説明

ハードコート性樹脂組成物及びその硬化物

【課題】硬化物の硬度及び屈折率が高いハードコート性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有し、かつ9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン含有硬化性モノマーと、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能硬化性モノマーと、分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する単官能希釈モノマーとを含むハードコート性樹脂組成物を調製する。この組成物の硬化物は、屈折率が1.55以上であり、かつ鉛筆硬度が3H以上である。前記単官能希釈モノマーは、C3−7アルキル(メタ)アクリレート(特に、分岐C4−6アルキル(メタ)アクリレート)であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い屈折率及び硬度を有するハードコート性樹脂組成物、その硬化物(硬化膜など)及び硬化物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学用オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜、眼鏡レンズ、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどの光学材料用途などとして、高い屈折率を有し、かつハードコート性又は耐擦傷性を有する材料として、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有するモノマーを含む硬化性樹脂組成物が提案されている。
【0003】
例えば、特開2007−84815号公報(特許文献1)には、光学積層体に用いられるハードコート層であって、少なくとも1つの官能基を有する9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有するモノマーと、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート及び/又は3官能以上の(メタ)アクリレート樹脂と、浸透性溶剤を含むハードコート層が開示されている。この文献には、任意成分の一種である防汚染剤として、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能アクリレートなどが例示されている。さらに、任意成分の一種である電離放射線硬化型樹脂として、反応性希釈剤が一例として記載され、さらにエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマー及び多官能モノマーが例示されている。実施例では、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニルフルオレン、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びポリエチレングリコールジアクリレートを含む硬化性樹脂組成物が記載されている。
【0004】
しかし、この硬化性樹脂組成物では、硬化物の硬度が充分でない。さらに、粘度が高いため、ハンドリング性が低く、無溶剤下での取り扱いが困難である。
【0005】
また、特開2007−58111号公報(特許文献2)には、光学積層体に用いられるハードコート層であって、少なくとも1つの官能基を有する9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有するモノマーと、少なくとも2以上の硫黄原子を含むモノマーと、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート及び/又は3官能以上の(メタ)アクリレート樹脂と、浸透性溶剤を含むハードコート層が開示されている。この文献にも、任意成分の一種である防汚染剤として、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能アクリレートなどが例示され、任意成分の一種である電離放射線硬化型樹脂として、エチル(メタ)アクリレートなどの反応性希釈剤が一例として記載されている。
【0006】
しかし、この硬化性樹脂組成物では、硬化物の硬度が低い上に、着色が激しく、透明性も低い。さらに、ゲル化し易く、保存安定性も低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−84815号公報(特許請求の範囲、段落[0043][0065]、実施例)
【特許文献2】特開2007−58111号公報(特許請求の範囲、段落[0045][0067]、実施例)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、硬化物の硬度及び屈折率が高いハードコート性樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ハンドリング性に優れたハードコート性樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、透明性が高く、保存安定性にも優れるハードコート性樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、(メタ)アクリロイル基を有するフルオレン含有硬化性モノマーと多官能硬化性モノマーと単官能希釈モノマーとを組み合わせることにより、硬化物の屈折率を1.55以上に向上でき、かつ鉛筆硬度を3H以上に向上できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明のハードコート性樹脂組成物は、分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有し、かつ9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン含有硬化性モノマーと、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能硬化性モノマーと、分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する単官能希釈モノマーとを含むハードコート性樹脂組成物であって、硬化物の屈折率が1.55以上であり、かつ鉛筆硬度が3H以上である。前記単官能希釈モノマーは、直鎖又は分岐鎖状C3−7アルキル(メタ)アクリレート(特に、分岐鎖状C4−6アルキル(メタ)アクリレート)であってもよい。前記単官能希釈モノマーは、屈折率1.50以上であり、かつ芳香環を有する(メタ)アクリレートであってもよい。前記単官能希釈モノマーは、橋架け環式(メタ)アクリレートであってもよい。前記単官能希釈モノマーは、25℃の粘度が20mPa・s以下であってもよい。前記フルオレン含有硬化性モノマーは、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、環Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素環、R1a及びR1bはアルキレン基、R2a及びR2bは同一又は異なって水素原子又はメチル基を示し、R4a及びR4bは同一又は異なってハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、R5a及びR5bは同一又は異なってハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を示し、nは0又は1〜10の整数、mは1〜3の整数、qは0又は1〜3の整数、rは0又は1〜3の整数を示す)
