バイオセンサ用の充填量不足認識システム
充填量不足認識システムを有するバイオセンサは、サンプル容量に反応して、1またはそれ以上の分析対象物のためにサンプルを解析するかどうかを評価する。充填量不足認識システムは、ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルをサンプルに対して印加する。ポーリングシグナルは、1またはそれ以上のポーリング出力シグナルを生成し、おそらくはそれを使用して、サンプルが存在するタイミングを検出し、そしてサンプルが解析のために十分な容量を有するかどうかを決定する。試験励起シグナルは、1またはそれ以上の試験出力シグナルを生成し、それを使用してサンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を測定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
[001] 本出願は、2009年11月10日に出願された“バイオセンサ用の充填量不足認識システム”という発明の名称のU.S.仮出願No. 61/259,807に基づく利益を主張しており、この出願はその全体を参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
[002] バイオセンサは、通常、生体液サンプル(例えば、全血、尿、または唾液)を解析する。サンプルは、未知量の分析対象物を含有しうる組成物である。典型的には、サンプルは、液体の形状であり、そして水溶液混合物である。サンプルは、生物学的サンプルの誘導体(例えば、抽出物、希釈物、濾過物、または再構成沈殿物)であってもよい。バイオセンサは、通常、1またはそれ以上の分析対象物、サンプル中に存在する物質(例えば、ケトン、グルコース、尿酸、乳酸、コレステロール、またはビリルビン)の濃度を測定する。解析は、サンプル中の分析対象物の存在および/または濃度を測定する。
【0003】
[003] 解析は、生理学的異常の診断および治療において有用である。例えば、糖尿病個体は、バイオセンサを使用して、食餌および/または投薬への調製のため、血液中グルコースレベルを測定することができる。バイオセンサは、生体液サンプルが十分に大量ではない場合、充填量不足になる可能性がある。充填量不足のバイオセンサは、生体液の不正確な解析をもたらす可能性がある。これらの不正確な解析を同定しそして防止する能力は、バイオセンサから得られる濃度値の正確性および精密性を増加させることができる
[004] 多数のバイオセンサは、生体液サンプル中の分析対象物濃度を決定するため、電気的シグナルを測定する。分析対象物は、典型的には、励起シグナルがサンプルに対して印加させる場合、酸化/還元またはレドックス反応を受ける。酵素または同様な種をサンプルに対して添加して、レドックス反応の特異性を亢進させることができる。励起シグナルは、通常は、電流または電位などの電気的シグナルである。レドックス反応は、励起シグナルに応じて、出力シグナルを生成する。出力シグナルは、通常は電流または電位などの別の電気的シグナルであり、それにより、サンプル中の分析対象物の濃度を測定しそしてそれと相関させることができる。
【0004】
[005] ほとんどのバイオセンサは、測定デバイスとセンサストリップとを有する。生体液サンプルを、センサストリップ中のサンプルチャンバに導入する。センサストリップを解析のために測定デバイス中に配置する。測定デバイスは、サンプルチャンバ中に延長される作用電極、カウンタ電極、および/またはその他の電極と典型的には接続するセンサストリップ中の、導電体と接続される電気接点に対して、励起シグナルを印加する。電極は、サンプルチャンバ中に配置されるサンプル中に励起を伝達する。励起シグナルは、レドックス反応を引き起こし、それが出力シグナルを生成する。測定デバイスは、出力シグナルに応じて、分析対象物濃度を測定する。
【0005】
[006] センサストリップには、生体液サンプル中で分析対象物と反応する薬剤が含まれていてもよい。薬剤には、分析対象物の酸化還元を促進するためのイオン化剤、ならびにメディエータまたは分析対象物と電極との間の電子の移動を補助するその他の物質が含まれていてもよい。イオン化剤は、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼなどの分析対象物特異的酵素であってもよく、それらは全血サンプル中のグルコース酸化を触媒する。薬剤には、酵素およびメディエータを一緒に保持する結合剤が含まれていてもよい。結合剤は、試薬に対する化学的適合性を有しつつ、薬剤の物理的サポートおよび封じ込めを提供する材料である。
【0006】
[007] 多数のバイオセンサには、不十分な体積のものであるサンプルサイズと関連する解析を防止しまたは選別して除くための充填量不足検出システムが含まれる。いくつかの充填量不足検出システムは、サンプル中の分析対象物の濃度を測定するために使用される作用電極、カウンタ電極、またはその他の電極とは別個のものであっても、またはその一部であってもよい、1またはそれ以上の指示電極を有する。その他の充填量不足検出システムは、励起シグナルを生体液サンプルに対して適用するために使用されるカウンタ電極および作用電極に加えて、第3の電極または指示電極を有する。追加の充填量不足検出システムは、カウンタ電極と電気的連通したサブ-エレメントを有する。作用電極およびカウンタ電極とは異なり、導電性サブ-エレメント、トリガ電極などを、バイオセンサにより生成された分析対象物特的シグナルを決定するためには使用しない。従って、それらは、剥きだしの導電性のトレース、非-分析対象物特異的試薬を伴う伝導体(例えば、メディエータなど)であってもよい。
【0007】
[008] バイオセンサは、指示電極、第3の電極、またはサブ-エレメントを使用して、センサストリップ中のサンプルチャンバの部分的な充填および/または完全な充填を検出する。典型的には、電気的シグナルは、(1または複数の)指示電極間で、第3の電極とカウンタ電極との間で、またはサンプルがサンプルチャンバ中に存在する場合にはサブ-エレメントと作用電極の間で、通過する。電気的シグナルは、サンプルが存在するかどうか、そしてサンプルが部分的にまたは完全にサンプルチャンバを充填するかどうかを示す。第3の電極を伴う充填量不足検出システムを使用するバイオセンサは、US特許No. 5,582,697中に記載される。カウンタ電極のサブ-エレメントを伴う充填量不足検出システムを使用するバイオセンサは、US特許No. 6,531,040中に記載される。
【0008】
[009] これらの充填量不足検出システムは、様々な長所と短所とを天秤にかけているが、理想的なものは存在しない。これらの充填量不足検出システムは、通常は、追加の構成要素(例えば、指示電極または第3の電極)を必要とする。追加の構成要素は、センサストリップの製造コストを増加させる可能性があり、そして製造の変動性のために、正確性および精密性において追加のものを導入する可能性がある。これらの充填量不足検出システムは、指示電極または第3の電極を提供するための、より大きなサンプルチャンバまたは貯留容器も必要とする可能性がある。より大きなサンプルチャンバは、分析対象物の正確なそして精密な解析のために必要なサンプルサイズを増加させることができる。正確性には、バイオセンサにより測定される分析対象物の量が、サンプル中の分析対象物の実際の量とどのくらい近く対応しているか、が含まれる。正確性は、参照分析対象物読み取り値との比較において、バイオセンサの分析対象物読み取り値のバイアスに関して表現することができる。精密性には、複数の分析対象物測定値が、同一サンプルについてとどの程度近いか、が含まれる。精密性は、複数の測定値間での発散または分散に関して、表現することができる。
【0009】
[0010] さらに、これらの充填量不足検出システムは、不均一なまたはゆっくりとしたサンプルチャンバの充填により、影響を受ける可能性がある。不均一なまたはゆっくりとした充填は、サンプルサイズが十分に多くない場合にセンサストリップが充填量不足であることを、これらのシステムに示させることができる。不均一なまたはゆっくりとした充填はまた、サンプルが十分に多くない場合にセンサストリップが充填されていることを、これらのシステムに示させることができる。
【0010】
[0011] さらに、これらの充填量不足検出システムはまた、より多くの生体液を添加するためには早すぎてセンサストリップが充填量不足であることを、検出することはできない。検出は、解析によりサンプル中の(1または複数の)分析対象物を決定し始めた後に、生じることができる。遅延は、センサストリップを新しいセンサストリップおよび新しい生体液サンプルと置換することが必要になる場合がある。
【0011】
[0012] 従って、改良されたバイオセンサ、特に充填量不足のセンサストリップのそして充填量不足条件に対する反応のますます正確なおよび/または精密な検出を提供することができるバイオセンサ、に対する依然とした必要性が存在する。本発明のシステム、デバイス、そして方法は、従来型のバイオセンサに関連した少なくとも1つの短所を克服する。
【発明の概要】
【0012】
[0013] 充填量不足認識システムは、生体液サンプルが1またはそれ以上の分析対象物の解析のために十分な大きさであるか否かを決定する。充填量不足認識システムは、サンプルの容量を評価して、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物の解析を停止するかまたは進行させるかを決定する。
【0013】
[0014] バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための方法において、規則的なポーリング配列を印加する。サンプルの存在を検出する。少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する拡張ポーリング配列を印加する。サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分なサンプル体積を検出する。
【0014】
[0015] バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための別の方法において、規則的なポーリング配列を印加する。少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出する。拡張ポーリング配列を印加する。少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する。サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のため不十分である場合を示す。サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分である場合、試験励起シグナルを印加する。
【0015】
[0016] 充填量不足認識システムを含むバイオセンサには、センサストリップおよび測定デバイスが含まれる。センサストリップは、基板上のサンプルインターフェースを有する。サンプルインターフェースは、基板により形成される貯留容器中に位置する作用電極とカウンタ電極と、と電気的に連通する。測定デバイスは、センサインターフェースに接続されたプロセッサを有する。センサインターフェースは、シグナル生成器を有する。センサインターフェースは、サンプルインターフェースと電気的連通を有する。プロセッサは、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列を印加するように指令を出す。プロセッサは、サンプルの存在を検出する。プロセッサは、シグナル生成器に対して、拡張ポーリング配列を印加するよう指令を出す。プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する。プロセッサは、シグナル生成器に対して、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合に、試験励起シグナルを印加するよう、指令を出す。プロセッサは、試験出力シグナルに応答したサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
[0017] 本発明は、以下の図面および記載を参照することにより、よりよく理解することができる。図面中の構成成分は、必ずしも当縮尺ではなく、本発明の原理を説明する際に強調が付される場合がある。さらに、図面において、異なる図面を通じて、対応するパーツには、同様の参照番号が示される。
【図1】[0018] 図1は、バイオセンサ中のサンプル体積を評価するための方法を示す。
【図2】[0019] 図2は、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列および充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の試験励起シグナルを示すグラフである。
【図3】[0020] 図3は、図2において使用される試験励起シグナルを有する、別のポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列を示すグラフである。
【図4】[0021] 図4は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、追加のポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および追加の試験励起シグナルを示すグラフである。
【図5】[0022] 図5Aは、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、循環的ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および試験励起シグナルを示すグラフである。[0023] 図5Bは、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、別の循環的ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および別の試験励起シグナルを示す図である。
【図6】[0024] 図6は、従来型の充填量不足検出システムのための、サンプル体積研究の結果を示す。
【図7】[0025] 図7は、図6のサンプル体積研究のための、グルコース読み取り値の%-集団を示す。
【図8】[0026] 図8は、充填量不足認識システムのための、サンプル体積研究の結果を示す。
【図9】[0027] 図9は、図8のサンプル体積研究のための、グルコース読み取り値の%-集団を示す。
【図10】[0028] 図10は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサとともに使用される、センサストリップの概略図を示す。
【図11】[0029] 図11は、拡張ポーリング配列に応じて生成される容量出力シグナルのグラフを示し、完全充填条件を示す容量出力シグナルの範囲を示す。
【図12】[0030] 図12は、拡張ポーリング配列に応じて生成される容量出力シグナルのグラフを示し、充填量不足条件を示す容量出力シグナルの範囲を示す。
【図13】[0031] 図13は、入力電位に応答したO2減少およびメディエータ減少由来の、出力電流を示すグラフを示す。
【図14】[0032] 図14は、刺激において使用される入力シグナルおよび出力シグナルのプロットを示す。
【図15】[0033] 図15は、図14に示されるポーリングシグナル、試験励起シグナル、および出力シグナルの最後の2回のサイクルの拡大図を示す。
【図16】[0034] 図16は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサのスキーム図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0035] 充填量不足認識システムは、サンプル容量に応じて、1またはそれ以上の分析対象物のついて、生体液サンプルを解析するかどうかを評価する。充填量不足認識システムは、サンプルが存在するかどうかを検出し、サンプルが解析のために十分な容量を有するかどうかを決定し、サンプル体積が解析のための十分ではない場合を示し、そしてサンプル体積に対応してサンプル解析を開始しまたは停止する。充填量不足認識システムは、サンプルが解析の前に十分に多いかどうかを決定することにより、サンプル解析の正確性および/または精密性を向上することができる。
【0018】
[0036] 充填量不足認識システムは、バイオセンサまたは類似のデバイス上で実行することができる。バイオセンサは、ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルを、サンプルに対して印加する。ポーリングシグナルは、サンプルから、1またはそれ以上のポーリング出力シグナルを生成し、それを使用して、サンプルが存在する場合を検出し、そしてサンプルが解析のために十分な容量を揺するかどうかを決定することができる。試験励起シグナルは、1またはそれ以上の試験出力シグナルを生成し、それを使用して、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を決定することができる。ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、電位、電流、それらの組合せなどの電気的シグナルであってもよい。試験励起シグナルは、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物を決定するために使用される、光学的シグナル、電気的シグナル、または類似のシグナルのいずれであってもよい。バイオセンサを使用して、生体液(全血、尿、唾液など)中の1またはそれ以上の分析対象物濃度(グルコース、尿酸、ラクテート、コレステロール、ビリルビン、ケトン、など)を決定することができる。その他の生体液中のもの等を含むその他の分析対象物濃度を、測定することができる。
【0019】
[0037] ポーリングシグナルは、1またはそれ以上の規則的な入力パルス規則的なポーリング配列、その後1またはそれ以上の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、本質的に同一であってもよいが、異なる規則的な入力パルスを使用することもできる。規則的なポーリング配列は、バイオセンサ中にサンプルが存在する場合、1またはそれ以上のサンプル出力シグナルを生成することができる。従って、サンプル出力シグナルを使用して、サンプルが存在する場合を検出することができる。
【0020】
[0038] 拡張ポーリング配列は、1またはそれ以上の拡張入力パルスを有する。1またはそれ以上の拡張入力パルスは、規則的な入力パルスと本質的に同一であってもよい。拡張ポーリング配列中の少なくとも一つの拡張入力パルスは、規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスとは異なる。異なる拡張入力パルスは、おそらくは、拡張ポーリング配列における最後のまたはもう一つの拡張入力パルスである。拡張ポーリング配列は、サンプル体積に応じた1またはそれ以上の容量出力シグナルを生成することができる。体積出力シグナルを使用して、サンプルが解析のために十分な容量を有するかどうかを決定することができる。
【0021】
[0039] ポーリングシグナルをバイオセンサ中のサンプルに対して印加する場合、ポーリングシグナルの各パルスは、典型的には、サンプルから対応する出力パルスを生成する。1またはそれ以上の出力パルスは、ポーリング出力シグナルを形成する。規則的なポーリング配列の各規則的な入力パルスは、サンプル出力シグナル中で規則的な出力パルスを生成する。バイオセンサは、少なくとも1つの規則的な出力パルスがサンプル閾値に到達する場合、サンプルの存在を検出し、その後拡張ポーリング配列を印加する。
【0022】
[0040] 拡張ポーリング配列の各拡張入力パルスは、容量出力シグナルにおいて、拡張出力パルスを生成する。拡張出力パルスおよび規則的な出力パルスは、拡張入力パルスおよび規則的な入力パルスが同一である場合、本質的に同一である。拡張入力パルスが、規則的な入力パルスとは異なる場合、拡張出力パルスは、規則的な出力パルスとは異なる。異なる拡張出力パルスは、バイオセンサ中のサンプル体積に対して対応するものであり、そして従って異なる拡張出力パルスを使用してサンプルが十分な体積を有するかどうかを検出することができる。
【0023】
[0041] 1またはそれ以上の体積閾値を使用して、サンプルが、十分な体積または不十分な体積、体積、体積の範囲、それらの組合せなどを有する場合を検出することができる。サンプルは、異なる拡張出力パルスが、選択された体積閾値に到達する場合に、十分な容量を有する。サンプルは、異なる拡張出力パルスが体積閾値に到達しない場合に、不十分な容量を有する。サンプルは、異なる拡張出力パルスが体積閾値に到達する場合、または1つの体積閾値には到達するが別の体積閾値には到達しない場合、容量または容量範囲を有する。その他の基準のための閾値を含むその他の閾値を、使用することができる。
【0024】
[0042] 図1は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、サンプル体積を評価するための方法を示す。102において、バイオセンサを活性化する。104において、バイオセンサは、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を印加する。106において、バイオセンサは、サンプルの存在を検出する。108において、バイオセンサは、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列を、サンプルに対して印加する。110において、バイオセンサは、サンプル体積が解析のために十分かどうかを検出する。112において、バイオセンサは、サンプル体積が解析のために不十分な場合を示す。114において、バイオセンサは、サンプル体積が解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを印加する。116において、バイオセンサは、分析対象物濃度を決定する。
【0025】
[0043] 図1の102において、バイオセンサを活性化する。バイオセンサを、電源スイッチまたはボタン、バイオセンサがユーザにより触れられるかまたは保持される場合を決定するセンシングメカニズム、センサストリップを測定デバイス中に配置する場合を決定する別のメカニズム、などにより活性化することができる。活性化される場合、電力またはより多くの電力を供給し、そして従ってバイオセンサ中の電気回路の操作を開始しまたは増加する。最初は、バイオセンサは、1またはそれ以上の診断ルーチンを実行することができ、周囲温度を得ることができ、および/または解析を行うためのその他の調製機能を行うことができる。バイオセンサは、センサストリップが測定デバイス中に存在するまでまたは別の所望の時点または作用となるまで、調製機能の性能を遅らせおよび/または繰り返すことができる。活性化ののち、バイオセンサは、本質的には、容易に生体液サンプルを受容し、そしてサンプル中の1またはそれ以上の分析対象物の濃度を決定する準備が整っている。
【0026】
[0044] 図1の104において、バイオセンサは、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を、生体液サンプルを配置する位置に印加する。位置は、センサストリップなどの中の貯留容器であってもよい。ポーリングシグナル中の1またはそれ以上の規則的なポーリング配列が存在してもよい。図2〜図5は、それぞれ、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を示す。その他の規則的なポーリング配列およびポーリングシグナルを、使用することができる。
【0027】
[0045] 規則的なポーリング配列は、ポーリングシグナルの部分である。ポーリングシグナルは、パルスを負荷するか、または設定周波数または間隔でスイッチを入れそして切る、電気的シグナル(たとえば、電流または電位)である。ポーリングシグナルは、本質的には、ポーリング弛緩により分離されたポーリングパルスの配列である。ポーリングパルスの間、電気的シグナルはオンである。オンには、電気的シグナルが存在する期間が含まれる。ポーリング弛緩のあいだ、電気的シグナルは、電気的シグナルがオンである場合に関連して、振幅を顕著に減少させる。減少させることには、電気的シグナルがオンである場合との関連で、少なくとも桁を変えていることにより、電気的シグナルを減少させる場合が含まれる。減少させることには、電気的シグナルがオフに低下する場合も含まれる。オフには、電気的シグナルが存在しない期間が含まれる。オフには、電気的シグナルは存在するが、本質的に振幅なしと言われた場合の期間は含まれない。電気的シグナルを、電気回路をそれぞれ閉じたりそして開いたりすることにより、オンとオフとの間を切り替える。電気回路は、機械的、電気的などで開いたり閉じたりすることができる。その他のオン/オフのメカニズムを、使用することができる。
【0028】
[0046] 規則的なポーリング配列は、一群の1またはそれ以上の規則的な入力パルス間隔である。規則的な入力パルス間隔は、規則的な入力パルスと規則的な弛緩との合計である。それぞれの規則的な入力パルスは、規則的な振幅および規則的な入力パルス幅を有する。規則的な振幅は、電気的シグナルの電位、電流、などの強度を示す。規則的な振幅は、規則的な入力パルスのあいだ変動してもよく、または一定であってもよい。規則的な入力パルス幅は、規則的な入力パルスの継続時間である。規則的なポーリング配列における規則的な入力パルス幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。それぞれの規則的な弛緩は、規則的な弛緩の継続時間である、規則的な弛緩幅を有する。規則的なポーリング配列における規則的な弛緩幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0029】
[0047] 規則的なポーリング配列は、レドックス反応、1またはそれ以上の分析対象物、電極の数および/または電極の構成、1またはそれ以上のメディエータ、レドックス対、電気化学的プロセスまたは光学的プロセス、これらの組合せ、などに応じて、選択することができる。規則的なポーリング配列の選択には、パルス数、同様のまたは異なる規則的な入力パルスの数および順序、規則的な振幅およびパルス幅、これらの組合せ、などが含まれる。規則的な入力パルスは、体積閾値に到達する規則的な出力シグナルの可能性を上昇させるかまたは減少させるように選択することができる。可能性には、実質的に所望の結果を達成する機会または確率が含まれる。規則的なポーリング配列は、その他の基準に応じて選択することができる。
【0030】
[0048] 規則的なポーリング配列は、約500ミリ秒(ms)未満の規則的な入力パルス幅および約2秒(sec)未満の規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約100 ms未満の規則的な入力パルス幅および約500 ms未満の規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約0.5ミリ秒〜約75 msの範囲の規則的な入力パルス幅および約5 ms〜約300 msの範囲の規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約1ミリ秒〜約50 msの範囲の規則的な入力パルス幅および約10 ms〜約250 msの範囲規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約5 msの規則的な入力パルス幅および約125 msの規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、その他のパルス幅およびパルス間隔を有してもよい。
【0031】
[0049] バイオセンサは、規則的なポーリング期間のあいだ、規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する。規則的なポーリング期間を、約15分(min)未満、5分未満、2分未満、または1分未満に設定しまたは選択することができる。規則的なポーリング期間は、より長くてもよい。しかしながら、サンプルの存在が検出される場合、別の時点、または別の作用の場合、バイオセンサが規則的なポーリングシグナルをすぐに停止することができるため、規則的なポーリング期間は、実際には、可変であってもよい。規則的なポーリング期間が終了し、そしてサンプルが何も検出されなかった後、バイオセンサは、動作を停止し、スリープモードに入り、または別の規則的なポーリング期間を開始することができる。バイオセンサは、選択された数の規則的なポーリング期間を完了しまたは終了事象を生じるまで(例えば、バイオセンサの動作を停止する、サンプルの存在を検出する、など)、複数の規則的なポーリング期間を介してサイクルを回すことができる。バイオセンサは、規則的なポーリング期間の後または別の選択された時点または事象の際に、スリープモードにはいることができ、その場合には、バイオセンサは、さらなる入力が得られるまで、ほとんど動作を停止しまたは低活性状態に入る。
【0032】
[0050] 規則的なポーリング期間は、約0.5秒〜約15分の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約5秒〜約5分の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約10秒〜約2分の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約20秒〜約60秒の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約30〜約40秒の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約200未満、100未満、50未満、または25未満のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約2〜約150のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約5〜約50のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約5〜約15のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約10のパルス間隔を有してもよい。その他の規則的なポーリング期間を使用することができる。
【0033】
[0051] 図1の106において、バイオセンサは、生体液サンプルが解析のために利用可能である場合を検出する。バイオセンサは、サンプルが規則的なポーリング配列に応じて1またはそれ以上のサンプル出力シグナルを生成する場合に、サンプルがバイオセンサ中に存在するかどうかを検出する。サンプルは、センサストリップの貯留容器においてまたはそうでなければバイオセンサにおいて、存在することができる。規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する場合、規則的なポーリング配列のそれぞれの規則的な入力パルスは、典型的には、規則的な出力パルスを生成する。1またはそれ以上の規則的な出力パルスは、サンプル出力シグナルを形成する。バイオセンサは、少なくとも1つの規則的な出力パルスがサンプル閾値に達し、その後拡張ポーリング配列を印加する場合、サンプルの存在を検出する。1またはそれ以上のサンプル出力シグナルは、電気的シグナル(電流または電位など)である。バイオセンサは、ディスプレイ上にサンプル出力シグナルを示すことができおよび/またはメモリデバイス中にサンプル出力シグナルを保存することができる。
