ハンドヘルド記号リーダ照明ディフューザ
ハンドヘルド工業用識別記号リーダが、記号のハイコントラストな画像を生成するために、対象とする領域上へと拡散照明を投射する。前記拡散照明が、具体的には、目標物上に直接的にマーキングされた記号の画像を生成するために適切に適合させられている。前記拡散照明は、光学的に半透過性のディフューザを使用することによって形成される。該光学的に半透過性のディフューザは、概して先細にされた形状を有しており、前記リーダの視野全体にわたって拡散照明を分散させる。選択的に作動させられる照明源を用いて、暗視野照明によって前記拡散照明が補われることが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、画像取得デバイス用の照明(イルミネーション)に関し、特に、工業用識別コードを読み出すために使用される画像取得デバイス用の照明に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
機械視覚システムは、画像取得デバイスを使用する。該画像取得デバイスは、とらえた対象物(subject)上における情報を引き出すカメラセンサを含む。従って、該システムは、プログラムされた意志決定及び/又は識別機能を実施するための様々なアルゴリズムに従って、この情報を解釈する。可視光及びほぼ可視光の範囲内において、ある画像が、センサによって最も効果的に取得されるためには、前記対象物は、適切に光が照らされなければならない。
【0003】
イメージセンサを用いて識別記号の走査(スキャニング)を行うその例において、良好な光を照らすことが非常に望まれている。識別記号走査は、(CMOSカメラ、CCD等の)画像取得センサが、バーコードか、データマトリクスか、又は他の識別記号を含む目標物(object)上の位置に狙いを定めること(aiming)と、その記号の画像の検索(retrieval)とを伴う。該識別記号は、文字か又は記号の順序付けられたグループを表す所定パターンのセットを含み、該所定パターンのセットから、前記目標についての有用な情報(例えば、そのシリアル番号、タイプ、モデル、価格、等)を、取り付けられたデータプロセッサ(例えば、マイクロコンピュータ)が導き出すことができる。識別記号は、様々な形状及びサイズにおいて利用可能である。最も一般的に用いられる記号タイプのうちの2つは、様々な幅及びスペース(間隔)の垂直なストライプの線からなる、いわゆる1次元バーコードと、点又は長方形の2次元アレイからなる、いわゆる2次元バーコードである。
【0004】
識別記号か又は他の対象とする物の読み出しにおいて、用いられる照明のタイプが、特に問題となる。ここで、バーコードと他のとらえられた対象物とが、コントラストを付けるインクか又は塗装によって平面上に印刷されており、拡散した高角(ハイアングル)の「明視野(bright field)」照明が、これらの特徴を、センサに対して最も良く強調させる(highlight)ことができる。高角(ハイアングル)によるということは、垂線(法線(normal))から、走査されているアイテムの表面までの角度を、ほぼ垂直(法線(normal))にか、又は典型的には約45度以上の角度で、前記対象物に当る光を、一般に意味する。そのような照明は、センサに戻るように向う実質的な反射を受けやすい。例示を目的として、主に明視野照明を必要とするバーコード及び他の対象物を、あるアイテムか又はコンテナに付着された印刷ラベル上においてか、又はアイテムか又はコンテナの比較的滑らかな領域内の印刷領域上において、存在させることができる。
【0005】
逆に、バーコードか又は他の対象物が、より不規則な表面上に形成されているか、又は該表面上に直接的にパターンをエッチングすることか又はピーニング(peening)することによって形成されている場合には、高反射性の明視野照明の使用が、不適切な場合がある。ピーニングされた/エッチングされた表面は、2次元の特性を有し、該特性は、明視野照明を散乱させる傾向にあり、それにより、取得画像を不明瞭にする。とらえた対象物が、そのような明らかに2次元の表面構造を有する場合には、該対象物は、暗視野照明(dark field illumination)によって最も良く照らされる可能性がある。この照明は、前記対象物の表面に対して、特有の低角(例えば約45度か又は約45度未満)による照明である(すなわち、法線(normal)に対して、約45度よりも大きな角度である)。そのような低角の暗視野照明を用いて、2次元の表面構造が、より良好な画像取得のために、(明るいスポットとして現われるインデント(indent)と、影としてのその周囲とによって)より効果的にコントラストが付けられる。
【特許文献1】米国特許出願第10/693,626号明細書
【特許文献2】国際特許出願第WO02/075637号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カメラのイメージセンサの多用性の全利点を得るためには、明視野照明と暗視野照明との両方を、対象物の照明に、選択的にか又は同時に提供することが望ましい。しかしながら、暗視野照明は、その低い入射角度を達成させるために、対象物に接近して提供されなければならない。逆に、明視野は、全領域の照明を保証するために、比較的遠距離において、より良く生成される。
【0007】
バーコードか又は他の対象物が、ある鏡のような表面上に形成されている場合の状況において、無指向性の完全拡散された明視野照明が好まれる。曇った日に自然に生成されるような、このタイプの照明は、(バーコードが目標物の上に配置された)該目標物を、取り囲むことが必要である。典型的な機械視覚用途において、通常、光のテント(light tent)によって加工物(ワーク:workpiece)を取り囲むことを目的として、無指向性の完全に拡散された照明は、提供するのが困難でコストがかかる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、本発明は、ハンドヘルドリーダ内において拡散照明を提供して、記号及びバーコードのハイコントラストな画像を生成する。撮像器(イメージャ)と、対象とする領域との間に、先細りにされた半透過性のディフューザが配置され、該ディフューザの背後の照明が、該対象とする領域に向かって導かれる。該先細りにされたディフューザは、明視野照明を、完全に拡散させられた無指向性の照明へと変換する。該先細りにされたディフューザの細い(狭い)端部は、前記リーダのレンズ付近の位置においてレンズを取り囲む。該先細りにされたディフューザの太い(広い)端部は、前記対象とする領域付近の視野を取り囲む。従って、該視野は、拡散照明によって照射される。
【0009】
本発明の別の態様において、低角の暗視野照明に加えて、拡散照明が生成される。本発明のこの態様において、低角の暗視野照明を生成する受動光パイプ(passive light pipe)が、ディフューザの周囲に配置される。代替的には、能動光パイプ(active light pipe)が、該ディフューザを取り囲み、該暗視野照明が、対象とする領域に対して、低角で直接的に照明を投射する。先細りにされたディフューザからの拡散照明か、又は暗視野光パイプからの排他的な暗視野照明か、又は拡散照明と暗視野照明との両方の組み合わせか、のいずれかを選択的に作動させるように前記リーダを構成することができる。
【0010】
本発明の更に別の態様において、ディフューザの細い端部においてレンズを取り囲む前記先細りにされたディフューザに加えて、レンズの前面に配置され且つ光の一部が対象とする領域から反射されるように位置合わせされた半透過性ミラーへと導かれる拡散された照明が、レンズ内へと投射されるが、その拡散照明の一部は、該対象とする領域上へと反射させられる。本発明のこの態様において、画像内においてレンズの反射を生じさせることなく、一様な拡散照明を、該対象とする領域上へと投射することができる。
【0011】
本発明の他の目的と利点とが、以下の詳細な説明、添付図面、及び添付された特許請求の範囲から明らかになってくるであろう。
【0012】
本発明は、実施形態を限定せずに図示することを目的として、言及された図面に関して、以下の詳細な説明内において更に説明される。該図面内において、同様の参照番号は、該図面のいくつかの図を通して類似の部分を表す。
【実施例】
【0013】
発明の詳細な説明
図1は、ハンドヘルド動作用に構成された走査システム101を示す。1つの例示的なハンドヘルド走査機器、すなわちハンドピース102が提供されている。該ハンドピース102は、グリップ部104と本体部分106とを含む。本明細書内において鎖線で示され且つ記載された画像形成システム151は、制御されることが可能であり、オンボードの組み込みプロセッサ109に画像データを導くことが可能である。このプロセッサに、走査ソフトウェアアプリケーション113を含めることができる。該走査ソフトウェアアプリケーション113によって、光が制御され、画像が取得され、及び画像データが利用可能な情報(例えば、バーコード画像から導き出された英数字の文字列)に解釈される。デコードされた情報を、ケーブル111を介して、ディスプレイ114、キーボード116、及びマウス118を(例えば)有するPCか又は他のデータ記憶装置112に導くことができ、該デコードされた情報は、格納されることが可能であり、適切なアプリケーション121を用いて更に処理されることが可能である。代替的には、ケーブル111を、走査機器内のインターフェースと、コンピュータ112内の適切なインターフェースとに直接的に接続することができる。この場合には、コンピュータベースのアプリケーション121が、様々な画像解釈及び光制御機能を必要とされる時に実行する。組み込みプロセッサか、コンピュータか、又は他のプロセッサに対する、ハンドヘルド走査機器の厳密な構成は、大いに変更可能である。例えば、ケーブル111が存在しない構成において、ワイヤレス相互接続を提供することができる。同様に、図示されたマイクロコンピュータを、オンボードプロセッサか又は(個人情報端末(personal digital assistant)か又は他の小型のコンピューティングデバイスのような)小型化された処理ユニットを含む別の処理デバイスに置き換えることができる。
