説明

バイオアベイラビリティーを高めるための組成物および方法

本発明は、低い水溶解度を有する有益剤のバイオアベイラビリティーを高めるための組成物および方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願のクロス・リファレンス】
【0001】
本出願は、引用することにより本発明の内容となる2003年11月19日に出願された米国暫定出願番号第60/523,421号および2004年11月9日に出願された米国暫定出願番号第 号の権利を主張する。
【技術分野】
【0002】
発明の分野
本発明は、低い水溶解度をもつ有益剤(beneficial agents)のバイオアベイラビリティーを高めるための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
低い水溶解度をもつ有益剤の溶解およびバイオアベイラビリティーの増加は当該技術で大きな関心がある。そのような化合物は、生物薬剤分類システム(Biopharmaceutical Classification System)(BCS)を略述する指針のセットを発行する米国食品医薬品庁(FDA)により種類2として分類されうる全てのものを包含する。BCSは、薬品物質をそれらの水溶解度および腸透過性を基準として分類するための科学的枠組みである。薬製品の溶解と組み合わされる時に、BCSはIR固体アセンブリからの薬品吸収の速度および程度を支配する3つの要素である溶解、溶解度、および腸透過性を考慮に入れる。BCSによると、薬品物質は以下の通りに分類される:クラス1:高い溶解度−高い透過性;クラス2:低い溶解度−高い透過性;クラス3:高い溶解度−低い透過性;およびクラス4:低い溶解度−低い透過性。胃腸管内の溶解および/または可溶化並びに溶解した分子の内腔移送がクラス2の有益剤の吸収に関する制限段階であり、そしてそれ故に溶解速度の増加が重要な目標である。クラス2の有益剤は、集塊、沈殿、およびアセンブリ製造の困難さに伴う問題のために投与するための絶えざる課題である。
【0004】
過去に、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に記載されているように、有益剤を患者の胃腸膜を通しそして血液流の中により容易に吸収させる自己−乳化性液体担体調合物(「SEF」)を包含するクラス2有益剤の溶解度を増加させる調合物を用いて優れた結果が得られてきた。上記文献の各々の開示は引用することにより本発明の内容となる。
【特許文献1】米国特許第6,419,952号明細書
【特許文献2】米国特許第6,342,249号明細書
【特許文献3】米国特許第6,174,547号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、低い水溶解度をもつ化合物、例えばクラス2有益剤のバイオアベイラビリティーを高めるための新規な方法を開発することが常に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
クラス2有益剤のバイオアベイラビリティーを高めるための新規なアセンブリ(assembly)を開発するために使用できる組成物および方法が今回発見された。
【0007】
発明の要旨
低い水溶解度をもつ有益剤を移送する(deliver)ためのアセンブリが記載される。アセンブリは有益剤および水溶性重合体を含んでなる混合物と接触する多孔性−粒子担体を含んでなる。
【0008】
低い水溶解度をもつ有益剤を移送するためのアセンブリを製造する方法も記載され、これらの方法は多孔性−粒子担体を準備し、溶媒、有益剤、および水溶性重合体を含有する溶液を準備し、そして溶液を担体に適用することを含んでなる。
【0009】
同様に、低い水溶解度をもつ有益剤を患者に移送する方法も記載される。そのような方法は、多孔性−粒子担体を準備し、溶媒、有益剤、および水溶性重合体を含有する溶液を準備し、溶液を担体に適用し、そして充填された担体を患者に投与することを含んでなる。
【0010】
図面の簡単な説明
図1は本発明の1つの態様に従う薬品移送のスキームである。
【0011】
詳細な記述
本発明は、低い水溶解度をもつ有益剤のバイオアベイラビリティーを高めるための組成物および方法に関する。図1に示されているように、有益剤、この態様では薬品を重合体と混合して薬品/重合体複合体12を生成する。多孔性担体14を薬品/重合体複合体12と接触させてアセンブリ16を作成する。所望するなら、そのようなアセンブリを従来の有益剤の移送プラットフォーム(描写されていない)に容易に導入することができる。アセンブリ16を、患者への投与時の如く水性媒体の中に入れる時に、薬品/重合体複合体12が担体14から分離する。同様に、薬品/重合体複合体12自体はその成分薬品12aおよび重合体12b部分に分離し、それにより吸収のために利用できる薬品を製造する。
【0012】
1つの態様では、本発明は有益剤および水溶性重合体を含んでなる混合物と接触する多孔性−粒子担体を含んでなる、低い水溶解度をもつ有益剤を移送するためのアセンブリを包含する。
【0013】
有用である多孔性−粒子は、高い圧縮性または引っ張り強度、高い多孔性、および低い摩損度により特徴づけられる。多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウム、無水二塩基性燐酸カルシウム、微結晶性セルロース、架橋結合されたナトリウムカルボキシメチルセルロース、大豆莢繊維、および凝集二酸化珪素から選択される。
【0014】
アルミノメタ珪酸マグネシウム(Al.MgO.1.7SiO.xHO)は日本のフジ・ケミカル・インダストリー・カンパニー・リミテッド(Fuji Chemical Industry Co.,Ltd)から商品名ネウシリン(NEUSILIN)で入手可能である。アルミノメタ珪酸マグネシウムは一般式Al.MgO.xSiOnHO[式中、xは約1.5〜約2の範囲内であり、そしてnは関係0≦n≦10を満たす]により表すことができる。
【0015】
無水二塩基性燐酸カルシウム(CaHPO)は日本のフジ・ケミカル・インダストリー・カンパニー・リミテッドから商品名フジカリン(FUJICALIN)で入手可能である。特に適する多孔性−粒子は、引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,486,365号明細書に記載されている燐酸水素カルシウムの特定形態により例示される。そこに記載されているように、燐酸水素カルシウムは式CaHPOmHO[式中、mは表現0≦m≦2.0を満たす]により表すことができる片状の燐酸水素カルシウムを生成する方法により製造される。
【0016】
微結晶性セルロースは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのFMC・バイオポリマー(FMC BioPolymer)から商品名アビセル(AVICEL)でそして独国のデグッサ・AG(Degussa AG)から商品名エルセマ(ELCEMA)で入手可能である。
【0017】
架橋結合されたナトリウムカルボキシメチルセルロースは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのFMC・バイオポリマーから商品名アク−ジ−ゾル(AC−DI−SOL)で入手可能である。
【0018】
大豆莢繊維は、米国、メリーランド州、カンバーランドのフィブレッド・グループ(Fibred Group)から商品名FL−1・ソイ・ファイバー(FL−1 SOY FIBER)で入手可能である。
【0019】
凝集二酸化珪素は、米国、マサチュセッツ州、ボストンのカボット・コーポレーション(Cabot Corporation)から商品名カブ−オー−シル(CAB−O−SIL)で入手可能であり、そして独国のデグッサ・AGから商品名エアロシル(AEROSIL)で入手可能である。
【0020】
好ましくは、多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウムまたは無水二塩基性燐酸カルシウムであり、そしてより好ましくは多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウムである。
【0021】
好ましくは、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約20%〜約99%の範囲内で存在する。より好ましくは、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約40%〜約99%の範囲内で存在する。1つの態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する。別の態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約50%〜約99%の範囲内で存在する。さらに別の態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約60%〜約80%の範囲内で存在する。
【0022】
本発明で使用される有益剤は、低い水溶解度も有する人間または動物に影響を与えることが知られている全ての化合物を包含する。そのような化合物は、米国食品医薬品庁(FDA)により設定される生物薬剤分類システム(BCS)の下でクラス2として分類されうる全てのものを包含する。薬品が属するBCSクラスの決定は当業者に既知である日常的な実験内容である。
【0023】
