連結することが可能である。押圧器具を遠位方向に動かすと、ステントはカテーテル端部から外に押し出されて拡張状態に移行する。牽引器具を近位方向に動かすと、ステントはカテーテル内に引き込まれて非展開状態に移行する。
【0024】
少なくとも一実施形態では、押圧器具と牽引器具は同じものである。
少なくとも一実施形態では、ワイヤは、各ワイヤの形状によって、リングによって、スエージ加工によって、スエージ加工されたコネクタによって、溶接によって、接着によって、スエージ加工以外の機械的連結方法(例えば嵌合、圧入など)によって、および/またはカフによって取り付けられる。
【0025】
少なくとも一実施形態では、ステント器具は、身体の管腔内にありながら何度も拡張状態から非拡張状態に移行することができる。
少なくとも一実施形態では、ワイヤはマンドレル、型、鋳型などの上で予め賦形される。少なくとも一実施形態では、ワイヤは身体管腔の治療部位の形状と合致するように賦形される。
【0026】
少なくとも一実施形態では、ステント器具は、拡張状態にあるときよりも非拡張状態にあるときの方が、実質的に長い。
少なくとも一実施形態では、ステント器具の長さは最大200mmである。
【0027】
少なくとも一実施形態では、ステントシステムはシースを備える。シースは、少なくとも部分的にカテーテル内に配置され、非展開状態においては、該シース内にステント器具が配置される。
【0028】
少なくとも一実施形態では、シースを近位方向に引き戻してステント器具を身体管腔の中へ解放し、拡張させることができる。
本発明を特徴付けるこれらおよび他の実施形態は、本願明細書に添付し、本願明細書の一部をなす特許請求の範囲で詳しく説明する。しかしながら、本発明と、本発明を使用することによって得られる利点および目的とをさらに理解するために、本願明細書のさらなる一部を形成している図面と、これに付随する記述を参照されたい。それらにおいて本発明の実施形態を図示し、述べてある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
本発明は多数の異なった形態で実施することができるが、本願明細書では本発明の特定の好ましい実施形態について詳細に説明する。この説明は本発明の原理を例証するものであり、本発明を示される特定の実施形態に限定することを意図したものではない。
【0030】
本開示において、各図面における同様の参照番号は、特に明示しない限り同様の特徴を指す。
図1には、長手方向軸線16を有するステント10の一実施形態が平面図で示されている。ステント10は2つのヒンジ点12を有する。ヒンジ点12によって、ステント10の一部分、すなわちフラップ14がステント10の残りの部分から枢動することができる。非展開状態においては、フラップ14は、ステント10の他の部分とほぼ同じ径方向距離にて、長手方向軸線のまわりに配置される。図2に示すような一部の実施形態では、フラップ14は、非展開状態において独立した副管腔を有する第2ステント本体であってもよい。第2ステント本体14は、ステント10の主管腔内に存在する。この実施形態では、主管腔および副管腔は別個の平行な長手方向軸線16a、16bを有する。
【0031】
一部の実施形態では、図3に示すように、副ガイドワイヤ18が、フラップ14のストラット20間を交互に反対方向にくぐるように織り込まれている。いくつかの例では、ガイドワイヤ18はフラップ14の隣接するストラット20間に織り込まれ、他の例では、ガイドワイヤは、2つ以上のストラットごとに交互に反対方向にくぐっている。副ガイドワイヤ18は複数の目的に役立つことができる。ガイドワイヤ18は、拡張バルーンを交互に配置されたストラットまたは交互に配置されたストラットグループ20の間を進ませながら案内して、拡張バルーンの拡張によってフラップ14を拡張および/または展開できるようにする。
【0032】
さらに、ガイドワイヤ18を、主ステント本体の一部分と同様にフラップ14にも織り込むことができるが、これにより、フラップ14が展開前に外方に枢動し、または開いてしまうことを防止することができる。次いで副ガイドワイヤ18を部分的に引き戻して、ガイドワイヤ18が主ステント本体およびフラップ14の中に織り込まれていない状態にして、フラップ14がヒンジ点12を中心に枢動し、展開されるようにすることができる。
【0033】
