ハードコートフィルム

【課題】優れた表面硬度を有するとともに、基材との高い密着性を有し、耐カール性に優れ、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】透明基材フィルム2上にハードコート層3を設け、ハードコート層は多官能アクリルモノマー(A)、多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)、光ラジカル重合開始剤(C)、無機微粒子(D)を含む組成物から形成され、重合反応後該(A),(B)に含まれる炭素二重結合の赤外分光スペクトルピークP1と炭素-酸素二重結合の赤外分光スペクトルP2の割合P1/P2を0.100〜0.200とし、該(A),(B)の合計に対し、該(B)の添加量を40〜60重量%、該(C)の添加量を0.01〜15重量%、ハードコート層厚を5〜7μm、該(D)の粒径が40nm〜80且つ該(D)の添加量が全固形分に対し10〜30重量%とするハードコートフィルム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば陰極管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)のようなディスプレイの表面を保護する目的で利用される、ハードコートフィルムに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、優れた表面硬度を有するとともに、基材との高い密着性を有し、耐カール性に優れ、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ用偏光板保護フィルム、有機ELディスプレイ等に用いられる円偏光板の保護フィルムは、様々な機能を持たせるために樹脂層が形成されている。例えば帯電防止機能を持たせるための帯電防止層、反射を抑えるための反射防止層、表面硬度を向上させるためのハードコート層といったものである。特にハードコート層についてはディプレイ用途では必須になっており、ハードコート層単層で用いるだけでなく反射防止層の下層の役割も果たしており重要な技術となっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、熱可塑性ノルボルネン系樹脂で形成された基材の表面に碁盤目剥離試験での密着性が100目中50目以上であるシリコーン系ハードコート層を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成る成形品が開示され、特許文献2には、重合性官能基を有する1種以上の有機成分と無機フィラーとを含む塗膜成分から形成されており、該有機成分の少なくとも1種が水素結合形成基を有しないものであることを特徴とするプラスチック基材フィルム用ハードコート膜が開示され、特許文献3には、透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に硬化塗膜層であるハードコート層を有するハードコートフィルムであって、ハードコート層形成材料が、多官能ウレタンアクリレート(A)、イソシアヌル酸アクリレート(B)および無機の超微粒子(C)を含むことを特徴とするハードコートフィルムが開示され、特許文献4には、多官能(メタ)アクリルモノマー(A)と、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー(B)と、光ラジカル重合開始剤(C)と、加熱処理によりイソシアネート基を生成するブロックイソシアネート化合物(D)とを含有するハードコート層形成用組成物を用いたハードコートフィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−97468号公報
【特許文献2】特開2000−159916号公報
【特許文献3】特開2006−106427号公報
【特許文献4】特開2008−231163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記偏光板の保護機能としてのハードコート層を備えるハードコートフィルムは近年高硬度化の需要が非常に高くなっている。しかしながら、これら偏光板の保護フィルム用ハードコートフィルム基材として主にセルロースエステル系のフィルムが用いられるが、このフィルム基材は軟質であるため、ハードコートフィルムとしての高硬度化は非常に困難である。
【0006】
高硬度を実現するために多官能モノマーを使用することが多く、重合時に硬化収縮を起こし、フィルム自体が極度にカールしてしまうという問題がある。ハードコートフィルムの極度のカールは偏光板への貼合時に作業性を悪化させる要因となっている。また、ハードコートフィルムはロールtoロールの塗工プロセスで加工されており、ロールの状態で保存される。この保存時にブロッキングを起こす場合がある。ブロッキング対策として撥水剤等を添加することでハードコートフィルム界面のすべり性を付与したり、微粒子を添加することでハードコートフィルム界面に物理的な空間をつくることでブロッキングの防止を図っていることが多い。しかしながら、ハードコートフィルム界面のすべり性を向上した場合、ハードコート上にリコート加工することが困難になったり、ロールの巻きズレを起こす要因となる。また、微粒子の添加はハードコート層のヘイズを高める傾向にあり透過性を落とす要因となり得る。添加剤を使用する際は添加量の最適化が必要となる。
【0007】
本発明は、優れた表面硬度を有するとともに、基材との高い密着性を有し、耐カール性に優れ、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0009】
すなわち請求項1に記載の発明は、透明基材フィルム上にハードコート層を設けてなるハードコートフィルムであって、
該ハードコート層は多官能アクリルモノマー(A)と多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)と、光ラジカル重合開始剤(C)と、無機微粒子(D)とを含む組成物から形成され、重合反応後、該(A)および(B)に含まれるC=C炭素二重結合の赤外分光スペクトルピークP1とC=O炭素-酸素二重結合の赤外分光スペクトルP2の割合P1/P2が0.100以上0.200以下であり、
前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の添加量が、前記多官能アクリルモノマー(A)と前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計に対し、40〜60重量%であり、
前記光ラジカル重合開始剤(C)の添加量が、前記多官能アクリルモノマー(A)と前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計に対し、0.01〜15重量%であり、
前記ハードコート層が5〜7μmであり、
前記無機微粒子(D)の粒径が40nm〜80nmであり、且つ、前記無機微粒子(D)の添加量が全固形分に対し10〜30重量%であることを特徴とするハードコートフィルムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、優れた表面硬度を有するとともに、基材との高い密着性を有し、耐カール性に優れ、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のハードコートフィルムの一実施形態を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。 なお、本発明のハードコート層を形成する下記(A)〜(D)成分を含有する組成物を、ハードコート層形成用組成物という。