本発明の浸透システムにより移送されうる有益剤の例は、プロクロルペラジン・エジシレート(prochlorperazine edisylate)、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩化カリウム、メカミルアミン塩酸塩(mecamylamine hydrochloride)、プロカインアミド塩酸塩(procainamide hydrochloride)、硫酸アンフェタミン(amphetamine sulfate)、ベンズフェタミン塩酸塩(benzphetamine hydrochloride)、硫酸イソプロテルノール(isoproternol sulfate)、メタムフェタミン塩酸塩(methamphetamine hydrochloride)、フェンメトラジン塩酸塩(phenmetrazine hydrochloride)、塩化ベタネコール(bethanechol chloride)、塩化メタコリン(metacholine chloride)、ピロカルピン塩酸塩(pilocarpine hydrochloride)、硫酸アトロピン(atropine sulfate)、臭化メタスコポラミン(methascopolamine bromide)、ヨウ化イソプロパミド(isopropamide iodide)、塩化トリジヘキセチル(tridihexethyl chloride)、フェンホルミン塩酸塩(phenformin hydrochloride)、メチルフェニデート塩酸塩(methylphenidate hydrochloride)、オキシプレノロール塩酸塩(oxprenolol hydrochloride)、酒石酸メトロプロロール(metroprolol tartrate)、シメチジン塩酸塩(cimetidine hydrochloride)、ジフェニドール(diphenidol)、メクリジン塩酸塩(meclizine hydrochloride)、マレイン酸プロクロルペラジン(prochlorperazine maleate)、フェノキシベンザミン(phenoxybenzamine)、チエチルペラジン(thiethylperazine)、マレエート(maleate)、アニスインドン(aniindone)、ジフェナジオン・エリスリチル・テラニトレート(diphenadione erythrityl teranitrate)、ジゴキシン(digoxin)、イソフロフェート(isofurophate)、レセルピン(reserpine)、アセタゾールアミド(acetazolamide)、メタゾールアミド(methazolamide)、ベンドロフルメチアジド(bendroflumethiazide)、クロルプロパミド(chlorpropamide)、トラザミド(tolazamide)、酢酸クロルマジノン(chlormadinone acetate)、フェナグリコドール(phenaglycodol)、アロプリノール(allopurinol)、アルミニウム・アスピリン(aluminum aspirin)、メトトレキセート(methotrexate)、アセチル・スルフィソキサゾール(acetyl sulfisoxazole)、エリスロマイシン(erythromycin)、プロゲスチン類(progestins)、エストロゲニック・プログレステーショナル(estrogenic progrestational)、コルチコステロイド類(corticosteroids)、ヒドロコルチソン(hydrocortisone)、酢酸ヒドロコルチコステロン(hydrocorticosterone acetate)、酢酸コルチゾン(cortisone acetate)、トリアムシノロン(triamcinolone)、メチルテステロン(methyltesterone)、17β−エストラジオール(17β−estradiol)、エチニル・エストラジオール(ethinyl estradiol)、エチニル・エストラジオール3−メチルエーテル(ethinyl estradiol 3−methyl ether)、プレドニソロン(prednisolone)、酢酸17−ヒドロキシプロゲステロン(17−hydroxyprogesterone acetate)、19−ノル−プロゲステロン(19−nor−progesterone)、ノルゲストレル・オレチンドン(norgestrel orethindone)、ノレチデロン(norethiderone)、プロゲステロン(progesterone)、ノルゲストロン(norgestrone)、ノレチノドレル(norethynodrel)、アスピリン(aspirin)、インドメタシン(indomethacin)、ナプロキセン(naproxen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、スリンダック(sulindac)、ジクロフェナック(diclofenac)、インドプロフェン(indoprofen)、ニトログリセリン(nitroglycerin)、プロプラノロール(propranolol)、メトロプロロール(metroprolol)、バルプロ酸ナトリウム(sodium valproate)、バルプロ酸(valproic acid)、タキサン類(taxanes)、例えばパクリタキセル(paclitaxel)、カンプトテシン類(camptothecins)、例えば9−アミノカンプトテシン(9−aminocamptothecin)、オキシプレノロール(oxprenolol)、チモロール(timolol)、アテノロール(atenolol)、アルプレノロール(alprenolol)、シメチジン(cimetidine)、クロニジン(clonidine)、イミプラミン(imipramine)、レボドーパ(levodopa)、クロロプロプマジン(chloropropmazine)、レスペリン(resperine)、メチルドーパ(methyldopa)、ジヒドオキシフェニルアラニン(dihydroxyphenylalanine)、a−メチルドーパ塩酸塩のピバロイルオキシエチルエステル(pivaloyloxyethyl ester of a−methyldopa hydrochloride)、テオフィリン(theophylline)、グルコン酸カルシウム乳酸第一鉄(calcium gluconate ferrous lactate)、ケトプロフェン(ketoprofen)、イブプロフェン(ibuprofen)、セファレキシン(cephalexin)、ハロペリオドール(haloperiodol)、ゾメピラック(zomepirac)、ビンカミン(vincamine)、ジアゼパム(diazepam)、フェノキシベンザミン(phenoxybenzamine)、ニフェジピン(nifedipine)、ジルチアゼン(diltiazen)、ベラパミル(verapamil)、リシノプリル(lisinopril)、カプトプリル(captopril)、ラミプリル(ramipril)、フォシモプリル(fosimopril)、ベナゼプリル(benazepril)、リベンザプリル(libenzapril)、シラザプリル・シラザプリラト(cilazapril cilazaprilat)、ペリンドプリル(perindopril)、ゾフェノプリル(zofenopril)、エナラプリル(enalapril)、インダラプリル(indalapril)、クマプリル(qumapril)、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、シプロフロキサン(ciprofloxan)、イトロコナゾール(itroconazole)、ロバスタチン(lovastatin)、シムバスタチン(simvastatin)、オメプラゾール(omeprazole)、フェニトイン(phenytoin)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、シクロスポリン(cyclosporine)、リトナビル(ritonavir)、カルバマゼピン(carbamazepine)、カルベンジロール(carvendilol)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、ジクロフェナック(diclofenac)、エトポシド(etoposide)、ブデスノニド(budesnonide)、プロゲステロン(progesterone)、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、トピラメート(topiramate)、ナプロキセン(naproxen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、デシプラミン(desipramine)、ジクロフェナック(diclofenac)、イタコナゾール(itraconazole)、ピロキシカム(piroxicam)、カルバマゼピン(carbamazepine)、フェニトイン(phenytoin)、およびベラパミル(verapamil)、硫酸インジナビル(indinavir sulfate)、ラミブジン(lamivudine)、スタブジン(stavudine)、ネルフィナビル・メシレート(nelfinavir mesylate)、ラミブジン(lamivudine)およびジドブジン(zidovudine)の組み合わせ、サキナビル・メシレート(saquinavir mesylate)、リトナビル(ritonavir)、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ネビラピン(nevirapine)、ガンシクロビル(ganciclovir)、ザルシタビン(zalcitabine)、フルオエキセチン塩酸塩(fluoexetine hydrochloride)、セルトラリン塩酸塩(sertraline hydrochloride)、パロキセチン塩酸塩(paroxetine hydrochloride)、ブプロピオン塩酸塩(bupropion hydrochloride)、ネファゾドン塩酸塩(nefazodone hydorochloride)、ミルタズピン(mirtazpine)、オーロイックス(auroix)、ミアンセリン塩酸塩(mianserin hydrochloride)、ザナミビル(zanamivir)、オランザピン(olanzapine)、リスペリドン(risperidone)、クエチアピン・フムレート(quetiapine fumurate)、ブスピロン塩酸塩(buspirone hydrochloride)、アルプラゾラム(alprazolam)、ロラゼパム(lorazepam)、レオタン(leotan)、クロラゼペート二カリウム(clorazepate dipotassium)、クロザピン(clozapine)、スルピリド(sulpiride)、アミスルプリド(amisulpride)、メチルフェニデート塩酸塩(methylphenidate hydorochloride)、およびペモリン(pemoline)を包含する。
【0024】
