説明

ハエの防除方法

本発明は、寄生虫駆除的に有効な量の式1
【化1】


(式中、
1は、Me、Cl、BrまたはFであり、
2は、F、Cl、Br、C1〜C4ハロアルキルまたはC1〜C4ハロアルコキシであり、
3は、F、ClまたはBrであり、
4は、H、もしくはハロゲン、CN、SMe、S(O)Me、S(O)2Me、およびOMeからなる群から選択される1つの置換基によって場合によりそれぞれ置換されていてもよいC1〜C4アルキル、C3〜C4アルケニル、C3〜C4アルキニル、C3〜C5シクロアルキル、またはC4〜C6シクロアルキルアルキルであり、
5は、HまたはMeであり、
6は、H、FまたはClであり、そして
7は、H、FまたはClである)
の化合物、そのN−オキシド、もしくはその薬学的または獣医学的に許容可能な塩を含む組成物を動物に適用することによって、動物のハエウジ病を処置する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物において刺咬性ハエおよびクロバエを退治するための特定の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハエは厄介なものであるだけでなく、人々や動物に深刻な健康被害をもたらす病気を媒介する。世界的には、数十億ドルと推定される家畜および家禽の生産損失を生じる。ほとんど全ての飼育動物の成長および能力は、特に数多く存在する場合に、ハエによって悪影響を受ける。寄生された動物は悩まされるようになり、飼料の摂取が大幅に低下する。結果としては、食肉、ミルクおよび卵の生産の大幅な低下、および深刻な経済的損失が挙げられる。
【0003】
非刺咬性ハエは、多くの場合、家畜の目、鼻および小さい創傷からの分泌物を摂取する。これによって動物が草を食べることに集中できず、成長および生産性の低下が起こる。非刺咬性ハエは特定の病原生物の重要な媒介者ではないが、その摂食および繁殖の習性、ならびにその足および口器の構造のために、ウィルスから蠕虫まであらゆる病原体の機械的な媒介者の役割を果たし得る。
【0004】
刺咬性ハエは家畜に対してより大きな刺激を引き起こし、病気伝播の媒介者でもある。しかしながら、これらは血液を摂取するので、貧血および過敏症も引き起こし得る。そのため刺咬性ハエは、家畜の生産において非刺咬性ハエよりもいくらか深刻な問題であると考えられる。
【0005】
しかしながら、「クロバエ」と呼ばれることが多い非刺咬性ハエは、影響を受けやすい動物において「ハエウジ病」を引き起こす性質があるために、それ自体が大きな損傷の原因となる。ハエウジ病は宿主の壊死組織または生きている組織を摂食する寄生性双翅目ハエの幼虫によって起こる動物または人間の疾患である。クロバエは、オーストラリアのヒツジ産業における唯一の最も深刻な寄生虫である。損失は、毎年5000万ドル以上であると推定される。これらの損失は、ヒツジの成長の低下、羊毛生産の低下および劣化、ならびに寄生虫を防除する試みで費やされるきわめて高い労働コストによって生じる。
【0006】
通常の条件下では、クロバエは生きている健康なヒツジを攻撃しない。動物が、例えば焼印または去勢により傷口が開いていると、ある種のクロバエはその傷口に卵を産み付ける。これらは孵化して、動物の肉を食べるウジになり得る。
【0007】
刺咬性ハエおよびクロバエの成虫集団の主要な防除方法は、家畜への局所的な殺虫剤の適用を含む。有機リンまたは有機塩素化合物が使用されることが多く、通常、噴霧製剤において使用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】T.L.Gilchrist著、Comprehensive Organic Synthesis、第7巻、748−750頁、S.V.Ley編、Pergamon Press
【非特許文献2】M.TislerおよびB.Stanovnik著、Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第3巻、18−20頁、A.J.BoultonおよびA.McKillop編、Pergamon Press
【非特許文献3】M.R.GrimmettおよびB.R.T.Keene著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第43巻、149−161頁、A.R.Katritzky編、Academic Press
【非特許文献4】M.TislerおよびB.Stanovnik著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第9巻、285−291、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Press
【非特許文献5】G.W.H.CheesemanおよびE.S.G.Werstiuk著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第22巻、390−392頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Press
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が取り扱うハエウジ病の処置および予防ならびに刺咬性ハエの防除において有用な、改善された殺虫剤製剤が切実に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、寄生虫駆除的に有効な量の式1
【化1】

(式中、
1は、Me、Cl、BrまたはFであり、
2は、F、Cl、Br、C1〜C4ハロアルキルまたはC1〜C4ハロアルコキシであり、
3は、F、ClまたはBrであり、
4は、H、もしくはハロゲン、CN、SMe、S(O)Me、S(O)2Me、およびOMeからなる群から選択される1つの置換基によって場合によりそれぞれ置換されていてもよいC1〜C4アルキル、C3〜C4アルケニル、C3〜C4アルキニル、C3〜C5シクロアルキル、またはC4〜C6シクロアルキルアルキルであり、
5は、HまたはMeであり、
6は、H、FまたはClであり、そして
7は、H、FまたはClである)
の化合物またはそのN−オキシドまたはその塩を含む組成物を動物に適用することによって、動物におけるハエの寄生を防除または予防する方法に関する。
【0011】
注目すべきは、
4が、H、またはCN、SMeおよびOMeからなる群から選択される1つの置換基によって場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキルであり、
5がHまたはMeであり、
6がHであり、そして
7がHである式Iの化合物である。
【0012】
注目すべきは、
a)R1がMeまたはClであり、
2がCl、Br、CF3、OCF2H、OCF3またはOCH2CF3であり、そして
4がH、Me、Et、i−Pr、t−Bu、CH2CN、CH(Me)CH2SMeまたはC(Me)2CH2SMeである式1の化合物と、
b)R2がCl、Br、CF3またはOCH2CF3であり、
4がH、Me、Etまたはi−Prであり、そして
5がHである上記のa)の化合物と、
c)R1がMeであり、R2がBrであり、R3がClであり、R4がMeである上記のb)の化合物とである。
【0013】
さらに注目すべきは、R6がHであり、そしてR7がHである上記のa、b、cの化合物である。
【0014】
特に興味深い化合物は、
【化2】

