ハンドヘルド測地デバイスによるグラフィクス支援遠隔位置測定
【課題】付加的な設置機器を使用せずに、位置を計測することが可能である測地デバイスを提供すること。
【解決手段】関心のある地点の位置を決定する装置であって、複数の衛星からの位置データを受信する少なくとも1つのアンテナと、該少なくとも1つのアンテナに結合される少なくとも1つの受信機と、画像データを獲得する画像化回路であって、該画像化回路は、光学センサと光軸とを含む、画像化回路と、配向データを獲得する配向回路と、該画像データおよび該配向データの表現を表示して、該装置を位置決定する際に使用者を支援するディスプレイと、該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定する位置決定回路とを含む、装置。
【解決手段】関心のある地点の位置を決定する装置であって、複数の衛星からの位置データを受信する少なくとも1つのアンテナと、該少なくとも1つのアンテナに結合される少なくとも1つの受信機と、画像データを獲得する画像化回路であって、該画像化回路は、光学センサと光軸とを含む、画像化回路と、配向データを獲得する配向回路と、該画像データおよび該配向データの表現を表示して、該装置を位置決定する際に使用者を支援するディスプレイと、該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定する位置決定回路とを含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.分野)
本開示は、概して、測地学およびハンドヘルド測地デバイスの正確な位置決定に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術)
測地学者は、一般に、全地球航法衛星システム(GNSS)デバイスなどの衛星位置決定デバイスを使用して、地球上または地球周辺のいずれかにおける関心のある地点の場所を決定する。しばしば、これらの関心のある地点は、アクセスすることが困難である遠隔の目的地に位置する。従って、コンパクトで持ち運びが容易な位置決定デバイスが望まれる。
【0003】
一般的に、GNSSベースのデバイスを用いて所与の地点の位置を適切に測定するために、GNSSアンテナは、アンテナ接地平面が地面と平行になるように、関心のある地点の直上に設置されなければならない。GNSSデバイスをそのような態様で設置するために、外部ハードウェアが通常用いられる。例えば、三脚が、関心のある地点の直上にGNSSアンテナを適切に設置するために用いられ得る。別の例においては、GNSSアンテナを関心のある地点の上に懸架するために、ポールが用いられ得、アンテナ接地平面が地面に平行である位置に落ち着くまで、アンテナが揺動することを可能にする。外部ハードウェアデバイスは両方とも、使用者がアンテナを「水平にする」ことを可能にするが、そのようなデバイスは、かさばり、持ち運びが困難である。従って、位置決定デバイスがよりコンパクトになる場合でさえ、それらは、付加的なかさばる位置決定機器を必要とするという欠点を被る。
【0004】
最近、GNSSベースのデバイスは、付加的な測定技術が取り込まれるにつれて、ますます複雑になっている(例えば、名称「Construction machine control system」の特許文献1、および名称「Integrated terrestrial survey and satellite positioning system」の特許文献2を参照)。例えば、アンテナおよび受信機に加えて、多くのGNSSデバイスが距離計、電子式コンパス、またはビデオカメラを備え得る。しかしながら、現在のGNSSベースのデバイスがそのようなセンサを備えるときでさえ、使用者は、外部ハードウェアを使用しなければ、デバイスの位置決定をすることが可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,947,820号明細書
【特許文献2】米国特許第5,471,218号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、付加的な設置機器を使用せずに、位置を測定することが可能である測地デバイスが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態は、グラフィクス支援の測地デバイスを指向する。デバイスは、ディスプレイと、カメラと、距離計と、GNSS(GPS、GLONASS、およびGalileoを含む全地球航法衛星システム)受信機およびアンテナと、水平センサとを含み得る。カメラおよび水平センサからのデータは、関心のある地点上にデバイスを位置決定することにおいて使用者を支援するために表示され得る。
【0008】
一つの例において、距離計は、デバイスと関心のある地点との間の鉛直距離を補正することによって、関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。
【0009】
別の例において、複数の場所からとられた画像、配向データ、および位置データは、関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。
【0010】
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)
関心のある地点の位置を決定する装置であって、
複数の衛星からの位置データを受信する少なくとも1つのアンテナと、
該少なくとも1つのアンテナに結合される少なくとも1つの受信機と、
画像データを獲得する画像化回路であって、該画像化回路は、光学センサと光軸とを含む、画像化回路と、
配向データを獲得する配向回路と、
該画像データおよび該配向データの表現を表示して、該装置を位置決定する際に使用者を支援するディスプレイと、
該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定する位置決定回路と
を含む、装置。
(項目2)
上記位置データは、上記装置の地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目3)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記装置から見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目4)
上記配向データは、水平面に平行な平面に対する上記装置の配向を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目5)
距離データを獲得する距離回路をさらに含み、該距離回路は、上記光学センサの上記光軸に実質的に平行な軸を有し、上記位置決定回路は、該距離データに基づいて位置をさらに決定する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目6)
上記距離データは、上記装置と外部オブジェクトとの間の距離を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目7)
上記位置決定回路は、上記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることによって位置を決定し、該鉛直方向のオフセット距離は、該距離データによって表される距離と、上記アンテナのアンテナ位相中心と上記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目8)
上記画像化回路の上記光軸は、上記アンテナのアンテナ接地平面に実質的に直交し、該光軸は、該アンテナのアンテナ位相中心を通過する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目9)
上記配向回路は、二軸傾斜計および二軸加速度計のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目10)
上記位置決定回路は、上記位置データ、画像データ、および配向データに基づいて、円錐の数学的表現を生成するように動作可能である、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目11)
上記位置決定回路は、複数の円錐に円錐交差アルゴリズムを用いて位置を決定するようにさらに動作可能である、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目12)
上記画像データおよび上記配向データの上記表現は、少なくとも2つの仮想直線気泡水準器または平面気泡水準器を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目13)
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
(項目14)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記装置からみられた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記距離データは、上記デバイスと上記関心のある地点との間の距離を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、上記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、上記距離データによって表される距離と、上記アンテナのアンテナ位相中心と上記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記方法は、上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点の場所を追跡することをさらに含み、該関心のある地点の上記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
上記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21)
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
(項目22)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記デバイスから見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目24)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目25)
上記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目26)
上記複数の場所の各々に対する上記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成することをさらに含み、上記関心のある地点の上記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目27)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目28)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目29)
上記方法は、上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点を追跡することをさらに含み、上記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目30)
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目31)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目32)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記デバイスから見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目33)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目34)
上記距離データは、上記装置と上記関心のある地点との間の距離を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目35)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、上記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、上記距離データによって表される距離と、上記アンテナのアンテナ位相中心と上記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目36)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目37)
上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点の場所を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、該関心のある地点の上記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
上記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目38)
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目39)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目40)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記装置から見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目41)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目42)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目43)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目44)
上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、上記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目45)
上記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目46)
上記複数の場所の各々に対する上記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成するためのプログラムコードをさらに含み、上記関心のある地点の上記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【0011】
(摘要)
グラフィクス支援測地デバイスが提供される。デバイスは、ディスプレイと、カメラと、距離計と、GNSS(GPS、GLONASS、およびGalileoを含む全地球航法衛星システム)受信機およびアンテナと、水平センサとを含み得る。カメラおよび水平センサからのデータは、関心のある地点上にデバイスを位置決定することにおいて使用者を支援するために表示され得る。一つの例において、距離計は、関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。別の例において、複数の場所からとられた関心のある地点の画像が関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、様々な角度からみた例示的なグラフィクス支援測地デバイスを図示する。
【図2A】図2Aは、グラフィクス支援測地デバイスの構成要素の配向についての例示的な図を図示する。
【図2B】図2Bは、グラフィクス支援測地デバイスの構成要素の配向についての別の例示的な図を図示する。
【図2C】図2Cは、グラフィクス支援測地デバイスの構成要素の配向についての別の例示的な図を図示する。
【図3】図3は、グラフィクス支援測地デバイスの様々な構成要素の間の関係を示す例示的な論理図を図示する。
【図4】図4は、デバイスを位置決定するために使用される要素を含むグラフィクス支援測地デバイスのディスプレイ画面の例示的な図である。
【図5】図5は、水平方向に配向され、かつ関心のある地点上にあるグラフィクス支援測地デバイスのディスプレイ画面の別の例示的な図である。
【図6A】図6Aは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する例示的なプロセスを図示する。
【図6B】図6Bは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する別の例示的なプロセスを図示する。
【図7】図7は、4つの円錐の交差およびこれらの共通の交点を図示する。
【図8A】図8Aは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する例示的なプロセスを図示する。
【図8B】図8Bは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する別の例示的なプロセスを図示する。
【図9】図9は、特定の実施形態におけるいくつかの処理機能または全ての処理機能を実装するために使用され得る一般的な計算システムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記述は、当業者が様々な実施形態を構成し、使用することを可能にするように提示される。特定のデバイス、技法、および用途についての記述は、例示としてのみ提供される。本明細書に記述された例に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的な原理は、様々な実施形態の精神および範囲を逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。従って、様々な実施形態は、本明細書に記述され、示された例に限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲と矛盾しない範囲と一致し得る。
