説明

ハイブリッド車用空調装置

【課題】充電のためだけにエンジンが頻繁に運転されるのを極力回避して、燃費向上等を図る。
【解決手段】エンジン1と電動発電機2と電動発電手段2に電力を供給するバッテリ4とを備え、走行条件に応じてエンジン1の運転および停止を制御するとともに、バッテリ4の充電残量が充電開始目標値以下になると、エンジン1により電動発電機2を駆動してバッテリ4に充電を行うようにしたハイブリッド車に搭載される空調装置において、バッテリ4から電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニット6を備え、エアコンユニット電動圧縮機41を有し、走行中におけるエンジン1の停止中は走行中におけるエンジン1の運転中よりもエアコンユニット6の能力を低めに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用エンジンと走行用電動機とを搭載したハイブリッド車用の空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のハイブリッド車用空調装置として特開2000−270401号公報に記載されたものがあり、この公報記載のハイブリッド車は、バッテリから電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニットを備え、バッテリの充電残量が充電開始目標値以下になると走行用エンジンにより発電機を駆動してバッテリに充電を行うようになっている。また、停車中や低負荷走行時には充電残量が充電開始目標値以下にならない限り走行用エンジンを停止させて、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図るようにしている。
【0003】
そして、車室内の温度を設定温度に調整するためにエアコンユニットが必要とする空調必要電力を演算し、車両走行中には空調必要電力の増加に伴って充電開始目標値を高く設定することにより、走行中にバッテリの充電量を増やしておいて、停車中のエンジンの運転が極力少なくなるようにして燃費の向上等を図っている。
【特許文献1】特開2000−270401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記装置は、走行用エンジンが運転中か否かにかかわらず、充電残量が充電開始目標値以下になると充電を行うようにしているため、走行用エンジンを停止して走行している時に充電残量が充電開始目標値以下になった場合でも走行用エンジンの運転が開始されてしまう。
【0005】
また、上記装置のように、車両走行中の充電開始目標値を高く設定すると、停車中よりも車両走行中の方が充電頻度が高くなる傾向になるため、結果的に、走行用エンジンを停止して走行している時に充電のためだけに走行用エンジンの運転が開始される頻度が高くなってしまう。
【0006】
このように、充電のためだけに走行用エンジンが頻繁に運転されると、燃費向上等の目的を十分に達成することができないという問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明は上記の点に鑑み、走行条件に応じて走行用エンジンの運転および停止を制御するハイブリッド車用の空調装置において、充電のためだけに走行用エンジンが頻繁に運転されるのを極力回避して、さらなる燃費向上等を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明では、走行条件に応じて走行用エンジン(1)の運転および停止を制御するとともに、バッテリ(4)の充電残量が充電開始目標値以下になると、走行用エンジン(1)により電動発電手段(2)を駆動してバッテリ(4)に充電を行うようにしたハイブリッド車に搭載される空調装置において、バッテリ(4)から電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニット(6)を備え、エアコンユニット(6)は、バッテリ(4)から電力を受けて作動して冷媒を圧縮する電動圧縮機(41)を有し、走行中における走行用エンジン(1)の停止中は、走行中における走行用エンジン(1)の運転中よりも、電動圧縮機(41)を含むエアコンユニット(6)における使用電力を制限することで、エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを特徴とする。
【0009】
これによると、エンジン停止中はバッテリへの負荷が少なくなって充電要となりにくいため、充電のためだけにエンジンの運転が開始される頻度が低くなる。従って、エンジンの頻繁な起動が低減され、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。一方、エンジン運転中にはエアコンユニットの能力を高く設定することにより、快適性を確保することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1の発明において、走行用エンジン(1)よる発電効率が所定効率以下のときには、走行用エンジン(1)よる発電効率が前記所定効率を超えているときに比べて、エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項2の発明において、発電効率は、走行用エンジン(1)の回転数によって判定し、走行用エンジン(1)の回転数が所定回転数以下のときには、走行用エンジン(1)の回転数が所定回転数を超えているときに比べて、エアコンユニット(6)の空調能力を低くすることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3の発明において、空調熱負荷が大きい状態、車両窓ガラスに空気を吹き出すデフロスタモード状態、および車室内の快適性を重視した空調制御を行うフルモード状態のうちいずれか1つの状態の時は、エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを禁止することを特徴とする。
【0013】
これによると、空調熱負荷が大きい時やフルモード選択時の快適性、デフロスタモード時の安全性(視界確保)を確保することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明のように、車室内の温度を任意に設定された設定温度に調整するためにエアコンユニット(6)が必要とする空調必要電力を演算し、エアコンユニット(6)の使用電力を空調必要電力よりも小さい所定値に制限することにより、エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、電動発電手段(2)は、電動機機能と発電機機能とを共に備える電動発電機であることを特徴とする。
【0016】
これによると、電動発電手段(2)を別体(独立)の電動機と発電機とにより構成する場合よりもコンパクトになる。
【0017】
請求項7に記載のように、電動機機能を備える電動機と発電機機能を備える発電機とをそれぞれ独立して設け、電動機と発電機とにより電動発電手段(2)を構成することもできる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、請求項3の発明において、所定回転数を第1回転数とし、走行用エンジン(1)の回転数が第1回転数より高い所定の第2回転数以上の時には、走行用エンジン(1)の回転数が第1回転数以上前記第2回転数未満の時よりも、エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを特徴とする。
【0019】
以下に説明される発明の実施の形態では、以下の発明が開示されている。
【0020】
