説明

ハロゲン化オレフィン発泡剤を含むポリウレタンフォームポリオールプレミックスのための触媒

本発明は、ポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォーム並びにそれらの製造方法を提供する。より詳しくは、本発明は独立気泡のポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォーム並びにそれらの製造方法に関する。このフォームは、微細で均一な気泡構造を有し、フォームの崩壊が少ししかないか又は全くないことを特徴とする。このフォームは、ヒドロハロオレフィン発泡剤、ポリオール、シリコーン界面活性剤、及び単独か又はアミン触媒と組み合わせて用いられる非アミン触媒の組合せを含むポリオールプレミックス組成物を用いて製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2009年12月17日出願の米国仮出願61/287,603(その内容は参照として本明細書中に包含する)に関連し、その優先権の利益を主張する。
[0002]本発明は、ポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォーム並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]低密度で硬質乃至半硬質のポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、屋根葺き系、建築用パネル、建物外面断熱材、噴霧適用フォーム、一成分及び二成分フロスフォーム、冷蔵庫及び冷凍機用の断熱材などの広範囲の断熱用途、並びにステアリングホイール及び他の自動車又は航空機操縦席用部品、靴底、及び遊園地用制止材のような用途のための所謂インテグラルスキンにおける有用性を有している。硬質ポリウレタンフォームが大規模に商業的に受け入れられるために不可欠なものは、良好なバランスの特性を与えるそれらの能力である。例えば、硬質のポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォームは、傑出した断熱性、優れた耐火性、及び適度に低い密度における優れた構造特性を与えることが知られている。インテグラルスキンフォームは、強靱で耐久性の外側スキン及び気泡質の緩衝性コアを形成することが知られている。
【0003】
[0004]ポリイソシアネートを、1種類以上の発泡剤、1種類以上の触媒、1種類以上の界面活性剤、及び場合によっては他の成分の存在下で1種類以上のポリオールと反応させることによって硬質乃至半硬質のポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォームを製造することは、当該技術において公知である。発泡剤としては、炭化水素、フルオロカーボン、クロロカーボン、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アルデヒド、アルコール、ケトン、有機酸、又はガス、殆どの場合にはCOを発生させる材料が挙げられる。ポリイソシアネートがポリオールと反応する際に熱が発生し、これが液体混合物中に含まれる発泡剤を気化させて、それによってその中に泡を形成する。気体発生材料の場合には、気体種は、熱分解、又はポリウレタン若しくはポリイソシアヌレートフォームを製造するために用いる1種類以上の成分との反応によって生成する。重合反応が進行するにつれて、液体混合物は多孔質の固体になり、フォームの気泡内に発泡剤を閉じ込める。発泡性組成物において界面活性剤を用いない場合には、泡はフォームを形成すること無く単純に液体混合物を通過するか、或いはフォームを有用でないものにする大きく不規則な気泡を有するフォームを形成する。
【0004】
[0005]フォーム産業においては、それらの使用容易性及び優れた機械的及び熱的絶縁性を有するフォームを製造する能力のために、液体フルオロカーボン発泡剤が歴史的に用いられている。フルオロカーボンは、それらの揮発性の理由で発泡剤として機能するだけでなく、硬質フォームの独立気泡構造内に封入又は取り込まれて、硬質ウレタンフォームの低い熱伝導性に対する主要な一因にもなる。また、フルオロカーボンベースの発泡剤も、好ましいk因子を有するフォームを製造する。k因子は、1時間で1インチの厚さの1平方フィートの均質な材料を通して、材料の2つの面を垂直に横切って1°Fの差を与える伝導による熱エネルギーの伝達速度である。独立気泡型のポリウレタンタイプのフォームの有用性は、部分的には、それらの断熱特性に基づいているので、より低いk因子のフォームを形成する材料を突き止めることが有利であろう。
【0005】
[0006]好ましい発泡剤はまた、低い地球温暖化係数を有する。これらの中には、ヒドロフルオロオレフィン(この中ではトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン(1336mzzm(Z))が特に興味深い)、及びヒドロクロロフルオロオレフィン(この中ではトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(E))が特に興味深い)などのヒドロハロオレフィンがある。トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法は、米国特許7,230,146及び7,189,884に開示されている。トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法は、米国特許6,844,475及び6,403,847に開示されている。
【0006】
[0007]多くの用途において、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームのための成分を予めブレンドした配合物で与えることが好都合である。最も通常的には、フォーム配合物は2つの成分に予めブレンドする。ポリイソシアネート並びに場合によっては幾つかの発泡剤及び非反応性界面活性剤など(しかしながらこれらに限定されない)のイソシアネート相溶性の原材料は、通常は「A」成分と呼ばれる第1成分を構成する。ポリオール又は複数のポリオールの混合物、1種類以上の界面活性剤、1種類以上の触媒、1種類以上の発泡剤、並びに、難燃剤、着色剤、相溶化剤、及び可溶化剤など(しかしながらこれらに限定されない)の他の場合によって用いる成分は、通常は「B」成分と呼ばれる第2成分を構成する。したがって、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、少量の製造のためには手作業での混合、及び好ましくはブロック、スラブ、積層体、現場注入パネル及び他の部材、噴霧適用フォーム、泡などを形成する機械混合技術のいずれかによって、A側及びB側の成分を配合することによって容易に製造される。場合によっては、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、及び他のポリオールのような他の成分を、混合ヘッド又は反応場に加えることができる。しかしながら、最も好都合には、これらは全て1つのB成分中に含ませる。