【0014】
走査アプリケーション113を、走査機器102からの入力に応答するよう構成することができる。例えば、オペレータが、ハンドヘルド走査機器102におけるトリガ122を切り換えた時には、内部のカメラ画像センサ(110に示され且つ後述される)が、目標物105上における対象とする領域131の画像を取得する。例示的な、対象とする領域は、2次元記号195を含み、該2次元記号195は、目標物105を識別するために用いられることが可能である。ハンドヘルド走査機器102からプロセッサ109に伝達された画像データに基づき、識別機能及び他の処理機能が、走査アプリケーション113によって実行される。視認インジケータ141を、プロセッサ109からの信号によって点灯させて、記号195の読み出し及びデコードの成功を示すことができる。
【0015】
図2は、ハンドヘルド走査機器102内において典型的には使用される画像形成システム151を示している。図2は、目標物105上におけるマークか又は記号を読み出すための、従来技術の撮像システム100の断面図を示す。撮像システム100は、撮像器(イメージャ)110を有する。該撮像器は、CMOSか又はCCDデバイスのような、様々なタイプの感光撮像センサのうちの1つである。前記撮像器110の前面に配置されたレンズ130は、該撮像器110上へと照明を導くように構成されている。該撮像器110と、レンズ130とが一緒になって、視野の中心を画定する光軸140を形成し、該光軸140は、図2内の線150のように画定された多面のボリュームによって束ねられている。
【0016】
所与のフォーカス設定において、目標物105の表面における、鮮明に合焦された画像は、前記撮像システム100からの適切な距離に該目標物が位置付けられる時に、レンズ130によって撮像器110上に投射されることとなる。合焦された画像として認識されるために、十分な鮮明さ(シャープさ)及びコントラストの特徴を示す、該目標物105の画像を、該撮像器100上に投射している間、該目標物105が該システム100の前面に位置付けられることが可能である距離の範囲に、該システムの光学特性が、影響を及ぼすこととなる。合焦された画像が撮像器110上において形成されることが可能な範囲は、被写界深度(depth of field)125と呼ばれる。
【0017】
照明を目標物105に向けて導くために、照明器(イルミネータ)120が、前記システム100内において示されている。典型的には、ディフューザ180が照明器120の前面に配置されて、照明が拡散させられて、その結果、照明の一様な分散が、前記目標物の表面全体にわたって広げられることが可能となる。ディフューザ180が無いと、照明器120からの照明は、低強度の照明の領域によって囲まれた高強度の照明の領域として生じることになる。図2内に示されるように、円筒形の目標物105の画像の視野は、B点135からA点145までの該目標物の表面の一部である。
【0018】
視野全体が照らされるにもかかわらず、反射面の一部(点P175から点Q165まで)だけが、撮像システム100内へと光を反射させることとなる。このことは、図2内における線155として図示された、最大角度の照明が、(図2内において線160として図示されているように、著しく視野を狭められた状態で)撮像システム100内へと反射させられることが可能な結果生じる。従来技術の撮像システム100を用いた円筒形の目標物の画像は、点Pから点Qまでの線によって画定された領域全体にわたって明るく照らされたバンドを図示することとなる。
【0019】
図3は、円筒形の目標物(例えば、ドリル刃190)の表面上にエッチングされた、2次元のデータマトリクス記号195を示している。例示的なドリル刃190を撮像システム100に提供することによって、図4内に示されるような記号195の画像が生成されることとなる。明るく照らされたバンドを、線P175及び線Q165として画定された領域間において、観察することができる。前記目標物の残りの部分に当る照明は、撮像システム100の光学部品内へと反射させられない。従って、データマトリクス記号をデコードするためのデコードアルゴリズムが適用されることを可能にするために、該データマトリクス記号の明瞭な表示を生成するにはその画像はあまりに暗過ぎる。
【0020】
図5は、本発明による、改善された撮像システム200を示している。該撮像システム200は、ハンドヘルド走査機器102内における画像形成システム151として使用されることが可能である。改善された撮像システム200は、CMOSか又はCCDデバイスのような様々なタイプの感光撮像センサのうちの1つである撮像器(イメージャ)110を有する。撮像器110の前面に配置されたレンズ130は、撮像器110上へと照明を導くように構成されている。撮像器110と、レンズ130とが一緒になって、視野の中心を画定する光軸140を形成し、該視野は、図4内の線150として画定された多面の領域によって、束ねられている。
【0021】
所与のフォーカス設定において、目標物105の表面における、鮮明に合焦された画像は、前記改善されたシステム200からの適切な距離に該目標物が位置付けられる時に、レンズ130によって撮像器110上に投射されることとなる。合焦された画像として認識されるために、十分な鮮明さ(シャープさ)及びコントラストの特徴を示す、該目標物105の画像を、該撮像器100上に投射している間、該改善されたシステム200の前面に該目標物105が位置付けられることが可能である距離の範囲に、該システムの光学特性が、影響を及ぼすこととなる。合焦された画像が撮像器110上において形成されることが可能な範囲は、被写界深度(depth of field)125と呼ばれる。
【0022】
照明を目標物105に向けて導くために、前記改善されたシステム200内において照明器120が示されている。オプションで、明視野照明を拡散させるためにディフューザ180を用いることができる。本発明の例示的な一実施形態において、レンズ130と目標物105との間に円錐形のディフューザ300が配置されている。例示的な実施形態には円錐形のディフューザ300が記載されているが、本発明の範囲を逸脱することなく、代替の形状を有する他の実施形態を用いることもできることが当業者であれば理解されよう。例えば、放物線状の、円筒形の、及び半球状の形のディフューザを、ディフューザ300として用いることができる。
【0023】
図6は、本発明の例示的な実施形態の基本的な要素の斜視図を示す。円錐形のディフューザ300が、半透過性(半透明)の光学特性を実現するための粗い表面を有するポリメチル・メタクリレート(PMMA)のような半透過性のプラスチック材料から構成されている。本発明の一実施形態において、ディフューザ300の光学特性は、通常の白色用紙の特性のような半透過性を有し、その照明において、該半透過性の特性が、ディフューザの表面に、明るく表示させることとなる。前記円錐形のディフューザ300は、粗い金型面によって成形されることが可能であるか、又は通常の透明な材料を半透明にまで粗くさせるためにサンドブラストがけされることが可能である。ディフューザの狭い開口の第1の端部が、レンズ130の開口を取り囲むように、且つ、(鎖線で示された)撮像器110と位置合わせされるように、ディフューザ300は構成される。照明器120は、レンズ130の周囲で分散させられて、その結果、いっそう分散された照明が、投射されることが可能になる。
【0024】
再び図5を参照すると、ディフューザ300の第2の端部が、目標物105に近い視野を取り囲むので、拡散照明によって視野全体が照らされる。線310として示される、ディフューザ300からの、最大角度の照明が、点A145と点B135との間の視野として画定された領域内において目標物105に当り、線150として、レンズ130及び撮像器110に向かって反射させられる。その領域の外側の目標物に当る、ディフューザからの照明は、視野の外側であり、従って、撮像器110によって取り込まれない。
【0025】
例示的なドリル刃190(図3)を、改善された撮像システム200に対して提供すると、データマトリクス記号195の画像が、図7内に示されている画像のように形成されることとなる。点A145と点B135との間の視野として画定された領域が、拡散照明を受けるため、データマトリクス記号195全体を見ることが可能である。従って、該画像について動作するデコードアルゴリズムは、エンコードされた情報を容易に取り出すことができる。
【0026】
図8は、断面図内に示された受動光パイプ800を有するディフューザ300の別の実施例を示しており、レンズ130に対して、拡散照明が、暗視野照明と組み合わされてか、又は暗視野照明と代替的に、提供されている。暗視野照明810は、光パイプ800内へと導かれ、めくれた位置815において内部的に反射させられて、低角で目標物105に導かれる。暗視野照明を提供するために選択的に作動させられる照明を有する受動光パイプの設計及び実施例に関する更なる情報を、共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号第10/693,626号内において、見出すことができ、該米国特許出願は、参照によって本明細書内に組み込まれる。明視野820は、ディフューザ300によって、完全拡散照明へと変換されて、線150によって画定された領域として図示された視野内において目標物105上に拡散照明が投射される。オプションで、ディフューザ300を、ハンドヘルド走査機器102に対してリムーバブルに取り付けることができ、その結果、拡散されない明視野照明を用いて、ユーザは該ハンドヘルド走査機器を動作させることができる。リムーバブルなアセンブリを可能にするスナップ式のすきま及び/又は機能をディフューザ300及び光パイプ内に組み込むことによって(図示せず)、ディフューザ300のリムーバブル性を達成することができる。
