説明

ハンディスキャナ

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿面上の画像を読み取る装置に関し、特に、装置本体を移動させて画面上の画像を読み取るハンディスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のハンディスキャナは、原稿の画像を読み取る画像読み取り部と、副走査量を計測する副走査量計測手段と、定まった副走査密度で原稿の画像を読み取らせる画像読み取り駆動手段とを有する。
【0003】図1は、従来のハンディスキャナの構成を示す概略図である。装置本体1の画像読み取り部10を原稿2に走査させる。このとき、装置本体1を原稿2の上部から下部の方向に移動させることを副走査といい、この方向を副走査方向といい、画像読み取り部のαから順番にβまで読み取ることを主走査1ラインといい、この読み取る方向を主走査方向という。
【0004】図2は、副走査方向と読み取られた画像との関係を示す図である。(1)は、副走査方向Aの場合であり、(2)は、副走査方向Bの場合を示す図である。まず、(1)において、(a)は、原稿画像をA方向に副走査する図であり、(a’)は、読み取られた画像を示す図である。また、(2)において、(b)は、原稿画像をB方向に副走査する図であり、(b’)は、読み取られた画像を示す図である。従来のハンディスキャナは、主走査方向と副走査方向との関係を固定し、副走査が定められた方向(この方向をA方向とする)の時にのみ原稿画像(a)は相似形をなす。すなわち、(a’)の画像(この画像を表画像という)になる。
【0005】図3は、(1)の図1のβ側から読み始めた時と、(2)の読みとった画像をβ側から出力する時とを示す図である。画像読み取り部10のβ側から読み始めた時は、図3(1)に示す如く、原稿画像(a)は、(a)と相似形をなす読み取られた画像(c)になり、β側から出力するように指令した時は、図3(2)に示す如く、原稿画像(a)は、一旦読み取られた画像(b)となった後、(a)と相似形をなす出力された画像(c)になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常、原稿面上の画像を読み取る時は、原稿を操作者に正対させて置き、原稿の上部から順次下部に移動させて読み取る。ここで、ハンディスキャナは、原稿面上を自在に動かすことが出来ることから原稿の下部から上部に移動させて画像を読み取りたいとのニーズが生まれるが、副走査方向をA方向と逆方向(この方向をB方向とする)にすると、図2の(b’)の画像(この画像を裏画像という)になってしまう。
【0007】上述したように、従来のハンディスキャナは主走査方向と副走査方向との関係を固定し、例えば、B方向に副走査しても主走査は副走査をA方向にした時と同じ方向にしか主走査しないという問題を有する。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記問題を解消すべく、装置本体を原稿の下部から上部に移動させた時でも表画像が得られる機能を有することにより、操作の自在性が高まり、より便利なハンディスキャナを提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、機能を解除する手段を有することにより裏画像が欲しいとのニーズに応えることもできるハンディスキャナを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のハンディスキャナは、装置本体を、原稿の画面上を移動させて画像を読み取り電気信号に変換して出力する画像読み取り部と、原稿の画面に圧接するように配設するローラと、ローラの回転方向を検出し検出情報を出力する副走査方向検出手段と、ローラの回転を十分に増速して伝達する第1のギアを有する第1の伝達機構と、第1のギアの回転量を計測するロータリエンコーダとを有し副走査の量を計測する副走査量計測手段と、検出情報を受信して画像読み取り部に読み始めの順序又は読み取った画像データの出力順序を変換させる画像読み取り駆動手段と、読み始めの順序又は読み取った画像データの出力順序を変換させる機能を解除する変換機能解除手段とを有するハンディスキャナにおいて、副走査方向検出手段が、ローラの回転を十分に増速して伝達する第2のギアを有する第2の伝達機構と、第2のギアに内接してかつ回転可能な支軸に係合し一方向に回転する時にのみ支軸に回転を伝える一方向クラッチと、支軸に同芯で固定される円盤と、円盤の側面に対向してかつ近接して配備する光検知センサーとを有することを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】また、副走査方向検出手段では、装置本体を所定の方向に移動させると、ローラは所定の方向に回転し、第2の伝達機構を経て、円盤がローラと逆方向に回転し、装置本体を所定の方向と逆の方向に移動させると、ローラは逆の方向に回転し、一方向クラッチの伝達機能が解除されて、円盤が回転しないのが好ましい。
【0015】