低い水溶解度、例えば、50マイクログラム/ml以下、を有する有益剤が本発明で有用である。有益剤は、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、シプロフロキサン(ciprofloxan)、イトロコナゾール(itroconazole)、ロバスタチン(lovastatin)、シムバスタチン(simvastatin)、オメプラゾール(omeprazole)、フェニトイン(phenytoin)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、シクロスポリン(cyclosporine)、リトナビル(ritonavir)、カルバマゼピン(carbamazepine)、カルベンジロール(carvendilol)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、ジクロフェナック(diclofenac)、エトポシド(etoposide)、ブデスノニド(budesnonide)、プロゲステロン(progesterone)、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、トピラメート(topiramate)、ナプロキセン(naproxen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、デシプラミン(desipramine)、ジクロフェナック(diclofenac)、イトラコナゾール(itraconazole)、ピロキシカム(piroxicam)、カルバマゼピン(carbamazepine)、フェニトイン(phenytoin)、ベラパミル(verapamil)、硫酸インジナビル(indinavir sulfate)、ラミブジン(lamivudine)、スタブジン(stavudine)、ネルフィナビル・メシレート(nelfinavir mesylate)、ラミブジン(lamivudine)およびジドブジン(zidovudine)の組み合わせ、サキナビル・メシレート(saquinavir mesylate)、リトナビル(ritonavir)、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ネビラピン(nevirapine)、ガンシクロビル(ganciclovir)、ザルシタビン(zalcitabine)、フルオエキセチン塩酸塩(fluoexetine hydrochloride)、セルトラリン塩酸塩(sertraline hydrochloride)、パロキセチン塩酸塩(paroxetine hydrochloride)、ブプロピオン塩酸塩(bupropion hydrochloride)、ネファゾドン塩酸塩(nefazodone hydrochloride)、ミルタズピン(mirtazpine)、オーロイックス(auroix)、ミアンセリン塩酸塩(mianserin hydrochloride)、ザナミビル(zanamivir)、オランザピン(olanzapine)、リスペリドン(risperidone)、クエチアピン・フムレート(quetiapine fumurate)、ブスピロン塩酸塩(buspirone hydrochloride)、アルプラゾラム(alprazolam)、ロラゼパム(lorazepam)、レオタン(leotan)、クロラゼペート二カリウム(clorazepate dipotassium)、クロザピン(clozapine)、スルピリド(sulpiride)、アミスルプリド(amisulpride)、メチルフェニデート塩酸塩(methylphenidate hydrochloride)、およびペモリン(pemoline)を包含する。
【0025】
好ましくは、有益剤は酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、ブデスノニド、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナック、イトラコナゾール、ピロキシカム、カラバマゼピン、フェニトイン、およびベラパミルを包含する。より好ましくは、そのような化合物は酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、およびブデスノニドを包含する。
【0026】
好ましくは、有益剤はアセンブリの重量の約1%〜約60%の範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤はアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する。
【0027】
前記事項により制限されるものではないが、有益剤は好ましくは約0.1mg〜約500mgの範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤は約20mg〜約250mgの範囲内で存在する。
【0028】
Pharmaceutical Sciences,14th Ed.,1979,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.;The Beneficial Agent,The Nurse,The Patient,Including Current Beneficial Agent Handbook,1976,Saunder Company,Philadelphia,Pa.;Medical Chemistry,3rd Ed.,Vol.1 and 2,Wiley−Interscience,New York;および、Physician’s Desk Reference,55nd Ed.,1998,Medical Economics Co.,New Jerseyに記載されているような当該技術で既知である他の有益剤も導入される。有益剤は種々の形態、例えば未変化の分子、分子複合体、薬理学的に許容可能な塩類、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、燐酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、サリチル酸塩などでありうることは理解される。酸性の有益剤に関すると、金属の塩、アミン類、または有機カチオン類、例えば第四級アンモニウムを使用することができる。有益剤の誘導体、例えば塩基、エステル、エーテルおよびアミドを使用することができる。
【0029】
重合体は、スウェーデンのベロール・ノベル(Berol Nobel)から入手可能なエチル(ヒドロキシエチル)セルロース、米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)から商品名メトセル(METHOCEL)で入手可能なヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水性基で改質されたヒドロキシエチルセルロース、例えば米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なセルロース・ヘック・スプラター・ガード(CELLULOSE HEC SPLATTER GUARD)100、独国のデグッサAGから商品名ユードラギット(EUDRAGIT)で入手可能な135000の平均分子量を有する1:>3(すなわち、約1:1または約1:2)の遊離カルボキシル基対メチル−エステル化されたカルボキシル基の比を有するメタクリル酸およびメタクリル酸メチルをベースとしたアニオン性共重合体、または腸溶性重合体である。
【0030】
好ましい重合体は、疎水性のより大きいヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば全てが米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーからの商品名メトセルE、メトセルJ、およびメトセルHBで入手可能なもの、並びにメタクリル酸共重合体、例えば両方とも独国のデグッサAGからの商品名ユードラギットLおよびユードラギットSで入手可能なものを包含する。最も好ましい重合体はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0031】
好ましくは、水溶性重合体はアセンブリの重量の約1%〜約50%の範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤はアセンブリの重量の約10%〜約30%の範囲内で存在する。
【0032】
本発明の別の態様では、多孔性−粒子担体を準備し、溶媒、有益剤、および水溶性重合体を含んでなる溶液を準備し、そして溶液を担体に適用することを含んでなる、低い水溶解度をもつ有益剤を移送するためのアセンブリの製造方法が記載される。
【0033】
噴霧を包含するいずれかの従来手段により担体を溶液と接触させることにより、溶液を適用することができる。
【0034】
溶媒は、水、アセトン、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、塩化メチレン、およびそれらの混合物である。1つの態様では、溶媒はエタノールおよび水である。別の態様では、溶媒はエタノールおよびDMSOである。さらに別の態様では、溶媒はDMSOである。
【0035】
有用である多孔性−粒子は、高い圧縮性または引っ張り強度、高い多孔性、および低い摩損度により特徴づけられる。多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウム、無水二塩基性燐酸カルシウム、微結晶性セルロース、架橋結合されたナトリウムカルボキシメチルセルロース、大豆莢繊維、および凝集二酸化珪素から選択される。
【0036】
アルミノメタ珪酸マグネシウム(Al.MgO.1.7SiO.xHO)は日本のフジ・ケミカル・インダストリー・カンパニー・リミテッドから商品名ネウシリンで入手可能である。アルミノメタ珪酸マグネシウムは一般式Al.MgO.xSiOnHO[式中、xは約1.5〜約2の範囲内であり、そしてnは関係0≦n≦10を満たす]により表すことができる。
【0037】
