説明

ハーブエキス末およびその調製および使用法

ハーブエキス末を多糖類−ペプチドに富むキノコ、例えば、Coriolus versicolor(Yunzhi)から調製する方法が開示されている。さらに有効で、高度に純粋なYunzhiエキス末、その調製法ならびに癌細胞増殖および肝炎の改善におけるその使用法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌および肝炎の予防または補助療法または治療のためのCoriolus versicolor(Yunzhi)粉末を含有するハーブエキス末に関する。本発明はさらに、Yunzhiを包含する多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製し、使用する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
Yunzhi(Coriolus versicolorまたはキクラゲともいう)はキノコ属のPolystrictus、Polyporales、およびBasidomycete目に属する食用菌である。これは薬効のあるキノコと考えられ、漢方において使用される。
【0003】
Yunzhiは、免疫機能を向上させ、免疫細胞の量を増大させ、腫瘍細胞を飲み込んで、殺し、白血球数を増大させることが証明されている活性成分多糖類を含有する。これは、慢性、持続性および活性肝炎、B型肝炎を治療するためにも使用され、一般的な有効率は82.4%である。慢性気管支炎の治療におけるその有効率は85%に達する。老化防止および健康維持機能があるので、これはフリーラジカルを除去し、薬物効果を刺激し、腎臓を活性化し、肝臓を増強することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
免疫系機能の促進におけるYunzhiの有効性が1943年に見出されてから、Yunzhi多糖類の供給に対する要求が存在する。Yunzhi抽出物の全てが多糖類含量の点で同じであるわけではないことを理解することは重要である。より有効で、高純度のYunzhiエキス末を含有するYunzhi処方を調製するためのさらに良好な方法を提供することが本発明の1つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法に関する。この方法は、多糖類−ペプチドに富むキノコを提供し、キノコを粉砕し、アルカノールおよび水性溶媒により抽出し、抽出物を濾過し、濃縮し、濃縮物を噴霧乾燥して、多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を得ることを含む。アルカノールは、エタノールまたはエタノール:水混合物であってよい。水性溶媒は水であってよい。
【0006】
本発明はさらに、Coriolus versicolor(Yunzhi)エキス末を調製する方法にも関する。この方法は、Yunzhi原料を提供し、前記原料を粉砕し、溶媒により抽出し、抽出物を濾過し、濃縮し、濃縮物を噴霧乾燥して、Yunzhiエキス末を形成することを含む。
【0007】
好ましい実施形態において、本発明の方法は4回(50%エタノールで2回、水で2回)抽出することにより行われる。もう一つ別の好ましい実施形態において、本発明の方法は、ハーブ材料および溶媒の重量対体積比が好ましくは、それぞれ、第1および第二抽出については約1:5、1:2〜3、第三および第四抽出については1:2〜3および1:1〜3である条件下で行われる。
【0008】
もう一つ別の態様において、本発明は、本発明の方法により調製されるCoriolus versicolor(Yunzhi)粉末を含有するハーブエキス末に関する。一つの実施形態において、本発明のハーブエキス末は、下記の化学プロファイリングを特徴とする。本発明のハーブエキス末は、他の旧来の方法により調製されたものよりも、癌細胞の増殖防止においてより有効であるYunzhi粉末を含有する。
【0009】
本発明のハーブエキス末はさらに、医薬的に許容される賦形剤および/または担体を含有することができ、経口投与用に、様々な投与形態、例えば、顆粒剤、カプセル、錠剤、散剤、およびボーラスに処方することができる。好ましい処方はカプセルである。
【0010】
本発明のハーブエキス末は、身体の免疫系を刺激または調節することにより軽減できる疾患に対して潜在的な治療効果を有し、肝炎ならびに乳癌および白血病をはじめとする癌の予防および/または治療に使用できる。ハーブ医薬組成物は、任意の年齢および健康状態、例えば、虚弱、高齢、および衰弱した患者により安全に使用され得る。
【0011】
本発明のさらなる態様において、前記ハーブエキス末、マルトデキストリン、および粉乳を含む栄養補助食品が提供される。好ましい実施形態において、ハーブエキス末、マルトデキストリン、および粉乳の比は、1:1:10−1:4:50の範囲である。もう一つ別の好ましい実施形態において、ハーブエキス末、マルトデキストリン、および粉乳の比は約1:2:22である。
【0012】
本発明のさらなる態様において、前記ハーブエキス末、マルトデキストリン、および豆乳粉末を含む栄養補助食品が提供される。好ましい実施形態において、ハーブエキス末、マルトデキストリン、および粉乳の比は1:1:10−1:4:50の範囲である。もう一つ別の好ましい実施形態において、ハーブエキス末、マルトデキストリン、および豆乳粉末の比は約1:2:22である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法を提供する。この方法は(a)多糖類−ペプチドに富むキノコを提供し、キノコを粗末に粉砕し;(b)キノコ粗末をアルカノールで抽出して、アルカノール抽出物を得、アルカノール抽出物を濾過して、アルカノール濾液を得;(c)工程(b)からの残留物を水性溶媒で抽出して、水性抽出物を得、水性抽出物を濾過して、水性濾液を得;(d)前記濾液を合し、濃縮して、濃縮物を得;(e)濃縮物を噴霧乾燥して、多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を形成することを含む。