または3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)−カルボニル]−フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドである。
【0015】
本発明の好ましい組成物は、上記の好ましい化合物を含むものである。好ましい使用方法は、上記の好ましい化合物を含むものである。
【0016】
また本発明は、上記の寄生虫駆除的に有効な量の化合物を含む組成物を動物に適用することによって、動物のハエウジ病を処置する方法にも関する。
【0017】
本発明は、薬剤として使用するための式1の化合物も含む。
【0018】
また本発明は、動物におけるハエウジ病またはハエの寄生を処置するための薬剤の製造における式1の化合物の使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で使用される場合、「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」、「有している」、「含有する」または「含有している」という用語、もしくはこれらの他の任意の変化形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素だけに限定されるのではなく、明確に記載されていない、あるいはこのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素も含み得る。さらに、反対に明確に記載されない限り、「または」は包括的なまたはを指し、排他的なまたはを指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)Bが真である(または存在する)、そしてAおよびBが両方とも真である(または存在する)。
【0020】
また、本発明の要素または成分に先立つ不定冠詞「a」および「an」は、要素または成分の例(すなわち、発生)の数に関して非限定的であることが意図される。そのため、「a」または「an」は1つまたは少なくとも1つを含むように読み取られるべきであり、要素または成分の単数の語形は、数が明らかに単数を意味しない限りは複数も含む。
【0021】
上記の詳説において、単独もしくは「アルキルチオ」または「ハロアルキル」などの複合語において使用される「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、もしくは種々のブチル異性体などの直鎖または分枝状アルキルを含む。単独または「ハロアルコキシ」などの複合語のいずれかにおける「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」または「ハロアルコキシ」などの複合語において使用される場合、前記アルキルまたはアルコキシは、同一でも異なっていてもよいハロゲン原子によって部分的または完全に置換され得る。「ハロアルキル」の例としては、F3C、ClCH2、CF3CH2およびCF3CCl2が挙げられる。「ハロアルコキシ」の例としては、CF3O、HCF2O、CCl3CH2O、HCF2CH2CH2OおよびCF3CH2Oが挙げられる。
【0022】
窒素はオキシドへの酸化のために利用可能な孤立電子対を必要とするので、全ての窒素含有複素環がN−オキシド形成できるとは限らないことを当業者は認識するであろう。当業者はN−オキシドを形成することができる窒素含有複素環を認識するであろう。また当業者は、第3級アミンがN−オキシドを形成できることも認識するであろう。ヘテロ環および第3級アミンのN−オキシドの調製のための合成方法は当業者には非常によく知られており、過酢酸およびm−クロロ過安息香酸(MCPBA)などのペルオキシ酸、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、およびジメチルジオキシランなどのジオキシランによるヘテロ環および第3級アミンの酸化が含まれる。N−オキシドの調製のためのこれらの方法は文献に広く記載および概説されており、例えば、非特許文献1〜5とが参照される。
【0023】
本発明の化合物は、1つまたは複数の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体は、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体を含む。当業者は、1つの立体異性体が他の立体異性体に対して濃縮されたとき、または他の立体異性体から分離されたときに、より活性であり得る、および/または有益な効果を示し得ることを認識するであろう。さらに、当業者は前記立体異性体を分離、濃縮、および/または選択的に調製する方法を知っている。従って、本発明は、式1、そのN−オキシドおよびその塩から選択される化合物を含む。投与モードに適切な薬学的または獣医学的に許容可能な塩が意図される。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個々の立体異性体として、あるいは光学的に活性な形態で存在し得る。
【0024】
本発明の化合物の塩は、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機または有機酸との酸付加塩を含む。本発明の組成物および方法において、本発明の化合物の塩は、好ましくは、本明細書に記載される獣医学/薬学的な使用に受け入れられるものである。
【0025】
本発明の好ましい組成物は、上記の好ましい化合物を含むものである。好ましい使用方法は、上記の好ましい化合物を含むものである。
【0026】
「ハエ」は、「2枚の翅がある(two−winged)」ことを意味する双翅目の昆虫である。真のハエは、飛ぶために用いられる一対の翅を有する。翅の後方には、一対の柄のあるノブ(stalked knob)のような構造(平均棍と呼ばれる)があり、これは平衡器官である。ハエは完全変態を受ける。すなわち、ライフサイクルは、以下の段階:卵、幼虫(ウジと呼ばれる)、さなぎ、および成虫からなる。ライフサイクルの各段階が防除および介入の標的であり得る。
【0027】
ハエは、2つの機能カテゴリー、「刺咬性(biting)」および「非刺咬性(non−biting)」に分類することができる。「刺咬性ハエ」は、宿主動物の外被に穴を開けるためによく適した、特別に適応された口器を有する。サシバエ(Stomoxys calcitrans)は、刺咬性ハエのよい例である。サシバエは、皮膚に穴を開けて血液を飲むために使用される口吻を有する。オスもメスも両方とも血液摂食ハエ(bloodfeeder)である。サシバエは、拘束動物(confined−animal)の生産施設内およびその周りでかなりの数で繁殖する、刺咬して吸血する唯一のハエであることが多い。刺咬性ハエの別の例はノサシバエ(Haematobia irritans irritans)であり、サシバエと同様に吸血ハエ(bloodsucker)であり、多大な経済的影響を有する。サシバエと同様に、ノサシバエは、穴を開ける/吸い込む口器を有する。
【0028】
「クロバエ」は、ハエウジ病の病原体のハエであると定義される。例として、ニクバエ科およびヒツジバエ科と共にクロバエ科は、家畜および人間の重要なハエウジ病の多くに対して大きな責任がある種を含有する。クロバエの主要な種は、ヨーロッパのキンバエ(greenbottle)(Lucilia sericata)、クロバエ(blackbottle)(Phormia terraenovae)、アオバエ(bluebottle)(Calliphora erythrocephalaおよびCalliphora.vomitoria)を含む。これらのハエは、その体の部分の金属光沢の色を特徴とする。Lucilia cuprina、L.caeser、L.illustris、Phormia regina、Calliphora stygia、C australis、C.fallax、Chrysomyia albiceps、C.chlorophyga、C.micropogon、およびC.rufifaciesは、熱帯および亜熱帯のクロバエの主要な種の例である。クロバエはヒツジの飼育において特に深刻な問題である。ヒツジを攻撃するクロバエは:
(1)生きているヒツジへの攻撃を開始することができる第1のハエ(これらには、LuciliaおよびPhormia spp.およびいくつかのCalliphora spp.が含まれる)と、
(2)攻撃を開始することができないが、既に攻撃されたかさもなければ損傷した領域を攻撃することができる第2のハエ(これらは損傷を広げることが多いため、その攻撃は非常に過酷なものの1つとされる。例としては、多くのCalliphora spp.そしてより暖かい気候では、Chrysomyia spp.が挙げられる。)と
の2つの主要なカテゴリーに分けられる。
【0029】
「寄生虫駆除的に有効な量」は、標的の寄生性無脊椎有害生物の発生または活動を低下させる観察可能な効果を達成するために必要とされる活性成分の量である。当業者は、寄生的に有効な用量が、本発明の種々の化合物および組成物、所望の寄生効果および持続期間、標的の無脊椎有害生物種、保護すべき動物、適用モードなどに対して変化し、特定の結果を達成するために必要とされる量は簡単な実験によって決定され得ることを認識するであろう
【0030】
「ハエウジ病」は、動物宿主の壊死組織または生きている組織を摂食する寄生性双翅目ハエの幼虫によって起こる動物の疾患である。ハエウジ病に対する口語体は、「fly−strike」および「fly−blown」を含む。クロバエのハエウジ病はヒツジに関連することが多いが、多数の他の動物も罹患され得る。
【0031】
ハエウジ病または寄生に適用される場合の「処置する」または「処置」は、それぞれハエウジ病または寄生の予防および防除の両方を指す。
【0032】
本発明の実施形態としては以下が挙げられる。
【0033】
実施形態1
ハエが刺咬性ハエである、「発明の概要」に記載される方法または使用。
【0034】
実施形態2
ハエがサシバエである、実施形態1に記載される方法または使用。
【0035】
実施形態3
ハエがノサシバエである、実施形態1に記載される方法または使用。
【0036】
実施形態4
動物が群れをなす動物(herd animal)である、実施形態1〜3のいずれかに記載される方法または使用。
【0037】
実施形態5
動物がウシまたはヒツジである、実施形態4に記載される方法または使用。
【0038】
実施形態6
組成物が、溶媒および/またはキャリア、乳化剤および/または分散剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を含む、実施形態1〜5のいずれかに記載される方法または使用。
【0039】
実施形態7