図4には、フラップ14を有する別のステント10を示す。ステント10は、コイルステント、分節ステント、ブロックステントなどを含む多様なステントのうち、任意のものとすることができる。図示されるように、フラップ14はヒンジ点12を中心に枢動する。一部の実施形態では、送達中にフラップを定位置に保持する助けとするように、脆弱部材23を使用することができる。脆弱部材を有する実施形態では、脆弱部材23は、特定時間内に溶解するように、またはステント10内で径方向外向きの力が及ぼされることによって破壊されるように設計することができる。脆弱部材は、フラップ14のヒンジ式に連結された側とは反対の側に配設することができる。脆弱部材は、フラップ14の両側に沿って配設することもできる。脆弱部材は、ステントの他の部分とは異なる材料で作製された、かつ/またはステントの他の部分よりも小さく/細く作製されたストラットとすることができる。異なる材料または寸法の差異は、ステント10の拡張時に破壊される脆弱な部分を生じさせる。
【0034】
ステント10の一実施形態の上面斜視図を図5に示す。この実施形態では、フラップ14は、フレーム22によって互いに連結された、互いにほぼ平行なストラット部材20を有する。フラップ14は、主たるステント部分とは別の、はっきりと区別できる形態であることが可能である。これによって、フラップが主たるステント本体とは異なる拡張特徴を有することが可能となる。ステント10を単一の管片から形成して、展開前にフラップが主たるステント本体の壁に組み込まれるようにしてもよい。
【0035】
図6および6Aに示すように、拡張状態または展開状態において、フラップ14のストラット20は、隣接するストラット同士がフレーム22内で反対方向に屈曲するように拡張することが可能である。一部の実施形態では、フラップ14は、拡張状態または展開状態において卵形をなしていてもよい。他の可能な形状には、六角形、三角形、四角形、菱形などが含まれる。一部の実施形態では、隣接するストラットのグループ同士が、拡張時に反対方向に屈曲する。この拡張は、自己拡張であってもよく、図7に示すように拡張バルーンを使用する拡張であってもよい。
【0036】
図7では、フラップは、副ガイドワイヤ18のまわりを進行させられる膨張バルーン24の拡張によって拡張される。ガイドワイヤ18を、隣接するストラット20間に織り込んで、進行させられたバルーン24の拡張が隣接するストラットを押して反対方向に屈曲させるようにし、図6Aで示す管腔と同様の第2管腔26を作り出すことができる。
【0037】
主管腔と副管腔の両方を同じバルーンで膨張させることができる。一部の実施形態では、2つの異なるバルーンを使用することもできる。一部の実施形態では、より小型の、より用途が限定されたバルーン(例えば直径が1.0よりも小さい)を、フラップ14の副管腔を拡張するために使用し、かつ/または、別の膨張バルーンを挿入できるように副管腔を最初に開くために使用する。マウフ(Mauch)の米国特許第6780174号明細書で開示されているものを含め、マルチバルーンカテーテルがこの技術分野で知られている。同米国特許明細書を、参照により本願明細書に援用する。
【0038】
図8および9に示されるような一部の実施形態では、フラップ14は主ステント本体部分10’と一体ではない。一部の実施形態では、フラップ14は、ヒンジ点12において、主ステント本体10’の外側に取り付けられる。この実施形態では、主ステント本体の副管腔内へ位置を変える部分がより少ないため、主管腔内の骨格を最大限にしている。
【0039】
少なくとも一実施形態では、膨張バルーン24が主ステント本体10’の壁を通過し、フラップ14のストラット20の間を進むことができるように、1つのストラットが主ステント本体10’から取り外されている。一部の実施形態では、フラップ14および主ステント本体10’を、様々な性能基準を達成できるように、様々な材料で形成することができる。このフラップはNiTi合金で形成することもでき、シースを引き戻すと自己拡張できる。
【0040】
一部の実施形態では、構造支持体が主ステント本体10’から副管腔に位置を変えないため、一体的なフラップ14ではなく、取り付けフラップ14を用いてフラップをより長くできる。
【0041】
図10に示されるように、具体化された様々なステント10は、ステント受容領域30を備えたカテーテルシャフト28を有するステント送達システム26の一部とすることができる。ステント10をバルーン24のまわりに配置することができる。図面では単一のバルーンしか示されていないが、複数のバルーンを使用してもよい。1つのバルーンを使用してステント10の主本体部分を拡張させ、別のバルーンを使用して副管腔に進入させて、フラップを拡張させてもよい。
【0042】
