説明

ハンガー用立体タグ

【課題】衣料小売店舗等の販売現場でハンガーに装着し、商品の販売効果を得るハンガー用立体タグを提供する。
【解決手段】適宜厚さの紙板を用い、挿通孔2を中心に開口し、互いに前後に所要の間隔を存して対応する前縁1a1と後縁1b1に区画される天板部1aを上端に備え、前記前縁と後縁から二つ折りされて下方に延長形成される前表示面部1bと後表示面部1cを備え、前記天板部から適宜下方で、かつ、天板部の左側端1a3の左外方と右側端1a4の右外方とに前記前表示面部と後表示面部が夫々所要幅が延出されて、その前表示面部の左中段前表示面部上縁1b1と後表示面部の左中段後表示面部上縁1c1とに左中段天板部1d1が、その前表示面部の右中段前表示面部上縁1b2と後表示面部の右中段後表示面部上縁1c2とに右中段天板部1d2が夫々差し渡し形成されてなるハンガー用立体タグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料小売店舗等の販売現場でハンガーに装着し、商品に関する情報を記載表示し、商品の販売効果を得ることを目的に使用するハンガー用立体タグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンガーに装着するタグは、例えば、特許文献1に示すように、縦に細長く形成され、ハンガー10の連結部13が挿入される連結部挿入用穴21と、その連結部挿入用穴21の下方でハンガー10の本体部11の上端部が挿入される本体上端部挿入穴22とが上方部に形成され、前記連結部挿入用穴21より上端部に切目23が形成されているクリーニング用ハンガーがある。
【0003】
次に、特許文献2に示すように、帯状紙片の中心部に設けられたハンガーの吊下げ用フックを通すための挿通孔と、その挿通孔を中心とする帯状紙片の何れか一方の側又は両側に設けられ、衣類用ハンガーに掛けられる衣類のサイズ、広告、案内等の表示を、前記挿通孔を上側にして記載表示した表示部と、前記帯状紙片の両側に設けられ、衣料用ハンガー中央部下方凹部内に織り込まれて挿入される掛止舌片部とから構成されるハンガー用表示ラベルがある。
【0004】
次に、特許文献3に示すように、帯状紙片4の中心部に設けられたハンガーの吊下げ用フックを通すための挿通孔5と、その挿通孔5を中心とする帯状紙片4の何れか一方側又は両側に設けられ、衣類用ハンガーに掛けられる衣類のサイズを表示する表示部と、帯状紙片4の表示部6側の一端に設けられた掛止部7と、帯状紙片4の挿通孔5を中心として表示部6を対称となす部分に設けられた表示部6と同形の合せ部72と、切り取りにより形成された合せ部72内の受入れ部73とから構成されるハンガー用表示ラベルがある。
【0005】
次に、特許文献4に示すように、ハンガーのネック部分に被着して、該ハンガーに懸け吊す被服等の性状を立体的に表示するタグにおいて、四角筒枠状であって、展開状態で、前表示面、左右側表示面及び後表示面を備えた薄板紙を折り組で角筒枠状を形成し、さらに前記左右側表示面の下縁には、前記ハンガーの肩辺部形状に対応させた弧状切り欠きを形成してなるハンガー用立体型タグがある。
【特許文献1】実開平6−72599号公報
【特許文献2】実用新案登録第3106685号公報
【特許文献3】実用新案登録第3107978号公報
【特許文献4】実用新案登録第3070541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1の考案は、縦に細長く形成された紙片を基本形とし、連結部挿入用穴21と、その下方に上端部挿入穴22と、さらに、前記連結部挿入用穴21の上方部に切目23が形成されるものであるから、一般的な平板タグと同様の下げ札として個別識別標識としては、優れた機能を奏するが、商品の展示機能としては装飾性に欠けるものである。
【0007】
特許文献2のハンガー用表示ラベルは、帯状紙片の中心部に設けられたハンガーの吊下げ用フックを通すための挿通孔と、その挿通孔を中心とする帯状紙片の一方の側又は両側に設けられ表示部と、掛止舌片部とから構成されるものであるから、ハンガーの下面において、掛止舌片部を掛止める掛止め凹陥部を形成しなければならず、使用ハンガーが限定される。
【0008】
特許文献3のハンガー用表示ラベルは、前記特許文献2の改良型であって、衣類用ハンガーに掛けられる衣類のサイズを表示する表示部と、その表示部の一方側の一端に設けられた掛止部と、表示部の反対側の一端に設けられた合せ部72と、その合せ部72内の受入れ部73とから構成されるものであるから、ハンガーの首部を巻回してその先端を係合連結するから、ハンガーに掛られた商品の外側に装着することはできないものである。
【0009】
