説明

ハンドヘルドの分配装置

物質を分配するためのハンドヘルドの分配装置は、ディスペンサーを含み、ディスペンサーは、i)物質を保持する分配チャンバを画定するディスペンサー本体、ii)分配チャンバと連絡する出口、iii)出口を通して分配チャンバの中身を分配するための分配機構、iv)分配機構を作動させるために付勢部材の作用に抵抗してディスペンサー本体に対して動くように弾性的に据え付けられた作動部材を組み込み、ディスペンサーは、ハンドルに動作可能に接続されており、ハンドルが出口を覆う不使用位置から、出口が覆われていない動作位置まで、ハンドルに対して手動でスライド運動し、装置は、ロック組立体をさらに含み、ロック組立体は、ディスペンサー本体をハンドルに対して動作位置で解放可能にロックして、ディスペンサー本体の手動によるスライド運動を防ぎ、それにより、使用者は、ハンドルを把持し、付勢部材の作用に抵抗した、ハンドルおよびディスペンサー本体に対する作動部材の手動による運動を引き起こして、分配機構を作動させ、覆われていない出口を通して分配チャンバの中身を分配することができる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本発明は、物質、具体的には例えば喫煙依存症の治療に使用されるニコチン製剤などの液体形態の物質、を分配するためのハンドヘルドの分配装置に関する。
【0002】
様々な物質用のハンドヘルドの分配装置を提供することが知られており、しばしば、その装置が、例えばハンドバッグまたはポケットの中で、持ち運びできることが望まれる。そのような物質の例には、香料およびクリーム、ならびに医療物質、例えば、喫煙依存症の治療に使用される吸入器用スプレー製剤およびニコチン製剤が含まれる。
【0003】
多くの場合、分配装置は、従来のエアゾール分配機構またはスプレーポンプ機構の形態をした分配機構を組み込み、これは、関連物質を保持する分配チャンバの中身を分配するように作動される。
【0004】
典型的にはそのようなディスペンサーのデザインを左右しうるいくつかの決定的要因がある。例えば、ディスペンサーが片手のみを使って手動で操作可能であることが望ましい場合がある;ディスペンサーが「不使用」構成にされることができ、それにより、物質が偶発的に分配されるのを妨げることが好ましい場合がある;分配チャンバが機械的衝撃を受けるのを妨げるのを確実にすることが望ましい場合がある(この衝撃は、別の状況では分配チャンバを損傷する可能性があり、その結果、物質が漏れる);特に特定の医療物質の場合、子供による分配機構の操作、または、例えばポケットもしくはハンドバッグに入れて装置を運ぶときに一般に偶発的な操作を防ぐのに資する「チャイルドレジスタント」特徴部を分配装置が備えるという要件がある場合がある。
【0005】
そのような分配装置のデザインを決定するいくつかの要因は、実際には「相反する」要因である。例えば、装置が「チャイルドレジスタント」特徴部を備えることが望ましい場合があるが、それにもかかわらず、同時に、装置の操作は、年配の人々を含む大人が操作しやすいものであることが望ましい。これは、医療物質用の分配装置の場合に特に重要である場合があり、医療物質用の分配装置では、混乱、および結果として起こる装置の不正確な操作を最小限にするために、装置を使用するための付随の説明書を削減または少なくとも単純化することが望ましい。
【0006】
よって、よくあることだが、特に最優先の目的が、装置の特定のデザインが小型であり持ち運びでき大量生産に向いていることである場合に、ハンドヘルドの分配装置のデザインは、相反するデザイン要因間での均衡が困難となりうる。
【0007】
本発明の目的は、改善されたハンドヘルドの分配装置を提供しようとすることである。
【0008】
本発明によると、物質を分配するためのハンドヘルドの分配装置が提供され、この装置は、ディスペンサーを含み、ディスペンサーは、
i)物質を保持する分配チャンバを画定するディスペンサー本体、
ii)分配チャンバと連絡している出口、
iii)出口を通して分配チャンバの中身を分配する分配機構、および、
iv)分配機構を作動させるためにディスペンサー本体に対して動くように据え付けられた作動部材、
を組み込んでおり、
ディスペンサーは、ハンドルに動作可能に接続されており、ハンドルが出口を覆う不使用位置から、出口が覆われていない動作位置まで、ハンドルに対して手動でスライド運動し、
装置は、ディスペンサー本体の手動でのスライド運動を防ぐために動作位置においてディスペンサー本体をハンドルに解放可能にロックするロック組立体をさらに含み、これにより、使用者は、ハンドルを把持し、ハンドルおよびディスペンサー本体に対して作動部材を手動で動かして、分配機構を作動させ、覆われていない出口を通じて分配チャンバの中身を分配することができる。
【0009】
好ましくは、作動部材は、付勢部材の作用に抵抗してディスペンサー本体に対して動くように弾性的に据え付けられ、ディスペンサーが動作位置にある状態で、使用者は、付勢部材の作用に抵抗して、ハンドルおよびディスペンサー本体に対して作動部材を手動で動かすことができる。
【0010】
好ましくは、ディスペンサーは、付勢部材の作用線に沿って手動で相対的にスライド運動するように、ハンドルに動作可能に接続され、付勢部材は、不使用位置から動作位置へのスライド運動中、ディスペンサー本体および作動部材を互いに実質的に固定された空間関係に維持する。
【0011】
ロック組立体は、ディスペンサー本体を不使用位置で解放可能にロックして、ディスペンサーが動作位置まで手動でスライド運動するのを防ぐようにさらに構成されうる。
【0012】
一実施形態では、作動部材は、停止部を備え、停止部は、ディスペンサー本体に対して作動部材が作動運動するのを防ぐためにディスペンサーが不使用位置にあるときにハンドル上の迫台に係合する。
【0013】
作動部材は、出口を組み込んだディスペンサーヘッドの形態であるのが好ましく、ディスペンサーヘッドは、分配機構を作動させるため、付勢部材の作用に抵抗してディスペンサー本体に対して手動で押し下げられるように、ディスペンサー本体の一端部に据え付けられる。ディスペンサーヘッドは、ディスペンサーが不使用位置へ後退されると、ハウジングの開口部をふさぐように構成されうる。
【0014】
ハンドルは、中空ハウジングであってよく、中空ハウジングは、ディスペンサーヘッドの押し下げ軸に実質的に沿って手動でスライド運動するようにディスペンサーをスライド可能に受容し、ディスペンサーは、ディスペンサーヘッドがハウジングの開口部を通って外側に突出する前記の動作位置と、ディスペンサーがハウジング内に後退される前記の不使用位置との間において手動でスライド可能である。
【0015】
ディスペンサーヘッドは、入れ子式に適合してハウジングに係合するように寸法決めされてよく、ディスペンサーヘッドの長さは、ディスペンサーヘッドが、不使用位置と動作位置との間での、ディスペンサーの手動のスライド運動の全範囲にわたって、ハウジングの開口部をふさぐようになっている。
【0016】
一実施形態では、ハウジングの壁の部分は、開口部に隣接して切り抜かれており、使用者は、後退した不使用位置で直接ディスペンサーヘッドに手で係合し、ディスペンサーヘッドをハウジングに対して手動でスライド運動させて、ディスペンサーを不使用位置から動作位置に動かすことができ、付勢部材は、ディスペンサー本体およびディスペンサーヘッドを、このスライド運動中、実質的に固定された関係に維持する。
【0017】
ディスペンサーヘッドは、ハウジングの内部と連絡する中空の内部ヘッド領域を画定する周辺スカートを含んでよく、ロック組立体は、中空の内部ヘッド領域の内部に位置する支点でディスペンサー本体に据え付けられたロックレバーを含み、ロックレバーは、ロックレバーの旋回運動により、ハウジングとラッチ係合するように、また、そのラッチ係合から外れるように移動可能であるラッチ要素を有する。
【0018】
便利なことに、ロックレバーは、弾性要素により、ラッチ要素を移動させてハウジングとラッチ係合させる方向に押し進められる。
