説明

ハイブリッド車両

【課題】ハイブリッド車両において、バッテリの充電状態(SOC)に応じて変化する目標発電パワーに、時間当たりの目標発電パワーが増加/減少する量(変化量)を制限して、ドライバビリティを向上することにある。
【解決手段】制御手段(12)は、バッテリ(13)の充電状態(SOC)に応じて目標発電パワーを算出する目標発電パワー算出手段(30)を備え、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値未満の場合に今回算出された目標発電パワーが出力できるように制御し、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値を超えた場合には前回算出された目標発電パワーに予め設定された制限値を加えた値を今回の目標発電パワーとして出力できるように制御する制限制御出力手段(31)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ハイブリッド車両に係り、特にエンジンとモータジェネレータとを動力源した車両においてエンジン動作点を制御するハイブリッド車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、駆動源として、エンジンとこのエンジン以外にモータジェネレータ(電動機)を備え、燃費を向上するための、いわゆるハイブリッド車両がある。
このハイブリッド車両では、エンジンの目標エンジンパワーを、車両が要求するエンジンの出力すべきパワー(以下「車両要求パワー」という)と要求発電パワーとを加算して算出し、目標エンジンパワーを出力できる動作点のうち、燃料消費率が最小となる動作点を目標動作点として設定し、エンジンの動作点が目標動作点となるように、エンジントルクやモータジェネレータトルクを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−191079号公報
【0004】
特許文献1に係るハイブリッド車両の制御装置は、車両の加速時でバッテリの充電状態(SOC)に余裕がある場合に、エンジン回転数とモータにおける回転数とが同一になるように、車両要求パワーに応じて、エンジン動作点検索マップ(図5参照)によって目標エンジン回転数と目標エンジントルクとを算出し、この算出された目標エンジン回転数と目標エンジントルクによって制御行うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、ハイブリッド車両の制御において、車両要求パワーは、運転者の意思を表した値であり、車両要求パワーの増大により目標エンジンパワーが増加しても違和感は無く問題とはならないが、要求発電パワーは主に電池の充電状態によって定まり、運転者の意思とは関係なく定まることから、「P」レンジから「R」レンジヘシフトした場合に、「P」レンジでの目標発電パワーを「R」レンジより低く設定しているため、急激にエンジン回転数が上昇したり、また、「N」レンジでは、発電を行わないようにしているため、「N」レンジから「D」レンジにシフトした場合でも、エンジン回転数が急激に上昇してしまい、ドライバビリティが悪化するという不都合があった。
【0006】
そこで、この発明は、バッテリの充電状態(SOC)に応じて変化する目標発電パワーに、時間当たりの目標発電パワーが増加/減少する量(変化量)を制限することを目的とするハイブリッド車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、エンジンとモータジェネレータとから発生する動力を駆動軸に動力伝達機構を介して出力するハイブリッド車両において、運転者の要求に応じて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段を備えてこの要求駆動力設定手段により設定された要求駆動力になるように前記エンジンが目標エンジンパワーを出力するよう制御し且つ前記モータジェネレータが目標発電パワーを出力できるように制御する制御手段を設け、この制御手段は、バッテリの充電状態を検出する充電状態検出手段を備え、この充電状態検出手段により検出されたバッテリの充電状態に応じて目標発電パワーを算出する目標発電パワー算出手段を備え、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値未満の場合に今回算出された目標発電パワーが出力できるように制御し、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値を超えた場合には前回算出された目標発電パワーに予め設定された制限値を加えた値を今回の目標発電パワーとして出力できるように制御する制限制御出力手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明のハイブリッド車両は、目標発電パワーの値が急激に変化しないように制限制御して、目標エンジンパワーの値を急激に変化させる必要をなくし、これにより、ドライバビリティの向上に貢献することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は制御手段おける制御のフローチャートである。(実施例)