【0007】
[0008]2成分系、特に1234ze(E)、1336(Z)、及び1233zd(E)などの幾つかのヒドロハロオレフィンを用いるものの欠点は、B側組成物の貯蔵寿命である。通常は、A側及びB側成分を配合することによってフォームを製造すると良好なフォームが得られる。しかしながら、ポリオールプレミックス組成物がポリイソシアネートによる処理の前に経時変化していると、フォームはより低い品質のものになり、フォームの形成中に崩壊する可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許7,230,146
【特許文献2】米国特許7,189,884
【特許文献3】米国特許6,844,475
【特許文献4】米国特許6,403,847
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009]ここで、この問題の原因は幾つかのアミン触媒と、1234ze、1233zd、1336mzzm、及び/又はこれらの組合せなどの幾つかのヒドロハロオレフィンとの反応であることが分かった。発泡剤の分解の後に、存在する場合にはポリマーシリコーン界面活性剤の分子量が不利益に変化することが分かった。
【0010】
[0010]発泡剤、界面活性剤、及び触媒を分離すること、例えば発泡剤、アミン触媒、又は界面活性剤をポリイソシアネート(「A」成分)に加えるか、又は「A」若しくは「B」成分からの別々の流れを用いて発泡剤、アミン触媒、又は界面活性剤を導入することによってこの問題を解決することが可能であるが、好ましい解決法は、フォームを製造する方法を変化させる必要がないものである。ここで、単独か又はアミン触媒と組み合わせた非アミン触媒、例えば無機金属触媒、有機金属触媒、及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート触媒によって、1234ze(E)、1233zd(E)、及び/又は1336mzzm(Z)など(しかしながらこれらに限定されない)のヒドロハロオレフィンを含むポリオールプレミックスの貯蔵寿命を延ばすことができ、したがってポリマーブレンドが数週間又は数ヶ月間経時変化した場合であっても良好な品質のフォームを製造することができることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011]したがって、本発明は、微細で均一な気泡構造を有し、フォームの崩壊が少ししかないか又は全くないことを特徴とする、硬質乃至半硬質のポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォーム並びにこれらの製造方法に関する。このフォームは、好ましくはヒドロハロオレフィンである発泡剤、ポリオール、シリコーン界面活性剤、及び1種類以上の非アミン触媒、好ましくは無機若しくは有機金属化合物、又は第4級アンモニウムカルボキシレート触媒を含み、1種類以上のアミン触媒を含ませることもできる触媒の組合せを含む有機ポリイソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を用いて製造する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0012]本発明は、発泡剤、1種類以上のポリオール、1種類以上のシリコーン界面活性剤、並びに、単独か又はアミン触媒と組み合わせて用いる及び無機若しくは有機金属化合物又は第4級アンモニウムカルボキシレート材料のような非アミン触媒である触媒の組合せを含み、発泡剤が、1種類以上のヒドロハロオレフィン、並びに場合によっては炭化水素、フルオロカーボン、クロロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、有機酸、気体発生材料、水、又はこれらの組合せを含むポリオールプレミックス組成物を提供する。
【0013】
[0013]本発明はまた、有機ポリイソシアネートをポリオールプレミックス組成物と反応させることを含む、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームを製造する方法も提供する。
【0014】
[0014]発泡剤成分は、好ましくは1234ze(E)、1233zd(E)、及び/又は1336mzzm(Z)の少なくとも1つ又はこれらの組合せを含むヒドロハロオレフィン、及び場合によっては炭化水素、フルオロカーボン、クロロカーボン、フルオロクロロカーボン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、フッ素化エーテル、エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、有機酸、気体発生材料、水、又はこれらの組合せを含む。
【0015】
[0015]ヒドロハロオレフィンは、好ましくは、3〜4個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含むフロオロアルケン又はクロロフルオロアルケンのような少なくとも1種類のハロアルケンを含む。好ましいヒドロハロオレフィンとしては、非排他的に、トリフルオロプロペン、(1234)のようなテトラフルオロプロペン、(1225)のようなペンタフルオロプロペン、(1233)のようなクロロトリフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、クロロテトラフルオロプロペン、ヘキサフルオロブテン(1336)、及びこれらの組合せが挙げられる。本発明の化合物は、不飽和末端炭素が1個以下のF又はCl置換基を有するテトラフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、及びクロロトリフルオロプロペン化合物であることがより好ましい。1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze);1,1,3,3−テトラフルオロプロペン;1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye)、1,1,1−トリフルオロプロペン;1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225zc)、及び1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225yc);(Z)−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(1225yez);1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン(1336mzzm)、又はこれらの組合せ、並びにこれらのそれぞれのいずれか及び全ての立体異性体が含まれる。
