説明

ハロゲン白熱ランプ

【課題】側方リフレクタを有するハロゲン白熱ランプにおいて、所定の面の照明が改善されているものを提供する。
【解決手段】ランプ容器(2)の横断面図で見て、側方リフレクタを形成する容器区分(42)が、平坦な、又は比較的わずかに湾曲された光放出窓(40)から離れるように外側に湾曲されているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン白熱ランプであって、一方側でシールされたランプ容器が設けられており、該ランプ容器内に発光体が収容されており、容器区分が、側方リフレクタの形で形成されており、該側方リフレクタが、ランプ容器周の部分領域にわたって延びており、周方向に、前記容器区分にランプ容器の光放出窓が接続されている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
この形式の側方反射形ランプが、インターネットドメインwww.osram.deに製品名「MINISTAR(R)」下に記載されている。このハロゲン白熱ランプでは、ランプ容器の周区分には、ランプ容器に側方に配置された光放出窓が残されているように、反射性の被覆層が設けられている。この光放出窓は、ランプを例えばダウンライトとして使用することを可能にし、この場合にランプは水平方向に取り付けられる。このような形の反射形ランプは最もコンパクトに構成されており、それ故、取付け時には最小構成スペースを要する。
【0003】
この公知の構造は、ヨーロッパ特許庁特許第0495194号明細書に記載のような従来の反射形ランプよりも著しく簡単に構成されている。この形の反射形ランプは放物線状又は楕円状のガラス球欠より形成されたリフレクタ及びハロゲン白熱ランプより成っており、このハロゲン白熱ランプはリフレクタの光軸に固定されている。
【0004】
特にランプ容器内に組み込まれたリフレクタを備えたコンパクトなハロゲン白熱ランプは、ランプ容器内に収容された発光体に少なくとも2つのフィラメント区分が形成されている場合には、放射される光束に関して改善できることが示された。2つのフィラメント区分を備えた発光体は、ヨーロッパ特許庁特許第0446460号明細書に記載されているように、例えば電源電圧で運転するために設けられたハロゲン白熱ランプにおいて使用される。
【特許文献1】ヨーロッパ特許庁特許第0495194号明細書
【特許文献2】ヨーロッパ特許庁特許第0446460号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の課題は、側方リフレクタを有するハロゲン白熱ランプにおいて、所定の面の照明が改善されているものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決した本発明の手段によれば、ランプ容器の横断面図で見て、側方リフレクタを形成する容器区分が、平坦な、又は比較的わずかに湾曲された光放出窓から離れるように外側に湾曲されている。本発明の特に有利な構成が従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるハロゲン白熱ランプは、一方側でシールされたランプ容器を有しており、このランプ容器内には少なくとも1つの発光体が収容されており、この場合にランプ容器の一区分は側方リフレクタの形で構成されている。この側方リフレクタは、光放出窓が残されているように、ランプ容器周の部分領域にわたってのみ延びている。本発明によれば、横断面図で見て、リフレクタの形で作用する容器区分は、比較的なだらかに湾曲された、平坦に構成された光放出窓から離れるように湾曲されている。この場合に、光放出窓の平均曲率半径は、リフレクタの形で作用する、後方に湾曲された容器区分の曲率半径よりも大きく構成されている。すなわち、通常では円筒状に構成されたランプ容器が、リフレクタの領域には湾曲部を有しており、この湾曲部は、例えばほぼ放物線状又は楕円状に構成されており、ひいては反射特性に関して最適化されており、これにより、光放出窓から放出される光束が、従来の手段に対して拡大されており、所定の領域の意図的な照明が可能になっている。
【0008】
有利には、横断面図で見て、光放出窓の幅がリフレクタとして構成された容器区分の奥行よりも大きくなっている。
【0009】
本発明は、発光体が2つのフィラメントアームにより構成されたハロゲン白熱ランプにおいて特に有利に使用することができる。この場合には、反射性の容器区分の湾曲部の頂点に、容器区分の後壁が腎臓形に引き込まれているように、光放出窓の方向に延びるくびれが形成されている。換言すれば、リフレクタの形で形成されたランプバルブに2つの凹部が設けられており、これらの凹部の幾何学形状は、それぞれのフィラメントアームから放出された光線が最適化された形式で反射されるように設計されている。
【0010】
