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ハードコートフィルム、透明導電性積層体及びタッチパネル
説明

ハードコートフィルム、透明導電性積層体及びタッチパネル

【課題】優れた硬度を有すると共に、カールの発生を効果的に防止することができるハードコートフィルム及びこのハードコートフィルムを備える透明導電性積層体、並びにこの透明導電性積層体を備えるタッチパネルの提供を目的とする。
【解決手段】本発明のハードコートフィルムは、透明な基材層と、基材層の一方の面側に形成される第一ハードコート層と、第一ハードコート層の一方の面側に形成される第二ハードコート層とを備え、上記第二ハードコート層の鉛筆硬度が3H以上であり、上記第一ハードコート層の鉛筆硬度が第二ハードコート層の鉛筆硬度よりも低く、上記第二ハードコート層の厚みが1μm以上10μm以下であり、上記第一ハートコート層の厚みが第二ハードコート層の厚みの4倍以上20倍以下である。上記第一ハードコート層の鉛筆硬度がF以上2H以下であるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードコートフィルム、このハードコートフィルムを備える透明導電性積層体、及びこの透明導電性積層体を備えるタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示モジュール(LCD)は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かしてフラットパネルディスプレイとして多用されており、その用途は携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、テレビなどの情報用表示デバイスとして年々拡大している。近年、液晶表示モジュールに要求される特性としては、用途により様々であるが、明るい(高輝度化)、見やすい(広視野角化)、省エネルギー化、薄型軽量化、大画面化等が挙げられる。
【0003】
このような液晶表示モジュールとしては、視認者の操作容易性、迅速性等を向上させるべくタッチパネルが搭載されているものもある。そして、このようなタッチパネルが搭載された液晶表示モジュールは、一般的には、タッチパネル、液晶表示素子、各種光学シート及びバックライトが表面側から裏面側にこの順で重畳された構造を有している。
【0004】
このようなタッチパネルとしては、静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式等が存在している。静電容量方式としては、互いに交差する方向に電極を延在させ、指などが接触した際に電極間の静電容量が変化することを検知して入力位置を検出するものや、透明導電膜の両端に同相、同電位の交流を印加し、指が接触又は近接してキャパシタが形成される際に流れる微弱電流を検知して入力位置を検出するもの等が存在している。
【0005】
このような液晶表示モジュールにおいては、透明導電膜やその他の光学部材の耐衝撃性や取扱い容易性等を向上させるため、かかる光学部材の表面にハードコートフィルムを配設するケースも多い。このようなハードコートフィルムとしては、基材層の表面にハードコート層を備えるものが公知である。このようなハードコートフィルムとしては、(1)基材層の表面に第一ハードコート層を設け、この第一ハードコート層の表面に第二ハードコート層を設けた二層構造のハードコート層を有するものが提案されている(特開2000−71392号公報参照)。この公報所載のハードコートフィルムは、第一ハードコート層としてラジカル重合型樹脂とカチオン重合型樹脂とのブレンドからなる硬化樹脂層を基材層の表面に設け、この第一ハードコート層の表面に第一ハードコート層と略同一厚みの第二ハードコート層を設け、耐擦傷性を維持しつつカールの発生防止及びクラックの発生防止を達成しようとしたものである。
【0006】
また、二層構造のハードコート層を有するハードコートフィルムとしては、(2)内層である第一ハードコート層の鉛筆硬度が外層である第二ハードコート層の鉛筆硬度よりも小さく、第一ハードコート層の厚みが第二ハードコート層の厚みよりも厚いものが提案されている(特開2007−219013号公報参照)。この公報所載のハードコートフィルムは、低収縮のウレタンアクリレート等からなる第一ハードコート層と高硬度のウレタンアクリレート等からなる第二ハードコート層とが同じ塗工方法によって積層されているため、第二ハードコート層の厚みは第一ハードコート層の厚みの略半分以上に形成されている。
【0007】
しかしながら、上記(1)のハードコートフィルムは、第一ハードコート層と第二ハードコート層とが略同一厚みであるため、第一ハードコート層が薄く、ハードコートフィルムの表面が十二分の硬度を奏しない。また、このハードコートフィルムは、十二分の硬度を得るためにハードコート層の厚みを厚くすると、第二ハードコート層が厚くなり過ぎ、カールが発生してしまうおそれがある。
【0008】
また、上記(2)のハードコートフィルムは、第二ハードコート層の厚みが第一ハードコート層の厚みよりも薄いものの第一ハードコート層の厚みの略半分以上の厚みを有するため、結果として、ハードコートフィルムの表面が十二分の硬度を奏せず、またカールの発生を的確に防止できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−71392号公報
【特許文献2】特開2007−219013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、優れた硬度を有すると共に、カールの発生を効果的に防止することができるハードコートフィルム及びこのハードコートフィルムを備える透明導電性積層体、並びにこの透明導電性積層体を備えるタッチパネルの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた発明は、
透明な基材層と、
この基材層の一方の面側に形成される第一ハードコート層と、
この第一ハードコート層の一方の面側に形成される第二ハードコート層と
を備え、
上記第二ハードコート層の鉛筆硬度が3H以上であり、
上記第一ハードコート層の鉛筆硬度が第二ハードコート層の鉛筆硬度よりも低く、
上記第二ハードコート層の厚みが1μm以上10μm以下であり、
上記第一ハートコート層の厚みが第二ハードコート層の厚みの4倍以上20倍以下であるハードコートフィルムである。
【0012】
当該ハードコートフィルムは、基材層と第二ハードコート層との間に、第二ハードコート層よりも鉛筆硬度の低い第一ハードコート層が配設されている。それゆえ、当該ハードコートフィルムは、基材層と第二ハードコート層との硬度差に起因してカールが発生するのを防止しつつ、第一ハードコート層と第二ハードコート層とによって、当該ハードコートフィルムの一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。特に、当該ハードコートフィルムは、第二ハードコート層の厚みを上記範囲とし、かつ第二ハードコート層の厚みに対する第一ハードコート層の厚みを4倍以上20倍以下に保つことによって、第二ハードコート層の鉛筆硬度が比較的高いことに起因してカールが発生するのを好適に防止することができる。
【0013】
当該ハードコートフィルムは、上記第一ハードコート層の鉛筆硬度がF以上2H以下であるとよい。これにより、ハードコートフィルムの一方の面側の硬度をさらに効果的に高めることができる。
【0014】
当該ハードコートフィルムは、上記第一ハードコート層の厚みが20μm以上100μm以下であるとよい。これにより、カールが発生するのをさらに好適に防止することができる。
【0015】
当該ハードコートフィルムは、上記基材層の主成分が、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂であるとよい。当該ハードコートフィルムは、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂等、比較的硬度が低く、カールを発生しやすい樹脂を基材層の主成分として用いた場合であっても、カールの発生を防止し、ハードコートフィルムの一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。当該ハードコートフィルムは、基材層の主成分としてポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いることによって、面内リタデーション値(Ro)及び厚さ方向リタデーション値(Rth)を容易に小さくすることができる。当該ハードコートフィルムは、上記基材層がポリカーボネート系樹脂を主成分とすることで耐衝撃性を向上させることができる。また、当該ハードコートフィルムは、上記基材層がシクロオレフィン系樹脂を主成分とすることで、直射日光やディスプレイの発熱等の外力によって生じる位相差の変化を効果的に抑えることができ、光学的均一性に優れ、精細な映像表示を行うことができる。当該ハードコートフィルム1は、基材層2がポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とすることで、より効果的に硬度を高めることができる。
【0016】
当該ハードコートフィルムは、上記基材層の面内リタデーション値(Ro)が100nm以下であり、かつ厚さ方向リタデーション値(Rth)が200nm以下であるとよい。これにより、他の光学部材に当該ハードコートフィルムを重畳して使用した際に、この他の光学部材の光学的機能を阻害するおそれを防止することができる。
【0017】
当該ハードコートフィルムは、上記第一ハードコート層の主成分が紫外線硬化性樹脂であるとよい。これにより、製造容易性を向上させることができる。また、当該ハードコートフィルムは、基材層に熱が加えられることによって生じる熱膨張や熱収縮を防止することができ、寸歩安定性を向上させることができる。
【0018】
