説明

ハニカム構造体

【課題】圧損上昇、重量増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させることができるハニカム構造体を提供すること。
【解決手段】ハニカム構造体1は、六角形格子状の隔壁2に囲まれた六角形状の多数のセル4と、外周側面を覆う筒状の外周壁とを有する。隔壁2は、六角形状のセル4の各辺を構成する多数の隔壁辺部21と、3つの隔壁辺部21が合流する多数の隔壁交点部31とを有する。隔壁辺部21は、基本隔壁辺部211と、基本隔壁辺部211よりも厚みが大きい強化隔壁辺部212とを有する。多数の隔壁交点部31の一部は、合流する3つの隔壁辺部21がすべて強化隔壁辺部212である強化隔壁交点部312である。強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212は、他の強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212と連続していない。強化隔壁交点部312は、ハニカム構造体1の径方向断面全体にわたって配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の内燃機関における排ガス浄化用の触媒担体等に用いられるハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の内燃機関における排ガス浄化用の触媒担体として、格子状の隔壁に囲まれた多数のセルと外周側面を覆う筒状の外周壁とを有するハニカム構造体が知られている。ハニカム構造体は、隔壁の表面に排ガス浄化用の触媒を担持させて用いられる。
近年、排ガス浄化性能の向上のために、ハニカム構造体の隔壁を薄肉化してハニカム構造体全体を軽量化し、その圧力損失(以下適宜、圧損と略す)及び重量を低減(具体的には熱容量を低減)することによって担持させた触媒の早期活性化を図るといった試みがなされている。
【0003】
ところが、隔壁を薄肉化した場合には、ハニカム構造体全体の強度が低下してしまうという問題が生じる。また、隔壁の薄肉化による強度低下により、排ガス中に混入する様々な異物等がハニカム構造体の軸方向端面に衝突した場合に、ハニカム構造体が摩耗・破損するいわゆるエロージョン現象が生じ、耐久性が低下するという問題が生じる。この現象は、触媒の早期活性化をさらに図るべく、ハニカム構造体を内燃機関に近い位置に配設すればするほど顕著に表れる。
【0004】
そこで、ハニカム構造体の強度や耐久性を高めるために、次のような先行技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、セル壁(隔壁)の強度を高めた強化セル壁を含む強度強化領域を径方向断面において略直線状に設けたハニカム構造体が開示されている。
また、特許文献2には、厚みの大きい隔壁が特定の一部の領域に高い割合で設けられているハニカム構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−275873号公報
【特許文献2】特開2002−326035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のハニカム構造体では、セル壁の厚みを大きくして強度を高めた強化セル壁を連続するように配置して強度強化領域を構成しているため、その強度強化領域における各セルの空間が狭くなって触媒の目詰まり、それに伴う圧損上昇が生じ、さらには重量増加によって全体の熱容量が増加して触媒の早期活性化が困難となる。
また、特許文献2のハニカム構造体も、厚みの大きい隔壁を特定の一部の領域に集中的に配置しているため、上記特許文献1と同様の問題が生じる。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、圧損上昇、重量増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させることができるハニカム構造体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、六角形格子状の隔壁に囲まれた六角形状の多数のセルと、外周側面を覆う筒状の外周壁とを有するハニカム構造体において、
上記隔壁は、六角形状の上記セルの各辺を構成する多数の隔壁辺部と、3つの該隔壁辺部が合流する多数の隔壁交点部とを有し、
上記隔壁辺部は、基本隔壁辺部と、該基本隔壁辺部よりも厚みが大きい強化隔壁辺部とを有し、
上記多数の隔壁交点部の少なくとも一部は、合流する3つの上記隔壁辺部がすべて上記強化隔壁辺部である強化隔壁交点部であり、
該強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部は、他の上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部と連続しておらず、
上記強化隔壁交点部は、上記ハニカム構造体の径方向断面全体にわたって配置されていることを特徴とするハニカム構造体にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
上記ハニカム構造体において、多数の隔壁交点部の少なくとも一部は、合流する3つの隔壁辺部がすべて強化隔壁辺部である強化隔壁交点部である。すなわち、多数の隔壁交点部の一部を強化隔壁交点部とし、その強化隔壁交点部に合流する3つの隔壁辺部(強化隔壁辺部)の厚みを通常の隔壁辺部(基本隔壁辺部)の厚みよりも大きくし、強度を高めている。
【0010】
この強化隔壁交点部及び該強化隔壁交点部に合流する強化隔壁辺部により、ハニカム構造体全体の強度を向上させることができる。また、厚みを大きくして強度を高めた強化隔壁辺部により、排ガス中の異物等が衝突することによって生じる摩耗・破損(エロージョン現象)を抑制することができる。これにより、耐エロージョン性を向上させ、さらにはハニカム構造体の耐久性を向上させることができる。
【0011】
また、上記ハニカム構造体において、強化隔壁交点部に合流する強化隔壁辺部は、他の強化隔壁交点部に合流する強化隔壁辺部と連続していない。すなわち、強化隔壁交点部に合流する強化隔壁辺部同士を除いて、強化隔壁辺部同士が連続して配置されないようにしている。
さらに、強化隔壁交点部は、ハニカム構造体の径方向断面全体にわたって配置されている。すなわち、強化隔壁交点部及びその強化隔壁交点部に合流する強化隔壁辺部がハニカム構造体の径方向断面における特定の領域に集中的に配置されないようにしている。
【0012】
そのため、厚みの大きい強化隔壁辺部を設け、上述したような強度向上、耐エロージョン性向上といった効果を十分に得ながら、圧損上昇を抑制することができると共に、重量増加及びこれに伴う熱容量増加を抑制することができる。
特に、隔壁の表面に触媒を担持する構成の場合には、セル内における触媒の目詰まりやそれに伴う圧損上昇を抑制することができ、排ガス浄化効率の低下を防止することができる。また、圧損上昇、重量(熱容量)増加の抑制により、担持した触媒の早期活性化を図ることができる。
【0013】
このように、本発明によれば、圧損上昇、重量増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させることができるハニカム構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1における、ハニカム構造体全体を示す説明図。
【図2】実施例1における、ハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図3】実施例1における、ハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図4】実施例1における、(a)押出成形用金型を示す説明図、(b)供給穴とスリット溝との位置関係を示す説明図。
