説明

ハーネス保持具

【課題】 荷重入力時のワイヤハーネス保護性能を向上できるハーネス保持具を提供すること。
【解決手段】 ワイヤハーネス4を保持する保持部1と、車体に固定される台座部2と、この台座部2と保持部1との間に設けられ、荷重入力時に保持部1が台座部2に対して移動するのを所定の範囲内に制限する移動制限機構3と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両において、ワイヤハーネスを車体や部品に固定するワイヤハーネスプロテクタ・クリップなどのハーネス保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤハーネスの配索は、その周辺の部品のエッジや可動部品などへの干渉やこすれなどが生じないように、車体やエンジンなどの部品にクリップやハーネスプロテクタに収容した状態で固定している。
【0003】
このようなハーネスプロテクタにおいて、過大な荷重入力時には、剛性を弱めた脆弱部が破断することによりワイヤハーネスを変位させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−94138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように荷重入力時にワイヤハーネスを変位させる技術では、この荷重による車体のつぶれ方により、ワイヤハーネスに周辺部品のエッジなどが干渉したり、金属部品間に挟まれたりし、ワイヤハーネスが損傷するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、荷重入力時のワイヤハーネス保護性能を向上できるハーネス保持具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、ワイヤハーネスを保持する保持部と、車体に固定される台座部と、の間に、荷重入力時に保持部が台座部に対して移動するのを所定の範囲に制限する移動制限機構を設けたことを最も主要な特徴とするハーネス保持具である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、荷重入力時には、保持部が台座部に対し移動制限機構が設定した制限の範囲で移動するのを許容し、この保持部が保持するワイヤハーネスも、設定した制限の範囲で移動する。このように、ワイヤハーネスを設定した制限の範囲での移動代を与えることで、ワイヤハーネスを制限範囲外の周辺部品のエッジや部品間に挟まれることから守ることができ、保護性能を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
この実施の形態のハーネス保持具は、ワイヤハーネス4を保持する保持部1と、車体に固定される台座部2と、この台座部2と保持部1との間に設けられ、荷重入力時に保持部1が台座部2に対して移動するのを所定の範囲に制限する移動制限機構3と、を備えていることを特徴とする。
【実施例1】
【0010】
図1および図2は、この発明の最良の実施の形態の実施例1のハーネス保持具Aを示しているもので、図1は実施例1のハーネス保持具Aを示す斜視図、図2は実施例1のハーネス保持具Aの側面図である。
【0011】
この実施例1のハーネス保持具Aは、樹脂材料を素材として、保持部1、台座部2、移動制限機構3が一体に形成されている。
【0012】
保持部1は、ワイヤハーネス4を保護するとともに収容して保持するもので、略矩形の筒状に形成している。すなわち、保持部1は、対向する側壁11,12と対向する底壁13およびカバー14とによりワイヤハーネス4を収容する収容空間15を囲む略矩形の筒状に形成され、かつ、カバー14は、側壁12の図中上端部に回動可能に一体に形成されて収容空間15を開閉する。なお、カバー14と側壁11の上端部との間には、相互に係合する係合手段(図示省略)を設けるかあるいは両者を溶着し、カバー部材14が開くのを規制している。
【0013】
台座部2は、ハーネス保持具Aを車体に固定するもので、保持部1を支持面21で支持する略長方形の支持板22を備えている。さらに、この支持板22の支持面21の裏側である取付面23からは、車体に開口された穴に挿入されてハーネス保持具Aを車体に係合させるピン24と、このピン24が係合する方向に付勢力を与える一対のバネ片25と、を突出させている。なお、本実施例1では、これらピン24と一対のバネ片25とは、取付面23に2組設けられている。
【0014】
移動制限機構3は、保持部1の底壁13と台座部2の支持板22とを連結する薄板状の連結片31を折り返して重ね合わせてある。この移動制限機構3において、その折り返した先端部分を折り返し部32と連結片31を折り返して重ね合わせた部分を余長部33,33と称する。