組成物が少なくとも1つの追加の生物学的に活性な化合物または薬剤を含む、実施形態6の方法または使用。
【0040】
実施形態8
追加の生物学的に活性な化合物または薬剤が、大環状ラクトン、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、節足動物成長調節剤、GABA作動性クロライドチャネル拮抗薬、ミトコンドリア電子伝達阻害剤、ニコチン性アセチルコリン作用薬/拮抗薬/活性化剤、酸化的リン酸化阻害剤、駆虫剤、ナトリウムチャネル調節剤またはその他の抗寄生虫化合物からなる群から選択される、実施形態7の方法または使用。
【0041】
実施形態9
前記生物学的に活性な化合物が大環状ラクトンである実施形態8の方法または使用。
【0042】
実施形態10
前記生物学的に活性な化合物が、有機リン酸エステルおよびカルバメートの群から選択されるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である実施形態8の方法または使用。
【0043】
実施形態11
前記生物学的に活性な化合物が、キチン合成阻害剤、エクジソン作用薬/攪乱物質、脂質生合成阻害剤および幼若ホルモン擬態の群から選択される節足動物成長調節剤である、実施形態8の方法または使用。
【0044】
実施形態12
前記生物学的に活性な化合物がGABA作動性クロライドチャネル拮抗薬である実施形態8の方法または使用。
【0045】
実施形態13
前記生物学的に活性な化合物がミトコンドリア電子伝達阻害剤である、実施形態8の方法または使用。
【0046】
実施形態14
前記生物学的に活性な化合物がニコチン性アセチルコリン作用薬/拮抗薬/活性化剤である実施形態8の方法または使用。
【0047】
実施形態15
前記生物学的に活性な化合物が酸化的リン酸化阻害剤である、実施形態8の方法または使用。
【0048】
実施形態16
前記生物学的に活性な化合物が駆虫剤である、請求項8の方法または使用。
【0049】
実施形態17
前記生物学的に活性な化合物がナトリウムチャネル調節剤である、請求項8の方法または使用。
【0050】
実施形態18
ハエウジ病が、少なくとも一部は、分類学上のクロバエ科、ニクバエ科またはヒツジバエ科から選択される幼虫に起因する、「発明の概要」に記載されるハエウジ病の処置方法または使用。
【0051】
実施形態19
ハエウジ病が、少なくとも一部は、分類学上のクロバエ科、ニクバエ科またはヒツジバエ科から選択される幼虫に起因する、実施形態18の方法または使用。
【0052】
実施形態20
ハエウジ病が、少なくとも一部は、クロバエ科の幼虫に起因する、実施形態18の方法または使用。
【0053】
実施形態21
ハエウジ病が、少なくとも一部は、Lucilia cuprinaおよびLucilia sericataからなる群から選択される幼虫に起因する、実施形態18の方法または使用。
【0054】
実施形態22
ハエウジ病が、少なくとも一部は、Lucilia cuprinaの幼虫に起因する、実施形態18の方法または使用。
【0055】
実施形態23
ハエウジ病が、少なくとも一部は、Lucilia sericataの幼虫に起因する、実施形態18の方法または使用。
【0056】
実施形態24
動物がウシまたはヒツジである、実施形態18の方法または使用。
【0057】
実施形態25
組成物が、溶媒および/またはキャリア、乳化剤および/または分散剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を含む、実施形態18〜24のいずれかの方法または使用。
【0058】
実施形態26
組成物が、少なくとも1つの追加の生物学的に活性な化合物または薬剤を含む、実施形態25の方法または使用。
【0059】
実施形態27
追加の生物学的に活性な化合物または薬剤が、大環状ラクトン、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、節足動物成長調節剤、GABA作動性クロライドチャネル拮抗薬、ミトコンドリア電子伝達阻害剤、ニコチン性アセチルコリン作用薬/拮抗薬/活性化剤、酸化的リン酸化阻害剤、駆虫剤、ナトリウムチャネル調節剤またはその他の抗寄生虫化合物からなる群から選択される、実施形態26の方法または使用。
【0060】
実施形態28
前記生物学的に活性な化合物が大環状ラクトンである、実施形態27の方法または使用。
【0061】
実施形態29
前記生物学的に活性な化合物が、有機リン酸エステルおよびカルバメートの群から選択されるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である、実施形態27の方法または使用。
【0062】
実施形態30
前記生物学的に活性な化合物が、キチン合成阻害剤、エクジソン作用薬/攪乱物質、脂質生合成阻害剤および幼若ホルモン擬態の群から選択される節足動物成長調節剤である、実施形態27の方法または使用。
【0063】
実施形態31
前記生物学的に活性な化合物が、GABA作動性クロライドチャネル拮抗薬である実施形態27の方法または使用。
【0064】
実施形態32
前記生物学的に活性な化合物がミトコンドリア電子伝達阻害剤である、請求項27の方法または使用。
【0065】
実施形態33
前記生物学的に活性な化合物がニコチン性アセチルコリン作用薬/拮抗薬/活性化剤である、請求項27の方法または使用。
【0066】
実施形態34
前記生物学的に活性な化合物が、酸化的リン酸化阻害剤である請求項27の方法または使用。
【0067】
実施形態35
前記生物学的に活性な化合物が駆虫剤である請求項27の方法または使用。
【0068】
上記の実施形態は例示のためのものであり、限定を意図しない。本発明のさらなる態様は、明細書全体にわたって論じられる。
【0069】
本発明は、寄生虫駆除的に有効な量の式1の化合物、またはそのN−オキシド、もしくはその薬学的または獣医学的に許容可能な塩を含む組成物を動物に適用することによって、動物のハエウジ病を処置する方法にも関する。
【0070】
従って、本発明は、動物用薬剤、またより特別には抗ハエウジ病の動物用薬剤として使用するための、「発明の概要」に記載される化合物(およびそれを含有する組成物)を含むと理解される。保護すべき動物は、実施形態4および5において詳述されるものを含む。ハエは、実施形態2および3において詳述されるものを含む。薬剤は、局所形態で提供され得る。
【0071】
また本発明は、動物をハエウジ病から保護するための薬剤の製造における、「発明の概要」に記載される化合物を含むことも理解される。保護すべき動物は、実施形態4および5において詳述されるものを含む。ハエは、実施形態2および3において詳述されるものを含む。薬剤は、局所形態で提供され得る。
【0072】
また本発明は、動物をハエウジ病から保護するための薬剤の製造において使用するための「発明の概要」に記載される化合物を含むことも理解される。保護すべき動物は、実施形態4および5において詳述されるものを含む。ハエは、実施形態2および3において詳述されるものを含む。薬剤は、局所形態で提供され得る。
【0073】
また本発明は、動物をハエウジ病から保護するために包装および提供される「発明の概要」に記載される化合物を含むことも理解される。保護すべき動物は、実施形態4および5において詳述されるものを含む。ハエは、実施形態2および3において詳述されるものを含む。本発明の化合物は、局所剤形で包装および提供され得る。
【0074】
また本発明は、式1の化合物が少なくとも1つの薬学的または獣医学的に許容可能なキャリアと混合されることを特徴とする、動物を寄生性無脊椎有害生物から保護するための組成物の製造方法を含むことも理解される。保護すべき動物は、実施形態4および5において詳述されるものを含む。ハエは、実施形態2および3において詳述されるものを含む。本発明の組成物は、局所剤形で包装および提供され得る。
【0075】
本発明に従って使用することができる式1の化合物は刺咬性ハエおよびクロバエに対して優れた作用を有するが、動物によって十分に許容される。従って、本発明は、当該技術分野の真の充実を表す。
【0076】
本発明に従う化合物は良好な外部寄生虫駆除的活性を有するが、動物にとって毒性が低い。
【0077】
式1の化合物は有効な成虫駆除剤(adulticide)および幼虫駆除剤(larvacide)の両方である、すなわち、これらは、標的の寄生虫の成虫段階および寄生虫の幼若段階の両方において有効なので、ハエウジ病の処置において特に有利である。
【0078】
式1の化合物は、米国特許出願公開第2006/0111403A1号明細書(本明細書における開示と矛盾しない範囲で参照によって本明細書に援用される)で記載されるような方法および当業者には容易に分かる変化形によって調製することができる。複素環および第3級アミンのN−オキシドを調製するための合成方法は当業者によって非常によく知られており、過酢酸およびm−クロロ過安息香酸(MCPBA)などのペルオキシ酸、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、およびジメチルジオキシランなどのジオキシランによる複素環および第3級アミンの酸化が含まれる。N−オキシドの調製のためのこれらの方法は、文献に広く記載および概説されており、例えば、T.LGilchrist、Comprehensive Organic Synthesis、第7巻、748−750頁、S.V.Ley編、Pergamon Pressと、M.TislerおよびB.Stanovnik、Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第3巻、18−20頁、A.J.BoultonおよびA.McKillop編、と、M.R.GrimmettおよびB.R.T.Keene、Advances in Heterocyclic Chemistry、第43巻、149−161頁、A.R.Katritzky編、Academic Pressと、M.TislerおよびB.Stanovnik、Advances in Heterocyclic Chemistry、第9巻、285−291頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Pressと、G.W.H.CheesemanおよびE.S.G.Werstiuk、Advances in Heterocyclic Chemistry、第22巻、390−392頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Pressとが参照される。
【0079】
例示のためであって限定によるものではない以下の化合物は、本発明の実施において有利であることが予期される。
【0080】
【表1】

