説明

ハイブリッド車両用コネクタ

【課題】本発明はハイブリッド車両用コネクタに関する。
【解決手段】3相交流用の2つの補助機器を主機器に接続するために、6つの独立したバスバーを備えるハイブリッド車両用コネクタであって、バスバーを1つずつのU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーからなる第1単位端子部と第2単位端子部に分け、第1単位端子部のU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端を一側に反曲するように形成し、第2単位端子部のU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端を他側に反曲するように形成することを特徴とする。本発明は、従来技術とは異なり、1つずつのU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーからなる単位バスバーのそれぞれの一側を互いに反対となる方向に傾くように配置して単位バスバー間の距離を最大限に裕隔させ、単位バスバーに外部機器が連結するときの干渉を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハイブリッド車両用コネクタに係り、より詳しくは、1つずつのU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーからなる単位バスバーのそれぞれの一側を互いに反対となる方向に傾くように配置することによって単位バスバーの間隔を最大にし、単位バスバーに外部機器が連結するときの干渉を防ぐことができるハイブリッド車両用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、内燃機関のエンジンと電動機の2つの原動機を同時に装着したり、車体の重さを画期的に減らして空気の抵抗を最小にするなど、既存の一般車両に比べて燃費および有害ガスの排出量を画期的に減らしたハイブリッド自動車(hybrid electric vehicle)が開発されている。
このようなハイブリッド自動車の場合には、一般車両に比べて高電圧/高電流を要するため、外部から電源の供給を受け、効率的に車両内部に電源を分配するための電気装置が必要となる。
【0003】
その内部に設置されるコネクタは、電気自動車用の3相交流モータを接続するインバータに設置するように設計される。特に、コネクタは、3極(U極、V極、およびW極)の回路に対応する3つのバスバー端子、各バスバー端子をボルトで接続する端子のある電線、各端子を収容する絶縁樹脂体のハウジング、およびこのハウジングの外側を覆う導電金属製のシールドシェルを備える。
既存のハイブリッド車のコネクタは、多数のバスバーを所定の間隔を置いて配列されているが、各バスバーに外部機器を連結する場合、隣接するバスバーが干渉することで組立性が著しく低下する問題点があり、これの改善策が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−272254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を改善するためになされたものであって、U極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーなどの単位バスバーの同じ一側を互いに反対方向に傾くように配置することによって単位バスバーの間隔を最大にし、単位バスバーに外部機器が連結されるときの干渉を防ぐとともに、ショート(short)の発生が防止できるハイブリッド車両用コネクタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ハイブリッド車両用コネクタであって、複数の多相交流用の補助機器を主機器に接続するために、前記多相に対応するバスバーを前記補助機器別に備え、前記補助機器別に備えられたバスバーそれぞれは、前記補助機器別に互いに間隔を置いて設置され、前記バスバーそれぞれの一端が前記補助機器別に互いに間隔を保ち折り曲げて形成されることを特徴とする。
【0007】
前記複数の多相交流用の補助機器は2つの3相交流用の補助機器であり、前記バスバーは前記2つの補助機器に対応し、1つずつのU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーからなる第1単位端子部と第2単位端子部に分けられ、前記第1単位端子部のU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーは、それぞれの一端が一側に反曲するように形成され、前記第2単位端子部のU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーは、それぞれの一端が他側に反曲するように形成されることを特徴とする。
【0008】
前記第1単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端と、前記第2単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端が線対称をなすように反対方向に傾くように延長されることを特徴とする。
【0009】
前記第1単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端は、互いに並ぶように配列されることを特徴とする。
【0010】
前記第2単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーの同じ一端は、互いに並ぶように配列されることを特徴とする。
【0011】
前記第1単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端は、軸方向に対して1側または他側に折り曲げられ、前記第2単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端は、軸方向に対して1側または他側に折り曲げられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るハイブリッド車両用コネクタは、従来技術とは異なり、1つずつのU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーからなる単位バスバーの同じ一側を互いに反対となる方向に傾くように配置することによって単位バスバー間の距離を最大に保ち、単位バスバーに外部機器が連結される際の干渉を防ぐことができる。
