説明

ハンドオーバのためのセルラー通信システム、装置、および方法

【課題】ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのための方法を提供する。
【解決手段】ワイヤレス加入者通信ユニットにおいて第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信するステップと、第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信するステップと、少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の第2の基地局に、ハンドオーバ確認メッセージを送信するステップと、第2の基地局でサポートされるセルにおいて第2の基地局にアップリンク・データを送信するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラー通信システムの通信リソースの利用に関する。更に詳細には、セルラー通信システムの同期したハンドオーバに関する。なお、これに限られるものではない。
【背景技術】
【0002】
現在では、第三世代のセルラー通信システムが、携帯電話ユーザに提供される通信サービスを更に向上させるために利用されている。最も広く採用されている第三世代の通信システムは、符号分割多重アクセス方式(CDMA)および周波数分割複信(FDD)または時分割複信(TDD)技術に基づいている。CDMAシステムにおいて、ユーザ分離は、異なる拡散および/またはスクランブリング・コードを同じキャリア周波数で、かつ同じ時間間隔で、異なるユーザに割り当てることによって達成される。これは、時分割多重アクセス(TDMA)と対照的なシステムである。この場合には、ユーザ分離は、異なるタイムスロットを異なるユーザに割り当てることによって達成される。加えて、TDDは、アップリンクおよびダウンリンクの両方の送信に同じキャリア周波数を提供する。すなわち、アップリンクとは、移動無線通信ユニット(しばしばワイヤレス加入者通信ユニットと称する)から基地局の役割をする通信インフラストラクチャへの無線を介した送信のことであり、ダウンリンクとは、基地局を介して、通信インフラストラクチャから移動無線通信ユニットへの送信のことである。TDDでは、キャリア周波数は、時間領域において、一連のタイムスロットに再分割される。一つのキャリア周波数が、あるタイムスロットの間、アップリンク送信にアサインされ、そして他のタイムスロットの間、ダウンリンク送信にアサインされる。この原理を使用した通信システムの実例は、Universal MoBile Telecommunication System(UMTS)である。CDMA、および特にWide−Band CDMA(WCDMA)のUMTSモードの詳細は、非特許文献1に開示されている。
【0003】
図1をここで参照する。非特許文献2において合意された非同期ネットワークのIntra−LTEハンドオーバ手順のメッセージ・シーケンスチャート100が例示されている。RAN2#58で合意されたアプローチは、ユーザ機器(UE:user equipment)110と、ソースeNode−B115と、ターゲットeNode−B120との間の通信を記述している。このアプローチは、専用のリソースを有する無コンテンション(contention−free)手順を使用しているターゲットセルへのUEアクセスを容易にする。合意された手順によれば、UEは、信号品質測定を実行し、メッセージ130において、これらの測定値をソースeNode−B115に送信する。ソースeNode−B115は、その後ハンドオーバ(HO)プロセス135を始めて、HO要求メッセージ140を(UE無線アクセスネットワーク(RAN:radio access network)を通じて)ターゲットeNode−B120に送信する。
【0004】
ターゲットeNode−B120は、許可コントロール145を実行し、かつ許可制御プロセス145の間、専用のプレアンブルをターゲットセルのRACHアクセスに割り当てる。割り当てられた専用のプレアンブル・メッセージは、ターゲットeNode−B120から、ソースeNode−B115に、C−RNTI(Cell Specific Radio Network Temporary Identifier)を使用して、ハンドオーバ(HO)要求肯定応答(ACK)メッセージ150によって送られる。その後、UE110にハンドオーバ(HO)コマンドメッセージ155が送られる。
【0005】
UE110は、その後肯定応答160をソースeNode−B115に送信する。そして、eNode−B115は、アップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)の両方の方向の転送のためのデータを準備する165。この用意されたデータは、ソースeNode−B115からターゲットeNode−B120に送信される170。UE100は、その後、割り当てられた専用のプレアンブル175を使用して、ターゲットENode−B120にRACHアクセスを実行することが可能である。eNode−B120は、タイミングアドバンス(TA)およびULグラント詳細(grant detail)180を示すRACHレスポンスを返す。UEはその後HO確認メッセージ185をターゲットeNode−B120に送信する。そして、eNode−B120は更にACKメッセージ190を返す。したがって、UEは、アクセスの前に新規なセルに同期しないため、これは非同期ハンドオーバである。
【0006】
プレアンブル・スペースは、2つの部分に分けられている。すなわち専用のプレアンブル、およびランダムなプレアンブルである。標準のRACHアクセスのために、UE110は、ランダムなプレアンブル部からランダムにプレアンブルを選び、そして非同期RACHチャネル175上において、選択されたプレアンブルを送信する。ランダムなプレアンブルの部分内のプレアンブルだけが、セル内でブロードキャストされる必要がある。専用のプレアンブルは、ネットワーク(eNode−B)によって、UE110に常に割り当てられる。
【0007】
さて、図2を参照する。メッセージ・シーケンスチャート200は、UE210のアクセスのために利用できるプレアンブルがないケースを例示する。または、ターゲットセルの中で、ターゲットeNode−B220がRACHアクセスのための専用のプレアンブルを割り当てない。この場合に、UE210はコンテンションベースの非同期RACHアクセスを介してターゲットeNode−B220にアクセスする。そして、これに応答して、ターゲットeNode−B220は、HO要求ACKメッセージ250をソースeNode−B215に送信し、eNode−B215は、次にHOコマンド255をUE210に送信する。これには、専用のプレアンブルを伴わない。
【0008】
この手順で使用されるコンテンションの態様に関して、例えば、二つ以上のUEが同じプレアンブルを選ぶ場合、UEは同じRACHレスポンス180をリスニングしている。しかしながら、ターゲットeNode−B220は、最も強い信号しか検出できない。それ故、TAは、最も強い信号を有するUEに対して算出される。この場合、全てのコンテンション状態のUEは、TAを受信し、かつそれが自分自身のTAであると仮定する。タイミングアラインメントを実行した後に、コンテンション状態のUEは、その後スケジュールされたリソースにおける一意の名前を送信する。二つ以上のUEが同じULリソースに送信しており、通常は、これにより更なる衝突が生じる点に留意する必要がある。
【0009】
しかしながら、UEによって送られる信号175をeNode−Bが正しく受信し、かつ復号化する場合には、eNode−Bはメッセージ180によってUEの固有IDを送る。全てのコンテンション状態のUEは、メッセージ180中の送信されたメッセージをリスニングする。固有のIDが、UEのそれぞれの識別子(ID)にマッチした場合、そのUEによる、セルへのアクセスは成功したことになる。この場合、他の失敗したUEは、メッセージ275からの手順を繰り返し、他のランダムに選択されたプレアンブルを送信することによってRACHアクセスを再開する。スケジュールされた送信メッセージ280が、リソース衝突によって、ターゲットeNode−B220によって正しく受信されない場合、ステップ285のコンテンションのメッセージは可能でない(送ることができない)。この場合、UEは、タイマーの終了後、RACH手順を再開する。
【0010】
また、専用のプレアンブル(無コンテンション)ベースのアクセスが失敗した場合、UE210は、非同期RACHチャネル275で、ランダムに選択されたプレアンブルを使用してターゲットセルにアクセスする。この場合、UE210はスケジュールされた送信280をターゲットeNode−B220に送信する。eNode−B220は、最終的な確認およびACK送信185、190の前に、コンテンションの解消ステップ285によって応答する。
【0011】
したがって、合意された非同期HO手順は、UE110、210が非同期RACHチャネルの新規なセルにアクセスすることを必要とする。HO負荷は、かなりの全体的なRACH負荷をもたらす。非特許文献3において、サムスン(登録商標)によって提供されたR2−07025のRACH負荷分析によれば、RACH負荷の50−70%は、ハンドオーバの後のセル・アクセスによって生じる。
【0012】
この種のハンドオーバ手順のRACH負荷の減少は、無線の効率の観点から常に有益であることが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】“WCDMA for UMTS”, Harri Holma (editor), Antti Toskala (Editor), Wiley & Sons, 2001, ISBN 0471486876