【0027】
図8による、本発明の実施形態において、暗視野照明が目標物105に対して排他的に構成される時には、散乱された照明が、目標物105から、次いでディフューザ300から反射させられることが可能であり、これによって、意図せずに、目標物105上に拡散照明が生じさせられる。この状況は、反射性の高い鏡のような表面上においてピーニングされたデータマトリクスマークのような、低角の暗視野照明によって最も画像化される特定の部分を、読み出す場合には、好ましくない可能性がある。
【0028】
図9は、断面図内に示された、受動光パイプ800を有するディフューザ300の実施例の代替の一実施形態を示しており、レンズ130に対して、選択的に排他的な暗視野照明か又は拡散照明が提供されている。この実施形態において、ある特定色の暗視野照明835が、光パイプ800内へと投射される。ディフューザ300は、該ある特定色の暗視野照明835の色とは異なる色特性を有する材料840によって製造されており、材料840の色特性に一致する特定色の明視野照明825によって照らされている。この実施形態において、特定色の暗視野照明が排他的に動作させられる時には、低角の暗視野照明が目標物105上に投射され、任意の散乱させられた照明が、該目標物105から反射させられ、従って、ディフューザ300は、完全拡散照明には変換されないこととなる。
【0029】
図9による、例示的な一実施形態において、特定色の暗視野照明835は赤色であり、特定色の明視野照明は青色であり、材料840は青色を有する。この実施形態において、低角の暗視野照明が望まれるだけで、赤色の暗視野照明835はターンオンされ、青色の明視野照明はターンオフされる。目標物に当る低角の赤色照明が、ディフューザ300の青色の材料840から反射されるように散乱させられる場合には、画像内において、明るく表示されないこととなり、従って、完全拡散照明を、目標物の照明に対してもたらさない。逆に、青色の明視野照明825がターンオンされる場合には、ディフューザの青色の材料840は、透過(伝達)されることとなり、線150によって画定された領域として図示された視野内において目標物105の完全拡散照明を提供するために、照明を拡散させることとなる。図9の例示的な実施形態に従って、赤/赤外のような代替の色特性を用いることができることが、当業者であれば理解されよう。
【0030】
図10は、断面図において示された、受動光パイプ800を有するディフューザ300の実施例の別の例示的な実施形態を示しており、レンズ130に対して、排他的な暗視野照明か又は拡散照明が選択的に提供されている。この例示的な実施形態において、暗視野照明810が、光パイプ800内へと投射させられて、低角の暗視野照明が生じるが、明視野照明820はターンオフされる。中性の密度フィルタ材料のような光吸収箔860が、ディフューザ300の内面に提供されている。目標物105から反射させられる低角の暗視野照明は、箔フィルタ860によって吸収されて、その結果、完全拡散照明は、目標物上へと戻るように反射されない。拡散照明が望ましいのであれば、暗視野照明の代りか、又は暗視野照明との組み合わせるかのいずれかによって、明視野照明820がターンオンされる。明視野照明820の強度は、箔フィルタ860によるそのような照明の吸収を補償するために、増加させられることが必要とされる。明視野照明が作動させられることにより、箔フィルタ860を介して、完全拡散照明がディフューザ300から、線150によって画定された領域として図示された視野内における目標物上へと伝達されることとなる。
【0031】
図11は、ハンドヘルド走査機器102内の画像形成システム151として、ディフューザ300の実施例の別の例示的な実施形態を示している。図11による、例示的な実施形態において、ディフューザ300は、能動光パイプ870内に挿入されている。該能動光パイプ870は、共通に譲渡された国際特許出願第WO02/075637号内において開示されているような暗視野照明器875のリングから低角の暗視野照明を提供する。該国際特許出願は、参照によって本明細書内に組み込まれる。暗視野照明器875は、ネジ式の環880と、フレキシブルなスリーブ890とによって位置が保持されている。明視野照明器120が、明視野照明を投射し、該照明が、オプションのディフューザ180によって拡散され、それが、ディフューザ300によって視野全体にわたって拡散される。透過性の窓895が、レンズ130と他の内部構成要素とを動作環境から保護する。
【0032】
図11による、例示的な実施形態において、円錐形のディフューザ300を、暗視野照明器875からの暗視野照明を拡散させるために配置することができるか、又は暗視野照明器875からの照明によって、拡散されることなく低角で目標物上へと投射することができるようにオプションで構成することができる。暗視野照明器875を露光させるために円錐形のディフューザ300を更に能動光パイプ870内へとレンズ130に向けて挿入することによってか、又は、暗視野照明器875の前面に配置される端部において透過性の光学特性を有するように円錐形のディフューザ300を構成することによって、このオプションの構成を達成することができる。図11による例示的な実施形態に従った画像形成システム151を有するハンドヘルド走査機器が動作させられる時には、そのユーザは、排他的な暗視野照明か、又は排他的な拡散照明か、又はそれらの照明の両モードの組み合わせを、設定するか又は選択することができる。
【0033】
図11による例示的な実施形態において、円錐形のディフューザ300を、画像形成システム151からオプションで取り除くことができる。その結果、ハンドヘルド走査機器102を、拡散照明無しに動作させることができる。この状況は、高強度の非拡散明視野照明が必要とされる場合か、又は排他的な暗視野照明が必要とされる場合に、望まれる可能性がある。ディフューザ300のそのリムーバブルな態様を、ネジ式の環880をゆるめてディフューザ300を取り外し、そして本来の場所に該ディフューザを置かずに、環880を再度はめることによって、達成することができる。
【0034】
図12は、本発明による、高反射性の鏡のような表面910を有する目標物105を照らす効果の概略図を示す。結果として生じる画像920は、レンズ130の反射に関連付けられた特徴925を示すこととなる。レンズ150によって結ばれた領域として画定されたような視野930は、ディフューザ300からの完全拡散照明によって照らされるが、画像920は、特徴925の暗くさせられた領域を示すこととなり、該領域は、ディフューザ300から発せられない光の反射である。
【0035】
図13は、本発明による、視野全体にわたる拡散照明の一様な分散を更に改善する本発明の例示的な一実施形態を示す。明視野照明820は、ディフューザ300によって完全拡散照明へと変換されて、線150により画定された領域として図示された視野内における目標物105上に、拡散照明が投射される。半反射ミラー950が、レンズ130の前面に且つディフューザの背後に、適切な角度で配置されており、その結果、視野の画像が、レンズ130内へと投射される。第2の明視野照明源935が、前記半反射ミラー950に対して向けられており、第2のディフューザ940が、第2の照明源935と半反射ミラー950との間に配置されている。第2のディフューザ940は、同じ半透過性の光学特性を有するディフューザ300と同じ材料で構成されている。単一のディフューザを、製造するか又は成形することができ、該ディフューザは、ディフューザ300と第2のディフューザ940との両方の機能を提供することができることが、当業者であれば理解されよう。第2の照明源935の強度は、該照明935の一部が、目標物105上へと反射されず、半反射ミラーを介してハンドヘルド走査機器102の本体内へと透過することとなるため、動作中にレベルを増加させる必要がある可能性がある。第2の照明935の強度レベルを調整することによって、拡散照明の分散が、いっそう、視野930全体にわたって達成されることが可能である。
【0036】
図14は、延長された長さを有する目標物105を、改善された画像システム200に提供することができるようにするために、ディフューザ300において、円筒形の形状990を提供する、本発明の例示的な一実施形態を示す。ディフューザの円筒形の形状990は、レリーフを提供する。その結果、ディフューザ300は、反射性の円筒形の目標物上の拡張照明パターンの領域を増加させることが可能となる。更に、円筒形の形状990は、照準補助(aiming assistance)をユーザに対して提供する。
【0037】
図15は、複数の選択的に作動させられる照明器985を示す。該照明器985は、ディフューザ300の選択的な照明を提供することができる。この例示的な実施形態において、北方向の照明器996は、その南方向の照明器998と共に作動させられることが可能である一方で、東方向の照明器994と西方向の照明器992とは作動させられない。逆に、東方向の照明器994と西方向の照明器992とが作動させられることが可能である一方で、北方向の照明器996と南方向の照明器998とは作動させられない。この例示的な実施形態による選択的な象限照明は、鏡のような目標物105の軸と平行な軸上において、ディフューザ300によって完全拡散照明に変換される照明の一様性の調整か又は補償を可能にする。
【0038】