【0016】
[0016]好ましいヒドロハロオレフィンは、150以下、より好ましくは100以下、更により好ましくは75以下の地球温暖化係数(GWP)を有する。本明細書において用いる「GWP」とは、"The Scientific Assessment of Ozone Depletion, 2002:世界気象機関全球オゾン調査及び監視プロジェクトの報告書"(参照により本明細書中に包含する)において定義されている、二酸化炭素のものに対して100年間の時間範囲にわたって測定されるものである。好ましいヒドロハロオレフィンはまた、好ましくは、0.05以下、より好ましくは0.02以下、更により好ましくは約0のオゾン層破壊係数(ODP)を有する。本明細書において用いる「ODP」とは、"The Scientific Assessment of Ozone Depletion, 2002:世界気象機関全球オゾン調査及び監視プロジェクトの報告書"(参照により本明細書中に包含する)において定義されているものである。
【0017】
[0017]好ましい場合によって用いる共発泡剤としては、非排他的に、水、CO及び/又はCOを発生させる有機酸、炭化水素;エーテル、ハロゲン化エーテル;エステル;アルコール、アルデヒド、ケトン、ペンタフルオロブタン;ペンタフルオロプロパン;ヘキサフルオロプロパン;ヘプタフルオロプロパン;トランス−1,2−ジクロロエチレン;メチラール、ギ酸メチル;1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(124);1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(141b);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a);1,1,2,2−テトラフルオロエタン(134);1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(142b);1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(227ea);トリフロロフルオロメタン(11);ジクロロジフルオロメタン(12);ジクロロフルオロメタン(22);1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa);1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236ea);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(227ea)、ジフルオロメタン(32);1,1−ジフルオロエタン(152a);1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa);ブタン;イソブタン;n−ペンタン;イソペンタン;シクロペンタン、又はこれらの組合せが挙げられる。幾つかの態様においては、1種類又は複数の共発泡剤としては、水、及び/又はn−ペンタン、イソペンタン、又はシクロペンタンの1つ又はこれらの組合せが挙げられ、これらは本明細書において議論するヒドロハロオレフィン発泡剤の1つ又は組合せと共に与えることができる。発泡剤成分は、通常は、ポリオールプレミックス組成物の重量を基準として約1重量%〜約30重量%、好ましくは約3重量%〜約25重量%、より好ましくは約5重量%〜約25重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。ヒドロハロオレフィン及び場合によって用いる発泡剤の両方が存在する場合には、ヒドロハロオレフィン成分は、通常は、発泡剤成分の重量を基準として約5重量%〜約90重量%、好ましくは約7重量%〜約80重量%、より好ましくは約10重量%〜約70重量%の量で発泡剤成分中に存在し;場合によって用いる発泡剤は、通常は、発泡剤成分の重量を基準として約95重量%〜約約10重量%、好ましくは約93重量%〜約20重量%、より好ましくは約90重量%〜約30重量%の量で発泡剤成分中に存在する。
【0018】
[0018]複数のポリオールの混合物を包含するポリオール成分は、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの製造において公知の様式でイソシアネートと反応する任意のポリオールであってよい。有用なポリオールは、スクロースを含むポリオール;フェノール、フェノールホルムアルデヒドを含むポリオール;グルコースを含むポリオール;ソルビトールを含むポリオール;メチルグルコシドを含むポリオール;芳香族ポリエステルポリオール;グリセロール;エチレングリコール;ジエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリエーテルポリオールとビニルポリマーとのグラフトコポリマー;ポリエーテルポリオールとポリ尿素とのコポリマー;(b)の1以上と縮合した(a)の1以上[(a)は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ペンタエリトリトール、大豆油、レシチン、トール油、パーム油、及びヒマシ油から選択され;(b)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物、或いはこれらの組合せから選択される];の1以上を含む。ポリオール成分は、通常は、ポリオールプレミックス組成物の重量を基準として約60重量%〜約95重量%、好ましくは約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0019】
[0019]ポリオールプレミックス組成物は、次にシリコーン界面活性剤を含む。シリコーン界面活性剤は、混合物からフォームを形成し、並びに所望の気泡構造のフォームが得られるようにフォームのバブルの寸法を制御するために用いる。好ましくは、その中に均一な寸法の小さいバブル又は気泡を有するフォームは、最も望ましい圧縮強度及び熱伝導性のような物理特性を有するので望ましい。また、形成前又はフォームライズ中に崩壊しない安定な気泡を有するフォームを与えることが重要である。
【0020】
