説明

ハロゲン化アルキルスルホンアミド誘導体

【課題】プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(PAI-1)阻害作用を有する化合物
及びその利用方法を提供すること。
【解決手段】下記式(I)[式中、R1は置換されていてもよいC6-10アリール基などを、R2
置換されていてもよいC6-10アリール基などを、Eはベンゼン環を、Zはハロゲン化C1-6
ルキル基を、Tは単結合などを、Gは酸素原子などを、mは0又は1をそれぞれ表す]で表さ
れる化合物等はPAI-1阻害作用を有する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(以下、PAI-1と略す)阻害剤
として有用なハロゲン化アルキルスルホンアミド誘導体及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(PAI-1)の過剰発現は、プラスミノゲン
アクチベータ(例えば、組織型プラスミノゲンアクチベータやウロキナーゼ型プラスミノ
ゲンアクチベータなど)の活性化を抑制することにより、フィブリン血栓や組織蛋白を分
解するプラスミンの産生を抑制し、血栓の形成をもたらすこと(例えば、非特許文献2参
照)が知られている。
また、PAI-1の過剰発現は、動脈硬化病変にみられ、心筋梗塞や深部静脈血栓症(DVT)
、敗血症に伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)等の血栓性疾患リスクを高めることが知
られている(非特許文献1参照)。
これらのことから、PAI-1の活性又は産生を抑制する化合物は、血栓の形成抑制に有用
であり、血栓性疾患などの血栓の形成に起因する疾患、血栓の形成を伴う疾患などに対し
て有用な薬剤になることが期待されている。
【0003】
さらに、PAI-1は、細胞外マトリックスの沈着、蓄積を促進し、線維化を主体とする組
織病変や血管壁硬化病変の進展に深く関与していることが知られており、喘息モデルマウ
スの気道における細胞外マトリックス蓄積がPAI-1ノックアウトにより軽減されること(
非特許文献8参照)から、PAI-1が線維化に直接的に関与していることが示唆されている
。従って、PAI-1の活性又は産生を抑制する化合物は、組織の線維化の抑制に有用であり
、組織の線維化に起因する疾患に対して有用な薬剤になることが期待されている。
【0004】
その他、PAI-1は、肥満細胞からも分泌されていること(非特許文献7参照)や、肥満モ
デルマウスにおいて血中濃度が高く、内皮組織や肝組織だけではなく脂肪組織でも合成さ
れており、特に内臓脂肪においてはその蓄積とともにPAI-1合成量が飛躍的に亢進してい
ることが報告されている(非特許文献3参照)。また、PAI-1遺伝子をノックアウトした
肥満モデルマウスでは、体重の減少、血中グルコース濃度及び血中インスリン濃度の低下
が報告されており(非特許文献4参照)、PAI-1が脂肪蓄積に起因する様々な病態を増悪
する可能性があることを示している。従って、PAI-1の活性又は産生を抑制する化合物は
、内臓脂肪蓄積の抑制に有用であり、内臓脂肪蓄積に起因する疾患に対して有用な薬剤に
なることが期待されている。
【0005】
また、PAI-1が細胞接着分子であるビトロネクチンと結合して、細胞と細胞外マトリッ
クスの接着を阻害すること、癌モデルにおいてPAI-1の抗体が癌転移を抑制すること(非
特許文献5参照)、及び、PAI-1ノックアウトマウスに悪性ケラチノサイトを移植した場
合に癌の浸潤や血管新生が抑制されること(非特許文献6参照)から、PAI-1の活性又は
産生を抑制する化合物は、細胞の移動や転移、血管新生などの抑制に有用であり、細胞の
移動や転移、血管新生などに起因する疾患への治療効果も期待されている。
【0006】
さらに、心臓や腎臓移植後の急性拒絶反応や慢性拒絶反応としての動脈病変は、組織線
維化、血栓形成、動脈内皮細胞の増殖やリモデリングが進行することに起因すると考えら
れているが、マウス(murine)を用いた心臓移植実験において、PAI-1阻害作用を有する化
合物を投与した場合、コントロール群に比較して移植片生着が有意に延長されること、重
篤な血管内膜肥厚の割合が3分の1程度まで軽減されること(特許文献1参照)から、PAI
-1を阻害する化合物又はPAI-1の産生を抑制する化合物は、心臓や腎臓移植後もしくは他
の臓器移植後の急性拒絶反応や移植後動脈病変を抑制する薬剤として期待されている。
【0007】
一方、PAI-1を阻害することで活性化されるプラスミンは、血栓の溶解のみならず、組
織のリモデリング、細胞の移動・転移・浸潤、排卵と着床、細胞増殖抑制サイトカインで
あるトランスフォーミング成長因子の活性化やコラゲナーゼの活性化などに関与しており
、PAI-1の活性又は産生を抑制する化合物は、組織のリモデリング、細胞の増殖・移動・
浸潤・転移、血管新生などの抑制に有用であり、細胞増殖、血管新生、組織のリモデリン
グなどに起因する疾患への治療効果も期待されている。
【0008】
従来、PAI-1阻害作用を有する化合物としては、例えば、特許文献1〜21及び非特許
文献9〜11に開示された化合物が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1666469号明細書
【特許文献2】国際公開第95/32190号パンフレット
【特許文献3】国際公開第95/21832号パンフレット
【特許文献4】英国特許出願公開第2372740号明細書
【特許文献5】国際公開第03/000253号パンフレット
【特許文献6】国際公開第03/000258号パンフレット
【特許文献7】国際公開第03/000649号パンフレット
【特許文献8】国際公開第03/000671号パンフレット
【特許文献9】国際公開第03/000684号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2004/052856号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2004/052893号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2005/030192号パンフレット
【特許文献13】国際公開第2005/030204号パンフレット
【特許文献14】国際公開第2005/030715号パンフレット
【特許文献15】国際公開第2005/030716号パンフレット
【特許文献16】国際公開第2005/030756号パンフレット
【特許文献17】米国特許出願公開第2005/0124664号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2005/0124667号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2005/0143384号明細書
【特許文献20】国際公開第2008/044729号パンフレット
【特許文献21】国際公開第2008/044731号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., Vol.89, No.15, pp.6998-7002(1992).
【非特許文献2】Nature, Vol.346, No.6279, pp.74-76(1990).
【非特許文献3】Mol. Med., Vol.2, No.5, pp.568-582(1996).
【非特許文献4】FASEB J., Vol.15, No.10, pp.1840-1842(2001).
【非特許文献5】Gen. Diagn. Pathol., Vol.141, No.1, pp.41-48(1995).
【非特許文献6】Nat. Med., Vol.4, No.8, pp.923-928(1998).
【非特許文献7】J. Immunol., Vol.165, No.6, pp.3154-3161(2000).
【非特許文献8】Biochem. Biophys. Res. Commun., Vol.294, No.5, pp.1155-1160(2002).
【非特許文献9】Biochemistry, Vol.37, No.5, pp.1227-1234(1998).
【非特許文献10】J. Med Chem., Vol.47, No.14, pp.3491-3494(2004).
【非特許文献11】Mukul R. Jain et al., Eur. J. Med Chem., Vol.43(4), pp.880-884(2008), Epub Jun 3 (2007). [PubMed ID: 17664030]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、PAI-1阻害作用を有する化合物及びその利用方法を提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記式(I)で表される
化合物及びその塩などがPAI-1阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【化1】

[式中、
R1は、C6-10アリール基、又は下記置換基群α-1から選択される1乃至5個の基で置換さ
れたC6-10アリール基(該置換基が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい)を表し、
R2は、C6-10アリール基、又は下記置換基群β-1から選択される1乃至5個の基で置換さ
れたC6-10アリール基(該置換基が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい)を表し、
Eは、ベンゼン環を表し、
Zは、ハロゲン化C1-6アルキル基を表し、
Tは、単結合又は酸素原子を表し、
Gは、酸素原子、硫黄原子又は-S(=O)2-を表し、
mは、0乃至10の整数を表す。
[置換基群α-1]
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6
アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、カルボキシ
基、アミノ基、C1-6アルキレンジオキシ基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルカ
ルボニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ置換C1-6アル
キル基
[置換基群β-1]
ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、
C1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、フェニ
ル基、カルボキシ基、カルボキシ置換C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ置換フ
ェニル基、カルボキシ置換C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル置換フェニル基、カルボキシ
置換C2-6アルケニル基
【0013】
すなわち、本発明により、
[1] 上記式(I)で表される化合物、その塩、前記化合物の水和物、前記塩の水和物、前記
化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物;
[2] 上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記
塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を有効成分として含む医薬組
成物;
[3] PAI-1を阻害する方法であって、上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその
塩、前記化合物の水和物、前記塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和
物をPAI-1に作用させる工程を含む方法;
[4] 哺乳類動物においてPAI-1を阻害する方法であって、PAI-1を阻害するために十分な量
の上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記塩
の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を投与する工程を含む方法;
[5] 哺乳類動物においてPAI-1発現又はPAI-1活性亢進に起因する疾患を予防及び/又は治
療する方法であって、該疾患を予防及び/又は治療するために十分な量の上記[1]に記載
の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記塩の水和物、前記化
合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を投与する工程を含む方法;
[6] 上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記
塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を有効成分として含むPAI-1
阻害剤;
[7] 上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記
塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を有効成分として含むPAI-1
発現又はPAI-1活性亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬;
[8] PAI-1阻害剤の製造のための上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、
前記化合物の水和物、前記塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物の
使用;
[9] PAI-1発現又はPAI-1活性亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬を製
造するための上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和
物、前記塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物の使用;
[10] PAI-1を阻害するための上記[1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前
記化合物の水和物、前記塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物;並
びに
[11] PAI-1発現又はPAI-1活性亢進に起因する疾患を予防及び/又は治療するための上記[
1]に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記塩の水和物
、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物が提供される。
【0014】
なお、本明細書において「作用させる」とは、式(I)で表される化合物、薬理学的に許
容されるその塩、前記化合物の水和物、前記塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前
記塩の溶媒和物を、添加若しくは投与することによりPAI-1の活性化を阻害する作用を発
揮させることをいい、PAI-1を対象としてもよいし、PAI-1を産生する培養細胞又は個体内
の細胞を対象としてもよい。なお、前記個体としては、例えば、ヒトであってもよいし、
その他の哺乳類動物であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の化合物は、PAI-1阻害作用を有しており、PAI-1発現又はPAI-1活性亢進に起因
する疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説
明する。実施例において特に説明がない場合には、市販の試薬キットや測定装置はそれら
に添付のプロトコールを用いる。なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは
、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれ
ば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例
などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されてい
るのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発
明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができること
は、当業者にとって明らかである。
【0017】
本明細書において用いられる略語の意味は以下の通りである。i-Pr: イソプロピル基、
n-Bu: n-ブチル基、t-Bu: tert-ブチル基、n-BuO: n-ブトキシ基
【0018】
本発明において、上記式(I)中のR1は、C6-10アリール基、又は上記置換基群α-1から選
択される1乃至5個の基で置換されたC6-10アリール基(該置換基が2個以上である場合、各
置換基は同一であっても異なっていてもよい)を表す。
【0019】
R1は、好ましくは下記式(III)
【化2】