【非特許文献2】R2−072847,‘Draft1 minutes’ of the 58th TSG−RAN WG2 meeting, KoBe, Japan, 07−11 May 2007
【非特許文献3】R2−07025‘LTE cell load/RACH load estimations’, Samsung, RAN2#56Bis, Sorrento, Italy, 15−19 January 2007,
【非特許文献4】R2−070214‘Contention and contention−free intra−LTE handovers’
【非特許文献5】TS 36.211(3GPP TS 36.211 v.1.1.1(2007−05), “3GPP Technical specification group radio access network, physical channels and modulation (release 8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した周知の先行技術は、非同期ネットワークのハンドオーバを取扱い、DLタイミングは、同期していない。これに対して、同期ネットワークでは、ダウンリンク(DL)送信は同期する(すなわち、DLフレーム・タイミングは、異なるeNode−Bで同時に発生する)。なお、タイミングアドバンス(TA)は、UEによってUL送信のために調整することが必要なタイミングアラインメントである。
【0015】
同期されたハンドオーバにおいて、UEは、新規なセルにおけるセル・アクセスの前に新規なセルにUL同期を得ることが可能である。同期ネットワークにおいて、UEは、ソースセルのTA、およびソースとターゲットセルとから受けた信号間の時間差に基づいてタイミングアドバンスを算出することが可能である。非同期ネットワークにおいて、ソースとターゲットセルとの間の時間差がUEに与えられた場合、UEはTAを算出することが可能である。
【0016】
要約すると、同時に送信された場合、UEの特定の位置、およびUEの速度に基づいて、UEによって送信される(UL送信)波形は異なる時刻にeNode−Bに受信される。これを修正するために、(すなわち、UL送信が同じタイムスロットでeNode−Bによって受信されることを確実にするために)eNode−Bは各々のUEが異なる時間に送信するよう命じる。これをタイミングアドバンス(Timing Advance)と言う。したがって、ULタイムアラインメントは、同期および非同期ネットワークの両者におけるUEに対して必要である。
【0017】
正常動作において、ワイヤレス・ネットワークで、TAは、UEから送信された信号に基づいてeNode−Bによって算出される。算出されたTAは、その後UEに送信される。したがって、その結果、UEはUL送信タイミングを調整することが可能である。
【0018】
同期ネットワークにおいて、ターゲットeNode−Bの介在なしで、ターゲットネットワークのTAは、(ハンドオーバ(HO)オペレーションの間)UEによって算出される。この算出は、ソースeNode−BとターゲットeNode−Bとから受信された信号の時間差、およびソースセルに使用されている現在のTA(UEに既知)に基づいてなされる。
【0019】
非同期ネットワークにおいて、UEに対して、ソースセルとターゲットセルとの間のDLフレーム時間差が提供される場合のみ、この算出が可能である。したがって、同期ネットワークのハンドオーバ手順を明らかにするために、UEは、新規なセルと古いセルとからの受信信号の相対的時間差に基づいて新規なターゲットeNode−Bに対するタイミングアドバンスを算出することが可能である。これは、周知のTDD−UMTSネットワークで使用されるメカニズムである。したがって、同期ネットワークで、アクセスの前に、新規なセルに対して同期を得ることが可能である。すなわち、非同期チャネルを介して新規なセルにアクセスすることを回避できる。セル・アクセスの前に、UEが新規なセルへのUL同期情報を得るハンドオーバは、「同期ハンドオーバ」と呼ばれる。
【0020】
ここで図3を参照する。メッセージ・シーケンスチャート300は、同期ハンドオーバ手順のケースを示している。
【0021】
MBMS単一周波数ネットワーク(MBFN:MBMS Singl Frequency Network)オペレーションにおいては、(ネットワークが時間分割二重(TDD)または周波数分割二重(FDD)であるか否かに関係なく)セルは、同期DLフレームである。
【0022】
同期ネットワークにおいて、ターゲットセルにおけるタイミングアドバンスは簡単にUE310によって算出することができる。この算出は、ソースeNode−B315のためのTA、およびターゲットeNode−B320とソースeNode−B315とからの受信信号の間での相対的時間差に基づいて行われる。TDD−UMTSシステムで使用されているこれに類似したアルゴリズムは、また、3GPP LTE標準に対して設計することができる。UE310は、アクセスする前に、ターゲットセルに対するUL時間同期を得ることができ、非同期RACHアクセスを回避し、これによってターゲットセルのRACH負荷を軽減させる。
【0023】
非同期ネットワークにおいて、ソースセルとターゲットセルとのDLフレームの差がUEによって既知の場合にだけ、ターゲットセルにおけるタイミングアドバンスはUE310によって算出することができる。
【0024】
ターゲットセルにおけるRACHアクセスを回避する1つの可能な方策としては、ターゲットeNode−B320が、HO要求ACKメッセージ350および次のHOコマンド355においてソースeNode−B315を介する割り当て信号によって、UL信号チャネル(SCH:signaling channel)リソースを割り当てることが挙げられる。
【0025】
ワイヤレス・ネットワークのこの種のUEに基づくTA算出方式に関するシグナリング・フローが、図3のメッセージ・シーケンスチャート300に示されている。したがって、ソースeNode−B315からHO要求140を受け取った後に、ターゲットeNode−B320は、C−RNTIを割り当て、かつHO要求ACKUL−SCHメッセージ350によってリソースをソースeNode−B315に割り当てる。ハンドオーバコマンド355を受信した後に、UE310は、既存のセルから分離して、かつ新規な(ターゲット)セルに同期する。その後、ハンドオーバ確認メッセージ185が、割り当てられたUL−SCHリソース上で送信される。
【0026】
この手順は、単純である。しかしながら、このようなUL−SCHリソースの割り当ては、無線リソースの浪費を招き得る。したがって、この場合、HOコマンドは、UE310によって正しく受信されるようにするために、いくつかのハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)送信を行ってもよい。このように、UL−SCHリソースは、より長い時間、HO確認メッセージ185のために、確保されている必要がある。これは、無線の効率上からは望ましくない。
【0027】
あるいは、HO確認メッセージ185の送信のためのスタート・タイマーが、ターゲットeNode−B320によってセットされ得る。この場合、スタート時間はX2インターフェース上の最悪のケースの遅延および最大HARQ送信遅延を考慮してセットされなければならない。X2インターフェースとは、2つのeNode−Bの間のインターフェースである。したがって、HO中断時間395は、一部の送信のために不必要に大きくなり得る。
【0028】
無線ネットワークの同期HO手順のための更に他の方法としては、モトローラ(登録商標)による文書のR2−070214の非特許文献4によって提案されている。
【0029】
この場合に、ソースeNode−B415からHO要求140を受け取った後に、ターゲットeNode−B420は、C−RNTIを割り当て、かつCQIレポートのために専用のリソースおよびスケジューリング要求チャネルを指定する。これは、HO要求ACKメッセージ450によってなされる。ターゲットeNode−B420は、HOコマンド・メッセージ455によって、ソースeNode−B415を介して、UE410にこの情報を伝達する。
【0030】
ターゲットeNode−B420に対する同期調整の後、UE410は、割り当てられた専用のリソース上で、CQIレポート475またはスケジューリング要求(SR:scheduling request)メッセージを送ることによって、ターゲットセルにアクセスする。したがって、ターゲットeNode−B420は、レイヤー1/レイヤー2制御チャネル(ULグラント)メッセージ480によって、専用のリソースをUE410に割り当てる。
【0031】
図3に示される手順と同様に、図4のメッセージ・シーケンスチャート400において、ターゲットセル内の専用のリソースによって、UEは通信を行う。しかしながら、図3のUL−SCHリソース350、355の代わりに、図4に示すように、CQI/SRリソース450、455が使用される。CQI/SRリソース・スペースは、コードおよび時間スペースとして、視覚化することができる。CQI/SRレポートは、また、周期的かあるいはトリガーに基づいてもよい。周期的なレポートの場合において、UE410は、周期的なパターンで、コードおよび時間リソースが割り当てられる。UE410の見地からすると、割り当てられたCQI/SRチャネルは、与えられた時間にUE410のために提供される。それゆえに、無コンテンションCQIレポートおよびスケジューリングリクエストが許容される。