[0020]ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの製造において用いるためのシリコーン界面活性剤は、当業者に公知の数多くの商品名で入手できる。かかる材料は、非常に低い密度のフォーム構造を達成する均一な気泡の形成及び最大の気体閉じ込めを可能にする広範囲の配合にわたって適用することができることが分かった。好ましいシリコーン界面活性剤は、ポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーを含む。本発明のために有用な幾つかの代表的なシリコーン界面活性剤は、MomentiveのL-5130、L-5180、L-5340、L-5440、L-6100、L-6900、L-6980、及びL-6988;Air ProductsのDC-193、DC-197、DC-5582、及びDC-5598;並びにEssen,ドイツ国のEvonik Industries AGからのB-8404、B-8407、B-8409、及びB-8462;である。米国特許2,834,748;2,917,480;2,846,458;及び4,147,847;に他のものが開示されている。シリコーン界面活性剤成分は、通常は、ポリオールプレミックス組成物の重量を基準として約0.5重量%〜約5.0重量%、好ましくは約1.0重量%〜約4.0重量%、より好ましくは約1.5重量%〜約3.0重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0021】
[0021]ポリオールプレミックス組成物には、場合によっては非シリコーンの非イオン性界面活性剤のような非シリコーン界面活性剤を含ませることができる。かかるものとしては、オキシエチル化アルキルフェノール、オキシエチル化脂肪アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステル、リシノール酸エステル、ロート油、アメリカホドイモ油、パラフィン、及び脂肪アルコールを挙げることができる。好ましい非シリコーンの非イオン性界面活性剤は、Air Products Corporationから商業的に入手できるLK-443である。非シリコーンの非イオン性界面活性剤を用いる場合には、これは通常は、ポリオールプレミックス組成物の重量を基準として約0.25重量%〜約3.0重量%、好ましくは約0.5重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.75重量%〜約2.0重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0022】
[0022]本発明のポリオールプレミックス組成物は、次に触媒又は複数の触媒を含み、その少なくとも1つは非アミン触媒である。一態様においては、非アミン触媒は無機又は有機金属化合物である。有用な無機又は有機金属化合物としては、遷移金属、ポスト遷移(貧)金属、希土類金属(例えばランタニド)、メタロイド、アルカリ金属、アルカリ土類金属など(しかしながらこれらに限定されない)の任意の金属の有機塩、ルイス酸ハロゲン化物などが挙げられるが、これらに限定されない。かかる金属の例としては、ビスマス、鉛、スズ、亜鉛、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、チタン、水銀、亜鉛、アンチモン、ウラン、カドミウム、トリウム、アルミニウム、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、ジルコニウム、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。かかる無機又は有機金属触媒の非排他的な例としては、硝酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフタレン酸鉛、塩化第二鉄、三塩化アンチモン、グリコール酸アンチモン、カルボン酸のスズ塩、カルボン酸のジアルキルスズ塩、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、カルボン酸のカリウム塩、カルボン酸の亜鉛塩、2−エチルヘキサン酸亜鉛、グリシン塩、アルカリ金属カルボン酸塩、N−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、ジブチルスズジラウレート、又はこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。これらの触媒は、通常は、ポリオールプレミックス組成物の重量を基準として約0.25重量%〜約3.0重量%、好ましくは約0.3重量%〜約約2.5重量%、より好ましくは約0.35重量%〜約約2.0重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。これらは通常量であるが、上記の触媒の数量は広く変化させることができ、適当な量は当業者によって容易に定めることができる。
【0023】
[0023]本発明の他の態様においては、非アミン触媒は第4級アンモニウムカルボキシレートである。有用な第4級アンモニウムカルボキシレートとしては、2−エチルヘキサン酸(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム(Air Products and Chemicalsによって販売されているTMR)、及びギ酸2−(ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム(Air Products and Chemicalsによって販売されているTMR-2)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの第4級アンモニウムカルボキシレート触媒は、通常は、ポリオールプレミックス組成物の重量を基準として約0.25重量%〜約3.0重量%、好ましくは約0.3重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.35重量%〜約2.0重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。これらは通常量であるが、触媒の数量は広く変化させることができ、適当な量は当業者によって容易に定めることができる。
【0024】
[0024]他の態様においては、非アミン触媒はアミン触媒と組み合わせて用いる。かかるアミン触媒としては、アミノ基を含み、ここで与える触媒活性を示す任意の化合物を挙げることができる。かかる化合物は、直鎖或いは環式の非芳香族性又は芳香族性のものであってよい。有用な非限定的なアミンとしては、第1級アミン、第2級アミン、又は第3級アミンが挙げられる。有用な第3級アミン触媒としては、非排他的に、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチルトリアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン;N,N−エチルジイソプロピルアミン;N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン;N,N−ジメチルイソプロピルアミン;N−メチル−N−イソプロピルベンジルアミン;N−メチル−N−シクロペンチルベンジルアミン;N−イソプロピル−N−sec−ブチル−トリフルオロエチルアミン;N,N−ジエチル−(α−フェニルエチル)アミン、N,N,N−トリ−n−プロピルアミン;又はこれらの組合せが挙げられる。有用な第2級アミン触媒としては、非排他的に、ジシクロヘキシルアミン;t−ブチルイソプロピルアミン;ジ−t−ブチルアミン;シクロヘキシル−t−ブチルアミン;ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン;ジ−(α−トリフルオロメチルエチル)アミン;ジ(α−フェニルエチル)アミン;又はこれらの組合せが挙げられる。有用な第1級アミン触媒としては、非排他的に、トリフェニルメチルアミン及び1,1−ジエチル−n−プロピルアミン