【0014】
様々な実施形態が、ハンドヘルドグラフィクス支援測地デバイスに関連して以下に述べられる。デバイスは、カメラ、距離センサおよび水平センサなどの様々なセンサを含み得る。ディスプレイ要素が、また、使用者が外部位置決定機器(例えば、三脚またはポール)の助け無しでデバイスを位置決定することを支援するために含まれ得る。
【0015】
図1は、様々な角度からみた例示的なグラフィクス支援測地デバイス100を図示する。グラフィクス支援測地デバイス100は、カメラ筺体105内に収容された状態で示される。カメラ筺体105は、一般的なカメラが保持されるように、使用者がグラフィクス支援測地デバイス100を保持することを可能にする。一つの例において、デバイスは、GNSSアンテナ110を含み得、このGNSSアンテナ110は、複数のGNSS衛星によって伝送され、位置を決定するためにグラフィクス支援測地デバイス100によって使用される信号を受信し得る。一つの例において、GNSSアンテナは、少なくとも4つのGNSS衛星によって伝送される信号を受信し得る。図1によって示される例において、GNSSアンテナ110は、グラフィクス支援測地デバイス100の上面に配置される。
【0016】
グラフィクス支援測地デバイス100は、GNSSアンテナ110によって受信された信号を地球ベースの座標、例えば、世界測地系84(WGS84)、地球中心地球固定座標系(ECEF)、地平直交局地座標(local east, north, up, coordinates)(ENU)などに変換するGNSS受信機(図示せず)をさらに含み得る。そのような受信機は、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。
【0017】
グラフィクス支援測地デバイス100は、位置測定をデバイスに実行させるための「測定」ボタン120をさらに含み得る。一つの例において、このボタンは従来のカメラのものと同様であり得る。しかしながら、写真を撮る代わりに、「測定」ボタン120は、グラフィクス支援測地デバイス100に、以下にさらに詳述されるような位置測定を実行させ得る。図1に示されるような例において、「測定」ボタン120は、グラフィクス支援測地デバイス100の上面に配置される。
【0018】
グラフィクス支援測地デバイス100は、デバイスを位置決定することにおいて使用者を支援するための情報を表示するディスプレイ130をさらに含み得る。ディスプレイ130は、例えば、投写型ディスプレイ、液晶(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの任意の電気ディスプレイであり得る。そのようなディスプレイデバイスは当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。図1に示される例において、ディスプレイ130は、グラフィクス支援測地デバイス100の背面に配置される。
【0019】
グラフィクス支援測地デバイス100は、静止画像またはビデオを記録するカメラ140をさらに含み得る。そのような記録デバイスは、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。図1に図示される例において、カメラ140は、グラフィクス支援測地デバイス100の底面に配置される。カメラ140の設置についてのさらなる詳述は、図2A〜Cに対して以下において提供される。一つの例において、ディスプレイ130は、カメラ140の出力を表示するために使用され得る。従って、直立状態に保持されると、ディスプレイ130は、グラフィクス支援測地デバイス100の下方に位置する地面の視野を表示する。
【0020】
グラフィクス支援測地デバイス100は、デバイスの配向を決定する水平センサ(非表示)をさらに含み得る。水平センサは、例えば、傾斜計、加速度計などの任意の型式の水平センサであり得る。そのような水平センサは、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。一つの例において、水平センサの出力の表記は、ディスプレイ130を用いて表示され得る。ディスプレイ130についての更なる詳述が以下に提供される。
【0021】
グラフィクス支援測地デバイス100は、直線距離を測定するための距離センサ150をさらに含み得る。距離センサ150は、例えば、ソナー、レーザー、レーダーなどの任意の距離測定技術を使用し得る。そのような距離センサは、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。図1に図示される例において、距離センサ150は、グラフィクス支援測地デバイス100の底面に配置される。
【0022】
図2A〜Cは、グラフィクス支援測地デバイス100および様々な角度からのその構成要素の配向についての例示的な図を示す。図2Aは、グラフィクス支援測地デバイス100の側面図を示し、矢印201および202は、それぞれ、デバイスの上面/底面および正面/背面を指している。図2Bは、背面からみたグラフィクス支援測地デバイス100を示し、矢印203および204は、それぞれ、デバイスの上面/底面および左側面/右側面を指している。図2Cは、グラフィクス支援測地デバイス100の底面図を示し、矢印205および206は、それぞれ、デバイスの右側面/左側面および正面/背面を指している。
【0023】
図2A〜Cによって図示される例において、カメラ筺体105は、アンテナ110、水平センサ215および216、距離センサ150、ならびにカメラ140を含有する。構成要素の配向は、空間内での方向を示すベクトルを用いることによって本明細書において記述される。例えば、アンテナ110は、アンテナ位相中心211と2つの地面ベクトル212および213によって画定されるアンテナ接地平面を有する。一つの例において、地面ベクトル212および213は、局所的な水平面に平行または実質的に平行である。カメラ140は、カメラ光軸242に沿って配置される光心241を有する。カメラ光軸242は、アンテナ位相中心211を通過し、地面ベクトル212および213と直交または実質的に直交する。距離センサ150は、カメラ光軸242平行または実質的に平行である距離センサ主軸(測定方向)251を有する。水平センサ215および216は、直交または実質的に直交する測定ベクトル217および218を有し、測定ベクトル217および218は、地面ベクトル212および213によって画定されるアンテナ接地平面に平行または実質的に平行である平面を作り出す。実際の適用において、グラフィクス支援測地デバイス100の構成要素は、上記のように、正確には設置され得ない。例えば、製造欠陥に起因して、特定の構成要素の配向は、設計されるようには、別の構成要素に対して平行または直交であり得ない。様々な構成要素の配向に対する許容範囲は、結果として得られる位置測定についての所望の精度に依存する。
【0024】
図3は、グラフィクス支援測地デバイス100の様々な構成要素の間の関係を示す例示的な論理図である。一つの例において、GNSSアンテナ110は、GNSS衛星から受信した位置データをGNSS受信機315に送信し得る。GNSS受信機315は、受信したGNSS衛星信号を、例えば、WGS84、ECEF,ENUなどの地球ベースの座標に変換し得る。GNSS受信機315は、さらに、座標をCPU360に送信して、距離センサ150からの距離データとともに、縦揺れ水平センサ215からの縦揺れデータ、および横揺れ水平センサ216からの横揺れデータ、「測定」ボタン120からの測定コマンド、およびビデオカメラ140からの画像データとともに処理する。CPU360は、以下にさらに詳述するように、データを処理し、ディスプレイ130上に表示される表示データを提供する。
【0025】
図4は、グラフィクス支援測地デバイス100を設置するディスプレイ130の例示的な視野400を図示する。一つの例において、ディスプレイ130は、カメラ140の出力を表示し得る。この例において、カメラ140の出力の表示は関心のある地点マーカー440を含む。図4に示されるように、関心のある地点マーカー440は、地上の特定の場所を示す小さい円形のオブジェクトである。本明細書において提供される例において、測定されるべき場所は地上に位置し、関心のある地点は可視マーカーによって識別可能である(例えば、関心のある地点マーカー440)。マーカーは、高度が小さい任意のオブジェクトであり得る。例えば、地上に描かれた「X」、または関心のある地点上に置かれた着色用紙の円形片が、関心のある地点マーカー440として役立ち得る。
【0026】
別の例において、ディスプレイ130は、仮想の直線の気泡水準器410および420をさらに含み得、これらは、それぞれ、グラフィクス支援測地デバイス100の横揺れおよび縦揺れに対応する。仮想直線気泡水準器410および420は、仮想の気泡411および421を含み得、これらは、グラフィクス支援測地デバイス100の横揺れおよび縦揺れの量と方向とを識別する。仮想直線気泡水準器410および420ならびに仮想気泡411および421は、CPU360によって生成され得、カメラ140の実際の画像出力上にオーバーレイされ得る。一つの例において、仮想直線気泡水準器410および420の中央に仮想気泡411および421を置くことは、デバイスが「水平に」設置されていることを示す。本明細書において用いられるとき、「水平」とは、アンテナ接地平面が局所水平面に平行である配向を指す。
【0027】
一つの例において、水平センサ215および216からのデータは、直線気泡水準器410および420を生成するために使用され得る。例えば、水平センサ215および216からのセンサデータは、CPU360に送られ得、CPU360は、縮尺されたセンサ測定値を仮想直線気泡水準器410および420内の気泡座標に変換し得る。CPU360は、その後、仮想気泡411および421のディスプレイ130上での表示を、仮想直線気泡水準器410および420内に適切に置かれ得る。こうして、仮想直線気泡水準器410および420は、グラフィクス支援測地デバイス400の傾斜および揺動に応じて移動する仮想気泡411および421によって、従来の気泡水準器のように機能し得る。例えば、グラフィクス支援測地デバイス100が前方に傾斜させられる場合、気泡420は、仮想直線気泡水準器420内で下向きに移動し得る。さらに、グラフィクス支援測地デバイス100が左方向に横揺れさせられる場合、仮想気泡411は、仮想直線気泡水準器410内で右方向に移動し得る。しかしながら、仮想直線気泡水準器410および420は、CPU360によって生成されるので、仮想気泡411および421の移動はグラフィクス支援測地デバイス100の移動に応じて任意の方向に移動するようにプログラムされ得る。
【0028】
別の例において、ディスプレイ130は、平面気泡水準器425をさらに含み得る。平面気泡水準器425は、仮想直線気泡水準器410および420の組み合わせを代理(例えば、直線水準器内の気泡の交点に置かれる)し、2つの直交する水平センサ(例えば、水平センサ215および216)の測定値を組み合わせることによって生成され得る。例えば、水平センサ215および216の縮尺された測定値は、CPU360によってディスプレイ130上のXとYとの座標に変換され得る。一つの例において、水平センサ215からの測定値は、気泡水準器425のX座標を生成するために使用され得、水平センサ216からの測定値は、Y座標を生成するために使用され得る。
【0029】
図4に示されるように、ディスプレイ130は、中央十字カーソル450をさらに含み得る。一つの例において、中央十字カーソル450は、ディスプレイ130の中に置かれ得る。別の例において、中央十字カーソル450の場所は、光軸242に沿うカメラ140の視野に対応するディスプレイ130内の点を表し得る。さらに別の例において、中央十字カーソル450内に平面気泡水準器425を置くことは、水平に設置されるグラフィクス支援測地デバイス100に対応し得る。中央十字カーソル450は、ディスプレイ130のスクリーン上に描かれ得るか、ディスプレイ130に電気的に表示され得る。
【0030】
ディスプレイ130は、デバイスの配置および配向についてフィードバックを提供することによって、使用者が関心のある地点上にグラフィクス支援測地デバイス100を設置することを支援するために使用され得る。例えば、ディスプレイ130のカメラ出力部分は、地上のオブジェクトに対してグラフィクス支援測地デバイス100を配置することに関して、使用者に情報を提供する。さらに、仮想直線気泡水準器410および420は、水平に対してグラフィクス支援測地デバイス100を配向することに関して、使用者に情報を提供する。ディスプレイ130上に表示される2つの型式の出力のうちの少なくとも一つを使用して、使用者は外部の設置機器を用いることなく、グラフィクス支援測地デバイス100を正しく設置し得る。
【0031】
図4によって図示される例において、関心のある地点マーカー440および平面気泡水準器425の両方は、中央十字カーソル450から中心が外れているように示される。このことは、カメラ140の光軸242が関心のある地点に真っ直ぐ向いていないこと、デバイスが水平に設置されていないことを示す。使用者が、地上の特定の点の上方に水平にデバイスを設置することを望む場合、図5に示すように、使用者は、中央十字カーソル450内に平面気泡水準器425および関心のある地点マーカー440の中心を置かなければならない。
【0032】
図5は、ディスプレイ130の別の例示的な視界500を図示する。この例において、仮想直線気泡水準器410および420は、それぞれ中央にある気泡とともに表され、デバイスが水平であることを示している。このように、平面気泡水準器425は、また、中央十字カーソル450内の中央にある。さらに、この例において、関心のある地点マーカー440は、中央十字カーソル450内の中央にあるように表されている。このことは、カメラ140の光軸242が関心のある地点マーカー440の方に向いていることを示す。従って、図5によって示される例において、グラフィクス支援測地デバイス100は、関心のある地点マーカー440の上方に水平に設置されている。
【0033】
図2に対して上記で議論されたように、アンテナ位相中心211は、光軸242に沿って配置され得る。このことは、図5によって示される例において、アンテナ位相中心211は、また、関心のある地点マーカー440の直上に配置されていることを意味する。従って、アンテナ位相中心211と関心のある地点マーカー440の間の唯一の相違は、関心のある地点マーカー440とアンテナ位相中心211との間の鉛直距離に等しい鉛直成分である。この例において、関心のある地点マーカー440の位置は、以下の式を用いて計算され得る。
【0034】
【数1】
ここで、
【0035】
【数2】
は、関心のある地点の計算された位置、
【0036】
【数3】
は、デバイスのアンテナ位相中心の測定されたGNSS位置、
【0037】
【数4】
は、地面に直交する単位ベクトル、
Dinは、アンテナ位相中心211と距離センサ150のゼロ測定点との間の鉛直距離、
Doutは、距離センサ主軸251に沿ったセンサのゼロ測定点からオブジェクトまでの距離センサ150によって計測された距離
である。
【0038】
上記のように、式(1)の
【0039】
【数4−1】
は、対象位置の計算された位置を表す。
【0040】
【数4−2】
は、グラフィクス支援測地デバイス100によって決定されたアンテナ位相中心211の位置を表す。
【0041】
【数4−3】
は、地面に直交する方向を向く単位ベクトルを表す。Dinは、アンテナ位相中心211と距離センサ150のゼロ測定点との間の鉛直距離を表す。距離センサ150のゼロ測定点は、空間内の点であって、その点に対して、距離センサ150は、ゼロの値を戻すように構成され、グラフィクス支援測地デバイス100の内側か外側のいずれかに配置され得る。従って、Dinは、各グラフィクス支援測地デバイス100に特有の定数値である。最後に、Doutは、距離センサ主軸251に沿ったセンサのゼロ測定点からオブジェクトまでの距離センサ150によって計測された距離を表す。それゆえに、
【0042】
【数4−4】
は、グラフィクス支援測地デバイス100によって測定された位置を取り、距離センサ150によって測定された距離に等しい鉛直距離に、アンテナ位相中心211と距離センサ150のゼロ測定点との間の鉛直距離との間の距離を加えたものを減じることによって計算される。
【0043】
式(1)において使用される座標は、任意の座標系で表され得る。例えば、上記で議論された式は、任意のデカルト座標系に適用可能であり得、測定結果は、例えば、WGS84、ECEF、ENU等の任意の地球ベースの座標に変換され得る。そのような変換法は、当業者に周知である。
【0044】
図6Aは、グラフィクス支援測地デバイス100を用いて位置を測定する例示的なプロセス600を図示する。ブロック610において、図5に対して記述されたように、使用者は、関心のある地点上にグラフィクス支援測地デバイス100を設置する。ブロック620において、グラフィクス支援測地デバイス100が関心のある地点上で水平に設置される間に、使用者は「測定」ボタン120を押す。ブロック630において、グラフィクス支援測地デバイス100は、受信機315からの位置データおよび距離センサ150によって測定された距離を記録する。ブロック640において、グラフィクス支援測地デバイス100のCPU360は、式(1)とブロック630において記録された値とを用いて関心のある地点の位置を計算する。
【0045】
図6Bは、グラフィクス支援測地デバイス100を用いて、位置を測定する例示的なプロセス600に類似の別の例示的なプロセス601を図示する。例示的なプロセス600と601との間の主な相違は、例示的なプロセス601において、使用者は、「測定」ボタン120を押すことを要求されない。プロセスは、ブロック610に類似するブロック650において開始する。ブロック660において、グラフィクス支援測地デバイス100は、デバイスが関心のある地点の上で水平に設置されていることを検出する。一つの例において、このことは、平面気泡425と関心のある地点マーカー440との両方が中央十字カーソル450内に中心が置かれていることを検出することによって達成され得る。