【0081】
【表2】

【0082】
【表3】

【0083】
【表4】

【0084】
【表5】

【0085】
【表6】

【0086】
【表7】

【0087】
本明細書において記載される本発明は、寄生虫駆除的に有効な量の式1の化合物を動物に適用することによって、動物におけるハエの寄生を防除または予防する方法に関する。
【0088】
本発明の化合物の投与
本発明の式1の化合物は、ハエに悩まされ得るまたはハエウジ病に感染し得る群れをなす動物を含む任意の動物に適用することができる。組成物は、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ロバ、ラクダ、ブタ、トナカイ、カリブー(caribou)および水牛に適用することができる。人間も処置することができる。
【0089】
「適用する」は、非限定的な例として、動物全体の噴霧(whole−animal spray)、自己適用デバイス、ポアオン(pour on)処置および制御放出デバイス、例えば、化合物または式1の化合物を含む組成物を含む耳標およびテープ、首輪、耳標、テイルバンド、リムバンドまたはホールターなどによって達成することができる。噴霧およびポアオン処置に加えて、適用は、他の局所投与形態、例えば、浸漬またはディップ、洗浄、粉末によるコーティング、または動物の小領域への適用の形態で行うこともできる。
【0090】
処置すべき動物への本発明に従う組成物の適用は、溶液、乳液、懸濁液、(ドレンチ)、粉末、およびポア−オン製剤によって局所的に行われる。
【0091】
ポア−オンまたはスポット−オン法は、式1の化合物を皮膚または外被の特定の位置(有利には、動物の首または背骨)に適用することからなる。これは、例えば、ポア−オンまたはスポット−オン製剤のスワブ(swab)またはスプレーを外皮の比較的小領域に適用することによって行われ、そこから活性物質は、製剤中の成分の展着性のために毛皮の広い領域にわたってほとんど自動的に、そして動物の移動により助けられて分散される。
【0092】
式1の化合物は、動物が住んでいる局所環境(例えば、寝床や囲い地など)に適用することによって間接的に動物に適用されてもよい。
【0093】
動物全体の噴霧は、ハエによる圧迫の急速な緩和を提供する。動物の噴霧は、低濃度の粗いスプレー(皮膚を浸すために高圧下で適用されることが多い)として、あるいは細かく少量のより高濃度のミストとして適用される。
【0094】
自己適用デバイスは、殺虫剤−油溶液で処理された吸収性材料が被覆されたバックラバー(back rubber)または殺虫性粉が充填されたダストバッグ(dust bag)を含む。バックラバーおよびダストバッグは、出入口、水および餌料源の近く、ならびに動物が頻繁に接触できるその他の場所に置かれるべきである。
【0095】
制御放出耳標およびテープは、一般に、特定の農場地域ではハエを防除するために非常に有効である。
【0096】
ポア−オン処置は、動物のバックラインに沿って局所製品の規定投与量で殺虫剤を適用することを含む。ポア−オンまたはスポット−オン法は、ウシ、ウマ、ヒツジまたはブタなどの群れをなす動物(より労働集約的な投与方法では全ての動物を処置するのは困難であるか、あるいは時間がかかる)において使用するために特に有利である。
【0097】
本発明に従う化合物は、ハエの幼虫に対して特に有効である。活性化合物は、既知の方法で、好ましくは皮膚または局所使用によって、例えば、ディッピング、噴霧、ポア−オンおよびスポット−オン、ならびに粉末化の形態で使用される。
【0098】
クロバエの攻撃は、ヒツジを捕らえて感染部分から羊毛を刈り取り、ウジを掻き出し、消毒薬または抗生物質および殺虫剤を適用してさらなる攻撃を予防しない限り、ほとんどの場合致命的である。クロバエの攻撃の処置は、存在するすべてのウジを殺し、さらなるハエの攻撃の可能性を防止し、創傷の治癒を助けることを目的としなければならない。羊毛は、創傷のまわりおよび周辺領域から注意深く刈り取られなければならない。式1の化合物を含有するクリームを感染部分に適用することができる。軽症の場合は正しい処置によりすぐに治癒するはずである。
【0099】
ハエウジ病に罹患したヒツジまたは罹患の危険のあるヒツジをディッピングによって処置することも有効である。ディップがヒツジの毛全体を飽和することを保証するように、ヒツジを少なくともまる1分浸漬することが特に重要であり、そしてディップ濃縮物の強度を保持するために、ディップ浴の定期的な補充が重要である。ポア−オンも有効な処置であろう。
【0100】
本発明の組成物
本発明の化合物は単独で適用されてもよいが、通常、動物用組成物または医薬品組成物に配合される。化合物は、既知の方法で、例えば、適切な場合には乳化剤および/または分散剤を用いて(例えば、希釈剤として水が使用される場合、適切であれば補助溶媒として有機溶媒を使用することができる)、活性化合物を溶媒および/またはキャリアにより増量することによって、組成物中に調製または配合される。
【0101】
通常、本発明で使用される組成物は、式1の化合物、そのN−オキシドまたはその塩と、局所投与に対する適性および標準的技法に従って選択される賦形剤および助剤を含む1つまたは複数の薬学的または獣医学的に許容可能なキャリアとの混合物を含む。さらに、適切なキャリアは、pHに対する安定性および含水量などの条件を含む組成物中の1つまたは複数の活性成分との適合性に基づいて選択される。主に適用される媒体は、寄生虫に有効な量の式1の化合物および少なくとも1つのキャリアを含む、動物を寄生性無脊椎有害生物から保護するための組成物であろう。
【0102】
局所投与のための製剤は、通常、粉末、クリーム、懸濁液、スプレー、乳液、フォーム、ペースト、エアロゾル、軟膏、膏薬またはゲルの形態である。局所製剤は水溶性溶液であり、使用前に希釈される濃縮物の形態であり得る。局所投与に適した寄生虫駆除組成物は、通常、本発明の化合物および1つまたは複数の局所的に適切なキャリアを含む。寄生虫駆除組成物を動物の外側にラインまたはスポットで局所的に適用する(すなわち、「スポット−オン」処理)際、活性成分は、動物の表面上を移動して、その外側表面領域のほとんどまたは全てを被覆する。結果として、処置動物は、特に、マダニ、ノミおよびシラミなどの動物の表皮から摂食する無脊椎有害生物から保護される。従って、局所的な局在投与のための製剤は、活性成分の皮膚上での輸送および/または動物の表皮への浸透を容易にするために少なくとも1つの有機溶媒を含むことが多い。このような製剤中のキャリアとしては、プロピレングリコール、パラフィン、芳香族化合物、エステル(ミリスチン酸イソプロピルなど)、グリコールエーテル、アルコール(エタノール、n−プロパノール、2−オクチルドデカノールまたはオレイルアルコールなど)と、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸オキサリックエステル(lauric acid oxalic ester)、オレイン酸オレイルエステル、オレイン酸デシルエステル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、C12〜C18鎖長の飽和脂肪アルコールのカプロン酸エステルなどのモノカルボン酸のエステル中の溶液と、フタル酸ジブチル、イソフタル酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピルエステル、アジピン酸ジ−n−ブチルなどのジカルボン酸のエステルの溶液、または脂肪酸、例えばグリコールのエステルの溶液とが挙げられる。製薬産業または化粧品産業から知られている結晶化阻害剤または分散剤も存在することは有利であり得る。
【0103】
農業的に価値のある動物において寄生虫を防除するために、ポア−オン(pour−on)製剤を調製することもできる。本発明のポア−オン製剤は、液体、粉末、乳液、フォーム、ペースト、エアロゾル、軟膏、膏薬またはゲルの形態であり得る。通常、ポア−オン製剤は液体である。これらのポア−オン製剤は、ヒツジ、ウシ、ヤギ、その他の反芻動物、ラクダ科の動物、ブタおよびウマに有効に適用することができる。ポア−オン製剤は、通常、動物の背側正中線(背中)または肩に、1本または数本のラインでまたはスポットオンで注ぐことによって適用される。より一般的には、製剤は、脊椎に従って動物の背中に沿って注ぐことによって適用される。製剤は、動物の少なくとも小領域に含浸材料をワイピングする方法、もしくは市販のアプリケーターを用いて、シリンジを用いて、噴霧により、またはスプレーレース(spray race)を用いて適用する方法を含む、他の従来の方法によって動物に適用することもできる。ポア−オン製剤はキャリアを含み、そして1つまたは複数の追加の成分も含むことができる。適切な追加の成分の例としては、酸化防止剤などの安定剤、展着剤、防腐剤、接着促進剤、オレイン酸などの活性可溶化剤、粘度調整剤、UV遮断剤または吸収剤、および着色剤がある。アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性界面活性剤を含む界面活性剤もこれらの製剤中に含まれ得る。
【0104】