が挙げられる。
【0025】
[0025]他の有用なアミンとしては、モルホリン類、イミダゾール類、エーテル含有化合物などが挙げられる。これらとしては、
ジモルホリノジエチルエーテル;
N−エチルモルホリン;
N−メチルモルホリン;
ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル;
イミジゾール;
n−メチルイミダゾール;
1,2−ジメチルイミダゾール;
ジモルホリノジメチルエーテル;
N,N,N’,N',N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン;
N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタエチルジエチレントリアミン;
N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン;
ビス(ジエチルアミノエチル)エーテル;
ビス(ジメチルアミノプロピル)エーテル;
が挙げられる。
【0026】
[0026]アミン触媒を与える態様においては、触媒は、ここに示す組成物のフォーム形成性又は貯蔵安定性に悪影響を与えることなく本発明の機能を達成する任意の量で与えることができる。この目的を達成するために、アミン触媒は、非アミン触媒よりも少ないか又は多い量で与えることができる。
【0027】
[0027]本明細書において記載する組成物を用いるポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの製造は、当該技術において周知の任意の方法にしたがって行うことができる。Saunders及びFrisch, vol. I及びII, Polyurethanes Chemistry and technology, 1962, John Wiley and Sons, New York, NY、又はGum, Reese, Ulrich, Reaction Polymers, 1992, Oxford University Press, New York, NY、又はKlempner及びSendijarevic, Polymeric Foams and Foam Technology, 2004, Hanser Gardner Publications, Cincinnati, OHを参照。一般に、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、イソシアネート、ポリオールプレミックス組成物、及び場合によって用いる難燃剤、着色剤、又は他の添加剤のような他の材料を配合することによって製造する。これらのフォームは硬質、可撓性、又は半硬質であってよく、独立気泡構造、連続気泡構造、又は連続気泡と独立気泡の混合構造を有していてよい。
【0028】
[0028]ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームのための成分を予めブレンドした配合物で与えることが、多くの用途において好都合である。最も通常的には、フォーム配合物は2つの成分に予めブレンドする。イソシアネート、並びに場合によっては発泡剤及び幾つかのシリコーン界面活性剤など(しかしながらこれらに限定されない)の他のイソシアネート相溶性の原材料は、通常は「A」成分と呼ばれる第1成分を構成する。界面活性剤、触媒、発泡剤、及び場合によって用いる他の成分を含むポリオール混合組成物は、通常は「B」成分と呼ばれる第2成分を構成する。任意の所定の用途においては、「B」成分は上記に列記した成分の全てを含まない可能性があり、例えば、難燃性が必要なフォーム特性ではない場合には、幾つかの配合物においては難燃剤は排除される。したがって、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、少量の製造のためには手作業での混合、及び好ましくはブロック、スラブ、積層体、現場注入パネル及び他の部材、噴霧適用フォーム、泡などを形成する機械混合技術のいずれかによって、A側及びB側の成分を配合することによって容易に製造される。場合によっては、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、水、及び更に他のポリオールのような他の成分を、1つの流れとして混合ヘッド又は反応場に加えることができる。しかしながら、最も好都合には、これらは全て、上記に記載した1つのB成分中に含ませる。
【0029】
[0029]ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームを形成するのに好適な発泡性組成物は、有機ポリイソシアネート及び上記記載のポリオールプレミックス組成物を反応させることによって形成することができる。脂肪族及び芳香族ポリイソシアネートを含む任意の有機ポリイソシアネートを、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの合成において用いることができる。好適な有機ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン化学の分野において周知の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環式イソシアネートが挙げられる。これらは、例えば米国特許4,868,224;3,401,190;3,454,606;3,277,138;3,492,330;3,001,973;3,394,164;3,124,605;及び3,201,372;に記載されている。1つの種類としては芳香族ポリイソシアネートが好ましい。
【0030】
[0030]代表的な有機ポリイソシアネートは、式:
R(NCO)
(式中、Rは、脂肪族、アラルキル、芳香族、又はこれらの混合物のいずれかである多価有機基であり、zは、Rの価数に対応する整数で、少なくとも2である)
