説明

ハイブリドーマ及びハイブリドーマから得られた複数のビタミンD代謝物を認識できる抗体の作製方法

【課題】ハイブリドーマ及び25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作製方法の提供。
【解決手段】免疫原性が付与された、特定式で示されるハプテン、その塩、またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されている誘導体で、動物を免疫して作成したハイブリドーマから得られた、25−ヒドロキシビタミンD2及び25−ヒドロキシビタミンD3を認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作成方法、および、25−ヒドロキシビタミンD2及び25−ヒドロキシビタミンD3を認識する診断デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリドーマ及び複数の抗原に存在する1つのエピトープを認識することができる、前記ハイブリドーマから得られたモノクローナル抗体の作製方法に関する。特に、ハイブリドーマ及び複数のビタミンD代謝物、すなわち、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンDは、ビタミンDまたはエルゴカルシフェロール及びビタミンDまたはコレカルシフェロールを指す総称である。ヒトは、皮膚が紫外線太陽光に曝されると自然にビタミンDを作製する。ビタミンDは肝臓に運ばれ、そこで、体内を循環しているビタミンDの主な形である25−ヒドロキシビタミンDへと代謝される。19世紀以降、ビタミンDは食物を介して経口摂取が可能になり、太陽光にほとんど曝されることのない人々などにおけるビタミンD不足が補われるようになった。ビタミンDの経口摂取は、この数世紀その重要性を増し続けてきた。実際に、ビタミンDが体内でのカルシウム結合及び骨の石灰化において中心的な役割を担っていることは、広く知られている。さらに、ビタミンDは様々な代謝経路において重要な役割を果たしている。25−ヒドロキシビタミンD、特に、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDは、体内に最も容易に蓄積されるビタミンDの形である。これら2つの前駆体は、腎臓において、生物学的に活性な形である1α,25−ジヒドロキシビタミンDの形に変換される。1,25−ジヒドロキシビタミンDは、化学式(A)及び(B)の1及び25位に水酸基を有する(ビタミンDホルモンとしても知られている)ビタミンDの活性型に関連している。今までに、約50以上のビタミンDの代謝物が発見されていて、その中に、24,25−ジヒドロキシビタミンD及び25,26−ジヒドロキシビタミンDがある。
【0003】
体内のビタミンD量を測定できることを確保することは重要である。しかし、ビタミンD濃度は、ビタミンDの経口摂取による変動が激しいので、実際には、ビタミンD量の測定にはほとんど価値がない。体内量が比較的低く、25−ヒドロキシビタミンDに比較してその変動が激しいビタミンDの生理活性型(1α,25−ジヒドロキシビタミンD)についても同様である。これらの理由により、25−ヒドロキシビタミンD(25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンD)の定量化が、各人のビタミンDの全体的分析を容易にする、価値ある手段である。25−ヒドロキシビタミンDを定性する方法には、免疫学的方法を含め、種々の方法が知られている。
【0004】
通常、免疫学的方法は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を使用する。ポリクローナル抗体は古くから知られている。ポリクローナル抗体を取得するためには、高純度に精製した抗原の調製物で動物(例えば、ウサギ)を免疫する必要がある。免疫は、そのような精製調製物で繰り返し行われなければならない。しかし、ほとんどの場合、抗体の混合物が作製され、この混合物は複数の抗原にバラバラに結合するので、非特異的な測定となる。第一の問題は、宿主動物の寿命である。生物学的変動性のために、複数の動物を免疫する必要がある。最も特異性の高い抗血清源である動物を選択する必要があり、その動物が死亡すると、次の動物の免疫まで、所望の抗体の作製は停止することになる。第二には、所望の抗体は、異種遺伝子型の混合物である血清中の全抗体の一分画に過ぎないので、抗血清の反応性も問題になる。また、この技術では、バッチ間の変動にも悩まされる。しかし、ポリクローナル抗体の作製は迅速で安価な方法であるので、免疫に今なお広く使用されている。
【0005】
ビタミンD代謝物の定性分野では、ポリクローナル抗体の使用について記述した多数の資料が知られている。例えば、非特許文献1、特許文献1、非特許文献2、3は、ポリクローナル抗体の作製及びビタミンDのラジオイムノアッセイにおけるそれらの使用について記載している。
【0006】
特許文献2において、ロシュ・ダイアグノスティックス及びエフ・ホフマン・ラ・ロシュは、最先端の様々な方法を開示している。エフ・ホフマン・ラ・ロシュは、25−ヒドロキシビタミンDに対するポリクローナル抗体を作製する方法を開示している。本方法は、25−ヒドロキシビタミンDまたは25−ヒドロキシビタミンDをハプテンとして含有するコンジュゲートで動物を免疫し、この動物の血清または血漿を分離し、この血清または血漿に含有される抗体を、ハプテンが25−ヒドロキシビタミンDの場合には25−ヒドロキシビタミンDを、ハプテンが25−ヒドロキシビタミンDの場合には25−ヒドロキシビタミンDを有する相補マトリックス上で免疫吸着により精製するステップを有する。免疫吸着マトリックス材としては、EAH−セファロースが好ましい。この方法では、抗体がポリクローナル抗体、すなわち、抗体を取得するために動物を免疫しなければならないという大きな問題が生じる。また、実際は試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの両者を測定するのであれば、25−ヒドロキシビタミンDの2つの成分の総量を検出するために、ポリクローナル抗体を有する2つの検査セット、すなわち、一方の検査で試料中の25−ヒドロキシビタミンD量を決定し、他方の検査で同じ試料中の25−ヒドロキシビタミンD量を決定する必要があるという問題もある。
【0007】
生物学的試料中の分子を定量するために、例えば、診断用キットにおいて、モノクローナル抗体を使用することもできる。1975年になされたKohler及びMilsteinの発明は、HGPRT遺伝子突然変異により薬剤感受性としたミエローマ細胞に、対象となる抗原で免疫された宿主動物から得た免疫脾臓B細胞を、ポリエチレングリコールの存在下に、融合させることを有する技術を介して、免疫学に全く新しい分野を開拓した。ハイブリドーマ細胞は生存し、適宜の培地(HAT)中で培養してもよく、不死とされる。各ハイブリドーマは1つのB細胞から由来するので、単一のモノクローナル抗体のコピーとなる。対象となる抗体を作製するハイブリドーマは、培地中で成長し、大量のモノクローナル抗体を作製する。モノクローナル抗体は分離されて、次の使用に供される。モノクローナル抗体は、1つのエピトープに対して特異性の高い抗体として知られていることは注目すべきである。
【0008】
ビタミンDの代謝を認識する分野においては、モノクローナル抗体も使用されている。例えば、非特許文献4、特許文献3、非特許文献5は、1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールに対するモノクローナル抗体の使用を開示している。1つの特異的抗原に対するモノクローナル抗体の通常の作製方法が1種のハプテンの使用及び1種の動物(通常、マウス)の免疫を含み、脾臓細胞とミエローマ細胞の融合の後に、1つのハイブリドーマが作製される。このハイブリドーマを培養し、不死化して、単一の抗原の単一のエピトープに対して特異的な1種のモノクローナル抗体を作製してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第0092004号
【特許文献2】国際特許公開WO2007/039193号
【特許文献3】米国特許第4585741号
【特許文献4】国際特許公開WO03/104820号
【特許文献5】国際特許公開WO2007/039194号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Hollisら、Clinical chemistry, 1993, 39, 529−533
【非特許文献2】Kobayashiら、Steroids, 1994, 59, 401−411
【非特許文献3】Clemensら、Steroids, 1983, 42, 503−509
【非特許文献4】Perryら、Biochemical and biophysical research communications, 1983, 112, 431−436
【非特許文献5】Kobayashiら、Biol. Pharm. Bull., 1997, 20(9), 948−953
【非特許文献6】Kobayashiら、Production and specificity of antisera raised against 25−hydroxyvitamin D3−[C−3]−bovine serum albumin conjugates”, Steroids 1992, 57(10), 488−493
【非特許文献7】Basalpら、Immunogenic Cu2+−induced Biopolymer systems comprising a steroid hormone, protein antigen, and synthetic polyelectrolytes”(Hybridoma and Hybridomics, 2002, 21(1), 45−51
【非特許文献8】Kohler及びMilstein、 Nature 1975 (256), 495−497またはEur. J. Immunol. 1976 (6), 511−519
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
複数の抗原を、モノクローナル抗体を使用して検出する場合、当業者は、検出する各分子に対するモノクローナル抗体を並行して作製しなければならない。例えば、特許文献4は、液体試料中のビタミンA及びDの定量を開示している。ビタミンAに対するモノクローナル抗体は、ビタミンA−KLHコンジュゲート(すなわち、ハプテンはビタミンAである)から、通常の方法を使用して作製する。ビタミンDに対するモノクローナル抗体は、ビタミンD−KLHコンジュゲート(すなわち、ハプテンはビタミンDである)から作製する。従って、液体試料中の両ビタミンの量を得るには、2つの試験を行わなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る方法が、技術的な予測に全く反して、1つかつ同一のハイブリドーマにより作製されたモノクローナル抗体が、複数の抗原に存在する1つのエピトープを認識できることを見出した。特に、本発明者らは、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの両者が、単一のハイブリドーマに由来するモノクローナル抗体と結合することを見出した。
【0013】
明確にするために、本発明では、所定のハイブリドーマは所定の種類のモノクローナル抗体、すなわち、実際には同一の構造のいくつかの分子を作製すると理解されるべきであるが、本明細書では、本発明に関して、「モノクローナル抗体」は、単一のハイブリドーマにより作製されたモノクローナル抗体を示し、「モノクローナル抗体類」は、異なる複数のハイブリドーマにより作製されたモノクローナル抗体を示す。
【0014】
他に特に規定しない限り、本明細書内において、用語「ビタミンD」は、下記の化学式(A)及び(B)に示されるビタミンD及びビタミンDを含むものであることが理解されるべきである。
【0015】
【化1】

