説明

バイオアッセイ装置

【課題】簡便にかつコストが増大することなく気泡を除去することができる海生生物の付着試験又は評価を行うための試験装置を提供すること。
【解決手段】試験装置は、液体を貯留する貯留タンクと、貯留タンクから液体を送液する送液ポンプと、液体に塩素を発生させる発生部と、気泡を除去する脱泡部と、海生生物を封入できる観察セルと、観察セルを通過した液体から塩素を除去する除去部とを備え、貯留タンクは、除去部において塩素が除去された液体を貯留する。そして脱泡部は、一の入口と二つの出口からなる分岐管と管に接続されるその一方が分岐管と、分岐管接続された袋状弾性体と、を有する。分岐管の入口と一方側の出口は、試験装置各部を連通する管に接続されて液体を流すが、分岐管の他方側の出口は袋状弾性体に接続される。これにより、液体に発生した気泡を分岐管の他方側の出口に接続された袋状弾性体に導くことで気泡を除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水を利用するプラントの配管中における海生生物の付着状況を調査するための試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海水を利用するプラントにおいて、特に火力発電所や原子力発電所等では、蒸気を冷却するために復水器が使用されている。この復水器は、蒸気を海水で冷却・凝縮し、真空を作ると共に復水として回収する。この場合、海水が通過する配管内では、海水中に含まれるムラサキイガイやフジツボ等の海生生物が付着しやすい。そして、これらの海生生物が配管内に付着したり、付着した生物の死骸が堆積したりすることにより、配管の流路が狭められたり、腐蝕により漏洩が生じたりするといった問題がある。
【0003】
そこで、上記のような海生生物の付着を防ぐために、防汚塗料の開発や、電流や超音波を流すことにより麻痺または致死させたり、また、塩素処理により麻痺または致死させたりする等の手法が開発されている。
【0004】
また、プラントの海水と接する配管へ付着生物が流入しているか否かについて調査するための観察容器についての発明も開示されている。
【特許文献1】特開2006−271331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、海生生物付着防止の手法を開発したり、現実の環境に適した諸条件を決定するにはある程度の試験やその評価が必要であるが、試験や評価をする度にプラントの稼働を停止することはできない。そして特許文献1においては、調査はすることができても、その評価や試験を行うことはできない。
【0006】
また、海生生物付着防止については多くの手法が開発されているが、実際にプラントにおいて使用されている手法の代表的なものとしては塩素を使用した手法があり、塩素を用いた手法について試験又は評価するには、現実のプラントを使用して行うとなると多くの制約が課される。まず、プラントの定常稼働を妨げることがなく、塩素による環境への影響が無いように配慮することが必要となる。このためには、プラントを想定した試験装置において試験又は評価をすることが適している。
【0007】
プラントを想定した試験装置において塩素を用いるためには、試験又は評価サンプルが配置される流路とは別に次亜塩素酸ナトリウムが流れる流路を別途設けて混合させたり、電気分解により塩素を発生させたりすることが一般に採用されている。このような場合、液体が流れる流路内に気泡が発生することが多い。
【0008】
気泡が大量に発生すると、試験又は評価の結果に影響を及ぼすためこれらの気泡を除去する必要がある。しかし、気泡を除去するために既存の脱気装置を使用するとコストが増大するという問題がある。
【0009】
本発明は、簡便にかつコストが増大することなく気泡を除去することができる海生生物の付着試験又は評価を行うための試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)海水を利用するプラントの配管中における海生生物の付着状況を試験又は評価するための試験装置であって、液体を通す管と、前記液体を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクから前記液体を送液する送液ポンプと、前記送液ポンプから送液された液体に塩素を発生させる発生部と、前記発生部によって形成された気泡を除去する脱泡部と、前記脱泡部により前記気泡が除去された液体を通過させ、かつ前記海生生物を封入することができる観察セルと、前記塩素のうち前記観察セルを通過した液体に含まれる塩素を除去する除去部と、を備え、前記貯留タンクは、前記除去部から排出された液体を貯留することができ、前記脱泡部は、前記気泡を流入させる袋状弾性体と、入口と二つの出口とを有する分岐管と、を有し、前記入口は前記管における前記発生部の下流側に配置された部分と連通し、前記二つの出口のうち一方側の出口は前記管における前記観察セルの上流側に配置された部分と連通し、前記他方側の出口は、前記袋状弾性体が配置される分岐管と、を備える試験装置。
【0011】