【図5】実施例1における、(a)〜(c)押出成形用金型を製造する工程を示す説明図。
【図6】実施例1における、放電加工用電極を示す説明図。
【図7】実施例1における、板材のスリット溝形成領域を示す説明図。
【図8】実施例1における、スリット溝加工領域の重複部を示す説明図。
【図9】実施例1における、スリット溝から押出成形された隔壁を示す説明図。
【図10】実施例2における、試料E1、E2のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図11】実施例2における、試料E1のハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図12】実施例2における、試料E2のハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図13】実施例2における、試料C1のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図14】実施例2における、試料C2のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図15】実施例2における、試料C2のハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図16】実施例2における、各試料の圧損を比較したグラフ。
【図17】実施例2における、各試料のエロージョン量を比較したグラフ。
【図18】実施例2における、各試料のHC浄化率比を比較したグラフ。
【図19】実施例3における、(a)〜(c)試料A11〜A13のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図20】実施例3における、各試料のエロージョン量を比較したグラフ。
【図21】実施例4における、(a)〜(c)試料A21〜A23のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図22】実施例4における、各試料のエロージョン量を比較したグラフ。
【図23】実施例4における、各試料の圧損を比較したグラフ。
【図24】実施例5における、(a)〜(c)試料A31〜A33のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図25】実施例5における、各試料の圧損を比較したグラフ。
【図26】実施例5における、各試料のTHCエミッションを比較したグラフ。
【図27】実施例6における、(a)〜(c)試料A41〜A43のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図28】実施例6における、各試料のエロージョン量を比較したグラフ。
【図29】実施例6における、各試料の圧損を比較したグラフ。
【図30】実施例7における、(a)〜(c)試料A51〜A53のハニカム構造体の隔壁及びセルを示す説明図。
【図31】実施例7における、各試料のエロージョン量を比較したグラフ。
【図32】実施例7における、各試料の圧損を比較したグラフ。
【図33】実施例8における、幅dとエロージョン量及び圧損との関係を示すグラフ。
【図34】実施例9における、強化隔壁辺部の厚みとエロージョン量及び圧損との関係を示すグラフ。
【図35】実施例10における、試料A63のハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図36】実施例10における、試料A64のハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図37】実施例10における、試料A65のハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図38】実施例10における、試料A66のハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【図39】実施例10における、各試料のエロージョン量を比較したグラフ。
【図40】実施例10における、各試料の圧損を比較したグラフ。
【図41】合流する3つの強化隔壁辺部について、異なる向きを含むように配置されたハニカム構造体の径方向断面を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記ハニカム構造体は、自動車等の内燃機関における排ガス浄化用の触媒を担持させる触媒担体等に用いられるものである。
また、上記ハニカム構造体の径方向断面とは、該ハニカム構造体の軸方向に直交する断面のことである。
【0016】
また、上記強化隔壁交点部は、上記ハニカム構造体の径方向断面全体にわたって配置されている。
上記強化隔壁交点部の配置パターンは、圧損上昇、重量(熱容量)増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させるという効果を十分に発揮することができるものであれば、種々様々なパターンで配置することができる。例えば、所定のパターンで配置したり、規則性を持って配置したり、等間隔で配置したりすることができる。
【0017】
また、すべての上記強化隔壁交点部において、合流する3つの上記強化隔壁辺部は、それぞれ同じ向きに配置され、それぞれ同じ向きに合流していることが好ましい。
この場合には、強化隔壁辺部を設けたことによる効果、すなわち強度向上、耐エロージョン性向上といった効果について、方向性によるばらつきをできるだけ抑制することができる。また、図41に示すごとく、異なる向きの強化隔壁辺部212が存在すると、強化隔壁辺部212の配置によっては強化隔壁辺部212同士の距離が近くなり、圧損上昇を抑制する効果が低下するおそれがある。なお、同図に示した符号は、実施例1と同様である。
【0018】
また、上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部は、他の上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部と連続していない。
ここで、連続していないとは、対象となる上記強化隔壁辺部同士が接しておらず、連続してつながっていないことはもちろんのこと、対象となる上記強化隔壁辺部同士が重なっていないことも含まれる。
【0019】
また、さらに、六角形状の上記セルの6辺を構成する6つの上記隔壁辺部において、ある1つの上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部が含まれている場合、他の上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部が含まれないようにすることが好ましい。
この場合には、強化隔壁辺部を設けたことによる圧損上昇を抑制することができる。特に、隔壁の表面に触媒を担持する構成の場合には、セル内における触媒の目詰まりやそれに伴う圧損上昇を抑制することができる。
【0020】
また、上記強化隔壁交点部は、上記隔壁交点部に合流する3つの上記隔壁辺部が形成される三方向のうちのいずれかの方向において、1つおきの上記隔壁交点部に設けられていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、圧損上昇、重量(熱容量)増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させるという効果を十分に発揮することができる。