ある特定の図示された実施形態に関連して本発明が説明されてきたが、本明細書内において使用されてきた語句は、限定する語句ではなく、説明する語句である。本発明及びその態様の範囲及び原理を逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内において修正がなされることが可能である。本発明は、特定の構成、動作、及び材料に関連して本明細書内において説明されてきたが、本発明は、開示された詳細部には限定されず、添付の特許請求の範囲内におけるような全ての等価な構成、動作、及び材料にわたって適用される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ハンドヘルド走査システムと、目標物上に記号を有する該目標物との斜視図である。
【図2】従来技術による画像形成システムの概略断面図である。
【図3】背景技術による、目標物上にマーキングされた2次元記号を有する代表的な該目標物の斜視図である。
【図4】従来技術による画像形成システムを用いて取得された、鏡のような円筒形の目標物上における2次元記号の画像を示す図である。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による、画像形成システムの概略断面図である。
【図6】本発明による画像形成システムの例示的な一実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による画像形成システムを用いて取得された、鏡のような円筒形の目標物上における2次元記号の画像を示す図である。
【図8】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図9】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図10】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図11】本発明の例示的な一実施形態による画像形成システムの分解斜視図である。
【図12】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図13】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図14】円筒形の形状に構成された本発明によるディフューザを有する本発明の例示的な一実施形態の斜視図である。
【図15】選択的な象限拡散照明を有する本発明の例示的な一実施形態の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、画像取得デバイス用の照明(イルミネーション)に関し、特に、工業用識別コードを読み出すために使用される画像取得デバイス用の照明に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
機械視覚システムは、画像取得デバイスを使用する。該画像取得デバイスは、とらえた対象物(subject)上における情報を引き出すカメラセンサを含む。従って、該システムは、プログラムされた意志決定及び/又は識別機能を実施するための様々なアルゴリズムに従って、この情報を解釈する。可視光及びほぼ可視光の範囲内において、ある画像が、センサによって最も効果的に取得されるためには、前記対象物は、適切に光が照らされなければならない。
【0003】
イメージセンサを用いて識別記号の走査(スキャニング)を行うその例において、良好な光を照らすことが非常に望まれている。識別記号走査は、(CMOSカメラ、CCD等の)画像取得センサが、バーコードか、データマトリクスか、又は他の識別記号を含む目標物(object)上の位置に狙いを定めること(aiming)と、その記号の画像の検索(retrieval)とを伴う。該識別記号は、文字か又は記号の順序付けられたグループを表す所定パターンのセットを含み、該所定パターンのセットから、前記目標についての有用な情報(例えば、そのシリアル番号、タイプ、モデル、価格、等)を、取り付けられたデータプロセッサ(例えば、マイクロコンピュータ)が導き出すことができる。識別記号は、様々な形状及びサイズにおいて利用可能である。最も一般的に用いられる記号タイプのうちの2つは、様々な幅及びスペース(間隔)の垂直なストライプの線からなる、いわゆる1次元バーコードと、点又は長方形の2次元アレイからなる、いわゆる2次元バーコードである。
【0004】
識別記号か又は他の対象とする物の読み出しにおいて、用いられる照明のタイプが、特に問題となる。ここで、バーコードと他のとらえられた対象物とが、コントラストを付けるインクか又は塗装によって平面上に印刷されており、拡散した高角(ハイアングル)の「明視野(bright field)」照明が、これらの特徴を、センサに対して最も良く強調させる(highlight)ことができる。高角(ハイアングル)によるということは、垂線(法線(normal))から、走査されているアイテムの表面までの角度を、ほぼ垂直(法線(normal))にか、又は典型的には約45度以上の角度で、前記対象物に当る光を、一般に意味する。そのような照明は、センサに戻るように向う実質的な反射を受けやすい。例示を目的として、主に明視野照明を必要とするバーコード及び他の対象物を、あるアイテムか又はコンテナに付着された印刷ラベル上においてか、又はアイテムか又はコンテナの比較的滑らかな領域内の印刷領域上において、存在させることができる。
【0005】
逆に、バーコードか又は他の対象物が、より不規則な表面上に形成されているか、又は該表面上に直接的にパターンをエッチングすることか又はピーニング(peening)することによって形成されている場合には、高反射性の明視野照明の使用が、不適切な場合がある。ピーニングされた/エッチングされた表面は、2次元の特性を有し、該特性は、明視野照明を散乱させる傾向にあり、それにより、取得画像を不明瞭にする。とらえた対象物が、そのような明らかに2次元の表面構造を有する場合には、該対象物は、暗視野照明(dark field illumination)によって最も良く照らされる可能性がある。この照明は、前記対象物の表面に対して、特有の低角(例えば約45度か又は約45度未満)による照明である(すなわち、法線(normal)に対して、約45度よりも大きな角度である)。そのような低角の暗視野照明を用いて、2次元の表面構造が、より良好な画像取得のために、(明るいスポットとして現われるインデント(indent)と、影としてのその周囲とによって)より効果的にコントラストが付けられる。
【特許文献1】米国特許出願第10/693,626号明細書
【特許文献2】国際特許出願第WO02/075637号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カメラのイメージセンサの多用性の全利点を得るためには、明視野照明と暗視野照明との両方を、対象物の照明に、選択的にか又は同時に提供することが望ましい。しかしながら、暗視野照明は、その低い入射角度を達成させるために、対象物に接近して提供されなければならない。逆に、明視野は、全領域の照明を保証するために、比較的遠距離において、より良く生成される。
【0007】
バーコードか又は他の対象物が、ある鏡のような表面上に形成されている場合の状況において、無指向性の完全拡散された明視野照明が好まれる。曇った日に自然に生成されるような、このタイプの照明は、(バーコードが目標物の上に配置された)該目標物を、取り囲むことが必要である。典型的な機械視覚用途において、通常、光のテント(light tent)によって加工物(ワーク:workpiece)を取り囲むことを目的として、無指向性の完全に拡散された照明は、提供するのが困難でコストがかかる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、本発明は、ハンドヘルドリーダ内において拡散照明を提供して、記号及びバーコードのハイコントラストな画像を生成する。撮像器(イメージャ)と、対象とする領域との間に、先細りにされた半透過性のディフューザが配置され、該ディフューザの背後の照明が、該対象とする領域に向かって導かれる。該先細りにされたディフューザは、明視野照明を、完全に拡散させられた無指向性の照明へと変換する。該先細りにされたディフューザの細い(狭い)端部は、前記リーダのレンズ付近の位置においてレンズを取り囲む。該先細りにされたディフューザの太い(広い)端部は、前記対象とする領域付近の視野を取り囲む。従って、該視野は、拡散照明によって照射される。
【0009】
本発明の別の態様において、低角の暗視野照明に加えて、拡散照明が生成される。本発明のこの態様において、低角の暗視野照明を生成する受動光パイプ(passive light pipe)が、ディフューザの周囲に配置される。代替的には、能動光パイプ(active light pipe)が、該ディフューザを取り囲み、該暗視野照明が、対象とする領域に対して、低角で直接的に照明を投射する。先細りにされたディフューザからの拡散照明か、又は暗視野光パイプからの排他的な暗視野照明か、又は拡散照明と暗視野照明との両方の組み合わせか、のいずれかを選択的に作動させるように前記リーダを構成することができる。
【0010】
本発明の更に別の態様において、ディフューザの細い端部においてレンズを取り囲む前記先細りにされたディフューザに加えて、レンズの前面に配置され且つ光の一部が対象とする領域から反射されるように位置合わせされた半透過性ミラーへと導かれる拡散された照明が、レンズ内へと投射されるが、その拡散照明の一部は、該対象とする領域上へと反射させられる。本発明のこの態様において、画像内においてレンズの反射を生じさせることなく、一様な拡散照明を、該対象とする領域上へと投射することができる。