【0032】
CQIレポートは、DL送信のリンク適合をアシストする。それ故、CQIレポートは、アクティブな転送を行っているUEにのみ役立つ。UE410は、そのLTE_Connected状態のアクティビティレベルに従って2つのモードに分類することが可能である。UE410がRRC_Connected状態にある場合であって、かつそれが通信に対してアクティブに関係している場合、UE410はshort_DRXまたは連続状態(continuous state)にあると判断される。UEがRRC_connectedの状態にあるが、アクティブに通信に関係していない場合、long_DRXの状態にあると判断される。
【0033】
実際上、膨大な数(数千)の、long_DRX状態のUEが存在する。そして、わずか200−400の数のUEだけが、short_DRXまたは連続受付モードであり得る。
【0034】
したがって、実際には、図4に提案された専用のCQI/SRチャネルをlong_DRX状態のUE動作に割り当てるアプローチは、非効率的である。また、CQIチャネル・リソースの割り当ては、HOコマンドで使用される大きいメッセージ長のために、一定レベルの無線リソースの消耗を招く。さらに、UE410に新規な(ターゲット)セルにアクセスするために長い時間がかかる場合に備えて、前もって専用のCQI/SRリソースを割り当てることは、無線リソースの浪費を招きかねない。
【0035】
したがって、現在のハンドオーバ技術、特に、提案されているワイヤレス・ネットワークの同期ハンドオーバは、最適状態に及ばない。無線ネットワークにおける同期ハンドオーバにかかるこの課題に対処する改良されたメカニズムの実現が有利であり、特にRACH負荷を減少させることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0036】
[発明の開示]
したがって、本発明は、上述した欠点の一つ以上を改善し、軽減し、除去しようとするものである。
【0037】
本発明の第1の態様によれば、ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのための方法が提供される。
本方法は、第1の基地局において、前記ワイヤレス加入者通信ユニットから肯定応答メッセージを受信するステップであって、前記肯定応答メッセージは、前記ワイヤレス加入者通信ユニットが前記第2の基地局にハンドオーバされることになっていることを伝える、ところのステップと、前記肯定応答メッセージに応答して、前記第2の基地局に、次のハンドオーバ確認メッセージが前記ワイヤレス加入者通信ユニットから送られるためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを送信するステップと、を有する。
【0038】
本発明の一実施例において、発明のコンセプトを使用することは、UEに制御チャネルだけを知らせることによって、RACHまたは専用のHOのためのリソースに依存する必要性を回避する。制御チャネルとしては、L1/L2制御チャネルであってもよい。これは、UEに専用チャネルにアクセスすることを必要とさせない。
【0039】
本発明の追加的特徴によれば、前記スケジューリング要求メッセージの送信は、第1の基地局から第2の基地局にデータパケットのデータを送る前に、行われてもよい。このように、転送のためのデータの準備は、スケジューリング要求メッセージの送信より前に、完了状態である必要はない。それゆえに、データ処理のために生じる待ち時間が減少し得る。
【0040】
本発明の追加的特徴によれば、前記スケジューリング要求メッセージの送信は、第1の基地局から第2の基地局に送るデータパケットのデータの転送と結合してもよい。このように、データ処理のために生じる待ち時間が減少し得る。
【0041】
本発明の追加的特徴によれば、ハンドオーバコマンド・メッセージは、ワイヤレス加入者通信ユニットが第2の基地局でサポートされる通信セルにおいて使用する識別子(C−RNTI)を有してもよい。このように、UEは、割り当てられたC−RNTIによって、明確に第2の基地局において、特定されることができる。
【0042】
本発明の一実施例において、ハンドオーバ手順のための許容できる中断時間が提供される。
【0043】
例えば、ワイヤレス・ネットワークの同期ハンドオーバ手順を、よりスムーズに、かつ/またより高い信頼度で実行することによって、本発明は、通信システムの通信リソースの改良された利用が可能である。例えば、ワイヤレス・ネットワークの同期ハンドオーバ手順を、よりスムーズに、かつ/またより高い信頼度で実行することによって、本発明は、エンドユーザによって認識できる、改良されたパフォーマンスが得られる。例えば、ワイヤレス・ネットワークの同期ハンドオーバ手順を、よりスムーズに、かつ/またより高い信頼性で、実行することによって、本発明は、より高いスループットレートを提供することができる。
【0044】
本発明の追加的特徴によれば、発明のコンセプトは、同期ネットワークに適用され得る。この場合、無線加入者通信ユニットは、新規なセルにおけるセル・アクセスの前に新規なセルにUL同期を得ることが可能である。この種の同期ネットワークにおいて、ワイヤレス加入者通信ユニットはソースセルのタイミングアドバンス(TA)およびソースセルとターゲットセルとから受けた信号間の時間差に基づいて、TAを算出することが可能であり得る。
【0045】
本発明の追加的特徴によれば、ソースセルとターゲットセルとの間の時間差がワイヤレス加入者通信ユニットに提供され、かつ無線加入者通信ユニットがTAを算出することが可能である場合、発明のコンセプトは非同期ネットワークに適用され得る。
【0046】
本発明によって、セルラー通信システムが、より能率的にハンドオーバを実行することができる。
【0047】
本発明は、一部の既存の通信システム、例えば3rd Generation Partnership Project(3GPP)セルラー通信システムまたはlong−term elolution(3GPP)セルラー通信システムとの互換性を持ってもよい。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、ワイヤレス・ネットワークにおける、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのための方法が提供される。当該方法は、第2の基地局で、次のハンドオーバ確認メッセージが前記ワイヤレス加入者通信ユニットから送られるためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを、前記第1の基地局から受信するステップと、前記スケジューリング要求メッセージに応答して、前記ワイヤレス加入者通信ユニットがハンドオーバ(HO)確認メッセージを前記第2の基地局に送信するための少なくとも一つのアップリンクスケジューリングリソース(UL−SCH)をスケジューリングするステップと、を更に含んでもよい。
【0049】
本発明の追加的特徴によれば、当該方法は、ワイヤレス加入者通信ユニットに、少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を知らせるために、制御チャネル・メッセージをワイヤレス加入者通信ユニットに送信するステップを更に含んでもよい。
【0050】
これによって、制御チャネル(例えばL1/L2制御チャネル)は、与えられた(短い)持続時間において、共用チャネル(UL−SCH)リソースをUEに割り当てるために使用され得る。これは、通常はワイヤレス・ネットワークの同期ハンドオーバ手順に1ミリ秒の遅延を付加するだけである。好適にも、L1/L2のコントロールチャネルの利用は、全てのUEによってリソースがモニタされることを確保する。
【0051】
本発明の追加的特徴によれば、当該方法は、少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上のワイヤレス加入者通信ユニットからハンドオーバ確認メッセージを受信するステップを更に含んでもよい。このように、UL−SCHリソースは、小さい時間的尺度の中で多数のUEが共用することを可能とする。
【0052】
本発明の追加的特徴によれば、前記ハンドオーバ確認メッセージを受信するステップは、ワイヤレス加入者通信ユニットから並行してチャネル品質情報(CQI)を受信するステップを更に含んでもよい。このように、周知のCQI/SRベースのハンドオーバ手順と比較して(図4にて図示したように)、全てのCQI/SRチャネルは、(long_DRX状態の)全てのケースで、もはや必要ではない。したがって、発明のコンセプトは、不必要なチャネルコンフィギュレーション、および不必要なCQI/SRチャネル・リソースの使用を防止する。
【0053】
本発明の追加的特徴によれば、ハンドオーバ確認メッセージを受信するステップは、ワイヤレス加入者通信ユニットからスケジューリング要求を並行して受信するステップを更に含んでもよい。
【0054】
本発明の追加的特徴によれば、当該方法は、ハンドオーバ確認メッセージを受信することに応答して、第1の基地局から第2の基地局に通信のパス切り替えを始めることによって、HO手順を完了するステップを更に含んでもよい。
【0055】
本発明の第3の態様によれば、ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのための方法が提供される。当該方法は、ワイヤレス加入者通信ユニットにおいて、前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信するステップと、前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信するステップと、前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に、ハンドオーバ確認メッセージを送信するステップと、前記第2の基地局でサポートされるセルにおいて前記第2の基地局にアップリンク・データを送信するステップと、を更に有する。