【0034】
[0052] サンプル出力シグナルは、サンプル出力シグナル中の1またはそれ以上の規則的な出力パルスが1またはそれ以上のサンプル閾値に達する場合に、サンプルが存在することを示す。広がり(reach)には、閾値と本質的に同一かまたは閾値よりも高い出力パルスを示し、または閾値よりも高いだけの出力パルスを示す。広がりは、正の方向に関連して記述される一方、広がりは、反対の方向または負の方向を使用する場合の閾値と本質的に同一であるか、それよりも低いか、またはわずかに低い出力パルスが含まれる。サンプルが何も存在しない場合、バイオセンサは、規則的なポーリング期間を継続し、サイクル1またはそれ以上の規則的なポーリング期間のあいだ繰り返し、規則的なポーリング期間を開始しまたはリスタートし、バイオセンサを不活性化し、スリープモードに導入し、またはこれらを組合せる。
【0035】
[0053] バイオセンサは、サンプル出力シグナル中の1またはそれ以上の規則的な出力パルスが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達する場合に、サンプルが存在することを検出する。1またはそれ以上のサンプル閾値および1またはそれ以上の規則的な入力パルスを選択して、サンプルの存在に反応性のサンプルから規則的な出力パルスを生成することができる。規則的な入力パルスを選択して:(1)サンプルが存在する場合またはサンプルが選択された最小サンプル体積と同等かまたはそれよりも多い場合に、サンプル閾値に到達する規則的な出力パルスを生成することができ;そして(2)サンプルが存在しない場合またはサンプルが選択された最小サンプル体積よりも小さい場合には、サンプル閾値に到達する規則的な出力パルスを生成できない。規則的な入力パルスを選択して、サンプル体積に関わらず、または選択された最小サンプル体積と同等かまたはそれよりも多いサンプル体積であるかにかかわらず、サンプル閾値に到達する規則的な出力パルスまたはサンプル閾値に到達しない規則的な出力パルスを生成することができる。このように、充填量不足条件または完全充填条件のいずれかが生じる場合に、規則的な出力パルスを生成する。その他の規則的な入力パルスを、選択することができる。
【0036】
[0054] サンプル閾値を選択して、サンプルが存在するか存在しないか、サンプルが選択された最小サンプル体積を超えているかまたは超えていないか、などを区別することができる。サンプル閾値は、メモリデバイス中に保存され、ルックアップ表などから得られる所定の閾値であってもよい。所定の閾値は、研究室的仕事の統計解析から展開することができる。その他の所定の閾値を使用することができる。サンプル閾値は、出力シグナルに応じて決定される測定されたかまたは算出された閾値であってもよい。その他の測定されたかまたは算出された閾値を使用することができる。サンプル閾値を選択して、サンプル、サンプル体積、などに反応して1またはそれ以上の出力シグナルがより強い場合またはより弱い場合を同定することができる。
【0037】
[0055] サンプル閾値を選択して、1またはそれ以上の出力シグナルの変化がサンプル状態に反応性であるかどうかをどう定位することができる。サンプル閾値を、理論的解析により、解析の所望の精密性および/または正確性により、またはその他の基準により、選択することができる。サンプル閾値は、ゼロであるかまたはゼロ近くであってもよく、サンプルがサンプル出力シグナルを生成することができる場合に、サンプルが存在することを意味する。サンプル閾値を選択して、サンプルが存在する場合を検出する正確性および/または精密性を上昇させるかまたは低下させることができる。その他のサンプル閾値を使用することができる。
【0038】
[0056] サンプルの存在を検出する場合、バイオセンサは、規則的なポーリング期間の終了時またはその他の選択されたタイミングで、すぐに規則的なポーリング配列を停止することができる。サンプルの存在を検出しない場合、バイオセンサは、1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を通じて、規則的なポーリング配列を印加し続ける。1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を完了し、そしてサンプルが何も検出されない後、バイオセンサを不活性化することができ、スリープモードに導入することができ、あるいは1またはそれ以上の規則的なポーリング期間をリスタートすることができる。
【0039】
[0057] バイオセンサは、試験励起シグナルが印加されるまでまたは拡張パルス配列の期間に、サンプルが検出されるときからの時間の計測を開始することができる。バイオセンサは、その他の期間を計測することができる。計測は、ゆっくりと充填されるサンプルに反応して、さらなる作用を遅延させるためのバッファーの一部であり得る。バイオセンサがサンプルが存在しないことやサンプル体積が不十分であることなどを検出する場合、バイオセンサは、1またはそれ以上の遅延期間の後、さらなる作用を起こす前に、規則的なポーリングシグナルまたは拡張ポーリングシグナルに由来する出力パルスをチェックすることができる。遅延期間は、約3分未満、約2分未満、または約1分未満であってもよい。遅延期間は、約5秒〜約120秒の範囲、約10秒〜約90秒の範囲、約10秒〜約60秒の範囲、そして約20秒〜約45秒の範囲内であってもよい。その他の遅延期間を選択することができる。計測は、その他の基準、例えばその他の試験を行うためのその他の基準、またはその他の作用を行うためのその他の基準のために使用することができる。
【0040】
[0058] バイオセンサはまた、より多くのサンプルが解析用の貯留容器に追加されたことを検出する。使用する際、バイオセンサは、サンプルが解析のために不十分な容量を揺する場合に1またはそれ以上の規則的なポーリング期間をリスタートすることができる。バイオセンサは、センサストリップに対してより多くのサンプルを追加するように、ユーザに対して要求することができる。追加のサンプルがセンサストリップの貯留容器中に存在する場合、規則的なポーリング配列に反応して、より大きなサンプル容量が、1またはそれ以上のサンプル出力シグナルを生成する。上述したように、サンプル出力シグナルは、サンプル出力シグナルが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達する場合または到達しない場合に、それぞれ、追加のサンプルが存在するかまたは存在しないかを示している。追加のサンプルが存在しない場合、バイオセンサは、規則的なポーリング期間を継続し、1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を通じて繰り返し、規則的なポーリング期間を開始しまたはリスタートし、バイオセンサを不活性化し、スリープモードに導入する。
【0041】
[0059] バイオセンサは、複数のサンプル閾値を使用して、センサストリップ中の追加のサンプルを検出することができる。バイオセンサは、第1のまたは初期のサンプル閾値を有して、センサストリップ中におけるサンプルの初期存在を検出することができる。バイオセンサは、第2のまたはリフィルサンプル閾値を有して、バイオセンサがユーザに対してより多くのサンプルを追加するように要求した後などに、より多くのサンプルをセンサストリップに対して追加する場合を検出することができる。その他の複数のサンプル閾値を使用することができる。
【0042】
[0060] 図1の108において、バイオセンサは、生体液サンプルに対して、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列を適用する。サンプルの存在を検出した後に、バイオセンサが拡張ポーリング配列をサンプルに対して適用する。バイオセンサは、規則的なポーリング配列の直後に、遷移期間の直後に、またはその他の選択された時間の直後に、拡張ポーリング配列を適用してもよい。直後には、規則的なポーリング配列から拡張ポーリング配列への時間遷移がわずかであるかまたは存在しない場合が含まれる。バイオセンサは、中断や妨害なしに、規則的なポーリング配列から拡張ポーリング配列へと遷移することができる。遷移は、規則的なポーリング配列を作成することができ、そして拡張ポーリング配列の一部は、特に、規則的な入力パルスの規則的な振幅および拡張入力パルスの拡張振幅が本質的に同一である場合、同一の配列である可能性がある。ポーリングシグナルには、1またはそれ以上の拡張ポーリング配列が存在していてもよい。図2から図5は、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列を示す。その他の拡張ポーリング配列およびポーリングシグナルを使用することができる。
【0043】
[0061] 拡張ポーリング配列は、ポーリングシグナルの一部である。拡張ポーリング配列は、一群の1またはそれ以上の拡張入力パルスインターバルである。拡張入力パルス間隔は、拡張入力パルスと拡張弛緩との合計である。それぞれの拡張入力パルスは、拡張振幅と拡張入力パルス幅とを有する。拡張振幅は、電気的シグナルの電位、電流などの強度を示す。拡張振幅は、拡張入力パルスのあいだ、変化してもよくまたは一定であってもよい。拡張入力パルス幅は、拡張入力パルスの継続時間である。拡張ポーリング配列における拡張入力パルス幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。それぞれの拡張弛緩は、拡張弛緩幅を有し、これは拡張弛緩の継続時間である。拡張ポーリング配列における拡張弛緩幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0044】
[0062] 拡張ポーリング配列は、1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスを有し、そして1またはそれ以上のいずれかの同様の拡張入力パルスを有していてもよい。異なる拡張入力パルスは、規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスとは異なる。同様な拡張入力パルスは、規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスと本質的に同一である。最後のおよび/またはもう一つの拡張入力パルスは、規則的な入力パルスとは異なっていてもよい。拡張ポーリング配列は、1またはそれ以上のより高い拡張入力パルスおよび1またはそれ以上のより低い拡張入力パルスを有していてもよい。拡張ポーリング配列は、ただ一つの異なる拡張入力パルスを有していてもよい。拡張ポーリング配列は、異なる拡張入力パルスのみを有していてもよい。拡張ポーリング配列は、ステップダウン、ステップアップ、またはこれらの組合せをする、2またはそれ以上の拡張入力パルスを有していてもよく、これはすべてが異なる拡張入力パルスまたは類似する拡張入力パルスと異なる拡張入力パルスとの組み合わせであってもよい。ステップダウンには、拡張振幅がその後の入力パルスのそれぞれにより減少する拡張入力パルスが含まれる。ステップアップには、拡張振幅がその後の入力パルスそれぞれにより増加する拡張入力パルスが含まれる。拡張振幅の増加および減少は、同一であっても同一でなくてもよい。その他の拡張ポーリング配列を使用することができる。
【0045】
[0063] 拡張ポーリング配列は、レドックス反応、1またはそれ以上の分析対象物、電極の数および/または構造、1またはそれ以上のメディエータ、レドックス対、電気化学的プロセスまたは光学的プロセス、これらの組合せ、などに反応して、選択することができる。拡張ポーリング配列の選択には、パルスまたはサイクルの数、同様の拡張入力パルスおよび異なる拡張入力パルス、拡張振幅およびパルス幅の数および順番、これらの組合せ、などが含まれる。拡張入力パルスは、体積閾値に達する体積出力シグナルの可能性を増加させまたは減少させるように選択することができる。拡張ポーリング配列は、その他の基準に応じて選択することができる。
【0046】
[0064] 異なる拡張パルスは、規則的なパルスと同一ではない。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスの規則的な(1または複数の)振幅と同一ではない、拡張振幅を有する拡張パルスが含まれる。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスが可変の(1または複数の)振幅を有する場合に、一定の振幅を有する拡張パルスが含まれる。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスが一定の(1または複数の)振幅を有する場合、可変の振幅を有する拡張パルスが含まれる。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスの規則的な(1または複数の)パルス幅と同一ではない、拡張パルス幅を有する拡張パルスが含まれる。その他の異なる拡張パルスを使用することができる。
【0047】
[0065] 拡張ポーリング配列は、拡張入力パルスのサイクルであってもよい。サイクルには、少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを含む、2またはそれ以上の拡張入力パルスが含まれる。サイクルには、一連の拡張ポーリング配列が含まれ、それは同一であっても同一ではなくてもよい。サイクルは、規則的なポーリング配列の規則的なパルスと本質的に同一である、1またはそれ以上の同様の拡張入力パルスを有していてもよい。サイクルは、1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスを有していてもよく、たがいに本質的に同一であっても同一ではなくてもよい。サイクルは、ステップダウン、ステップアップ、またはこれらの組み合わせをする、2またはそれ以上の拡張入力パルスを有していてもよい。その他のサイクルを使用することができる。
【0048】
[0066] 拡張ポーリング配列は、約500 ms未満の拡張入力パルス幅および約2秒未満の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約100 ms未満の拡張入力パルス幅および約500 ms未満の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約0.5ミリ秒〜約75 msの範囲の拡張入力パルス幅および約5 ms〜約300 msの範囲の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約1ミリ秒〜約50 msの範囲の拡張入力パルス幅および約10 ms〜約250 msの範囲の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約5 msの拡張入力パルス幅および約125 msの拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、その他のパルス幅およびその他のパルス間隔を有していてもよい。
【0049】
[0067] バイオセンサは、拡張ポーリング期間のあいだ、サンプルに対して拡張ポーリング配列を印加する。拡張ポーリング期間は、約15分未満、5分未満、2分未満、または1分未満であってもよい。拡張ポーリング期間はより長くてもよい。拡張ポーリング期間は、実質的に一定であってもよく、あるいはサンプル体積の検出またはサンプル体積の充足性の検出を改善するために固定されていてもよい。拡張ポーリング期間を、ゆっくりと充填されるサンプル用のバッファーとして作用するために選択することができる。その他の拡張ポーリング期間を使用することができる。
【0050】
[0068] 拡張ポーリング期間の後、バイオセンサを、不活性化し、スリープモードに導入し、別の拡張ポーリング期間を開始し、別の規則的なポーリング期間を開始し、サンプル体積が解析のために不十分である場合に複数の規則的なポーリング期間を通じてサイクルさせる、などすることができる。サンプル体積が解析のために十分な場合、バイオセンサは、拡張ポーリング期間の終了後すぐにまたはその他の選択された時点で、試験励起シグナルを印加することができる。
【0051】
[0069] 拡張ポーリング期間は、約0.5秒〜約15分の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約5秒〜約5分の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約10秒〜約2分の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約20秒〜約60秒の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約30秒〜約40秒の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約200未満のパルス間隔、100未満のパルス間隔、50未満のパルス間隔、または25未満のパルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約2〜約150のパルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約5〜約50のパルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約5〜約15のパルス間隔をを有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約10のパルス間隔を有していてもよい。その他の拡張ポーリング期間を使用することができる。
【0052】
[0070] 図1の110において、バイオセンサは、またはそれ以上の分析対象物のサンプルの容量が解析のために十分であるかまたは十分ではないかを検出する。解析のために十分であることには、選択されたサンプル体積、最小のサンプル体積および/または最大のサンプル体積、1またはそれ以上のサンプル体積範囲、などが含まれる。解析のために十分であることには、分析対象物解析またはその他の設計基準の所望の正確性および/または精密性に関して選択された、1またはそれ以上のサンプル体積が含まれる。解析のために十分であることには、1またはそれ以上の分析対象物のいずれかの解析に関して本質的に少なすぎる、サンプルの不存在が含まれる。解析のために十分ではないかまたは不十分であることには、十分であることに関して、1またはそれ以上の上述のまたはその他の基準を有さないサンプル体積が含まれる。バイオセンサは充填量不足であるか、またはサンプル体積が解析に関して十分ではないかまたは不十分である場合に充填量不足条件が生じる。充填量不足条件には、バイオセンサが正確におよび/または精密に生体液中の1またはそれ以上の分析対象物の濃度を解析するために十分に多くはないサイズまたは容量を有する、バイオセンサの生体液サンプルが含まれる。解析のために十分なまたは不十分なサンプルの体積は、実験的に、理論的に、これらの組合せ、などで決定することができる。
【0053】
[0071] バイオセンサは、拡張ポーリング配列に反応してサンプルにより生成された1またはそれ以上の容量出力シグナルを検出する。拡張ポーリング配列がサンプルに対して印加される場合、拡張ポーリング配列のそれぞれの拡張入力パルスは、拡張出力パルスを生成する。1またはそれ以上の拡張出力パルスは、容量出力シグナルを形成する。容量出力シグナルは、電流または電位などの電気的シグナルである。容量出力シグナルは、1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスが1またはそれ以上の異なる拡張出力パルスを生成することができること以外は、サンプル出力シグナルと本質的に同一である。バイオセンサは、ディスプレイ上に容量出力シグナルを示すことができ、および/またはメモリデバイス中に容量出力シグナルを保存することができる。
【0054】
[0072] 容量出力シグナルは、同様出力パルスおよび拡張出力パルスを有する。拡張ポーリング配列の拡張入力パルスは、同様の拡張出力パルスまたはサンプルとは異なる拡張出力パルスを生成する。同様の拡張出力パルスは、同様の拡張入力パルスに応じて生成される。異なる拡張出力パルスは、異なる拡張入力パルスに応じて生成され、そしてバイオセンサ中のサンプル体積に反応性である。このように、サンプルが十分な体積、これらの組合せ、または同様の基準を有しているか否かにかかわらず、異なる拡張出力パルスを使用して、サンプル容量を検出することができる。
【0055】
[0073] バイオセンサは、サンプル体積が、1またはそれ以上の容量出力シグナルに応答する解析のために十分かまたは不十分であるかを検出する。バイオセンサは、体積出力シグナル中の1またはそれ以上の異なる拡張出力パルスが、1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合に、サンプル体積が十分であるかどうかを検出する。バイオセンサは、体積出力シグナル中の異なる拡張出力パルスが何も1またはそれ以上の体積閾値に到達しない場合、サンプル体積が不十分であるかどうかを検出する。バイオセンサがサンプル体積が不十分であることを示唆する異なる拡張出力パルスを検出する場合、バイオセンサは、サンプル体積が不十分であることを示すことができ、追加のサンプルを待ち、拡張ポーリング配列をすぐにまたは遅延期間がカウントされた後にリスタートし(遅延期間は、ゆっくりと充填するサンプルの完全な充填を可能にすることができる)、規則的なポーリング配列をリスタートし、スリープモードに導入し、不活性化し、これらの組合せ、などをすることができる。バイオセンサは、1またはそれ以上の体積閾値を使用して、サンプル体積範囲または容量範囲を決定することができ、サンプル体積が、1未満のまたはそれ以上の体積と同等であり、1未満のまたはそれ以上の体積とを超え、および/または1未満のまたはそれ以上の体積であるかどうかを決定することができる。
【0056】
[0074] バイオセンサは、体積出力シグナル中の1またはそれ以上の異なる拡張出力パルスが、1またはそれ以上の体積閾値に到達するか、または到達しない場合、サンプル体積がそれぞれ十分であるかまたは不十分であるかを、検出する。サンプルがより少ないかまたは不十分な容量を有する場合(充填量不足条件)、サンプルは、より多い容量または十分な容量を有するサンプル(完全充填条件)と比較して、センサストリップ中のより少ない電極をカバーする。より少ないことそしてより多いことは、不十分なサンプル体積と十分なサンプル体積とをそれぞれ識別する。より少ないことそしてより多いことは、実験データ、理論的解析、容量または解析の所望の精密性および/または正確性、使用される(1または複数の)レドックス対またはメディエータ、電極構造、それらの組み合わせなどに応じて選択することができる。
【0057】
[0075] 電極範囲の量は、サンプル体積に関連しており、そして拡張ポーリング配列の拡張入力パルスから生成される拡張出力パルスに影響を与える可能性がある。1またはそれ以上の体積閾値および1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスは、サンプル体積に応じて、サンプルから異なる拡張出力パルスを生成するように選択することができる。拡張入力パルスが:(1)サンプルが電極のより多い部分をカバーし、それがサンプルが十分なまたは所望の容量(完全充填条件)を有することを示す場合、体積閾値に到達し;そして(2)サンプルが電極のより少ない部分をカバーし、サンプルが十分なまたは所望の容量を有さないこと(充填量不足条件)を示す場合。体積閾値に到達しない、異なる拡張出力を生成するように選択することができる。その他の異なる拡張出力パルスおよび閾値を、選択することができる。
【0058】
[0076] 容量閾値を、充填量不足条件および完全充填条件、異なる体積、最小体積および/または最大体積、容量範囲、特定の体積、これらの組合せ、などの間を識別するように選択することができ、。容量閾値は、ルックアップテーブルなどから得られたメモリデバイス中に保存された所定の閾値であってもよい。所定の閾値は、研究室の研究の統計解析から開発することができた。その他の所定の閾値を使用することができる。容量閾値は、1またはそれ以上の出力シグナルに応じて、測定された閾値または算出された閾値であってもよい。その他の測定された閾値または算出された閾値を使用してもよい。容量閾値は、1またはそれ以上の出力シグナルがサンプル体積に応じてより強力であるかまたはより弱い場合を同定するように選択することができる。容量閾値は、1またはそれ以上の出力シグナルの変化が容量条件に応じている場合を同定するように選択することができる。容量閾値を、理論的解析により、解析の所望の精密性および/または正確性により、またはその他の基準により、選択することができる。体積閾値は、ゼロであるかまたはほぼゼロであってもよく、このことは、いずれかのサンプル体積が解析のために十分であることを示す。体積閾値は、サンプル閾値と本質的に同一であってもよい。容量閾値は、体積閾値に到達する体積出力シグナルの可能性を増加させるかまたは減少させるように選択することができる。可能性には、実質的に所望の結果を達成する機会または確率が含まれる。その他の体積閾値を使用することができる。
【0059】
[0077] 容量閾値を、解析の正確性および/または精密性を上昇または低下させるため、サンプル体積を検出するため、サンプル体積が不十分であることを検出するため、これらの組合せ、などのために選択することができる。サンプル体積またはサンプルが、解析のために十分な容量を有さないことを示唆する、体積閾値の範囲または数値が存在していてもよい。この範囲または数値の中で、1またはそれ以上の体積閾値が、その他の体積閾値と比較して、容量またはサンプルの容量充足性を示す際に、より正確なおよび/またはより精密なものであってもよい。このように、これらのより正確なおよび/またはより精密な体積閾値を、容量またはサンプルの容量充足性を示すその他の体積閾値の代わりに選択することができる。
【0060】
[0078] 充填量不足認識システムは、複数の体積閾値を使用して、サンプル容量またはバイオセンサの充填量不足の程度を測定することができる。体積出力シグナルが1つの体積閾値を越え、そして別の体積閾値を越えていない場合、この体積出力シグナルは、サンプル体積がそれらの体積閾値と関連した体積の間にあることを示す。より大きな体積閾値を使用して、より正確な容量測定を提供することができる。
【0061】
[0079] 複数の体積閾値を使用して、複数の解析または異なる解析のために十分なサンプル体積が存在するかどうかを決定することもできる。体積出力シグナルが2つの体積閾値の間にある場合;この体積出力シグナルは、1回の解析のためには十分なサンプル体積が存在するが、第2の解析(例えば、全血中のグルコースおよびコレステロールについて解析する場合)のためには十分なサンプル体積がない場合を示すことができる。複数の体積閾値を使用して、サンプル体積に応じたその他の測定値を得ることができる。
【0062】
[0080] 1またはそれ以上の閾値を、その他の設計要素に関して選択することができる。1またはそれ以上の拡張入力パルスを、選択された設計要素に応じた1またはそれ以上の拡張ポーリング出力パルスを生成することができる。これらの出力パルスを使用して、設計要素が充足されている場合を測定することができ、そしてしたがって、試験励起シグナルが開始した時期を開始するかどうか、別の規則的なポーリング配列をリスタートするかどうか、別の拡張ポーリング配列をリスタートするかどうか、その他の作用を行かどうか、などを測定することができる。
【0063】
[0081] 拡張ポーリング配列におけるサイクルを使用して、ゆっくりと充填されるサンプルのためのバッファーまたは遅延を作成することができる。出力シグナルにおける初期拡張出力パルスが不十分な体積を示す可能性がある一方、より遅くのまたは最後の拡張出力パルスが、サンプルが実質的に完全な充填を有する場合に、十分な容量であることを示すことができる。拡張ポーリング配列におけるサイクルは、その他の基準、例えば、容量またはサンプルの容量範囲を決定するための複数の閾値の有無、に関して、使用することができる。
【0064】
[0082] 通常のそして拡張ポーリング配列は、最後の低拡張ポーリング出力が体積閾値値に合致しない場合に生成される。このサイクリングは、サンプル体積が体積閾値を満たすまでまたは前に検討したように選択された数のポーリング配列のあいだ、無期限に継続することができる。この時間のあいだ、追加のサンプルをセンサストリップに追加して、体積閾値の適合を誘導することができる。図2〜図5は、サイクリング操作を示す。
【0065】
[0083] 図1の112において、バイオセンサは、サンプルが解析のために不十分な容量を有する場合を示す。バイオセンサは、1またはそれ以上の容量出力シグナルに応じて、1またはそれ以上のエラーシグナルまたはその他の指標を生成する。バイオセンサなどの指標は、例えば、アイコン、フラッシュライト、光-照射ダイオード、オーディオサウンド、テキストメッセージ、などを利用して、サンプルサイズがユーザにとって十分な大きさではないことを示すことができる。指標は、サンプルサイズがバイオセンサにとって十分な大きさではないことを示すこともできる;不十分なサンプルサイズに応じて、例えば、解析を停止し、ポーリングシグナルをリスタートし、バイオセンサを不活性にする、などの、いくつかの機能または作用を行うことができる。バイオセンサは、検出の直後におよび/または分析対象物の解析の前に1またはそれ以上の指標を生成することができる。バイオセンサは、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物の解析の間にまたはその後に、1またはそれ以上の指標を生成することができる。1またはそれ以上の指標は、ディスプレイデバイス上に示しおよび/またはメモリデバイス中に保存することができる。
【0066】
[0084] 1またはそれ以上の指標には、サンプルに対して生体液を追加するためのユーザーに対するリクエストが含まれてもよい。このリクエストは、指標であってもよく、または指標に応答するものであって泳い。リクエストは、分析対象物の解析を行う前にサンプルを追加するというものであってもよい。バイオセンサは、サンプルサイズが十分な大きさではないことを示す、1またはそれ以上の指標に応じておよび/または1またはそれ以上の容量出力シグナルに応じて、分析対象物解析を停止することができる。停止することには、スタートしないこと、スタートを防止すること、または解析を中断することが含まれる。
【0067】
[0085] バイオセンサは、ユーザに対してより多くのサンプルを追加するようにリクエストすることができる。バイオセンサは、ユーザにサンプル体積または充填量不足の程度に応じて、多かれ少なかれ追加のサンプルを求めるようにリクエストすることができる。例えば、バイオセンサは、サンプル体積が半量未満である場合あるいは所望のサンプル体積の別の選択された部分である場合など、ユーザに対してより多くの量、2倍のサイズ、または2回の追加のサンプルを、バイオセンサに対して追加することをリクエストすることができる。あるいは、バイオセンサは、ユーザに対してより少量、半分のサイズ、またはサンプル体積が解析のために十分な容量に近いが十分という程ではない場合に追加のサンプルのその他の選択された部分、を追加するようにリクエストすることができる。1またはそれ以上の体積閾値を使用して、ユーザに対して3回目またはそれ以上の追加のサンプルを1回の解析のためにバイオセンサに対して追加するようリクエストすることを回避することができる。
【0068】