無水二塩基性燐酸カルシウム(CaHPO)は日本のフジ・ケミカル・インダストリー・カンパニー・リミテッドから商品名フジカリンで入手可能である。特に適する多孔性−粒子は、引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,486,365号明細書に記載されている燐酸水素カルシウムの特定形態により例示される。そこに記載されているように、燐酸水素カルシウムは式CaHPOmHO[式中、mは表現0≦m≦2.0を満たす]により表すことができる片状の燐酸水素カルシウムを生成する方法により製造される。
【0038】
微結晶性セルロースは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのFMC・バイオポリマーから商品名アビセルでそして独国のデグッサ・AGから商品名エルセマで入手可能である。
【0039】
架橋結合されたナトリウムカルボキシメチルセルロースは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのFMC・バイオポリマーから商品名アク−ジ−ゾルで入手可能である。
【0040】
大豆莢繊維は、米国、メリーランド州、カンバーランドのフィブレッド・グループから商品名FL−1・ソイ・ファイバーで入手可能である。
【0041】
凝集二酸化珪素は、米国、マサチュセッツ州、ボストンのカボット・コーポレーションから商品名カブ−オー−シルで入手可能であり、そして独国のデグッサ・AGから商品名エアロシルで入手可能である。
【0042】
好ましくは、多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウムまたは無水二塩基性燐酸カルシウムであり、そしてより好ましくは多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウムである。
【0043】
好ましくは、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約20%〜約99%の範囲内で存在する。より好ましくは、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約40%〜約99%の範囲内で存在する。1つの態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する。別の態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約50%〜約99%の範囲内で存在する。さらに別の態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約60%〜約80%の範囲内で存在する。
【0044】
本発明で使用される有益剤は、低い水溶解度も有する人間または動物に影響を与えることが知られている全ての化合物を包含する。そのような化合物は、米国食品医薬品庁(FDA)により設定される生物薬剤分類システム(BCS)の下でクラス2として分類されうる全てのものを包含する。薬品が属するBCSクラスの決定は当業者に既知である日常的な実験内容である。
【0045】
本発明の浸透システムにより移送されうる有益剤の例は、プロクロルペラジン・エジシレート、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩化カリウム、メカミルアミン塩酸塩、プロカインアミド塩酸塩、硫酸アンフェタミン、ベンズフェタミン塩酸塩、硫酸イソプロテルノール、メタムフェタミン塩酸塩、フェンメトラジン塩酸塩、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、ピロカルピン塩酸塩、硫酸アトロピン、臭化メタスコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、フェンホルミン塩酸塩、メチルフェニデート塩酸塩、オキシプレノロール塩酸塩、酒石酸メトロプロロール、シメチジン塩酸塩、ジフェニドール、メクリジン塩酸塩、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンザミン、チエチルペラジン、マレエート、アニスインドン、ジフェナジオン・エリスリチル・テラニトレート、ジゴキシン、イソフロフェート、レセルピン、アセタゾールアミド、メタゾールアミド、ベンドロフルメチアジド、クロルプロパミド、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アルミニウム・アスピリン、メトトレキセート、アセチル・スルフィソキサゾール、エリスロマイシン、プロゲスチン類、エストロゲニック・プログレステーショナル、コルチコステロイド類、ヒドロコルチソン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、トリアムシノロン、メチルテステロン、17β−エストラジオール、エチニル・エストラジオール、エチニル・エストラジオール3−メチルエーテル、プレドニソロン、酢酸17−ヒドロキシプロゲステロン、19−ノル−プロゲステロン、ノルゲストレル・オレチンドン、ノレチデロン、プロゲステロン、ノルゲストロン、ノレチノドレル、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダック、ジクロフェナック、インドプロフェン、ニトログリセリン、プロプラノロール、メトロプロロール、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、タキサン類、例えばパクリタキセル、カンプトテシン類、例えば9−アミノカンプトテシン、オキシプレノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドーパ、クロロプロプマジン、レスペリン、メチルドーパ、ジヒドオキシフェニルアラニン、a−メチルドーパ塩酸塩のピバロイルオキシエチルエステル、テオフィリン、グルコン酸カルシウム乳酸第一鉄、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、ハロペリオドール、ゾメピラック、ビンカミン、ジアゼパム、フェノキシベンザミン、ニフェジピン、ジルチアゼン、ベラパミル、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、フォシモプリル、ベナゼプリル、リベンザプリル、シラザプリル・シラザプリラト、ペリンドプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、インダラプリル、クマプリル、酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、ブデスノニド、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナック、イタコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトイン、およびベラパミル、硫酸インジナビル、ラミブジン、スタブジン、ネルフィナビル・メシレート、ラミブジンおよびジドブジンの組み合わせ、サキナビル・メシレート、リトナビル、ジドブジン、ジダノシン、ネビラピン、ガンシクロビル、ザルシタビン、フルオエキセチン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、パロキセチン塩酸塩、ブプロピオン塩酸塩、ネファゾドン塩酸塩、ミルタズピン、オーロイックス、ミアンセリン塩酸塩、ザナミビル、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン・フムレート、ブスピロン塩酸塩、アルプラゾラム、ロラゼパム、レオタン、クロラゼペート二カリウム、クロザピン、スルピリド、アミスルプリド、メチルフェニデート塩酸塩、およびペモリンを包含する。
【0046】
低い水溶解度、例えば、50マイクログラム/ml以下、を有する有益剤が本発明で有用である。有益剤は、酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、ブデスノニド、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナック、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトイン、ベラパミル、硫酸インジナビル、ラミブジン、スタブジン、ネルフィナビル・メシレート、ラミブジンおよびジドブジンの組み合わせ、サキナビル・メシレート、リトナビル、ジドブジン、ジダノシン、ネビラピン、ガンシクロビル、ザルシタビン、フルオエキセチン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、パロキセチン塩酸塩、ブプロピオン塩酸塩、ネファゾドン塩酸塩、ミルタズピン、オーロイックス、ミアンセリン塩酸塩、ザナミビル、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン・フムレート、ブスピロン塩酸塩、アルプラゾラム、ロラゼパム、レオタン、クロラゼペート二カリウム、クロザピン、スルピリド、アミスルプリド、メチルフェニデート塩酸塩、およびペモリンを包含する。
【0047】
好ましくは、有益剤は酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、ブデスノニド、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナック、イトラコナゾール、ピロキシカム、カラバマゼピン、フェニトイン、およびベラパミルを包含する。より好ましくは、そのような化合物は酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、およびブデスノニドを包含する。
【0048】
好ましくは、有益剤はアセンブリの重量の約1%〜約60%の範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤はアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する。
【0049】
前記事項により制限されるものではないが、有益剤は好ましくは約0.1mg〜約500mgの範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤は約20mg〜約250mgの範囲内で存在する。
【0050】