本発明の製剤は、多くの場合、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)などの酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、一般に、0.1〜5%(wt/vol)の量で存在する。製剤のいくつかは、活性剤を溶解させるためにオレイン酸などの可溶化剤を必要とする。これらのポア−オン製剤において使用される一般的な展着剤は、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、パルミチン酸イソプロピル(IPP)、飽和C12〜C18脂肪アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、オレイン酸、オレイルエステル、オレイン酸エチル、トリグリセリド、シリコーン油およびジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)である。本発明のポア−オン製剤は、既知の技術に従って調製される。ポア−オンが溶液である場合、寄生虫駆除剤/殺虫剤は、必要であれば加熱および攪拌を用いてキャリアまたは媒体と混合される。補助的または追加の成分は活性剤およびキャリアの混合物に添加することもできるし、あるいはキャリアを添加する前に活性剤と混合することもできる。ポア−オンが乳液または懸濁液である場合、これらの製剤は、既知の技術を用いて同様に調製される。
【0105】
比較的疎水性の薬品化合物のための他の送達系を用いることができる。リポソームおよび乳液は、疎水性薬物の送達媒体またはキャリアのよく知られた例である。さらに、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒も使用することができる。
【0106】
式1の化合物は、一般に、0.1〜95重量パーセントの濃度、好ましくは0.5〜90重量パーセントの濃度で組成物中に存在する。直接適用を対象とした調製物は、0.001〜5重量パーセントの間の濃度、好ましくは0.005〜3重量パーセントの濃度の本発明に従う活性化合物を含有する。
【0107】
式1の化合物の投与量は、動物の体重1kgあたり0.0001mg〜動物の体重1kgあたり約1000mgの範囲であり得る。時には、投与量は、動物の体重1kあたり0.1mg〜動物の体重1kあたり約200mgであり得る。多くの場合、約0.01〜約100mgの量、または0.02〜約50mg/kgの間の量、そして頻繁には0.1〜75mg/kgの間の量で投与することが有利であろう。好ましくは、処置は、0.1〜40mg/kgの用量、特に1〜30mg/kgの用量を動物に投与するように実行される。投与は単一用量で、あるいは間欠的に行うことができ、有効な結果を達成するために、毎日、毎週、毎月、2ヶ月に1回または年4回投与され得る。
【0108】
それにもかかわらず、時には、言及した量から外れることが必要なこともあり、特に、試験動物の体重および/または適用方法に従って、また動物の種および薬剤に対するその個々の挙動、あるいは後者の製剤の性質および投与される時間または間隔のために、そうすることが必要なこともある。従って、場合によっては、上記の最小量よりも少ない量を用いれば十分なこともあるが、別の場合には言及した上限よりも多くなければならない。大量に適用される場合には、1日の間にこれらの量を数回の個々の投与に分けることが賢明であり得る。上記の他の記述の一般的な意味も当てはまる。
【0109】
ポア−オンまたはスポット−オン製剤は、宿主動物の皮膚表面または外被内での急速な分散を促進し、通常、展着油(spreading oil)と見なされるキャリアを適切に含有する。適切なキャリアとしては、例えば、油性溶液と、2−オクチルドデカノールまたはオレイルアルコールの溶液などのアルコールおよびイソプロパノール溶液と、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸オキサラート、オレイン酸オレイルエステル、オレイン酸デシルエステル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、鎖長C12〜C18の飽和脂肪アルコールのカプリン酸エステルなどのモノカルボン酸のエステル中の溶液と、フタル酸ジブチル、イソフタル酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピルエステル、アジピン酸ジ−N−ブチルなどのジカルボン酸のエステルの溶液と、あるいは脂肪酸、例えばグリコールのエステルの溶液とがある。製薬産業または化粧品産業から知られているものなどの分散剤がさらに存在することは有利であり得る。例としては、2−ピロリドン、2−(N−アルキル)ピロリドン、アセトン、ポリエチレングリコール、ならびにこれらのエーテルおよびエステル、プロピレングリコールまたは合成トリグリセリドがある。
【0110】
油性溶液には、例えば、オリーブ油、ラッカセイ油、ゴマ油、松油、アマニ油またはヒマシ油などの植物油が含まれる。植物油は、エポキシ化形態でも存在し得る。パラフィンおよびシリコーン油も使用され得る。
【0111】
ポア−オンまたはスポット−オン製剤は、通常、1〜20重量%の式1の化合物と、0.1〜50重量%の分散剤と、45〜98.9重量%の溶媒とを含有する。
【0112】
重要なのは、式1の化合物が、動物が住んでいる局所環境(例えば、寝床や囲い地など)に適用することによって、動物に間接的に適用されてもよいことである。有効な使用量は約1.0〜50mg/平方メートルの範囲であり得るが、わずか0.1mg/平方メートルで十分なこともあるし、あるいは150mg/平方メートルも必要とされることもある。当業者は、所望される有害生物防除レベルに必要な生物学的に有効な量を容易に決定することができる。
【0113】
本発明の組成物は追加の活性化合物を含み得る:
追加の生物学的に活性な化合物は同時に投与されてもよいし、あるいはより広い範囲の有害生物の防除を提供するため、または成虫ノミを攻撃するために、時間をかけて別々に投与されてもよいことが意図される。このような追加の生物学的に活性な化合物は、キットとして式1の化合物と一緒に包装されてもよい。便宜上、このような追加の生物学的に活性な化合物は、式1の化合物を含有する同一の組成物中に配合され得る。従って、本発明は、式1の化合物に加えてさらに、通常の固体または液体増量剤、希釈剤および/または界面活性剤のほかに、追加の生物学的に活性な化合物、消毒薬または抗生物質などの助剤および/または活性化合物を含有する(製剤またはすぐに使用できる溶液に混合され得る)ことを特徴とする組成物の使用を意図する。
【0114】
注目すべきは、例えば、アベルメクチン(例えば、イベルメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシン)、ベンゾイミダゾール(例えば、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール)、サリチルアニリド(例えば、クロサンテル、オキシクロザニド)、置換フェノール(例えば、ニトロキシニル)、ピリミジン(例えば、ピランテル)、イミダゾチアゾール(例えば、レバミソール)およびプラジカンテルなどの技術分野で既知の駆虫剤から選択される追加の生物学的に活性な化合物または薬剤である。
【0115】
本発明の組成物において有用であるその他の生物学的に活性な化合物または薬剤は、ジフルベンズロン、トリフルムロン、フルアズロン、シロマジン、メトプレンなどの昆虫成長調節剤(IGR)および幼若ホルモン擬態(JHA)から選択することができ、それによって、動物対象に対して、そして動物対象の環境において、寄生虫(卵を含む昆虫の発達の全ての段階において)の初期防除および持続的な防除が提供される。
【0116】
本発明に従う式Iの化合物は単独で使用されてもよいし、他の殺生物剤と組み合わせて使用されてもよい。これらは、例えば活性を増大させるために同じ活性範囲を有する農薬と組み合わせられてもよいし、例えば活性の範囲を広くするために別の活性範囲を有する物質と組み合わせられてもよい。いわゆる防虫剤を添加するのも賢明であり得る。活性の範囲が内部寄生虫まで広げられる(例えば、駆虫薬剤(wormer))場合、式1の化合物は、内部寄生虫特性を有する物質と適切に組み合わせられる。もちろん、抗菌組成物と組み合わせて使用することもできる。
【0117】
好ましい組み合わせパートナーの群、および特に好ましい組み合わせパートナーは以下において示され、組み合わせは、式1の化合物に加えてこれらのパートナーの1つまたは複数を含有し得る。
【0118】
混合物における適切なパートナーは、殺生物剤、例えば、以下において示される様々な活性メカニズムを有し、当業者に長い間知られている殺虫剤およびダニ駆除薬、例えば、キチン合成阻害剤、成長調節剤、幼若ホルモンとして作用する活性成分、成虫駆除剤として作用する活性成分、広範囲の殺虫剤、広範囲のダニ駆除薬および殺線虫剤、そして周知の駆虫剤および昆虫−および/またはダニ−防止物質、および防虫剤または脱離剤(detacher)であり得る。
【0119】
このような生物学的に活性な化合物の例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