走行条件に応じて走行用エンジン(1)の運転および停止を制御するとともに、バッテリ(4)の充電残量が充電開始目標値以下になると、走行用エンジン(1)により電動発電手段(2)を駆動してバッテリ(4)に充電を行うようにしたハイブリッド車に搭載される空調装置において、バッテリ(4)から電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニット(6)を備え、走行用エンジン(1)が運転中は、走行用エンジン(1)が停止中よりも、充電開始目標値を高く設定することを特徴とする発明。
【0021】
これによると、エンジン運転中に限って充電開始目標値を高くするため、エンジン運転中に充電要となりやすく、一方、エンジン停止中は充電要となりにくいため、充電のためだけにエンジンの運転が開始される頻度が低くなる。そして、一般的にエンジン負荷が大きいほどエンジン熱効率は高くなる傾向にあるため、充電のためだけにエンジンを運転する場合よりも、車両走行および充電のためにエンジンを運転する方が、エンジン熱効率が高くなる。従って、エンジンをエンジン熱効率が高い状態で運転させて、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。しかも、エンジンを始動するための始動モータによる電力消耗の低減にもなるため、さらに燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減につながる。
【0022】
上記発明において、走行用エンジン(1)の出力が所定値以上の時は、走行用エンジン(1)の出力が所定値未満の時よりも、充電開始目標値を高く設定することを特徴とする発明。
【0023】
これによると、エンジン出力が大きい時に充電要となりやすく、このような高出力時には一般的にはエンジン熱効率が高いため、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。さらに、高出力時には一般的にはエンジン回転数が高いため発電効率が高くなる。
【0024】
走行条件に応じて走行用エンジン(1)の運転および停止を制御するとともに、バッテリ(4)の充電残量が充電開始目標値以下になると、走行用エンジン(1)により電動発電手段(2)を駆動してバッテリ(4)に充電を行うようにしたハイブリッド車に搭載される空調装置において、バッテリ(4)から電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニット(6)を備え、車速が所定速度以下の時は、車速が所定速度を超える時よりも、充電開始目標値を低く設定することを特徴とする発明。
【0025】
これによると、低速走行時に充電要となりにくいため、エンジン運転頻度の低い低速走行時に、充電のためだけにエンジンの運転が開始される頻度が低くなる。従って、低速走行時のエンジンの頻繁な起動が低減され、それによって燃費の向上、環境破壊物質排出量の低減、ドライバビリティの向上、騒音振動の低減等を図ることができる。
【0026】
走行条件に応じて走行用エンジン(1)の運転および停止を制御するとともに、バッテリ(4)の充電残量が充電開始目標値以下になると、走行用エンジン(1)により電動発電手段(2)を駆動してバッテリ(4)に充電を行うようにしたハイブリッド車に搭載される空調装置において、バッテリ(4)から電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニット(6)を備え、走行用エンジン(1)を運転する可能性の高い走行モード時は、走行用エンジン(1)を運転する可能性の低い走行モード時よりも、充電開始目標値を高く設定することを特徴とする発明。
【0027】
これによると、例えば高速・高負荷走行時のようなエンジンを運転する可能性の高い走行モード時に充電要となりやすく、エンジンをエンジン熱効率が高い状態で運転させて、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。一方、例えば低速・低負荷走行時のようなエンジンを運転する可能性の低い走行モード時は充電要となりにくいため、充電のためだけにエンジンの運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0028】
走行条件に応じて走行用エンジン(1)の運転および停止を制御するとともに、バッテリ(4)の充電残量が充電開始目標値以下になると、走行用エンジン(1)により電動発電手段(2)を駆動してバッテリ(4)に充電を行うようにしたハイブリッド車に搭載される空調装置において、バッテリ(4)から電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニット(6)を備え、バッテリ(4)の放電量が所定値以上の時は、バッテリ(4)の放電量が所定値未満の時よりも、充電開始目標値を低く設定することを特徴とする発明。
【0029】
ところで、放電量が大きいということは充電が行われておらず、エンジンが運転されている可能性が低い。そこで、上記発明のように放電量が大きい時に充電開始目標値を低くすることにより、放電量が大きい時(すなわち、エンジンが運転されている可能性が低い状況下)に充電要となることが少なくなるため、充電のためだけにエンジンの運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0030】
上記発明において、車室内の温度を任意に設定された設定温度に調整するためにエアコンユニット(6)が必要とする空調必要電力を演算し、空調必要電力の増加に伴って充電開始目標値を高く設定することを特徴とする発明。
【0031】
これによると、空調必要電力の増加に伴って充電開始目標値を高く設定しているため、空調必要電力が大きい時ほどバッテリの充電量を増やしておくことができ、従って、空調必要電力が大きい時でも充電完了後のエンジン停止時間を長くすることができる。
【0032】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(第1実施形態)
図1〜図7は本発明の第1実施形態を示すもので、ハイブリッド自動車および空調装置の全体構成を図1、2に基づいて説明する。
【0034】
ハイブリッド自動車は、ガソリンを燃料とする走行用内燃機関(以下エンジンという)1、走行用電動機機能および発電機機能を備える電動発電手段としての走行用電動発電機(モータジェネレータ、以下電動発電機という)2、エンジン1への燃料供給量や点火時期等を制御するエンジン制御装置3、電動発電機2やエンジン制御装置3等に電力を供給するバッテリ(例えば、ニッケル水素蓄電池)4、電動発電機2の制御(例えばインバータ制御)および動力切替機構8(詳細後述)の制御を行うとともにエンジン制御装置3に制御信号(エンジン1の回転数やトルクの目標値等)を出力する車両制御装置5を備えている。
【0035】
上記電動発電機2は、バッテリ4から電力を供給されたときは動力を発生する電動機として作用し、エンジン1等により駆動されたときは発電を行う発電機として作用するものである。
【0036】
エンジン制御装置3は、車両制御装置5からの制御信号に基づいて、エンジン1の回転数やトルクが目標値となるように、かつ高い燃焼効率が得られるように、燃料供給量や点火時期等を最適制御する。
【0037】
動力切替機構8は、エンジン1と電動発電機2と車軸9との間での動力の伝達方向を切り替える機能を有する。具体的には、エンジン1の動力のみを車軸9に伝達する状態、電動発電機2の動力のみを車軸9に伝達する状態、エンジン1および電動発電機2の両方の動力を車軸9に伝達する状態、エンジン1の動力を電動発電機2および車軸9に伝達する状態、さらにはエンジン1の動力を電動発電機2のみに伝達する状態に切替可能になっている。
【0038】
車両制御装置5は、基本的に以下のような制御を行う。まず、停車中はエンジン1を停止させるとともに、走行中は走行条件(主に車速と走行負荷)に応じてエンジン1の運転および停止を制御するようになっており、この点は、本明細書中の全ての実施例に共通する。なお、走行負荷は例えばアクセルペダル踏み込み量から求める。