[0086] 図1の114において、バイオセンサは、十分なサンプル体積が解析のために利用可能である場合、試験励起シグナルを印加する。バイオセンサは、上述したように、体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に達し、それによりサンプル体積解析のために十分であることを示す場合、試験励起シグナルをサンプルに対して印加する。試験励起シグナルを、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列の直後に印加することができる。試験励起シグナルを、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列の後の選択された時間内に、印加することができる。体積出力シグナルが十分なサンプルが解析のために利用可能であることを示すまで、試験励起シグナルを、印加することを停止することができる。試験励起シグナルは、サンプル中の分析対象物濃度の電気化学的解析、光学的解析、または同様な解析を開始しておよくおよび/または電気化学的解析、光学的解析、または同様な解析の一部であってもよい。
【0069】
[0087] 試験励起シグナルは、一組の周波数または間隔でパルスを発するかまたはオンおよびオフを切り替える、電流または電位などの電気的シグナルである。図2〜図5はそれぞれ、ゲート化電流測定電気化学的解析のアッセイ電位配列である試験励起シグナルを示す。その他の試験励起シグナルを使用することができる。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、試験出力シグナルを生成する。試験出力シグナルは、電流または電位などの電気的シグナルであり、これを使用してサンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を測定することができる。
【0070】
[0088] 試験励起シグナルは、試験弛緩により分離された試験パルスの配列である。試験パルスのあいだ、電気的シグナルはオンである。オンには、電気的シグナルが存在する期間が含まれる。試験弛緩のあいだ、電気的シグナルがオンである場合に応じて、電気的シグナルは振幅の点で顕著に低下する。低下する、には、電気的シグナルが電気的シグナルがオンであることに応じて、少なくとも1桁低下することが含まれる。低下する、には、電気的シグナルが低下してオフになる場合も含まれる。オフには、電気的シグナルが存在しない期間が含まれる。電気的シグナルが存在するが本質的に振幅を有さない場合、オフにはその期間は含まれない。電気的シグナルは、電気回路をそれぞれ閉じるかまたは開放することによりそれぞれオンとオフとの間でスイッチすることができる。電気回路は、機構的に、電気的になどで開放しそして綴じることができる。その他のオン/オフメカニズムを使用することができる。
【0071】
[0089] 試験励起シグナルは、またはそれ以上の試験パルス間隔を有してもよい。試験パルス間隔は、試験パルスと試験弛緩の合計である。それぞれの試験パルスは、試験振幅と試験パルス幅とを有する。それぞれの試験パルスは、同一のまたは異なる試験振幅および/または同一のまたは異なる試験パルス幅を有してもよい。試験振幅は、電気的シグナルの電位、電流、などの強度を示す。試験振幅は、試験パルスのあいだ変動してもよく、一定であってもよい。試験パルス幅は、試験パルスの継続時間である。試験パルス幅は、試験励起シグナルにおいて変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。それぞれの試験拡張弛緩は、試験弛緩の継続時間である試験弛緩幅を有する。試験励起シグナルにおける試験弛緩幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0072】
[0090] 試験励起シグナルは、約5秒未満の試験パルス幅および約15秒未満の試験パルス間隔を有してもよい。試験励起シグナルは、約3秒未満の試験パルス幅、2秒未満の試験パルス幅、1.5秒未満の試験パルス幅、または1秒未満の試験パルス幅を有していてもよく、そして約13秒未満の試験パルス間隔、7秒未満の試験パルス間隔、4秒未満の試験パルス間隔、3秒未満の試験パルス間隔、2.5秒未満の試験パルス間隔、または1.5秒未満の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.1秒〜約3秒の範囲の試験パルス幅および約0.2秒〜約6秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.1秒〜約2秒の範囲の試験パルス幅および約0.2秒〜約4秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.1秒〜約1.5秒の範囲の試験パルス幅および約0.2秒〜約3.5秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.4秒〜約1.2秒の範囲の試験パルス幅および約0.6秒〜約3.7秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.5秒〜約1.5秒の範囲の試験パルス幅および約0.75秒〜約2秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約1秒の試験パルス幅および約1.5秒の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、その他のパルス幅およびその他のパルス間隔を有していてもよい。
【0073】
[0091] バイオセンサは、試験期間中に、サンプルに対して試験励起シグナルを印加する。試験期間は、ポーリング期間と同一のまたは異なる期間または規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列のいずれかを有していてもよい。試験励起シグナルは、電気化学的解析システまたは光学的解析システムの一部であってもよく、またはそれに追加するものであってもよい。
【0074】
[0092] 試験励起シグナルの試験期間は、約180秒未満、120秒未満、90秒未満、60秒未満、30秒未満、15秒未満、10秒未満、または5秒未満であってもよい。試験期間は、約1秒〜約100秒の範囲内であってもよい。試験期間は、約1秒〜約25秒の範囲内であってもよい。試験期間は、約1秒〜約10秒の範囲内であってもよい。試験期間、約2秒〜約3秒の範囲内であってもよい。試験期間は、約2.5秒であってもよい。試験期間は、約50回未満の、25回未満の、20回未満の、15回未満の、10回未満の、8回未満の、6回未満の、または4回未満の試験パルス間隔を有するものであってもよい。試験期間は、約2〜約50の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験期間は、約2〜約25の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験期間は、約2〜約15の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験期間は、約10回の試験パルス間隔を有していてもよい。その他の試験期間を使用することができる。
【0075】
[0093] 図1の116において、バイオセンサは、試験出力シグナル由来のサンプルの分析対象物濃度を測定する。ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、生体液サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を測定するために使用される電気化学的センサまたは光学的センサシステムの一部または追加の部分であってもよい。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、1またはそれ以上の試験出力シグナルを生成する。バイオセンサは、サンプルにより生成される試験出力シグナルを測定する。バイオセンサは、ディスプレイ上に試験出力シグナルを示すことができおよび/またはメモリデバイス中に試験出力シグナルを保存することができる。バイオセンサは、試験出力シグナルを、サンプル中の分析対象物の濃度と相関させる。
【0076】
[0094] 電気化学的センサシステムおよび光学的センサシステムにおいて、サンプル中の分析対象物の酸化/還元反応またはレドックス反応は、1またはそれ以上のアッセイまたは試験出力シグナルを生成する。レドックス反応は、少なくとも1つの電子の第1の種から第2の種への移動に関与する2つの種のあいだでの化学反応である。レドックス反応には、酸化および還元の半電池が含まれる。反応の酸化半電池は、第1の種による少なくとも1つの電子の喪失と関与している。還元半電池は、第2の種への少なくとも1つの電子の追加と関与している。酸化される種のイオン性の荷電は、除去される電子の数に等しい量により、より正になる。同様に、イオン性の荷電は、獲得された電子数と等しい比量により、より低い正である。酵素または同様の種は、サンプルに対してレドックス反応の特異性を高めるように添加した。
【0077】
[0095] 光学的センサシステムは、化学的指示薬を分析対象物レドックス反応と反応させることにより吸収または測定される、一般的に光の量を測定する。還元される種の酵素は、反応動力学を向上させる化学的指標にて含まれる可能性がある。この試験励起シグナル光学的センサシステムによる解析を開始する。光学的システムに由来する試験出力シグナルまたは光を、分析対象物濃度を測定するために使用される電流または電位などの電気的シグナルに変換することができる。
【0078】
[0096] 光吸収光学的システムにおいて、化学的指標は、光を吸収する反応性生物を生成する。光源からの付随的な励起ビームが、サンプルに対して向けられる。付随的なビームを、サンプルから反射されて戻るか、またはサンプルを介して検出器に向けて伝えることができる。検出器は、弱められた付随的なビーム(試験出力シグナル)を回収しそして測定する。反応性生物により弱められた光の量は、サンプル中の分析対象物濃度の指標である。
【0079】
[0097] 光-生成型の光学的システムにおいて、化学物質検出器は、分析対象物のレドックス反応に応じて蛍光または光を発生する。検出器は、生成された光(試験出力シグナル)を回収しそして測定する。化学的指標により生成される光の量は、サンプルにおける分析対象物濃度の指標である。
【0080】
[0098] 電気化学的センサシステムにおいて、試験励起シグナルは、生体液サンプルにおける分析対象物のレドックス反応を開始する。試験励起シグナルは、電位または電流であってもよく、そして一定であっても、可変であっても、またはACシグナルをDCシグナルオフセットと共に印加する場合などのそれらの組み合わせであってもよい。試験励起シグナルを、単一パルスとしてまたは複数のパルス、配列、またはサイクルにおいて、印加することができる。酵素または同様の種を使用して、分析対象物のレドックス反応を亢進することができる。メディエータを使用して、酵素の参加状態を維持することができる。メディエータは、酸化または還元することができる物質または1またはそれ以上の電子を輸送することができる物質である。メディエータは試薬であり、そして目的とする分析対象物ではなく、しかし分析対象物の間接的測定をもたらすものである。より単純には、メディエータは、分析対象物の酸化または還元に応じてレドックス反応を受ける。ついで、酸化されたメディエータまたは還元されたメディエータは、センサストリップの作用電極にて反対の反応を受け、そしてその元々の酸化数に再生成させる。レドックス反応は、一過性の出力および/または定常状態の出力のあいだに定常的にまたは定期的にすることができる試験出力シグナルを生成する。様々な電気化学的プロセスは、電流測定、電量分析、ボルタンメトリー、ゲート型電流測定、ゲート型ボルタンメトリー、などとして使用することができる。
【0081】
[0099] 電流測定において、電位または電位を、生体液サンプルに対して印加する。分析対象物のレドックス反応は、電位に応じて電流を生成する。電流は、定電位で固定した時点で測定され、サンプル中の分析対象物を定量する。電流測定は、一般的に、分析対象物が酸化されまたは還元される速度を測定し、サンプル中の分析対象物濃度を測定する。電流測定を使用するバイオセンサシステムは、U.S. Pat. Nos. 5,620,579;5,653,863;6,153,069;および6,413,411に記載される。
【0082】
[00100] 電量分析において、電位が生体液サンプルに対して印加され、サンプル中の分析対象物を徹底的に酸化または還元する。電位は、電流を生成し、それは酸化/還元の時間に対して積分され、分析対象物濃度を示す電化を生成する、。電量分析は、一般的に、サンプル中の分析対象物の全量を補足するが、サンプル体積が知られていることを必要とする。全血グルコース測定に関して電量分析を使用するバイオセンサシステムは、U.S. Pat. No. 6,120,676に記載される。
【0083】
[00101] ボルタンメトリーにおいて、様々な電位が生体液サンプルに対して印加される。分析対象物のレドックス反応は、印加された電位に応じて、電流を生成する。電流は、印加された電位の関数として測定され、サンプル中の分析対象物を定量化する。ボルタンメトリーは一般的に、分析対象物が酸化されまたは還元されて、サンプルにおける分析対象物濃度を決定する速度を一般的に測定する。
【0084】
[00102] ゲート型電流測定およびゲート型ボルタンメトリーにおいて、パルス状の励起を、U.S. Pat. Pubs. 2008/0173552(2007年12月19日に出願)および2008/0179197(2006年2月26日に出願)にそれぞれ記載されているように使用することができる。
【0085】
[00103] 試験励起シグナルおよび出力シグナルを、電気化学的センサシステムのパルス状励起シグナルおよび出力シグナルに対して添加する事ができるか、またはその中に取り込むことができる。試験励起シグナルは、ゲート型電流測定システムまたはゲート型ボルタンメトリーシステムにおいて、サンプルに対して印加される試験励起シグナルの一部であってもよい。試験励起シグナルは、試験期間の間にサンプルに対して印加される試験励起シグナルの部分であってもよい。試験出力シグナルは、試験期間のあいだにサンプルにより生成される試験出力シグナルの一部であってもよい。試験励起シグナルおよび出力シグナルを、その他の電気化学的センサシステムに対して添加するしてもよく、またはその他の電気化学的センサシステムに取り込んでもよい。
【0086】
[00104] 充填量不足認識システムを有するバイオセンサにおいて、ポーリング配列の規則的な振幅そして拡張された振幅を選択して、ポーリングシグナルの印加の間のサンプルにおける(1または複数の)分析対象物濃度の不可逆的な変化を低下させまたは実質的に除去することができる。“不可逆的な変化”は、大きさ(mass)の変化、体積の変化、化学的特性または電気的特性の変化、これらの組合せ、例えばもともとの条件を行うことができないかまたは本質的にもともとの条件へと戻ることができないもともとも条件から別の条件への変化、である。ポーリングシグナルにおける1またはそれ以上のより大きな規則的な振幅または拡張された振幅は、サンプル中の分析対象物濃度を不可逆的に変化させることができる。より大きな振幅またはより長いパルス幅は、サンプル中の(1または複数の)分析対象物を不可逆的に酸化し、還元し、または変化させる。より小さな振幅またはより短いパルス幅は、サンプル中の(1または複数の)分析対象物を不可逆的には酸化し、還元し、または変化させることがない。分析対象物濃度をレドックス反応の拡散速度に対して相関させる解析において、いったん分析対象物の部分がより大きな振幅またはより長いパルス幅を有するパルスにより不可逆的に変化されると、もともとの拡散速度を得ることはできない。これらの解析において、パルス幅は、分析対象物濃度を変化させるようである。
【0087】
[00105] 充填量不足認識システムとともにゲート型電流測定を使用するバイオセンサにおいて、ポーリングシグナル中の1またはそれ以上の大きなパルスは、サンプル中の(1または複数の)分析対象物(例えば、全血中のグルコース)の一部を酸化しまたは変化させることができる。ポーリング配列の規則的な振幅および拡張された振幅は、約1.5ボルト(V)未満、1.0 V未満、800ミリボルト(mV)未満、600 mV未満、または500mV未満など、小さくてもよい。規則的な振幅および拡張された振幅は、約5 mV〜約800 mVの範囲、約25 mV〜約600 mVの範囲、または約50 mV〜約500 mVの範囲内であってもよい。規則的な振幅は、約300 mV〜約800 mVの範囲、約350 mV〜約600 mVの範囲、または約400 mV〜約500 mVの範囲内であってもよい。拡張振幅は、約5 mV〜約350 mVの範囲、約10 mV〜約250 mVの範囲、約25 mV〜約150 mVの範囲、または約50 mV〜約100 mVの範囲内であってもよい。その他の電気化学的解析および光学的解析を伴うその他のバイオセンサを、使用することができる。
【0088】
[00106] 電流測定を充填量不足認識システムと共に使用するバイオセンサにおいて、ポーリングシグナルにおける1またはそれ以上の大きなパルスは、サンプル中の(1または複数の)分析対象物(例えば、全血中のグルコース)の一部を酸化しまたは変化させることができる。規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列のパルス幅は、せいぜい50 msまたはせいぜい20 msなどの短いものであってもよい。規則的なパルス幅そして拡張パルス幅は、約1 ms〜約15 msの範囲、または約5 ms〜約10 msの範囲内であってもよい。その他の電気化学的解析および光学的解析を伴うその他のバイオセンサを、使用することができる。
【0089】
[00107] 充填量不足認識システムとともにゲート型電流測定を使用するバイオセンサにおいて、ポーリング出力シグナル約1,500ナノアンペア(nA)未満の電流、1,000 nA未満の電流、または500 nA未満の電流を有することができる。ポーリング出力シグナルは、ポーリングシグナルに応じて生成され、それには規則的なポーリング配列および拡張されたポーリング配列が含まれる。ポーリング出力シグナルには、サンプルシグナルおよび容量出力シグナルが含まれる。サンプル出力シグナルは、規則的なポーリング配列に応じて生成される。容量出力シグナルは、拡張ポーリング配列に応じて生成される。サンプル出力シグナルは、約5 nA〜約800 nAの範囲の電流、約50 nA〜約500 nAの範囲の電流、約100 nA〜約400 nAの範囲の電流、または約200 nA〜約300 nAの範囲の電流を有していてもよい。容量出力シグナルは、約5 nA〜約800 nAの範囲の電流、約50 nA〜約500 nAの範囲の電流、約100 nA〜約400 nAの範囲の電流、または約200 nA〜約300 nAの範囲の電流を有していてもよい。その他の電気化学的解析および光学的解析を伴うその他のバイオセンサを使用することができる。
【0090】
[00108] 図2〜図5は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサにおいて使用されるポーリングシグナルおよび試験励起シグナルを説明するグラフである。ポーリングシグナルは、規則的なポーリング配列および拡張されたポーリング配列を有する。ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部であり、したがって試験励起シグナルは、アッセイ電位配列である。生体液中の分析対象物のその他の電気化学的および光学的解析と共に使用されるシグナル、および電量分析的またはボルタンメトリー的試験励起シグナルの前に行うポーリングシグナル、を含め、その他のポーリングシグナルおよび試験励起シグナルを、使用することができる。
【0091】
[00109] 図2において、ポーリングシグナルは、6回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および4回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約400 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、3回の同様の拡張入力パルス、その後の1回の異なる拡張入力パルスを有する。3回の同様の拡張入力パルスは、約400 mVの拡張振幅を有する。異なる拡張入力パルスは、最後の拡張入力パルスであり、そして約100 mVの拡張振幅を有する。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆矢印は、、サンプルが存在しない場合など、所望される場合に、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートすることができることを示す。サンプルは、不十分な体積を有するか、またはその他の基準を有する。
【0092】
[00110] 図2におけるアッセイ電位配列は、約1秒のアッセイパルス幅および約0.5秒の弛緩幅を有する2つのアッセイパルスを有する。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を有し、これは規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスの規則的な振幅および拡張ポーリング配列の同様の拡張入力パルスの拡張振幅と本質的に同一である。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列における最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0093】
[00111] 図3において、ポーリングシグナルは、6回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および4回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約400 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、1回の同様の拡張入力パルス、その後に3回の異なる拡張入力パルスを有する。同様の拡張入力パルスは、約400mVの拡張振幅を有し、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。異なる拡張入力パルスは、約300 mV、約200 mV、およは、び約100 mVの段階的減少または減少性の拡張振幅を有し、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅とは異なるものである。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向きの矢印は、所望する場合、例えば、サンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合に、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列がリスタートすることができることを示す。図3におけるアッセイ電位配列は、図2におけるものと実質的に同一である。
【0094】
[00112] 図4において、ポーリングシグナルは、9回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および2回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約450 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、1回の同様の拡張入力パルスのの値、1回の異なる拡張入力パルスを有する。同様の拡張入力パルスは、約450 mVの拡張振幅を有し、これは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。異なる拡張入力パルスは、約100 mVの拡張振幅を有し、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と異なるものである。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向き矢印が示されていないあいだ、所望の場合、例えばサンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートできる。
【0095】
[00113] 図4におけるアッセイ電位配列は、約0.25秒〜約0.5秒の様々なパルス幅を有し、そしておよび約0.25秒〜約1秒の様々な弛緩幅を有する、7回のアッセイパルス。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を鳥有する。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第3〜第7のアッセイパルスはそれぞれ、約250 mVのアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列における最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0096】
[00114] 図5Aおよび図5Bにおいて、拡張ポーリング配列は、より高い拡張振幅およびより低い拡張振幅を伴う、拡張入力パルスの複数のサイクルを有する。図5Aにおいて、拡張ポーリング配列は、2つのパルスサイクルを有し、それには1回のより高いパルスと1回のより低いパルスとが含まれる。図5Bにおいて、拡張ポーリング配列は、3回のパルスのサイクルを有し、それには2回のより高いパルスと1回のより低いパルスとが含まれる。
【0097】
[00115] 図5Aにおいて、ポーリングシグナルは、16回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および22回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約450 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、11回のサイクルを有し、それぞれは開始サイクルパルスおよび最終サイクルパルスを伴う。開始サイクルパルスは、約450 mVの拡張振幅と同様の拡張入力パルスであり、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。最終サイクルパルスは、約100 mVの拡張振幅を有する異なる拡張入力パルスであり、これは規則的な入力パルスの規則的な振幅とは異なる。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向き矢印が示されていないあいだ、所望される場合、例えばサンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートすることができる。図5Aが規則的なポーリング配列を行い、その後11回のサイクルを伴う拡張ポーリング配列を行うことを記載している一方、規則的なポーリング配列は、各サイクルの後にまたは拡張ポーリング配列の複数のサイクルの後に行うことができる。
【0098】
[00116] アッセイ電位配列は、約0.25秒〜約0.5秒の様々なパルス幅を有する5回のアッセイパルスおよび約0.25秒〜約1秒の様々な弛緩幅を有する。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を有する。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第3〜第5のアッセイパルスのそれぞれは、約250 mVのアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列における最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0099】
[00117] 図5Bにおいて、ポーリングシグナルは、7回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および21回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約450 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、7回のサイクルを有し、それぞれは開始サイクルパルス、中間サイクルパルス、および最終サイクルパルスを伴う。開始サイクルパルスおよび中間サイクルパルスは、約450 mVの拡張振幅と同様の拡張入力パルスであり、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。最終サイクルパルスは、約100 mVの拡張振幅とは異なる拡張入力パルスであり、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅とは異なるものである。規則的なポーリングシグナルおよび拡張ポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向き矢印が示されていないあいだ、所望される場合、例えばサンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合に、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートすることができる。図5Bが規則的なポーリング配列を行いその後7回のサイクルを伴う拡張ポーリング配列を行うあいだ、規則的なポーリング配列を、各サイクルの後にまたは拡張ポーリング配列の複数のサイクルの後に実行することができる。
【0100】
[00118] アッセイ電位配列は、約0.25秒〜約0.5秒の様々なパルス幅および約0.25秒〜約1秒の様々な弛緩幅を有する7回のアッセイパルスを有する。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を有する。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第3〜第6のアッセイパルスのそれぞれは、約250 mVのアッセイパルス電位を有する。第7のアッセイパルスは、約250 mV〜約600mVまで変化するアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列の最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0101】
[00119] 図2〜図5において、規則的なポーリング配列は、本質的に同一の複数の規則的な入力パルスを有する。サンプルは、それぞれの規則的な入力パルスに応じて規則的な出力パルスを生成する。サンプルの存在は、規則的な出力パルスが以前に検討したようにサンプル閾値に到達する場合に検出される。規則的な出力パルスがサンプル閾値に到達しない場合、規則的なポーリング配列をリスタートしおよび/またはその他の作用を生じる。サンプルの存在が検出される場合、拡張ポーリング配列を印加する。
【0102】
[00120] 図2〜図5の各拡張ポーリング配列は、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する。サンプルは、これらの拡張ポーリング配列に応じて、同様の拡張出力パルスおよび異なる拡張出力パルスを生成する。サンプルは、異なる拡張出力パルスが体積閾値に到達する場合または到達しない場合に、それぞれ、十分な容量または不十分な容量を有する。サンプルが十分な体積を有する場合、試験励起シグナルを印加する。
