説明

ハニカム構造の能動ピクセルセンサ

【課題】能動ピクセルセンサの色フィルタアレイを提供する。
【解決手段】それぞれが六角形の形状を有する複数個のフォトダイオードを備えたイメージセンサであって、前記イメージセンサは、さらに、前記複数個のフォトダイオードのうちの1つである第1フォトダイオードと、前記複数個のフォトダイオードのうちの2つである、前記第1フォトダイオードの側面に配置される第2及び第3フォトダイオードと、前記第1、第2及び第3フォトダイオード上に配置されるそれぞれの色フィルタと、を備え、前記第1、第2及び第3フォトダイオードの色フィルタは、相異なる色であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学イメージセンサに係り、特にハニカム構造の能動ピクセルセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)で製造されたビジュアルイメージングシステムは、伝統的なCCD(Charge−Coupled Device)イメージャと比較してコストや電力を非常に低減させると認められている。ビデオまたは静止画像を生成するために、CCDセンサに代替される多様な技術が開発されつつある。多様な技術スキームは、各ピクセルでまたは支援回路で信号増幅を行うか否かによって、受動ピクセルと能動ピクセルとに大別される。受動ピクセルセンサは、ピクセルが単純であり、光学フィルファクタが高いという利点がある。能動ピクセルセンサは、信号伝達及び感度を向上させるために各ピクセルに増幅部を備えるが、その結果、光学フィルファクタが低くなるという結果を起こす。
【0003】
図1は、典型的な能動ピクセルセンサを示す図である。図1に示すように、各ピクセル100は、フォトダイオード101、伝送トランジスタ102、フローティングディフュージョンFD、リセットトランジスタ103、増幅トランジスタ104、及びロー選択トランジスタ105で構成される。かかる構成要素を一つのピクセル100に含めることによって、フィルファクタが低くなる。
したがって、能動ピクセルセンサのフィルファクタを増加させるピクセルアーキテクチャーの存在が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ハニカム構造のフォトダイオードを有し、三つのフローティングディフュージョンを共有する能動ピクセルセンサを提供するところにある。
本発明の他の目的は、前記能動ピクセルセンサの色フィルタアレイを提供するところにある。
本発明のさらに他の目的は、前記能動ピクセルセンサの読み取り方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の一例によるハニカム構造のフォトダイオードを有する能動ピクセルセンサは、六角形構造のフォトダイオード上に色フィルタを置くが、第2行の一つのフォトダイオード上に第1色フィルタを置き、第2行の第1色フィルタと隣接した第1行のフォトダイオード上に第2色フィルタと第3色フィルタとを置き、第2行の第1色フィルタの左右のフォトダイオード上に第3色フィルタと第2色フィルタとを置き、第2行の第1色フィルタと隣接した第3行のフォトダイオード上に第2色フィルタと第3色フィルタとを置く。第1色フィルタは青色フィルタであり、前記第2色フィルタは赤色フィルタであり、前記第3色フィルタは緑色フィルタであることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、六角形のフォトダイオードを採用してフィルファクタを増加させてピクセルピッチを減らすことによって、映像信号を鮮明にディスプレイする。また、各行ごとに均一に青色フィルタ、緑色フィルタ及び赤色フィルタが配列された色アレイフィルタを使用して、映像パターン信号のノイズを減らす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】典型的な能動ピクセルセンサを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による三つのフローティングディフュージョンを共有する能動ピクセルセンサの単位ピクセルを示す回路ダイヤグラムである。
【図3】図2の単位ピクセルの新たなアーキテクチャーを示す図である。
【図4A】図2の単位ピクセルの類型を説明する図である。
【図4B】図2の単位ピクセルの類型を説明する図である。
【図5】本発明の六角形のフォトダイオードの上部に置かれるマイクロレンズを説明する図である。
【図6】一般的な四角形のフォトダイオードの上部に置かれるマイクロレンズを説明する図である。