当該ハードコートフィルムは、上記第一ハードコート層の主成分として紫外線硬化性樹脂が含まれる場合、この紫外線硬化性樹脂がカチオン重合性樹脂であるとよい。これにより、基材層に対する接着性を向上させることができると共に、接着力の経時変化を抑制することができる。また、当該ハードコートフィルムは、第一ハードコート層の主成分としてカチオン重合性樹脂を用いることによって、カールを防止し、寸法安定性をさらに向上させることができる。
【0019】
当該ハードコートフィルムは、上記第一ハードコート層が主成分として紫外線硬化性樹脂を含むと共に、紫外線防止剤を含有するとよい。一般に、第一ハードコート層の主成分が紫外線硬化性樹脂であり、さらにこの第一ハードコート層が紫外線防止剤を含有している場合、第一ハードコート層の硬化速度が遅くなり、生産性が低下する。しかしながら、当該ハードコートフィルムは、第一ハードコート層の厚みが比較的厚く設定されているため、紫外線防止剤の濃度を小さく抑えても十分な量の紫外線防止剤を第一ハードコート層に含有させることができる。従って、当該ハードコートフィルムは、第一ハードコート層に十分な量の紫外線防止剤を含有させた場合でも、第一ハードコート層の硬化速度の低下を抑制し、生産性が低下するのを防止することができる。
【0020】
当該ハードコートフィルムは、上記基材層の他方の面側に形成される高屈折率層を備えるとよい。これにより、基材層の他方の面側の屈折率を向上させることができる。
【0021】
当該ハードコートフィルムは、上記高屈折率層の屈折率が1.6以上2.3以下であるとよい。これにより、当該ハードコートフィルムの高屈折率層側をタッチパネル等の透明導電層に積層した場合に、高屈折率層の屈折率と透明導電層の屈折率、例えばITOの屈折率2.1〜2.2(λ=520nm)に近づけることができる。その結果、当該ハードコートフィルムは、透明導電層に形成される電極パターンの視認性を低下させることができる。
【0022】
また、上記課題を解決するためになされた透明導電性積層体は、
高屈折率層の屈折率が1.6以上2.3以下である上記ハードコートフィルムと、
このハードコートフィルムの高屈折率層の他方の面に積層される透明導電層と
を備える透明導電性積層体である。
【0023】
当該透明導電性積層体は、上記ハードコートフィルムを備えているので、このハードコートフィルムにカールが発生するのを好適に防止し、かつこのハードコートフィルムの一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。また、当該透明導電性積層体は、高屈折率層の屈折率と透明導電層の屈折率とを近づけることによって、例えばタッチパネルに用いられる場合、透明導電層に形成される電極パターンの視認性を低下させることができる。
【0024】
当該透明導電性積層体は、上記高屈折率層の屈折率と、上記透明導電層の屈折率との差が0.6以下であるとよい。これにより、透明導電層に形成される電極パターンの視認性をさらに低下させることができる。
【0025】
さらに、上記課題を解決するためになされたタッチパネルは、
当該透明導電性積層体を備えるタッチパネルである。
【0026】
当該タッチパネルは、当該ハードコートフィルムを備えているので、このハードコートフィルムにカールが発生するのを好適に防止し、かつこのハードコートフィルムの一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。また、当該タッチパネルは、高屈折率層の屈折率と透明導電層の屈折率とを近づけることによって、透明導電層に形成される電極パターンの視認性を低下させることができる。
【0027】
なお、本発明において、「鉛筆硬度」とは、JIS K5600−5−4に規定する試験方法に記載の鉛筆引っかき値に基づく値をいう。また、「厚み」とは、JIS K7130に準じて測定した平均厚さをいう。「面内リタデーション値(Ro)」は、Ro=(Ny−Nx)×dで求められる値であり、「厚さ方向リタデーション値(Rth)」は、Rth=((Nx+Ny)/2−Nz)×dで求められる値である。ここで、Nxは、フィルムの進相軸(面方向と平行な軸)の屈折率であり、Nyはフィルムの遅相軸(面方向と平行でかつ進相軸と垂直な軸)の屈折率であり、Nzは厚み方向(面方向と垂直な方向)でのフィルムの屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
【0028】
「紫外線防止剤」とは、紫外線による光劣化防止機能を有する添加剤で、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等を含む概念である。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明のハードコートフィルム及びこのハードコートフィルムを備える透明導電性積層体、並びにこの透明導電性積層体を備えるタッチパネルは、当該ハードコートフィルムの硬度を向上させることができ、かつカールの発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係るハードコートフィルムを示す模式的断面図である。
【図2】図1のハードコートフィルムとは異なる形態に係るハードコートフィルムを示す模式的断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る透明導電性積層体を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式的断面図である。
【図5】図4のタッチパネルとは異なる形態に係るタッチパネルを示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第一実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0032】
図1のハードコートフィルム1は、基材層2と、ハードコート層3とを有している。
【0033】
(基材層2)
基材層2は、光線を透過させる必要があるため透明、特に無色透明に形成されている。基材層2を構成する主成分は、特に限定されないが、典型的には、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる群から選択される。これらの合成樹脂は、優れた光学的透明性を有しており、光線を良好に透過させることができる。なかでも、基材層2を構成する主成分としては、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましい。
【0034】
基材層2は、透明性及び所望の強度を損なわない限りは他の任意成分を含んでよいが、上記合成樹脂からなる主成分を好ましくは90質量%以上含み、さらに好ましくは98質量%以上含む。ここでの任意成分の例としては、紫外線防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび等が挙げられる。
【0035】
基材層2を形成するポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、直鎖ポリカーボネート系樹脂又は分岐ポリカーボネート系樹脂のいずれかのみであってもよいが、直鎖ポリカーボネート系樹脂と分岐ポリカーボネート系樹脂とからなるポリカーボネート系樹脂とするとよい。
【0036】
直鎖ポリカーボネート系樹脂としては、公知のホスゲン法または溶融法によって製造された直鎖の芳香族ポリカーボネート系樹脂であり、カーボネート成分とジフェノール成分とからなる。カーボネート成分を導入するための前駆物質としては、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。また、ジフェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−チオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組合わせて使用することができる。このような直鎖ポリカーボネート系樹脂は、例えば、米国特許第3989672号に記載されている方法等で製造され、その屈折率は1.57以上1.59以下のものが好ましい。
【0037】
分岐ポリカーボネート系樹脂としては、分岐剤を用いて製造したポリカーボネート系樹脂であり、分岐剤としては、例えば、フロログルシン、トリメリット酸、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0038】
このような分岐ポリカーボネート系樹脂は、例えば、特開平03−182524号公報に挙げられているように、芳香族ジフェノール類、上記分岐剤およびホスゲンから誘導されるポリカーボネートオリゴマー、芳香族ジフェノール類および末端停止剤を、これらを含む反応混合液が乱流となるように撹拌しながら反応させ、反応混合液の粘度が上昇した時点で、アルカリ水溶液を加えると共に反応混合液を層流として反応させる方法により製造することができる。本発明の樹脂組成物の分岐ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネート系樹脂中に5質量%以上80質量%以下の範囲で含有され、好ましくは10質量%以上60質量%以下の範囲である。これは、分岐ポリカーボネート系樹脂が10質量%未満では、伸長粘度が低下し押出成形での成形が困難となるためであり、80質量%を超えると樹脂の剪断粘度が高くなり成形加工性が低下するためである。
【0039】
基材層2を形成するシクロオレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。基材層2に用いられるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)又はシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであってもよいが、シクロオレフィンコポリマーがより好ましい。
【0040】