【0016】本発明によるハンディスキャナは、特に、原稿の画面に圧接するように配設するローラと、ローラの回転方向を検出し検出情報を出力する副走査方向検出手段と、検出情報を受信して画像読み取り部に読み始めの順序又は読み取った画像データの出力順序を変換させる画像読み取り駆動手段と、画像読み取り部の読み始めの順序又は読み取った画像データの出力順序を変換させる機能を解除する手段とを有する。
【0017】より具体的には、装置本体を原稿の下部から上部の方向に移動させる(B方向に副走査する)と、原稿に圧接するローラがA方向に副走査した時と逆方向に回転し、副走査方向検出手段は副走査がB方向であることを示す情報を出力する。この情報を受信した読み取り駆動手段は、画像読み取り部のβ側から読み始めるように指令するか、又は読み取った画像データをβ側から出力するように指令する。β側から読み始めるように指令した時は、原稿画像は、相似形をなす読み取られた画像になり、β側から出力するように指令した時は、原稿画像は、一旦読み取られた画像となった後、原稿と相似形をなす出力された画像になる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0019】図4は、本発明のハンディスキャナの実施例の構成を示す斜視図である。このハンディスキャナの本体1は、画像読み取り部10,副走査量計測手段20,副走査方向検出手段30,画像読み取り駆動手段40,変換機能解除手段50からなる。
【0020】画像読み取り部10は、光源11が発光する光を透明板12を介して原稿の画面に照射し、その反射光を集光用のレンズ13を介して、例えば、光電変換素子を一列に配した読み取りセンサ14に読み取らせて電気信号として出力する。
【0021】副走査量計測手段20は、原稿に圧接するように配設するローラ21と、ローラ21の回転を十分に増速して伝達するギア22,第1のギア23の伝達機構と、第1のギア23の回転量を計測するロータリエンコーダ24とで形成される。
【0022】副走査方向検出手段30は、ローラ21の回転を十分に増速して伝達するギア22,第2のギア31の伝達機構と、第2のギア31に内接してかつ回転可能な支軸33に係合し一方向に回転する時にのみ支軸33に回転を伝える一方向クラッチ32と、支軸33に同芯で固定される円盤34と、円盤34の側面に対向してかつ近接して配備する光検知センサー35とで構成される。
【0023】副走査方向検出手段30では、装置本体1をB方向に移動させることにより、ローラ21はB方向に回転し、ギア22,第2のギア31,一方向クラッチ32,支軸33の回転伝達系を経て、円盤34がローラ21と逆方向に回転する。また、装置本体1をA方向に移動させると、ローラ21はA方向に回転し、一方向クラッチ32の伝達機能が解除されて、円盤34は回転しない。
【0024】変換機能解除手段50は、手動によるスイッチ走査で副走査方向検出手段30から出力されるパルス信号または画像読み取り駆動手段40の指令を無効にするものである。
【0025】図5は、円盤34および光センサ35の作用を示す図である。(1)は、円盤34の側面パターンを示し、(2)は、光センサーの出力信号を示す図である。(1)に示すように、円盤34は、例えば、黒色の側面に同一形状の白色パターンを等間隔で円形状に配設し、回転するとパターンに対向してかつ近接して配備する光検知センサ35は、(2)に示すようなパルス信号を出力する。すなわち、副走査方向Bの時、パルス信号を発生する。円盤34が回転しないと、光検知センサ35の出力は平坦になる。
【0026】次に,図6,図7は、画像読み取り駆動手段40の主要動作手順を示すフローチャートである。図6R>6は、主走査方向を変換する場合を示し、図7は、出力順序を変換する場合を示す図である。なお、ここで説明するα側,β側は、図1に示すα,βである。
【0027】図6の画像読み取り駆動手段40が主走査方向を変換する場合は、変換機能解除手段50を、「解除する」又は「解除しない」に設定する(手順S1)。「解除しない」に設定すると副走査方向検出手段30は、副走査がA方向の時は平坦な信号を出力し、副走査方向がB方向の時はパルス信号を出力して、副走査方向がどちらであるかを検出する(手順S2)。画像読み取り駆動手段40は、信号が平坦な信号かパルス信号かを識別し(手順S3)、パルス信号の時はβ側から読み始めるように画像読み取り部10に指令し(手順S4)、画像読み取り部10はβ側から読み取った画像データを装置外に出力する(手順S5)。平坦な信号の時は、画像読み取り駆動手段40はα側から読み始めの指令を出す(手順S6)。変換機能解除手段50を「解除する」に設定すると、画像読み取り駆動手段40は、α側から読み始めの指令を出す(手順S6)。
【0028】図7の画像読み取り駆動手段40が画像データの出力順序を変換する場合は、変換機能解除手段50で「解除しない」に設定する(手順S1)と、副走査方向検出手段30は、副走査方向がどちらであるかを検出する(手順S2)。画像読み取り駆動手段40は信号を識別し(手順S3)、パルス信号の時は読み取った画像データをβ側から出力するよう指令し(手順S4)、画像データを装置外に出力する(手順S5)。平坦な信号の時は、画像読み取り駆動手段40はα側から読み始めの指令を出す(手順S6)。また、変換機能解除手段50を「解除する」に設定すると、画像読み取り駆動手段40は、α側から出力するよう指令を出す(手順S6)。副走査方向検出手段30は上記実施例の他、一方向クラッチを使用せず円盤のパターンの幅を次第に小さく、又は大きくしその変化を検出する方法もある。さらに、発電機を使用して回転方向を電圧の極性で識別する方法もある。
