説明

ハイブリッド電源システム

【課題】本発明は、ハイブリッド電源システムに関するものである。
【解決手段】本発明のハイブリッド電源システムは、互いに直列した複数の電力モジュールを含む。各々の前記電力モジュールは、一つの燃料電池ユニット及び一つのリチウムイオン電池ユニットを含み、前記燃料電池ユニットは、互いに直列した少なくとも二つの燃料電池単体を含み、前記リチウムイオン電池ユニットは、一つのリチウムイオン電池単体又は互いに並列した少なくとも二つの前記リチウムイオン電池単体を含み、各々の前記電力モジュールにおいて、前記燃料電池ユニットは、前記リチウムイオン電池ユニットと並列して、前記リチウムイオン電池ユニットを充電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大気汚染等の問題により、リチウム電池及び燃料電池を含むハイブリッド電源システムを用いた電気自動車が注目されている。現有のハイブリッド電源システムは、直列接続された複数の燃料電池を備えた燃料電池グループ及び直列接続された複数のリチウムイオン電池を備えたリチウムイオン電池グループを備え、前記ハイブリッド電源システムの前記燃料電池グループ及び前記リチウムイオン電池グループは、それぞれ/共に電気自動車にエネルギーを提供する。
【0003】
前記燃料電池グループ及び前記リチウムイオン電池グループを貯蔵或いは供給エネルギー源とする前記ハイブリッド電源システムは、前記燃料電池グループ全体から前記リチウムイオン電池グループ全体に対して充電する(特許文献1を参照)。しかし、前記リチウムイオン電池グループにおける各々のリチウムイオン電池単体の性能は、生産過程等で起こる誤差により異なるため、前記リチウムイオン電池グループにおけるリチウムイオン電池単体間の充/放電能率も異なる。従って、前記リチウムイオン電池グループに充/放電する際、リチウムイオン電池単体の一つが過放電されたり、或いは過充電されたりする可能性があるため、前記リチウムイオン電池グループの安全性、充/放電容量及び充/放電サイクルの寿命に影響を及ぼす。
【0004】
以上の問題を解決するために、従来の技術では、バッテリーマネージメントシステム(Battery Management System、BMS)を利用して、前記リチウムイオン電池グループに対して充/放電制御を行う。これにより、前記リチウムイオン電池グループにおけるリチウムイオン電池単体間の充/放電能率の差異性を解決する(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−325392号公報
【特許文献2】特表2009−527873号公報
【0006】
しかしながら、従来技術のバッテリーマネージメントシステムを利用する方法は、前記リチウムイオン電池グループの容量に対する有効利用率が低い。また、バッテリーマネージメントシステムの構造は複雑であり、且つコストも高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、充/放電サイクルの寿命が長く、且つコストが低いハイブリッド電源システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のハイブリッド電源システムは、互いに直列した複数の電力モジュールを含む。各々の前記電力モジュールは、一つの燃料電池ユニット及び一つのリチウムイオン電池ユニットを含み、前記燃料電池ユニットは、互いに直列した少なくとも二つの燃料電池単体を含み、前記リチウムイオン電池ユニットは、一つのリチウムイオン電池単体又は互いに並列した少なくとも二つの前記リチウムイオン電池単体を含み、各々の前記電力モジュールにおいて、前記燃料電池ユニットは、前記リチウムイオン電池ユニットと並列して、前記リチウムイオン電池ユニットを充電する。
【0009】
また、互いに直列した複数の前記電力モジュールにおいて、前記燃料電池ユニットは互いに直列し、前記リチウムイオン電池ユニットと互いに直列する。
【発明の効果】
【0010】
従来の技術と比べると、本発明のハイブリッド電源システムにおいて、各々のリチウムイオン電池ユニットは、それぞれ前記各々のリチウムイオン電池ユニットに対応する燃料電池ユニットによって、充電管理が行われるので、直列した前記リチウムイオン電池ユニット間の充電/放電の不整合を回避することができる。従って、前記リチウムイオン電池ユニットの寿命を延ばすことができる。さらに、直列した前記リチウムイオン電池ユニットから外部負荷に提供する有効電力の利用率が増加する。また、バッテリーマネージメントシステムにおいて、前前記リチウムイオン電池ユニット間の充電/放電の不整合を調整するために使用される従来の制御回路を除外することができるので、前記バッテリーマネージメントシステムの回路設置が簡略化でき、且つそのコストも削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1に係るハイブリッド電源システムの構造を示す図である。
【図2】図1に示すハイブリッド電源システムの一つの電力モジュールの構造を示す図である。
【図3】図2に示す電力モジュールの燃料電池ユニット及びリチウムイオン電池ユニットの放電特性曲線を示す図である。
【図4】図2に示す電力モジュールの、外部負荷の作業電流が燃料電池ユニットの最大出力電流より小さい場合、適宜電力を提供する際の電圧−電流曲線を示す図である。