(1)の発明に係る試験装置は、海水を利用するプラントの配管中における海生生物の付着状況を試験又は評価するための試験装置である。そして、液体を貯留する貯留タンクと、貯留タンクから液体を送液する送液ポンプと、液体に塩素を発生させる発生部と、気泡を除去する脱泡部と、海生生物を封入できる観察セルと、観察セルを通過した液体から塩素を除去する除去部とを備える。また、貯留タンクは、除去部において塩素が除去された液体を貯留することができる。そして脱泡部は、一の入口と二つの出口からなる分岐管と管に接続されるその一方が分岐管と、分岐管接続された袋状弾性体と、を有している。分岐管の入口と一方側の出口は、試験装置各部を連通する管に接続され、液体を流すが、分岐管の他方側の出口は袋状弾性体に接続される。
【0012】
これにより、当該試験装置は、液体に発生した気泡を分岐管の他方側の出口に接続された袋状弾性体に導くことで気泡を除去することができる。
【0013】
(2)前記分岐管における前記他方側の出口は、前記入口と前記一方側の出口とにより形成される流路に対して上方に向けて配置される、(1)に記載の試験装置。
【0014】
(2)の試験装置における袋状弾性体は、脱泡部に連通する管が配置される位置よりも上方に配置されている。これにより、気泡は液体よりも軽いため、気泡を袋状弾性体に導きやすくなる。
【0015】
(3)前記分岐管における前記他方側の出口は、前記流路の上流側に向くように配置される(2)に記載の試験装置。
【0016】
(3)の試験装置における分岐管の他方側出口は、分岐管の入口と一方側の出口とで形成される流路において、液体が流れる方向とは逆の方向に向けて傾いた状態で設置される。これにより、液体に発生した気泡を袋状弾性体に導きやすくなる。
【0017】
(4)前記袋状弾性体は着脱可能なニップルである(1)から(3)のいずれかに記載の試験装置。
【0018】
(4)の試験装置における袋状弾性体はニップルであるので、当該袋状弾性体の内部が収集された気体で満たされたとしても、試験を中断せずにニップルを外して気体を抜くことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、本発明は、簡便にかつコストが増大することなく気泡を除去することができる海生生物の付着試験又は評価を行うための試験装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の実施形態は下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
【0021】
図1は、試験装置1の構成を示すブロック図である。図2は、電解部13の概略的構成を示す図である。図3は、脱泡部14の構成を示す図である。図4(a)は、観察セル15及び対照セル25の構成を示す図である。図4(b)は、観察セル15の側面図である。図5は、観察セル15に遮光部材160を配置した場合の側面図である。図6(a)は、観察セル15に遮光部材170を配置した場合の側面図である。図6(b)は、遮光部材170を観察セル本体151に配置した場合を説明する側面断面図である。図7は、遮光部材180の断面図である。図8(a)は、観察セル本体151に遮光部材190を配置した場合の上面図である。図8(b)は、観察セル本体151に遮光部材190を配置した場合の斜視図である。図9(a)は、観察セル本体151に遮光部材200を配置した場合の側面図である。図9(b)は、観察セル本体151に遮光部材200を配置した場合の側面断面図である。図10は、観察セル本体151に遮光部材210を配置した場合を説明する斜視図である。
【0022】
[1]概要
以下において、本発明の好適な実施形態の一例である試験装置1の構成について図を用いて説明する。本願発明の試験装置1の一例としては、バイオアッセイ装置を挙げることができる。試験装置1は、後述の観察セル15を通る試験系2と観察セル15と比較するための対照セル25を通る対照系3との2系統の流路を有する。この2系統は、装置に流す液体である溶液を貯める貯留タンク11を共通とする。
【0023】
試験系2には、所定の液体である溶液を送液するポンプ12と、溶液に塩素を発生させる電解部13と、流路に発生した気泡を除去する脱泡部14と、海生生物を封入することができる観察セル15と、人口海水内に溶存する塩素を除去する除去部16と、を備える。そして、各部はパイプ17によりそれぞれ連通されている。また、図1における矢印は溶液が流れる方向を示す。
【0024】
対照系3には、貯留タンク11から溶液を送液するポンプ22と、観察セル15と比較するための対照セル25と、を備える。
【0025】
なお、本実施形態においては、試験系2、対照系3いずれにおいても観察セル15又は対照セル25を設置する流路の数は1としているが、これに限らず流路数は複数あってもよい。
【0026】
ここで、溶液とは、当該試験装置1における移動相である。そして、当該試験装置1に用いられる溶液としては、人工海水等の人工的に調製した溶液や水等が好ましいが、自然界に存在する海水であってもよい。人工海水は市販のものを使用することもできるが,例えば、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム7水塩、塩化マグネシウム6水塩、塩化カルシウム2水塩、塩化カリウム、塩化ストロンチウム6水塩、臭化ナトリウム、ホウ酸、フッ化ナトリウム、ヨウ化カリウムを所定の割合で混合したものを水に溶かして使用することもできる。