この手段では、くびれが2つのフィラメントアームに対する対称面に配置されている場合には特に有利である。
【0011】
発光体の固定が、特に電源電圧のために設けられた、保持ノブを備えたハロゲン白熱ランプでは、冒頭で述べたヨーロッパ特許庁特許第0446460号明細書に記載のように行われる。この形の保持ノブは、原理的にはランプハウジングの内側湾曲部であり、これらの内側湾曲部の間には、発光体の部分領域が挟み込まれている。本発明による手段では、有利には一方の保持ノブが放射窓の領域に形成されており、これに対して直径上に配置された他方の保持ノブが後側のくびれの領域に形成されている。
【0012】
有利には、発光体には有利には傾斜して配置されたフィラメントアームが構成されている。これらのフィラメントアームは結合部を介して互いに結合されており、この結合部には保持ノブが係合する。
【0013】
有利な実施例では、反射性の容器区分に被覆層が設けられており、この被覆層は、有利にはランプ容器の外周に被着されている。
【0014】
例えばヨーロッパ特許庁特許第0897604号明細書に記載のように、ランプ容器のシールされた端部は、有利にはベースの形で形成されている。
【0015】
本発明による実施例ではランプ容器は、環状の斜面を介して前記ベースに移行している。
【0016】
このベースは、有利には、光放出窓の頂点によりも反射性の容器区分の頂点により近く配置されている。
【0017】
ハロゲン白熱ランプを充填するためのポンプロッド突出部が、反射性の容器区分を覆うドームに配置されていていよい。
【0018】
本発明によれば、ハロゲン白熱ランプが電源電圧で運転するために設計されていると有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0020】
図1、図2及び図3が、電源電圧で運転するために設計されたハロゲン白熱ランプ1を示している。しかしながら原理的には、本発明はNV-又はMV-ハロゲン白熱ランプにおいても使用可能である。
【0021】
図1及び図2によれば、前記ハロゲン白熱ランプ1は有利には石英ガラスより成るランプ容器2を有している。図1ではこのランプ容器2の下端区分には、圧着シールによりベース4が形成されている。このベース4はホルダ(図示していない)内に挿入することができる。前記ベース4は、環状の斜面6を介してランプ容器2のバルブ8に移行する。ランプ容器2の、ベース4から離隔された終端区分がドーム10により形成されており、このドーム10にはポンプロッド突出部12が形成されている。
【0022】
ランプ容器2には発光体14が配置されている。この発光体14は、本実施例では2つのフィラメントアーム16,18により構成されており、これらのフィラメントアーム16,18は結合部20を介して互いに結合されている。図1から判るように、前記フィラメントアーム16,18は傾斜して配置されており、これにより、これらのフィラメントアーム16,18の間隔は、ベース4に向かって下方へ拡大されている。両方のフィラメントアーム16,18は給電部22,24に移行しており、これらの給電部22,24の終端区分は、圧着シールにより形成されたベース4内に進入し、それぞれ1つのモリブデンシート26,28に結合されている。これらのモリブデンシート26,28は同様にベース4内に埋め込まれている。前記モリブデンシート26,28はほぼU字形に形成された外側の給電部(以下にコンタクト30,32と呼ぶ)に再び結合されており、これらの給電部の折り返された終端区分は、ベース4の通路内に進入するか、又はこれらの通路内に埋め込まれている。フィラメントアーム16,18、結合部20及び両給電部22,24は、有利にはタングステンより製造されている。
【0023】
ベース4内に埋め込まれた両給電部22,24は、両フィラメントアーム16,18をバルブ8の内部の所定の相対位置に位置決めするためには十分に安定していない。それ故、ランプ容器2にはほぼ中間部材20の高さに保持ノブ34,36が形成されている。これらの保持ノブ34,36は、図1による図面では図平面に対して垂直方向に、かつ図2による図面では図平面に対して平行に延びている。互いに直径上に位置する保持ノブ34,36は、内側方向へ中間部20へ向かって変形された、バルブ8の壁領域により形成されている、すなわち、前記バルブ8の壁は、前記保持ノブ34,36の領域で内側方向に変形されており、これにより、結合部20は保持ノブ34,36の両端面の間に挟み込まれており、ひいてはフィラメントアーム16,18が位置固定されている。これらのノブ技術は冒頭で述べたヨーロッパ特許庁特許第0446460号明細書に詳細に説明されている。図示の実施例では、保持ノブ34,36はそれぞれほぼ楕円形の横断面により形成されており、この横断面の長手方向軸線は、結合部20の、図1に水平方向に配置された領域38と重なっており、これにより、保持ノブ34,36の楕円形の端面と結合部20との間の最大結合面が達成される。