【0013】
本発明で使用する多官能アクリルモノマー(A)とは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートおよびポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌル酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得る。また、これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。好適はペンタエリスリトールトリアクリレート、あるいはジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
【0014】
なお、本発明において「アクリルモノマー」とは「メタクリルモノマー」についても示している。たとえば、「多官能アクリルモノマー」は「多官能メタクリルモノマー」の両方を示している。
【0015】
本発明にて好ましい多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)としては、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有するアクリレートモノマーを反応させ容易に形成されるものを挙げることができる。
【0016】
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、などを用いることができる。
【0017】
市販されている多官能アクリルモノマー(A)としては三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、ナガセケムテックス株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村化学工業株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”シリーズなど)、東亜合成株式会社;(商品名“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
【0018】
市販されている多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)としては、共栄社化学株式会社;UA−306H、UA−306T、UA−306I等、日本合成化学工業株式会社;UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学工業株式会社;U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー株式会社;Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業株式会社;UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を利用することができる。
【0019】
前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の使用割合は、前記多官能アクリルモノマー(A)と、前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計に対して40〜60重量%が好ましい。前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の使用割合が40重量%を未満の場合には、多官能アクリルモノマー(A)の硬化収縮により、硬化被膜側にフィルムが大きくカールするなどの不都合を招く場合がある。また、前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の使用割合が60重量%を超える場合には、十分な硬度を有するハードコート層を得るという点で不十分な場合があり、形成されるハードコート層の鉛筆硬度が低下するなどの不都合を招く場合がある。
【0020】
本発明で使用する光ラジカル重合開始剤(C)としては、電離放射線を照射することでラジカルを発生し、多官能アクリルモノマーの重合反応を開始する化合物が好ましい。
【0021】
光ラジカル重合開始剤(C)の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
【0022】
本発明の光ラジカル重合開始剤(C)の使用量は、ハードコート層形成用組成物の前記多官能アクリルモノマー(A)と、前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計に対して、0.01〜15重量%が適当である。0.01重量%よりも少ない場合は電離放射線を照射した際に十分な硬化反応が進行せず、15重量%を超える場合はハードコート層下部まで十分に電離放射線が届かなくなってしまう。
【0023】
本発明の無機微粒子(D)としてはシリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)ナトリウム等の金属フッ素微粒子などが挙げられる。金属微粒子、金属硫化物微粒子、金属窒化物微粒子等を用いることができる。
【0024】
硬度が高い点からは、シリカ、酸化アルミニウムが好ましい。また、相対的に高屈折率層とするためには、ジルコニア、チタニア、酸化アンチモン等の膜形成時に屈折率が高くなる微粒子を適宜選択して用いることができる。同様に、相対的に低屈折率層とするためには、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等のフッ化物微粒子や、中空シリカ微粒子などの膜形成時に屈折率が低くなる微粒子を適宜選択して用いることができる。更に、帯電防止性、導電性を付与したい場合には、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ等を適宜選択して用いることができる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0025】
本発明の無機微粒子(D)の粒径は40nm〜80nmであり、使用量はハードコート層形成用組成物の全固形分に対し10〜30重量%であることが好ましい。40nmかつ10%未満の使用量の場合、表面凹凸が不十分でありブロッキングが発生する。粒径が80nmかつ30%を超える場合、表面凹凸が大きくなることでヘイズが上昇したり、基材との密着が低下する。
【0026】
ハードコート層形成用組成物の溶剤の種類としては、エステル系、ケトン系、エーテル系、アルコール系、芳香族炭化水素系などの種類は特に限定されないが、沸点が50℃以上、120℃以下のものが望ましい。具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、1−ブタノール、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等を用いることができる。なお、溶媒は1種類に限定されるものではなく、複数の溶媒を混合して上記の沸点の範囲内であれば、混合溶媒としてもよい。
【0027】