【0019】
さらなる実施形態では、周辺スカートは、窓を備え、窓は、ハウジングの切り抜き部分と整列され、それにより、使用者は、この切り抜き部分および周辺スカートの窓を通じてロックレバーに手で圧力を加えて、ラッチ要素を移動させハウジングとのラッチ係合から外す方向に、弾性要素の作用に抵抗したロックレバーの旋回運動を引き起こすことができる。
【0020】
オプションとして、伝達プレートが、孔において周辺スカート上に移動可能に据え付けられ、伝達プレートに加えられた手の圧力をロックレバーに伝達する。伝達プレートは、周辺スカートの外部に蝶番式に据え付けられ、ロックレバーに係合するために窓を通って内側に傾斜運動するように寸法決めされてよい。さらに、伝達プレートは、周辺スカート上にスライド可能に据え付けられて、窓を通って伝達プレートが内側に傾斜運動するのを可能にする整列位置と、孔の縁が孔を通じた伝達プレートの内側傾斜運動を妨げる非整列位置との間で、窓に対してスライド運動することができる。伝達プレートは、都合のよいことに、この非整列位置に向かって弾性的に付勢されてよく、また、この付勢の作用に抵抗して整列位置へスライドすることができる。
【0021】
ハウジングの外部は、平坦な面部分を組み込むことができる。
【0022】
分配機構は、ポンプ機構であってよく、出口は、スプレーノズルであってよい。
【0023】
分配チャンバは、液体形態の物質、例えばニコチン製剤または他の製剤を収容することができる。
【0024】
物質がニコチン製剤を含む場合、ディスペンサー本体は、ガラス、アクリロニトリルとアクリル酸メチルとのコポリマー(Barex(登録商標))、環状オレフィンコポリマー(COC)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルもしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸モノマー(dimethyl-2,6 naphthalene dicarboxylate or 2,6-naphthalene dicarboxylic acid monomers)をベースとしたポリマー、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリトリメチレンナフタレート(PTN)、液晶ポリマー(LCP)、好ましくはヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフタレン酸(hydroxy naphthalenic acid)を含むLCPのうち1つ以上から選択された材料、またはそれらの混合物より選択された材料から作られるのが好ましく、これらの材料は、オプションとして、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、フルオロポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、イオノマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephtalate)(PET)から選択されるポリマーのうち1つ以上と混合される。
【0025】
本発明がより容易に理解されうるように、本発明の実施形態を、例として、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0026】
誤解を避けるために、図面は例示的なものであり、本発明を制限することを意図しておらず、むしろ、特許請求の範囲に記載されるような本発明の可能な一実施形態を説明するのに役立つものであることに留意されたい。
【0027】
図1aは、分配装置1の分解組立図であり、分配装置1の主要な下位構成要素を示している。
【0028】
概観では、分配装置1は、ハウジング2と、ハウジング2内部にスライド可能に受容されるディスペンサー3と、を含む。
【0029】
ハウジング2は、細長い中空本体であり、この本体は、一端部で開いており、平坦な後壁2a(図2bを参照)および湾曲した前壁2bにより定められた、概ねD字型の断面を有している。平坦な後壁2aの一部は、ハウジング2の開口端部に隣接して奥まっているかまたは「切り抜かれ」ており、湾曲した前壁2bおよび平坦な後壁2aは共に、いびつな開口部2c(その形状は図2bを参照すれば最も良く理解される)を形成している。「切り抜く(cut away)」という用語は、関連部分が、前壁の先在部分を切り取ることによって必然的に形成されていることを意味するものではないことが、ここで認識されるべきである。実際、ハウジング2全体は、例えば適した剛性プラスチック材料を適切に成型することにより、(切り抜き部分を含め)一体となって形成されうる。
【0030】
細長く概ね垂直な中央スロット2dが、後壁2aの「切抜き」部分の反対側で、湾曲した前壁2bに設けられる。一対の小さな正方形の孔2e、2fが中央スロット2dの上方端部に位置付けられており、この孔2e、2fは、中央スロット2dの両側で、互いに正反対に位置付けられている。第2対の対応する正方形の孔2g、2hが同様に中央スロット2dの下方端部に位置付けられ、4つの孔2e、2f、2g、2hは、概念上の正方形の4つの角に位置付けられている(図2cを参照)。後壁2aは、一対のガイドスロット2i、2jを備え、これらのガイドスロットは、後壁2aの切り抜き部分の下で、互いに、また中央スロット2dに平行に延びている(図2bを参照)。
【0031】
ディスペンサー3は、5つの主要な下位構成要素:小瓶4の形態のディスペンサー本体と、ポンプ機構5の形態の分配機構と、ポンプ機構5を小瓶4に固定するカラー6と、ロックレバー7と、ディスペンサーヘッド8の形態の作動部材(ディスペンサーヘッド8自体は図1aの分解組立図に図示)と、を含む。
【0032】
小瓶4は、D字型の断面を有し、物質を保持する分配チャンバを画定する主要本体部分4aと、開いた「口」を画定する中空の円筒形ネック部分4bと、を含む、概ね従来の形状のものである。
【0033】
小瓶4は、任意の適切な方法を用いて、例えばプラスチック材料の吹き込み成型などによって、任意の適切な材料から形成されうる。分配装置がニコチン製剤を保持するよう意図されている場合、対応する分配本体、例えば小瓶4、は、本質的にニコチン製剤を吸収しないか、もしくはニコチン製剤と反応せず、また、酸素および水の移動に対する十分なバリアを構成する「ニコチン不活性(nicotine-inert)」の材料から形成されるのが好ましく、このような材料は、例えば、ガラス、アクリロニトリルとアクリル酸メチルとのコポリマー(Barex(登録商標))、もしくは環状オレフィンコポリマー(COC)、およびこれらの組み合わせである。小瓶4が形成されうる他の適切な材料には、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルもしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸モノマーをベースとしたポリマー、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリトリメチレンナフタレート(PTN)、液晶ポリマー(LCP)、好ましくはヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフタレン酸を含むLCP、並びにそれらの組み合わせから選択された材料が含まれる。適切な材料には、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、フルオロポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、イオノマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンテレフタラート(PET)からなる群から選択される、他のポリマーのうち1つ以上と混合された上記材料も含まれる。