【0103】
[00121] 図2〜図5の拡張ポーリング配列における異なる拡張入力パルスは、サンプルとは異なる拡張出力パルスを生成する。図2および図4において、拡張ポーリング配列における最後の入力パルスのみが、異なる拡張入力パルスである。このように、図2の拡張ポーリング配列由来の体積出力シグナルは、3回の同様の拡張出力パルスを有し、その後1回の異なる拡張出力パルスを有する。対照的に、図4に由来する体積出力シグナルは、1回の同様の拡張出力パルスを有しその後1回の異なる拡張出力パルスを有する。
【0104】
[00122] 図3において、拡張ポーリング配列における最後の3回の入力パルスは、異なる拡張入力パルスである。これらの3回の異なる拡張入力パルスにおいて、拡張振幅は、それぞれのその後のパルスにつれて、減少するかまたは段階的に減少する。図3の拡張ポーリング配列に由来する体積出力シグナルは、1回の同様の拡張出力パルスを有しその後3回の異なる拡張出力パルスを有しうるものであり、それぞれは段階的に減少する振幅を有する。サンプル体積のサンプル体積または範囲は、1またはそれ以上の体積閾値が図3の拡張ポーリング配列と共に使用される場合に測定することができる。
【0105】
[00123] 図5Aおよび図5Bにおいて、拡張ポーリング配列は、同様の拡張入力パルスおよび異なる拡張入力パルスのサイクルである。サンプルは、循環的拡張ポーリング配列に応じて循環的容量出力シグナルを生成する。図5Aの拡張ポーリング配列に由来する体積出力シグナルにおけるそれぞれのサイクルは、1回の同様の拡張出力パルスを有しその後1回の異なる拡張出力パルスを有する。図5Bの拡張ポーリング配列に由来する体積出力シグナルにおける各サイクルは、2回の同様の拡張出力パルスを有し、その後に1回の異なる拡張出力パルスを有してもよい。サイクルは、ゆっくりと充填されるサンプル用のバッファーを生成してもよく、サンプルの容量または容量半にを決定してもよく、これらの組合せなどであってもよい。
【0106】
[00124] 従来からの充填量不足検出システムは充填量不足条件を同定する一方、これらの充填量不足検出システムは、充填量不足条件の場合に典型的にはグルコース測定を拒絶し、そしてしたがって新たなセンサストリップを使用した新たな解析を必要とする。対照的に、充填量不足認識システムは、充填量不足条件が存在する場合に、ユーザに対してより多くのサンプルをセンサストリップに追加するように要求することができる。解析は、同一のセンサストリップを使用して行うことができる。このように、充填量不足認識システムは、センサストリップの数を減らすことができ、そして充填量不足条件に関連する関連コストを低下することができる。充填量不足認識システムは、充填量不足検出システムと比較したその他の利点、例えば、解析、バイオセンサにおける容量評価、などの精密性および/または正確性を向上する、などの利点を有する。
【0107】
[00125] 図6〜図9は、従来型の充填量不足検出システムと充填量不足認識システムとの比較を示す。図6および図8は、サンプル体積に関連したグルコース読み取り値の絶対的なバイアスまたは%バイアスのプロットである(バイアス/%バイアス)。バイアスは、“絶対的なバイアス”または“%バイアス”の店で表現することができる。絶対的なバイアスは、mg/dLなどの測定値の単位で表現することができ、一方%バイアスは参照値に対する絶対的なバイアス値の%として表現することができる。この容量研究において、参照分析対象物濃度値は、完全充填センサストリップから得た。バイアス/%バイアス関連性は、完全に充填された既知のまたは標準的なグルコース濃度を有するサンプルに関する、バイオセンサに由来するグルコース読み取り値または測定値の正確性を示す。図6〜図9において、バイアス/%バイアスが>±15%限界を超えた場合、解析をエラーと決定した。バイアス/%バイアスを±15%限界よりも低いかまたは同等であった場合、解析をグルコース濃度決定においてエラーを有さないと決定した。
【0108】
[00126] 図6は、複数のセンサストリップを0.2〜0.45μLの範囲の全血サンプル体積で充填することにより行ったサンプル体積研究の結果を示す。このように、図6のデータは、機能的な体積よりも少ない体積と関連したグルコース測定値にエラーが示され、この容量は本容量研究では0.45μLであった。機能的容量は、特定された限界内のバイアスを有する95%またはそれ以上のグルコース読み取り値を結果として生じるサンプル体積であり、本容量研究では≦±15%であった。
【0109】
[00127] 単一のセンサストリップに対応する各解析は、菱形とともに示す。菱形で表示される全解析の中で、±15%限界以内であったものは、三角形でも示される。菱形で示される全解析の中で、従来の方法を使用して充填量不足であると判断されたものは、四角によっても示される。従来のシステムを使用して、四角により示される解析は、解析エラーと報告され、新たなストリップおよびサンプルが必要となった。約0.45μL未満の充填サンプル体積は、±15%限界内に収まる解析がますます少なくなるという結果を生じた。負のバイアスの大半は、0.25μL〜0.35μLの充填量不足の体積に対応する。このように、エラーの主要な発生源は、バイオセンサの充填量不足に起因する可能性がある。
【0110】
[00128] 図7は、サンプル体積との関連で、図6のサンプル体積研究に由来するグルコース読み取り値の%-集団の2つのプロットを示す。第1のプロットは、エラーが検出された場合、例えばバイアス/%バイアスが±15%限界を超える場合、のグルコース測定値の集団の%を示す。第2のプロットは、エラーが検出されない場合、例えばバイアス/%バイアスが±15%限界を超えない場合、のグルコース測定値の集団の%を示す。検出されたエラーの第1のプロットは、本質的には、エラーが検出されない第2のプロットのミラーイメージであるかまたは反対のものである。サンプル体積は、0.45μLから減少させ、±15%限界内のグルコース読み取り値の数を、0.35μLおよびそれよりも僅かなサンプル体積にて、約100%から約5%まで減少させた。逆に、サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、充填量不足のセンサー数は、0.35μLおよびそれよりも僅かなサンプル体積にて約0%から約95%へと増加する。0.2μL〜約0.35μLの充填サンプル体積に対して、わずか約5%の解析が、特定の容量研究において、±15%限界の範囲内に収まる。このように、約0.35μLおよびそれ以下の充填体積に関して、95%の解析は、新たなセンサストリップを用いて繰り返さなければならない。
【0111】
[00129] 図8は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサの容量研究に由来するサンプル体積に関連した、グルコース読み取り値のバイアス/%バイアスのプロットを示し、これを第1の充填により意図的に充填量不足とし、そしてその後図1の方法に応答した第2の充填により充填した。図8において示されたサンプル体積は、第1の充填のサンプル体積である。すべての解析の中で(菱形で示される)、ほとんどは四角によっても示され、このことは、充填量不足を図1の方法により認識しそして追加のサンプルを追加した後、解析が±15%限界内に入ることを示している。このように、図8におけるデータは、第1の充填でのより少ないサンプル体積と関連したグルコース測定値のエラーは、図1の方法に応じて添加される追加のサンプルにより、減少されまたは実質的に取り除かれることを示す。バイアス/%バイアス値の大半は、特に0.25μL〜0.35μLの第1の充填サンプル体積範囲において、±15%限界内ものである。限界外の値を、充填量不足認識システムを使用した追加の試験により、同定することができる。このように、バイオセンサの充填量不足の原因となるエラーの主要な原因は、充填量不足認識システムに応答したバイオセンサの第2の充填により、減少されまたは実質的に取り除かれてもよい。
【0112】
[00130] 図9は、サンプル体積に関連して図8のサンプル体積研究に由来したグルコース読み取り値の%-集団の2つのプロットセットの重ね合わせを示す。それぞれのプロットセットは、2つのプロットを含有する。第1のプロットセット(点線)は、第1の充填により意図的に充填量不足にされたバイオセンサに関して、サンプル体積に関連するグルコース読み取り値のバイアス/%バイアスを示す。第2のプロットセット(実線)は、第1の充填によってっは意図的に充填量不足としそしてそれに続いて第2の充填により実質的に充填されるバイオセンサに関して、サンプル体積に関連したグルコース読み取り値のバイアス/%バイアスを示す。各プロットセットは、2つのプロットを有し、それが充填量不足エラーが検出される場合そして検出されない場合、例えば、バイアス/%バイアスが±15%限界を超える場合または超えない場合など、グルコース解析の集団の%を示す。
【0113】
[00131] 図9における第1のプロットセット(実線)は、第1の充填後のバイオセンサに関するバイアス/%バイアスを示す。サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界内に入るグルコース読み取り値の数は0.35μLでは約100%から約20%へと減少し、その後0.25μLでは約5%まで減少する。逆に、サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界外にあるグルコース読み取り値の数は、0.35μLでは約0%から約80%へと増加し、その後0.25μLでは約95%にまで増加した。
【0114】
[00132] 図9における第2のプロットセット(実線)は、第1の充填により意図的に充填量不足とされ、そしてその後図1の充填量不足認識方法に応答した第2の充填により充填されるバイオセンサに関して、バイアス/%バイアスを示す。サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界外にあるグルコース読み取り値の数は、0.35μLでは約0%から約35%まで増加する。しかしながら、±15%限界外のグルコース読み取り値の数が増え続ける、第1のプロットセットの傾向に従う代わりに、この傾向は逆転し、そして±15%限界外のグルコース読み取り値の数は0.25μLでは約5%にまで減少する。さらに、サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界内に入るグルコース読み取り値の数は、0.35μLでは約100%から約65%にまで最初は減少し、そしてその後、0.25μLでは約95%にまで増加する。第2の充填を行わない場合の±15%限界外のグルコース読み取り値の数および図1の方法に応答した第2の充填を有するバイオセンサにおけるグルコース読み取り値の数の間の差異またはギャップは、解析のために不十分なサンプル体積のために廃棄されるセンサストリップの数を減少させることから、潜在的な節約を示す。
【0115】
[00133] 充填量不足認識システムを、センサストリップにおいて、ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルをサンプルに対して印加するバイオセンサ上で、実施することができる。センサストリップは、複数の電極および伝導体を有するものなど、様々な構成を有していてもよい。センサストリップは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の電極を有していてもよい。センサストリップは、1またはそれ以上の作用電極、1またはそれ以上のカウンタ電極、1またはそれ以上のその他の電極、これらの組合せ、などを有していてもよい。センサストリップは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の伝導体を有していてもよい。センサストリップは、少なくとも1つのカウンタ電極、少なくとも1つの作用電極、および少なくとも1つの誘導電極、を有していてもよく、それは分離した電極またはカウンタ電極のサブ-エレメントであってもよい。作用電極、カウンタ電極、および誘導電極を有するセンサストリップは、US特許No. 6,531,040に記載される。追加の電極および異なる構成を有するその他のバイオセンサを、使用することができる。
【0116】
[00134] 充填量不足認識システムを、選択された構造、組成物、またはその他の特性を有するセンサストリップを使用するバイオセンサ上で行うことができる。センサストリップは、選択された電極パターン、電極組成または特性、メディエータシステム、レドックス対、これらの組み合わせ、などを有することができる。センサストリップは、選択された規則的なポーリング配列、拡張ポーリング配列、試験励起シグナル、これらの組合せ、などとともに使用することができる。センサストリップ特性は、1またはそれ以上のポーリング出力シグナルを向上させるように選択することができ、それにはサンプルおよび容量出力シグナルが含まれる。向上には、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれる。検出可能には、より強くおよび/またはより異なるポーリング出力シグナルを有することが含まれる。向上には、所望の現象が生じる場合、例えばサンプルが存在する場合またはサンプル体積が十分な場合または不十分な場合に、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれ。向上には、1またはそれ以上の選択されたセンサストリップ特性を有さない同一のポーリング出力シグナルと比較する際に、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれる。向上には、その他のポーリング出力シグナルと比較する際に、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれる。向上には、ポーリングシグナルの一部分の間(例えば拡張ポーリング配列の間)により多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有するが、別の部分の間(規則的なポーリング配列の間)にはそうではないことが含まれる。
【0117】
[00135] 図10は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサと共に使用されるセンサストリップ1002のスキーム図を示す。センサストリップ1002は、貯留容器1004を形成する。センサストリップ1002は、貯留容器1004中に配置されるカウンタ電極1006および作用電極1008を有する。“配置される”には、部分的にまたは全体的に貯留容器中に、貯留容器に隣接してまたは近傍に、または電極が貯留容器中に入れられたサンプルと電気的に接触しているような位置、が含まれる。カウンタ電極1006には、サブ-エレメント1010が含まれ、これは貯留容器1004中の作用電極1008の下流に配置される。メディエータは、カウンタ電極1006と作用電極1008との間に配置される。メディエータは、カウンタ電極1006上、作用電極1008上、貯留容器1004中のセンサストリップ1002上、これらの組合せ、などに配置することができる。その他の構成要素は、明確化のためセンサストリップ1002から排除された。その他のメディエータを含むか、またはメディエータを含まないもの、トリガー電極を含まないもの、そしてその他の電極配置のもの、を含むその他のセンサストリップを、使用することができる。3電極および第3の電極上で第2のメディエータ(例えば、フェリシアニド)を有するもの、を含むその他のセンサストリップを、使用することができる。
【0118】
[00136] センサストリップ1002とともに使用されるメディエータは、カウンタ電極1006の第1のレドックス種に、サブ-エレメント1010の第2のレドックス種とは異なるレドックス電位を提供するように選択することができる。異なるレドックス電位は、異なる物質の組成および/または特性を有する電極を選択することにより、得ることができる。サブ-エレメント1010ではメディエータを使用しない一方で、別のメディエータを使用して、異なるレドックス電位を提供することができる。ポーリングシグナルを印加する場合、最低のレドックス電位の種の還元型が最初に得られるか、または最高のレドックスの種の酸化型が、レドックス反応が酸化するものであるか還元するものであるかに依存して、最初に還元される。レドックス反応が還元される場合、より高いレドックス電位を有するレドックス種は、より容易に還元される。レドックス反応が酸化される場合、より低いレドックス電位を有するレドックス種は、より容易に酸化される。異なるレドックス電位は、規則的なシグナルおよび/または容量出力シグナル、容量評価および/または分析対象物解析の正確性および/または精密性、これらの組合せ、などを改善することができる。
【0119】
[00137] メディエータ、M、は、1電子伝達メディエータまたは複数の電子伝達メディエータであってもよい。1電子伝達メディエータは、電気化学的反応の条件のあいだ、1つの追加の電子を獲得することができる化学的成分である。1電子伝達メディエータには、化合物(例えば、1,1'-ジメチルフェロセン、フェロシアニド、およびフェリシアニド)、およびルテニウム(III)およびルテニウム(II)ヘキサアミンが含まれる。複数電子伝達メディエータは、反応の条件のあいだ、1より多い電子を獲得することができる化学的成分である。複数電子伝達メディエータには、2電子伝達メディエータ(たとえば、フェナントロリンキノンを含む有機キノンおよびハイドロキノン;フェノチアジン誘導体およびフェノキサジン誘導体;3(フェニルアミノ)-3H-フェノキサジン;フェノチア;および7ヒドロキシ-9,9-ジメチル-9H-アクリジン-2-オンおよびその誘導体)が含まれる。2電子伝達メディエータには、U.S. Pat. Nos. 5,393,615;5,498,542;および5,520,786に記載される電子-活性化有機分子も含まれる。
【0120】
[00138] 2電子伝達メディエータには、3フェニルアミノ-3H-フェノチアジン(PIPT)および3フェニルアミノ-3Hフェノキサジン(PIPO)が含まれる。2電子メディエータには、フェノチアジン誘導体のカルボン酸およびその塩、例えば、アンモニウム塩も含まれる。2電子メディエータにはさらに、(E)-2-(3H-フェノチアジン-3-イリデンアミノ)ベンゼン-1,4-ジスルホン酸(構造I)、(E)-5-(3H-フェノチアジン-3-イリデンアミノ)イソフタル酸(構造II)、アンモニウム(E)-3-(3H-フェノチアジン-3-イリデンアミノ)-5-カルボキシ安息香酸(構造III)、およびこれらの組み合わせが、含まれる。これらのメディエータの構造式を以下に示す。構造Iメディエータのジ-酸型のみが示される一方、その酸のモノ-アルカリ金属塩およびジ-アルカリ金属塩も含まれる。その酸のナトリウム塩を、構造Iメディエータについて使用することができる。構造IIメディエータのアルカリ金属塩もまた、使用することができる。
【0121】
【化1】
【0122】
【化2】
【0123】
【化3】
【0124】
[00139] 2電子メディエータは、フェリシアニドと比較して、少なくとも100 mV低い、より好ましくは少なくとも150 mV低いレドックス電位を有していてもよい。その他の2電子メディエータを使用してもよい。カウンタ電極1006およびサブ-エレメント1010上の異なるメディエータ、3つの電極を有するセンサストリップにおける第3の電極上の第3のメディエータ、などを含む、その他のメディエータおよびメディエータ組み合わせを使用することができる。
【0125】
[00140] 図10において、カウンタ電極1006およびサブ-エレメント1010は、異なるレドックス電位を有する。メディエータ、M、(示さず)は、カウンタ電極1006での第1のレドックス電位を生成する。サブ-エレメント1010は、メディエータを欠いており、そしてしたがって、異なるレドックス電位を有する。異なるレドックス電位は、センサストリップ中のサンプルにより生成されるポーリング出力シグナルを改善することができる。体積閾値は、ポーリング出力シグナルが高または低レドックス種に由来する場合、をより良く識別するために選択することができ、そしてしたがって、サンプルが十分な容量を有する場合(完全充填条件)およびサンプルが不十分な容量を有する場合(充填量不足条件)の間の差異を増加させる。
【0126】
[00141] 図11および図12は、センサストリップに対して印加される拡張ポーリング配列に応じて、図10のセンサストリップ1002中のサンプルにより生成することができる容量出力シグナルのグラフをしめす。サンプルは全血である。センサストリップを、ゲート型電流測定的試験励起シグナルを有するバイオセンサ中で使用する。このように、拡張ポーリング配列は、電位であってもよく、そして容量出力シグナルは電流であってもよい。その他の電気化学的および光学的解析を伴うものを含む、充填量不足認識システムを有するその他のバイオセンサを、使用することができる。その他の生物学的サンプルおよび分析対象物を解析することができる。
【0127】
[00142] 図11は、作用電極電位を約ゼロボルトの電位を有するカウンタ電極の電位と比較する、完全充填条件を示す。前方矢印は、より高いポーリング電位を示し、一方逆向き矢印はより低いポーリング電位を示す。Mは、メディエータに基づく電流-電圧曲線中の作用電極のおよその電位ポジションを示し、これはこの事例においては、0.2〜0.25 Vのオーダーであってもよい。より高い拡張ポーリング電位およびより低い拡張ポーリング電位から得られた出力電流は、曲線1100から得られ、そして両方ともメディエータの酸化プラトー1110から生成されるものであるため、曲線との関連では実質的に同一である。O2は、サンプル中の酸素のおよそのレドックス電位を示す(-0.3〜-0.5 Vのオーダー)。しかしながら、O2の還元電位がメディエータの還元電位よりも顕著に低いため、作用電極への電気化学的カップリングが、完全充填条件でのカウンタ電極上のメディエータにより支配されている。
【0128】
[00143] 図12は、サンプルがサブ-エレメントおよび作用電極をカバーするが、カウンタ電極をカバーしない充填量不足条件を示す。このように、作用電極電位は、サブエレメントの電位と電気化学的にカップリングされ、そしてカウンタ電極は、電気化学には顕著には関与しない。サブ-エレメントの電位が、メディエータの還元電位よりも実質的に低いO2の還元電位により実質的に規定されているため、より高い拡張ポーリング電位およびより低い拡張ポーリング電位から得られる出力電流は、図11中の曲線1100上の位置に関連して、曲線1200に沿って左に移動する。より低い電位が図12中の曲線1200に沿って左に移動するため、対応する出力電流は、酸化プラトー1210から離れるように移動し、この結果、相対的に顕著に低い出力電流を提供する。このように、拡張ポーリングパルスが図12の充填量不足条件下にてより高い電位からより低い電位へと切り替わる際、より低い電流が、完全充填されたセンサーとの関連で、ボルタンメトリー曲線に従って、より低い電位からされる可能性がある。
【0129】
[00144] 図11および図12において、より高い電位は、約0.4 V〜約0.6 Vであってもよい。より高い電位は、約0.4 V〜約0.5 Vであってもよい。より低い電位は、約0.1 V〜約0.3 Vであってもよい。より低い電位は、約0.15 V〜約0.2 Vであってもよい。その他のより高い電位およびより低い電位を使用することができ、そして電位をメディエータの還元電位に応じて選択することができる。より高い電位およびより低い電位を、出力電流における所望の分離をもたらすように選択することができる。
【0130】
[00145] 使用時には、全血のサンプルを、センサストリップ1002の貯留容器1004中に配置する。バイオセンサは、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する。サンプルの存在を検出する場合、バイオセンサは、以前に検討したように、拡張ポーリング配列を伝達する。サンプルは、拡張ポーリング配列に応じて、容量出力シグナルを生成する。バイオセンサは、サンプルが解析のために不十分な容量を有するかまたは十分な容量を有するか;充填量不足条件または完全充填条件が存在するか;を検出する。
【0131】
[00146] サンプル(全血)がサブ-エレメント1010および作用電極1008をカバーするがカウンタ電極1006をカバーしない場合、サンプルは、解析のために不十分な容量を有する(充填量不足条件)。その他の分類を、充填量不足条件のために使用することができる。カバーには、接続、接触、電気的連絡を有すること、などが含まれる。酸化は、作用電極1008で生じ、還元はサブ-エレメント1010で生じる。そのような還元の一つは、血液の液体サンプル中に存在する酸素の還元である。このように、酸素の還元は、センサストリップ1002が充填量不足条件を有する場合に、第1の拡張出力シグナルを生成することを補助する。
【0132】
[00147] サンプル(全血)が、サブ-エレメント1010、作用電極1008、およびカウンタ電極1006をカバーする場合、サンプルは、解析のための十分な容量を有する(完全充填条件)。その他の分類を、完全充填条件のために使用することができる。拡張ポーリング配列は、メディエータ、Mを還元する。カウンタ電極1006でのメディエータ、M、のレドックス種は、サブ-エレメント1010での酸素のレドックス種と比較して、より高いレドックス電位を有する。このように、メディエータの還元は、酸素還元の第1の拡張出力シグナルとは異なる、第2の拡張出力シグナルを生じる。
【0133】
[00148] 図13は、入力電位に応答した酸素還元およびメディエータ還元由来の出力電流を示す、サイクリックボルタモグラムを示す。入力電位は、0.1 M NaCl中のAg/AgClを参照することに関連している。酸素還元は、何らかの正の電流が流れる場合には非常に僅かに生成し、そして電位が約0.60 Vから約0 Vへと上昇するにつれて、本質的にアノード(酸化)電流の生成を停止する。電位が約-0.30 Vから約0.30 Vへと上昇するにつれて、メディエータ還元からの電流出力は、負から正へと遷移する。センサストリップが充填量不足である場合、作用電極は、酵素反応から生成される還元メディエータを酸化する一方、サブ-エレメントは酸素を還元する。これは、作用電極とサブエレメントとの間での半電池反応を介して、完全なレドックス反応を形成する。約0.30 V〜約0 Vのあいだでの酸素還元からの電流出力とメディエータ還元からの電流出力の重複が存在する一方、約0 Vを超える電流出力は、メディエータ還元のみから本質的には生じる。このように、体積閾値は、メディエータ還元のみからの電流出力またはメディエータ還元と酸素還元の組み合わせからの電流出力を含む拡張出力ポーリングシグナルに反応して選択することができ、それにより、拡張出力ポーリングシグナルには、メディエータ反応のみからの電流出力またはメディエータ反応からの電流出力と酸素反応からの電流出力との組み合わせからの電流出力が含まれる。その他の閾値体積を選択することができる。
【0134】
[00149] 体積閾値は、酸素還元から生じる第1の拡張出力シグナルを、メディエータ、M、の還元から生じる第2の拡張出力シグナルから識別するように選択することができる。識別には、本質的に全ての第1の拡張出力シグナルを、本質的に全ての第2の拡張出力シグナルから分離する、体積閾値が含まれる。識別には、本質的に全ての第1の拡張出力シグナルと、第2の拡張出力シグナルの残りからの第2の拡張出力シグナルのすべて未満とを分離する体積閾値が含まれる。識別には、本質的に全ての第2の拡張出力シグナルと、第1の拡張出力シグナルの残りからの第1の拡張出力シグナルの全て未満とを分離する体積閾値が含まれる。識別には、バイオセンサおよび/または容量の評価の正確性および/または精密性を改善するために選択された体積閾値が含まれる。識別には、高いレドックス電位種または電極電位および低いレドックス電位種または電極電位を識別するために選択される体積閾値が含まれる。識別には、その他の基準に応じて、第1の拡張出力シグナルと第2の拡張出力シグナルとを分離するために選択される体積閾値が含まれる。複数の体積閾値は、サンプル容量、3つまたはそれ以上のメディエータまたはレドックス種、またはその他の基準に応じて、ポーリング出力シグナルを識別するように選択することができる。
【0135】
[00150] バイオセンサは、ポーリング出力シグナルを測定し、それを体積閾値と比較する。ポーリング出力シグナルが体積閾値に到達しない場合;このポーリング出力シグナルが第1の拡張出力シグナルであり、このことはサンプルがサブ-エレメント1010および作用電極1008をカバーするが、カウンタ電極1006はカバーしないことを示す。このように、サンプルは、解析のために不十分な容量を有する;センサストリップは、充填量不足である。対照的に、ポーリング出力シグナルが体積閾値に到達する場合;このポーリング出力シグナルには第2の拡張出力シグナルが含まれ、このことはサンプルがサブ-エレメント1010、作用電極1008、およびカウンタ電極1006を十分にカバーすることを示す。このように、サンプルは解析のために十分な容量を有する;センサストリップは完全充填されていると考えられる。
【0136】
[00151] 充填量不足認識システムを有するバイオセンサのシミュレーションにより、レドックス対の存在が、高いポーリング電位および低いポーリング電位を使用して、サンプル体積が十分であるかどうかを決定することを必要としないことが示される。サブ-エレメントおよびカウンタ電極上のレドックス対(メディエータおよび酸素などの)は、容量出力シグナルを改良することができる。しかしながら、高いレドックス電位および低いレドックス電位は、レドックス対に単純には応答していない。
【0137】
[00152] シミュレーションにおいては、高いポーリング電位および低いポーリング電位を、1 MOhmの抵抗器に印加した。高いポーリング電位および低いポーリング電位は、ポーリングシグナル中の規則的な拡張ポーリング配列と本質的には同一である。抵抗器は、センサストリップ中のサンプルをシミュレートする。電流は、サンプルからの容量出力シグナルをシミュレートする。
【0138】
[00153] 図14および図15は、シミュレーションにおいて使用される入力シグナルおよび出力シグナルのプロットを示す。図14は、シミュレーションにおいて使用される全入力シグナルおよび全出力シグナルのプロットを示す。図15は、図14において示されるポーリングシグナル、試験励起シグナル、および出力シグナルの最後の2回のサイクルの拡大図を示す。入力シグナルには、規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列(電位)、試験励起シグナル(電位)、ポーリング出力シグナル(電流)、そして試験出力シグナル(電流)が含まれる。
【0139】
[00154] シミュレーションには、アッセイ電位または試験励起シグナルを開始する前の、規則的な拡張ポーリング配列の約7回のサイクルが含まれる。各サイクルには、規則的なポーリング配列の2回の規則的な入力パルスおよび拡張ポーリング配列の2回の拡張入力パルスが含まれる。規則的なポーリング配列の2回の規則的な入力パルスは、0.45 Vの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、0.45 Vの高い拡張振幅を伴う第1の拡張入力パルスおよび0.1 Vの低い拡張振幅を伴う第2の拡張入力パルスを有する。拡張ポーリング期間を、0.25秒に固定する。規則的な拡張ポーリング配列はそれぞれ、20 msのパルス幅および100 msのパルス間隔を有する。サンプル率は、100ポイント/秒である。
【0140】
