説明

ハンドルロック装置及びハンドルロックシステム

【課題】経時的な塑性変形によってロックピンとロック部材との当接状態が失われないようにし、開閉器に対するロック部材の装着状態を確実に維持できるようにする。
【解決手段】ロック部材1に挿入孔12、凹部13、スリット14、溝部15、段部16を形成し、ロックピン2の支持部22における中間位置22Aに複数の折曲部によって嵌入部25A及び圧接部25Bを形成した。端部23を開閉器に回転自在に弾性的に係合させた後、凹部13に操作ハンドルを挿入し、ロックピン2を退避位置から固定位置に回転させると、嵌入部25A及び圧接部25Bが溝部15内に嵌入する。嵌入部25A及び圧接部25Bが溝部15の内側面に複数の方向に当接し、支持部22が段部16に圧接することで、ロックピン2が固定位置に保持される。このとき、中央部21は、スリット14に接触せず、ロックピン2の固定位置での保持に関与しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気的な開閉又は機械的な開閉を行う開閉器から所定の延出方向に沿って延出した操作ハンドルを、操作できない状態に拘束するハンドルロック装置、及びこのハンドルロック装置を含むハンドルロックシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器等の開閉器は、可動接点に連動してOFF位置とON位置との間を揺動する操作ハンドルを、所定の延出方向に延出させて備えている。回路遮断器が可動接点を固定接点から離間させて電気回路を遮断した後に、通電状態に復旧する際には、操作ハンドルをOFF位置からON位置に揺動させて可動接点を固定接点に接触させる。
【0003】
回路遮断器の操作ハンドルの操作によって電気回路が遮断状態又は通電状態に変化するため、電気回路が遮断状態又は通電状態にされることを制限する目的で操作ハンドルをON位置又はOFF位置で固定するハンドルロック装置が用いられる。ハンドルロック装置は、回路遮断器等の電気的な開閉を行う開閉器のみならず、機械的な開閉を行う開閉器にも、操作ハンドルが所定の延出方向に沿って延出している機器に使用できる。
【0004】
従来のハンドルロック装置として、操作ハンドルに外嵌して回路遮断器に装着されるロック部材と、回路遮断器とロック部材とに係止されて回路遮断器に対するロック部材の装着状態を維持する略U字形状のロックピンと、で構成したものがある。
【0005】
ハンドルロック装置は、作業者が衣服のポケットに入れて持ち運びできる程度の小さなサイズであり、特に、ロック部材とロックピンとを別体に構成すると、ロックピンを紛失し易い。
【0006】
そこで、ロック部材に形成された摺動溝にロックピンを一端部から中央部まで挿通し、ロックピンをロック部材に移動自在に保持させたものがある。ロックピンは両端部で回路遮断器に回動自在に係止されるとともに、中央部でロック部材の係合溝に係合する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−268012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ロックピンの中央部はロック部材の係合溝に一方向にのみ当接するため、経時的な塑性変形によってロックピンの中央部とロック部材の係合溝との当接状態が失われ易く、開閉器に対するロック部材の装着状態を確実に維持することができなくなる問題がある。
【0008】
この発明の目的は、ロックピンをロック部材に複数の方向に当接させることにより、経時的な塑性変形によってロックピンとロック部材との当接状態が失われないようにし、開閉器に対するロック部材の装着状態を確実に維持することができるハンドルロック装置及びハンドルロックシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のハンドルロック装置は、ロック部材及びロックピンを備えている。ロック部材は、開閉器に装着され、操作ハンドルが延出方向に沿って挿入される凹部を有する。ロックピンは、ロック部材に保持され、両端部が開閉器に着脱自在かつ回動自在に係合し、中央部の両側から両端部に至る一対の支持部を備えた略U字状の線材からなる。ロックピンは、両端部を開閉器に係合させた状態で、ロック部材に対して操作ハンドルの延出方向に沿って移動自在な退避位置と、ロック部材に対する移動を規制される固定位置と、の間に回動自在にされている。ロック部材は、固定位置にあるロックピンにおける支持部のそれぞれの中間部分が回動方向に嵌入する溝部を備えている。