一部の実施形態では、ステント器具は一連のワイヤ40から形成され、それらは接合される場合もされない場合もある。これらのワイヤは幾何学的パターンをなすように賦形されて、自己拡張型ステントを形成する。ステント器具を構成するこれらのワイヤはマンドレル、型、鋳型などの上で、送達システムの外側において予め賦形することができる。ワイヤ40は、個別または単独に型または固定具のまわりで賦形することができる。ワイヤ40を、非塑性変形状態であるように圧力をかけ、または賦形し、所望の径方向強度、外形、直径、骨格などをもたらすことができる。複数のワイヤ40は、互いに分離しないように一緒に配列することができる。次いでこれらのワイヤを外形の小さな送達システム45またはカテーテルの中へと引き込むことができる。次にカテーテル45を身体内に挿入して病変域まで到達させることができ、そこでステント器具10を、送達システム45から押し出すことによって、または図12で示すようにシース50を引き戻すことによって展開し、ステント器具10を所定の位置に留置することができる。
【0043】
図11および12のステント器具10は、いくつかの利点を有する。一つの利点は、最初に送達を行った際に必要な標的域に到達しなかった場合、ステント器具10を、ステント器具10のワイヤ40をカテーテル45の中に引き込むことによって回収することができるということである。
【0044】
少なくとも一実施形態では、ステント器具10を極めて長く(最長200mm)することができる。即ち、器具10が溶接部を有さないように形成することができるため、極めて長いステントの溶接部または他の連結点における疲労の問題に対処できる。一実施形態では、ステント器具10は、溶接部を有さず、複数のワイヤ40の配置方向を変えることによって構築される。一部の実施形態では、完全なまたは部分的な輪が、ワイヤ40同士が互いから離れないように保ちしながら、同時にワイヤ40の個々の動きを維持する。したがって、器具の接合域に発生する応力がより小さい。一部の実施形態では、ワイヤをリング、スエージ加工されたコネクタ、またはカフを用いて賦形または接合することも可能である。
【0045】
一部の実施形態では、図13に示すように、フラップ14は、図11および12のワイヤと同様の1つまたは複数のワイヤ40から形成される。これらワイヤは接合される場合もされない場合もある。一部の実施形態では、ワイヤは、リング、スエージ加工されたコネクタ、またはカフを用いて溶接または結合される。一部の実施形態では、フラップ14はステント本体部分10’と一体ではない。フラップ14は、ステント本体部分10’に、治療部位領域においてであっても、本体の外側または本体内に取り付けることができる。
【0046】
一部の実施形態では、フラップ14は主ステント本体10’と一体であってもよい。フラップ14は主ステント本体10’の外側に、場合によっては図9のフラップ14のようにヒンジ点で取り付けることができる。フラップは主ステント本体10’の材料と同じ材料で形成することも、異なる材料で形成することができる。
【0047】
ステント本体10’と一体であるなしに関わらず、送達前には、フラップ14のワイヤ40をカテーテル内に保持しておくことができる。一部の実施形態では、ワイヤ40はシース50内に保持され、図13で示すようにシースが後退すると送達される。図13のシース50およびステント器具を、カテーテル内または他の送達アセンブリ内に配置してもよい。
【0048】
図14では、カテーテル45またはシース50内にフラップ14の1つまたは複数のワイヤ40が収容される。図示されるように、フラップ14の1つまたは複数のワイヤ40を遠位方向に押して、送達することができる。一実施形態では、任意で押ロッド55を設けて、該押ロッド55を、送達のためにワイヤ40を前方に押す助けとすることができる。押ロッド55は、ワイヤが連結部60において主ステント本体10’に取り付けられている場合に、ワイヤ40を遠位方向に押す際に特に有用であり得る。
【0049】
少なくとも一実施形態では、シース50は任意で設け得る特徴であり、カテーテルの端部を越えて遠位方向に延在することができる。少なくとも一実施形態では、フラップ14は、1つまたは複数のワイヤあるいは上述の押ロッド55を使用して少なくとも1つのワイヤ40を押すことにより、かつシース50を引き戻すことにより、送達することができる。
【0050】
少なくとも一実施形態では、膨張バルーン24が主ステント本体10’の壁を通過し、フラップ14のストラット20間を進むことができるように、主ステント本体10’から1つのストラットが取り除かれる。一部の実施形態では、フラップ14および主ステント本体10’を、様々な性能基準を達成できるように、異なる材料で形成することができる。フラップは、NiTi合金で形成することもでき、シースが引き戻されると自己拡張できる。
【0051】
一部の実施形態では、構造支持体が主ステント本体10’から副管腔に位置を変えないため、一体的なフラップ14ではなく、取り付けフラップ14を用いてフラップをより長くできる。
【0052】