【0015】
前記式(1)において、nは2〜10の整数であってもよい。前記フルオレン含有硬化性モノマー及び前記多官能硬化性モノマーの合計量と、前記単官能希釈モノマーとの割合(重量比)が、前者/後者=99/1〜50/50程度であってもよい。
【0016】
本発明には、前記ハードコート性樹脂組成物に活性エネルギーを付与して硬化させる硬化物の製造方法も含まれる。この方法において、光透過基材の上にハードコート性樹脂組成物を塗布した後、活性光線を照射して硬化させてもよい。
【0017】
本発明には、前記製造方法により得られた硬化物も含まれる。この硬化物の鉛筆硬度は3H以上であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、(メタ)アクリロイル基を有するフルオレン含有硬化性モノマーと多官能硬化性モノマーと単官能希釈モノマーとを組み合わせているため、硬化物の屈折率を1.55以上に向上でき、かつ鉛筆硬度を3H以上に向上できる。特に、単官能希釈モノマーとして、直鎖又は分岐鎖状C3−7アルキル(メタ)アクリレート(特に、分岐鎖状C4−6アルキル(メタ)アクリレート)を用いると、単官能希釈モノマーが、硬化性モノマーの隙間を埋めるためか、鉛筆硬度を5H以上に向上できる。また、25℃の粘度が20mPa・s以下の単官能希釈モノマーを用いることにより、ハンドリング性も向上できる。また、硫黄原子含有モノマー使用することなく、透明性を向上できるとともに、保存安定性も向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[ハードコート性樹脂組成物]
本発明のハードコート性樹脂組成物は、分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有し、かつ9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン含有硬化性モノマーと、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能硬化性モノマーと、分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する単官能希釈モノマーとを含む。
【0020】
(フルオレン含有硬化性モノマー)
フルオレン含有硬化性モノマーは、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有し、かつ少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有していればよいが、重合性(硬化性)の点から、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する硬化性モノマーが好ましい。このような化合物は、下記式(1)で表すことができる。
【0021】
【化2】

【0022】
(式中、環Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素環、R1a及びR1bはアルキレン基、R2a及びR2bは同一又は異なって水素原子又はメチル基を示し、R4a及びR4bは同一又は異なってハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、R5a及びR5bは同一又は異なってハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を示し、nは0又は1〜10の整数、mは1〜3の整数、qは0又は1〜3の整数、rは0又は1〜3の整数を示す)
【0023】
前記式(1)において、Z及びZで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環、インデン環などのC6−14芳香族炭化水素環などが例示できる。好ましいZ及びZは、ベンゼン環又はナフタレン環である。
【0024】
1a及びR1bで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖又は分岐鎖状C2−6アルキレン基が例示できる。R1a及びR1bは互いに異なる種類のアルキレン基であってもよく、アルキレン基R1a及びR1bの種類は係数nの数によって異なっていてもよい。好ましいアルキレン基は、C2−4アルキレン基、特にC2−3アルキレン基(エチレン基、プロピレン基)であり、通常、エチレン基である場合が多い。オキシアルキレン単位の繰り返し数nは0又は1〜10の整数であり、通常、1〜7、好ましくは1〜5(例えば、1〜3)、さらに好ましくは1又は2程度の整数であってもよい。さらに、モノマーに適度な柔軟性を付与して硬化物の高度を向上するために、nは2以上の整数(例えば、2〜10、好ましくは3〜8、さらに好ましくは4〜7)であってもよい。
【0025】
2a及びR2bは、水素原子又はメチル基のいずれであってもよいが、硬化性および感度の点から水素原子であるのが好ましい。
【0026】
係数mは1〜3の整数、特に1又は2の整数である。係数qは0又は1〜3の整数を示し、通常、0〜3(例えば、0又は1)である。係数rは0又は1〜3の整数を示し、通常、0又は1である。なお、(メタ)アクリロイル基は、環Z及びZの任意の位置に置換でき、例えば、環Z及びZがベンゼン環の場合には、通常、3−位又は4−位である場合が多く、環Z及びZがナフタレン環の場合には、5−位、6−位、7−位又は8位である場合が多い。
【0027】