【0014】
本発明はさらに、Coriolus versicolor(Yunzhi)エキス末を調製する方法も提供する。この方法は(a)Yunzhi原料を提供し、前記原料を粗末に粉砕し;(b)粗末を溶媒で抽出して、液体抽出物を得;(c)液体抽出物を濾過して、濾液を得;(d)濾液を濃縮して、濃縮物を得;(e)濃縮物を噴霧乾燥して、Yunzhiエキス末を形成することを含む。
【0015】
好ましい実施形態において、本発明の方法は、抽出のための溶媒として、50%水中エタノール(v/v)を使用する。さらに、好ましい実施形態において、エタノールまたは水抽出工程は1回より多く行われる。ある好ましい実施形態において、抽出工程は4回行われ、使用される溶媒は、第一および第二抽出については50%エタノール、第三および第四抽出については水である。
【0016】
本発明の方法により調製されるYunzhiエキス末は高度に精製され、癌細胞の増殖の阻害においてさらに有効である。本発明の方法により調製されるYunzhiエキス末は肝炎の予防および治療、ならびに白血病および乳癌をはじめとする癌細胞の増殖の阻害に有用である。
【0017】
アルカノールは、C1−C12アルカノール、C1−C10アルカノール、C1−C8アルカノール、C1−C6アルカノール、C1−C4アルカノール、C1−C3アルカノール、C2−C12アルカノール、C2−C10アルカノール、C2−C9アルカノール、C2−C8アルカノール、C2−C7アルカノール、C2−C6アルカノール、C2−C5アルカノール、C2−C4アルカノールまたはC2−C3アルカノール、あるいはその混合物の範囲のアルカノールであってよい。アルカノールは、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12アルカノールであってよい。アルカノールはそれだけで使用できるか、または水性混合物として使用できる。例えば、99:1から20:80アルカノール:水wt/wtまたはvol/volまたはwt/volまたはvol/wt混合物を使用できる。10:90から90:10(体積/体積)、20:80から80:20(体積/体積)、30:70から70:30(体積/体積)、40:60から60:40(体積/体積)または45:55から55:45(体積/体積)の範囲のアルカノール:水混合物を抽出の溶媒として使用できる。明細書および請求の範囲全体にわたって、「アルカノール」なる用語は、アルカノール単独またはアルカノール:水混合物を包含すると解釈されるべきである。
実施例
【実施例1】
【0018】
Yunzhi純粋粉末および処方
【0019】
本発明のYunzhi純粋エキス末および処方は次の手順により調製される:
(1)粗末の調製
【0020】
Yunzhi原料ハーブPolyporaceae科のCoriolus versicolor L.であって、中国の広西省、雲南省および貴州省において集められたもの(Polysticus versicolorとも呼ばれる)を粉砕して粗末にし、これは次いで抽出物の調製に使用される。天然のYunzhiが好ましいが、栽培されたYunzhiを抽出に使用できる。
(2)抽出物の調製
【0021】
Yunzhi粗末を溶媒で繰り返し抽出する。エタノール、好ましくは50%水中エタノール(v/v)が第一および第二抽出に使用され、精製水が第三および第四抽出に使用される。粗末および溶媒の好ましい重量対体積比は、第一、第二、第三および第四抽出についてそれぞれ約1:5、1:2〜3、1:2〜3および1:1〜3である。各抽出の時間は1.5〜2時間であるのが好ましい。抽出物を下記のように濾過し、濾液を合し、濃縮し、純粋な粉末にする。
(3)抽出物の濃縮
【0022】
前記(2)において得られた濾液を真空下、約50〜85℃で、1.05〜1.12、好ましくは1.05〜1.08付近の最適相対密度を有する濃縮物が得られるまで蒸発させることにより濃縮する。
(4)純粋な粉末の調製
【0023】
(3)において記載される濃縮物をさらに噴霧乾燥して、純粋な粉末を形成する。濃縮物を約60〜70℃の温度に予熱した後、噴霧乾燥機のキャビネット中に注入する。噴霧乾燥機キャビネットの流入温度は、最適温度に調節される。最適温度は、最終粉末生成物中の全多糖類の最高収率を得ることができる温度として定義される。流入空気の最適温度範囲は、約150〜250℃、好ましくは、200〜230℃、さらに好ましくは150〜170℃である。外向温度は70〜100℃であるのが好ましい。最終粉末生成物中の全多糖類の最高収率を得るために好ましい温度範囲は、使用される個々の噴霧乾燥機によって様々である。乾燥粉末を次に約80のメッシュサイズを有する篩いに通して、乾燥粉末粒子のサイズが許容される範囲内であることを保証する。
(5)製剤処方の調製
【0024】
Yunzhi純粋粉末を、特に製薬産業において通常の技術を有する者に周知の処方手段により錠剤、ボーラス、散剤、カプセル、および顆粒剤に加工することができる。賦形剤、バインダー、担体、フィラーを純粋な粉末に添加して、必要に応じて様々な投与形態を形成することができる。
【0025】
次の実施例は、説明の目的のためであり、本発明の範囲を制限することを意図しない。妥当なバリエーション、例えば、分別のある技術者により理解されるものを本発明の範囲から逸脱することなく調製することができる。
【実施例2】
【0026】
Yunzhiエキス末F2およびF2aの調製
【0027】