【0016】
【化2】

【0017】
化学式(A)及び(B)において、ビタミンDの位置は、ステロイドの命名に反映されている。25−ヒドロキシビタミンDは、化学式(A)及び(B)の25位が水酸化されているビタミンD代謝物、すなわち、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを示す。上記のように、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDは、診断目的に使用される場合のビタミンDに特に関連性のある形である。
【0018】
ビタミンD代謝物それ自体は、免疫原ではない。ビタミンDの代謝により得られる成分の化学的活性化は、担体タンパク質または連結基への結合と同様重要である。従って、免疫を確実に成功させるために、ビタミンDの代謝物またはその誘導体をハプテンとして含有するコンジュゲートを調製することが極めて重要である。「ハプテン」は、それ自身は免疫原性を有さないが、担体タンパク質と結合することによって、それに対する抗体が産生される形を表す物質であることは、当業者に理解されるべきである。ハプテンのコンジュゲートの作製に使用される担体タンパク質、すなわち、免疫原は、当業者において公知である。ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin:BSA)、β−ガラクトシダーゼまたはキーホールリンペットヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanine:KLH)が担体タンパク質として一般的に使用されている。「担体タンパク質」は、特定の物質または物質群を細胞膜、細胞外液または細胞内区画を介して輸送するタンパク質を指す。
【0019】
化学式(A)及び(B)に示されるような構造の3位のみが、原則として、担体タンパク質の活性化及び結合に好適である。実際、ビタミンD代謝物は、3位を介して結合していると考えられている(特許文献5、非特許文献6)。
【0020】
第1の態様によれば、本発明は、ハイブリドーマ、及び25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作製方法に関し、
a)免疫原性が付与された、一般化学式(I):
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)で示されるハプテン、その塩またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されているその誘導体で動物を免疫し、
b)前記動物により作製されたB細胞を採取し、ハイブリドーマを作製するためにそのB細胞をミエローマ細胞と融合させ、
c)得られたハイブリドーマの少なくとも一部から、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントを作製する、ステップを有する。
【0023】
本方法は、免疫原性が付与された単一のハプテン、すなわち、単一のコンジュゲートでの免疫により得られたハイブリドーマから、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンD(2つの異なる分子)に結合または認識できるモノクローナル抗体を作製することができる。これは、従来技術では考えられなかった、全く予期されなかった結果である。実際、上述したように、モノクローナル抗体は、使用したハプテンと同類である1つの抗原に特異的に結合することは、技術的に知られている。この点で、本発明は、驚くべきことに、異なる抗原に結合するモノクローナル抗体を開示していて、前記モノクローナル抗体は、一般化学式(I)の単一のハプテンで免疫して得られたハイブリドーマにより作製される。
【0024】
一般化学式(I)のハプテンは、カルボン酸塩の形でもよく、有機または無機塩が好適である。従って、使用される塩は、例えば、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩であってよい。または、一般化学式(I)のハプテンは、カルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されていてもよい誘導体であってもよい。エステルは、アルキル、アリール、ベンジル、チオ、セレノ、シリルまたはオルトエステルであってよい。
【0025】
本発明では、用語「炭素数1〜4のアルキル」は、mが1〜4の整数である、化学式C2m+1で表される炭化水素ラジカルを意味する。例えば、用語「炭素数1〜4のアルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル及びt−ブチルラジカルを意味する。用語「アシル」は、Tがアルキルまたはアリール置換基である、化学式TC(O)−で表されるラジカルを意味する。用語「ベンジル」は、Tがアリール基である、化学式TCH−で表されるラジカルを意味する。用語「アルキルエーテル」は、化学式TOT−で表されるラジカルを意味し、Tはアルキル、アリールまたはベンジルであり、Tはpが1〜10の整数である、化学式−(CH−で表される炭化水素鎖である。用語「ジメトキシトリチル」は、ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチルラジカルを意味し、用語「メトキシトリチル」は、(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチルラジカルを意味する。
用語「アリール」は、通常炭素数6〜10の、単環または、少なくとも1つの環が芳香族である、融合(例えば、ナフチル)もしくは共有結合により連結する多環を有するポリ不飽和芳香族炭化水素基を意味する。環は置換されていてもよい。限定的な例としては、フェニル、ナフチル、アントラシル及びビフェニル基が挙げられる。
本発明において使用される用語「置換された」は、表現「置換された」を使用して指示された原子上の1つまたは複数の水素が、指示された原子の原子価がその標準原子価を超えないことを条件として、指示された基からの選択物と交換され、その置換が化学的に安定な化合物として、すなわち、化合物が明らかに同一の形状を保ち、反応混合物から許容できる純度で得られるだけの充分な強さをもって得られることを示す。置換基は、これに限定されないが、アルキル、アリール、シクロアルキル、ハロゲン化物、水酸、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ及びシアノ基からなる群から選択することができる。本発明で、用語「ニトロ」は、NO−基を意味する。本発明で、用語「シアノ」は、CN−基を意味する。本発明で、用語「水酸」は、OH−基を意味する。本発明で、用語「アミド」は、−C(O)−NH−基を意味する。本発明で、用語「カルボキシ」は、−C(O)O−基を意味する。本発明で、用語「ハロゲン化物」は、塩化物、フッ化物、臭化物及びヨウ化物ラジカルを意味する。本発明で、用語「アミノ」は、置換または非置換の3価窒素原子のラジカルを意味する。本発明で、用語「シクロアルキル」は、全ての炭化水素が1つまたは2つの環を有する、または単環または二環式基を有する、環状アルキル基を意味する。シクロアルキルは、環中に少なくとも3つの炭素原子、好ましくは3〜10の炭素原子を有し、置換されていてもよい。
用語「アルキル」は、mが1より大きい整数である、化学式C2m+1で示される炭化水素ラジカルを意味する。通常、本発明のアルキル基は、1〜10の炭素原子を有する。例えば、用語「炭素数1〜10のアルキル」は、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、i−ペンチル、ネオ−ペンチル、t−ペンチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、1−メチル−1−エチル−n−ペンチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−ヘプチル、2−ヘプチル、1−エチル−1,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−2,2−ジメチル−n−プロピル、1−オクチル、3−オクチル、4−メチル−3−n−ヘプチル、6−メチル−2−n−ヘプチル、2−プロピル−1−n−ヘプチル、2,4,4−トリメチル−1−n−ペンチル、1−ノニル、2−ノニル、2,6−ジメチル−4−n−ヘプチル、3−エチル−2,2−ジメチル−3−n−ペンチル、3,5,5−トリメチル−1−n−ヘキシル、1−デシル、2−デシル、4−デシル、3,7−ジメチル−1−n−オクチル、3,7−ジメチル−3−n−オクチルラジカルを指す。アルキル基は置換されていてもよい。
用語「テトラヒドロピラニル」は、2−テトラヒドロピランのラジカルを意味する。
用語「トリフェニルメチル」は、3つのアリール基、好ましくはフェニルにより置換されているメチルラジカルを意味する。
用語「シリル誘導体」は、T、T及びTがそれぞれ独立にアルキル、アリール、アルコキシまたはアリールオキシである、化学式TSi−で表されるラジカルである。本発明において、用語「アルコキシ」は、Tが置換または非置換のアルキルである、化学式−OTで表されるラジカルである。本発明では、用語「アリールオキシ」は、Tが置換または非置換のアリールである、化学式−OTで表されるラジカルである。
【0026】
前記ハプテンは、免疫原性担体タンパク質との共有結合、リポソームへの封入、リポソームへの固定、高分子と前記ハプテンの結合、生体高分子での誘導または多抗原性ペプチドとの結合により免疫原性を付与されてよい。用語「免疫原」は、免疫反応を引き起こす可能性のある物質を意味する。免疫原とは異なり、ハプテンは免疫システム(例えば、抗体)により識別される誘導体であるが、免疫反応を引き起こすことはない。
【0027】
前記ハプテンを免疫原性担体タンパク質と共有結合させる場合、担体タンパク質は、BSA(ウシ血清アルブミン)、オボアルブミン、HSA(ヒト血清アルブミン)、THY(サイログロブリン)、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)、cBSA(陽イオン化ウシアルブミン)、β−ガラクトシダーゼまたはCCH(ロコガイヘモシアニン)であってよい。
【0028】
前記ハプテンを高分子と結合させる場合、高分子は、合成、天然または修飾天然高分子であってよい。したがって、合成高分子は、これらに限定されないが、例えば、ポリ−L−リジンまたはアガロースであってよい。また、天然高分子は、これに限定されないが、デキストランであってよい。また、修飾天然高分子は、これに限定されないが、カルボキシメチルセルロースであってよい。
【0029】
また、前記ハプテンは、生体高分子での誘導により免疫原性を付与されてもよい。その工程は、非特許文献7に記載されている。