【0034】
ネック部分4bは、周辺フランジ4cを組み込んでおり、周辺フランジ4cは、大まかに言えば長方形であるが、ハウジング2の前壁2bの湾曲した内面に対応する、湾曲した前縁4dを含んでいる。前縁4dは、ガイド突出部4eと、一対の据付突出部4f(そのうち1つの据付突出部のみを図1aで見ることができる)と、を備え、据付突出部4fはそれぞれ、概ね長方形の周辺フランジ4cの、対向する、より短い辺に位置する。
【0035】
ポンプ機構5は、概ね従来の構成であり、図1aでは、部分断面図で非常に概略的に示されたに過ぎない。ポンプ機構5は、小瓶4の主要本体4a内から液体をくみ出すための吸い込み管5a(その上部のみ図1aで見ることができる)と、吸い込み管5aと連絡する内部ポンプチャンバ(不図示)を画定する円筒形のポンプハウジング5bと、ピストン部材5cであって、従来のように、ピストン部材5cのボア(不図示)を通して上に、またピストン部材5cの中空ステム部分を通して外に、ポンプチャンバの中身を移すために、コイルバネ5d(図1aでは断面で図示)の形態をした付勢部材に抵抗してポンプチャンバ内部で動くように据え付けられた、ピストン部材5cと、を含む。
【0036】
ポンプハウジング5bは、小瓶4の口のリムに設置され、よって、小瓶4の口をシールし、吸い込み管5aは、小瓶4の本体4aにより画定された分配チャンバ内へと下方に延びる。
【0037】
カラー6は、小瓶4の口と前述のようにシール係合してポンプ機構5をクランプするように機能し、リング部分6aと、リング部分6aから垂れ下がっている、直径方向向き合った一対のアーム6b、6cと、を含む。各アーム6b、6cは、ある程度の弾性を有しており、また、その下方端部に、対応する孔6d、6eを備えている。カラー6は、一対の第2の弾性脚部6fをさらに備えており、脚部6fは、以下でさらに詳細に説明するようにディスペンサーヘッド8をカラー6にロックするための、対応する斜面要素6g(そのうち1つのみを図1aで見ることができる)で終端をなす。
【0038】
別の実施形態では、カラー6は、アーム6bおよび6cを有していない。代わりに、リング部分6aの内側には、ピストン部材5cの動く方向と平行に位置するリブが備えられている。このリブは、変形を受けて、ポンプ機構5と係合する。
【0039】
ポンプ機構5を小瓶4にクランプするために、ポンプハウジング5bは、最初に、小瓶4の口のリム上に設置され(吸い込み管5aは小瓶4内へ下方に延びる)、その後、カラー6が、ポンプハウジング5bの上部の上へ押し下げられ、アーム6b、6cがポンプハウジング5bの両側で下方に延び、それにより、アーム6b、6cが、「スナップ嵌め」で据付突出部4fとそれぞれ係合する前にポンプハウジング5bの側面により、弾性的に変形される。よって、ポンプハウジングは、小瓶4の口のリムと、カラー6のリング部分6aとの間でしっかりとクランプされ、ピストン部材5cの中空ステムは、カラー6のリング部分6aより上で垂直に上方へ延びる(例えば図2aを参照)。
【0040】
さらに図1aを参照して、ロックレバー7は、接続ヨーク部分7cの端部から垂れ下がっている一対の脚部7a、7bを含み、接続ヨーク部分7cは、脚部7a、7bそれぞれに対して垂直に延びている。
【0041】
各脚部7a、7bは、それぞれの脚部7a、7bの遠位端部に位置付けられた、対応する突出「足部」7d、7eの形態をしたラッチ要素と、それぞれの脚部7a、7bの「膝」に位置付けられた、内側に突出する突端7f、7gと、それぞれの脚部7a、7bの「膝」の後ろから後方に延び、それぞれの突出「足部」7d、7eの「かかと」の反対側で終端を成す、細長い弾性要素7h、7iと、を組み込んでいる。
【0042】
脚部7a、7bは、十分な弾性を備えて、突端7f、7gがカラー6のアーム6b、6cにおける対応する円形孔6d、6eと「スナップ嵌め」して回転係合するのを可能にし、ゆえに、ロックレバー7は、カラー6に固定され、ロックレバー7は、突端7f、7gを貫通する軸を中心として、カラー6に対して回転することができる。
【0043】
ディスペンサーヘッド8は、面部分9、キャップ部分10、および伝達プレート11を含む。
【0044】
面部分9は、ハウジング2内部で入れ子式にスライド係合するように概ねD字型の断面を有しており、湾曲した前壁9aおよび平坦な後壁9bにより画定されている。ハウジング2の後壁2aと同様に、平坦な後壁9bの上方部分は、「切り抜かれ」て、いびつな形状の開口部9cを面部分9に形成し、この開口部9cは、ハウジング2のいびつな形状の開口部2cに対応している。さらに、湾曲した前壁9aの下方部分は、同様に「切り抜かれ」ている。図2dおよび図2eに最も良く示されるように、一対のスライド突出部9dが、後壁9bの外面の底縁に沿って設けられ、ハウジング2の後壁2aにおけるガイドスロット2i、2jとスライド可能に係合する。さらに、一対の斜面突出部9gが、後壁9bの内面の上縁に沿って(すなわち、後壁9bの切り抜き部分の真下に)設けられ、カラー6上に設けられた斜面要素6gとロック係合する。斜面要素6gおよび斜面突出部9gは、図面に示された場所とは違う、他の場所に設けられてもよい。出口9eが、前壁9bに設けられる。出口9eは、任意の従来型のスプレー出口であってよいが、面部分9の一体部分として形成され、かつ開口部9c内へ後方に延びる供給通路9fと流体連通している。
【0045】
キャップ部分10は、面部分9の対応する後壁9bの切り抜き部分に適合するように寸法決めされた平坦な後壁10aと、後壁10aの上方縁から突出し、かつ面部分9の断面に対応するD字型の断面を有する片持ち上部10bと、を含む。
【0046】
キャップ部分10は、面部分9の開口部9c内に固定的に嵌まり、後壁10aおよび後壁9bは共に周辺スカートを形成し、後壁10aは、隆起部10cの形態をした停止部を画定し、隆起部10cの機能は、以下でさらに明らかになるであろう。
【0047】
後壁10a(したがって、前述の周辺スカート)は、図1bおよび図1cにさらに明確に図示される、アーチ型の窓10dを備えている。窓10dのアーチ型の上方縁は、後壁10aから奥まっている三日月形の肩10eにより画定され、窓10dの真っ直ぐな下方縁は、「リビング」ヒンジにより孔10dの下方縁に沿って取り付けられた、蝶番式のアーチ型フレーム10fを後壁10aの内側に備えている。
【0048】
アーチ型フレーム10fは、アーチ型の窓10cの下方縁に沿って延びる真っ直ぐなフレーム部分10gと、アーチ型の窓10dの真っ直ぐな辺と平行に延びるが、アーチ型の窓10dのその真っ直ぐな辺から内側に離間した、一対の平行なフレーム部分10hと、アーチ型の窓10dの上部で肩10eの内縁に沿って延びるアーチ型のフレーム部分10iと、を含む。フレーム部材10hはそれぞれ、フレーム部分10hの約3分の1のところ(下方フレーム部分10gから測定)に段部10jを備えている。段部10jは、一方ではアーチ型の窓10dの下方縁と、他方では窓の上方縁を画定する湾曲した肩10eとの間の引込み段(offset)に適応し、したがってフレーム部材10hの上方領域は、フレーム部材10hの下方領域から奥まっている(特に図1bを参照)。
【0049】
C字型の曲がった金属部材12が、下方フレーム部分10gに固定的に取り付けられており、この部材の機能は以下で明らかとなるであろう。
【0050】
次に伝達プレート11に関して、伝達プレート11は、アーチ型の窓10dと同様の輪郭形状を有する。段部11aが、伝達プレート11の内面に形成されており、段部11aは、フレーム部分10hの段部10jの深さに対応する深さを有するが、伝達プレート11の内面の半分のところに位置付けられている。伝達プレート11の内面はまた、フレーム10fの平行なフレーム部分10hにスライド可能に係合するためのガイドチャネル11bと、段部11aの下面に対してC字型の曲がった金属部材の上方アームを設置するために段部11aに隣接して位置付けられた設置部材11cの配列と、を備える。