一部の実施形態では、ステント器具10のワイヤは、フィラメント管またはフィラメントロッドを含むことができる。ワイヤ、フィラメント管、および/またはフィラメントロッドは、ニチノールまたは他の形状記憶金属、チタン、ステンレス鋼、エルジロイ(Elgiloy)、NP35N、ハステロイ(Hastelloy)または他の合金で形成してもよい。架橋ポリウレタン、ポリノルボルネン、ポリジメタクリル酸や、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオールなどの生物分解可能な形状記憶ポリマーを用いてもよい。
【0053】
一部の実施形態では、ワイヤに予応力を与えて塑性状態にし、これを身体の内で賦形することができる。このため、システムを病変部(legion)または患部の内側に形成できる。
【0054】
一部の実施形態では、ステント、送達システム、またはアセンブリの他の部分が、X線、MRI、超音波などの画像診断法によって検出可能な1つまたは複数の領域、帯、被覆、部材などを含むことができる。一部の実施形態では、ステントおよび/または隣接アセンブリの少なくとも一部分が少なくとも部分的に放射線不透過性である。
【0055】
一部の実施形態では、ステントの少なくとも一部分が、治療薬を送達するための1つまたは複数の機構を含むように構成される。多くの場合、治療薬は、ステントの表面領域に配置された材料の被覆または他の1つまたは複数の層の形態をとり、治療薬は、ステントが植込まれた部位またはそれに隣接する領域で放出されるように構成される。
【0056】
治療薬は、薬物、または非遺伝物質、遺伝物質、細胞物質などの他の製剤であってよい。好適な非遺伝物質治療薬の一部の例には、ヘパリン、ヘパリン誘導体などの抗血栓剤、血管細胞成長促進剤、成長因子阻害剤、パクリタクセルが含まれるが、これらに限定されるものではない。治療薬が遺伝物質治療薬を含む場合、そのような遺伝物質には、DNA、RNA、それらのそれぞれの誘導体および/または成分、ならびにヘッジホッグ蛋白質などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。治療薬に細胞物質が含まれる場合、細胞物質には、ヒト由来の細胞および/または非ヒト由来の細胞、ならびにそれらのそれぞれの成分および/または派生物が含まれるが、これらに限定されるものではない。治療薬にポリマー剤が含まれる場合、ポリマー剤には、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)、ポリエチレンオキシド、シリコーンゴムおよび/または他の任意の好適な基材を含むが、これらに限定されるものではない。
【0057】
上記開示は例示することを目的としており、包括的なものではない。本説明は、当業者に多くの変更形態および代替形態を示唆するであろう。個々の図面に示され、上述される様々な要素を、必要に応じて組み合わせ、または組み合わせるために改変することができる。これらの全ての代替形態および変更形態は、特許請求の範囲内に含まれるものである。請求項において用いられる「備える」という用語は「含むがそれに限定されない」ことを意味している。
【0058】
さらに、従属請求項に提示する特定の特徴を、本発明の範囲内で他の形で互いに組み合わせることができることから、本発明を、従属請求項の特徴の他の任意の可能な組み合わせを有する他の実施形態をも明確に対象とするものとして認識されるべきである。例えば、請求項の公開にあたり、後続の従属請求項は、多数項従属形式が管轄内で認められている場合、このような従属請求項で参照した全ての既述部を有する全ての先行請求項からの多数項従属形式で択一的に記載されているものと見なされるべきである(例えば請求項1に直接従属する請求項はそれぞれ、先行する全ての請求項に択一的に従属するものと見なされるべきである)。多数項従属請求項の形式が禁止される管轄内では、後続の従属請求項はそれぞれ、それぞれの単一従属請求項形式で択一的に記載されているものと見なされるべきであり、この形式は、このような下位の従属請求項で掲げる特定の請求項以外の、既述部を有する1つの先行請求項への従属関係を生じさせるものである。
【0059】
以上で本発明の好ましい実施形態および代替的実施形態についての説明を終了する。当業者であれば、本願明細書で説明した特定の実施形態に対する他の均等物を認識し得るであろうが、それらの均等物は、本願明細書に添付する特許請求の範囲に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】ステントの一実施形態の側面図。
【図2】本発明のステントの横断面図。
【図3】本発明のフラップの縦断面図。
【図4】ステントの一実施形態の側面図。
【図5】ステントの一実施形態の上面斜視図。
【図6】フラップの一実施形態の上面斜視図。
【図6A】フラップ管腔の横断面図。
【図7】フラップ管腔内に配置された膨張バルーンを備えたステントの側面図。
【図8】ステントの一実施形態の上面図。
【図9】フラップ管腔内に配置された膨張バルーンを備えたステントの側面図。