【0021】
また、上記構成の場合、すべての上記強化隔壁交点部において、合流する3つの上記強化隔壁辺部は、それぞれ同じ向きに配置され、それぞれ同じ向きに合流することになる。
また、六角形状の上記セルの6辺を構成する6つの上記隔壁辺部において、ある1つの上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部が含まれている場合、他の上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部が含まれないようになっている。
【0022】
また、上記強化隔壁交点部は、上記ハニカム構造体の径方向断面全体を複数の領域に分割するように配置されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記領域の境界に配置された強化隔壁交点部に合流する強化隔壁辺部によって、エロージョン現象によるハニカム構造体の摩耗、破損の領域拡大をより一層防止することができる。
【0023】
なお、上記の構成は、例えば、上記強化隔壁交点部をつないだ形状が三角形、後述する六角形等の格子状となるように、規則性を持って上記強化隔壁交点部を配置することによって実現することができる。また、これ以外のパターンで上記強化隔壁交点部を配置することによって実現することもできる。
【0024】
また、上記強化隔壁交点部は、上記ハニカム構造体の径方向断面全体において、六角形格子状に配置されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、六角形格子状に配置された強化隔壁交点部に合流する強化隔壁辺部によって、エロージョン現象によるハニカム構造体の摩耗、破損の領域拡大をより一層防止することができる。
【0025】
また、上記強化隔壁交点部をつないで描かれる六角形は、対向する辺同士の間の距離が20〜50mmであることが好ましい(請求項5)。
この場合には、圧損上昇、重量(熱容量)増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させるという効果を十分に発揮することができる。
【0026】
上記距離が20mm未満の場合には、セル内における触媒の目詰まりやそれに伴う圧損上昇を十分に抑制することができないおそれがある。
一方、上記距離が50mmを超える場合には、全体の強度、耐エロージョン性を十分に向上させることができないおそれがある。
【0027】
また、上記強化隔壁辺部の厚みは、上記基本隔壁辺部の厚みの1.1〜1.6倍であることが好ましい(請求項6)。
この場合には、圧損上昇、重量(熱容量)増加を抑制する効果と全体の強度、耐エロージョン性を向上させる効果との両方をバランスよく発揮することができる。
【0028】
例えば、上記強化隔壁辺部の厚みが上記基本隔壁辺部の厚みの1.1倍未満の場合には、全体の強度、耐エロージョン性を十分に向上させることができないおそれがある。
一方、上記強化隔壁辺部の厚みが上記基本隔壁辺部の厚みの1.6倍を超える場合には、圧損上昇、重量(熱容量)増加を十分に抑制することができないおそれがある。
【0029】
また、上記ハニカム構造体には、排ガスを浄化するための触媒が担持されている構成とすることができる(請求項7)。
この場合には、セル内における触媒の目詰まりやそれに伴う圧損上昇を抑制することによって排ガス浄化効率の低下を防止するという効果や、圧損上昇、重量(熱容量)増加の抑制によって触媒の早期活性化を図ることができるという効果を有効に発揮することができる。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
本発明の実施例にかかるハニカム構造体について、図を用いて説明する。
本例のハニカム構造体1は、図1〜図3に示すごとく、六角形格子状の隔壁2に囲まれた六角形状の多数のセル4と、外周側面を覆う筒状の外周壁とを有する。隔壁2は、六角形状のセル4の各辺を構成する多数の隔壁辺部21と、3つの隔壁辺部21が合流する多数の隔壁交点部31とを有する。隔壁辺部21は、基本隔壁辺部211と、基本隔壁辺部211よりも厚みが大きい強化隔壁辺部212とを有する。
【0031】
また、多数の隔壁交点部31の一部は、合流する3つの隔壁辺部21がすべて強化隔壁辺部212である強化隔壁交点部312である。強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212は、他の強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212と連続していない。強化隔壁交点部312は、ハニカム構造体1の径方向断面全体にわたって配置されている。
以下、これを詳説する。
【0032】
図1に示すごとく、ハニカム構造体1は、自動車のエンジン(内燃機関)における排ガス浄化用の触媒を担持させる触媒担体として用いられるものである。ハニカム構造体1は、コーディエライトを主成分とするセラミック材料よりなり、その寸法は、外径103mm、軸方向長さ105mmである。
【0033】
また、ハニカム構造体1は、外周側面を筒状の外周壁5により覆われている。外周壁5の厚みは、65μmである。外周壁5の内側は、六角形格子状に設けられた隔壁2と、その隔壁2に囲まれて形成された多数の六角形状のセル4とによって構成されており、そのセル密度は、750cpsiである。なお、セル密度(cpsi:cells per square inch)とは、ハニカム構造体1の径方向断面における単位平方インチ当たりのセル数のことである。
【0034】
図2に示すごとく、隔壁2は、六角形状のセル4の各辺を構成する多数の隔壁辺部21を有する。隔壁辺部21は、基本隔壁辺部211と、基本隔壁辺部211よりも厚みが大きい強化隔壁辺部212とを有する。すなわち、隔壁辺部21は、その一部が通常の隔壁辺部21(基本隔壁辺部211)よりも厚みの大きい強化隔壁辺部212となっている。
本例では、基本隔壁辺部211の厚みが63.5μmであり、強化隔壁辺部212の厚みが80μmである。強化隔壁辺部212の厚みは、基本隔壁辺部211の厚みの約1.26倍である。
【0035】
また、隔壁2は、3つの隔壁辺部21が合流する多数の隔壁交点部31を有する。多数の隔壁交点部31の一部は、合流する隔壁辺部21がすべて強化隔壁辺部212である強化隔壁交点部312である。
すなわち、隔壁交点部31の一部に3つの強化隔壁辺部212が合流して形成される強化隔壁交点部312が存在する。
【0036】
また、強化隔壁交点部312を形成する強化隔壁辺部212は、他の強化隔壁交点部312を形成する強化隔壁辺部212と接することがなく、連続していない。すなわち、強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212同士を除いて、強化隔壁辺部212同士が連続して配置されないように、多数の強化隔壁交点部312が所定の間隔を設けて配置されている。
また、強化隔壁交点部312は、隔壁交点部31に合流する3つの隔壁辺部21が形成される三方向X、Y、Zのうちのいずれかの方向において、1つおきの隔壁交点部31に設けられている。
【0037】
図2、図3に示すごとく、強化隔壁交点部312は、ハニカム構造体1の径方向断面全体にわたって配置されている。
本例では、強化隔壁交点部312は、その強化隔壁交点部312をつないで連結した連結線Lの形状が六角形格子状となるように、所定のパターンで規則性を持って配置されている。そして、強化隔壁交点部312によってハニカム構造体1の径方向断面が複数の六角形の領域Sに分割されるように並んで配置されている。
【0038】