【0030】
また、前記ハプテンは多抗原性ペプチドに結合させてもよい。多抗原性ペプチドは、ポリリジンコアに2〜16の合成ペプチドのコピーが結合したものであってもよい。
【0031】
好ましくは、前記ハプテンは、担体タンパク質との共有結合により免疫原性を付与される。KLH及びBSAは、本発明の方法及び使用に、特に効果的な担体タンパク質である。ハプテンと担体タンパク質との結合は、ハプテンのカルボン酸官能基を介してなされてよい。
【0032】
好ましくは、ハプテンは、nが0である、一般化学式(I)により示される誘導体である。特に、前記ハプテンは、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、一般化学式(I)で示される誘導体であってよい。従って、そのようなハプテンのIUPAC標準に従う名前は、(2S)−2−((7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン酸である。この化合物は、また、23,24,25,26,27−ペンタノル−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン−3β−オール−22−オイック酸と命名され、そのCAS番号は、99518−38−4である。
【0033】
また、ハプテンは、nが1である、一般化学式(I)により示される誘導体であってもよい。特に、前記ハプテンは、nが1であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、一般化学式(I)で示される誘導体であってよい。従って、そのようなハプテンのIUPAC標準に従う名前は、(R)−3−((1R,3aS,7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)−エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)ブタン酸である。この化合物は、また、24,25,26,27−テトラノル−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン−3β−オール−22−オイック酸と命名され、そのCAS番号は76794−34−8である。
【0034】
また、ハプテンは、nが2である、一般化学式(I)により示される誘導体であってもよい。特に、前記ハプテンは、nが2であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、一般化学式(I)で示される誘導体であってよい。従って、そのようなハプテンのIUPAC標準に従う名前は、(R)−4−((1R,3aS,7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)ペンタン酸である。この化合物は、また、25,26,27−トリノル−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン−3β−オール−22−オイック酸と命名される。
【0035】
また、ハプテンは、nが3である、一般化学式(I)により示される誘導体であってもよい。特に、前記ハプテンは、nが3であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、一般化学式(I)で示される誘導体であってよい。従って、そのようなハプテンのIUPAC標準に従う名前は、(R)−5−((1R,3aS,7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)ヘキサン酸である。この化合物は、また、26,27−ビスノル−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン−3β−オール−22−オイック酸と命名される。
【0036】
好ましくは、ミエローマを動物のB細胞と融合させて作製されたハイブリドーマは、2009年9月21日に寄託番号LMBP7011CB、LMBP7012CB及びLMBP7013CBでBCCM/LMBP(BCCM/LMBP(登録商標)Belgian Coordinated Collections of Microorganisms−Department of Biomedical Molecular Biology−Ghent,Belgium)に寄託されているハイブリドーマ及び2010年3月9日に寄託番号LMBP7205CB及びLMBP7204CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマからなる群から選択することができる。実験に使用される動物は、ウサギ、マウス、ハムスター、ラットなどでよい。
【0037】
本方法の単一のハイブリドーマにより作製された各モノクローナル抗体は、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができる。25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識は、同時に起こってよい。用語「同時」とは、本発明の方法により作製されたモノクローナル抗体が、25−ヒドロキシビタミンDと25−ヒドロキシビタミンDの両者が同じ試料に存在する場合に、両抗原に結合、認識できることを意味する。従って、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率は、70〜110%であってよい。認識率は、試験される試料中に存在する25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの総有効量に対する、本発明に係る抗体によって認識された25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの総量の比に100を掛けて得られる比率である。比率は、100%を超えてもよい。これは、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの全量を測定する方法にかかわる不確実性によるものであって、この種の測定については当業者によく知られている現象である。
【0038】
本発明の第2の態様によれば、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体またはそのフラグメントを作製できるハイブリドーマが提供される。ハイブリドーマは、本方法のステップa)及びb)により取得してよい。前記ハイブリドーマは、2009年9月21日に寄託番号LMBP7011CB、LMBP7012CB及びLMBP7013CBでBCCM/LMBP(BCCM/LMBP(登録商標)Belgian Coordinated Collections of Microorganisms−Department of Biomedical Molecular Biology−Ghent, Belgium)に寄託されているハイブリドーマ及び2010年3月9日に寄託番号LMBP7205CB及びLMBP7204CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマからなる群から選択することができる。上述のように、これらハイブリドーマのそれぞれは、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識するモノクローナル抗体またはそのフラグメントを作製することができる。本発明に係るハイブリドーマにより作製されたモノクローナル抗体による25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識は、試験試料が25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの両者を含有する場合、同時に起こってよい。本発明に係るハイブリドーマにより作製されたモノクローナル抗体またはフラグメントが、70〜110%の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率を示すことは、特に注目に値する。前記ハイブリドーマは、試料または試験試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識、定量することができる診断デバイスの製造に使用してもよく、または25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作製に使用してもよい。前記ハイブリドーマは、作製したモノクローナル抗体の分泌が促進されるように遺伝子操作されてもよい。すなわち、プラスミドまたはDNA配列をハイブリドーマのDNA配列に添加して、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識するモノクローナル抗体を作製するために使用できる、遺伝子操作ハイブリドーマを形成してもよい。
【0039】
本発明の第3の態様によれば、モノクローナル抗体またはそのフラグメントが提供される。前記モノクローナル抗体またはそのフラグメントは25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができる。従って、2つの抗原、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンD、に対するモノクローナル抗体またはそのフラグメントが提供される。前記モノクローナル抗体は、好ましくは本発明の方法により取得される。好ましくは、前記モノクローナル抗体またはそのフラグメントは、寄託番号LMBP7011CB、LMBP7012CB及びLMBP7013CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマ及び2010年3月9日に寄託番号LMBP7205CB及びLMBP7204CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマからなる群から選択されたハイブリドーマにより作製することができる。これらのハイブリドーマのそれぞれは、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントを作製することができる。
【0040】
前記モノクローナル抗体の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識は、同時に起こってよい。さらに、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率は、70〜110%であってよい。
【0041】
本発明の第4の態様によれば、本発明は、免疫原性が付与された、一般化学式(I):
【0042】
【化4】

