説明

ハロゲン化触媒としてのN,N−ジ置換ホルムアミドの使用

【課題】N,N−ジアルキルカルバモイルハライドのすべてが非常に小さな揮発性しか有さず、作業者および環境に対してほとんど危険性がない、新規なハロゲン化触媒の提供。
【解決手段】以下の構造式で表される化合物およびこれらの混合物のハロゲン化触媒としての使用:
【化1】


[式中、R1およびR2が、a)非置換または置換C5−C30アルキル、C5−C30アルケニル、C5−C30アルキニルおよび接合基、並びにb)非置換または置換アミノアルキルおよびポリアミノアルキル並びにアミノアルケニルおよびポリアミノアルケニルから独立に選択され、前記置換基はハロゲン化される基体および使用されるハロゲン化試薬と反応しない任意の官能基から独立に選択される]。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N,N−ジ置換ホルムアミドのハロゲン化触媒およびこれらの触媒の有機ヒドロキシル基とチオール基を有機ハライドに変換するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カルボン酸からのカルボン酸塩化物の生成のような、有機ヒドロキシル基とチオール基を有機ハライドに変換するための多くの反応が、N−アルキル化ホルムアミドの存在により促進される。しばしばそのような反応はそのような触媒の存在を必要とする。N,N−ジメチルホルムアミドは最も普通に使用される触媒のひとつである。しかし、標準的なハロゲン化条件ではN,N−ジ低級アルキルホルムアミドは、動物について発ガン性であることが知られているN,N−ジ低級アルキルカルバモイルハライドを生成する。そのようなハライドは高い揮発性を有するので特に危険である。米国特許第4,880,576号は、塩素化触媒として、ひとつのアルキル基がC1−C4アルキル基、好ましくはメチル基であり、他のアルキル基が少なくとも9個の炭素原子を有するN,N−ジアルキルホルムアミドを開示する。そのような触媒の使用は、揮発性の高いN,N−ジアルキルカルバモイルクロライドの生成を回避できる。しかし、そのような触媒の使用上の制限として、ひとつのアルキル基が小さく、好ましくはメチルであり、他のアルキル基が大きく、9個よりも多い炭素原子を有する2級アミンを得ることがあげられる。さらに、揮発性が低減されるが、なくなるわけではなく、生成される可能性のあるN,N−ジアルキルカルバモイルハライドへの暴露を通しての作業者および環境に対する危険性が残存する。
【発明の開示】
【0003】
我々は、ハロゲン化触媒の活性を保持するためには、ホルムアミドのアルキル基の一つまたは両方を炭素数4未満に制限する必要がないことを見いだした。アルキル基が両方とも大きな場合には、ハロゲン反応の間に形成される可能性のあるN,N−ジアルキルカルバモイルハライドのすべてが、非常に小さな揮発性しか有さず、作業者および環境に対してほとんど危険性がないのである。本発明は、以下の構造式Iで表される化合物およびこれらの混合物のハロゲン化触媒としての使用に関する:
【0004】
【化3】

【0005】
[式中、R1およびR2が、a)非置換または置換C5−C30アルキル、C5−C30アルケニル、C5−C30アルキニルおよび接合基、並びにb)非置換または置換アミノアルキルおよびポリアミノアルキル並びにアミノアルケニルおよびポリアミノアルケニルから独立に選択され、前記置換基はハロゲン化される基体および使用されるハロゲン化試薬と反応しない任意の官能基から独立に選択される]。本発明の第2の態様は、以下の構造式で表される化合物およびこれらの混合物のハロゲン化触媒としての使用に関する:
【0006】
【化4】