また、図3に示すごとく、強化隔壁交点部312をつないで連結した連結線Lによって描かれる六角形は、対向する辺同士の間の幅dが20〜50mmである。
なお、図3は、ハニカム構造体1の径方向断面における強化隔壁交点部312の配置パターンを明確にするために、強化隔壁交点部312をつないで連結した連結線Lを図示している。すなわち、この連結線L上に強化隔壁交点部312が所定の間隔を設けて配置されている。
【0039】
また、図示を省略したが、ハニカム構造体1には、排ガスを浄化するための触媒が担持されている。触媒は、隔壁2(隔壁辺部21)の表面に担持されている。
本例では、触媒の貴金属成分として白金、パラジウム及びロジウムを用いている。また、その触媒の担持量は、250g/Lである。
【0040】
次に、本例のハニカム構造体1の製造方法について、簡単に説明する。
ハニカム構造体1を製造するに当たっては、製造工程そのものは従来と同様の工程を採用することができる。すなわち、ハニカム構造体1を構成するコーディエライト原料をハニカム状に成形体として押出成形すると共に所定の長さに切断し、その成形体を乾燥・焼成させる。以上により、ハニカム構造体1が得られる。
ここで、押出成形時の金型としては、隔壁2の隔壁辺部21(基本隔壁辺部211、強化隔壁辺部212)の形状に対応するスリット溝を設けた押出成形用金型を用いることができる。なお、スリット溝は、放電加工、レーザー加工等の方法により形成することができる。
【0041】
本例では、図4(a)、(b)に示すごとく、材料を供給する供給穴61と、供給穴61に連通して材料をハニカム状に成形する六角形格子状のスリット溝62とを備えた押出成形用金型6を用いた。
押出成形用金型6を製造するに当たっては、まず、図5(a)に示すごとく、金属の板材60の一方の表面601における所定の位置にドリルを用いて供給穴61を形成する。
次いで、図5(b)に示すごとく、板材60の他方の表面602に、放電加工用電極7を用いた放電加工によってスリット溝62を形成する。
【0042】
ここで、図6に示すごとく、放電加工用電極7は、基板部71とその基板部71から六角形格子状に突出してなる加工部72とを備えている。加工部72は、全体として六角形状を呈している。
また、図7に示すごとく、放電加工用電極7を用いた放電加工は、板材60の表面602に六角形状の複数の加工領域Aを想定し、各加工領域Aに対して順に行う。そして、板材60の表面602におけるスリット溝加工領域600すべてにスリット溝62が形成されるようにする。
そして、図8に示すごとく、スリット溝加工領域600において、所定のスリット溝62については、レーザー、放電加工用電極による放電加工等によって拡大スリット溝622とする。
【0043】
このような押出成形用金型6を用いて材料を押出成形すると、図9に示すごとく、拡大スリット溝部622において厚みの大きい隔壁21(強化隔壁辺部212)が形成され、さらに供給穴61の位置及びその供給穴61からの材料の流れにより、拡大スリット溝部622(図8)に隣接する隣接スリット溝部623(図8)においても厚みの大きい隔壁21(強化隔壁辺部212)が形成される。これにより、図2に示すような形状の隔壁2を形成することができる。
【0044】
最後に、図5(c)に示すごとく、板材60の表面602におけるスリット溝加工領域600の外側を加工により除去し、スリット溝加工領域600が他の部分よりも突出するように段差を形成する。
以上により、図4(a)、(b)に示す押出成形用金型6を得る。
【0045】
次に、本例のハニカム構造体1における作用効果について説明する。
本例のハニカム構造体1において、多数の隔壁交点部31の一部は、合流する3つの隔壁辺部21がすべて強化隔壁辺部212である強化隔壁交点部312である。すなわち、多数の隔壁交点部31の一部を強化隔壁交点部312とし、その強化隔壁交点部312に合流する3つの隔壁辺部21(強化隔壁辺部212)の厚みを通常の隔壁辺部21(基本隔壁辺部211)の厚みよりも大きくし、強度を高めている。
【0046】
この強化隔壁交点部312及び強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212により、ハニカム構造体1全体の強度を向上させることができる。また、厚みを大きくして強度を高めた強化隔壁辺部212により、排ガス中の異物等が衝突することによって生じる摩耗・破損(エロージョン現象)を抑制することができる。これにより、耐エロージョン性を向上させ、さらにはハニカム構造体1の耐久性を向上させることができる。
【0047】
また、ハニカム構造体1において、強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212は、他の強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212と連続していない。すなわち、強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212同士を除いて、強化隔壁辺部212同士が連続して配置されないようにしている。
さらに、強化隔壁交点部312は、ハニカム構造体1の径方向断面全体にわたって配置されている。すなわち、強化隔壁交点部312及びその強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212がハニカム構造体1の径方向断面における特定の領域に集中的に配置されないようにしている。
【0048】
そのため、厚みの大きい強化隔壁辺部212を設け、上述したような強度向上、耐エロージョン性向上といった効果を十分に得ながら、圧損上昇を抑制することができると共に、重量増加及びこれに伴う熱容量増加を抑制することができる。
特に、隔壁2の表面に触媒を担持する構成の場合には、セル4内における触媒の目詰まりやそれに伴う圧損上昇を抑制することができ、排ガス浄化効率の低下を防止することができる。また、圧損上昇、重量(熱容量)増加の抑制により、担持した触媒の早期活性化を図ることができる。
【0049】
また、本例では、強化隔壁交点部312は、隔壁交点部31に合流する3つの隔壁辺部21が形成される三方向X、Y、Zのうちのいずれかの方向において、1つおきの隔壁交点部31に設けられている。そのため、圧損上昇、重量(熱容量)増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させるという効果を十分に発揮することができる。
【0050】
また、強化隔壁交点部312は、ハニカム構造体1の径方向断面全体において、六角形格子状に配置されている。また、強化隔壁交点部312は、ハニカム構造体1の径方向断面全体を複数の領域Sに分割するように配置されている。そのため、六角形状の複数の領域Sの境界(連結線L上)に配置された強化隔壁交点部312に合流する強化隔壁辺部212によって、エロージョン現象によるハニカム構造体1の摩耗、破損の領域拡大をより一層防止することができる。
【0051】
また、強化隔壁交点部312をつないで描かれる六角形は、対向する辺同士の間の幅dが20〜50mmである。そのため、圧損上昇、重量(熱容量)増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させるという効果を十分に発揮することができる。
【0052】
また、強化隔壁辺部212の厚みは、基本隔壁辺部211の厚みの1.1〜1.6倍である。これにより、圧損上昇、重量(熱容量)増加を抑制する効果と全体の強度、耐エロージョン性を向上させる効果との両方をバランスよく発揮することができる。
【0053】