【0043】
(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)で示される化合物からなるハプテン、その塩またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されているその誘導体の、ハイブリドーマ及び25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作製のための使用に関する。また、一般化学式(I)の化合物からなるハプテンは、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できる組換えモノクローナル抗体フラグメントの作製のために使用してよい。前記ハプテンを上述の本発明の方法のステップa)及びb)によるハイブリドーマの作製に使用してもよい。前記ハプテンを上述の本発明の方法によるモノクローナル抗体の作製に使用してもよい。
【0044】
前記ハプテンは、免疫原性担体タンパク質との共有結合、リポソームへの封入、リポソームへの固定、高分子と前記ハプテンの結合、生体高分子での誘導または多抗原性ペプチドとの結合により免疫原性を付与されてよい。
【0045】
前記ハプテンを免疫原性担体タンパク質と共有結合させる場合、担体タンパク質は、BSA(ウシ血清アルブミン)、オボアルブミン、HSA(ヒト血清アルブミン)、THY(サイログロブリン)、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)、cBSA(陽イオン化ウシアルブミン)、β−ガラクトシダーゼまたはCCH(ロコガイヘモシアニン)であってよい。
【0046】
前記ハプテンを高分子と結合させる場合、高分子は、合成、天然または修飾天然高分子であってよい。したがって、合成高分子は、これらに限定されないが、例えば、ポリ−L−リジンまたはアガロースであってよい。また、天然高分子は、これに限定されないが、デキストランであってよい。また、修飾天然高分子は、これに限定されないが、カルボキシメチルセルロースであってよい。
【0047】
また、前記ハプテンは、生体高分子での誘導により免疫原性を付与されてもよい。その工程は、参考として添付された非特許文献7に記載されている。
【0048】
また、前記ハプテンは多抗原性ペプチドに結合させてもよい。多抗原性ペプチドは、ポリリジンコアに2〜16の合成ペプチドのコピーが結合したものであってもよい。
【0049】
好ましくは、前記ハプテンは、担体タンパク質との共有結合により免疫原性を付与される。KLH及びBSAは、本発明の方法及び使用に、特に効果的な担体タンパク質である。ハプテンと担体タンパク質との結合は、ハプテンのカルボン酸官能基を介してなされてよい。
【0050】
好ましくは、ハイブリドーマ及びそのハイブリドーマから得られる25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体の作製に使用されるハプテンは、nが0である、化学式(I)により示される化合物である。特に、前記ハプテンは、(2S)−2−((7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン酸、すなわち、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物であってよい。また、ハイブリドーマ及びそのハイブリドーマから得られる25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体の作製に使用されるハプテンは、nが1である、化学式(I)により示される化合物であってもよい。特に、前記ハプテンは、(R)−3−((1R,3aS,7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)−エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)ブタン酸、すなわち、nが1であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物であってよい。また、ハイブリドーマ及びそのハイブリドーマから得られる25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体の作製に使用されるハプテンは、nが2である、化学式(I)により示される化合物であってもよい。特に、前記ハプテンは、(R)−4−((1R,3aS,7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)ペンタン酸、すなわち、nが2であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物であってよい。また、ハイブリドーマ及びそのハイブリドーマから得られる25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体の作製に使用されるハプテンは、nが3である、化学式(I)により示される化合物であってもよい。特に、前記ハプテンは、(R)−5−((1R,3aS,7aR,E)−4−((Z)−2−((S)−5−ヒドロキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)ヘキサン酸、すなわち、nが3であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物であってよい。
【0051】
従って、同一の試料中に25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDが存在する場合、前記モノクローナル抗体またはそのフラグメントによる両抗原の認識は同時に起こってよい。さらに、前記モノクローナル抗体またはそのフラグメントによる25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率は、70〜110%であってよい。
【0052】
本発明に係るハプテン及び/またはモノクローナル抗体またはそのフラグメントは、試料または試験試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識、定量することができる診断デバイスの製造に使用することができる。上述のような一般化学式(I)に示される化合物であるハプテンは、試験試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識、定量することができる診断デバイスの製造に使用してもよい。その場合、同一の試料中に25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDが存在する場合、前記モノクローナル抗体による両抗原の認識は同時に起こってよい。前記モノクローナル抗体による25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率は、70〜110%であってよい。
【0053】
本発明の他の態様によれば、試験試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識及び/または定量できる診断デバイスが提供される。ここで使用される用語「診断デバイス」はまた、試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識及び/または定量用キットを指す。試料はヒトまたは動物からの試料であってよい。診断デバイスには、動物研究用の試験手段も含まれる。前記診断デバイスは、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体またはそのフラグメントを有する。好ましくは、前記診断デバイスのモノクローナル抗体またはそのフラグメントは、本発明によれば、寄託番号LMBP7011CB、LMBP7012CB、LMBP7013CB、LMBP7204CB及びLMBP7205CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマからなる群から選択されたハイブリドーマから作製してもよい。前記モノクローナル抗体またはそのフラグメントによる25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識は、同時であってよい。さらに、前記モノクローナル抗体またはそのフラグメントによる25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率は、70〜110%であってよい。試験される前記試料は、ヒトまたは動物由来の生体試料であってよい。
【0054】
診断デバイスはまた、化学式(I):
【0055】
【化5】