【0051】
伝達プレート11は、ガイドチャネル11bを平行なフレーム部分10hと係合させることにより、蝶番式フレーム10eにスライド可能に据え付けられ、曲がった金属部材12の上方アームは、設置部材11cを用いて段部10aの下面に接して位置する。伝達プレート11はその後、例えば曲がった金属部材12の上方アームを段部11aの下面に対して所定の位置に接着することにより、フレーム10fとスライド係合した状態で固定して維持されることができる。代わりに、設置部材は、接着を必要とせずに、伝達プレート11を曲がった金属部材12に固定して留めるように構成されうる。
【0052】
いずれにせよ、伝達プレート11が曲がった金属部材12の上方アームに固定して取り付けられた状態で、曲がった金属部材12は、伝達プレート11を図1cおよび図2bに示される位置へ弾性的に付勢するよう作用し、それにより、伝達プレート11は、奥まった肩10eにより形成された後壁10aの縁にもたれかかる。伝達プレートがこの非整列位置にあると、伝達プレート11の内側への傾斜運動は、肩10eにより妨げられる。
【0053】
特に図2bを参照して、前述した非整列位置では、伝達プレート11の下方縁が、アーチ型の窓10dの下方縁から距離xだけ離間していることが認識されるであろう。同様に、図1cを参照すると、伝達プレート11の内面の段部11aが、段部10jの上方で距離xだけ離間している。ゆえに、伝達プレート11は、曲がった弾性的金属部材の付勢に抵抗して距離xだけ下方にスライドでき、伝達プレート11は、段部10jおよびアーチ型の窓10dの下方縁にもたれかかる。この整列位置では、伝達プレート11の湾曲した上方縁が、肩10eを通過し、ゆえに、伝達プレート11(蝶番式フレーム10f上に支持されている)がアーチ型の窓10dを通って内側に傾斜運動することができる。
【0054】
ディスペンサーヘッド8は、小瓶4に対して動くように据え付けられて、ポンプ機構5を作動させる。
【0055】
特に、ディスペンサーヘッドは、ポンプ機構5上に弾性的に据え付けられ、コイルバネ5dの作用に抵抗して小瓶4に対して作動運動して、ポンプ機構5を作動させ、出口9eを通じて小瓶4の中身を分配する。
【0056】
ディスペンサーヘッド8を据え付けるために、ディスペンサーヘッド8は、ポンプ機構5上に押し下げられ、供給通路9fの縦樋(down pipe)は、ピストン部材5cの中空ステムに係合して、ポンプ機構5の内部ポンプチャンバを介して、小瓶4と出口9eとの間の閉じた通路を形成する。ディスペンサーヘッド8がポンプ機構5上に押し下げられると、斜面突出部9gと斜面要素6gとの係合は、後壁9bをカラー6の上に「スナップ嵌め」するのに役立ち、それにより、斜面突出部9gおよび斜面要素6gは、その後、カラー6(したがって小瓶4)に対するディスペンサーヘッド8の上方運動を制限する。
【0057】
分配装置1を組み立てるため、ディスペンサー3の様々な下位構成要素が、前記のように組み立てられてよく、その後、ディスペンサー3は、ハウジングを小瓶4の上にスライドさせて、ガイド突出部4eおよびスライド突出部9dを中央スロット2dおよびガイドスロット2i、2j内部でそれぞれ「スナップ嵌め」させることにより、ハウジング2とスライド可能に係合されうる(特に図2dおよび図2eを参照)。
【0058】
組み立てられた分配装置1では、中央スロット2dおよびガイドスロット2i、2jは、軸Aに沿ったハウジング2に対するディスペンサー3の限られた範囲のスライド運動に適応するが、それにもかかわらず、ディスペンサー3をハウジング2にくさびで締めて(keying)ディスペンサー3およびハウジング2の相対的な回転を防ぐことが認識されるであろう。
【0059】
分配装置1の操作を、図2〜図8を参照して説明する。これらは、組み立てられた分配装置1を様々な構成で示している。
【0060】
例えば、図2a〜図2eは、初期の不使用位置にある、組み立てられた分配装置1の対応する図を示し、ディスペンサー3は、ハウジング2内部で後退している。
【0061】
この不使用位置で、ディスペンサーヘッド8、特にキャップ部分10は、ハウジング2の開口部2cをふさぎ、ハウジング2の湾曲した前壁2bは面部分9の前壁9aにおける出口9eを覆って、出口9eを保護し、ハウジング2の内部への(したがって、小瓶4、ポンプ機構5、カラー6、およびロックレバー7への)アクセスを妨げる。同時に、隆起部10c(図5bを参照)、およびハウジング2の後壁2aの切り抜き部分の下方縁は、軸Aに沿って小瓶4に向かうディスペンサーヘッド8の作動運動を妨げるための停止部および迫台としてそれぞれ作用する。それにより、ポンプ機構5の作動が、不使用位置で妨げられる。
【0062】
特に図2dを参照すると、ロックレバー7は、ディスペンサー3を不使用位置でロックするように作用する。ゆえに、後壁9bに対して反発する細長い弾性要素7h、7iは、ロックレバー7を前方のロック位置に押し進め、このロック位置で足部7d、7eは、対応する上方対の孔2e、2fに係合して、軸Aに沿ったディスペンサー3およびハウジング2の相対的スライド運動を妨げる。
【0063】
図3〜図7は、図2に示す不使用位置から、図7に示す、出口9eが覆われていない動作位置までのディスペンサー3の動きを段階的に示すものである。
【0064】
第一に図3および図4を参照すると、図2に示すロック位置からロックレバー7を出すには、伝達プレート11の2段階の動きが必要である。
【0065】
最初に、図3a〜図3eに示すように、伝達プレート11は、曲がった金属部材12の付勢に抵抗して、図3に示す位置まで距離xだけ下方にスライドされなければならず(図1cも参照のこと)、この位置で、伝達プレート11は、段部10jおよびアーチ型の窓10cの下方縁にもたれかかり、伝達プレート11の湾曲した上方縁は、肩10eを「通過する」(図1cを参照)。この位置から、伝達プレート11は次に、蝶番式フレーム10f上で、ロックレバー7に向かって内側に傾斜してよく、フレーム10fの上方領域および伝達プレート11は、ロックレバー7のヨーク部分7cに係合し、その後、弾性的な細長い弾性要素7h、7iの作用に抵抗して、ロックレバー7を回転させてロック位置から出す(図4a〜図4eを参照)。このようにして、足部7d、7eは、動いて、ハウジング2とのラッチ係合から外れる(特に図4dを参照)。
【0066】
使用者が片手を用いて手動で前記の2つの動きを実行しうることが認識されるであろう。ゆえに、使用者は、(ハンドルとして作用する)ハウジング2を片手で把持し、次に、親指を使って伝達プレート11を図3a〜図3eに示す位置まで下方にスライドさせ、その後、伝達プレート11を(フレーム10f上で)内側に押して、前記のように、また図4に示すように、足部7d、7eを動かしハウジング2とのラッチ係合から外すことができる。
【0067】
伝達プレート11が図4a〜図4eに示す位置にある状態で、ディスペンサー3は、もはやハウジング2に対してロックされず、そうすると、使用者が、伝達プレート11を内側に押し続けている間に、ディスペンサー3を入れ子式にスライドさせるため、同じ親指を使ってディスペンサー3を軸Aに沿ってハウジング2に対して入れ子式にスライドさせることは、明白な事柄である。ゆえに、ディスペンサー3は、図5a〜図5eに示す動作位置まで動かされてよく、この位置で、ガイド突出部4eおよびスライド突出部9dは、中央スロット2dおよびガイドスロット2i、2jそれぞれの上部に到達して、ハウジング2に対するディスペンサー3のさらなる上方スライド運動を制限する。軸Aに沿ったディスペンサー3のスライド運動中、バネ5dは、ディスペンサーヘッド8および小瓶4を互いに対して固定された空間関係に保つ。
【0068】
図5a〜図5eに示す動作位置では、ディスペンサーヘッド8は、ハウジング2の開口部2cを通って外側に突出し、出口9eは、もはやハウジング2によって覆われない。それにもかかわらず、ディスペンサーヘッド8は依然として開口部2cをふさぎ、そのためハウジング2の内部へのアクセスは動作位置においても妨げられ続けることに留意するべきである。