【図5】図2に示す電力モジュールの、外部負荷の作業電流が燃料電池ユニットの最大出力電流より大きい場合、適宜電力を提供する際の電圧−電流曲線を示す図である。
【図6】図2に示す電力モジュールの、外部負荷に適宜電力を提供し、電力モジュールの燃料電池ユニットから適宜リチウムイオン電池ユニットを充電する際の電圧−電流曲線を示す図である。
【図7】図1に示すハイブリッド電源システムのバッテリーマネージメントシステムの機能ブロック図である。
【図8】本発明の実施例2に係るハイブリッド電源システムの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明のハイブリッド電源システムの実施例について説明する。
【0013】
(実施例1)
図1及び図2を参照すると、本実施例1のハイブリッド電源システム100は、互いに直列した複数の電力モジュール10を含む。各々の前記電力モジュール10は、一つの燃料電池ユニット12及び一つのリチウムイオン電池ユニット14を含み、前記燃料電池ユニット12は、前記リチウムイオン電池ユニット14と並列する。前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14の少なくとも一つは、外部負荷に電力を供給することができる。各々の前記電力モジュール10は、更に、前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14に直列したスイッチング素子(図示せず)を含む。前記スイッチング素子は、前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に充電することを制御するために用いられる。
【0014】
また、各々の前記電力モジュール10は、更にバッテリーマネージメントシステム16も含む。前記バッテリーマネージメントシステム16は、前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に充電する間、前記燃料電池ユニット12の放電時間及び前記リチウムイオン電池ユニット14の放電時間を制御するために用いられ、且つ、前記燃料電池ユニット12の燃料及びオキシダントの供給を制御するために用いられる。
【0015】
前記燃料電池ユニット12は、互いに直列した少なくとも二つの燃料電池単体120を含み、該燃料電池単体120は燃料及びオキシダントを共用する。前記燃料は水素又はメタノールであり、前記オキシダントは空気である。本実施例において、前記燃料は水素であり、前記オキシダントは空気である。前記燃料電池ユニット12の開回路電圧は、前記リチウムイオン電池ユニット14の充電カットオフ電圧の2倍〜4倍であるが、2倍であることが好ましい。
【0016】
前記リチウムイオン電池ユニット14の充電電流の過剰により、前記リチウムイオン電池ユニット14の使用寿命を減らすことを防止するために、前記燃料電池ユニット12の短絡電流は、前記リチウムイオン電池ユニット14の最大充電電流より小さいか、又は同じであることが好ましい。ここで、前記燃料電池ユニット12の短絡電流とは、前記燃料電池ユニット12の出力端が短絡する際、前記燃料電池ユニット12内で流す電流を示す。前記燃料電池単体120は、アルカリ燃料電池、固体酸化物型燃料電池又はプロトン交換膜型燃料電池である。前記燃料電池ユニット12における前記燃料電池単体120の数量は、前記リチウムイオン電池ユニット14の充電カットオフ電圧によって決まる。前記燃料電池ユニット12における前記燃料電池単体120のシリーズ電圧は前記リチウムイオン電池ユニット14の充電カットオフ電圧より大きければよい。本実施例において、前記燃料電池ユニット12は、開回路電圧が1Vである六つの前記燃料電池単体120からなる。
【0017】
前記リチウムイオン電池ユニット14は、一つの前記リチウムイオン電池単体140又は互いに並列した少なくとも二つの前記リチウムイオン電池単体140を含む。本実施例において、各々の前記リチウムイオン電池ユニット14は、並列した三つの前記リチウムイオン電池単体140を含む。前記リチウムイオン電池ユニット14における前記リチウムイオン電池単体140は互いに並列しているので、各々の前記リチウムイオン電池単体140が過充電されることを防止することができる。前記リチウムイオン電池単体140は、リン酸鉄リチウム電池、リチウムコバルト酸化物電池、リチウムマンガン酸化物電池又はリチウムコバルト酸化マンガン電池であることができる。前記リチウムイオン電池単体140がリン酸鉄リチウム電池である場合、前記リチウムイオン電池単体140の作業電圧は2.5V〜3.6Vであり、前記リチウムイオン電池単体140がリチウムマンガン酸化物電池である場合、前記リチウムイオン電池単体140の作業電圧は3V〜4Vである。前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に充電される際、前記リチウムイオン電池ユニット14は充電カットオフ電圧を有する。前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に放電される際、前記リチウムイオン電池ユニット14は放電カットオフ電圧を有する。ここで、前記リチウムイオン電池ユニット14の充電カットオフ電圧とは、前記リチウムイオン電池ユニット14によって受け入れできる最大充電電圧を示す。また、前記リチウムイオン電池ユニット14の放電カットオフ電圧とは、外部負荷に電力を供給できる最大放電電圧を示す。本実施例において、前記リチウムイオン電池単体140は前記リチウムコバルト酸化物電池である。前記リチウムコバルト酸化物電池の充電カットオフ電圧は4.2Vであり、放電カットオフ電圧は3.2Vであり、放電容量は3Ahである。