[式中、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、水素原子、又は下記置換基
群α-2から選択される基を表すか、或いはR11及びR12、R12及びR13、R13及びR14、又はR1
4及びR15はそれらが結合して環を構成するC1-6アルキレンジオキシ基を表す]である。
[置換基群α-2]
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6
アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、カルボキシ
基、アミノ基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルス
ルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ置換C1-6アルキル基
【0020】
R11、R12、R13、R14及びR15は、好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、又は下記
置換基群α-3から選択される基である。
[置換基群α-3]
ハロゲン原子、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、n-ブトキシ基、トリフルオロメ
トキシ基
【0021】
R11、R12、R13、R14及びR15は、好ましくは、(1) R11、R12、R13、R14及びR15の全てが
水素原子であるか、(2) R11、R12、R13、R14及びR15のうち4個が水素原子であって、残り
の1個が上記置換基群α-2又はα-3から選択される基であるか、或いは、(3) R11、R12、R
13、R14及びR15のうち3個が水素原子であって、残りの2個が、それぞれ独立して、上記置
換基群α-2又はα-3から選択される基である。
【0022】
R1は、好ましくは下記置換基群α-4から選択される基である。
[置換基群α-4]
【化3】

【0023】
上記式(I)中のR2は、C6-10アリール基、又は上記置換基群β-1から選択される1乃至5個
の基で置換されたC6-10アリール基(該置換基が2個以上である場合、各置換基は同一であ
っても異なっていてもよい)を表す。
【0024】
R2は、好ましくは下記式(IV)
【化4】

[式中、R21、R22、R23、R24及びR25は、それぞれ独立して、水素原子、又は下記置換基
群β-2から選択される基を表す]である。
[置換基群β-2]
ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、
C1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、フェニ
ル基、カルボキシ基、カルボキシ置換C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ置換フ
ェニル基、カルボキシ置換C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル置換フェニル基、カルボキシ
置換C2-6アルケニル基
【0025】
R21、R22、R23、R24及びR25は、好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、又は下記
置換基群β-3から選択される基である。
[置換基群β-3]
ハロゲン原子、イソプロピル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、n-ブトキシ基
、トリフルオロメトキシ基
【0026】
R21、R22、R23、R24及びR25は、好ましくは、(1) R21、R22、R23、R24及びR25の全てが
水素原子であるか、(2) R21、R22、R23、R24及びR25のうち4個が水素原子であって、残り
の1個が上記置換基群β-2又はβ-3から選択される基であるか、或いは、(3) R21、R22、R
23、R24及びR25のうち3個が水素原子であって、残りの2個が、それぞれ独立して、上記置
換基群β-2又はβ-3から選択される基である。
【0027】
R2は、好ましくは下記置換基群β-4から選択される基である。
[置換基群β-4]
【化5】

【0028】
上記式(I)中のEは、ベンゼン環を表す。Eを含む下記部分構造式(V)
【化6】

は、好ましくは下記式(II)
【化7】

[式中、R31、R32、R33及びR34のうち1個は式R1-T-を表し、残りの3個は水素原子を表す
]である。
【0029】
R31、R32、R33及びR34は、好ましくは、R34が水素原子であり、R31、R32及びR33のうち
1個がR1-T-であって、残りの2個が水素原子である。
【0030】
上記式(I)中のZは、ハロゲン化C1-6アルキル基を表す。Zは、好ましくは3個以上のフッ
素原子で置換されたC1-6アルキル基であり、さらに好ましくはトリフルオロメチル基であ
る。
【0031】
上記式(I)中のTは、単結合又は酸素原子を表す。上記式(I)中のGは、酸素原子、硫黄原
子又は-S(=O)2-を表す。
【0032】
上記式(I)中のmは、0乃至10の整数を表す。mは、好ましくは0又は1である。
【0033】
上記置換基群α-1、α-2、α-3、β-1、β-2及びβ-3の「ハロゲン原子」としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0034】
本明細書において、「アルキル基」又はアルキル部分を含む置換基におけるアルキル部
分は、直鎖状、分岐鎖状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい。上記置換基群α-1
、α-2、β-1及びβ-2の「C1-6アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n-
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-エチルプロ
ピル基、n-ヘキシル基などが挙げられる。
【0035】
上記Z並びに上記置換基群α-1、α-2、β-1及びβ-2の「ハロゲン化C1-6アルキル基」
は、C1-6アルキル基の1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換された基を意味する。ハ
ロゲン化C1-6アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、ブロモメチル基、フルオロ
メチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチ
ル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペン
タフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、パーフルオロ
ペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。ハロゲン化C1-6アルキル基のハ
ロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。ハロゲン化C1-6アルキル基は、好ましくは
3個以上のハロゲン原子で置換されたC1-6アルキル基であり、さらに好ましくは3個以上の
フッ素原子で置換されたC1-6アルキル基である。
【0036】
上記置換基群α-1、α-2、β-1及びβ-2の「C1-6アルコキシ基」としては、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキ
シ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基
、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、1-エチルプロポキシ基、n-ヘキシル
オキシ基などが挙げられる。
【0037】
上記置換基群α-1、α-2、β-1及びβ-2の「ハロゲン化C1-6アルコキシ基」としては、
例えば、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、フルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ
基、ジブロモメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリブロモメ
トキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエ
トキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、ノナフルオロブトキシ基、パーフルオロペンチ
ルオキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基などが挙げられる。ハロゲン化C1-6アルコキ
シ基のハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。ハロゲン化C1-6アルコキシ基は、
好ましくは3個以上のハロゲン原子で置換されたC1-6アルコキシ基であり、さらに好まし
くは3個以上のフッ素原子で置換されたC1-6アルコキシ基である。
【0038】
上記置換基群β-1及びβ-2の「カルボキシ置換C1-6アルコキシ基」は、C1-6アルコキシ
基の1個以上の水素原子がカルボキシ基で置換された基を意味する。カルボキシ置換C1-6
アルコキシ基としては、例えば、カルボキシメチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基
、カルボキシプロピルオキシ基、カルボキシブチルオキシ基、カルボキシペンチルオキシ
基、カルボキシヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0039】
上記R1及びR2の「C6-10アリール基」としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2
-ナフチル基などが挙げられる。
【0040】
上記置換基群α-1、α-2、β-1及びβ-2の「C1-6アルキルスルファニル基」としては、
例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、n-プロピルスルファニル基、イ
ソプロピルスルファニル基、n-ブチルスルファニル基、イソブチルスルファニル基、sec-
ブチルスルファニル基、tert-ブチルスルファニル基、n-ペンチルスルファニル基、イソ
ペンチルスルファニル基、ネオペンチルスルファニル基、tert-ペンチルスルファニル基
、1-エチルプロピルスルファニル基、n-ヘキシルスルファニル基などが挙げられる。
【0041】
上記置換基群α-1の「C1-6アルキレンジオキシ基」のアルキレン部分は、直鎖状、分岐
鎖状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい。C1-6アルキレンジオキシ基としては、
例えば、メチレンジオキシ基、1,2-エチレンジオキシ基、1,3-プロピレンジオキシ基、1,
4-ブチレンジオキシ基、1,1-ジメチルメチレンジオキシ基、1,5-ペンチレンジオキシ基、
1,6-ヘキシレンジオキシ基、1,1,2,2-テトラメチルエチレンジオキシ基などが挙げられる