【0010】
ロックピンの中間部分に生じた経時的な塑性変形は溝部に対する中間部分の嵌入によって矯正され、開閉器に対するロック部材の装着状態が溝部に対する中間部分の嵌入によって確実に維持される。
【0011】
この構成において、ロック部材は、第1〜第3のスリットを備えることが好ましい。第1のスリットは、ロックピンが固定位置から退避位置へ回動する間に中央部が通過する。第2のスリットは、第1の端部が第1のスリットに連続し、中央部が延出方向に通過し、第2の端部が溝部に連続する。第3のスリットは、第2の端部に連続する。開閉器に対するロック部材の着脱時にロックピンをロック部材内で確実に移動させることができる。
【0012】
また、ロック部材には、溝部に中間部分が嵌入した状態の支持部が係合する段部を備えることが好ましい。開閉器から外されたロック部材にロックピンを固定することができる。
【0013】
さらに、中間部分は、複数の折曲部で構成することができる。溝部に互いに異なる方向に嵌入する中間部分を備えたロックピンを、線材を用いて容易に形成することができる。
【0014】
この発明のハンドルロックシステムは、開閉器のハンドルロック装置と、開閉器とを含み、開閉器に形成された係合穴にロックピンの両端部を係合させる。開閉器のハンドルロック装置は、上述の何れかに記載の開閉器のハンドルロック装置である。開閉器は、ON位置、OFF位置の間で揺動自在な操作ハンドルを有する。
【0015】
この構成においては、ハンドルロック装置のロックピンの両端部が開閉器に形成されている係合穴に係合することで、ロック部材と開閉器とが係止される。
【発明の効果】
【0016】
この発明のハンドルロック装置によれば、ロックピンをロック部材に複数の方向に当接させることにより、経時的な塑性変形によってロックピンとロック部材との当接状態が失われないようにすることができ、開閉器に対するロック部材の装着状態を確実に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、この発明の実施形態に係るハンドルロック装置の斜視図である。ハンドルロック装置10は、ロック部材1及びロックピン2で構成され、開閉器である回路遮断器から所定の延出方向に沿って延出した操作ハンドルを一例としてOFF位置で操作不能に拘束する。
【0018】
ロック部材1は、一例として、樹脂を素材として形成されている。ロック部材1には、貫通孔11、挿入孔12、凹部13、スリット14が形成されている。貫通孔11は、ロック部材1の上部を貫通する。挿入孔12は、ロック部材1の上面で貫通孔11の軸方向に直交する方向に開放している。凹部13は、ロック部材1の下部で底面に開放している。スリット14は、挿入孔12から下方に向けて複数回屈曲して形成されている。貫通孔11は、ロック部材1の上部内でスリット14に連通している。
【0019】
ロックピン2は、例えば、バネ線材を複数の位置で折曲して略U字状に形成されている。ロックピン2は、一方の端部23から中央部21までを挿入孔12に通過させることで、中央部21をスリット14内で移動自在にしてロック部材1に保持される。
【0020】
図2は、ロック部材1の側面図である。ロック部材1は、側面視が略三角形を呈する基部1A、側面視が略矩形を呈する上部1B、側面視が略平行四辺形を呈する下部1Cで構成されている。
【0021】
スリット14は、上部1Bに形成されており、この発明の第1のスリットである第1円弧部14A、同第2のスリットである直線部14B、同第3のスリットである第2円弧部14Cを上方から下方に順に連結して構成されている。即ち、直線部14Bは、この発明の第1の端部である上端部で第1円弧部14Aに連結されており、この発明の第2の端部である下端部で第2円弧部14Cに連結されている。
【0022】
第1円弧部14Aは、連通孔17で挿入孔12に連通している。連通孔17は、側面視において、上部の挿入孔12側の開口幅をロックピン2の外径よりも僅かに大きく、下部の第1円弧部14A側の開口幅をロックピン2の外径よりも僅かに狭くされている。
【0023】
