説明

ハニカム複合膜及びその製造方法

【課題】大面積化が容易であり、強度が増し、取り扱い性が向上したハニカム複合膜及び該ハニカム複合膜を効率良く、低コストで製造する方法の提供。
【解決手段】ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有する複合膜である。ハニカム構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである態様、ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する態様、ハニカム構造を有するフィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する態様、ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ該ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する態様、などが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムを応用したハニカム複合膜及び該ハニカム複合膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、光学材料や電子材料の分野では、集積度の向上や情報量の高密度化、画像情報の高精細化などの要求が高まっている。このため、該分野に用いられるフィルムにも微細な構造(微細パターニング、微細パターン構造)が形成されていることが求められている。また、再生医療分野の研究には、表面に微細な構造を有する膜が、細胞培養における足場となる基材として有効であることが知られている(特許文献1参照)。
前記フィルムの微細パターニングについては、マスクを用いた蒸着法、光化学反応、並びに重合反応を用いた光リソグラフィー技術、レーザーアブレーション技術などの種々の方法が知られており、実用化もされている。
【0003】
また、特殊な構造を有するポリマーの希薄溶液を高湿度下でキャストすることでミクロンスケールのハニカム構造を有するフィルムが得られることが知られている(特許文献2及び特許文献3参照)。このようなハニカム構造を有するフィルムに機能性微粒子を含有させることで光学材料や電子材料として用いられている。例えば、フィルム中に発光材料を含有させることで表示デバイスとして用いられる(特許文献4参照)。
【0004】
また、光学材料である偏光板にも微細パターニングが形成されているフィルムが用いられている。例えば、モスアイ構造を有する反射防止機能を発現するフィルムがある。このようなフィルムは、サブミクロン〜数十ミクロンサイズの規則正しい微細パターニングが形成されている。
この場合、光リソグラフィーを中心としたマイクロ加工技術を用いた版を作製し、その版の構造を基材に転写する方法が主流である(特許文献5参照)。
【0005】
前記特許文献5に記載のようなトップダウン方式の方法では、微細構造を決定する版の作製が、複雑でいくつもの工程を必要とし、高コストを招いている。また、大面積な版を製造することが困難であるという問題もある。
このため、微細な構造を自己会合的に形成することで、規則正しい微細構造を有する自己組織化を応用して、微細構造を有する自己組織化構造体(ハニカム状多孔質フィルム)を作製するボトムアップ方式が提案されている。
【0006】
前記ハニカム状多孔質フィルムの構造としては、例えば図5A〜図5Cに示すように、厚み方向に規則正しく貫通した微細孔構造フィルムが挙げられ、この隣接する貫通孔間のフィルム面内方向にも貫通した構造となっている場合が多い。また、図5A〜図5Cのフィルムの片面が、非貫通となる層があるハニカム状多孔質フィルムも挙げられる。
【0007】
このような前記ハニカム状多孔質フィルムによれば、上記課題を解決することができるが、前記ハニカム状多孔質フィルムは、多数の空孔を有する薄膜であり、強度が弱く、破れやすく、取り扱い性が劣るため、広汎な利用の妨げとなっており、その解決が望まれているのが現状である。
【0008】
【特許文献1】特開2001−157574号公報
【特許文献2】特開2002−335949号公報
【特許文献3】特開2002−347107号公報
【特許文献4】特開2003−128832号公報
【特許文献5】特開2003−302532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、大面積化が容易であり、強度が増し、取り扱い性が向上したハニカム複合膜及び該ハニカム複合膜を効率良く、低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有することを特徴とするハニカム複合膜である。
<2> ハニカム構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである前記<1>に記載のハニカム複合膜である。
<3> ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<4> ハニカム構造を有するフィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<5> ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<6> 仮支持体の表面の水接触角が2〜120°である前記<1>から<5>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<7> ハニカム構造を有するフィルムが延伸されている前記<1>から<6>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<8> 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<7>に記載のハニカム複合膜である。
<9> ハニカム構造を有するフィルムの表面に金属層を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<10> 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である前記<9>に記載のハニカム複合膜である。
<11> ハニカム構造を有するフィルムにおける空孔内に屈折率制御材料が充填されている前記<1>から<10>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<12> フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<11>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<13> 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである前記<12>に記載のハニカム複合膜である。
<14> 仮支持体及び剥離層を剥がして使用する前記<3>から<13>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<15> 位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに用いられる前記<1>から<14>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<16> 仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
該剥離層上及び支持体上のいずれかに有機溶媒と高分子化合物とを含む液をキャストし、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製するフィルム作製工程とを含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法である。
<17> ハニカム状多孔質フィルムを延伸する延伸工程を含む前記<16>に記載のハニカム複合膜の製造方法である。
<18> ハニカム状多孔質フィルムの表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む前記<16>から<17>のいずれかに記載のハニカム複合膜の製造方法である。
【0011】
本発明のハニカム複合膜は、ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有するので、仮支持体及び剥離層を剥がして使用することができ、強度が増し、取り扱い性が向上し、例えば、位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに好適に用いられるハニカム複合膜が得られる。
前記ハニカム構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであることが好ましい。
また、前記ハニカム構造体が形成される機構については、以下のように推測される。疎水性有機溶媒が蒸発する際に潜熱を奪われ温度が下がった溶媒表面で水が凝結して微小液滴となり、ポリマー溶液表面に付着する。ポリマー溶液中の親水性部分の働きによって、水と疎水性有機溶媒の間の表面張力が減少し、水滴が凝集して1つの塊に融合するのを防止する。溶媒蒸発と周囲からの補填に基づく溶媒の流れにより液滴が移送・集積され、更に横毛管力により最密充填される。最後に水が蒸発してポリマーが規則正しくハニカム状に並んだ形として残る。
【0012】
本発明のハニカム複合膜の製造方法は、仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、該剥離層上及び支持体上のいずれかに有機溶媒と高分子化合物とを含む液をキャストし、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製するフィルム作製工程とを含む。該本発明のハニカム複合膜の製造方法においては、特別な装置や手段を用いることなく、安価に効率よく高品質なハニカム複合膜を製造することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、大面積化が容易であり、強度が増し、取り扱い性が向上し、例えば、位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに好適に用いられるハニカム複合膜、及び該ハニカム複合膜を効率良く、低コストで製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(ハニカム複合膜)
本発明のハニカム複合膜は、ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有してなり、接着層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記ハニカム構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであることが好ましい。
前記仮支持体は、例えば、通常取り扱う室温でゴム状の柔らかなポリマー支持体を用いたり、ハニカム状多孔質フィルムと熱圧着することにより、剥離層を設けずに剥離可能としてもよいが、取り扱いを更に容易にする観点からは、ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有することが好ましい。
【0015】
前記ハニカム複合膜としては、ハニカム構造を有するフィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する態様が好ましい。
また、前記ハニカム複合膜としては、ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ該ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する態様が好ましい。
【0016】
ここで、前記ハニカム複合膜としては、例えば、図1Aに示すように、仮支持体1と、該仮支持体上に剥離層2と、該剥離層上にハニカム状多孔質フィルム3とを有する。また、前記ハニカム複合膜としては、図1Bに示すように、仮支持体1と、該仮支持体上に剥離層2と、該剥離層上にハニカム状多孔質フィルム3と、該ハニカム状多孔質フィルム上に剥離層2と、該剥離層上に仮支持体1とを有する。
また、前記ハニカム複合膜としては、例えば、図1Cに示すように、仮支持体1と、該仮支持体上に剥離層2と、該剥離層上にハニカム状多孔質フィルム3と、該ハニカム状多孔質フィルム上に支持体4とを有する。
そして、図1A〜図1Cによれば、ハニカム複合膜における仮支持体及び剥離層を剥がして使用することができる。
【0017】
−ハニカム構造を有するフィルム−
前記ハニカム構造を有するフィルムにおけるフィルム材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種が好適である。
【0018】
前記疎水性ポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル重合ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸など)、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトンなど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリアロマティックス、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン誘導体、などが挙げられる。これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、膜強度、弾性等の観点から、必要に応じてホモポリマーとしてもよいし、コポリマーやポリマーブレンドの形態をとってもよい。なお、これらのポリマーは必要に応じて2種以上のポリマーの混合物として用いてもよい。
【0019】
前記両親媒性化合物が、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、両親媒性ポリマーが挙げられる。
前記両親媒性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、などが挙げられる。
前記疎水性側鎖は、アルキレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミド基等の連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。該疎水性側鎖としては、例えば、アルキレン基を用いる場合には5つ以上のメチレンユニットからなることが好ましい。
前記親水性側鎖は、アルキレン基等の連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、又はオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
【0020】
前記両親媒性化合物としては、前記両親媒性ポリマー以外のものも挙げられる。前記両親媒性ポリマー以外の両親媒性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、界面活性剤などが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、一般式(I)で表される化合物などが挙げられる。
【化1】