また、ハニカム構造体1には、排ガスを浄化するための触媒が担持されている。そのため、セル4内における触媒の目詰まりやそれに伴う圧損上昇を抑制することによって排ガス浄化効率の低下を防止するという効果や、圧損上昇、重量(熱容量)増加の抑制によって触媒の早期活性化を図ることができるという効果を有効に発揮することができる。
【0054】
このように、本例によれば、圧損上昇、重量増加を抑制しながら、全体の強度、耐エロージョン性を向上させることができるハニカム構造体1を提供することができる。
【0055】
(実施例2)
本例は、ハニカム構造体の特性(圧力損失、耐エロージョン性、排ガス浄化性能)について評価したものである。
【0056】
本例では、本発明品として、3つのハニカム構造体(試料E1〜E3)を準備し、比較品として、従来の2つのハニカム構造体(試料C1、C2)を準備した。
ハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1の図1に示すハニカム構造体1と同様であり、六角形格子状の隔壁2に囲まれた六角形状の多数のセル4と、外周側面を覆う筒状の外周壁5とを有するものである。なお、外径は103mm、軸方向長さは105mm、セル密度は750cpsiである。
【0057】
次に、各試料のハニカム構造体の異なる構成について説明する。
試料E1は、図10、図11に示すごとく、強化隔壁交点部312をつないで連結した連結線Lの形状が2つの直線が直交する十字状となるように強化隔壁交点部312及び強化隔壁辺部212が配置されたハニカム構造体1である。
試料E2は、図10、図12に示すごとく、強化隔壁交点部312をつないで連結した連結線Lの形状が四角形格子状となるように強化隔壁交点部312及び強化隔壁辺部212が配置されたハニカム構造体1である。
【0058】
試料E3は、実施例1と同様の構成である。すなわち、図2、図3に示すごとく、強化隔壁交点部312をつないで連結した連結線Lの形状が六角形格子状となるように強化隔壁交点部312及び強化隔壁辺部212が配置されたハニカム構造体1である。
なお、試料E1〜E3について、基本隔壁辺部211の厚みは63.5μmであり、強化隔壁辺部212の厚みは80μmである。
【0059】
試料C1は、図13に示すごとく、すべての隔壁2(隔壁辺部21)が同じ厚みのハニカム構造体91である。隔壁辺部21の厚みは、63.5μmである。
試料C2は、図14、図15に示すごとく、外周壁5から内側へ5mmの範囲(強化領域T2)にあるすべての隔壁辺部21の厚みを強化領域T2以外の領域(基本領域T1)の隔壁辺部21よりも大きくしたハニカム構造体91である。基本領域T1の隔壁辺部21の厚みは63.5μmであり、強化領域T2の隔壁辺部21の厚みは90μmである。
【0060】
次に、各特性の評価方法について説明する。
圧力損失の評価は、各試料のハニカム構造体の圧力損失を比較することによって行う。圧力損失を求めるに当たっては、まず、ハニカム構造体(触媒担持量:250g/L)に対して7000L/分の流量の空気を通過させる。そして、通過前後の圧力差を測定し、その圧力差を圧力損失として求める。
【0061】
耐エロージョン性の評価は、各試料のハニカム構造体のエロージョン量(風食量)を比較することによって行う。エロージョン量を求めるに当たっては、まず、ハニカム構造体(触媒担持無し)の重量を測定する。次いで、ハニカム構造体の軸方向の一方の端面に対し、ショットノズルを用いて噴射粒としてのガラスビーズ(溶融シリカ:平均粒径120μm)を噴射する。なお、ショットノズルからの噴射位置は、ハニカム構造体の端面から150mmの高さで、端面中心から径方向外側に150mm移動した位置である。また、噴射圧は1.0〜2.0kg/cm2、噴射方向90°(後述の図19(a)参照)、噴射時間は30秒とした。次いで、ハニカム構造体の重量を再び測定する。そして、噴射前後のハニカム構造体の重量差をエロージョン量として求める。
【0062】
排ガス浄化性能の評価は、各試料のハニカム構造体のHC浄化率を比較することによって行う。HC浄化率を求めるに当たっては、まず、ハニカム構造体(触媒担持量:250g/L)を排気量2.0Lのガソリンエンジンを有する自動車の排気管に搭載する。次いで、LA#4モードで走行を行い、HC浄化率を測定する。なお、HC浄化率は、LA#4モードのBAG1値を適用した。そして、試料C1のHC浄化率を1として、各試料のHC浄化率比を求める。
なお、「LA#4モード」とは、FTP75(連邦テスト法規則:Federal test procedure)に規定された米国におけるテストモードである。また、「BAG1値」とは、コールドスタートフェーズにおいて採取した排ガス中の値を示す。
【0063】
次に、各特性の評価結果について説明する。
図16は、各試料の圧損(kPa)を示したものである。
比較品である試料C2は、厚みの大きい隔壁辺部21を特定の一部の領域(強化領域T2)に集中的に配置しているため、他の試料に比べて圧力損失が大きい。一方、本発明品である試料E1〜E3の圧力損失は、隔壁2(隔壁辺部21)を全く強化していない比較品である試料C1とほぼ同等である。
【0064】
図17は、各試料のエロージョン量(g)を示したものである。
本発明品である試料E1〜E3は、比較品である試料C1、C2に比べてエロージョン量が少ない。特に、試料E2、E3は、強化隔壁交点部312が格子状に、かつ複数の領域Sを区画するように配置されており、エロージョン現象によるハニカム構造体1の摩耗、破損の領域拡大を防止することができるため、エロージョン量が非常に少ない。
【0065】
図18は、各試料のHC浄化率比を示したものである。
比較品である試料C2は、厚みの大きい隔壁辺部21を特定の一部の領域(強化領域T2)に集中的に配置しているため、触媒の早期活性化が困難であり、他の試料に比べてHC浄化率が低い。一方、本発明品である試料E1〜E3の浄化率は、隔壁2(隔壁辺部21)を全く強化していない比較品である試料C1とほぼ同等である。
【0066】
以上の結果から、本発明のハニカム構造体は、強化隔壁辺部を設けたことによる圧損上昇を抑制しながら、また重量(熱容量)増加によって触媒の早期活性化が困難となり、排ガス浄化性能が低下することを抑制しながら、全体の強度を高め、耐エロージョン性を向上させることができるものであることがわかった。
【0067】
(実施例3)
本例は、ハニカム構造体の特性(耐エロージョン性)について評価したものである。
本例では、図19(a)〜(c)に示すごとく、3つのハニカム構造体(試料A11〜A13)を準備した。
【0068】
試料A11は、図19(a)に示すごとく、隔壁交点部31に合流する3つの隔壁辺部21のうちの1つを強化隔壁辺部212としたハニカム構造体91(比較品)である。
試料A12は、図19(b)に示すごとく、隔壁交点部31に合流する3つの隔壁辺部21のうちの2つを強化隔壁辺部212としたハニカム構造体91(比較品)である。
試料A13は、図19(c)に示すごとく、隔壁交点部31(強化隔壁交点部312)に合流する3つの隔壁辺部21のすべてを強化隔壁辺部212としたハニカム構造体1(本発明品)である(実施例1(図2)と同様)。
【0069】
また、耐エロージョン性の評価方法は、実施例2と同様である。
また、耐エロージョン性の評価条件は、噴射圧:1.0kgf/cm2、噴射時間:30秒、噴射粒:溶融シリカ(平均粒径120μm)である。また、噴射方向は、0°、30°、60°、90°の4方向である(図19(a)参照)。
【0070】
また、耐エロージョン性の評価対象となるハニカム構造体は、基本的な構造が実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:68μm、強化隔壁辺部の厚み:92μm、セル密度:600cpsi、気孔率:28%、平均細孔径:6.5μm、触媒担持無しである。
