説明

ハンドヘルド対象物選択装置

【課題】ユーザの入力時にデバイスの位置を決定する地理位置プロセッサを有する対象物選択装置を提供する。
【解決手段】対象物選択装置100は、また、ユーザの入力時にデバイス120からの方位を決定する方位決定プロセッサ104を有する。対象物選択装置100は、また、入力時に決定したデバイス120の位置及び方位に対応する一組の対象物に関連する情報を検索する地理コンテンツ検索システム118を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を検索するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、ユーザが指定した地理的位置に基づいて情報を検索するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地理的位置に基づいた、ビジネス及び他の設備のための情報の記憶及び検索は、多くの用途で使用されている。ビジネス又は他の設備に関する情報を記憶するコンピュータ・データベースも、ビジネス又は設備の地理的位置(例えば、緯度及び経度)及び/又は郵便コード(例えば、ZIPコード)を記憶していて、それにより地理的位置又はZIPコードによりビジネス又は設備に関する情報を検索することができる。あるエリア内のビジネス又は他の設備に関する情報を入手したいユーザは、そのエリアのZIPコード、又はそのエリアに近い、ある地点の緯度及び経度を知っている必要がある。この情報が与えられると、コンピュータ・データベースは、要求されたZIPコード内の又は近くの、又は指定された緯度及び経度から指定の距離内のビジネスのリストを作成することができる。
【0003】
GPS受信機のような地理的位置特定技術の最近の進歩により、ユーザの現在位置の緯度及び経度を簡単に決定することができるようになった。この情報を与えられると、ユーザは、自分の現在又は前に決定した位置から指定の距離内に位置するビジネス又は他の設備に関する情報についてコンピュータ・データベースに問い合わせることができる。この問い合わせにより、ユーザの位置から指定の距離内のビジネス又は他の設備のリストができる。次に、なおユーザは、自分が関心を持つ特定のビジネス又は設備を識別する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、上記従来技術に関する問題を解決すべきであるとともに、特に特定のビジネス又は設備に関する情報の検索を容易にするために、ビジネス又は他の設備などの対象物を識別する方法を改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の機能及び利点を、無線音声及びデータ通信用のセルラーホン、ならびに対象物を選択し、また選択した対象物に関する情報を表示するために使用するハンドヘルド携帯機器として機能するハンドヘルド携帯機器の例示としての実施形態を参照しながら説明する。本発明の代替実施形態は、本発明に関連するデータ通信だけを行うハンドヘルド装置、及びハンドヘルド携帯機器自身内に本発明の機能と関連するすべてのデータをその内部に記憶し、そのため外部とのデータ通信を必要としない実施形態を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の例示としての実施形態によるハンドヘルド対象物選択装置の操作可能な部品のブロック図。
【図2】本発明の例示としての実施形態が使用するベースバンド・プロセッサ及び電力管理及びトランシーバICのモジュールのブロック図。
【図3】本発明の例示としての実施形態によるハンドヘルド携帯機器の操作を示す斜視図。
【図4】本発明の例示としての実施形態が使用する探索円錐エリアを示す模式図。
【図5】本発明の例示としての実施形態による地理コンテンツ・サーバのブロック図。
【図6】本発明の例示としての実施形態によるトップ・レベル処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の例示としての実施形態による、操作可能な部品100のブロック図である。操作可能な部品100の素子にはハンドヘルド携帯機器120が含まれ、これは、例示としての実施形態において、ベースバンド・プロセッサと、電力管理と、トランシーバICモジュール(BBPMモジュール)106とを備えた対象物選択装置として動作する。ハンドヘルド携帯機器120は、さらに、ハンドヘルド携帯機器120の位置を決定するために使用する地理位置プロセッサとしての役割を果たすGPS受信機回路102を備える。ハンドヘルド携帯機器120は、ハンドヘルド携帯機器からの方位を決定するための方位決定プロセッサとしての役割を果たす電子コンパス104も備えている。GPS受信機102は、GPSアンテナ108に電気的に接続している。例示としての実施形態の電子コンパス104は、米国ニュージャージー州モリスタウン所在のハネウェル社から販売されているハネウェルHMC1002磁気センサである。例示としての実施形態の電子コンパス104は、ハンドヘルド携帯機器120をある方向に「ポイント」すると、電子コンパス104がその方向を示すように、ハンドヘルド携帯機器120と整合している。本発明の別例では、ハンドヘルド携帯機器120の方位からの電子コンパスの方向が偏位を有していることによってハンドヘルド携帯機器120と電子コンパス104の整合は既知の関係を有しているが、同一である必要はない場合もある。