【図2】図2は制御手段おける制御のタイムチャートである。(実施例)
【図3】図3はハイブリッド車両の制御装置のシステム構成図である。(実施例)
【図4】図4は制御手段のブロック図である。(実施例)
【図5】図5はエンジン動作点検索マップの図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、目標エンジンパワーの値を急激に変化させる必要をなくしてドライバビリティを向上する目的を、目標発電パワーの値が急激に変化しないように制限制御して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図5は、この発明の実施例を示すものである。
図3において、1は車両としてのハイブリッド車両に搭載されるエンジン、2はハイブリッド車両の制御装置である。
この制御装置2は、トルクを出力する駆動源であるエンジン1の出力軸3と、モータジェネレータとしての第1のモータジェネレータ4及び第2のモータジェネレータ5と、駆動輪6に伝達ギア機構7を介して接続される駆動軸8と、出力軸3と第1のモータジェネレータ4と第2のモータジェネレータ5と駆動軸8とに夫々連結された動力伝達機構(差動歯車機構)9とを備えている。
また、制御装置2は、第1のモータジェネレータ4を作動制御する第1のインバータ10と、第2のモータジェネレータ5を作動制御する第2のインバータ11と、第1のインバータ10と第2のインバータ11とに連絡した制御手段12とを備えている。第1のインバータ10と第2のインバータ11の各電源端子は、蓄電装置としてのバッテリ13に接続している。
【0012】
動力伝達機構9は、いわゆる4軸式の動力入出力装置であり、エンジン1の出力軸3と駆動軸8とを配置し、また、エンジン1側の第1のモータジェネレータ4と駆動軸8側の第2のモータジェネレータ5とを配置し、エンジン1の動力と第1のモータジェネレータ4の動力と第2のモータジェネレータ5の動力とを合成して駆動軸8に出力し、エンジン1と第1のモータジェネレータ4と第2のモータジェネレータ5と駆動軸8との間で動力の授受を行う。
【0013】
動力伝達機構9は、互いの2つの回転要素が連結された第1の遊星歯車機構14と第2の遊星歯車機構15とを並設して構成される。
第1の遊星歯車機構14は、第1のサンギア16と、この第1のサンギア16に噛み合った第1のピニオンギア17と、この第1のピニオンギア17に噛み合った第1のリングギア18と、第1のピニオンギア17に連結した第1のキャリア19とを備えている。
第2の遊星歯車機構15は、第2のサンギア20と、この第2のサンギア20に噛み合った第2のピニオンギア21と、この第2のピニオンギア21に噛み合った第2のリングギア22と、第2のピニオンギア212に連結した第2のキャリア23とを備えている。
【0014】
また、動力伝達機構9において、第1の遊星歯車機構14の第1のキャリア19は、エンジン1の出力軸3に連結し、また、第2の遊星歯車機構15の第2のキャリア23は、第1の遊星歯車機構14の第1のリングギア18に連結している。
第1のサンギア16には、第1のモータ出力軸24を介して第1のモータジェネレータ4が接続する。第1のキャリア19・第2のサンギア20には、エンジン1の出力軸3が接続する。第1のリングギア18・第2のキャリア23には、伝達ギア機構7を介して駆動軸8が接続する。第2のリングギア22には、第2のモータ出力軸25を介して第2のモータジェネレータ5が接続する。
第2のモータジェネレータ5は、第2のモータ出力軸25と第2のリングギア22と第2のキャリア23と第1のリングギア18と伝達ギア機構7と駆動軸8とを介して駆動輪6に直接連結可能となり、単独出力のみで車両を走行させることができる性能を備えている。
つまり、動力伝達機構9においては、第1の遊星歯車機構14の第1のキャリア19と第2の遊星歯車機構15の第2のサンギア20とを結合してエンジン1の出力軸3に接続し、第1の遊星歯車機構14の第1のリングギア18と第2の遊星歯車機構15の第2のキャリア23とを結合して駆動軸8に接続し、第1の遊星歯車機構14の第1のサンギア16に第1のモータージェネレータ4を接続し、第2の遊星歯車機構15の第2のリングギア22に第2のモータージェネレータ5を接続し、エンジン1、第1のモータージェネレータ4、第2のモータージェネレータ5、及び駆動軸8との間で動力の授受を行っている。