【0046】
一つの特定の例において、グラフィクス支援測地デバイス100は、X−Y座標に変換された水平センサデータを中央十字カーソル450に配置された表示座標と比較することによって、平面気泡425が中央十字カーソル450上に中心が置かれていることを決定し得る。さらに、グラフィクス支援測地デバイス100は、画像認識プログラムを用いて関心のある地点マーカー440を識別し、ディスプレイ130内のその場所を決定することによって、関心のある地点マーカー440が、中央十字カーソル450上に中心を置いていることを決定し得る。このことは、関心のある地点マーカー440が何らかの事前に定義された標準に従うことを要求する。例えば、関心のある地点マーカー440は、グラフィクス支援測地デバイス100の画像認識プログラムによって識別されるように、特定の色または形状であることが要求され得る。そのような認識アルゴリズムは、当業者に周知であり、任意のそのようなアルゴリズムがグラフィクス支援測地デバイス100において使用され得る。
【0047】
従って、一つの例において、グラフィクス支援測地デバイス100が、平面気泡425と関心のある地点マーカー440とが中央十字カーソル450内に中心を置かれていることを決定すると、デバイスはブロック670に進み得る。別の例において、ブロック660は、中央十字カーソル450と平面気泡425との間の距離、および中央十字カーソル450と関心のある地点マーカー440との間の距離が、ブロック670に進む前に事前に定義された距離閾値よりも小さくなることのみを要求し得る。ブロック670および680は、図6Aのブロック630および640と同様である。
【0048】
(複数円錐の交点の計算)
図6Aおよび6Bにおいて提供される例は、デバイスが、少なくとも実質的に水平で、関心のある地点の実質的に上に設置されることを要求する。使用者がデバイスを完全に配向することが期待されるわけではないので、グラフィクス支援測地デバイス100は、角度および位置における偏差が許容され得る。例えば、一つの例において、水平から2度、関心のある地点から4mmの偏差が許容され得る。しかしながら、別の許容範囲が所望の用途に応じて使用され得ることが理解されるべきである。以下に述べられる変形は、グラフィクス支援測地デバイス100が、図6Aおよび6Bで提供される例において要求されるような、設置要求無しに、位置測定を実行することを可能にする。以下の変形は、2つの補助技法:カメラポインティングベクトル偏差の計算および複数円錐交点の計算、に基づいている。
【0049】
後者の技法は、2つの円錐表面の交差領域は楕円であり、3つの円錐の交点領域は一対の点であり、4つの円錐の交点領域は単一の点である、という原理に基づいている。従って、グラフィクス支援測地デバイス100が4つの異なる円錐を生成し、各円錐がその表面上のどこかに関心のある地点マーカー440を含む場合、関心のある地点マーカー440の位置は、決定され得る。図7は、4つの円錐の交差およびそれらの間で共有される点710を図示する。各円錐を生成するプロセスが以下でさらに詳述される。4つの円錐が、共有点を識別するために必要な円錐の最小の数であることが理解されるべきである。付加的な円錐が、交点技法の精度を向上させるために使用され得る。
【0050】
(カメラポインティングベクトル偏差の計算)
上述の円錐を生成するために、以下のパラメータが決定され得る:円錐頂点の位置、円錐軸の配向、および円錐軸と円錐表面との間の角度。これらのパラメータを用いて、円錐の数学的表現を生成することは、当業者に周知である。例えば、円錐の数学的表現は、付録Cに記述された方法を用いて生成され得る。一つの例において、円錐軸と円錐表面との間の角度を決定することは、カメラポインティングベクトル偏差を計算することによって達成され得る。
【0051】
カメラポインティングベクトル偏差を計算することは、カメラ140によって撮られ、ディスプレイ130上に表示された画像の各ピクセルが、カメラの光軸242からの角度を表すという原理に基づいている。例えば、ディスプレイ130の中心におけるピクセルは、光軸242を表し得、一方、中心の右側に5ピクセル目のピクセルは、光軸242の右側への特定の角度を表し得る。カメラ140の画像上のオブジェクトのピクセル座標を知ることによって、カメラ光軸242からこのオブジェクトへの方向が以下の式(2)を用いて計算し得る。グラフィクス支援測地デバイス100の使用に対して、ポインティングベクトルとカメラ光軸242との間の角度を知ることは十分であり、このとき、ポインティングベクトルはカメラ光心241から関心のある地点へのベクトルを表す。完全中心射影カメラに対して、この角度値は、ディスプレイの中心からのピクセル距離の線形関数として近似され得、次の式を用いてモデル化され得る:
【0052】
【数5】
ここで、
αpntは、ポインティングベクトルとカメラ光軸242との間の角度、
kは、カメラ有効焦点距離によって決まる較正係数、
dは、フレームの中心と関心のある地点との間のピクセル距離
である。
【0053】
上記のように、式(2)のαpntは、ポインティングベクトルと光軸242との間の角度を表す。kは、カメラ有効焦点距離によって決まる較正係数を表す。この値は、各カメラモデルに特有の定数値である。dは、ディスプレイ130の中心(中央十字カーソル450)と関心のある地点マーカー440との間の、ピクセル単位のピクセル距離を表す。従って、ポインティングベクトルと光軸242との間の角度はカメラ較正係数と、中央十字カーソル450と関心のある地点マーカー440との間のピクセルの数との積である。
【0054】
式(2)は、完全中心射影カメラにだけ適用される。しかしながら、実際のカメラは、樽形ひずみが考慮される必要がある。ほとんどの実際の場合において、ひずみを接平面への球状面の射影とみなせば十分である。従って、補正されたピクセル距離が計算されて、式(2)におけるdの代わりに使用されなければならない。次の式は、補正されたピクセル距離を見出すために使用され得る。
【0055】
【数6】
ここで、
dcorrは、スクリーンの中心と関心のある地点との間の補正されたピクセル距離であり、この値は、式(2)においてdを置換する。
dは、フレームの中心と関心のある地点との間のピクセル距離である(式(2)において同じ)。
rは、相対ピクセル単位における射影された球体半径を表す較正係数である。
【0056】
上記のように、式(3)のdcorrは、スクリーンの中心と、カメラの樽形ひずみを考慮に入れる関心のある地点との間の補正されたピクセル距離を表す。dは、フレームの中心(中央十字カーソル450)と関心のある地点マーカー440との間のピクセル単位のピクセル距離である。rは、相対ピクセル単位における射影された球体半径を表す較正パラメータを表す。この値は、すべての内部レンズひずみを考慮に入れ、各カメラに特有の定数値である。従って、樽形ひずみを考慮に入れるために、式(3)において計算される補正されたピクセル距離(dcorr)が式(2)においてdの代わりに用いられなければならない。
【0057】
式(2)および(3)を用いて、円錐軸と円錐表面との間の角度が計算され得る。上記のように、円錐軸と円錐表面との間の角度は、円錐を生成するために用いられるパラメータの一つである。特に、円錐の頂点の位置、円錐軸の配向、および円錐軸と円錐表面との間の角度が与えられると、当業者は円錐を表わす式を生成する方法を理解するであろう。他の列挙されたパラメータを決定するプロセスは、以下でさらに詳述される。
【0058】
図8Aは、グラフィクス支援測地デバイス100および複数円錐交点技法を用いて、位置を測定する例示的なプロセス800を図示する。ブロック810において、プロセスは、使用者がディスプレイ130の視野内にグラフィクス支援測地デバイス100を関心のある地点マーカー440によって水平に設置することから開始する。ブロック815において、グラフィクス支援測地デバイス100は、測定条件を検出する。一つの例において、測定条件は、使用者が「測定」ボタン120を押すことに応答して「測定」コマンドを受信することであり得る。このことは、図6Aのブロック620と同様である。別の例において、測定条件は中央十字カーソル450と平面気泡425との間の距離が事前に定義された距離閾値より小さくなることであり得る。このことは、図6Bのブロック660と同様である。測定条件を検出すると、プロセスは、ブロック820に移る。ブロック820において、グラフィクス支援測地デバイス100は、センサからのデータを記録する。例えば、位置データは、GNSS受信機315から記録され得、縦揺れおよび横揺れのデータは水平センサ215および216から記録され得、画像データはビデオカメラ140から記録され得る。ブロック825において、CPU360は、円錐を生成するために、位置データ、縦揺れおよび横揺れのデータ、画像データを用いる。デバイスが水平または少なくとも実質的に水平に設置されると、円錐の頂点は、カメラ光心241の位置であり、円錐軸は、地面と直交する光軸242であり、円錐軸と円錐表面との間の角度は、式(2)および(3)を用いて計算される関心のある地点マーカー440へのポインティングベクトルと光軸242との間の角度である。ブロック830において、CPU360は4つの交差している円錐が生成された否かを決定する。交差している円錐が4つより少ない場合、プロセスはブロック810まで戻る。しかしながら、交差している円錐が少なくとも4つある場合、プロセスはブロック835に移る。ブロック835において、グラフィクス支援測地デバイス100のCPU360は複数の円錐の交点を計算する。複数の円錐の交点の計算は、一組の非線形方程式を生じさせ、それらは、例えば、ニュートン法、準ニュートン法、およびガウス−ニュートン法などの様々な数値解法によって解かれ得る。そのような解法は、当業者に周知であり、理解される。例えば、式は付録AおよびBに記述された解法を用いて解かれ得る。
【0059】
図8Bは、グラフィクス支援測地デバイス100および複数円錐交点技法を用いて位置を測定する例示的なプロセス801を図示する。このプロセスは、デバイスが水平に設置される必要がない図8Aのものとは異なる。しかしながら、関心のある地点マーカー440は、事前に定義された中央十字カーソル450からの閾値距離内に中心が置かれなければならない。ブロック840において、プロセスは、使用者が関心のある地点マーカー440に向かってグラフィクス支援測地デバイス100の光軸242を向けることから開始する。
【0060】
ブロック845において、グラフィクス支援測地デバイス100は、測定条件を検出する。一つの例において、測定条件は使用者が「測定」ボタン120を押すことに対応して「測定」コマンドを受信することであり得る。このことは、図6Aのブロック620と同様である。別の例において、測定条件は、関心のある地点マーカー440と中央十字カーソル450との間の距離が事前に定義された距離閾値より小さくなることであり得る。このことは、図6Bのブロック660と同様である。測定条件を検出すると、プロセスはブロック850に移る。ブロック850において、グラフィクス支援測地デバイス100はセンサからのデータを記録する。例えば、位置データは、GNSS受信機315から記録され得、縦揺れおよび横揺れのデータは水平センサ215および216から記録され得、画像データはビデオカメラ140から記録され得る。ブロック855において、CPU360は、上記のように、円錐を生成するために、位置データ、縦揺れおよび横揺れのデータ、画像データを用いる。デバイスが水平に設置され得ないと、円錐の頂点は、GNSSアンテナ位相中心211と一致し、円錐軸はGNSSアンテナ位相中心211を貫通し、地面に直交する直線であり、円錐軸と円錐表面との間の角度は、水平センサ215および216によって与えられる全鉛直偏差角である。ブロック860において、CPU360は、4つの交差している円錐が生成されたか否かを決定する。交差している円錐が4つより少ない場合、プロセスはブロック840まで戻る。しかしながら、交差している円錐が少なくとも4つある場合、プロセスはブロック865に移る。ブロック865において、グラフィクス支援測地デバイス100のCPU360は、上記の方法を用いて、複数の円錐の交点を計算する。
【0061】
図8Aおよび8Bによって図示される例示的なプロセスに対して、生成された円錐は、図7に図示されるものと同様である。各円錐の頂点は、カメラの光心241またはアンテナ位相中心211のいずれかに配置され、円錐の基部はグラフィクス支援測地デバイス100から離れるように地面に向かって突き出ている。
【0062】
一つの例において、図8Aおよび8Bによって図示されるプロセスを用いて関心のある地点の位置を計算するとき、4つの円錐の頂点間の距離が大きいほど、結果として生じる計算された位置の精度はそれだけ向上する。
【0063】
図9は、例示的な計算システム900を図示し、計算システム900は、本技術についての様々な局面に対する処理機能を実装するために用いられ得る(例えば、測地デバイス、受信機、CPU360、アクティビティデータ論理/データベース、それらの組み合わせ、など)。関連技術分野における当業者は、また、他のコンピュータシステム、またはアーキテクチャーを使用して、本技術を実装する方法を認識するであろう。計算システム900とは、例えば、所与の用途または環境に対して望ましく、または好適であるようなデスクトップ、携帯電話、測地デバイスなどの使用者デバイスを意味し得る。計算システム900は、プロセッサ904のような、1つ以上のプロセッサを含むことができる。プロセッサ904は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の制御論理のような一般的な、または特殊な目的処理エンジンを用いて、実装されることができる。この例において、プロセッサ904は、バス902または他の通信媒体に接続される。
【0064】
計算システム900は、また、プロセッサ904によって実行されるべき情報および命令を記憶するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他のダイナミックメモリのような、メインメモリ908を含み得る。メインメモリ908は、また、プロセッサ904によって実行されるべき命令の実行の間、一時変数、または他の中間情報を記憶するために使用され得る。計算システム900は、プロセッサ904に対するスタティックな情報および命令を記憶するために、読み出し専用メモリ(「ROM」)、またはバス902に結合される他のスタティック記憶デバイスを同様に含み得る。
【0065】
計算システム900は、また、情報記憶メカニズム910を含み得、情報記憶メカニズム910は、例えば、媒体ドライブ912および着脱可能記憶インタフェース920を含み得る。媒体ドライブ912は、ドライブまたは他のメカニズムを含み得、それにより、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、CDもしくはDVDドライブ(RもしくはRW)、または他の着脱可能もしくは固定媒体ドライブなどの固定または着脱可能記憶媒体をサポートする。記憶媒体918は、例えば、媒体ドライブ914によって読み出しまたは書き込みされるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光学ディスク、CDもしくはDVDドライブ、または他の固定もしくは着脱可能媒体を含み得る。これらの例が図示するように、記憶媒体918は、自身内に特定のコンピュータソフトウェアまたはデータを記憶するコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み得る。
【0066】
代替的な実施形態において、情報記憶メカニズム910は、コンピュータプログラムもしくは他の命令またはデータが計算システム900にロードされることを可能にするための他の同様の手段を含み得る。そのような手段は、例えば、プログラムカートリッジとカートリッジインタフェース、着脱可能メモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他の着脱可能メモリモジュール)とメモリスロット、および他の着脱可能記憶ユニット922とインタフェース920などの、着脱可能記憶ユニット922とインタフェース920を含み得、これらのものは、ソフトウェアおよびデータが着脱可能記憶ユニット918から計算システム900に伝送されることを可能にする。
【0067】
計算システム900は、また、通信インタフェース924を含むことができる。通信インタフェース924は、ソフトウェアおよびデータが計算システム900と外部デバイスとの間で伝送されることを可能にするために使用されることができる。通信インタフェースの例は、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネット(登録商標)または他のNICカードなど)、通信ポート(例えば、USBポートなど)、PCMCIAスロットとカードなどを含むことができる。通信インタフェース924を介して伝送されるソフトウェアおよびデータは、電子的、電磁気的、光学的であり得る信号、または通信インタフェース924によって受信可能な他の信号の形式である。これらの信号は、チャネル928を介して通信インタフェース924に提供される。このチャネル928は、信号を搬送し得、無線媒体、有線またはケーブル、光ファイバー、または他の通信媒体を用いて実装され得る。チャネルのいくつかの例は、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワークインタフェース、ローカルまたは広域ネットワーク、および他の通信チャネルを含む。
【0068】
本文書において、用語「コンピュータプログラム製品」および「コンピュータ読み取り可能記憶媒体」は、概して、例えば、メモリ908、記憶デバイス918、または記憶ユニット922などの媒体を指すために用いられ得る。これらの、または他の形式のコンピュータ読み取り可能媒体は、実行のためにプロセッサ904に1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを提供することに含まれ得る。そのような命令は、概して、「コンピュータプログラムコード」(これは、コンピュータプログラムまたは、他の分類の形式に分類され得る)と呼ばれるが、実行時に、計算システム900が本技術の実施形態の特徴または機能を実行することを可能にする。