【0018】
各々の前記電源モジュール10において、前記リチウムイオン電池ユニット14は、前記燃料電池ユニット12と並列する。前記燃料電池ユニット12の固有の放電特性によって、前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に適宜充電することができる。また、前記リチウムイオン電池ユニット14及び前記燃料電池ユニット12の固有の放電特性によって、各々の前記電源モジュール10から外部負荷に適宜電力を供給することができる。適宜充電すること及び適宜に電力供給することは、前記リチウムイオン電池ユニット14及び前記燃料電池ユニット12の固有の充電放電特性による、前記リチウムイオン電池ユニット14及び前記燃料電池ユニット12間の動態的なマッチングプロセスである。
【0019】
適宜に充電すること又は適宜に外部負荷に電力を供給するプロセスは、それぞれ図3及び図6を参照する。先ず、図3を参照すると、曲線Lは前記燃料電池ユニット12の放電曲線である。曲線Lは前記リチウムイオン電池ユニット14の放電曲線である。前記曲線Lにおいて、前記燃料電池ユニット12の出力電流Iは、該燃料電池ユニット12の出力電圧Uの減少に伴い次第に増加している。また、前記曲線Lにおいて、前記リチウムイオン電池ユニット14は、定電流で放電され、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電圧Uは、前記リチウムイオン電池ユニット14の放電時間tの増加に伴い次第に減少しているが、前記リチウムイオン電池ユニット14の電力がほぼ使い果たされた際、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電圧Uは急激に減少する。
【0020】
図4は、前記電源モジュール10の第一状態を表し、外部負荷に適宜電源を供給する過程を示す図であり、外部負荷によって必要とされる作業電流Ioが、前記燃料電池ユニット12の最大出力電流より小さい状態を示す。曲線LOIは、前記電源モジュール10の作業電流Ioを示す曲線である。曲線LLIは、前記電源モジュール10の放電過程において、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電流Iを示す曲線である。曲線LFIは、前記電源モジュール10の放電過程において、前記燃料電池ユニット12の出力電流Iを示す曲線である。曲線LOVは、前記電源モジュール10の出力電圧Uを示す曲線である。曲線LLVは、独立して外部負荷に電力を供給する前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電圧Uを示す曲線である。
【0021】
前記電源モジュール10は、外部負荷に対して所定の作業電流Ioを提供する。放電の初期段階では、並列した前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電圧Uは高い。この時、前記リチウムイオン電池ユニット14は、外部負荷の電力の主要な出力源である。また、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電流Iが次第に減少すると、前記燃料電池ユニット12の出力電流Iは増加する。前記電源モジュール10の出力電圧Uは、放電時間がtの際、Uまで減少し、この時、前記電源モジュール10の前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電流Iはゼロまで低下し、前記燃料電池ユニット12の出力電流Iは作業電流Ioまで増加する。前記放電時間がtの際、前記燃料電池ユニット12は、外部負荷の電力の主要な出力源であり、前記リチウムイオン電池ユニット14は外部負荷に電力を供給することができない。前記放電時間t後に、前記リチウムイオン電池ユニット14は、前記燃料電池ユニット12と並列しているので、外部負荷に最大の電力を供給するために、前記電源モジュール10の出力電圧Uは、所定の出力電圧Uに維持される。逆に、例えば時間t後に、外部負荷が前記リチウムイオン電池ユニット14によって唯一電力を供給した場合、曲線LLVで示すように、外部負荷は短時間で電源を受け取ることができなくなる。
【0022】