【0008】
BBPMモジュール106は、ハンドヘルド装置のアンテナ110に接続されている。BBPMモジュール106については以下に説明するが、このモジュールはハンドヘルド携帯機器に対して制御処理を行い、ハンドヘルド携帯機器120の音声及びデータ通信機能をサポートするために、ベースバンド及びRF処理を行う。ハンドヘルド携帯機器120との間の音声及びデータ通信は、ネットワーク・タワー114への無線リンク112により行われる。地理的に選択したデータ問合わせ及び検索に関連するハンドヘルド携帯機器120間で通信されるデータは、通信リンク116を介してネットワーク・タワー114と地理コンテンツ・サーバ118との間で通信される。通信リンク116は、見通し線及び/又は衛星通信リンクを含む有線通信リンク及び無線通信リンクとの組合わせのような種々の通信リンク構成要素のうちの任意のものを含むことができる。本発明の実施形態は、また光学的、赤外線及び無線衛星通信リンクのような音声及びデータ通信用の種々の通信媒体及び技術を使用する。
【0009】
図2は、本発明の例示としての実施形態が使用するベースバンド・プロセッサ及び電力管理及びトランシーバICモジュール(BBPMモジュール)106の例示としてのブロック図である。例示としての実施形態のBBPMモジュール106は、例示としての実施形態で本発明に関連する処理を行うプロセッサ202を備える。例示としての実施形態のBBPM106は、BBPM106の他の構成要素及びハンドヘルド携帯機器102の他の構成要素などにおけるエネルギー消費デバイスの動作を制御する、電力管理モジュール204をさらに備えている。BBPM106は、さらに、ハンドヘルド装置のアンテナ110を介して無線リンク112により無線データ通信を行うためのRF回路206を有する。例示としての実施形態のベースバンド・プロセッサ208は、RF回路206からの、及びRF回路へのベースバンド情報を受信し提供することにより、無線リンク112を通してデータ通信を行うことができるようにする処理を行う。送られたデータは、プロセッサ202とベースバンド・プロセッサ208との間で交換される。BBPM106は、さらに、BBPM106と例示としての実施形態のハンドヘルド携帯機器120内の種々のデバイスとの間で制御及び通信を行うためのハードウェア・インタフェースを備えている。これらのインタフェースは、以下に説明するように、GPS受信機回路102と通信するためのGPSインタフェース232と、電子コンパス104と通信するためのコンパス・インタフェース230と、ハンドヘルド携帯機器120のユーザ・ディスプレイと通信するためのディスプレイ・インタフェース234とを含む。例示としての実施形態のGPSインタフェース232は、RS−232インタフェース定義に適合する直列データ・インタフェースを使用する。例示としての実施形態のディスプレイ・インタフェース234は、並列データ・インタフェースを使用する。例示としての実施形態のコンパス・インタフェース230は、電力管理IC204又はプロセッサ202に内蔵されていて、プロセッサ202へ入力するためのデジタル信号を生成するために、電子コンパス104のアナログ出力を直接監視するA/D変換器を使用する。例示としての実施形態のコンパス・インタフェース230は、さらに、電子コンパスを使用していない場合、プロセッサ202の制御下で電子コンパス104への電力の供給をストップする電子コンパス104用の電力制御装置を含む。
【0010】
代替実施形態は、ハンドヘルド携帯機器120に内蔵されているか、又はハンドヘルド携帯機器120に取り付けられている他のデバイスを含む。本発明の他の実施形態は、また、他の直列データ・インタフェース、並列データ・インタフェース、及びハンドヘルド携帯機器120に内蔵されているか、又は接続している種々のデバイスが使用する他の電気的インタフェースを使用する。
【0011】
例示としての実施形態のBBPM106は、携帯機器プログラム・メモリ210と、携帯機器データ・メモリ220とを有する。例示としての実施形態の携帯機器プログラム・メモリ210は、GPSインタフェース232の動作を制御するGPSインタフェース・プログラム212と、コンパス・インタフェース230の動作を制御するコンパス・インタフェース・プログラム214と、ベースバンド・プロセッサ208の動作を制御するベースバンド・プロセッサ・インタフェース・プログラム216とを備える。例示としての実施形態のベースバンド・プロセッサ・インタフェース・プログラム216は、また、RFリンク112を介して、携帯型ハンドヘルド装置と地理コンテンツ・サーバ118との間のデータ通信を制御し管理する。携帯機器プログラム・メモリ210はさらに、携帯機器のユーザ・ディスプレイ302上に表示されるデータを制御するディスプレイ・インタフェース・プログラム218を備える。例示としての実施形態の携帯機器データ・メモリ220は、外部地理コンテンツ・サーバ118が検索し、ディスプレイ・インタフェース・プログラム218により表示されるデータを含む検索したデータ222を含む。