【0007】
[式中、R1およびR2の一方が、a)非置換または置換C1−C30アルキル、C2−C30アルケニル、C2−C30アルキニルおよび接合基、並びにb)非置換または置換アミノアルキルおよびポリアミノアルキル並びにアミノアルケニルおよびポリアミノアルケニルから独立に選択され、前記置換基はハロゲン化される基体および使用されるハロゲン化試薬と反応しない任意の官能基から独立に選択され、R1およびR2の他方がポリマーである]。
【0008】
「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」の語は直鎖、分岐鎖、および環状の基を包含する。「アリール」の語は、フェニル、ナフチル、および5および6員の芳香族複素環をいう。「接合基(joined group)」とは、ピペリジンおよび1,3−ジ−4−ピペリジルプロパンのように、R1およびR2が、それらが結合している窒素とともに作る環状基をいう。「ポリアミノアルキル」および「ポリアミノアルケニル」の語は、1以上のアミノ基で置換されたアルキルまたはアルケニル基をいう。そのようなアミノ基は1級、2級、または環状アミノ基であることができる。アミノ基は一つのポリアミノアルキルまたはポリアミノアルケニルにおいて異なるものであることができる。そのような基の例としては、R1N(CHO)−アルキル−N(CHO)R2、[式中R1およびR2は前記の式の定義の通りである]で表されるジアミノアルキル、ビス(3−アミノプロピル)アミンのようなトリアミノアルキル、および環状アミン基を含むポリアミノアルキルがあげられる。「ポリマー」の語は、1以上のアミノ基により官能化されたポリマーであって、該アミノ基がホルムアミドを形成することができ、得られるホルムアミド官能化ポリマーがハロゲン化反応の条件下において反応しない任意のポリマーをいう。そのようなポリマーの例としては、弱塩基性スチレン系およびアクリル系アニオン交換樹脂があげられる。好ましいポリマーとしては、官能化イオン交換樹脂があげられる。
【0009】
アルキル基が好ましいR1およびR2である。得られるハロゲン化生成物を触媒から容易に分離することができるので、10よりも多い炭素原子を有するアルキル基がより好ましい。低コストおよび高分子量のために、アルキル基が12から24個の炭素原子を含む混合物アミン、たとえば天然脂肪(natural fats)から誘導されるアミンが最も好ましい。本発明の他の態様は、基体を有機ハライドに転化する方法であって、a)基体、ハロゲン化試薬、および以下の構造式の1種以上の触媒の混合物を調製する工程、
【0010】
【化5】

【0011】
[式中、R1およびR2が、i)非置換または置換C5−C30アルキル、C5−C30アルケニル、C5−C30アルキニルおよび接合基、並びにii)非置換または置換アミノアルキルおよびポリアミノアルキル並びにアミノアルケニルおよびポリアミノアルケニルから独立に選択され、前記置換基はハロゲン化される基体および使用されるハロゲン化試薬と反応しない任意の官能基から独立に選択される]、およびb)混合物を、有機ハライドの形成が許容される速度で起こる温度に保持する工程、を含む前記の方法に関する。本発明の他の態様は、基体を有機ハライドに転化する方法であって、a)基体、ハロゲン化試薬、および以下の構造式の1種以上の触媒の混合物を調製する工程、
【0012】
【化6】