4a及びR4bで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子などが例示でき、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの直鎖又は分岐鎖状C1−8アルキル基(特に、C1−6アルキル基)などが例示できる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基などが例示でき、アリール基としては、例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(トリル基、キシリル基、t−ブチルフェニル基など)、ナフチル基などのC6−10アリール基などが例示でき、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基などが例示できる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−8アルコキシ基(特にC1−6アルコキシ基)などが例示できる。シクロアルキルオキシ基としては、シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基などが例示でき、アリールオキシ基としては、フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基が例示でき、アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基などが例示できる。アシル基としては、アセチル基などのC1−6アシル基などが例示でき、置換アミノ基としては、ジアルキルアミノ基などが例示できる。好ましい置換基R4a及びR4bは、メチル基、エチル基などのC1−4アルキル基(特にメチル基)、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基などのC1−4アルコキシ基(特にメトキシ基)などである。R4a及びR4bの置換位置は特に制限されず、例えば、環Z及びZがベンゼン環の場合には、通常、2−位又は3−位である場合が多く、環Z及びZがナフタレン環の場合には、4−位、5−位、6−位又は7−位である場合が多い。
【0028】
5a及びR5bで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子などが例示でき、アルキル基としては、メチル基、エチル基などの直鎖又は分岐鎖状C1−8アルキル基(特に、C1−6アルキル基)などが例示できる。好ましいアルキル基はメチル基である。
【0029】
式(1)で表される代表的な化合物としては、例えば、9,9−ビス[4−((メタ)アクリロイルオキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(メタ)アクリロイルオキシフェニル]フルオレン類;9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン類;9,9−ビス[3−メチル−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−メチル−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,5−ジメチル−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[モノ又はジC1−4アルキル−(2−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン;9,9−ビス[3,4−ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,5−ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン類;9,9−ビス[3,4,5−トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン類;これらの化合物において(R1aO)又は(OR1b)で表されるC2−4アルコキシ基がポリ(C2−4アルコキシ)基(ジエトキシ、トリエトキシ基など)で置換された化合物(9,9−ビス[(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン類;9,9−ビス[4−(2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,5−ジメチル−4−(2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン類など);さらにはこれらの化合物において環Z及びZのフェニル基にフェニル基が置換してビフェニル基を形成した化合物(9,9−ビス[3−フェニル−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[フェニル−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシフェニル]フルオレン類など);これらの化合物において環Z及びZがナフチル基である化合物(9,9−ビス[5又は6−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル)]フルオレン、9,9−ビス[5又は6−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−1又は2−ナフチル)]フルオレンなどの9,9−ビス[((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)ナフチル]フルオレン類など)などが例示できる。
【0030】
(多官能硬化性モノマー)
多官能硬化性モノマーは、ハードコート性樹脂組成物の硬度を向上させるために配合され、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有している。
【0031】
多官能硬化性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパン、グリセリンなどのアルカンポリオールC2−4アルキレンオキサイド付加体のトリ(メタ)アクリレート類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどのトリアジン環を有するトリ(メタ)アクリレート類などが例示できる。
【0032】
さらに、多官能硬化性モノマーには、(メタ)アクリロイル基を有する多官能オリゴマー、例えば、多価カルボン酸とポリオールと(メタ)アクリル酸及び/又はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応により生成するポリエステル(メタ)アクリレート類;複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物(多価アルコール型、多価カルボン酸型、ビスフェノールA、F、Sなどのビスフェノール型、ノボラック型などのエポキシ樹脂)に(メタ)アクリル酸が開環付加したエポキシ(メタ)アクリレート類;ポリイソシアネートとポリオールとの反応により生成し、かつ末端イソシアネート基を有するオリゴマーにヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させたポリウレタン(メタ)アクリレート類なども含まれる。なお、ヒドロキシル基を有するオリゴマー(例えば、開環反応により生成したヒドロキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類)はカルボキシル基又は酸無水物基を有する反応性化合物(例えば、酸無水物など)と反応させ、カルボキシル基などを導入してもよい。
【0033】
これらの多官能硬化性モノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、硬化物の強度、硬度、感度などを高めるため、4つ以上(例えば、4〜8つ)の(メタ)アクリロイル基を有する硬化性モノマー、特に、5〜7つの(メタ)アクリロイル基を有する硬化性モノマー(例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなど)が好ましい。