また、単位バスバーを構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーそれぞれの同じ一側を並ぶように配置することにより、ショート(short)の発生が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態によるハイブリッド車両用コネクタの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるハイブリッド車両用コネクタの分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるバスバーの配列状態を示す拡大斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるバスバーの配列状態を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるハイブリッド車両用コネクタのバスバーとホルダの結合状態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明に係るハイブリッド車両用コネクタについて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるハイブリッド車両用コネクタの斜視図であり、図2は、ハイブリッド車両用コネクタの分解斜視図である。
図3は、バスバーの配列状態を示す拡大斜視図であり、図4は、バスバーの配列状態を示す平面図である。
図5は、ハイブリッド車両用コネクタのバスバーとホルダの結合状態を示す状態図である。
【0015】
図1および図2に示す通り、本発明のハイブリッド車両用コネクタは、3相交流用の2つの補助機器10を主機器20に接続するために、6つの独立したバスバー30を含む。このとき、補助機器10は多相交流用であって、複数備えることができるが、3相交流用として2つ備えられる場合を示す。
バスバー30は、U極バスバー42、52、V極バスバー44、54、およびW極バスバー46、56からなる単位端子部40、50に分けられる。すなわち、単位端子部40、50は、それぞれU極バスバー42、52、V極バスバー44、54、およびW極バスバー46、56を備える。
【0016】
補助機器10が2つの場合は、図1に示すように、単位端子部40、50は、第1単位端子部40と第2単位端子部50に分けられる。もちろん、単位端子部40、50の数がこれに限定されるものではない。
補助機器10は2つのモータ、すなわち、オルタネータとスタートモータとし、主機器20はインバータとして準備することができる。
第1単位端子部40は、2つのうちのいずれか1つの補助機器10と接続するU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46からなる。同様に、第2単位端子部50は、他の1つの補助機器10と接続するU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56からなる。
【0017】
U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56は、それぞれの一側を対応する補助機器10に接続され、それぞれの他側は主機器20に接続される。
U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56は、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56が配置される主機器20のケース内部において、主機器20と一対の補助機器10の間隔を最大限減らすように配置されるのが好ましい。
【0018】
これにより、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56は、主機器20内部において平面上で重ならないよう互いに間隔を置いて配置され、外部衝撃が伝達されても、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56のうちの一部が互いに面接触するのを防ぐようにしている。
【0019】
第1単位端子部40は、一側から他側方向にU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46の順に配置され、同様に、第2単位端子部50は、一側から他側方向にU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56の順に配置される。
このとき、第1単位端子部40と第2単位端子部50、及びW1極バスバー46とU2極バスバー52が隣接するように配置される。
【0020】
すなわち、同じ極を帯びているU1極バスバー42とU2極バスバー52、V1極バスバー44とV2極バスバー54、W1極バスバー46とW2極バスバー56は、互いに隣接しないように間隔を置いて配置される。これにより、第1単位端子部40と第2単位端子部50の同じ極を帯びているU1極バスバー42とU2極バスバー52、V1極バスバー44とV2極バスバー54、W1極バスバー46とW2極バスバー56が互いに接触しないようにより、ショート(short)の発生を防ぐことができる。
【0021】
第1単位端子部40のU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46、及び、第2単位端子部50のU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56についても、相互の間隔を可能な範囲で大きくすることが好ましい。
具体的には、図3に示すように、U1極バスバー42とU2極バスバー52はそれぞれ、U主端子部62、U補助端子部64、およびU連結端子部66を含む。
【0022】
U主端子部62はU1極バスバー42とU2極バスバー52それぞれの他側であって、主機器20に接続する役割をする。U補助端子部64はU1極バスバー42とU2極バスバー52それぞれの一側であって、補助機器10に接続する役割をする。この際、U主端子部62とU補助端子部64は、対応する主機器20や補助機器10に接続するために直線形状に形成されることが好ましい。
また、U主端子部62とU補助端子部64は、接続される主機器20や補助機器10の配置に応じ、U連結端子部66から折り曲げて延長されたり、U連結端子部66から一直線に延長されることができる。
【0023】
同時に、U連結端子部66は、U主端子部62とU補助端子部64を連結する役割をする。もちろん、U主端子部62、U設定端子部65およびU延長端子部67を含むU連結端子部66、およびU補助端子部64は通電性を有し、一体形成されることが好ましい。
U1極バスバー42とU2極バスバー52のU設定端子部65は、U主端子部62と隣接するV1極バスバー44やV2極バスバー54との間隔を保つために、各U主端子部62からV1極バスバー44やV2極バスバー54のV主端子部72方向に伸びる直線直線部を有する。