【0069】
要素がソフトウェアを用いて実装される実施形態において、ソフトウェアは、例えば、着脱可能記憶ドライブ914、ドライブ912または、通信インタフェース924を用いてコンピュータ読み取り可能媒体内に記憶され得るか、または計算システム900にロードされ得る。制御論理(この例においては、ソフトウェア命令またはコンピュータプログラムコード)は、プロセッサ904による実行時に、プロセッサ904に本明細書に記述されるような技術の機能を実行させる。
【0070】
明瞭であることを目的として、上記内容は、異なる機能のユニットおよびプロセッサに関して実施形態について記述したことが理解されるであろう。しかしながら、異なる機能のユニット、プロセッサ、またはドメイン間での任意の適切な機能分散が利用され得ることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実行されると説明される機能は、同一のプロセッサまたはコントローラによって実行され得る。それゆえに、特定機能のユニットに対する言及は、厳密な論理的、または物理的な構造または構成を意味するというよりは、むしろ記述された機能を提供する適切な手段への言及であると理解されることができるにすぎない。
【0071】
さらに、個々にリストアップされているが、複数の手段、要素、または方法段階が、例えば、単一のユニットまたはプロセッサによって実装され得る。さらに、個々の特徴は異なる請求項内に含まれ得るが、おそらく、これらは、うまく組み合わされ得、異なる請求項に含まれることが、特徴の組み合わせが実行可能でないこと、または有利でないことを意味するものではない。また、特徴が請求項の1つのカテゴリーに含まれることは、このカテゴリーに限定することを意味するものではなく、むしろ、このその特徴は別のクレームカテゴリーに適切であるように等しく適用可能であり得る。
【0072】
特定の実施形態に関連して特徴が述べられているように思えるかもしれないが、当業者は述べられた実施形態の様々な特徴が組み合わされ得ることを認識するであろう。さらに、実施形態に関連して述べられた局面は、独立し得る。
【0073】
(付録A)
(非拘束最小化法)
以下のように定義する:
【0074】
【数7】
は、n次元ユークリッド空間であり、
【0075】
【数8】
であり、ここで、ベクトルは列ベクトルであり、記号Tは転置を示す;
【0076】
【数9】
は、ベクトル
【0077】
【数9−1】
のユークリッドノルムである;
【0078】
【数10】
は、2つのベクトルのスカラー積である;
【0079】
【数11】
は、連続微分可能関数
【0080】
【数12】
の1次偏導関数のベクトル、または勾配ベクトルである;
【0081】
【数13】
は、2回連続微分可能関数f(x)の2次偏導関数の行列、またはヘッセ行列である;
【0082】
【数14】
は、n×nの正方行列空間である;
Iは、恒等行列である。
【0083】
数列
【0084】
【数15】
は、初期近似
【0085】
【数16】
から開始して、以下の式
【0086】
【数17】
によって生成され、この式は、行列
【0087】
【数18】
が正値であり、かつ刻み長さ
【0088】
【数19】
が、特別に選ばれる場合に、
以下の最小化条件
【0089】
【数20】
を満足する。
【0090】
刻み長さの計算方法は、例えば、P.E.Gill、W.Murray、M.H.Wright(1980)、Practical Optimization、Academic Press、1981 pp.100−102に記載されており、この文献は、本明細書に参照によって援用される。ロバストかつ実際に証明された方法は、数列
【0091】
【数21】
の最初の数を計算することを含み、その値は、不等式
【0092】
【数22】
を満たし、ここで、次式
【0093】
【数23】
は、探索(降下)方向ベクトルであり、μは、0<μ≦0.5の範囲内にある任意の数である。1つの例において、μ=0.01を使用し得る。
【0094】
式(A1)に従って生成される数列
【0095】
【数24】
は、不等式(A2)に示される関数f(x)を最小化する。従って、式(A1)は、任意の選択された正値行列に対して帰納的に最小化数列を生成する。数列の収束特性は、正値行列
【0096】
【数25】
の選択に依存する。以下は、正値行列
【0097】
【数25−1】
を選択し、式(A1)を計算するために用い得る方法である:
1)
【0098】
【数26】
の場合、式(A1)が勾配または最急降下法を用いて計算され得る。この方法は、線形的に収束することが知られている。
2)
【0099】
【数27】
の場合、式(A1)は、ニュートン法を用いて計算され得る。この方法は、ヘッセ行列が正値である局所的な最小点の近傍において二次的に収束する。
3)反復計算される行列
【0100】
【数27−1】
は、例えば、P.E. Gill、W.Murray、M.H.Wright(1980)、Practical Optimization、Academic Press、1981、pp.116−127に述べられているBroyden−Fletcher−Goldfarb−Shanno(BFGS)法またはDavidon−Fletcher−Powell(DFP)法に従って更新され得、この文献は、参照によって本明細書に援用される。BFGS法およびDFP法は、準ニュートン法の族を形成し、超線形的に収束することが知られている。これらの方法は、実用上、ニュートン法と同程度に速いが、ヘッセ行列を計算する必要がない。本適用におけるように、ヘッセ行列が容易に計算される適用においては、ニュートン法が好ましい。
【0101】
(付録B)
(平方和最小化法)
最小化される関数f(x)についての特定の場合を考える。関数f(x)は、m個の関数
【0102】
【数28】
の平方和であるとする。
【0103】
【数29】
非線形方程式の冗長な(m≧n)組の解
【0104】
【数30】
は、しばしば、最小化問題に簡約される。
【0105】
【数31】
上記の方法1)〜3)の内の任意のものが、問題(A7)に適用される。ニュートン法を適用するために、勾配ベクトルおよびヘッセ行列に対する式が必要である。次式は、それらを関数
【0106】
【数31−1】
の勾配およびヘッセ行列を介して表している。
【0107】
【数32】
システム(A6)が実行可能である場合、値
【0108】
【数32−1】
は、最小化数列
【0109】
【数32−2】
が解に収束するにつれてゼロになる。たとえシステム(A6)がほぼ実行可能であっても、値
【0110】
【数32−3】
は、ヘッセ行列(A9)に対する式において無視される。第4の方法の定式化が得られる:
4)
【0111】
【数33】
の場合、式(A1)は、例えば、P.E.Gill、W. Murray、M.H.Wright(1980)、Practical Optimization、Academic Press、1981、pp.134−136に述べられているように、ガウス−ニュートン法を用いて計算され得、この文献は参照により本明細書に援用される。
【0112】
(付録C)
三次元空間内の円錐Ciが、全部でm個の円錐に共通に、頂点
【0113】
【数34】
中心軸
【0114】
【数35】
および軸と母線との間の角度δによって定義されるとする。ベクトルhは、重力ベクトルと整列する単位ベクトルである。円錐Ciの式は、次のようになる。
【0115】
【数36】
α=cosδであるとする。このとき、ベクトルhが単位ベクトルであることを考慮すると、次式が得られる。
【0116】
【数37】
点
【0117】
【数38】
は、式(A11)を満たす場合か、満たす場合にのみ、円錐Ciの表面に属する。円錐の交差を決定する問題は、
【0118】
【数39】
を伴う問題(A6)の解法に簡約される。その後、問題は問題(A5)と(A6)とに簡約され、次に、上述の方法1)〜4)の任意のものによって解かれ得る。例えば、ニュートン法を適用するために、勾配およびヘッセ行列(A8)と(A9)をそれぞれ計算する必要がある。記述を完成するために、演算(A8)および(A9)に必要な
【0119】
【数40】
および
【0120】
【数41】
に対する式を導出する:
【0121】
【数42】
【符号の説明】
【0122】
100 グラフィクス支援測地デバイス
110 GNSSアンテナ
120 「測定」ボタン
130 ディスプレイ
140 カメラ
150 距離センサ
【技術分野】
【0001】
(1.分野)
本開示は、概して、測地学およびハンドヘルド測地デバイスの正確な位置決定に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術)
測地学者は、一般に、全地球航法衛星システム(GNSS)デバイスなどの衛星位置決定デバイスを使用して、地球上または地球周辺のいずれかにおける関心のある地点の場所を決定する。しばしば、これらの関心のある地点は、アクセスすることが困難である遠隔の目的地に位置する。従って、コンパクトで持ち運びが容易な位置決定デバイスが望まれる。
【0003】
一般的に、GNSSベースのデバイスを用いて所与の地点の位置を適切に測定するために、GNSSアンテナは、アンテナ接地平面が地面と平行になるように、関心のある地点の直上に設置されなければならない。GNSSデバイスをそのような態様で設置するために、外部ハードウェアが通常用いられる。例えば、三脚が、関心のある地点の直上にGNSSアンテナを適切に設置するために用いられ得る。別の例においては、GNSSアンテナを関心のある地点の上に懸架するために、ポールが用いられ得、アンテナ接地平面が地面に平行である位置に落ち着くまで、アンテナが揺動することを可能にする。外部ハードウェアデバイスは両方とも、使用者がアンテナを「水平にする」ことを可能にするが、そのようなデバイスは、かさばり、持ち運びが困難である。従って、位置決定デバイスがよりコンパクトになる場合でさえ、それらは、付加的なかさばる位置決定機器を必要とするという欠点を被る。
【0004】
最近、GNSSベースのデバイスは、付加的な測定技術が取り込まれるにつれて、ますます複雑になっている(例えば、名称「Construction machine control system」の特許文献1、および名称「Integrated terrestrial survey and satellite positioning system」の特許文献2を参照)。例えば、アンテナおよび受信機に加えて、多くのGNSSデバイスが距離計、電子式コンパス、またはビデオカメラを備え得る。しかしながら、現在のGNSSベースのデバイスがそのようなセンサを備えるときでさえ、使用者は、外部ハードウェアを使用しなければ、デバイスの位置決定をすることが可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,947,820号明細書
【特許文献2】米国特許第5,471,218号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、付加的な設置機器を使用せずに、位置を測定することが可能である測地デバイスが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態は、グラフィクス支援の測地デバイスを指向する。デバイスは、ディスプレイと、カメラと、距離計と、GNSS(GPS、GLONASS、およびGalileoを含む全地球航法衛星システム)受信機およびアンテナと、水平センサとを含み得る。カメラおよび水平センサからのデータは、関心のある地点上にデバイスを位置決定することにおいて使用者を支援するために表示され得る。
【0008】
一つの例において、距離計は、デバイスと関心のある地点との間の鉛直距離を補正することによって、関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。
【0009】
別の例において、複数の場所からとられた画像、配向データ、および位置データは、関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。
【0010】
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)
関心のある地点の位置を決定する装置であって、
複数の衛星からの位置データを受信する少なくとも1つのアンテナと、
該少なくとも1つのアンテナに結合される少なくとも1つの受信機と、
画像データを獲得する画像化回路であって、該画像化回路は、光学センサと光軸とを含む、画像化回路と、
配向データを獲得する配向回路と、
該画像データおよび該配向データの表現を表示して、該装置を位置決定する際に使用者を支援するディスプレイと、
該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定する位置決定回路と
を含む、装置。
(項目2)
上記位置データは、上記装置の地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目3)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記装置から見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目4)
上記配向データは、水平面に平行な平面に対する上記装置の配向を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目5)
距離データを獲得する距離回路をさらに含み、該距離回路は、上記光学センサの上記光軸に実質的に平行な軸を有し、上記位置決定回路は、該距離データに基づいて位置をさらに決定する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目6)
上記距離データは、上記装置と外部オブジェクトとの間の距離を表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目7)
上記位置決定回路は、上記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることによって位置を決定し、該鉛直方向のオフセット距離は、該距離データによって表される距離と、上記アンテナのアンテナ位相中心と上記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目8)
上記画像化回路の上記光軸は、上記アンテナのアンテナ接地平面に実質的に直交し、該光軸は、該アンテナのアンテナ位相中心を通過する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目9)
上記配向回路は、二軸傾斜計および二軸加速度計のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目10)
上記位置決定回路は、上記位置データ、画像データ、および配向データに基づいて、円錐の数学的表現を生成するように動作可能である、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目11)
上記位置決定回路は、複数の円錐に円錐交差アルゴリズムを用いて位置を決定するようにさらに動作可能である、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目12)
上記画像データおよび上記配向データの上記表現は、少なくとも2つの仮想直線気泡水準器または平面気泡水準器を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目13)
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
(項目14)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記装置からみられた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記距離データは、上記デバイスと上記関心のある地点との間の距離を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、上記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、上記距離データによって表される距離と、上記アンテナのアンテナ位相中心と上記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記方法は、上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点の場所を追跡することをさらに含み、該関心のある地点の上記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
上記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21)
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
(項目22)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記デバイスから見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目24)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目25)
上記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目26)
上記複数の場所の各々に対する上記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成することをさらに含み、上記関心のある地点の上記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目27)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目28)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目29)