【0011】
本発明の他の目的と利点とが、以下の詳細な説明、添付図面、及び添付された特許請求の範囲から明らかになってくるであろう。
【0012】
本発明は、実施形態を限定せずに図示することを目的として、言及された図面に関して、以下の詳細な説明内において更に説明される。該図面内において、同様の参照番号は、該図面のいくつかの図を通して類似の部分を表す。
【実施例】
【0013】
発明の詳細な説明
図1は、ハンドヘルド動作用に構成された走査システム101を示す。1つの例示的なハンドヘルド走査機器、すなわちハンドピース102が提供されている。該ハンドピース102は、グリップ部104と本体部分106とを含む。本明細書内において鎖線で示され且つ記載された画像形成システム151は、制御されることが可能であり、オンボードの組み込みプロセッサ109に画像データを導くことが可能である。このプロセッサに、走査ソフトウェアアプリケーション113を含めることができる。該走査ソフトウェアアプリケーション113によって、光が制御され、画像が取得され、及び画像データが利用可能な情報(例えば、バーコード画像から導き出された英数字の文字列)に解釈される。デコードされた情報を、ケーブル111を介して、ディスプレイ114、キーボード116、及びマウス118を(例えば)有するPCか又は他のデータ記憶装置112に導くことができ、該デコードされた情報は、格納されることが可能であり、適切なアプリケーション121を用いて更に処理されることが可能である。代替的には、ケーブル111を、走査機器内のインターフェースと、コンピュータ112内の適切なインターフェースとに直接的に接続することができる。この場合には、コンピュータベースのアプリケーション121が、様々な画像解釈及び光制御機能を必要とされる時に実行する。組み込みプロセッサか、コンピュータか、又は他のプロセッサに対する、ハンドヘルド走査機器の厳密な構成は、大いに変更可能である。例えば、ケーブル111が存在しない構成において、ワイヤレス相互接続を提供することができる。同様に、図示されたマイクロコンピュータを、オンボードプロセッサか又は(個人情報端末(personal digital assistant)か又は他の小型のコンピューティングデバイスのような)小型化された処理ユニットを含む別の処理デバイスに置き換えることができる。
【0014】
走査アプリケーション113を、走査機器102からの入力に応答するよう構成することができる。例えば、オペレータが、ハンドヘルド走査機器102におけるトリガ122を切り換えた時には、内部のカメラ画像センサ(110に示され且つ後述される)が、目標物105上における対象とする領域131の画像を取得する。例示的な、対象とする領域は、2次元記号195を含み、該2次元記号195は、目標物105を識別するために用いられることが可能である。ハンドヘルド走査機器102からプロセッサ109に伝達された画像データに基づき、識別機能及び他の処理機能が、走査アプリケーション113によって実行される。視認インジケータ141を、プロセッサ109からの信号によって点灯させて、記号195の読み出し及びデコードの成功を示すことができる。
【0015】
図2は、ハンドヘルド走査機器102内において典型的には使用される画像形成システム151を示している。図2は、目標物105上におけるマークか又は記号を読み出すための、従来技術の撮像システム100の断面図を示す。撮像システム100は、撮像器(イメージャ)110を有する。該撮像器は、CMOSか又はCCDデバイスのような、様々なタイプの感光撮像センサのうちの1つである。前記撮像器110の前面に配置されたレンズ130は、該撮像器110上へと照明を導くように構成されている。該撮像器110と、レンズ130とが一緒になって、視野の中心を画定する光軸140を形成し、該光軸140は、図2内の線150のように画定された多面のボリュームによって束ねられている。
【0016】
所与のフォーカス設定において、目標物105の表面における、鮮明に合焦された画像は、前記撮像システム100からの適切な距離に該目標物が位置付けられる時に、レンズ130によって撮像器110上に投射されることとなる。合焦された画像として認識されるために、十分な鮮明さ(シャープさ)及びコントラストの特徴を示す、該目標物105の画像を、該撮像器100上に投射している間、該目標物105が該システム100の前面に位置付けられることが可能である距離の範囲に、該システムの光学特性が、影響を及ぼすこととなる。合焦された画像が撮像器110上において形成されることが可能な範囲は、被写界深度(depth of field)125と呼ばれる。
【0017】
照明を目標物105に向けて導くために、照明器(イルミネータ)120が、前記システム100内において示されている。典型的には、ディフューザ180が照明器120の前面に配置されて、照明が拡散させられて、その結果、照明の一様な分散が、前記目標物の表面全体にわたって広げられることが可能となる。ディフューザ180が無いと、照明器120からの照明は、低強度の照明の領域によって囲まれた高強度の照明の領域として生じることになる。図2内に示されるように、円筒形の目標物105の画像の視野は、B点135からA点145までの該目標物の表面の一部である。
【0018】
視野全体が照らされるにもかかわらず、反射面の一部(点P175から点Q165まで)だけが、撮像システム100内へと光を反射させることとなる。このことは、図2内における線155として図示された、最大角度の照明が、(図2内において線160として図示されているように、著しく視野を狭められた状態で)撮像システム100内へと反射させられることが可能な結果生じる。従来技術の撮像システム100を用いた円筒形の目標物の画像は、点Pから点Qまでの線によって画定された領域全体にわたって明るく照らされたバンドを図示することとなる。
【0019】
図3は、円筒形の目標物(例えば、ドリル刃190)の表面上にエッチングされた、2次元のデータマトリクス記号195を示している。例示的なドリル刃190を撮像システム100に提供することによって、図4内に示されるような記号195の画像が生成されることとなる。明るく照らされたバンドを、線P175及び線Q165として画定された領域間において、観察することができる。前記目標物の残りの部分に当る照明は、撮像システム100の光学部品内へと反射させられない。従って、データマトリクス記号をデコードするためのデコードアルゴリズムが適用されることを可能にするために、該データマトリクス記号の明瞭な表示を生成するにはその画像はあまりに暗過ぎる。
【0020】
図5は、本発明による、改善された撮像システム200を示している。該撮像システム200は、ハンドヘルド走査機器102内における画像形成システム151として使用されることが可能である。改善された撮像システム200は、CMOSか又はCCDデバイスのような様々なタイプの感光撮像センサのうちの1つである撮像器(イメージャ)110を有する。撮像器110の前面に配置されたレンズ130は、撮像器110上へと照明を導くように構成されている。撮像器110と、レンズ130とが一緒になって、視野の中心を画定する光軸140を形成し、該視野は、図4内の線150として画定された多面の領域によって、束ねられている。
【0021】
所与のフォーカス設定において、目標物105の表面における、鮮明に合焦された画像は、前記改善されたシステム200からの適切な距離に該目標物が位置付けられる時に、レンズ130によって撮像器110上に投射されることとなる。合焦された画像として認識されるために、十分な鮮明さ(シャープさ)及びコントラストの特徴を示す、該目標物105の画像を、該撮像器100上に投射している間、該改善されたシステム200の前面に該目標物105が位置付けられることが可能である距離の範囲に、該システムの光学特性が、影響を及ぼすこととなる。合焦された画像が撮像器110上において形成されることが可能な範囲は、被写界深度(depth of field)125と呼ばれる。
【0022】
照明を目標物105に向けて導くために、前記改善されたシステム200内において照明器120が示されている。オプションで、明視野照明を拡散させるためにディフューザ180を用いることができる。本発明の例示的な一実施形態において、レンズ130と目標物105との間に円錐形のディフューザ300が配置されている。例示的な実施形態には円錐形のディフューザ300が記載されているが、本発明の範囲を逸脱することなく、代替の形状を有する他の実施形態を用いることもできることが当業者であれば理解されよう。例えば、放物線状の、円筒形の、及び半球状の形のディフューザを、ディフューザ300として用いることができる。
【0023】
図6は、本発明の例示的な実施形態の基本的な要素の斜視図を示す。円錐形のディフューザ300が、半透過性(半透明)の光学特性を実現するための粗い表面を有するポリメチル・メタクリレート(PMMA)のような半透過性のプラスチック材料から構成されている。本発明の一実施形態において、ディフューザ300の光学特性は、通常の白色用紙の特性のような半透過性を有し、その照明において、該半透過性の特性が、ディフューザの表面に、明るく表示させることとなる。前記円錐形のディフューザ300は、粗い金型面によって成形されることが可能であるか、又は通常の透明な材料を半透明にまで粗くさせるためにサンドブラストがけされることが可能である。ディフューザの狭い開口の第1の端部が、レンズ130の開口を取り囲むように、且つ、(鎖線で示された)撮像器110と位置合わせされるように、ディフューザ300は構成される。照明器120は、レンズ130の周囲で分散させられて、その結果、いっそう分散された照明が、投射されることが可能になる。
【0024】