【0024】
製造時には、ポンプロッド突出部12にポンプ管が取り付けられ、このポンプ管により、バルブ8の内部が排気され、ハロゲンを含有する充填ガスにより充填される。充填後には、ポンプ管は除去され、ポンプロッド突出部12は溶融される。
【0025】
特に図1のA−A線に沿った、図3に示した断面図から判るように、バルブ8は冒頭で述べた従来技術の場合のように円筒状の横断面により構成されているのではなく、図1による図面では観察者に向いた光放出窓40を有しており、この光放出窓40には、後方へ、すなわち、光放出窓40から離れるように湾曲された容器区分42が続いている。この場合に、光放出窓40は丸みをつけられた2つの面区分43,45を介して、後方へ湾曲された容器区分42に移行する。この容器区分42の外周面には、図3に太線で示唆したように、光を反射する層44が被着されている。この層44は、例えば2色性の、又はシルバー又はアルミニウム層の形で構成されていてよい。この被覆層は図2では陰影により示唆されている。光放出窓40は反射性の層44により覆われていない。
【0026】
図3によれば、光放出窓40に接続された、容器区分42の壁領域は、ほぼ放物線状又は楕円状に湾曲されており、この場合に、頂点にはくびれ46が形成されており、このくびれ46により、壁はほぼ腎臓形に再び光放出窓40に向かって戻るように内側へ湾曲されている。
【0027】
前記くびれ46により、湾曲された2つの反射領域48,50が形成される。これらの反射領域48,50は、それぞれ1つのフィラメントアーム16,18に対応配置されており、これらのフィラメントアーム16,18を部分的に間隔をおいて取り囲んでいる。反射領域48,50により、それぞれ1つの部分リフレクタが形成されており、この部分リフレクタにより、対応配置されたフィラメントアーム16,18から放射された光が、放出窓の方向に反射され、これにより、ハロゲンランプ1の放射角度が、従来のランプの場合よりも著しく鋭角に制限されており、ひいては所定の面の一様な照明が可能となる。
【0028】
くびれ46が後側に、容器区分42の高さのほぼ全体にわたって、斜面6まで延びており、対応して両方の反射領域48,50も、両方のフィラメントアーム16,18の長さよりも高い領域にわたって延びている。
【0029】
横断面図で見てくびれ46の最も深い点が、両方のフィラメントアーム16,18の間の対称面に位置している。この対称面は図3では図平面に対して垂直に延びている。図3に示したように、放出窓の幅Bは奥行Uよりも大きく、すなわち、光放出窓40と、内側に湾曲された後壁又は容器区分42の両頂点47との間の最大間隔の間の最大間隔よりも大きく形成されている。図示の実施例のバルブ8の横断面形状は、図3による図面では光放出窓40の平均曲率半径が、後方に湾曲された容器区分42の平均曲率半径よりも大きくなっていることも特徴とする。
【0030】
図2によればベース4はいくらか左方へ、くびれ46に向かってずらされており、これにより、光放出窓40の頂点までの間隔Tが、図2による図面で見て図平面に対して垂直に配置された、容器区分42の、くびれ46(図3でのみ見ることができる)によって形成された両頂点47までの間隔よりも大きくなっている。特に図2から判るように、ポンプロッド突出部12はベース4のz軸の延長部に配置されており、ひいては同様に腎臓形の両反射領域48,50の頂点47へ向かってずらされている。図示のベースタイプでは、図1で見て中央の領域52の両側がいくらか除去されており(図1では図平面に対して垂直方向に)、これにより、ベース4の縁部には2つのウェブ54が残されている。
【0031】
被覆層が、有利には両方の面区分43,45へ向かって延びており、ドーム10も斜面6の少なくとも一部も覆っており、この場合に有利には斜面6の、光放出窓40(図1)の下方に配置された領域も被覆されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるハロゲン白熱ランプの前面図である。
【図2】図1のハロゲン白熱ランプの側面図である。
【図3】図1のA−A線に沿った横断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ハロゲン白熱ランプ、 2 ランプ容器、 4 ベース、 6 斜面、 8 バルブ、 10 ドーム、 12 ポンプロッド突出部、 14 発光体、 16,18 フィラメントアーム、 20 結合部、 22,24 給電部、 26,28 モリブデンシート、 30,32 コンタクト、 34,36 保持ノブ、 38 領域、 40 光放出窓、 42 容器区分、 43,45 面区分、 44 層、 46 くびれ、 47 頂点、 48,50 反射領域、 B 幅、 U 奥行