上記シクロオレフィンコポリマーとは、環状オレフィンとエチレン等のオレフィンとの共重合体である非結晶性の環状オレフィン系樹脂のことをいう。環状オレフィンとしては、多環式の環状オレフィンと単環式の環状オレフィンとが存在している。かかる多環式の環状オレフィンとしては、ノルボルネン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン等を挙げることができる。また、単環式の環状オレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロドデカトリエン等を挙げることができる。
【0041】
基材層2を形成するアクリル系樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸に由来する骨格を有する樹脂である。アクリル系樹脂の例としては、特に限定されないが、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体)などが挙げられる。これらのアクリル系樹脂のなかでも、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが好ましく、メタクリル酸メチル系樹脂がより好ましい。
【0042】
基材層2を形成するポリプロピレン系樹脂は、プロピレンに由来する骨格を有する樹脂である。ポリプロピレン系樹脂の例としては、特に限定されないが、プロピレンの単独重合体、または、プロピレンと、エチレンおよび炭素数4−12のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0043】
基材層2を形成するポリエチレンテレフタレート系樹脂は、テレフタル酸とエチレングリコールの反応により得られるポリマーである。ポリエチレンテレフタレート系樹脂は他のコモノマーを含むものであってもよいが、ポリエチレンテレフタレートの繰返し単位が80モル%以上であるものが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、例えば、ジメチルテレフタレート及びエチレングリコールを反応器に仕込み、内温を徐々に上げながらエステル交換反応を行った後、反応生成物を重合反応器に移して、高温真空下にて重合反応を行うことによって生成することができる。
【0044】
基材層2の面内リタデーション値(Ro)としては、特に限定されないが、100nm以下が好ましい。基材層2の面内リタデーション値の上限値は、50nmがより好ましく、15nmがさらに好ましく、5nmが特に好ましい。また、基材層2の厚さ方向リタデーション値(Rth)としては、特に限定されないが、200nm以下が好ましい。基材層2の厚さ方向リタデーション値の上限値は、100nmがより好ましく、30nmがさらに好ましく、10nmが特に好ましい。当該ハードコートフィルム1は、このように面内リタデーション値(Ro)及び厚さ方向リタデーション値(Rth)を小さくすることで、透過光線の変換作用を抑制し、他の光学部材に当該ハードコートフィルム1を重畳して使用した際に、この他の光学部材の光学的機能を阻害するおそれを防止することができる。
【0045】
基材層2の鉛筆硬度としては、特に限定されるものではなく、例えばハードコートを付与した後の硬度をより高くするためにより高い方が好ましいが、8B以上2B以下であってもかまわない。当該ハードコートフィルム1は、基材層2の鉛筆硬度が上記範囲程度であっても、第一ハードコート層4及び第二ハードコート層5によって、一方の面側の鉛筆硬度を2H以上6H以下程度に保つことができる
【0046】
基材層2の厚みとしては、特に限定されないが、例えば20μm以上200μm以下が好ましい。基材層2の厚みの上限値は、150μmがより好ましく、100μmが特に好ましい。一方、基材層2の厚みの下限値は、30μmがより好ましく、50μmが特に好ましい。基材層2の厚みが上記上限値を超える場合、製造時のライン速度、生産性、透湿性が低減し、また当該ハードコートフィルム1が液晶表示装置に用いられる場合には、液晶表示装置の薄型化の要求に反するおそれがある。逆に、基材層2の厚みが上記下限値未満の場合、強度、剛性が小さくなり、撓み防止性等が低下するおそれがある。
【0047】
基材層2としては、通常、算術平均表面粗さ(Ra)が0.02以上0.06以下のものを用いることができる。また基材層2には、必要に応じてマット処理を行うことができる。このようなマット処理を施した基材層2の算術平均表面粗さ(Ra)は、好ましくは0.07以上2以下、さらに好ましくは0.1以上1以下とすることができる。基材層2の表面粗さをこのような範囲に制御することによって、フィルム原反製造後の処理における傷付きが防止され、取扱い性が向上する。また、一般的に、製造されたフィルム原反の巻取りを行う際には、フィルムの幅方向の両端をエンボス加工(ナーリング処理)してブロッキングを防止する必要がある。フィルムにナーリング処理を行った場合、フィルムの両端の処理箇所は使用できなくなるため、その部分は裁断・廃棄しなければならない。また、フィルムの巻取り作業においては、傷付きを防止するために保護膜によってマスキングを行う場合もある。しかし、基材層2の算術平均表面粗さを上記のような所定の範囲とすることによって、ナーリング処理を行わずにブロッキングを防止することができるので、製造工程が簡略化され、フィルム幅方向の両端部分も使用可能になるとともに、フィルムの故障を生じることなく、長尺にわたる巻取りを行うことができる。また、基材層2が適度な表面粗さを有することによって、巻取り時の傷付きが効果的に抑制され、上記のようなマスキングも不要となる。
【0048】
基材層2の製造方法は、特に限定されないが、例えば、合成樹脂のフレーク原料及び可塑剤等の添加剤を従来公知の混合方法にて混合し、予め熱可塑性樹脂組成物としてから、基材層2を製造することができる。この熱可塑性樹脂組成物は、例えば、オムニミキサー等の混合機でプレブレンドした後、得られた混合物を押出混練することによって得られる。この場合、押出混練に用いる混練機は、特に限定されるものではなく、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の押出機や加圧ニーダー等の従来公知の混練機を用いることができる。
【0049】
基材層2の成形の方法としては、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法など公知の方法が挙げられる。これらの中でも、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法が好ましい。この際、予め押出し混練した熱可塑性樹脂組成物を用いてもよいし、合成樹脂と、可塑剤等の他の添加剤を、別々に溶媒に溶解して均一な混合液とした後、溶液キャスト法(溶液流延法)や溶融押出法のフィルム成形工程に供してもよい。また、基材層2のリタデーション値及びハードコートフィルム1のリタデーション値を一定に抑えるために、例えば、溶融樹脂を、幅手方向に均一な温度に保たれた冷却ロールと無端ベルトで円弧状に挟み込んで冷却してもよい。
【0050】
溶液キャスト法(溶液流延法)に用いられる溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、及びこれらの混合溶媒などの芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、ジエチルエーテル;などが挙げられる。これら溶媒は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。溶液キャスト法(溶液流延法)を行うための装置としては、例えば、ドラム式キャスティングマシン、バンド式キャスティングマシン、スピンコーターなどが挙げられる。
【0051】
溶融押出法としては、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられる。溶融押出の際のフィルムの成形温度は、好ましくは150℃以上350℃以下、より好ましくは200℃以上300℃以下である。Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や2軸押出機の先端部にTダイを取り付け、フィルム状に押出したフィルムを巻取り、ロール状のフィルムを得ることができる。この際、巻取ロールの温度を適宜調整して、押出方向に延伸を加えることによって、一軸延伸工程とすることも可能である。また、押出方向と垂直な方向にフィルムを延伸する工程を加えることによって、逐次二軸延伸、同時二軸延伸などの工程を加えることも可能である。
【0052】
(ハードコート層3)
ハードコート層3は、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5とを有している。ハードコート層3の厚みとしては、特に限定されないが、21μm以上105μm以下が好ましい。ハードコート層3の厚みの上限値は、82μmがより好ましく、63μmがさらに好ましい。一方、ハードコート層3の厚みの下限値は、32μmがより好ましく、43μmがさらに好ましい。ハードコート層3の厚みが上記上限値を超える場合、カール発生防止作用があまり促進されず、また当該ハードコートフィルム1の薄型化の要求に反するおそれがある。逆に、ハードコート層3の厚みが上記下限値未満である場合、カールの発生を効果的に防止することができないおそれがある。
【0053】
(第一ハードコート層4)
第一ハードコート層4は、基材層2の一方の面に形成される。第一ハードコート層4は、樹脂のみから形成されてもよいし、紫外線防止剤等の添加剤が含有されていてもよい。第一ハードコート層4を構成する主成分としては、特に限定されないが、例えば、活性エネルギー線硬化樹脂や反応性珪素化合物から形成された樹脂等が挙げられる。活性エネルギー線硬化樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等が挙げられる。また、反応性珪素化合物としては、テトラエトキシシラン等が挙げられる。なかでも、第一ハードコート層4の主成分としては、紫外線硬化性樹脂が好ましい。当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の主成分として紫外線硬化性樹脂を用いることによって、製造容易性を向上させることができる。また、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の主成分として紫外線硬化性樹脂を用いることによって、製造時等に基材層2に熱が加えられることによって生じる熱膨張や熱収縮を防止することができ、寸法安定性を向上させることができる。上記紫外線硬化性樹脂としては、ラジカル重合性樹脂、カチオン重合性樹脂等が挙げられる。