アセチルコリンエステラーゼの阻害剤であることが一般に知られている種類である有機リン酸エステル:アセフェート、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホス−メチル、ブロモホス、ブロモホス−エチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルピリホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、デメトン、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イサゾホス、イソチオアート、イソキサチオン、マラチオン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチル−パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラオキソン、パラチオン、パラチオン−メチル、フェントエート、ホサロン、ホスホラン、ホスホカルブ、ホスメット、ホスファミドン、ホラート、ホキシム、ピリミホス、ピリミホス−メチル、プロフェノホス、プロパホス、プロエタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルプロホス、テメホス、テルブホス、テブピリムホス、テトラクロルビンホス、チメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン。
【0120】
アセチルコリンエステラーゼの阻害剤であることが一般に知られている種類であるカルバメート:アラニカルブ、アルジカルブ、2−sec−ブチルフェニルメチルカルバメート、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、フェンチオカルブ、フラチオカルブ、HCN−801、イソプロカルブ、インドキサカルブ、メチオカルブ、メトミル、5メチル−m−クメニルブチリル(メチル)カルバメート、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザマート、UC−51717。
ナトリウムチャネルの調節剤であることが一般に知られている種類であるピレスロイド:アクリナトリン、アレスリン、アルファメトリン、5−ベンジル−3−フリルメチル(E)−(1R)−cis−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシラート、ビフェントリン、8−シフルトリン、シフルトリン、oc−シペルメトリン、8−シペルメトリン、ビオアレトリン、ビオアレトリン((S)−I シクロペンチル異性体)、ビオレスメトリン、ビフェントリン、NCI−85193、シクロプロトリン、シハロトリン、シチトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、フルバリネート(D異性体)、イミプトリン、シハロトリン、−シハロトリン、ペルメトリン、フェノトリン、プラレトリン、ピレトリン類(天然産物)、レスメトリン、テトラメトリン、トランスフルトリン、テトラ−シペルメトリン、シラフルオフェン、T−フルバリネート、テフルトリン、トラロメトリン、ゼータ−シペルメトリン。
【0121】
以下のものを含む節足動物成長調節剤:
a)キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロルフェンタジン(chlorfentazine)、b)エクジソン作用薬/攪乱物質:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、c)幼若ホルモン擬態:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ、d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン。
その他の抗寄生虫剤:アセキノシル、アミトラズ、AKD−1022、ANS−118、アザジラクチン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、ベンスルタップ、ビフェナゼート、ビナパクリル、ブロモプロピラート、BTG−504、IBTG−505、カンフェクロール、カルタップ、クロルベンジレート、クロルジメホルム、クロルフェナピル、クロマフェノジド、クロチアニジン、シロマジン、ジアクロデン、ジアフェンチウロン、DBI−3204、ジナクチン、ジヒドロキシメチルジヒドロキシピロリジン、ジノブトン、ジノカップ、エンドスルファン、エチプロール、エトフェンプロックス、フェナザキン、フルマイト(flumite)、MTI−800、フェンピロキシメート、フルアクリピリム、フルベンゾイミン、フルブロシトリネート、フルフェンジン、フルフェンプロックス、フルプロキシフェン、ハロフェンプロックス、ヒドラメチルノン、IKI−220、カネマイト、NC−196、ニームガード(neem guard)、ニジノルテルフラン(nidinorterfuran)、ニテンピラム、SD−35651、WL−108477、ピリダリル、プロパルガイト、プロトリフェンブト、ピメトロジン、ピリダベン、ピリミジフェン、NC−1111、R−195、RH−0345、RH−2485、RYI−210、S−1283、S−1833、Sl−8601、シラフルオフェン、シロマジン、スピノサド、テブフェンピラド、テトラジホン、テトラナクチン、チアクロプリド、チオシクラム、チアメトキサム、トルフェンピラド、トリアザマート、トリエトキシスピノシン、トリナクチン、ベルブチン、バータレック(vertalec)、Yl−5301。
殺菌・殺カビ剤:アシベンゾラル、アルジモルフ、アンプロピルホス、アンドプリム、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビアラホス、ブラストサイジン(blasticidin)−S、ボルドー(Bordeaux)混合物、ブロムコナゾール、ブピリマート、カルプロパミド、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、クロルフェナゾール、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリナート、オキシ塩化銅、銅塩、シフルフェナミド、シモキサニル、シブロコナゾール、シプロジニル、シプロフラム、RH−7281、ジクロシメット、ジクロブトラゾール、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェノコナゾール、RP−407213、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンカラミド、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセタート、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトバー、フルモルフ/フルモルリン、フェンチンヒドロキシド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチル−アルミニウム、フララキシル、フラメタピル(furametapyr)、ヘキサコナゾール、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、マンコゼブ、マンネブ、メフェノキサム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メトミノストロビン/フェノミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ネオ−アソジン、ニコビフィン、オリサストロビン、オキサジキシル、ペンコナゾール、ペンシクロン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロパモカルブ、プロピオコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピリフェノックス、ピラクロストロビン、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、スピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トリアジメホン、トリアジメノール、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリン、
生物剤:バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)亜種アイザワイ、クルスターキ、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、バキュロウィルス、
昆虫病原性の細菌、ウィルスおよび菌・カビ類の殺菌剤:クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ストレプトマイシン。
【0122】
パートナー殺虫剤およびダニ駆除薬の追加のより特定の実施例は以下に記載される。
【0123】
【表8】