【0015】
さらに、保持部1と台座部2との間には、2箇所に簡易保持機構5を設けている。この簡易保持機構5は、台座部2に形成した係合腕55,51と、係合腕55,51の先端に設けられた鈎部53,53と、保持部1の側壁12から突出させた係合爪52,52とを備えて、通常は保持部1を台座部2の上方に配設した状態に保持し、設定力を越える荷重入力時には係合が外れるように構成してある。
【0016】
係合腕51,51は、図3および図4に示すように、支持板22において連結片31を設けたのとは反対側の端縁から略垂直に立ち上げて形成され、その先端には、鈎状に形成した鈎部53,53が設けられている。
【0017】
係合爪52,52は、図1および図2に示すように台座部2の支持面21上に保持部1を支持したときに係合腕51,51の鈎部53,53と係合するよう側壁12の外側面に形成している。
【0018】
さらに、保持部1の側壁12には、簡易保持機構5の係合腕51,51を通過させる空間63,63を挟んで3個の突起部6,6,6を一体に形成している。この突起部6,6,6は、側壁12から余長部33を反対方向に略直角に突出させた板状の突出片61,61,61と、この突出片61,61,61の先端において略直交する向きに延在した長方形板状の受圧片62,62,62と、を備えている。そして、これら突起部6,6,6は、各受圧片62を、過大な荷重入力が想定される方向へ台座部2よりも突出させている。
【0019】
次に、実施例1の作用について説明する。
【0020】
過大な荷重が図2の矢印Fで示す方向から入力した時には、実施例1のハーネス保持具Aにあっては、まず、突起部6の受圧片62にこの荷重が入力される。そして、この荷重入力が、鈎部53と係合爪52との係合力を越えると、この係合が外れ、保持部1が台座部2に対して移動するとともに、それに伴いワイヤハーネス4も移動する。
【0021】
この保持部1の移動は、移動制限機構3により、その移動距離および移動軌跡が所定の範囲に制限される。すなわち、図3および図4に示すように、保持部1と台座部2とを連結する移動制限機構3の連結片31は、折り返し部32を中心に開く動き、すなわち矢印Mで示す回動となり、これにより、保持部1は、折り返し部32を中心とし余長部33を半径とした軌跡で回動するとともに、最大移動距離は、余長部33の2倍の距離となる。
【0022】
以上のように、過大な荷重入力時には、車体に固定した台座部2に対して、保持部1がワイヤハーネス4と共に、折り返し部32を中心とした回動軌跡で移動するため、ワイヤハーネス4に回動移動代が生まれて、ワイヤハーネス4が周辺部品のエッジに当たったり、金属部品に挟まれるのを抑制することができる。特に、移動制限機構3により、ワイヤハーネス4の移動を余長部33による半径に規制された回動軌跡に制限することから、回動軌跡外の特定の部品に当たったり、挟まれたりするのを確実に避けることができる。
【0023】
また、保持部1は、ワイヤハーネス4を囲む筒状に形成したため、ワイヤハーネス4を保護することができ、保持部1の移動時には、確実にワイヤハーネス4を保持かつ移動させることができる。
【0024】
さらに、簡易保持機構5により、荷重入力の無いときには保持部1を台座部2に係合させて両者を連結状態に保持しているため、走行時の振動では保持部1が台座部2から離れることの無いように設定することができ、かつ、荷重入力時には、確実に保持部1の移動を許す。
【0025】
加えて、保持部1には、突起部6を設けてあるので、過大な荷重が入力された状態では、保持部1の側壁12において、係合爪52の両側位置に荷重が伝達されてこの部位を撓ませることにより、係合爪52と鈎部53の係合の解除を速やかかつ確実に行うことができる。
【実施例2】
【0026】
次に、本発明の実施の形態の実施例2のハーネス保持具Bについて説明する。なお、前記実施例1と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して説明を省略し、相違する部分を中心として説明する。
【0027】
図5および図6は、実施例2のハーネス保持具Bを示しており、図5は実施例2のハーネス保持具Bを示す斜視図、図6は実施例2のハーネス保持具Bの側面図である。
【0028】
まず、構成から説明すると、この実施例2のハーネス保持具Bは、移動制限機構203が、保持部1の底壁13に一体の蝶番203aと、台座部2の支持板22に一体の蝶番203bと、を回動可能に連結するヒンジ部203cを備えている。
【0029】
次に、実施例2のハーネス保持具Bの作用について説明する。
【0030】