【0027】
また、本発明の試験装置1で観察できる海生生物は、イガイやフジツボ等の大型付着生物及び/又はこれらの幼生を主とするが、これに限られない。水中の岩礁や構造物等に付着する生物であれば対象とすることができ、例えば、藻類、海綿類、苔虫類、二枚貝類、ホヤ類及びこれらの幼生を対象とすることができる。該試験装置1における試験において、試験できる海生生物は1種類とは限らず、2種以上の海生生物を同時に観察セル15に封入して試験することができる。
【0028】
ポンプ12,22は、貯留タンク11に貯留された溶液を試験装置1における試験系2及び対照系3の各部に流していく。対照系3では、貯留タンク11からそのまま対照セル25に溶液が流される。そして、対照セル25を通過した溶液は、貯留タンク11に再び貯留される。
【0029】
なお、対照系3において対照セル25に向かう流路の途中に、流量計33を備えることが好ましい。これは、対照セル25に流入する溶液の流量を調節するためである。当該流路において、パイプ17を流れる溶液が対照セル25に流した流量よりも多い場合には、回避ライン28のバルブ35を開けて回避ライン28に余分な溶液を流すことにより、対照セル25に流入する溶液の流量を調節することができる。言い換えると、バルブ35の開閉によって、対照セル25に流入する溶液の流量を調節することができる。
【0030】
一方、試験系2においては、ポンプ12によって溶液が貯留タンク11から電解部13に送液され、電解部13では当該溶液を電気分解して塩素を発生させる。つまり、該試験装置1における電解部13以降の試験系2の流路には、塩素が一定の濃度で含まれる溶液が流れることになる。
【0031】
次に溶液は、脱泡部14に流入する。脱泡部14は、主として電解部13で発生した気泡を除去する。そして、気泡が除去された溶液は、海生生物が封入された観察セル15に送られる。
【0032】
なお、試験系2では、電解部13から脱泡部14間の流路において流量が調節される。具体的には、電解部13の下流側に配置された流量計32により流量を測定する。そして、測定した流量が観察セル15に流入するのに適した流量より多い場合には、バルブ37を開けて回避ライン18に余分な流量を流し、同時にバルブ38を締めて観察セル15側に流れる流量を調節する。バルブ38の開閉を調節する場合には、脱泡部14側の流量計32で示される流量を参照して調節することができる。
【0033】
観察セル15は、透明の部材で形成された観察セル本体151と観察セル本体151の両端に配置される遮蔽部となる蓋用筒152,153を有し、観察セル本体151内部に観察対象となる海生生物を封入することができる。一方、観察セル15に流入した溶液は、該観察セル15を通過することができる。
【0034】
試験系2における観察セル15の下流には、除去部16が配置される。除去部16は、電解部13で発生させた塩素を溶液から除去する。そして塩素が除去された溶液は、パイプ17により貯留タンク11内に戻され、再度試験に利用される。
【0035】
[2]各部の説明
[2.1]ポンプ
ポンプ12,22は、貯留タンク11に貯留する溶液を試験装置1の各部に送液する。このポンプ12,22は、既知のポンプを使用することができる。例えば、回転ポンプや往復動ポンプのような容積式ポンプ、又は遠心ポンプ、プロペラポンプ等、試験装置1を用いて行う試験にあわせて適宜選択することができる。好ましくは、送液量が常に一定であって圧力変動による影響が少ないポンプを使用することが好ましい。具体的には、マグネット式遠心ポンプを例示できる。
【0036】
[2.2]電解部
電解部13は、溶液を電気分解して塩素を発生させる。希塩酸や海水を電気分解すると、これらに含まれる塩素は水と反応して次亜塩素酸と塩酸とが生成される。
【化1】

【0037】
そして、次亜塩素酸はさらに水中で解離して、次式のように水素イオンと次亜塩素酸イオンとが生成される。
【化2】

【0038】
この反応は可逆反応であり、水のpH値や水温によって変化する。試験装置1においては、このような反応を利用して塩素を発生させ、海生生物に対する塩素の影響等を試験することができる。
【0039】
図2は、電解部13の概略的構成を示す図である。電解部13は、上記パイプ17に接続可能な接続部(図示せず)を備え、内部に電極を受け入れ可能な空間を有する電解槽131と、電源装置(図示せず)から電源の供給を受けて電解槽131内部において溶液を電気分解する電極132,133と、を少なくとも有する。なお、本実施形態においては電極132を陽極、電極133を陰極として説明するが、これに限らず陰極と陽極とが逆になっていてもよい。また、電解部13には、ドレイン135、電解槽131内のエア抜き136を備えることができる。
【0040】
電極132,133は、例えば、外径が3mm、長さが5cmの棒状の電極である。また、材質はチタンが好ましいが、これに限らない。また、該棒状の電極には、1μmの厚さで白金メッキがなされていることが好ましい。