【0029】このように、装置本体を原稿の下部から上部の方向に移動させる(B方向に副走査する)と、原稿に圧接するローラがA方向に副走査した時と逆方向に回転し、副走査方向検出手段は副走査がB方向であることを示す情報を出力する。この情報を受信した読み取り駆動手段は、図1に示す画像読み取り部のβ側から読み始めるように指令するか、又は読み取った画像データをβ側から出力するように指令する。β側から読み始めるように指令した時は、図3(1)に示す如く原稿画像(a)は、(a)と相似形をなす読み取られた画像(c)になり、β側から出力するように指令した時は、図3(2)に示す如く原稿画像(a)は、一旦読み取られた画像(b)となった後、(a)と相似形をなす出力された画像(c)になる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、装置本体を移動させて画面上の画像を読み取るハンディスキャナにおいて、ハンディスキャナを原稿の下部から上部に移動させて画像を読み取る場合に読み取られた画像が裏画像になることを防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハンディスキャナの実施例の走査方法を示す概略図である。
【図2】副走査方向と読み取られた画像との関係を示す図である。(1)は原稿画像をA方向に走査する場合、(2)は原稿画像をB方向に走査する場合の画像を示す図である。
【図3】画像を示す図である。(1)は、図1のβ側から読み始めた場合、(2)は、読みとった画像をβ側から出力する場合の画像を示す図である。
【図4】本発明のハンディスキャナの実施例を示す斜視図である。
【図5】図4の円盤および光検知センサーの作用を示す図である。(1)は円盤の側面パターン、(2)は光センサーの出力信号を示す図である。
【図6】画像読み取り駆動手段の動作(主走査方向を変換する場合)を示すフローチャートである。
【図7】画像読み取り駆動手段の動作(出力順序を変換する場合)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 装置本体
2 原稿
10 画像読み取り部
20 副走査量計測手段
30 副走査方向検出手段
40 画像読み取り駆動手段
50 変換機能解除手段
21 ローラ
22 ギア
23 第1のギア
31 第2のギア
32 一方向クラッチ
33 支軸
34 円盤
35 光検知センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】装置本体を、原稿の画面上を移動させて画像を読み取り電気信号に変換して出力する画像読み取り部と、前記原稿の画面に圧接するように配設するローラと、前記ローラの回転方向を検出し検出情報を出力する副走査方向検出手段と、前記ローラの回転を十分に増速して伝達する第1のギアを有する第1の伝達機構と、前記第1のギアの回転量を計測するロータリエンコーダとを有し、前記副走査の量を計測する副走査量計測手段と、前記検出情報を受信して前記画像読み取り部に読み始めの順序又は読み取った画像データの出力順序を変換させる画像読み取り駆動手段と、前記読み始めの順序又は読み取った画像データの出力順序を変換させる機能を解除する変換機能解除手段とを有するハンディスキャナにおいて、前記副走査方向検出手段が、前記ローラの回転を十分に増速して伝達する第2のギアを有する第2の伝達機構と、前記第2のギアに内接してかつ回転可能な支軸に係合し一方向に回転する時にのみ前記支軸に回転を伝える一方向クラッチと、前記支軸に同芯で固定される円盤と、前記円盤の側面に対向してかつ近接して配備する光検知センサーとを有することを特徴とするハンディスキャナ。
【請求項2】前記副走査方向検出手段では、前記装置本体を所定の方向に移動させると、前記ローラは前記所定の方向に回転し、前記第2の伝達機構を経て、前記円盤が前記ローラと逆方向に回転し、前記装置本体を前記所定の方向と逆の方向に移動させると、前記ローラは前記逆の方向に回転し、前記一方向クラッチの伝達機能が解除されて、前記円盤が回転しないことを特徴とする、求項1に記載のハンディスキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【特許番号】特許第3130848号(P3130848)
【登録日】平成12年11月17日(2000.11.17)
【発行日】平成13年1月31日(2001.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−310185
【出願日】平成9年11月12日(1997.11.12)
【公開番号】特開平11−146150
【公開日】平成11年5月28日(1999.5.28)
【審査請求日】平成9年11月12日(1997.11.12)
【出願人】(000197366)静岡日本電気株式会社 (1,236)
【参考文献】
【文献】特開 平5−130320(JP,A)
【文献】特開 平5−75790(JP,A)
【文献】特開 平5−183728(JP,A)
【文献】実開 昭52−137851(JP,U)