【0056】
本発明の追加的特徴によれば、当該方法は、第2の基地局でサポートされるセル内での通信のためのタイミングアドバンスを、同期ネットワークのプロパティを用いて算出するステップを更に含む。このように、UEは、アクセスの前に第2の基地局にUL同期する。このため、非同期RACHチャネルを通じてのアクセスを回避する。
【0057】
本発明の第4の態様によれば、ワイヤレス・ネットワークにおいて、第2の基地局に対するワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバが可能な基地局が提供される。基地局は、前記ワイヤレス加入者通信ユニットから肯定応答メッセージを受信するためのロジックであって、前記肯定応答メッセージは、前記ワイヤレス加入者通信ユニットが前記第2の基地局にハンドオーバされることになっていることを伝える、ところのロジックと、前記肯定応答メッセージに応答して、前記第2の基地局に、次のハンドオーバ確認メッセージが前記ワイヤレス加入者通信ユニットから送られるためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを送信するためのロジックと、を更に有する。
【0058】
本発明の第5の態様によれば、ワイヤレス・ネットワークにおいて、ワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバ通信を第1の基地局から受信することが可能な基地局が提供される。基地局は、前記ワイヤレス加入者通信ユニットからの次のハンドオーバ確認メッセージのためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを、前記第1の基地局から受信するためのロジックと、前記スケジューリング要求メッセージに応答して、前記ワイヤレス加入者通信ユニットがハンドオーバ(HO)確認メッセージを前記基地局に送信するための少なくとも一つのアップリンクスケジューリングリソース(UL−SCH)をスケジューリングするためのロジックと、を有する。
【0059】
本発明の第6の態様によれば、第1の基地局からワイヤレス・ネットワークの第2の基地局へのハンドオーバが可能なワイヤレス加入者通信ユニットが提供される。ワイヤレス加入者通信ユニットは、前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信するためのロジックと、前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信するためのロジックと、ハンドオーバ確認メッセージを前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に送信するためのロジックと、前記第2の基地局でサポートされるセルの前記第2の基地局にアップリンク・データを送信するためのロジックと、を有する。
【0060】
本発明の第7の態様によれば、ワイヤレス・ネットワークにおいて、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのためのロジックが提供される。ロジックは、実行可能なプログラムコードを有する。プログラムコードは、前記ワイヤレス加入者通信ユニットから肯定応答メッセージを受信する手順であって、前記肯定応答メッセージは、前記ワイヤレス加入者通信ユニットが前記第2の基地局にハンドオーバされることになっていることを伝える、ところの手順と、前記肯定応答メッセージに応答して、前記第2の基地局に、次のハンドオーバ確認メッセージが前記ワイヤレス加入者通信ユニットから送られるためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを送信する手順と、を実行可能である。
【0061】
第8の本発明の態様によればワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのためのロジックが提供される。このロジックは、実行可能プログラムコードを有する。このプログラムコードは、前記ワイヤレス加入者通信ユニットから送られる次のハンドオーバ確認メッセージのためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを前記第1の基地局から受信する手順と、前記スケジューリング要求メッセージに応答して、前記ワイヤレス加入者通信ユニットがハンドオーバ(HO)確認メッセージを前記第2の基地局に送信するための、少なくとも一つのアップリンクスケジューリングリソース(UL−SCH)をスケジューリングする手順とを実行可能である。
【0062】
第9の本発明の態様によれば、ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのためのロジックが提供される。ロジックは実行可能プログラムコードを有し、前記プログラムコードは、前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信する手順と、前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信する手順と、前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に、ハンドオーバ確認メッセージを送信する手順と、前記第2の基地局でサポートされるセルにおいて前記第2の基地局にアップリンク・データを送信する手順と、を実行可能である。
【0063】
第10の本発明の態様によれば、ワイヤレス・ネットワーク内で、第2の基地局にワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバが可能な基地局を有するセルラー通信システムが提供される。基地局は、前記ワイヤレス加入者通信ユニットから肯定応答メッセージを受信するためのロジックであって、前記肯定応答メッセージは、前記ワイヤレス加入者通信ユニットが前記第2の基地局にハンドオーバされることになっていることを伝える、ところのロジックと、前記肯定応答メッセージに応答して、前記第2の基地局に、次のハンドオーバ確認メッセージが前記ワイヤレス加入者通信ユニットから送られるためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを送信するためのロジックと、を有する。
【0064】
第11の本発明の態様によれば、ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局からワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバが可能な基地局を有しているセルラー通信システムが提供される。基地局は、次のハンドオーバ確認メッセージが前記ワイヤレス加入者通信ユニットから送られるためのチャネルを要求するスケジューリング要求メッセージを前記第1の基地局から受信するためのロジックと、前記スケジューリング要求メッセージに応答して、前記ワイヤレス加入者通信ユニットがハンドオーバ(HO)確認メッセージを前記基地局に送信するための少なくとも一つのアップリンクスケジューリングリソース(UL−SCH)をスケジューリングするためのロジックと、を有する。
【0065】
第12の本発明の態様によれば、ワイヤレス・ネットワーク内で、第2の基地局にワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバが可能な基地局を有しているセルラー通信システムが提供される。ワイヤレス加入者通信ユニットは、前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信するためのロジックと、前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信するためのロジックと、前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に、ハンドオーバ確認メッセージを送信するためのロジックと、前記第2の基地局でサポートされるセルにおいて前記第2の基地局にアップリンク・データを送信するためのロジックと、を有する。
【0066】
本発明のこれらのそしてまた他の態様、特徴、および効果は、以下に記載される実施例から明らかとなる。本発明の実施例は、事例として添付の図面に即して後述する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】周知のワイヤレス・ネットワークの内部LTE非同期ハンドオーバ手順のメッセージ・シーケンスチャートである。
【図2】周知のワイヤレス・ネットワークの内部LTE非同期ハンドオーバ手順のメッセージ・シーケンスチャートである。
【図3】周知のワイヤレス・ネットワークの内部LTE同期ハンドオーバ手順のメッセージ・シーケンスチャートである。
【図4】周知のワイヤレス・ネットワークの内部LTE同期ハンドオーバ手順のメッセージ・シーケンスチャートである。
【図5】本発明の一部の実施例に従って構成される無線通信方式の一部の要素の概要である。
【図6】本発明の一部の実施例に従うワイヤレス・ネットワークの内部LTE同期ハンドオーバ手順のメッセージ・シーケンスチャートである。