[00155] シミュレーションは、規則的なポーリング配列の2回のパルスを印加する。“サンプル”の存在を、規則的なポーリング配列の第2の規則的な入力パルス(電位)由来のポーリング出力シグナル(電流)が、0.13μAの閾値に到達する場合に、確認する。“サンプル”が存在する場合、シミュレーションは、拡張ポーリング配列を印加する。シミュレーションは、6回試行され(最初の6サイクル)、第2の拡張入力パルスの低い拡張振幅のあいだに、0.13μAの閾値に到達する。第2のパルスの低い拡張振幅からのポーリング出力シグナルがわずか約0.1μAであるため、最初の6サイクルのあいだは、シミュレーションをできない。7回目のサイクルのあいだ、0.13μAに閾値に到達するため、シミュレーションが成功する。第2の拡張入力パルスの低い拡張振幅からのポーリング出力シグナル(電流)は、約3.4秒にて0.13μAの閾値を満たす。このように、シミュレーションは、試験励起シグナルを即時に適用する。
【0141】
[00156] 図16は、充填量不足認識システムを伴うバイオセンサ1600のスキーム図を示す。バイオセンサ1600は、生体液サンプル中の分析対象物濃度を決定する。充填量不足認識システムは、生体液サンプルが、十分な容量または不十分な容量を有する場合または前述したように正確なおよび/または精密な1またはそれ以上の分析対象物の解析を提供するために十分に大きい場合またはそのためには十分な大きさでない場合、をそれぞれ示す。バイオセンサ1600には、測定デバイス1602およびセンサストリップ1604が含まれ、ベンチトップ型デバイス、携帯型または手持ち型のデバイス、などとして実施することができる。手持ち型デバイスは、ヒトの手で持つことができ、そして携帯することができるデバイスである。手持ち型のデバイスの例は、Ascensia(登録商標)Elite血液グルコースモニタリングシステム(Bayer HealthCare, LLC, Elkhart, INから入手可能)の測定デバイスである。充填量不足認識システムは、バイオセンサ中のその他の実施を有していてもよい。
【0142】
[00157] デバイス1602およびセンサストリップ1604を測定することは、電気化学的センサシステム、光学的センサシステム、これらの組合せ、などを実施するために適合させることができる。充填量不足認識システムは、充填量不足条件が生じるときを決定する際のバイオセンサ1600の正確性および/または精密性、1またはそれ以上の分析対象物の解析、サンプルの容量評価、などを改善することができる。バイオセンサ1600を使用して、生体液(全血、尿、唾液、など)中の、1またはそれ以上の分析対象物(アルコール、グルコース、尿酸、ラクテート、コレステロール、ビリルビン、遊離脂肪酸、トリグリセリド、タンパク質、ケトン、フェニルアラニン、酵素、など)の濃度を決定することができる。特定の構造が示される一方、バイオセンサ1600は、追加の構成要素を伴うものを含む、その他の構造を有していてもよい。
【0143】
[00158] センサストリップ1604は、開口1612を有する貯留容器1608およびチャネル1610を形成する基板1606を有する。貯留容器1608およびチャネル1610を、穴を有する蓋によりカバーすることができる。貯留容器1608は、部分的に-封入された体積を規定する。貯留容器1608は、水膨潤性ポリマーまたは多孔性ポリマーマトリクスなどの液体サンプルを保持する補助する組成物を含有することができる。薬剤を、貯留容器1608および/またはチャネル1610中に配置することができる。薬剤には、1またはそれ以上の酵素、メディエータ、結合剤、およびその他の活性反応種または非活性反応種が含まれる。薬剤には、光学的システム用の化学指示薬が含まれる。センサストリップ1604は、貯留容器1608と電気的連通したサンプルインターフェース1614を有していてもよい。サンプルインターフェース1614は、測定デバイスにより容易にすべきセンサストリップ1604上に位置することができる。センサストリップ1604は、その他の構造を有することができる。
【0144】
[00159] サンプルインターフェース1614は、作用電極およびカウンタ電極と接続された伝導体を有する。電極は、実質的に同一の平面上に存在してもよい。電極は、貯留容器1608を形成する基板1606の表面上に配置することができる。電極は、貯留容器1608により形成される容量中に延長されるかまたは突き出すことができる。誘電層は、導電体および/または電極を部分的にカバーすることができる。カウンタ電極は、サブ-エレメントまたはトリガー電極を有していてもよい。サブ-エレメントは、作用電極から上流に位置していてもよい。トリガー電極は、第3の電極であってもよい。メディエータ、M、は、上述したように、トリガー電極と作用電極との間にメディエータを有さずに、作用電極とカウンタ電極との間に配置することができる。その他のメディエータを使用してもよく、またはメディエータを使用しなくてもよい。サンプルインターフェース1614は、その他の電極および伝導体を有していてもよい。サンプルインターフェース1614は、サンプルを見るための、1またはそれ以上の光学的入り口または隙間を有していてもよい。サンプルインターフェース1614は、その他の構成要素および構造を有していてもよい。
【0145】
[00160] デバイス1602を測定することには、センサインターフェース1618およびオプションのディスプレイ1620に接続された電気回路1616が含まれる。電気回路1616には、シグナル生成器1624、および保存媒体1628に接続されたプロセッサ1622が含まれる。デバイス1602を測定することは、その他の構成要素および構造を有することができる。
【0146】
[00161] シグナル生成器1624は、プロセッサ1622に応じて、電気的インプットシグナルをセンサインターフェース1618に対して提供する。電気的インプットシグナルには、充填量不足認識システムにおいて使用されるポーリングシグナルおよび試験励起シグナルが含まれていてもよい。電気的インプットシグナルには、光学的センサシステム用のセンサインターフェース1618中の検出器および光源を操作しまたは調節するために使用される、電気的シグナルが含まれてもよい。電気的インプットシグナルには、電気化学的センサシステムにおいて使用される試験励起シグナルが含まれてもよい。充填量不足認識システム用のポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、電気化学的センサシステム用の試験励起シグナルの部分であってもよく、またはその中に取り込まれていてもよい。電気的インプットシグナルを、センサインターフェース1618によりサンプルインターフェース1614に対して伝達することができる。電気的インプットシグナルは、電位または電流であってもよく、そしてACシグナルがDCシグナルオフセットとともに印加される場合など、一定、可変、またはこれらの組合せであってもよい。電気的インプットシグナルを、単一パルスとしてまたは複数のパルス、配列、またはサイクルとして印加することができる。シグナル生成器1624はまた、生成器-記録機器として、センサインターフェース1618から受けたシグナルを記録することができる。
【0147】
[00162] 保存媒体1628は、磁気的、光学的、または半導体メモリ、その他のプロセッサ読み取り可能な保存デバイス、などであってもよい。保存媒体1628は、固定メモリデバイスであっても、またはメモリカードなどの取り外し可能メモリデバイスであってもよい。
【0148】
[00163] プロセッサ1622は、充填量不足認識システムおよびプロセッサ読み取り可能ソフトウェアコードと保存媒体1628中に保存されたデータとを使用するデータ処理を実行する。プロセッサ1622は、センサインターフェース1618でのセンサストリップ1604の存在、サンプルのセンサストリップ1604に対する適用、ユーザー入力、などに応じて、充填量不足認識システムを開始する。プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に、電気的インプットシグナルをセンサインターフェース1618に対して提供するように方向づける。
【0149】
[00164] プロセッサ1622は、センサインターフェース1618からの出力シグナルを受領しそして測定する。出力シグナルは、電流または電位などの電気的シグナル、または光であってもよい。出力シグナルには、充填量不足認識システムにおいて使用される、ポーリングシグナルおよび試験出力シグナルが含まれる。出力シグナルには、サンプル中の分析対象物のレドックス反応に応じて生成される試験出力シグナルが含まれる。出力シグナルは、光学的システム、電気化学的システム、などを使用して生成することができる。充填量不足認識システム用のポーリング出力シグナルは、電気化学的センサシステム用の試験出力シグナルの一部であっても、その中に取り込まれていてもよい。プロセッサ1622は、上述したように、ポーリング出力シグナルを1またはそれ以上のポーリング閾値と比較することができる。
【0150】
[00165] プロセッサ1622は、ポーリング出力シグナルが上述したようにサンプルサイズが十分に大きくないことを示唆する場合、エラーシグナルまたは充填量不足条件のその他の指示を提供する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上のディスプレイエラーシグナルであってもよく、そしてエラーシグナルおよび関連するデータを保存媒体1628中に保存することができる。プロセッサ1622は、分析対象物解析のあいだまたはその後のいずれの時点でもエラーシグナルを提供することができる。プロセッサ1622は、充填量不足条件を検出しそしてセンサストリップ1604に対してより多くの生体液を添加するようにユーザに促すことができる場合、エラーシグナルを提供することができる。プロセッサ1622は、充填量不足条件を検出する場合、分析対象物解析を停止することができる。
【0151】
[00166] プロセッサ1622は、試験出力シグナルから分析対象物濃度を決定する。分析対象物解析の結果は、ディスプレイ1620に対する出力であり、そして保存媒体1628中に保存することができる。分析対象物解析の実行に関する指示を、保存媒体1628中に保存されたプロセッサ読み取り可能ソフトウェアコードにより提供することができる。このコードは、オブジェクトコードであってもよく、または記述された機能性を記述しまたはコントロールするいずれかのその他のコードであってもよい。分析対象物解析由来のデータは、崩壊速度、K定数、傾き、切片および/またはプロセッサ1622中のサンプル温度を決定することを含む、1またはそれ以上のデータ処理に供することができる。
【0152】
[00167] センサインターフェース1618は、センサストリップ1604のサンプルインターフェース1614中の伝導体と接続しまたは電気的に連絡している接点を有する。電気的な連絡には、有線、ワイヤレス、などを介するものが含まれる。センサインターフェース1618は、シグナル生成器1624から接点を介してサンプルインターフェース1614中のコネクタへと電気的インプットシグナルを伝達する。センサインターフェース1618は、サンプルインターフェース1614からプロセッサ1622および/またはシグナル生成器1624へと出力シグナルを伝達する。センサインターフェース1618には、検出器、光源、および光学的センサシステムにおいて使用されるその他の構成要素が含まれていてもよい。
【0153】
[00168] ディスプレイ1620は、アナログであってもデジタルであってもよい。ディスプレイ1620は、LCD、LED、真空蛍光、または数値的読み取りを示すように適合させたその他のディスプレイであってもよい。その他のディスプレイを使用することができる。ディスプレイ1620は、プロセッサ1622と電気的に連絡する。ディスプレイ1620は、プロセッサ1622とワイヤレス連絡する場合など、測定デバイス1602から分離することができる。あるいは、ディスプレイ1620は、例えば測定デバイス1602がリモートカップリングデバイス、薬物投与ポンプ、などと電気的に連絡している場合など、測定デバイス1602から除去することができる。
【0154】
[00169] 使用時において、バイオセンサ1600は、1またはそれ以上の診断ルーチンまたはサンプルの解析の前のその他の調製機能を活性化しそして行う。センサストリップ1604を、測定デバイス1602と連絡するように配置する。連絡することには、サンプルインターフェース1614がセンサインターフェース1618と電気的および/または光学的に連絡している位置が含まれる。電気的連絡には、センサインターフェース1618中の接点とサンプルインターフェース1614中の伝導体との間の、入力シグナルおよび/または出力シグナルの伝達が含まれる。光学的連絡には、サンプルインターフェース1614中の光学的入り口とセンサインターフェース1618中の検出器とのあいだの光の伝達が含まれる。光学的連絡には、サンプルインターフェース1614中の光学的入り口とセンサインターフェース1618中の光源との間の光の伝達が含まれる。
【0155】
[00170] センサストリップ1600は、液体生体液サンプルを受容する。サンプルは、液体を開口1612に導入することにより、貯留容器1608により形成される容量中に輸送される。液体サンプルは、チャネル1610を介して貯留容器1608中に流れ、それまでに含まれていた空気を押し出しながら、容量を充填する。液体サンプルは、チャネル1610および/または貯留容器1608中に配置された薬剤と化学的に反応する。
【0156】
[00171] バイオセンサ1600は、活性化された場合にすぐに、調製機能が完了した後すぐに、選択された時間の後に、または追加の入力および測定デバイス1602と連通したセンサストリップの配置などのその他の作用が生じる場合に、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を印加することができる。プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に対して、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列をセンサインターフェース1618に対して提供するように指示し、これがサンプルに対してサンプルインターフェース1614中の電極を介して規則的なポーリング配列を印加する。シグナル生成器1624は、プロセッサ1622により指示されるように、1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を通じてサイクル状に発生し、規則的なポーリング配列をセンサストリップ1604中の貯留容器1608に対して印加する。サンプルが貯留容器1608中に存在する場合、サンプルは、規則的なポーリング配列に応じて、サンプル出力シグナルを生成する。
【0157】
[00172] プロセッサ1622は、解析のための生体液サンプルが存在する場合または存在しない場合を検出する。サンプルインターフェース1614は、サンプル出力シグナルをセンサインターフェース1618へと提供する。プロセッサ1622は、センサインターフェース1618からサンプル出力シグナルを受容する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上にサンプル出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中にサンプル出力シグナルを保存することができる。プロセッサ1622は、サンプルポーリング出力シグナルが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達する場合にサンプルが存在することを検出する。プロセッサ1622は、サンプルポーリング出力シグナルが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達しない場合に、サンプルが存在しないことを検出する。
【0158】
[00173] シグナル生成器1624は、サンプルが存在する場合に、プロセッサ1622により指示されるように、規則的なポーリング配列から拡張ポーリング配列へと遷移する。プロセッサ1622は、規則的なポーリング配列を停止し、そしてすぐにまたは選択された時間の後に拡張ポーリング配列をサンプルに対して印加する。プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に拡張パルス配列をセンサインターフェース1618に対して提供するように指示し、それがサンプルインターフェース1614中に電極を介して拡張パルス配列をサンプルに対して印加する。サンプルは、拡張ポーリング配列に応じて、体積出力シグナルを生成する。
【0159】
[00174] プロセッサ1622は、生体液サンプルが解析のために十分な容量または不十分な容量を有する場合を検出する。サンプルインターフェース1614は、体積出力シグナルをセンサインターフェース1618に対して提供する。プロセッサ1622は、体積出力シグナルをセンサインターフェース1618から受容する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上に体積出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中に体積出力シグナルを保存することができる。プロセッサ1622は、体積出力シグナルを1またはそれ以上の体積閾値と比較する。プロセッサ1622は、サンプルが十分な容量を有するかまたは容量ポーリング出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合に完全充填条件であることを検出する。プロセッサ1622は、サンプルが不十分な容量を有することまたは容量ポーリング出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達しない場合の充填量不足条件を検出する。
【0160】
[00175] サンプル体積が解析のために十分ではない場合、プロセッサ1622は、ユーザに対して、より多くのサンプルを追加すること、規則的なポーリング配列をリスタートすること、スリープモードに入ること、試験励起シグナルを停止すること、これらの組合せ、などを要求することができる。スリープモードに入っている場合、プロセッサ1622は、より多くのサンプルの追加などの追加の入力を受容する場合、規則的なポーリング配列をリスタートする。規則的なポーリング配列をリスタートするため、プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に対してポーリングシグナルの規則的なポーリング配列をセンサインターフェース1618に対して印加するように指示し、これがサンプルインターフェース1614中の電極を介して規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する。プロセッサ1622は、不活性化することができ、または体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値を満たさない限り、固定された期間のあいだ、選択されたサイクル数のあいだ、これらの組合せ、など、規則的なポーリング配列を介してサイクルすることができる。
【0161】
[00176] プロセッサ1622は、分析対象物の解析を進行させる前に、ユーザにより多くの生体液をセンサストリップ1604に対して追加するように促すことができる。プロセッサ1622は、体積出力シグナルがサンプルサイズが十分に大きくないことを示す場合に、エラーシグナルまたは充填量不足条件その他の指標を提示することができる。エラーシグナルは、ディスプレイ1620上に示すことができるかおよび/または保存媒体1628中に保持することができる。エラーシグナルには、ユーザからの追加のサンプルのリクエストまたはそれを要求するシンボルが含まれていてもよい。プロセッサ1622は、エラーシグナルをすぐにまたは別の時に提示することができる。
【0162】
[00177] より多くのサンプルが貯留容器1608中に存在する場合、より大きなサンプルは、規則的なポーリング配列に応じて、別のサンプル出力シグナルを生成する。プロセッサ1622は、その他のサンプル出力シグナルが同一のまたは別のサンプル閾値に到達する場合に、より多くのサンプルが存在することを検出する。
【0163】
[00178] より多くのサンプルの存在が検出される場合、プロセッサ1622は、規則的なポーリング配列を停止し、そして拡張ポーリング配列をより大きなサンプルに対して印加する。より大きなサンプルは、拡張ポーリング配列に応じて、別の容量ポーリング出力シグナルを生成する。プロセッサ1622は、その他の体積出力シグナルを1またはそれ以上の体積閾値と比較する。その他の体積出力シグナルは、その他の体積出力シグナルのそれぞれが、1またはそれ以上の体積閾値に実際に到達するか、または到達しない場合に、十分なサンプル体積(完全充填条件)または不十分なサンプル体積(充填量不足条件)を示す。第2の充填の後にサンプル体積が解析のために不十分である場合、プロセッサ1622は、選択された回数または十分な容量が得られるまで以前の手順を繰り返し、試験を停止する、などをすることができる。
【0164】
[00179] プロセッサ1622が、サンプルが解析のために十分な容量を有することを検出する場合、プロセッサ1622が、シグナル生成器1624に対して、試験励起シグナルをサンプルに対して印加するように指示する。センサインターフェース1618は、試験期間中サンプルインターフェース1614を介して、試験励起シグナルをサンプルに対して印加する。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、試験出力シグナルを生成する。サンプルインターフェース1614は、試験出力シグナルをセンサインターフェース1618に対して提供する。
【0165】
[00180] プロセッサ1622は、体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合、シグナル生成器1624に、試験励起シグナルをセンサインターフェース1618に対して印加するよう指示することができる。プロセッサ1622は、体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合、試験励起シグナルを、センサインターフェース1618に対して提供するためのコンピュータ回路を有していてもよい。コンピュータ回路において、体積出力シグナルは、電気的(アナログ)コンピュータなどの入力中に指示することができる。コンピュータは、体積出力シグナルを、体積閾値の値と比較する。ポーリング出力シグナルが、体積閾値の値と同等か、それより大きいか、またはわずかに大きい場合、コンピュータの出力は、試験励起シグナルの開始を誘導する。
【0166】
[00181] サンプル体積が解析のために十分である場合、プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に、試験励起シグナルをセンサインターフェース1618に対して印加するよう、指示する。光学的システムにおいて、センサインターフェース1618は、検出器および光源を操作するための電気的インプットシグナルを提供する。センサインターフェース1618は、検出器から試験出力シグナルを受容する。電気化学的システムにおいて、センサインターフェース1618は、サンプルインターフェース1614を介して、試験励起シグナルをサンプルに対して印加する。充填量不足認識システム用の試験励起シグナルは、試験励起シグナルの一部であってもよく、または試験励起シグナルにより取り込まれていてもよい。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、分析対象物のレドックス反応から、試験出力シグナルを生成する。サンプルインターフェース1614は、試験出力シグナルを、センサインターフェース1618に対して提供する。
【0167】
[00182] サンプルは、試験励起シグナルに応じて、1またはそれ以上の試験出力シグナルを生成する。プロセッサ1622は、センサインターフェース1618から試験出力シグナルを受容する。プロセッサ1622は、サンプルにより生成される試験出力シグナルを測定する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上に試験出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中に試験出力シグナルを保存することができる。バイオセンサ1600は、1またはそれ以上の試験出力シグナルに応じて、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を決定する。
【0168】
[00183] プロセッサ1622は、センサインターフェース1618から試験出力シグナルを受容する。プロセッサ1622は、試験出力シグナルに応じて、サンプルの分析対象物濃度を決定する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上に試験出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中に試験出力シグナルを保存することができる。
【0169】
[00184] 発明の範囲、用途、または実施を制限することなく、上述した方法およびシステムは、以下の様なアルゴリズムを使用して実施することができる:
[00185] 工程1: バイオセンサの電源を立ち上げる。
【0170】
[00186] 工程2: バイオセンサの自己試験および電気的標準化を行う。
[00187] 工程3: 初期温度およびその他の測定値を採取する。
[00188] 工程4: 選択された周波数の規則的なポーリングパルス配列、規則的な入力パルス幅、そして規則的な入力パルス振幅を開始する。
【0171】
[00189] 工程5: サンプル出力シグナル(s)を規則的なポーリングパルス配列からチェックする。
s<サンプル閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列を継続する(工程#4)。
【0172】
s≧サンプル閾値の場合、5 msec以内に同一のチェックを繰り返す。
繰り返されたs<サンプル閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列を継続する(工程#4)。
【0173】
繰り返されたs≧サンプル閾値の場合、固定期間、拡張ポーリングパルス配列を行う。
[00190] 工程6: 拡張ポーリングパルス配列を開始する:第1の拡張振幅での第1の拡張入力パルス;第2の拡張振幅での第2の拡張入力パルス。
【0174】
[00191] 工程7: 時間0に、拡張ポーリング期間のあいだ、textのカウントを開始する。
[00192] 工程8: 第2の拡張入力パルスの第2の拡張振幅の時点で、拡張ポーリングパルス配列からの体積出力シグナル(v)をチェックする。
【0175】
v<体積閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列に戻る(工程#4)。
v≧体積閾値の場合、5 msec以内に同一のチェックを繰り返す。
繰り返されたv<体積閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列に戻る(工程#4)。
【0176】
繰り返されたv≧体積閾値の場合、試験励起シグナルを開始する。
[00193] 工程9: text≧1秒の場合、ユーザインターフェース中にユーザーに対してより多くのサンプルを追加するように警告するよう、追加のプロンプトを開始する。
【0177】
[00194] 工程10: text≧60秒の場合、ディスプレイエラー“不十分なサンプル”。
[00195] 本発明の様々な態様を記述してきたが、その他の態様および実施が、本発明の範囲内において可能であることは、当業者にとって自明であろう。
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
[001] 本出願は、2009年11月10日に出願された“バイオセンサ用の充填量不足認識システム”という発明の名称のU.S.仮出願No. 61/259,807に基づく利益を主張しており、この出願はその全体を参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
[002] バイオセンサは、通常、生体液サンプル(例えば、全血、尿、または唾液)を解析する。サンプルは、未知量の分析対象物を含有しうる組成物である。典型的には、サンプルは、液体の形状であり、そして水溶液混合物である。サンプルは、生物学的サンプルの誘導体(例えば、抽出物、希釈物、濾過物、または再構成沈殿物)であってもよい。バイオセンサは、通常、1またはそれ以上の分析対象物、サンプル中に存在する物質(例えば、ケトン、グルコース、尿酸、乳酸、コレステロール、またはビリルビン)の濃度を測定する。解析は、サンプル中の分析対象物の存在および/または濃度を測定する。
【0003】
[003] 解析は、生理学的異常の診断および治療において有用である。例えば、糖尿病個体は、バイオセンサを使用して、食餌および/または投薬への調製のため、血液中グルコースレベルを測定することができる。バイオセンサは、生体液サンプルが十分に大量ではない場合、充填量不足になる可能性がある。充填量不足のバイオセンサは、生体液の不正確な解析をもたらす可能性がある。これらの不正確な解析を同定しそして防止する能力は、バイオセンサから得られる濃度値の正確性および精密性を増加させることができる
[004] 多数のバイオセンサは、生体液サンプル中の分析対象物濃度を決定するため、電気的シグナルを測定する。分析対象物は、典型的には、励起シグナルがサンプルに対して印加させる場合、酸化/還元またはレドックス反応を受ける。酵素または同様な種をサンプルに対して添加して、レドックス反応の特異性を亢進させることができる。励起シグナルは、通常は、電流または電位などの電気的シグナルである。レドックス反応は、励起シグナルに応じて、出力シグナルを生成する。出力シグナルは、通常は電流または電位などの別の電気的シグナルであり、それにより、サンプル中の分析対象物の濃度を測定しそしてそれと相関させることができる。
【0004】
[005] ほとんどのバイオセンサは、測定デバイスとセンサストリップとを有する。生体液サンプルを、センサストリップ中のサンプルチャンバに導入する。センサストリップを解析のために測定デバイス中に配置する。測定デバイスは、サンプルチャンバ中に延長される作用電極、カウンタ電極、および/またはその他の電極と典型的には接続するセンサストリップ中の、導電体と接続される電気接点に対して、励起シグナルを印加する。電極は、サンプルチャンバ中に配置されるサンプル中に励起を伝達する。励起シグナルは、レドックス反応を引き起こし、それが出力シグナルを生成する。測定デバイスは、出力シグナルに応じて、分析対象物濃度を測定する。
【0005】
[006] センサストリップには、生体液サンプル中で分析対象物と反応する薬剤が含まれていてもよい。薬剤には、分析対象物の酸化還元を促進するためのイオン化剤、ならびにメディエータまたは分析対象物と電極との間の電子の移動を補助するその他の物質が含まれていてもよい。イオン化剤は、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼなどの分析対象物特異的酵素であってもよく、それらは全血サンプル中のグルコース酸化を触媒する。薬剤には、酵素およびメディエータを一緒に保持する結合剤が含まれていてもよい。結合剤は、試薬に対する化学的適合性を有しつつ、薬剤の物理的サポートおよび封じ込めを提供する材料である。
【0006】