ロック部材1の側面には、第2円弧部14Cの上端側に連続する溝部15が形成されている。側面視における溝部15の幅は、ロックピン2の外径に略等しくされている。側面視におけるスリット14の幅は、ロックピン2の外径よりも僅かに大きくされている。また、第1円弧部14Aにおける連通孔17の下方の位置する一端部の幅は、他の部分よりも広くされている。スリット14は、ロック部材1の両側面を貫通して形成されている。溝部15は、ロック部材1の両側面から内部に所定の深さで形成されており、ロック部材1の両側面を貫通していない。
【0024】
凹部13は、基部1Aと下部1Cとの間に形成されている。凹部13には、ロック部材1の底面側から回路遮断器の操作ハンドルが矢印X方向に沿って挿入される。矢印X方向は、回路遮断器からの操作ハンドルの延出方向に平行である。また、直線部14Bは、矢印X方向に平行に形成されている。
【0025】
図3は、ロックピンの斜視図である。ロックピン2は、中央部21、支持部22、端部23により、中央部21を挟んで対称形状に形成されている。
【0026】
支持部22は、中央部21の両端から端部23まで連続している。支持部22の中間部分22Aは、一例として折曲部24A〜24Cで折り曲げられて、中央部21に平行な嵌入部25Aと中央部21に直交する圧接部25Bとを備える。
【0027】
端部23は、支持部22の下端部に連続して、中央部21と平行に形成されている。
【0028】
ロックピン2をロック部材1保持させる際には、一方の端部23から中央部21までをロック部材1の挿入部12内に挿入した後、中央部21を連通孔17に下方に通過させて第1円弧部14A内に導く。連通孔17の上部の幅はロックピン2の外径よりも僅かに広いため、中央部21を連通孔17内に容易に導くことができる。
【0029】
中央部21が連通孔17を通過する時には、連通孔17の下部の幅は弾性変形によってロックピン2の外径に略等しくなるまで拡がる。中央部21が第1円弧部14A内に達すると、連通孔17の下部の幅は弾性力によってロックピン2の外径よりも僅かに狭い幅に復元する。これにより、中央部21が第1円弧部14Aから挿入孔12に向かって連通孔17を通過することが困難になる。ロックピン2は、中央部21が第1円弧部14A、直線部14B及び第2円弧部14C内を自由に移動できる状態でロック部材1内に保持される。
【0030】
2つの支持部22の間隔は、中央部21側でロック部材1の上部1B及び下部1Cの厚みよりも僅かに広く、ロック部材1の基部1Aの厚みよりも十分に広く、段部16でのロック部材1の厚みよりも狭くされている。また、2つの支持部22の間隔は、端部23側でロック部材1の上部1B及び下部1Cの厚みよりも十分に狭く、ロック部材1の基部1Aの厚みよりも僅かに広くされている。さらに、2つの支持部22の間隔は、圧接部25Bの位置でロック部材1の溝部15における厚さに等しくされている。
【0031】
図4(A)〜(C)は、ロック部材とロックピンとの位置関係を示す側面図である。図4(A)に示すように、ロックピン2の中央部21が第2円弧部14Cの下端側に位置している場合、ロックピン2の支持部22の中央部21側は、ロック部材1の基部1Aに対向する。中央部21側での2つの支持部22の間隔はロック部材1の基部1Aの厚みよりも十分に広くされているため、2つの支持部22を両側面から押圧することでロックピン2を弾性変形させて2つの端部23の間隔を狭くすることができる。
【0032】
間隔を狭めた状態の2つの端部23(両端部)を回路遮断器の2個の穴部(この発明の係合穴)のそれぞれに対向させた後、支持部22に対する押圧力を解除すると、ロックピン2の弾性力によって2つの端部23が2個の穴部のそれぞれに嵌入する。これによって、ロックピン2が、回路遮断器に両端部で着脱自在かつ回動自在にして弾性的に係合する。
【0033】
この状態でも、2つの支持部22を両側面から押圧して端部23を回路遮断器の穴部から抜き出すことで、回路遮断器に対するロックピン2の係合状態を解除することができる。
【0034】
図4(A)に示す状態から、ロック部材1を矢印X方向に沿って下方に移動させると、凹部13内に回路遮断器の操作ハンドルが進入する。回路遮断器の操作ハンドルが凹部13内に完全に挿入された時に、ロック部材1とロックピン2との位置関係は図4(B)に示す状態になり、ハンドルロック装置を回路遮断器に装着することができる。
【0035】