上記方法は、上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点を追跡することをさらに含み、上記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目30)
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目31)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目32)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記デバイスから見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目33)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目34)
上記距離データは、上記装置と上記関心のある地点との間の距離を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目35)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、上記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、上記距離データによって表される距離と、上記アンテナのアンテナ位相中心と上記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目36)
上記関心のある地点の上記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目37)
上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点の場所を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、該関心のある地点の上記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
上記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目38)
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目39)
上記位置データは、上記デバイスの地理上の位置を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目40)
上記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、上記装置から見られた上記関心のある地点の見え方を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目41)
上記配向データは水平面に平行な平面に対する上記デバイスの配向を表す、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目42)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目43)
上記位置データ、画像データ、および配向データは、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目44)
上記画像データを用いて上記ディスプレイ内の上記関心のある地点を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、上記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、上記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目45)
上記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(項目46)
上記複数の場所の各々に対する上記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成するためのプログラムコードをさらに含み、上記関心のある地点の上記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、上記項目のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【0011】
(摘要)
グラフィクス支援測地デバイスが提供される。デバイスは、ディスプレイと、カメラと、距離計と、GNSS(GPS、GLONASS、およびGalileoを含む全地球航法衛星システム)受信機およびアンテナと、水平センサとを含み得る。カメラおよび水平センサからのデータは、関心のある地点上にデバイスを位置決定することにおいて使用者を支援するために表示され得る。一つの例において、距離計は、関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。別の例において、複数の場所からとられた関心のある地点の画像が関心のある地点の位置を決定するために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、様々な角度からみた例示的なグラフィクス支援測地デバイスを図示する。
【図2A】図2Aは、グラフィクス支援測地デバイスの構成要素の配向についての例示的な図を図示する。
【図2B】図2Bは、グラフィクス支援測地デバイスの構成要素の配向についての別の例示的な図を図示する。
【図2C】図2Cは、グラフィクス支援測地デバイスの構成要素の配向についての別の例示的な図を図示する。
【図3】図3は、グラフィクス支援測地デバイスの様々な構成要素の間の関係を示す例示的な論理図を図示する。
【図4】図4は、デバイスを位置決定するために使用される要素を含むグラフィクス支援測地デバイスのディスプレイ画面の例示的な図である。
【図5】図5は、水平方向に配向され、かつ関心のある地点上にあるグラフィクス支援測地デバイスのディスプレイ画面の別の例示的な図である。
【図6A】図6Aは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する例示的なプロセスを図示する。
【図6B】図6Bは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する別の例示的なプロセスを図示する。
【図7】図7は、4つの円錐の交差およびこれらの共通の交点を図示する。
【図8A】図8Aは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する例示的なプロセスを図示する。
【図8B】図8Bは、グラフィクス支援測地デバイスを使用して位置を測定する別の例示的なプロセスを図示する。
【図9】図9は、特定の実施形態におけるいくつかの処理機能または全ての処理機能を実装するために使用され得る一般的な計算システムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記述は、当業者が様々な実施形態を構成し、使用することを可能にするように提示される。特定のデバイス、技法、および用途についての記述は、例示としてのみ提供される。本明細書に記述された例に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的な原理は、様々な実施形態の精神および範囲を逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。従って、様々な実施形態は、本明細書に記述され、示された例に限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲と矛盾しない範囲と一致し得る。
【0014】
様々な実施形態が、ハンドヘルドグラフィクス支援測地デバイスに関連して以下に述べられる。デバイスは、カメラ、距離センサおよび水平センサなどの様々なセンサを含み得る。ディスプレイ要素が、また、使用者が外部位置決定機器(例えば、三脚またはポール)の助け無しでデバイスを位置決定することを支援するために含まれ得る。
【0015】
図1は、様々な角度からみた例示的なグラフィクス支援測地デバイス100を図示する。グラフィクス支援測地デバイス100は、カメラ筺体105内に収容された状態で示される。カメラ筺体105は、一般的なカメラが保持されるように、使用者がグラフィクス支援測地デバイス100を保持することを可能にする。一つの例において、デバイスは、GNSSアンテナ110を含み得、このGNSSアンテナ110は、複数のGNSS衛星によって伝送され、位置を決定するためにグラフィクス支援測地デバイス100によって使用される信号を受信し得る。一つの例において、GNSSアンテナは、少なくとも4つのGNSS衛星によって伝送される信号を受信し得る。図1によって示される例において、GNSSアンテナ110は、グラフィクス支援測地デバイス100の上面に配置される。
【0016】
グラフィクス支援測地デバイス100は、GNSSアンテナ110によって受信された信号を地球ベースの座標、例えば、世界測地系84(WGS84)、地球中心地球固定座標系(ECEF)、地平直交局地座標(local east, north, up, coordinates)(ENU)などに変換するGNSS受信機(図示せず)をさらに含み得る。そのような受信機は、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。
【0017】
グラフィクス支援測地デバイス100は、位置測定をデバイスに実行させるための「測定」ボタン120をさらに含み得る。一つの例において、このボタンは従来のカメラのものと同様であり得る。しかしながら、写真を撮る代わりに、「測定」ボタン120は、グラフィクス支援測地デバイス100に、以下にさらに詳述されるような位置測定を実行させ得る。図1に示されるような例において、「測定」ボタン120は、グラフィクス支援測地デバイス100の上面に配置される。
【0018】
グラフィクス支援測地デバイス100は、デバイスを位置決定することにおいて使用者を支援するための情報を表示するディスプレイ130をさらに含み得る。ディスプレイ130は、例えば、投写型ディスプレイ、液晶(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの任意の電気ディスプレイであり得る。そのようなディスプレイデバイスは当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。図1に示される例において、ディスプレイ130は、グラフィクス支援測地デバイス100の背面に配置される。
【0019】
グラフィクス支援測地デバイス100は、静止画像またはビデオを記録するカメラ140をさらに含み得る。そのような記録デバイスは、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。図1に図示される例において、カメラ140は、グラフィクス支援測地デバイス100の底面に配置される。カメラ140の設置についてのさらなる詳述は、図2A〜Cに対して以下において提供される。一つの例において、ディスプレイ130は、カメラ140の出力を表示するために使用され得る。従って、直立状態に保持されると、ディスプレイ130は、グラフィクス支援測地デバイス100の下方に位置する地面の視野を表示する。
【0020】
グラフィクス支援測地デバイス100は、デバイスの配向を決定する水平センサ(非表示)をさらに含み得る。水平センサは、例えば、傾斜計、加速度計などの任意の型式の水平センサであり得る。そのような水平センサは、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。一つの例において、水平センサの出力の表記は、ディスプレイ130を用いて表示され得る。ディスプレイ130についての更なる詳述が以下に提供される。
【0021】
グラフィクス支援測地デバイス100は、直線距離を測定するための距離センサ150をさらに含み得る。距離センサ150は、例えば、ソナー、レーザー、レーダーなどの任意の距離測定技術を使用し得る。そのような距離センサは、当業者に周知であり、任意のそのようなデバイスが使用され得る。図1に図示される例において、距離センサ150は、グラフィクス支援測地デバイス100の底面に配置される。
【0022】
図2A〜Cは、グラフィクス支援測地デバイス100および様々な角度からのその構成要素の配向についての例示的な図を示す。図2Aは、グラフィクス支援測地デバイス100の側面図を示し、矢印201および202は、それぞれ、デバイスの上面/底面および正面/背面を指している。図2Bは、背面からみたグラフィクス支援測地デバイス100を示し、矢印203および204は、それぞれ、デバイスの上面/底面および左側面/右側面を指している。図2Cは、グラフィクス支援測地デバイス100の底面図を示し、矢印205および206は、それぞれ、デバイスの右側面/左側面および正面/背面を指している。
【0023】
図2A〜Cによって図示される例において、カメラ筺体105は、アンテナ110、水平センサ215および216、距離センサ150、ならびにカメラ140を含有する。構成要素の配向は、空間内での方向を示すベクトルを用いることによって本明細書において記述される。例えば、アンテナ110は、アンテナ位相中心211と2つの地面ベクトル212および213によって画定されるアンテナ接地平面を有する。一つの例において、地面ベクトル212および213は、局所的な水平面に平行または実質的に平行である。カメラ140は、カメラ光軸242に沿って配置される光心241を有する。カメラ光軸242は、アンテナ位相中心211を通過し、地面ベクトル212および213と直交または実質的に直交する。距離センサ150は、カメラ光軸242平行または実質的に平行である距離センサ主軸(測定方向)251を有する。水平センサ215および216は、直交または実質的に直交する測定ベクトル217および218を有し、測定ベクトル217および218は、地面ベクトル212および213によって画定されるアンテナ接地平面に平行または実質的に平行である平面を作り出す。実際の適用において、グラフィクス支援測地デバイス100の構成要素は、上記のように、正確には設置され得ない。例えば、製造欠陥に起因して、特定の構成要素の配向は、設計されるようには、別の構成要素に対して平行または直交であり得ない。様々な構成要素の配向に対する許容範囲は、結果として得られる位置測定についての所望の精度に依存する。
【0024】
図3は、グラフィクス支援測地デバイス100の様々な構成要素の間の関係を示す例示的な論理図である。一つの例において、GNSSアンテナ110は、GNSS衛星から受信した位置データをGNSS受信機315に送信し得る。GNSS受信機315は、受信したGNSS衛星信号を、例えば、WGS84、ECEF,ENUなどの地球ベースの座標に変換し得る。GNSS受信機315は、さらに、座標をCPU360に送信して、距離センサ150からの距離データとともに、縦揺れ水平センサ215からの縦揺れデータ、および横揺れ水平センサ216からの横揺れデータ、「測定」ボタン120からの測定コマンド、およびビデオカメラ140からの画像データとともに処理する。CPU360は、以下にさらに詳述するように、データを処理し、ディスプレイ130上に表示される表示データを提供する。
【0025】
図4は、グラフィクス支援測地デバイス100を設置するディスプレイ130の例示的な視野400を図示する。一つの例において、ディスプレイ130は、カメラ140の出力を表示し得る。この例において、カメラ140の出力の表示は関心のある地点マーカー440を含む。図4に示されるように、関心のある地点マーカー440は、地上の特定の場所を示す小さい円形のオブジェクトである。本明細書において提供される例において、測定されるべき場所は地上に位置し、関心のある地点は可視マーカーによって識別可能である(例えば、関心のある地点マーカー440)。マーカーは、高度が小さい任意のオブジェクトであり得る。例えば、地上に描かれた「X」、または関心のある地点上に置かれた着色用紙の円形片が、関心のある地点マーカー440として役立ち得る。
【0026】
別の例において、ディスプレイ130は、仮想の直線の気泡水準器410および420をさらに含み得、これらは、それぞれ、グラフィクス支援測地デバイス100の横揺れおよび縦揺れに対応する。仮想直線気泡水準器410および420は、仮想の気泡411および421を含み得、これらは、グラフィクス支援測地デバイス100の横揺れおよび縦揺れの量と方向とを識別する。仮想直線気泡水準器410および420ならびに仮想気泡411および421は、CPU360によって生成され得、カメラ140の実際の画像出力上にオーバーレイされ得る。一つの例において、仮想直線気泡水準器410および420の中央に仮想気泡411および421を置くことは、デバイスが「水平に」設置されていることを示す。本明細書において用いられるとき、「水平」とは、アンテナ接地平面が局所水平面に平行である配向を指す。
【0027】
一つの例において、水平センサ215および216からのデータは、直線気泡水準器410および420を生成するために使用され得る。例えば、水平センサ215および216からのセンサデータは、CPU360に送られ得、CPU360は、縮尺されたセンサ測定値を仮想直線気泡水準器410および420内の気泡座標に変換し得る。CPU360は、その後、仮想気泡411および421のディスプレイ130上での表示を、仮想直線気泡水準器410および420内に適切に置かれ得る。こうして、仮想直線気泡水準器410および420は、グラフィクス支援測地デバイス400の傾斜および揺動に応じて移動する仮想気泡411および421によって、従来の気泡水準器のように機能し得る。例えば、グラフィクス支援測地デバイス100が前方に傾斜させられる場合、気泡420は、仮想直線気泡水準器420内で下向きに移動し得る。さらに、グラフィクス支援測地デバイス100が左方向に横揺れさせられる場合、仮想気泡411は、仮想直線気泡水準器410内で右方向に移動し得る。しかしながら、仮想直線気泡水準器410および420は、CPU360によって生成されるので、仮想気泡411および421の移動はグラフィクス支援測地デバイス100の移動に応じて任意の方向に移動するようにプログラムされ得る。