【0041】
電解部13では、パイプ17を通して供給された溶液が電解槽131に流入すると、流入した溶液の一部が電解槽131内部に設置された電極132,133により電気分解され、塩素及び次亜塩素酸が発生する。そして生成された塩素等を含む溶液は電解槽131から排出され、パイプ17を通じて脱泡部14に送られる。
【0042】
電解部13から下流の流路では、所定の塩素濃度の溶液が流れることとなる。この塩素濃度は、以下のように調節する。すなわち、電気分解を行う電流値と残留塩素濃度は比例関係にあるため、当該試験装置1において使用する溶液をあらかじめ調製しておき、その溶液を使用して、ある電流値の時の残留塩素濃度をプロットして較正直線を作成する。なお、電流値と残留塩素濃度については溶液の温度によっても変化するので、溶液の温度が一定の温度となるように維持するようにすることが好ましい。
【0043】
海水を溶液として使用する場合は、電極132,133の電流値と残留塩素濃度が比例の関係にあるため、あらかじめ電流値と残留塩素濃度の関係の近似式を作成しておけば、試験前、試験中を問わず、設定する残留塩素濃度を近似式に当てはめることでそれに対応した電流値の目安を得ることができる。例えば、試験時と同じ条件時(水温が25度の人工海水を電解部に4L/minで流す)に得られた近似式に設定したい残留塩素濃度として、例えば0.15mg/Lを当てはめると、41.3mAという値が得られる。このため、35から45mAの電流を流せば目的とする残留塩素濃度になることがわかる。実際は、試験条件(水温,水質)の微妙な変化などの誤差要因があるため、試験中において残留塩素濃度を計測し、微調整する必要がある。
【0044】
また、電極132,133に流す電流は、10から300mA好ましくは15mAから200mAが好ましい。300mA以上の電流をかけると、電解槽131内に不純物が発生したり、酸素や水素が大量に発生し、パイプ17内の溶液の流量を低下させる場合がある。
【0045】
[2.3]脱泡部
脱泡部14は、電解部13による電気分解によって生じた気泡や、溶液に溶解していた空気が当該溶液の飽和溶解量を超えた場合に発生した気泡を取り除く。気泡が溶液内に含まれると、試験装置1内における溶液の流れを阻害され、再現性に影響を及ぼす場合があるためである。
【0046】
脱泡するには、既知の脱気装置を使用してもよく、また、気泡を除去するためのトラップとなるものを使用してもよい。例えば、図3(a)に示すように、パイプ17の途中に分岐管141を介在させて流路を分岐させ、分岐管141におけるパイプ17に接続しない方の出口に袋状弾性体142を接続したものを挙げることができる。
【0047】
なお、脱泡部14を取り付ける場合には、該袋状弾性体142がパイプ17よりも上方になるように設置することが好ましい。さらに好ましくは、分岐管141における袋状弾性体142を接続する側の出口が、溶液が流れる方向(矢印173の方向)とは逆方向に向くように傾けた状態で配置することが好ましい。これにより、溶液より軽い気泡を捕集しやすくすることができる。また、該脱泡部14は、図3(b)に示すように、該分岐管141における袋状弾性体142を接続する流路を頂点として略逆U字状に湾曲させた状態であることが好ましい。
【0048】
袋状弾性体142は、袋状の弾性体であり、特に袋状となっている部分が弾力性を有することが好ましい。例えば、上記分岐管141に接続可能な大きさをもつピペット用ニップルを挙げることができる。当該袋状弾性体142の材質は、ゴム、プラスチック等袋状の部分に弾力性を有するものであればよい。
【0049】
以下に、脱泡部14の使用態様について説明する。当該袋状弾性体142及び分岐管141には、あらかじめ試験装置1で使用する溶液を満たしておく。そして、試験装置1に溶液を流し、試験を開始すると、パイプ17内に発生した気泡が分岐管141を通り、気泡となっていた気体が袋状弾性体142に蓄積される。このように、気体が袋状弾性体142に蓄積されるにつれて、該袋状弾性体142に満たされていた溶液が徐々に流路に押し出され、袋状弾性体142内の水位が下がっていく。
【0050】
捕集した気体が袋状弾性体142の容量を超えて蓄積されると捕集した気体がパイプ17に逆流してしまうため、袋状弾性体142を分岐管141から取り外し捕集した気体を抜く必要がある。気体を抜くには、袋状弾性体142が接続されている分岐管141の流路から当該袋状弾性体142を取り外すことにより可能である。
【0051】
気体を抜いた後は、取り外した袋状弾性体142を再度分岐管141に取り付ける。この場合、袋状弾性体142に空気がなるべく入らないよう、袋状弾性体142に圧力を加えた状態で分岐管141に取り付けることが好ましい。例えば、袋状弾性体142を指でつまんでつぶした状態を維持しながら取り付ける。これにより、袋状弾性体142の取り付け終了後、袋状弾性体142にかかる圧力を元に戻した際に溶液が該袋状弾性体142に吸い上げられる。これにより、袋状弾性体142を取り外して捕集した気体を抜く際に、試験装置1に流れる溶液の送液を止めずに行うことが可能である。
【0052】
[2.4]観察セル