【0012】
図5は、例示としての実施形態が使用する例示としての地理コンテンツ・サーバ118のブロック図である。例示としての実施形態の地理コンテンツ・サーバ118は、本発明に関連する処理を行う地理サーバ・プロセッサ502を備えている。地理コンテンツ・サーバ118は、携帯型ハンドヘルド装置120からの決定した位置及び方位に対応する一組の対象物に関連する情報を検索するために使用される。地理コンテンツ・サーバ118は、さらに、地理コンテンツ・サーバ118を通信リンク116に接続するデータ通信インタフェース504を備えている。地理コンテンツ・サーバの代替実施形態は、直接無線通信インタフェースを含む。地理コンテンツ・サーバ118への直接無線通信インタフェースを使用するアプリケーションの例としては、IEEE802.11プロトコルをベースとする無線ローカル・エリア・ネットワークを介して地理コンテンツ・サーバ118と通信するハンドヘルド携帯機器120を使用するアプリケーション等がある。
【0013】
例示としての実施形態の地理コンテンツ・サーバ118は、地理サーバ・プログラム・メモリ510及び地理サーバ・データ・メモリ520を備えている。例示としての実施形態の地理サーバ・プログラム・メモリ510は、以下に説明するように、探索エリアを決定するために、地理サーバ・プロセッサ502の処理を指示することにより、探索エリア計算装置を実施するための、探索エリア計算装置プログラム512を備えている。例示としての実施形態の地理サーバ・プログラム・メモリ510は、探索エリア計算装置プログラム512が決定する探索エリア内に対象物が位置しているか否かを判定するために、地理サーバ・プロセッサ502の処理を指示することにより、内蔵対象物識別子を実施するための、内蔵対象物識別プログラム514を備えている。例示としての実施形態の地理サーバ・プログラム・メモリ510は、さらに、本発明の例示としての実施形態が検索することができる対象物に関するデータを含む地理サーバ・データ・メモリ520内でデータベースを維持する対象物データベース・プログラム516を含む。例示としての実施形態の対象物データベース・プログラム516は、データベース内に記憶する各対象物の地理的位置、及びこのデータベース内の各対象物に関連する他のデータを記憶する。例示としての実施形態の対象物には、ビジネス又は他の設備が含まれる。例示としての実施形態の対象物データベース・プログラム516は、対象物の地理的位置の範囲及びまた他のパラメータによりデータの検索をサポートする。例示としての実施形態の地理サーバ・プログラム・メモリ510は、さらに、データ通信インタフェース504を通して、最終的には例示としての実施形態の無線データ・リンク112を通して通信を行うために処理を制御するための、データ通信プログラム518をも備えている。データ通信プログラム518の制御下でデータ通信インタフェース504を介して送られるデータには、ハンドヘルド携帯機器120から受信する位置及び方位データを含む受信データが含まれる。データ通信インタフェース504により送られるデータは、また、受信した位置及び方位に対応する対象物に関連する検索済み対象物データを含む送信済みデータを含む。
【0014】
図3は、本発明の例示としての実施形態が使用するハンドヘルド携帯機器120の操作表示300である。操作表示300は、操作者に英数字及び画像データを表示するために使用する操作者表示画面302を示す。操作表示300は、さらに、電話キーパッドに類似している数字キーパッド304を示す。例示としての実施形態の数字キーパッド304は、数字データの入力のために使用され、またセルラーホン及び電話キーパッドからの他のデータ入力の際に通常使用されるように、各キーの異なる数のキー押し動作に異なる英数字の値を割り当てることにより、英数字データの入力の際にも使用することができる。操作表示300は、また、例示としての実施形態のハンドヘルド携帯機器120を二方向音声通信のために使用することができるようにするイヤホン・スピーカ312及びマイクロホン310も示す。
【0015】
操作表示300は、ハンドヘルド装置のアンテナ110を示す。ハンドヘルド装置のアンテナ110は、ネットワーク・タワー114と音声及びデータ通信を行うために使用される。例示としての実施形態のハンドヘルド装置のアンテナ110は、さらに、対象物に携帯型ハンドヘルド装置120を「ポイント」する際に操作者を視覚的に助ける矢じり308を含む。例示としての実施形態のアンテナ110及び矢じり308は、例示としての実施形態において整合(位置あわせ)素子としての働きをする。本発明の代替実施形態は、ハンドヘルド携帯機器120を対象物にポイントする際に助けとなるように、携帯型ハンドヘルド装置120上に印刷されているか、それに取り付けられている整合素子を内蔵する。整合素子は、コンパスが整合素子が指している方向に対応する方位出力を生成するように、又はコンパスがその方位から測定した偏位を含む出力を生成するように埋込コンパスと整合している。内部アンテナ110と一緒に携帯型ハンドヘルド装置120を使用する実施形態は、操作者が当該対象物にポイントする際に助けになる印刷した又は他の方法で示した整合素子を含む。
