説明

ハニカム構造体の検査方法及び検査装置

【課題】操作が簡単でかつ短時間で封口部の長さを検査できるハニカム構造体の検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】ハニカム構造体100の一端面112dから距離Z1離れた第一断面、及び、ハニカム構造体の一端面112dから距離Z1よりも大きい距離Z2離れた第二断面のコンピュータ断層画像を取得する工程と、第一断面のコンピュータ断層画像に基づいて、複数の流路の内の少なくとも一つの流路における封口部114の有無を判断する工程と、第二断面のコンピュータ断層画像に基づいて、当該少なくとも一つの流路における封口部の有無を判断する工程と、第一断面のコンピュータ断層画像に基づく封口部の有無の判断結果、及び、第二断面のコンピュータ断層画像に基づく封口部の有無の判断結果に基づいて、封口部の長さを判断する工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体の検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハニカム構造体の封口部の長さの検査方法として、検査棒を挿入する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−10492号公報
【特許文献2】特開2008−58116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では操作が煩雑で時間もかかるという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、操作が簡単でかつ短時間で封口部の長さを検査できるハニカム構造体の検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るハニカム構造体の検査方法の一態様は、
両端面に開口する複数の流路を形成する隔壁部、及び前記各流路のいずれか一端を閉鎖する封口部を有するハニカム構造体の検査方法であって、
前記ハニカム構造体の一端面から距離Z1離れた第一断面、及び、前記ハニカム構造体の一端面から前記距離Z1よりも大きい距離Z2離れた第二断面のコンピュータ断層画像を取得する工程と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記複数の流路の内の少なくとも一つの流路における前記封口部の有無を判断する工程と、
前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記少なくとも一つの流路における前記封口部の有無を判断する工程と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果、及び、前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果に基づいて、前記封口部の長さを判断する工程と、を備える。
【0007】
本発明に係るハニカム構造体の検査装置の一態様は、
両端面に開口する複数の流路を形成する隔壁部、及び前記各流路のいずれか一端を閉鎖する封口部を有するハニカム構造体の任意の断面についてコンピュータ断層画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段に対して、前記ハニカム構造体の端面から距離Z1離れた第一断面のコンピュータ断層画像、及び、前記ハニカム構造体の端面から、前記距離Z1よりも大きい距離Z2離れた第二断面のコンピュータ断層画像を取得させる指示部と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記複数の流路の内の少なくとも一つの流路における前記封口部の有無、及び、前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記少なくとも一つの流路における前記封口部の有無を判断する有無判断部と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果、及び、前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果に基づいて、前記封口部の長さを判断する封口長さ判断部と、を備える。
【0008】
これらの方法又は装置によれば、検査対象となる流路において、第一断面において封口部があり、第二断面において封口部がなければ、当該流路における封口部の長さがZ1超Z2未満であることがわかる。また、第二断面において封口部があれば、当該流路における封口部の長さがZ2超であることがわかる。さらに、第一断面において封口部がなければ、当該流路における封口部の長さがZ1未満であることがわかる。したがって、ハニカム構造体の封口部の長さが特定のZ1超Z2未満であるかの判断が容易に行える。
【0009】
ここで、前記封口部の長さを判断する工程では、前記少なくとも一つの流路について、前記第一断面に封口部があり、かつ、前記第二断面に封口部がない場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが適正であると判断し、前記少なくとも一つの流路について、前記第二断面に封口部がある場合、又は、前記第一断面に封口部が無い場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが不適であると判断してもよい。
【0010】
また、前記封口長さ判断部は、前記少なくとも一つの流路について、前記第一断面に封口部があり、かつ、前記第二断面に封口部がない場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが適正であると判断し、前記少なくとも一つの流路について、前記第二断面に封口部がある場合、又は、前記第一断面に封口部が無い場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが不適であると判断してもよい。
【0011】
また、前記ハニカム構造体は、セラミクス焼成体、又は、セラミクス未焼成体であってもよい。
【0012】