【0042】
上記置換基群α-1、α-2、β-1及びβ-2の「カルボキシ置換C1-6アルキル基」は、C1-6
アルキル基の1個以上の水素原子がカルボキシ基で置換された基を意味する。カルボキシ
置換C1-6アルキル基としては、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カル
ボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基
などが挙げられる。
【0043】
上記置換基群α-1及びα-2の「C1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチル
スルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル
基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-
ブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチ
ルスルホニル基、tert-ペンチルスルホニル基、1-エチルプロピルスルホニル基、n-ヘキ
シルスルホニル基などが挙げられる。上記置換基群α-1及びα-2の「C1-6アルキルスルホ
ニルアミノ基」としては、例えば、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ
基、n-プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n-ブチルスルホ
ニルアミノ基、イソブチルスルホニルアミノ基、sec-ブチルスルホニルアミノ基、tert-
ブチルスルホニルアミノ基、n-ペンチルスルホニルアミノ基、イソペンチルスルホニルア
ミノ基、ネオペンチルスルホニルアミノ基、tert-ペンチルスルホニルアミノ基、1-エチ
ルプロピルスルホニルアミノ基、n-ヘキシルスルホニルアミノ基などが挙げられる。
【0044】
上記置換基群α-1及びα-2の「C1-6アルキルカルボニル基」としては、例えば、アセチ
ル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n-ブ
チルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカ
ルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、ネオペンチルカルボ
ニル基、tert-ペンチルカルボニル基、1-エチルプロピルカルボニル基、n-ヘキシルカル
ボニル基などが挙げられる。
【0045】
上記置換基群β-1及びβ-2の「ハロゲン化C1-6アルコキシ置換フェニル基」は、フェニ
ル基の1個以上の水素原子がハロゲン化C1-6アルコキシ基で置換された基を意味する。ハ
ロゲン化C1-6アルコキシ置換フェニル基としては、例えば、クロロメトキシフェニル基、
ブロモメトキシフェニル基、フルオロメトキシフェニル基、ジクロロメトキシフェニル基
、ジブロモメトキシフェニル基、ジフルオロメトキシフェニル基、トリクロロメトキシフ
ェニル基、トリブロモメトキシフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、3,5-ビス
トリフルオロメトキシフェニル基、2,2,2-トリフルオロエトキシフェニル基、ペンタフル
オロエトキシフェニル基、ヘプタフルオロプロポキシフェニル基、ノナフルオロブトキシ
フェニル基、パーフルオロペンチルオキシフェニル基、パーフルオロヘキシルオキシフェ
ニル基などが挙げられる。
【0046】
上記置換基群β-1及びβ-2の「C1-6アルキル置換フェニル基」は、フェニル基の1個以
上の水素原子がC1-6アルキルで置換された基を意味する。C1-6アルキル置換フェニル基と
しては、例えば、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピル
フェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基などが挙げら
れる。
【0047】
上記置換基群β-1及びβ-2の「カルボキシ置換C2-6アルケニル基」は、C2-6アルケニル
基の1個以上の水素原子がカルボキシ基で置換された基を意味する。カルボキシ置換C2-6
アルケニル基としては、例えば、カルボキシビニル基、カルボキシアリル基、カルボキシ
プロペニル基、カルボキシブテニル基、カルボキシペンテニル基などが挙げられる。
【0048】
上記式(I)で表される化合物は塩を形成することができる。薬理学的に許容される塩と
しては、酸性基が存在する場合には、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩、又はアンモニウム塩、メチルアンモニウム塩
、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアンモニウム
塩等のアンモニウム塩をあげることができ、塩基性基が存在する場合には、例えば、塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、あるいはメタンスルホン酸塩
、ベンゼンスルホン酸塩、パラトールエンスルホン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石
酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩
、安息香酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、乳酸塩等の有機酸塩をあげることができる。
グリシンなどのアミノ酸と塩を形成する場合もある。本発明の医薬の有効成分としては、
薬学的に許容される塩も好適に用いることができる。
【0049】
上記式(I)で表される化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合も
ある。本発明の医薬の有効成分としては、上記のいずれの物質を用いてもよい。さらに上
記式(I)で表される化合物は1以上の不斉炭素を有する場合があり、光学活性体やジアステ
レオマーなどの立体異性体として存在する場合がある。本発明の医薬の有効成分としては
、純粋な形態の立体異性体、光学対掌体又はジアステレオマーの任意の混合物、ラセミ体
などを用いてもよい。
【0050】
また、上記式(I)で表される化合物がその互変異性体(tautomer)として存在する場合
がある。本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の互変異性体又はそれらの混合物
を用いてもよい。また、上記式(I)で表される化合物がオレフィン性の二重結合を有する
場合には、その配置はZ配置又はE配置のいずれでもよく、本発明の医薬の有効成分として
はいずれかの配置の幾何異性体又はそれらの混合物を用いてもよい。
【0051】
本発明の医薬の有効成分として好適な化合物を以下の表に例示するが、本発明の医薬の
有効成分はこれらの化合物に限定されることはない。
【0052】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0053】
式(I)で表される化合物は、例えば、以下に示した方法によって製造することができる

<スキーム1>
【化8】

[式中、R1、R2、E、Z、T、G及びmは、前記定義と同義である]
【0054】
<ステップ1>
一般式(4)で表される化合物のニトロ基を還元することにより、一般式(3)で表される化
合物を製造することができる。この反応は、例えば、触媒量の遷移金属の存在下、水素雰
囲気下、溶媒中で行われる。遷移金属としては、例えば、パラジウム−活性炭素、白金−
活性炭素、二酸化白金、ラネーニッケルが挙げられる。溶媒としては、例えば、エーテル
系溶媒、アルコール系溶媒、水、又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。Gが硫黄原
子である場合、反応は、金属又はハロゲン化金属の存在下、酸の存在又は非存在下、溶媒
中、0℃〜溶媒の沸点条件下で行うことが好ましい。金属としては、例えば、鉄、スズ、
亜鉛が挙げられる。ハロゲン化金属としては、例えば、塩化スズ(II)が挙げられる。酸と
しては、例えば、無機酸、有機酸が挙げられる。溶媒としては、例えば、アルコール系溶
媒、水、又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。
【0055】
<ステップ2>
一般式(3)で表される化合物とハロゲン化アルキルスルホニル化剤を反応させることに
より、一般式(2)で表される化合物を製造することができる。この反応は、例えば、塩基
の存在または非存在下、溶媒中で行われる。ハロゲン化アルキルスルホニル化剤としては
、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホニルクロリ
ドが挙げられる。塩基としては、例えば、無機塩基、有機塩基が挙げられる。溶媒として
は、例えば、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、芳香族系溶媒、ケトン系
溶媒、又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。
【0056】
<ステップ3>
一般式(2)で表される化合物と無機塩基を反応させることにより、一般式(1)で表される
化合物を製造することができる。この反応は、例えば、溶媒中で行われる。溶媒としては
、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、水、又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げ
られる。
【0057】
上記一般式(4)で表される化合物であって、Tが単結合である下記一般式(4a)で表される
化合物は、例えば、以下に示した方法によって製造することができる。
<スキーム2>
【化9】

[式中、L1は、ハロゲン原子などを表し、R100は、水素原子、C1-6アルキル基などを表し
、R1、R2、E、G及びmは、前記定義と同義である]
【0058】
一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される化合物を反応させることにより、一
般式(4a)で表される化合物を製造することができる。この反応は、例えば、触媒量の遷移
金属錯体の存在下、ホスフィン配位子の存在下又は非存在下、塩基の存在下又は非存在下
、溶媒中で行われる。遷移金属錯体としては、例えば、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが挙げられる。
ホスフィン配位子としては、例えば、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジ
シクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルが挙げられる。塩基としては、例えば、無機塩基
、有機塩基が挙げられる。溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、芳香
族系溶媒、アルコール系溶媒、水、又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。
【0059】
上記一般式(4)で表される化合物であって、Tが酸素原子である下記一般式(4b)で表され
る化合物は、例えば、以下に示した方法によって製造することができる。
<スキーム3>
【化10】

[式中、L1は、ハロゲン原子などを表し、R1、R2、E、G及びmは、前記定義と同義である

【0060】
一般式(5)で表される化合物と一般式(7)で表される化合物を反応させることにより、一
般式(4b)で表される化合物を製造することができる。この反応は、例えば、酸化銅(II)の
存在下、塩基の存在下、溶媒中で行われる。塩基としては、例えば、無機塩基が挙げられ
る。溶媒としては、例えば、ハロゲン系溶媒、ピリジン、又はこれらの溶媒の混合溶媒が
挙げられる。
【0061】
上記一般式(5)で表される化合物は、例えば、以下に示した方法によって製造すること
ができる。
<スキーム4>
【化11】

[式中、L1は、ハロゲン原子などを表し、L2は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子
)などを表し、R2、E、G及びmは、前記定義と同義である]
【0062】
一般式(8)で表される化合物と一般式(9)で表される化合物を反応させることにより、一
般式(5)で表される化合物を製造することができる。この反応は、例えば、塩基の存在下
、溶媒中で行われる。塩基としては、例えば、無機塩基、有機塩基、有機金属塩基が挙げ
られる。溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、芳香族系溶媒、アセト
ニトリル、ジメチルスルホキシド又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。
【0063】
上記一般式(4)で表される化合物は、例えば、以下に示した方法によっても製造するこ
とができる。
<スキーム5>
【化12】

[式中、L2は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)などを表し、R1、R2、E、G及び
mは、前記定義と同義である]
【0064】
一般式(8)で表される化合物のかわりに一般式(10)で表される化合物を用いる以外は上
記スキーム4と同様の方法により、一般式(4)で表される化合物を製造することができる。
【0065】
上記一般式(10)で表される化合物であって、Tが単結合である下記一般式(10a)で表され
る化合物は、例えば、以下に示した方法によって製造することができる。
<スキーム6>
【化13】

[式中、L1は、ハロゲン原子などを表し、L2は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子
)などを表し、R100は、水素原子、C1-6アルキル基などを表し、R1及びEは、前記定義と
同義である]
【0066】
一般式(5)で表される化合物のかわりに一般式(8)で表される化合物を用いる以外は上記
スキーム2と同様の方法により、一般式(10a)で表される化合物を製造することができる。
【0067】
上記一般式(10)で表される化合物であって、Tが酸素原子である下記一般式(10b)で表さ
れる化合物は、例えば、以下に示した方法によって製造することができる。
<スキーム7>
【化14】