【図10】ステント送達装置の縦断面図。
【図11】ステント送達装置の縦断面図。
【図12】ステント送達装置の縦断面図。
【図13】ステント送達装置の縦断面図。
【図14】ステント送達装置の縦断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非展開状態と展開状態とを有するステントアセンブリであって、
第1長手方向軸線を有する第1管腔を画定する第1ステント本体と、
第2長手方向軸線を有する第2管腔を画定する第2ステント本体と
を備え、前記第2ステント本体の一端部が前記第1ステント本体の一部分にヒンジ式に係合され、第1管腔と第2管腔が互いに連通し、非展開状態においては、第1長手方向軸線と第2長手方向軸線が互いにほぼ平行であり、第2管腔の全体が第1管腔内に配置され、展開状態においては、第2長手方向軸線が第1長手方向軸線に対して斜角を形成する、ステントアセンブリ。
【請求項2】
前記第2ステント本体が内側領域および外側領域によって画定され、外側領域が前記第1ステント本体の一部分であり、内側領域が前記第1ステント本体の前記一部分と係合する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1ステント本体の形状がほぼ管状をなす、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記非展開形状においては、前記第2ステント本体がほぼ卵形の断面形状を有し、前記展開状態においては、前記第2ステント本体がほぼ円形の断面形状を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第1ステント本体が複数の相互連結された第1ステント部材からなり、隣接する第1ステント部材が、前記第1管腔と連通する複数の開口部を前記第1ステント本体に画定する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記開口部のそれぞれが面積を有し、前記開口部のうちの少なくとも1つが、他の開口部それぞれの面積よりも大きな面積を有する側枝開口部として特徴付けられる、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記側枝開口部が、前記第1ステント本体の前記一部分にヒンジ式に係合された前記第2ステント本体の前記一端部に隣接する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記側枝開口部が前記第1管腔および第2管腔に連通する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第2ステント本体が複数の相互連結された第2ステント部材からなり、隣接する第2ステント部材が、前記第2管腔と連通する複数の開口部を前記本体に画定し、前記第1ステント部材が第1ステント構成を形成し、前記第2ステント部材が第2ステント構成を形成する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第1ステント構成が前記第2ステント構成から視覚的にはっきりと区別できる、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1ステント構成と前記第2ステント構成は視覚的に、実質的に類似している、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1ステント構成と前記第2ステント構成は異なる拡張特性を有する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分が、前記非展開状態から前記展開状態に実質的に自己拡張可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分が、径方向外側に作用する力を付与することによって前記非展開状態から前記展開状態に実質的に拡張可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記第2ステント本体が内側領域および外側領域によって画定され、前記非展開状態においては、内側領域および外側領域が前記第1ステント本体の一部分であり、前記展開状態においては、前記第2ステント本体がほぼ円形の断面形状を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
非展開状態と展開状態とを有するステントアセンブリであって、
主枝部および副枝部を備え、かつ副枝部が主枝部にヒンジ域で柔軟に係合されたステントを備え、
前記主枝部が、第1端部および第2端部を有するほぼ管状をなす主本体を備え、該主本体は、主長手方向軸線を有するとともに、主管腔を画定し、前記ヒンジ域は、前記第1端部および第2端部間において前記主本体上の位置に配置され、