観察セル15は、海生生物を封入することができる。そして、封入した海生生物が該観察セル内に付着するか否かを観察することができる。観察セル15は、溶液が通過することができ、かつ封入した海生生物が観察セル15から他の部分に移動できないように形成される。
【0053】
具体的には、図4に示す様に、内部が空洞であって円柱状の観察セル本体151の両端に観察セル本体151よりも直径が小さい円柱状の蓋用筒152,153がはめ込まれた構成である。そして、この蓋用筒152,153における観察セル本体151側の端部154,155には、当該蓋用筒152,153の端部154,155全面をふさぐように、メッシュシート156を配置することができる。
【0054】
このメッシュシート156におけるメッシュの大きさは、観察対象であるイガイやフジツボが通過できない程度の大きさであることが好ましく、観察対象の海生生物の大きさによって変更することができる。また、該メッシュの大きさは、溶液の通過を阻害しない程度であることが好ましい。具体的には、試験対象がアカフジツボ付着期幼生の場、100μmから224μmであることが好ましい。
【0055】
また、メッシュシート156の材質は、ナイロン、ポリエチレン、テトロン、ポリエステル、カーボン、テフロン(登録商標)及びポリプロピレン等を例示できる。
【0056】
観察セル本体151の材質は、その外側から観察できるよう透明の材質であることが好ましい。例えば、ガラス、プラスチック、アクリルの材質で作製されることが好ましく、詳細には、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブラチール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリ2塩化ビニル、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピルセルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ナイロン、ポリメチルメタクリエート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン尿素樹脂、エポキシ樹脂、ガラス、又は石英ガラスからなる化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、観察セル本体151及び蓋用筒152,153の材質は、塩素や溶液と反応(例えば、変性、硬化、変色など)を起こさない材質であることが好ましい。
【0057】
さらには、特に観察セル本体151は、海生生物が付着しやすいような材質であることが好ましい。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリ2塩化ビニル、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピルセルロース、酢酸酪酸セルロース、又は硝酸セルロースからなる化合物を挙げることができる。さらには、観察セル本体151の内部表面には、海生生物が付着しやすいような加工がなされていることが好ましい。
【0058】
蓋用筒152,153については、上述の観察セル本体151と同様の材質であることが好ましいが、異なる材質であってもよい。
【0059】
観察セル本体151の長さは、80〜120mm、好ましくは、90〜100mmであることが好ましい。また観察セル本体151の直径は、15〜40mm、好ましくは、20〜30mmであることが好ましい。長さが120mm、直径が40mmより大きくなると試験終了時の顕微鏡での観察が困難になる。また、長さが80mm、直径が15mmより小さくなると収容できる幼生の個体数が少なくなり、適正な試験が困難になる。
【0060】
観察セル本体151及び蓋用筒152,153の形状は、内部が空洞である円柱状として説明したが、これに限られない。例えば、四角柱、三角柱等を挙げることができる。
【0061】
また、屋内光等の光が観察セル15に当たると、光の当たり方により試験結果に影響を与える場合がある。これは、海生生物の幼生のなかには、光への走行性を持つものがあるからである。このため、観察セル本体151の外側に遮光部材160を配置することが好ましい。観察セル15の内部を暗くすることにより、光による影響を抑えることができる。また、実際に想定される発電所等のプラントの環境は、地上より暗い状態であるので、より近い環境を創出することができる。
【0062】
この遮光部材106は例えば、図5〜図10に示すように、観察セル本体151の外側に、遮光性のあるベース部材161上に粘着層162が形成された遮光性のテープにより簡便に作製することができる。
【0063】
この場合、テープの粘着面が直接観察セル本体151になるべく接触することが無いようにすることが好ましい。例えば、図5のように、遮光部材160の粘着層162側を内側にして、粘着層162の粘着面を所定の面積を残すようにして折りたたむ。このような状態にした遮光部材160における粘着層162側を観察セル本体151に向け、残された粘着面に貼付する。一の遮光部材では観察セル本体151の周囲を覆うことができない場合は、上述のように折りたたんだ遮光部材160を複数作製し観察セル本体151に貼付してもよい。