【0039】
また、車両制御装置5は、エンジン1の運転が必要なときに電動発電機2によりエンジン1を起動させるようになっている。さらに、ハイブリッド自動車の走行に必要な所定の駆動力を得るために、電動発電機2の運転、停止、回転数等を制御するとともに、エンジン1の回転数やトルクの目標値等をエンジン制御装置3に出力する。
【0040】
そして、車両制御装置5で動力切替機構8を制御することにより、ハイブリッド自動車の駆動輪には、発進時および低速・低負荷走行時には電動発電機2の動力のみが伝達され、通常走行時(中速・中負荷走行時)には電動発電機2の動力のみまたはエンジン1と電動発電機2の両方の動力が伝達され、高速・高負荷走行時にはエンジン1と電動発電機2の両方の動力が伝達される。また、減速時にはエンジン1が停止されるとともに、駆動輪側から電動発電機2が駆動されて電動発電機2からバッテリ4に充電されるようになっている。
【0041】
また、車両制御装置5は、バッテリ4の充電残量が充電開始目標値以下になるとエンジン1を運転し、エンジン1の動力を動力切替機構8を介して電動発電機2に伝達し、これにより、電動発電機2を発電機として作動させてバッテリ4の充電を行う。さらに、車速が低速度の時にエンジン1を停止させる。
【0042】
空調装置は、車室内の空調を行うエアコンユニット6、エアコンユニット6を構成する機器を制御するエアコン制御装置7からなり、本例では車室内の温度を任意に設定された設定温度に自動制御するオートエアコンである。
【0043】
エアコンユニット6は、車室内の前方側に配置されて、車室内に空調空気を導く空気通路を形成する空調ダクト10、この空調ダクト10内において空気を送る遠心式の送風機30、空調ダクト10内を流れる空気を冷却する冷凍サイクル40、および空調ダクト10内を流れる空気を加熱する冷却水回路50等から構成されている。
【0044】
空調ダクト10の空気流れの最上流側に設けられた内外気切替箱は、内気吸込口11、および外気吸込口12を有し、これらの吸込口11,12は内外気切替ダンパ13によって開閉され、この内外気切替ダンパ13はサーボモータ等のアクチュエータ14により駆動される。
【0045】
空調ダクト10の空気流れの最下流側には、デフロスタ開口部、フェイス開口部、およびフット開口部が形成されている。そして、デフロスタ開口部にはデフロスタダクト15が接続され、このデフロスタダクト15の最下流端には、車両のフロントガラスの内面に向かって空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口18が開口している。
【0046】
また、フェイス開口部にはフェイスダクト16が接続され、このフェイスダクト16の最下流端には、乗員の上半身に向かって空調空気を吹き出すフェイス吹出口19が開口している。さらに、フット開口部にはフットダクト17が接続され、このフットダクト17の最下流端には、乗員の足下に向かって空調空気を吹き出すフット吹出口20が開口している。
【0047】
そして、各吹出口の内側には、2つの吹出口切替ダンパ21が回動自在に取り付けられている。これらの吹出口切替ダンパ21は、サーボモータ等のアクチュエータ22によりそれぞれ駆動されて、吹出口モードを、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、およびデフロスタモードのいずれかに切り替える。
【0048】
送風機30は、空調ダクト10に一体的に構成されたスクロールケースに回転自在に収納された遠心式ファン31、およびこの遠心式ファン31を回転駆動するブロワモータ32を有している。そして、ブロワモータ32は、ブロワ駆動回路33を介して印可されるブロワ端子電圧に基づいて、送風量(遠心式ファン31の回転速度)が制御される。
【0049】
冷凍サイクル40は、冷媒を圧縮する圧縮機構とバッテリ4から電力を受けて圧縮機構を駆動するモータとからなる電動圧縮機41、圧縮された冷媒と外気とを熱交換して冷媒を凝縮液化させる凝縮器42、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流す気液分離器43、液冷媒を減圧膨張させる膨張弁44、減圧膨張された冷媒と空調空気とを熱交換して空調空気を冷却する蒸発器45、凝縮器42に外気を送風する冷却ファン46、およびこれらを接続する冷媒配管等から構成されている。
【0050】
電動圧縮機41のモータにはインバータ47を介して交流電圧が印加され、インバータ47はエアコン制御装置7の指令に基づき交流電圧の周波数を調整し、それによって電動圧縮機41の回転速度を連続的に変化させるようになっている。
【0051】
冷却水回路50は、図示しないウォータポンプによってエンジン1の冷却水(温水)を循環させる回路中にヒータコア51が配置され、このヒータコア51はエンジン冷却水と空調空気とを熱交換して空調空気を加熱する。
【0052】
ヒータコア51は、空気通路を部分的に塞ぐようにして空調ダクト10内において蒸発器45よりも下流側に配設されている。そして、ヒータコア51の上流側にはエアミックスダンパ52が回動自在に取り付けられ、エアミックスダンパ52はサーボモータ等のアクチュエータ53に駆動されて、ヒータコア51を通過する温風とヒータコア51を迂回する冷風との割合を調節して、車室内へ吹き出す空気の温度を調整する。
【0053】
次に、制御系の構成を図1、図3および図4に基づいて説明する。エアコン制御装置7には、車両制御装置5から出力される通信信号、車室内前面に設けられたコントロールパネル60上の各スイッチからのスイッチ信号、および各センサからのセンサ信号が入力される。
【0054】
ここで、コントロールパネル60上の各スイッチとは、図4に示すように、冷凍サイクル40(電動圧縮機41)の起動および停止を指令するためのエアコンスイッチ61a、車室内の快適性を重視した空調制御を行うフルモードと燃料経済性(省燃費性)を重視した空調制御を行うエコノミーモードとを選択するためのフルスイッチ61b、吸込口モードを切り替えるための吸込口切替スイッチ62、車室内の温度を所望の温度に設定するための温度設定レバー63、遠心式ファン31の送風量を切り替えるための風量切替レバー64、および吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチ等である。
【0055】
そして、この吹出口切替スイッチには、フェイスモードに固定するためのフェイススイッチ65、バイレベルモードに固定するためのバイレベルスイッチ66、フットモードに固定するためのフットスイッチ67、フットデフモードに固定するためのフットデフスイッチ68、およびデフロスタモードに固定するためのデフロスタスイッチ69等がある。
【0056】
また、各センサとは、図3に示すように、車室内の空気温度を検出する内気温センサ71、車室外の空気温度を検出する外気温センサ72、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ73、蒸発器45に流入する空気の温度(蒸発器吸込空気温度TIN)を検出する蒸発器吸込空気温度センサ74、蒸発器45を通過した直後の空気温度(蒸発器吹出空気温度)を検出する蒸発器吹出空気温度センサ75、ヒータコア51に流入する冷却水の温度を検出する水温センサ76、および車両の走行速度を検出する車速センサ77等がある。
【0057】
このうち、内気温センサ71、外気温センサ72、蒸発器吸込空気温度センサ74、蒸発器吹出空気温度センサ75、および水温センサ76はサーミスタが使用される。
【0058】
エアコン制御装置7の内部には、図示しないCPU、ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータが設けられ、各センサ71〜77からのセンサ信号は、エアコン制御装置7内の図示しない入力回路によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。なお、エアコン制御装置7は、車両のイグニッションスイッチが投入されたときにバッテリ4から直流電源が供給されて作動する。