【0028】
別の例において、ディスプレイ130は、平面気泡水準器425をさらに含み得る。平面気泡水準器425は、仮想直線気泡水準器410および420の組み合わせを代理(例えば、直線水準器内の気泡の交点に置かれる)し、2つの直交する水平センサ(例えば、水平センサ215および216)の測定値を組み合わせることによって生成され得る。例えば、水平センサ215および216の縮尺された測定値は、CPU360によってディスプレイ130上のXとYとの座標に変換され得る。一つの例において、水平センサ215からの測定値は、気泡水準器425のX座標を生成するために使用され得、水平センサ216からの測定値は、Y座標を生成するために使用され得る。
【0029】
図4に示されるように、ディスプレイ130は、中央十字カーソル450をさらに含み得る。一つの例において、中央十字カーソル450は、ディスプレイ130の中に置かれ得る。別の例において、中央十字カーソル450の場所は、光軸242に沿うカメラ140の視野に対応するディスプレイ130内の点を表し得る。さらに別の例において、中央十字カーソル450内に平面気泡水準器425を置くことは、水平に設置されるグラフィクス支援測地デバイス100に対応し得る。中央十字カーソル450は、ディスプレイ130のスクリーン上に描かれ得るか、ディスプレイ130に電気的に表示され得る。
【0030】
ディスプレイ130は、デバイスの配置および配向についてフィードバックを提供することによって、使用者が関心のある地点上にグラフィクス支援測地デバイス100を設置することを支援するために使用され得る。例えば、ディスプレイ130のカメラ出力部分は、地上のオブジェクトに対してグラフィクス支援測地デバイス100を配置することに関して、使用者に情報を提供する。さらに、仮想直線気泡水準器410および420は、水平に対してグラフィクス支援測地デバイス100を配向することに関して、使用者に情報を提供する。ディスプレイ130上に表示される2つの型式の出力のうちの少なくとも一つを使用して、使用者は外部の設置機器を用いることなく、グラフィクス支援測地デバイス100を正しく設置し得る。
【0031】
図4によって図示される例において、関心のある地点マーカー440および平面気泡水準器425の両方は、中央十字カーソル450から中心が外れているように示される。このことは、カメラ140の光軸242が関心のある地点に真っ直ぐ向いていないこと、デバイスが水平に設置されていないことを示す。使用者が、地上の特定の点の上方に水平にデバイスを設置することを望む場合、図5に示すように、使用者は、中央十字カーソル450内に平面気泡水準器425および関心のある地点マーカー440の中心を置かなければならない。
【0032】
図5は、ディスプレイ130の別の例示的な視界500を図示する。この例において、仮想直線気泡水準器410および420は、それぞれ中央にある気泡とともに表され、デバイスが水平であることを示している。このように、平面気泡水準器425は、また、中央十字カーソル450内の中央にある。さらに、この例において、関心のある地点マーカー440は、中央十字カーソル450内の中央にあるように表されている。このことは、カメラ140の光軸242が関心のある地点マーカー440の方に向いていることを示す。従って、図5によって示される例において、グラフィクス支援測地デバイス100は、関心のある地点マーカー440の上方に水平に設置されている。
【0033】
図2に対して上記で議論されたように、アンテナ位相中心211は、光軸242に沿って配置され得る。このことは、図5によって示される例において、アンテナ位相中心211は、また、関心のある地点マーカー440の直上に配置されていることを意味する。従って、アンテナ位相中心211と関心のある地点マーカー440の間の唯一の相違は、関心のある地点マーカー440とアンテナ位相中心211との間の鉛直距離に等しい鉛直成分である。この例において、関心のある地点マーカー440の位置は、以下の式を用いて計算され得る。
【0034】
【数1】
ここで、
【0035】
【数2】
は、関心のある地点の計算された位置、
【0036】
【数3】
は、デバイスのアンテナ位相中心の測定されたGNSS位置、
【0037】
【数4】
は、地面に直交する単位ベクトル、
Dinは、アンテナ位相中心211と距離センサ150のゼロ測定点との間の鉛直距離、
Doutは、距離センサ主軸251に沿ったセンサのゼロ測定点からオブジェクトまでの距離センサ150によって計測された距離
である。
【0038】
上記のように、式(1)の
【0039】
【数4−1】
は、対象位置の計算された位置を表す。
【0040】
【数4−2】
は、グラフィクス支援測地デバイス100によって決定されたアンテナ位相中心211の位置を表す。
【0041】
【数4−3】
は、地面に直交する方向を向く単位ベクトルを表す。Dinは、アンテナ位相中心211と距離センサ150のゼロ測定点との間の鉛直距離を表す。距離センサ150のゼロ測定点は、空間内の点であって、その点に対して、距離センサ150は、ゼロの値を戻すように構成され、グラフィクス支援測地デバイス100の内側か外側のいずれかに配置され得る。従って、Dinは、各グラフィクス支援測地デバイス100に特有の定数値である。最後に、Doutは、距離センサ主軸251に沿ったセンサのゼロ測定点からオブジェクトまでの距離センサ150によって計測された距離を表す。それゆえに、
【0042】
【数4−4】
は、グラフィクス支援測地デバイス100によって測定された位置を取り、距離センサ150によって測定された距離に等しい鉛直距離に、アンテナ位相中心211と距離センサ150のゼロ測定点との間の鉛直距離との間の距離を加えたものを減じることによって計算される。
【0043】
式(1)において使用される座標は、任意の座標系で表され得る。例えば、上記で議論された式は、任意のデカルト座標系に適用可能であり得、測定結果は、例えば、WGS84、ECEF、ENU等の任意の地球ベースの座標に変換され得る。そのような変換法は、当業者に周知である。
【0044】
図6Aは、グラフィクス支援測地デバイス100を用いて位置を測定する例示的なプロセス600を図示する。ブロック610において、図5に対して記述されたように、使用者は、関心のある地点上にグラフィクス支援測地デバイス100を設置する。ブロック620において、グラフィクス支援測地デバイス100が関心のある地点上で水平に設置される間に、使用者は「測定」ボタン120を押す。ブロック630において、グラフィクス支援測地デバイス100は、受信機315からの位置データおよび距離センサ150によって測定された距離を記録する。ブロック640において、グラフィクス支援測地デバイス100のCPU360は、式(1)とブロック630において記録された値とを用いて関心のある地点の位置を計算する。
【0045】
図6Bは、グラフィクス支援測地デバイス100を用いて、位置を測定する例示的なプロセス600に類似の別の例示的なプロセス601を図示する。例示的なプロセス600と601との間の主な相違は、例示的なプロセス601において、使用者は、「測定」ボタン120を押すことを要求されない。プロセスは、ブロック610に類似するブロック650において開始する。ブロック660において、グラフィクス支援測地デバイス100は、デバイスが関心のある地点の上で水平に設置されていることを検出する。一つの例において、このことは、平面気泡425と関心のある地点マーカー440との両方が中央十字カーソル450内に中心が置かれていることを検出することによって達成され得る。
【0046】
一つの特定の例において、グラフィクス支援測地デバイス100は、X−Y座標に変換された水平センサデータを中央十字カーソル450に配置された表示座標と比較することによって、平面気泡425が中央十字カーソル450上に中心が置かれていることを決定し得る。さらに、グラフィクス支援測地デバイス100は、画像認識プログラムを用いて関心のある地点マーカー440を識別し、ディスプレイ130内のその場所を決定することによって、関心のある地点マーカー440が、中央十字カーソル450上に中心を置いていることを決定し得る。このことは、関心のある地点マーカー440が何らかの事前に定義された標準に従うことを要求する。例えば、関心のある地点マーカー440は、グラフィクス支援測地デバイス100の画像認識プログラムによって識別されるように、特定の色または形状であることが要求され得る。そのような認識アルゴリズムは、当業者に周知であり、任意のそのようなアルゴリズムがグラフィクス支援測地デバイス100において使用され得る。
【0047】
従って、一つの例において、グラフィクス支援測地デバイス100が、平面気泡425と関心のある地点マーカー440とが中央十字カーソル450内に中心を置かれていることを決定すると、デバイスはブロック670に進み得る。別の例において、ブロック660は、中央十字カーソル450と平面気泡425との間の距離、および中央十字カーソル450と関心のある地点マーカー440との間の距離が、ブロック670に進む前に事前に定義された距離閾値よりも小さくなることのみを要求し得る。ブロック670および680は、図6Aのブロック630および640と同様である。
【0048】
(複数円錐の交点の計算)
図6Aおよび6Bにおいて提供される例は、デバイスが、少なくとも実質的に水平で、関心のある地点の実質的に上に設置されることを要求する。使用者がデバイスを完全に配向することが期待されるわけではないので、グラフィクス支援測地デバイス100は、角度および位置における偏差が許容され得る。例えば、一つの例において、水平から2度、関心のある地点から4mmの偏差が許容され得る。しかしながら、別の許容範囲が所望の用途に応じて使用され得ることが理解されるべきである。以下に述べられる変形は、グラフィクス支援測地デバイス100が、図6Aおよび6Bで提供される例において要求されるような、設置要求無しに、位置測定を実行することを可能にする。以下の変形は、2つの補助技法:カメラポインティングベクトル偏差の計算および複数円錐交点の計算、に基づいている。
【0049】
後者の技法は、2つの円錐表面の交差領域は楕円であり、3つの円錐の交点領域は一対の点であり、4つの円錐の交点領域は単一の点である、という原理に基づいている。従って、グラフィクス支援測地デバイス100が4つの異なる円錐を生成し、各円錐がその表面上のどこかに関心のある地点マーカー440を含む場合、関心のある地点マーカー440の位置は、決定され得る。図7は、4つの円錐の交差およびそれらの間で共有される点710を図示する。各円錐を生成するプロセスが以下でさらに詳述される。4つの円錐が、共有点を識別するために必要な円錐の最小の数であることが理解されるべきである。付加的な円錐が、交点技法の精度を向上させるために使用され得る。
【0050】
(カメラポインティングベクトル偏差の計算)
上述の円錐を生成するために、以下のパラメータが決定され得る:円錐頂点の位置、円錐軸の配向、および円錐軸と円錐表面との間の角度。これらのパラメータを用いて、円錐の数学的表現を生成することは、当業者に周知である。例えば、円錐の数学的表現は、付録Cに記述された方法を用いて生成され得る。一つの例において、円錐軸と円錐表面との間の角度を決定することは、カメラポインティングベクトル偏差を計算することによって達成され得る。
【0051】
カメラポインティングベクトル偏差を計算することは、カメラ140によって撮られ、ディスプレイ130上に表示された画像の各ピクセルが、カメラの光軸242からの角度を表すという原理に基づいている。例えば、ディスプレイ130の中心におけるピクセルは、光軸242を表し得、一方、中心の右側に5ピクセル目のピクセルは、光軸242の右側への特定の角度を表し得る。カメラ140の画像上のオブジェクトのピクセル座標を知ることによって、カメラ光軸242からこのオブジェクトへの方向が以下の式(2)を用いて計算し得る。グラフィクス支援測地デバイス100の使用に対して、ポインティングベクトルとカメラ光軸242との間の角度を知ることは十分であり、このとき、ポインティングベクトルはカメラ光心241から関心のある地点へのベクトルを表す。完全中心射影カメラに対して、この角度値は、ディスプレイの中心からのピクセル距離の線形関数として近似され得、次の式を用いてモデル化され得る:
【0052】
【数5】
ここで、
αpntは、ポインティングベクトルとカメラ光軸242との間の角度、
kは、カメラ有効焦点距離によって決まる較正係数、
dは、フレームの中心と関心のある地点との間のピクセル距離
である。
【0053】
上記のように、式(2)のαpntは、ポインティングベクトルと光軸242との間の角度を表す。kは、カメラ有効焦点距離によって決まる較正係数を表す。この値は、各カメラモデルに特有の定数値である。dは、ディスプレイ130の中心(中央十字カーソル450)と関心のある地点マーカー440との間の、ピクセル単位のピクセル距離を表す。従って、ポインティングベクトルと光軸242との間の角度はカメラ較正係数と、中央十字カーソル450と関心のある地点マーカー440との間のピクセルの数との積である。
【0054】
式(2)は、完全中心射影カメラにだけ適用される。しかしながら、実際のカメラは、樽形ひずみが考慮される必要がある。ほとんどの実際の場合において、ひずみを接平面への球状面の射影とみなせば十分である。従って、補正されたピクセル距離が計算されて、式(2)におけるdの代わりに使用されなければならない。次の式は、補正されたピクセル距離を見出すために使用され得る。
【0055】
【数6】
ここで、
dcorrは、スクリーンの中心と関心のある地点との間の補正されたピクセル距離であり、この値は、式(2)においてdを置換する。
dは、フレームの中心と関心のある地点との間のピクセル距離である(式(2)において同じ)。
rは、相対ピクセル単位における射影された球体半径を表す較正係数である。
【0056】
上記のように、式(3)のdcorrは、スクリーンの中心と、カメラの樽形ひずみを考慮に入れる関心のある地点との間の補正されたピクセル距離を表す。dは、フレームの中心(中央十字カーソル450)と関心のある地点マーカー440との間のピクセル単位のピクセル距離である。rは、相対ピクセル単位における射影された球体半径を表す較正パラメータを表す。この値は、すべての内部レンズひずみを考慮に入れ、各カメラに特有の定数値である。従って、樽形ひずみを考慮に入れるために、式(3)において計算される補正されたピクセル距離(dcorr)が式(2)においてdの代わりに用いられなければならない。
【0057】
式(2)および(3)を用いて、円錐軸と円錐表面との間の角度が計算され得る。上記のように、円錐軸と円錐表面との間の角度は、円錐を生成するために用いられるパラメータの一つである。特に、円錐の頂点の位置、円錐軸の配向、および円錐軸と円錐表面との間の角度が与えられると、当業者は円錐を表わす式を生成する方法を理解するであろう。他の列挙されたパラメータを決定するプロセスは、以下でさらに詳述される。
【0058】
図8Aは、グラフィクス支援測地デバイス100および複数円錐交点技法を用いて、位置を測定する例示的なプロセス800を図示する。ブロック810において、プロセスは、使用者がディスプレイ130の視野内にグラフィクス支援測地デバイス100を関心のある地点マーカー440によって水平に設置することから開始する。ブロック815において、グラフィクス支援測地デバイス100は、測定条件を検出する。一つの例において、測定条件は、使用者が「測定」ボタン120を押すことに応答して「測定」コマンドを受信することであり得る。このことは、図6Aのブロック620と同様である。別の例において、測定条件は中央十字カーソル450と平面気泡425との間の距離が事前に定義された距離閾値より小さくなることであり得る。このことは、図6Bのブロック660と同様である。測定条件を検出すると、プロセスは、ブロック820に移る。ブロック820において、グラフィクス支援測地デバイス100は、センサからのデータを記録する。例えば、位置データは、GNSS受信機315から記録され得、縦揺れおよび横揺れのデータは水平センサ215および216から記録され得、画像データはビデオカメラ140から記録され得る。ブロック825において、CPU360は、円錐を生成するために、位置データ、縦揺れおよび横揺れのデータ、画像データを用いる。デバイスが水平または少なくとも実質的に水平に設置されると、円錐の頂点は、カメラ光心241の位置であり、円錐軸は、地面と直交する光軸242であり、円錐軸と円錐表面との間の角度は、式(2)および(3)を用いて計算される関心のある地点マーカー440へのポインティングベクトルと光軸242との間の角度である。ブロック830において、CPU360は4つの交差している円錐が生成された否かを決定する。交差している円錐が4つより少ない場合、プロセスはブロック810まで戻る。しかしながら、交差している円錐が少なくとも4つある場合、プロセスはブロック835に移る。ブロック835において、グラフィクス支援測地デバイス100のCPU360は複数の円錐の交点を計算する。複数の円錐の交点の計算は、一組の非線形方程式を生じさせ、それらは、例えば、ニュートン法、準ニュートン法、およびガウス−ニュートン法などの様々な数値解法によって解かれ得る。そのような解法は、当業者に周知であり、理解される。例えば、式は付録AおよびBに記述された解法を用いて解かれ得る。
【0059】
図8Bは、グラフィクス支援測地デバイス100および複数円錐交点技法を用いて位置を測定する例示的なプロセス801を図示する。このプロセスは、デバイスが水平に設置される必要がない図8Aのものとは異なる。しかしながら、関心のある地点マーカー440は、事前に定義された中央十字カーソル450からの閾値距離内に中心が置かれなければならない。ブロック840において、プロセスは、使用者が関心のある地点マーカー440に向かってグラフィクス支援測地デバイス100の光軸242を向けることから開始する。
【0060】