【0056】
(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)の化合物、その塩、またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されているその誘導体の試料を含有してもよい。
【0057】
好ましくは、診断デバイスは、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物試料を有してよい。また、診断デバイスは、nが1であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物試料を有してよい。また、診断デバイスは、nが2であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物試料を有してよい。また、診断デバイスは、nが3であって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される化合物試料を有してよい。
【0058】
診断デバイスはまた、試験試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの存在を表すシグナルを発現する手段を有してもよい。
【0059】
前記シグナルの発現手段は、化学式(II):
【0060】
【化6】

【0061】
(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示し、R16はHRPタンパク質(西洋ワサビペルオキシダーゼ)、アルカリホスファターゼタンパク質、PODタンパク質(ペルオキシダーゼ)または化学式(III)または(IV):
【0062】
【化7】

【0063】
【化8】

【0064】
に示される基である)で示されるトレーサであってよい。
式中、「I125」は、ヨウ素原子の放射性同位体を示す。化学基(III)は、その「アミノ」NH−官能基により化学式(II)の化合物に結合される。化学基(IV)は、その「アミド」C(O)NH−官能基により化学式(II)の化合物に結合される。あるいは、R16は、125I−標識ヒスタミン、125I−標識ヒスチジン、125I−標識チロシン、125I−標識メチルチロシネート、蛍光基、化学発光基または化学式(V):
【0065】
【化9】

【0066】
(式中、Zはリンカーであり、Wはカルボニル基に結合できる官能基であり、Zは置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルであってよく、Wはアミノ、アミド、水酸またはヒドラジン部分であってよい)で示される化学基であってよい。
【0067】
好ましくは、前記トレーサは化学式(II):
【0068】
【化10】

【0069】
(式中、nは0〜3の整数であり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ水素であり、R12及びR13はそれぞれメチル基であり、R16は化学式(III)で示される基である)であってよい。
特に、診断デバイスは、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基であり、R16が化学式(III)の基である、化学式(II)に示されるトレーサ試料を含有してよい。
【0070】
また、前記シグナルの発現手段はバイオセンサーである。バイオセンサーはモノクローナル抗体が1つの抗原に結合するとシグナルを発現する。用語「バイオセンサー」は、物理化学、光学、圧電、電気化学または電磁気的手法で生体試料を検出できる、物理化学的デバイスを指す。バイオセンサーは、特に関連電子要素、またはデータを処理または表示する信号処理部、及びシグナルの形で物理化学的変化を検出する検出要素を有している。モノクローナル抗体は、バイオセンサーの支持体に結合していてよい。
【0071】
本発明の他の態様によれば、上述のように、免疫原性が付与された一般化学式(I)に示されるハプテンは、ハイブリドーマの作製に使用されてよい。ハイブリドーマの前記作製は、
a)免疫原性が付与された、一般化学式(I):
【0072】
【化11】