【0059】
次に、エアコン制御装置7の制御処理を図5、6に基づいて説明する。ここで、図5はエアコン制御装置7による基本的な制御処理を示したフローチャートである。
【0060】
まず、イグニッションスイッチがONされてエアコン制御装置7に直流電源が供給されると、図5のルーチンが起動され、各イニシャライズおよび初期設定を行う(ステップS1)。続いて、温度設定レバー63等の各スイッチからスイッチ信号を読み込む(ステップS2)。続いて、内気温センサ71、外気温センサ72、日射センサ73、蒸発器吸込空気温度センサ74、蒸発器吹出空気温度センサ75、水温センサ76、および車速センサ77からのセンサ信号をA/D変換した信号を読み込む(ステップS3)。
【0061】
続いて、予めROMに記憶された下記の数1の式に基づいて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出する(ステップS4)。
【0062】
[数1]TAO=Kset×Tset−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+Cここで、Tsetは温度設定レバー63にて設定した設定温度、TRは内気温センサ71にて検出した内気温度、TAMは外気温センサ72にて検出した外気温度、TSは日射センサ73にて検出した日射量である。また、Kset、KR、KAMおよびKSはゲインで、Cは補正用の定数である。
【0063】
続いて、予めROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応するブロワ電圧(ブロワモータ32に印可する電圧)を決定する(ステップS5)。具体的には、目標吹出温度TAOが低い程また高い程ブロワ電圧を高くし(風量大)、目標吹出温度TAOが設定温度に近くなる程ブロワ電圧を低くする。
【0064】
続いて、予めROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応する吸込口モードを決定する(ステップS6)。具体的には、目標吹出温度TAOが低いときには内気循環モードが選択され、目標吹出温度TAOが高いときには外気導入モードが選択される。
【0065】
続いて、予めROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを決定する(ステップS7)。具体的には、目標吹出温度TAOが低いときにはフットモードが選択され、目標吹出温度TAOが高くなるに伴って、バイレベルモード、さらにはフェイスモードの順に選択される。
【0066】
続いて、目標吹出温度TAO、蒸発器吹出空気温度センサ75で検出した蒸発器吹出空気温度、水温センサ76で検出した冷却水温等に応じて、エアミックスダンパ52の開度を決定する(ステップ8)。
【0067】
続いて、ステップS9で図6に示すサブルーチンがコールされ、エアコンスイッチ61aがONされている時の、電動圧縮機41の回転数が決定される。
【0068】
続いて、各ステップ4〜9で算出または決定した各制御状態が得られるように、アクチュエータ14、22、53、ブロワ駆動回路33およびインバータ47に対して制御信号を出力する(ステップS10)。
【0069】
次に、電動圧縮機回転数決定の制御処理を図6に基づいて説明する。まず、目標吹出温度TAOに対応する目標蒸発器吹出空気温度TEOを算出する(ステップS91)。ここで、フルスイッチ61bによりフルモードが選択されているときにはステップS91に示す特性図に基づいて目標蒸発器吹出空気温度TEOが決定され、一方、フルスイッチ61bによりエコノミーモードが選択されているときにはフルモードよりも高い目標蒸発器吹出空気温度TEOが設定される。
【0070】
さらに、目標蒸発器吹出空気温度TEOと蒸発器吸込空気温度TINと送風機30の送風量とによって決まる定数Kから、蒸発器吸込空気温度TINの空気を目標蒸発器吹出空気温度TEOまで低下させるためにエアコンユニット6が本来必要とする電力(以下、空調必要電力という)を算出する(ステップS92)。ここで、電動圧縮機41の回転数を高くするほど冷凍サイクル40の冷却性能を上げることができ、従って空調必要電力は、蒸発器吸込空気温度TINと目標蒸発器吹出空気温度TEOとの差が大きくなるに伴って増加する。
【0071】
次に、ステップS92で算出した空調必要電力を、車両制御装置5に出力する(ステップS93)。続いて、車両制御装置5で算出した空調使用可能電力(詳細後述)を入力する(ステップS94)。
【0072】
続いて、ステップ95では、空調熱負荷が大きいか、フルモードであるか、またはデフロスタモードであるかを判定する。なお、空調熱負荷が大とは、暖房または冷房運転の開始直後(ウォームアップ中またはクールダウン中)、さらには、外気温が高くかつ外気導入モードが選択されている時などである。
【0073】
このステップ95の判定結果がYESの場合はステップ97に進み、空調必要電力を使用設定電力として設定する。なお、この使用設定電力とは、エアコンユニット6で使用する電力の制限値である。そして、この使用設定電力に基づいて、電動圧縮機41の回転数を決定する(ステップS98)。
【0074】
一方、ステップ95の判定結果がNOの場合はステップ96に進み、空調使用可能電力を使用設定電力として設定する。そして、この使用設定電力に基づいて、電動圧縮機41の回転数を決定する(ステップS98)。
【0075】
次に、車両制御装置5においてエアコン制御に関連する制御処理を図7に基づいて説明する。車両制御装置5の内部には、図示しないCPU、ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータが設けられ、車速センサ77からのセンサ信号は、車両制御装置5内の図示しない入力回路によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。なお、車両制御装置5は、車両のイグニッションスイッチが投入されたときにバッテリ4から直流電源が供給されて作動する。
【0076】
まず、イグニッションスイッチがONされて車両制御装置5に直流電源が供給されると、図7のルーチンが起動され、各イニシャライズおよび初期設定を行う(ステップS800)。
【0077】
続いて、車速センサ77の信号に基づいて車両の走行速度を演算し、バッテリ4の電圧に基づいてバッテリ4の充電状態(バッテリ充電残量)を演算し、エンジン1の状態(エンジン1が運転中か否か)を判定するためにエンジン回転数を入力し、さらに、エアコン制御装置7で算出した空調必要電力を入力する(ステップ801)。
【0078】
続いて、空調必要電力とエンジン1の状態とに基づいて、充電状態目標値(充電開始目標値)を算出する(ステップ802)。エンジン停止中は線aで示すように、空調必要電力にかかわらず充電状態目標値を30%一定とし、エンジン運転中は線bで示すように、空調必要電力の増加に伴って、充電状態目標値を50%から80%へ漸次高くする。そして、充電状態すなわちバッテリ充電残量が充電状態目標値以下になると、エンジン1により電動発電機2を駆動して電動発電機2に発電を行わせ、バッテリ4に充電を行うようになっている。
【0079】
この時、電動発電機2とは別に発電機を備え、その発電機がクラッチ(動力断続手段)を介してエンジン1により駆動される車両においては、充電残量が充電状態目標値以下になった場合には、クラッチを動力伝達状態にしてその発電機に発電を行わせてバッテリ4に充電を行うが、同時に、走行用に使用していない時の電動発電機2でも発電を行わせてもよい。
【0080】
なお、基本的には、車速が低速度の時にエンジン1を停止するが、充電状態目標値に達していない間は上記の条件となってもエンジン1を停止せずに充電を継続する。