ただし、前記一般式(I)中、Rは脂肪族基、脂環式化合物基、芳香族基、及びヘテロ環のいずれかを表し、Rは脂肪族基、脂環式化合物基、芳香族基、ヘテロ環、及び−L−Zのいずれかを表す。Q、Q、及びQはそれぞれ単結合、酸素原子、硫黄原子、及び−N(R)−のいずれかを表し、Rは水素原子及びRのいずれかを表し、Lは2価の連結基を表し、Zはイオン性の基を表す。なお、単結合とは、元素が存在しないことをいう。
【0021】
前記一般式(I)中、Rで表される脂肪族基としては、例えば、直鎖又は分枝の炭素数1〜40の無置換アルキル基、直鎖又は分枝の炭素数1〜40の置換アルキル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルケニル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルケニル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルキニル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルキニル基等が好ましい。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、tert−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基、トリコシル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の置換アルキル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボンエステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル基、β−フェネチル基、2−メトキシエチル基、4−フェニルブチル基、4−アセトキシエチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、2−(燐酸ジフェニル)エチル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、4−アセチル−2−ブテニル基、13−メトキシ−9−オクタデセニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルキニル基としては、例えば、アセチレン基、プロパルギル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、2-ヘキシニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルキニル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基等が挙げられる。具体的には、例えば、2−フェニルアセチレン基、3−フェニルプロパルギル基等が挙げられる。
【0022】
前記一般式(I)中、Rで表される脂環式化合物基としては、例えば、置換又は無置換の炭素数3〜40のシクロアルキル基、置換又は無置換の炭素数4〜40のシクロアルケニル基等が好ましい。
前記芳香族基としては、例えば、置換又は無置換の炭素数6〜50のアリール基等が好ましい。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数3〜40のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−フェニルシクロヘキシル基、3−メトキシシクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数4〜40のシクロアルケニル基としては、例えば、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、2,6−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、4−tert−ブチル−2−シクロヘキセニル基、2−シクロヘプテニル基、3−メチル−3−シクロヘプテニル基等が挙げられる。
前記芳香族基における、置換又は無置換の炭素数6〜50のアリール基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラニル基、o−クレジル基、m−クレジル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、p−n−アミルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−ブトキシフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、m−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2−(5−メチルナフチル基)等が挙げられる。
【0023】
前記一般式(I)中、ヘテロ環としては、例えば、置換又は無置換の炭素数4〜40の環状エーテル、置換又は無置換の炭素数4〜40の含窒素環等が好ましい。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の環状エーテルとしては、例えば、フリル基、4−ブチル−3−フリル基、ピラニル基、5−オクチル−2H−ピラン−3−イル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基等が挙げられる。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の含窒素環としては、例えば、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、モルホリル基等が挙げられる。
【0024】
これらの中でも、炭素数1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルキル基、置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルキル基、炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルケニル基、炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルケニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基が特に好ましい。
前記炭素数1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基等が挙げられる。
前記置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルキル基としては、例えば、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、等が挙げられる。
【0025】
前記一般式(I)中、Q、Q、及びQとしては、単結合、酸素原子、又は−N(R)−が好ましく、Q、Q、及びQの内の少なくとも2つ以上が酸素原子であることが特に好ましい。
【0026】
前記一般式(I)中、Lとしては、下記一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II)
【化2】

ただし、前記一般式(II)中、Y、Y、及びYは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい、炭素数1〜40の置換又は無置換のアルキレン基、及び炭素数6〜40の置換又は無置換のアリーレン基のいずれかを表す。J、J、及びJは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい2価の結合ユニットを表す。p、q、及びrは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。sは、1〜10の整数を表す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜50の整数を表す。
【0027】
前記Y、Y、及びYにおける置換基としては、例えば、前記一般式(I)におけるRで例示した基が挙げられる。具体的には、例えば、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、2−メトキシ−1,3−プロピレン基等が好ましく、アリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、3−クロロ−1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基等が好ましい。これらの中でも、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、m-フェニレン基、p−フェニレン基が特に好ましい。
【0028】
前記J、J、及びJにおける2価の結合ユニットとしては、例えば、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON(R)−、−N(R)CO−、−CON(R)CO−、−N(R)CON(R)−、−OCON(R4)−、−N(R)COO−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−N(COR)−、−OP(=O)(OR)O−等が好ましい。なお、これらにおいて、Rは前記一般式(I)におけるのと同じ意を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6の無置換アルキル基、及び置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜6の置換アルキル基のいずれかを表し、RはRと同じ意を表すがそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。前記R及びRにおける置換基としては、アリール基、アルコキシル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
これらの中では、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON(R)−(Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基を表す。)、−N(R)CO−、−SON(R)−、−N(R)SO−等が特に好ましい。
【0029】
前記p、q、及びrとしては、それぞれ独立に、0〜3の整数が好ましく、0又は1の整数が特に好ましい。
前記sとしては、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。前記a及びbとしては、それぞれ独立に、0〜20の整数が好ましく、0〜10の整数が特に好ましい。
【0030】
前記一般式(I)中、Zとしては、親水性のアニオン性又はカチオン性のイオン性基が好ましく、アニオン性基が特に好ましい。
前記アニオン性基としては、−COOM、−SOM、−OSOM、−PO(OM)−OPO(OM)が特に好ましい。なお、前記Mは、対カチオンを表し、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)、及びアンモニウムイオンのいずれかが好ましい。これらの中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオンが特に好ましい。
前記カチオン性基としては、例えば、−NH・X、−NH(R)、−NH(R)・X、−N(R)・Xが挙げられる。
前記Rとしては、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等)を表し、メチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
前記Xとしては、対アニオンを表し、例えば、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等)、複合無機アニオン(例えば、水酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン等)、及び有機化合物アニオン(例えば、シュウ酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等)が好ましく、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンが特に好ましい。
【0031】
前記一般式(I)中、Rとしては、例えば、上記Rで例示した基、上記−L−Zで例示した基の中から選ばれる一価の基が挙げられる。Rで例示した基から選択される場合は、同一分子内に存在するRと同一構造であっても異なった構造であってもよい。また、−L−Zで例示した基から選択される場合も、同一分子内に存在する−L−Zと同一構造であっても異なった構造であってもよい。これらの中でも、Rで例示した基から選択される場合が特に好ましい。更に、RとRとの炭素数の合計が6以上80以下になることが好ましく、8以上50以下になる場合が特に好ましい。
【0032】
前記界面活性剤の具体例を以下に例示するが、これら具体例に限定されるものではない。
【0033】
【化3】