【0064】
粘着層162を内側にして折りたたむことにより形成される粘着部は、該遮光部材160における長手方向における長さと、短手方向における長さとの比が1以下であることが好ましい。すなわち、少なくとも短手方向における長さよりも長手方向における長さの方が長くなるようにすることが好ましい。
【0065】
遮光部材160の長手方向における長さと短手方向における長さとの比が1より大きいである場合には、該遮光部材160を折りたたむことにより形成される粘着面の面積が広くなる。このため、試験後に観察セル本体151から遮光部材160を取り外す場合に、粘着層162の粘着物質が観察セル本体151に残され、観察セル本体151を汚してしまう場合がある。
【0066】
また、図6から図10に示すように、遮光部材の他の例を挙げることができる。
例えば、図6に示すように、ベース部材171と粘着層172とで構成される遮光部材170において、粘着層172側を内側にして、該粘着層172の粘着面を数ミリ程度残すように該遮光部材170を折りたたむ。そして、この状態の遮光部材170を観察セル本体151に螺旋状に巻きつける。巻きつける際には、数ミリ程度残された粘着面を、先に巻きつけた遮光部材170の外周に重なるように巻きつけることが好ましい。すなわち、該テープを巻きつける一周目は観察セル本体151に粘着面が接するが、二周目以降は、一周目の遮光部材170の外側(ベース部材171側)に粘着面が重なるように螺旋状に巻きつける。これにより、テープの粘着面が観察セル本体151に接触する面積を最小限にすることができる。
【0067】
この場合、該遮光部材170が折りたたまれることにより形成される粘着面の面積は、折りたたまれた遮光部材170の面積の1/2以下であることが好ましい。また、該粘着面は、遮光部材170の長手方向における長さと短手方向における長さとの比が1より大きいであることが好ましい。
【0068】
長手方向の長さと短手方向の長さとの比が1以下である場合には、該遮光部材170を折りたたむことにより形成される粘着面の面積が広くなる。このため、試験後に観察セル本体151から遮光部材を取り外す場合に、粘着層172の粘着物質が観察セル本体151に残され、観察セル本体151を汚してしまう場合がある。
【0069】
さらに図7に示すように、他の例として、ベース部材181の一部分に粘着層182を形成した遮光部材180を挙げることができる。この場合、粘着層182の面積はベース部材181の面積の1/3以下であって、該遮光部材180を観察セル本体151に貼付した際にベース部材181がはがれない程度の面積であることが好ましい。
【0070】
また、図8及び図9に示すように、ベース部材191側を観察セル本体151側に向け、粘着層192側を外側にした状態で該遮光部材190,200を観察セル本体151の周囲に巻き付けるようにしてもよい。この場合、図8に示すように、遮光部材190の一端を、ベース部材191側を内側にして折り曲げて観察セル本体151に貼付することができる。これにより折り曲げられて観察セル本体151側に向いた粘着層192が観察セル本体151と該遮光部材190との粘着部となる。
【0071】
図9における遮光部材200は、ベース部材201を観察セル本体151側にし、粘着層202を外側に向けた状態で観察セル本体151に螺旋状に巻き付けたものである。この場合、常に遮光部材200の一方の側部が、すでに巻き付けた遮光部材200の側部に重なるように巻き付けることが好ましい。これにより、観察セル本体151に粘着物質がふれないように該遮光部材200を固定することができる。
【0072】
さらには、図10に示すように、所定のスリット213を形成した遮光部材210を例示できる。スリット213が形成されることにより、観察セル150内部が完全に遮光されるのではなく、ある程度の光が入る状態となる。これにより、想定される現場により近い環境を形成することができる。
【0073】
観察セル本体151を遮光するには、他の例としては、観察セル本体151の外径よりも大きな径であって、観察セル本体151の全体又は一部を覆うことができる大きさの筒をかぶせてもよい。当該筒は、透明ではなく、光をある程度遮断できるような材質が好ましい。例えば、黒い紙やプラスチック又は鉄や金属等の金属で作製された筒を例示できる。そして、試験中においても観察セル本体151内部を観察することができるように開閉自在であることが好ましい。
【0074】
また、対照系3における対照セル25も同様の構成で作製される。対照セル25は、試験中に試験系2における観察セル15と同時に使用される。そして、試験終了時に観察セル15と対照セル25とを比較して試験結果を検証することができる。
【0075】
なお、観察セル15及び対照セル25は、地面に対して垂直となるように設置されることが好ましい。また、溶液は、図4における矢印41方向に流される。すなわち、溶液は、観察セル15及び対照セル25において下から上に向けて流れるようにする。各セルに封入される海生生物が重力及び水流による圧力により押さえつけられるのを防ぐためである。
【0076】
[2.5]除去部