【0016】
本発明の例示としての実施形態の動作には、操作者が使用している自動アプリケーションのために、操作者が「選択」したい対象物に携帯型ハンドヘルド装置120を操作者にポイントさせる動作を含まれる。本発明の例示としての実施形態の動作中に対象物を「選択」するために、操作者は、アンテナ110及び矢じり308、すなわち整合素子が所望の対象物をポイントするように、ハンドヘルド携帯機器120をポイントする。次に、操作者は、例えば、「情報」ボタン306を押すことにより入力を行う。「情報」ボタン306を押すと、携帯型ハンドヘルド装置120の地理的位置を決定し、また操作者がその位置から携帯型ハンドヘルド装置をポイントしている方位を決定するために、電子コンパスを読み出すために携帯型ハンドヘルド装置120の処理が行われる。例示としての実施形態の場合には、地理的位置は、GPS受信機回路102から入手される。代替実施形態は、ビル又は他の指定のエリア内の位置を決定するための手段を含む他の地理位置プロセッサを使用する。本発明の他の実施形態は、三角測量及び/又は1つ又は複数の送信信号の到着時間差処理をベースとする地理位置プロセッサを使用する。ハンドヘルド装置の位置は、ハンドヘルド携帯機器内の処理により決定することができるし、又は位置はハンドヘルド携帯機器120の外部に位置していて、このハンドヘルド携帯機器に返送する装置により決定することができる。この位置及び方位の組は、例示としての実施形態の場合には、例示としての実施形態のBBPM106のプロセッサ202により各携帯機器から読み出され、適当なデータ・メッセージにフォーマットされ、無線リンク112、ネットワーク・タワー114及び通信リンク116を通して地理コンテンツ・サーバ118に送信される。
【0017】
例示としての実施形態の地理コンテンツ・サーバ118が位置/方位の組を受信すると、地理コンテンツ・サーバ118の処理が、地理コンテンツ検索システムの機能を実行し、受信した位置/方位のペアに対応する一組の対象物を識別する。例示としての実施形態の地理コンテンツ・サーバ118は、位置/方位の組に対応する探索エリアを生成し、次にその探索エリア内に位置することが分かっている対象物を識別することにより、上記一組の対象物を識別する。この場合、これらの識別された対象物は、ハンドヘルド携帯機器120の決定した位置及び方位に対応する一組の対象物である。
【0018】
図4は、本発明の例示としての実施形態で使用する一対の例示としての探索円錐エリア400である。例示としての探索円錐エリア400は、地理コンテンツ・サーバの情報検索をスタートするために、「情報」ボタン306をユーザが押した場合のハンドヘルド装置の位置402を示す。地理コンテンツ・サーバ118に送られた方位、すなわち、「情報」ボタン306を押した場合に、ハンドヘルド装置がポイントされた方向を、例示としての探索円錐エリア400内に方位ベクトル404で示す。探索エリアを決定するために、例示としての実施形態の地理コンテンツ・サーバ306は、最初の時計方向(CW)の方位ベクトル406及び最初の反時計方向(CCW)の方位ベクトル408を決定する。例示としての実施形態は、最初のCW方位ベクトル406及び最初のCCW方位ベクトル408を決定するために、方位ベクトル404からの一定の角度の偏位を使用する。最初のCW方位ベクトル406及び最初のCCW方位ベクトル408との間の領域は、ハンドヘルド携帯機器120のユーザの当該角度エリアについて、例示としての実施形態の処理が行った最初の推定位置である。この処理は、さらに、最初のCW方位ベクトル406及び最初のCCW方位ベクトル408との間の最初の円弧410を形成するために、位置402からの仮定の最初の半径R1 440を使用する。例示としての実施形態の最初の半径R1 440は、当該対象物を含むように、位置402に直接隣接していて、十分離れているエリアを含むように選択される。最初の探索エリア450は、最初のCW方位ベクトル406、最初のCCW方位ベクトル408及び最初の円弧410により囲まれているエリアである。次に、例示としての実施形態の処理は、この最初の探索エリア450内に位置していることが分かっている対象物を探索する。例示としての探索円錐エリア400内においては、対象物1 416、対象物2 412、対象物3 414は、最初のCW方位ベクトル406、最初のCCW方位ベクトル408及び最初の円弧410で囲まれている最初の探索エリア450内に位置することが分かる。次に、例示としての実施形態の処理は、これら3つの対象物に関連して記憶しているデータを検索し、それを通信リンク116、ネットワーク・タワー114及びRFリンク112を介してハンドヘルド携帯機器120に返送する。次に、この一組の対象物内の対象物についての情報が、操作者ディスプレイ302上で操作者に表示される。