【0034】
【化4】

【0035】
【化5】

【0036】
【化6】

【0037】
【化7】

【0038】
【化8】

【0039】
【化9】

【0040】
【化10】

【0041】
【化11】

【0042】
【化12】

【0043】
【化13】

【0044】
前記疎水性側鎖と前記親水性側鎖との比率は、その大きさや非極性、極性の強さ、疎水性有機溶媒の疎水性の強さなどに応じて異なり一概には規定できないが、ユニット比(疎水性側鎖/親水性側鎖)は9.9/0.1〜5.5/4.5が好ましい。また、コポリマーの場合、疎水性側鎖の親水性側鎖の交互重合体よりも、疎水性溶媒への溶解性に影響しない範囲で疎水性側鎖と親水性側鎖がブロックを形成するブロックコポリマーであることが好ましい。
【0045】
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性化合物の数平均分子量(Mn)は、10,000〜10,000,000が好ましく、50,000〜1,000,000がより好ましい。
【0046】
前記疎水性ポリマーだけでもハニカム構造フィルムを形成することができるが、両親媒性化合物と共に用いることが好ましい。
前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、前記両親媒性化合物が両親媒性ポリマーである場合は、99.9:0.1〜50:50が好ましく、95:5〜75:25がより好ましい。前記両親媒性化合物の比率が1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が50質量%を超えると、膜の安定性、特に力学的な安定性が十分に得られなくなることがある。
また、前記両親媒性化合物が両親媒性ポリマーでない場合は、前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、99.9:0.1〜80:20が好ましい。前記両親媒性化合物の比率が0.1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が20質量%を超えると、化合物が低分子であるため、フィルム強度に悪影響が生じる場合がある。
【0047】
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーは、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーであることも好ましい。また、前記疎水性ポリマー及び/又は前記両親媒性ポリマーとともに、重合性の多官能モノマーを配合し、この配合物によりハニカム膜を形成した後、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施すことも好ましい。
【0048】
前記疎水性ポリマー及び/又は前記両親媒性ポリマーと併用される多官能モノマーとしては、反応性の点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。前記多官能(メタ)アクリレートの例としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物へキサアクリレート又はこれらの変性物、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマ−、N−ビニル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、又はこれらの変性物などが使用できる。これらの多官能モノマーは耐擦傷性と柔軟性のバランスから、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーは、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーである場合には、前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーの重合性基と反応しうる重合性の多官能モノマーを併用することも好ましい。
【0049】
前記エチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止フィルムを形成することができる。
【0050】
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されている。
また、市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
前記光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましい。
なお、前記光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。外光増感剤の具体例とし
て、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、などが挙げられる。
【0051】
前記熱ラジカル開始剤としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、有機ジアゾ化合物、などを用いることができる。
具体的には、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシドなどが挙げられる。前記無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0052】
前記自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムにおけるハニカム構造とは、一定形状、一定サイズの空孔が連続かつ規則的に配列している構造を意味する。この規則配列は単層の場合には二次元的であり、複層の場合は三次元的にも規則性を有する。この規則性は二次元的には1つの空孔の周囲を複数(例えば、6つ)の空孔が取り囲むように配置され、三次元的には結晶構造の面心立方や6方晶のような構造を取って、最密充填されることが多いが、製造条件によってはこれら以外の規則性を示すこともある。
【0053】
前記ハニカム構造体を作製するに当たっては、ポリマー溶液上に微小な水滴粒子を形成させることが必須であることから、使用する溶媒としては非水溶性であることが好ましい。該非水溶性溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有機溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;二硫化炭素、などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、又はこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用しても構わない。
【0054】
前記溶解する疎水性ポリマーと両親媒性ポリマーの両者を合わせたポリマー濃度は0.02〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましい。前記ポリマー濃度が0.02質量%未満であると、得られる膜の力学強度が不足したり、細孔のサイズや配列が乱れてしまったりするなどの障害が生じることがあり、20質量%を超えると、十分なハニカム構造体が得られにくくなることがある。
【0055】
延伸する場合、前記ハニカム構造を有するフィルムにおける空孔の直径は、50μm以下が好ましく、100nm以上2,000nm以下がより好ましい。前記空孔の直径が50μmを超えると、膜強度が低下し、破断してしまうことがある。
ここで、前記空孔の孔径を小さくするためには、迅速乾燥を促すことが有効である。例えば、前記使用溶媒として低沸点溶媒を使用したり、支持体温度を上げたり、展開速度を早くして初期の展開液厚を薄くすることなどが有効である。
【0056】
前記ハニカム構造を有するフィルムの厚みは、0.1μm〜1.0mmが好ましい。また、展開するポリマー濃度を高めることにより、支持体側に空孔のない肉厚の層を設けることもできる。この場合、前記空孔のない肉厚の層の厚みは500μm以下であることが好ましい。
【0057】
−剥離層−
前記剥離層は、ハニカム構造を有するフィルムから仮支持体を剥がれ易くするために設けられる。このような剥離層を有することから、ハニカム複合膜における仮支持体及び剥離層を剥がして使用することができる。
【0058】
前記剥離層は、少なくとも離型剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各種添加剤などが挙げられる。
【0059】
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記仮支持体上に剥離層用塗布液を塗布する方法などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーテイング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法、エクストルージョン塗布法、スピン塗布法、などが挙げられる。
前記離型用塗布液の付着量としては、固形分で0.4〜3.0g/mが好ましく、0.5〜2.0g/mがより好ましい。
【0060】
−仮支持体及び支持体−
前記仮支持体又は支持体としては、透明で、ある程度の強度を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、金属、シリコンウエハー等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料;水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体、などが挙げられる。
前記仮支持体及び支持体の厚みとしては、通常採用される範囲の厚さであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.02〜4.0mmが好ましい。
また、仮支持体表面の水接触角は、2〜120°であることが好ましく、20〜100°であることがより好ましい。前記仮支持体表面の水接触角は、例えば、固液界面解析装置(協和界面科学社製、DropMaster300)により測定することができる。
【0061】
−延伸−
本発明のハニカム複合膜は、前記のようにして作製したハニカム構造を有するフィルムを延伸することにより得られる。
前記延伸は、例えば、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかが好ましい。
前記延伸は、特に制限はなく、種々の延伸機を用いて実施することができるが、例えば、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延伸、機械的流れ方向に直交する方向に延伸するテンター延伸などが好適に利用できる。
前記延伸倍率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一方向に延伸する場合は約1.05〜12倍が好ましく、1.2〜10倍がより好ましい。二軸延伸の場合は面積倍率で1.2〜60倍が好ましく、1.5〜50倍がより好ましい。
【0062】
前記延伸により、楕円状乃至スリット状の空孔が形成され、特に、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口した空孔が形成される。
この場合、空孔が、ハニカム状多孔質フィルムの表面に楕円状乃至スリット状に開口しており、かつ空孔は直線状に配列していることが、後述するワイヤーグリッド機能を発揮させることができる点で好ましい。
【0063】
−金属層−
前記楕円状乃至スリット状に開口した空孔を有するフィルム表面には、金属層を設けることが好ましい。
前記金属層における金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記金属層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記金属層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、偏光膜用途の中で、フィルム表面の金属層のみの複合膜構造の場合、50〜1000nmが好ましい。
【0064】
また、前記フィルム表面の空孔内に金属層を有し、ワイヤーグリッド機能を有することが好ましい。即ち、楕円状乃至スリット状空孔が直線状に配列し、該空孔内に金属層を有することにより、互いに平行をなすように多数の金属ワイヤーが等間隔に並んだ構造と近似した構造を形成することができる。
前記フィルム表面の空孔内に金属層を形成する方法としては、フィルム表面に金属層を形成した後、空孔以外の金属層部分をエッチングにより除去する方法、などが挙げられる。
【0065】
−屈折率制御材料−
前記ハニカム構造を有するフィルムにおける空孔内には、該フィルム材料の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率制御材料を充填することが、位相差機能を発揮させることができる点から好ましい。