【図7】本発明の単位ピクセルアレイでピクセルピッチを説明する図である。
【図8】一般的な四角形のフォトダイオードを有するピクセルアレイでピクセルピッチを説明する図である。
【図9】本発明の色フィルタアレイの配置を説明する図である。
【図10】一般的なベイヤー色アレイの配置を説明する図である。
【図11】図4A及び図4Bで説明された単位ピクセルが配列されたピクセルアレイを示す図である。
【図12】図11のピクセルアレイの読み取り動作のためのタイミングダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明と、本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載された内容を参照しなければならない。
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に付された同一参照符号は同一部材を示す。
【0009】
図2は、本発明の一実施形態による三つのフローティングディフュージョンを共有する能動ピクセルセンサの単位ピクセルを示す回路ダイヤグラムである。図2に示すように、単位ピクセル200は、三つのピクセル210,220,230で構成され、第1〜第3フォトダイオード201,202,203、第1〜第3伝送トランジスタ204,205,206、リセットトランジスタ207、選択トランジスタ208及び増幅トランジスタ209を備える。
【0010】
図3は、図2と関連した単位ピクセル200の新たなアーキテクチャーを示す図面である。図3に示すように、第1〜第3フォトダイオード201,202,203は、六角形の形状を有する。フローティングディフュージョンFDは、隣接した第1ピクセル210、第2ピクセル220及び第3ピクセル230に共有される。リセットトランジスタ207、選択トランジスタ208及び増幅トランジスタ209も、第1ピクセル210、第2ピクセル220及び第3ピクセル230に共有される。隣接した第1〜第3ピクセル210,220,230のイメージ信号の分離は、第1〜第3伝送トランジスタ204,205,206により行われる。
【0011】
図4A及び図4Bは、単位ピクセルのアレイ類型を説明する図である。図4Aの第1類型の単位ピクセルアレイは、フローティングディフュージョンFDの上端の左右に第1ピクセル1及び第2ピクセル2が隣接して配列され、フローティングディフュージョンFDの下端に第3ピクセル3が配列される。図4Bの第2類型の単位ピクセルアレイは、フローティングディフュージョンFDの上端に第4ピクセル4が配列され、フローティングディフュージョンFDの下端の左右に第5ピクセル5及び第6ピクセル6が隣接して配列される。
【0012】
図5は、六角形のフォトダイオードの上部に置かれるマイクロレンズを説明する図である。図5に示すように、六角形のフォトダイオード501の面積にマイクロレンズ502がほぼぴったりしてデッドスペース503が小さいことが分かる。これに対する比較例として、図6の四角形のフォトダイオード601の上部に置かれるマイクロレンズ602を見れば、デッドスペース603が大きいことが分かる。六角形のフォトダイオード501の面積と四角形のフォトダイオード601の面積とが同一であると仮定すれば、六角形のフォトダイオード501のデッドスペースは21.5%を表し、四角形のフォトダイオード601のデッドスペースは13.5%を表す。すなわち、六角形のフォトダイオード501のデッドスペースが、四角形のフォトダイオード601のデッドスペースより8%減少するということが分かる。
【0013】
したがって、物体からの光は、撮像レンズ光学系によって集光された後、マイクロレンズにより集光されてフォトダイオードに結像されるが、六角形のフォトダイオードのフィルファクタが大きくなるということが分かる。
図7は、本発明の単位ピクセルアレイでピクセルピッチを説明する図である。図7に示すように、一辺の長さをRとするとき、正六角形のフォトダイオードの面積は
【0014】
【数1】

で計算される。そして、正六角形のフォトダイオードを有するピクセルピッチは、
【0015】
【数2】

で計算される。一方、正方形のフォトダイオードを有するピクセルピッチを計算すれば、図8に示したように、一辺の長さをXとするとき、ピクセルピッチはXで計算される。
【0016】
同じ面積の正六角形のフォトダイオードと正方形のフォトダイオードそれぞれのピクセルピッチを比較すれば、表1の通りである。
【0017】
【表1】

【0018】