【0019】
操作者が、操作者ディスプレイ302内に表示されたこの一組の対象物、すなわち、最初の探索エリア450内の対象物が、情報を必要としている対象物を含んでいないと判断した場合には、操作者は、例示としての実施形態の「他の項目」ボタン314を押す。次に、データ・メッセージは、地理コンテンツ・サーバ118に送られ、操作者が前に送信した位置及び方位に対応する他の対象物を必要としていることを表示する。例示としての実施形態の場合には、おそらく、地理コンテンツ・サーバ118が返送した一組の対象物内に、所望の対象物が含まれていないと判断したからである。この要求に応じて、例示としての実施形態の地理コンテンツ・サーバ118の処理は、第2の探索エリア452を決定する。本発明の例示としての実施形態の処理は、最初に、半径R2 442のところに位置する第2のCW方位ベクトル422、第2のCCW方位ベクトル420及び第2の円弧424を決定することにより、第2の探索エリア452を決定する。例示としての実施形態は、方位ベクトル404に対する第2の一定の角度の偏位を加算することにより、第2のCW方位ベクトル422、第2のCCW方位ベクトル420を決定する。本発明の実施形態は、第2の一定の角度の偏位の値が、人間工学及び実施形態が使用される用途により、最初の角度の偏位の値より大きくなるように、又は小さくなるように選択する。
【0020】
この例の第2の探索エリアは、第2のCW方位ベクトル422、第2のCCW方位ベクトル420及び第2の円弧424で囲まれているが、最初の探索エリア450を含んでいないエリアである。最初の探索エリア450は、最初の角度の偏位436と第2の角度の偏位434との間の関係、及びR1 440とR2 442との間の関係により、第2の探索エリア452の境界内に部分又は全体が含まれているエリアである。次に、地理コンテンツ・サーバ118は、第2の探索エリア452内の対象物を探索する。例示としての探索円錐エリア400においては、対象物4 426、対象物5 428及び対象物6 430は、この第2の探索エリア内に位置することが分かっている。次に、例示としての実施形態の地理情報サーバ118は、これらの対象物に関する情報を操作者ディスプレイ302上に表示するためにハンドヘルド携帯機器120に転送する。本発明の実施形態は、実施形態の特定用途のために必要な場合には、第2の探索エリア452内に位置すると決定される対象物を報告する場合に、最初の探索エリア450内の対象物を含めることもできるし、除外することもできる。
【0021】
例示としての実施形態は、最初のCW方位ベクトル406及び最初のCCW方位ベクトルタ408の両方を決定する際に使用する1つの最初の角度の偏位436を使用する。第2の角度の偏位434は、同様に第2のCW方位ベクトル422及び第2のCCW方位ベクトル420の両方を決定するのに使用される。代替実施形態は、これらの方位ベクトルを決定するために異なる偏位の値を使用することができる。すなわち、CW方位ベクトルを決定するために1つの偏位の値を使用することができ、CCW方位ベクトルを決定するためにもう1つの偏位の値を使用することができる。例示としての実施形態の対象物に関する情報は、対象物の緯度及び経度により記憶される。次に、上記探索円錐エリア400の幾何学的形状は、下式により対象物に対するデータベースを探索する前に、例示としての実施形態により緯度及び経度に変換される。
【0022】
例示としての実施形態が使用する探索エリアは、下式により定義される。これらの式においては、ユーザのGPS位置は、NX°、WY°で表される。NX°及びWY°は、ハンドヘルド装置のGPS位置の基本構成要素である。
【0023】
「ポイントした」方位は、θBN°で表され、θBN°は電子コンパスで測定した角度に対応する。
「ポイントした」対象物の位置は、NX°+x°、WY°+y°により表される。ここで、x°及びy°は、ユーザの位置に対する「ポイントした」対象物の座標の増分である。
【0024】
sin(θBN)=経度/Rの地上構成要素
cos(θBN)=緯度/Rの地上構成要素
但し、Rはポイントした対象物までの距離。
【0025】
それ故、
以下は真である。
経度の地上構成要素=(sinθBN)R
緯度の地上構成要素=(cosθBN)R
それ故、経度座標の場合には、経度1度当たりの円弧の長さ(又は、上記「経度の地上構成要素」)は、緯度座標の関数として変化する。その理由は、経線はすべて地理的北極及び南極で合流し、そのため経線間の幅は赤道のところで最も広く、次第に狭くなり極のところでゼロになるからである。それ故、下記の変換係数が使用される。
【0026】
緯度の円弧長さ=111,120メートル/度緯度
経度の円弧長さ=111,120*cos(緯度[度])/度経度