前記屈折率制御材料としては、前記自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルム材料の屈折率と異なる屈折率を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、(1)フィルム材料よりも屈折率が小さい低屈折率材料、及び(2)フィルム材料よりも屈折率が高い高屈折率材料のいずれであっても構わないが、前記高屈折率材料が特に好ましい。
【0066】
本発明において、前記屈折率とは、前記自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルム材料、屈折率制御材料の各々単独の屈折率を指し、一般に市販されているアッベの屈折計(Abbe refractometer)を用い、ISO489(1999)、又はJIS 7142−1996(プラスチックの屈折率測定方法)に準拠した方法で測定することができる。なお、本発明の屈折率は、光の波長としてD線(589nm)を用いた値である。また、既存のポリマー材料の屈折率については種々文献により公知であり、例えばJ.Brandrup、E.H.Immergut編、「Polymer Handbook」第2版、1975年(John Wiley & Sons, Inc.)III−241-244等の記載を参考にすることができる。
【0067】
前記屈折率制御材料について詳細に説明する。前記屈折率制御材料は、充填可能で前記フィルム材料の屈折率と異なる屈折率を有する材料であれば特に制限はなく、ポリマー材料、無機材料又はポリマー材料と無機材料の混合物を好適に用いることができる。これらの中でも、水又は有機溶媒可能なポリマーあるいはポリマー材料と無機材料、特に無機微粒子の混合物であることが好ましい。
【0068】
前記屈折率制御材料に用いられるポリマーとしては、特に制限はなく、従来公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリカルボジイミド等)、などを挙げることができる。
【0069】
前記ビニルポリマーを形成するモノマーとしては、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、その他のモノマーが挙げられる。
【0070】
前記ビニルエステル類としては、具体的には、置換基を有してもよい脂肪族カルボン酸ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート等)、置換基を有してもよい芳香族カルボン酸ビニルエステル(例えば、安息香酸ビニル、4−メチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等)などが挙げられる。
【0071】
前記アクリルアミド類としては、具体的には、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド(置換基は置換基を有してもよいアルキル基,アリール基,シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等)などが挙げられる。
【0072】
前記メタクリルアミド類としては、具体的には、メタクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミド、N−ジ置換メタクリルアミド(置換基は置換基を有してもよいアルキル基,アリール基,シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等)などが挙げられる。
【0073】
前記オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等が挙げられる。前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、イソプロピルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0074】
前記その他のモノマーとしては、例えば、ビニルスルホン酸、クロトン酸エステル、イタコン酸エステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデン、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、などが挙げられる。
【0075】
前記ポリウレタンとしては、基本的にジオール化合物とジイソシアネート化合物を原料とした重付加反応により得られるものである。
前記ジオール化合物の具体例としては、非解離性のジオールとしてエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量=200,300,400,600,1000,1500,4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子量=200,400,1000)、ポリエステルポリオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等を挙げることができる。
【0076】
前記ジイソシアネートの好ましい具体例としては、エチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート,m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルー4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)等を挙げることができる。
【0077】
前記ポリエステルとしては、基本的にジオール化合物とジカルボン酸化合物の脱水縮合によって得られるものである。
前記ジカルボン酸化合物の具体的な例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α―ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ω―ポリ(エチレンオキシド)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸などを挙げることができる。
これらの化合物は、ジオール化合物と重縮合反応を行う際に、ジカルボン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステル)やジカルボン酸の酸塩化物の形で用いてもよいし、無水マレイン酸や無水コハク酸、無水フタル酸のように酸無水物の形で用いてもよい。
【0078】
前記ジオール化合物としては、上記ポリウレタンにおいて記載したジオール類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
前記ポリエステルの代表的な合成法は上記のジオール化合物とジカルボン酸もしくはその誘導体の縮合反応であるが、ヒドロキシカルボン酸(例えば、乳酸、12-ヒドロキシステアリン酸)のようなヒドロキシカルボン酸を縮合して得ることができる。
【0079】
前記ポリアミドは、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物の重縮合、アミノカルボン酸化合物の重縮合もしくはラクタム類の開環重合等によって得ることができる。
前記ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,2-プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3‘−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン等を挙げることができる。
前記アミノカルボン酸としては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω―アミノヘキサン酸、ω―アミノデカン酸、ω―アミノウンデカン酸、アントラニル酸が挙げられる。また、開環重合に用い得る単量体としてはε―カプロラクタム、アゼチジノン、ピロリドン等を挙げることができる。
前記ジカルボン酸化合物としては、上記ポリエステルにおいて説明したジカルボン酸類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
【0080】
前記ポリウレアは、基本的にジアミン化合物とジイソシアネート化合物の重付加もしくはジアミン化合物と尿素の脱アンモニア反応によって得ることができ、原料であるジアミン化合物は上記ポリアミドにおいて記載したジアミン類、ジイソシアネート化合物は上記ポリウレタンにおいて記載したジイソシアネート類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
【0081】
前記ポリカーボネートは、基本的にジオール化合物とホスゲンもしくは炭酸エステル誘導体(例えば、ジフェニルカーボネート等の芳香族エステル)を反応させる事により得ることができ、原料であるジオール化合物は上記ポリウレタンにおいて記載したジオール類と同じ群からなる化合物を用いることができる。
【0082】
前記ポリカルボジイミドは、基本的にジイソシアネート化合物の縮合反応によって得ることができ、原料であるジイソシアネート化合物は上記ポリウレタンにおいて記載したジイソシアネート類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
【0083】
以下に、本発明のハニカム構造を有するフィルム材料に使用可能なポリマー及び前記屈折率制御材料の屈折率値の具体例を示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。なお、以下に示す屈折率値は、各ポリマーの固形分の値である。
【0084】
前記ポリマーの具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリトリフルオロエチルアクリレート(1.407)、ポリトリフルオロエチルメタクリレート(1.437)、ポリt−ブチルメタクリレート(1.4638)、ポリ−4−メチルペンテン(1.466)、ポリ酢酸ビニル(1.4665)、ポリエチルアクリレート(1.4685)、ポリメチルメタクリレート(1.4893)、ポリシクロヘキシルメタクリレート(1.5066)、ポリエチレン(1.51)、ポリアクリロニトリル(1.52)、ポリメタクリロニトリル(1.52)、ナイロン6(1.53)、スチレン−ブタジエン(25/75)共重合体(1.535)、ポリベンジルメタクリレート(1.5680)、ポリフェニルメタクリレート(1.5706)、ポリジアリルフタレート(1.572)、ポリエチレンテレフタレート(1.576)、ポリ安息香酸ビニル(1.5775)、ポリスチレン(1.59〜1.592(ポリマーの立体構造に依存))、ポリN−ベンジルメタクリルアミド(1.5965)、ポリo−クロロスチレン(1.6098)、ポリ塩化ビニル(1.63)、ポリスルホン(1.63)、ポリビニルナフタレン(1.682)、ポリビニルカルバゾール(1.683)、ポリペンタブロモフェニルメタクリレート(1.71)などが挙げられる。
【0085】
前記屈折率制御材料に用いられる無機材料としては、特に制限はなく、従来公知のものを目的に応じて適宜選択することができるが、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化スズ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫化カルシウム、酸化鉄、炭酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ヨウ化銀、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、アルミナ、ゼオライト、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、サチンホワイト、ケイソウ土、などが挙げられ、このうち金属の酸化物、又は硫化物が特に好ましい。
【0086】
また、本発明の屈折率制御材料として無機材料を用いる場合には、無機材料単独で用いてもよいし前記ポリマー材料との混合物として用いてもよいが、膜の物理特性や後に行う延伸工程を勘案すると、ポリマー材料との混合物として用いるのが特に好ましい。当該混合物では、無機材料は無機微粒子としてポリマーと混合して用いるのが好ましい。
【0087】
前記屈折率制御材料は、分子内に重合性基を有することも好ましい。また、前記屈折率制御材料とともに、重合性の多官能モノマーを配合し、この配合物をハニカム膜の空孔内に充填した後、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施すことも好ましい。前記屈折率制御材料と併用される好ましい多官能モノマーは、疎水性ポリマーの説明で挙げたものと同じである。また、好ましい光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤も疎水性ポリマーの説明で挙げたものと同じである。
【0088】
前記無機材料は、重合性のポリマー材料や多官能モノマーとともに空孔内に充填することも好ましい。この際、無機材料をあらかじめ重合性の表面修飾剤で表面処理することも好ましい。