【0013】
[式中、R1およびR2の一方が、a)非置換または置換C1−C30アルキル、C2−C30アルケニル、C2−C30アルキニルおよび接合基、並びにb)非置換または置換アミノアルキルおよびポリアミノアルキル並びにアミノアルケニルおよびポリアミノアルケニルから独立に選択され、前記置換基はハロゲン化される基体および使用されるハロゲン化試薬と反応しない任意の官能基から独立に選択される、R1およびR2の他方がポリマーである]、およびb)混合物を、有機ハライドの形成が許容される速度で起こる温度に保持する工程、を含む前記の方法に関する。
【0014】
「基体(substrate)」の語は、典型的なハロゲン化試薬によりハロゲンと置換させることができると知られている、1以上のヒドロキシ基またはチオール基を含む有機化合物をいう。そのような基体の例としては、安息香酸、カプロン酸、トリクロロ酢酸、琥珀酸のようなカルボン酸;窒素に隣接した水酸基を有するN−複素環化合物またはそれらの互変異体(tautomeric forms)、たとえば2−ヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−4−フェニル−1,3,5−トリアジン、および8−ヒドロキシキノリン;ピクリン酸のようなフェノール類;チアゾール−2−チオールのような複素環チオール類;およびスルホン酸があげられる。各成分を同時に混合することにより、または1以上の成分を徐々に加えることにより混合物を形成することができる。混合物を形成する好ましい方法は、ハロゲン化試薬を、その他の成分の混合物に徐々に加える方法である。そのような場合には、前記その他の成分の混合物の温度は工程bの温度であってよく、その温度以上でも以下であってもよい。
【0015】
ハロゲン化反応はベンズアルデヒドを塩化ベンザルにするような他のタイプの転化反応、ある種の脱水反応、ヌクレオシドとヌクレオチドの対のハロゲン化、アルコールからのアルキルハライドの調製、2級アミドのイミノクロライドへの転化反応などの反応にも有用である。本発明の触媒は、たとえばトリクロロ酢酸、テレフタル酸、ピリジンジカルボン酸のような触媒の非存在下ではハロゲン化することが難しい基体のハロゲン化に特に有用である。本発明の方法は溶剤の非存在下または存在下で行うことができる。溶剤を使用する場合には、反応条件に対して不活性であることが好ましい。好ましい溶剤としては、たとえばシクロヘキサン、トルエン、およびキシレンのような芳香族または非芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジグライム(diglyme)のようなエーテルおよびポリエーテル;酢酸エチルおよび酢酸n−ブチルのようなエステル;塩化メチレン、ジクロロエタン、および塩化ベンゼンのようなハロアルキルおよびハロアリールがあげられる。
【0016】
ハロゲン化試薬は、有機ヒドロキシ基のハロゲン化に典型的に使用される1以上の化合物であることができる。好ましい試薬としては、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩化燐、五塩化燐、ホスホラスオキシクロライド、ホスゲン、塩化オキサリル、ジまたはトリホスゲンのようなホスゲン置換体、トリフェニルホスフィン−塩素錯体、ならびに上記の対応する臭素類縁体があげられる。混合物が形成され、保持される温度は臨界的ではない。方法の各工程において同一または異なる温度を選択することができる。反応が許容できる調節された速度で進行するように温度が選択されることが好ましい。温度を選択する際に考慮されるべき要件は、混合物の成分の融点および沸点、反応体および生成物、特にハロゲン化試薬それ自身の安定性である。
【0017】
有機ハライドは反応混合物から公知の分離手段により分離することができる。揮発性の高い有機ハライドに対して好ましい方法は、蒸留により触媒から分離する方法である。この方法によれば、残された触媒は単に追加の基体、ハロゲン化試薬、および使用する場合には溶剤とともに反応容器に再投入することにより再使用することが可能である。すなわち、本発明の方法はバッチ式および連続式のどちらによっても行うことができる。他の適当な分離方法、たとえば冷却により触媒を沈殿させ濾過により有機ハライド溶液から触媒を分離する方法、有機ハライドまたは引き続く反応により形成される生成物を結晶化し母液中の触媒を溶液として除去する方法、ポリマーに基づく触媒の場合には単純な物理的分離方法などを使用することもできる。また、有機ハライドを分離することなく、有機ハライドを含む混合物を引き続く反応に供する事もできる。
【0018】
触媒の量は所望の反応速度による。触媒の使用量が多いほどより速くハロゲン化が進行する。触媒の使用量は基体の0.01から100モル%にする事が、反応速度の増大と触媒のコストとのバランスからみて好ましい。より好ましくは0.5から5モル%である。本発明の触媒の利点の一つは、それらが比較的非揮発性であるということである。その結果、蒸留により反応混合物から有機ハライドが分離される場合には、触媒は残留し再使用することができる。さらに、ハロゲン化において副生成物として形成されるカルバモイルハライドも同様に非揮発性であり、従って危険性がほとんどない。
【0019】
触媒は、(a)式、HNR12、[式中R1およびR2は前記の定義の通り]を有するアミンと1当量以上のホルムアミド、および1当量以上の酸を含む混合物を形成する工程、(b)混合物をその沸点以下の温度に加熱し、触媒を形成する工程、および(c)触媒を混合物から分離する工程を含む一般的な方法により調製することができる。
【0020】
この反応において使用されるホルムアミドの量は臨界的ではないが、少なくとも1当量は必要である。20当量以下の使用では反応に悪影響はない。反応を妨害しない共溶剤を使用することもできる。また、酸も少なくとも1当量が使用されていれば、その量は臨界的ではない。1から3当量の酸を使用することが好ましい。最も好ましくは、若干の過剰量、すなわち約1.1当量を使用する。強酸であるプロトン酸が好ましい。水溶性であり非揮発性であるので、硫酸が最も好ましい。燐酸、ポリ燐酸、ぎ酸、および塩酸のような他の酸も使用することができる。R基が12から24個の炭素原子を含む場合には、触媒生成物はしばしば、混合物が冷却された際に固形化する。このような条件では触媒を混合物から容易に分離することができる。さらに、昇温下において触媒はしばしば容易に単離する事ができる非混和性の液体となり、混合物から分離することもある。以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
実施例1 ジオクチルホルムアミド(DOF)の調製
【0021】
【化7】