それ故、増分θlat(x°)及び増分θlong(y°)は、下式により計算される。
【0027】
x°=増分θlat=(cosθBN)R/(111,120[メートル])
y°=増分θlong
(sinθBN)R/(111,120[メートル]*cos(緯度[度]))
最後に、「ポイントした」位置が、下式により例示としての実施形態により計算される。
【0028】
Lat=NX°+(cosθBN)R/(111,120[メートル])
Long=WY°+(sinθBN)R/(111,120[メートル]*cos(緯度[度]))
但し、
X及びYは、ユーザの無線デバイスのGPSの基本構成要素であり、
θBNは、ポイントしている間の無線デバイスの向きである。
【0029】
これらの式中、Rは「ポイントした」ベクトルの大きさである。ある実施形態の場合には、Rは探索円錐エリア内に入るデータベース内に3つの対象物が検出されるまで、各増分に3メートルを追加することにより、地理コンテンツ・サーバ118により調整される。ある実施形態は、方位ベクトル上に正確に入る対象物を必要としない。代わりに、対象物は「最小二乗」法により選択される。
【0030】
図6は、本発明の例示としての実施形態のトップ・レベル処理のフローチャート600である。例示としての実施形態の処理は、ステップ601において、ユーザがハンドヘルド携帯機器をユーザにとって関心のある対象物にポイントすることによりスタートする。次に、処理は、ステップ602において、ハンドヘルド携帯機器120のところでユーザからの入力を受信するステップを実行する。例示としての実施形態の入力は、「情報」キー306を押すことである。次に、処理は、ステップ604において、ハンドヘルド携帯機器120の位置及び方位を判定することにより前に進む。例示としての実施形態の場合には、位置はGPS受信機回路102が判定する。代替実施形態は、他の方法により位置を判定する。例示としての実施形態の場合には、ハンドヘルド携帯機器120の方位は、電子コンパス104が判定する。この判定した方位により、すでに説明したように、ハンドヘルド携帯機器がポイントしている方向を判定することができる。処理は、ステップ606において、判定した位置及び方位を地理コンテンツ・サーバ118に送ることにより前に進む。例示としての実施形態は、無線リンク112、ネットワーク・タワー114及び通信リンク116を使用して、決定した位置及び方位を地理コンテンツ・サーバ118に送る。代替実施形態は、赤外線通信リンク又は衛星通信リンクのような他の通信技術を使用する。
【0031】
例示としての実施形態の地理コンテンツ・サーバ118が、判定した位置及び方位を受信すると、処理は前に進んで、地理コンテンツ・サーバ118内に記憶しているデータにより対象物を探す探索エリアを決定する。例示としての実施形態の処理は、ステップ608において、すでに説明したように、最初のCCW方位ベクトル408及び最初のCW方位ベクトル406を判定する。次に、処理は前に進んで、ステップ610において、探索する地理的領域を決定する。例示としての実施形態の最初の地理的領域は、すでに説明したように、最初のCCW方位ベクトル408、最初のCW方位ベクトル406及び最初の円弧410により囲まれている。
【0032】
地理的エリアが決定されると、例示としての実施形態の処理は、ステップ612において、決定した地理的領域内に位置する対象物を判定することにより前に進む。例示としての実施形態の処理は、決定した探索エリア内に位置する緯度及び経度範囲により、地理サーバ・データ・メモリ内に記憶している関連データを含む一組の対象物を検索する地理コンテンツ・サーバ内でこのステップを実行する。探索エリア内に位置する緯度及び経度を含むすべての対象物は、一組の対象物を形成するために検索される。次に、例示としての実施形態の処理は前に進んで、ステップ614において、当該対象物が地理的領域内に位置すると判定された一組の対象物のうちに含まれるものであるか否かを判定する。例示としての実施形態は、一組の対象物が含む対象物の記述をハンドヘルド携帯機器120に送ることによりこのステップを実行する。ハンドヘルド携帯機器120は、このリストをディスプレイ302上でユーザに表示する。ユーザが当該対象物である対象物をディスプレイ上で識別した場合には、ユーザはその対象物を選択し、当該対象物が一組の対象物内に位置すると判断する。ユーザがディスプレイ302上に表示された一組の対象物内に当該対象物を識別しなかった場合には、すなわち、所望の対象物が一組の対象物内に含まれていないと判断した場合には、ユーザは「他の項目」ボタン314を押す。このことは、当該対象物が、現在の地理的探索領域内の一組の対象物内に含まれていないと判断されたことを示す。
【0033】
ステップ616において、当該対象物が一組の対象物内に含まれていると判断した場合には、例示としての実施形態の処理は、ステップ620において、当該対象物に関する情報の検索を続行し、そのデータはハンドヘルド携帯機器に送られる。例示としての実施形態の処理は、ハンドヘルド携帯機器120のユーザが選択した当該対象物の識別を地理コンテンツ・サーバ118に送る。次に、地理コンテンツ・サーバ118は、当該対象物に関連するデータを検索し、そのデータをハンドヘルド携帯機器に返送し、ディスプレイ302上に表示する。