前記屈折率制御材料を空孔内に充填する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、溶融状態の屈折率制御材料を空孔に充填する方法、ハニカム状多孔質フィルムを溶解しない溶媒で調製した溶液を空孔に充填する方法、空孔内にモノマーを充填した後、加熱又は光照射により重合させる方法、などが挙げられる。
【0089】
(ハニカム複合膜の製造方法)
本発明のハニカム複合膜の製造方法は、剥離層形成工程と、フィルム作製工程とを含んでなり、延伸工程、金属層形成工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
【0090】
−剥離層形成工程−
前記剥離層形成工程は、仮支持体上に剥離層を形成する工程である。
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記仮支持体上に剥離層用塗布液を塗布する方法などが挙げられる。
【0091】
−フィルム作製工程−
前記フィルム作製工程は、有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストして膜を形成し、該膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製する工程である。
【0092】
前記キャスト法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スライド法、エクストリュージョン法、バー法、グラビア法、などが挙げられる。
【0093】
前記成膜を行う環境としては、相対湿度が50〜95%の範囲にあることが好ましい。前記相対湿度が50%未満であると、溶媒表面での水の凝結が不十分となることがあり、95%を超えると、環境のコントロールが難しく、均一な成膜を維持しにくくなることがある。
【0094】
また、前記成膜を行う環境として、相対湿度のほかに風量が一定の定常風を当てることが好ましい。風速は0.05〜20m/sが好ましい。前記風速が0.05m/s未満であると、環境のコントロールが困難になることがあり、20m/sを超えると、溶媒表面の乱れを引き起こし、均一な膜が得にくくなることがある。
また、定常風を当てる方向は、支持体面に対して0〜90°のいずれの方向であっても製造可能だが、ハニカム構造体の均一性を高めるためには0〜60°が好ましい。
【0095】
前記成膜の際に送る湿度と流量を制御した気体としては、例えば、空気の他、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを用いることができるが、事前にフィルターを通過させるなどの除塵処置を施すことが好ましい。雰囲気中の塵は水蒸気の凝結核となって成膜に影響を及ぼすため、製造現場にも除塵設備等を設置することが好ましい。
【0096】
前記成膜を行う環境は、市販の定露点湿度発生装置等を用いるなどして厳密に管理することが好ましい。風量は送風装置等で一定に制御し、外気による影響を防ぐために閉鎖された空間を用いることが好ましい。また、室内は気体が層流にて置換されるよう気体の導入出路及び成膜環境を設定しておくことが好ましい。更に、成膜品質を管理するために温度、湿度、流量等の計測器によるモニターを行うことが好ましい。孔径及び膜厚を高精度で制御するためには、これらのパラメータ(特に湿度、流量)を厳密に管理することが必須である。
【0097】
−延伸工程−
前記延伸工程は、前記ハニカム構造体を延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する工程である。
前記延伸としては、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかであることが好ましい。
また、前記延伸は、縦方向及び横方向のいずれの方向に実施してもよい。縦方向に延伸する場合は、一組以上のニップロールを用い、入口側の搬送速度より出口側の搬送速度を速くすることにより達成することができる。一方、横方向に延伸する場合は、両端をチャックで把持し、これを幅方向に広げる方法(テンター延伸)により達成することができる。延伸はこれらの方法を単独で行ってもよく、又はこれらの方法を組み合わせてもよい。
【0098】
−金属層形成工程−
前記金属層形成工程は、フィルム表面に金属層を形成する工程である。前記金属層の形成方法は、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記メッキ法としては、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法、などが挙げられる。
前記無電解メッキ法としては、酸化還元反応を利用した方法及び置換反応を利用した方法等を用いることができる。例えば、めっきされる金属のイオンが無電解めっき液中で自己触媒的な還元反応を示すことにより金、銀、銅、ニッケル及びパラジウム等をめっきする方法、及び銀鏡反応を利用した方法等を用いることができる。
前記電鋳とは、電気めっきによる金属製品の製造又は複製を意味する。
【0099】
ここで、本発明に係るハニカム複合膜(フィルム)の製造工程図を図2に示す。高分子溶液をキャスト工程10により、予め剥離層を形成している仮支持体の剥離層上にキャストし、膜(以下、「高分子膜」と称することがある)を形成する。その後に、結露乾燥工程11により、水を結露させ高分子膜中に液滴として含有させる。なお、結露乾燥工程11は、後に詳細に説明する。高分子溶液の溶媒及び液滴を蒸発させてハニカム構造フィルム12を得る。このハニカム構造フィルム12を延伸する延伸工程13を行い、ハニカム複合膜14を得る。なお、高分子膜からハニカム複合膜14を得る間に照射工程15を行うこともできる。その場合に、照射光として紫外線や電子線を用いることができる。また、図示を省略しているが、フィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程を行うこともできる。
【0100】
ハニカム構造フィルム12の素材としては、上述したような非水溶性溶媒に溶解する高分子化合物(以下、「疎水性ポリマー化合物」と称することもある)を好ましく用いることができる。
また、前記疎水性ポリマーだけでもハニカム構造フィルム12を形成することができるが、両親媒性の素材を添加することが好ましい。両親媒性の素材としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
また、前記各高分子化合物を溶解させて高分子溶液を調製する溶媒としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
【0101】
次に、図3に、本発明に係るフィルム12を製造するフィルム製造設備20の概略図を示す。前記高分子溶液21がタンク22に入れられている。タンク22には攪拌翼23が備えられ、攪拌翼23が回転することで、高分子溶液21を均一に混合している。高分子溶液21は、ポンプ24により流延ダイ25に送液される。流延ダイ25は、流延ベルト26上に備えられている。また、流延ベルト26は、回転ローラ27,28に掛け渡されている。回転ローラ27,28が図示しない駆動装置により回転することで、流延ベルト26は無端で走行する。また、回転ローラ27,28には温調機29が取り付けられている。回転ローラ27,28の温度を調整することで、流延ベルト26の温度調整を可能としている。また、流延ベルト26上の高分子膜40を剥ぎ取る際に、高分子膜40を支持する剥取ローラ30,高分子膜40をフィルムとして巻き取る巻取機31も備えられている。
【0102】
キャスト工程10では、流延ダイ25から流延ベルト26上に高分子溶液21がキャスト(流延)される。続いて、結露乾燥工程11が行われる。結露乾燥工程11は、図4A〜図4Dと合わせて説明する。図4Aに示すように流延ベルト26上に高分子膜40が形成される。なお、高分子膜40の表面温度(以下、「膜面温度」と称することがある)をTL(℃)とする。本発明において、膜面温度TLは0℃以上であることが好ましい。膜面温度TLが0℃未満であると、高分子膜40中の液滴が凝固して所望の孔が形成されないおそれが生じる。
【0103】
流延が行われる流延室内は、結露ゾーン32と乾燥ゾーン33とに区画されている。結露ゾーン32には送風機34が備えられている。送風機34から結露用に調整されている風35を流延ベルト26上の高分子膜40に送風する。送風機34は、図3に示されているように送風口34a,34c,34eと吸引口34b,34d,34fとからなる複数の送風ユニットから構成されていることが好ましい。これにより、高分子膜40の結露条件を調整することが容易となる。なお、図3では、3ユニットから構成されているものを示しているが、本発明においては図示されている形態に限定されるものではない。
【0104】
乾燥ゾーン33には、乾燥機36が設けられている。乾燥機36から高分子膜40に乾燥風37を送風する。乾燥機36も、図3に示されているように送風口36a,36c,36e,36gと吸引口36b,36d,36f,36hとからなる複数の送風ユニットから構成されていることが好ましい。これにより、高分子膜40の乾燥条件を調整することが容易となる。なお、図3では、4ユニットから構成されているものを示しているが、本発明においては図示されている形態に限定されるものではない。
【0105】
温調機29を用いて回転ローラ27,28を介して流延ベルト26の温度調整を行うことがより好ましい。温度調整の方法としては、回転ローラ27,28の内部に液流路を設け、その液流路に伝熱媒体を送液することで調整する方法などが挙げられる。温度の調整は、下限値を流延ベルト26の温度を0℃以上とすることが好ましい。また、上限値は高分子溶液21の溶媒沸点以下とすることが好ましく、より好ましくは(溶媒沸点−3℃)とすることである。これにより、結露した水分が凝固することも無く、また高分子溶液21の溶媒が急激に蒸発することが抑制されるため、形状に優れるハニカム構造フィルム12を得ることができる。更に、温度調整は、高分子膜40の幅方向にわたって、温度分布を±3℃以内とすることにより、膜面温度の分布も±3℃以内となる。高分子膜40の幅方向の温度分布を減少させることにより、ハニカム構造フィルム12の孔の形成に異方性が生じることが抑制されるので、商品価値が向上する。
【0106】
また、流延ベルト26の搬送方向を水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。搬送方向を調整することにより液滴44の形態を調整することができる。液滴44の形態を調整することにより、孔の形態を調整することが可能となる。
【0107】
送風機34から風35が送風されている。風35の露点TD1(℃)は、結露ゾーン32を通過する高分子膜40の表面温度TL(℃)に対して0℃≦(TD1−TL)℃が好ましく、0℃≦(TD1−TL)℃≦80℃がより好ましく、5℃以上60℃以下が更に好ましく、10℃以上40℃以下が特に好ましい。前記(TD1−TL)℃が0℃未満であると、結露が生じ難くなることがあり、80℃を超えると、結露と乾燥とが急峻となり、孔寸法制御やその均一化することが困難となることがある。また、風35の温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5℃以上100℃以下が好ましい。前記風の温度が5℃未満であると、液特に水の蒸発が生じ難く、形状が良好なハニカム構造フィルム12を得ることができないおそれがある。また、100℃を超えると、高分子膜40内に液滴44が生じる前に、水蒸気として揮発してしまうおそれがある。
【0108】
図4Aに示すように結露ゾーン32で風35中の水分(モデル的に図示している)43は、高分子膜40上で結露して液滴44となる。そして、図4Bに示すように液滴44を核として水分43が結露して液滴44を成長させる。図4Cに示すように乾燥ゾーン33で乾燥風37が高分子膜40に送風されると、有機溶媒42が高分子膜40より揮発する。なお、この際にも液滴44からも水分が揮発するが、有機溶媒42の揮発速度の方が速い。そのため、液滴44は、有機溶媒42の揮発に伴い表面張力により略均一の形態となる。更に、乾燥が進行すると図4Dに示すように高分子膜40の液滴44から水分が水蒸気48として揮発する。高分子膜40から液滴44が蒸発すると、液滴44を形成していた箇所が孔47となり、図5A〜図5Cに示すようなハニカム構造フィルム12が得られる。本発明においてハニカム構造フィルム12の形態は特に限定されるものではないが、具体的には、隣接する孔47の距離L2は、それらの中心間距離で0.05μm以上100μm以下に制御することができる。
【0109】
風35の送風向きは、高分子膜40の移動方向と平行流(並流)とする。風を向流として送風すると、高分子膜40の膜面に乱れが生じて、液滴の成長が阻害されるおそれがある。また、風35の送風速度は、高分子膜40の移動速度との相対速度が0.05m/s以上20m/s以下が好ましく、0.1m/s以上15m/s以下がより好ましく、0.5m/s以上10m/s以下が更に好ましい。前記送風速度が0.05m/s未満であると、液滴44が高分子膜40中で充分に成長しないまま高分子膜40が乾燥ゾーン33に搬送されるおそれがある。また、20m/sを超えると、高分子膜40表面に乱れが生じたり、結露が充分に進行しなかったりするおそれがある。