【0069】
いったん使用者がディスペンサーヘッド8を図5a〜図5eに示す動作位置へ動かすと、使用者は次に、伝達プレート11の同じ2段階の動きを、逆に行うことにより、動作位置でディスペンサー3をハウジング2にロックすることができる。ゆえに、図6および図7を参照すると、使用者は、伝達プレート11への手による圧力を解放し、伝達プレート11が外側に傾斜運動して図4a〜図4eに示す位置へ戻ることを可能にすることができ、それにより、伝達プレート11およびフレーム10dはロックレバー7から係合解除され、弾性的なつま先部分は、足部をハウジング2の上方対の孔2e、2fとラッチ係合させる。この位置から、使用者は次に、伝達プレート11を手動でスライドさせて、図3に示す非整列位置に戻すことができ、それにより、伝達プレート11の内側への傾斜運動が肩10eにより妨げられる。
【0070】
ディスペンサー3が図7に示すように動作位置でロックされた状態で、使用者は、ハウジング2を把持し、バネ5dの作用に抵抗してディスペンサーヘッド8(したがってポンプピストン部材5c)をハウジング2(したがってハウジング2に対してロックされている小瓶4)に対して選択的に押し下げて、ポンプ機構5を作動させ、出口9eを通して所望の量の物質を分配することができる。使用者は、ディスペンサー3を動作位置に手で保持する必要なしに、この分配動作を行うことができる。これは、ディスペンサー3が実際には動作位置でロックされているためである。同時に、使用者は、小瓶4に触れる必要なしに、分配動作を行うことができる。
【0071】
いったん使用者が物質を分配し終えると、ディスペンサー3はその後、前述した段階を単に逆にすることにより、そのロックされた動作位置から解放されて、ロックされた不使用位置に戻ることができる。ここで、使用者がディスペンサー3をスライドさせハウジング2内へ戻すと、バネ5dは再び、小瓶4およびディスペンサーヘッド8を実質的に固定され離間した関係に保ち、ポンプ機構5の作動を防ぐのに役立つことに留意すべきである。
【0072】
ロックレバー7の足部を動かしてハウジング2とラッチ係合させ、またラッチ係合から外すのに必要とされる、伝達プレート11の「2段階」の動きは、例えばディスペンサーがポケットまたはハンドバッグに入れて運ばれている場合に、ディスペンサー3が不使用位置から動作位置へ偶発的に動く可能性を低減することが認識されるであろう。同様に、この「2段階」の動きにより、不使用位置にある分配装置を子供が不注意にまたは意図的に「ロック解除」することがさらに難しくなる。ゆえに、このデザインは、ある程度の「チャイルドレジスタンス」を提供し、これは、物質が例えばニコチン製剤などの医療物質である場合に特に有利となりうる。
【0073】
図1〜図7に示す実施形態では、不使用位置から分配位置までディスペンサー3を動かすには、分配装置がいったん「ロック解除」されていても、さらに3つの「段階」が必要である。ゆえに、ディスペンサーが不使用位置で「ロック解除」されても、ハウジング2は、ディスペンサー3が手動で動作位置へ動かされる(これ自体には、伝達プレート11に圧力を加え続けることが必要である)まで、出口を保護し続けるであろう。さらに、ディスペンサー3のスライド運動は、ディスペンサー本体に対するディスペンサーヘッド8の作動運動の線に沿っている(また、バネ(sprig)5dは、ディスペンサー3のそのようなスライド運動の間、分配ヘッド8と小瓶4との間の固定された空間関係を保つように構成されている)ため、ポンプ機構5は、伝達プレート11のさらなる「2段階」の動きによってディスペンサー3が動作位置でロックされるまで、ディスペンサー3が動作位置にあっても効果的に作動されることができない。これらの追加の段階は、出口9eを通して物質を外に分配する分配機構の非意図的な、または望ましくない作動のリスクをさらに軽減する。
【0074】
ハウジングは、いかなる所望の形状であってもよいが、ハウジング2は、好ましくは特に人間工学的で空間効率のよい「スリムライン」形状を有することが認識されるであろう。実際、ハウジング2に対するディスペンサー3のスライド運動、およびディスペンサー本体に対するディスペンサーヘッド8の作動運動の双方が、同軸である(それぞれ軸Aに沿って向けられている)ので、分配装置1が「インライン」構成を有することにも留意すべきである。分配装置1の「インライン」構成は、ディスペンサーヘッド8が押し下げられたときにディスペンサー3が動作位置から後退するのを防ぐためにディスペンサー3が動作位置でロックされうる特徴部、ならびに、ディスペンサー3が不使用位置から動作位置までスライド運動する間にディスペンサーヘッド8および小瓶4を固定された空間関係に保つためにバネ5dが十分な「硬さ」を有する特徴部、により、可能となる。
【0075】
ハウジング2は小瓶4とは別個であるので、ハウジング2は、小瓶4の中の物質と接触するのに特に適した材料から形成されることに制限されないことが認識されるであろう。装置を使用するため使用者が把持する部分であるハンドルと、分配チャンバを画定する構成要素であるディスペンサー本体とのこの分離により、材料の使用における融通性が増す。例えば、ハウジング2は、材料が「物質不活性」であることを考慮せずに、比較的低コストで人間工学的な形状を形成するのに向いている材料、または耐衝撃性が非常に高い材料から形成されうる。
【0076】
ハウジング2について言えば、平坦な後壁2aにより、分配装置は、台などの表面上で、装置1がその表面から転げ落ちるリスクなしで、安全に平らに置かれることができる。
【0077】
代替的実施形態では、伝達プレートは、完全に省略されてよく、使用者は、周辺スカートの窓を通じて、ロックレバーを自分の親指と直接係合させることができる。
【0078】
作動部材は都合よく作動させるためディスペンサー本体に弾性的に据え付けられるのが好ましいが、作動部材が分配機構を作動させるためにディスペンサー本体に対して動くよう据え付けられているという条件で、これは、本発明の必須の特徴ではないことが認識されるべきである。
【0079】
分配装置は可能な限り構成要素を互いに「スナップ嵌め」することで組み立てられると考察されるが、分配装置の組立には、様々な構成要素を取り付ける、特に適切な場合には構成要素を互いに接着する、他の方法も含まれうる。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) 物質を分配するためのハンドヘルドの分配装置において、
ディスペンサーであって、
i)前記物質を保持する分配チャンバを画定するディスペンサー本体、
ii)前記分配チャンバと連絡する出口、
iii)前記出口を通して前記分配チャンバの中身を分配する分配機構、および、
iv)前記分配機構を作動させるために前記ディスペンサー本体に対して動くように据え付けられた作動部材、
を組み込んでいる、ディスペンサー、
を含み、
前記ディスペンサーは、ハンドルに動作可能に接続されて、前記ハンドルが前記出口を覆う不使用位置から、前記出口が覆われていない動作位置まで前記ハンドルに対して手動でスライド運動し、
前記装置は、ロック組立体をさらに含み、前記ロック組立体は、前記ディスペンサー本体を前記ハンドルに対して前記動作位置で解放可能にロックして前記ディスペンサー本体の前記手動のスライド運動を防ぎ、それにより、使用者は、前記ハンドルを把持し、前記ハンドルおよび前記ディスペンサー本体に対する前記作動部材の手動による運動を引き起こして、前記分配機構を作動させ、前記覆われていない出口を通して前記分配チャンバの前記中身を分配することができる、装置。
(2) 実施態様1に記載の装置において、
前記ロック組立体は、前記不使用位置で前記ディスペンサー本体を解放可能にロックして、前記動作位置への前記ディスペンサーの前記手動のスライド運動を防ぐようにさらに構成されている、装置。
(3) 実施態様1または2に記載の装置において、