図4(B)に示すように、ロックピン2の中央部21が第1円弧部14Aの下端側に位置している場合、中央部21は第1円弧部14A、直線部14B、第2円弧部14C内を自由に移動できる。したがって、ロックピン2の端部23が回路遮断器に係合している状態でも、ロック部材1を図4(B)に示す位置から矢印X方向に沿って図4(A)に示す位置まで上方に移動させ、ハンドルロック装置を回路遮断器から取り外すことができる。端部23を回路遮断器の穴部に係合させた状態の図4(B)に示すロックピン2の位置が、この発明の退避位置である。
【0036】
ロックピン2を図4(B)に示す退避位置から端部23を支点に矢印Y方向に回転させると、中央部21が第1円弧部14A内を上端側に向かって移動するとともに、嵌入部25A及び圧接部25Bが溝部15内に向かって移動する。
【0037】
図4(C)に示すように、中央部21が第1円弧部14Aの上端に達すると、嵌入部25A及び圧接部25Bが溝部15内に嵌入する。端部23を回路遮断器の穴部に係合させた状態の図4(C)に示すロックピン2の位置が、この発明の固定位置である。
【0038】
したがって、この発明の第1のスリットである第1円弧部14Aには、ロックピン2が固定位置から退避位置へ回動する間に中央部21が通過する。この発明の第2のスリットである直線部14Bには、中央部21が延出方向に通過する。
【0039】
側面視における溝部15の幅はロックピン2の外径に略等しくされているため、ロックピン2が図4(C)に示す固定位置にある状態で、嵌入部25Aが溝部15の上下面に当接し、ロック部材1に対するロックピン2の矢印X方向の変位が規制される。
【0040】
また、圧接部25Bの位置で2つの支持部22の間隔が溝部15におけるロック部材1の厚さに等しくされているため、2つの圧接部25Bが溝部15にロック部材1の厚さ方向に当接し、嵌入部25Aが溝部15からロック部材1の厚さ方向に抜けることがない。また、固定位置から退避位置に向かうロックピン2の回転も抑制される。
【0041】
さらに、2つの支持部22の間隔が段部16でのロック部材1の厚みよりも狭くされているため、支持部22が段部16に弾性的に係合し、固定位置から退避位置に向かうロックピン2の回転がより確実に規制される。
【0042】
これらによって、ロックピン2が固定位置にある状態では、回路遮断器に対するハンドルロック装置10の装着状態が維持される。
【0043】
但し、第1円弧部14Aは、ロックピン2の外径に比較して幅を広くされており、上端部ではさらに広くされているため、中央部21は第1円弧部14Aの内側面に接触せず、中央部21は回路遮断器に対するハンドルロック装置10の装着状態の維持に全く関与していない。
【0044】
なお、溝部15の幅とロックピン2の外径、及び溝部15でのロック部材1の厚さと圧接部25Bでの2つの支持部22の間隔を適当に設定することにより、溝部15への嵌入部25A及び圧接部25Bの嵌入のみによってロックピン2を固定位置に保持できる。この場合には、段部16を省略できる。
【0045】
ロックピン2を固定位置に保持できるようにすることで、回路遮断器に装着されていない状態のハンドルロック装置10において、ロック部材1とロックピン2との一体性を維持でき、ハンドルロック装置10の携帯性を向上できる。このためには、ロック部材1に段部16を備えることが有効である。
【0046】
図5(A)及び(B)は、上記のハンドルロック装置を使用したハンドルロックシステムの斜視図である。図5(A)は、ハンドルロック装置10を単極の回路遮断器100に使用したハンドルロックシステムを示している。図5(B)は、ハンドルロック装置10を2極の回路遮断器200に使用したハンドルロックシステムを示している。
【0047】
ロックピン2を端部23(図5には表れない。)で回路遮断器100,200に回転自在かつ着脱自在に弾性的に係合させた後、ロック部材1の凹部13に操作ハンドル110,210を挿入し、ロックピン2を退避位置から固定位置に回転させる。この後、ロック部材1の貫通孔11にフック301を貫通させて南京錠300を施錠する。
【0048】
フック301がスリット14を通過することで、ロックピン2を退避位置に回動させることができなくなり、ロック部材1を回路遮断器100,200から離間させることができない。これによって、南京錠300が解錠されるまで、ロック部材1の凹部13に対する操作ハンドル110,210の挿入状態が維持され、操作ハンドル110,210の操作を規制できる。
【0049】