【0071】
次に、特性の評価結果について説明する。
図20は、各試料のエロージョン量(g)を示したものである。本発明品である試料A13は、比較品である試料A11、A12に比べてエロージョン量が少ない。また、試料A13は、噴射方向によるエロージョン量への影響も小さい。
【0072】
以上の結果より、本発明のハニカム構造体は、隔壁交点部(強化隔壁交点部)に合流する3つの隔壁辺部のすべてを強化隔壁辺部としていることにより耐エロージョン性に優れていることがわかった。
【0073】
(実施例4)
本例は、ハニカム構造体の特性(耐エロージョン性、圧力損失)について評価したものである。
本例では、図21(a)〜(c)に示すごとく、3つのハニカム構造体(試料A21〜A23)を準備した。
【0074】
試料A21は、図21(a)に示すごとく、外周部911の隔壁辺部21を強化隔壁辺部212としたハニカム構造体91(比較品)である。なお、外周部911は、外周から10セル分の範囲である。
試料A22は、図21(b)に示すごとく、中心部912の隔壁辺部21を強化隔壁辺部212としたハニカム構造体91(比較品)である。なお、中心部912は、中心から半径25mmの範囲である。
試料A23は、図21(c)に示すごとく、強化隔壁辺部212(強化隔壁辺部212が合流する強化隔壁交点部312)を全体にわたって配置したハニカム構造体1(本発明品)である(実施例1(図2)と同様)。
【0075】
また、耐エロージョン性の評価方法は、実施例2と同様である。
また、耐エロージョン性の評価条件は、噴射圧:1.0kgf/cm2、噴射時間:30秒、噴射粒:溶融シリカ(平均粒径120μm)、噴射方向:90°(図19(a)参照)である。また、噴射される範囲は、ハニカム構造体の端面の中心部(ハニカム構造体の端面の中心から約30mmの範囲)と外周部(外周壁から35セル内側の場所を中心として約30mmの範囲)との2種類とした。
【0076】
また、耐エロージョン性の評価対象となるハニカム構造体は、基本的な構造が実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:110mm、基本隔壁辺部の厚み:70μm、強化隔壁辺部の厚み:100μm、セル密度:600cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:5.8μm、触媒担持無しである。
【0077】
また、圧力損失の評価方法は、実施例2と同様である。
また、圧力損失の評価条件は、流量:7000L/分である。
【0078】
また、圧力損失の評価対象となるハニカム構造体は、基本的な構造が実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:110mm、基本隔壁辺部の厚み:70μm、強化隔壁辺部の厚み:100μm、セル密度:600cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:5.8μm、触媒担持量:250g/Lである。
【0079】
次に、特性の評価結果について説明する。
図22は、各試料のエロージョン量(g)を示したものである。本発明品である試料A23は、比較品である試料A21、A22に比べてエロージョン量が少ない。また、試料A23は、噴射位置によるエロージョン量への影響も小さい。
図23は、各試料の圧損(kPa)を示したものである。本発明品である試料A23は、試料A21、A22に比べて圧力損失が小さい。
【0080】
以上の結果より、本発明のハニカム構造体は、強化隔壁辺部(強化隔壁交点部)を全体にわたって配置していることにより、耐エロージョン性に優れ、圧損上昇を抑制できることがわかった。
【0081】
(実施例5)
本例は、ハニカム構造体の特性(圧力損失、排ガス浄化性能)について評価したものである。
本例では、図24(a)〜(c)に示すごとく、3つのハニカム構造体(試料A31〜A33)を準備した。
【0082】
試料A31は、図24(a)に示すごとく、複数の強化隔壁辺部312で構成される強化ユニットにおいて、3つの強化隔壁辺部212が合流する隔壁交点部31(強化隔壁交点部312)が1つであるハニカム構造体1(本発明品)である(実施例1(図2)と同様)。
試料A32は、図24(b)に示すごとく、複数の強化隔壁辺部312で構成される強化ユニットにおいて、3つの強化隔壁辺部212が合流する隔壁交点部31が2つであるハニカム構造体91(比較品)である。
試料A33は、図24(c)に示すごとく、複数の強化隔壁辺部312で構成される強化ユニットにおいて、3つの強化隔壁辺部212が合流する隔壁交点部31が3つであるハニカム構造体91(比較品)である。
【0083】
また、圧力損失の評価方法は、実施例2と同様である。
また、圧力損失の評価条件は、流量:7000L/分である。
【0084】
また、圧力損失の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:110mm、基本隔壁辺部の厚み:68μm、強化隔壁辺部の厚み:88μm、セル密度:600cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:5.5μm、触媒担持量:200g/Lである。
【0085】
また、排ガス浄化性能の評価方法は、実施例2と同様である。
また、排ガス浄化性能の評価条件は、走行モード:LA#4モード、BAG1でのTHCエミッション値である。
【0086】
また、排ガス浄化性能の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:110mm、基本隔壁辺部の厚み:68μm、強化隔壁辺部の厚み:88μm、セル密度:750cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:5.5μm、触媒担持量:200g/L(Pt:1g/L、Rh:3g/L)である。
【0087】
次に、特性の評価結果について説明する。
図25は、各試料の圧損(kPa)を示したものである。本発明品である試料A31は、比較品である試料A32、A33に比べて圧力損失が小さい。
図26は、各試料のTHCエミッション(g/mile)を示したものである。本発明品である試料A31は、比較品である試料A32、A33に比べてTHCエミッションが少しだけ低い。
【0088】
以上の結果より、本発明のハニカム構造体は、複数の強化隔壁辺部で構成される強化ユニットにおいて、3つの強化隔壁辺部が合流する隔壁交点部(強化隔壁交点部)を1つとしたことにより、圧損上昇を抑制可能であると共に、排ガス浄化性能の低下を抑制可能であることがわかった。
【0089】
(実施例6)
本例は、ハニカム構造体の特性(耐エロージョン性、圧力損失)について評価したものである。
本例では、図27(a)〜(c)に示すごとく、3つのハニカム構造体(試料A41〜A43)を準備した。
【0090】
試料A41は、図27(a)に示すごとく、隔壁辺部21が形成される三方向X、Y、Zにおいて、強化隔壁交点部312を設けたハニカム構造体1(本発明品)である(実施例1(図2)と同様)。
試料A42は、図27(b)に示すごとく、隔壁辺部21が形成される三方向X、Y、Zではない方向において、強化隔壁交点部312を設けたハニカム構造体1(本発明品)である。
試料A43は、図27(c)に示すごとく、強化隔壁交点部312を設けていないハニカム構造体91(比較品)である。
【0091】
また、耐エロージョン性の評価方法は、実施例2と同様である。