また、V1極バスバー44やV2極バスバー54のV連結端子部76と設定距離だけ間隔を置いて配置されることにより、それぞれのU主端子部62は、隣接したV1極バスバー44やV2極バスバー54のV主端子部72と十分な間隔を有する。
U設定端子部65は多様な形状に変形可能であるが、直線形状に形成されることが好ましい。
【0024】
U延長端子部67は、U設定端子部65の端部から直線状に伸び、その後U延長端子部67に対して所定の角度をもって折り曲げられるU補助端子部64に連結される
V1極バスバー44とV2極バスバー54は、各々V主端子部72、V補助端子部74、およびV連結端子部76を含む。
【0025】
V1極バスバー44とV2極バスバー54のV主端子部72は、V1極バスバー44とV2極バスバー54の他側であって、主機器20に接続され、V1極バスバー44とV2極バスバー54のV補助端子部74はV1極バスバー44とV2極バスバー54の一側であって、補助機器10に接続される。
V主端子部72とV補助端子部74は、主機器20や補助機器10に接続されるために直線形状に形成することが好ましいが、V主端子部72とV補助端子部74は、接続される主機器20や補助機器10の配置に応じ、V連結端子部76の延長上で折り曲げたり、V連結端子部76から一直線に延長してもよい。
V連結端子部76は、V主端子部72とV補助端子部74を連結するものであり、直線状に形成されるのが好ましい。
V主端子部72、V連結端子部76、およびV補助端子部74は通電性を有するものであり一体に形成されることが好ましい。
【0026】
一方、W1極バスバー46とW2極バスバー56は、各々W主端子部82、W補助端子部84、およびW連結端子部86を含む。
W1極バスバー46とW2極バスバー56各々のW主端子部82は、W1極バスバー46とW2極バスバー56の他側であって、主機器20に接続され、W1極バスバー46とW2極バスバー56各々のW補助端子部84はW1極バスバー46とW2極バスバー56の一側であって、補助機器10に接続される。
W主端子部82とW補助端子部84は、対応する主機器20や補助機器10に接続されるために直線形状に形成されることが好ましく、また、W主端子部82とW補助端子部84は、接続される主機器20や補助機器10の配置に応じ、W連結端子部86の延長上で折り曲げたり、W連結端子部86から一直線に延長してもよい。
【0027】
W連結端子部86は、W主端子部82とW補助端子部84を連結し、W主端子部82、W連結端子部86、およびW補助端子部84は通電性を有するものであるため一体に形成されることが好ましい。
各々のW連結端子部86は、図3に示すように、W設定端子部85およびW延長端子部87を含む。
W1極バスバー46とW2極バスバー56各々のW設定端子部85は、W主端子部82と隣接するV1極バスバー44やV2極バスバー54のV主端子部72と平面上で設定距離だけ間隔を置くために、W1極バスバー46とW2極バスバー56各々のW主端子部82からV1極バスバー44やV2極バスバー54のV主端子部72方向に直線に延長される。
【0028】
W1極バスバー46とW2極バスバー56各々のW設定端子部85がV1極バスバー44やV2極バスバー54のV連結端子部76と設定距離だけ間隔を置いて配置されることにより、W1極バスバー46とW2極バスバー56各々のW主端子部82は、隣接したV1極バスバー44やV2極バスバー54のV主端子部72と十分な間隔を有する。
W設定端子部85は多様な形状に変形可能であるが、直線形状に形成されることが好ましい。
W延長端子部87は、直線に形成されることが好ましく、1端がW設定端子部85と連結され、他端はW延長端子部87と所定の角度をなすW補助端子部84方向と連結される。
したがって、W連結端子部86は、折り曲げられるように形成される。
【0029】
図3に示すように、第1単位端子部40のU連結端子部66とW連結端子部86は対称に形成され、第2単位端子部50のU連結端子部66とW連結端子部86も対称に形成される。
図3および図4に示すように、第1単位端子部40を構成するU1極バスバー42のU補助端子部64、V1極バスバー44のV補助端子部74、およびW1極バスバー46のW補助端子部84はすべて、キャップ94の長さ方向に対して一側方向に同じように折り曲げられる。
また、第2単位端子部50を構成するU2極バスバー52のU補助端子部64、V2極バスバー54のV補助端子部74、およびW2極バスバー56のW補助端子部84はすべて、キャップ94の長さ方向に対して他側方向に同じように折り曲げられる。
【0030】
これは、第1連結部材96によっていずれか1つのモータ10のコネクタ(図示せず)を第1単位端子部40に接続するとき、第2連結部材98によって第2単位端子部50に接続する他の1つのモータ10のコネクタ(図示せず)との干渉の発生を防ぐためである。
すなわち、いずれか1つのモータ10のコネクタがキャップ94の同じ側で他の1つのモータ10のコネクタと可能最大限の間隔をおいて配置されることが好ましい。
第1単位端子部40のU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46は、それぞれの一端が一側に折れ曲がるように形成される。
ここで、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46のそれぞれの一端は、U1極バスバー42のU補助端子部64、V1極バスバー44のV補助端子部74、およびW1極バスバー46のW補助端子部84を示す。
また、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46の折れ曲がる一側方向は、後述するキャップ94の一側端方向を意味する。
【0031】
また、第2単位端子部50のU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56は、同じ一端を他側に折れ曲がるように形成される。
ここで、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56のそれぞれの一端は、U2極バスバー52のU補助端子部64、V2極バスバー54のV補助端子部74、およびW2極バスバー56のW補助端子部84を示す。
また、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56の折れ曲がる他側方向は、キャップ94の他側端方向を意味する。特に、キャップ94の他側端は、一側端と正反対となる側を意味する。
【0032】