前記副枝部が副本体を備え、該副本体が外側領域および内側領域によって画定され、該外側領域および内側領域が、内部を副長手方向軸線が延びる副管腔を画定し、前記副管腔と主管腔が互いに連通し、前記外側領域は、前記ヒンジ域から延びる前記主本体の一部分からなり、前記非展開状態においては、副長手方向軸線が主長手方向軸線とほぼ平行であり、かつ副管腔の全体が主管腔内に配置され、前記展開状態においては、副長手方向軸線が主長手方向軸線に対して斜角を形成する、ステントアセンブリ。
【請求項17】
器具受容部分を有するカテーテルシャフトと、
前記器具受容部分のまわりに配置されるステントと
を備え、前記ステントがステント本体と主長手方向軸線を有し、該ステント本体の一部分がフラップであり、該フラップが前記ステント本体の取り付け部分にヒンジ式に取り付けられ、前記ステントが展開状態および非展開状態を有し、非展開状態においては、前記フラップが前記長手方向軸線とほぼ平行な方向に延び、展開状態においては、前記フラップが、副長手方向軸線を有する管形状に拡張し、前記長手方向軸線に対して斜めの方向に延びる、分岐ステント送達システム。
【請求項18】
前記フラップが、交互に配置される第1ステント部材および第2ステント部材で構築され、前記非展開状態においては、前記第1ステント部材および第2ステント部材が、前記主長手方向軸線からほぼ同じ径方向距離にあり、前記展開状態においては、前記第1ステント部材および第2ステント部材が、前記副長手方向軸線を通る平面の両側にある、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記フラップが前記ステント本体と一体をなす部分である、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記フラップが前記ステント本体の他の部分とは異なる材料で形成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項1】
非展開状態と展開状態とを有するステントアセンブリであって、
第1長手方向軸線を有する第1管腔を画定する第1ステント本体と、
第2長手方向軸線を有する第2管腔を画定する第2ステント本体と
を備え、前記第2ステント本体の一端部が前記第1ステント本体の一部分にヒンジ式に係合され、第1管腔と第2管腔が互いに連通し、非展開状態においては、第1長手方向軸線と第2長手方向軸線が互いにほぼ平行であり、第2管腔の全体が第1管腔内に配置され、展開状態においては、第2長手方向軸線が第1長手方向軸線に対して斜角を形成する、ステントアセンブリ。
【請求項2】
前記第2ステント本体が内側領域および外側領域によって画定され、外側領域が前記第1ステント本体の一部分であり、内側領域が前記第1ステント本体の前記一部分と係合する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1ステント本体の形状がほぼ管状をなす、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記非展開形状においては、前記第2ステント本体がほぼ卵形の断面形状を有し、前記展開状態においては、前記第2ステント本体がほぼ円形の断面形状を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第1ステント本体が複数の相互連結された第1ステント部材からなり、隣接する第1ステント部材が、前記第1管腔と連通する複数の開口部を前記第1ステント本体に画定する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記開口部のそれぞれが面積を有し、前記開口部のうちの少なくとも1つが、他の開口部それぞれの面積よりも大きな面積を有する側枝開口部として特徴付けられる、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記側枝開口部が、前記第1ステント本体の前記一部分にヒンジ式に係合された前記第2ステント本体の前記一端部に隣接する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記側枝開口部が前記第1管腔および第2管腔に連通する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第2ステント本体が複数の相互連結された第2ステント部材からなり、隣接する第2ステント部材が、前記第2管腔と連通する複数の開口部を前記本体に画定し、前記第1ステント部材が第1ステント構成を形成し、前記第2ステント部材が第2ステント構成を形成する