【図7】本発明の実施例の処理機能をインプリメントするために使用され得る典型的なコンピューティングシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
[本発明の実施例の詳細な説明]
以下の説明は、Evolved−UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)セルラー通信システム、および、特に、3rd Generation Partnership Project(3GPP)システムにおける、時分割複信(TDD)モードで動作するEvolved−UTRAN(UMTS Terrestrial RadioAccess Network(UTRAN))に適用できる本発明の実施例に焦点を当てている。しかしながら、本発明がこの特定のセルラー通信システムに限られるものではなく、他のセルラー通信システムに適用され得ることはいうまでもない。
【実施例】
【0069】
ここで図5を参照する。本発明の一実施例に従って、無線通信方式500の概要が示されている。この実施例において、無線通信方式500は、Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)エアーインタフェースに準拠し、かつこのインターフェースで動作が可能なネットワーク・エレメントを含む。特に、実施例はEvolved−UTRAN(EUTRAN)無線通信方式のためのシステム・アーキテクチュアに関する。そして、これは3GPPにおいて現在検討中である。これは、また、Long Term Evolution(LTE)と称する。
【0070】
アーキテクチュアは、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)および、コアネットワーク(CN)要素を含む。コアネットワーク504は、インターネットまたは一般加入電話ネットワークのような外部ネットワーク502に接続されている。RANの主要な構成要素は、eNode−B(進化したNode−B)510、520である。これは、S1インターフェースを介してCN504に、およびUuインターフェースを介してUE520に接続される。eNode−B510、520は、無線リソース関連機能を制御し、かつ管理する。連続したNode−B510、520は、通常はネットワークのための下位レイヤー処理を実行する。これは、媒体アクセス制御(MAC)、送信のためのデータブロックのフォーマット化、物理的にトランスポートブロックをUE525に送信する機能等を実行する。
【0071】
CN504は、2つの主要な構成要素を有する。すなわち、サービングaGW(serving access gateway)506およびMME(mobility management entity)508である。サービングaGW506は、U−plane(ユーザ−プレーン)通信を制御する。転送量の提供のマネージメントは、RRC_ConnectedユーザのためのサービングaGWによって管理される。MME508は、c−plane(制御プレーン)通信を制御する。ここで、ユーザ移動(user mobility)、ベアラ確立(bearer establishment)、およびQoSサポートが、MME508によって扱われる。
【0072】
E−UTRAN RANは、ダウンリンク(DL)においてOFDMA(orthogonal frequency division multiple access)に基づき、アップリンク(UL)において、SC−FDMA(Single−Carrier Frequency Division Multiple Access)に基づく。E−UTRANにおいて使用される無線フレームフォーマットおよび物理レイヤー構成に関する詳細な情報は、非特許文献5に記載されている。
【0073】
Node−B510は、無線でUE525に接続される。各々のNode−Bは、一つ以上のトランシーバ・ユニット512、522を含み、これらは、動作可能な状態でそれぞれの信号処理ロジック514、524に接続されている。同様に、各々のUEは、トランシーバ・ユニット527を有する。これらは、動作可能な状態で信号処理ロジック529に接続される(1つのUEだけが、明確に示すために詳細に図示されている)。そして、各々のUEは、それぞれの位置エリアの通信をサポートしているNode−Bと通信する。
【0074】
システムは多くの他のUE、およびNode−Bを有する。それらは、図を明確にするため、図示されていない。
【0075】
本発明の一実施例に従って、UE525、すなわち、具体的にはトランシーバ・ユニット527および信号処理ロジック529のオペレーションは、制御チャネル・メッセージを受信する。例えば、通信のUEが移動しているセルをサポートしているターゲットeNode−BからのL1/L2制御チャネル・メッセージを受信する。この点は、図6において更に詳細に記載されている。UE525、すなわち、具体的にはトランシーバ・ユニット527、および信号処理ロジック529のオペレーションは、ハンドオーバ確認メッセージを有するL1/L2制御チャネル・メッセージに応答する。応答は、割り当てられたグラントされたULチャネルで、(ソース(サービング)eNode−Bを介して)ターゲットeNode−Bに送信される。更なる詳細は図6に示す。
【0076】
本発明の一実施例に従って、基地局、例えばソースeNode−B510、さらに具体的には、トランシーバ・ユニット512、および信号処理ロジック514のオペレーションは、スケジューリング要求メッセージ605を送信する。このスケジューリング要求メッセージ605は、UE525が配置されている通信セルからUE525が移動する通信セルに送られる。
【0077】
本発明の一実施例に従って、基地局、例えばターゲットeNode−B520、さらに具体的には、トランシーバ・ユニット522、および信号処理ロジック524のオペレーションは、ソースeNode−Bからスケジューリング要求メッセージを受信する。そして、このメッセージに応答して、L1/L2制御チャネル・メッセージを送信する。このL1/L2制御チャネル・メッセージは、UEが移動する通信セルからUE525に送られる。この更なる詳細は図6に示す。ターゲットeNode−B520、さらに具体的には、トランシーバ・ユニット522、および信号処理ロジック524のオペレーションは、L1/L2制御チャネル・メッセージにおいて割り当てられたULチャネル上のUEから送られたHO確認メッセージを認識し、このメッセージに応答して、ACKメッセージをUE525に送信する。更なる詳細は図6に示す。
【0078】
ここで図6を参照する。メッセージ・シーケンスチャート600が示されている。そして、本発明の一部の実施例に従ってハンドオーバ(HO)手順が示されている。図6のHO手順に関係するステップは、本発明の実施例に従って、周知のHO手順である従来のオペレーション130、135、140、350、355、450、455を利用する。許可コントロールを実行した後に、ターゲットeNode−B620は、ターゲットセルにおいて使用されるC−RNTIを割り当てる。この情報は、HO要求ACKメッセージ350、450、およびHOコマンドメッセージ355、455を通じてソースeNode−B615を介して、UE610に伝達される。
【0079】
HOコマンドに対するHARQ ACK160を受信した後に、ソースeNode−B615は、スケジューリング要求メッセージ650をターゲットeNode−B620に送信する。メッセージ650が新規なメッセージであることに注目すべきである。そして、これは従来のHO手順には見られない。このメッセージ650は、UE610がソースセルのHOコマンド355、455を正しく受信したこと、およびUE610がターゲットセルへの接続を確立する用意がある旨の報知信号(indication)を伝達する。HOコマンドACK160を受信した後に、ソースeNode−B615は、データ(UL、およびDL)165を用意し、ターゲットeNode−B620に転送する170。本発明の一実施例において、ULおよびDLのためのデータ転送は、合意されたRAN2#58のLTEに準拠していることに留意すべきである。
【0080】
本発明の一実施例において、スケジューリング要求メッセージの送信は、第1の基地局から第2の基地局への転送データと結合してもよい。これは、データの転送の前に行うのと比較することができる。
【0081】
スケジューリング要求メッセージ650を受信した後に、ターゲットeNode−B620はUL−SCH上にリソースをUE610に割り当てる。そして、スケジューリンググラントが、L1/L2制御チャネル680を通じて送信される。ここで、ターゲットセルのC−RNTIは、ターゲットセルのUE610を特定するために使用される。本発明の別の実施例において、メッセージ680は、スケジューリング要求メッセージ650の後、すぐに生成され得る。UE610は、割り当てられたUL−SCHリソースを通じてHO確認メッセージ685を送信する。
【0082】
さらに他の本発明の実施例において、呼品質情報(CQI)および/またはスケジューリング要求メッセージ650は、必要に応じて、HO確認メッセージ685に乗せられてもよい。
【0083】