過大な荷重が突起部6の受圧片62,62,62に入力したときには、簡易保持機構5の係合が外れ、保持部1が台座部2に対して、図7および図8において矢印M2で示すように、ヒンジ部203cを中心に回動し、ワイヤハーネス4も保持部1と共に回動する。
【0031】
したがって、この実施例2のハーネス保持具Bにあっては、過大な荷重入力時には、車体に固定した台座部2に対して、保持部1がワイヤハーネス4と共に、ヒンジ部203cを中心に回動軌跡で移動するため、ワイヤハーネス4に回動移動代が生まれて、ワイヤハーネス4を周辺部品のエッジに当たったり、金属部品に挟まれたりするのを避けることができる。特に、移動制限機構203により、ワイヤハーネス4の移動を蝶番203a,203bの長さに規制された回動軌跡に制限することから、この回動軌跡外の特定の部品のエッジに当たったり、挟まれたりするのを確実に避けることができる。
【0032】
他の構成および作用効果については、前記実施例1のハーネス保持具Aと同一ないし均等であるので、説明を省略する。
【実施例3】
【0033】
次に、実施の形態の実施例3のハーネス保持具Cについて説明する。なお、前記実施例1と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心として説明する。
【0034】
図9および図10は、実施例3のハーネス保持具Cを示しており、図9は実施例3のハーネス保持具Cを示す斜視図、図10は実施例3のハーネス保持具Cの側面図である。
【0035】
まず、構成から説明すると、この実施例3のハーネス保持具Cは、移動制限機構303が、2本のワイヤ状部材303a,303aを備えている。すなわち、各ワイヤ状部材303aは、金属あるいは樹脂により形成されており、一端が保持部1の底壁13に接続され、かつ、他端が台座部2の支持板22に接続されて、保持部1と台座部2とを連結している。
【0036】
次に、実施例3のハーネス保持具Cの作用について説明する。
【0037】
過大な荷重が突起部6の受圧片62,62,62に入力したときには、簡易保持機構5の係合が外れ、保持部1が台座部2に対して、図11および図12において矢印M3で示すように、離脱する。また、このときの保持部1の最大移動量は、ワイヤ状部材303aにより規制される。
【0038】
したがって、この実施例3のハーネス保持具Cにあっては、過大な荷重入力時には、車体に固定した台座部2に対して、保持部1がワイヤハーネス4と共に移動するため、この最大移動距離外に存在するワイヤハーネス4が周辺部品のエッジに当たったり、金属部品に挟まれたりするのを避けることができる。
【0039】
また、この実施例3のハーネス保持具Cにあっては、ワイヤ状部材303aは、通常状態では(非荷重入力時)、図10に示すように、ハーネス保持具Cから垂れ下げるか、あるいは垂れ下がらないようにまとめることができ、側方に突出する部分を有しないため、レイアウトスペースが少なくて済む。
【0040】
他の構成および作用効果については、前記実施例1のハーネス保持具Aと同一ないし均等であるので、説明を省略する。
【実施例4】
【0041】
次に、実施の形態の実施例4のハーネス保持具Dについて説明する。なお、前記実施例1と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心として説明する。
【0042】
図13および図14は、実施例4のハーネス保持具Dを示しており、図13は実施例4のハーネス保持具Dを示す斜視図、図14は実施例4のハーネス保持具Dの側面図である。
【0043】
まず、構成について説明すると、この実施例4のハーネス保持具Dは、移動制限機構403が、実施例1のハーネス保持具Aで示した余長部33に、連結片31よりも剛性の高い樹脂あるいは金属により余長部33,33の周囲を囲む四角枠状に形成したガイド部材434を備えている。
【0044】
次に、実施例4のハーネス保持具Dの作用について説明する。
【0045】
過大な荷重が突起部6,6,6の受圧片62,62,62に入力したときには、簡易保持機構5の係合が外れ、保持部1が台座部2に対して、図15および図16において矢印M4で示す方向に水平移動する。
【0046】
すなわち、ガイド部材434が連結片31の開きを防止しているため、保持部1は、同一平面の台座部2および連結片31に当接した状態を保ちながら略水平に移動する。
【0047】
したがって、この実施例4のハーネス保持具Dにあっては、過大な荷重入力時には、車体に固定した台座部2に対して、保持部1がワイヤハーネス4と共に水平移動するため、ワイヤハーネス4に水平移動代が生まれて、ワイヤハーネス4が周辺部品のエッジに当たったり、金属部品に挟まれたりするのを抑制することができる。特に、移動制限機構403により、ワイヤハーネス4の移動を水平移動軌跡に制限することから、この水平移動軌跡外、すなわち上方や下方などに存在する特定の部品のエッジに当たったり、挟まれたりするのを確実に避けることができる。