【0034】
ステップ616において、当該対象物が一組の対象物内に含まれていないと判断した場合には、すでに説明したように新しい探索エリアが決定される。例示としての実施形態の新しい探索エリアは、例えば、第2の反復の際に、すでに説明したように、ステップ618において、半径R2 442のところに位置する第2のCW方位ベクトル422、第2のCCW方位ベクトル420及び第2の円弧424を決定することにより決定される。これらの新しい境界線が決定すると、ステップ610において、これらの新しい境界線に基づいて地理的探索領域を決定することにより処理は前に進む。次に、新しい探索エリアに対して上記のように処理が続行される。ステップ616において、当該対象物が、検索した一組の対象物内に含まれていないと判断する度に、例示としての実施形態は、当該対象物が選択されるまで、又はユーザが探索をキャンセルするまで、例示としての実施形態の構成に従って新しいCW方位ベクトル及び/又は新しいCCW方位ベクトルを決定する。
【0035】
本発明の例示としての実施形態は、地理コンテンツ・サーバ118に位置及び方位を送るハンドヘルド携帯機器120を使用する。次に、例示としての実施形態は、地理コンテンツ・サーバ118にハンドヘルド携帯機器120に返送される情報を検索させる。代替実施形態は、地理コンテンツ・サーバ118の機能をハンドヘルド携帯機器120に内蔵させ、それにより位置、方位及び対象物情報を送るための無線データ・リンク112を使用しないですむようになる。他の実施形態は、地理コンテンツ機能をいくつかの地理コンテンツ・サーバ間、及びハンドヘルド携帯機器120と1つ又は複数の地理コンテンツ・サーバの間で分割する。
【0036】
例示としての実施形態は、市内を移動していてビジネス又は他の施設に関する情報を入手したがっている歩行者ユーザ又は移動するユーザの使用目的によく適している。例示としての実施形態のユーザは、自分が関心を持つビジネス又は他の施設にハンドヘルド装置をポイントして、「情報」ボタン306を押すだけでよい。例示としての実施形態の動作により、ビジネス又は他の施設に関する情報が、ハンドヘルド装置のディスプレイ302上でユーザに表示される。このような情報の例としては、例示としての実施形態のハンドヘルド携帯機器120を単にポイントし、「情報」ボタン306を押すだけで、ユーザが見ることができるレストランのメニューがある。他の情報としては、映画のタイトル、映画館の上映時間、営業時間、ビジネスの営業時間、ビジネスの電話番号等がある。ビジネスの検索した電話番号は、いくつかの実施形態の場合、そのビジネスにハンドヘルド携帯電話をポイントするだけで使用することができ、ビジネスを容易に直接呼び出すことができる。
【0037】
本発明の例示としての実施形態は、対象物にハンドヘルド携帯機器120を物理的にポイントするだけで、対象物を選択することができるという利点がある。対象物を選択すると、例示としての実施形態は、対象物に関する情報を検索し、それをユーザに提示する。
【0038】
本発明の特定の実施形態について説明してきたが、通常の当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、特定の実施形態を種々に変更することができることを理解することができるだろう。それ故、本発明の範囲は特定の実施形態に限定されないし、添付の特許請求の範囲は、任意の及びすべてのこのような用途、修正及び実施形態を本発明の範囲内に含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力の時におけるデバイスの位置を判定するステップと、
その時点での前記デバイスからの方位を決定するステップと、
前記デバイスの決定した位置及び方位に対応する一組の対象物に関する情報を検索するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記検索ステップが、前記位置及び前記方位を地理コンテンツ・サーバに送信するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方位決定ステップが、
前記ハンドヘルド装置が整合素子及び埋込コンパスを有し、及び前記埋込コンパスが前記整合素子と整合する間に、ハンドヘルド装置をポイントするステップと、
前記コンパスが報告した前記方位を決定するステップとを備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記整合素子が、前記ハンドヘルド装置に取り付けられているアンテナを備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