【0022】
試薬 分子量 量 モル 当量 ジオクチルアミン 241 5.0g 0.021 1 ホルムアミド 45 2.5g 0.056 2.7 37%塩酸 36.5 6.1g 0.062 2.9 クメン 40g
【0023】
温度計、マグネチックスターラー、および上部にディーンスタークトラップを取り付けた凝縮器を取り付けた100ミリリットルの3口フラスコに、ジオクチルアミン、塩酸、およびクメンを投入した。混合物を還流するまで(約150℃)加熱し、水を除去した。約1時間ですべての水を除去した後、混合物を120℃に冷却し、2.5gのホルムアミドを加えた。得られた混合物を120℃で一晩攪拌した。この間に反応が完了したことがGC分析により示された。混合物を周囲温度に冷却し、40ミリリットルの水で3回洗浄した。上部の生成物層を70℃真空下で、濃縮した。冷却後、明るい黄色の油(5.3g、収率95%)が得られた。NMRとGCMSより生成物はジオクチルホルムアミドであると確認された。
実施例2 ジ(水素化牛脂)ホルムアミド(DTF)の調製
【0024】
【化8】

【0025】
試薬 分子量 量 モル 当量 ジ水素化牛脂アミン 480.5* 50.1g 0.104 1 ホルムアミド 45 50.5g 1.12 10.8 濃硫酸 98 11.8g 0.116 1.12 水(洗浄毎) 80g *:予想組成に基づいて計算された分子量
【0026】
ジ水素化牛脂アミンとホルムアミドを、オーバーヘッド攪拌機を有し、窒素供給口を取り付けた、下部が取り外しできる500ミリリットルの丸底フラスコに投入した。混合物を攪拌下、85℃までマントルにより加熱した。ジ水素化牛脂アミンはこの温度で溶融した。硫酸を加え、ついで混合物を115℃に加熱した。反応はガスクロマトグラフで監視された。混合物を115℃に加熱してから2から4.5時間の間に、ガスクロマトグラフの3つの大きなアミンのピークの内の2つが消滅したので、転化は完了したと判断された。われわれの分析によれば、第3の大きなピークは生成物のピークの一つと重なるからである。混合物を100℃以下に冷却し、80gの冷水を加えた。次いで混合物を90℃に加熱し、下部の水性層を除去した。90℃で、さらに2回、80gの水で洗浄された。上部の生成物層は結晶皿に移され、70℃真空下で溶融体として乾燥された。室温に冷却し、ワックス状の明るい褐色固体を得た。51.9g、収率98%、融点44−46℃。
実施例3 DOFを使用したピリジンジアシッドクロライドの調製
【0027】
【化9】