【0034】
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、前記多官能硬化性モノマーに加えて、他の多官能硬化性モノマー、例えば、2官能硬化性モノマーや、(メタ)アクリロイル基以外のエチレン性不飽和結合を有する多官能硬化性モノマーなどを配合してもよい。
【0035】
2官能硬化性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどのビスフェノール類(ビスフェノールAなど)のC2−4アルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート類;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート類などが例示できる。
【0036】
(メタ)アクリロイル基以外のエチレン性不飽和結合を有する多官能硬化性モノマーには、ジアリルフタレートなどのアリル基を有する化合物などが例示できる。
【0037】
これら他の多官能硬化性モノマーの割合は、多官能硬化性モノマー全体に対して、例えば、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下(例えば、0.1〜10重量%)程度であってもよい。特に、本発明では、後述する単官能希釈モノマーを含むためか、他の多官能硬化性モノマー(特に、2官能硬化性モノマー)を実質的に含有しなくてもよい。さらに、多官能硬化性モノマーは、硬度などの点から、低純度品(多官能モノマーの混合物)を使用するのが好ましい。
【0038】
前記フルオレン含有硬化性モノマーと多官能硬化性モノマーとの割合は、前者/後者=99/1〜1/99程度の範囲から選択でき、例えば、前者/後者=90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは60/40〜30/70(特に50/50〜40/60)程度である。
【0039】
(単官能希釈モノマー)
単官能希釈モノマーは、ハードコート性樹脂組成物のハンドリング性を向上させるとともに、硬化物の硬度を調整するために配合され、分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有している。単官能希釈モノマーは、(メタ)アクリロイル基とエステル結合する骨格の種類によって、脂肪族モノマー、脂肪族炭化水素環を含有するモノマー、芳香環を含有するモノマーなどに分類できる。
【0040】
脂肪族モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−24アルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
【0041】
脂肪族炭化水素環を含有するモノマーとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート類;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
【0042】
芳香環を含有するモノマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェニルフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシ(ポリ)エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ノニルフェノキシ(ポリ)エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルキルフェノキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;フェニルフェノキシ(ポリ)エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェニルフェノキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;フェニルチオエチル(メタ)アクリレートなどのフェニルチオアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0043】
他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物、これらのハーフエステルなどのカルボキシル基含有化合物、スルホン酸基含有化合物;グリシジル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリンなどの窒素原子含有(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの環状エーテル含有(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのフルオロC1−10アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどのリン酸基含有化合物などが挙げられる。
【0044】
これらの単官能希釈モノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、脂肪族モノマー、脂肪族炭化水素環を含有するモノマー、芳香環を含有するモノマーが汎用され、これらのモノマーを用途に応じて使い分けてもよい。例えば、屈折率を向上させる点から、芳香環を含有するモノマーを使用してもよく、取り扱い性や硬度を向上させる点から、脂肪族モノマー、脂肪族炭化水素環を含有するモノマーを使用してもよい。
【0045】
単官能希釈モノマーの屈折率(硬化前の希釈モノマー単独の屈折率)は、例えば、1.4以上であってもよく、例えば、1.4〜1.6、好ましくは1.41〜1.58、さらに好ましくは1.42〜1.55程度であってもよい。さらに、硬化物の屈折率を向上させる点から、単官能希釈モノマーの屈折率は、1.5以上であってもよく、例えば、1.5〜1.6、好ましくは1.5〜1.55、さらに好ましくは1.5〜1.53程度であってもよい。
【0046】
屈折率1.5以上の単官能希釈モノマーとしては、例えば、芳香環を含有するモノマー、例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェニルフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;フェニルフェノキシ(ポリ)エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェニルフェノキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;フェニルチオエチル(メタ)アクリレートなどのフェニルチオアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち、ハンドリング性を損なわず、屈折率を向上できる点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類、ベンジル(メタ)アクリレートなどのC6−10アリール−C1−4アルキル(メタ)アクリレート類、フェニルチオエチル(メタ)アクリレートなどのフェニルチオC1−4アルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0047】