本発明の一つの実施形態に従って、F2およびF2aという名のYunzhi純粋粉末を次の工程のようにして調製した。F2とF2aの製造における違いは、これらがどのように乾燥されたかにある。F2は噴霧乾燥プロセスにより乾燥された。F2aは真空乾燥プロセスにより乾燥された。
原料
【0028】
Yunzhi原料ハーブ(Coriolus versicolor、Polysticus versicolorとも呼ばれる)は、Tien Lin County Agriculture Department、Chinaから入手し、これは中国本土の広西省のTien Lin Countyに自生するCoriolus versicolorの子実体である。Yunzhi原料ハーブは9月および10月(秋)に集められた。Coriolus versicolorはZhan Xiao−qing教授(菌類学の専門家、Institute of Microbiology Chinese Academy of Sciences、Beijing、China)により確認された。植物標本(No.2003−2510)を香港中文大学、漢方医学機関の博物館に寄託した。
【0029】
子実体を前処理プロセスにおいて洗浄し、粉砕した。前処理から得られた、切断された物質、またはYunzhi粗末を次に50%エタノールで抽出した。仕上げ処理された生成物の28kg製造バッチごとに、約350KgのYunzhi粗末および2450リットルの50%エタノールを要した。前処理および抽出工程を以下に記載する:
前処理
【0030】
Yunzhi原料ハーブをまず調合および粉砕により前処理して、下記のようなYunzhi切断物質またはYunzhi粗末を得た。
1.調合
【0031】
Yunzhi原料ハーブを流水(水道水)で迅速にすすいで、沈泥および不純物を除去し、次いでステンレス鋼スチーマー中で1時間蒸して、潜在的な植物寄生体および卵を除去し、空気またはオーブン中60℃で乾燥した。
2.粉砕
【0032】
367.5KgのYunzhi原料ハーブを、12mmのメッシュサイズを有するミル(Hammer Type Grinder、Model No.9FQ37−18)で圧縮することにより粉砕して粉末にして、12mmより小さいか、または12mm付近の切断された植物材料、または粗末を得た。粗末を集め、密封されたプラスチック容器中で保存した。各容器に物質の名称、バッチ番号、日付および重量を示すラベルを付け、0℃〜30℃の温度、約60から75%の湿度での貯蔵用に指定された場所に置いた。
抽出
【0033】
Yunzhi粗末を50%エタノールで次のように繰り返し抽出した:
1.第一抽出
【0034】
約350KgのYunzhi粗末をまず1750リットルの50%エタノール:50%水(v/v)(あるいは、50%エタノールと称する)で抽出した。2層のガーゼでパーコレーターの底の内側を覆い、十分な量の50%エタノールを溶媒送達孔から添加して、底部の空気を置換した。Yunzhi粗末の約1/3を添加し、均一に分布させた。約875リットルの50%エタノールを添加し、パーコレーターの内容物を押さえて平らにした。残りの2/3のYunzhi粗末を添加し、物質送達孔を閉鎖し、密封した。さらに約875リットルの50%エタノールを添加した。循環ポンプを10分間作動させ、混合物を12時間にわたって浸漬した後、蒸気抽出を開始した。循環ポンプをパーコレーターに連結し、パーコレーターの底部の抽出物をパーコレーターの最上部へ循環させた。
【0035】
蒸気抽出を行うために、水蒸気をパーコレーターの蒸気層中に向けた。水蒸気圧を、パーコレーターの蒸気層上に位置する手動蒸気弁により0.1〜0.2MPaに調節した。循環ポンプを10分ごとに1回、この期間中のそれぞれで10分間作動させた。
【0036】
水蒸気がパーコレーターの蒸気層に侵入する際、溶媒を加熱し、蒸気が上昇し、冷却し、凝結して、パーコレーターの底部に落下した。このリサイクルプロセスは溶媒還流と呼ばれる。パーコレーターの最上部に連結した蒸気リサイクル管はコンデンサーおよびクーラーと2つの別個の部分で密着し、溶媒の還流が起こる。抽出物の温度が溶媒の沸点付近(50%エタノールの場合は70℃付近)に上昇した場合にクーラーおよびコンデンサーのエントランスバルブを開放した。水がクーラーおよびコンデンサー中に流入した。
【0037】
溶媒還流が起こるために必要な時間は、溶媒水蒸気圧の量および溶媒の沸点に依存した。ここで用いられる入力植物材料の量に基づいて、溶媒還流に必要な時間は、エタノール抽出については約30分、水抽出については約1時間であった。
【0038】
溶媒還流が開始したら、時間を記録した。溶媒還流の状態が維持され得るような温度は、混合物を沸騰させるために使用される「固定温度」である。混合物を固定温度で約2時間沸騰させ、その間、パーコレーターの内圧を蒸気弁により0.02〜0.05MPa付近に維持した。50%エタノールを抽出に使用する場合、固定温度は約80℃であり、水が使用される場合、固定温度は約90〜95℃であった。抽出物を循環ポンプにより、10〜15分ごとに1回、好ましくは15分ごとに1回、この期間中のそれぞれで5分間分布させる。これにより、液体抽出物は周期的に循環し、ハーブ材料を完全に抽出できる。
【0039】
抽出物を標準的操作手順に従って濾過した。実際には、抽出物はパーコレーターを出て、フィルターを通り、濾液は循環ポンプにより貯蔵容器中に入った。
2.第二抽出
【0040】
前記第一抽出から得られた残留物を約700リットルの50%エタノールで、前記方法に従って第二抽出としてさらに抽出した。第二抽出から得られた濾液を第一抽出のものと合した。
3.第三および第四抽出
【0041】
第二抽出から得られた残留物をさらに2回、それぞれ700リットルおよび300リットルの精製水で第三および第四抽出として抽出した。水抽出は、循環下での抽出の時間が第三および第四抽出についてそれぞれ2時間および1.5時間である以外は前記方法に従って循環しながら行った。
濃縮
【0042】