【0081】
続いて、充電状態とエンジン1の状態とによって定数Kを求め、その定数Kと空調必要電力とを乗算して空調使用可能電力を算出する(ステップ803)。エンジン運転中の定数Kは線dで示すように、充電状態すなわちバッテリ充電残量が10%以下では0、10%から20%の間では0.5、20%から50%の間ではバッテリ充電残量の増加に伴って漸次増加し、50%以上では1となる。一方、エンジン停止中の定数Kは線cで示すように、バッテリ充電残量が10%以上の領域では、走行中の定数Kよりも0.2小さくなっている。
【0082】
次に、ステップS803で算出した空調使用可能電力を、エアコン制御装置7に出力する(ステップS804)。
【0083】
続いて、ステップ802で算出した充電状態目標値を達成するように、エンジン制御装置3に対して制御信号を出力する(ステップS805)。
【0084】
次に、上記構成になる空調装置の作動について簡単に説明する。送風機30によってダクト10内を流れる空気は、冷凍サイクル40内の蒸発器45を通過する際に冷媒と熱交換して冷却される。ここで、エアコン制御装置7によって電動圧縮機41の回転数を制御することにより、冷凍サイクル40内を流れる冷媒の流量を制御して、冷凍サイクル40の冷却性能を調整している。
【0085】
蒸発器45で冷却された空気は、冷却水回路50内のヒータコア51を通過する際にエンジン冷却水と熱交換して加熱される。そして、エアミックスダンパ52の開度位置によってヒータコア51を通過する空気とヒータコア51を迂回する空気との割合が調節され、こうして所定の温度に調整された空調空気が、各吹出口18〜20のうちの1つ或いは2つから吹き出される。
【0086】
以下、本実施形態の特徴について説明する。
【0087】
本実施形態では、車室内の温度を任意に設定された設定温度に調整するためにエアコンユニット6が必要とする電力(空調必要電力)を演算し、エンジン運転中には、空調必要電力の増加に伴ってバッテリ4の充電状態目標値(充電開始目標値)を高く設定している(ステップS802)。
【0088】
これによれば、エンジン運転中に限って充電状態目標値を高くするため、エンジン運転中に充電要となりやすく、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなる。そして、一般的にエンジン負荷が大きいほどエンジン熱効率は高くなる傾向にあるため、充電のためだけにエンジン1を運転する場合よりも、車両走行および充電のためにエンジン1を運転する方が、エンジン熱効率が高くなる。従って、エンジン1をエンジン熱効率が高い状態で運転させて、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。しかも、エンジン1を始動するための始動モータによる電力消耗の低減にもなるため、さらに、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減につながる。
【0089】
また、ステップS803にてバッテリ4の充電残量の低下に伴って空調使用可能電力を低く設定し、ステップS95がNOの条件下では、ステップS96にて空調使用可能電力を使用設定電力として設定している。これにより、エアコンユニット6の使用電力が空調必要電力以下に制限される(換言すると、エアコンユニット6の能力が低く設定される)ため、バッテリ4の充電残量低下時にバッテリ4への負荷を少なくして、エンジン停止時間を長くすることができる。従って、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。一方、バッテリ4の充電残量が多い時には、空調使用可能電力を高く設定しているため(ステップS803)、快適性や安全性(視界確保)を確保することができる。
【0090】
また、エンジン停止中は、エアコンユニット6の使用電力を空調必要電力以下に制限することにより(ステップS803、S96)、エンジン停止中のバッテリ4への負荷を少なくして、エンジン停止時間を長くすることができる。従って、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0091】
また、エンジン停止中の充電状態目標値をエンジン運転中よりも低く設定することにより(ステップS802)、エンジン停止時間を長くすることができる。従って、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0092】
また、ステップS95がYESとなる、空調熱負荷が大きい時、フルモードが選択されている時、さらにはデフロスタモード時には、ステップS97にて空調必要電力を使用設定電力として設定している(換言すると、エアコンユニット6の能力を低めに設定するのを禁止する)ため、快適性や安全性(視界確保)を確保することができる。
【0093】
(第2実施形態)
次に、図8に示す第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態における車両制御装置5のエアコン制御に関連する制御処理(図7参照)を一部変更したもので、その他の点は基本的に第1実施形態と共通である。また、本実施形態の装置は、停車中はエンジン1を停止させるとともに、走行中は走行条件(主に車速と走行負荷)に応じてエンジン1の運転および停止を制御するハイブリッド車に適用される。
【0094】
図8において、ステップS810にてイニシャライズおよび初期設定後、ステップS811にて車速、バッテリ4の充電状態およびアクセルペダル踏み込み量を演算し、エアコンユニット6の空調必要電力を入力する。
【0095】
続いて、ステップS812では、車速とアクセルペダル踏み込み量とに基づいて、バッテリ充電モード走行時か、バッテリ放電モード走行時かを算出する。なお、バッテリ充電モード走行とは、エンジン1を運転する可能性の高い走行モード、すなわち、通常走行、高速・高負荷走行モードである。一方、バッテリ放電モード走行とは、エンジン1を運転する可能性の低い走行モード、すなわち、発進時、低速・低負荷走行モード、車両停車時である。ただし、減速、制動時はエンジン停止であるが、回生による充電モードであるので、バッテリ放電モード走行から除く。
【0096】
次いで、ステップS813では、ステップS812の算出結果と空調必要電力とに基づいて充電状態目標値を算出する。バッテリ放電モード走行時は線aで示すように、空調必要電力にかかわらず充電状態目標値を30%一定とし、バッテリ充電モード走行時は線bで示すように、空調必要電力の増加に伴って、充電状態目標値を50%から80%へ漸次高くする。そして、バッテリ充電残量が充電状態目標値以下になると、エンジン1により電動発電機2を駆動して電動発電機2に発電を行わせ、バッテリ4に充電を行うようになっている。
【0097】
続いて、ステップS814に進んで、ステップ813で算出した充電状態目標値を達成するように、エンジン制御装置3に対して制御信号を出力する。
【0098】
本実施形態によると、エンジン1を運転する可能性の高いバッテリ充電モード走行時に限って充電状態目標値を高くするため、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0099】
なお、本実施形態では、車速とアクセルペダル踏み込み量とに基づいて走行モードを分けているが、例えば車速のみに基づいて走行モードを分け、車速が高い領域をバッテリ充電モード走行とし、車速が低い領域をバッテリ放電モード走行としてもよい。
【0100】
(第3実施形態)
次に、図9に示す第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態における車両制御装置5のエアコン制御に関連する制御処理(図7参照)を一部変更したもので、その他の点は基本的に第1実施形態と共通である。また、本実施形態の装置は、停車中はエンジン1を停止させるとともに、走行中は走行条件(主に車速と走行負荷)に応じてエンジン1の運転および停止を制御するハイブリッド車に適用される。