探索エリアを決定するステップをさらに備え、前記探索エリアが、時計方向方位ベクトル、反時計方向方位ベクトル及び半径により囲まれていて、前記時計方向方位ベクトル及び反時計方向方位ベクトルが、前記方位から偏位していて、前記一組の対象物が前記探索エリア内に位置する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記時計方向方位ベクトル、前記反時計方向ベクトル及び前記半径のうちの1つを変えることにより前記探索エリアを増大するステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれているかどうかを判断するステップをさらに含み、前記増大ステップが、前記所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれていないという決定に応じて実行される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記決定ステップ及び前記増大ステップが、前記所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれていると判断されるまで反復して行われる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ユーザの入力時にデバイスの位置を決定するための地理位置プロセッサと、
前記時点で前記デバイスからの方位を決定するための方位決定プロセッサと、
前記デバイスの前記決定した位置及び方位に対応する一組の対象物に関する情報を検索するための地理コンテンツ検索システムとを備える対象物選択装置。
【請求項10】
前記地理コンテンツ検索システムが、
無線リンクと、
地理コンテンツ・サーバとを備え、前記地理コンテンツ・サーバが、前記無線リンクを介して前記一組の対象物に関する前記情報を送る請求項9に記載の対象物選択装置。
【請求項11】
前記方位決定プロセッサが、
整合素子と、
埋込コンパスとを備え、前記埋込コンパスが前記整合素子と整合する請求項9に記載の対象物選択装置。
【請求項12】
前記整合素子が、前記ハンドヘルド装置に取り付けられているアンテナを備える請求項11に記載の対象物選択装置。
【請求項13】
前記地理コンテンツ・サーバが、探索エリアを決定するための探索エリア計算装置を備え、前記探索エリアが時計方向方位ベクトル、反時計方向方位ベクトル及び半径により囲まれていて、前記時計方向方位ベクトル及び前記反時計方向方位ベクトルが前記方位から偏位していて、前記一組の対象物が前記探索エリア内に位置する請求項9に記載の対象物選択装置。
【請求項14】
前記探索エリア計算装置が、前記時計方向方位ベクトル、前記反時計方向ベクトル及び前記半径のうちの少なくとも1つを変えることにより、前記探索エリアをさらに増大する請求項13に記載の対象物選択装置。
【請求項15】
前記地理コンテンツ・サーバが、所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれているかどうかを判断するための内蔵対象物識別子をさらに備え、前記地理コンテンツ・サーバが、前記所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれていないという決定に応じて前記探索エリアをさらに増大する請求項14に記載の対象物選択装置。
【請求項16】
前記地理コンテンツ・サーバが、前記所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれているかどうかを反復して判断し、前記所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれていない場合には、前記地理コンテンツ・サーバが、前記所望の対象物が前記一組の対象物内に含まれていると判断されるまで前記探索エリアを増大する請求項15に記載の対象物選択装置。
【請求項17】
コンピュータ・プログラム製品であって、
ユーザの入力時にデバイスの位置を決定するステップと、
その時点で前記デバイスからの方位を決定するステップと、
前記デバイスの前記決定した位置及び方位に対応する一組の対象物に関する情報を検索するステップと
を実行するデバイスに対するコンピュータ命令を備えるコンピュータ・プログラム製品。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−248894(P2011−248894A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117458(P2011−117458)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2006−503608(P2006−503608)の分割
【原出願日】平成16年2月18日(2004.2.18)
【出願人】(510284071)モトローラ モビリティ インコーポレイテッド (50)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA MOBILITY,INC.
【Fターム(参考)】