前記溶剤の沸点が50℃未満であると、室温において揮発してしまい、粘度上昇のために均一なハードコート層を形成することが困難となる。また、蒸発速度が速いために基材を十分に溶解する事が出来ず、ハードコート層と基材の密着性が低下してしまう。
一方、前記溶剤の沸点が120℃を超えるであると、乾燥工程において十分に溶剤を蒸発させる事が困難となり、ハードコート層内に残留溶剤として残る事になり、その結果、鉛筆硬度が低下してしまう結果となる。
【0028】
また本発明では、ハードコート層の改質剤として、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、有機高分子化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料あるいは安定剤などを用いることができ、これらは活性線による反応を損なわない範囲内でハードコート層を構成する塗布層の組成物成分として使用され、用途に応じてハードコート層の特性を改良することができる。
【0029】
本発明において、上記のハードコート層形成用組成物を硬化させる方法としては、活性線、特に紫外線を照射する方法が好適であり、これらの方法を用いる場合には、前記ハードコート層形成用組成物に、光ラジカル重合開始剤を加えることにより紫外線照射にて硬化させることができる。紫外線照射においては、400nm以下の波長を含む光であれば良く、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ等を用いることができる。また、必要に応じて加熱工程を加えてもよい。
【0030】
本発明で用いられるハードコート層形成用組成物には、製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止するために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルまたは2,5−t−ブチルハイドロキノンなどの熱重合防止剤を加えることが望ましい。熱重合防止剤の添加量は、ハードコート層形成用組成物の固形分に対し、0.005から0.05重量%が好ましい。
【0031】
本発明のハードコート層形成用組成物は、基材上に塗布しハードコート層を形成することによりハードコートフィルムとすることができる。
【0032】
ハードコート層形成用組成物の塗布方法としては、ハードコート層形成用組成物をバーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ロールコーター、ダイコーター、コンマーコーター等の公知の塗工手段を用いて塗布することができる。
【0033】
基材としては、透光性を有するフィルム状のものが好ましく、基材として適度の透明性、機械強度を有していれば良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、三酢酸セルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等のフィルムを用いることができる。中でも、液晶ディスプレイの前面にハードコートフィルムを設ける場合、三酢酸セルロース(TAC)は光学異方性がないため、好ましく用いられる。
【0034】
本発明は、基材との高い密着性を有するとともに、耐カール性に優れ、耐ブロッキング性に優れ、なおかつ優れた表面硬度を付与できるハードコートフィルムを提供するものである。
図1に本発明のハードコートフィルムの一実施形態を説明するための断面図を示した。本発明のハードコートフィルム1にあっては、透明基材フィルム2にハードコート層3を塗布して形成する。ハードコート層3に前記無機微粒子4が存在する。前記無機微粒子による表面凹凸としてはRa値で30nm以上であることが好ましい。30nm未満の場合、ブロッキングが発生してしまう。
【0035】
前記ハードコートフィルム1の作製工程としては、ハードコート層形成用組成物を透明基材フィルム上2に塗布、乾燥、硬化工程を経て作製される。本発明では作製工程における乾燥工程の段階における乾燥温度が50℃以上、100℃以下であることが好ましい。
【0036】
乾燥温度が高くなると蒸発速度が速くなるために、溶剤が透明基材フィルム表面を十分に溶解できなくなってしまい、その結果、ハードコート層と透明基材フィルムの密着性が低下してしまう。また、乾燥温度をやみくもに高くすると透明基材フィルムの軟化温度を上回ってしまい、基材変形、シワ等の発生の原因となってしまう。
【0037】
一方、乾燥温度を低くすると、溶剤の透明基材フィルム溶解速度が向上することから、ハードコート層3と透明基材フィルム2の密着性が向上するものの、基材溶解が進みすぎるとハードコート層部分の厚みが減少する事によるハードコート層3の表面硬度の低下が起こる。
【0038】
以上の結果より、本発明のハードコート層形成用組成物を透明基材フィルム上に塗布、乾燥、硬化工程を経てハードコートフィルムを作製する際の乾燥工程の乾燥温度は50℃以上、100℃以下が好ましい。
【0039】
塗布して得られたハードコート層3の膜厚は、必要とされる硬度によりその膜厚が決定されるが、5〜7μmが好ましい。5μm未満の膜厚では十分な硬度が得られず、一方、7μmを超えるとハードコート層の硬化収縮により基材が非常にカールしてしまい、次工程で破断等の不具合が発生してしまう。
【0040】
ハードコート層3が重合硬化した後、多官能アクリルモノマー(A)、多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)に含まれる炭素―炭素C−C二重結合の赤外分光スペクトルP1と、炭素―酸素C−O二重結合の赤外分光スペクトルP2の割合P1/P2が0.100〜0.200であることが好ましい。0.100未満であると硬化収縮反応によりカールが激しくなり、0.200を超えると、ハードコート層の表面硬度が低下する。
【0041】
また、P1の値は、電離放射線や紫外線等の積算光量を調整することで調整をすることが可能である。また、前記P1およびP2は、従来公知の方法および装置により容易に算出することができる。
【0042】
本発明のハードコートフィルム1には、必要に応じて、機能層が設けられる。機能層は透明基材フィルム2とハードコート層3の間、ハードコート層3が設けられていない側の透明基材フィルム2表面、ハードコート層3の上面に設けられる。これらの機能層としては、反射防止層、帯電防止層、防眩層、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等が挙げられる。なお、これらの機能層は単層であってもかまわないし、複数の層であってもかまわない。透明基材フィルム上にハードコート層が形成されたハードコートフィルム、及び、さらにこれらの機能層を設けたハードコートィルムは、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイといった各種のディスプレイ表面と貼りあわせることができ、耐擦傷性と防汚性に優れたディスプレイを提供することが可能となる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によって限定されない。
〈評価方法>
(赤外分光スペクトル比P1/P2値評価)
日本分光(Jasco)FT/IR−610を用いATR法により測定を行った。
プリズム:ゲルマニウム
積算回数:60回
分解:4cm−1
C=C二重結合P1範囲:1683.66〜1781.9cm−1