本実施例において、CQIは、DL送信のための最良の副搬送波周波数を見つけるために使用され得る。したがって、eNode−Bスケジューラは、CQIに基づき、DLデータ転送のための最良の周波数帯を選ぶことによってリンク適合を実行することが可能である。DLリンク適合を実行するために、本発明の本実施例で、CQIがULデータ・ペイロード(この場合、HO確認メッセージ685)に乗せられてもよい。本実施例において、スケジューリング要求は、UE610が送信されるべきULデータを持っていることを、eNode−Bに知らせるために使用され得る。HO確認メッセージが送られるときと同時に、送信するべきUE610がULデータを持っている場合、スケジューリング要求も、ULデータ・ペイロードに乗せられてもよい。UE610は、ULにデータとCQIとをCQI/SRチャネル上で並行して送ることはできないことに留意すべきである。なぜなら、SC−CDMAは、シングルキャリアプロパティであるからである。そして、CQI/SRチャネル・リソースは、UL−SCHから分離されることも留意すべきである。
【0084】
SC−CDMAのシングルキャリアプロパティでは、UL送信が周波数領域において隣接する(contiguous)ことが必要である。CQI/SRチャネルのための周波数リソースは、アップリンク共用チャネル(UL−SCH)のために用意された周波数リソースから分離されている。それ故、UEは、CQI/SRチャネルと、UL−SCHとを同時に伝達することは許されない。
【0085】
本発明の一部の実施例では、プロセスは、HOアクセスのための専用のリソースに依存しなくてもよい。それ故、本発明のこの実施例において、プロセスは、無線効率的なHO手順を同期ネットワークに提供し得る。
【0086】
本発明の一部の実施例によれば、例えばUEがlong_DRX状態の動作であるときに、UEハンドオーバが発生する場合、CQI/SRチャネルの確立は必要とされない。したがって、本発明のこの実施例において、ハンドオーバ・オペレーションが完了状態となった直後に、UEはlong_DRX状態に移行してもよい。したがって、この点に関しては、本発明の実施例は、long_DRX状態のUEのハンドオーバは、より少ないシグナリング・オーバーヘッドとなる。
【0087】
本発明の一部の実施例に従って、例えばUEがshort_DRX状態の動作であるときに、UEハンドオーバが発生する場合には、例えば、HO確認メッセージ685を受信した後に、ターゲットeNode−B620は、CQI/SRチャネルを確立してもよい。したがって、short_DRX状態において動作しているUE610は、long_DRX状態における場合と同様に扱われる。HO確認メッセージ685を受信した後に、ターゲットeNode−B620は、short_DRXオペレーションのために必要なチャネルを構成する。この場合、CQI/SRチャネル、およびshort_DRX期間が、ターゲットeNode−B620において構成され得る。チャネル構成は、無線リソース管理(RRM)ロジックによって設定され得る。このチャネル構成は、ソースeNode−B615で使用されるものと異なってもよい。HO確認メッセージ685の受信の後、UE610がターゲットeNode−B620に連結(attach)される。そして、ターゲットeNode−B620が、ソースeNode−B615となる。
【0088】
本願明細書に記載されている一部の実施例によって提供される1つの効果を理解するために、HO中断時間(しばしば、U−プレーン中断時間と称される)を取り上げる。HO中断時間は、以下の4つの主要な構成要素を有する:
(a) 無線レイヤープロセス
(b) UL RRCシグナリング
(c) DL RRCシグナリング
(d) データ転送遅延。
【0089】
無線レイヤープロセス待ち時間は、UE610によるHOコマンドの受信から、ターゲットeNode−B620の提供するULリソース割り当てまでの間の遅延として定義できる。したがって、無線レイヤープロセスは、周波数同期遅延と、DL同期遅延と、ULリソース要求と、タイミングアドバンス取得遅延とから構成される。当業者は、周波数同期遅延、およびDL同期遅延は、既に言及した図1ないし4図および図6の手順において同じであることを理解するであろう。UEは、測定期間の間に、周波数同期、およびDL同期を得る。したがって、UEは、タイミングオフセットを利用して、ターゲットセルDLタイミングをソースセルDLタイミングと関連づけることができると仮定することができる。それ故、非同期ネットワークに対するこの遅延は、通常は、1ミリ秒未満の値に収まると考えられる。
【0090】
これに対して、同期ネットワークでは、ターゲットセルのDLタイミングは、実質的にソースセルDLタイミングと同様である。それ故、この構成要素からの遅延効果は、同期ネットワークにおいては、0ミリ秒である。
【0091】
ULリソース要求と、タイミングアドバンス(TA)取得遅延とによって引き起こされる中断時間に関しては、この中断時間は、適用されるそれぞれの手順に依存する。
TAがRACHにアクセスすることによって取得できる図1、および図2の周知の非同期ネットワークにおいて、遅延は以下の要素を有する:
(i)RACHアクセススロットのための待ち(通常は2.5ミリ秒であり、RACHインターバルが考えられる場合、5ミリ秒である)
(ii)TAプレアンブル送信(通常は1ミリ秒の程度である)
(iii)TA受信、およびHO確認メッセージのためのULリソースグラント(通常は7.5ミリ秒程度である)
したがって、ULリソース、およびTA取得のトータルの遅延は、通常は11ミリ秒の程度である。当業者であれば、これがベストケース・シナリオであることを理解するであろう。すなわち、HOコマンドの送信の再送が無く、かつRACHチャネルでコンテンションが無い場合である。もし、再送遅延が発生したり、コンテンションによる遅延が発生したりした場合、ULリソース、およびTA取得遅延の合計は増加する。
【0092】
一般に、U−プレーンでの動作の再開は、無線リソース管理(RRC:radio resource control)信号によってトリガーされることは、当業者に理解されるであろう。HO確認メッセージの受信は、DL U−プレーンの動作の再開をトリガーし得る。次のHO確認ACKメッセージは、UL U−プレーンの動作の再開をトリガーする。当業者によって理解されるように、RRCの信号遅延は無線送信遅延、処理遅延、および復号化遅延から成る。最適シナリオにおいて、これは、通常は5ミリ秒のオーダーである。さらに、HARQ送信が30%ならば、通常、遅延は増加し、6.5ミリ秒のオーダーである。しかしながら、当業者によって理解されるように、30%のエラー率は、時間にクリティカルなメッセージに対しては、非現実的である。したがって、実際的なシナリオでは、エラー率は、30%よりもかなり低いと考えなければならない。
【0093】
さらに、データ転送遅延は、eNode−B処理遅延と、X2インターフェースを通じての送信遅延とから成る。これは、平均5ミリ秒であると考えられる。
【0094】
加えて、CQI/SRチャネルインターバルは、5ミリ秒であると考えられる。それ故、CQI/SRチャネルのための待ち時間は、2.5ミリ秒である。CQI/SRチャネルの送信およびデコーディングには2ミリ秒が考慮される。L1/L2制御チャネルの送信とデコーディングとによる遅延は、2ミリ秒のオーダーである。ACK/NACKの送信とデコーディングとによる遅延は、2ミリ秒のオーダーである。
【0095】
上記の遅延構成要素に基づいて、異なる手順に対するULおよびDLの総中断時間は、表1に示すように算出され得る。
【0096】
【表1】

図1の非同期プロセスにおいて、ターゲットeNode−BへのUEの到着が、専用のプレアンブルの受信によってユニークに特定される場合、HO確認ステップは、省略され得る。この場合、図1に示される処理のDLおよびULによる中断は、12ミリ秒に等しい。しかしながら、HO確認メッセージの受信が、なお必要である場合、DLおよびULの中断時間は、それぞれ17.5ミリ秒、および18.5ミリ秒である。
【0097】
表1の遅延算出が以下に依存することは、注目に値する:
(i)図1の手順のためのRACHチャネル構成;
(ii)図4の手順のためのCQI/SRチャネル構成;
(iii)図6の手順のためのX2インターフェースを通じての転送遅延。
【0098】
LTEの現在の合意された仕様によれば、新規なセルに対するUEのハンドオーバ後のソースeNode−Bは、UEによって承認されていないSNを有する全てのDL PDCPサービスデータユニット(SDU)をターゲットeNode−Bに転送する。ターゲットeNode−Bは、その後、ソースeNode−Bによって転送された全てのDL PDCP SDUを再送信しかつ優先付けする。ULにおいて、ハンドオーバに応答して、ソースeNode−Bは、シーケンスから外れて(out−of−sequence)受信されたアップリンクPDCP SDUを、ターゲットeNode−Bに転送する。UEは、その後、ソースeNode−Bによってうまく受信されなかったUL PDCP SDUを再送信する。したがって、シーケンス通りに(in−sequence)うまく受信されたPDCP SDUだけが、Serving−aGWに転送される。
【0099】
上記の合意を考慮して、ULおよびDLの両者において、PDCP SDUは、ターゲットeNode−Bに転送される。PDCP SDUの再順序付け(re−ordering)または優先順位付け(protestation)は、したがって、ターゲットeNode−Bで実行される。したがって、アプリケーション層において観察される、実際の中断は、X2インターフェースを通じての転送遅延に依存する。換言すれば、U−プレーン中断は、表1の中断時間とX2インターフェースを通じてのデータ転送遅延との最大値に等しい。例えば、データ転送遅延(転送に対する準備を含む)が15ミリ秒である場合、表1に示される手順の全てにおいて、中断時間は、15ミリ秒でなければならない。
【0100】
本発明の一実施例は、たとえば、将来発展するUTRA 3GPP(long term evolution(LTE)と称する)無線同期ネットワークのための同期ハンドオーバ・メカニズムを開示しているが、本発明のコンセプトは、この実施例に制限されるものではない。したがって、いかなるワイヤレス・ネットワークにも適用され得ると想定される。