また、耐エロージョン性の評価条件は、噴射圧:1.0kgf/cm2、噴射時間:30秒、噴射粒:溶融シリカ(平均粒径120μm)、噴射方向:90°(図19(a)参照)である。
【0092】
また、耐エロージョン性の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:65μm、強化隔壁辺部の厚み:95μm、セル密度:600cpsi、気孔率:25%、平均細孔径:5.2μm、触媒担持無しである。
【0093】
また、圧力損失の評価方法は、実施例2と同様である。
また、圧力損失の評価条件は、流量:7000L/分である。
【0094】
また、圧力損失の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:65μm、強化隔壁辺部の厚み:95μm、セル密度:600cpsi、気孔率:25%、平均細孔径:5.2μm、触媒担持量:250g/Lである。
【0095】
次に、特性の評価結果について説明する。
図28は、各試料のエロージョン量(g)を示したものである。本発明品である試料A41、A42は、比較品である試料A43に比べてエロージョン量が少ない。特に、試料A41は、エロージョン量が非常に少ない。
図29は、各試料の圧損(kPa)を示したものである。本発明品である試料A41、A42は、比較品である試料A43とほぼ同等の圧力損失である。
【0096】
以上の結果より、本発明のハニカム構造体は、耐エロージョン性に優れ、圧損上昇を抑制可能であることがわかる。また、強化隔壁交点部を隔壁辺部が形成される三方向において設けることが好ましいことがわかった。
【0097】
(実施例7)
本例は、ハニカム構造体の特性(耐エロージョン性、圧力損失)について評価したものである。
本例では、図30(a)〜(c)に示すごとく、3つのハニカム構造体(試料A51〜A53)を準備した。
【0098】
試料A51は、図30(a)に示すごとく、隔壁辺部21が形成される三方向X、Y、Zにおいて、強化隔壁交点部312を1つおきの隔壁交点部31に設けたハニカム構造体1(本発明品)である(実施例1(図2)と同様)。
試料A52は、図30(b)に示すごとく、隔壁辺部21が形成される三方向X、Y、Zにおいて、強化隔壁交点部312を3つおきの隔壁交点部31に設けたハニカム構造体1(本発明品)である。
試料A53は、図30(c)に示すごとく、隔壁辺部21が形成される三方向X、Y、Zにおいて、強化隔壁交点部312を5つおきの隔壁交点部31に設けたハニカム構造体1(本発明品)である。
【0099】
また、耐エロージョン性の評価方法は、実施例2と同様である。
また、耐エロージョン性の評価条件は、噴射圧:1.0kgf/cm2、噴射時間:30秒、噴射粒:溶融シリカ(平均粒径120μm)、噴射方向:90°(図19(a)参照)である。
【0100】
また、耐エロージョン性の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:92μm、強化隔壁辺部の厚み:120μm、セル密度:600cpsi、気孔率:35%、平均細孔径:8.2μm、触媒担持無しである。
【0101】
また、圧力損失の評価方法は、実施例2と同様である。
また、圧力損失の評価条件は、流量:7000L/分である。
【0102】
また、圧力損失の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:92μm、強化隔壁辺部の厚み:120μm、セル密度:600cpsi、気孔率:35%、平均細孔径:8.2μm、触媒担持量:270g/Lである。
【0103】
次に、特性の評価結果について説明する。
図31は、各試料のエロージョン量(g)を示したものである。本発明品である試料A51〜A53のうち、特に、試料A51のエロージョン量が少ない。
図32は、各試料の圧損(kPa)を示したものである。本発明品である試料A51〜A53は、いずれも圧力損失が小さい。
【0104】
以上の結果より、本発明のハニカム構造体は、耐エロージョン性に優れ、圧損上昇を抑制可能であることがわかる。また、耐エロージョン性に関しては、強化隔壁交点部を隔壁辺部が形成される三方向において1つおきの隔壁交点部に設けることが好ましいことがわかった。
【0105】
(実施例8)
本例は、ハニカム構造体の特性(耐エロージョン性、圧力損失)について評価したものである。
本例では、強化隔壁交点部をつないで描かれる六角形の対向する辺同士の間の幅d(図3参照)を10〜80mmの範囲内で変化させた複数のハニカム構造体を準備した。
【0106】
また、耐エロージョン性の評価方法は、実施例2と同様である。
また、耐エロージョン性の評価条件は、噴射圧:1.0kgf/cm2、噴射時間:30秒、噴射粒:溶融シリカ(平均粒径120μm)、噴射方向:90°(図19(a)参照)である。
【0107】
また、耐エロージョン性の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:68μm、強化隔壁辺部の厚み:100μm、セル密度:750cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:6.3μm、触媒担持無しである。
【0108】
また、圧力損失の評価方法は、実施例2と同様である。
また、圧力損失の評価条件は、流量:7000L/分である。
【0109】
また、圧力損失の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:68μm、強化隔壁辺部の厚み:100μm、セル密度:750cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:6.3μm、触媒担持量:250g/Lである。
【0110】
次に、特性の評価結果について説明する。
図33は、幅d(mm)とエロージョン量(g)及び圧損(kPa)との関係を示したものである。同図から、幅dが20mm未満になると、間隔が短すぎて触媒の目詰まりが生じ、圧力損失が急激に上昇することがわかる。一方、幅dが50mmを超えると、全体の強度、耐エロージョン性を向上させるという効果を十分に得られず、エロージョン量が急激に多くなることがわかる。
【0111】
以上の結果より、本発明のハニカム構造体において、耐エロージョン性の向上及び圧損上昇の抑制を両立させるためには、強化隔壁交点部をつないで描かれる六角形の対向する辺同士の間の幅dは、20〜50mmの範囲内が好ましいことがわかった。
【0112】
(実施例9)
本例は、ハニカム構造体の特性(耐エロージョン性、圧力損失)について評価したものである。
本例では、強化隔壁辺部の厚みを68〜122μmの範囲内で変化させた複数のハニカム構造体を準備した。
【0113】
また、耐エロージョン性の評価方法は、実施例2と同様である。
また、耐エロージョン性の評価条件は、噴射圧:1.0kgf/cm2、噴射時間:30秒、噴射粒:溶融シリカ(平均粒径120μm)、噴射方向:90°(図19(a)参照)である。
【0114】
また、耐エロージョン性の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:68μm、セル密度:750cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:6.3μm、触媒担持無しである。
【0115】
また、圧力損失の評価方法は、実施例2と同様である。
また、圧力損失の評価条件は、流量:7000L/分である。
【0116】
また、圧力損失の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:68μm、セル密度:750cpsi、気孔率:30%、平均細孔径:6.3μm、触媒担持量:250g/Lである。