C=O二重結合P2範囲:1374.03〜1427.07cm−1
上記条件にてP1のピークトップとP2のピークトップの比P1/P2を求めた。
(Haze値評価)
日本電色製NDH−2000を用いJIS−K7105に準じ測定を行った。
Haze値は0.3%以下を目標とした。
(全光線透過率評価)
日本電色製NDH−2000を用いJIS−K7105に準じ測定を行った。
全光線透過率は91%以上を目標値とした。
(鉛筆硬度評価)
JIS5600−5−4(1999)に準じ評価を行った。
鉛筆高度は3H以上を目標とした。
(密着性評価)
岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用い、ハードコート面に65mW/cmで6hUV光を照射した後、10×10マスのクロスカットピールテストを実施し、ハードコート層の剥離の有無を確認した。
100マス中剥がれなきこと(100/100)を目標とした。
(ブロッキング評価)
作製したハードコートフィルムを10cm角にし、5枚重ね合わせる。25cm×25cm×0.7mmtのガラスではさみ120℃120min加熱する。この後、ハードコートフィルム10cm角中にブロッキングを起こしている面積割合を観察した。
ブロッキング面積割合は10%以下を目標とした。
(カール評価)
作製したハードコートフィルムをTD方向に2mm×50mmにカットする。この時の曲率半径(mm)を測定した(TDカール)。
曲率半径が15mm以上を目標とした。
【0044】
<実施例1>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(DPU−2)(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(Irg184)(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416SIV(シリカ微粒子)(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。なお、表1において(A)および(B)成分の使用量は、該(A)および(B)成分の合計に対する重量%であり、成分(C)の使用量は、該(A)および(B)成分の合計に対する重量%であり、(D)成分の使用量は、ハードコート形成用組成物の全固形分に対する重量%である。
【0045】
<実施例2>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.2になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0046】
<実施例3>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 60重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 40重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0047】
<実施例4>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 0.01重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0048】
<実施例5>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 15重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0049】
<実施例6>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径40nm 10重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0050】
<実施例7>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径40nm 30重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0051】
<実施例8>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 10重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0052】
<実施例9>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 30重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0053】
<実施例10>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚7μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0054】
<比較例1>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.08になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0055】
<比較例2>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.25になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0056】
<比較例3>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 80重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 20重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0057】
<比較例4>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 20重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 80重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0058】
<比較例5>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 0.005重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0059】
<比較例6>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 20重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 20重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0060】
<比較例7>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:MEK-ST-L(日産化学工業)粒径40nm5重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0061】