【0015】
図4に示すように、制御手段12は、エンジン回転数を検知するエンジン回転数センサ26とアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検知するアクセルセンサ27とに連絡して運転者の要求に応じて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段28を備えて、この要求駆動力設定手段28により設定された要求駆動力になるようにエンジン1が目標エンジンパワーを出力するよう制御し且つ第1のモータジェネレータ4及び第2のモータジェネレータ5が目標発電パワーを出力できるように制御する。
この制御手段12は、第1のモータジェネレータ4及び第2のモータジェネレータ5を作動する所定の制御値を出力して、第1のインバータ10及び第2のインバータ11を作動制御するとともに、エンジン1を作動制御する。
また、バッテリ13は、第1のモータジェネレータ4及び第2のモータジェネレータ5の回生時には、蓄電を行う機能を備えている。
【0016】
また、制御手段12は、図4に示すように、バッテリ13に連絡してこのバッテリ13の充電状態(SOC)を検出する充電状態検出手段29を備え、この充電状態検出手段29により検出されたバッテリ13の充電状態に応じて目標発電パワー(P_req)を算出する目標発電パワー算出手段30を備え、また、今回算出された目標発電パワー(P_req)と前回算出された目標発電パワー(P_req_out_prev)との差(変化量:(P_dif))が予め設定された制限値(upl)未満の場合に今回算出された目標発電パワーが出力できるように制御し、今回算出された目標発電パワー(P_req)と前回算出された目標発電パワー(P_req_out_prev)との差(変化量:(P_dif))が予め設定された制限値(upl)を超えた場合には前回算出された目標発電パワー(P_req_out_prev)に予め設定された制限値(upl)を加えた値を今回の目標発電パワーとして出力できるように制御する制限制御出力手段31を備え、更に、エンジン1や第1のジェネレータ4や、第2のジェネレータ5に制御値を出力する制御値出力手段32を備えている。
前記目標発電パワー算出手段30は、シフトポジション(シフト位置)を検知するシフトポジション検知センサ33に連絡するとともに、バッテリ13の充電状態(SOC)に応じて目標発電パワーを検索するための目標発電パワー検索マップ34を備えている。よって、目標発電パワーは、シフトポジションに応じても算出される。
また、前記制限制御出力手段31は、シフトポジション検知センサ33に連絡するとともに、算出された各種値を記憶する記憶手段(メモリ)35を備えている。
前記制限制御出力手段31は、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が正の値であるか負の値であるかにより前記制限値の値を異ならせる。
また、前記制限制御出力手段31は、シフトポジションに変化に応じて実行されている。
【0017】
また、制御手段12には、図5に示すように、エンジン動作点検索マップが組み込まれている。この図5のエンジン動作点検索マップでは、車両が要求するエンジン1の出力すべきパワー(以下「車両要求パワー」という)に応じて目標エンジン回転数や目標エンジントルクを算出させ、この算出した値をエンジン1やモータジェネレータ4・モータジェネレータ5の制御に用いる。
【0018】
次に、この実施例の制御を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
この図1におけるルーチンは、周期的に(例えば20ms毎に)実行され、また、定期的に算出目標発電パワー(P_req_out)が更新されている。
図1に示すように、制御手段12のプログラムがスタートすると(ステップA01)、先ず、充電状態(SOC)によって目標発電パワー(P_req)を目標発電パワー検索マップ34で検索し(ステップA02)、この検索された目標発電パワー(P_req)と、このルーチンの計算結果として算出された算出目標発電パワー(P_req_out)の1周期前の値(P_req_out_prev)とから、要求発電パワー変化量(P_dif)を算出する(ステップA03)。
この要求発電パワー変化量(P_dif)は、
P_dif=P_req−P_req_out_prev
で算出される。