前記抽出から得られた濾液を合し、次いでエタノール回収および濃縮プロセスを行った。
1.エタノール回収
【0043】
エタノールを濾液から約−0.07Mpaの真空、約0.035Mpaの蒸気圧で回収した。回収されたエタノールの濃度が40%より低い場合に回収プロセスを停止した。
2.濃縮
【0044】
エタノール回収後、液体抽出物を、同時に濃縮する(3つのチャンバーが同時に運転する)ための標準的操作手順に従って3つの連続して連結された真空コンセントレーターからなるトリプルコンセントレーターに移した。濃縮中、コンセントレーター中の抽出物を加熱するために使用される蒸気の圧力は0.1〜0.2Mpaに維持され、第一チャンバーは−0.03〜−0.04Mpaの真空、80〜85℃であり、第二チャンバーは−0.05〜0.06Mpaおよび65〜70℃;第三チャンバーは−0.07〜0.08Mpaおよび50〜55℃であった。第一および第二チャンバー中の抽出物の体積が減少した後、濃縮物を第三チャンバーに移して、濃縮プロセスを続行した。第三チャンバー中の濃縮物の相対密度が約1.05〜1.12(60±5℃で測定)、好ましくは約1.05〜1.08に達したら、濃縮プロセスを中断し、濃縮物を後に使用するために集めた。
F2を製造するための噴霧乾燥
【0045】
濃縮物を約65℃の温度まで加熱し、噴霧乾燥機のキャビネット中に遠心噴霧により注入した(デキストリンは添加しなかった)。キャビネットの入口および出口空気の温度をそれぞれ215℃付近および90℃付近に調節した。入口空気の温度は最終粉末製品中の全多糖類の収率および最終粉末製品の外観に影響を及ぼした。160℃および200℃および240℃の流入温度で、最終Yunzhi粉末製品中の全多糖類の収率は、それぞれ20.6%、16.3%および12.1%であった。Yunzhi粉末は若干苦味を有していた。粉末は流入空気温度が160℃または200℃で暗褐色であり、240℃で褐色であった。
【0046】
濃縮物はキャビネット中で乾燥粉末になった。80メッシュ篩いを有するミルに粉末を通した。微粉末F2を集めた。
外装
粉末(F2)をアルミ箔バッグ中に真空包装機により梱包し、密封した(3Kg/バッグ)。各バッグをアルミ箔の第二層で包装し、各バッチからの製品が全ての試験に適合することが証明された後に適切に標識した。バッグを次にバレル中に入れ、冷・乾燥条件下で保存した。
F2aを製造するための真空乾燥
F2aを製造するために、濃縮物をデキストリンとミキサー中25分間混合した。混合物を次に真空乾燥機の清浄化されたトレイ上に置き、混合物を70℃、<−0.08Mpaで乾燥した。混合物の水分量が6%以下である場合に乾燥プロセスを停止した。混合物を粉砕し、80メッシュ篩を有するミルに通した。最終粉末(F2a)を集めた。結果として得られたYunzhiエキス末F2aの主成分は多糖類およびトリテルペノイドであることが見出された。
【実施例3】
【0047】
高性能液体クロマトグラフィー研究
【0048】
本発明は、異なる乾燥法により調製されるYunzhi粉末を特徴づけるために高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する。
【0049】
F2およびF2aの違いは、分子サイズの差に従って化学成分を分離する高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを用いた化学プロファイリングにより検出された。HPLC法および試験結果を以下に記載する:
1.材料および方法
1.1HPLC分析のサンプル調製
【0050】
粉末形態におけるF2またはF2a(84mg)を1mlの滅菌二重蒸留および脱イオン水中に、丸底ポリプロピレンマイクロチューブ中100rpmで振盪しながら別々に12時間にわたって溶解させた。それぞれの溶液を0.45μmナイロンacrodisc(登録商標)シリンジフィルター(Pall Corporation、NY、USA、カタログ番号4484)を通して濾過し、4℃で貯蔵した。
1,2
分子サイズ標準
【0051】
分子量1010のデキストラン(Fluka、Buchs、Schweiz、カタログ番号31416)および80900のデキストラン(Fluka、Buchs、Schweiz、カタログ番号31421)の混合物(それぞれ50mg/ml)を含有する分子サイズ標準を、HPLCシステムの性能における一貫性を検証するためのサイズマーカーとして使用した。
1.3 HPLCシステム
【0052】
全HPLCシステムおよび全てのその機械的部品は、Waters Corporation、MA、USAから購入した。使用した装置は、Waters Alliance 2695 Separation Module、Waters 2410 屈折率検出器(R.I.)、Waters 996 Photodiode Array Detector(サンプルをUV 265nmで分析)を包含する。カラムは次のように順次連結した:1.Ultrahydrogel Guard Column(カタログ番号11565);2.Ultrahydrogel 1000(カタログ番号WAT011535);3.Ultrahydrogel 500(カタログ番号WAT011530);および4.Ultrahydrogel 250(カタログ番号WAT011525)。ウルトラヒドロゲルガードカラムは内径6.0mm、長さ40mmであった。ウルトラヒドロゲル分析カラムは全て、内径7.8mm、長さ300mmであった。
1.4 HPLC運転条件
【0053】

サイズ標準の各運転後の洗浄:DDIで0.3/分で120分。
サンプル−標準運転順序:デキストラン標準混合物を開始時、最中、およびサンプル後に1回運転した。
1.5 F2およびF2aの化学フィンガープリントの分析
【0054】