図3に示すように、第1単位端子部40のU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、中心線(C)を中心にして第1単位端子部40のU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84の折れ曲がり突出方向とは逆の方向である外側に所定角度(α)だけ反時計方向に開くように形成される。
即ち、第1単位端子部40のU補助端子部64は、U延長端子部67の軸方向に対して所定角度(α)だけ外側に傾くように延長され、V補助端子部74は、V連結端子部76の軸方向に対して所定角度(α)だけ外側に傾くように延長され、W補助端子部84は、W延長端子部87の軸方向に対して所定角度(α)だけ外側に傾くように延長される。
【0033】
同様に、図3に示すように、第2単位端子部50のU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、中心線(C)を中心にして第2単位端子部50のU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84の折れ曲がり突出方向とは逆の方向である外側に所定角度(α)だけ時計方向に開くように形成される。
即ち、第2単位端子部50のU補助端子部64は、U延長端子部67の軸方向に対して所定角度(α)だけ外側に傾くように延長され、V補助端子部74は、V連結端子部76の軸方向に対して所定角度(α)だけ外側に傾くように延長され、W補助端子部84は、W延長端子部87の軸方向に対して所定角度(α)だけ外側に傾くように延長される。
【0034】
その結果、第1単位端子部40を構成するU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46の同じ一端であるU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、第2単位端子部50を構成するU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56のそれぞれの一端である対応するU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84と線対称をなすように反対方向に延長される。
【0035】
そして、第1単位端子部40のU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、それぞれ同じ角度だけ傾き、互いに並ぶように配列される。そのため、U補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、互いに接触しないように一定に間隔を維持するようになる。
同様に、第2単位端子部50のU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、それぞれ同じ角度だけ傾き、互いに並ぶように配列される。
【0036】
また、図3に示すように、第1単位端子部40を構成するU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46のそれぞれの一端であるU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、それぞれ対応するU延長端子部67、V連結端子部76、およびW延長端子部87の軸方向に対して所定角度(β)だけ1方向または他方向に折り曲げられ、補助機器10と連結するときの空間制約を減らすことができる。図3では、補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84が1方向に折り曲げられた場合を示す。
【0037】
同様に、図3に示すように、第2単位端子部50を構成するU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56のそれぞれの一端であるU補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84は、それぞれ対応するU延長端子部67、V連結端子部76、およびW延長端子部87の軸方向に対して所定角度(β)だけ1方向または他方向に折り曲げられ、補助機器10と連結するときの空間制約を減らすことができる。図3では、補助端子部64、V補助端子部74、およびW補助端子部84が1方向に折り曲げられた場合を示す。
主機器20は単位端子部40、50の数だけ備えられ、各単位端子部40、50に一対一で装着される。
【0038】
すなわち、図1に示すように、第1単位端子部40は第1主機器20aに接続され、第2単位端子部50は第2主機器20bに接続される。より詳しくは、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46は第1主機器20aに接続される。同様に、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56は第2主機器20bに接続される。これにより、主機器20を第1単位端子部40に接続する第1主機器20aと、第2単位端子部50に接続する第2主機器20bに分離できることになり、第1主機器20aまたは第2主機器20bが単独で交替可能であるため主機器20の維持補修費用が節減できる。
【0039】
一方、第1単位端子部40のU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、第2単位端子部50のU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56は、主機器20の外側に突出した状態でそれぞれの一側が互いに間隔を置いて固定されることが好ましい。
【0040】
キャップ94は主機器20に分離可能に結合され、U1極バスバー42、V1極バスバー44、W1極バスバー46、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56の一側を固定する。より詳しくは、キャップ94は、U1極バスバー42とU2極バスバー52のU補助端子部64を固定し、V1極バスバー44とV2極バスバー54のV補助端子部74を固定し、W1極バスバー46とW2極バスバー56のW補助端子部84を固定する。
【0041】
キャップ94は、1体型や、複数に分離することなど多様な形状にすることができる。図2には、キャップ94の1体型を示し、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、第2単位端子部50のU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56のそれぞれの一側を互いに間隔を置いて固定する。