[式中、L1は、ハロゲン原子などを表し、L2は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子
)などを表し、R1及びEは、前記定義と同義である]
【0068】
一般式(5)で表される化合物のかわりに一般式(8)で表される化合物を用いる以外は上記
スキーム3と同様の方法により、一般式(10b)で表される化合物を製造することができる。
【0069】
上記一般式(1)で表される化合物であって、mが0であり、Gが-S(=O)2-である一般式(1a)
で表される化合物は、例えば、以下に示した方法によっても製造することができる。
<スキーム8>
【化15】

[式中、R1、R2、E、Z、T及びmは、前記定義と同義である]
【0070】
一般式(11)で表される化合物を酸化することにより、一般式(1a)で表される化合物を製
造することができる。この反応は、例えば、酸化剤の存在下、溶媒中で行われる。酸化剤
としては、例えば、過カルボン酸(例えば、過酢酸、m-クロロ過安息香酸)、過酸化水素
などが挙げられる。溶媒としては、例えば、ハロゲン系溶媒、有機酸、水又はこれらの溶
媒の混合溶媒が挙げられる。
【0071】
上記一般式(4)で表される化合物であって、Tが単結合であり、R1が上記置換基群α-1か
ら選択される1乃至5個の基で置換されたC6-10アリール基であって、該置換基の少なくと
も1個がC1-6アルコキシ基又はハロゲン化C1-6アルコキシ基である下記一般式(4c)で表さ
れる化合物は、例えば、以下に示した方法によっても製造することができる。
<スキーム9>
【化16】

[式中、L3は、ハロゲン原子などを表し、R101は、C1-6アルキル基又はハロゲン化C1-6
ルキル基を表し、Arは、C6-10アリール基、又は上記置換基群α-1から選択される1乃至4
個の基で置換されたC6-10アリール基を表し、R2、E、G及びmは、前記定義と同義である]
【0072】
一般式(12)で表される化合物と一般式(13)で表される化合物を反応させることにより、
一般式(4c)で表される化合物を製造することができる。この反応は、例えば、塩基の存在
下、溶媒中で行われる。塩基としては、例えば、無機塩基、有機塩基が挙げられる。溶媒
としては、例えば、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、芳香族系溶媒、アセトニトリル、ジ
メチルスルホキシド又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。
【0073】
上記一般式(4)で表される化合物であって、Tが単結合であり、Gが酸素原子であり、mが
1である下記一般式(4d)で表される化合物は、例えば、以下に示した方法によっても製造
することができる。
<スキーム10>
【化17】

[式中、L1は、ハロゲン原子などを表し、L4は、ハロゲン原子などを表し、R100は、水素
原子、C1-6アルキル基などを表し、R1、R2及びEは、前記定義と同義である]
【0074】
<ステップ1>
一般式(15)で表される化合物と一般式(16)で表される化合物を反応させることにより、
一般式(14)で表される化合物を製造することができる。この反応は、例えば、塩基の存在
下、溶媒中で行われる。塩基としては、例えば、無機塩基、有機塩基、有機金属塩基が挙
げられる。溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、芳香族系溶媒、アセ
トニトリル、ジメチルスルホキシド又はこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。
【0075】
<ステップ2>
一般式(5)で表される化合物のかわりに一般式(14)で表される化合物を用いる以外は上
記スキーム2と同様の方法により、一般式(4d)で表される化合物を製造することができる

【0076】
なお、上記スキーム10において、ステップ1及び2の工程の順序を入れ替えても、一般式
(4d)で表される化合物を製造することができる。
【0077】
上記の各合成法において、無機塩基としては、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化カリウムが挙げられる。有機塩基とし
ては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンが挙げられる
。有機金属塩基としては、例えば、カリウムtert-ブトキシド、リチウムジイソプロピル
アミド、n-ブチルリチウムが挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸が挙げら
れる。有機酸としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸が挙げられ
る。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム
が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシ
エタン、1,4-ジオキサンが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、ジメチルホルム
アミド、N-メチルピロリドンが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、
トルエンが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、2-ブタノンが挙げら
れる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールが挙げられる。
【0078】
本発明の有効成分である式(I)で表される化合物、その塩、前記化合物の水和物、前記
塩の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物は、その基本骨格或いは置換
基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。
その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で
保護、又は当該官能基に容易に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な
場合がある。このような官能基としては例えばアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等
であり、それらの保護基としては、例えば、グリーン(T. W. Greene)及びウッツ(P. G. M
. Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年)」に記載の保
護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このよ
うな方法では、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、或い
は所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。
【0079】
本明細書の実施例には、式(I)に包含される代表的化合物の製造方法が具体的に説明さ
れている。従って、当業者は、上記の一般的な製造方法の説明及び実施例の具体的製造方
法の説明を参照しつつ、適宜の反応原料、反応試薬、反応条件を選択し、必要に応じてこ
れらの方法に適宜の修飾乃至改変を加えることによって、式(I)に包含される化合物をい
ずれも製造可能である。
【0080】
本発明の医薬は、PAI-1発現又はPAI-1活性亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療の
ための医薬として用いることができる。本明細書において用いられる「治療」の用語には
疾患の進行防止が含まれており、「予防」の用語には再発防止が含まれる。本発明の医薬
は、例えば、血栓形成、線維化、内臓脂肪蓄積、血管新生、細胞外マトリックスの沈着お
よびリモデリング、細胞(例えば、腫瘍細胞、血管内皮細胞など)の増殖・移動・浸潤・
転移、組織のリモデリング(例えば、心リモデリング、血管リモデリングなど)などに起
因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬として用いることができる。
【0081】
より具体的には、脳血栓症、脳塞栓症、脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳卒中、脳血管性
痴呆などの虚血性脳血管障害; アルツハイマー症; パーキンソン病; ハンチントン病; 脳
血管性認知症、老人性認知症などの認知症; 狭心症、心筋梗塞、心房細動による心房内血
栓症、心不全などの虚血性心疾患; 肺血栓症、肺塞栓症などの血栓性肺疾患; 深部静脈血
栓症(DVT)、血栓性静脈炎などの閉塞性静脈疾患; 急性動脈閉塞症、慢性動脈閉塞症な
どの閉塞性末梢動脈疾患; バイパス血管移植後血栓; 播種性血管内凝固症候群(DIC);
経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の急性冠閉塞および再狭窄; 抗リン脂質抗体症候群などの
免疫異常に起因する血管障害および血栓症; 遺伝子異常などの先天性血栓傾向に起因する
血管障害や血栓症; 腎血栓症、腎塞栓症などの血栓性腎疾患; 代謝性疾患に起因する腎症
; 動脈硬化症; 血栓性疾患、血栓症、線維症、血液凝固、虚血性疾患、心臓発作、深在性
血栓症、肺血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症、腎硬化症、メタボリック症候群、アルドステロ
ン性組織障害、臓器不全、エコノミークラス症候群、エンドドキシンショック、アレルギ
ー性疾患、脳や心臓などの血管イベント、血管炎、非細菌性血栓性心内膜炎; 敗血症など
の重症感染症; 関節炎におけるフィブリン依存的な疼痛; 網膜症、腎症、神経症、末梢循
環障害などの糖尿病性合併症; 高血圧; 糖尿病; 高インスリン血症; 高コレステロール血
症; インスリン抵抗性症; 高脂血症; 肥満症; 老化; 多嚢胞性卵巣症候群; 多発性硬化症
などの自己免疫疾患; 肺癌、膵癌、大腸癌、胃癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌な
どの固形癌を含む腫瘍; 腫瘍浸潤; 腫瘍転移; 喘息; 子宮内膜症; 加齢黄斑変性症; 前立
腺肥大、肝硬変、肺線維症、腎線維症、間質性膀胱炎などの組織の線維化及びそれに伴う
疾患; アテローム性動脈硬化症; ステント留置後の再狭窄の予防; 人工関節、人工血管、
人工心肺、人工心臓等の医療デバイス装着後の血栓の形成及び血栓症の予防; 外科手術後
の手術痕; 組織の癒着防止; 及び心臓や腎臓などの組織移植後の急性拒絶反応及び組織移
植後の動脈病変より選択される1又は2以上の疾患の予防及び/又は治療のための医薬とし
て用いることができる。さらに、本発明の医薬は、血栓形成の予防や改善を行うことがで
きるので創傷治癒や褥瘡治癒に効果的である。
【0082】
本発明の医薬の有効成分としては、式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容される
それらの塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の
1種又は2種以上を用いることができる。本発明の医薬としては上記の物質自体を用いても
よいが、好適には、本発明の医薬は有効成分である上記の物質と1又は2以上の薬理学的に
許容される製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で提供される。上記医薬組成物におい
て、製剤用添加物に対する有効成分の割合は、1重量%から90重量%程度である。
【0083】
本発明の医薬は、例えば、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロ
ップ剤、乳剤、懸濁剤、又は液剤などの経口投与用の医薬組成物として投与してもよいし
、静脈内投与、筋肉内投与、若しくは皮下投与用の注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤、
経粘膜吸収剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤などの非経口投与用の医薬組成物として
投与することもできる。粉末の形態の医薬組成物として調製された製剤を用時に溶解して
注射剤又は点滴剤として使用してもよい。
【0084】
医薬用組成物の製造には、固体又は液体の製剤用添加物を用いることができる。製剤用
添加物は有機又は無機のいずれであってもよい。すなわち、経口用固形製剤を製造する場
合は、主薬に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤
などを加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの形態の製
剤を調製することができる。用いられる賦形剤としては、例えば、乳糖、蔗糖、白糖、ブ
ドウ糖、コーンスターチ、デンプン、タルク、ソルビット、結晶セルロース、デキストリ
ン、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素などを挙げることができる。結合剤として
は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセ
ルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペ
クチンなどを挙げることができる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム
、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油などを挙げることができる。着
色剤としては、通常医薬品に添加することが許可されているものであればいずれも使用す
ることができる。矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、
桂皮末などを使用することができる。これらの錠剤、顆粒剤には、糖衣、ゼラチン衣、そ
の他必要により適宜コーティングを付することができる。また、必要に応じて、防腐剤、
抗酸化剤等を添加することができる。
【0085】
経口投与のための液体製剤、例えば、乳剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤の製造には、一
般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば水又は植物油を用いることができる。この製剤
には、不活性な希釈剤以外に、補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着
色剤又は保存剤を配合することができる。液体製剤を調製した後、ゼラチンのような吸収
されうる物質のカプセル中に充填してもよい。非経口投与用の製剤、例えば注射剤又は坐
剤等の製造に用いられる溶剤又は懸濁剤としては、例えば、水、プロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチンを挙げるこ
とができる。坐剤の製造に用いられる基剤としては、例えば、カカオ脂、乳化カカオ脂、
ラウリン脂、ウィテップゾールを挙げることができる。製剤の調製方法は特に限定されず
、当業界で汎用されている方法はいずれも利用可能である。
【0086】
注射剤の形態にする場合には、担体として、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴ
ール、プロピレングリコール、クエン酸、酢酸、リン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、硫酸及
び水酸化ナトリウム等の希釈剤; クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及びリン酸ナトリ
ウム等のpH 調整剤及び緩衝剤; ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオ
グリコール酸及びチオ乳酸等の安定化剤等が使用できる。なお、この場合、等張性の溶液
を調製するために十分な量の食塩、ブドウ糖、マンニトール又はグリセリンを製剤中に配
合してもよく、通常の溶解補助剤、無痛化剤又は局所麻酔剤等を使用することもできる。
【0087】
軟膏剤、例えば、ペースト、クリーム及びゲルの形態にする場合には、通常使用される
基剤、安定剤、湿潤剤及び保存剤等を必要に応じて配合することができ、常法により成分
を混合して製剤化することができる。基剤としては、例えば、白色ワセリン、ポリエチレ
ン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン及
びベントナイト等を使用することができる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル
、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等を使用することができる。
貼付剤の形態にする場合には、通常の支持体に上記軟膏、クリーム、ゲル又はペースト等
を常法により塗布することができる。支持体としては、綿、スフ、化学繊維などからなる
織布又は不織布; 軟質塩化ビニル、ポリエチレン及びポリウレタン等のフィルム又は発泡
体シートを好適に使用できる。
【0088】
本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、経口投与の場合には、成人一日あたり本
発明化合物の重量として通常0.01〜5,000mgである。この投与量を患者の年令、病態、症
状に応じて適宜増減することが好ましい。前記一日量は一日に一回、又は適当な間隔をお
いて一日に2〜3回に分けて投与してもよいし、数日おきに間歇投与してもよい。注射剤と
して用いる場合には、成人一日あたり本発明化合物重量として0.001〜100mg程度である。
【0089】
本発明の医薬を、血管又は臓器の移植後あるいは血行再建術後の血管内病変(例えば、
バイパス血管移植後血栓、PTCA後の急性冠閉塞および再狭窄、心臓や腎臓等臓器移植後の
動脈病変など)の予防及び/又は治療に用いる場合、手術に先立って本発明の医薬を経口
的又は非経口的に投与してもよい。また、必要に応じて、それに加えて術中及び/又は術
後に本発明の医薬を経口的又は非経口的に投与することもできる。
【実施例】
【0090】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例
に限定されることはない。
【0091】
以下の表に各実施例において製造した中間体の番号及び構造式をそれぞれ示す。