単官能硬化性モノマーの粘度は、特に限定されず、25℃の粘度が200mPa・s以下程度の範囲から選択できるが、例えば、100mPa・s以下(例えば、0.01〜100mPa・s)、好ましくは50mPa・s以下(例えば、0.1〜50mPa・s)、さらに好ましくは30mPa・s以下(例えば、0.3〜30mPa・s)であってもよい。さらに、ハードコート樹脂組成物の取り扱い性の点から、20mPa・s以下(例えば、0.01〜20mPa・s)、好ましくは0.05〜10mPa・s、さらに好ましくは0.1〜5mPa・s(特に0.5〜3mPa・s)程度であってもよい。
【0048】
25℃の粘度が20mPa・s以下の単官能希釈モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートなどのC1−10アルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂肪族炭化水素環を含有するモノマー;フェノキシエチル(メタ)アクリレートやベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を含有するモノマーなどが挙げられる。これらの単官能希釈モノマーのうち、イソアミル(メタ)アクリレートなどのC1−10アルキル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート類が好ましく、取り扱い性を向上できるとともに、硬化物の硬度を高度(例えば、5H以上)に向上できる点から、直鎖又は分岐鎖状C3−7アルキル(メタ)アクリレート、特に、イソアミル(メタ)アクリレートなどの分岐鎖状C4−6アルキル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
【0049】
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、前記単官能希釈モノマーに加えて、他の単官能希釈モノマー、すなわち、(メタ)アクリロイル基以外のエチレン性不飽和結合を有する他の単官能希釈モノマーを配合してもよい。
【0050】
他の単官能希釈モノマーとしては、例えば、アリル基含有希釈モノマー(アリルアルコールなど)、ビニル基含有希釈モノマー(スチレン系単量体、N−ビニルピロリドン、ビニルエーテル類など)などが挙げられる。
【0051】
これら他の単官能希釈モノマーの割合は、単官能希釈モノマー全体に対して、例えば、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下(例えば、0.1〜10重量%)程度であってもよい。
【0052】
フルオレン含有硬化性モノマー及び多官能硬化性モノマーの合計量と、単官能希釈モノマーとの割合(重量比)は、前者/後者=99.9/0.1〜10/90程度の範囲から選択でき、例えば、前者/後者=99/1〜50/50、好ましくは98/2〜70/30、さらに好ましくは97/3〜80/20(特に97/3〜85/15)程度である。
【0053】
(重合開始剤)
本発明のハードコート性樹脂組成物は重合開始剤を含んでいてもよく、このような重合開始剤は熱重合開始剤(熱ラジカル発生剤)であってもよく光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であってもよい。好ましい重合開始剤は光重合開始剤である。
【0054】
光重合開始剤又は光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など);アセトフェノン類(アセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−フェニル−2−ヒドロキシ−アセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど);プロピオフェノン類(p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなど);ブチリルフェノン類[1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンなど];アミノアセトフェノン類[2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−ブタン−1−オンなど];ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど);チオキサンテン類(チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテンなど);アントラキノン類(2−エチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノンなど);(チオ)キサントン類(チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど);アクリジン類(1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタンなど);トリアジン類(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジンなど);スルフィド類(ベンジルジフェニルサルファイドなど);アシルホスフィンオキサイド類(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなど);チタノセン系光重合開始剤;オキシムエステル類などが例示できる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0055】
なお、光重合開始剤は、市販品、例えば、商品名「イルガキュア」「ダロキュア」(チバ・ジャパン(株)製)、商品名「サイラキュア」(ユニオンカーバイド社製)などとして入手できる。
【0056】