表1から分かるように、同じフォトダイオードの面積について、正六角形のフォトダイオードのピクセルピッチが正方形のフォトダイオードのピクセルピッチより小さいことが分かる。これは、映像信号、特にストライプ状のパターンの映像信号をディスプレイするにおいて、正六角形のフォトダイオードを有するピクセルがさらに鮮明にディスプレイできるということを意味する。
【0019】
図9は、本発明の色フィルタアレイの配置を説明する図である。図9に示すように、色フィルタアレイ900は、第2行の青色フィルタ906を基準として、第1行に赤色フィルタ901及び緑色フィルタ902が隣接して配置され、第2行に緑色フィルタ905及び赤色フィルタ907が左右に配置され、第3行に赤色フィルタ910及び緑色フィルタ911が隣接して配置される。すなわち、青色フィルタ906に隣接して三つの赤色フィルタ901,907,910及び三つの緑色フィルタ902,905,911が配置される。
【0020】
第2行の赤色フィルタ907を基準として、第1行に緑色フィルタ902及び青色フィルタ903が隣接して配置され、第2行に青色フィルタ906及び緑色フィルタ908が左右に配置され、第3行に緑色フィルタ911及び青色フィルタ912が隣接して配置される。すなわち、赤色フィルタ907に隣接して三つの緑色フィルタ902,908,911及び三つの青色フィルタ903,906,912が配置される。
【0021】
第2行の緑色フィルタ908を基準として、第1行に青色フィルタ903及び赤色フィルタ904が隣接して配置され、第2行に赤色フィルタ907及び青色フィルタ909が左右に配置され、第3行に青色フィルタ912及び赤色フィルタ913が隣接して配置される。すなわち、緑色フィルタ908に隣接して三つの青色フィルタ903,909,912及び三つの赤色フィルタ904,907,913が配置される。
【0022】
色フィルタアレイ900は、各行ごとに青色フィルタB、赤色フィルタR及び緑色フィルタGが均一に配置されていることが分かる。これに対する比較例として、一般的なベイヤー色アレイの配置が図10に示されている。図10に示すように、ベイヤー色アレイは、一斜線方向に緑色フィルタGが配列され、緑色フィルタGの間に赤色フィルタRまたは青色フィルタBが一つずつ挟まれて配置される。かかるベイヤー色アレイ1000は、奇数行に緑色フィルタG及び青色フィルタBのみが、偶数行に赤色フィルタR及び緑色フィルタGのみが配置される。すなわち、各行に青色フィルタB、赤色フィルタR及び緑色フィルタGが均一に配置されていないことが分かる。これは、映像パターン信号のノイズを誘発する要因となることもある。
【0023】
図11は、図4A及び図4Bで説明した単位ピクセルが配列されたピクセルアレイを示す図であり、図12は、図11のピクセルアレイの読み取り動作のためのタイミングダイヤグラムである。図11のピクセルアレイの読み取り順序は、1−2−3−4−5−6ピクセル順になされる。これと関連して図12のタイミングダイヤグラムを参照すれば、第1選択信号SEL1がイネーブルされ、第1リセット信号RESET1がトグリングされる間に第1伝送信号PD1_TG、第2伝送信号PD2_TG及び第3伝送信号PD3_TGが順次にイネーブルされる。第1リセット信号RESET1の最初のパルスにより1,2,3ピクセルがリセットされた後、第1伝送信号PD1_TGのパルスにより、第1ピクセル1の六角形のフォトダイオードに保存された光電荷が信号として読み取られる。第1リセット信号RESET1の2番目のパルスにより1,2,3ピクセルがリセットされた後、第2伝送信号PD2_TGのパルスにより、第2ピクセル2の六角形のフォトダイオードに保存された光電荷が信号として読み取られる。そして、第1リセット信号RESET1の3番目のパルスにより1,2,3ピクセルがリセットされた後、第3伝送信号PD3_TGのパルスにより、第3ピクセル3の六角形のフォトダイオードに保存された光電荷が信号として読み取られる。
【0024】
次いで、第2選択信号SEL2がイネーブルされ、第2リセット信号RESET2がトグリングされる間に第4伝送信号PD4_TG、第5伝送信号PD5_TG及び第6伝送信号PD6_TGが順次にイネーブルされる。第2リセット信号RESET2の最初のパルスにより4,5,6ピクセルがリセットされた後、第4伝送信号PD4_TGのパルスにより、第4ピクセル4の六角形のフォトダイオードに保存された光電荷が信号として読み取られる。第2リセット信号RESET2の2番目のパルスにより4,5,6ピクセルがリセットされた後、第5伝送信号PD5_TGのパルスにより、第5ピクセル5の六角形のフォトダイオードに保存された光電荷が信号として読み取られる。そして、第2リセット信号RESET2の3番目のパルスにより4,5,6ピクセルがリセットされた後、第6伝送信号PD6_TGのパルスにより、第6ピクセル6の六角形のフォトダイオードに保存された光電荷が信号として読み取られる。