【0073】
(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)で示さるハプテン、その塩またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されているその誘導体で動物を免疫し、
b)前記動物により作製されたB細胞の採取とハイブリドーマを作製するために採取したB細胞をミエローマ細胞に融合させる、ステップを有してよい。本方法により得られたハイブリドーマから、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDに対するまたは認識するモノクローナル抗体またはそのフラグメントを作製する方法が提供される。
【発明の効果】
【0074】
得られたモノクローナル抗体が、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを識別できるという事実は、非常に驚くべきことであり、そのような特性は単一のハイブリドーマ由来のモノクローナル抗体を使用しては得られなかったという障害を克服するものである。本発明の方法の重要な利点は、簡単な手順で試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを同時に認識することができ、かつ容易に再現可能でるということである。さらに、この方法は、数十年間知られていたモノクローナル抗体類の分野における技術であるという事実にもかかわらず、長く満たされなかった産業上のニーズに対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下に、本発明を、動物の免疫に使用されるハプテンが、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)で示される誘導体である、特定の形態による実施にしたがって記載する。このハプテンは、以下の記載において(H)と称する。本発明はこの実施形態に限定されないことを理解することは重要である。例えば、ハプテンは、置換基はそのままで、nが1、2または3である化学式(I)の誘導体であってもよい。
【0076】
モノクローナル抗体の作製方法
モノクローナル抗体の作製は、従来の方法、例えば、非特許文献8に記載の手順にしたがって行ってもよい。この方法にしたがって、モノクローナル抗体を作製する、ハイブリドーマとして知られている融合細胞を取得するために、骨髄細胞を免疫した動物のリンパ球B細胞と結合させる。この方法では、ハプテンを担体タンパク質に結合させて、免疫原性を誘導することができる免疫原を形成する。担体タンパク質は、このように、ハプテンに免疫反応を引き起こす能力を与える。
【0077】
ハプテンの合成及び免疫原の調製
従って、本発明では、その合成は当業者に公知である、ハプテン(H)をまず、以下のプロトコルにしたがってウシ血清アルブミン(BSA)に結合させる。無水ジメチルホルムアミド(Fluka 1386923−43408231)、無水ジオキサン(Aldrich S39136−277)及びジイソプロピルエチルアミン(Fluka 03440)を含有する培地中で、ある量のハプテン(H)を室温で4時間、無水ジメチルホルムアミドに溶解したO−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU−Fluka 85972)で、活性化させる。続いて、100〜1000当量のハプテン溶液を、炭酸塩緩衝液(0.1M、pH9.4)で希釈したBSA(Calbiochem 12659)1当量に添加する。溶液を室温で18時間、光を避けて、撹拌した後、反応混合物を食塩水(NaCl:9g/L)中、48時間4℃で透析する。24時間後に新しい食塩水を再添加する。
【0078】
ハプテン(H)はまた、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン:Sigma H2133)に結合させてもよい。その場合には、炭酸塩緩衝液(0.1M、pH9.4)で希釈したKLH1当量に20,000〜500,000当量のハプテンを添加する。溶液を室温で18時間、光を避けて、撹拌した後、反応混合物を食塩水(NaCl:9g/L)中、48時間4℃で透析して目的の免疫原を得る。24時間後に新しい食塩水を再添加する。
【0079】
動物の免疫
雌マウス(6週齢)は、CREAL社より入手した。免疫原(生理食塩水中20μg)を、フロイント完全アジュバント(CFA、Difco Laboratories and reference: 263810)またはフロイント不完全アジュバント(IFA、Difco Laboratories and reference: 263910)となる添加剤(50%食塩水/50%添加剤(v/v))とともにマウスに皮下注射した。CFAは死菌マイコバクテリアを含有する油であり、IFAはマイコバクテリアを含有しないことを除けばCFAと同じアジュバントである。アジュバントは、動物の体内に免疫反応を引き起こす。免疫原の注射(3〜10回)の後、各免疫マウスの血清を検査し、注射された抗原に対する特異抗体に関して、漿液性の内容物を調べた。マウスは、陽性(すなわち、マウス血清とインキュベートした際に、放射性物質標識抗原または酵素標識の結合率が少なくとも10%である)と見なされ次第、細胞融合用に選択し、血清試験の1ヶ月後に細胞融合に使用した。融合の間には、(COを使用して)動物を安楽死させ、その脾臓を摘出し、37℃に保たれた10mLのW/O培地、すなわち、タンパク質不含で2%(v/v)のペニシリン及びストレプトマイシン混合物(100x)が補足されたDMEMダルベッコ変性イーグル培地(GIBCO 21969)でゆっくり灌流しながら、脾臓を先端が平らな鉗子でこすって前記動物の脾臓に存在する免疫担当細胞を回収した。そのように採取された細胞をペトリ皿に移し、15mLの滅菌円錐チューブ内で遠心分離した。細胞残渣を回収し、骨髄細胞と結合させた。
【0080】
骨髄細胞
通常、マウス脾細胞の融合に使用されるミエローマは、NSOミエローマ(Sigma ref:85110503)、SP2/0−Ag14(ATCC ref:CRL−1581)またはP3X63Ag8.653(ATCC ref:1580)である。ミエローマは、2%(v/v)のペニシリン及びストレプトマイシン混合物(100x)の追加タンパク質を含まないDMEM基本混合物、2〜5%(v/v)グルタミン、2%(v/v)非必須アミノ酸(100x)、2%(v/v)ピルビン酸ナトリウム(100x)及び1%(v/v)ゲンタマイシンを含有する培地中で培養した。培地にはさらに、10%(v/v)ウシ胎児血清を添加した。培養物は、50mLの滅菌円錐チューブ内で遠心分離した(1000rpm、10分間)。底部を集めて、15mLのチューブで遠心分離した。一般的に、1mLのミエローマ中に1×10〜2×10個の細胞が存在する。
【0081】
細胞融合
脾臓細胞とミエローマ細胞とを、ミエローマ1個に対して約5〜10脾臓細胞の割合で混合し、ハイブリドーマを形成した。本実施例では、3.4×10個/mLのNSOミエローマ4.7mLを8×10個の脾臓細胞と混合した。脾臓細胞とミエローマ細胞との混合物を遠心分離し、上清を除去した。得られた細胞残渣を、37℃に温度を保持しながら、ゆっくり(1分間)と1mLの50%ポリエチレングリコール溶液に懸濁した。ポリエチレングリコール(PEG)溶液は、5gのポリエチレングリコール(Merck, ref: 1.09727.0100)を5mLの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し、5%(v/v)のジメチルスルホキシド(Sigma D2650)を添加し、ろ過滅菌(0.2μm)して調製した。細胞残渣をPEG溶液に再懸濁し、W/O培地(2%(v/v)のペニシリン及びストレプトマイシン混合物(100x)の追加タンパク質を含まないDMEM)を添加して少なくとも10倍に希釈した。チューブを遠心分離し、細胞残渣を、タンパク質不含、2%(v/v)のペニシリン及びストレプトマイシン混合物(100x)含有DMEM基本混合物、2〜5%(v/v)グルタミン、2%(v/v)非必須アミノ酸(100x)、2%(v/v)ピルビン酸ナトリウム(100x)、1%(v/v)ゲンタマイシン、10%(v/v)ウシ胎児血清、2%(v/v)ヒポキサンチンチミジン(50x)、2%(v/v)アミノプテリン(50x)及び最後に2%(v/v)ニュートリドーマCS(Roche ref: 1363 743)を含有するHAT培地に再懸濁した。細胞残渣に添加されたHAT培地の体積は、各ウェル当たり5×10〜10個の細胞が96−ウェルプレートに広がるように、各ウェル当たり150〜200μLとした。プレートを8〜10日間37℃で5%CO下に培養した。
【0082】
ハプテン特異的抗体を作製するハイブリドーマの予備選択
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体を作製するハイブリドーマを含有するウェルを、均一相での放射免疫測定法(radioimmunoassay:RIA)により、深ウェルプレートから選択し、免疫沈降を行った。この方法では、融合の深ウェルプレートからのある量(50〜100μL)の培養培地を、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基であり、R16が化学式(III)である、化学式(II)で示されるトレーサとインキュベートすることからなる。4〜8時間のインキュベーション後、SAC細胞(抗マウス抗体を含有するセルロース懸濁液、IDS reference: AASAC4)を培地に添加して反応を停止させた。遠心分離後、底部の放射活性をガンマカウンターで測定した。陽性ウェル(すなわち、添加全放射性活性量の10%以上の結合)は、ハプテン(H)に特異的なマウス抗体を含有、すなわち、特異的なハイブリドーマクローンを含有した。
【0083】
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの両者を認識するモノクローナル抗体を作製するハイブリドーマクローンの選択
得られた陽性ハイブリドーマ(すなわち、トレーサを同定したモノクローナル抗体類を作製するハイブリドーマ)の中から、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの両者を同定するものを、前記トレーサの結合による抑制試験により選択した。この試験は、ハイブリドーマ(ペトリ皿上)の培養培地の上清(例えば、100μL)を、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの存在下に、トレーサ(ヨウ素125で標識)とインキュベートすることからなる。混合物は、18時間室温でインキュベートした。使用された25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDはそれぞれ、reference H17937及びreference H4014としてSigmaから入手した。確認試験は、1000ng/mLの濃度の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの溶液を使用して行った。トレーサは、10g/LのCP(カゼインペプトン:organotechnical reference: 19516)を含む、体積比で25%水/25%エタノール/50%0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)の混合溶液中に含まれる。反応は、SAC細胞(抗マウス抗体を含有するセルロース懸濁液、IDS reference: AASAC4)をインキュベーション培地に添加して免疫沈降により反応を停止させた。
【0084】
結果
表1は、ハプテン−特異的モノクローナル抗体を作製するハイブリドーマの予備選択試験後に選択された、ハイブリドーマクローンに対する25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識結果を示す。
【0085】
【表1】