【0101】
図9において、ステップS820にてイニシャライズおよび初期設定後、ステップS821にて車速、バッテリ4の充電状態、バッテリ4の放電電流およびアクセルペダル踏み込み量を演算し、エアコンユニット6の空調必要電力を入力する。
【0102】
続いて、ステップS822では、空調必要電力とバッテリ4の放電電流とに基づいて、充電状態目標値(充電開始目標値)を算出する。放電電流が大きい時は線aで示すように、空調必要電力にかかわらず充電状態目標値を30%一定とし、放電電流が小さい時は線bで示すように、空調必要電力の増加に伴って、充電状態目標値を50%から80%へ漸次高くする。そして、バッテリ充電残量が充電状態目標値以下になると、エンジン1により電動発電機2を駆動して電動発電機2に発電を行わせ、バッテリ4に充電を行うようになっている。
【0103】
続いて、ステップS823に進んで、ステップ822で算出した充電状態目標値を達成するように、エンジン制御装置3に対して制御信号を出力する。
【0104】
ここで、放電電流が大きいということは充電が行われておらず、エンジン1が運転されている可能性が低い。そして、放電電流が大きい時に充電状態目標値を低くすることにより、放電電流が大きい時(すなわち、エンジン1が運転されている可能性が低い状況下)に充電要となることが少なくなるため、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0105】
(第4実施形態)
次に、図10に示す第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態における車両制御装置5のエアコン制御に関連する制御処理(図7参照)を一部変更したもので、その他の点は基本的に第1実施形態と共通である。また、本実施形態の装置は、停車中はエンジン1を停止させるとともに、走行中は走行条件(主に車速と走行負荷)に応じてエンジン1の運転および停止を制御するハイブリッド車に適用される。
【0106】
図10において、ステップS830にてイニシャライズおよび初期設定後、ステップS831にて車速、バッテリ4の充電状態およびアクセルペダル踏み込み量を演算し、エアコンユニット6の空調必要電力を入力する。
【0107】
続いて、ステップS832では、車速とアクセルペダル踏み込み量とに基づいて、バッテリ充電モード走行時か、バッテリ放電モード走行時かを算出する。なお、バッテリ充電モード走行とは、エンジン1を運転する可能性の高い走行モード、すなわち、通常走行、高速・高負荷走行モードである。一方、バッテリ放電モード走行とは、エンジン1を運転する可能性の低い走行モード、すなわち、発進時、低速・低負荷走行モード、車両停車時である。ただし、減速、制動時はエンジン停止であるが、回生による充電モードであるので、バッテリ放電モード走行から除く。
【0108】
続いて、ステップS833では、充電状態と走行モードとによって定数Kを求め、その定数Kと空調必要電力とを乗算して空調使用可能電力を算出する。バッテリ充電モード走行時の定数Kは線dで示すように、充電状態すなわちバッテリ充電残量が10%以下では0、10%から20%の間では0.5、20%から50%の間ではバッテリ充電残量の増加に伴って漸次増加し、50%以上では1となる。一方、バッテリ放電モード走行時の定数Kは線cで示すように、バッテリ充電残量が10%以上の領域では、バッテリ充電モード走行時の定数Kよりも0.2小さくなっている。
【0109】
次に、ステップS834に進み、ステップS833で算出した空調使用可能電力をエアコン制御装置7に出力し、続いて、ステップ835では充電状態目標値を達成するようにエンジン制御装置3に対して制御信号を出力する。
【0110】
本実施形態によると、バッテリ放電モード走行時にはエアコンユニット6の使用電力を空調必要電力以下に制限しているため、この時のバッテリ4への負荷が少なくなり、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0111】
なお、本実施形態では、車速とアクセルペダル踏み込み量とに基づいて走行モードを分けているが、例えば車速のみに基づいて走行モードを分け、車速が高い領域をバッテリ充電モード走行とし、車速が低い領域をバッテリ放電モード走行としてもよい。
【0112】
(第5実施形態)
次に、図11、図12に示す第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態におけるエアコン制御装置7の制御処理(図6参照)および車両制御装置5のエアコン制御に関連する制御処理(図7参照)を一部変更したもので、その他の点は基本的に第1実施形態と共通である。また、本実施形態の装置は、停車中はエンジン1を停止させるとともに、走行中は走行条件(主に車速と走行負荷)に応じてエンジン1の運転および停止を制御するハイブリッド車に適用される。
【0113】
図11は、車両制御装置5のエアコン制御に関連する制御処理を示すもので、ステップS840にてイニシャライズおよび初期設定後、ステップS841にて車速、バッテリ4の充電状態およびアクセルペダル踏み込み量を演算し、エアコンユニット6の空調必要電力および外気温度TAMを入力する。続いて、ステップS842では、空調必要電力とエンジン1の状態とに基づいて、充電状態目標値を算出する。
【0114】
続いて、ステップS843では、外気温度TAMとエンジン状態とに応じて第1空調使用可能電力Aを算出し、エンジン回転数に応じて第2空調使用可能電力Bを算出する。
【0115】
ここで、第1空調使用可能電力Aは、エンジン停止中は特性線eにより算出し、エンジン運転中は特性線fにより算出する。なお、エンジン停止中は、エンジン運転中よりも、第1空調使用可能電力Aは低めに設定されている。そして、第1空調使用可能電力Aは、外気温度TAMが例えば10℃以下の低外気温域では低い値の一定値で、外気温度TAMが10℃から例えば30℃の間では外気温度TAMの上昇に伴って漸次増加し、外気温度TAMが30℃以上の高外気温域では高い値の一定値である。
【0116】
一方、第2空調使用可能電力Bは、エンジン回転数が例えば1000rpm以下の低回転域では低い値の一定値、エンジン回転数が1000rpmから例えば2000rpmの間では高い値の一定値であり、エンジン回転数が2000rpmから例えば3000rpmの間ではエンジン回転数の上昇に伴って漸次減少し、エンジン回転数が3000rpm以上の高回転域では低い値の一定値である。
【0117】
次に、ステップS844に進み、ステップS843で算出した2つの空調使用可能電力A、Bをエアコン制御装置7に出力し、続いて、ステップ845では充電状態目標値を達成するようにエンジン制御装置3に対して制御信号を出力する。
【0118】
図12はエアコン制御装置7の制御処理を示すもので、第1実施形態におけるエアコン制御装置7の制御処理(図6参照)において、ステップS93を廃止し、ステップS94aを追加したものである。このステップS94aでは、車両制御装置5で算出した2つの空調使用可能電力A、Bのうち低い値の方を、空調使用可能電力として決定する。
【0119】
続いて、ステップ95の判定結果がYESの場合はステップ97に進み、空調必要電力を使用設定電力として設定し、ステップS98では、この使用設定電力に基づいて電動圧縮機41の回転数を決定する。
【0120】
一方、ステップ95の判定結果がNOの場合はステップ96に進み、ステップS94aで決定した空調使用可能電力を使用設定電力として設定し、ステップS98では、この使用設定電力に基づいて電動圧縮機41の回転数を決定する。
【0121】