【0048】
他の構成および作用効果については、前記実施例1のハーネス保持具Aと同一ないし均等であるので、説明を省略する。
【0049】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および各実施例1ないし4を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および各実施例1ないし4に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0050】
すなわち、前記実施の形態の各実施例1〜4のハーネス保持具A,B,C,Dでは、
保持部1はワイヤハーネス4の周囲を囲む四角筒形状に形成したが、ワイヤハーネス4を保持することができるので有ればどのような形状にしてもよい。例えば、円筒など実施例とは異なる形状の筒状に形成してもよいし、あるいは、筒状に限らず、Ω状など一部が開口した形状や、軸方向に長さを有しないリング状などの形状に形成してもよい。
【0051】
また、実施例1〜4では、簡易保持機構5として、係合爪52と鈎部53との係合により連結状態に保持するものを示したが、保持部1と台座部2とを連結する連結部と、この連結部の途中に設けられた脆弱部と、を備えたものを適用してもよい。例えば、実施例1〜4で示した係合腕51の先端部を保持部1に溶着させたて保持部1と台座部2とを連結したものを連結部とし、この連結部の途中に、一般部に比べて断面積を小さく形成したり切れ込みを入れたりして一般部よりも剛性を低くした脆弱部を設けることで、構成することができる。この構成では、保持部1に荷重が入力されると、連結部が脆弱部において切断されて、保持部1は台座部2に対して移動する。
【0052】
また、実施例1および実施例4では、移動制限機構3,403として折り返し部32を形成する連結片31に余長部33を設けたが、この余長部33の長さは、周辺機器や車体のつぶれを考慮して、任意に設定すればよいもので、実施例1,4で示したものよりも長く形成してもよいし、短く形成してもよい。 さらに、移動制限機構3,403の連結片31は、保持部1および台座部2に一体に形成したものを示したが、別体のものを両者に取り付けることもできる。
【0053】
また、移動制限機構は、実施例1〜4で示した、折り返し部32、ヒンジ部203c、ワイヤ状部材303aを備えたものに限定されるものではなく、要は、保持部1が台座部2に対して移動する移動距離や移動軌跡を制限するもので有ればどのようなものでもよい。例えば、台座部2側に一体的に設けた部材に形成したガイド穴と、保持部1側に設け、このガイド穴に沿ってスライドするスライダと、でも構成することができる。
【0054】
また、実施例1〜4では、荷重入力時に、台座部2よりも保持部1側に先に入力が成されるようにする突起部6を設けたが、この突起部6は、実施例で示した形状・数に限定されない。例えば、円筒形状・多角筒形状・円柱形状・多角柱形状など他の形状であってもよい。さらに、突起部は、設けた方が好ましいが必須ではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態の実施例1のハーネス保持具Aを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の実施例1のハーネス保持具Aの側面図である。
【図3】本発明の実施の形態の実施例1のハーネス保持具Aの斜めから見た作用の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の実施例1のハーネス保持具Aの側方から見た作用の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の実施例2のハーネス保持具Bを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態の実施例2のハーネス保持具Bの側面図である。
【図7】本発明の実施の形態の実施例2のハーネス保持具Bの斜めから見た作用の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の実施例2のハーネス保持具Bの側方から見た作用の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の実施例3のハーネス保持具Cを示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態の実施例3のハーネス保持具Cの側面図である。