いずれかの検出法(R.I.またはUV 265nm)を用いて異なるサンプルバッチから得られるクロマトグラムを並べ、比較した。R.I検出を用いてデキストラン標準混合物の異なるバッチから得られるクロマトグラムも並べて、実験間の変動を検証するために比較した。
2.結果
【0055】
F2aおよびF2サンプルのHPLCベースの分析により、図1において示されるように、UV265nm検出を用いて7より多い独立したピークが生じた。2つのサンプルのクロマトグラムは、3つのピーク(A、B、およびC)の強度の違いを除いては類似していた。ピークB強度における差は、このピークの同じサンプル中の他のピークに対する相対強度がF2aとF2間で異なるので、顕著である。示差R.I.での検出により、2つのサンプル間で非常に類似したパターンが得られ、従って、図2において示されるように、これらの間の差に適さない。試験は、デキストラン標準混合物間のクロマトグラムを並べることにより検証され、図3において示されるように、性能において有意な差は検出されなかった。
【実施例4】
【0056】
薬理学的研究
【0057】
次の薬理学的研究は、F2由来のYunzhiが白血病および乳癌細胞系においてインビトロ増殖防止活性を示すことを証明した。F2はYunzhi純粋抽出よりも、正常なヒト細胞系ではなく、癌細胞に対するその選択的細胞毒性に関して良好であった。このような処方は白血病または乳癌の患者を治療するために潜在的に有用であり得る。
【0058】
処方F2およびF2a由来のYunzhiはどちらも白血病および乳癌細胞において有効性を示したが、F2はMTT分析により決定されるように、腫瘍細胞系について50%成長阻害(IC50)をもたらすために必要な濃度に関してF2aよりも優れているようである。ヒト癌細胞系に関する両方の場合においてYunzhi純水抽出物についてのIC50値はF2よりも小さいが、抽出物はまた正常なヒト細胞系に関して非常に高い細胞毒性および低いIC50値を示した。従って、Yunzhi純水抽出物はF2が示すような選択的細胞毒性を示さなかったが、F2は選択された癌細胞系に対して顕著な細胞毒性を示したが、正常な細胞系には示さなかった。従って、本発明者らは、F2がYunzhi純水抽出物よりも良好な抗癌剤候補であると結論づけた。
【実施例5】
【0059】
F2およびF2aを調べるための細胞培養およびMTT分析のプロトコル
【0060】
細胞培養の前に、F2、F2aおよびYunzhi純水抽出物を素RPMI培地1640(Invitrogen GIBCO、NY、U.S.A.)中に、それぞれ3.0mg/ml、2.2mg/mlおよび1.15mg/ml(溶解度の程度が異なるため)のストック溶液として、48時間室温で、連続して振盪しながら溶解させた。不溶性物質を遠心分離により除去し、0.22μmフィルターを用いて可溶性上清を滅菌し、さらに素培地で希釈した。F2およびF2aについて、希釈後の濃度範囲は25〜1600μg/ml(2x最終濃度)であり、一方、Yunzhi純水抽出物について 濃度は1142.86ug/ml(最終800μg/ml用量)および25−800μg/ml(2x最終濃度)の範囲であった。
【0061】
ヒト急性前骨髄球性白血病(HL−60)、乳癌(MCF−7)および正常肝臓(WRL−68)細胞系をAmerican Type Culture Collection(ATCC、MD、U.S.A.)から購入した。細胞系を増殖させ、加湿インキュベーター中37℃、5%CO雰囲気中に維持した。20%ウシ胎仔血清(FBS)、100単位/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシン(Invitrogen GIBCO)で補足されたRPMI培地1640をHL−60の細胞培養に使用した。10%FBS、100単位/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンで補足されたRPMI培地をMCF−7およびWRL−68細胞の培地として使用した。
【0062】
培養フラスコから収穫された後、血球計を使用いて細胞を計数し、細胞生存をトリパンブルー排除により決定した。F2およびF2aに関する分析について、対数期培養物からの10個のHL−60細胞を96ウェル平底Costar培養プレート(Corning Inc.、MA、U.S.A.)のウェルあたり40%FBSで補足された100μlのRPMI培地中にシードし;MCF−7細胞について、5000細胞を、20%FBSで補足された100μlのRPMI培地中にウェルごとにシードした。100マイクロリットルの、最終濃度の2倍のF2またはF2aを素培地中に含有する溶液をウェルあたり添加した。対照ウェルを100μlの素培地単独とともに添加した。最終濃度20μg/mlの化学療法抗腫瘍剤マイトマイシンC(MMC、Sigma Chemical Co.、MO、U.S.A.)を正の対照として添加した。Yunzhi純水抽出物に関する分析について、10細胞のHL−60細胞系をウェルあたり66.7%FBSで補足された60μlのRPMI培地中にシードし;一方、5000細胞のMCF−7またはWRL−68細胞系のいずれかをウェルあたり33.3%FBSで補足された60μlのRPMI培地中にシードした。800μg/mlの用量で、140μlの希釈された抽出物を素培地中1142.86ug/mlの用量でウェルあたり添加した。12.5〜400μg/mlの用量について、100μlの、素培地中最終濃度の2倍を含有する希釈された抽出物をウェルあたり添加した。対照ウェルを140μlの素培地単独とともに添加した。細胞を次いで薬剤とともに48時間(MCF−7)または72時間(HL−60)インキュベートした。MTT分析を用いて処理された細胞の増殖反応を決定した。
MTT細胞毒性分析
【0063】