ブロック845において、グラフィクス支援測地デバイス100は、測定条件を検出する。一つの例において、測定条件は使用者が「測定」ボタン120を押すことに対応して「測定」コマンドを受信することであり得る。このことは、図6Aのブロック620と同様である。別の例において、測定条件は、関心のある地点マーカー440と中央十字カーソル450との間の距離が事前に定義された距離閾値より小さくなることであり得る。このことは、図6Bのブロック660と同様である。測定条件を検出すると、プロセスはブロック850に移る。ブロック850において、グラフィクス支援測地デバイス100はセンサからのデータを記録する。例えば、位置データは、GNSS受信機315から記録され得、縦揺れおよび横揺れのデータは水平センサ215および216から記録され得、画像データはビデオカメラ140から記録され得る。ブロック855において、CPU360は、上記のように、円錐を生成するために、位置データ、縦揺れおよび横揺れのデータ、画像データを用いる。デバイスが水平に設置され得ないと、円錐の頂点は、GNSSアンテナ位相中心211と一致し、円錐軸はGNSSアンテナ位相中心211を貫通し、地面に直交する直線であり、円錐軸と円錐表面との間の角度は、水平センサ215および216によって与えられる全鉛直偏差角である。ブロック860において、CPU360は、4つの交差している円錐が生成されたか否かを決定する。交差している円錐が4つより少ない場合、プロセスはブロック840まで戻る。しかしながら、交差している円錐が少なくとも4つある場合、プロセスはブロック865に移る。ブロック865において、グラフィクス支援測地デバイス100のCPU360は、上記の方法を用いて、複数の円錐の交点を計算する。
【0061】
図8Aおよび8Bによって図示される例示的なプロセスに対して、生成された円錐は、図7に図示されるものと同様である。各円錐の頂点は、カメラの光心241またはアンテナ位相中心211のいずれかに配置され、円錐の基部はグラフィクス支援測地デバイス100から離れるように地面に向かって突き出ている。
【0062】
一つの例において、図8Aおよび8Bによって図示されるプロセスを用いて関心のある地点の位置を計算するとき、4つの円錐の頂点間の距離が大きいほど、結果として生じる計算された位置の精度はそれだけ向上する。
【0063】
図9は、例示的な計算システム900を図示し、計算システム900は、本技術についての様々な局面に対する処理機能を実装するために用いられ得る(例えば、測地デバイス、受信機、CPU360、アクティビティデータ論理/データベース、それらの組み合わせ、など)。関連技術分野における当業者は、また、他のコンピュータシステム、またはアーキテクチャーを使用して、本技術を実装する方法を認識するであろう。計算システム900とは、例えば、所与の用途または環境に対して望ましく、または好適であるようなデスクトップ、携帯電話、測地デバイスなどの使用者デバイスを意味し得る。計算システム900は、プロセッサ904のような、1つ以上のプロセッサを含むことができる。プロセッサ904は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の制御論理のような一般的な、または特殊な目的処理エンジンを用いて、実装されることができる。この例において、プロセッサ904は、バス902または他の通信媒体に接続される。
【0064】
計算システム900は、また、プロセッサ904によって実行されるべき情報および命令を記憶するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他のダイナミックメモリのような、メインメモリ908を含み得る。メインメモリ908は、また、プロセッサ904によって実行されるべき命令の実行の間、一時変数、または他の中間情報を記憶するために使用され得る。計算システム900は、プロセッサ904に対するスタティックな情報および命令を記憶するために、読み出し専用メモリ(「ROM」)、またはバス902に結合される他のスタティック記憶デバイスを同様に含み得る。
【0065】
計算システム900は、また、情報記憶メカニズム910を含み得、情報記憶メカニズム910は、例えば、媒体ドライブ912および着脱可能記憶インタフェース920を含み得る。媒体ドライブ912は、ドライブまたは他のメカニズムを含み得、それにより、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、CDもしくはDVDドライブ(RもしくはRW)、または他の着脱可能もしくは固定媒体ドライブなどの固定または着脱可能記憶媒体をサポートする。記憶媒体918は、例えば、媒体ドライブ914によって読み出しまたは書き込みされるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光学ディスク、CDもしくはDVDドライブ、または他の固定もしくは着脱可能媒体を含み得る。これらの例が図示するように、記憶媒体918は、自身内に特定のコンピュータソフトウェアまたはデータを記憶するコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み得る。
【0066】
代替的な実施形態において、情報記憶メカニズム910は、コンピュータプログラムもしくは他の命令またはデータが計算システム900にロードされることを可能にするための他の同様の手段を含み得る。そのような手段は、例えば、プログラムカートリッジとカートリッジインタフェース、着脱可能メモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他の着脱可能メモリモジュール)とメモリスロット、および他の着脱可能記憶ユニット922とインタフェース920などの、着脱可能記憶ユニット922とインタフェース920を含み得、これらのものは、ソフトウェアおよびデータが着脱可能記憶ユニット918から計算システム900に伝送されることを可能にする。
【0067】
計算システム900は、また、通信インタフェース924を含むことができる。通信インタフェース924は、ソフトウェアおよびデータが計算システム900と外部デバイスとの間で伝送されることを可能にするために使用されることができる。通信インタフェースの例は、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネット(登録商標)または他のNICカードなど)、通信ポート(例えば、USBポートなど)、PCMCIAスロットとカードなどを含むことができる。通信インタフェース924を介して伝送されるソフトウェアおよびデータは、電子的、電磁気的、光学的であり得る信号、または通信インタフェース924によって受信可能な他の信号の形式である。これらの信号は、チャネル928を介して通信インタフェース924に提供される。このチャネル928は、信号を搬送し得、無線媒体、有線またはケーブル、光ファイバー、または他の通信媒体を用いて実装され得る。チャネルのいくつかの例は、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワークインタフェース、ローカルまたは広域ネットワーク、および他の通信チャネルを含む。
【0068】
本文書において、用語「コンピュータプログラム製品」および「コンピュータ読み取り可能記憶媒体」は、概して、例えば、メモリ908、記憶デバイス918、または記憶ユニット922などの媒体を指すために用いられ得る。これらの、または他の形式のコンピュータ読み取り可能媒体は、実行のためにプロセッサ904に1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを提供することに含まれ得る。そのような命令は、概して、「コンピュータプログラムコード」(これは、コンピュータプログラムまたは、他の分類の形式に分類され得る)と呼ばれるが、実行時に、計算システム900が本技術の実施形態の特徴または機能を実行することを可能にする。
【0069】
要素がソフトウェアを用いて実装される実施形態において、ソフトウェアは、例えば、着脱可能記憶ドライブ914、ドライブ912または、通信インタフェース924を用いてコンピュータ読み取り可能媒体内に記憶され得るか、または計算システム900にロードされ得る。制御論理(この例においては、ソフトウェア命令またはコンピュータプログラムコード)は、プロセッサ904による実行時に、プロセッサ904に本明細書に記述されるような技術の機能を実行させる。
【0070】
明瞭であることを目的として、上記内容は、異なる機能のユニットおよびプロセッサに関して実施形態について記述したことが理解されるであろう。しかしながら、異なる機能のユニット、プロセッサ、またはドメイン間での任意の適切な機能分散が利用され得ることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実行されると説明される機能は、同一のプロセッサまたはコントローラによって実行され得る。それゆえに、特定機能のユニットに対する言及は、厳密な論理的、または物理的な構造または構成を意味するというよりは、むしろ記述された機能を提供する適切な手段への言及であると理解されることができるにすぎない。
【0071】
さらに、個々にリストアップされているが、複数の手段、要素、または方法段階が、例えば、単一のユニットまたはプロセッサによって実装され得る。さらに、個々の特徴は異なる請求項内に含まれ得るが、おそらく、これらは、うまく組み合わされ得、異なる請求項に含まれることが、特徴の組み合わせが実行可能でないこと、または有利でないことを意味するものではない。また、特徴が請求項の1つのカテゴリーに含まれることは、このカテゴリーに限定することを意味するものではなく、むしろ、このその特徴は別のクレームカテゴリーに適切であるように等しく適用可能であり得る。
【0072】
特定の実施形態に関連して特徴が述べられているように思えるかもしれないが、当業者は述べられた実施形態の様々な特徴が組み合わされ得ることを認識するであろう。さらに、実施形態に関連して述べられた局面は、独立し得る。
【0073】
(付録A)
(非拘束最小化法)
以下のように定義する:
【0074】
【数7】
は、n次元ユークリッド空間であり、
【0075】
【数8】
であり、ここで、ベクトルは列ベクトルであり、記号Tは転置を示す;
【0076】
【数9】
は、ベクトル
【0077】
【数9−1】
のユークリッドノルムである;
【0078】
【数10】
は、2つのベクトルのスカラー積である;
【0079】
【数11】
は、連続微分可能関数
【0080】
【数12】
の1次偏導関数のベクトル、または勾配ベクトルである;
【0081】
【数13】
は、2回連続微分可能関数f(x)の2次偏導関数の行列、またはヘッセ行列である;
【0082】
【数14】
は、n×nの正方行列空間である;
Iは、恒等行列である。
【0083】
数列
【0084】
【数15】
は、初期近似
【0085】
【数16】
から開始して、以下の式
【0086】
【数17】
によって生成され、この式は、行列
【0087】
【数18】
が正値であり、かつ刻み長さ
【0088】
【数19】
が、特別に選ばれる場合に、
以下の最小化条件
【0089】
【数20】
を満足する。
【0090】
刻み長さの計算方法は、例えば、P.E.Gill、W.Murray、M.H.Wright(1980)、Practical Optimization、Academic Press、1981 pp.100−102に記載されており、この文献は、本明細書に参照によって援用される。ロバストかつ実際に証明された方法は、数列
【0091】
【数21】
の最初の数を計算することを含み、その値は、不等式
【0092】
【数22】
を満たし、ここで、次式
【0093】
【数23】
は、探索(降下)方向ベクトルであり、μは、0<μ≦0.5の範囲内にある任意の数である。1つの例において、μ=0.01を使用し得る。
【0094】
式(A1)に従って生成される数列
【0095】
【数24】
は、不等式(A2)に示される関数f(x)を最小化する。従って、式(A1)は、任意の選択された正値行列に対して帰納的に最小化数列を生成する。数列の収束特性は、正値行列
【0096】
【数25】
の選択に依存する。以下は、正値行列
【0097】
【数25−1】
を選択し、式(A1)を計算するために用い得る方法である:
1)
【0098】
【数26】
の場合、式(A1)が勾配または最急降下法を用いて計算され得る。この方法は、線形的に収束することが知られている。
2)
【0099】
【数27】
の場合、式(A1)は、ニュートン法を用いて計算され得る。この方法は、ヘッセ行列が正値である局所的な最小点の近傍において二次的に収束する。
3)反復計算される行列
【0100】
【数27−1】
は、例えば、P.E. Gill、W.Murray、M.H.Wright(1980)、Practical Optimization、Academic Press、1981、pp.116−127に述べられているBroyden−Fletcher−Goldfarb−Shanno(BFGS)法またはDavidon−Fletcher−Powell(DFP)法に従って更新され得、この文献は、参照によって本明細書に援用される。BFGS法およびDFP法は、準ニュートン法の族を形成し、超線形的に収束することが知られている。これらの方法は、実用上、ニュートン法と同程度に速いが、ヘッセ行列を計算する必要がない。本適用におけるように、ヘッセ行列が容易に計算される適用においては、ニュートン法が好ましい。
【0101】
(付録B)
(平方和最小化法)
最小化される関数f(x)についての特定の場合を考える。関数f(x)は、m個の関数
【0102】
【数28】
の平方和であるとする。
【0103】
【数29】
非線形方程式の冗長な(m≧n)組の解
【0104】
【数30】
は、しばしば、最小化問題に簡約される。
【0105】
【数31】
上記の方法1)〜3)の内の任意のものが、問題(A7)に適用される。ニュートン法を適用するために、勾配ベクトルおよびヘッセ行列に対する式が必要である。次式は、それらを関数
【0106】
【数31−1】
の勾配およびヘッセ行列を介して表している。
【0107】
【数32】
システム(A6)が実行可能である場合、値
【0108】
【数32−1】
は、最小化数列
【0109】
【数32−2】
が解に収束するにつれてゼロになる。たとえシステム(A6)がほぼ実行可能であっても、値
【0110】
【数32−3】
は、ヘッセ行列(A9)に対する式において無視される。第4の方法の定式化が得られる:
4)
【0111】
【数33】
の場合、式(A1)は、例えば、P.E.Gill、W. Murray、M.H.Wright(1980)、Practical Optimization、Academic Press、1981、pp.134−136に述べられているように、ガウス−ニュートン法を用いて計算され得、この文献は参照により本明細書に援用される。
【0112】
(付録C)
三次元空間内の円錐Ciが、全部でm個の円錐に共通に、頂点
【0113】
【数34】
中心軸
【0114】
【数35】
および軸と母線との間の角度δによって定義されるとする。ベクトルhは、重力ベクトルと整列する単位ベクトルである。円錐Ciの式は、次のようになる。
【0115】
【数36】
α=cosδであるとする。このとき、ベクトルhが単位ベクトルであることを考慮すると、次式が得られる。
【0116】
【数37】
点
【0117】
【数38】
は、式(A11)を満たす場合か、満たす場合にのみ、円錐Ciの表面に属する。円錐の交差を決定する問題は、
【0118】
【数39】
を伴う問題(A6)の解法に簡約される。その後、問題は問題(A5)と(A6)とに簡約され、次に、上述の方法1)〜4)の任意のものによって解かれ得る。例えば、ニュートン法を適用するために、勾配およびヘッセ行列(A8)と(A9)をそれぞれ計算する必要がある。記述を完成するために、演算(A8)および(A9)に必要な
【0119】
【数40】
および
【0120】
【数41】
に対する式を導出する:
【0121】
【数42】
【符号の説明】
【0122】
100 グラフィクス支援測地デバイス
110 GNSSアンテナ
120 「測定」ボタン
130 ディスプレイ
140 カメラ
150 距離センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心のある地点の位置を決定する装置であって、
複数の衛星からの位置データを受信する少なくとも1つのアンテナと、
該少なくとも1つのアンテナに結合される少なくとも1つの受信機と、
画像データを獲得する画像化回路であって、該画像化回路は、光学センサと光軸とを含む、画像化回路と、
配向データを獲得する配向回路と、
該画像データおよび該配向データの表現を表示して、該装置を位置決定する際に使用者を支援するディスプレイと、
該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定する位置決定回路と
を含む、装置。
【請求項2】
前記位置データは、前記装置の地理上の位置を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記装置から見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記配向データは、水平面に平行な平面に対する前記装置の配向を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