また、コンピュータ断層画像を、前記ハニカム構造体の電磁波の吸収率に基づいて取得してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、操作が簡単でかつ短時間で封口部の長さを検査できるハニカム構造体の検査方法及び検査装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる検査装置の概略模式図である。
【図2】図2は、図1のハニカム構造体100のZ軸に平行な断面図である。
【図3】図3は、図2のハニカム構造体100の距離Z1でのコンピュータ断層画像の模式図である。
【図4】図4は、図2のハニカム構造体100の距離Z2でのコンピュータ断層画像の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、発明の実施形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して、本実施形態で検査対象となるハニカム構造体100について説明する。このハニカム構造体100は、例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタとして用いることのできるものである。
【0016】
本実施形態において対象となるハニカム構造体100は、図1及び図2に示すように、互いに平行に伸びて両端面112u,112dで開口する複数の流路110を形成する隔壁部112、及び、各流路110のいずれか一端(図2の上端又は下端)を閉鎖する複数の封口部114を有する円柱体である。
【0017】
ハニカム構造体100の流路110が延びるZ方向の長さは特に限定されないが、例えば、30〜500mmとすることができる。また、ハニカム構造体100の外径も特に限定されないが、例えば、30〜500mmとすることできる。流路110の断面形状は正方形であり、各流路110は、正方形配置、すなわち、流路110の中心が正方形の頂点に位置するようにかつ対向する辺同士が平行となるように配置されている。流路110の断面のサイズは、例えば、一辺0.5〜2.5mmとすることができる。隔壁部112の流路110間の厚みは、0.05〜0.5mmとすることができる。
【0018】
ハニカム構造体100の隔壁部112の材質は、焼成された多孔性セラミクス(焼成体)又は、その焼成前のグリーン(セラミクス未焼成体)である。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
【0019】
上述のように、ハニカム構造体100の各流路110のうちのいずれか一端が封口部114により封口されている。封口部114の材質としては、ハニカム構造体100と同様の多孔性あるいは非孔性セラミクス又はその未焼成体を用いることができる。好ましくは、図1に示すように、各一端面側から見て、行列状に配列された複数の流路110の内の、縦方向及び横方向それぞれ一つおきに選択された千鳥状に封口部114が設けられている。
【0020】
このようなハニカム構造体100は例えば以下のようにして製造することができる。
【0021】
まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物を用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁部の形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切断後、公知の方法で乾燥することにより、グリーンハニカム成形体を得る。そして、グリーンハニカム成形体の流路の端部を公知の方法によって封口材で封口することにより、ハニカム構造体の未焼成体が完成する。そして、この未焼成体を焼成することによりハニカム構造体の焼成体が完成する。なお、グリーンハニカム成形体を焼成してから、封口剤で流路の端部を封口し焼成したものを対象としてもよい。
【0022】
続いて、図1を参照して、ハニカム構造体100の封口部114の長さの検査装置200について説明する。
【0023】
この検査装置200は、ハニカム構造体100の一方からビームを照射するとともにハニカム構造体100を透過したビームの強度を取得するプローブ部210と、ハニカム構造体100を保持及び移動させる移動部220と、プローブ部210及び移動部220と接続されたコンピュータ部230と、主として備える。
【0024】
移動部220は、ハニカム構造体100の軸がZ軸方向を向くようにハニカム構造体100を保持し、かつ、ハニカム構造体100をZ軸周りに回動させる回動部224と、ハニカム構造体100をZ軸方向に上下に移動させる昇降部222と、を有している。
【0025】
プローブ部210は、ハニカム構造体100に対してビームを照射するビーム発生源212と、ハニカム構造体100を透過等したビームの強度を検出するビームセンサ214を備える。本実施形態では、ビーム発生源212は、XY平面内に面状に広がるビームを発生し、同じ面内に配置された複数のビームセンサ214により、透過や励起等したビームの強度を測定する。ビームとしては、例えば、X線、γ線、テラヘルツ波(例えば、0.01〜10THz)等の電磁波、陽電子、中性子線等の粒子線、磁界、超音波等を利用することができる。
【0026】
コンピュータ部230は、プローブ部210及び移動部220を制御する制御部232、制御部232に測定場所についての指示を与える指示部234、プローブ部210により得られた情報に基づいてハニカム構造体100の構造に関するコンピュータ断層画像を得るCT部236、得られた画像に基づいて封口部の有無を判断する有無判断部238、封口部の有無に基づいて封口部の長さを判断する封口部長さ判断部239を備える。
【0027】
制御部232は、移動部220の駆動によりプローブ部210とハニカム構造体100との相対位置を制御するとともに、プローブ部210によるビームの照射及び検出を制御し、ハニカム構造体の所望の断面についてコンピュータ断層画像の取得に必要なデータを取得する。
【0028】
CT部236は、任意の高さZについて得られたプローブ部210が得たデータに基づいて、各高さZでのコンピュータ断層画像を取得する。
【0029】
ここで、移動部220、プローブ部210、制御部232、及び、CT部234が、ハニカム構造体100の任意の断面についてコンピュータ断層画像を取得可能な画像取得手段201を構成している。このような装置は、通常、X線CT、MRI、PET等と呼ばれる。
【0030】