ロックピン2の2つの端部23が係合する2個の穴部の形状及び間隔は、回路遮断器100と回路遮断器200とで互いに等しくされている。このため、回路遮断器100と回路遮断器200とに対して、同一のハンドルロック装置10を使用することができる。
【0050】
なお、回路遮断器100,200と同一形状のワンハンドタイプの操作ハンドルを備えた3極以上の回路遮断器も、2個の穴部の形状及び間隔が同一であるため、ハンドルロック装置10を回路遮断器100,200と同様に使用することができる。
【0051】
また、ハンドルロック装置10は、所定の延出方向に沿って延出した操作ハンドルを備えていることを条件に、回路遮断器100,200に限らず、電気的、機械的な開閉を行う開閉器に使用することができる。
【0052】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施形態に係るハンドルロック装置の斜視図である。
【図2】同ハンドルロック装置に備えられるロック部材の側面図である。
【図3】同ハンドルロック装置に備えられるロックピンの斜視図である。
【図4】(A)〜(C)は、ロック部材とロックピンとの位置関係を示す側面図である。
【図5】(A)及び(B)は、上記のハンドルロック装置を使用したハンドルロックシステムの斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1−ロック部材
2−ロックピン
10−ハンドルロック装置
13−凹部
14−スリット
15−溝部
21−中央部
22−支持部
23−端部
22A−中間位置
100,200−回路遮断器
110,210−操作ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉器から所定の延出方向に沿って延出した操作ハンドルを操作不能に拘束するハンドルロック装置において、
前記開閉器に装着されるロック部材であって前記操作ハンドルが前記延出方向に沿って挿入される凹部を有するロック部材と、
前記ロック部材に保持されるロックピンであって、両端部が前記開閉器に着脱自在かつ回動自在に係合し、中央部の両側から前記両端部に至る一対の支持部を備えた略U字状の線材からなるロックピンと、を備え、
前記ロックピンは、前記両端部を前記開閉器に係合させた状態で、前記ロック部材に対して前記延出方向に沿って移動自在な退避位置と、前記ロック部材に対する移動を規制される固定位置と、の間に回動自在にされ、
前記ロック部材は、前記固定位置にある前記ロックピンにおける前記支持部のそれぞれの中間部分が前記回動方向に嵌入する溝部を備え、
前記溝部に対する前記中間部分の前記嵌入により、前記開閉器に対する前記ロック部材の装着状態を維持するハンドルロック装置。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記ロックピンが前記固定位置から前記退避位置へ回動する間に前記中央部が通過する第1のスリットと、第1の端部が前記第1のスリットに連続して前記中央部が前記延出方向に通過するとともに第2の端部が前記溝部に連続する第2のスリットと、前記第2の端部に連続する第3のスリットと、を備える請求項1に記載のハンドルロック装置。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記溝部に前記中間部分が嵌入した状態の前記支持部が係合する段部を備えた請求項1又は2に記載のハンドルロック装置。
【請求項4】
前記中間部分は、複数の折曲部で構成した請求項1乃至3の何れかに記載のハンドルロック装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のハンドルロック装置と、
ON位置、OFF位置の間で揺動自在な操作ハンドルを有する開閉器と、を含み、
前記開閉器に形成された係合穴に前記ロックピンの両端部を係合させることを特徴とするハンドルロックシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−295375(P2009−295375A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146653(P2008−146653)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】