【0110】
高分子膜40が結露ゾーン32を通過する時間は0.1秒以上6,000秒以下とすることが好ましい。前記通過時間が0.1秒未満であると、液滴44が充分成長しないまま形成されるため所望の孔を形成することが困難となることがあり、6,000秒を超えると、液滴44のサイズが大きくなり過ぎハニカム構造のフィルムを得られないおそれが生じる。
【0111】
乾燥ゾーン33で高分子膜40を乾燥する乾燥風37の送風速度は、0.05m/s以上20m/s以上が好ましく、0.1m/s以上15m/s以下がより好ましく、0.5m/s以上10m/s以下が更に好ましい。前記送風速度が0.05m/s未満であると、液滴44からの水分の蒸発が充分に進行しないおそれがあり、生産性にも劣ることがあり、20m/sを超えると、液滴44から水分の蒸発が急激に生じて、形成される孔37の形態が乱れるおそれがある。
【0112】
乾燥風37の露点をTD2(℃)とする場合に、膜面温度TL(℃)との関係を(TL−TD2)℃≧1℃とすることが好ましい。これにより、乾燥ゾーン33で高分子膜40の液滴44の成長を停止させて、液滴を構成する水分を水蒸気48として揮発させることが可能となる。
【0113】
送風機34,37からの風の送風は、2Dノズルで送風する方法以外に、減圧乾燥法により乾燥することも可能である。減圧乾燥を行うことで、有機溶媒42と液滴44の水分43との蒸発速度を調整することが可能となる。これを調整することで、高分子膜40中に液滴44を形成し、有機溶媒42を蒸発させつつ液滴44を蒸発させ、前記液滴が設けられている位置に孔47を形成する本発明における孔の大きさ、形状などを変更することができる。
【0114】
また、減圧乾燥法により乾燥する方法や、膜面から3〜20mm程度離れた位置に、膜面より冷却され表面に溝を有する凝縮器を設けて、凝縮器の表面で水蒸気(揮発有機溶媒も含む)を凝縮させて乾燥させる方法も適用することができる。前記いずれかの乾燥方法を適用することで、高分子膜40の膜面への動的な影響を少なくして乾燥させることができるため、より平滑な膜面を得ることができる。
【0115】
また、送風機34、乾燥機36の送風ユニットを複数用いたり、複数のゾーンに区画したりすることにより、異なる露点条件を設定したり、異なる乾燥温度条件を設定したりすることができる。これら条件を選択することで、孔47の寸法制御性の向上や孔均一性の向上を図ることができる。なお、送風ユニットやゾーンの数は特に限定されるものではないが、フィルムの品質と設備のコストの点から最適な組み合わせを決定する。
【0116】
膜面温度TL(℃)と結露ゾーン又は乾燥ゾーンの露点温度TDn(℃)(nは、nゾーン番号を意味する)との関係を0℃≦|TDn−TL|℃≦80℃とすることが好ましい。差を80℃以下とすることにより、有機溶媒及び水分の少なくともいずれかの急激な揮発を抑制でき、所望の形態のハニカム構造フィルム12を得ることができる。また、高分子膜40に不純物が混入すると、ハニカム構造の形成を阻害する原因となる。そのため、送風口34a,34c,34e,36a,36c,36e,36gの塵埃度がクラス1000以下とすることが好ましい。そこで、送風機34,乾燥機36が設置されているハウジング38に空調設備39を取り付け、ハウジング38内の空調を行うことが好ましい。これにより、高分子膜40中に不純物が混入するおそれが減少し、良好なハニカム構造フィルム12を得ることができる。
【0117】
乾燥が進行したハニカム構造フィルム12は、剥取ローラ30で支持しながら流延ベルト26から剥ぎ取られ、巻取機32により巻き取られる。なお、ハニカム構造フィルム12の搬送速度は、特に限定されるものではないが、0.1m/min以上60m/min以下が好ましい。前記搬送速度が0.1m/min未満であると、生産性に劣りコストの点から好ましくない。一方、60m/minを超えると、ハニカム構造フィルムを搬送する際に、過大な張力が付与され裂け、ハニカム構造乱れなどの不良の発生原因となる。以上の方法によりハニカム構造フィルム12を連続して製造することができる。
得られたハニカム構造フィルムは、延伸工程により延伸が施され、楕円状乃至スリット状の空孔が形成される。
また、必要に応じて、フィルム表面に金属層を形成することもできる。
【0118】
図6に本発明に係る他の実施形態のフィルム製造設備60を示す。送出機61から支持体となるフィルム62が搬送される。フィルム62はバックアップローラ63に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ63に対向してスライドコータ64が設けられている。また、スライドコータ64には減圧チャンバ65が設けられている。高分子溶液供給装置66から送液ポンプで送られてくる高分子溶液67が、スライドコータ64から押し出されて、支持体であるフィルム62上に塗布され、高分子膜68が形成される。
【0119】
スライドコータ64は、フィルム62の搬送方向の均一塗布性に優れており、かつ高速で高分子膜68の形成が可能であることから生産性においても高い塗布機であるといえる。また、支持体であるフィルム62の表面に凹凸がある場合でも、フィルム62がバックアップローラ63に巻き掛けられている際に平滑化されるので、均一な塗布性に優れている。更に、フィルム62に非接触で塗布を行うので、フィルム62の表面を傷つけることなく、均一塗布が可能である。
【0120】
フィルム62上に形成されている高分子膜68は、送風機69の風70により結露乾燥工程11が行われる。なお、結露乾燥工程11は前述した説明と同じ条件の箇所の説明は省略する。結露乾燥工程11を経た後にハニカム構造フィルム71巻取ロール72に巻き取られる高分子膜68が形成されているフィルム62の搬送方向は、水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。また、フィルム62に高分子溶液66の有機溶媒を吸収しやすい性質の素材から形成されているものを用いることがより好ましい。それら素材は、有機溶媒を吸収するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、高分子溶液67の主溶媒に酢酸メチルを用いている際には、フィルムの素材にセルロースアシレートを用いることが好ましい。
【0121】
図7に、本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備80を示す。なお、フィルム製造設備60と同じ箇所の説明は省略する。送出機81から支持体となるフィルム82が搬送される。フィルム82はバックアップローラ83に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ83に対向して多層式スライドコータ84が設けられている。また、多層式スライドコータ84には減圧チャンバ85が設けられている。高分子溶液供給装置86から送液ポンプで送られてくる高分子溶液87が、多層式スライドコータ84から押し出されて、支持体であるフィルム82上に塗布され、高分子膜88が形成される。フィルム82上に形成されている高分子膜88は、送風機89の風90により結露乾燥工程11が行われる。結露乾燥工程11を経た後にハニカム構造フィルム91は巻取ロール92に巻き取られる。
【0122】
多層からなる高分子溶液87をフィルム82上にキャスト(塗布)することにより、ハニカム構造フィルム91の厚み方向における形態、物性などを変更することが可能となる。
【0123】
図8に、本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備100を示す。なお、フィルム製造設備60と同じ箇所の説明は省略する。送出機101から支持体となるフィルム102が搬送される。フィルム102はバックアップローラ103に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ103に対向してエクストリュージョンコータ104が設けられている。また、エクストリュージョンコータ104には減圧チャンバ105が設けられている。高分子溶液供給装置106から送液ポンプで送られてくる高分子溶液107が、エクストリュージョンコータ104から押し出されて、支持体であるフィルム102上に塗布され、高分子膜108が形成される。フィルム102上に形成されている高分子膜108は、送風機109の風110により結露乾燥工程11が行われる。結露乾燥工程11を経た後にハニカム構造フィルム111は、巻取ロール112に巻き取られる。
【0124】
図9に、本発明に係るフィルムを製造するフィルム製造設備120を示して説明する。ワイヤーバー塗布機121を用いて高分子溶液122をフィルム123に塗布する。一定速度で移動するフィルム123の移動方向に回転するワイヤーバー124は、その回転により1次側高分子溶液槽125から液貯留部分126に高分子溶液122を引き上げる。この液貯留部分126の高分子溶液122が、フィルム123にワイヤーバー124を介し接触することにより均一な厚さの高分子膜127が形成される。この高分子膜127を送風機128の風129により結露乾燥工程11を行うことで、ハニカム構造フィルム130を得ることができる。ワイヤーバー124を用いたハニカム構造フィルム130の製造方法は、液貯留部分126が高分子溶液122とフィルム123との接触部に空気が混入しないようにするので、高分子膜127に気泡が混入しにくくなるという利点がある。
【0125】
支持体にフィルム62,82,102,123を用いた際には、ハニカム構造フィルム71,91,111,130とを一体のフィルムとして巻き取り、ハニカム複合膜14のベースフィルムとして用いることもできる。
【0126】
図10に、本発明に係るフィルムを製造する製造設備140を示す。フィルム141が圧胴142に巻き掛けられながら搬送される。圧胴142に対向して版胴143が配置されている。版胴143の表面には所望のパターンが形成されている。高分子溶液槽144に入れられている高分子溶液145は版胴143が回転することにより、その凹部に溜まる。ドクターブレード146により過剰な高分子溶液145がかきとられる。その後に圧胴142に巻きかかって走行しているフィルム141上に高分子溶液145が塗布されて高分子膜147が形成される。
【0127】
送風機148により高分子膜147の結露乾燥工程11が行われる。送風機148から送風される風149は、フィルム141の搬送方向と同方向の平行流とする。高分子膜147は、結露乾燥工程11を経ることによりハニカム構造体150が形成される。フィルム141は、所望のパターンでハニカム構造体150が形成されているハニカム構造体形成フィルム151となる。
【0128】
本発明のハニカム複合膜の製造方法に従って得られた本発明のハニカム複合膜は、初めから所望の仮支持体又は前記仮支持体に設けられた剥離層上に製造することでそのまま使用してもよいし、エタノール等の適当な溶媒に浸してから製造時の支持体より剥離した後に所望の基体上に設置して使用してもよい。なお、剥離して使用する場合には、新たな基体との密着性を上げる目的で材料及び所望の基体の材質に合ったエポキシ樹脂、シランカップリング剤等の接着剤を使用してもよい。
【実施例】
【0129】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0130】
(実施例1)
厚み200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、シリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−211)100質量部とシリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−212)0.6質量部との混合樹脂の3質量%トルエン液を、乾燥後の厚みが1μmとなるようにワイヤーコーターにて塗布し、120℃にて2分間乾燥させた。以上により、剥離層付き仮支持体を作製した。
【0131】
次に、重量平均分子量45,000のポリスチレンと、重量平均分子量50,000の下記構造式で表される両親媒性ポリマーを質量比で10:1の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.4質量%)0.5mLを調製した。
次いで、外気の影響を受けない閉鎖空間にて2℃に保温したHDD用ガラス基板上に全量展開し、相対湿度70%の恒湿空気を毎分2Lの定常流量で基板面に対して45°の方向から吹き付け、塩化メチレンを蒸発させることによって、均一ハニカム構造体を得た。このハニカム構造体表面に、剥離層付き仮支持体の剥離層側表面を貼り合わせて、HDD用ガラス基板上から仮支持体とともにハニカム構造体を剥ぎ取り、ハニカム複合膜が得られた。ここで、恒湿空気は、市販の除塵エアーフィルタ(ろ過度:0.3μm)を設置した日立工機株式会社製のコンプレッサSC−820にヤマト科学株式会社製の湿度発生装置を接続して供給した。なお、吹き付け部の空気の流速を実測したところ、0.3m/sであった。また、前記仮支持体表面の水接触角は、固液界面解析装置(協和界面科学社製、DropMaster300)により測定したところ、70°であった(以下の例も同じ)。
【0132】
【化14】