指示部234は、制御部232に対して以下のような指示を出す。まず、図2に示すように、ハニカム構造体100の下端面112dから距離Z1離れた断面のコンピュータ断層画像の生成に必要なデータを得るように指示を出す。具体的には、まず、昇降部222を駆動してプローブ210の高さをZ1に合わせる。続いて、プローブ部210を駆動してビームの吸収率等の強度データを取得する工程と、回動部224を駆動してハニカム構造体100のZ軸周りの角度を微少角度回転させる工程と、を繰り返すことにより、コンピュータ断層画像取得に必要なデータを取得する。
【0031】
続いて、指示部234は、ハニカム構造体100の下端面112dから距離Z2離れた断面において、コンピュータ断層画像の生成に必要なデータを得るように制御部232に対して指示を出す。ここで、Z1<Z2とする。
Z1やZ2は特に限定されないが、例えば、Z1は1〜3mm、Z2は3〜6mm、Z2−Z1は0を超え5mm以下とすることができる。特に、所望の封口部の長さを想定した上で、Z1及びZ2を、その封口部の一端を挟み込む位置とすることが好ましい。
【0032】
有無判断部236は、2枚のコンピュータ断層画像に基づいて、検査対象流路における封口部の有無の判断を行う。具体的には、まず、高さZ1でのコンピュータ断層画像に基づいて、複数の流路の内の少なくとも一つの流路における封口部114の有無を判断する。また、高さZ2のコンピュータ断層画像に基づいて、上述と同一の、少なくとも一つの流路における封口部114の有無を判断する。封口部114の有無の判断方法は特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば、画像における各流路部分における濃淡により判断することができる。また、有無の区別が可能な濃淡の閾値により断層画像を二値化し、二値化画像により判断することも好ましい。
ここでは、好ましくは、封口されるべきすべての流路について、高さZ1及び高さZ2での封口部114の有無を判断し、判断結果を記憶しておく。正常な二値化画像パターンと、実際の二値化画像パターンとの比較により有無判断を行ってもよい。
【0033】
封口長さ判断部239は、封口部114の長さを判断する。具体的には、対象となる流路110において、高さZ1でのコンピュータ断層画像に封口部114があり、かつ、高さZ2でのコンピュータ断層画像に封口部114がない場合に、当該対象流路の封口部の長さが適正であると判断する。
【0034】
一方、対象となる流路110において、高さZ2でのコンピュータ断層画像に封口部114があれば、当該流路110における封口部114の長さがZ2超であり不適であると判断する。
【0035】
さらに、高さZ1でのコンピュータ断層画像に封口部114がなければ、当該流路110における封口部114の長さがZ1未満であり不適であると判断する。
【0036】
なお、本実施形態では、封口部114の長さとは、流路110の軸に沿ったZ方向の長さである。
【0037】
なお、この検査装置200は各断層画像等を表示するモニタ240を備える。
【0038】
続いて、本実施形態の検査装置200を使用した検査装置による検査方法を説明する。ここで、検査対象となるハニカム構造体100には、図2に示すように、流路110aの封口部114aの長さはZ1超Z2未満、流路110bの封口部114bの長さはZ2超、流路110cの封口部114cの長さはZ1未満とする。
【0039】
そして、このようなハニカム構造体100を移動部に載置する。そして、指示部234の指示によりハニカム構造体100の端面から距離Z1離れたXY断面(第一断面)でのビームの吸収等のデータを取得し、さらに、ハニカム構造体100の端面から距離Z2離れたXY断面(第二断面)でのビームの吸収等のデータを取得する。続いて、これらのデータに基づいて、CT部236が、距離Z1及び距離Z2でのそれぞれのコンピュータ断層画像を取得する。取得された画像の模式図を図3、4にそれぞれ示す。
【0040】
続いて、有無判断部238が、流路に封口部が存在するか判断する。図3は、高さZ=Z1の断面の画像である。流路110a及び110b内には固体が存在する、すなわち、封口部114a、114bが存在していると判断できる。一方、流路110c内には固体は存在せず、封口部114cはZ1の高さに達していないと判断できる。
【0041】
図4は、高さZ=Z2の断面の画像である。流路110a及び110c内には固体が存在せず、封口部114a、114cはこの高さZ2まで存在していないことがわかる。一方、流路110b内には固体は存在し、封口部114cはZ2の高さを超えていることがわかる。
【0042】
そして、封口長さ判断部239は、流路110aについては、高さZ1でのコンピュータ断層画像に封口部があり、かつ、高さZ2でのコンピュータ断層画像に封口部がないので、封口部の長さがZ1を超えZ2未満であり適切であると判断する。
【0043】
一方、封口長さ判断部239は、流路110bにおいて、高さZ2でのコンピュータ断層画像に封口部114があるので、流路110bにおける封口部114bの長さがZ2超であり不適であると判断する。
【0044】
さらに、封口長さ判断部239は、流路110cにおいて、高さZ1でのコンピュータ断層画像に封口部114がないので、流路110cにおける封口部114cの長さがZ1未満であると判断する。
【0045】
このような、封口部の長さの検査は、封口部140が設けられるべき各流路について行うことができ、また、ハニカム構造体100の上端面112u、下端面112dに対してそれぞれ行うことができる。
【0046】
本実施形態によれば、ハニカム構造体100の封口部の長さがZ1超Z2未満であるかの判断が容易に行える。また、各端面につき2つの高さの断層画像を得るだけでよいので短時間に行うことができ、しかも、多くの流路があってもそれぞれ判断するのが容易である。
【0047】
本発明は上記実施形態に限定されずさまざまな変形態様が可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、封口部の有無の判断や、封口部の長さの判断はコンピュータにより行っているが、これらは、画像をモニタ240に表示した上で人の目により判断してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、ハニカム構造体100の流路110が上下方向に配置されているが、水平方向等、いずれの方向を向いても実施可能である。