本実施形態では、ステップS843において、エンジン停止中はエンジン運転中よりも第1空調使用可能電力Aが低めに設定されるため、エンジン停止中のバッテリ4への負荷を少なくして、エンジン停止時間を長くすることができる。また、ステップS843において、電動圧縮機41の運転をあまり必要としない低外気温域では、高外気温域よりも第1空調使用可能電力Aが低めに設定されるため、低外気温時のバッテリ4への負荷を少なくして、エンジン停止時間を長くすることができる。従って、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。
【0122】
また、ステップS843において、エンジン高回転域では第2空調使用可能電力Bが低めに設定される。
【0123】
ところで、エンジン回転数が高い場合は、一般的には走行負荷が高く、従って、電動発電機2も大きな駆動力を発生するためにその電力使用量が多い状態と推定される。ここで、ステップS843において、エンジン高回転域では第2空調使用可能電力Bが低めに設定されるため、電動発電機2の電力使用量が多い状態と推定される状況下での、車両全体としての電力使用量が過剰になるのを防止できる。
【0124】
(第6実施形態)
次に、図13に示す第6実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態における車両制御装置5のエアコン制御に関連する制御処理(図7参照)のステップS803を、図13のステップS803aに変更したもので、その他の点は基本的に第1実施形態と共通である。また、本実施形態の装置は、停車中はエンジン1を停止させるとともに、走行中は走行条件(主に車速と走行負荷)に応じてエンジン1の運転および停止を制御するハイブリッド車に適用される。
【0125】
図13のステップS803aでは、車両が加速状態にあるのか減速状態にあるのかを車速から判別すると共に、車速から求めた車速変化率、すなわち加減速度、から係数C1を求め、その係数C1と空調必要電力とを乗算して空調使用可能電力を算出する。
【0126】
ここで、加速時の係数C1は、加速度が0〜0.1Gの範囲では1.0で、加速度が0.1から0.2Gの範囲では加速度の増加に伴って0.8まで漸次減少し、加速度が0.2G以上では0.8で一定である。また、減速時の係数C1は、減速度が0〜−0.1Gの範囲では1.0で、減速度が−0.1から−0.2Gの範囲では減速度の増加に伴って1.2まで漸次増加し、減速度が−0.2G以上では1.2で一定である。
【0127】
ところで、加速時のように走行負荷が高い場合は、電動発電機2も大きな駆動力を発生するためにその電力使用量が多い状態と推定される。ここで、ステップS803aにおいて、加速時には定速走行時よりも空調使用可能電力が低めに設定されるため、電動発電機2の電力使用量が多い状態と推定される状況下での、車両全体としての電力使用量が過剰になるのを防止できる。
【0128】
一方、減速時には回生制動により電動発電機2が発電を行うので、ステップS803aでは、減速時には定速走行時よりも空調使用可能電力を高めに設定するようにしている。これにより、電動発電機2が発電機機能を発揮している時にはエアコンユニット6の能力を高く設定することにより、快適性を確保することができる。
【0129】
なお、本実施形態では、加減速度から走行負荷を推定して加速時の空調使用可能電力を低めに設定したが、アクセルペダル踏み込み量から走行負荷を推定し、アクセルペダル踏み込み量が大きいほど空調使用可能電力を低めに設定するようにしてもよい。
【0130】
また、加速度またはアクセルペダル踏み込み量が所定値以上になった場合に、所定時間だけ電動圧縮機41で使用する電力を0にし、すなわち、所定時間だけ電動圧縮機41を停止し、所定時間経過後に、電動圧縮機41を停止する以前の制御に戻るようにしてもよい。
【0131】
(他の実施形態)
(a)上記第1実施形態では、エンジン1が運転中か否かによって充電状態目標値(充電開始目標値)を変更するようにしたが(図7のステップ802参照)、エンジン1の出力(エンジン回転数とトルクから算出、あるいはアクセルペダル踏み込み量から推定)が所定値以上の高出力時の充電状態目標値を、エンジン1の出力が所定値未満の低出力時の充電状態目標値よりも高く設定してもよい。
【0132】
これによると、高出力時に充電が行なわれることが多くなり、このような高出力時には一般的にはエンジン熱効率が高いため、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。さらに、高出力時には一般的にはエンジン回転数が高いため発電効率が高くなる。
【0133】
(b)上記第1実施形態では、エンジン1が運転中か否かによって充電状態目標値(充電開始目標値)を変更するようにしたが(図7のステップ802参照)、車速が所定速度以下の低速走行時にはエンジン1を極力停止させるようにしたハイブリッド車においては、車速が所定速度以下の時の充電状態目標値を、車速が所定速度超の時の充電状態目標値よりも低く設定してもよい。
【0134】
これによると、低速走行時に充電が行なわれることが少なくなるため、エンジン運転頻度の低い低速走行時に、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなる。従って、低速走行時のエンジン1の頻繁な起動が低減され、それによって燃費の向上、環境破壊物質排出量の低減、ドライバビリティの向上、騒音振動の低減等が図られる。
【0135】
(c)バッテリ4の放電量(具体的には、バッテリ4から放電される電流値または電力値)が大きい時は、エアコンユニット6の能力を低く設定することにより、エンジン停止中のバッテリ4への負荷を少なくして、エンジン停止時間を長くすることができる。これにより、放電量が大きい時(すなわち、エンジン1が運転されている可能性が低い状況下)に充電要となることが少なくなるため、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。一方、バッテリ4の放電量が小さい時は、エアコンユニット6の能力を高く設定することにより、快適性を確保することができる。
【0136】
(d)充電開始目標値よりも高い値を高充電状態値として設定し、バッテリ4の充電残量が高充電状態値以下の時はエアコンユニット6の能力を低めに設定することができる。
【0137】
これによると、バッテリ4の充電残量が高充電状態値から充電開始目標値まで減少する間のバッテリ4への負荷を少なくして、エンジン停止時間を長くすることができる。従って、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなり、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。一方、バッテリ4の充電残量が高充電状態値を超える時はエアコンユニット6の能力を高く設定することにより、快適性を確保することができる。
【0138】
(e)上記第1実施形態では、電動発電手段として、電動機機能と発電機機能を共に備える電動発電機2を用いたが、電動機機能を備える電動機と発電機機能を備える発電機とをそれぞれ独立して(すなわち別体に)設け、その電動機と発電機とにより電動発電手段を構成してもよい。
【0139】
(f)上記各実施形態中のエアコンユニット6の能力を低く設定する具体例としては、エアコンユニット6の使用電力を空調必要電力以下に制限する、あるいは、冷房時で言えば目標蒸発器吹出空気温度TEOを(図6のステップS91参照)、フルモードよりも高めに設定する等の方法がある。
【0140】
(g)エンジン1の冷却水のみで十分な暖房能力が得られない場合には、空調空気の加熱源として電気ヒータ(例えばPTCヒータ)を併設してもよい。この場合、その電気ヒータの消費電力を含めて空調必要電力を算出する。
【0141】
(h)例えば冷凍サイクル40中の凝縮器42および蒸発器45の機能を逆転するように冷媒の流れを切り替え可能にして暖房機能も得られるようにしたヒートポンプシステムにも、本発明は適用することができる。
【0142】