前記作動部材は、停止部を備え、前記停止部は、前記ディスペンサー本体に対する前記作動部材の作動運動を防ぐために、前記ディスペンサーが前記不使用位置にあるときに前記ハンドル上の迫台に係合する、装置。
(4) 実施態様1に記載のハンドヘルドの分配装置において、
前記作動部材は、付勢部材の作用に抵抗して前記ディスペンサー本体に対して動くように弾性的に据え付けられ、
前記ディスペンサーが前記動作位置にある状態で、使用者は、前記付勢部材の作用に抵抗して、前記ハンドルおよび前記ディスペンサー本体に対する前記作動部材の前記手動の運動を引き起こすことができる、装置。
(5) 実施態様4に記載の装置において、
前記ディスペンサーは、前記ハンドルに動作可能に接続されて、前記付勢部材の作用線に沿って相対的に手動でスライド運動し、前記付勢部材は、前記不使用位置から前記動作位置への前記スライド運動中、前記ディスペンサー本体および作動部材を互いに実質的に固定された空間関係に保つように構成されている、装置。
(6) 実施態様1〜3のいずれかに記載の装置において、
前記作動部材は、前記出口を組み込んだディスペンサーヘッドの形態をしており、前記ディスペンサーヘッドは、前記分配機構を作動させるため前記ディスペンサー本体に対して手動で押し下げられるように前記ディスペンサー本体の一端部に据え付けられている、装置。
(7) 実施態様6に記載の装置において、
前記ハンドルは、前記ディスペンサーをスライド可能に受容する中空ハウジングであり、前記ディスペンサーは、前記ディスペンサーヘッドが前記ハウジングの開口部を通って外側に突出する前記動作位置と、前記ディスペンサーが前記ハウジング内部に後退する前記不使用位置との間において、手動でスライド可能である、装置。
(8) 実施態様7に記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、前記分配機構を作動させるため、前記付勢部材の作用に抵抗して前記ディスペンサー本体に対して手動で押し下げられるように前記ディスペンサー本体の一端部に弾性的に据え付けられ、
前記動作位置と前記不使用位置との間での前記ディスペンサーの前記手動のスライド運動は、前記ディスペンサーヘッドの押し下げ軸に沿っており、前記付勢部材は、前記手動のスライド運動中、前記ディスペンサーヘッドおよびディスペンサー本体を互いに実質的に固定された空間関係に保つように構成されている、装置。
(9) 実施態様7または8に記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、前記ディスペンサーが前記不使用位置へ後退すると前記ハウジングの前記開口部をふさぐように構成されている、装置。
(10) 実施態様9に記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、入れ子式に適合して前記ハウジングに係合するように寸法決めされ、前記ディスペンサーヘッドの長さは、前記ディスペンサーヘッドが、前記不使用位置と前記動作位置との間での前記ディスペンサーの手動のスライド運動の全範囲にわたって前記ハウジングの前記開口部をふさぐようになっている、装置。
【0081】
(11) 実施態様10に記載の装置において、
前記ハウジングの壁の一部が、前記開口部に隣接して切り抜かれており、使用者は、前記後退した不使用位置において前記ディスペンサーヘッドに手動で直接係合し、前記ハウジングに対する前記ディスペンサーヘッドの手動のスライド運動を引き起こして、前記ディスペンサーを前記不使用位置から前記動作位置へ動かすことができ、前記付勢部材は、前記スライド運動中、前記ディスペンサー本体およびディスペンサーヘッドを、実質的に固定された関係に保つ、装置。
(12) 実施態様6〜11のいずれかに記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、前記ハウジングの内部と連絡する中空の内部ヘッド領域を画定する周辺スカートを含み、前記ロック組立体は、前記中空の内部ヘッド領域の内側に位置する支点において前記ディスペンサー本体に据え付けられたロックレバーを含み、前記ロックレバーは、前記ロックレバーの旋回運動により、前記ハウジングとラッチ係合するように、また、そのラッチ係合から外れるように移動可能である、ラッチ要素を有する、装置。
(13) 実施態様12に記載の装置において、
前記ロックレバーは、前記ラッチ要素を移動させて前記ハウジングとラッチ係合させる方向に、弾性要素によって押し進められる、装置。
(14) 実施態様11に従属する実施態様13に記載の装置において、
前記周辺スカートは、前記ハウジングの前記切り抜き部分と整列された窓を備え、それにより、使用者は、前記切り抜き部分および前記周辺スカートの前記窓を通して前記ロックレバーに手の圧力を加え、前記ラッチ要素を移動させて前記ハウジングとのラッチ係合から外す方向における、前記弾性要素の作用に抵抗した前記ロックレバーの前記旋回運動を引き起こすことができる、装置。
(15) 実施態様14に記載の装置において、
伝達プレートが、前記孔において前記周辺スカート上に移動可能に据え付けられ、前記伝達プレートに加えられた前記手の圧力を前記ロックレバーに伝達する、装置。
(16) 実施態様15に記載の装置において、
前記伝達プレートは、前記周辺スカートの外部に蝶番式に据え付けられており、前記ロックレバーに係合するため前記窓を通って内側に傾斜運動するように寸法決めされている、装置。
(17) 実施態様16に記載の装置において、
前記伝達プレートは、前記周辺スカート上にスライド可能に据え付けられ、前記窓を通じた前記伝達プレートの前記内側への傾斜運動を可能にする整列位置と、前記窓の縁が前記窓を通じた前記伝達プレートの内側への傾斜運動を防ぐ非整列位置との間で、前記窓に対してスライド運動する、装置。
(18) 実施態様17に記載の装置において、
前記伝達プレートは、前記非整列位置に向かって弾性的に付勢され、前記付勢の作用に抵抗して前記整列位置までスライド可能である、装置。
(19) 実施態様1〜18のいずれかに記載の装置において、
前記ハウジングの外部は、平坦な面部分を組み込む、装置。
(20) 実施態様1〜19のいずれかに記載の装置において、
前記分配機構は、ポンプ機構であり、前記出口は、スプレーノズルである、装置。
【0082】
(21) 実施態様1〜20のいずれかに記載の装置において、
前記分配チャンバは、液体形態の物質を収容する、装置。
(22) 実施態様21に記載の装置において、
前記物質は、ニコチン製剤、または他の製剤を含む、装置。
(23) 実施態様22に記載の装置において、
前記物質は、ニコチン製剤を含み、
前記ディスペンサー本体は、ガラス、アクリロニトリルとアクリル酸メチルとのコポリマー(Barex(登録商標))、環状オレフィンコポリマー(COC)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルもしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸モノマーをベースとしたポリマー、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリトリメチレンナフタレート(PTN)、液晶ポリマー(LCP)、好ましくはヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフタレン酸を含むLCP、のうちの1つ以上から選択された材料、またはそれらの混合物より選択された材料から作られ、前記材料は、オプションとして、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、フルオロポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、イオノマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、およびポリエチレンテレフタラート(PET)から選択されるポリマーのうち1つ以上と混合される、装置。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1a】分配装置の主要構成要素を示す分解組立概略図である。