再び図5を参照すると、ディフューザ300の第2の端部が、目標物105に近い視野を取り囲むので、拡散照明によって視野全体が照らされる。線310として示される、ディフューザ300からの、最大角度の照明が、点A145と点B135との間の視野として画定された領域内において目標物105に当り、線150として、レンズ130及び撮像器110に向かって反射させられる。その領域の外側の目標物に当る、ディフューザからの照明は、視野の外側であり、従って、撮像器110によって取り込まれない。
【0025】
例示的なドリル刃190(図3)を、改善された撮像システム200に対して提供すると、データマトリクス記号195の画像が、図7内に示されている画像のように形成されることとなる。点A145と点B135との間の視野として画定された領域が、拡散照明を受けるため、データマトリクス記号195全体を見ることが可能である。従って、該画像について動作するデコードアルゴリズムは、エンコードされた情報を容易に取り出すことができる。
【0026】
図8は、断面図内に示された受動光パイプ800を有するディフューザ300の別の実施例を示しており、レンズ130に対して、拡散照明が、暗視野照明と組み合わされてか、又は暗視野照明と代替的に、提供されている。暗視野照明810は、光パイプ800内へと導かれ、めくれた位置815において内部的に反射させられて、低角で目標物105に導かれる。暗視野照明を提供するために選択的に作動させられる照明を有する受動光パイプの設計及び実施例に関する更なる情報を、共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号第10/693,626号内において、見出すことができ、該米国特許出願は、参照によって本明細書内に組み込まれる。明視野820は、ディフューザ300によって、完全拡散照明へと変換されて、線150によって画定された領域として図示された視野内において目標物105上に拡散照明が投射される。オプションで、ディフューザ300を、ハンドヘルド走査機器102に対してリムーバブルに取り付けることができ、その結果、拡散されない明視野照明を用いて、ユーザは該ハンドヘルド走査機器を動作させることができる。リムーバブルなアセンブリを可能にするスナップ式のすきま及び/又は機能をディフューザ300及び光パイプ内に組み込むことによって(図示せず)、ディフューザ300のリムーバブル性を達成することができる。
【0027】
図8による、本発明の実施形態において、暗視野照明が目標物105に対して排他的に構成される時には、散乱された照明が、目標物105から、次いでディフューザ300から反射させられることが可能であり、これによって、意図せずに、目標物105上に拡散照明が生じさせられる。この状況は、反射性の高い鏡のような表面上においてピーニングされたデータマトリクスマークのような、低角の暗視野照明によって最も画像化される特定の部分を、読み出す場合には、好ましくない可能性がある。
【0028】
図9は、断面図内に示された、受動光パイプ800を有するディフューザ300の実施例の代替の一実施形態を示しており、レンズ130に対して、選択的に排他的な暗視野照明か又は拡散照明が提供されている。この実施形態において、ある特定色の暗視野照明835が、光パイプ800内へと投射される。ディフューザ300は、該ある特定色の暗視野照明835の色とは異なる色特性を有する材料840によって製造されており、材料840の色特性に一致する特定色の明視野照明825によって照らされている。この実施形態において、特定色の暗視野照明が排他的に動作させられる時には、低角の暗視野照明が目標物105上に投射され、任意の散乱させられた照明が、該目標物105から反射させられ、従って、ディフューザ300は、完全拡散照明には変換されないこととなる。
【0029】
図9による、例示的な一実施形態において、特定色の暗視野照明835は赤色であり、特定色の明視野照明は青色であり、材料840は青色を有する。この実施形態において、低角の暗視野照明が望まれるだけで、赤色の暗視野照明835はターンオンされ、青色の明視野照明はターンオフされる。目標物に当る低角の赤色照明が、ディフューザ300の青色の材料840から反射されるように散乱させられる場合には、画像内において、明るく表示されないこととなり、従って、完全拡散照明を、目標物の照明に対してもたらさない。逆に、青色の明視野照明825がターンオンされる場合には、ディフューザの青色の材料840は、透過(伝達)されることとなり、線150によって画定された領域として図示された視野内において目標物105の完全拡散照明を提供するために、照明を拡散させることとなる。図9の例示的な実施形態に従って、赤/赤外のような代替の色特性を用いることができることが、当業者であれば理解されよう。
【0030】
図10は、断面図において示された、受動光パイプ800を有するディフューザ300の実施例の別の例示的な実施形態を示しており、レンズ130に対して、排他的な暗視野照明か又は拡散照明が選択的に提供されている。この例示的な実施形態において、暗視野照明810が、光パイプ800内へと投射させられて、低角の暗視野照明が生じるが、明視野照明820はターンオフされる。中性の密度フィルタ材料のような光吸収箔860が、ディフューザ300の内面に提供されている。目標物105から反射させられる低角の暗視野照明は、箔フィルタ860によって吸収されて、その結果、完全拡散照明は、目標物上へと戻るように反射されない。拡散照明が望ましいのであれば、暗視野照明の代りか、又は暗視野照明との組み合わせるかのいずれかによって、明視野照明820がターンオンされる。明視野照明820の強度は、箔フィルタ860によるそのような照明の吸収を補償するために、増加させられることが必要とされる。明視野照明が作動させられることにより、箔フィルタ860を介して、完全拡散照明がディフューザ300から、線150によって画定された領域として図示された視野内における目標物上へと伝達されることとなる。
【0031】
図11は、ハンドヘルド走査機器102内の画像形成システム151として、ディフューザ300の実施例の別の例示的な実施形態を示している。図11による、例示的な実施形態において、ディフューザ300は、能動光パイプ870内に挿入されている。該能動光パイプ870は、共通に譲渡された国際特許出願第WO02/075637号内において開示されているような暗視野照明器875のリングから低角の暗視野照明を提供する。該国際特許出願は、参照によって本明細書内に組み込まれる。暗視野照明器875は、ネジ式の環880と、フレキシブルなスリーブ890とによって位置が保持されている。明視野照明器120が、明視野照明を投射し、該照明が、オプションのディフューザ180によって拡散され、それが、ディフューザ300によって視野全体にわたって拡散される。透過性の窓895が、レンズ130と他の内部構成要素とを動作環境から保護する。
【0032】
図11による、例示的な実施形態において、円錐形のディフューザ300を、暗視野照明器875からの暗視野照明を拡散させるために配置することができるか、又は暗視野照明器875からの照明によって、拡散されることなく低角で目標物上へと投射することができるようにオプションで構成することができる。暗視野照明器875を露光させるために円錐形のディフューザ300を更に能動光パイプ870内へとレンズ130に向けて挿入することによってか、又は、暗視野照明器875の前面に配置される端部において透過性の光学特性を有するように円錐形のディフューザ300を構成することによって、このオプションの構成を達成することができる。図11による例示的な実施形態に従った画像形成システム151を有するハンドヘルド走査機器が動作させられる時には、そのユーザは、排他的な暗視野照明か、又は排他的な拡散照明か、又はそれらの照明の両モードの組み合わせを、設定するか又は選択することができる。
【0033】
図11による例示的な実施形態において、円錐形のディフューザ300を、画像形成システム151からオプションで取り除くことができる。その結果、ハンドヘルド走査機器102を、拡散照明無しに動作させることができる。この状況は、高強度の非拡散明視野照明が必要とされる場合か、又は排他的な暗視野照明が必要とされる場合に、望まれる可能性がある。ディフューザ300のそのリムーバブルな態様を、ネジ式の環880をゆるめてディフューザ300を取り外し、そして本来の場所に該ディフューザを置かずに、環880を再度はめることによって、達成することができる。
【0034】
図12は、本発明による、高反射性の鏡のような表面910を有する目標物105を照らす効果の概略図を示す。結果として生じる画像920は、レンズ130の反射に関連付けられた特徴925を示すこととなる。レンズ150によって結ばれた領域として画定されたような視野930は、ディフューザ300からの完全拡散照明によって照らされるが、画像920は、特徴925の暗くさせられた領域を示すこととなり、該領域は、ディフューザ300から発せられない光の反射である。
【0035】
図13は、本発明による、視野全体にわたる拡散照明の一様な分散を更に改善する本発明の例示的な一実施形態を示す。明視野照明820は、ディフューザ300によって完全拡散照明へと変換されて、線150により画定された領域として図示された視野内における目標物105上に、拡散照明が投射される。半反射ミラー950が、レンズ130の前面に且つディフューザの背後に、適切な角度で配置されており、その結果、視野の画像が、レンズ130内へと投射される。第2の明視野照明源935が、前記半反射ミラー950に対して向けられており、第2のディフューザ940が、第2の照明源935と半反射ミラー950との間に配置されている。第2のディフューザ940は、同じ半透過性の光学特性を有するディフューザ300と同じ材料で構成されている。単一のディフューザを、製造するか又は成形することができ、該ディフューザは、ディフューザ300と第2のディフューザ940との両方の機能を提供することができることが、当業者であれば理解されよう。第2の照明源935の強度は、該照明935の一部が、目標物105上へと反射されず、半反射ミラーを介してハンドヘルド走査機器102の本体内へと透過することとなるため、動作中にレベルを増加させる必要がある可能性がある。第2の照明935の強度レベルを調整することによって、拡散照明の分散が、いっそう、視野930全体にわたって達成されることが可能である。