そして、要求発電パワー変化量(P_dif)が正(P_reqは1周期前の算出目標発電パワー(P_req_out)よりも大きい)か否かを判断する(ステップA04)。
このステップA04がYESの場合には、要求発電パワー変化量(P_dif)が目標発電パワー増加量制限値(upl)よりも大きいか否かを判断する(ステップA05)。
このステップA05がYESの場合には、算出目標発電パワー(P_req_out)の1周期前の値(P_req_out_prev)を基準として、その増加量を目標発電パワー増加量制限値(upl)で制限する(ステップA06)。
P_req_out=P_req_out_prev+upl
このステップA05がNOの場合には、そのような制限をかけない(ステップA07)。
P_req_out=P_req
一方、前記ステップA04がNOの場合には、要求発電パワー変化量(P_dif)が目標発電パワー減少量制限値(dl)よりも大きいか否かを判断する(ステップA08)。
このステップA08がNOの場合には、算出目標発電パワー(P_req_out)の1周期前の値(P_req_out_prev)を基準として、その減少量を目標発電パワー減少量制限値(dl)で制限する(ステップA09)。
P_req_out=P_req_out_prev+dl
このステップA08がYESの場合には、そのような制限をかけない(ステップA07)。
P_req_out=P_req
そして、前記ステップA06の処理後、前記ステップA07の処理後、又は、前記ステップA09の処理後は、算出目標発電パワー(P_req_out)を算出し(ステップA10)、この算出された算出目標発電パワー(P_req_out)と目標駆動パワーとを考慮して車両要求パワーを算出し、図5に示すようなエンジン動作点検索マップによって目標エンジン回転数(Ne)と目標エンジントルク(Te)とを算出し、車両の制御に用い、また、この算出された算出目標発電パワー(P_req_out)を、一時的に記憶手段35に記憶し、次に、このフローチャートが実行されるときに、算出目標発電パワー(P_req_out)の1周期前の値(P_req_out_prev)として計算に用いる。
そして、プログラムをリターンする(ステップA11)。
【0019】
図2には、この実施例の制御のタイムチャートを示す。
この図2のタイムチャートにおいては、比較のために、本制御が無い場合のP_req_outは、目標発電パワーP_reqとし、本制御がある場合では、P_req_outは上述の処理をしたものとする。なお、本制御が無い場合を「従来例」、本制御がある場合を「本実施例」としてグラフを分けている。
この図2におけるタイムチャートでは、時間0〜T1までが「P」レンジ、時間T1〜T2までが「R」レンジ、時間T2〜T3までが「N」レンジ、時間T3以降を「D」レンジにシフトチェンジしていると考える。それぞれのレンジでは、目標発電パワーが変化する。また、目標エンジン回転数軸上にある「Ne_id」とは、アイドリングエンジン回転数のことである。「N」レンジにシフトチェンジされた場合、目標発電パワーは零(0)、エンジン回転数は「Ne_id」、エンジントルクは零(0)に強制的に設定される。
従来例では、「P」レンジから「R」レンジにする場合(時間T1)に、算出目標発電パワーがPreqAからPreqBに変化する。その結果、図5のエンジン動作点検索マップに従い、目標エンジン回転数は、Ne_AからNe_Bに急激に変化する。また、「N」レンジから「D」レンジにする場合(時間T3)でも同じように、目標エンジン回転数は、Ne_idからNe_Bに急激に変化する。
一方、本実施例では、「P」レンジから「R」レンジにする場合(時間T1)に、算出目標発電パワーは、PreqAからPreqBに変化しようとするが、その変化量が増加量制限値を上回るために、増加量制限がかかっており、このため、緩やかな変化となっている。また、「N」レンジから「D」レンジにする場合(時間T3)でも同じように、目標エンジン回転数は、Ne_idから少し増加した後、緩やかな変化となっている。
【0020】
この結果、この実施例においては、制御手段12は、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値未満の場合に今回算出された目標発電パワーが出力できるように制御し、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値を超えた場合には前回算出された目標発電パワーに予め設定された制限値を加えた値を今回の目標発電パワーとして出力できるように制御する制限制御出力手段31を備える。つまり、算出された目標発電パワーが急激に変化しないように変化量の制限をかけた結果を、最終的な目標発電パワーとして、エンジン動作点の検索に用いる。