に対応する。ここで考えられる有機ポリイソシアネートの代表例としては、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、粗トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、粗メチレンジフェニルジイソシアネートなどのような芳香族ジイソシアネート;4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,6−トルエントリイソシアネートのような芳香族トリイソシアネート;4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのような芳香族テトライソシアネート;キシリレンジイソシアネートのようなアリールアルキルポリイソシアネート;ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リシンジイソシアネートメチルエステルなどのような脂肪族ポリイソシアネート;並びにこれらの混合物が挙げられる。他の有機ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化メチレンジフェニルイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、及び3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;が挙げられる。代表的な脂肪族ポリイソシアネートは、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネート、イソホレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのようなアルキレンジイソシアネートであり、代表的な芳香族ポリイソシアネートとしては、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)メテン、ビス(2−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタンなどが挙げられる。好ましいポリイソシアネートは、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、特に、約30〜約85重量%のメチレンビス(フェニルイソシアネート)を含み、混合物の残りが2より大きい官能価のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含む混合物である。これらのポリイソシアネートは当該技術において公知の通常の方法によって製造される。本発明においては、ポリイソシアネート及びポリオールは、約0.9〜約5.0の範囲のNCO/OHの化学量論比を与える量で用いる。本発明においては、NCO/OHの当量比は、好ましくは約1.0以上約3.0以下であり、理想的な範囲は約1.1〜2.5である。特に好適な有機ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート、又はこれらの組合せが挙げられる。
【0031】
[0031]ポリイソシアヌレートフォームの製造においては、過剰のA成分と組み合わせたブレンドをポリイソシアヌレート−ポリウレタンフォームに転化させる目的で三量体化触媒を用いる。用いる三量体化触媒は、グリシン塩、第3級アミン三量体化触媒、第4級アンモニウムカルボキシレート、及びアルカリ金属カルボン酸塩、並びに種々のタイプの触媒の混合物など(しかしながらこれらに限定されない)の当業者に公知の任意の触媒であってよい。この種類の範囲内の好ましい種は、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、及びN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシン酸ナトリウムである。
【0032】
[0032]また、好ましくは反応物質の約20重量%以下の量の通常の難燃剤を含ませることもできる。場合によって用いる難燃剤としては、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(2−クロロイソプロピル)ホスフェート、トリクレシルホスフェート、トリ(2,2−ジクロロイソプロピル)ホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、ジメチルメチルホスホネート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、及びテトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート、トリエチルホスフェート、ジアンモニウムホスフェート、種々のハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、三水和アルミニウム、ポリ塩化ビニル、メラミンなどが挙げられる。他の場合によって用いる成分には0〜約7%の水を含ませることができ、これはイソシアネートと化学反応して二酸化炭素を生成する。この二酸化炭素は補助発泡剤として機能する。また、イソシアネートと反応させることによって二酸化炭素を生成させるためにギ酸も用いられ、これは場合によっては「B」成分に加えられる。
【0033】
[0033]上述した成分に加えて、染料、充填剤、顔料などのような他の成分をフォームの製造において含ませることができる。分散剤及び気泡安定剤を本ブレンド中に含ませることができる。本発明において用いるための通常の充填剤としては、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック、及びシリカが挙げられる。充填剤は、用いる場合には、通常はポリオール100部あたり約5部〜100部の範囲の重量基準の量で存在させる。本発明において用いることができる顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、クロムグリーン、クロムイエロー、鉄青シエナ、モリブデートオレンジ、並びにパラレッド、ベンジジンイエロー、トルイジンレッドのような有機顔料、トナー、及びフタロシアニンのような任意の従来の顔料であってよい。
【0034】
[0034]製造されるポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、密度を約0.5ポンド/立方フィート〜約60ポンド/立方フィート、好ましくは約1.0〜20.0ポンド/立方フィート、最も好ましくは約1.5〜6.0ポンド/立方フィートの範囲にすることができる。得られる密度は、どの程度の本発明において開示する発泡剤又は発泡剤混合物、並びにどの程度の量の水のような補助発泡剤又は他の共発泡剤を、A及び/又はB成分中に存在させるか、或いはフォームが製造される時点において加えられるかの関数である。これらのフォームは、硬質、可撓性、又は半硬質のフォームであってよく、独立気泡構造、連続気泡構造、又は連続気泡と独立気泡の混合構造を有することができる。これらのフォームは、断熱、緩衝、浮体、包装、接着剤、空間充填、工芸装飾品、及び衝撃吸収など(しかしながらこれらに限定されない)の種々の周知の用途において用いられる。
【実施例】
【0035】
[0035]以下の非限定的な実施例は本発明を例示するように働く。