図5は、前記電源モジュール10の第二状態を表し、外部負荷に適宜電源を供給する過程を示す図であり、外部負荷によって必要とされる作業電流Ioが、前記燃料電池ユニット12の最大出力電流より大きい状態を示す。図5は図4に類似し、前記電源モジュール10の放電時間の延長に伴い、前記電源モジュール10の出力電圧Uは次第に減少し、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電流Iは次第に減少すると共に、前記燃料電池ユニット12の出力電流Iは次第に増加する。また、前記燃料電池ユニット12の出力電流Iが増加して最大出力電流に近づくと、出力電流Iの増加幅は小さくなると共に、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電流Iは減少する。このように、所定の時間の経過後、前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14によって提供される出力電流は、外部負荷が必要とする作業電流Ioよりも小さくなる。従って、このような場合、前記リチウムイオン電池ユニット14の過放電を防ぐために、電源供給を停止する必要がある。
【0023】
図6は、前記電源モジュール10の作業工程を示す図である。該作業工程において、前記電源モジュール10は、外部負荷に適宜電力を供給し、前記燃料電池ユニット12は、前記リチウムイオン電池ユニット14に適宜充電する。放電時間がゼロからtまでの間に、前記電源モジュール10の出力電流は定電流を維持し、前記電源モジュール10の出力電圧Uは、放電時間tの増加に伴いUからUまで減少する。この時、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電流Iは次第に減少し、前記燃料電池ユニット12の出力電流Iは増加する。即ち、前記変化規律は図4及び図5に類似する。
【0024】
図6の曲線LF−Lは、前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に充電する充電電流IF−Lを示す曲線である。放電時間がtからtまでの間、前記電源モジュール10は外部負荷に電力を提供することを停止し、前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に充電する。この時、前記電源モジュール10の出力電圧UはUからUまで増加し、前記燃料電池ユニット12の出力電流又は充電電流IF−Lは次第に減少する。放電時間がtからtまでの間、前記電源モジュール10は外部負荷に電力を提供し続け、前記電源モジュール10の出力電圧UはUからUまで減少する。放電時間tに達する際、前記電源モジュール10の出力電流はIからIに減少する。放電時間tからtまでの間、前記燃料電池ユニット12は、外部負荷に電力を供給できるだけでなく、前記リチウムイオン電池ユニット14の電流が、必要とする出力電流(I)より小さくなると、前記燃料電池ユニット12は前記リチウムイオン電池ユニット14に充電することができる。前記リチウムイオン電池ユニット14が充電された後、前記電源モジュール10の出力電圧UはUからUまで増加する。放電時間がtを超えると、前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14は、外部負荷に電力を提供する。
【0025】
前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14は並列しているため、前記電源モジュール10は、適宜調整することにより外部負荷に電流を出力でき、且つ前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14間で、適宜充電電流を調整することができ、また、前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電圧は同時に増加、又は減少する。従って、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電圧が、自身が充電されるために必要とする段階まで減少すると、前記燃料電池ユニット12の出力電圧も減少し、これに応じて前記燃料電池ユニット12の出力電流は増加する。また、前記燃料電池ユニット12の増加した出力電流によって、前記リチウムイオン電池ユニット14に充電する。
【0026】
図7を参照すると、前記バッテリーマネージメントシステム16は、過充電保護回路160と、過放電保護回路162と、検出回路164及び制御回路166と、を含む。前記過充電保護回路160は、前記燃料電池ユニット12により、前記リチウムイオン電池ユニット14に対する過充電を防止するために用いられる。前記放電回路162は、燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14の過放電を防止するために用いられる。前記検出回路164は、前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14の電圧、温度などのデータを検出するために用いられる。前記制御回路166は、前記検出回路164によって検出されたデータにより、前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14の充放電を制御する。
【0027】