Pharmaceutical Sciences,14th Ed.,1979,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.;The Beneficial Agent,The Nurse,The Patient,Including Current Beneficial Agent Handbook,1976,Saunder Company,Philadelphia,Pa.;Medical Chemistry,3rd Ed.,Vol.1 and 2,Wiley−Interscience,New York;および、Physician’s Desk Reference,55nd Ed.,1998,Medical Economics Co.,New Jerseyに記載されているような当該技術で既知である他の有益剤も導入される。有益剤は種々の形態、例えば未変化の分子、分子複合体、薬理学的に許容可能な塩類、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、燐酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、サリチル酸塩などでありうることは理解される。酸性の有益剤に関すると、金属の塩、アミン類、または有機カチオン類、例えば第四級アンモニウムを使用することができる。有益剤の誘導体、例えば塩基、エステル、エーテルおよびアミドを使用することができる。
【0051】
重合体は、スウェーデンのベロール・ノベルから入手可能なエチル(ヒドロキシエチル)セルロース、米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから商品名メトセル入手可能なヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水性基で改質されたヒドロキシエチルセルロース、例えば米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なセルロース・ヘック・スプラター・ガード100、独国のデグッサAGから商品名ユードラギットで入手可能な135000の平均分子量を有する1:>3(すなわち、約1:1または約1:2)の遊離カルボキシル基対メチル−エステル化されたカルボキシル基の比を有するメタクリル酸およびメタクリル酸メチルをベースとしたアニオン性共重合体、または腸溶性重合体である。
【0052】
好ましい重合体は、疎水性のより大きいヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば全てが米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーからの商品名メトセルE、メトセルJ、およびメトセルHBで入手可能なもの、並びにメタクリル酸共重合体、例えば両方とも独国のデグッサAGからの商品名ユードラギットLおよびユードラギットSで入手可能なもの、を包含する。最も好ましい重合体はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0053】
好ましくは、水溶性重合体はアセンブリの重量の約1%〜約50%の範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤はアセンブリの重量の約10%〜約30%の範囲内で存在する。
【0054】
本発明のさらに別の態様では、多孔性−粒子担体を準備し、溶媒、有益剤、および水溶性重合体を含んでなる溶液を準備し、そして溶液を担体に適用することを含んでなる、低い水溶解度をもつ有益剤を移送するためのアセンブリの製造方法が記載される。
【0055】
噴霧を包含するいずれかの従来手段により担体を溶液と接触させることにより、溶液を適用することができる。
【0056】
投与は移送システムを介するものを包含するいずれかの従来手段によるものでありうる。有益剤の移送システムに関しては、アルザ(ALZA)のオロス(OROS)TMシステムを用いて優れた結果が得られており、それは浸透技術を使用して有益剤を患者の胃腸膜を通して血液流の中により容易に吸収させる。引用することにより開示事項が本発明の内容となる米国特許第5,770,227号明細書に記載されているように、有益剤の層および浸透エンジンが速度−調節半透膜により囲まれている硬質カプセルに内蔵されている。まとめると、不活性物質より構成される遮断層が有益剤を浸透エンジンから分離して、有益剤が浸透エンジンと反応するのを防止する。膜の中で浸透エンジンと反対側にレーザー穿孔された移送オリフィスが有益剤のための出口を提供する。好ましい移送システムはアルザのオロスTMプッシュ−スティック(PUSH−STICK)TM有益剤移送システム(最適な遅延、パターン化、または拍動放出特徴を有する、高い負荷を必要とする不溶性薬品を移送するために設計される)、アルザのオロスTMプッシュ−プル(PUSH−PULL)TM有益剤移送システム(低いないし高い水溶解度の範囲にわたる薬品を移送するために設計される)、およびマトリックス錠剤有益剤移送システムを包含する。
【0057】
一般的に、有益剤は患者にいずれかの既知の方法により1kgの体重(並びに薬用量範囲およびその中の具体的な薬用量の全ての組み合わせおよび細分組み合わせ)当たり約0.001〜約1.0ミリモルの範囲にわたる薬用量で投与することができる。投与される有用な薬用量および特定の投与方式は、当業者に容易に明らかになるであろうように、年令、体重、および処置しようとする問題、並びに使用される特定の有益剤の如き要素に依存して変動するであろう。典型的には、薬用量は比較的低い水準で投与されそして所望する診断効果が得られるまで増加される。
【0058】
溶媒は、水、アセトン、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、塩化メチレン、およびそれらの混合物である。1つの態様では、溶媒はエタノールおよび水である。別の態様では、溶媒はエタノールおよびDMSOである。さらに別の態様では、溶媒はDMSOである。
【0059】
有用である多孔性−粒子は、高い圧縮性または引っ張り強度、高い多孔性、および低い摩損度により特徴づけられる。多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウム、無水二塩基性燐酸カルシウム、微結晶性セルロース、架橋結合されたナトリウムカルボキシメチルセルロース、大豆莢繊維、および凝集二酸化珪素から選択される。
【0060】
アルミノメタ珪酸マグネシウム(Al.MgO.1.7SiO.xHO)は日本のフジ・ケミカル・インダストリー・カンパニー・リミテッドから商品名ネウシリンで入手可能である。アルミノメタ珪酸マグネシウムは一般式Al.MgO.xSiOnHO[式中、xは約1.5〜約2の範囲内であり、そしてnは関係0≦n≦10を満たす]により表すことができる。
【0061】
無水二塩基性燐酸カルシウム(CaHPO)は日本のフジ・ケミカル・インダストリー・カンパニー・リミテッドから商品名フジカリンで入手可能である。特に適する多孔性−粒子は、引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,486,365号明細書に記載されている燐酸水素カルシウムの特定形態により例示される。そこに記載されているように、燐酸水素カルシウムは式CaHPOmHO[式中、mは表現0≦m≦2.0を満たす]により表すことができる片状の燐酸水素カルシウムを生成する方法により製造される。
【0062】
微結晶性セルロースは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのFMC・バイオポリマーから商品名アビセルでそして独国のデグッサ・AGから商品名エルセマで入手可能である。
【0063】
架橋結合されたナトリウムカルボキシメチルセルロースは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのFMC・バイオポリマーから商品名アク−ジ−ゾルで入手可能である。
【0064】
大豆莢繊維は、米国、メリーランド州、カンバーランドのフィブレッド・グループから商品名FL−1・ソイ・ファイバーで入手可能である。
【0065】
凝集二酸化珪素は、米国、マサチュセッツ州、ボストンのカボット・コーポレーションから商品名カブ−オー−シルで入手可能であり、そして独国のデグッサ・AGから商品名エアロシルで入手可能である。
【0066】
好ましくは、多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウムまたは無水二塩基性燐酸カルシウムであり、そしてより好ましくは多孔性−粒子担体はアルミノメタ珪酸マグネシウムである。
【0067】
好ましくは、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約20%〜約99%の範囲内で存在する。より好ましくは、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約40%〜約99%の範囲内で存在する。1つの態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する。別の態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約50%〜約99%の範囲内で存在する。さらに別の態様では、多孔性−粒子担体はアセンブリの重量の約60%〜約80%の範囲内で存在する。
【0068】
本発明で使用される有益剤は、低い水溶解度も有する人間または動物に影響を与えることが知られている全ての化合物を包含する。そのような化合物は、米国食品医薬品庁(FDA)により設定される生物薬剤分類システム(BCS)の下でクラス2として分類されうる全てのものを包含する。薬品が属するBCSクラスの決定は当業者に既知である日常的な実験内容である。
【0069】