実施例1(比較例):
[0036]100重量部のポリオールブレンド、1.5重量部のNiax L6900シリコーン界面活性剤、1.5重量部の水、1.2重量部のペンタメチルジエチレントリアミン(Air Products and ChemicalsによってPolycat 5として販売)触媒、及び8重量部のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン発泡剤によってポリオール(B成分)配合物を形成した。B成分組成物全体は、新しく調製し、120.0重量部のLupranate M20Sポリマーイソシアネートと混合すると、微細で規則的な気泡構造を有する良好な品質のフォームを与えた。フォームの反応性は現場注入型フォームに特有のものであった。次に、B側組成物全体(112.2部)を130°Fにおいて62時間経時変化させ、次に120.0部のM20Sポリマーイソシアネートと混合してフォームを形成した。フォームは外観が非常に劣っており、大きな気泡崩壊が起こっていた。経時変化中にポリオールプレミックスの大きな黄変が認められた。
【0036】
実施例2(比較例):
[0037]100重量部のポリオールブレンド、1.5重量部のNiax L6900シリコーン界面活性剤、1.5重量部の水、1.2重量部のペンタメチルジエチレントリアミン(Air Products and ChemicalsによってPolycat 5として販売)触媒、及び8重量部のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン発泡剤によってポリオール(B成分)配合物を形成した。B成分組成物全体は、新しく調製し、120.0重量部のLupranate M20Sポリマーイソシアネートと混合すると、微細で規則的な気泡構造を有する良好な品質のフォームを与えた。フォームの反応性は現場注入型フォームに特有のものであった。次に、B側組成物全体(112.2部)を130°Fにおいて168時間経時変化させ、次に120.0部のM20Sポリマーイソシアネートと混合してフォームを形成した。フォームは外観が非常に劣っており、大きな気泡崩壊が起こっていた。経時変化中にポリオールプレミックスの大きな黄変が認められた。
【0037】
実施例3(フォーム試験):
[0038]100重量部のポリオールブレンド、1.5重量部のNiax L6900シリコーン界面活性剤、1.5重量部の水、2.0重量部のN,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(Air Products and ChemicalsによってPolycat 12として販売)触媒(異なるアミンを、このフォーム及び比較実施例のフォームの両方が同じ初期反応性を有するように用いた)、1.75重量部のビスマスベースの触媒(Air Products and ChemicalsによってDabco MB-20として販売)、及び8重量部のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン発泡剤によってポリオール(B成分)配合物を形成した。B成分組成物全体は、新しく調製し、120.0重量部のLupranate M20Sポリマーイソシアネートと混合すると、微細で規則的な気泡構造を有する良好な品質のフォームを与えた。フォームの反応性は現場注入型フォームに特有のものであった。次に、B側組成物全体(114.75部)を130°Fにおいて336時間経時変化させ、次に120.0部のM20Sポリマーイソシアネートと混合してフォームを形成した。フォームは外観が優れており、気泡崩壊の徴候は無かった。経時変化中にポリオールプレミックスの黄変は認められなかった。
【0038】
実施例4(フォーム試験):
[0039]100重量部のポリオールブレンド、1.5重量部のNiax L6900シリコーン界面活性剤、0.5重量部の水、2.0重量部のN,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(Air Products and ChemicalsによってPolycat 12として販売)触媒(異なるアミンを、このフォーム及び比較実施例のフォームの両方が同じ初期反応性を有するように用いた)、1.75重量部の2−エチルヘキサン酸亜鉛(Strem Chemicalsによって30-3038として販売)、及び8重量部のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン発泡剤によってポリオール(B成分)配合物を形成した。B成分組成物全体は、新しく調製し、103.0重量部のLupranate M20Sポリマーイソシアネートと混合すると、微細で規則的な気泡構造を有する良好な品質のフォームを与えた。フォームの反応性は現場注入型フォームに特有のものであった。次に、B側組成物全体(113.75部)を130°Fにおいて336時間経時変化させ、次に103.0部のM20Sポリマーイソシアネートと混合してフォームを形成した。フォームは外観が優れており、気泡崩壊の徴候は無かった。経時変化中にポリオールプレミックスの黄変は認められなかった。
【0039】
実施例5(フォーム試験):
[0040]100重量部のポリオールブレンド、1.5重量部のNiax L6900シリコーン界面活性剤、1.0重量部の水、2.0重量部のN,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(Air Products and ChemicalsによってPolycat 12として販売)触媒(異なるアミンを、このフォーム及び比較実施例のフォームの両方が同じ初期反応性を有するように用いた)、1.75重量部のカリウムベースの触媒(Air Products and ChemicalsによってDabco K15として販売)、及び8重量部のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン発泡剤によってポリオール(B成分)配合物を形成した。B成分組成物全体は、新しく調製し、112.0重量部のLupranate M20Sポリマーイソシアネートと混合すると、微細で規則的な気泡構造を有する良好な品質のフォームを与えた。フォームの反応性は現場注入型フォームに特有のものであった。次に、B側組成物全体(114.75部)を130°Fにおいて504時間経時変化させ、次に112.0部のM20Sポリマーイソシアネートと混合してフォームを形成した。フォームは外観が良好であり、気泡崩壊の徴候はわずかしかなかった。経時変化中にポリオールプレミックスの非常に僅かな黄変が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ヒドロハロオレフィン発泡剤;
b.1種類以上のポリオール;
c.1種類以上の界面活性剤;及び