これにより、目標発電パワーの値が急激に変化しないように、制限制御しているので、エンジン動作点を検索する要因の1つになっている目標発電パワーが急変しても、これに対応して目標エンジンパワーの値を急激に変化させる必要がない。よって、目標エンジン回転数や目標エンジントルクが急激に変化することを防止できる。これにより、ドライバビリティの向上に貢献することが可能である。
また、制限制御出力手段31は、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が正の値であるか負の値であるかにより前記制限値の値を異ならせる。つまり、目標発電パワーが増加する場合と目標発電パワーが減少する場合とで、異なる変化量の制限を用いる。
これにより、運転者にとって違和感の大きい正の変化量(発電パワーが増加する場合)が大きい場合において、より小さな制限値を用いているので、適合の自由度を広げることができ、ドライバビリティの向上に貢献できる。
更に、制限制御出力手段31は、シフトポジションの変化に応じて実行されている。
これにより、ニュートラル(N)レンジや、パーキング(P)レンジから走行(D)レンジヘとシフトした場合においても、エンジン回転数が急変することのない滑らかな制御を実現することが可能である。
更にまた、制御手段12において、目標発電パワーが増加する場合の変化量の制限の方を、目標発電パワーが減少する場合の変化量の制限の方よりも小さく設定することにより、違和感の大きい、エンジン回転数が上昇する場合の変化を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明に係るハイブリッド車両の制御装置を、各種車両にも適用可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 エンジン
2 ハイブリッド車両の制御装置
3 エンジンの出力軸
4 第1のモータジェネレータ
5 第2のモータジェネレータ
8 駆動軸
9 動力伝達機構
10 第1のインバータ
11 第2のインバータ
12 制御手段
13 バッテリ
14 第1の遊星歯車機構
15 第2の遊星歯車機構
27 アクセルセンサ
28 要求駆動力設定手段
29 充電状態検出手段
30 目標発電パワー算出手段
31 制限制御出力手段
32 制御値出力手段
33 シフトポジション検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンとモータジェネレータとから発生する動力を駆動軸に動力伝達機構を介して出力するハイブリッド車両において、運転者の要求に応じて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段を備えてこの要求駆動力設定手段により設定された要求駆動力になるように前記エンジンが目標エンジンパワーを出力するよう制御し且つ前記モータジェネレータが目標発電パワーを出力できるように制御する制御手段を設け、この制御手段は、バッテリの充電状態を検出する充電状態検出手段を備え、この充電状態検出手段により検出されたバッテリの充電状態に応じて目標発電パワーを算出する目標発電パワー算出手段を備え、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値未満の場合に今回算出された目標発電パワーが出力できるように制御し、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が予め設定された制限値を超えた場合には前回算出された目標発電パワーに予め設定された制限値を加えた値を今回の目標発電パワーとして出力できるように制御する制限制御出力手段を備えていることを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項2】
前記制限制御出力手段は、今回算出された目標発電パワーと前回算出された目標発電パワーとの差が正の値であるか負の値であるかにより前記制限値の値を異ならせることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項3】
前記制限制御出力手段は、シフトポジションの変化に応じて実行されていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−105259(P2011−105259A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265061(P2009−265061)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】