【0086】
第1のカラムは、上述の寄託ハイブリドーマに対応する試験クローンの番号を記載している。第2のカラムは、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンD非存在下に、対応するクローンにより作製されたモノクローナル抗体への前記トレーサの結合率を示す。第3のカラムは、1μg/mLの25−ヒドロキシビタミンD溶液の存在下に、対応するクローンにより作製されたモノクローナル抗体への前記トレーサの結合率を示す。第4のカラムは、1μg/mLの25−ヒドロキシビタミンD溶液の存在下に、対応するモノクローナル抗体の抑制率を示す。この抑制率は、25−ヒドロキシビタミンD非存在における結合に対する、1000ng/mLの25−ヒドロキシビタミンD存在下における結合率に100を掛けて、100%から差し引いて算出される。第5のカラムは、1μg/mLの25−ヒドロキシビタミンD溶液の存在下に、対応するクローンにより作製されたモノクローナル抗体への前記トレーサの結合率を示す。第6ののカラムは、1μg/mLの25−ヒドロキシビタミンD溶液の存在下に、対応するモノクローナル抗体の抑制率を示す。この抑制率は、25−ヒドロキシビタミンD非存在における結合に対する、1μg/mLの25−ヒドロキシビタミンD存在下における結合率に100を掛けて、100%から差し引いて算出される。
【0087】
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの濃度がそれぞれ約1μg/mLの場合、LMBP7012CBクローンにより作製されたモノクローナル抗体の抑制率は、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDに対して80%を超えている。
【0088】
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを同時に認識する例
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを同時に認識する試験を被覆チューブ上で行った。モノクローナル抗体は、0.5μg/mLの濃度で乾燥チューブ(直接被覆)に固定した。使用された抗体は、LMBPハイブリドーマ7013CBにより作製した。続いて、300μLのインキュベーション緩衝液(50mMリン酸塩、pH7.4、2g/Lのカゼインペプトン、0.5g/Lのアジ化ナトリウム)及び100μLの25−ヒドロキシビタミンDまたは25−ヒドロキシビタミンDをチューブに添加した。両溶液を室温で2時間放置後に分析した。
【0089】
【表2】

【0090】
表2の表題「D」及び「D」のカラムは、それぞれng/mLで表される、認識試験に使用された25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの濃度を示す。例えば、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの濃度がそれぞれ50ng/mLの場合、99ng/mL以上の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDが検出された。この結果は、特に注目に値する。
【0091】
同一の試験をLBMPハイブリドーマ7012CBにより作製されたモノクローナル抗体を使用して行った。25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの濃度がそれぞれ1.5ng/mLの場合、認識率は86%であった。同様に、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの濃度がそれぞれ5ng/mLの場合、認識率は77%であった。その他の濃度でも優れた結果が得られた。さらに、LMBP7204CBまたはLMBP7205CBハイブリドーマにより作製されたモノクローナル抗体を使用して試験を行った。25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの濃度がそれぞれ1.5ng/mLの場合、LMBP7204CBハイブリドーマのモノクローナル抗体での認識率は104%であった。25−ヒドロキシビタミンDの濃度が5ng/mLであり、25−ヒドロキシビタミンDの濃度が50ng/mLであった場合、LMBP7205CBハイブリドーマのモノクローナル抗体での認識率は100%であった。これら2つのクローンは、25−ヒドロキシビタミンDの認識に優れていた。LMBP7011CBハイブリドーマにより作製されたモノクローナル抗体を使用して行った試験もまた、良好な結果を示した。
【0092】
試験は、患者のヒト血清でも行った。前処理により25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを放出させた後、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの同時認識を、モノクローナル抗体が25ng/mLの濃度で乾燥チューブ(直接被覆)に固定された被覆チューブ上で行った。表3に示したモノクローナル抗体は、LMBPハイブリドーマ7013CBにより作製した。表4に示したモノクローナル抗体は、LMBPハイブリドーマ7012CBにより作製した。参照として、測定されたヒト血清中の濃度を、液クロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(Liquid Chromatography−Mass Spectrometry:LC−MS)により確認した。
【0093】
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
同じプロトコルによりラット血清及びマウス血清を試験したところ、同様の結果が得られた。
【0096】
モノクローナル抗体の取得
対象となるクローンの選択後、細胞は長期保存のために液体窒素中で凍結した。モノクローナル抗体の作製は、ハイブリドーマ細胞の体外培養のシステム、例えば、スピナーフラスコ(Wheaton Magna−Flex(登録商標)Microcarrier Spinner Flasks)、CELLINE(Integra Bioscience)またはその他のハイブリドーマに好適な体外培養により行われる。あるいは、モノクローナル抗体は、法律で認められた腹水での生体内での方法により作製することもできる。
【0097】
モノクローナル抗体の精製
ハイブリドーマ細胞の体外培養システム由来の培養上清を、従来のプロテインA及び/またはプロテインG(GE Healthcare)カラム、STREAMLINEプロテインAサポート(GE Healthcare)、上でアフィニティクロマトグラフィーにより精製する。
【0098】
診断デバイス
本発明に係る診断デバイスは、免疫測定デバイスとしても知られていて、「酵素免疫測定(enzyme immunoassay:EIA)」デバイス、「酵素結合免疫吸着測定(enzyme−linked immunosorbent assay:ELISA)」デバイス、「蛍光免疫測定(immunofluorescence assay:IFA)」デバイス、「放射測定(radiometric)または放射免疫測定(radioimmunoassay:RIA)」デバイス、「磁気分離測定(magnetic separation assay:MSA)」デバイス、「ラテラルフローアッセイ」デバイス、「拡散免疫測定」デバイス、「免疫沈降」デバイス、「免疫吸着」または「抗原−ダウン測定」デバイス、「免疫凝集」デバイス、「化学発光免疫測定(chemilunescence immuno assay:CLIA)」デバイス及びバイオセンサーを使用するデバイスが挙げられる。
【0099】
チューブ、マイクロタイタープレート、ブロックなど様々なタイプの支持体を使用することができる。モノクローナル抗体またはそのフラグメントは、ビオチニル化して、種々の支持体への結合性または感受性を改良することができる。
【0100】
モノクローナル抗体またはそれに関連するフラグメントは、支持体に直接結合してもよい。また、支持体に抗マウス抗体を結合させ、本発明に係るモノクローナル抗体またはそのフラグメントを最初の抗体に結合させてもよい。モノクローナル抗体またはそのフラグメントは、ビオチニル化されていることが好ましい。
【0101】
あるいは、ハプテンを支持体に結合させた後、本発明に係るモノクローナル抗体を添加し、抗−HRP第2抗体を結合させてもよい。支持体上の免疫原性結合を事前に検出するために、必要に応じ、モノクローナル抗体またはそのフラグメントを直接HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)結合させて使用することもできる。あるいは、モノクローナル抗体または前記モノクローナル抗体に関連するフラグメントをビオチニル化した後、ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(streptavidin− horse radish peroxidase:SAv−HRP)を添加してもよい。
【0102】
トレーサは、RIA試験のためにヨウ素125で標識したチラミンに結合させてもよい。また、ELISAやCLIA試験を行うために、ビオチニル化またはHRPへの結合後に使用してもよい。次いで、ルミノールまたはテトラメチルベンジジンをHRPに結合させることもできる。
【0103】
最後に、試験は、開放または閉鎖自動ユニットで行うことができる。
【0104】
競合RIA試験では、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素であり、R12及びR13がそれぞれメチル基であり、R16が化学式(III)である、化学式(II)で示されるトレーサの一定量が、ポリスチレン支持体の表面に固定された一定量の特異抗体に対して、試料、コントロールまたはキャリブレータ中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDと競合を開始する。室温または37℃で2〜24時間のインキュベーション後、競合反応を吸引段階において停止する。チューブを洗浄後、放射活性をガンマカウンターで測定する。
【0105】
本発明の結果、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを含有する試料に対して本発明に係る診断デバイスを使用することにより、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを同時に認識することができる。
【0106】
本明細書に使用された用語及び記載は、単なる参照を意図したものであって、網羅的であることを意図したものではない。他に特に規定がない限り、全ての用語がより広く容認されるものの一部として理解されなければならない、以下の特許請求の範囲及びその同等物に記載されている本発明の性質及び広さにおいて、様々な変更が可能であることは一般的に認識されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリドーマ、及び、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントを作製する方法であって、
a)免疫原性が付与された、化学式(I):
【化1】