(i)蒸発器吸込空気温度TINは、内気温度、外気温度、および内外気割合から演算で算出してもよい。それにより、蒸発器吸込空気温度センサ74を省略することができる。
【0143】
(j)電動発電機2が走行用電動機機能を発揮している時は、電動発電機2が発電機機能を発揮している時よりも、エアコンユニット6の能力を低めに設定することができる。
【0144】
これによると、電動発電機2が電力を使用している状況下で、エアコンユニット6の能力を低めに設定してエアコンユニット6の電力使用量を制限することにより、車両全体としての電力使用量が過剰になるのを防止できる。このため、バッテリへの負荷が少なくなって充電要となりにくいため、充電のためだけにエンジン1の運転が開始される頻度が低くなる。従って、エンジン1の頻繁な起動が低減され、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図ることができる。一方、電動発電機2が発電機機能を発揮している時にはエアコンユニット6の能力を高く設定することにより、快適性を確保することができる。
【0145】
(k)燃料電池を備える燃料電池車においては、燃料電池が非発電中には発電中よりもエアコンユニット6の能力を低めに設定することにより、非発電から要発電へと切り替わる頻度を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の第1実施形態になる空調装置を搭載したハイブリッド車の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す空調装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】図1に示す空調装置の制御系を示すブロック図である。
【図4】図3に示すコントロールパネルの平面図である。
【図5】図1に示すエアコン制御装置7の基本的な制御処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS9の制御処理を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す車両制御装置5においてエアコン制御に関連する制御処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態になる空調装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態になる空調装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図10】第4実施形態になる空調装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図11】第5実施形態になる空調装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図12】第5実施形態になる空調装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図13】第6実施形態になる空調装置の制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0147】
1…走行用エンジン、2…電動発電機、4…バッテリ、6…エアコンユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用エンジン(1)と、走行用電動機機能および発電機機能を発揮する電動発電手段(2)と、この電動発電手段(2)に電力を供給するバッテリ(4)とを備え、 走行条件に応じて前記走行用エンジン(1)の運転および停止を制御するとともに、前記バッテリ(4)の充電残量が充電開始目標値以下になると、前記走行用エンジン(1)により前記電動発電手段(2)を駆動して前記バッテリ(4)に充電を行うようにしたハイブリッド車に搭載される空調装置において、
前記バッテリ(4)から電力を供給されて車室内の空調を行うエアコンユニット(6)を備え、
前記エアコンユニット(6)は、前記バッテリ(4)から電力を受けて作動して冷媒を圧縮する電動圧縮機(41)を有し、 走行中における前記走行用エンジン(1)の停止中は、走行中における前記走行用エンジン(1)の運転中よりも、前記電動圧縮機(41)を含む前記エアコンユニット(6)における使用電力を制限することで、前記エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを特徴とするハイブリッド車用空調装置。
【請求項2】
前記走行用エンジン(1)よる発電効率が所定効率以下のときには、前記走行用エンジン(1)よる発電効率が前記所定効率を超えているときに比べて、前記エアコンユニット(6)の能力を低めに設定する請求項1に記載のハイブリッド車用空調装置。
【請求項3】
前記発電効率は、前記走行用エンジン(1)の回転数によって判定し、前記走行用エンジン(1)の回転数が所定回転数以下のときには、前記走行用エンジン(1)の回転数が前記所定回転数を超えているときに比べて、前記エアコンユニット(6)の空調能力を低くすることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車用空調装置。
【請求項4】
空調熱負荷が大きい状態、車両窓ガラスに空気を吹き出すデフロスタモード状態、および車室内の快適性を重視した空調制御を行うフルモード状態のうちいずれか1つの状態の時は、前記エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを禁止することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載のハイブリッド車用空調装置。
【請求項5】
前記車室内の温度を任意に設定された設定温度に調整するために前記エアコンユニット(6)が必要とする空調必要電力を演算し、
前記エアコンユニット(6)の使用電力を前記空調必要電力よりも小さい所定値に制限することにより、前記エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のハイブリッド車用空調装置。
【請求項6】
前記電動発電手段(2)は、前記電動機機能と発電機機能とを共に備える電動発電機であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のハイブリッド車用空調装置。
【請求項7】
前記電動機機能を備える電動機と前記発電機機能を備える発電機とがそれぞれ独立して設けられ、前記電動機と前記発電機とにより前記電動発電手段(2)が構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のハイブリッド車用空調装置。
【請求項8】
前記所定回転数を第1回転数とし、前記走行用エンジン(1)の回転数が前記第1回転数より高い所定の第2回転数以上の時には、前記走行用エンジン(1)の回転数が前記第1回転数以上前記第2回転数未満の時よりも、前記エアコンユニット(6)の能力を低めに設定することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車用空調装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−150035(P2008−150035A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330629(P2007−330629)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【分割の表示】特願2005−36266(P2005−36266)の分割
【原出願日】平成13年11月19日(2001.11.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】