MTT分析は、ミトコンドリア脱水酵素によるMTT[3−(4,5−ジメチルチアゾリル)−2,5−ジフェニル−テトラゾリウムブロミド、Sigma]のブルーホルマゾン生成物への還元を検出し、これはミトコンドリアの正常な機能、従って生存可能な細胞を反映する。細胞のF2、F2aまたはYunzhi純水抽出物との48時間(MCF−7またはWRL−68)または72時間(HL−60)のインキュベーション後、30μlの5mg/ml MTTのリン酸塩緩衝塩溶液(PBS、Invitrogen GIBCO)中溶液を各ウェルに添加し、プレートを37℃で2時間インキュベートした。プレートを次に遠心分離し、続いて上清を除去した。100マイクロリットルのジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma)を次に各ウェルに添加した。37℃で5分間インキュベーション後、溶解した溶液の吸光度を分光光度測定により540nmでBenchmark マイクロタイタープレートリーダー(Bio−Rad Laboratories、CA、U.S.A.)により検出した。未処理細胞の吸光度を100%とみなした。結果をMTT吸光度の平均%(Yunzhiエキス末−処理されたものにおける吸収の対照ウェルの吸光度に対する比*100%)±それぞれ6ウェルに関する3つの独立した実験の標準偏差として表した。処理および未処理対照(100%)ウェル間の差をスチューデント不対Tテストにより試験した。
ヒト前骨髄球性白血病(HL−60)および乳癌(MCF−7)に対するF2およびF2aのインビトロ抗腫瘍活性の比較についてのMTT分析結果
【0064】
図4および5は、Yunzhi由来の処方、F2およびF2aがどちらも、それぞれヒト前骨髄球性白血病(HL−60)および乳癌(MCF−7)に対してインビトロ抗増殖効果を有していたことを示す。Yunzhiエキス末の濃度を増大させつつ(12.5〜800μg/mlで2倍の増加)細胞を培地中48時間(MCF−7細胞)または72時間(HL−60細胞)インキュベートし、増殖応答をMTT分析により評価した。両Yunzhiエキス末、F2およびF2aは、MCF−7細胞(50から800μg/ml)およびHL−60細胞(100〜800μg/ml)の増殖を用量に依存した方法で有意に阻害できた。
【0065】
これらの薬理学的研究は、F2が低いIC50値を有し、従って、F2aよりも活性であることを証明した。従って、本発明のYunzhi由来の処方は他のプロセスにより製造されたものよりも良好な処方であることが証明された。
【表1】

「*」はデータが有意であることを示す。
【0066】
図6、7および8は、Yunzhi由来の処方、F2およびYunzhi純水抽出物の、それぞれ、ヒト前骨髄球性白血病(HL−60)、乳癌(MCF−7)および正常肝臓細胞(WRL−68)に対するインビトロ増殖防止効果の結果を示す。細胞を培地中Yunzhi由来の処方の濃度を増加させつつ(12.5〜800μg/ml、2倍の増加)、48時間(MCF−7またはWRL−68細胞)または72時間(HL−60細胞)インキュベートし、増殖応答をMTT分析により評価した。Yunzhi由来の処方F2およびYunzhi純水抽出物はどちらもMCF−7細胞(50から800μg/ml)およびHL−60細胞(100〜800μg/ml)の増殖を用量に依存した方法で有意に阻害することができた。しかしながら、Yunzhi純水抽出物のみがWRL−68細胞の増殖の顕著な阻害を示し(100から800μg/ml)、一方、F2は試験された濃度範囲(12.5から800μg/ml)全体にわたって有意な阻害を示さなかった。
【0067】
表2は試験された細胞系に関するYunzhi由来の処方F2およびYunzhi純水抽出物のIC50値を示す。MCF−7細胞の増殖は、F2およびYunzhi純水抽出物により有意に阻害され、50μg/mlから出発して、それぞれ235.45±41.23μg/mlおよび59.39±5.92μg/mlのIC50値であった。HL−60細胞の増殖は、F2およびYunzhi純水抽出物により有意に阻害され、100μg/mlから出発して、それぞれ、150.62±5.65μg/mlおよび14.85±1.18μg/mlのIC50値であった。WRL−68細胞の増殖は、Yunzhi純水抽出物により有意に阻害され、100μg/mlから出発して、127.91±17.85μg/mlのIC50値であった。12.5から800μg/mlの試験された濃度範囲全体にわたって、F2によるWRL−68細胞の増殖の有意な阻害は無かった。
【0068】
結果は、明らかに、Yunzhi純水抽出物のIC50値はヒト癌細胞系HL−60およびMCF−7の両方の場合においてF2よりも小さいが、抽出物は正常ヒト細胞系WRL−68に関して非常に高い細胞毒性および小さなIC50値を示すことを示した。従って、Yunzhi純水抽出物はF2が有するような選択的細胞毒性を有さず、F2は選択された癌細胞系に対しては有意な細胞毒性を示すが、正常な細胞系に対しては示さなかった。これらの薬理学的研究は、本発明がYunzhi純水抽出物よりも良好な抗癌剤であることが証明されたことを示した。
【表2】

「*」はデータが有意であることを示す。
【0069】
本発明はさらに、Yunzhi抽出物を組み入れた2種の処方も提供する。2つの処方およびその調製法の実施形態を以下に記載する。
【実施例6】
【0070】
Yunzhi粉乳
【0071】
処方:
Yunzhi純粋粉末:40kg
マルトデキストリン:80kg
粉乳:880kg
I.Yunzhi純粋粉末の調製
(1)Yunzhi生薬の前処理
【0072】
Yunzhi原料ハーブを洗浄し、清浄化して、不純物、例えば、チリまたは砂を除去し、乾燥し、粉砕して、さらに使用するために粗末にした。
(2)第一抽出
【0073】
500kgのYunzhi粗末を5倍の50%エタノールで12時間にわたって浸漬した後、標準的手順に従って抽出した。溶媒を若干沸騰する状況まで加熱し、高温で2時間還流させ(15分後ごとに溶媒は強制的に5分間循環した)、濾過して、濾液および第一残留物を得た。濾液をさらに使用するために集めた。