本発明の浸透システムにより移送されうる有益剤の例は、プロクロルペラジン・エジシレート、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩化カリウム、メカミルアミン塩酸塩、プロカインアミド塩酸塩、硫酸アンフェタミン、ベンズフェタミン塩酸塩、硫酸イソプロテルノール、メタムフェタミン塩酸塩、フェンメトラジン塩酸塩、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、ピロカルピン塩酸塩、硫酸アトロピン、臭化メタスコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、フェンホルミン塩酸塩、メチルフェニデート塩酸塩、オキシプレノロール塩酸塩、酒石酸メトロプロロール、シメチジン塩酸塩、ジフェニドール、メクリジン塩酸塩、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンザミン、チエチルペラジン、マレエート、アニスインドン、ジフェナジオン・エリスリチル・テラニトレート、ジゴキシン、イソフロフェート、レセルピン、アセタゾールアミド、メタゾールアミド、ベンドロフルメチアジド、クロルプロパミド、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アルミニウム・アスピリン、メトトレキセート、アセチル・スルフィソキサゾール、エリスロマイシン、プロゲスチン類、エストロゲニック・プログレステーショナル、コルチコステロイド類、ヒドロコルチソン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、トリアムシノロン、メチルテステロン、17β−エストラジオール、エチニル・エストラジオール、エチニル・エストラジオール3−メチルエーテル、プレドニソロン、酢酸17−ヒドロキシプロゲステロン、19−ノル−プロゲステロン、ノルゲストレル・オレチンドン、ノレチデロン、プロゲステロン、ノルゲストロン、ノレチノドレル、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダック、ジクロフェナック、インドプロフェン、ニトログリセリン、プロプラノロール、メトロプロロール、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、タキサン類、例えばパクリタキセル、カンプトテシン類、例えば9−アミノカンプトテシン、オキシプレノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドーパ、クロロプロプマジン、レスペリン、メチルドーパ、ジヒドオキシフェニルアラニン、a−メチルドーパ塩酸塩のピバロイルオキシエチルエステル、テオフィリン、グルコン酸カルシウム乳酸第一鉄、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、ハロペリオドール、ゾメピラック、ビンカミン、ジアゼパム、フェノキシベンザミン、ニフェジピン、ジルチアゼン、ベラパミル、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、フォシモプリル、ベナゼプリル、リベンザプリル、シラザプリル・シラザプリラト、ペリンドプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、インダラプリル、クマプリル、酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、ブデスノニド、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナック、イタコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトイン、およびベラパミル、硫酸インジナビル、ラミブジン、スタブジン、ネルフィナビル・メシレート、ラミブジンおよびジドブジンの組み合わせ、サキナビル・メシレート、リトナビル、ジドブジン、ジダノシン、ネビラピン、ガンシクロビル、ザルシタビン、フルオエキセチン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、パロキセチン塩酸塩、ブプロピオン塩酸塩、ネファゾドン塩酸塩、ミルタズピン、オーロイックス、ミアンセリン塩酸塩、ザナミビル、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン・フムレート、ブスピロン塩酸塩、アルプラゾラム、ロラゼパム、レオタン、クロラゼペート二カリウム、クロザピン、スルピリド、アミスルプリド、メチルフェニデート塩酸塩、およびペモリンを包含する。
【0070】
低い水溶解度、例えば、50マイクログラム/ml以下を有する有益剤が本発明で有用である。有益剤は、酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、ブデスノニド、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナック、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトイン、ベラパミル、硫酸インジナビル、ラミブジン、スタブジン、ネルフィナビル・メシレート、ラミブジンおよびジドブジンの組み合わせ、サキナビル・メシレート、リトナビル、ジドブジン、ジダノシン、ネビラピン、ガンシクロビル、ザルシタビン、フルオエキセチン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、パロキセチン塩酸塩、ブプロピオン塩酸塩、ネファゾドン塩酸塩、ミルタズピン、オーロイックス、ミアンセリン塩酸塩、ザナミビル、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン・フムレート、ブスピロン塩酸塩、アルプラゾラム、ロラゼパム、レオタン、クロラゼペート二カリウム、クロザピン、スルピリド、アミスルプリド、メチルフェニデート塩酸塩、およびペモリンを包含する。
【0071】
好ましくは、有益剤は酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、ブデスノニド、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナック、イトラコナゾール、ピロキシカム、カラバマゼピン、フェニトイン、およびベラパミルを包含する。より好ましくは、そのような化合物は酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、およびブデスノニドを包含する。
【0072】
好ましくは、有益剤はアセンブリの重量の約1%〜約60%の範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤はアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する。
【0073】
前記事項により制限されるものではないが、有益剤は好ましくは約0.1mg〜約500mgの範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤は約20mg〜約250mgの範囲内で存在する。
【0074】
Pharmaceutical Sciences,14th Ed.,1979,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.;The Beneficial Agent,The Nurse,The Patient,Including Current Beneficial Agent Handbook,1976,Saunder Company,Philadelphia,Pa.;Medical Chemistry,3rd Ed.,Vol.1 and 2,Wiley−Interscience,New York;および、Physician’s Desk Reference,55nd Ed.,1998,Medical Economics Co.,New Jerseyに記載されているような当該技術で既知である他の有益剤も導入される。有益剤は種々の形態、例えば未変化の分子、分子複合体、薬理学的に許容可能な塩類、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、燐酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、サリチル酸塩などでありうることは理解される。酸性の有益剤に関すると、金属の塩、アミン類、または有機カチオン類、例えば第四級アンモニウムを使用することができる。有益剤の誘導体、例えば塩基、エステル、エーテルおよびアミドを使用することができる。
【0075】
重合体は、スウェーデンのベロール・ノベルから入手可能なエチル(ヒドロキシエチル)セルロース、米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから商品名メトセルで入手可能なヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水性基で改質されたヒドロキシエチルセルロース、例えば米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なセルロース・ヘック・スプラター・ガード100、独国のデグッサAGから商品名ユードラギット(EUDRAGIT)で入手可能な135000の平均分子量を有する1:>3(すなわち、約1:1または約1:2)の遊離カルボキシル基対メチル−エステル化されたカルボキシル基の比を有するメタクリル酸およびメタクリル酸メチルをベースとしたアニオン性共重合体、または腸溶性重合体である。
【0076】
好ましい重合体は、疎水性のより大きいヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば全てが米国のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーからの商品名メトセルE、メトセルJ、およびメトセルHBで入手可能なもの、並びにメタクリル酸共重合体、例えば両方とも独国のデグッサAGからの商品名ユードラギットLおよびユードラギットSで入手可能なもの、を包含する。最も好ましい重合体はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0077】
好ましくは、水溶性重合体はアセンブリの重量の約1%〜約50%の範囲内で存在し、そしてより好ましくは有益剤はアセンブリの重量の約10%〜約30%の範囲内で存在する。