次に、特許文献4のハンガー用立体型タグは、四角筒枠から前表示面、左右側表示面及び後表示面を構成し、さらに、前記左右側表示面の下縁に、前記ハンガーの肩辺部形状に対応させた弧状切り欠きを形成してなるものであるから、上面に空きが形成されて装飾性に欠けるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、装飾性と形態維持性の向上を目的になされたものであって、適宜厚さの紙板を用い、挿通孔を中心に開口し、互いに前後に所要の間隔を存して対応する前縁と後縁に区画される天板部を上端に備え、前記前縁と後縁から二つ折りされて下方に延長形成される前表示面部と後表示面部を備え、前記天板部から適宜下方で、かつ、天板部の左側端の左外方と右側端の右外方とに前記前表示面部と後表示面部が夫々所要幅が延出されて、その前表示面部の左中段前表示面部上縁と後表示面部の左中段後表示面部上縁とに左中段天板部が、その前表示面部の右中段前表示面部上縁と後表示面部の右中段後表示面部上縁とに右中段天板部が夫々差し渡し形成されてなるハンガー用立体タグにある。
【0011】
前記ハンガー用立体タグは、前記挿通孔を中心に開口し、互いに前後に所要の間隔を存して対応する前縁と後縁に区画される天板部の左右に、前記天板部と同幅に左中段天板部と右中段天板部を構成すると共に、左中段後表示面部上縁に対応する対応左中段後表示面部上縁と、右中段後表示面部上縁に対応する対応右中段後表示面部上縁の後方に、左連結屈曲部と左差込み定着部と、右連結屈曲部と右差込み定着部とを、夫々、一体に付設し、前記左差込み定着部と右差込み定着部に対応して、前記左中段後表示面部上縁と右中段後表示面部上縁より離隔した内側の後表示面部において左係合孔と右係合孔を開設してもよいものである。
【発明の効果】
【0012】
従来の天板部から前後に二つ折りされて、前後に表示面を持つタグは、フックに掛けてハンガーに使用した場合に、下端をハンガーの下面の凹陥部に係合しない場合は、フリーであるので、商品の形状にしたがって、あるいは、展示時に引き起こし作用を受けてめくり上がり、商品の美感、品質等を強調するものが、その機能を損ね、反対に購入意欲を減衰させかねないものであった。また、下端をハンガーの下面の凹陥部する場合は、下面の凹陥部をもつハンガーでないと利用出来ない不便かあった。
【0013】
しかるに、本発明のハンガー用立体タグは、前述のように構成されるから、ハンガーに制限されず利用することができ、また、前後の表示面部は、中段の差し渡し部により天板部の下方で前後幅を規制し、前後の表示面部が天板部を中心として外側に湾曲することを防止するものである。
【0014】
また、本発明のハンガー用立体タグは、上面に、ハンガーのフック部に挿通する挿通孔を備える天板部と、左右中段天板部を備え、上部をカバーするので、ハンガーのフック部とその周囲を装飾し、併せて商品の上部と前後面を装飾して展示することができ、よって、立体タグの外形を美麗に保形し、商品の特徴の説明等の機能を発揮し、商品に接する顧客の購入意欲を高めるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
適宜厚さで、方形の紙板を用い、前記挿通孔を中心に開口し、互いに前後に所要の間隔を存して対応する前縁と後縁に区画される天板部を上端に備え、前記前縁と後縁から二つ折りされて下方に延長形成される前表示面部と後表示面部を備え、前記天板部から適宜下方で、かつ、天板部の左側端の左外方と右側端の右外方に、前記天板部と同幅に左中段天板部と右中段天板部を、前記左中段前表示面部上縁と、右中段後表示面部上縁とに接続して一体に構成すると共に、前記左中段天板部と右中段天板部に連結屈曲部と左差込み定着部と、右連結屈曲部と右差込み定着部とを、夫々、一体に付設し、前記左中段後表示面部上縁と右中段後表示面部上縁より離隔した内側の後表示面部において左前記左差込み定着部と右差込み定着部に対応して、左係合孔と右係合孔を開設し、前記左差込み定着部と右差込み定着部を後表示面部に定着してなる前記ハンガー用立体タグ。
【実施例】
【0016】
本発明のハンガー用立体タグを実施例1として示す図1〜図3により説明すると、実施例1のハンガー用立体タグ1は、適宜厚さで、外縁が方形の紙板を用い、挿通孔2を中心に開口し、互いに前後に所要の間隔を存して対応する前縁1a1と後縁1a2に区画される天板部1aを上端に備え、前記前縁1a1と後縁1a2から二つ折りされて下方に延長形成される前表示面部1bと後表示面部1cを備え、前記天板部1aから適宜下方で、かつ、天板部1aの左側端1a3の左外方と右側端1a4の右外方とに前記前表示面部1bと後表示面部1cが夫々所要幅が延出されて、その前表示面部1bの左中段前表示面部上縁1b1と後表示面部1cの左中段後表示面部上縁1c1とに左中段天板部1d1が、その前表示面部1bの右中段前表示面部上縁1b2と後表示面部1cの右中段後表示面部上縁1c2とに右中段天板部1d2が夫々差し渡し形成されてなるものである。
【0017】
次に、本発明のハンガー用立体タグの実施例2を図4〜図6により説明すると、始めに図4に示すように、所要の厚みの紙板を素材として表面に商品情報表示3を印刷その他の公知手段で行い、前記実施例1と同様の各部を区画し、その外形及び区画を切断して形成する。
【0018】