前記制御回路166において、前記リチウムイオン電池ユニット14の充電カットオフ電圧、放電カットオフ電圧などのデータはプリセットされている。前記制御回路166は、前記検出回路164によって検出された前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電圧を、前記リチウムイオン電池ユニット14のプリセットされた充電カットオフ電圧及び放電カットオフ電圧と比較することにより、前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に充電を行うかどうかを判断し、且つどの前記リチウムイオン電池ユニット14に対して過充電保護/過放電保護を行うかを判断する。また、前記制御回路166は、前記検出回路164から検出された前記リチウムイオン電池ユニット14及び前記燃料電池ユニット12の温度、電流などのデータにより、前記電源モジュール10が加熱されて破損することを防止し、且つ前記検出回路164によって、前記燃料電池ユニット12の出力電圧を検出することにより、前記燃料電池ユニット12に対する燃料及び酸化剤の供給を制御することができる。また、前記検出回路164によって、前記燃料電池ユニット12の温度を検出することにより、該燃料電池ユニット12を冷却するために使用される冷却水の循環を制御することもできる。
【0028】
前記バッテリーマネージメントシステム16は、更にアンチリバース充電回路168を備える。前記燃料電池ユニット12が作動しない際、該アンチリバース充電回路168の電圧は前記リチウムイオン電池ユニット14より低い。従って、この際、前記リチウムイオン電池ユニット14が、前記燃料電池ユニット12に対して充電すること防止するために使用される。また、前記アンチリバース充電回路168は、ダイオードによっても実現することができる。
【0029】
前記バッテリーマネージメントシステム16は、電圧、温度などのデータを検出し、且つ該検出されたデータによって、前記燃料電池ユニット12から前記リチウムイオン電池ユニット14に充電する時間を確認するが、この時、前記燃料電池ユニット12から適宜前記リチウムイオン電池ユニット14に充電する過程に対して影響は与えない。
【0030】
互いに直列した前記電源モジュール10を含む複数の前記ハイブリッド電源システム100において、各々の前記電源モジュール10の互いに直列した前記燃料電池ユニット12は、燃料電池モジュールを形成する。また、各々の前記電源モジュール10の互いに直列した前記リチウムイオン電池ユニット14は、リチウムイオン電池モジュールを形成する。該燃料電池モジュール及びリチウムイオン電池モジュールは互いに並列する。一つの実施例として、前記ハイブリッド電源システム100において、互いに直列した80の前記燃料電池ユニット12及び互いに直列された80の前記リチウムイオン電池ユニット14を含む。管理を簡略化するため、各々の前記電源モジュール10において、燃料及び酸化剤は、前記燃料電池ユニット12との間で共有することができる。
【0031】
図1を参照すると、前記ハイブリッド電源システム100は、更にコンバータ102を備える。前記コンバータ102は、互いに直列した複数の前記電源モジュール10と並列し、且つ前記ハイブリッド電源システム100の出力電圧を、外部負荷104の実際の作業電圧に変換する。前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14は、それぞれ又は共に前期外部負荷104に電源を提供する。前記コンバータ102は、直流−直流変換器(DC−DCコンバータ)又は直流−交流変換器(DC−ACコンバータ)である。
【0032】
また、実際の必要に応じて、前記ハイブリッド電源システム100は、前記電気コンバータ102を介して、前記外部負荷104に接続することができる。前記ハイブリッド電源システム100の出力電圧は、全ての前記電源モジュール10の出力電圧の和である。直列した前記リチウムイオン電池ユニット14及び直列した前記燃料電池ユニット12は、同時に又は交互に前記外部負荷104に電力を供給する。
【0033】
本発明の前記ハイブリッド電源システム100は車に対して使用する。車のスムーズな運転の場合は、電力は主に直列した前記燃料電池ユニット12によって提供される。加速、又は坂道発進の場合は、直列した前記燃料電池ユニット12及び前記リチウムイオン電池ユニット14の両方が電力を供給する。ブレーキをかける、下り坂を走行する、又は減速する場合、前記燃料電池ユニット12から対応する前記リチウムイオン電池ユニット14に充電される。また前記燃料電池ユニット12電力の供給を停止した際、例えば燃料の消耗或いは燃料電池ユニット12が故障した際、互いに並列した前記リチウムイオン電池ユニット14が電力を供給する。
【0034】
前記ハイブリッド電源システム100において、各々の前記リチウムイオン電池ユニット14は、それぞれ対応する前記燃料電池ユニット12によって、充電管理が行われるので、直列した前記リチウムイオン電池ユニット14間の充電/放電の不整合を回避することができ、従って、前記リチウムイオン電池ユニット14の寿命を延ばすことができる。さらに、直列した前記リチウムイオン電池ユニット14から外部負荷に提供する有効電力の利用率も増加する。また、前記バッテリーマネージメントシステム16において、前記リチウムイオン電池ユニット14間の充電/放電の不整合を調整するために使用される従来の制御回路を除外することができるので、前記バッテリーマネージメントシステム16の回路設置が簡略化でき、且つそのコストも削減することができる。また、前記リチウムイオン電池ユニット14は、並列した複数の前記リチウムイオン電池単体140を含むため、前記リチウムイオン電池ユニット14の出力電流を増加することができる。また、前記リチウムイオン電池ユニット14のうち、一つの前記リチウムイオン電池単体140が損傷した場合、他の前記リチウムイオン電池単体140が作動しているため、前記リチウムイオン電池ユニット14は正常に作業することができ、前記ハイブリッド電源システム100の信頼性を高める。また、燃料電池及びリチウムイオン電池は、類似の放電特性を持つため、前記燃料電池ユニット12は、前記リチウムイオン電池ユニット14の放容量に応じて、適宜前記リチウムイオン電池ユニット14を充電することができる。