【0054】
上記紫外線硬化性樹脂を形成する紫外線重合性化合物としては、紫外線で重合、架橋等の反応により硬化するモノマー又はオリゴマーが用いられる。
【0055】
上記モノマーとしては、ラジカル重合性モノマーやカチオン重合性モノマーが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、ラジカル重合性オリゴマーやカチオン重合性オリゴマーが挙げられる。
【0056】
上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0057】
上記カチオン重合性モノマーとしては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどオキセタン類等が挙げられる。
【0058】
上記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートオリゴマー、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール系オリゴマー、不飽和ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
【0059】
上記カチオン重合性オリゴマーとしては、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂オリゴマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂オリゴマー等が挙げられる。
【0060】
なかでも、第一ハードコート層4に用いられる紫外線硬化性樹脂を形成する紫外線重合性化合物としては、カチオン重合性モノマー又はカチオン重合性オリゴマーが好ましい。当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の主成分として紫外線硬化性樹脂が用いられ、この紫外線硬化性樹脂を形成する紫外線重合性化合物としてカチオン重合性モノマー又はカチオン重合性オリゴマーが用いられることによって、基材層2と第一ハードコート層4との接着性を向上させることができると共に、接着力の経時変化を抑制することができる。また、当該ハードコートフィルム1は、かかる構成によれば、第一ハードコート層4の硬化収縮を防止し、寸法安定性をさらに向上させることができる。
【0061】
また、上記カチオン重合性モノマーとしては、脂環式エポキシド類又はオキセタン類が好ましい。かかる脂環式エポキシド類及びオキセタン類は比較的極性が高く、これらの重合性化合物から得られるカチオン重合性樹脂のガラス転移温度は一般的に高くなる。それゆえ、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4に用いられるカチオン重合性モノマーとして脂環式エポキシド類又はオキセタン類を用いることによって、耐熱性を向上させることができる。
【0062】
上記カチオン重合性樹脂のガラス転移温度としては、特に限定されないが、150℃以上が好ましく、200℃以上がさらに好ましく、220℃以上が特に好ましい。当該ハードコートフィルム1は、カチオン重合性樹脂のガラス転移温度が上記範囲であることによって、耐熱性を著しく向上させることができる。
【0063】
なお、上記モノマー及びオリゴマーは、要求される性能等に応じて、2種以上混合して用いることができる。
【0064】
また、第一ハードコート層4に用いられる紫外線硬化性樹脂を形成する紫外線重合性化合物としては、硬化収縮の低いラジカル重合性化合物も好適に用いられる。かかるラジカル重合性化合物としては、例えば、分子量1000〜3000のポリメタクリロキシプロピルシルセスキオキサンが挙げられる。また、かかるラジカル重合性化合物を有する紫外線硬化性樹脂としては、例えば、特開2008−120845号公報に挙げられるラジカル重合性樹脂も用いられる。
【0065】
第一ハードコート層4に含有される重合開始剤としては、紫外線重合性化合物がラジカル重合性のモノマー又はオリゴマーの場合には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系等の化合物が挙げられる。また、第一ハードコート層4に含有される重合開始剤としては、紫外線重合性化合物がカチオン重合性のモノマー又はオリゴマーの場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が挙げられる。
【0066】
上記重合開始剤の含有量としては、特に限定されないが、紫外線硬化性樹脂に対して1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上6質量%以下がより好ましい。重合開始剤の含有量が上記上限値を超える場合、紫外線硬化性樹脂の重合度が低下し、所望の硬度を得られないおそれがある。逆に、重合開始剤の含有量が上記下限値未満である場合、十分に硬化反応が進行しないおそれがある。
【0067】
また、第一ハードコート層4は、塗工性を向上させるために溶剤を含んでいてもよい。かかる溶剤としては、たとえば、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化グリコールエーテル類などの有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、また必要に応じて数種類を混合して用いてもよい。なお、かかる溶剤は、第一ハードコート層4の製造工程において、蒸発、乾燥することが好ましい。それゆえ、かかる溶剤の沸点は60〜160℃の範囲であることが好ましい。また、上記溶剤の20℃における飽和蒸気圧は0.1〜20kPaの範囲であることが好ましい。溶剤の種類及び含有量については、基材層2の主成分や第一ハードコート層4の主成分、厚み等に応じて適宜調整される。
【0068】
第一ハードコート層4は、紫外線防止剤を含有するとよい。第一ハードコート層4に含有される紫外線防止剤としては、例えば、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等が挙げられる。
【0069】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を挙げることができ、これらの群より選択される1種又は2種以上のものを用いることができる。なかでも、分散性の点から、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤が好ましい。また、上記紫外線吸収剤としては、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーも好適に使用される。かかる分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーを用いることで、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。この紫外線吸収基としては、ベンゾトリアゾール基、ベンゾフェノン基、シアノアクリレート基、トリアジン基、サリシレート基、ベンジリデンマロネート基等が挙げられる。なかでも、ベンゾトリアゾール基、ベンゾフェノン基、トリアジン基が特に好ましい。
【0070】
上記紫外線安定剤としては、例えば、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤が好適に用いられる。第一ハードコート層4が紫外線安定剤を含有することにより、紫外線によって発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。なお、第一ハードコート層4は、紫外線吸収剤及び紫外線安定剤を併用することによれば、紫外線に対する光劣化防止性及び耐候性を格段に向上することができる。
【0071】
第一ハードコート層4の主成分に対する紫外線防止剤の含有量(質量比)としては、特に限定されないが、0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。第一ハードコート層4の主成分に対する紫外線防止剤の含有量の上限は、8質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。一方、第一ハードコート層4の主成分に対する紫外線防止剤の含有量の下限は、1質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の主成分に対する紫外線防止剤の含有量が上記上限を超える場合、第一ハードコート層4の耐久性等が低下するおそれがある。逆に、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の主成分に対する紫外線防止剤の含有量が上記下限未満である場合、第一ハードコート層4が紫外線防止機能を効果的に奏することができないおそれがある。
【0072】
当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4が主成分として紫外線硬化性樹脂を含み、かつ紫外線防止剤を含有することが好ましい。一般に、第一ハードコート層4の主成分が紫外線硬化性樹脂であり、さらに第一ハードコート層4が紫外線防止剤を含有している場合、第一ハードコート層4の硬化速度が遅くなり、生産性が低下する。しかしながら、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の厚みが比較的厚く設定されているため、紫外線防止剤の濃度を小さく抑えても十分な量の紫外線防止剤を第一ハードコート層4に含有させることができる。従って、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4に十分な量の紫外線防止剤を含有させた場合でも、第一ハードコート層4の硬化速度の低下を抑制し、生産性が低下するのを防止することができる。また、当該ハードコートフィルム1は、基材層2の主成分としてポリカーボネート系樹脂が用いられている場合、第一ハードコート層4が紫外線防止剤を含有することによって基材層2の黄変等を効果的に防止することができる。