【0036】
図14は、延長された長さを有する目標物105を、改善された画像システム200に提供することができるようにするために、ディフューザ300において、円筒形の形状990を提供する、本発明の例示的な一実施形態を示す。ディフューザの円筒形の形状990は、レリーフを提供する。その結果、ディフューザ300は、反射性の円筒形の目標物上の拡張照明パターンの領域を増加させることが可能となる。更に、円筒形の形状990は、照準補助(aiming assistance)をユーザに対して提供する。
【0037】
図15は、複数の選択的に作動させられる照明器985を示す。該照明器985は、ディフューザ300の選択的な照明を提供することができる。この例示的な実施形態において、北方向の照明器996は、その南方向の照明器998と共に作動させられることが可能である一方で、東方向の照明器994と西方向の照明器992とは作動させられない。逆に、東方向の照明器994と西方向の照明器992とが作動させられることが可能である一方で、北方向の照明器996と南方向の照明器998とは作動させられない。この例示的な実施形態による選択的な象限照明は、鏡のような目標物105の軸と平行な軸上において、ディフューザ300によって完全拡散照明に変換される照明の一様性の調整か又は補償を可能にする。
【0038】
ある特定の図示された実施形態に関連して本発明が説明されてきたが、本明細書内において使用されてきた語句は、限定する語句ではなく、説明する語句である。本発明及びその態様の範囲及び原理を逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内において修正がなされることが可能である。本発明は、特定の構成、動作、及び材料に関連して本明細書内において説明されてきたが、本発明は、開示された詳細部には限定されず、添付の特許請求の範囲内におけるような全ての等価な構成、動作、及び材料にわたって適用される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ハンドヘルド走査システムと、目標物上に記号を有する該目標物との斜視図である。
【図2】従来技術による画像形成システムの概略断面図である。
【図3】背景技術による、目標物上にマーキングされた2次元記号を有する代表的な該目標物の斜視図である。
【図4】従来技術による画像形成システムを用いて取得された、鏡のような円筒形の目標物上における2次元記号の画像を示す図である。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による、画像形成システムの概略断面図である。
【図6】本発明による画像形成システムの例示的な一実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による画像形成システムを用いて取得された、鏡のような円筒形の目標物上における2次元記号の画像を示す図である。
【図8】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図9】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図10】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図11】本発明の例示的な一実施形態による画像形成システムの分解斜視図である。
【図12】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図13】本発明の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図14】円筒形の形状に構成された本発明によるディフューザを有する本発明の例示的な一実施形態の斜視図である。
【図15】選択的な象限拡散照明を有する本発明の例示的な一実施形態の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物上の記号を撮像するための装置であって、
撮像器を有するハンドヘルドポータブル撮像システムと、
前記撮像器と対象とする領域との間に配置されたレンズであって、該対象とする領域は、前記目標物上の前記記号の意図される位置にあり、該レンズと該撮像器とが、視野と光軸とを画定することからなる、レンズと、
前記対象とする領域に向けて照明を導く、前記レンズ付近の照明器と、
同心円状に前記光軸と位置合わせされた、先細りにされた半透過性のディフューザであって、前記レンズの近傍の前記視野を取り囲む第1の端部と、前記対象とする領域の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有することからなる、ディフューザ
とを備える、装置。
【請求項2】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、ポリメチル・メタクリレートからなる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、射出成形プロセスにおいて製造される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、円錐形の形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、円筒形の形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
同心円状に前記光軸と位置合わせされ、且つ、前記先細りにされた半透過性のディフューザを取り囲む、暗視野照明光パイプと、
前記暗視野照明光パイプ内へと照明を導く暗視野照明器
とを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、リムーバブルに取り付けられている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、第1の色特性を有し、前記照明器は、前記第1の色特性に類似した色特性を有する照明を放射し、前記暗視野照明器は、第2の色特性を有する照明を放射することからなる、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の色特性が青色であり、前記第2の色特性が赤色である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの色特性が赤外である、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記ディフューザに提供され且つ該ディフューザと前記対象とする領域との間に配置された光吸収フィルタを更に備える、請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記照明器が、複数の選択的に作動させられる照明器を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の選択的に作動させられる照明器が、北−南方向、及び東−西方向の選択的な動作を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
目標物上の記号を撮像するための装置であって、
撮像器を有するハンドヘルドポータブル撮像システムと、
前記撮像器と対象とする領域との間に配置されたレンズであって、該対象とする領域は、前記目標物上の前記記号の意図される位置にあり、該レンズと該撮像器とが、視野と光軸とを画定することからなる、レンズと、
前記対象とする領域に向けて照明を導く、前記レンズ付近の照明器と、
前記レンズと前記照明器とを取り囲む第1の端部と、前記対象とする領域の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有する、暗視野照明光パイプであって、該第2の端部が、暗視野照明を前記目標物に向かって低角で放射するよう構成されることからなる、暗視野照明光パイプと、
同心円状に前記光軸と位置合わせされ且つ前記暗視野照明光パイプ内において配置された、先細りにされた半透過性のディフューザであって、前記レンズの近傍の前記視野を取り囲む第1の端部と、前記目標物の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有することからなる、ディフューザ
とを備える、装置。
【請求項15】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、前記暗視野照明を拡散させない、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、透過性の光学特性を有し、該半透過性のディフューザが、前記暗視野照明の前に配置されていることからなる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記先細りにされたディフューザがリムーバブルである、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記暗視野照明を提供するよう構成された、前記暗視野照明光パイプの前記第2の端部における複数の暗視野照明器を、更に含む、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