【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【0092】
例1: 化合物1の製造
(1) 中間体1(1)の製造
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(261mg, 0.813mmol)、4-(トリフルオロメトキ
シ)フェニルボロン酸(218mg, 1.056mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセ
ン]ジクロロパラジウム(II)(43mg, 0.057mmol)、炭酸カリウム(169mg, 1.22mmol)、ジオ
キサン(4ml)、及び水(0.5ml)の混合物を80℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷
却し、溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸エチルを加え、溶液をセライト濾過した。濾液を
減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エ
チル=3:2)で精製して、標題化合物の黄色固体(160mg, 91%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.31-7.41 (2H, m), 7.43-7.53 (2H, m), 7.58-7.68 (2H, m), 8.18
(1H, t, J = 8.4 Hz).
【0093】
(2) 中間体1(2)の製造
中間体1(1)(750mg, 2.639mmol)、4-(tert-ブチル)フェノール(436mg, 2.903mmol)、炭
酸カリウム(547mg, 3.958mmol)、及びジメチルアセトアミド(4ml)の混合物を160℃で1時
間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層
を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去して得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=15:1)で精製
して、標題化合物の白色固体(598mg, 95%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.98-7.06 (2H, m), 7.18 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.
24-7.32 (2H, m), 7.34 (1H, dd, J = 2.1, 8.4 Hz), 7.37-7.44 (2H, m), 7.46-7.55 (2
H, m), 8.05 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0094】
(3) 中間体1(3)の製造
中間体1(2)(1.23g, 2.85mmol)、10%白金−活性炭素(29mg)、及びメタノール(10ml)の混
合物を水素雰囲気下、18時間攪拌した。反応混合物をセライト濾過した。濾液を減圧濃縮
して得られた残渣をメタノールで洗浄して、標題化合物の白色固体(1.0g, 87%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.91 (2H, brs), 6.88 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.91-
6.98 (2H, m), 7.11 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.16-7.25 (3H, m), 7.30-7.38 (2H, m), 7.
44-7.51 (2H, m).
【0095】
(4) 化合物1の製造
中間体1(3)(70.0mg, 0.174mmol)、トリエチルアミン(0.0732ml, 0.522mmol)、及び塩化
メチレン(3ml)の混合物に、氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.0856ml, 0.
522mmol)を加え、3時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣にメタノール(0.5ml)
、テトラヒドロフラン(0.5ml)、及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、室温で1
時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸及び水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物の
黄色油状物(50.0mg, 54%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.35 (9H, s), 6.97-7.05 (3H, m), 7.20-7.31 (3H, m), 7.40-7.49
(4H, m), 7.69 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0096】
例2: 化合物2の製造
(1) 中間体2(1)の製造
中間体1(1)(0.904g, 3.00mmol)、4-(tert-ブチル)チオフェノール(0.549g, 3.30mmol)
、炭酸カリウム(1.24g, 9.00mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(5ml)の混合物を100
℃で3時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した
。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去
して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で
精製し、標題化合物の白色固体(1.10g, 82%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.38 (9H, s), 6.91 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.16-7.23 (2H, m), 7.
24-7.33 (3H, m), 7.51-7.59 (4H, m), 8.32 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0097】
(2) 中間体2(2)の製造
中間体2(1)(1.10g, 2.46mmol)、鉄(1.37g, 24.6mmol)、メタノール(5ml)、テトラヒド
ロフラン(5ml)、及び濃塩酸(5ml)の混合物を18時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、
クロロホルムで抽出した。有機層を水及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標題化合物の白色固体(0.257g, 25%)を
得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.27 (9H, s), 6.86 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.04-7.11 (2H, m), 7.
20-7.30 (4H, m), 7.45 (1H, d, J = 2.1, 8.4 Hz), 7.50-7.56 (2H, m), 7.70 (1H, d,
J = 2.4 Hz).
【0098】
(3) 化合物2の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体2(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 41%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.29 (9H, s), 3.40-3.53 (1H, m), 7.09-7.15 (2H, m), 7.24-7.37
(4H, m), 7.51-7.57 (2H, m), 7.59 (1H, dd, J = 2.1, 8.1 Hz), 7.75 (1H, d, J = 8.
1 Hz), 7.76 (1H, d, J = 2.1 Hz).
【0099】
例3: 化合物3の製造
(1) 中間体3(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 5-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン、及び4-(トリフルオロメトキシ)フェニル
ボロン酸; 収率: 100%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.33-7.43 (3H, m), 7.57-7.62 (2H, m), 7.79-7.84 (1H, m), 8.23
(1H, dd, J = 2.4, 6.9 Hz).
【0100】
(2) 中間体3(2)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体3(1)、及び4-(tert-ブチル)フェノール; 収率: 100%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 7.00-7.06 (2H, m), 7.08 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.
28-7.36 (2H, m), 7.38-7.45 (2H, m), 7.54-7.62 (2H, m), 7.65 (1H, dd, J = 2.4, 8.
7 Hz), 8.13 (1H, d, J = 2.4 Hz).
【0101】
(3) 中間体3(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体3(2); 収率: 99%(淡黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 3.70 (2H, brs), 6.84-6.92 (2H, m), 6.92-6.99 (2
H, m), 7.00 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.22-7.29 (2H, m), 7.31-7.38 (2H, m), 7.51-7.59
(2H, m).
【0102】
(4) 化合物3の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体3(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 77%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.35 (9H, s), 6.90 (1H, d, J = 8.7 Hz), 6.96-7.04 (2H, m), 7.
23-7.35 (3H, m), 7.39-7.47 (2H, m), 7.50-7.59 (2H, m), 7.80 (1H, d, J = 2.1 Hz)
.
【0103】
例4: 化合物4の製造
(1) 中間体4(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン、及び4-(tert-ブチル)フェノール; 収率:
100%(淡黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 6.97-7.02 (2H, m), 7.12(1H, d, J = 1.8 Hz), 7.2
8 (1H, dd, J = 1.8, 8.7 Hz), 7.40-7.44 (2H, m), 7.83 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0104】
(2) 中間体4(2)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及び4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸; 収率: 90%(淡黄色油
状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 6.99-7.06 (2H, m), 7.22 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.
35-7.45 (3H, m), 7.55-7.63 (2H, m), 7.64-7.72 (2H, m), 8.05 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0105】
(3) 中間体4(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(2); 収率: 100%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.96 (2H, brs), 6.90 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.92-
6.98 (2H, m), 7.16 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.26 (1H, d, J = 2.1, 8.1 Hz), 7.30-7.38
(2H, m), 7.53-7.64 (4H, m).
【0106】
(4) 化合物4の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 53%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 6.97-7.04 (2H, m), 7.05 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.
31 (1H, dd, J = 2.1 8.4 Hz), 7.38-7.46 (2H, m), 7.50-7.58 (2H, m), 7.61-7.68 (2H
, m), 7.71 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0107】
例5: 化合物5の製造
(1) 中間体5(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン、及び4-(トリフルオロメトキシ)フェノー
ル; 収率: 97%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.05-7.13 (2H, m), 7.15 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.23-7.32 (2H, m
), 7.38 (1H, dd, J = 2.1, 8.7 Hz), 7.87 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0108】
(2) 中間体5(2)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体5(1)、及び4-(tert-ブチル)フェニルボロン酸; 収率: 75%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 7.03-7.12 (2H, m), 7.18-7.27 (3H, m), 7.41-7.52
(5H, m), 8.08 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0109】
(3) 中間体5(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体5(2); 収率: 99%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 3.86 (2H, brs), 6.89 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.97-
7.04 (2H, m), 7.11-7.20 (3H, m), 7.28 (1H, dd, J = 2.4, 8.1 Hz), 7.36-7.46 (4H,
m).
【0110】
(4) 化合物5の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体5(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 88%(褐色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 7.04 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.06-7.14 (2H, m), 7.
21-7.30 (2H, m), 7.31-7.48 (5H, m), 7.66 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0111】
例6: 化合物6の製造
(1) 中間体6(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及び4-(tert-ブチル)フェニルボロン酸; 収率: 100%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 1.33 (9H, s), 6.96-7.04 (2H, m), 7.21 (1H, d, J
= 1.8 Hz), 7.32-7.50 (7H, m), 8.02 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0112】
(2) 中間体6(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体6(1); 収率: 100%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 1.33 (9H, s), 6.88 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.91-6.
99 (2H, m), 7.14 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.23 (1H, dd, J = 2.4, 8.1 Hz), 7.28-7.36
(2H, m), 7.36-7.45 (4H, m).
【0113】
(3) 化合物6の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体6(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 24%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 1.34 (9H, s), 6.95-7.03 (2H, m), 7.04 (1H, d, J
= 1.8 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.34-7.46 (6H, m), 7.64 (1H, d, J =
8.4 Hz).
【0114】
例7: 化合物7の製造
(1) 中間体7(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及び4-ヒドロキシフェニルボロン酸; 収率: 99%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 5.35 (1H, s), 6.85-6.93 (2H, m), 6.96-7.04 (2H,
m), 7.17 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 2.1,8.4 Hz), 7.35-7.43 (4H, m),
8.04 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0115】
(2) 中間体7(2)の製造
中間体7(1)(154mg, 0.424mmol)、1-ヨードブタン(117mg, 0.636mmol)、炭酸カリウム(1
76mg, 1.271mmol)、及びジメチルホルムアミド(2ml)の混合物を60℃で1時間攪拌した。反
応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物
の黄色油状物(145mg, 82%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.32 (9H, s), 1.40-1.57 (2H, m), 1.
70-1.84 (2H, m), 3.98 (2H, t, J = 7.5 Hz), 6.88-7.06 (4H, m), 7.18 (1H, d, J = 2
.1 Hz), 7.28-7.48 (5H, m), 8.03 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0116】
(3) 中間体7(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体7(2); 収率: 100%(淡褐色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.30 (9H, s), 1.41-1.56 (2H, m), 1.
69-1.83 (2H, m), 3.86 (2H, brs), 3.96 (2H, t, J = 6.6 Hz), 6.84-7.00 (5H, m), 7.
09 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.17 (1H, dd, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.28-7.43 (4H, m).
【0117】
(4) 化合物7の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体7(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 67%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.34 (9H, s), 1.40-1.57 (2H, m), 1.
70-1.83 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 6.6 Hz), 6.86-6.95 (2H, m), 6.95-7.06 (3H, m),
7.25 (1H, dd, J = 2.1, 8.4 Hz), 7.32-7.45 (4H, m), 7.62 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0118】
例8: 化合物8の製造
(1) 中間体8(1)の製造
下記原料を用いて例7(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 2-ブロモ-6-ニトロフェノール、及び4-(tert-ブチル)ベンジルブロミド; 収率: 84
%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 5.17 (2H, s), 7.15 (1H, t, J = 8.4 Hz), 7.40-7.