【0073】
第一ハードコート層4の鉛筆硬度は、第二ハードコート層5の鉛筆硬度よりも低くなるように形成される。第一ハードコート層4の鉛筆硬度としては、第二ハードコート層5の鉛筆硬度よりも低い限り特に限定されないが、F以上2H以下であることが好ましい。当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の鉛筆硬度が上記上限値を超える場合、基材層2及び第一ハードコート層4の硬度差に起因してカールが発生するおそれが高くなる。逆に、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4の鉛筆硬度が上記下限値未満である場合、所望の硬度を奏することができないおそれがある。
【0074】
第一ハードコート層4の厚みは、第二ハードコート層5の厚みの4倍以上20倍以下とされている。第一ハードコート層4の厚みの上限は、第二ハードコート層5の厚みの18倍がより好ましく、16倍がさらに好ましい。また、第一ハードコート層4の厚みの下限は、第二ハードコート層5の厚みの6倍がより好ましく、8倍がさらに好ましい。第一ハードコート層4の厚みが上記上限を超える場合、カール発生防止作用があまり促進されないおそれがある。逆に、第一ハードコート層4の厚みが上記下限未満である場合、カールの発生を効果的に防止することができないおそれがある。
【0075】
また、第一ハードコート層4の厚みとしては、特に限定されないが、20μm以上100μm以下が好ましい。第一ハードコート層4の厚みの上限値は、80μmがより好ましく、60μmがさらに好ましい。一方、第一ハードコート層4の厚みの下限値は、30μmがより好ましく、40μmがさらに好ましい。第一ハードコート層4の厚みが上記上限値を超える場合、カール発生防止作用があまり促進されず、また当該ハードコートフィルム1の薄型化の要求に反するおそれがある。逆に、第一ハードコート層4の厚みが上記下限値未満である場合、カールの発生を効果的に防止することができないおそれがある。
【0076】
第一ハードコート層4の引張り弾性率としては、特に限定されないが、1GPa以上4GPa以下であることが好ましい。また、第一ハードコート層4の引張り弾性率の上限値としては、3.5GPaがより好ましく、3GPaがさらに好ましい。一方、第一ハードコート層4の引張り弾性率の下限値としては、1.5GPaがより好ましく、2GPaがさらに好ましい。第一ハードコート層4の引張り弾性率が上記上限値を超える場合、カールの発生を効果的に防止することができないおそれがある。逆に、第一ハードコート層4の引張り弾性率が上記下限値未満である場合、当該ハードコートフィルム1を所望の硬度に形成することが困難になるおそれがある。なお、本発明における「引張り弾性率」とは、JIS K7113に準拠して測定した値である。
【0077】
また、第一ハードコート層4は、引張り弾性率に厚みの三乗を乗じた値が20kPa・mm以上500kPa・mm以下であることが好ましく、40kPa・mm以上400kPa・mm以下であることがより好ましく、60kPa・mm以上300kPa・mm以下であることがさらに好ましい。第一ハードコート層4の引張り弾性率に厚みの三乗を乗じた値が上記上限値を超える場合、第一ハードコート層4の剛直性が大きくなり過ぎ、当該ハードコートフィルム1をロール状に保持するのが困難になるおそれがある。逆に、第一ハードコート層4の引張り弾性率に厚みの三乗を乗じた値が上記下限値未満である場合、第一ハードコート層4が変形しやすくなり、基材層2に加えられる応力が大きくなるおそれがある。
【0078】
第一ハードコート層4の一方の面側の表面の算術平均粗さ(Ra)としては、特に限定されないが、0.5μm以上8μm以下が好ましい。第一ハードコート層4の一方の面側の表面の算術平均粗さ(Ra)の上限値は、7μmがより好ましく、6μmがさらに好ましい。一方、第一ハードコート層4の一方の面側の表面の算術平均粗さ(Ra)の下限値は、1μmがより好ましく、2μmが特に好ましい。第一ハードコート層4の一方の面側の表面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限値を超える場合、第一ハードコート層4の一方の面側に形成される第二ハードコート層5の厚みが厚くなるおそれがある。逆に、第一ハードコート層4の一方の面側の表面の算術平均粗さ(Ra)が上記下限値未満である場合、第一ハードコート層4の一方の面側の表面積が十分に増大しないため第二ハードコート層5との接着性が低下するおそれがある。これに対し、第一ハードコート層4の一方の面側の表面の算術平均粗さ(Ra)が上記範囲内である場合、第二ハードコート層5の厚みを好適に保ちつつ、かつ第一ハードコート層4と第二ハードコート層5との接着性を効果的に向上させることができる。
【0079】
また、第一ハードコート層4の一方の面側の表面の十点平均粗さ(Rz)としては、特に限定されないが、0.5μm以上10μm以下が好ましい。第一ハードコート層4の一方の面側の表面の十点平均粗さ(Rz)の上限値は、9μmがより好ましく、8μmがさらに好ましい。一方、第一ハードコート層4の一方の面側の表面の十点平均粗さ(Rz)の下限値は、1μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。第一ハードコート層4の一方の面側の表面の十点平均粗さ(Rz)が上記上限を超える場合、第二ハードコート層5の厚みが厚くなるおそれが高くなる。逆に、第一ハードコート層4の一方の面側の表面の十点平均粗さ(Rz)が上記下限未満の場合、第一ハードコート層4の一方の面側の表面積が十分に増大しないため第二ハードコート層5との接着性が低下するおそれがある。なお、「算術平均粗さ(Ra)」及び「十点平均粗さ(Rz)」は、JIS B0601−2001に準じた値である。
【0080】
第一ハードコート層4製造方法は、特に限定されないが、基材層2の一方の面に活性エネルギー線硬化樹脂を塗布し、乾燥させ、活性エネルギー線照射させることにより製造することができる。活性エネルギー線硬化樹脂の塗布方法としては、基材層2の一方の面に活性エネルギー線硬化樹脂を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレー法、スライドコート法、ディップ法、バーコート法、ロールコーター法、スクリーン印刷法等、種々の方法を挙げることができる。また、第一ハードコート層4の製造に当たっては、必要に応じて、前処理として、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下におけるプラズマ処理等の表面改質処理を行ってもよい。また、基材層2の一方の面にアンダーコート層を積層して、このアンダーコート層を介して第一ハードコート層4を積層してもよい。
【0081】
(第二ハードコート層5)
第二ハードコート層5は、第一ハードコート層4の一方の面に形成される。第二ハードコート層5を形成する材料としては、特に限定されない。第二ハードコート層5は、樹脂のみから形成されてもよいし、その中にシリカ微粒子等の添加剤が含有されてもよい。
【0082】
第二ハードコート層5を形成する樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂や、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。
【0083】
第二ハードコート層5は、例えば、活性エネルギー線硬化樹脂の重合性モノマーや重合性オリゴマーを含む塗布組成物を第一ハードコート層4の一方の面上に塗布し、重合性モノマーや重合性オリゴマーを架橋反応及び/又は重合反応させることにより形成することができる。
【0084】
かかる活性エネルギー線硬化性の重合性モノマーや重合性オリゴマーの官能基としては、紫外線、電子線又は放射線重合性のものが好ましく、紫外線重合性官能基が特に好ましい。紫外線重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等のエチレン性不飽和重合性官能基等を挙げることができる。
【0085】
上記塗布組成物としては、特に限定されないが、アクリルモノマー又はウレタンアクリレートオリゴマーを主成分とするものが好ましい。第二ハードコート層5は、これらのモノマー又はオリゴマーを主成分とする組成物から形成されることで、硬度を高めることができる。なかでも、第二ハードコート層5は、ウレタンアクリレートと(メタ)アクリレートとを共に含有する組成物から形成されることが特に好ましい。
【0086】
第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量としては、45質量%以上99質量%以下が好ましく、50質量%以上95質量%以下がさらに好ましく、60質量%以上90質量%以下が特に好ましい。第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量が上記上限を超えると光重合の開始が遅くなり生産性が低下するおそれがある。また、第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量が上記下限未満であると、柔軟性、耐摩耗性、耐擦傷性等が低下するおそれがある。一方、第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量が上記範囲内であると、生産性を高めつつ、柔軟性、耐摩耗性、耐擦傷性等を好適に保つことができる。
【0087】