【図1b】図1aの分配装置の一部を示す斜視図である。
【図1c】図1aの分配装置の一部を示す斜視図である。
【図2a】不使用構成にある、組み立てられた分配装置を示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図2b】不使用構成にある、組み立てられた分配装置を示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図2c】不使用構成にある、組み立てられた分配装置を示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図2d】不使用構成にある、組み立てられた分配装置を示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図2e】不使用構成にある、組み立てられた分配装置を示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図3a】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図3b】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図3c】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図3d】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図3e】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図4a】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図4b】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図4c】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図4d】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図4e】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図5a】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図5b】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図5c】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図5d】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図5e】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図6a】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図6b】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図6c】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図6d】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図6e】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図7a】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図7b】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図7c】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図7d】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。
【図7e】不使用構成から分配構成への分配装置の段階的な動きを示す、一部が切り抜き断面の、斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を分配するためのハンドヘルドの分配装置において、
ディスペンサーであって、
i)前記物質を保持する分配チャンバを画定するディスペンサー本体、
ii)前記分配チャンバと連絡する出口、
iii)前記出口を通して前記分配チャンバの中身を分配する分配機構、および、
iv)前記分配機構を作動させるために前記ディスペンサー本体に対して動くように据え付けられた作動部材、
を組み込んでいる、ディスペンサー、
を含み、
前記ディスペンサーは、ハンドルに動作可能に接続されて、前記ハンドルが前記出口を覆う不使用位置から、前記出口が覆われていない動作位置まで前記ハンドルに対して手動でスライド運動し、
前記装置は、ロック組立体をさらに含み、前記ロック組立体は、前記ディスペンサー本体を前記ハンドルに対して前記動作位置で解放可能にロックして前記ディスペンサー本体の前記手動のスライド運動を防ぎ、それにより、使用者は、前記ハンドルを把持し、前記ハンドルおよび前記ディスペンサー本体に対する前記作動部材の手動による運動を引き起こして、前記分配機構を作動させ、前記覆われていない出口を通して前記分配チャンバの前記中身を分配することができる、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記ロック組立体は、前記不使用位置で前記ディスペンサー本体を解放可能にロックして、前記動作位置への前記ディスペンサーの前記手動のスライド運動を防ぐようにさらに構成されている、装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、
前記作動部材は、停止部を備え、前記停止部は、前記ディスペンサー本体に対する前記作動部材の作動運動を防ぐために、前記ディスペンサーが前記不使用位置にあるときに前記ハンドル上の迫台に係合する、装置。
【請求項4】
請求項1に記載のハンドヘルドの分配装置において、
前記作動部材は、付勢部材の作用に抵抗して前記ディスペンサー本体に対して動くように弾性的に据え付けられ、
前記ディスペンサーが前記動作位置にある状態で、使用者は、前記付勢部材の作用に抵抗して、前記ハンドルおよび前記ディスペンサー本体に対する前記作動部材の前記手動の運動を引き起こすことができる、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、
前記ディスペンサーは、前記ハンドルに動作可能に接続されて、前記付勢部材の作用線に沿って相対的に手動でスライド運動し、前記付勢部材は、前記不使用位置から前記動作位置への前記スライド運動中、前記ディスペンサー本体および作動部材を互いに実質的に固定された空間関係に保つように構成されている、装置。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置において、
前記作動部材は、前記出口を組み込んだディスペンサーヘッドの形態をしており、前記ディスペンサーヘッドは、前記分配機構を作動させるため前記ディスペンサー本体に対して手動で押し下げられるように前記ディスペンサー本体の一端部に据え付けられている、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