【図11】本発明の実施の形態の実施例3のハーネス保持具Cの斜めから見た作用の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態の実施例3のハーネス保持具Cの側方から見た作用の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態の実施例4のハーネス保持具Dを示す斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態の実施例4のハーネス保持具Dの側面図である。
【図15】本発明の実施の形態の実施例4のハーネス保持具Dの斜めから見た作用の説明図である。
【図16】本発明の実施の形態の実施例4のハーネス保持具Dの側方から見た作用の説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 保持部
2 台座部
3 移動制限機構
31 連結片
32 折り返し部
33 余長部
4 ワイヤハーネス
5 簡易保持機構
6 突起部
203 移動制限機構
203c ヒンジ部
303 移動制限機構
303a ワイヤ状部材
403 移動制限機構
434 ガイド部材
A 実施例1のハーネス保持具
B 実施例2のハーネス保持具
C 実施例3のハーネス保持具
D 実施例4のハーネス保持具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスを保持する保持部と、
車体に固定される台座部と、
この台座部と前記保持部との間に設けられ、荷重入力時に前記保持部が台座部に対して移動するのを所定の範囲に制限する移動制限機構と、
を備えていることを特徴とするハーネス保持具。
【請求項2】
前記移動制限機構における制限が、前記台座部に対する保持部の移動距離であることを特徴とする請求項1に記載のハーネス保持具。
【請求項3】
前記移動制限機構における制限が、前記台座部に対する保持部の移動軌跡であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハーネス保持具。
【請求項4】
前記移動制限機構が、前記保持部と台座部とを連結するワイヤ状部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載のハーネス保持具。
【請求項5】
前記移動制限機構が、前記保持部と台座部とを相対回動可能に連結するヒンジ部を備えていることを特徴とする請求項3に記載のハーネス保持具。
【請求項6】
前記移動制限機構が、前記保持部と台座部とを連結する薄板状の連結片を折り返した折り返し部を備えていることを特徴とする請求項3に記載のハーネス保持具。
【請求項7】
前記保持部と前記台座部との間に、通常状態では両者を連結した状態に保持する一方、設定力を超える荷重が入力された状態では前記連結を解除する簡易保持機構を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のハーネス保持具。
【請求項8】
前記簡易保持機構が、保持部に形成された係合爪と台座部に形成された係合片との係合により連結状態に保持され、設定係合力を超える荷重が入力された状態では前記係合が外れて連結状態が解除される機構としたことを特徴とする請求項7に記載のハーネス保持具。
【請求項9】
前記簡易保持機構が、保持部と台座部とを連結する連結部と、この連結部の途中に設けられた脆弱部と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載のハーネス保持具。
【請求項10】
前記保持部に、荷重入力を受ける突起部を設定したことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のハーネス保持具。
【請求項11】
前記連結片が、折り返し部と前記保持部および台座部との間に、所定の長さの余長部を有していることを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載のハーネス保持具。
【請求項12】
前記余長部に、その変形方向を制限するガイド部材を設けたことを特徴とする請求項11に記載のハーネス保持具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−288140(P2006−288140A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−107424(P2005−107424)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】