除去部16は、電解部13で発生した塩素や次亜塩素酸を溶液中から除去するためのものである。具体的には、例えば、活性炭をつめた容器(トラップ)に溶液を流入させ、塩素や次亜塩素酸を活性炭に吸着させることにより行うことができる。
【0077】
この活性炭の量は、試験装置1内の電解部13に流す溶液の流量や試験時間等に応じて決定される。例えば、溶液を3L/minから5L/minで流し、試験時間が48時間以内である場合には、除去部16に使用される活性炭カートリッジフィルターは直径70mm、高さ250mm、ヤシガラ活性炭40〜80メッシュのものが使用できる。
【0078】
また、除去部16は、活性炭を利用したトラップに限らず、電解部13で発生した塩素や次亜塩素酸を除去できる装置であればよい。例えば、薬液を用いて中和させる装置や、オゾンで処理する装置を設けてもよい。
【0079】
除去部16により、塩素や次亜塩素酸が除去された溶液は再び貯留タンク11に戻され、当該試験装置1の移動相として、再度使用することができる。
【0080】
[2.6]その他
本発明の試験装置1で観察できる海生生物は、イガイやフジツボ等の海生生物の幼生を主とするが、これに限られない。本明細書における海生生物とは、海中に生息する生物のうち特に水中の岩礁や構造物等に付着する生物を指し、例えば、藻類、海綿類、苔虫類、二枚貝類、ホヤ類及びこれらの幼生を対象とすることができる。該試験装置1における試験において、試験できる海生生物は1種類とは限らず、2種以上の海生生物を同時に観察セル15に封入して試験することができる。
【0081】
本実施形態においては、アカフジツボ付着期幼生を試験に用いる。海生生物の中には幼生の間に海に漂い、水中の構造物に付着するものがある。そのなかでもフジツボ類は幼生の間に構造物に付着して、付着後変態する。このため、幼生が構造物に付着又は付着後に固着する前に死亡する環境または付着変態を阻害する環境を構築することが必要となる。そこで、アカフジツボの成体ではなく、付着期幼生を検体として試験する必要がある。
【0082】
観察セルに封入するアカフジツボ付着期幼生の個体数は、20個体から60個体の範囲であることが好ましい。例えば、20個体未満であると、個体数が少ないため、人工海水の流れやアカフジツボ付着期幼生自身の塩素に対する耐性の違いによって、試験結果にばらつきが生じ、この結果試験を複数回行う必要が生じる。60個体を超えると、観察セル15中の個体の密度が高すぎ、密度の影響によりかえって幼生が観察セル15に付着しにくくなる場合がある。
【0083】
上記の範囲の個体数とすることにより、本発明における試験装置を使用して、アカフジツボ付着期幼生を塩素に暴露したときに、試験に使用したアカフジツボ付着期幼生の個体数のうち、何個体が観察セルに付着しなかったかの結果を安定的に得ることができる。当該結果が、他の範囲の個体を観察セルに封入した場合に比べて、一度の試験で安定的に付着しなかった個体数の値を得ることができる。
【0084】
流量計31,32,33は、パイプ17,18内に流れる溶液の流量が計測できるものであれば既知のものを使用することができる。また流路において使用されるバルブ35,36,37,38は、溶液の流量を変化させることができるものであればよく、電磁弁や手動弁いずれも使用可能である。使用するには、これらのバルブにタイマーを設けてもよいし、特に電磁弁を使用する場合には、例えばコンピュータ制御によりバルブを制御してもよい。また、バルブ41〜51は、パイプ17を流れる溶液の流れを遮断又は開放するための切り替えが少なくともできればよいが、流量を調節できるバルブであってもよい。
【0085】
以上の構成を備えることにより、本発明にかかる試験装置1は、海洋生物の付着に関する試験において自然界の擬似的な環境を実現しつつ再現性のよい試験結果を得ることができる。このため、擬似的な環境を形成することにより、試験結果における効果の検証において、環境要因であるか、試験した効果によるものであるかの判断を容易にすることができる。
【0086】
また、脱泡部14に袋状弾性体142を使用することで、より簡便かつ低コストで試験装置1を作製することができる。脱泡部14を備えることにより、電解部13で発生した気泡の影響を除くことができる。気泡の影響としては、以下のようなものがある。脱泡部14の下流側に観察セル15が配置されるが、観察セル15の上流側に配置されるメッシュシート156のメッシュの大きさは比較的細かいものが使用される。このため、気泡がメッシュシート156によりせき止められ、気泡がたまるにつれて観察セル15内における人工海水の流れに偏りがでる場合がある。また、電解部13の電極132,133に流れる電流の電流値が大きい場合には、気泡発生量も多くなるので、この傾向が高くなる。このように、気泡が発生すると試験結果にも影響する場合があるが、脱泡部14により気泡を除去することにより、気泡の影響を抑制することができる。
【0087】