d.無機金属化合物、有機金属化合物、第4級アンモニウムカルボキシレート触媒、及びこれらの組合せからなる群から選択され、無機金属化合物又は有機金属化合物は、独立してビスマス、鉛、スズ、亜鉛、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、チタン、水銀、亜鉛、アンチモン、ウラン、カドミウム、トリウム、アルミニウム、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、ジルコニウム、及びこれらの組合せからなる群から選択される有機塩を含む非アミン触媒;
を含む発泡性組成物。
【請求項2】
非アミン触媒が、硝酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフタレン酸鉛、塩化第二鉄、三塩化アンチモン、グリコール酸アンチモン、カルボン酸のスズ塩、カルボン酸のジアルキルスズ塩、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、カルボン酸のカリウム塩、カルボン酸の亜鉛塩、2−エチルヘキサン酸亜鉛、グリシン塩、アルカリ金属カルボン酸塩、及びN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、ジブチルスズジラウレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の発泡性組成物。
【請求項3】
非アミン触媒が組成物の重量基準で約0.25重量%〜約3.0重量%の量で存在する、請求項2に記載の発泡性組成物。
【請求項4】
非アミン触媒が第4級アンモニウムカルボキシレートである、請求項1に記載の発泡性組成物。
【請求項5】
非アミン触媒が、2−エチルヘキサン酸(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム又はギ酸(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムである、請求項4に記載の発泡性組成物。
【請求項6】
非アミン触媒が組成物の重量基準で約0.25重量%〜約3.0重量%の量で存在する、請求項5に記載の発泡性組成物。
【請求項7】
発泡剤が、水、炭化水素、フルオロカーボン、クロロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、有機酸、気体発生材料、及びこれらの組合せからなる群から選択される共発泡剤を更に含む、請求項1に記載の発泡性組成物。
【請求項8】
発泡剤が、トリフルオロプロペン、テトラフルオロプロペン、ペンタフルオロプロパン、クロロトリフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、クロロテトラフルオロプロペン、ヘキサフルオロブテン、及びこれらの組合せからなる群から選択されるヒドロハロオレフィンを含む、請求項8に記載の発泡性組成物。
【請求項9】
発泡剤が、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze);1,1,3,3−テトラフルオロプロペン;1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye);1,1,1−トリフルオロプロペン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225zc);1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225yc);(Z)−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(1225yez);1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd);1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン(1336mzzm);及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の発泡性組成物。
【請求項10】
アミン触媒を更に含む、請求項1に記載の発泡性組成物。
【請求項11】
アミン触媒が、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチルトリアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン;N,N−エチルジイソプロピルアミン;N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン;N,N−ジメチルイソプロピルアミン;N−メチル−N−イソプロピルベンジルアミン;N−メチル−N−シクロペンチルベンジルアミン;N−イソプロピル−N−sec−ブチル−トリフルオロエチルアミン;N,N−ジエチル−(α−フェニルエチル)アミン、N,N,N−トリ−n−プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン;t−ブチルイソプロピルアミン;ジ−t−ブチルアミン;シクロヘキシル−t−ブチルアミン;ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン;ジ−(α−トリフルオロメチルエチル)アミン;ジ(α−フェニルエチル)アミン;トリフェニルメチルアミン;1,1−ジエチル−n−プロピルアミン;ジモルホリノジエチルエーテル;N−エチルモルホリン;N−メチルモルホリン;ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル;イミジゾール;n−メチルイミダゾール;1,2−ジメチルイミダゾール;ジモルホリノジメチルエーテル;N,N,N’,N',N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン;N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタエチルジエチレントリアミン;N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン;ビス(ジエチルアミノエチル)エーテル;ビス(ジメチルアミノプロピル)エーテル;及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の発泡性組成物。

【公表番号】特表2013−514452(P2013−514452A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544812(P2012−544812)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060678
【国際公開番号】WO2011/084563
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】