目標物上の記号を撮像するための装置であって、
撮像器を有するハンドヘルドポータブル撮像システムと、
前記撮像器と対象とする領域との間に配置されたレンズであって、該対象とする領域は、前記目標物上の前記記号の意図された位置にあり、該レンズと該撮像器とが、視野と光軸とを画定することからなる、レンズと、
前記対象とする領域に向けて照明を導く、前記レンズ付近の第1の照明器と、
前記対象とする領域から反射された少なくとも一部の照明を前記レンズ内へと導くよう構成された、前記光軸に位置合わせされた前記レンズの前面に配置された半反射ミラーと、
前記第2の照明器からの少なくとも一部の前記照明が前記対象とする領域に向かって導かれるように、前記半反射ミラーにおける照明を導く第2の照明器と、
前記第2の照明器と前記半反射ミラーとの間に配置された第1のディフューザと、
同心円状に前記光軸と位置合わせされた、先細りにされた半透過性のディフューザであって、前記レンズの近傍の前記視野を取り囲む第1の端部と、前記対象とする領域の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有することからなる、先細りにされた半透過性のディフューザ
とを備える、装置。
【請求項20】
前記装置を、前記対象とする領域における前記視野全体にわたって照明の一様な分散を生成するよう構成するために、前記第1の照明器が第1の強度を有し、及び前記第2の照明器が第2の強度を有することからなる、請求項19に記載の装置。
【請求項1】
目標物上の記号を撮像するための装置であって、
撮像器を有するハンドヘルドポータブル撮像システムと、
前記撮像器と対象とする領域との間に配置されたレンズであって、該対象とする領域は、前記目標物上の前記記号の意図される位置にあり、該レンズと該撮像器とが、視野と光軸とを画定することからなる、レンズと、
前記対象とする領域に向けて照明を導く、前記レンズ付近の照明器と、
同心円状に前記光軸と位置合わせされた、先細りにされた半透過性のディフューザであって、前記レンズの近傍の前記視野を取り囲む第1の端部と、前記対象とする領域の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有することからなる、ディフューザ
とを備える、装置。
【請求項2】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、ポリメチル・メタクリレートからなる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、射出成形プロセスにおいて製造される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、円錐形の形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、円筒形の形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
同心円状に前記光軸と位置合わせされ、且つ、前記先細りにされた半透過性のディフューザを取り囲む、暗視野照明光パイプと、
前記暗視野照明光パイプ内へと照明を導く暗視野照明器
とを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、リムーバブルに取り付けられている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、第1の色特性を有し、前記照明器は、前記第1の色特性に類似した色特性を有する照明を放射し、前記暗視野照明器は、第2の色特性を有する照明を放射することからなる、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の色特性が青色であり、前記第2の色特性が赤色である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの色特性が赤外である、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記ディフューザに提供され且つ該ディフューザと前記対象とする領域との間に配置された光吸収フィルタを更に備える、請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記照明器が、複数の選択的に作動させられる照明器を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の選択的に作動させられる照明器が、北−南方向、及び東−西方向の選択的な動作を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
目標物上の記号を撮像するための装置であって、
撮像器を有するハンドヘルドポータブル撮像システムと、
前記撮像器と対象とする領域との間に配置されたレンズであって、該対象とする領域は、前記目標物上の前記記号の意図される位置にあり、該レンズと該撮像器とが、視野と光軸とを画定することからなる、レンズと、
前記対象とする領域に向けて照明を導く、前記レンズ付近の照明器と、
前記レンズと前記照明器とを取り囲む第1の端部と、前記対象とする領域の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有する、暗視野照明光パイプであって、該第2の端部が、暗視野照明を前記目標物に向かって低角で放射するよう構成されることからなる、暗視野照明光パイプと、
同心円状に前記光軸と位置合わせされ且つ前記暗視野照明光パイプ内において配置された、先細りにされた半透過性のディフューザであって、前記レンズの近傍の前記視野を取り囲む第1の端部と、前記目標物の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有することからなる、ディフューザ
とを備える、装置。
【請求項15】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、前記暗視野照明を拡散させない、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記先細りにされた半透過性のディフューザが、透過性の光学特性を有し、該半透過性のディフューザが、前記暗視野照明の前に配置されていることからなる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記先細りにされたディフューザがリムーバブルである、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記暗視野照明を提供するよう構成された、前記暗視野照明光パイプの前記第2の端部における複数の暗視野照明器を、更に含む、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
目標物上の記号を撮像するための装置であって、
撮像器を有するハンドヘルドポータブル撮像システムと、
前記撮像器と対象とする領域との間に配置されたレンズであって、該対象とする領域は、前記目標物上の前記記号の意図された位置にあり、該レンズと該撮像器とが、視野と光軸とを画定することからなる、レンズと、
前記対象とする領域に向けて照明を導く、前記レンズ付近の第1の照明器と、
前記対象とする領域から反射された少なくとも一部の照明を前記レンズ内へと導くよう構成された、前記光軸に位置合わせされた前記レンズの前面に配置された半反射ミラーと、
前記第2の照明器からの少なくとも一部の前記照明が前記対象とする領域に向かって導かれるように、前記半反射ミラーにおける照明を導く第2の照明器と、
前記第2の照明器と前記半反射ミラーとの間に配置された第1のディフューザと、
同心円状に前記光軸と位置合わせされた、先細りにされた半透過性のディフューザであって、前記レンズの近傍の前記視野を取り囲む第1の端部と、前記対象とする領域の近傍の前記視野を取り囲む第2の端部とを有することからなる、先細りにされた半透過性のディフューザ
とを備える、装置。
【請求項20】
前記装置を、前記対象とする領域における前記視野全体にわたって照明の一様な分散を生成するよう構成するために、前記第1の照明器が第1の強度を有し、及び前記第2の照明器が第2の強度を有することからなる、請求項19に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−524709(P2008−524709A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546762(P2007−546762)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/044452
【国際公開番号】WO2006/065619
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(500576452)コグネックス・テクノロジー・アンド・インベストメント・コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/044452
【国際公開番号】WO2006/065619
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(500576452)コグネックス・テクノロジー・アンド・インベストメント・コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】
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