【0028】
試薬 分子量 量 モル 当量 ピリジンジアシッド 341.2 50.0g 0.146 1 n−ブチルエーテル 130.0 50.0g ジオクチル 269.0 2.0 0.0074 0.05 ホルムアミド 塩化チオニル 119.0 52.1g 0.438 3.0
【0029】
マグネチックスターラー、還流/蒸留ヘッド、窒素供給口、苛性スクラバー(caustic scrubber)を備えた250ミリリットルのフラスコに、ピリジンジアシッド、n−ブチルエーテル(反応溶剤)、およびジオクチルホルムアミドを投入した。凝縮器に氷水を通しながら、フラスコをマントルで95℃に加熱した。シリンジポンプを使用し、塩化チオニルを反応混合物に3時間にわたり加えた。オンラインFTIR分析により、塩化チオニルの添加が終了したときに反応が完了したと判定された。過剰の塩化チオニルとn−ブチルエーテルを、真空下、最終的に100℃、15mmHgとなる条件で除去した。次いで圧力を1−2mmHgに減圧し、温度を130℃に上げ、ピリジンジアシッドクロライドを蒸留した。合計で47.8gの生成物が得られた。収率は86.2%であった。
実施例4 DTFを使用したピリジンジアシッドクロライドの調製
【0030】
【化10】

【0031】
試薬 分子量 量 モル 当量ピリジンジアシッド 341.2 54.8g 0.171 1酢酸n−ブチル 61.4gジ水素化牛脂 508.0* 1.75g 0.0034 0.020 ホルムアミド(DTF)
塩化チオニル 119.0 46.5g 0.391 2.28*:予想組成に基づいて計算された分子量
【0032】
マグネチックスターラー、還流/蒸留ヘッド、窒素供給口、苛性スクラバーを備えた200ミリリットルのフラスコに、ピリジンジアシッド、酢酸n−ブチル(反応溶剤)、およびジ水素化牛脂ホルムアミドを投入した。凝縮器に氷水を通しながら、フラスコを攪拌下、オイルバスで加熱した。ジ水素化牛脂ホルムアミドは室温では溶解しなかったが、90℃に加熱するとフラスコの内容物は均一になった。シリンジポンプを使用し、塩化チオニルを反応混合物に3時間にわたり加えた。混合物は90℃でさらに2.5時間攪拌された。過剰の塩化チオニルと酢酸n−ブチルを、真空下、最終的に100℃、15mmHgとなる条件で除去した。次いで圧力を1−2mmHgに減圧し、ピリジンジアシッドクロライドを塔頂から蒸留した。初流2.7gを捨て、フラスコ温度を130℃に上げ、56.9gのジアシッドクロライドの蒸留物を得た。生成物換算で91%の粗生成物収率であった。フラスコを酢酸n−ブチル溶剤および希水酸化ナトリウム水溶液で処理し、フラスコ残留物を回収し、生成された可能性のあるすべてのカルバモイルクロライドを分解した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体を有機ハライドに転化する方法であって、
a)基体、ハロゲン化試薬、および以下の構造式の1種以上の触媒を含む混合物を調製する工程、
【化1】

[式中、R1およびR2が、非置換または置換C10−C30アルキルから独立に選択され、
但し、R1およびR2のいずれもステアリル基ではなく、
前記置換基はハロゲン化される基体および使用されるハロゲン化試薬と反応しない任意の官能基から独立に選択され、但し、前記ハロゲン化される基体はα位にヒドロキシル基を有するピリジンではない]、および
b)混合物を、有機ハライドの形成が許容される速度で起こる温度に保持する工程、を含む前記の方法。
【請求項2】
上記R1およびR2が、非置換または置換C12−C24アルキルから独立に選択され、但し、R1およびR2のいずれもステアリル基ではない、請求項3に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上のヒドオキシル基またはチオール基を含む基体を有機ハライドに転化する方法であって、
a)前記基体、ハロゲン化試薬、および以下の1種以上の触媒を含む混合物を調製する工程、
【化2】

[式中、R1およびR2が天然脂肪から誘導されるC12−C24アルキル基から独立に選択され]、および
b)前記混合物を、有機ハライドの形成が許容される速度で起こる温度に保持する工程、を含む、方法。
【請求項4】
前記混合物がさらに1種以上の溶剤を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒が再使用される、請求項3または4に記載の方法。

【公開番号】特開2007−231022(P2007−231022A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135497(P2007−135497)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【分割の表示】特願平9−82411の分割
【原出願日】平成9年3月17日(1997.3.17)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】