<比較例8>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:MEK-ST-L(日産化学工業)粒径40nm 35重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0062】
<比較例9>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 5重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0063】
<比較例10>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:ELCOM TP1416 SIV(触媒化成工業)粒径80nm 35重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0064】
<比較例11>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:(触媒化成工業)粒径20nm 10重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0065】
<比較例12>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:(触媒化成工業)粒径20nm 30重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0066】
<比較例13>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:MEK-ST-ZL(日産化学工業)粒径100nm 10重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0067】
<比較例14>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:MEK-ST-ZL(日産化学工業)粒径100nm 30重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0068】
<比較例15>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:MEK-ST-ZL(日産化学工業)粒径80nm 10重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚4μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0069】
<比較例16>
厚さ40μmの三酢酸セルロースフィルム基材を用い、
多官能アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 40重量部
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:UA−306H(共栄社化学) 60重量部
開始剤:イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ) 10重量部
無機微粒子:MEK-ST-ZL(日産化学工業)粒径80nm 10重量部
溶剤:酢酸エチル(沸点77℃) 100重量部
を攪拌、混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布し、50℃にて乾燥させ、メタルハライドランプにより紫外線を照射し、前記P1/P2の値を0.1になるようハードコート層を形成した。
Haze、全光線透過率、鉛筆硬度、密着性、ブロッキング、曲率半径測定結果を表1にまとめて示す。
【0070】
【表1】

【0071】
実施例1,2、比較例1,2より、P1/P2が0.1〜0.2の範囲であれば所望のハードコートフィルムを得ることができる。
【0072】
実施例1,3、比較例3,4より多官能ウレタンアクリレートオリゴマーの使用量が40〜60重量%であれば所望のハードコートフィルムを得ることができる。
【0073】
実施例4,5、比較例5,6より光ラジカル重合開始剤の使用量が多官能アクリルモノマー(A)と多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計に対し、0.01〜15重量%であれば所望のハードコートフィルムを得ることができる。
【0074】
実施例6〜9、比較例7〜14より無機微粒子(D)の粒径が40nm〜80nmであり、且つ、添加量が全固形分に対し10〜30重量%であれば所望のハードコートフィルムを得ることができる。
【0075】
実施例1,12、比較例15,16よりハードコート層が5〜7μmであれば所望のハードコートフィルムを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、優れた表面硬度を有するとともに、基材との高い密着性を有し、耐カール性に優れ、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムを提供することで、ディスプレイ表面の保護フィルムとして充分な硬度を有し、偏光板貼合工程での作業性低下を解消し収率を向上することが可能となる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・ハードコートフィルム
2・・・透明基材フィルム
3・・・ハードコート層
4・・・無機微粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材フィルム上にハードコート層を設けてなるハードコートフィルムであって、
該ハードコート層は多官能アクリルモノマー(A)と多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)と、光ラジカル重合開始剤(C)と、無機微粒子(D)とを含む組成物から形成され、重合反応後、該(A)および(B)に含まれるC=C炭素二重結合の赤外分光スペクトルピークP1とC=O炭素-酸素二重結合の赤外分光スペクトルP2の割合P1/P2が0.100以上0.200以下であり、
前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の添加量が、前記多官能アクリルモノマー(A)と前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計に対し、40〜60重量%であり、
前記光ラジカル重合開始剤(C)の添加量が、前記多官能アクリルモノマー(A)と前記多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計に対し、0.01〜15重量%であり、
前記ハードコート層が5〜7μmであり、
前記無機微粒子(D)の粒径が40nm〜80nmであり、且つ、前記無機微粒子(D)の添加量が全固形分に対し10〜30重量%であることを特徴とするハードコートフィルム。

【図1】
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【公開番号】特開2013−95108(P2013−95108A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242114(P2011−242114)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】