[007] 多数のバイオセンサには、不十分な体積のものであるサンプルサイズと関連する解析を防止しまたは選別して除くための充填量不足検出システムが含まれる。いくつかの充填量不足検出システムは、サンプル中の分析対象物の濃度を測定するために使用される作用電極、カウンタ電極、またはその他の電極とは別個のものであっても、またはその一部であってもよい、1またはそれ以上の指示電極を有する。その他の充填量不足検出システムは、励起シグナルを生体液サンプルに対して適用するために使用されるカウンタ電極および作用電極に加えて、第3の電極または指示電極を有する。追加の充填量不足検出システムは、カウンタ電極と電気的連通したサブ-エレメントを有する。作用電極およびカウンタ電極とは異なり、導電性サブ-エレメント、トリガ電極などを、バイオセンサにより生成された分析対象物特的シグナルを決定するためには使用しない。従って、それらは、剥きだしの導電性のトレース、非-分析対象物特異的試薬を伴う伝導体(例えば、メディエータなど)であってもよい。
【0007】
[008] バイオセンサは、指示電極、第3の電極、またはサブ-エレメントを使用して、センサストリップ中のサンプルチャンバの部分的な充填および/または完全な充填を検出する。典型的には、電気的シグナルは、(1または複数の)指示電極間で、第3の電極とカウンタ電極との間で、またはサンプルがサンプルチャンバ中に存在する場合にはサブ-エレメントと作用電極の間で、通過する。電気的シグナルは、サンプルが存在するかどうか、そしてサンプルが部分的にまたは完全にサンプルチャンバを充填するかどうかを示す。第3の電極を伴う充填量不足検出システムを使用するバイオセンサは、US特許No. 5,582,697中に記載される。カウンタ電極のサブ-エレメントを伴う充填量不足検出システムを使用するバイオセンサは、US特許No. 6,531,040中に記載される。
【0008】
[009] これらの充填量不足検出システムは、様々な長所と短所とを天秤にかけているが、理想的なものは存在しない。これらの充填量不足検出システムは、通常は、追加の構成要素(例えば、指示電極または第3の電極)を必要とする。追加の構成要素は、センサストリップの製造コストを増加させる可能性があり、そして製造の変動性のために、正確性および精密性において追加のものを導入する可能性がある。これらの充填量不足検出システムは、指示電極または第3の電極を提供するための、より大きなサンプルチャンバまたは貯留容器も必要とする可能性がある。より大きなサンプルチャンバは、分析対象物の正確なそして精密な解析のために必要なサンプルサイズを増加させることができる。正確性には、バイオセンサにより測定される分析対象物の量が、サンプル中の分析対象物の実際の量とどのくらい近く対応しているか、が含まれる。正確性は、参照分析対象物読み取り値との比較において、バイオセンサの分析対象物読み取り値のバイアスに関して表現することができる。精密性には、複数の分析対象物測定値が、同一サンプルについてとどの程度近いか、が含まれる。精密性は、複数の測定値間での発散または分散に関して、表現することができる。
【0009】
[0010] さらに、これらの充填量不足検出システムは、不均一なまたはゆっくりとしたサンプルチャンバの充填により、影響を受ける可能性がある。不均一なまたはゆっくりとした充填は、サンプルサイズが十分に多くない場合にセンサストリップが充填量不足であることを、これらのシステムに示させることができる。不均一なまたはゆっくりとした充填はまた、サンプルが十分に多くない場合にセンサストリップが充填されていることを、これらのシステムに示させることができる。
【0010】
[0011] さらに、これらの充填量不足検出システムはまた、より多くの生体液を添加するためには早すぎてセンサストリップが充填量不足であることを、検出することはできない。検出は、解析によりサンプル中の(1または複数の)分析対象物を決定し始めた後に、生じることができる。遅延は、センサストリップを新しいセンサストリップおよび新しい生体液サンプルと置換することが必要になる場合がある。
【0011】
[0012] 従って、改良されたバイオセンサ、特に充填量不足のセンサストリップのそして充填量不足条件に対する反応のますます正確なおよび/または精密な検出を提供することができるバイオセンサ、に対する依然とした必要性が存在する。本発明のシステム、デバイス、そして方法は、従来型のバイオセンサに関連した少なくとも1つの短所を克服する。
【発明の概要】
【0012】
[0013] 充填量不足認識システムは、生体液サンプルが1またはそれ以上の分析対象物の解析のために十分な大きさであるか否かを決定する。充填量不足認識システムは、サンプルの容量を評価して、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物の解析を停止するかまたは進行させるかを決定する。
【0013】
[0014] バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための方法において、規則的なポーリング配列を印加する。サンプルの存在を検出する。少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する拡張ポーリング配列を印加する。サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分なサンプル体積を検出する。
【0014】
[0015] バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための別の方法において、規則的なポーリング配列を印加する。少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出する。拡張ポーリング配列を印加する。少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する。サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のため不十分である場合を示す。サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分である場合、試験励起シグナルを印加する。
【0015】
[0016] 充填量不足認識システムを含むバイオセンサには、センサストリップおよび測定デバイスが含まれる。センサストリップは、基板上のサンプルインターフェースを有する。サンプルインターフェースは、基板により形成される貯留容器中に位置する作用電極とカウンタ電極と、と電気的に連通する。測定デバイスは、センサインターフェースに接続されたプロセッサを有する。センサインターフェースは、シグナル生成器を有する。センサインターフェースは、サンプルインターフェースと電気的連通を有する。プロセッサは、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列を印加するように指令を出す。プロセッサは、サンプルの存在を検出する。プロセッサは、シグナル生成器に対して、拡張ポーリング配列を印加するよう指令を出す。プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する。プロセッサは、シグナル生成器に対して、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合に、試験励起シグナルを印加するよう、指令を出す。プロセッサは、試験出力シグナルに応答したサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
[0017] 本発明は、以下の図面および記載を参照することにより、よりよく理解することができる。図面中の構成成分は、必ずしも当縮尺ではなく、本発明の原理を説明する際に強調が付される場合がある。さらに、図面において、異なる図面を通じて、対応するパーツには、同様の参照番号が示される。
【図1】[0018] 図1は、バイオセンサ中のサンプル体積を評価するための方法を示す。
【図2】[0019] 図2は、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列および充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の試験励起シグナルを示すグラフである。
【図3】[0020] 図3は、図2において使用される試験励起シグナルを有する、別のポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列を示すグラフである。
【図4】[0021] 図4は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、追加のポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および追加の試験励起シグナルを示すグラフである。
【図5】[0022] 図5Aは、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、循環的ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および試験励起シグナルを示すグラフである。[0023] 図5Bは、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、別の循環的ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および別の試験励起シグナルを示す図である。
【図6】[0024] 図6は、従来型の充填量不足検出システムのための、サンプル体積研究の結果を示す。
【図7】[0025] 図7は、図6のサンプル体積研究のための、グルコース読み取り値の%-集団を示す。
【図8】[0026] 図8は、充填量不足認識システムのための、サンプル体積研究の結果を示す。
【図9】[0027] 図9は、図8のサンプル体積研究のための、グルコース読み取り値の%-集団を示す。
【図10】[0028] 図10は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサとともに使用される、センサストリップの概略図を示す。
【図11】[0029] 図11は、拡張ポーリング配列に応じて生成される容量出力シグナルのグラフを示し、完全充填条件を示す容量出力シグナルの範囲を示す。
【図12】[0030] 図12は、拡張ポーリング配列に応じて生成される容量出力シグナルのグラフを示し、充填量不足条件を示す容量出力シグナルの範囲を示す。
【図13】[0031] 図13は、入力電位に応答したO2減少およびメディエータ減少由来の、出力電流を示すグラフを示す。
【図14】[0032] 図14は、刺激において使用される入力シグナルおよび出力シグナルのプロットを示す。
【図15】[0033] 図15は、図14に示されるポーリングシグナル、試験励起シグナル、および出力シグナルの最後の2回のサイクルの拡大図を示す。
【図16】[0034] 図16は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサのスキーム図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0035] 充填量不足認識システムは、サンプル容量に応じて、1またはそれ以上の分析対象物のついて、生体液サンプルを解析するかどうかを評価する。充填量不足認識システムは、サンプルが存在するかどうかを検出し、サンプルが解析のために十分な容量を有するかどうかを決定し、サンプル体積が解析のための十分ではない場合を示し、そしてサンプル体積に対応してサンプル解析を開始しまたは停止する。充填量不足認識システムは、サンプルが解析の前に十分に多いかどうかを決定することにより、サンプル解析の正確性および/または精密性を向上することができる。
【0018】
[0036] 充填量不足認識システムは、バイオセンサまたは類似のデバイス上で実行することができる。バイオセンサは、ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルを、サンプルに対して印加する。ポーリングシグナルは、サンプルから、1またはそれ以上のポーリング出力シグナルを生成し、それを使用して、サンプルが存在する場合を検出し、そしてサンプルが解析のために十分な容量を揺するかどうかを決定することができる。試験励起シグナルは、1またはそれ以上の試験出力シグナルを生成し、それを使用して、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を決定することができる。ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、電位、電流、それらの組合せなどの電気的シグナルであってもよい。試験励起シグナルは、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物を決定するために使用される、光学的シグナル、電気的シグナル、または類似のシグナルのいずれであってもよい。バイオセンサを使用して、生体液(全血、尿、唾液など)中の1またはそれ以上の分析対象物濃度(グルコース、尿酸、ラクテート、コレステロール、ビリルビン、ケトン、など)を決定することができる。その他の生体液中のもの等を含むその他の分析対象物濃度を、測定することができる。
【0019】
[0037] ポーリングシグナルは、1またはそれ以上の規則的な入力パルス規則的なポーリング配列、その後1またはそれ以上の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、本質的に同一であってもよいが、異なる規則的な入力パルスを使用することもできる。規則的なポーリング配列は、バイオセンサ中にサンプルが存在する場合、1またはそれ以上のサンプル出力シグナルを生成することができる。従って、サンプル出力シグナルを使用して、サンプルが存在する場合を検出することができる。
【0020】
[0038] 拡張ポーリング配列は、1またはそれ以上の拡張入力パルスを有する。1またはそれ以上の拡張入力パルスは、規則的な入力パルスと本質的に同一であってもよい。拡張ポーリング配列中の少なくとも一つの拡張入力パルスは、規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスとは異なる。異なる拡張入力パルスは、おそらくは、拡張ポーリング配列における最後のまたはもう一つの拡張入力パルスである。拡張ポーリング配列は、サンプル体積に応じた1またはそれ以上の容量出力シグナルを生成することができる。体積出力シグナルを使用して、サンプルが解析のために十分な容量を有するかどうかを決定することができる。
【0021】
[0039] ポーリングシグナルをバイオセンサ中のサンプルに対して印加する場合、ポーリングシグナルの各パルスは、典型的には、サンプルから対応する出力パルスを生成する。1またはそれ以上の出力パルスは、ポーリング出力シグナルを形成する。規則的なポーリング配列の各規則的な入力パルスは、サンプル出力シグナル中で規則的な出力パルスを生成する。バイオセンサは、少なくとも1つの規則的な出力パルスがサンプル閾値に到達する場合、サンプルの存在を検出し、その後拡張ポーリング配列を印加する。
【0022】
[0040] 拡張ポーリング配列の各拡張入力パルスは、容量出力シグナルにおいて、拡張出力パルスを生成する。拡張出力パルスおよび規則的な出力パルスは、拡張入力パルスおよび規則的な入力パルスが同一である場合、本質的に同一である。拡張入力パルスが、規則的な入力パルスとは異なる場合、拡張出力パルスは、規則的な出力パルスとは異なる。異なる拡張出力パルスは、バイオセンサ中のサンプル体積に対して対応するものであり、そして従って異なる拡張出力パルスを使用してサンプルが十分な体積を有するかどうかを検出することができる。
【0023】
[0041] 1またはそれ以上の体積閾値を使用して、サンプルが、十分な体積または不十分な体積、体積、体積の範囲、それらの組合せなどを有する場合を検出することができる。サンプルは、異なる拡張出力パルスが、選択された体積閾値に到達する場合に、十分な容量を有する。サンプルは、異なる拡張出力パルスが体積閾値に到達しない場合に、不十分な容量を有する。サンプルは、異なる拡張出力パルスが体積閾値に到達する場合、または1つの体積閾値には到達するが別の体積閾値には到達しない場合、容量または容量範囲を有する。その他の基準のための閾値を含むその他の閾値を、使用することができる。
【0024】
[0042] 図1は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサ中の、サンプル体積を評価するための方法を示す。102において、バイオセンサを活性化する。104において、バイオセンサは、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を印加する。106において、バイオセンサは、サンプルの存在を検出する。108において、バイオセンサは、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列を、サンプルに対して印加する。110において、バイオセンサは、サンプル体積が解析のために十分かどうかを検出する。112において、バイオセンサは、サンプル体積が解析のために不十分な場合を示す。114において、バイオセンサは、サンプル体積が解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを印加する。116において、バイオセンサは、分析対象物濃度を決定する。
【0025】
[0043] 図1の102において、バイオセンサを活性化する。バイオセンサを、電源スイッチまたはボタン、バイオセンサがユーザにより触れられるかまたは保持される場合を決定するセンシングメカニズム、センサストリップを測定デバイス中に配置する場合を決定する別のメカニズム、などにより活性化することができる。活性化される場合、電力またはより多くの電力を供給し、そして従ってバイオセンサ中の電気回路の操作を開始しまたは増加する。最初は、バイオセンサは、1またはそれ以上の診断ルーチンを実行することができ、周囲温度を得ることができ、および/または解析を行うためのその他の調製機能を行うことができる。バイオセンサは、センサストリップが測定デバイス中に存在するまでまたは別の所望の時点または作用となるまで、調製機能の性能を遅らせおよび/または繰り返すことができる。活性化ののち、バイオセンサは、本質的には、容易に生体液サンプルを受容し、そしてサンプル中の1またはそれ以上の分析対象物の濃度を決定する準備が整っている。
【0026】
[0044] 図1の104において、バイオセンサは、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を、生体液サンプルを配置する位置に印加する。位置は、センサストリップなどの中の貯留容器であってもよい。ポーリングシグナル中の1またはそれ以上の規則的なポーリング配列が存在してもよい。図2〜図5は、それぞれ、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を示す。その他の規則的なポーリング配列およびポーリングシグナルを、使用することができる。
【0027】
[0045] 規則的なポーリング配列は、ポーリングシグナルの部分である。ポーリングシグナルは、パルスを負荷するか、または設定周波数または間隔でスイッチを入れそして切る、電気的シグナル(たとえば、電流または電位)である。ポーリングシグナルは、本質的には、ポーリング弛緩により分離されたポーリングパルスの配列である。ポーリングパルスの間、電気的シグナルはオンである。オンには、電気的シグナルが存在する期間が含まれる。ポーリング弛緩のあいだ、電気的シグナルは、電気的シグナルがオンである場合に関連して、振幅を顕著に減少させる。減少させることには、電気的シグナルがオンである場合との関連で、少なくとも桁を変えていることにより、電気的シグナルを減少させる場合が含まれる。減少させることには、電気的シグナルがオフに低下する場合も含まれる。オフには、電気的シグナルが存在しない期間が含まれる。オフには、電気的シグナルは存在するが、本質的に振幅なしと言われた場合の期間は含まれない。電気的シグナルを、電気回路をそれぞれ閉じたりそして開いたりすることにより、オンとオフとの間を切り替える。電気回路は、機械的、電気的などで開いたり閉じたりすることができる。その他のオン/オフのメカニズムを、使用することができる。
【0028】
[0046] 規則的なポーリング配列は、一群の1またはそれ以上の規則的な入力パルス間隔である。規則的な入力パルス間隔は、規則的な入力パルスと規則的な弛緩との合計である。それぞれの規則的な入力パルスは、規則的な振幅および規則的な入力パルス幅を有する。規則的な振幅は、電気的シグナルの電位、電流、などの強度を示す。規則的な振幅は、規則的な入力パルスのあいだ変動してもよく、または一定であってもよい。規則的な入力パルス幅は、規則的な入力パルスの継続時間である。規則的なポーリング配列における規則的な入力パルス幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。それぞれの規則的な弛緩は、規則的な弛緩の継続時間である、規則的な弛緩幅を有する。規則的なポーリング配列における規則的な弛緩幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0029】
[0047] 規則的なポーリング配列は、レドックス反応、1またはそれ以上の分析対象物、電極の数および/または電極の構成、1またはそれ以上のメディエータ、レドックス対、電気化学的プロセスまたは光学的プロセス、これらの組合せ、などに応じて、選択することができる。規則的なポーリング配列の選択には、パルス数、同様のまたは異なる規則的な入力パルスの数および順序、規則的な振幅およびパルス幅、これらの組合せ、などが含まれる。規則的な入力パルスは、体積閾値に到達する規則的な出力シグナルの可能性を上昇させるかまたは減少させるように選択することができる。可能性には、実質的に所望の結果を達成する機会または確率が含まれる。規則的なポーリング配列は、その他の基準に応じて選択することができる。
【0030】
[0048] 規則的なポーリング配列は、約500ミリ秒(ms)未満の規則的な入力パルス幅および約2秒(sec)未満の規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約100 ms未満の規則的な入力パルス幅および約500 ms未満の規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約0.5ミリ秒〜約75 msの範囲の規則的な入力パルス幅および約5 ms〜約300 msの範囲の規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約1ミリ秒〜約50 msの範囲の規則的な入力パルス幅および約10 ms〜約250 msの範囲規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、約5 msの規則的な入力パルス幅および約125 msの規則的な入力パルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング配列は、その他のパルス幅およびパルス間隔を有してもよい。
【0031】
[0049] バイオセンサは、規則的なポーリング期間のあいだ、規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する。規則的なポーリング期間を、約15分(min)未満、5分未満、2分未満、または1分未満に設定しまたは選択することができる。規則的なポーリング期間は、より長くてもよい。しかしながら、サンプルの存在が検出される場合、別の時点、または別の作用の場合、バイオセンサが規則的なポーリングシグナルをすぐに停止することができるため、規則的なポーリング期間は、実際には、可変であってもよい。規則的なポーリング期間が終了し、そしてサンプルが何も検出されなかった後、バイオセンサは、動作を停止し、スリープモードに入り、または別の規則的なポーリング期間を開始することができる。バイオセンサは、選択された数の規則的なポーリング期間を完了しまたは終了事象を生じるまで(例えば、バイオセンサの動作を停止する、サンプルの存在を検出する、など)、複数の規則的なポーリング期間を介してサイクルを回すことができる。バイオセンサは、規則的なポーリング期間の後または別の選択された時点または事象の際に、スリープモードにはいることができ、その場合には、バイオセンサは、さらなる入力が得られるまで、ほとんど動作を停止しまたは低活性状態に入る。
【0032】
[0050] 規則的なポーリング期間は、約0.5秒〜約15分の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約5秒〜約5分の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約10秒〜約2分の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約20秒〜約60秒の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約30〜約40秒の範囲内であってもよい。規則的なポーリング期間は、約200未満、100未満、50未満、または25未満のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約2〜約150のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約5〜約50のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約5〜約15のパルス間隔を有してもよい。規則的なポーリング期間は、約10のパルス間隔を有してもよい。その他の規則的なポーリング期間を使用することができる。
【0033】
[0051] 図1の106において、バイオセンサは、生体液サンプルが解析のために利用可能である場合を検出する。バイオセンサは、サンプルが規則的なポーリング配列に応じて1またはそれ以上のサンプル出力シグナルを生成する場合に、サンプルがバイオセンサ中に存在するかどうかを検出する。サンプルは、センサストリップの貯留容器においてまたはそうでなければバイオセンサにおいて、存在することができる。規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する場合、規則的なポーリング配列のそれぞれの規則的な入力パルスは、典型的には、規則的な出力パルスを生成する。1またはそれ以上の規則的な出力パルスは、サンプル出力シグナルを形成する。バイオセンサは、少なくとも1つの規則的な出力パルスがサンプル閾値に達し、その後拡張ポーリング配列を印加する場合、サンプルの存在を検出する。1またはそれ以上のサンプル出力シグナルは、電気的シグナル(電流または電位など)である。バイオセンサは、ディスプレイ上にサンプル出力シグナルを示すことができおよび/またはメモリデバイス中にサンプル出力シグナルを保存することができる。
【0034】
[0052] サンプル出力シグナルは、サンプル出力シグナル中の1またはそれ以上の規則的な出力パルスが1またはそれ以上のサンプル閾値に達する場合に、サンプルが存在することを示す。広がり(reach)には、閾値と本質的に同一かまたは閾値よりも高い出力パルスを示し、または閾値よりも高いだけの出力パルスを示す。広がりは、正の方向に関連して記述される一方、広がりは、反対の方向または負の方向を使用する場合の閾値と本質的に同一であるか、それよりも低いか、またはわずかに低い出力パルスが含まれる。サンプルが何も存在しない場合、バイオセンサは、規則的なポーリング期間を継続し、サイクル1またはそれ以上の規則的なポーリング期間のあいだ繰り返し、規則的なポーリング期間を開始しまたはリスタートし、バイオセンサを不活性化し、スリープモードに導入し、またはこれらを組合せる。
【0035】
[0053] バイオセンサは、サンプル出力シグナル中の1またはそれ以上の規則的な出力パルスが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達する場合に、サンプルが存在することを検出する。1またはそれ以上のサンプル閾値および1またはそれ以上の規則的な入力パルスを選択して、サンプルの存在に反応性のサンプルから規則的な出力パルスを生成することができる。規則的な入力パルスを選択して:(1)サンプルが存在する場合またはサンプルが選択された最小サンプル体積と同等かまたはそれよりも多い場合に、サンプル閾値に到達する規則的な出力パルスを生成することができ;そして(2)サンプルが存在しない場合またはサンプルが選択された最小サンプル体積よりも小さい場合には、サンプル閾値に到達する規則的な出力パルスを生成できない。規則的な入力パルスを選択して、サンプル体積に関わらず、または選択された最小サンプル体積と同等かまたはそれよりも多いサンプル体積であるかにかかわらず、サンプル閾値に到達する規則的な出力パルスまたはサンプル閾値に到達しない規則的な出力パルスを生成することができる。このように、充填量不足条件または完全充填条件のいずれかが生じる場合に、規則的な出力パルスを生成する。その他の規則的な入力パルスを、選択することができる。
【0036】
[0054] サンプル閾値を選択して、サンプルが存在するか存在しないか、サンプルが選択された最小サンプル体積を超えているかまたは超えていないか、などを区別することができる。サンプル閾値は、メモリデバイス中に保存され、ルックアップ表などから得られる所定の閾値であってもよい。所定の閾値は、研究室的仕事の統計解析から展開することができる。その他の所定の閾値を使用することができる。サンプル閾値は、出力シグナルに応じて決定される測定されたかまたは算出された閾値であってもよい。その他の測定されたかまたは算出された閾値を使用することができる。サンプル閾値を選択して、サンプル、サンプル体積、などに反応して1またはそれ以上の出力シグナルがより強い場合またはより弱い場合を同定することができる。
【0037】
[0055] サンプル閾値を選択して、1またはそれ以上の出力シグナルの変化がサンプル状態に反応性であるかどうかをどう定位することができる。サンプル閾値を、理論的解析により、解析の所望の精密性および/または正確性により、またはその他の基準により、選択することができる。サンプル閾値は、ゼロであるかまたはゼロ近くであってもよく、サンプルがサンプル出力シグナルを生成することができる場合に、サンプルが存在することを意味する。サンプル閾値を選択して、サンプルが存在する場合を検出する正確性および/または精密性を上昇させるかまたは低下させることができる。その他のサンプル閾値を使用することができる。
【0038】
[0056] サンプルの存在を検出する場合、バイオセンサは、規則的なポーリング期間の終了時またはその他の選択されたタイミングで、すぐに規則的なポーリング配列を停止することができる。サンプルの存在を検出しない場合、バイオセンサは、1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を通じて、規則的なポーリング配列を印加し続ける。1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を完了し、そしてサンプルが何も検出されない後、バイオセンサを不活性化することができ、スリープモードに導入することができ、あるいは1またはそれ以上の規則的なポーリング期間をリスタートすることができる。
【0039】