47 (2H, s), 7.47-7.53 (2H, m), 7.78 (1H, dd, J = 1.5, 8.4 Hz), 7.83 (1H, dd, J =
1.5, 8.4 Hz).
【0119】
(2) 中間体8(2)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体8(1)、及び4-(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸; 収率: 91%(淡黄色
固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.29 (9H, s), 4.60 (2H, s), 6.92-7.00 (2H, m), 7.22-7.35 (5H,
m), 7.52-7.62 (3H, m), 7.78 (1H, dd, J = 1.5, 8.4 Hz).
【0120】
(3) 中間体8(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体8(2); 収率: 35%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.30 (9H, s), 3.91 (2H, brs), 4.42 (2H, s), 6.72 (1H, dd, J =
1.8, 7.8 Hz), 6.76 (1H, dd, J = 1.8, 7.8 Hz), 6.98 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.00-7.
08 (2H, m), 7.20-7.35 (4H, m), 7.56-7.66 (2H, m).
【0121】
(4) 化合物8の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体8(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 31%(褐色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 4.41 (2H, s), 6.98-7.06 (2H, m), 7.18-7.24 (2H,
m), 7.30-7.40 (4H, m), 7.46-7.55 (1H, m), 7.61-7.69 (2H, m).
【0122】
例9: 化合物9の製造
(1) 中間体9(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及び2,5-ジクロロフェニルボロン酸; 収率: 27%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 6.98-7.06 (2H, m), 7.07 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.
19 (1H, dd, J = 1.5, 8.7 Hz), 7.23-7.32 (2H, m), 7.34-7.44 (3H, m), 8.01 (1H, d,
J = 8.7 Hz).
【0123】
(2) 中間体9(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体9(1); 収率: 76%(無色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.95 (2H, brs), 6.86 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.92-
7.01 (3H, m), 7.04 (1H, d, J = 2.1, 8.1 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 2.4, 8.4 Hz), 7.2
4-7.39 (4H, m).
【0124】
(3) 化合物9の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体9(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 50%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.93 (1H, d, J = 1.8 Hz), 6.95-7.04 (2H, m), 7.
11 (1H, dd, J = 1.8, 8.7 Hz), 7.20-7.29 (2H, m), 7.31-7.45 (3H, m), 7.67 (1H, d,
J = 8.7 Hz).
【0125】
例10: 化合物10の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 3-アミノ-4-[4-(tert-ブチル)ベンジルオキシ]-4'-(トリフルオロメトキシ)ビフェ
ニル(国際公開第2008/044729号パンフレット参照)、及びトリフルオロメタンスルホン酸
無水物; 収率: 5%(白色固体)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.29 (9H, s), 5.19 (2H, s), 7.29 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.42-
7.48 (6H, m), 7.55 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.63-7.68 (1H, m), 7.72-7.74 (2H, m), 11
.49 (1H, brs).
【0126】
例11: 化合物11の製造
(1) 中間体11(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体1(1)、及び4-(tert-ブチル)ベンジルアルコール; 収率: 76%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 5.27 (2H, s), 7.20 (1H, dd, J = 2.1, 8.4 Hz), 7
.30-7.33 (3H, m), 7.40-7.46 (4H, m), 7.53-7.56 (2H, m), 7.96 (1H, d, J = 8.4 Hz)
.
【0127】
(2) 中間体11(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体11(1); 収率: 33%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 3.92 (2H, brs), 5.11 (2H, s), 6.79 (1H, d, J =
8.1 Hz), 7.02 (1H, dd, J = 2.1, 8.1 Hz), 7.07 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.21-7.25 (2H
, m), 7.38-7.45 (4H, m), 7.49-7.52 (2H, m).
【0128】
(3) 化合物11の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体11(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 60%(黄色固体)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.29 (9H, s), 5.25 (2H, s), 7.28 (1H, dd, J = 1.2, 8.4 Hz),
7.35 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.42-7.48 (7H, m), 7.82-7.85 (2H, m), 11.40 (1H, brs)
.
【0129】
例12: 化合物12の製造
(1) 中間体12(1)の製造
中間体4(1)(500mg, 1.43mmol)、4-(トリフルオロメトキシ)フェノール(381mg, 2.14mmo
l)、炭酸カリウム(394mg, 2.85mmol)、酸化銅(II)(113mg, 1.43mmol)、及びピリジン(3ml
)の混合物を7時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、セライト濾過した。濾液
を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで脱水した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して、標題化合物の黄色油状物(423mg, 68%
)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 6.54-6.63 (2H, m), 6.97-7.08 (4H, m), 7.20-7.24
(2H, m), 7.36-7.41 (2H, m), 8.01 (1H, d, J = 9.0 Hz).
【0130】
(2) 中間体12(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体12(1); 収率: 29%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.30 (9H, s), 3.78 (2H, brs), 6.60-6.69 (2H, m), 6.80 (1H, d,
J = 8.7 Hz), 6.88-6.94 (4H, m), 7.09-7.14 (2H, m), 7.31-7.34 (2H, m).
【0131】
(3) 化合物12の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体12(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 47%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.27 (9H, s), 6.37 (1H, d, J = 9.0 Hz), 6.73 (1H, dd, J = 3
.0, 9.0 Hz), 6.95-6.99 (2H, m), 7.13-7.16 (2H, m), 7.35-7.44 (5H, m), 11.40 (1H,
brs).
【0132】
例13: 化合物13の製造
(1) 中間体13(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン、及びフェニルボロン酸; 収率: 93%(淡黄
色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.42-7.56 (5H, m), 7.56-7.65 (2H, m), 8.11-8.20 (1H, m).
【0133】
(2) 中間体13(2)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体13(1)、及びフェノール; 収率: 100%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.06-7.13 (2H, m), 7.15-7.23 (2H, m), 7.34 7.52 (8H, m), 8.07
(1H, d, J = 8.4 Hz).
【0134】
(3) 中間体13(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体13(2); 収率: 96%(褐色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.77 (2H, brs), 6.86 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.97-7.09 (3H, m),
7.15 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.19-7.39 (6H, m), 7.43-7.50 (2H, m).
【0135】
(4) 化合物13の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体13(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 21%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.02-7.12 (3H, m), 7.17-7.25 (1H, m), 7.28-7.48 (8H, m), 7.67
(1H, d, J = 8.4 Hz).
【0136】
例14: 化合物14の製造
(1) 中間体14(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及びフェニルボロン酸; 収率: 100%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.97-7.06 (2H, m), 7.22 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.
34-7.54 (8H, m), 8.05 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0137】
(2) 中間体14(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体14(1); 収率: 75%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.85 (2H, brs), 6.88 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.91-
6.99 (2H, m), 7.15 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.20-7.28 (2H, m), 7.28-7.40 (4H, m), 7.
44-7.52 (2H, m).
【0138】
(3) 化合物14の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体14(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 60%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 6.96-7.04 (2H, m), 7.06 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.
27-7.48 (8H, m), 7.66 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0139】
例15: 化合物15の製造
(1) 中間体15(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体1(1)、及びフェノール; 収率: 83%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.08-7.12 (2H, m), 7.16 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.18-7.29 (3H, m
), 7.35-7.43 (3H, m), 7.48-7.52 (2H, m), 8.07 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0140】
(2) 中間体15(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体15(1); 収率: 96%(赤色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.91 (2H, brs), 6.89 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.00-7.11 (4H, m),
7.18-7.23 (3H, m), 7.29-7.36 (2H, m), 7.45-7.48 (2H, m).
【0141】
(3) 化合物15の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体15(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 37%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.05-7.08 (2H, m), 7.12 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.16-7.21 (1H,
m), 7.39-7.52 (6H, m), 7.66-7.69 (2H, m).
【0142】
例16: 化合物16の製造
(1) 中間体16(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体1(1)、及び4-クロロフェノール; 収率: 99%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.01-7.04 (2H, m), 7.17 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.28-7.31 (2H, m
), 7.34-7.37 (2H, m), 7.41 (1H, dd, J = 2.1, 8.7 Hz), 7.50-7.53 (2H, m), 8.08 (1
H, d, J = 8.7 Hz).
【0143】
(2) 中間体16(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体16(1); 収率: 95%(赤色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.89 (2H, brs), 6.89 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.94-6.96 (2H, m),
7.08 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.19-7.24 (3H, m), 7.26-7.29 (2H, m), 7.45-7.48 (2H, m
).
【0144】
(3) 化合物16の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体16(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 47%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.05-7.11 (2H, m), 7.23-7.25 (1H, m), 7.40-7.52 (6H, m), 7.
70-7.74 (2H, m).
【0145】
例17: 化合物17の製造
(1) 中間体17(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体1(1)、及び4-(トリフルオロメチル)フェノール; 収率: 100%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.11-7.17 (2H, m), 7.29-7.33 (3H, m), 7.51 (1H, dd, J = 2.1,
8.7 Hz), 7.55-7.58 (2H, m), 7.63-7.67 (2H, m), 8.13 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0146】
(2) 中間体17(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体17(1); 収率: 87%(赤色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.86 (2H, brs), 6.90-6.94 (1H, m), 7.05-7.08 (2H, m), 7.15-7.
16 (1H, m), 7.20-7.26 (2H, m), 7.27-7.30 (1H, m), 7.47-7.51 (2H, m), 7.60-7.65 (
2H, m).
【0147】
(3) 化合物17の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体17(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 34%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.16-7.19 (2H, m), 7.41-7.44 (2H, m), 7.45 (1H, d, J = 1.8
Hz), 7.55 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.60 (1H, dd, J = 1.8, 8.1 Hz), 7.74-7.79 (4H, m)
.
【0148】
例18: 化合物18の製造
(1) 中間体18(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体1(1)、及び3-(tert-ブチル)フェノール; 収率: 94%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.85-6.89 (1H, m), 7.15-7.18 (2H, m), 7.22-7.29
(3H, m), 7.33-7.36 (2H, m), 7.46-7.50 (2H, m), 8.06 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0149】
(2) 中間体18(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体18(1); 収率: 93%(赤色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.92 (2H, brs), 6.74-6.78 (1H, m), 6.86-6.89 (1
H, m), 7.09-7.21 (6H, m), 7.23-7.26 (1H, m), 7.44-7.47 (2H, m).
【0150】
(3) 化合物18の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体18(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 53%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.28 (9H, s), 6.84-6.86 (1H, m), 7.09-7.12 (2H, m), 7.21-7.
24 (1H, m), 7.31-7.37 (1H, m), 7.40-7.52 (4H, m), 7.65-7.68 (2H, m).
【0151】
例19: 化合物19の製造
(1) 中間体19(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及び3-(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸; 収率: 83%(淡黄色
油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.98-7.07 (2H, m), 7.18 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.
