説明

ハンディーモップ

【課題】 本発明は、室内、車内、家具等の清掃作業に使い勝手が良く、モップの交換が容易なハンディーモップに関するものである。
【解決手段】 本発明のハンディーモップは、握り部、突起部、二股状部が一体に構成されている把手、および、モップと前記モップを取り付ける袋体が取り付けられている交換部とから少なくとも構成されている。前記把手の二股状部および突起部を前記袋体に入れている。前記把手は、握り部から先端に向かって互いに接する方向に二股に分かれている。また、前記把手は、合成樹脂のような弾性体から構成されており、先端において、長さが異なるようになっており、前記袋体に入れ易い形状になっている。前記把手は、前記握り部の下部に下方向に水平面を有し、前記水平面に、先端部方向と反対方向に曲がって突出する突起部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内、車内、家具等の清掃作業に使い勝手の良いハンディーモップに関するものである。また、本発明は、モップ部分の交換が容易で、しかも、狭い部分の清掃においても、モップが把手から脱落することがないハンディーモップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記ハンディーモップは、室内、車内、あるいは家具等の細かな部分の清掃を行うのに都合が良いものであり、汚れたモップを交換することができるようにできている。
【0003】
たとえば、特開2010−268973号公報に記載されているハンディーモップは、一対のモップ本体と、前記モップ本体の取付用隙間に挿入される一対の取付片と挿入体とを有する取付部と、前記取付部の挿入体が挿入される挿入空間を形成する保持側面を有する把持部とを備えている。把持部の保持側面に側面開口が形成され、前記取付部の挿入体に側面開口に係合する側面突起が設けられている。前記把持部の保持側面に、挿入空間に挿入体が挿入される際、挿入体の側面突起により押圧されて湾曲するバネ領域が形成されている。
【0004】
また、特開2005−161051号公報に記載されているハンドモップは、使用しない場合、把手を折り曲げることができ、不使用中に前記把手を折り曲げることにより、多くの空間を占有せずに、コンパクトにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−268973号公報
【特許文献2】特開2005−161051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記ハンディーモップは、狭い部分を清掃する場合、モップ部分が引っ掛かり、把手から外れ易いという欠点があった。また同時に、前記ハンディーモップは、汚れたモップを交換し易い構造にする必要がある。
【0007】
以上のような課題を解決するために、本発明は、狭い部分を清掃した場合であっても、モップが把手から外れ難く、汚くなったモップを容易に取り外すことができるハンディーモップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1発明)
第1発明のハンディーモップは、握り部、前記握り部から先端に向かって互いに接するように二股に分かれているとともに、前記先端の長さが異なる二本の二股状部、前記握り部の下部に下方向で、先端部方向と反対方向に曲がった突起部がそれぞれ弾性体で一体に成形されている把手と、撚り糸および/または不織布を多数束ねたモップと、前記モップのほぼ中央部上に取り付けられ、前記長さの異なる二股部の一方づつを別々に入れるとともに、前記突起部を入れる開口部を有する袋体と、前記袋体の長さ方向および前記モップの中央部において直角方向に固定するミシン目と、前記モップおよび前記袋体が熱によって溶着されている溶着部とから少なくとも構成されており、前記把手の二股状部を前記袋体に入れ、前記突起部を袋体の開口部に係合していることを特徴とする。
【0009】
(第2発明)
第2発明のハンディーモップにおいて、前記二股状部は、互いに接する部分の幅が広く成形されていることを特徴とする。
【0010】
(第3発明)
第3発明のハンディーモップにおいて、前記把手における長さの異なる二本の二股状部は、先端部において、互いに向き合って広がる方向に薄くなっていることを特徴とする。
【0011】
(第4発明)
第4発明のハンディーモップにおいて、前記袋体は、二枚の合成樹脂製シートが先端部で共に折り返された第1の折り返し部と、終端部で上部のシートのみが折り返された第2の折り返し部とから構成されていることを特徴とする。
【0012】
(第5発明)