【0101】
上述した発明のコンセプトは、以下の効果の一つ以上を提供すると考えられる。
【0102】
(i)発明のコンセプトを使用することによって、ULグラントメッセージによってL1/L2制御チャネルを単にUEに知らせるだけで、RACH、または、HOアクセスのための専用のリソースに依存する必要性を回避する。
【0103】
(ii)L1/L2制御チャネルは、共用チャネル(UL−SCH)リソースをUEに、与えられた(短い)持続時間だけ割り当てるために使用され得る。これは、同期ネットワークのハンドオーバ手順において通常は1ミリ秒のみ遅延を付加する。この実施例は、好適にも、L1/L2のコントロールチャネルが全てのUEによってモニタされるという事実を利用する。リソースが与えられたUEは、C−RNTIによって特定される。これは、L1/L2制御チャネルにおいて示される。このように、UL−SCHリソースは、短い時間的尺度の中で、多数のUEで共用することができる。
【0104】
(iii)HOアクセスに基づく(図1において例示された)専用のプレアンブルと比較して、発明のコンセプトは、予想される同じコンテンション確率に必要なRACHリソースを減少させる。この点に関しては、先行技術ハンドオーバ手順においては、“64”個の直交RACHプレアンブルが、単一のRACHチャネル・リソースにおいて可能である点は注目に値する。これは、これらのプレアンブルが専用の用途のために予約されている場合、ランダムセレクションが利用できるプレアンブルが減少することを意味する。それ故、RACHチャネル・リソースが同じである場合、先行技術の手順のコンテンションの確率は増加する。さもなければ、コンテンションの確率を許容可能に保つために、RACHチャネルに割り当てられるリソースを増加させることを必要とする。そして、それは先行技術の手順を非効率にさせることとなる。
【0105】
(iv)ハンドオーバ後でのコンテンションベースのRACHアクセス(図2参照)と比較して、HO負荷は、RACH上の負荷を増加させる。上記と同じ説明は、コンテンションの確率、および必要なRACHリソースにもあてはまる。加えて、図2において適用されるコンテンションのために、先行技術のハンドオーバ手順の中断時間も増加する。なぜなら、もし、衝突が発生する場合、UEは、待つ必要があり、かつ後でアクセスを再試行しなければならないためである。本願明細書における上述の発明のコンセプトを使用すれば、これらの不利な点は回避され得る。
【0106】
(v)HOコマンドを介してのリソース割り当て(図3参照)と比較して、発明のコンセプトは、無線リソースを節約する。本発明を適用しないならば無駄になるものである。なぜなら、従来技術システムにおいては、ターゲットeNode−Bがリソース割り当て時にUE到着の時間を知らないため、リソースは事前に予約されていなければならないからである。したがって、割り当ては、最悪のケースのUEを想定しなければならない。このため、ハンドオーバUEがターゲットeNode−Bにアクセスするまで、予約のリソースは他のUEに割り当てられることができない。それ故、先行技術は、無線リソースを非効率的に使用することとなる。
【0107】
(vi)CQI/SRベースのHOアクセス(図4参照)と比較して、全てのCQI/SRチャネルは、全てのケース(long_DRX状態)においてもはや必要でない。したがって、発明のコンセプトは、不必要なチャネル構成、および不必要なCQI/SRチャネル・リソースの使用を予防する。
【0108】
(vii)発明のコンセプトを使用することは、許容できる中断時間を提供する。
【0109】
図7は、本発明の実施例の処理機能をインプリメントするために使用され得る典型的なコンピューティングシステム700である。例えば、このコンピューティングシステムは、Node−B特に、Node−Bのスケジューラ、コアネットワーク要素、例えばGGSN、およびRNCにおいて使用され得る。当業者は、また、他のコンピュータシステムまたはアーキテクチュアを使用して、本発明をインプリメントする方法を認識するであろう。このコンピューティングシステム700は、与えられたアプリケーションや環境に適し、または望ましいもの、例えば、デスクトップ、ラップトップまたはノートブックコンピュータ、携帯コンピューティング装置(PDA、携帯電話、パームトップ、その他)、メインフレーム、サーバ、クライアントまたは他のいかなる種類の専用または汎用コンピューティング装置をも指す。コンピューティングシステム700は、一つ以上のプロセッサ(例えばプロセッサ704)を含むことができる。プロセッサ704は、一般のまたは特殊目的のプロセッシングエンジン例えばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたは他の制御ロジックを使用してインプリメントすることができる。この例では、プロセッサ704は、バス702または他の通信媒体に接続される。
【0110】
コンピューティングシステム700は、プロセッサ704によって実行される情報およびコマンドを保存するためのメインメモリ708、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミック・メモリを含む。メインメモリ708は、また、プロセッサ704によって実行されるコマンドの実行中に一時的に数値変数または他の中間の情報を保存するために使用され得る。コンピューティングシステム700は、同様に、プロセッサ704のための静的情報およびコマンドを保存するための、バス702に接続した読取り専用メモリ(ROM)または他の静的記憶装置デバイスを含んでもよい。
【0111】
コンピューティングシステム700はまた、情報記憶システム710を含んでもよい。これは、例えば、メディアドライブ712、およびリムーバブル記憶インターフェース720を含んでもよい。メディアドライブ712は、固定またはリムーバブルな記憶媒体をサポートするドライブまたは他のメカニズムを含む。たとえば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープ駆動機構、光学ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ディジタルビデオドライブ(DVD)、読み出し書き込みドライブ(RまたはRW)、または、リムーバブルまたは固定のメディアドライブを含む。記憶媒体718は、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、CDまたはDVD、またはディアドライブ714によって、リードライト可能な固定またはリムーバブル媒体を含む。これらの例が示すように、記憶媒体718は、特定のコンピュータソフトウェアまたはデータを保存するコンピュータ可読の記憶媒体を含み得る。
【0112】
代替の実施例では、情報記憶システム710は、コンピュータ・プログラムまたは他のコマンドまたはデータがコンピューティングシステム700へロードされることを許す他の類似した構成要素を含んでもよい。この種の構成要素は、例えば、着脱可能な記憶ユニット722、およびインターフェース720(例えばプログラム・カートリッジ、およびカートリッジ・インターフェース、リムーバブルメモリ(例えばフラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリーモジュール)、およびメモリー・スロット)を含んでもよい。加えて、他の着脱可能記憶ユニット722、およびソフトウェア、および着脱可能な記憶ユニット718からコンピューティングシステム700にデータ転送するインターフェース720を含んでもよい。
【0113】
コンピューティングシステム700は、また、通信用インターフェース724を含むことができる。通信用インターフェース724は、ソフトウェア、およびデータをコンピューティングシステム700と外部デバイスとの間で転送するために使用される。通信用インターフェース724の例としては、モデム、ネットワークインターフェース(例えばイーサネットまたは他のNICカード)、通信ポート(たとえば(例えば汎用シリアルバス(USB)ポート))、PCMCIAスロット、およびカード、その他が含まれる。通信用インターフェース724を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、電子的、電磁気的、光学的な信号、または他の信号であって、通信用インターフェース724によって受信することが可能なものを含む。これらの信号は、チャネル728を介して通信用インターフェース724に提供される。このチャネル728は、信号を転送することができ、無線メディア、導線またはケーブル、ファイバー・オプティックスまたは他の通信媒体を使用してインプリメントされ得る。チャネルの一部の例は、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワークインターフェース、ローカルまたは広域ネットワーク、および他の通信チャネルを含む。
【0114】
本願明細書において、用語「コンピュータ・プログラム製品」、「コンピュータ可読媒体」などは、一般に、メディア、例えばメモリ708、記憶装置718または記憶装置722を指すために使用される。これらのコンピュータ可読のメディア、そしてまた他のメディアは、プロセッサ704用に一つ以上のコマンドを保存してもよく、特定のオペレーションをプロセッサに実行させる。この種のコマンドは「コンピュータ・プログラム・コード」と一般に呼ばれる(それは、コンピュータ・プログラムまたは他のグループ化の形で分類され得る)。そして、これが実行されるときに、コンピューティングシステム700が本発明の実施例の機能を実行することを可能にする。コードは、直接特定のオペレーションをプロセッサに実行させてもよく、そうするためにコンパイルされてもよく、および/または、そうするために他のソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェア要素(例えば標準関数を実行するためのライブラリ)と結合され得る点に注意する。