[0057] バイオセンサは、試験励起シグナルが印加されるまでまたは拡張パルス配列の期間に、サンプルが検出されるときからの時間の計測を開始することができる。バイオセンサは、その他の期間を計測することができる。計測は、ゆっくりと充填されるサンプルに反応して、さらなる作用を遅延させるためのバッファーの一部であり得る。バイオセンサがサンプルが存在しないことやサンプル体積が不十分であることなどを検出する場合、バイオセンサは、1またはそれ以上の遅延期間の後、さらなる作用を起こす前に、規則的なポーリングシグナルまたは拡張ポーリングシグナルに由来する出力パルスをチェックすることができる。遅延期間は、約3分未満、約2分未満、または約1分未満であってもよい。遅延期間は、約5秒〜約120秒の範囲、約10秒〜約90秒の範囲、約10秒〜約60秒の範囲、そして約20秒〜約45秒の範囲内であってもよい。その他の遅延期間を選択することができる。計測は、その他の基準、例えばその他の試験を行うためのその他の基準、またはその他の作用を行うためのその他の基準のために使用することができる。
【0040】
[0058] バイオセンサはまた、より多くのサンプルが解析用の貯留容器に追加されたことを検出する。使用する際、バイオセンサは、サンプルが解析のために不十分な容量を揺する場合に1またはそれ以上の規則的なポーリング期間をリスタートすることができる。バイオセンサは、センサストリップに対してより多くのサンプルを追加するように、ユーザに対して要求することができる。追加のサンプルがセンサストリップの貯留容器中に存在する場合、規則的なポーリング配列に反応して、より大きなサンプル容量が、1またはそれ以上のサンプル出力シグナルを生成する。上述したように、サンプル出力シグナルは、サンプル出力シグナルが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達する場合または到達しない場合に、それぞれ、追加のサンプルが存在するかまたは存在しないかを示している。追加のサンプルが存在しない場合、バイオセンサは、規則的なポーリング期間を継続し、1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を通じて繰り返し、規則的なポーリング期間を開始しまたはリスタートし、バイオセンサを不活性化し、スリープモードに導入する。
【0041】
[0059] バイオセンサは、複数のサンプル閾値を使用して、センサストリップ中の追加のサンプルを検出することができる。バイオセンサは、第1のまたは初期のサンプル閾値を有して、センサストリップ中におけるサンプルの初期存在を検出することができる。バイオセンサは、第2のまたはリフィルサンプル閾値を有して、バイオセンサがユーザに対してより多くのサンプルを追加するように要求した後などに、より多くのサンプルをセンサストリップに対して追加する場合を検出することができる。その他の複数のサンプル閾値を使用することができる。
【0042】
[0060] 図1の108において、バイオセンサは、生体液サンプルに対して、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列を適用する。サンプルの存在を検出した後に、バイオセンサが拡張ポーリング配列をサンプルに対して適用する。バイオセンサは、規則的なポーリング配列の直後に、遷移期間の直後に、またはその他の選択された時間の直後に、拡張ポーリング配列を適用してもよい。直後には、規則的なポーリング配列から拡張ポーリング配列への時間遷移がわずかであるかまたは存在しない場合が含まれる。バイオセンサは、中断や妨害なしに、規則的なポーリング配列から拡張ポーリング配列へと遷移することができる。遷移は、規則的なポーリング配列を作成することができ、そして拡張ポーリング配列の一部は、特に、規則的な入力パルスの規則的な振幅および拡張入力パルスの拡張振幅が本質的に同一である場合、同一の配列である可能性がある。ポーリングシグナルには、1またはそれ以上の拡張ポーリング配列が存在していてもよい。図2から図5は、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列を示す。その他の拡張ポーリング配列およびポーリングシグナルを使用することができる。
【0043】
[0061] 拡張ポーリング配列は、ポーリングシグナルの一部である。拡張ポーリング配列は、一群の1またはそれ以上の拡張入力パルスインターバルである。拡張入力パルス間隔は、拡張入力パルスと拡張弛緩との合計である。それぞれの拡張入力パルスは、拡張振幅と拡張入力パルス幅とを有する。拡張振幅は、電気的シグナルの電位、電流などの強度を示す。拡張振幅は、拡張入力パルスのあいだ、変化してもよくまたは一定であってもよい。拡張入力パルス幅は、拡張入力パルスの継続時間である。拡張ポーリング配列における拡張入力パルス幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。それぞれの拡張弛緩は、拡張弛緩幅を有し、これは拡張弛緩の継続時間である。拡張ポーリング配列における拡張弛緩幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0044】
[0062] 拡張ポーリング配列は、1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスを有し、そして1またはそれ以上のいずれかの同様の拡張入力パルスを有していてもよい。異なる拡張入力パルスは、規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスとは異なる。同様な拡張入力パルスは、規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスと本質的に同一である。最後のおよび/またはもう一つの拡張入力パルスは、規則的な入力パルスとは異なっていてもよい。拡張ポーリング配列は、1またはそれ以上のより高い拡張入力パルスおよび1またはそれ以上のより低い拡張入力パルスを有していてもよい。拡張ポーリング配列は、ただ一つの異なる拡張入力パルスを有していてもよい。拡張ポーリング配列は、異なる拡張入力パルスのみを有していてもよい。拡張ポーリング配列は、ステップダウン、ステップアップ、またはこれらの組合せをする、2またはそれ以上の拡張入力パルスを有していてもよく、これはすべてが異なる拡張入力パルスまたは類似する拡張入力パルスと異なる拡張入力パルスとの組み合わせであってもよい。ステップダウンには、拡張振幅がその後の入力パルスのそれぞれにより減少する拡張入力パルスが含まれる。ステップアップには、拡張振幅がその後の入力パルスそれぞれにより増加する拡張入力パルスが含まれる。拡張振幅の増加および減少は、同一であっても同一でなくてもよい。その他の拡張ポーリング配列を使用することができる。
【0045】
[0063] 拡張ポーリング配列は、レドックス反応、1またはそれ以上の分析対象物、電極の数および/または構造、1またはそれ以上のメディエータ、レドックス対、電気化学的プロセスまたは光学的プロセス、これらの組合せ、などに反応して、選択することができる。拡張ポーリング配列の選択には、パルスまたはサイクルの数、同様の拡張入力パルスおよび異なる拡張入力パルス、拡張振幅およびパルス幅の数および順番、これらの組合せ、などが含まれる。拡張入力パルスは、体積閾値に達する体積出力シグナルの可能性を増加させまたは減少させるように選択することができる。拡張ポーリング配列は、その他の基準に応じて選択することができる。
【0046】
[0064] 異なる拡張パルスは、規則的なパルスと同一ではない。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスの規則的な(1または複数の)振幅と同一ではない、拡張振幅を有する拡張パルスが含まれる。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスが可変の(1または複数の)振幅を有する場合に、一定の振幅を有する拡張パルスが含まれる。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスが一定の(1または複数の)振幅を有する場合、可変の振幅を有する拡張パルスが含まれる。異なるものには、規則的な(1または複数の)パルスの規則的な(1または複数の)パルス幅と同一ではない、拡張パルス幅を有する拡張パルスが含まれる。その他の異なる拡張パルスを使用することができる。
【0047】
[0065] 拡張ポーリング配列は、拡張入力パルスのサイクルであってもよい。サイクルには、少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを含む、2またはそれ以上の拡張入力パルスが含まれる。サイクルには、一連の拡張ポーリング配列が含まれ、それは同一であっても同一ではなくてもよい。サイクルは、規則的なポーリング配列の規則的なパルスと本質的に同一である、1またはそれ以上の同様の拡張入力パルスを有していてもよい。サイクルは、1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスを有していてもよく、たがいに本質的に同一であっても同一ではなくてもよい。サイクルは、ステップダウン、ステップアップ、またはこれらの組み合わせをする、2またはそれ以上の拡張入力パルスを有していてもよい。その他のサイクルを使用することができる。
【0048】
[0066] 拡張ポーリング配列は、約500 ms未満の拡張入力パルス幅および約2秒未満の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約100 ms未満の拡張入力パルス幅および約500 ms未満の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約0.5ミリ秒〜約75 msの範囲の拡張入力パルス幅および約5 ms〜約300 msの範囲の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約1ミリ秒〜約50 msの範囲の拡張入力パルス幅および約10 ms〜約250 msの範囲の拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、約5 msの拡張入力パルス幅および約125 msの拡張入力パルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング配列は、その他のパルス幅およびその他のパルス間隔を有していてもよい。
【0049】
[0067] バイオセンサは、拡張ポーリング期間のあいだ、サンプルに対して拡張ポーリング配列を印加する。拡張ポーリング期間は、約15分未満、5分未満、2分未満、または1分未満であってもよい。拡張ポーリング期間はより長くてもよい。拡張ポーリング期間は、実質的に一定であってもよく、あるいはサンプル体積の検出またはサンプル体積の充足性の検出を改善するために固定されていてもよい。拡張ポーリング期間を、ゆっくりと充填されるサンプル用のバッファーとして作用するために選択することができる。その他の拡張ポーリング期間を使用することができる。
【0050】
[0068] 拡張ポーリング期間の後、バイオセンサを、不活性化し、スリープモードに導入し、別の拡張ポーリング期間を開始し、別の規則的なポーリング期間を開始し、サンプル体積が解析のために不十分である場合に複数の規則的なポーリング期間を通じてサイクルさせる、などすることができる。サンプル体積が解析のために十分な場合、バイオセンサは、拡張ポーリング期間の終了後すぐにまたはその他の選択された時点で、試験励起シグナルを印加することができる。
【0051】
[0069] 拡張ポーリング期間は、約0.5秒〜約15分の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約5秒〜約5分の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約10秒〜約2分の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約20秒〜約60秒の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約30秒〜約40秒の範囲内であってもよい。拡張ポーリング期間は、約200未満のパルス間隔、100未満のパルス間隔、50未満のパルス間隔、または25未満のパルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約2〜約150のパルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約5〜約50のパルス間隔を有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約5〜約15のパルス間隔をを有していてもよい。拡張ポーリング期間は、約10のパルス間隔を有していてもよい。その他の拡張ポーリング期間を使用することができる。
【0052】
[0070] 図1の110において、バイオセンサは、またはそれ以上の分析対象物のサンプルの容量が解析のために十分であるかまたは十分ではないかを検出する。解析のために十分であることには、選択されたサンプル体積、最小のサンプル体積および/または最大のサンプル体積、1またはそれ以上のサンプル体積範囲、などが含まれる。解析のために十分であることには、分析対象物解析またはその他の設計基準の所望の正確性および/または精密性に関して選択された、1またはそれ以上のサンプル体積が含まれる。解析のために十分であることには、1またはそれ以上の分析対象物のいずれかの解析に関して本質的に少なすぎる、サンプルの不存在が含まれる。解析のために十分ではないかまたは不十分であることには、十分であることに関して、1またはそれ以上の上述のまたはその他の基準を有さないサンプル体積が含まれる。バイオセンサは充填量不足であるか、またはサンプル体積が解析に関して十分ではないかまたは不十分である場合に充填量不足条件が生じる。充填量不足条件には、バイオセンサが正確におよび/または精密に生体液中の1またはそれ以上の分析対象物の濃度を解析するために十分に多くはないサイズまたは容量を有する、バイオセンサの生体液サンプルが含まれる。解析のために十分なまたは不十分なサンプルの体積は、実験的に、理論的に、これらの組合せ、などで決定することができる。
【0053】
[0071] バイオセンサは、拡張ポーリング配列に反応してサンプルにより生成された1またはそれ以上の容量出力シグナルを検出する。拡張ポーリング配列がサンプルに対して印加される場合、拡張ポーリング配列のそれぞれの拡張入力パルスは、拡張出力パルスを生成する。1またはそれ以上の拡張出力パルスは、容量出力シグナルを形成する。容量出力シグナルは、電流または電位などの電気的シグナルである。容量出力シグナルは、1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスが1またはそれ以上の異なる拡張出力パルスを生成することができること以外は、サンプル出力シグナルと本質的に同一である。バイオセンサは、ディスプレイ上に容量出力シグナルを示すことができ、および/またはメモリデバイス中に容量出力シグナルを保存することができる。
【0054】
[0072] 容量出力シグナルは、同様出力パルスおよび拡張出力パルスを有する。拡張ポーリング配列の拡張入力パルスは、同様の拡張出力パルスまたはサンプルとは異なる拡張出力パルスを生成する。同様の拡張出力パルスは、同様の拡張入力パルスに応じて生成される。異なる拡張出力パルスは、異なる拡張入力パルスに応じて生成され、そしてバイオセンサ中のサンプル体積に反応性である。このように、サンプルが十分な体積、これらの組合せ、または同様の基準を有しているか否かにかかわらず、異なる拡張出力パルスを使用して、サンプル容量を検出することができる。
【0055】
[0073] バイオセンサは、サンプル体積が、1またはそれ以上の容量出力シグナルに応答する解析のために十分かまたは不十分であるかを検出する。バイオセンサは、体積出力シグナル中の1またはそれ以上の異なる拡張出力パルスが、1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合に、サンプル体積が十分であるかどうかを検出する。バイオセンサは、体積出力シグナル中の異なる拡張出力パルスが何も1またはそれ以上の体積閾値に到達しない場合、サンプル体積が不十分であるかどうかを検出する。バイオセンサがサンプル体積が不十分であることを示唆する異なる拡張出力パルスを検出する場合、バイオセンサは、サンプル体積が不十分であることを示すことができ、追加のサンプルを待ち、拡張ポーリング配列をすぐにまたは遅延期間がカウントされた後にリスタートし(遅延期間は、ゆっくりと充填するサンプルの完全な充填を可能にすることができる)、規則的なポーリング配列をリスタートし、スリープモードに導入し、不活性化し、これらの組合せ、などをすることができる。バイオセンサは、1またはそれ以上の体積閾値を使用して、サンプル体積範囲または容量範囲を決定することができ、サンプル体積が、1未満のまたはそれ以上の体積と同等であり、1未満のまたはそれ以上の体積とを超え、および/または1未満のまたはそれ以上の体積であるかどうかを決定することができる。
【0056】
[0074] バイオセンサは、体積出力シグナル中の1またはそれ以上の異なる拡張出力パルスが、1またはそれ以上の体積閾値に到達するか、または到達しない場合、サンプル体積がそれぞれ十分であるかまたは不十分であるかを、検出する。サンプルがより少ないかまたは不十分な容量を有する場合(充填量不足条件)、サンプルは、より多い容量または十分な容量を有するサンプル(完全充填条件)と比較して、センサストリップ中のより少ない電極をカバーする。より少ないことそしてより多いことは、不十分なサンプル体積と十分なサンプル体積とをそれぞれ識別する。より少ないことそしてより多いことは、実験データ、理論的解析、容量または解析の所望の精密性および/または正確性、使用される(1または複数の)レドックス対またはメディエータ、電極構造、それらの組み合わせなどに応じて選択することができる。
【0057】
[0075] 電極範囲の量は、サンプル体積に関連しており、そして拡張ポーリング配列の拡張入力パルスから生成される拡張出力パルスに影響を与える可能性がある。1またはそれ以上の体積閾値および1またはそれ以上の異なる拡張入力パルスは、サンプル体積に応じて、サンプルから異なる拡張出力パルスを生成するように選択することができる。拡張入力パルスが:(1)サンプルが電極のより多い部分をカバーし、それがサンプルが十分なまたは所望の容量(完全充填条件)を有することを示す場合、体積閾値に到達し;そして(2)サンプルが電極のより少ない部分をカバーし、サンプルが十分なまたは所望の容量を有さないこと(充填量不足条件)を示す場合。体積閾値に到達しない、異なる拡張出力を生成するように選択することができる。その他の異なる拡張出力パルスおよび閾値を、選択することができる。
【0058】
[0076] 容量閾値を、充填量不足条件および完全充填条件、異なる体積、最小体積および/または最大体積、容量範囲、特定の体積、これらの組合せ、などの間を識別するように選択することができ、。容量閾値は、ルックアップテーブルなどから得られたメモリデバイス中に保存された所定の閾値であってもよい。所定の閾値は、研究室の研究の統計解析から開発することができた。その他の所定の閾値を使用することができる。容量閾値は、1またはそれ以上の出力シグナルに応じて、測定された閾値または算出された閾値であってもよい。その他の測定された閾値または算出された閾値を使用してもよい。容量閾値は、1またはそれ以上の出力シグナルがサンプル体積に応じてより強力であるかまたはより弱い場合を同定するように選択することができる。容量閾値は、1またはそれ以上の出力シグナルの変化が容量条件に応じている場合を同定するように選択することができる。容量閾値を、理論的解析により、解析の所望の精密性および/または正確性により、またはその他の基準により、選択することができる。体積閾値は、ゼロであるかまたはほぼゼロであってもよく、このことは、いずれかのサンプル体積が解析のために十分であることを示す。体積閾値は、サンプル閾値と本質的に同一であってもよい。容量閾値は、体積閾値に到達する体積出力シグナルの可能性を増加させるかまたは減少させるように選択することができる。可能性には、実質的に所望の結果を達成する機会または確率が含まれる。その他の体積閾値を使用することができる。
【0059】
[0077] 容量閾値を、解析の正確性および/または精密性を上昇または低下させるため、サンプル体積を検出するため、サンプル体積が不十分であることを検出するため、これらの組合せ、などのために選択することができる。サンプル体積またはサンプルが、解析のために十分な容量を有さないことを示唆する、体積閾値の範囲または数値が存在していてもよい。この範囲または数値の中で、1またはそれ以上の体積閾値が、その他の体積閾値と比較して、容量またはサンプルの容量充足性を示す際に、より正確なおよび/またはより精密なものであってもよい。このように、これらのより正確なおよび/またはより精密な体積閾値を、容量またはサンプルの容量充足性を示すその他の体積閾値の代わりに選択することができる。
【0060】
[0078] 充填量不足認識システムは、複数の体積閾値を使用して、サンプル容量またはバイオセンサの充填量不足の程度を測定することができる。体積出力シグナルが1つの体積閾値を越え、そして別の体積閾値を越えていない場合、この体積出力シグナルは、サンプル体積がそれらの体積閾値と関連した体積の間にあることを示す。より大きな体積閾値を使用して、より正確な容量測定を提供することができる。
【0061】
[0079] 複数の体積閾値を使用して、複数の解析または異なる解析のために十分なサンプル体積が存在するかどうかを決定することもできる。体積出力シグナルが2つの体積閾値の間にある場合;この体積出力シグナルは、1回の解析のためには十分なサンプル体積が存在するが、第2の解析(例えば、全血中のグルコースおよびコレステロールについて解析する場合)のためには十分なサンプル体積がない場合を示すことができる。複数の体積閾値を使用して、サンプル体積に応じたその他の測定値を得ることができる。
【0062】
[0080] 1またはそれ以上の閾値を、その他の設計要素に関して選択することができる。1またはそれ以上の拡張入力パルスを、選択された設計要素に応じた1またはそれ以上の拡張ポーリング出力パルスを生成することができる。これらの出力パルスを使用して、設計要素が充足されている場合を測定することができ、そしてしたがって、試験励起シグナルが開始した時期を開始するかどうか、別の規則的なポーリング配列をリスタートするかどうか、別の拡張ポーリング配列をリスタートするかどうか、その他の作用を行かどうか、などを測定することができる。
【0063】
[0081] 拡張ポーリング配列におけるサイクルを使用して、ゆっくりと充填されるサンプルのためのバッファーまたは遅延を作成することができる。出力シグナルにおける初期拡張出力パルスが不十分な体積を示す可能性がある一方、より遅くのまたは最後の拡張出力パルスが、サンプルが実質的に完全な充填を有する場合に、十分な容量であることを示すことができる。拡張ポーリング配列におけるサイクルは、その他の基準、例えば、容量またはサンプルの容量範囲を決定するための複数の閾値の有無、に関して、使用することができる。
【0064】
[0082] 通常のそして拡張ポーリング配列は、最後の低拡張ポーリング出力が体積閾値値に合致しない場合に生成される。このサイクリングは、サンプル体積が体積閾値を満たすまでまたは前に検討したように選択された数のポーリング配列のあいだ、無期限に継続することができる。この時間のあいだ、追加のサンプルをセンサストリップに追加して、体積閾値の適合を誘導することができる。図2〜図5は、サイクリング操作を示す。
【0065】
[0083] 図1の112において、バイオセンサは、サンプルが解析のために不十分な容量を有する場合を示す。バイオセンサは、1またはそれ以上の容量出力シグナルに応じて、1またはそれ以上のエラーシグナルまたはその他の指標を生成する。バイオセンサなどの指標は、例えば、アイコン、フラッシュライト、光-照射ダイオード、オーディオサウンド、テキストメッセージ、などを利用して、サンプルサイズがユーザにとって十分な大きさではないことを示すことができる。指標は、サンプルサイズがバイオセンサにとって十分な大きさではないことを示すこともできる;不十分なサンプルサイズに応じて、例えば、解析を停止し、ポーリングシグナルをリスタートし、バイオセンサを不活性にする、などの、いくつかの機能または作用を行うことができる。バイオセンサは、検出の直後におよび/または分析対象物の解析の前に1またはそれ以上の指標を生成することができる。バイオセンサは、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物の解析の間にまたはその後に、1またはそれ以上の指標を生成することができる。1またはそれ以上の指標は、ディスプレイデバイス上に示しおよび/またはメモリデバイス中に保存することができる。
【0066】
[0084] 1またはそれ以上の指標には、サンプルに対して生体液を追加するためのユーザーに対するリクエストが含まれてもよい。このリクエストは、指標であってもよく、または指標に応答するものであって泳い。リクエストは、分析対象物の解析を行う前にサンプルを追加するというものであってもよい。バイオセンサは、サンプルサイズが十分な大きさではないことを示す、1またはそれ以上の指標に応じておよび/または1またはそれ以上の容量出力シグナルに応じて、分析対象物解析を停止することができる。停止することには、スタートしないこと、スタートを防止すること、または解析を中断することが含まれる。
【0067】
[0085] バイオセンサは、ユーザに対してより多くのサンプルを追加するようにリクエストすることができる。バイオセンサは、ユーザにサンプル体積または充填量不足の程度に応じて、多かれ少なかれ追加のサンプルを求めるようにリクエストすることができる。例えば、バイオセンサは、サンプル体積が半量未満である場合あるいは所望のサンプル体積の別の選択された部分である場合など、ユーザに対してより多くの量、2倍のサイズ、または2回の追加のサンプルを、バイオセンサに対して追加することをリクエストすることができる。あるいは、バイオセンサは、ユーザに対してより少量、半分のサイズ、またはサンプル体積が解析のために十分な容量に近いが十分という程ではない場合に追加のサンプルのその他の選択された部分、を追加するようにリクエストすることができる。1またはそれ以上の体積閾値を使用して、ユーザに対して3回目またはそれ以上の追加のサンプルを1回の解析のためにバイオセンサに対して追加するようリクエストすることを回避することができる。
【0068】
[0086] 図1の114において、バイオセンサは、十分なサンプル体積が解析のために利用可能である場合、試験励起シグナルを印加する。バイオセンサは、上述したように、体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に達し、それによりサンプル体積解析のために十分であることを示す場合、試験励起シグナルをサンプルに対して印加する。試験励起シグナルを、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列の直後に印加することができる。試験励起シグナルを、ポーリングシグナルの拡張ポーリング配列の後の選択された時間内に、印加することができる。体積出力シグナルが十分なサンプルが解析のために利用可能であることを示すまで、試験励起シグナルを、印加することを停止することができる。試験励起シグナルは、サンプル中の分析対象物濃度の電気化学的解析、光学的解析、または同様な解析を開始しておよくおよび/または電気化学的解析、光学的解析、または同様な解析の一部であってもよい。
【0069】
[0087] 試験励起シグナルは、一組の周波数または間隔でパルスを発するかまたはオンおよびオフを切り替える、電流または電位などの電気的シグナルである。図2〜図5はそれぞれ、ゲート化電流測定電気化学的解析のアッセイ電位配列である試験励起シグナルを示す。その他の試験励起シグナルを使用することができる。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、試験出力シグナルを生成する。試験出力シグナルは、電流または電位などの電気的シグナルであり、これを使用してサンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を測定することができる。
【0070】
[0088] 試験励起シグナルは、試験弛緩により分離された試験パルスの配列である。試験パルスのあいだ、電気的シグナルはオンである。オンには、電気的シグナルが存在する期間が含まれる。試験弛緩のあいだ、電気的シグナルがオンである場合に応じて、電気的シグナルは振幅の点で顕著に低下する。低下する、には、電気的シグナルが電気的シグナルがオンであることに応じて、少なくとも1桁低下することが含まれる。低下する、には、電気的シグナルが低下してオフになる場合も含まれる。オフには、電気的シグナルが存在しない期間が含まれる。電気的シグナルが存在するが本質的に振幅を有さない場合、オフにはその期間は含まれない。電気的シグナルは、電気回路をそれぞれ閉じるかまたは開放することによりそれぞれオンとオフとの間でスイッチすることができる。電気回路は、機構的に、電気的になどで開放しそして綴じることができる。その他のオン/オフメカニズムを使用することができる。
【0071】
[0089] 試験励起シグナルは、またはそれ以上の試験パルス間隔を有してもよい。試験パルス間隔は、試験パルスと試験弛緩の合計である。それぞれの試験パルスは、試験振幅と試験パルス幅とを有する。それぞれの試験パルスは、同一のまたは異なる試験振幅および/または同一のまたは異なる試験パルス幅を有してもよい。試験振幅は、電気的シグナルの電位、電流、などの強度を示す。試験振幅は、試験パルスのあいだ変動してもよく、一定であってもよい。試験パルス幅は、試験パルスの継続時間である。試験パルス幅は、試験励起シグナルにおいて変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。それぞれの試験拡張弛緩は、試験弛緩の継続時間である試験弛緩幅を有する。試験励起シグナルにおける試験弛緩幅は、変動してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0072】
[0090] 試験励起シグナルは、約5秒未満の試験パルス幅および約15秒未満の試験パルス間隔を有してもよい。試験励起シグナルは、約3秒未満の試験パルス幅、2秒未満の試験パルス幅、1.5秒未満の試験パルス幅、または1秒未満の試験パルス幅を有していてもよく、そして約13秒未満の試験パルス間隔、7秒未満の試験パルス間隔、4秒未満の試験パルス間隔、3秒未満の試験パルス間隔、2.5秒未満の試験パルス間隔、または1.5秒未満の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.1秒〜約3秒の範囲の試験パルス幅および約0.2秒〜約6秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.1秒〜約2秒の範囲の試験パルス幅および約0.2秒〜約4秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.1秒〜約1.5秒の範囲の試験パルス幅および約0.2秒〜約3.5秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.4秒〜約1.2秒の範囲の試験パルス幅および約0.6秒〜約3.7秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約0.5秒〜約1.5秒の範囲の試験パルス幅および約0.75秒〜約2秒の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、約1秒の試験パルス幅および約1.5秒の試験パルス間隔を有していてもよい。試験励起シグナルは、その他のパルス幅およびその他のパルス間隔を有していてもよい。