上記ウレタンアクリレートとしては、特に限定されるものではなく、モノマー又はオリゴマーのいずれであってもよい。また、ウレタンアクリレートの官能基数としては、特に限定されるものではなく、単官能であっても多官能であってもよいが、2官能以上6官能以下であることが好ましく、2官能以上3官能以下であることがさらに好ましい。第二ハードコート層5は、ウレタンアクリレートの官能基数を上記範囲内とすることで、硬度と伸び率とのバランスを好適に保つことができる。ウレタンアクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0088】
ウレタンアクリレートから形成される樹脂のガラス転移温度としては、特に限定されないが、40℃以上100℃以下が好ましく、40℃以上80℃以下がさらに好ましい。ウレタンアクリレートから形成される樹脂のガラス転移温度が上記範囲内であることにより、常温下での第二ハードコート層5の硬度及び耐久性を向上させることができる。
【0089】
第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレートの含有量としては、特に限定されないが、10質量%以上90質量%以下が好ましく、15質量%以上85質量%以下がさらに好ましく、20質量%以上80質量%以下が特に好ましい。第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレートの含有量が上記上限を超えると、耐摩耗性及び塗膜硬度が低下するおそれがある。また、第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレートの含有量が上記下限未満であると、柔軟性が低下し、割れを発生するおそれが高くなる。一方、第二ハードコート層5を形成するウレタンアクリレートの含有量が上記範囲内であると、耐摩耗性及び塗膜硬度を好適に保ちつつ、適度な柔軟性を保持し、割れの発生を抑制することができる。
【0090】
上記(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではなく、モノマー又はオリゴマーのいずれであってもよい。かかる(メタ)アクリレートの官能基数としては、特に限定されるものではなく、単官能であっても多官能であってもよい。なお、第二ハードコート層5は、3官能以上の(メタ)アクリレートを使用することにより耐久性を向上することができる。また、かかる(メタ)アクリレートは、極性基を有する分子構造でもよいし低極性の分子構造でもよい。(メタ)アクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0091】
(メタ)アクリレートの極性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等を挙げることができる。
【0092】
水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシル基含有エステル等が挙げられる。
【0093】
カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸の他、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0094】
アミノ基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステル等が挙げられる。
【0095】
アミド基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド類等が挙げられる。
また、低極性の分子構造の(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリル酸脂環式エステル又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0096】
かかる(メタ)アクリル酸脂環式エステルとしては、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0097】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールアクリレートが挙げられる。
【0098】
第二ハードコート層5を形成する(メタ)アクリレートの含有量としては、特に限定されないが、5質量%以上85質量%以下が好ましく、10質量%以上80質量%以下がさらに好ましく、15質量%以上75質量%以下が特に好ましい。第二ハードコート層5を形成する(メタ)アクリレートの含有量が上記上限を超えると、成型時に割れが発生するおそれが高くなる。また、第二ハードコート層5を形成する(メタ)アクリレートの含有量が上記下限未満であると、耐摩耗性及び塗膜硬度が低下するおそれがある。一方、第二ハードコート層5を形成する(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であると、耐摩耗性及び塗膜硬度を好適に保ちつつ、適度な柔軟性を保持し、割れの発生を抑制することができる。
【0099】
上記重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。なお、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
【0100】
第二ハードコート層5の鉛筆硬度としては、3H以上とされている。第二ハードコート層5の鉛筆硬度は、4H以上がより好ましく、5H以上がさらに好ましい。第二ハードコート層5の鉛筆硬度が上記下限値未満である場合、当該ハードコートフィルム1を所望の硬度に形成するのが困難になるおそれがある。
【0101】
第二ハードコート層5の厚みとしては、1μm以上10μm以下とされている。第二ハードコート層5の厚みの上限値は、8μmがより好ましく、6μmがさらに好ましい。一方、第二ハードコート層5の厚みの下限値は、2μmがより好ましく、3μmがさらに好ましい。第二ハードコート層5の厚みが上記上限を超える場合、カールの発生を効果的に防止することができず、また当該ハードコートフィルム1の薄型化の要求に反するおそれがある。逆に、第二ハードコート層5の厚みが上記下限値未満である場合、当該ハードコートフィルム1を所望の硬度に形成するのが困難になるおそれがある。
【0102】
第二ハードコート層5の引張り弾性率としては、特に限定されないが、1.5GPa以上6GPa以下であることが好ましい。また、第二ハードコート層5の引張り弾性率の上限値は、5.5GPaがより好ましく、5GPaがさらに好ましい。一方、第二ハードコート層5の引張り弾性率の下限値は、2GPaがより好ましく、2.5GPaがさらに好ましい。第二ハードコート層5の引張り弾性率が上記上限を超える場合、カールの発生を効果的に防止するのが困難になるおそれがある。逆に、第二ハードコート層5の引張り弾性率が上記下限値未満である場合、当該ハードコートフィルム1を所望の硬度に形成するのが困難になるおそれがある。
【0103】
また、第二ハードコート層5の引張り弾性率と第一ハードコート層4の引張り弾性率との比としては、特に限定されないが、1.5以上4以下であることが好ましい。第二ハードコート層5の引張り弾性率と第一ハードコート層4の引張り弾性率との比の上限は、3.5がより好ましく、3がさらに好ましい。一方、第二ハードコート層5の引張り弾性率と第一ハードコート層4の引張り弾性率との比の下限は、1.7がより好ましく2がさらに好ましい。第二ハードコート層5の引張り弾性率と第一ハードコート層4の引張り弾性率との比が上記上限を超える場合、カールの発生を効果的に防止するのが困難になるおそれがある。逆に、第二ハードコート層5の引張り弾性率と第一ハードコート層4の引張り弾性率との比が上記下限未満である場合、当該ハードコートフィルム1の硬度を効果的に高めることができないおそれがある。
【0104】
第二ハードコート層5の製造方法は、特に限定されないが、第一ハードコート層4と同様の方法によることができる。
【0105】
〈ハードコートフィルム1〉
当該ハードコートフィルム1のヘイズ値としては、特に限定されないが、2%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましい。当該ハードコートフィルム1は、ヘイズ値が上記上限値を超える場合、映像の視認性が低下し、表示される映像の鮮明度が低下するおそれがある。
【0106】
当該ハードコートフィルム1の可視光線透過率としては、特に限定されないが、87%以上が好ましく、90%以上がさらに好ましい。当該ハードコートフィルム1は、可視光線透過率が上記範囲未満である場合、可視光線を十分に透過させることができず、視認性を低下させるおそれがある。
【0107】
当該ハードコートフィルム1は、基材層2と第二ハードコート層5との間に、第二ハードコート層5よりも鉛筆硬度の低い第一ハードコート層1が配設されている。それゆえ、当該ハードコートフィルム1は、基材層2と第二ハードコート層5との硬度差に起因してカールが発生するのを防止しつつ、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5とによって、当該ハードコートフィルム1の一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。特に、当該ハードコートフィルム1は、第二ハードコート層5の厚みを上記範囲とし、かつ第二ハードコート層5の厚みに対する第一ハードコート層1の厚みを上記範囲に保つことによって、第二ハードコート層5の鉛筆硬度が比較的高いことに起因してカールが発生するのを第一ハードコート層4により好適に抑制することができる。さらに、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4が比較的厚く形成されている。それゆえ、当該ハードコートフィルム1は、第一ハードコート層4によって、カールの発生を防止するための緩衝機能を効果的に果たすことができ、かつ当該ハードコートフィルム1の一方の面側の硬度を好適に高めることができる。その結果、当該ハードコートフィルム1は、第二ハードコート層5を比較的薄く形成しても、第一ハードコート層4が比較的厚く形成されていることと相俟って、所望の硬度を奏することができる。