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第1ステント構成が前記第2ステント構成から視覚的にはっきりと区別できる、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1ステント構成と前記第2ステント構成は視覚的に、実質的に類似している、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1ステント構成と前記第2ステント構成は異なる拡張特性を有する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分が、前記非展開状態から前記展開状態に実質的に自己拡張可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1ステント本体および第2ステント本体のうち少なくとも一方の少なくとも一部分が、径方向外側に作用する力を付与することによって前記非展開状態から前記展開状態に実質的に拡張可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記第2ステント本体が内側領域および外側領域によって画定され、前記非展開状態においては、内側領域および外側領域が前記第1ステント本体の一部分であり、前記展開状態においては、前記第2ステント本体がほぼ円形の断面形状を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
非展開状態と展開状態とを有するステントアセンブリであって、
主枝部および副枝部を備え、かつ副枝部が主枝部にヒンジ域で柔軟に係合されたステントを備え、
前記主枝部が、第1端部および第2端部を有するほぼ管状をなす主本体を備え、該主本体は、主長手方向軸線を有するとともに、主管腔を画定し、前記ヒンジ域は、前記第1端部および第2端部間において前記主本体上の位置に配置され、
前記副枝部が副本体を備え、該副本体が外側領域および内側領域によって画定され、該外側領域および内側領域が、内部を副長手方向軸線が延びる副管腔を画定し、前記副管腔と主管腔が互いに連通し、前記外側領域は、前記ヒンジ域から延びる前記主本体の一部分からなり、前記非展開状態においては、副長手方向軸線が主長手方向軸線とほぼ平行であり、かつ副管腔の全体が主管腔内に配置され、前記展開状態においては、副長手方向軸線が主長手方向軸線に対して斜角を形成する、ステントアセンブリ。
【請求項17】
器具受容部分を有するカテーテルシャフトと、
前記器具受容部分のまわりに配置されるステントと
を備え、前記ステントがステント本体と主長手方向軸線を有し、該ステント本体の一部分がフラップであり、該フラップが前記ステント本体の取り付け部分にヒンジ式に取り付けられ、前記ステントが展開状態および非展開状態を有し、非展開状態においては、前記フラップが前記長手方向軸線とほぼ平行な方向に延び、展開状態においては、前記フラップが、副長手方向軸線を有する管形状に拡張し、前記長手方向軸線に対して斜めの方向に延びる、分岐ステント送達システム。
【請求項18】
前記フラップが、交互に配置される第1ステント部材および第2ステント部材で構築され、前記非展開状態においては、前記第1ステント部材および第2ステント部材が、前記主長手方向軸線からほぼ同じ径方向距離にあり、前記展開状態においては、前記第1ステント部材および第2ステント部材が、前記副長手方向軸線を通る平面の両側にある、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記フラップが前記ステント本体と一体をなす部分である、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記フラップが前記ステント本体の他の部分とは異なる材料で形成される、請求項17に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−509629(P2009−509629A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533321(P2008−533321)
【出願日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/016794
【国際公開番号】WO2007/040630
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/016794
【国際公開番号】WO2007/040630
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
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