また、電解部13において電気分解により塩素を発生させることにより、あらかじめ塩酸を含む溶液を用意する必要がなくなる。塩酸を含む溶液を使用する場合には、試験が開始されて時間が経過するにつれ該試験装置1を流れる溶液の全体量が増えるため、なんらかの処理が必要であるが、本発明では電気分解で塩素を発生させるため、溶液の全体量はほとんど変化せず、その必要がない。さらには、除去部16で塩素を除去した後は貯留タンク11に貯留させ、溶液を循環させて再利用することができるので、コストも低減させることができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、試験系2、対照系3いずれにおいても観察セル15又は対照セル25を設置する流路の数は1としているが、これに限らない。例えば流路数を2又は3としてもよい。具体的には、流路数をそれぞれ3とし、それぞれの流路における観察セル15又は対照セル25それぞれの上流側及び下流側にストップ弁を設けて開閉自在とする。このような構成にすることにより、観察セル15や対照セル25を使用する数を目的に応じて変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係る試験装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係る電解部の概略的構成を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係る脱泡部の構成を示す図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係る観察セル及び対照セルの構成を示す図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係る観察セルに遮光部材を配置した場合の側面図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係る観察セルに遮光部材を配置した場合を説明する図である。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係る遮光部材の断面図である。
【図8】本発明の好適な実施形態の一例に係る観察セル本体に遮光部材を配置した場合の図である。
【図9】本発明の好適な実施形態の一例に係る観察セル本体に遮光部材を配置した場合の側面図である。
【図10】本発明の好適な実施形態の一例に係る観察セル本体151に遮光部材210を配置した場合を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1 試験装置
2 試験系
3 対照系
11 貯留タンク
12 ポンプ
13 電解部
14 脱泡部
15 観察セル
16 除去部
17 パイプ
22 ポンプ
25 対照セル
131 電解槽
132、133 電極
141 分岐管
142 袋状弾性体
151 観察セル本体
152、153 蓋用筒
156 メッシュシート
160 遮光部材
161 ベース部材
162 粘着層
170 遮光部材
180 遮光部材
190 遮光部材
200 遮光部材
210 遮光部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水を利用するプラントの配管中における海生生物の付着状況を試験又は評価するための試験装置であって、
液体を通す管と、
前記液体を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクから前記液体を送液する送液ポンプと、
前記送液ポンプから送液された液体に塩素を発生させる発生部と、
前記発生部によって形成された気泡を除去する脱泡部と、
前記脱泡部により前記気泡が除去された液体を通過させ、かつ前記海生生物を封入することができる観察セルと、
前記塩素のうち前記観察セルを通過した液体に含まれる塩素を除去する除去部と、を備え、
前記貯留タンクは、前記除去部から排出された液体を貯留することができ、
前記脱泡部は、
前記気泡を流入させる袋状弾性体と、
入口と二つの出口とを有する分岐管と、を有し、
前記入口は前記管における前記発生部の下流側に配置された部分と連通し、
前記二つの出口のうち一方側の出口は前記管における前記観察セルの上流側に配置された部分と連通し、
前記他方側の出口は、前記袋状弾性体が配置される分岐管と、を備える試験装置。
【請求項2】
前記分岐管における前記他方側の出口は、前記入口と前記一方側の出口とにより形成される流路に対して上方に向けて配置される、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記分岐管における前記他方側の出口は、前記流路の上流側に向くように配置される請求項2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記袋状弾性体は着脱可能なスポイトである請求項1から3のいずれかに記載の試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−216462(P2009−216462A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58353(P2008−58353)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】