熱重合開始剤としては、ジアルキルパーオキサイド類(ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド類[ジアルカノイルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイドなど)、ジアロイルパーオキサイド(ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルトルイルパーオキサイド、トルイルパーオキサイドなど)など]、過酸エステル類[過酢酸t−ブチル、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの過カルボン酸アルキルエステルなど]、ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類などの有機過酸化物;アゾニトリル化合物[2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)など]、アゾアミド化合物{2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}など}、アゾアミジン化合物{2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩など}、アゾアルカン化合物[2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)など]、オキシム骨格を有するアゾ化合物[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)など]などのアゾ化合物などが含まれる。熱重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0057】
重合開始剤(特に光重合性開始剤)の割合は、硬化性モノマー及び単官能希釈剤の総量100重量部に対して、例えば、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部(特に2〜7重量部)程度である。
【0058】
なお、光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、慣用の成分、例えば、第3級アミン類[例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸アミルなどのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンなど]、トリフェニルホスフィンなどのフォスフィン類、N,N−ジメチルトルイジンなどのトルイジン類、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどのアントラセン類などが挙げられる。光増感剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
【0059】
光増感剤の使用量は、前記光重合開始剤100重量部に対して、例えば、0.1〜150重量部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは5〜75重量部(特に10〜50重量部)程度であってもよい。
【0060】
(他の添加剤)
本発明のハードコート性樹脂組成物は、さらに慣用の添加剤、例えば、樹脂成分、溶媒、熱重合禁止剤(ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテルなど)、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(抗酸化剤、熱安定剤、耐光安定剤など)、可塑剤、界面活性剤、溶解促進剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、レベリング剤、分散剤、分散助剤などを含んでいてもよい。添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
【0061】
なお、本発明のハードコート性樹脂組成物は、慣用の方法、例えば、各成分を混合し、必要によりフィルタでろ過することにより調製できる。
【0062】
(ハードコート性樹脂組成物の特性)
本発明のハードコート性樹脂組成物は、硬化性(特に光硬化性)に優れ、高屈折性を有している。例えば、ハードコート性樹脂組成物(又は樹脂組成物の固形分)の屈折率は、25℃、589nmにおいて、例えば、1.5以上の範囲から選択でき、好ましくは1.50〜1.70、さらに好ましくは1.51〜1.60、さらに好ましくは1.51〜1.55程度である。
【0063】
また、本発明では、高屈折性を有しているにもかかわらず、ハンドリング性に優れたハードコート性樹脂組成物を得ることができる。そのため、本発明のハードコート性樹脂組成物は、通常、常温(例えば、15〜25℃)で液状であってもよい。このようなハードコート性樹脂組成物の粘度は、25℃において、例えば、100000mPa・s以下(例えば、5〜100000mPa・s)程度の範囲から選択でき、例えば、10〜10000mPa・s、好ましくは100〜8000mPa・s、好ましくは500〜6000mPa・s、さらに好ましくは1000〜5000mPa・s(特に1500〜4000mPa・s)程度である。
【0064】
[硬化物]
本発明のハードコート性樹脂組成物は、活性エネルギーを付与することにより容易に硬化する。そのため、本発明のハードコート性樹脂組成物は、活性エネルギーとして、熱エネルギー及び/又は光エネルギー(特に、光エネルギー)を利用して硬化物を形成するのに有用である。本発明のハードコート性樹脂組成物は、光硬化性に優れている場合が多く、少なくとも光エネルギーを付与することにより硬化させることができる。硬化物は三次元構造を有していてもよく、通常、硬化膜である場合が多い。また、硬化膜は膜パターン(特に薄膜パターン)であってもよい。硬化膜は、樹脂組成物を基材又は基板に塗布し、必要により乾燥した後、加熱又は活性光線を露光することにより形成でき、膜パターンは、基材又は基板に形成した塗膜を活性光線で選択的に露光し、生成した潜像パターンを現像することにより形成できる。
【0065】
基材又は基板は、用途に応じて選択でき、木材などの多孔質体、アルミニウム、銅などの金属、ガラス、石英などのセラミックス、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどのプラスチックなどであってもよい。本発明のハードコート性樹脂組成物は、高屈折率で透明性も高いため、光学用途に適しており、これらの基材のうち、透明フィルムの上にコーティングすることにより、透明フィルムとの積層体として利用してもよい。透明フィルムとしては、透明性に優れ、ハードコート性樹脂組成物とも密着性にも優れる点から、例えば、環状オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、アクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロースエステル(トリアセチルセルロースなど)などで構成された透明フィルムが好ましい。透明フィルムの厚みは、用途に応じて選択でき、例えば、1〜1000μm、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは30〜300μm程度であってもよい。
【0066】
塗布方法は特に制限されず、例えば、フローコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、キャスト法、バーコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法、スリット法などであってもよい。
【0067】