【0050】
また、移動部220の構成も特に限定されず、例えば、移動部220が、ハニカム構造体100を移動させずにプローブ部210を移動させてもよく、プローブ部210とハニカム構造体100とを相対的に移動させられるものであればよい。
【0051】
また、プローブ部210の構成も特に限定されず、コンピュータ断層画像の取得に必要なデータを取得できるものであればよい。
【0052】
また、上記実施形態では、流路110の断面形状は、略正方形であるがこれに限定されず、矩形、円形、楕円形、三角形、六角形、八角形等にすることができる。また、流路110には、径の異なるもの、断面形状の異なるものが混在してもよい。また、流路の配置も、図1では正方形配置であるが、これに限定されず、断面において流路の中心軸が正三角形の頂点に配置される正三角形配置、千鳥配置等にすることができる。さらに、ハニカムフィルタの外形も、円柱に限られず、例えば三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等とすることができる。
【0053】
また、上記実施形態では、高さZ=Z1の断面の画像を取得した後に、高さZ2の画像を取得しているが、逆にしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
100…ハニカム構造体、112u,112d…端面、110…流路、112…隔壁部、114、114a、114b、114c…封口部、200…検査装置、236…CT部(指示部)、238…有無判断部、239…封口長さ判断部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端面に開口する複数の流路を形成する隔壁部、及び前記各流路のいずれか一端を閉鎖する封口部を有するハニカム構造体の検査方法であって、
前記ハニカム構造体の一端面から距離Z1離れた第一断面、及び、前記ハニカム構造体の前記一端面から前記距離Z1より大きい距離Z2離れた第二断面のコンピュータ断層画像を取得する工程と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記複数の流路の内の少なくとも一つの流路における前記封口部の有無を判断する工程と、
前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記少なくとも一つの流路における前記封口部の有無を判断する工程と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果、及び、前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果に基づいて、前記封口部の長さを判断する工程と、
を備えるハニカム構造体の検査方法。
【請求項2】
前記封口部の長さを判断する工程では、前記少なくとも一つの流路について、前記第一断面に封口部があり、かつ、前記第二断面に封口部がない場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが適正であると判断し、前記少なくとも一つの流路について、前記第二断面に封口部がある場合、又は、前記第一断面に封口部が無い場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが不適であると判断する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ハニカム構造体は、セラミクス焼成体、又は、セラミクス未焼成体である請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータ断層画像を、前記ハニカム構造体の電磁波の吸収率に基づいて取得する請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
両端面に開口する複数の流路を形成する隔壁部、及び前記各流路のいずれか一端を閉鎖する封口部を有するハニカム構造体の任意の断面についてコンピュータ断層画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段に対して、前記ハニカム構造体の端面から距離Z1離れた第一断面のコンピュータ断層画像、及び、前記ハニカム構造体の端面から、前記距離Z1よりも大きい距離Z2離れた第二断面のコンピュータ断層画像を取得させる指示部と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記複数の流路の内の少なくとも一つの流路における前記封口部の有無、及び、前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づいて、前記少なくとも一つの流路における前記封口部の有無を判断する有無判断部と、
前記第一断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果、及び、前記第二断面のコンピュータ断層画像に基づく前記封口部の有無の判断結果に基づいて、前記封口部の長さを判断する封口長さ判断部と、
を備える、ハニカム構造体の検査装置。
【請求項6】
前記封口長さ判断部は、前記少なくとも一つの流路について、前記第一断面に封口部があり、かつ、前記第二断面に封口部がない場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが適正であると判断し、前記少なくとも一つの流路について、前記第二断面に封口部がある場合、又は、前記第一断面に封口部が無い場合に、前記少なくとも一つの流路の封口部の長さが不適であると判断する請求項5記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−88305(P2012−88305A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207711(P2011−207711)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【特許番号】特許第4913918号(P4913918)
【特許公報発行日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】