【0117】
次に、特性の評価結果について説明する。
図34は、強化隔壁辺部の厚み(mm)とエロージョン量(g)及び圧損(kPa)との関係を示したものである。同図から、強化隔壁辺部の厚みが75mm(基本隔壁辺部の厚みの1.1倍)未満になると、強度・耐エロージョン性を向上させるという効果を十分に得られず、エロージョン量が急激に多くなることがわかる。一方、強化隔壁辺部の厚みが110mm(基本隔壁辺部の厚みの1.6倍)を超えると、触媒の目詰まりが生じ、圧力損失が急激に上昇することがわかる。
【0118】
以上の結果より、本発明のハニカム構造体において、耐エロージョン性の向上及び圧損上昇の抑制を両立させるためには、強化隔壁辺部の厚みは、基本隔壁辺部の厚みの1.1〜1.6倍であることが好ましいことがわかった。
【0119】
(実施例10)
本例は、ハニカム構造体の特性(耐エロージョン性、圧力損失)について評価したものである。
本例では、図35〜図38等に示すごとく、6つのハニカム構造体(試料A61〜A66)を準備した。
【0120】
試料A61は、実施例2の図13と同様の構成のハニカム構造体91(従来品、比較品)である。
試料A62は、実施例1の図3と同様の構成のハニカム構造体1(本発明品)である。なお、連結線Lが合流する合流点L1において、3つの連結線Lが合流する。
試料A63は、図35に示すごとく、連結線Lによって中心Oを基準として60°毎に6つの領域に分割されているハニカム構造体1(本発明品)である。なお、合流点L1において、6つの連結線Lが合流する。
【0121】
試料A64は、図36に示すごとく、連結線Lによって中心Oを基準として120°毎に3つの領域に分割されているハニカム構造体1(本発明品)である。なお、合流点L1において、3つの連結線Lが合流する。
試料A65は、図37に示すごとく、連結線Lの形状が三角形格子状となるように形成されたハニカム構造体1(本発明品)である。なお、合流点L1において、6つの連結線Lが合流する。
試料A66は、図38に示すごとく、連結線Lの形状が四角形格子状となるように形成されたハニカム構造体1(本発明品)である。格子の形状は、平行四辺形である。なお、合流点L1において、4つの連結線Lが合流する。
【0122】
また、耐エロージョン性の評価方法は、実施例2と同様である。
また、耐エロージョン性の評価条件は、噴射位置:ハニカム構造体の端面から150mmの高さであって端面中心から径方向に150mm移動した位置、噴射圧:1.0kgf/cm2、噴射時間:30秒、噴射粒:溶融シリカ(平均粒径120μm)、噴射方向:90°(図19(a)参照)である。
【0123】
また、耐エロージョン性の評価対象となるハニカム構造体の基本的な構造は、実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:92μm、強化隔壁辺部の厚み:120μm、セル密度:700cpsi、気孔率:35%、平均細孔径:8.2μm、触媒担持無しである。
【0124】
また、圧力損失の評価方法は、実施例2と同様である。
また、圧力損失の評価条件は、流量:7000L/分である。
【0125】
また、圧力損失の評価対象となるハニカム構造体は、基本的な構造が実施例1(図1)と同様である。
また、ハニカム構造体は、外径:103mm、長さ:105mm、基本隔壁辺部の厚み:92μm、強化隔壁辺部の厚み:120μm、セル密度:700cpsi、気孔率:35%、平均細孔径:8.2μm、触媒担持量:250g/Lである。
【0126】
次に、特性の評価結果について説明する。
図39は、各試料のエロージョン量(g)を示したものである。本発明品である試料A62〜A66は、従来品、比較品である試料A61に比べてエロージョン量が少ない。特に、連結線Lの形状が多角形格子状の試料A62、A65、A66は、エロージョン量が非常に少ない。
【0127】
図40は、各試料の圧損(kPa)を示したものである。本発明品である試料A62〜A64は、従来品、比較品である試料A61とほぼ同等の圧力損失である。ただし、試料A65、A66は、試料A61よりも圧力損失が少し大きくなった。これは、連結線Lが格子状であり、合流する連結線Lの数が多いため、圧損上昇を抑制する効果が低下したものと考えられる。
【0128】
したがって、上記の結果から、耐エロージョン性及び圧力損失のバランスを考えると、エロージョン量が非常に少なく、圧力損失が従来と同等である試料A62が好ましいことがわかる。
【符号の説明】
【0129】
1 ハニカム構造体
2 隔壁
21 隔壁辺部
211 基本隔壁辺部
212 強化隔壁辺部
31 隔壁交点部
312 強化隔壁交点部
4 セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
六角形格子状の隔壁に囲まれた六角形状の多数のセルと、外周側面を覆う筒状の外周壁とを有するハニカム構造体において、
上記隔壁は、六角形状の上記セルの各辺を構成する多数の隔壁辺部と、3つの該隔壁辺部が合流する多数の隔壁交点部とを有し、
上記隔壁辺部は、基本隔壁辺部と、該基本隔壁辺部よりも厚みが大きい強化隔壁辺部とを有し、
上記多数の隔壁交点部の少なくとも一部は、合流する3つの上記隔壁辺部がすべて上記強化隔壁辺部である強化隔壁交点部であり、
該強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部は、他の上記強化隔壁交点部に合流する上記強化隔壁辺部と連続しておらず、
上記強化隔壁交点部は、上記ハニカム構造体の径方向断面全体にわたって配置されていることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のハニカム構造体において、上記強化隔壁交点部は、上記隔壁交点部に合流する3つの上記隔壁辺部が形成される三方向のうちのいずれかの方向において、1つおきの上記隔壁交点部に設けられていることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のハニカム構造体において、上記強化隔壁交点部は、上記ハニカム構造体の径方向断面全体を複数の領域に分割するように配置されていることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項4】
請求項3に記載のハニカム構造体において、上記強化隔壁交点部は、上記ハニカム構造体の径方向断面全体において、六角形格子状に配置されていることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項5】
請求項4に記載のハニカム構造体において、上記強化隔壁交点部をつないで描かれる六角形は、対向する辺同士の間の距離が20〜50mmであることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のハニカム構造体において、上記強化隔壁辺部の厚みは、上記基本隔壁辺部の厚みの1.1〜1.6倍であることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体において、該ハニカム構造体には、排ガスを浄化するための触媒が担持されていることを特徴とするハニカム構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2012−223719(P2012−223719A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94445(P2011−94445)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】