第5発明のハンディーモップにおいて、前記モップおよび袋体は、モップの繊維方向と直角方向のみに断続的に溶着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、把手は、握り部から先端に向かって互いに接するように二股に分かれているため、水平面を有する袋体の中に入れる際に摩擦が生じることにより、抜け難いだけでなく、前記二股部が互いに接する方向に力が働くため、モップが互いに二つ折りの状態になる。
【0014】
本発明によれば、水平面を有する袋体に弾性を有する二股状部を水平に捻じるように入れるため、最終的に垂直方向(袋に対して二つ折りになる方向)の力が働き、前記二股状部と袋体との間に摩擦が生じ、モップが清掃作業では抜け難く、交換の際に容易に取り外しができる。
【0015】
本発明によれば、弾性体からなる把手の二股状部は、長さを変えるとともに、先端部を薄くしているため、捻じるようにして前記一つ一つを別々に袋体に挿入することが容易にできる。
【0016】
本発明によれば、モップと袋体は、熱を加えて溶着されているため、容易に接着されるとともに、互いに離れることがない。
【0017】
本発明によれば、袋体を二枚重ね、折り返しを工夫することで、袋部と底および開口部を同じ部材で容易に作製することができる。
【0018】
本発明によれば、モップと袋体との接着は、熱溶着であるため、連続的に行わずに、一部を断続的に接着することで、作製時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例であるハンディーモップの把手を説明するためのもので(イ)はハンディーモップにおける側面図、(ロ)は底面図、(ハ)は斜視図である。(実施例1)
【図2】(イ)は本発明の実施例を説明するためのものであり、モップと袋体の複数個が連続して設けられている状態を説明するための図で、(ロ)は1個の袋体の上面図、(ハ)は袋体を説明するための断面図である。
【図3】(イ)は本実施例において、モップに把手を挿入する状態を説明するための図、(ロ)は把手にモップが入った状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1発明)
本発明のハンディーモップは、握り部、突起部、二股状部が一体に構成されている把手、および、モップと前記モップを取り付ける袋体が取り付けられている交換部(交換が可能なモップ部分)とから少なくとも構成されている。前記把手の二股状部および突起部を前記袋体に入れている。前記把手は、握り部から先端に向かって互いに接する方向に二股に分かれている。また、前記把手は、合成樹脂のような弾性体から構成されており、先端において、長さが異なるようになっており、前記袋体に入れ易い形状になっている。前記把手は、前記握り部の下部に下方向に水平面を有し、前記水平面に、先端部方向と反対方向に曲がって突出する突起部を有する。
【0021】
前記モップは、合成樹脂または天然の糸を縒って集合体とした紐状のもの、あるいは不織布を紐または糸状にしたもの等を多数束ねたものであり、普通公知のものである。前記モップは、長さ方向の中央部において、袋体が直角方向に重ねられ、ミシン目によって固定され、前記糸または不織布等がバラケないように集合されている。前記袋体は、前記モップの中央部において、ミシン目により二つの袋体が前記二股状部を別々に入れることができるように隣合って水平に形成されている。
【0022】
前記把手の二股状部は、長さの長い方から、一本ずつ水平方向に曲げる(広げる)ようにして前記それぞれの袋に入れられる。前記水平方向に曲げて入れられた二股状部は、材質の弾性により互いに接近する元の方向に力が加わることにより、水平方向のモップが互いに接近して折り曲げられる。また、前記把手に設けられた突起部は、前記袋体に設けられた開口部に入れられる。前記開口部に入った突起部は、狭い所を清掃する際に、前記モップが外れる方向の力が加わっても、簡単に外れない。前記突起部は、前記モップを交換する際に、前記袋体の開口部から外すか、あるいは強い力により破いて取り外すことが容易にできる。
【0023】
前記モップおよび前記袋体は、たとえば、合成樹脂によって作製されているため、上部から熱を加えることにより溶着される。また、前記モップと袋体は、中央部がミシン目によって縫い付けられている。前記ハンディーモップは、必要に応じて、モップを所望の形状に刈り上げられる。
【0024】
(第2発明)
第2発明のハンディーモップにおける二股状部は、互いに接する部分の幅を広めに成形される。前記幅広の二股状部は、材質の弾性を利用して、水平方向に捻じるようにして、前記水平面となっている袋体に入れられる。前記二股状部は、水平な袋体に入れられた後、前記弾性により互いにモップを接近させる方向に移動し、所望の形状のモップができる。