特に、キャップ94は、第1主機器20aと第2主機器20bを分離可能に結合して、第1主機器20aと第2主機器20bの自由な着脱を可能とするとともに揺れを防ぐ。もちろん、キャップ94は多様な形状に変形可能である。
【0042】
また、キャップ94は、U1極バスバー42のU補助端子部64、V1極バスバー44のV補助端子部74、W1極バスバー46のW補助端子部84を挿入して外側に露出するための第1連結部材96を備える。
同様に、キャップ94は、U2極バスバー52のU補助端子部64、V2極バスバー54のV補助端子部74、W2極バスバー56のW補助端子部84を挿入して外側に露出するための第2連結部材98を備える。
そして、第1連結部材96と第2連結部材98は、対応する補助機器10に連結するコネクタ(図示せず)と結合される。
【0043】
第1連結部材96と第2連結部材98は、キャップ94に一体形成されることが好ましく、キャップ94に備えられる位置に応じ、U1極バスバー42とU2極バスバー52のU補助端子部64、V1極バスバー44とV2極バスバー54のV補助端子部74、およびW1極バスバー46とW2極バスバー56のW補助端子部84に対する形状が決められる。
また、第1単位端子部40のU1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、第2単位端子部50のU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56は、主機器20内部でそれぞれの他側が互いに間隔を置いて固定されることが好ましい。
【0044】
図5に示すように、主機器20は、内部にホルダ90を分離可能に備える。
ホルダ90は、U1極バスバー42、V1極バスバー44、W1極バスバー46、U2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56の他側を固定する役割を有する。より詳しくは、ホルダ90は、U1極バスバー42とU2極バスバー52のU主端子部62を固定し、V1極バスバー44とV2極バスバー54のV主端子部72を固定し、W1極バスバー46とW2極バスバー56のW主端子部82を固定する。
ホルダ90は、1体型や、複数に分離することなど多様な形状にすることができる。図5に示すホルダ90は2つに分けられ、U1極バスバー42、V1極バスバー44、およびW1極バスバー46と、第2単位端子部50のU2極バスバー52、V2極バスバー54、およびW2極バスバー56のそれぞれの他側が容易に装着されるように形成される。
【0045】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10 ・・・補助機器、モータ
20 ・・・主機器
30 ・・・バスバー
40、50 ・・・第1、2単位端子部
42、52 ・・・U1、U2極バスバー
44、54 ・・・V1、V2極バスバー
46、56 ・・・W1、W2極バスバー
62、72、82 ・・・U、V、W主端子部
64、74、84 ・・・U、V、W補助端子部
66、76、86 ・・・U、V、W連結端子部
65、85 ・・・U、W設定端子部
67、87 ・・・U、W延長端子部
90 ・・・ホルダ
92 ・・・係止突起
94 ・・・キャップ
96、98 ・・・第1、2連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車両用コネクタであって、複数の多相交流用の補助機器を主機器に接続するために、前記多相に対応するバスバーを前記補助機器別に備え、
前記補助機器別に備えられたバスバーそれぞれは、前記補助機器別に互いに間隔を置いて設置され、前記バスバーそれぞれの一端が前記補助機器別に互いに間隔を保ち折り曲げて形成されることを特徴とするハイブリッド車両用コネクタ。
【請求項2】
前記複数の多相交流用の補助機器は2つの3相交流用の補助機器であり、前記バスバーは前記2つの補助機器に対応し、1つずつのU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーからなる第1単位端子部と第2単位端子部に分けられ、
前記第1単位端子部のU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーは、それぞれの一端が一側に反曲するように形成され、
前記第2単位端子部のU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーは、それぞれの一端が他側に反曲するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用コネクタ。
【請求項3】
前記第1単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端と、前記第2単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端が線対称をなすように反対方向に傾くように延長されることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両用コネクタ。
【請求項4】
前記第1単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端は、互いに並ぶように配列されることを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両用コネクタ。
【請求項5】
前記第2単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーの同じ一端は、互いに並ぶように配列されることを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両用コネクタ。
【請求項6】
前記第1単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端は、軸方向に対して1側または他側に折り曲げられ、
前記第2単位端子部を構成するU極バスバー、V極バスバー、およびW極バスバーのそれぞれの一端は、軸方向に対して1側または他側に折り曲げられることを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−8656(P2013−8656A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227593(P2011−227593)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(507098483)ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド (10)
【出願人】(511250253)株式会社 京信 (1)
【Fターム(参考)】