(3)第二抽出
【0074】
第一残留物を3倍の50%エタノール中に浸漬し、若干沸騰する状況まで加熱し、高温で2時間還流し(15分後ごとに溶媒は強制的に5分間循環した)、濾過して、濾液および第二残留物を得た。濾液をさらに使用するために集めた。
(4)第三抽出
【0075】
第二残留物を3倍の水中に浸漬し、若干沸騰した状態まで加熱し、高温で2時間加熱し(15分後ごとに溶媒は強制的に5分間循環した)、濾過して、濾液および第三残留物を得た。濾液をさらに使用するために集めた。
(5)第四抽出
【0076】
第三残留物を3倍の水中に浸漬し、若干沸騰した状態まで加熱し、高温で2時間加熱し(15分後ごとに溶媒は強制的に5分間循環した)、濾過して、濾液および第三残留物を得た。濾液をさらに使用するために集めた。第四残留物を廃棄した。
(6)濃縮
【0077】
前記工程において得られた濾液を合し、1.05〜1.08(65℃±5℃)の相対密度まで標準的手順に従って濃縮した。濃縮物を集め、さらに使用するために(水分量および微生物に関して)試験した。
(7)乾燥
【0078】
透明ペーストを入口温度120℃〜130℃、出口温度50℃±20℃で標準的手順に従って噴霧乾燥した。後に使用するために120メッシュを有する篩いに通すことにより乾燥粉末(Yunzhi純粋粉末)を集めた。
II.マルトデキストリンおよび粉乳との混合
(8)乾燥、混合および造粒
【0079】
Yunzhi純粋粉末(40kg)およびマルトデキストリン(80kg)を接着剤として少量の90%エタノールとよく混合してYunzhi純粋粉末をマルトデキストリンと十分に混合した。120kg、240kg、520kgの粉乳を連続して添加し、Yunzhi純粋粉末およびマルトデキストリンと十分に混合した。好適な量の95%エタノールを軟質ペーストにする際に接着剤として添加した。軟質ペーストを高性能湿式造粒機または振り子様造粒機(16メッシュ篩いを使用)により造粒した。湿潤顆粒を真空乾燥チャンバー中に入れ、0.08〜−0.09Mpa、60℃±5℃で乾燥させた。乾燥した顆粒をさらに使用するために集めた( 水分量≦6.0%)。
(9)包装
【0080】
乾燥した顆粒を40メッシュで篩別した。メッシュを通過した顆粒を集め、包装した。各包装物は4kgの重量であった。
(10)貯蔵
【0081】
湿分を防ぐために生成物パックを密封する。
【実施例7】
【0082】
Yunzhi豆乳粉末
【0083】
Yunzhi豆乳粉末は、処方中の880kgの粉乳を880kgの豆乳粉末と置換し、乾燥顆粒を40メッシュではなく20メッシュで篩別する以外は実施例6において示されたYunzhi粉乳の類似した製造法により製造することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】UV265nmでのYunzhiエキス末F2aおよびF2のHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)特性を示す。
【0085】
【図2】屈折率(R.I.)により検出されるYunzhiエキス末F2aおよびF2のHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)特性を示す。
【0086】
【図3】屈折率(R.I.)により検出されるスタッキングクロマトグラムにおけるデキストラン標準のHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)特性を示す。
【0087】
【図4】様々な濃度で72時間HL−60細胞に対するF2およびF2aの増殖防止効果を示す(n=6ウェル、三重複実験)。
【0088】
【図5】様々な濃度で48時間MCF−7細胞に対するF2およびF2aの増殖防止効果を示す(n=6ウェル、三重複実験)。
【0089】
【図6】HL−60におけるYunzhiおよびF2の水抽出物の細胞毒性を示す。
【0090】
【図7】MCF−7におけるYunzhiおよびF2の水抽出物の細胞毒性を示す。
【0091】
【図8】WRL−68におけるYunzhiおよびF2の水抽出物の細胞毒性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法であって:
a.多糖類−ペプチドに富むキノコを準備し、該キノコを小片に切断し;
b.キノコ片をアルカノールで抽出して、アルカノール抽出物を得、該アルカノール抽出物を濾過して、エタノール濾液を得;
c.工程(b)からの残留物を水性溶媒で抽出して、水性抽出物を得、該水性抽出物を濾過して、水性濾液を得;
d.該濾液を合し、濃縮して、濃縮物を得;
e.該濃縮物を噴霧乾燥して、多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を形成する工程を含む、方法。
【請求項2】
請求項1記載の多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法であって、多糖類−ペプチドに富むキノコがCoriolus versicolor(Yunzhi)である、方法。
【請求項3】
請求項1記載の多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法であって、アルカノール抽出工程(b)が1回より多く行われる、方法。
【請求項4】
請求項1記載の多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法であって、水性溶媒抽出工程(c)が1回より多く行われる、方法。
【請求項5】