【0108】
当該ハードコートフィルム1は、ポリカーボネート系樹脂やシクロオレフィン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂等、比較的硬度が低く、カールを発生しやすい樹脂を基材層2の主成分として用いた場合であっても、カールの発生を防止し、当該ハードコートフィルム1の一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。当該ハードコートフィルム1は、基材層2の主成分としてポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いることによって、面内リタデーション値(Ro)及び厚さ方向リタデーション値(Rth)を容易に小さくすることができる。当該ハードコートフィルム1は、基材層2がポリカーボネート系樹脂を主成分とすることで耐衝撃性を向上させることができる。また、当該ハードコートフィルム1は、基材層2がシクロオレフィン系樹脂を主成分とすることで、直射日光やディスプレイの発熱等の外力によって生じる位相差の変化を効果的に抑えることができ、光学的均一性に優れ、精細な映像表示を行うことができる。当該ハードコートフィルム1は、基材層2がポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とすることで、より効果的に硬度を高めることができる。
【0109】
[第二実施形態]
〈ハードコートフィルム11〉
図2のハードコートフィルム11は、基材層2と、ハードコート層3と、高屈折率層12とを有している。本実施形態における基材層2及びハードコート層3は、図1のハードコートフィルム1と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
【0110】
(高屈折率層12)
高屈折率層12は、基材層2の他方の面に形成されている。高屈折率層12の主成分としては、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。なお、これらの樹脂に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることができる。
【0111】
また、高屈折率層12は、高い屈折率を有する超微粒子をバインダー樹脂に添加した塗料組成物を塗工することによって形成することもできる。上記超微粒子としては、例えばZnO、TiO、CeO2、SnO2、ITO、Cs0.33WO3、Al23、La23、ZrO2、Y23等の無機材料が挙げられる。一方、上記バインダー樹脂としては、例えば、第二ハードコート層5の形成樹脂と同様のものが挙げられる。高屈折率層12は、これらの無機材料を超微粒子化してバインダー樹脂中に分散して溶剤に稀釈したうえ、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知の塗布方法によって形成することができる。
【0112】
上記超微粒子の平均粒径としては、特に限定されないが、1nm以上100nm以下が好ましい。上記超微粒子の平均粒径の上限値は、80nmがより好ましく、60nmがさらに好ましい。一方、上記超微粒子の平均粒径の下限値は、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましい。上記超微粒子の平均粒径が上記上限値を超える場合、高屈折率層12の透明性が低下するおそれがある。逆に、上記超微粒子の平均粒径が上記下限値未満の場合、超微粒子の分散性が低下するおそれがある。
【0113】
上記超微粒子のバインダーに対する含有量としては、特に限定されないが、例えば10質量%以上60質量%以下とすることができる。
【0114】
高屈折率層12の屈折率としては、特に限定されないが、1.6以上2.3以下が好ましい。高屈折率層12の屈折率の上限値は、2.25がより好ましく、2.2がさらに好ましい。一方、高屈折率層12の屈折率の下限値は、1.7がより好ましく、1.8がさらに好ましい。高屈折率層12の屈折率が上記範囲内でない場合、当該ハードコートフィルム11の高屈折率層12をタッチパネル等の透明導電層に積層した場合に、高屈折率層12の屈折率と透明導電層の屈折率との差が大きくなり、透明導電層に形成される電極パターンの視認性が向上されるおそれが高くなる。
【0115】
高屈折率層12の鉛筆硬度としては、特に限定されないが、F以上2H以下が好ましい。高屈折率層12の鉛筆硬度の上限値は、Hがより好ましい。一方、高屈折率層12の鉛筆硬度の下限値は、HBがより好ましい。また、高屈折率層12の厚みとしては、特に限定されないが、50nm以上10μm以下が好ましい。高屈折率層12の厚みの上限値は、7μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。一方、高屈折率層12の厚みの下限値は、100nmがより好ましく、200nmがさらに好ましい。高屈折率層12の鉛筆硬度及び厚みが上記上限値を超える場合、カールが発生するおそれが高くなると共に、当該ハードコートフィルム11の薄型化の要求に反するおそれがある。逆に、高屈折率層12の鉛筆硬度及び厚みが上記下限値未満である場合、基材層2の他方の面側の硬度を好適に高めることができないおそれがある。これに対し、高屈折率層12の鉛筆硬度及び厚みが上記範囲内である場合、基材層2の他方の面側の硬度を好適に高め、かつカールの発生を防止しすることができると共に、当該ハードコートフィルム11の薄型化を促進することができる。
【0116】
当該ハードコートフィルム11は、基材層2の他方の面側に形成される高屈折率層12を備えているので、基材層2の他方の面側の屈折率を向上させることができる。なお、当該ハードコートフィルム11のヘイズ値及び可視光線透過率については、ハードコートフィルム1と同様である。
【0117】
[第三実施形態]
〈透明導電性積層体21〉
図3の透明導電性積層体21は、ハードコートフィルム11と、透明導電層22とを有している。本実施形態におけるハードコートフィルム11は、図2のハードコートフィルム11と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
【0118】
(透明導電層22)
透明導電層22は、高屈折率層12の他方の面に積層される。透明導電層22の形成材料としては、透明性と導電性とを有する導電性材料であれば特に限定されないが、無機系金属や有機導電高分子が挙げられる。無機系金属としては、例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)が挙げられる。有機導電高分子としては、例えばポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリキノキサリン等を用いた有機導電性組成物が挙げられる。なかでも、光学特性、外観及び導電性が良好なITO又はポリチオフェン系材料が好ましい。
【0119】
透明導電層22の形成材料を高屈折率層12上に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知の塗布方法によることができる。また、透明導電層22の形成材料を塗布するに当たっては、高屈折率層12との密着性を向上させるため、予め高屈折率層12上にコロナ放電処理等の前処理を施してもよい。
【0120】
透明導電層22の形成材料の硬化方法としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の活性エネルギー線源等によることができる。また、活性エネルギー線の照射量としては、紫外線の波長365nmでの積算光量として50mJ/cm以上5000mJ/cm以下であることが好ましい。照射量が上記上限値を超える場合、活性エネルギー線硬化型樹脂が着色するおそれがある。逆に照射量が上記下限値未満である場合、硬化が不十分となるおそれがある。
【0121】
また、透明導電層22は、スパッタリング法等のドライプロセスによって形成することもできる。透明導電層22の形成方法としては、高屈折率層12との密着性や薄型化の観点からスパッタリング法によるのが好ましい。
【0122】
上記スパッタリング法で形成される場合の透明導電層22の厚みとしては、特に限定されないが、50Å以上2000Å以下が好ましい。上記スパッタリング法で形成される場合の透明導電層22の厚みの上限値は、1000Åが好ましく、500Åがさらに好ましい。一方、上記スパッタリング法で形成される場合の透明導電層22の厚みの下限値は、70Åがより好ましく、90Åがさらに好ましい。透明導電層22の厚みが上記範囲内である場合、導電性及び透明性の双方を好適に保つことができる。また、当該透明導電性積層体21は、ハードコートフィルム11の厚みが比較的厚くなった場合でも、透明導電層22をスパッタリング法で形成し、透明導電層22の厚みを上記範囲内とすることによって、薄型化を促進することができる。
【0123】
当該透明導電性積層体21は、ハードコートフィルム11を有しているので、ハードコートフィルム11にカールが発生するのを好適に防止し、かつハードコートフィルム11の一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。また、当該透明導電性積層体21は、高屈折率層12の屈折率と透明導電層の屈折率とを近づけることによって、例えばタッチパネルに用いられる場合、透明導電層22に形成される電極パターンの視認性を低下させることができる。
【0124】
高屈折率層12の屈折率と、透明導電層22の屈折率との差としては、特に限定されないが、0.6以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。当該透明導電性積層体21は、高屈折率層12の屈折率と、透明導電層22の屈折率との差が上記範囲内であることによって、透明導電層22に形成される電極パターンの視認性をさらに低下させることができる。