【0078】
本発明を下記の実施例でさらに記載する。
【実施例】
【0079】
実施例1
アルミノメタ珪酸マグネシウムを反復噴霧/乾燥方法により流動床造粒器中でイトラコナゾールおよび商品名メトセルE5で入手可能なヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)の6%固体分を有するDMSO中50/50重量%溶液を用いて充填する。溶液を流動化された多孔性粒子(アルミノメタ珪酸マグネシウム)上に急速噴霧し、控え目に見積もって孔の吸収能力の75%だけを充填する。次に加熱および流動化を続けながら噴霧を停止し、溶媒を蒸発させて薬品/重合体固体を孔の内部に留めて残存させる。各サイクルに適用される溶液の量を充填されていない孔の残存率の量に比例して減少させながら工程を繰り返す。10回の反復後に、孔は薬品/重合体固体で75%充填されるであろう。50%多孔性であると仮定すると、アセンブリの最終的組成物は約72:14:14の百分率比の担体/薬品/重合体である。
【0080】
このアセンブリを次にアクジゾル・ナトリウム・クロスルカルメロース(ACDISOL sodium croscarmellose)と共に造粒し、そしてステアリン酸マグネシウムと乾燥配合する。最終的組成物は約60.9:11.8:11.8:15:0.5の百分率比の担体/薬品/重合体/賦形剤/潤滑剤である。1グラムのこの最終組成物を118mgのイトラコナゾールを含んでなる即時放出性薬用量形態に圧縮する。
【0081】
実施例2
アルミノメタ珪酸マグネシウムを反復噴霧/乾燥方法により流動床造粒器中でイトラコナゾールおよびメトセルE5HPMCの6%固体分を有するDMSO中50/50重量%溶液を用いて充填する。溶液を流動化された多孔性粒子上に急速噴霧し、控え目に見積もって孔の吸収能力の75%だけを充填する。次に加熱および流動化を続けながら噴霧を停止し、溶媒を蒸発させて薬品/重合体固体を孔の内部に留めて残存させる。各サイクルに適用される溶液の量を充填されていない孔の残存率の量に比例して減少させながら工程を繰り返す。10回の反復後に、孔は薬品/重合体固体で75%充填されるであろう。50%多孔性であると仮定すると、アセンブリの最終的組成物は約72:14:14の百分率比の担体/薬品/重合体である。
【0082】
このアセンブリを次にアクジゾル・ナトリウム・クロスルカルメロース並びに米国マサチュセッツ州のカルボマー・インク(Carbomer Inc.)から入手可能なカルボマー(CARBOMER)71Gおよびカルボマー934の配合物と共に造粒し、そしてステアリン酸マグネシウムと乾燥配合する。最終的組成物は約55.4:10.8:10.8:5.0:2.5:15.0:0.5の百分率比の担体/薬品/重合体/カルボマー71G/カルボマー934/賦形剤/潤滑剤である。顆粒を調節放出性マトリックス錠剤に圧縮する。カルボマー71G/カルボマー934の比を(重量により7.5/0から0/7.5に)変動させることにより、種々の放出期間(2時間から20時間)が得られうる。
【0083】
実施例3
アルミノメタ珪酸マグネシウムを反復噴霧/乾燥方法により流動床造粒器中でイトラコナゾールおよびメトセルE5等級HPMCの6%固体分を有するDMSO中75/25重量%溶液を用いて充填する。溶液を流動化された多孔性粒子(アルミノメタ珪酸マグネシウム)上に急速噴霧し、控え目に見積もって孔の吸収能力の75%だけを充填する。次に加熱および流動化を続けながら噴霧を停止し、溶媒を蒸発させて薬品/重合体固体を孔の内部に留めて残存させる。各サイクルに適用される溶液の量を充填されていない孔の残存率の量に比例して減少させながら工程を繰り返す。10回の反復後に、孔は薬品/重合体固体で75%充填されるであろう。50%多孔性であると仮定すると、アセンブリの最終的組成物は約72:21:7の百分率比の担体/薬品/重合体である。
【0084】
このアセンブリを次にアクジゾル・ナトリウム・クロスルカルメロースと共に造粒しそしてステアリン酸マグネシウムと乾燥配合する。最終的組成物は約60.9:17.7:5.9:15:0.5の百分率比の担体/薬品/重合体/賦形剤/潤滑剤である。1グラムのこの最終組成物を177mgのイトラコナゾールを含んでなる即時放出性薬用量形態に圧縮する。
【0085】
実施例4
アルミノメタ珪酸マグネシウムを反復噴霧/乾燥方法により流動床造粒器中でイトラコナゾールおよびメトセルE5HPMCの6%固体分を有するDMSO中95/5重量%溶液を用いて充填する。溶液を流動化された多孔性粒子(アルミノメタ珪酸マグネシウム)上に急速噴霧し、控え目に見積もって孔の吸収能力の75%だけを充填する。次に加熱および流動化を続けながら噴霧を停止し、溶媒を蒸発させて薬品/重合体固体を孔の内部に留めて残存させる。各サイクルに適用される溶液の量を充填されていない孔の残存率の量に比例して減少させながら工程を繰り返す。10回の反復後に、孔は薬品/重合体固体で75%充填されるであろう。50%多孔性であると仮定すると、アセンブリの最終的組成物は約72:26.6:1.4の百分率比の担体/薬品/重合体である。
【0086】
このアセンブリを次にアクジゾル・ナトリウム・クロスルカルメロースと共に造粒しそしてステアリン酸マグネシウムと乾燥配合する。最終的組成物は約60.9:22.4:1.2:15:0.5の百分率比の担体/薬品/重合体/賦形剤/潤滑剤である。1グラムのこの最終組成物を224mgのイトラコナゾールを含んでなる即時放出性薬用量形態に圧縮する。
【0087】
実施例5
アルミノメタ珪酸マグネシウムを反復噴霧/乾燥方法により流動床造粒器中でフェニトインおよびメトセルE5HPMCの6%固体分を有するDMSO中50/50重量%溶液を用いて充填する。溶液を流動化された多孔性粒子(アルミノメタ珪酸マグネシウム)上に急速噴霧し、控え目に見積もって孔の吸収能力の75%だけを充填する。次に加熱および流動化を続けながら噴霧を停止し、溶媒を蒸発させて薬品/重合体固体を孔の内部に留めて残存させる。各サイクルに適用される溶液の量を充填されていない孔の残存率の量に比例して減少させながら工程を繰り返す。10回の反復後に、孔は薬品/重合体固体で75%充填されるであろう。50%多孔性であると仮定すると、アセンブリの最終的組成物は約72:14:14の百分率比の担体/薬品/重合体である。
【0088】
このアセンブリを次にアクジゾル・ナトリウム・クロスルカルメロースと共に造粒しそしてステアリン酸マグネシウムと乾燥配合する。最終的組成物は約60.9:11.8:11.8:15:0.5の百分率比の担体/薬品/重合体/賦形剤/潤滑剤である。1グラムのこの最終組成物を118mgのフェニトインを含んでなる即時放出性薬用量形態に圧縮する。
【0089】
実施例6
アルミノメタ珪酸マグネシウムを反復噴霧/乾燥方法により流動床造粒器中でイトラコナゾールおよび商品名ユードラギットL100−55で入手可能なメタクリル酸共重合体の6%固体分を有するDMSO中50/50重量%溶液を用いて充填する。溶液を流動化された多孔性粒子(アルミノメタ珪酸マグネシウム)上に急速噴霧し、控え目に見積もって孔の吸収能力の75%だけを充填する。次に加熱および流動化を続けながら噴霧を停止し、溶媒を蒸発させて薬品/重合体固体を孔の内部に留めて残存させる。各サイクルに適用される溶液の量を充填されていない孔の残存率の量に比例して減少させながら工程を繰り返す。10回の反復後に、孔は薬品/重合体固体で75%充填されるであろう。50%多孔性であると仮定すると、アセンブリの最終的組成物は約72:14:14の百分率比の担体/薬品/重合体である。
【0090】
このアセンブリを次にアクジゾル・ナトリウム・クロスルカルメロースと共に造粒しそしてステアリン酸マグネシウムと乾燥配合する。最終的組成物は約60.9:11.8:11.8:15:0.5の百分率比の担体/薬品/重合体/賦形剤/潤滑剤である。1グラムのこの最終組成物を118mgのイトラコナゾールを含んでなる即時放出性薬用量形態に圧縮する。
【0091】
実施例7
アルミノメタ珪酸マグネシウムを反復噴霧/乾燥方法により流動床造粒器中でフェニトインおよびメトセルE5HPMCの6%固体分を有するDMSO中50/50重量%溶液を用いて充填する。溶液を流動化された多孔性粒子(アルミノメタ珪酸マグネシウム)上に急速噴霧し、控え目に見積もって孔の吸収能力の75%だけを充填する。次に加熱および流動化を続けながら噴霧を停止し、溶媒を蒸発させて薬品/重合体固体を孔の内部に留めて残存させる。各サイクルに適用される溶液の量を充填されていない孔の残存率の量に比例して減少させながら工程を繰り返す。10回の反復後に、孔は薬品/重合体固体で75%充填されるであろう。50%多孔性であると仮定すると、アセンブリの最終的組成物は約72:14:14の百分率比の担体/薬品/重合体である。
【0092】
このアセンブリを次にアクジゾル・ナトリウム・クロスルカルメロースと共に造粒しそしてステアリン酸マグネシウムと乾燥配合する。最終的組成物は約60.9:11.8:11.8:15:0.5の百分率比の担体/薬品/重合体/賦形剤/潤滑剤であり、多孔性薬品−層アセンブリ顆粒を生ずる。
【0093】
アセンブリをオロス・プッシュ−スティック・システム(OROS PUSH−STICK SYSTEM)TMと共に使用するために、重量%で、58.75%のナトリウムカルボキシメチルセルロース(7H4F)、30.0%の塩化ナトリウム、5.0%のヒドロキシメチルセルロース(メトセルE5)、1.0%の赤色酸化第二鉄を含んでなる浸透層生成組成物を各々40−メッシュステンレス鋼スクリーンの中に通しそして次にガルット(GALTT)流動床造粒器中で配合しそして精製水中5.0%ヒドロキシプロピルセルロース(EF)溶液を均質な顆粒形態となるまで噴霧する。これらの顆粒を8−メッシュステンレス鋼スクリーンの中に通しそして0.25%のステアリン酸マグネシウムと混合して浸透性粒体を形成する。
【0094】