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン白熱ランプであって、一方側でシールされたランプ容器(2)が設けられており、該ランプ容器(2)内に発光体(14)が収容されており、容器区分(42)が、側方リフレクタの形で形成されており、該側方リフレクタが、ランプ容器周の部分領域にわたって延びており、周方向に、前記容器区分(42)にランプ容器(2)の光放出窓(40)が接続されている形式のものにおいて、ランプ容器(2)の横断面図で見て、側方リフレクタを形成する容器区分(42)が、平坦な、又は比較的わずかに湾曲された光放出窓(40)から離れるように外側に湾曲されていることを特徴とする、ハロゲン白熱ランプ。
【請求項2】
光放出窓(40)の平均曲率半径が、容器区分(42)の平均曲率半径よりも大きくなっている、請求項1記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項3】
ランプz軸に対して横方向に測定された、光放出窓(40)の幅(B)が、該幅(B)に対して直角に測定された、容器区分(42)の奥行(U)よりも大きい、請求項1又は2記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項4】
発光体(14)が、2つのフィラメントアーム(16,18)を有しており、容器区分(42)の頂点に、容器区分(42)の後壁が腎臓形に引き込まれているように、光放出窓(40)の方向に延びるくびれ(46)が形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項5】
くびれ(46)の最深点が、フィラメントアーム(16,18)に対する対称面に位置している、請求項4記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項6】
発光体(14)が、保持ノブ(34,36)により位置固定されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項7】
保持ノブ(34,36)が、湾曲された容器区分(42)の頂点領域(46,47)から延びており、かつ該保持ノブに対して直径上に配置された保持ノブ(34)が、発放出窓(40)から離れて発光体(14)に向かって延びている、請求項4から6までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項8】
フィラメントアーム(16,18)が、結合部(20)を介して互いに結合されており、該結合部(20)に保持ノブ(34,36)が係合する、請求項7記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項9】
容器区分(42)に、反射性の層(44)が設けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項10】
反射性の層(44)が、容器区分(42)の外周又は内周に被着されている、請求項9記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項11】
ランプ容器(2)のシールされた端部が、ベース(4)の形で形成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項12】
ランプ容器(2)のバルブ(8)が、環状の斜面(6)を介してベース(4)に移行している、請求項11記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項13】
ベース(4)が、光放出窓(40)の頂点によりも、容器区分(42)の頂点(47)により近く配置されている、請求項11又は12までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項14】
ポンプロッド突出部(12)が、ランプ容器(2)の、容器区分(42)を覆うドーム(10)に配置されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。
【請求項15】
ハロゲン白熱ランプが、電源電圧で運転するために設計されている、請求項1から14までのいずれか1項記載のハロゲン白熱ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−24566(P2006−24566A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198861(P2005−198861)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(390009472)パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング (152)