【0115】
要素がソフトウェアを使用してインプリメントされる実施例において、ソフトウェアはコンピュータ可読媒体に保存されてもよく、例えば、リムーバブル記憶ドライブ714、ドライブ712または通信用インターフェース724を使用して、コンピューティングシステム700へロードされ得る。制御ロジック(この例では、ソフトウェアコマンドまたはコンピュータ・プログラム・コード)は、プロセッサ704によって実行されるときに、本願明細書に記載されているように、プロセッサ704に本発明の機能を実行させる。言うまでもなく、明瞭さの目的のために、上述の説明では、異なる機能単位、およびプロセッサに関連して本発明の実施例を説明している。なお、異なる機能単位、プロセッサまたは領域間の機能の適切ないかなる配分も、本発明を損なわずに使用され得ることは明らかである。例えば、別々のプロセッサまたはコントローラによって実行されることが示される機能は、同じプロセッサまたはコントローラによって実行され得る。それ故、特定の機能単位の参照は、記載されている機能を提供するための適切な手段の参照と見るべきであり、厳格な論理的または物理的な、構造あるいは構成を示すものではない。
【0116】
本発明の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組合せを含むいかなる適切な形式でもインプリメントされ得る。本発明は、任意に、少なくとも部分的に、1つ以上のデータプロセッサおよび/またはデジタルシグナルプロセッサで実行されるコンピュータソフトウェアとしてインプリメントされ得る。したがって、本発明の実施例の要素、および構成要素は、適切ないかなる方法でも、物理的に、機能的に、および論理的にインプリメントされ得る。実際、機能は、単一ユニットにおいて、複数のユニットにおいて、または他の機能ユニットの一部としてインプリメントされ得る。
【0117】
本発明が一部の実施例と関連して記載されていたとしても、それは本願明細書に記載される特定の形式に限られていることを目的とするものではない。むしろ、本発明の範囲は、請求項のみによって限定される。加えて、特徴が特定の実施例と関連して記載されている場合であっても、当業者であれば、記載されているさまざまな特徴が本発明に従って結合され得ると認識する。さらに、個々に列挙して示されていても、例えば、複数の手段、要素または方法ステップは、単一のユニットまたはプロセッサによってインプリメントされ得る。加えて、個々の特徴が、異なるクレームに記載されていても、これらは、おそらく好適に結合され得る。特徴が、異なるクレームに包含されるということは、特徴の組合せが可能でないことを意味するものではなく、かつ/また、有利でないことを意味するものでもない。また、特徴を1つのカテゴリの中に含めることは、カテゴリへの制限を意味するわけではない。むしろ特徴は、その他のクレームカテゴリに、同様に適切に適用することができる。
【0118】
さらに、クレームの中での順番は、特徴が実行されなければならない特定の順番を示すものではない。特に、方法クレームにおけるステップは、この順番に実行されなければならないことを意味するものではない。むしろ、ステップは、いかなる適切な順番でも実行され得る。加えて、単数の参照は、多数を排除しない。したがって、「a」、「an」、「第1の」、「第2の」等は、多数を排除しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのための方法であって、前記ワイヤレス加入者通信ユニットにおいて:
前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信するステップと;
前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信するステップと;
前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に、ハンドオーバ確認メッセージを送信するステップと;
前記第2の基地局でサポートされるセルにおいて前記第2の基地局にアップリンク・データを送信するステップと;
を有する方法。
【請求項2】
前記ハンドオーバコマンド・メッセージは、前記ワイヤレス加入者通信ユニットが前記第2の基地局でサポートされる通信セルにおいて使用するための識別子(C−RNTI)、を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
セル・アクセスの前に、前記第2の基地局でサポートされる前記通信セルにアップリンク同期を得るステップ、を更に含む請求項1または請求項2記載の方法。
【請求項4】
ハンドオーバ確認メッセージを送信するステップは、チャネル品質情報(CQI)を前記第2の基地局に並行して送信するステップ、を更に含む請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ハンドオーバ確認メッセージを送信するステップは、スケジューリング要求を前記第2の基地局に並行して送信するステップ、を更に含む請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
当該方法は、共用チャネルオペレーションに基づいたワイヤレス・ネットワークにおいて使用される、請求項1ないし5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
当該方法は、3rd Generation Partnership Project(3GPP)セルラー通信システムにおいて使用される、請求項1ないし6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
当該方法は、long−term evolution 3GPPセルラー通信システムにおいて使用される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバが可能なワイヤレス加入者通信ユニットであって:
前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信するためのロジックと;
前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信するためのロジックと;
ハンドオーバ確認メッセージを前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に送信するためのロジックと;
前記第2の基地局でサポートされるセルの前記第2の基地局にアップリンク・データを送信するためのロジックと;
を有するワイヤレス加入者通信ユニット。
【請求項10】
ワイヤレス・ネットワーク内で、第1の基地局から第2の基地局へのワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバのためのロジックであって、前記ロジックは実行可能プログラムコードを有し、前記プログラムコードは:
前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信する手順と;
前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信する手順と;
前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に、ハンドオーバ確認メッセージを送信する手順と;
前記第2の基地局でサポートされるセルにおいて前記第2の基地局にアップリンク・データを送信する手順と;
を実行可能なロジック。
【請求項11】
ワイヤレス・ネットワーク内で、第2の基地局にワイヤレス加入者通信ユニットのハンドオーバが可能な基地局を有しているセルラー通信システムであって、前記ワイヤレス加入者通信ユニットは:
前記第1の基地局からハンドオーバコマンド・メッセージを受信するためのロジックと;
前記第2の基地局と通信するための制御チャネル上の少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)を受信するためのロジックと;
前記少なくとも一つのアップリンク・スケジューリング・リソース(UL−SCH)上の前記第2の基地局に、ハンドオーバ確認メッセージを送信するためのロジックと;
前記第2の基地局でサポートされるセルにおいて前記第2の基地局にアップリンク・データを送信するためのロジックと;
を有するセルラー通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−66219(P2013−66219A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257802(P2012−257802)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2010−512623(P2010−512623)の分割
【原出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.フロッピー
3.イーサネット
4.LTE
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】