【0025】
本発明は、図面に示した一実施形態を参考にして説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想により決まらなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、光学イメージセンサ関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0027】
200 単位ピクセル
201 第1フォトダイオード
202 第2フォトダイオード
203 第3フォトダイオード
204 第1伝送トランジスタ
205 第2伝送トランジスタ
206 第3伝送トランジスタ
207 リセットトランジスタ
208 選択トランジスタ
209 増幅トランジスタ
210,220,230 ピクセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが六角形の形状を有する複数個のフォトダイオードを備えたイメージセンサであって、
前記イメージセンサは、さらに、
前記複数個のフォトダイオードのうちの1つである第1フォトダイオードと、
前記複数個のフォトダイオードのうちの2つである、前記第1フォトダイオードの側面に配置される第2及び第3フォトダイオードと、
前記第1、第2及び第3フォトダイオード上に配置されるそれぞれの色フィルタと、を備え、
前記第1、第2及び第3フォトダイオードの色フィルタは、相異なる色であることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記第2及び第3フォトダイオードは、前記第1フォトダイオードの上端の左側及び右側に配置され、
前記イメージセンサは、
前記複数個のフォトダイオードのうちの2つである、前記第1フォトダイオードの左側及び右側に配置される第4及び第5フォトダイオードと、
前記複数個のフォトダイオードのうちの2つである、前記第1フォトダイオードの下端の左側及び右側に配置される第6及び第7フォトダイオードと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記イメージセンサは、
前記第4、第5、第6及び第7フォトダイオードそれぞれの上に配置される色フィルタをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第2、第3、第4、第5、第6及び第7フォトダイオードの色フィルタは、前記第1フォトダイオードの色フィルタとは異なる色であることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第2、第3、第4、第5、第6及び第7フォトダイオードの色フィルタは、前記第1フォトダイオードの周辺で二つの色が交互することを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、第4、第5、第6及び第7フォトダイオードの色フィルタは、赤色、青色及び緑色であることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記イメージセンサは、
前記第1、第2及び第3フォトダイオードの間の領域に配置されて共有される1個のフローティングディフュージョン領域をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記イメージセンサは、
前記1個のフローティングディフュージョン領域と前記第1、第2及び第3フォトダイオードそれぞれとの間に連結されて配置される3個の伝送装置と、
前記フローティングディフュージョン領域に連結されるリセット装置と、
前記フローティングディフュージョン領域に直列連結される選択装置及び増幅装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−110431(P2013−110431A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−5490(P2013−5490)
【出願日】平成25年1月16日(2013.1.16)
【分割の表示】特願2005−352401(P2005−352401)の分割
【原出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】