【0025】
(第3発明)
第3発明のハンディーモップにおける二股状部は、互いの長さを異なるようにするとともに、先端部を互いに向き合って広がる方向に薄くしている。前記薄くなっている先端部は、一つ一つを前記袋体に入れる場合、袋体の厚さ方向が薄くなっていても、挿入し易い形状になっている。
【0026】
(第4発明)
第4発明のハンディーモップにおける袋体は、第1の折り返し部と第2の折り返し部を備えている。前記第1の折り返し部は、二枚の合成樹脂製シートが先端部で共に折り返され、前記合成樹脂製シートの間が有底の袋となっている。第2の折り返し部は、前記袋体の終端部(二股状部にとっては入口)において、重ねられている二枚の内、上部のシートのみが折り返されて合成樹脂製シートの袋体入口となって、二股状部が入り易い形状になっている。
【0027】
(第5発明)
第5発明のハンディーモップにおけるモップおよび袋体は、モップの繊維方向と直角方向のみに断続的に溶着されている。前記溶着は、前記袋体が形成できれば、全面的に接着する必要がない。前記溶着は、モップの繊維および袋体を溶かす関係上、時間がかかる。前記溶着は、断続的であるため、作製に時間がかからないという効果を有する。
【実施例1】
【0028】
図1は本発明の実施例であるハンディーモップの把手を説明するためのもので(イ)はハンディーモップにおける側面図、(ロ)は底面図、(ハ)は斜視図である。図1(イ)から(ハ)において、把手11は、握り部111と、前記握り部111の中間部近傍下面に形成されている平面部112に設けられた引掛突起部113と、前記握り部111に連設された二股状部114が一体に形成されている。前記二股状部114は、長い偏平な棒状体115と、同じく長さの短い棒状体115′が互いにほぼ接する状態で設けられている。
【0029】
前記棒状体115、115′は、薄い幅を有する断面形状が長方形からなり、少なくとも一方に所定間隔で緩やかな凸状部117、117′および幅狭部118、118′が複数、上下方向に設けられている。前記凸状部117、117′および幅狭部118、118′は、長さ方向および高さ方向の強度を増す作用がある。また、前記棒状体115、115′の先端部は、互いに対向する向きに薄い部分116、116′を備えている。前記把手11は、たとえば、合成樹脂部材からなり、弾性を有する部材から構成されている。
【0030】
前記握り部111は、モップにより狭い部分の清掃を行う際に、握り易い形状である。また、前記握り部111は、中間部の下部にほぼ平らな部分を有し、前記平らな部分に引掛突起部113が設けられている。前記引掛突起部113は、後述の袋体に設けられた開口部に入り、抜け難い方向に曲げられた状態で突出している。前記凸状部117、117′および幅狭部118、118′は、凹凸により、後述のモップが摩擦により抜け難いようになる。
【0031】
図2(イ)は本発明の実施例を説明するためのものであり、モップと袋体の複数個が連続して設けられている状態を説明するための図で、(ロ)は1個の袋体の上面図、(ハ)は袋体を説明するための断面図である。モップ12は、木綿糸、合成樹脂製糸、不織布からなる糸状体等の集合体から構成されている。前記モップ12の材質は、前記以外に、公知の如何なるものを使用することもできる。なお、前記モップ12は、図において、模式図であるため必ずしも正確に描かれていない。前記モップ12は、図2に示すように、繊維が縦長に多数、所定の厚さで載置される。また、前記モップ12は、所定の距離毎に前記把手11を入れる袋体13が中央をミシン目131により縫いつけられている。
【0032】
図2(ロ)および(ハ)に示すように、前記袋体13は、二枚が重ねられた状態で、中央部がミシン目でモップ12に取り付けられている。また、前記袋体13は、図2(ハ)に示すように、先端部で二枚を同時に折り返した第1の折り返し部133と、終端部(後述の把手を入れる入口部)で一枚を折り返した第2の折り返し部134とから構成されている。さらに、二枚ある内の一番下の袋体13は、前記終端部において、ほぼ中央部に開口部135が設けられている。
【0033】
前記袋体13は、上部中央部にミシン目131により、モップ12と一体になっている。また、前記袋体13は、側部において、前記ミシン目131と平行に断続的または連続的に溶着部132が設けられている。前記袋体13は、前記先端部および終端部において、第1の折り返し部133および第2の折り返し部134を含めて溶着されて、左右(図において上下)に袋が構成されている。前記モップ12は、切断線121(図2参照)により所望の長さの所で、切断されている。