ハードコート性樹脂組成物は、塗布した後、乾燥(例えば、40〜150℃程度で乾燥)してもよい。塗膜の厚みは、用途によって異なるが、0.01〜1000μm程度の範囲から選択でき、例えば、1〜500μm、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜200μm(特に30〜150μm)程度であってもよい。
【0068】
なお、前記樹脂組成物は、通常、常温で液状であり、このような液状の樹脂組成物を用いると、樹脂組成物を溶融させる工程を経ることなく、塗膜を形成することができる。
【0069】
加熱により塗膜を硬化させる場合、加熱温度は、例えば、60〜200℃(例えば、80〜180℃)、好ましくは100〜150℃程度であってもよい。本発明の樹脂組成物は、光重合性に優れているため、加熱することなく、活性光線の照射によって硬化物を得ることもできる。
【0070】
露光工程での露光は用途に応じて全面露光してもよく、フォトマスクなどを利用して選択的に露光してパターン状の潜像を形成してもよい。露光には、放射線(ガンマー線、X線など)、紫外線、可視光線などが利用でき、通常、紫外線である場合が多い。光源としては、例えば、紫外線の場合は、ディープ(Deep)UVランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザー光源(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)などを用いることができる。照射光量(照射エネルギー)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、50〜10000mJ/cm程度の範囲から選択でき、75〜5000mJ/cm、さらに好ましくは100〜3000mJ/cm(例えば、100〜2000mJ/cm)程度であってもよい。
【0071】
なお、必要により露光後に加熱処理(アフターキュア又はポストベークなど)してもよい。加熱温度は、例えば、60〜200℃、好ましくは100〜150℃程度であってもよい。
【0072】
パターン状の潜像を形成した場合、潜像パターンを現像することにより、顕像化された塗膜パターンを形成できる。現像剤としては、水、アルカリ水溶液(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液など)、酸性水溶液、親水性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、セロソルブ類、セロソルブアセテート類など)や、これらの混合液などが使用できる。現像は、浸漬、洗い流し、噴射又はスプレー現像などを利用して行うことができる。
【0073】
上記のようにして、硬化物(硬化膜など)が得られる。このような硬化物は、光学的特性において優れており、硬化物の屈折率は、25℃、589nmにおいて、例えば、1.5以上(例えば、1.50〜1.8)、好ましくは1.53〜1.7、さらに好ましくは1.54〜1.65(特に1.55〜1.6)程度であってもよく、さらに1.56〜1.6(例えば、1.57〜1.59)程度であってもよい。
【0074】
硬化物は硬度も高く、鉛筆硬度が2H以上、好ましくは3H以上(例えば、3H〜8H)、さらに好ましくは4H以上(例えば、4H〜7H)であってもよい。さらに、単官能希釈モノマーとして、直鎖又は分岐鎖状C3−7アルキル(メタ)アクリレート(特に、分岐鎖状C4−6アルキル(メタ)アクリレート)を用いることなどにより、鉛筆硬度5H以上(例えば、5H〜9H)、好ましくは6H以上(例えば、6H〜8H)、さらに好ましくは7H以上(例えば、7H〜8H)の硬化物を得ることもできる。
【実施例】
【0075】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例においてハードコート性樹脂組成物及び硬化物の特性及び評価は次のようにして測定した。また、ハードコート性樹脂組成物は、以下のようにして調整した。
【0076】
[屈折率]
多波長アッベ屈折計(アタゴ製、DR−M2<循環式恒温水槽60−C3使用>)を用い、温度25℃を保持し、589nmでの屈折率を測定した。
【0077】
[鉛筆硬度]
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製「A4300」)上に作製した硬化膜を鉛筆硬度計(新東科学(株)製「HEIDON−14」)に設置し、各種鉛筆を750gの加重をかけつつ、45度の角度で押しつけ、1mm/秒の速度で硬化膜上を移動させ、硬化膜に生じた傷の有無を目視にて確認することにより、鉛筆硬度を測定した。
【0078】
[ハンドリング性]
無溶剤下でのハンドリング性として、25℃におけるハードコート性樹脂組成物の粘度を以下の基準で評価した。なお、粘度は、TV−22形粘度計(コーンプレートタイプ、東機産業(株)製「TVE−22L」)を用い、測定粘度に応じたオプションロータ(01:1゜34×R24、07:3゜×R7.7)にて、1.0〜20rpm(粘度によって選択)で測定した。
【0079】
○:5000mPa・s未満
×:5000mPa・s以上。
【0080】
[着色性]
ハードコート性樹脂組成物の着色性について、目視で観察し、以下の基準で評価した。
【0081】
○:着色なし
×:着色あり。
【0082】
[保存安定性]
ハードコート性樹脂組成物の保存安定性について、組成物を配合した後、常温で1週間静置し、組成物の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
【0083】
○:1週間前の状態と変わらない
×:沈殿又はゲル化している。
【0084】
[ハードコート性樹脂組成物の成分及び表中の略号]
(フルオレン含有アクリレート)
フルオレン含有アクリレート(EA−0200):大阪ガスケミカル(株)製「オグソールEA−0200」、エチレンオキシド平均付加モル数約2モル)
フルオレン含有アクリレート(EA−1000):大阪ガスケミカル(株)製「オグソールEA−1000」)。
【0085】
(希釈モノマー)
フェノキシエチルアクリレート(PO−A):共栄社化学(株)製「ライトアクリレート PO−A」
ベンジルアクリレート(BZA):日立化成工業(株)製「FA−BZA」)
イソボルニルアクリレート(IBOA):(株)日本触媒社製「IBOA」
イソアミルアクリレート(IAA):日油(株)製。
【0086】
(多官能モノマー)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA−2C):日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA−2C」、6官能
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA):ダイセルサイテック(株)製「DPHA」、6官能、平均官能基数5.5、平均分子量524〜547
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA):ダイセルサイテック(株)製「PETA」、4官能。
【0087】
(硫黄含有モノマー)