【0133】
得られた膜の構造を、電解放出走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社製、S4300)で観察したところ、孔径5μmの空孔がヘキサゴナル状に規則配列したハニカム構造体が確認できた。隣接する空孔の中心間の間隔はほぼ5.7μmであった。空孔は膜の表面から裏面へ単一層を形成しており、膜の上下は貫通している構造であった。空孔はキャストした周辺の一部を除き、ほぼ全面にわたって分布しており、きれいな球形をしていた。
【0134】
(実施例2)
実施例1において、ハニカム構造体の裏面にも剥離層付き仮支持体を貼り合わせたこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム複合膜を得た。得られた膜の構造は、実施例1におけるハニカム複合膜と同様であった。
【0135】
(実施例3)
実施例2において、ハニカム構造体の裏面にポリエチレンテレフタレートフィルムには、剥離層を塗布せず、ハニカム構造体に、ハニカム構造体と単に熱圧着することにより設けた以外は、実施例1と同様にしてハニカム複合膜を得た。得られた膜の構造は、実施例1におけるハニカム複合膜と同様であった。
【0136】
(実施例4)
実施例1において、仮支持体に剥離層を設ける代わりに、ハニカム構造体と単に熱圧着することにより前記仮支持体を剥離可能に設けた以外は、実施例1と同様にしてハニカム複合膜を得た。得られた膜の構造は、実施例1におけるハニカム複合膜と同様であった。
【0137】
<評価>
実施例1〜4で得られたハニカム複合膜を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
1)評価1・・・細胞培養基材としてのハンドリング性を評価するために、得られたハニカム複合膜を、一旦アルミ蒸着シートから成る包材に真空ラミネーションにて封入し、1週間保管した後、手作業で包材から取り出し、仮支持体を除去した形でガラスシャーレ上にセットした。これに対して細胞培養実験を実施し、作業性の良・不良を評価すると共に、ハニカム膜上のひび割れ、欠陥等が発生しないかどうかを観察した。
2)評価2・・・桂皮吸収薬膜等へのハンドリング適正を評価するために、ハニカム複合膜にあらかじめヒアルロン酸を含侵させた状態で皮膚に貼り付け、ひび割れ、欠陥等が発生しないかどうかを観察した。
評価基準としては、評価1及び評価2いずれも、ハンドリング適性を目視により評価し、非常に良好=◎、良好=○、普通=△、不良=×とした。
【0138】
【表1】