(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)で示されるハプテン、その塩、またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されている誘導体で、動物を免疫するステップと、
b)前記動物により作製されたB細胞を採取し、ハイブリドーマを作製するためにそのB細胞をミエローマ細胞と融合さすせるステップと、
c)得られたハイブリドーマの少なくとも一部から、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントを作製するステップと、を有する
ことを特徴とするハイブリドーマ、及び、25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができるモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作製方法。
【請求項2】
同一の試料中に存在する25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの両者を、前記モノクローナル抗体により同時に認識する
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モノクローナル抗体による25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率が70〜110%の範囲である
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ハプテンが、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素で、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)の誘導体である
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ハイブリドーマが、寄託番号LMBP7011CB、LMBP7012CB、LMBP7013CB、LMBP7204CB及びLMBP7205CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマからなる群から選択される
請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ハプテンが、前記ハプテンのカルボン酸官能基を介して、担体タンパク質と共有結合されることにより免疫原性を付与されている
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができる
ことを特徴とするモノクローナル抗体またはそのフラグメントの作製に好適なハイブリドーマ。
【請求項8】
前記ハイブリドーマが、寄託番号LMBP7011CB、LMBP7012CB、LMBP7013CB、LMBP7204CB及びLMBP7205CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマからなる群から選択される
請求項7に記載のハイブリドーマ。
【請求項9】
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識することができる
ことを特徴とするモノクローナル抗体またはそのフラグメント。
【請求項10】
同一の試料中に存在する25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの両者を同時に認識する
請求項9に記載のモノクローナル抗体。
【請求項11】
25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDの認識率が70〜110%の範囲であることを特徴とする
請求項9または10に記載のモノクローナル抗体。
【請求項12】
寄託番号LMBP7011CB、LMBP7012CB、LMBP7013CB、LMBP7204CB及びLMBP7205CBでBCCM/LMBPに寄託されているハイブリドーマからなる群から選択されるハイブリドーマにより作製される
請求項9ないし11のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
【請求項13】
免疫原性が付与された、化学式(I):
【化2】

(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)で示される化合物からなるハプテン、その塩、またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されている誘導体の、ハイブリドーマ及び25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識できるモノクローナル抗体またはそのフラグメントもしくは組換えフラグメントの作製のための使用。
【請求項14】
前記ハプテンが、前記ハプテンのカルボン酸官能基を介して、担体タンパク質と共有結合されることにより免疫原性を付与されている
請求項13に記載の使用。
【請求項15】
化学式(I)の前記ハプテンが、nが0で、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15がそれぞれ水素で、R12及びR13がそれぞれメチル基である、化学式(I)の化合物である
請求項13または14に記載の使用。
【請求項16】
作製される前記モノクローナル抗体またはそのフラグメントが、請求項9ないし12のいずれかに記載のモノクローナル抗体である
請求項13ないし15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
免疫原性が付与された、化学式(I):
【化3】

(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)で示される化合物からなるハプテン、その塩、またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されているその誘導体の、試験される試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識または定量できる診断デバイスの製造のための使用。
【請求項18】
請求項9ないし12のいずれかに記載のモノクローナル抗体を有する試料中の25−ヒドロキシビタミンD及び25−ヒドロキシビタミンDを認識及び/または定量することができる
ことを特徴とする診断デバイス。
【請求項19】
化学式(II):
【化4】

(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示し、R16はHRPタンパク質(西洋ワサビペルオキシダーゼ)、アルカリホスファターゼタンパク質、PODタンパク質(ペルオキシダーゼ)、化学式(III)または(IV):
【化5】

【化6】

に示される基、125I−標識ヒスタミン、125I−標識ヒスチジン、125I−標識チロシン、125I−標識メチルチロシネート、蛍光基、化学発光基または化学式(V):
【化7】

(式中、Zはリンカーであり、Wはカルボニル基に結合できる官能基である)で示される化学基である))で示される、トレーサ試料をさらに有する
請求項18に記載の診断デバイス。
【請求項20】
酵素免疫測定(EIA)デバイス、酵素結合免疫吸着測定(ELISA)デバイス、蛍光免疫測定(IFA)デバイス、放射免疫測定(RIA)デバイス、「磁気分離測定(MSA)」デバイス、「ラテラルフローアッセイ」デバイス、「拡散免疫測定」デバイス、免疫沈降デバイス、「免疫吸着」または「抗原−ダウン測定」デバイス、免疫凝集デバイス、「化学発光免疫測定(CLIA)」デバイス及びバイオセンサーを使用するデバイスからなる群から選択される
請求項18または19に記載の診断デバイス。
【請求項21】
免疫原性が付与された、一般化学式(I):
【化8】

(式中、nは0〜3の整数を示し、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキルを示し、R12及びR13はそれぞれ炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素またはアシル、ベンジル、アルキル、アリール、アルキルエーテル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル基及びシリル誘導体からなる群から選択された置換基を示す)で示されるハプテン、その塩、またはカルボン酸官能基がエステル、アミドまたはオキサゾリンの形成により保護されているその誘導体の、ハイブリドーマの作製のための使用。

【公開番号】特開2011−136978(P2011−136978A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−240510(P2010−240510)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(510285827)ディアソース イムノ アッセイズ エス.エー. (1)
【氏名又は名称原語表記】DIAsource Immuno Assays S.A.
【住所又は居所原語表記】Rue de l’Industrie 8,1400 Nivelles,Belgium
【Fターム(参考)】