22-7.29 (1H, m), 7.29-7.52 (6H, m), 8.05 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0152】
(2) 中間体19(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体19(1); 収率: 100%(淡黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.92 (2H, brs), 6.87 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.90-
7.00 (2H, m), 7.04-7.12 (1H, m), 7.13 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.21 (1H, dd, J = 1.8
, 8.4 Hz), 7.27-7.43 (5H, m).
【0153】
(3) 化合物19の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体19(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 42%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 6.95-7.05 (3H, m), 7.14-7.22 (1H, m), 7.28 (1H,
d, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.32-7.48 (5H, m), 7.69 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0154】
例20: 化合物20の製造
化合物2(90mg, 0.164mmol)、m-クロロペルオキシ安息香酸(174mg, 0.655mmol)、及びジ
クロロメタン(2ml)の混合物を氷冷下で30分間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、溶
媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(54mg, 57%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.22 (9H, s), 7.15-7.33 (2H, m), 7.33-7.51 (5H, m), 7.62-7.84
(3H, m), 7.98-8.07 (1H, m).
【0155】
例21: 化合物21の製造
(1) 中間体21(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及び4-クロロフェニルボロン酸; 収率: 100%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.97-7.05 (2H, m), 7.17 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.
33 (1H, d, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.36-7.45 (6H, m), 8.04 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0156】
(2) 中間体21(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体21(1); 収率: 60%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.92 (2H, brs), 6.88 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.91-
6.98 (2H, m), 7.11 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 2.1, 8.1 Hz), 7.28-7.4
4 (6H, m).
【0157】
(3) 化合物21の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体21(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 38%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 6.96-7.06 (3H, m), 7.25 (1H, dd, J = 2.1, 8.4 H
z), 7.31-7.47 (6H, m), 7.66 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0158】
例22: 化合物22の製造
(1) 中間体22(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体4(1)、及び2-(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸; 収率: 65%(黄色固
体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 6.98-7.06 (2H, m), 7.12 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.
24 (1H, dd, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.29-7.47 (6H, m), 8.03 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0159】
(2) 中間体22(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体22(1); 収率: 75%(淡黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.30 (9H, s), 3.89 (2H, brs), 6.87 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.91-
6.99 (2H, m), 7.03 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.09 (1H, dd, J = 1.8, 8.1 Hz), 7.22-7.4
2 (6H, m).
【0160】
(3) 化合物22の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体22(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 38%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.95-7.03 (3H, m), 7.16 (1H, dd, J = 2.1, 8.7 H
z), 7.24-7.43 (6H, m), 7.67 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0161】
例23: 化合物23の製造
(1) 中間体23(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体1(1)、及び4-ブトキシフェノール; 収率: 93%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.99 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.44-1.56 (2H, m), 1.73-1.83 (2H, m
), 3.96 (2H, t, J = 6.3 Hz), 6.89-6.95 (2H, m), 7.02-7.08 (3H, m), 7.25-7.30 (3H
, m), 7.44-7.49 (2H, m), 8.03 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0162】
(2) 中間体23(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体23(1); 収率: 64%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.98 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.44-1.59 (2H, m), 1.72-1.79 (2H, m
), 3.94 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.94 (2H, brs), 6.85-6.89 (3H, m), 6.96-6.99 (3H, m
), 7.13-7.20 (3H, m), 7.42-7.45 (2H, m).
【0163】
(3) 化合物23の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体23(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 56%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.94 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.38-1.50 (2H, m), 1.65-1.74 (2H,
m), 3.37-3.48 (2H, m), 6.96-7.06 (5H, m), 7.39-7.42 (3H, m), 7.47 (1H, d, J = 8
.4 Hz), 7.62-7.64 (2H, m).
【0164】
例24: 化合物24の製造
(1) 中間体24(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体1(1)、及び2-イソプロピルフェノール; 収率: 100%(黄色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.24-1.28 (6H, m), 3.23-3.32 (1H, m), 6.91-6.96 (1H, m), 7.00
(1H, d, J = 1.8 Hz), 7.18-7.32 (5H, m), 7.38-7.47 (3H, m), 8.07 (1H, d, J = 8.7
Hz).
【0165】
(2) 中間体24(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体24(1); 収率: 92%(赤色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.29 (6H, d, J = 6.9 Hz), 3.35-3.42 (1H, m), 3.94 (2H, brs),
6.82-6.86 (1H, m), 6.87-6.92 (2H, m), 7.09-7.19 (5H, m), 7.34-7.37 (1H, m), 7.40
-7.44 (2H, m).
【0166】
(3) 化合物24の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体24(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 55%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.20 (6H, d, J = 6.6 Hz), 3.26-3.30 (1H, m), 6.84 (1H, d, J
= 1.8 Hz), 6.88-6.92 (1H, m), 7.19-7.27 (2H, m), 7.39-7.52 (5H, m), 7.57-7.60 (
2H, m).
【0167】
例25: 化合物25の製造
(1) 中間体25(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 5-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン、及び4-(tert-ブチル)フェノール; 収率:
96%(淡黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.89 (1H, d, J = 9.0 Hz), 6.95-7.01 (2H, m), 7.
37-7.42 (2H, m), 7.56 (1H, dd, J = 2.4, 9.0 Hz), 8.07 (1H, d, J = 2.4 Hz).
【0168】
(2) 中間体25(2)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体25(1)、及び4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸; 収率: 79%(白色固
体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 7.02-7.06 (2H, m), 7.10 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.
40-7.44 (2H, m), 7.66-7.75 (5H, m), 8.08 (1H, d, J = 2.4 Hz).
【0169】
(3) 中間体25(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体25(2); 収率: 76%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 3.94 (2H, brs), 6.91-6.92 (2H, m), 6.95-6.98 (2
H, m), 7.04-7.05 (1H, m), 7.34-7.37 (2H, m), 7.63-7.68 (4H, m).
【0170】
(4) 化合物25の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体25(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 37%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.31 (9H, s), 6.92 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.01-7.04 (2H, m),
7.47-7.50 (2H, m), 7.68 (1H, dd, J = 2.1, 8.4 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.7
9-7.87 (4H, m).
【0171】
例26: 化合物26の製造
(1) 中間体26(1)の製造
下記原料を用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 5-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン、及び4-(tert-ブチル)フェニルボロン酸;
収率: 100%(橙色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.37 (9H, s), 7.32-7.38 (1H, m), 7.49-7.53 (4H, m), 7.80-7.85
(1H, m), 8.25 (1H, dd, J = 2.4, 7.2 Hz).
【0172】
(2) 中間体26(2)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体26(1)、及び4-(トリフルオロメトキシ)フェノール; 収率: 92%(黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.37 (9H, s), 7.08-7.12 (3H, m), 7.23-7.26 (2H, m), 7.49-7.52
(4H, m), 7.75 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz), 8.08 (1H, d, J = 2.4 Hz).
【0173】
(3) 中間体26(3)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体26(2); 収率: 34%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.36 (9H, s), 3.85 (2H, brs), 6.90-6.94 (2H, m), 7.00-7.05 (3
H, m), 7.16-7.19 (2H, m), 7.43-7.51 (4H, m).
【0174】
(4) 化合物26の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体26(3)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 65%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.32 (9H, s), 7.04 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.11-7.14 (2H, m),
7.40-7.43 (2H, m), 7.48-7.63 (6H, m).
【0175】
例27: 化合物27の製造
(1) 中間体27(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体26(1)、及び4-(tert-ブチル)フェノール; 収率: 91%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 1.36 (9H, s), 7.00-7.08 (3H, m), 7.38-7.43 (2H,
m), 7.47-7.52 (4H, m), 7.68 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz), 8.15 (1H, d, J = 2.4 Hz)
.
【0176】
(2) 中間体27(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体27(1); 収率: 43%(白色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (9H, s), 1.35 (9H, s), 3.90 (2H, brs), 6.88-6.98 (4H, m)
, 7.03-7.05 (1H, m), 7.31-7.36 (2H, m), 7.42-7.51 (4H, m).
【0177】
(3) 化合物27の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体27(2); 収率: 55%(褐色油状物)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.30 (9H, s), 1.31 (9H, s), 6.89 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.99-
7.02 (2H, m), 7.45-7.60 (8H, m).
【0178】
例28: 化合物28の製造
(1) 中間体28(1)の製造
下記原料を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体3(1)及び、3-(tert-ブチル)フェノール; 収率: 100%(淡黄色固体)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.85-6.92 (1H, m), 7.06 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.
14-7.19 (1H, m), 7.22-7.38 (4H, m), 7.55-7.62 (2H, m), 7.65 (1H, d, J = 2.1, 8.4
Hz), 8.14 (1H, d, J = 2.1, 2.1 Hz),
【0179】
(2) 中間体28(2)の製造
下記原料を用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体28(1); 収率: 94%(淡褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.31 (9H, s), 3.92 (2H, brs), 6.74-6.82 (1H, m), 6.82-6.93 (2
H, m), 6.96-7.02 (1H, m), 7.09-7.18 (2H, m), 7.20-7.30 (3H, m), 7.50-7.59 (2H, d
, J = 3.0 Hz).
【0180】
(3) 化合物28の製造
下記原料を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料: 中間体28(2)、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物; 収率: 55%(褐色油状物)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 6.82-6.94 (2H, m), 7.10-7.16 (1H, m), 7.22-7.39
(5H, m), 7.50-7.60 (2H, m), 7.81 (1H, d, J = 2.4 Hz).
【0181】
試験例1: ヒトPAI-1阻害活性
[方法]
96ウェルのマルチプレート(黒色)において、試験濃度(=蛍光基質添加時の最終濃度
)の80倍濃度に調製した本願化合物のDMSO溶液1.5μlをpH7.4のHEPESバッファ52.5μlで
希釈した。この溶液に、トリスバッファで調製した80nMの組換えヒトPAI-1(Molecular I
nnovations, Inc.)溶液を6μl添加して、室温で5分間インキュベートした。さらに、ト
リスバッファで調製した800IU/mlの二本鎖tPA(活性標準品; American diagnostica, inc
.)溶液を30μl加え、混合溶液を室温で10分間インキュベートした。ここに、トリスバッ
ファで調製した400μMのtPA用蛍光基質(Pyr-Gly-Arg-MCA; 株式会社ペプチド研究所)溶
液30μlを添加して室温で30分間反応させた。反応開始から5分ごとに、SPECTRAFLUOR(TE
CAN G.M.B.H.)又はGENios(TECAN G.M.B.H.)を用いて蛍光(励起波長=360nm、蛍光波長
=465nm)を測定し、30分間の反応によって増加した蛍光量を測定した。コントロール(DM
SO)のPAI-1存在下、非存在下(tPA単独)における、30分間の反応による蛍光の増加分を
それぞれ算出し、それらの差([PAI-1非存在下のデータ]−[PAI-1存在下のデータ])
をPAI-1活性100%とし、本願化合物存在下におけるPAI-1活性の阻害率を求めた。
<pH7.4 HEPESバッファの組成>
0.1M HEPES, 0.1M NaCl. 1mM EDTA. 0.1% Polyethylene glycol 8,000(Hampton Researc
h Corporation), 2mM Dimethyldecylphoshine oxide [Apo-10](Fluka Corporation)
【0182】
[結果]
以下に、ヒトPAI-1活性の阻害率を示す。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