距離データを獲得する距離回路をさらに含み、該距離回路は、前記光学センサの前記光軸に実質的に平行な軸を有し、前記位置決定回路は、該距離データに基づいて位置をさらに決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記距離データは、前記装置と外部オブジェクトとの間の距離を表す、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置決定回路は、前記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることによって位置を決定し、該鉛直方向のオフセット距離は、該距離データによって表される距離と、前記アンテナのアンテナ位相中心と前記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記画像化回路の前記光軸は、前記アンテナのアンテナ接地平面に実質的に直交し、該光軸は、該アンテナのアンテナ位相中心を通過する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記配向回路は、二軸傾斜計および二軸加速度計のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記位置決定回路は、前記位置データ、画像データ、および配向データに基づいて、円錐の数学的表現を生成するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記位置決定回路は、複数の円錐に円錐交差アルゴリズムを用いて位置を決定するようにさらに動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記画像データおよび前記配向データの前記表現は、少なくとも2つの仮想直線気泡水準器または平面気泡水準器を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記装置からみられた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記距離データは、前記デバイスと前記関心のある地点との間の距離を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、前記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、前記距離データによって表される距離と、前記アンテナのアンテナ位相中心と前記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点の場所を追跡することをさらに含み、該関心のある地点の前記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
前記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
【請求項22】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記デバイスから見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の場所の各々に対する前記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成することをさらに含み、前記関心のある地点の前記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点を追跡することをさらに含み、前記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項31】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項32】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記デバイスから見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項33】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項34】
前記距離データは、前記装置と前記関心のある地点との間の距離を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項35】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、前記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、前記距離データによって表される距離と、前記アンテナのアンテナ位相中心と前記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項36】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項37】
前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点の場所を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、該関心のある地点の前記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
前記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項38】
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項39】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項40】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記装置から見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項41】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項42】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項43】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項44】
前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、前記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項45】
前記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項46】
前記複数の場所の各々に対する前記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成するためのプログラムコードをさらに含み、前記関心のある地点の前記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項1】
関心のある地点の位置を決定する装置であって、
複数の衛星からの位置データを受信する少なくとも1つのアンテナと、
該少なくとも1つのアンテナに結合される少なくとも1つの受信機と、
画像データを獲得する画像化回路であって、該画像化回路は、光学センサと光軸とを含む、画像化回路と、
配向データを獲得する配向回路と、
該画像データおよび該配向データの表現を表示して、該装置を位置決定する際に使用者を支援するディスプレイと、
該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定する位置決定回路と
を含む、装置。
【請求項2】
前記位置データは、前記装置の地理上の位置を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記装置から見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記配向データは、水平面に平行な平面に対する前記装置の配向を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
距離データを獲得する距離回路をさらに含み、該距離回路は、前記光学センサの前記光軸に実質的に平行な軸を有し、前記位置決定回路は、該距離データに基づいて位置をさらに決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記距離データは、前記装置と外部オブジェクトとの間の距離を表す、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置決定回路は、前記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることによって位置を決定し、該鉛直方向のオフセット距離は、該距離データによって表される距離と、前記アンテナのアンテナ位相中心と前記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記画像化回路の前記光軸は、前記アンテナのアンテナ接地平面に実質的に直交し、該光軸は、該アンテナのアンテナ位相中心を通過する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記配向回路は、二軸傾斜計および二軸加速度計のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記位置決定回路は、前記位置データ、画像データ、および配向データに基づいて、円錐の数学的表現を生成するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記位置決定回路は、複数の円錐に円錐交差アルゴリズムを用いて位置を決定するようにさらに動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記画像データおよび前記配向データの前記表現は、少なくとも2つの仮想直線気泡水準器または平面気泡水準器を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記装置からみられた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記距離データは、前記デバイスと前記関心のある地点との間の距離を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、前記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、前記距離データによって表される距離と、前記アンテナのアンテナ位相中心と前記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点の場所を追跡することをさらに含み、該関心のある地点の前記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
前記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
関心のある地点の位置を決定するコンピュータ実装方法であって、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を含む、方法。
【請求項22】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記デバイスから見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の場所の各々に対する前記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成することをさらに含み、前記関心のある地点の前記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点を追跡することをさらに含み、前記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の衛星からの位置データを受信することと、
少なくとも1つの画像センサから画像データを受信することと、
少なくとも1つの配向センサから配向データを受信することと、
少なくとも1つの距離センサから距離データを受信することと、
デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該位置データ、該画像データ、該配向データおよび該距離データに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項31】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項32】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記デバイスから見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項33】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項34】
前記距離データは、前記装置と前記関心のある地点との間の距離を表す、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項35】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、前記位置データの鉛直成分から鉛直方向のオフセット距離を減ずることを含み、該鉛直方向のオフセット距離は、前記距離データによって表される距離と、前記アンテナのアンテナ位相中心と前記距離センサのゼロ測定点との間の距離との合計に等しい、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項36】
前記関心のある地点の前記位置を決定することは、測定コマンドを受信することに応答して行われる、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項37】
前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点の場所を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、該関心のある地点の前記位置を決定することは、
該ディスプレイ内の該関心のある地点の該場所が、該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内にあることと、
前記配向データが、所定の値の範囲内にあることと
に応答して行われる、請求項30に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項38】
関心のある地点の位置を決定するためのプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムコードは、
複数の場所においてとられた位置データを受信することと、
該複数の場所においてとられた画像データを受信することと、
該複数の場所においてとられた配向データを受信することと、
該複数の場所の各々においてとられた、デバイス上の該画像データおよび該配向データの表現のディスプレイに、該デバイスを位置決定する際に支援者を支援させることと、
該複数の場所の各場所に対するデータセットを生成することであって、該複数の場所の各場所に対する該データセットは、該複数の場所のそれぞれの場所においてとられた該位置データ、該画像データおよび該配向データに少なくとも基づく、ことと、
該複数の場所の各々に対する該データセットに少なくとも基づいて、該関心のある地点の該位置を決定することと
を行う、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項39】
前記位置データは、前記デバイスの地理上の位置を表す、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項40】
前記画像データは、少なくとも1つの画像を含み、該画像データは、前記装置から見られた前記関心のある地点の見え方を表す、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項41】
前記配向データは水平面に平行な平面に対する前記デバイスの配向を表す、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項42】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、測定コマンドを受信することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項43】
前記位置データ、画像データ、および配向データは、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる該配向データが所定の値の範囲内にあることに応答して、該複数の場所のうちの該場所においてとられる、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項44】
前記画像データを用いて前記ディスプレイ内の前記関心のある地点を追跡するためのプログラムコードをさらに含み、前記位置データ、画像データ、および配向データは、該ディスプレイ内の該関心のある地点を該ディスプレイ内の所定の点から所定の距離内まで追跡することに応答して、前記複数の場所のうちの1つの場所においてとられる、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項45】
前記複数の場所は、少なくとも4つの場所を含む、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項46】
前記複数の場所の各々に対する前記データセットに基づいて複数の円錐の数学的表現を生成するためのプログラムコードをさらに含み、前記関心のある地点の前記位置を決定することは、該複数の円錐の交点を見出すことを含む、請求項45に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公開番号】特開2011−75563(P2011−75563A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220064(P2010−220064)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(510001320)ジャバド ジーエヌエスエス, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(510001320)ジャバド ジーエヌエスエス, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
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