【0034】
図3(イ)は本実施例において、モップに把手を挿入する状態を説明するための図、(ロ)は把手にモップが入った状態を説明するための図である。図3(イ)および(ロ)において、前記把手11(図1参照)は、合成樹脂のような弾性体から構成されており、先端の薄肉部116、116′(図2参照)において、長さが異なるようになっており、前記袋体13に入れ易い形状になっている。
【0035】
前記把手11の二股状部114は、長さの長い方から、一本ずつ水平方向に曲げるようにして、水平になっている前記左右の袋にそれぞれ入れられる。前記水平方向に曲げて入れられた二股状部114(特に、棒状体115、115′)は、その後、材質の弾性により互いに接近する方向に力が加わることにより、図3(ロ)に示すように、水平方向のモップ12が互いに接近して、図示のように、二つに折り曲げられる。
【0036】
また、前記把手11の下部平面部112に設けられた引掛突起部113は、前記袋体13に設けられた開口部135に入れられる。前記開口部135に入った引掛突起部113は、狭い所を清掃する際に、前記モップ12が外れる方向の力が加わっても、簡単に外れない。前記引掛突起部113は、前記モップ12を交換する際に、前記袋体13の開口部135を強い力により破いて取り外すことが容易にできる。
【0037】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、持許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明のモップおよび把手の材質形状は、任意に変えることができる。
【符号の説明】
【0038】
11・・・把手 13・・・袋体
111・・・握り部 131・・・ミシン目
112・・・平面部 132・・・溶着部
113・・・引掛突起部 133・・・第1の折り返し部
114・・・二股状部 134・・・第2の折り返し部
115、115′・・・棒状体 135・・・開口部
116、116′・・・薄肉部
117、117′・・・凸状部
118、118′・・・幅狭部
12・・・モップ
121・・・切断線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
握り部、前記握り部から先端に向かって互いに接するように二股に分かれているとともに、前記先端の長さが異なる二本の二股状部、前記握り部の下部に下方向で、先端部方向と反対方向に曲がった突起部がそれぞれ弾性体で一体に成形されている把手と、
撚り糸および/または不織布を多数束ねたモップと、
前記モップのほぼ中央部上に取り付けられ、前記長さの異なる二股部の一方づつを別々に入れるとともに、前記突起部を入れる開口部を有する袋体と、
前記袋体の長さ方向および前記モップの中央部において直角方向に固定するミシン目と、
前記モップおよび前記袋体が熱によって溶着されている溶着部と、
から少なくとも構成されており、前記把手の二股状部を前記袋体に入れ、前記突起部を袋体の開口部に係合していることを特徴とするハンディーモップ。
【請求項2】
前記二股状部は、互いに接する部分の幅が広く成形されていることを特徴とする請求項1に記載されたハンディーモップ。
【請求項3】
前記把手における長さの異なる二本の二股状部は、先端部において、互いに向き合って広がる方向に薄くなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたハンディーモップ。
【請求項4】
前記袋体は、二枚の合成樹脂製シートが先端部で共に折り返された第1の折り返し部と、終端部で上部のシートのみが折り返された第2の折り返し部とから構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載されたハンディーモップ。
【請求項5】
前記モップおよび袋体は、モップの繊維方向と直角方向のみに断続的に溶着されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載されたハンディーモップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−63154(P2013−63154A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203191(P2011−203191)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(592163789)大一紙工株式会社 (6)
【Fターム(参考)】