前記ハンドルは、前記ディスペンサーをスライド可能に受容する中空ハウジングであり、前記ディスペンサーは、前記ディスペンサーヘッドが前記ハウジングの開口部を通って外側に突出する前記動作位置と、前記ディスペンサーが前記ハウジング内部に後退する前記不使用位置との間において、手動でスライド可能である、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、前記分配機構を作動させるため、前記付勢部材の作用に抵抗して前記ディスペンサー本体に対して手動で押し下げられるように前記ディスペンサー本体の一端部に弾性的に据え付けられ、
前記動作位置と前記不使用位置との間での前記ディスペンサーの前記手動のスライド運動は、前記ディスペンサーヘッドの押し下げ軸に沿っており、前記付勢部材は、前記手動のスライド運動中、前記ディスペンサーヘッドおよびディスペンサー本体を互いに実質的に固定された空間関係に保つように構成されている、装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、前記ディスペンサーが前記不使用位置へ後退すると前記ハウジングの前記開口部をふさぐように構成されている、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、入れ子式に適合して前記ハウジングに係合するように寸法決めされ、前記ディスペンサーヘッドの長さは、前記ディスペンサーヘッドが、前記不使用位置と前記動作位置との間での前記ディスペンサーの手動のスライド運動の全範囲にわたって前記ハウジングの前記開口部をふさぐようになっている、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
前記ハウジングの壁の一部が、前記開口部に隣接して切り抜かれており、使用者は、前記後退した不使用位置において前記ディスペンサーヘッドに手動で直接係合し、前記ハウジングに対する前記ディスペンサーヘッドの手動のスライド運動を引き起こして、前記ディスペンサーを前記不使用位置から前記動作位置へ動かすことができ、前記付勢部材は、前記スライド運動中、前記ディスペンサー本体およびディスペンサーヘッドを、実質的に固定された関係に保つ、装置。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれか1項に記載の装置において、
前記ディスペンサーヘッドは、前記ハウジングの内部と連絡する中空の内部ヘッド領域を画定する周辺スカートを含み、前記ロック組立体は、前記中空の内部ヘッド領域の内側に位置する支点において前記ディスペンサー本体に据え付けられたロックレバーを含み、前記ロックレバーは、前記ロックレバーの旋回運動により、前記ハウジングとラッチ係合するように、また、そのラッチ係合から外れるように移動可能である、ラッチ要素を有する、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、
前記ロックレバーは、前記ラッチ要素を移動させて前記ハウジングとラッチ係合させる方向に、弾性要素によって押し進められる、装置。
【請求項14】
請求項11に従属する請求項13に記載の装置において、
前記周辺スカートは、前記ハウジングの前記切り抜き部分と整列された窓を備え、それにより、使用者は、前記切り抜き部分および前記周辺スカートの前記窓を通して前記ロックレバーに手の圧力を加え、前記ラッチ要素を移動させて前記ハウジングとのラッチ係合から外す方向における、前記弾性要素の作用に抵抗した前記ロックレバーの前記旋回運動を引き起こすことができる、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置において、
伝達プレートが、前記孔において前記周辺スカート上に移動可能に据え付けられ、前記伝達プレートに加えられた前記手の圧力を前記ロックレバーに伝達する、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、
前記伝達プレートは、前記周辺スカートの外部に蝶番式に据え付けられており、前記ロックレバーに係合するため前記窓を通って内側に傾斜運動するように寸法決めされている、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、
前記伝達プレートは、前記周辺スカート上にスライド可能に据え付けられ、前記窓を通じた前記伝達プレートの前記内側への傾斜運動を可能にする整列位置と、前記窓の縁が前記窓を通じた前記伝達プレートの内側への傾斜運動を防ぐ非整列位置との間で、前記窓に対してスライド運動する、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、
前記伝達プレートは、前記非整列位置に向かって弾性的に付勢され、前記付勢の作用に抵抗して前記整列位置までスライド可能である、装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置において、
前記ハウジングの外部は、平坦な面部分を組み込む、装置。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の装置において、
前記分配機構は、ポンプ機構であり、前記出口は、スプレーノズルである、装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の装置において、
前記分配チャンバは、液体形態の物質を収容する、装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、
前記物質は、ニコチン製剤、または他の製剤を含む、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置において、
前記物質は、ニコチン製剤を含み、
前記ディスペンサー本体は、ガラス、アクリロニトリルとアクリル酸メチルとのコポリマー(Barex(登録商標))、環状オレフィンコポリマー(COC)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルもしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸モノマーをベースとしたポリマー、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリトリメチレンナフタレート(PTN)、液晶ポリマー(LCP)、好ましくはヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフタレン酸を含むLCP、のうちの1つ以上から選択された材料、またはそれらの混合物より選択された材料から作られ、前記材料は、オプションとして、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、フルオロポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、イオノマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、およびポリエチレンテレフタラート(PET)から選択されるポリマーのうち1つ以上と混合される、装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【公表番号】特表2011−526533(P2011−526533A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518681(P2011−518681)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050655
【国際公開番号】WO2010/140937
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(510156608)マクニール・アーベー (1)
【氏名又は名称原語表記】McNeil AB
【住所又は居所原語表記】251 09 HELSINGBORG,SWEDEN
【Fターム(参考)】