500mgの以上からの多孔性薬品−層アセンブリ顆粒および250mgの以上からの浸透性粒体を二層円形−円形錠剤に圧縮した。これらの錠剤の圧縮はカルバー(CARVER)プレスまたはD3Bマネスティー(MANESTY)プレスで17/64’’円形パンチを用いて行われる。次に、錠剤に、重量%で、95%のナトロゾル(NATROSOL)および5%の3,350の分子量を有するポリエチレングリコールを含んでなる18mgの下塗りコーティングでコーティングした。次に、下塗りコーティングされた錠剤に、39.8%のアセチル含有量を有する酢酸セルロースおよびプルロニックF68共重合体を含んでなる半透過性壁生成組成物で再びコーティングした。壁生成組成物をアセトン中に溶解させて4%固体溶液を製造する。壁生成組成物を錠剤上にフロイド・ハイ−コーター(FREUD HI−COATER)コーティング装置の中で噴霧する。錠剤当たりの膜重量および酢酸セルロース対プルロニックF68共重合体の重量比を変動させて、目標の放出期間を得ることができる。最後に、出口オリフィス(155ミル)をシステムの薬品−層側面に機械的に切断する。システムを30℃および周囲湿度において一晩にわたり乾燥することにより残存溶媒を除去する。システムは59mgの薬品を含有する。
【0095】
この明細書に引用または記載されるそれぞれの特許、特許出願、および刊行物の開示事項は引用することにより本発明の内容となる。
【0096】
それぞれの列挙される範囲は、範囲の全ての組み合わせおよび細分組み合わせ並びにそこに含まれる具体的な数値を包含する。
【0097】
ここに記載されたものの他の本発明の種々の改変は当業者には以上の記述から明らかになるであろう。そのような改変も添付された特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は本発明の1つの態様に従う薬品移送のスキームである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有益剤(beneficial agent)および水溶性重合体を含んでなる混合物と接触する多孔性−粒子担体を含んでなる、低い水溶解度をもつ有益剤を移送するためのアセンブリ。
【請求項2】
多孔性−粒子担体がアルミノメタ珪酸マグネシウム、無水二塩基性燐酸カルシウム、微結晶性セルロース、架橋結合されたナトリウムカルボキシメチルセルロース、大豆莢繊維、および凝集二酸化珪素よりなる群の少なくとも1種から選択される請求項1のアセンブリ。
【請求項3】
多孔性−粒子担体がアルミノメタ珪酸マグネシウムまたは無水二塩基性燐酸カルシウムである請求項1のアセンブリ。
【請求項4】
多孔性−粒子担体がアルミノメタ珪酸マグネシウムである請求項1のアセンブリ。
【請求項5】
多孔性−粒子担体がアセンブリの重量の約20%〜約99%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項6】
多孔性−粒子担体がアセンブリの重量の約40%〜約99%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項7】
多孔性−粒子担体がアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項8】
多孔性−粒子担体がアセンブリの重量の約50%〜約99%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項9】
多孔性−粒子担体がアセンブリの重量の約60%〜約80%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項10】
有益剤が酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、シプロフロキサン(ciprofloxan)、イトロコナゾール(itroconazole)、ロバスタチン(lovastatin)、シムバスタチン(simvastatin)、オメプラゾール(omeprazole)、フェニトイン(phenytoin)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、シクロスポリン(cyclosporine)、リトナビル(ritonavir)、カルバマゼピン(carbamazepine)、カルベンジロール(carvendilol)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、ジクロフェナック(diclofenac)、エトポシド(etoposide)、ブデスノニド(budesnonide)、プロゲステロン(progesterone)、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)、トピラメート(topiramate)、ナプロキセン(naproxen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、デシプラミン(desipramine)、ジクロフェナック(diclofenac)、イトラコナゾール(itraconazole)、ピロキシカム(piroxicam)、カルバマゼピン(carbamazepine)、フェニトイン(phenytoin)、ベラパミル(verapamil)、硫酸インジナビル(indinavir sulfate)、ラミブジン(lamivudine)、スタブジン(stavudine)、ネルフィナビル・メシレート(nelfinavir mesylate)、ラミブジン(lamivudine)およびジドブジン(zidovudine)の組み合わせ、サキナビル・メシレート(saquinavir mesylate)、リトナビル(ritonavir)、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ネビラピン(nevirapine)、ガンシクロビル(ganciclovir)、ザルシタビン(zalcitabine)、フルオエキセチン塩酸塩(fluoexetine hydrochloride)、セルトラリン塩酸塩(sertraline hydrochloride)、パロキセチン塩酸塩(paroxetine hydrochloride)、ブプロピオン塩酸塩(bupropion hydrochloride)、ネファゾドン塩酸塩(nefazodone hydrochloride)、ミルタズピン(mirtazpine)、オーロイックス(auroix)、ミアンセリン塩酸塩(mianserin hydrochloride)、ザナミビル(zanamivir)、オランザピン(olanzapine)、リスペリドン(risperidone)、クエチアピン・フムレート(quetiapine fumurate)、ブスピロン塩酸塩(buspirone hydrochloride)、アルプラゾラム(alprazolam)、ロラゼパム(lorazepam)、レオタン(leotan)、クロラゼペート二カリウム(clorazepate dipotassium)、クロザピン(clozapine)、スルピリド(sulpiride)、アミスルプリド(amisulpride)、メチルフェニデート塩酸塩(methylphenidate hydrochloride)、およびペモリン(pemoline)の少なくとも1種から選択される請求項1のアセンブリ。
【請求項11】
有益剤が酢酸メゲストロール、シプロフロキサン、イトロコナゾール、ロバスタチン、シムバスタチン、オメプラゾール、フェニトイン、シプロフロキサシン、シクロスポリン、リトナビル、カルバマゼピン、カルベンジロール、クラリスロマイシン、ジクロフェナック、エトポシド、およびブデスノニドから選択される請求項1のアセンブリ。
【請求項12】
有益剤がアセンブリの重量の約1%〜約60%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項13】
有益剤がアセンブリの重量の約40%〜約60%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項14】
有益剤が約0.1mg〜約500mgの範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項15】
有益剤が約20mg〜約250mgの範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項16】
水溶性重合体がエチル(ヒドロキシエチル)セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水性基で改質されたヒドロキシエチルセルロース、およびメタクリル酸共重合体の少なくとも1種から選択される請求項1のアセンブリ。
【請求項17】
水溶性重合体がヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメタクリル酸共重合体から選択される請求項1のアセンブリ。
【請求項18】
水溶性重合体がヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項1のアセンブリ。
【請求項19】
水溶性重合体がアセンブリの重量の約1%〜約50%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項20】
水溶性重合体がアセンブリの重量の約10%〜約30%の範囲内で存在する請求項1のアセンブリ。
【請求項21】
多孔性−粒子担体を準備し、
溶媒、有益剤、および水溶性重合体を含んでなる溶液を準備し、そして
溶液を担体に適用する
ことを含んでなる請求項1のアセンブリの製造方法。
【請求項22】
溶媒が水、アセトン、エタノール、メタノール、DMSO、および塩化メチレンの少なくとも1種から選択される請求項21の方法。
【請求項23】
溶媒がエタノールおよび水である請求項21の方法。
【請求項24】
溶媒がエタノールおよびDMSOである請求項21の方法。
【請求項25】
溶媒がDMSOである請求項21の方法。
【請求項26】
請求項1のアセンブリを患者に投与することを含んでなる低い水溶解度をもつ有益剤を患者に移送する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−511608(P2007−511608A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541279(P2006−541279)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037927
【国際公開番号】WO2005/051358
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】