ビス[(2−メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド(S2EG):住友精化(株)製「S2EG」。
【0088】
(汎用アクリレート)
ポリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA):東亜合成(株)製「M−240」、2官能
ビスフェノールAジアクリレート(BisA−DA):日立化成工業(株)製「FA−324A」、2官能。
【0089】
(浸透性溶剤)
メチルエチルケトン(MEK)
(光重合開始剤)
光重合開始剤(イルガキュア184):チバ・ジャパン(株)製「IRGACURE 184」。
【0090】
実施例1〜5及び比較例1〜6
表1に示す成分を表1に示す割合(重量部)で振騰機において十分に混合し、ハードコート性樹脂組成物を調製した。ポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚100μm)の片面に、前記ハードコート性樹脂組成物を塗布し、カーボンアークの紫外線照射機で積算光量500mJ/cmの紫外線を照射し、塗膜の膜厚(ハ−ドコ−ト層の厚さ)が約100μmの積層フィルムを得た。なお、比較例6の樹脂組成物は、配合してから2日後にゲル化した。得られた結果を表1に示す。
【0091】
【表1】

【0092】
表1の結果から明らかなように、実施例の樹脂組成物は、ハンドリング性に優れ、透明性が高く、保存安定性にも優れる。さらに、実施例の樹脂組成物の硬化物は、硬度が高く、屈折率も高い。これに対して、比較例の樹脂組成物は、ハンドリング性が低く、硫黄含有モノマーを配合した樹脂組成物は、着色もあり、保存安定性も低い。さらに、比較例の樹脂組成物の硬化物は、硬度も低い。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明のハードコート性樹脂組成物は、インク材料、発光材料(例えば、有機EL用発光材料など)、有機半導体、黒鉛化前駆体、ガス分離膜(例えば、COガス分離膜など)、コート剤(例えば、LED(発光ダイオード)用素子のコート剤などの光学用オーバーコート剤又はハードコート剤など)、レンズ[ピックアップレンズ(例えば、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)用ピックアップレンズなど)、マイクロレンズ(例えば、液晶プロジェクター用マイクロレンズなど)、眼鏡レンズなど]、偏光膜(例えば、液晶ディスプレイ用偏光膜など)、反射防止フィルム(又は反射防止膜、例えば、表示デバイス用反射防止フィルムなど)、タッチパネル用フィルム、フレキシブル基板用フィルム、ディスプレイ用フィルム[例えば、PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、VFD(真空蛍光ディスプレイ)、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)、FED(電界放出ディスプレイ)、NED(ナノ・エミッシブ・ディスプレイ)、ブラウン管、電子ペーパーなどのディスプレイ(特に薄型ディスプレイ)用フィルム(フィルタ、保護フィルムなど)など]、燃料電池用膜、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどに好適に使用できる。特に、本発明のハードコート性樹脂組成物は、高い屈折率を有するため、光学材料用途に好適に利用できる。このような光学材料の形状としては、例えば、フィルム又はシート状、板状、レンズ状、管状などが挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有し、かつ9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するフルオレン含有硬化性モノマーと、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能硬化性モノマーと、分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する単官能希釈モノマーとを含むハードコート性樹脂組成物であって、硬化物の屈折率が1.55以上であり、かつ鉛筆硬度が3H以上であるハードコート性樹脂組成物。
【請求項2】
単官能希釈モノマーが、直鎖又は分岐鎖状C3−7アルキル(メタ)アクリレートである請求項1記載のハードコート性樹脂組成物。
【請求項3】
単官能希釈モノマーが、分岐鎖状C4−6アルキル(メタ)アクリレートである請求項2記載のハードコート性樹脂組成物。
【請求項4】
単官能希釈モノマーが、屈折率1.50以上であり、かつ芳香環を有する(メタ)アクリレートである請求項1記載のハードコート性樹脂組成物。
【請求項5】
単官能希釈モノマーが、橋架け環式(メタ)アクリレートである請求項1記載のハードコート性樹脂組成物。
【請求項6】
単官能希釈モノマーが、25℃の粘度が20mPa・s以下である請求項1〜5のいずれかに記載のハードコート性樹脂組成物。
【請求項7】
フルオレン含有硬化性モノマーが、下記式(1)で表される化合物である請求項1〜6のいずれかに記載のハードコート性樹脂組成物。
【化1】

(式中、環Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素環、R1a及びR1bはアルキレン基、R2a及びR2bは同一又は異なって水素原子又はメチル基を示し、R4a及びR4bは同一又は異なってハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、R5a及びR5bは同一又は異なってハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を示し、nは0又は1〜10の整数、mは1〜3の整数、qは0又は1〜3の整数、rは0又は1〜3の整数を示す)
【請求項8】
式(1)において、nが2〜10の整数である請求項7記載のハードコート性樹脂組成物。
【請求項9】
フルオレン含有硬化性モノマー及び多官能硬化性モノマーの合計量と、単官能希釈モノマーとの割合(重量比)が、前者/後者=99/1〜50/50である請求項1〜8のいずれかに記載のハードコート性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のハードコート性樹脂組成物に活性エネルギーを付与して硬化させる硬化物の製造方法。
【請求項11】
光透過基材の上にハードコート性樹脂組成物を塗布した後、活性光線を照射して硬化させる請求項10記載の硬化物の製造方法。
【請求項12】
請求項10又は11記載の製造方法により得られた硬化物。
【請求項13】
鉛筆硬度が3H以上である請求項12記載の硬化物。

【公開番号】特開2012−111931(P2012−111931A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176310(P2011−176310)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(591147694)大阪ガスケミカル株式会社 (85)
【Fターム(参考)】