【0124】
【表9】

【0125】
【表10】

【0126】
【表11】

【0127】
【表12】

【0128】
適切な駆虫剤の非限定的な例は以下において示され、少数の代表例は駆虫活性に加えて殺虫およびダニ駆除活性も有し、一部は既に上記のリスト内にある。
【0129】
(A1)プラジカンテル=2−シクロヘキシルカルボニル−4−オキソ−1,2,3,6,7,11b−ヘキサヒドロ−4H−ピラジノ[2,1−アルファ]イソキノリン
(A2)クロサンテル=3,5−ジヨード−N−[5−クロロ−2−メチル−4−(a−シアノ−4−クロロベンジル)フェニル]−サリチルアミド
(A3)トリクラベンダゾール=5−クロロ−6−(2,3−ジクロロフェノキシ)−2−メチルチオ−−1H−ベンゾイミダゾール
(A4)レバミゾール=L−(−)−2,3,5,6−テトラヒドロ−6−フェニルイミダゾ[2,1b]チアゾール
(A5)メベンダゾール=(5−ベンゾイル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)カルバミン酸メチルエステル
(A6)オムファロチン=国際公開第97/20857号パンフレットに記載される真菌オムファロタス・オレアリウス(Omphalotus olearius)の大環状発酵産物
(A7)アバメクチン=アベルメクチンB1
(A8)イベルメクチン=22,23−ジヒドロアベルメクチンB1
(A9)モキシデクチン=5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6−,28−エポキシ−23−(メトキシイミノ)−ミルベマイシンB
(A10)ドラメクチン=25−シクロヘキシル−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)−アベルメクチンA1a
(A11)ミルベメクチン=ミルベマイシンA3およびミルベマイシンA4の混合物
(A12)ミルベマイシンオキシム=ミルベメクチンの5−オキシム
【0130】
適切な防虫剤および脱離剤の非限定的な例は、
(R1)DEET(N,N−ジエチル−m−トルアミド)
(R2)KBR 3023 N−ブチル−2−オキシカルボニル−(2−ヒドロキシ)−ピペリジン
(R3)シミアゾール=N,−2,3−ジヒドロ−3−メチル−1,3−チアゾール−2−イリデン−2,4−キシリデン
である。
【0131】
混合物における上記のパートナーはこの分野の専門家にはよく知られている。大部分はThe British Crop Protection Council(London)の「Pesticide Manual」の様々な版に、その他はMerck & Co.,Inc.(Rahway、N.J.,USA)の「The Merck Index」の様々な版に、あるいは特許文献に記載されている。従って、以下のリストは、例として見出すことができる数箇所に限定されている。
【0132】
(I)2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド−O−メチルカルバモイルオキシム(アルジカルブ)(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、26頁から)、
(II)S−(3,4−ジヒドロ−4−オキソベンゾ[d]−[1,2,3]−トリアジン−3−イルメチル)O,O−ジ−メチル−ホスホロジチオアート(アジンホス−メチル)(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、67頁から)、
(III)エチル−N−[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル−(−メチル)アミノチオ]−N−イソプロピル−ベータ−アラニナート(ベンフラカルブ)(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、96頁から)、
(IV)2−メチルビフェニル−3−イルメチル−(Z)−(1RS)−cis−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ビフェントリン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、118頁から)、
(V)2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジアン−4−オン(ブプロフェジン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、157頁から)、
(VI)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−メチルカルバメート(カルボフラン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、186頁から)、
(VII)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−(ジブチルアミノチオ)メチルカルバメート(カルボスルファン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、188頁から)、
(VIII)S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)−ビス(チオカルバメート)(カルタップ)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、193頁から)、
(IX)1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−尿素(クロルフルアズロン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、213頁から)、
(X)O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル−ホスホロチオエート(クロルピリホス)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、235頁から)、
【0133】
(XI)(RS)−アルファ−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−(1RS,3RS;1RS,3RS)−−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジ−メチルシクロプロパンカルボキシラート(シフルトリン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、293頁から)、
(XII)(S)−アルファ−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2−−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよび(R)−.アルファ−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの混合物(ラムダ−シハロトリン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、300頁から)、
(XIII)(S)−アルファ−シアノ−3−フェノキシベンジル−(2)−−(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよび(R)−アルファ−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1S,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートからなるラセミ体(アルファ−シペルメトリン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、308頁から)、
(XIV)(S)−アルファ−シアノ−3−フェノキシ−ベンジル(1RS,3RS,1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ゼータ−シペルメトリン)の立体異性体の混合物、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、314頁から)、
(XV)(S)−アルファ−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1R,3R)−3−(2,2−ジブロモビニル)−−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(デルタメトリン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、344頁から)、
(XVI)(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素(ジフルベンズロン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、395頁から)、
(XVII)(1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−8,9,10−トリノルボルナ−5−エン−2,3−イレンビスメチレン)−スルファイト(エンドスルファン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、459頁から)、
(XVIII)アルファ−エチルチオ−o−トリル−メチルカルバメート(エチオフェンカルブ)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、479頁から)、
(XIX)O,O−ジメチル−O−4−ニトロ−m−トリル−ホスホロチオエート(フェニトロチオン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、514頁から)、
(XX)2−sec−ブチルフェニル−メチルカルバメート(フェノブカルブ)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、516頁から)、
【0134】
(XXI)(RS)−アルファ−シアノ−3−フェノキシベンジル−(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−−メチルブチラート(フェンバレレート)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、539頁から)、
(XXII)S−[ホルミル(メチル)カルバモイルメチル]−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(ホルモチオン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、625頁から)、
(XXIII)4−メチルチオ−3,5−キシリル−メチルカルバメート(メチオカルブ)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、813頁から)、
(XXIV)7−クロロビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2,6−ジエン−6−イル−ジメチルホスファート(ヘプテノホス)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、670頁から)、
(XXV)1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(イミダクロプリド)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、706頁から)、
(XXVI)2−イソプロピルフェニル−メチルカルバメート(イソプロカルブ)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、729頁から)、
(XXVII)O,S−ジメチル−ホスホルアミドチオアート(メタミドホス)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、808頁から)、
(XXVIII)S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミダート(メトミル)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、815頁から)、
(XXIX)メチル−3−(ジメトキシホスフィノイルオキシ)ブタ−2−エノアート(メビンホス)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、844頁から)、
(XXX)O,O−ジエチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオエート(パラチオン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、926頁から)、
【0135】
(XXXI)O,O−ジメチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオエート(パラチオン−メチル)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、928頁から)、
(XXXII)S−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−3−イルメチル−O,O−−ジエチル−ホスホルジチオアート(ホサロン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、963頁から)、
(XXXIII)2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル−ジメチルカルバメート(ピリミカルブ)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、985頁から)、
(XXXIV)2−イソプロポキシフェニル−メチルカルバメート(プロポクスル)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1036頁から)、
(XXXV)1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素(テフルベンズロン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1158頁から)、
(XXXVI)S−tert−ブチルチオメチル−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(テルブホス)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1165頁から)、
(XXXVII)エチル−(3−tert−ブチル−1−ジメチルカルバモイル−1H−1,2,4−トリアゾール−−5−イル−チオ)−アセテート(トリアザマート)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1224頁から)、
(XXXVIII)アバメクチン、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、3頁から)、
(XXXIX)2−sec−ブチルフェニル−メチルカルバメート(フェノブカルブ)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、516頁から)、
(XL)N−tert−ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド(テブフェノジド)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1147頁から)、
【0136】
(XLI)(+−)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−アルファ,アルファ,アルファ−トリフルオロ−p−トリル)−4−トリフルオロメチル−スルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(フィプロニル)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、545頁から)、
(XLII)(RS)−アルファ−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ベータ−シフルトリン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、295頁から)、
(XLIII)(4−エトキシフェニル)−[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン(シラフルオフェン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1105頁から)、
(XLIV)tert−ブチル(E)−アルファ−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル−−メチレンアミノ−オキシ)−p−トルアート(フェンピロキシメート)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、530頁から)、
(XLV)2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3−(2H)−オン(ピリダベン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1161頁から)、
(XLVI)4−[[4−(1,1−ジメチルフェニル)フェニル]エトキシ]−キナゾリン(フェナザキン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、507頁から)、
(XLVII)4−フェノキシフェニル−(RS)−2−(ピリジルオキシ)プロピル−エーテル(ピリプロキシフェン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1073頁から)、
(XLVIII)5−クロロ−N−{2−[4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ]エチル−}−6−エチルピリミジン−4−アミン(ピリミジフェン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1070頁から)、
(XLIX)(E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(ニテンピラム)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、880頁から)、
(L)(E)−N1−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N2−シアノ−N1−−メチルアセトアミジン(NI−25、アセタミプリド)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、9頁から)、
【0137】
(LI)アベルメクチンB1(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、3頁から)、
(LII)植物由来の昆虫活性抽出物、特に、(2R,6aS,12aS)−1,2,6,6a,12,12a−ヘキサヒドロ−2−イソプロペニル−8,9−ジメトキシ−クロメノ[3,4−b]フロ[2,3−h]クロメン−6−オン(ロテノン)、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1097ページから)、およびアザジラクタ・インディカ(Azadirachta indica)からの抽出物、特にアザジラクチン、(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、59頁から)、
(LII)昆虫活性線虫を含有する調製物、好ましくは、Heterorhabditis bactedophoraおよびHeterorhabditis megidisを含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、671頁から)、Steinemema feltiaeを含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1115頁から)、およびSteinemema scaptedsciを含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1116頁から)、
(LIV)バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)から得られる調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、72頁から)、もしくはGC91またはNCTC11821から単離される化合物を除いたバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)菌株から得られる調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、73頁から)、
(LV)昆虫活性菌・カビ類を含有する調製物、好ましくはベルチシリウム・レカニイ(Verticillium lecanii)を含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1266頁から)、ビューベダ・ブログニアルチイ(Beauveda brogniartii)を含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、85頁から)、およびビューベダ・バッシアナ(Beauveda bassiana)を含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、83頁から)、
(LVI)昆虫活性ウィルスを含有する調製物、好ましくは、ネオジプリドン・セルチフェル(Neodipridon Sertife)NPVを含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1342頁から)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)NPVを含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、759頁から)、およびシジア・ポモネラ・グラニュロシス(Cydia pomonella granulosis)ウィルスを含有する調製物(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、291頁から)、
(CLXXXI)7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)−カルバモイル]インドール1,2e]オキサゾリン−4a−カルボキシラート(DPX−MP062、インドキシカルブ(Indoxycarb))(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、453頁から)、
(CLXXXII)N’−tert−ブチル−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−3−メトキシ−2−メチルベンゾヒドラジド(RH−2485、メトキシフェノジド)(「The Pesticide Manual」、第11増補版(1997年)、The British Crop Protection Council(London)、1094頁から)、そして
(CLXXXIII)(N’−[4−メトキシ−ビフェニル−3−イル]−ヒドラジンカルボン酸イソプロピルエステル(D2341)(The Brighton Crop Protection Conference、1996年、487−493頁、(R2)Book of Abstracts、第212回ACS National Meeting(Orlando、Fla.)、8月 25−29頁(1996年)、AGRO−020. 発行者:American Chemical Society(Washington,DC.CONEN:63BFAF)から)
【0138】
通常、本発明に従う駆虫剤組成物は、0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%の式1の活性成分混合物と、99.9〜1重量%、特に99.8〜5重量%の固体または液体添加物(0〜25重量%、特に0.1〜25重量%の界面活性剤を含む)とを含有する。
【0139】
上記のように、本発明に従う方法の別の実施形態では、上記の式1の化合物および追加の化合物は、時間をかけて別個の異なる方法で適用されてもよい。
【0140】
以下の試験は、特定の有害生物における本発明の化合物の防除効力を実証する。しかしながら、化合物によって提供される有害生物の防除による保護は、これらの種に限定されない。
【実施例】
【0141】
本発明の生物学的な実施例
試験A
成虫クロバエ(L.serricata):
試験化合物(3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)−カルボニル]−フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)を寒天が硬くなる前に溶解/懸濁させた血液寒天(blood agar)ベッド(個々の試験ウェル内で、ウェル1つにつき4匹のハエ)に成虫ハエを置いた。ハエは、摂取および接触の両方によって試験化合物を吸収することができる。アッセイは、2時間、4時間、および24時間で死んだハエの数によって採点した。
【0142】
【表13】