【0035】
(実施例2)
図8を参照すると、本実施例2のハイブリッド電源システム100は、互いに直列した複数の燃料電池ユニット12及び互いに直列した複数のリチウムイオン電池ユニット14を含む。前記ハイブリッド電源システム100は、実施例1の前記ハイブリッド電源システム100と比べて、以下の点が異なる。互いに直列した複数の前記燃料電池ユニット12は、燃料電池スタック13を備える。前記燃料電池スタック13は、燃料入力口132と、燃料出力口134と、酸化剤入力口136及び酸化剤出力口138と、を含む。前記燃料電池スタック13は、対向する2つの側面を持ち、複数の前記燃料電池単体120は、前記燃料電池スタック13の前記対向する2つの側面の一つの側面からもう一つの側面に向かって配列設置される。前記燃料入力口132及び前記酸化剤入力口136は、前記燃料電池スタック13の前記対向する2つの側面の一つの側面に設置され、前記燃料出力134及び前記酸化剤出力口138は、前記燃料電池スタック13の前記対向する2つの側面のもう一つの側面に設置される。前記燃料入力口132から、各々の前記燃料電池単体120に燃料が供給され、前記酸化剤入力口136から、各々の前記燃料電池単体120に酸化剤が供給される。各々の前記燃料電池ユニット12は、正極リード122及び負極リード124を備え、該正極リード122及び負極リード124によって、各々の前記燃料電池ユニット12は、各々の前記リチウムイオン電池ユニット14と並列し、且つ前記リチウムイオン電池ユニット14に直接的に充電することができる。
【0036】
前記第二のハイブリッド電源システム100における複数の前記電源モジュール10は、前記一つのバッテリーマネージメントシステム16を共有する、又はそれぞれ一つのバッテリーマネージメントシステム16を含むことができる。本実施例において、複数の前記電源モジュール10は、前記一つのバッテリーマネージメントシステム16を共有する。前記第二のハイブリッド電源システム100は、前記一つのバッテリーマネージメントシステム16及び複数の前記電源モジュール10を含む場合、複数の前記電源モジュール10は、マルチプレクサを通じて前記一つのバッテリーマネージメントシステム16を共有させる。前記マルチプレクサは複数の独立回路を備え、該独立回路の数量は、前記電源モジュール10の数量と同じである。従って、前記バッテリーマネージメントシステム16に、前記リチウムイオン電池ユニット14間の充電/放電の不整合を調整するために使用する制御回路を設置する必要はない。従って、前記バッテリーマネージメントシステム16の内部回路を簡略化することができる。
【符号の説明】
【0037】
100 ハイブリッド電源システム
10 電源モジュール
12 燃料電池ユニット
13 燃料電池スタック
14 リチウムイオン電池ユニット
16 バッテリーマネージメントシステム
102 コンバータ
104 外部負荷
120 燃料電池単体
122 正極リード
124 負極リード
132 燃料入力口
134 燃料出力口
136 酸化剤入力口
138 酸化剤出力口
140 リチウムイオン電池単体
160 過充電保護回路
162 過放電保護回路
164 検出回路
166 制御回路
168 アンチリバース回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直列した複数の電力モジュールを含むハイブリッド電源システムであって、
各々の電力モジュールは、一つの燃料電池ユニット及び一つのリチウムイオン電池ユニットを含み、
前記燃料電池ユニットは、互いに直列した少なくとも二つの燃料電池単体を含み、
前記リチウムイオン電池ユニットは、一つのリチウムイオン電池単体又は互いに並列した少なくとも二つのリチウムイオン電池単体を含み、
各々の前記電力モジュールにおいて、前記燃料電池ユニットは、前記リチウムイオン電池ユニットと並列し、前記リチウムイオン電池ユニットに充電することを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項2】
互いに直列した複数の前記電力モジュールにおいて、前記燃料電池ユニットは互いに直列し、前記リチウムイオン電池ユニットと互いに並列することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電源システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−17382(P2013−17382A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−146831(P2012−146831)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】