このハンガー用立体タグ10において、前記実施例1と同様に、天板部1aは、左右に左中段天板部1d1と右中段天板部1d2を構成するために、その左中段天板部1d1と右中段天板部1d2は、前記天板部1aと同幅に構成すると共に、左中段後表示面部上縁1c1に対応する対応左中段後表示面部上縁1c11と、右中段後表示面部上縁1c2に対応する対応右中段後表示面部上縁1c21の後方には、夫々、左連結屈曲部1e1と左差込み定着部1e11と、右連結屈曲部1e2と右差込み定着部1e21とを、夫々、一体に付設して備え、そして、前記左差込み定着部1e11と右差込み定着部1e21に対応して、前記左中段後表示面部上縁1c1と右中段後表示面部上縁1c2より離隔した内側の後表示面部1cにおいて左係合孔1f1と右係合孔1f2を図示の通り開設している。
【0019】
本発明の前記実施例1のハンガー用立体タグ1及び実施例2のハンガー用立体タグ10の天板部1aの幅は、ハンガー4のフック部4aの基端の厚み、商品を掛けた時の全体の厚み幅と適合するように構成する。また、天板部1aに開口する挿通孔2についても、ハンガー4のフック部4aに適合して形成する。左中段天板部1d1と右中段天板部1d2を構成するために、前記実施例2では、左差込み定着部1e11と右差込み定着部1e21を後表示面部1cにおいて開設した左係合孔1g1と右係合孔1g2に差込み係合しているが、この構成に限定するものではなく、図示しないが、接着剤手段による定着でもよいものである。
【0020】
本発明の実施例1のハンガー用立体タグ1及び実施例2のハンガー用立体タグ10は、前述のように構成されるから、ハンガー4には、例えば、図4に示すように、商品5を掛けた後に、フック部4aに挿通孔2を通して装着し、展示使用するものである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
商品の販売現場において、比較的長期にわたり、見栄え良く適切に商品説明が行えるので、商品流通の活性化に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1のハンガー用立体タグを示す正面側外観斜視図である。
【図2】同じく、背面側外観斜視図である。
【図3】同じく、本発明の実施例1のハンガー用立体タグをハンガーに装着した使用状態を示す外観斜視図である。
【図4】本発明の実施例2のハンガー用立体タグを構成する部材の展開図である。
【図5】同じく、本発明の実施例2のハンガー用立体タグを示す正面側外観斜視図である。
【図6】同じく、背面側外観斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1 実施例1のハンガー用立体タグ
1a 天板部
1a1 前縁
1a2 後縁
1a3 左側端
1a4 右側端
1b 前表示面部
1b1 左中段前表示面部上縁
1b2 右中段前表示面部上縁
1c 後表示面部
1c1 左中段後表示面部上縁
1c11 対応左中段後表示面部上縁
1c2 右中段後表示面部上縁
1c21 対応右中段後表示面部上縁
1d1 左中段天板部
1d2 右中段天板部
1e1 左連結屈曲部
1e11 左差込み定着部
1e2 右連結屈曲部
1e21 右差込み定着部
1f1 左係合孔
1f2 右係合孔
2 挿通孔
3 商品情報表示
4 ハンガー
4a フック部
5 商品
10 実施例2のハンガー用立体タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適宜厚さの紙板を用い、挿通孔を中心に開口し、互いに前後に所要の間隔を存して対応する前縁と後縁に区画される天板部を上端に備え、前記前縁と後縁から二つ折りされて下方に延長形成される前表示面部と後表示面部を備え、前記天板部から適宜下方で、かつ、天板部の左側端の左外方と右側端の右外方とに前記前表示面部と後表示面部が夫々所要幅が延出されて、その前表示面部の左中段前表示面部上縁と後表示面部の左中段後表示面部上縁とに左中段天板部が、その前表示面部の右中段前表示面部上縁と後表示面部の右中段後表示面部上縁とに右中段天板部が夫々差し渡し形成されてなるハンガー用立体タグ。
【請求項2】
適宜厚さの紙板を用い、前記挿通孔を中心に開口し、互いに前後に所要の間隔を存して対応する前縁と後縁に区画される天板部の左右に、前記天板部と同幅に左中段天板部と右中段天板部を構成すると共に、左中段後表示面部上縁に対応する対応左中段後表示面部上縁と、右中段後表示面部上縁に対応する対応右中段後表示面部上縁の後方に、左連結屈曲部と左差込み定着部と、右連結屈曲部と右差込み定着部とを、夫々、一体に付設し、前記左差込み定着部と右差込み定着部に対応して、前記左中段後表示面部上縁と右中段後表面面部上縁より離隔した内側の後表示面部において左係合孔と右係合孔を開設してなる請求項1のハンガー用立体タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−181052(P2008−181052A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16169(P2007−16169)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(500294268)東京吉岡株式会社 (3)