説明

ハンバ―グの整形装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械で製造される小判形のハンバーグ素形材を、手作りハンバーグのように、丸みを持った形状に整形するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に示すように、機械により量産されるハンバーグMは、全体の厚みが同一であり、且つその周側面Maも垂直面で形成された、所謂小判形をした形態のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】そのため、全体的に丸みのある手作りのハンバーグと比較して、小判形のものは角張った外観を呈し、美味しく感じられないといった欠点がある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために成されたもので、機械により形成した小判形のハンバーグを素材とし、このハンバーグを素材の周側面を丸くする整形を施すことにより、手作り感を出し、見た目にも美味しそうに見えるものを提供することを目的としたものであり、その要旨は、上昇コンベアと下降コンベアとをその頂部で連接した水平コンベアとからなる間欠移動するコンベア装置と、前記水平コンベアとほゞ同一平面で水平移動する一対の押型装置とからなり、前記上昇コンベアから移送され前記水平コンベア上に停止したハンバーグ素形材を前記押型装置の押し型で整形するよう構成したことを特徴とするハンバーグの整形装置にある。
【0005】
【実施例】以下、本発明を図1乃至図9に示す実施例により詳細に説明する。なお、図1は本発明に係る整形装置の平面図、図2は同整形装置の側面図、図3乃至図7は同装置の作用説明図、図8及び図9は同装置の要部の作動説明斜視図である。
【0006】図において、1は本発明に係るハンバーグの整形装置で、基台2上に設置した間欠移動するコンベア装置3と、図10に示すように、ハンバーグ素形材Mの周側面Maを整形するための押型装置4とから主として構成されている。
【0007】そして、前記コンベア装置3は、所定の角度でそれぞれ傾斜する上昇コンベア5及び下降コンベア6と、両コンベア5,6の頂部においてそれぞれ連接された水平コンベア7とから構成されており、これらのコンベア5,6,7は夫々3個のハンバーグ素形材Mを並列して搬送できる幅のものが使用されている。
【0008】また、前記押型装置4は、前記水平コンベア7とほゞ同一平面にあって、水平コンベア7を中心として左右方向に水平移動する一対の押し型8,8から構成されている。そして、この押し型8は、前記コンベア装置3のコンベア5,6,7とほゞ同一幅で、ハンバーグ素形材Mの肉厚とほゞ同一高さを有しており、両押し型8の対向位置には、平面視円弧状で、その面も円弧状に形成されている型面8aが幅方向に所定間隔だけ離間して3個形成されている。
【0009】9は前記押し型8が装着された可動部で、前記コンベヤ5,6,7の走行方向に沿って平行に配置された前後一対のレール10,10を走行自在となるように横架されており、夫々シリンダ11によって駆動される。12は前記押し型8の夫々の型面8aに向けて水を噴霧するノズル部で、コンベヤ5,6,7の走行方向に直交して平行に横架された一対の桟13にそれぞれ設けられている。
【0010】14はハンバーグ素形材Mを押付けるためのプレッシャで、前記水平コンベア7の中央部における直上に上下動自在に設けられており、前記一対の桟13の中央部に固定されている。なお、図中15は前記上昇コンベヤ5の下端に連接したハンバーグ素形材Mを搬送する搬送コンベアである。
【0011】次に、上記実施例の作用について説明すると、まず、図3に示すように、型抜きされた製造直後のハンバーグ素形材Mは、搬送コンベヤ15から上昇コンベヤ5に移送され、上昇コンベヤ5から水平コンベヤ7上に搬送される。一方、後退位置にある左右一対の押し型8の型面8aには、ノズル部12から設定時間だけ水が噴霧され、型面8aにハンバーグ素形材Mが付着しないようにする。
【0012】そして、図4に示すように、ハンバーグ素形材Mが水平コンベヤ7の中央部に至ると、図示しないセンサがこれを検知して、上昇コンベヤ5,水平コンベヤ7が夫々停止する。そこで、図5及び図8に示すように、左右の押し型8,8がシリンダ11,11により夫々駆動されて互いに接近するように移動し、図9に示すように、各押し型8の型面8aがハンバーグ素形材Mの左右の周側面Maを左右から押圧する。これにより、ハンバーグ素形材Mの両周側面Maは縦断面が円弧状に丸く整形され、完成品である整形されたハンバーグM1が形成される。
【0013】上記ハンバーグ素形材Mの整形が終了すると、図6に示すように、プレッシャ14が下降して整形されたハンバーグM1の上面を軽く押圧し、両押し型8,8の後退時における型面8aとの付着によるハンバーグM1の位置ずれを防止せしめた後、両押し型8,8の後退を開始させる。そして、図7に示すように、押し型8がそれぞれ元の後退位置まで復帰すると、プレッシャ14が上昇して押圧が解除されると同時に、下降コンベア6,水平コンベヤ7及び上昇コンベア5が夫々駆動され、整形されたハンバーグM1は下降コンベア6上に送り出されるとゝもに、次のハンバーグ素形材Mが上昇コンベア5から水平コンベア7上に送り込まれる。そして、順次前記動作を繰り返す。
【0014】上記構成において、整形毎にハンバーグ素形材を押し型と同一平面位置まで持ち上げるか、或いは逆に押し型をハンバーグ素形材と同一平面位置まで下降させることも考えられるが、成型時間が前記動作に要する分だけ長くかかるし、機構的にも複雑化するといった問題点がある。なお、上記実施例では、押し型はシリンダで駆動するように構成したが、カム機構でスライドさせるように構成してもよいこと勿論であり、このカム機構を採用した場合は、押し型の前進,後退時には速く移動し、ハンバーグ素形材に接触した際にはゆっくりと押圧するように、スピードに変化を持たせることが必要である。
【0015】
【発明の効果】本発明に係るハンバーグ素材の整形装置は、上記のように、上昇コンベアと下降コンベアとをその頂部で連接した水平コンベアとからなる間欠移動するコンベア装置と、前記水平コンベアとほゞ同一平面で水平移動する一対の押型装置とからなり、前記上昇コンベアから移送され前記水平コンベア上に停止したハンバーグ素形材を前記押型装置の押し型で整形する構成であるから、機構が簡単で、且つ連続整形が可能となるとゝもに、丸みのある手作的なハンバーグを得ることが出来るといった諸効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンバーグ素材整形装置の平面図である。
【図2】同整形装置の側面図である。
【図3】同整形装置の第1作用説明図である。
【図4】同整形装置の第2作用説明図である。
【図5】同整形装置の第3作用説明図である。
【図6】同整形装置の第4作用説明図である。
【図7】同整形装置の第5作用説明図である。
【図8】同整形装置の押し型の第1動作を説明する斜視図である。
【図9】同整形装置の押し型の第2動作を説明する斜視図である。
【図10】機械製造によるハンバーグ素形材の斜視図である。
【符号の説明】
1 整形装置
3 コンベヤ装置
4 押型装置
5 上昇コンベア
6 下降コンベア
7 水平コンベア
8 押し型
8a 同型面
11 シリンダ
12 水噴出ノズル
13 桟
14 プッシャ
15 搬送コンベア
M ハンバーグ素形材
Ma 同周側面
M1 ハンバーグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 上昇コンベアと下降コンベアとをその頂部で連接した水平コンベアとからなる間欠移動するコンベア装置と、前記水平コンベアとほゞ同一平面で水平移動する一対の押型装置とからなり、前記上昇コンベアから移送され前記水平コンベア上に停止したハンバーグ素形材を前記押型装置の押し型で整形するよう構成したことを特徴とするハンバーグの整形装置。

【図1】
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【図9】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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