【0125】
[第四実施形態]
〈タッチパネル31〉
図4のタッチパネル31は、静電容量方式のタッチパネルとして形成されている。タッチパネル31は、透明導電性積層体21と、ガラス基板32と、粘着層33とを有している。本実施形態における透明導電性積層体21は、図3の透明導電性積層体21と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
【0126】
透明導電性積層体21は、粘着層33を介してガラス基板32に積層されている。粘着層33としては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の公知の粘着性樹脂を用いた粘着層が挙げられる。タッチパネル31は、ハードコートフィルム11が透明導電層22の表面側(視認者側)になるように配設されている。
【0127】
当該タッチパネル31は、ハードコートフィルム11を備えているので、ハードコートフィルム11にカールが発生するのを好適に防止し、かつハードコートフィルム11の一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。また、当該タッチパネル31は、高屈折率層12の屈折率と透明導電層22の屈折率とを近づけることによって、透明導電層22に形成される電極パターンの視認性を低下させることができる。
【0128】
[第五実施形態]
〈タッチパネル41〉
図5のタッチパネル41は、抵抗膜方式のタッチパネルとして形成されている。タッチパネル41は、透明導電性積層体21と、複数のドットスペーサ42と、柱状スペーサ43と、透明導電層44と、高屈折率層45と、ガラス基板46とを有している。タッチパネル41は、ハードコートフィルム11が透明導電層22の表面側になるように配設されている。
【0129】
複数のドットスペーサ42は、透明導電層44の表面に形成されている。ドットスペーサ42の形成材料としては、例えば、エポキシ樹脂やシリコーンなどの絶縁樹脂が挙げられる。柱状スペーサ43は、透明導電層22及び透明導電層44間に配設されている。柱状スペーサ43の形成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂等の絶縁樹脂が挙げられる。柱状スペーサ43は、透明導電層22の裏面側辺縁部に固定され、かつ透明導電層44の表面側辺縁部に固定されている。柱状スペーサ43は、透明導電層22及び透明導電層44を互いに離間させるように配設されている。透明導電層44は、透明導電層22と同様の方法によって、高屈折率層45表面に積層される。透明導電層44の形成材料としては、特に限定されるものではなく、透明導電層22と同様の形成材料が挙げられる。高屈折率層45は、ガラス基板46の表面に積層されている。高屈折率層45の形成材料としては、特に限定されるものではなく、高屈折率層12と同様の形成材料が挙げられる。高屈折率層45の積層方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着層(図示せず)を介してガラス基板46の表面に積層される。
【0130】
当該タッチパネル41は、ハードコートフィルム11を備えているので、ハードコートフィルム11にカールが発生するのを好適に防止し、かつハードコートフィルム11の一方の面側の硬度を効果的に高めることができる。また、当該タッチパネル41は、高屈折率層12の屈折率と透明導電層22の屈折率とを近づけることによって、透明導電層22に形成される電極パターンの視認性を低下させることができる。
【0131】
[他の実施形態]
なお、本発明のハードコートフィルム、このハードコートフィルムを備える透明導電性積層体、及びこの透明導電性積層体を備えるタッチパネルは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、当該ハードコートフィルムは、他方の面側に粘着層が形成されていてもよい。かかる粘着層としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の公知の粘着性樹脂を用いた粘着層が挙げられる。粘着層は、粘着剤溶液を基材層又は高屈折率層の他方の面側に塗布して乾燥させることによって形成することができる。また、粘着層は、粘着剤溶液を予めセパレータの片面に塗布して乾燥させておいたうえ、基材層又は高屈折率層と貼り合わせることによって形成することもできる。
【0132】
また、当該ハードコートフィルムは、第二ハードコート層中に、ZnO、TiO、CeO2、SnO2、ITO、Cs0.33WO3、Al23、La23、ZrO2、Y23等の超微粒子を分散含有させて屈折率を向上させてもよい。当該ハードコートフィルムは、かかる構成によれば、第二ハードコート層の屈折率と透明導電層の屈折率とを近づけることができる。従って、当該ハードコートフィルムは、透明導電層を第二ハードコート層上に配設することで、透明導電層に形成される電極パターンの視認性を低下させることができる。
【0133】
当該ハードコートフィルムは、第二ハードコート層上に他の層(例えば、UV吸収層、帯電防止層及び反射防止層等)が積層されてもよい。当該ハードコートフィルムは、基材層と第一ハードコート層との間、第一ハードコート層と第二ハードコート層との間、又は基材層と高屈折率層との間に中間層を備えていてもよい。当該ハードコートフィルムは、基材層の他方の面に側にも第一ハードコート層及び第二ハードコート層がこの順で形成されていてもよい。当該ハードコートフィルムは、静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式等、種々のタッチパネルに使用することができる。当該ハードコートフィルムは、タッチパネルの他、立体映像表示装置等、種々の液晶表示モジュールに使用することができる。当該ハードコートフィルムは、透明導電層に積層される以外にも種々の光学部材や建材、雑貨等の部材表面を強化するために使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
以上のように、本発明のハードコートフィルム及びこのハードコートフィルムを備える透明導電性積層体、並びにこの透明導電性積層体を備えるタッチパネルは、当該ハードコートフィルムの硬度を向上させることができ、かつカールの発生を効果的に防止することができ、タッチパネルその他種々の液晶表示モジュールに好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0135】
1 ハードコートフィルム
2 基材層
3 ハードコート層
4 第一ハードコート層
5 第二ハードコート層
11 ハードコートフィルム
12 高屈折率層
21 透明導電性積層体
22 透明導電層
31 タッチパネル
32 ガラス基板
33 粘着層
41 タッチパネル
42 ドットスペーサ
43 柱状スペーサ
44 透明導電層
45 高屈折率層
46 ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基材層と、
この基材層の一方の面側に形成される第一ハードコート層と、
この第一ハードコート層の一方の面側に形成される第二ハードコート層と
を備え、
上記第二ハードコート層の鉛筆硬度が3H以上であり、
上記第一ハードコート層の鉛筆硬度が第二ハードコート層の鉛筆硬度よりも低く、
上記第二ハードコート層の厚みが1μm以上10μm以下であり、
上記第一ハートコート層の厚みが第二ハードコート層の厚みの4倍以上20倍以下であるハードコートフィルム。
【請求項2】
上記第一ハードコート層の鉛筆硬度がF以上2H以下である請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項3】
上記第一ハードコート層の厚みが20μm以上100μm以下である請求項1又は請求項2に記載のハードコートフィルム。
【請求項4】
上記基材層の主成分が、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のハードコートフィルム。
【請求項5】
上記基材層の面内リタデーション値(Ro)が100nm以下であり、かつ厚さ方向リタデーション値(Rth)が200nm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
【請求項6】
上記第一ハードコート層の主成分が紫外線硬化性樹脂である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
【請求項7】
上記紫外線硬化性樹脂がカチオン重合性樹脂である請求項6に記載のハードコートフィルム。
【請求項8】
上記第一ハードコート層が紫外線防止剤を含有する請求項6又は請求項7に記載のハードコートフィルム。
【請求項9】
上記基材層の他方の面側に形成される高屈折率層を備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
【請求項10】
上記高屈折率層の屈折率が1.6以上2.3以下である請求項9に記載のハードコートフィルム。
【請求項11】
請求項10に記載のハードコートフィルムと、
このハードコートフィルムの高屈折率層の他方の面に積層される透明導電層と
を備える透明導電性積層体。
【請求項12】
上記高屈折率層の屈折率と、上記透明導電層の屈折率との差が0.6以下である請求項11に記載の透明導電性積層体。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載の透明導電性積層体を備えるタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−101177(P2013−101177A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243537(P2011−243537)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000165088)恵和株式会社 (63)
【Fターム(参考)】