【0139】
(実施例5)
実施例1の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiOとの質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例5のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分に対し、日本分光社製エリプソメータM220で位相差測定(膜の法線方向から30°傾け、法線を中心に10°間隔で360°回転して位相差を評価)をおこなった。その結果、この膜は延伸方向に相対的に大きな屈折率を有する正対称の屈折率楕円体を示し、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
【0140】
(実施例6)
実施例2の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiOとの質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例6のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分は、実施例5と同様の方法により評価した結果、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
【0141】
(実施例7)
実施例3の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiOとの質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例7のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分は、実施例5と同様の方法により評価した結果、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
【0142】
(実施例8)
実施例4の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiOとの質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例8のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分は、剥離層がないため、取り扱い性は実施例1〜3で得られたハニカム複合膜に比べて若干劣ったが、実施例5と同様の方法により評価した結果、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
【0143】
<評価>
実施例5〜8で得られたハニカム複合膜を偏光板に張り合わせ、仮支持体を剥離して得られた位相差機能を併せ持つ偏光板と、仮支持体を用いない以外は、実施例5〜8と同様に、作成したハニカム構造フィルムを偏光板に張り合わせて得られた位相差機能を併せ持つ偏光板の液晶表示の均一性を、目視評価で比較した。
その結果、仮支持体を用いて張り合わせた実施例5〜8は、いずれも不均一性は視認されず良好であった。一方、仮支持体を用いない場合は、いずれも、仮支持体がないため、張り合わせ時に不均一な変形が生じ、画像の色味に不均一なムラが視認された。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明のハニカム複合膜は、大面積化が容易であり、強度が増し、取り扱い性が向上しているので、例えば、位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料などに幅広く好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1A】図1Aは、本発明のハニカム複合膜の一例を示す模式図である。
【図1B】図1Bは、本発明のハニカム複合膜の他の一例を示す模式図である。
【図1C】図1Cは、本発明のハニカム複合膜の更に他の一例を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法の一例を説明する工程図である。
【図3】図3は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法の一例に用いられるフィルム製造設備の概略図である。
【図4A】図4Aは、本発明のハニカム複合膜の形成方法の一例を示し、流延ベルト上に高分子膜が形成された状態を示す概略図である。
【図4B】図4Bは、本発明のハニカム複合膜の形成方法の一例を示し、液滴が結露して成長する状態を示す概略図である。
【図4C】図4Cは、本発明のハニカム複合膜の形成方法の一例を示し、乾燥により、有機溶媒が高分子膜から揮発する状態を示す概略図である。
【図4D】図4Dは、本発明のハニカム複合膜の形成方法の一例を示し、乾燥により、高分子膜の液滴から水分が揮発する状態を示す概略図である。
【図5A】図5Aは、本発明に係るハニカム複合膜の平面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのb−b線断面図である。
【図5C】図5Cは、図5Aのc−c線断面図である。
【図6】図6は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられる他の一例を示すフィルム製造設備の概略図である。
【図7】図7は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられる更に他の一例を示すフィルム製造設備の概略図である。
【図8】図8は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられる更に他の一例を示すフィルム製造設備の概略図である。
【図9】図9は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられる更に他の一例を示すフィルム製造設備の概略図である。
【図10】図10は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられる更に他の一例を示すフィルム製造設備の概略図である。
【符号の説明】
【0146】
1 仮支持体
2 剥離層
3 ハニカム状多孔質フィルム
4 支持体
10 キャスト工程
11 結露乾燥工程
12 ハニカム構造フィルム
13 延伸工程
14 ハニカム複合膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有することを特徴とするハニカム複合膜。
【請求項2】
ハニカム構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである請求項1に記載のハニカム複合膜。
【請求項3】
ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する請求項1から2のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項4】
ハニカム構造を有するフィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する請求項1から3のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項5】
ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する請求項1から3のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項6】
仮支持体の表面の水接触角が2〜120°である請求項1から5のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項7】
ハニカム構造を有するフィルムが延伸されている請求項1から6のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項8】
延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである請求項7に記載のハニカム複合膜。
【請求項9】
ハニカム構造を有するフィルムの表面に金属層を有する請求項1から8のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項10】
金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である請求項9に記載のハニカム複合膜。
【請求項11】
ハニカム構造を有するフィルムにおける空孔内に屈折率制御材料が充填されている請求項1から10のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項12】
フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である請求項1から11のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項13】
両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである請求項12に記載のハニカム複合膜。
【請求項14】
仮支持体及び剥離層を剥がして使用する請求項3から13のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項15】
位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに用いられる請求項1から14のいずれかに記載のハニカム複合膜。
【請求項16】
仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
該剥離層上及び支持体上のいずれかに有機溶媒と高分子化合物とを含む液をキャストし、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製するフィルム作製工程とを含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法。
【請求項17】
ハニカム状多孔質フィルムを延伸する延伸工程を含む請求項16に記載のハニカム複合膜の製造方法。
【請求項18】
ハニカム状多孔質フィルムの表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む請求項16から17のいずれかに記載のハニカム複合膜の製造方法。


【図2】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−1301(P2007−1301A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143891(P2006−143891)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】