請求項1記載の多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法であって、アルカノール抽出工程(b)および水性溶媒抽出工程(c)がどちらも1回より多く行われる、方法。
【請求項6】
請求項1記載の多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法であって、アルカノールが50%の水中エタノール(v/v)である方法。
【請求項7】
請求項1記載の多糖類−ペプチドに富むキノコエキス末を調製する方法であって、該噴霧乾燥工程が、次の工程:
a.濃縮された濾液を予熱し、加熱された濃縮濾液を噴霧乾燥機のキャビネット中に注入し;
b.キャビネットの流入空気温度を最適温度に調節し;
c.濃縮濾液を乾燥して、乾燥粉末を得ることをさらに含む、方法。
【請求項8】
アルカノールがエタノールである請求項1記載の方法。
【請求項9】
Coriolus versicolor(Yunzhi)エキス末を調製する方法であって:
a.Yunzhi原料を準備し、該原料を粉砕して粗末にし;
b.該粗末を溶媒で抽出して、液体抽出物を得;
c.該液体抽出物を濾過して、濾液を得:
d.該濾液を濃縮して、濃縮物を得;
e.該濃縮物を噴霧乾燥して、Yunzhiエキス末を形成することを含む、方法。
【請求項10】
請求項9記載のCoriolus versicolor(Yunzhi)エキス末を調製する方法であって、溶媒が50%エタノール:50%水(v/v)である、方法。
【請求項11】
請求項9記載のCoriolus versicolor(Yunzhi)エキス末を調製する方法であって、抽出工程(a)が1回より多く行われる方法。
【請求項12】
請求項11記載のCoriolus versicolor(Yunzhi)エキス末を調製する方法であって、抽出工程(a)が4回行われ、使用される溶媒が、第一および第二抽出については50%エタノール:50%水(v/v)、第三および第四抽出については水である、方法。
【請求項13】
請求項12記載のCoriolus versicolor(Yunzhi)エキス末の調製法であって、ハーブ材料および溶媒の重量対体積比が、それぞれ、第一および第二抽出については約1:5および1:2〜3、第三および第四抽出については1:2〜3および1:1〜3である、方法。
【請求項14】
Coriolus versicolor(Yunzhi)粉末を含むハーブエキス末であって、該Yunzhi粉末が、Yunzhi粗末を溶媒で抽出して液体抽出物を得;該液体抽出物を濾過して、濾液を得;該濾液を濃縮して、濃縮濾液を得;濃縮濾液を噴霧乾燥して、該Yunzhi粉末を得ることにより得られる、ハーブエキス末。
【請求項15】
Yunzhi粉末が、図1において示されるようなF2の高圧液体クロマトグラフィーパターンを有する請求項14記載のハーブエキス末。
【請求項16】
Yunzhi粉末を含むハーブエキス末であって、該Yunzhi粉末が請求項12記載の方法により得られ、該Yunzhi粉末が、図1において示されるようなF2の高圧液体クロマトグラフィーパターンを有するハーブエキス末。
【請求項17】
ヒトまたは他の哺乳動物において、免疫系の刺激または調節能、肝炎の治療能、あるいは癌細胞の増殖の阻害能を有する、請求項15記載のハーブエキス末。
【請求項18】
ヒトまたは他の哺乳動物において白血病または乳癌細胞の増殖の阻害能を有する、請求項15記載のハーブエキス末。
【請求項19】
顆粒剤、カプセル、錠剤、散剤、およびボーラスからなる群から選択されるものとして処方される、請求項15記載のハーブエキス末。
【請求項20】
カプセルの形態である、請求項15記載のハーブエキス末。
【請求項21】
有効量の請求項15記載のハーブエキス末を投与することを含む、ヒトまたは他の哺乳動物の免疫系を刺激または調節する方法。
【請求項22】
有効量の請求項15記載のハーブエキス末を投与することを含む、ヒトまたは他の哺乳動物において癌細胞の増殖を阻害する方法。
【請求項23】
有効量の請求項15記載のハーブエキス末を投与することを含む、ヒトまたは他の哺乳動物において肝炎を予防または治療する方法。
【請求項24】
請求項14記載のハーブエキス末、マルトデキストリン、および粉乳を含む栄養補助食品。
【請求項25】
ハーブエキス末、マルトデキストリン、および粉乳の比が1:1:10〜1:4:50の範囲である請求項24記載の栄養補助食品。
【請求項26】
ハーブエキス末、マルトデキストリン、および粉乳の比が約1:2:22である請求項24記載の栄養補助食品。
【請求項27】
請求項14記載のハーブエキス末、マルトデキストリン、および豆乳粉末を含む栄養補助食品。
【請求項28】
ハーブエキス末、マルトデキストリン、および豆乳粉末の比が1:1:10−1:4:50の範囲である請求項27記載の栄養補助食品。
【請求項29】
ハーブエキス末、マルトデキストリン、および豆乳粉末の比が約1:2:22である請求項27記載の栄養補助食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−514960(P2009−514960A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540101(P2008−540101)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/043170
【国際公開番号】WO2007/056271
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(507215426)ビータ・グリーン・ヘルス・プロダクツ・カンパニー・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】VITA GREEN HEALTH PRODUCTS CO., LTD.
【Fターム(参考)】