【0143】
L.serricata(昆虫;クロバエ)の幼虫
試験化合物(3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)−カルボニル]−フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)を乾燥した血液のウシ血清と混合し、ろ紙ディスク上に置いた。新たに発生したクロバエ(Lucilica sericata)の幼虫をろ紙に加え、幼虫により摂取させた。活性は、摂取および接触の両方によって生じ得る。データ点1つにつき4回の再現を行った。活性は24時間で評価した。
【0144】
結果:試験化合物は、0.5ppm、24時間で90〜100%の死亡率を与えた。フィプロニルは、0.5ppm、24時間で90−100%の死亡率を与えた。
【0145】
本発明およびその利点が詳細に説明されたが、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく本明細書に種々の変化、置換および変更が成され得ることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄生虫駆除的に有効な量の式1
【化1】

(式中、
1は、Me、Cl、BrまたはFであり、
2は、F、Cl、Br、C1〜C4ハロアルキルまたはC1〜C4ハロアルコキシであり、
3は、F、ClまたはBrであり、
4は、H;またはハロゲン、CN、SMe、S(O)Me、S(O)2Me、およびOMeからなる群から選択される1つの置換基によって場合によりそれぞれ置換される、C1〜C4アルキル、C3〜C4アルケニル、C3〜C4アルキニル、C3〜C5シクロアルキル、またはC4〜C6シクロアルキルアルキルであり、
5は、HまたはMeであり、
6は、H、FまたはClであり、そして
7は、H、FまたはClである)
の化合物、そのN−オキシド、またはその薬学的もしくは獣医学的に許容可能な塩を含む組成物を動物に投与することによって、動物のハエウジ病を処置する方法。
【請求項2】
1がMeまたはClであり、
2がCl、Br、CF3、OCF2H、OCF3またはOCH2CF3であり、そして
4がH、Me、Et、i−Pr、t−Bu、CH2CN、CH(Me)CH2SMeまたはC(Me)2CH2SMeである
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2がCl、Br、CF3またはOCH2CF3であり、
4がH、Me、Etまたはi−Prであり、そして
5がHである
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式1の化合物が、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ハエウジ病が、少なくとも一部は、分類学上のクロバエ科、ニクバエ科またはヒツジバエ科から選択される幼虫に起因する請求項1に記載のハエウジ病の処置方法。
【請求項6】
ハエウジ病が、少なくとも一部は、クロバエ科の幼虫に起因する請求項1に記載の処置方法。
【請求項7】
ハエウジ病が、少なくとも一部は、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)およびヒロズキンバエ(Lucilia sericata)からなる群から選択される幼虫に起因する請求項1に記載の処置方法。
【請求項8】
ハエウジ病が、少なくとも一部は、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)の幼虫に起因する請求項1に記載の処置方法。
【請求項9】
ハエウジ病が、少なくとも一部は、ヒツジキンバエ(Lucilia sericata)の幼虫に起因する請求項1に記載の処置方法。
【請求項10】
動物がウシまたはヒツジである請求項1に記載の処置方法。
【請求項11】
組成物が、溶媒および/またはキャリア、乳化剤および/または分散剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、少なくとも1つの追加の生物学的に活性な化合物または薬剤を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
追加の生物学的に活性な化合物または薬剤が、大環状ラクトン、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、節足動物成長制御剤、GABA依存性クロライドチャネル拮抗薬、ミトコンドリア電子伝達阻害剤、ニコチン性アセチルコリン作動薬/拮抗薬/活性化剤、酸化的リン酸化阻害剤、駆虫剤、ナトリウムチャネル調節剤またはその他の抗寄生虫化合物からなる群から選択される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
生物学的に活性な化合物が、大環状ラクトンである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
生物学的に活性な化合物が、有機ホスフェートおよびカルバメートの群から選択されるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
生物学的に活性な化合物が、キチン合成阻害剤、エクジソン作動薬/攪乱物質、脂質生合成阻害剤および幼若ホルモン様作用物質の群から選択される節足動物成長制御剤である請求項13に記載の方法。
【請求項17】
生物学的に活性な化合物が、GABA依存性クロライドチャネル拮抗薬である請求項13に記載の方法。
【請求項18】
生物学的に活性な化合物が、ミトコンドリア電子伝達阻害剤である請求項13に記載の方法。
【請求項19】
生物学的に活性な化合物が、ニコチン性アセチルコリン作動薬/拮抗薬/活性化剤である請求項13に記載の方法。
【請求項20】
生物学的に活性な化合物が、酸化的リン酸化阻害剤である請求項13に記載の方法。
【請求項21】
生物学的に活性な化合物が、駆虫剤である請求項13に記載の方法。
【請求項22】
生物学的に活性な化合物が、ナトリウムチャネル調節剤である請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2010−535228(P2010−535228A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520099(P2010−520099)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/071288
【国際公開番号】WO2009/018186
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】