[式中、
R1は、C6-10アリール基、又は下記置換基群α-1から選択される1乃至5個の基で置換さ
れたC6-10アリール基(該置換基が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい)を表し、
R2は、C6-10アリール基、又は下記置換基群β-1から選択される1乃至5個の基で置換さ
れたC6-10アリール基(該置換基が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい)を表し、
Eは、ベンゼン環を表し、
Zは、ハロゲン化C1-6アルキル基を表し、
Tは、単結合又は酸素原子を表し、
Gは、酸素原子、硫黄原子又は-S(=O)2-を表し、
mは、0又は1を表す]
で表される化合物、その塩、前記化合物の水和物、前記塩の水和物、前記化合物の溶媒和
物、又は前記塩の溶媒和物。
[置換基群α-1]
ハロゲン原子、C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲ
ン化C1-6アルコキシ基
[置換基群β-1]
ハロゲン原子、C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲ
ン化C1-6アルコキシ基
【請求項2】
請求項1に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記塩
の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を有効成分として含む医薬組成
物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記塩
の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を有効成分として含むPAI-1阻
害剤。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物、薬理学的に許容されるその塩、前記化合物の水和物、前記塩
の水和物、前記化合物の溶媒和物、又は前記塩の溶媒和物を有効成分として含むPAI-1発
現又はPAI-1活性亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬。

【公開番号】特開2013−10692(P2013−10692A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235006(P2009−235006)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(597051148)株式会社医薬分子設計研究所 (18)
【Fターム(参考)】