【0073】
[0091] バイオセンサは、試験期間中に、サンプルに対して試験励起シグナルを印加する。試験期間は、ポーリング期間と同一のまたは異なる期間または規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列のいずれかを有していてもよい。試験励起シグナルは、電気化学的解析システまたは光学的解析システムの一部であってもよく、またはそれに追加するものであってもよい。
【0074】
[0092] 試験励起シグナルの試験期間は、約180秒未満、120秒未満、90秒未満、60秒未満、30秒未満、15秒未満、10秒未満、または5秒未満であってもよい。試験期間は、約1秒〜約100秒の範囲内であってもよい。試験期間は、約1秒〜約25秒の範囲内であってもよい。試験期間は、約1秒〜約10秒の範囲内であってもよい。試験期間、約2秒〜約3秒の範囲内であってもよい。試験期間は、約2.5秒であってもよい。試験期間は、約50回未満の、25回未満の、20回未満の、15回未満の、10回未満の、8回未満の、6回未満の、または4回未満の試験パルス間隔を有するものであってもよい。試験期間は、約2〜約50の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験期間は、約2〜約25の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験期間は、約2〜約15の範囲の試験パルス間隔を有していてもよい。試験期間は、約10回の試験パルス間隔を有していてもよい。その他の試験期間を使用することができる。
【0075】
[0093] 図1の116において、バイオセンサは、試験出力シグナル由来のサンプルの分析対象物濃度を測定する。ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、生体液サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を測定するために使用される電気化学的センサまたは光学的センサシステムの一部または追加の部分であってもよい。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、1またはそれ以上の試験出力シグナルを生成する。バイオセンサは、サンプルにより生成される試験出力シグナルを測定する。バイオセンサは、ディスプレイ上に試験出力シグナルを示すことができおよび/またはメモリデバイス中に試験出力シグナルを保存することができる。バイオセンサは、試験出力シグナルを、サンプル中の分析対象物の濃度と相関させる。
【0076】
[0094] 電気化学的センサシステムおよび光学的センサシステムにおいて、サンプル中の分析対象物の酸化/還元反応またはレドックス反応は、1またはそれ以上のアッセイまたは試験出力シグナルを生成する。レドックス反応は、少なくとも1つの電子の第1の種から第2の種への移動に関与する2つの種のあいだでの化学反応である。レドックス反応には、酸化および還元の半電池が含まれる。反応の酸化半電池は、第1の種による少なくとも1つの電子の喪失と関与している。還元半電池は、第2の種への少なくとも1つの電子の追加と関与している。酸化される種のイオン性の荷電は、除去される電子の数に等しい量により、より正になる。同様に、イオン性の荷電は、獲得された電子数と等しい比量により、より低い正である。酵素または同様の種は、サンプルに対してレドックス反応の特異性を高めるように添加した。
【0077】
[0095] 光学的センサシステムは、化学的指示薬を分析対象物レドックス反応と反応させることにより吸収または測定される、一般的に光の量を測定する。還元される種の酵素は、反応動力学を向上させる化学的指標にて含まれる可能性がある。この試験励起シグナル光学的センサシステムによる解析を開始する。光学的システムに由来する試験出力シグナルまたは光を、分析対象物濃度を測定するために使用される電流または電位などの電気的シグナルに変換することができる。
【0078】
[0096] 光吸収光学的システムにおいて、化学的指標は、光を吸収する反応性生物を生成する。光源からの付随的な励起ビームが、サンプルに対して向けられる。付随的なビームを、サンプルから反射されて戻るか、またはサンプルを介して検出器に向けて伝えることができる。検出器は、弱められた付随的なビーム(試験出力シグナル)を回収しそして測定する。反応性生物により弱められた光の量は、サンプル中の分析対象物濃度の指標である。
【0079】
[0097] 光-生成型の光学的システムにおいて、化学物質検出器は、分析対象物のレドックス反応に応じて蛍光または光を発生する。検出器は、生成された光(試験出力シグナル)を回収しそして測定する。化学的指標により生成される光の量は、サンプルにおける分析対象物濃度の指標である。
【0080】
[0098] 電気化学的センサシステムにおいて、試験励起シグナルは、生体液サンプルにおける分析対象物のレドックス反応を開始する。試験励起シグナルは、電位または電流であってもよく、そして一定であっても、可変であっても、またはACシグナルをDCシグナルオフセットと共に印加する場合などのそれらの組み合わせであってもよい。試験励起シグナルを、単一パルスとしてまたは複数のパルス、配列、またはサイクルにおいて、印加することができる。酵素または同様の種を使用して、分析対象物のレドックス反応を亢進することができる。メディエータを使用して、酵素の参加状態を維持することができる。メディエータは、酸化または還元することができる物質または1またはそれ以上の電子を輸送することができる物質である。メディエータは試薬であり、そして目的とする分析対象物ではなく、しかし分析対象物の間接的測定をもたらすものである。より単純には、メディエータは、分析対象物の酸化または還元に応じてレドックス反応を受ける。ついで、酸化されたメディエータまたは還元されたメディエータは、センサストリップの作用電極にて反対の反応を受け、そしてその元々の酸化数に再生成させる。レドックス反応は、一過性の出力および/または定常状態の出力のあいだに定常的にまたは定期的にすることができる試験出力シグナルを生成する。様々な電気化学的プロセスは、電流測定、電量分析、ボルタンメトリー、ゲート型電流測定、ゲート型ボルタンメトリー、などとして使用することができる。
【0081】
[0099] 電流測定において、電位または電位を、生体液サンプルに対して印加する。分析対象物のレドックス反応は、電位に応じて電流を生成する。電流は、定電位で固定した時点で測定され、サンプル中の分析対象物を定量する。電流測定は、一般的に、分析対象物が酸化されまたは還元される速度を測定し、サンプル中の分析対象物濃度を測定する。電流測定を使用するバイオセンサシステムは、U.S. Pat. Nos. 5,620,579;5,653,863;6,153,069;および6,413,411に記載される。
【0082】
[00100] 電量分析において、電位が生体液サンプルに対して印加され、サンプル中の分析対象物を徹底的に酸化または還元する。電位は、電流を生成し、それは酸化/還元の時間に対して積分され、分析対象物濃度を示す電化を生成する、。電量分析は、一般的に、サンプル中の分析対象物の全量を補足するが、サンプル体積が知られていることを必要とする。全血グルコース測定に関して電量分析を使用するバイオセンサシステムは、U.S. Pat. No. 6,120,676に記載される。
【0083】
[00101] ボルタンメトリーにおいて、様々な電位が生体液サンプルに対して印加される。分析対象物のレドックス反応は、印加された電位に応じて、電流を生成する。電流は、印加された電位の関数として測定され、サンプル中の分析対象物を定量化する。ボルタンメトリーは一般的に、分析対象物が酸化されまたは還元されて、サンプルにおける分析対象物濃度を決定する速度を一般的に測定する。
【0084】
[00102] ゲート型電流測定およびゲート型ボルタンメトリーにおいて、パルス状の励起を、U.S. Pat. Pubs. 2008/0173552(2007年12月19日に出願)および2008/0179197(2006年2月26日に出願)にそれぞれ記載されているように使用することができる。
【0085】
[00103] 試験励起シグナルおよび出力シグナルを、電気化学的センサシステムのパルス状励起シグナルおよび出力シグナルに対して添加する事ができるか、またはその中に取り込むことができる。試験励起シグナルは、ゲート型電流測定システムまたはゲート型ボルタンメトリーシステムにおいて、サンプルに対して印加される試験励起シグナルの一部であってもよい。試験励起シグナルは、試験期間の間にサンプルに対して印加される試験励起シグナルの部分であってもよい。試験出力シグナルは、試験期間のあいだにサンプルにより生成される試験出力シグナルの一部であってもよい。試験励起シグナルおよび出力シグナルを、その他の電気化学的センサシステムに対して添加するしてもよく、またはその他の電気化学的センサシステムに取り込んでもよい。
【0086】
[00104] 充填量不足認識システムを有するバイオセンサにおいて、ポーリング配列の規則的な振幅そして拡張された振幅を選択して、ポーリングシグナルの印加の間のサンプルにおける(1または複数の)分析対象物濃度の不可逆的な変化を低下させまたは実質的に除去することができる。“不可逆的な変化”は、大きさ(mass)の変化、体積の変化、化学的特性または電気的特性の変化、これらの組合せ、例えばもともとの条件を行うことができないかまたは本質的にもともとの条件へと戻ることができないもともとも条件から別の条件への変化、である。ポーリングシグナルにおける1またはそれ以上のより大きな規則的な振幅または拡張された振幅は、サンプル中の分析対象物濃度を不可逆的に変化させることができる。より大きな振幅またはより長いパルス幅は、サンプル中の(1または複数の)分析対象物を不可逆的に酸化し、還元し、または変化させる。より小さな振幅またはより短いパルス幅は、サンプル中の(1または複数の)分析対象物を不可逆的には酸化し、還元し、または変化させることがない。分析対象物濃度をレドックス反応の拡散速度に対して相関させる解析において、いったん分析対象物の部分がより大きな振幅またはより長いパルス幅を有するパルスにより不可逆的に変化されると、もともとの拡散速度を得ることはできない。これらの解析において、パルス幅は、分析対象物濃度を変化させるようである。
【0087】
[00105] 充填量不足認識システムとともにゲート型電流測定を使用するバイオセンサにおいて、ポーリングシグナル中の1またはそれ以上の大きなパルスは、サンプル中の(1または複数の)分析対象物(例えば、全血中のグルコース)の一部を酸化しまたは変化させることができる。ポーリング配列の規則的な振幅および拡張された振幅は、約1.5ボルト(V)未満、1.0 V未満、800ミリボルト(mV)未満、600 mV未満、または500mV未満など、小さくてもよい。規則的な振幅および拡張された振幅は、約5 mV〜約800 mVの範囲、約25 mV〜約600 mVの範囲、または約50 mV〜約500 mVの範囲内であってもよい。規則的な振幅は、約300 mV〜約800 mVの範囲、約350 mV〜約600 mVの範囲、または約400 mV〜約500 mVの範囲内であってもよい。拡張振幅は、約5 mV〜約350 mVの範囲、約10 mV〜約250 mVの範囲、約25 mV〜約150 mVの範囲、または約50 mV〜約100 mVの範囲内であってもよい。その他の電気化学的解析および光学的解析を伴うその他のバイオセンサを、使用することができる。
【0088】
[00106] 電流測定を充填量不足認識システムと共に使用するバイオセンサにおいて、ポーリングシグナルにおける1またはそれ以上の大きなパルスは、サンプル中の(1または複数の)分析対象物(例えば、全血中のグルコース)の一部を酸化しまたは変化させることができる。規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列のパルス幅は、せいぜい50 msまたはせいぜい20 msなどの短いものであってもよい。規則的なパルス幅そして拡張パルス幅は、約1 ms〜約15 msの範囲、または約5 ms〜約10 msの範囲内であってもよい。その他の電気化学的解析および光学的解析を伴うその他のバイオセンサを、使用することができる。
【0089】
[00107] 充填量不足認識システムとともにゲート型電流測定を使用するバイオセンサにおいて、ポーリング出力シグナル約1,500ナノアンペア(nA)未満の電流、1,000 nA未満の電流、または500 nA未満の電流を有することができる。ポーリング出力シグナルは、ポーリングシグナルに応じて生成され、それには規則的なポーリング配列および拡張されたポーリング配列が含まれる。ポーリング出力シグナルには、サンプルシグナルおよび容量出力シグナルが含まれる。サンプル出力シグナルは、規則的なポーリング配列に応じて生成される。容量出力シグナルは、拡張ポーリング配列に応じて生成される。サンプル出力シグナルは、約5 nA〜約800 nAの範囲の電流、約50 nA〜約500 nAの範囲の電流、約100 nA〜約400 nAの範囲の電流、または約200 nA〜約300 nAの範囲の電流を有していてもよい。容量出力シグナルは、約5 nA〜約800 nAの範囲の電流、約50 nA〜約500 nAの範囲の電流、約100 nA〜約400 nAの範囲の電流、または約200 nA〜約300 nAの範囲の電流を有していてもよい。その他の電気化学的解析および光学的解析を伴うその他のバイオセンサを使用することができる。
【0090】
[00108] 図2〜図5は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサにおいて使用されるポーリングシグナルおよび試験励起シグナルを説明するグラフである。ポーリングシグナルは、規則的なポーリング配列および拡張されたポーリング配列を有する。ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部であり、したがって試験励起シグナルは、アッセイ電位配列である。生体液中の分析対象物のその他の電気化学的および光学的解析と共に使用されるシグナル、および電量分析的またはボルタンメトリー的試験励起シグナルの前に行うポーリングシグナル、を含め、その他のポーリングシグナルおよび試験励起シグナルを、使用することができる。
【0091】
[00109] 図2において、ポーリングシグナルは、6回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および4回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約400 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、3回の同様の拡張入力パルス、その後の1回の異なる拡張入力パルスを有する。3回の同様の拡張入力パルスは、約400 mVの拡張振幅を有する。異なる拡張入力パルスは、最後の拡張入力パルスであり、そして約100 mVの拡張振幅を有する。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆矢印は、、サンプルが存在しない場合など、所望される場合に、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートすることができることを示す。サンプルは、不十分な体積を有するか、またはその他の基準を有する。
【0092】
[00110] 図2におけるアッセイ電位配列は、約1秒のアッセイパルス幅および約0.5秒の弛緩幅を有する2つのアッセイパルスを有する。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を有し、これは規則的なポーリング配列の規則的な入力パルスの規則的な振幅および拡張ポーリング配列の同様の拡張入力パルスの拡張振幅と本質的に同一である。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列における最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0093】
[00111] 図3において、ポーリングシグナルは、6回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および4回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約400 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、1回の同様の拡張入力パルス、その後に3回の異なる拡張入力パルスを有する。同様の拡張入力パルスは、約400mVの拡張振幅を有し、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。異なる拡張入力パルスは、約300 mV、約200 mV、およは、び約100 mVの段階的減少または減少性の拡張振幅を有し、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅とは異なるものである。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向きの矢印は、所望する場合、例えば、サンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合に、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列がリスタートすることができることを示す。図3におけるアッセイ電位配列は、図2におけるものと実質的に同一である。
【0094】
[00112] 図4において、ポーリングシグナルは、9回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および2回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約450 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、1回の同様の拡張入力パルスのの値、1回の異なる拡張入力パルスを有する。同様の拡張入力パルスは、約450 mVの拡張振幅を有し、これは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。異なる拡張入力パルスは、約100 mVの拡張振幅を有し、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と異なるものである。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向き矢印が示されていないあいだ、所望の場合、例えばサンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートできる。
【0095】
[00113] 図4におけるアッセイ電位配列は、約0.25秒〜約0.5秒の様々なパルス幅を有し、そしておよび約0.25秒〜約1秒の様々な弛緩幅を有する、7回のアッセイパルス。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を鳥有する。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第3〜第7のアッセイパルスはそれぞれ、約250 mVのアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列における最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0096】
[00114] 図5Aおよび図5Bにおいて、拡張ポーリング配列は、より高い拡張振幅およびより低い拡張振幅を伴う、拡張入力パルスの複数のサイクルを有する。図5Aにおいて、拡張ポーリング配列は、2つのパルスサイクルを有し、それには1回のより高いパルスと1回のより低いパルスとが含まれる。図5Bにおいて、拡張ポーリング配列は、3回のパルスのサイクルを有し、それには2回のより高いパルスと1回のより低いパルスとが含まれる。
【0097】
[00115] 図5Aにおいて、ポーリングシグナルは、16回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および22回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約450 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、11回のサイクルを有し、それぞれは開始サイクルパルスおよび最終サイクルパルスを伴う。開始サイクルパルスは、約450 mVの拡張振幅と同様の拡張入力パルスであり、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。最終サイクルパルスは、約100 mVの拡張振幅を有する異なる拡張入力パルスであり、これは規則的な入力パルスの規則的な振幅とは異なる。規則的なポーリングシグナルおよび拡張されたポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向き矢印が示されていないあいだ、所望される場合、例えばサンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートすることができる。図5Aが規則的なポーリング配列を行い、その後11回のサイクルを伴う拡張ポーリング配列を行うことを記載している一方、規則的なポーリング配列は、各サイクルの後にまたは拡張ポーリング配列の複数のサイクルの後に行うことができる。
【0098】
[00116] アッセイ電位配列は、約0.25秒〜約0.5秒の様々なパルス幅を有する5回のアッセイパルスおよび約0.25秒〜約1秒の様々な弛緩幅を有する。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を有する。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第3〜第5のアッセイパルスのそれぞれは、約250 mVのアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列における最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0099】
[00117] 図5Bにおいて、ポーリングシグナルは、7回の規則的な入力パルスの規則的なポーリング配列および21回の拡張入力パルスの拡張ポーリング配列を有する。規則的な入力パルスは、約450 mVの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、7回のサイクルを有し、それぞれは開始サイクルパルス、中間サイクルパルス、および最終サイクルパルスを伴う。開始サイクルパルスおよび中間サイクルパルスは、約450 mVの拡張振幅と同様の拡張入力パルスであり、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である。最終サイクルパルスは、約100 mVの拡張振幅とは異なる拡張入力パルスであり、それは規則的な入力パルスの規則的な振幅とは異なるものである。規則的なポーリングシグナルおよび拡張ポーリングシグナルのパルス幅および弛緩幅は、本質的に同一である。逆向き矢印が示されていないあいだ、所望される場合、例えばサンプルが存在しない場合、サンプルが不十分な体積を有する場合、またはその他の基準の場合に、規則的なポーリング配列および/または拡張ポーリング配列をリスタートすることができる。図5Bが規則的なポーリング配列を行いその後7回のサイクルを伴う拡張ポーリング配列を行うあいだ、規則的なポーリング配列を、各サイクルの後にまたは拡張ポーリング配列の複数のサイクルの後に実行することができる。
【0100】
[00118] アッセイ電位配列は、約0.25秒〜約0.5秒の様々なパルス幅および約0.25秒〜約1秒の様々な弛緩幅を有する7回のアッセイパルスを有する。第1のアッセイパルスは、約400 mVのアッセイパルス電位を有する。第2のアッセイパルスは、約200 mVのアッセイパルス電位を有する。第3〜第6のアッセイパルスのそれぞれは、約250 mVのアッセイパルス電位を有する。第7のアッセイパルスは、約250 mV〜約600mVまで変化するアッセイパルス電位を有する。第1のアッセイパルスは、拡張ポーリング配列の最後の拡張入力パルスの最後に本質的に開始する。
【0101】
[00119] 図2〜図5において、規則的なポーリング配列は、本質的に同一の複数の規則的な入力パルスを有する。サンプルは、それぞれの規則的な入力パルスに応じて規則的な出力パルスを生成する。サンプルの存在は、規則的な出力パルスが以前に検討したようにサンプル閾値に到達する場合に検出される。規則的な出力パルスがサンプル閾値に到達しない場合、規則的なポーリング配列をリスタートしおよび/またはその他の作用を生じる。サンプルの存在が検出される場合、拡張ポーリング配列を印加する。
【0102】
[00120] 図2〜図5の各拡張ポーリング配列は、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する。サンプルは、これらの拡張ポーリング配列に応じて、同様の拡張出力パルスおよび異なる拡張出力パルスを生成する。サンプルは、異なる拡張出力パルスが体積閾値に到達する場合または到達しない場合に、それぞれ、十分な容量または不十分な容量を有する。サンプルが十分な体積を有する場合、試験励起シグナルを印加する。
【0103】
[00121] 図2〜図5の拡張ポーリング配列における異なる拡張入力パルスは、サンプルとは異なる拡張出力パルスを生成する。図2および図4において、拡張ポーリング配列における最後の入力パルスのみが、異なる拡張入力パルスである。このように、図2の拡張ポーリング配列由来の体積出力シグナルは、3回の同様の拡張出力パルスを有し、その後1回の異なる拡張出力パルスを有する。対照的に、図4に由来する体積出力シグナルは、1回の同様の拡張出力パルスを有しその後1回の異なる拡張出力パルスを有する。
【0104】
[00122] 図3において、拡張ポーリング配列における最後の3回の入力パルスは、異なる拡張入力パルスである。これらの3回の異なる拡張入力パルスにおいて、拡張振幅は、それぞれのその後のパルスにつれて、減少するかまたは段階的に減少する。図3の拡張ポーリング配列に由来する体積出力シグナルは、1回の同様の拡張出力パルスを有しその後3回の異なる拡張出力パルスを有しうるものであり、それぞれは段階的に減少する振幅を有する。サンプル体積のサンプル体積または範囲は、1またはそれ以上の体積閾値が図3の拡張ポーリング配列と共に使用される場合に測定することができる。
【0105】
[00123] 図5Aおよび図5Bにおいて、拡張ポーリング配列は、同様の拡張入力パルスおよび異なる拡張入力パルスのサイクルである。サンプルは、循環的拡張ポーリング配列に応じて循環的容量出力シグナルを生成する。図5Aの拡張ポーリング配列に由来する体積出力シグナルにおけるそれぞれのサイクルは、1回の同様の拡張出力パルスを有しその後1回の異なる拡張出力パルスを有する。図5Bの拡張ポーリング配列に由来する体積出力シグナルにおける各サイクルは、2回の同様の拡張出力パルスを有し、その後に1回の異なる拡張出力パルスを有してもよい。サイクルは、ゆっくりと充填されるサンプル用のバッファーを生成してもよく、サンプルの容量または容量半にを決定してもよく、これらの組合せなどであってもよい。
【0106】
[00124] 従来からの充填量不足検出システムは充填量不足条件を同定する一方、これらの充填量不足検出システムは、充填量不足条件の場合に典型的にはグルコース測定を拒絶し、そしてしたがって新たなセンサストリップを使用した新たな解析を必要とする。対照的に、充填量不足認識システムは、充填量不足条件が存在する場合に、ユーザに対してより多くのサンプルをセンサストリップに追加するように要求することができる。解析は、同一のセンサストリップを使用して行うことができる。このように、充填量不足認識システムは、センサストリップの数を減らすことができ、そして充填量不足条件に関連する関連コストを低下することができる。充填量不足認識システムは、充填量不足検出システムと比較したその他の利点、例えば、解析、バイオセンサにおける容量評価、などの精密性および/または正確性を向上する、などの利点を有する。
【0107】
[00125] 図6〜図9は、従来型の充填量不足検出システムと充填量不足認識システムとの比較を示す。図6および図8は、サンプル体積に関連したグルコース読み取り値の絶対的なバイアスまたは%バイアスのプロットである(バイアス/%バイアス)。バイアスは、“絶対的なバイアス”または“%バイアス”の店で表現することができる。絶対的なバイアスは、mg/dLなどの測定値の単位で表現することができ、一方%バイアスは参照値に対する絶対的なバイアス値の%として表現することができる。この容量研究において、参照分析対象物濃度値は、完全充填センサストリップから得た。バイアス/%バイアス関連性は、完全に充填された既知のまたは標準的なグルコース濃度を有するサンプルに関する、バイオセンサに由来するグルコース読み取り値または測定値の正確性を示す。図6〜図9において、バイアス/%バイアスが>±15%限界を超えた場合、解析をエラーと決定した。バイアス/%バイアスを±15%限界よりも低いかまたは同等であった場合、解析をグルコース濃度決定においてエラーを有さないと決定した。
【0108】
[00126] 図6は、複数のセンサストリップを0.2〜0.45μLの範囲の全血サンプル体積で充填することにより行ったサンプル体積研究の結果を示す。このように、図6のデータは、機能的な体積よりも少ない体積と関連したグルコース測定値にエラーが示され、この容量は本容量研究では0.45μLであった。機能的容量は、特定された限界内のバイアスを有する95%またはそれ以上のグルコース読み取り値を結果として生じるサンプル体積であり、本容量研究では≦±15%であった。
【0109】
[00127] 単一のセンサストリップに対応する各解析は、菱形とともに示す。菱形で表示される全解析の中で、±15%限界以内であったものは、三角形でも示される。菱形で示される全解析の中で、従来の方法を使用して充填量不足であると判断されたものは、四角によっても示される。従来のシステムを使用して、四角により示される解析は、解析エラーと報告され、新たなストリップおよびサンプルが必要となった。約0.45μL未満の充填サンプル体積は、±15%限界内に収まる解析がますます少なくなるという結果を生じた。負のバイアスの大半は、0.25μL〜0.35μLの充填量不足の体積に対応する。このように、エラーの主要な発生源は、バイオセンサの充填量不足に起因する可能性がある。
【0110】
[00128] 図7は、サンプル体積との関連で、図6のサンプル体積研究に由来するグルコース読み取り値の%-集団の2つのプロットを示す。第1のプロットは、エラーが検出された場合、例えばバイアス/%バイアスが±15%限界を超える場合、のグルコース測定値の集団の%を示す。第2のプロットは、エラーが検出されない場合、例えばバイアス/%バイアスが±15%限界を超えない場合、のグルコース測定値の集団の%を示す。検出されたエラーの第1のプロットは、本質的には、エラーが検出されない第2のプロットのミラーイメージであるかまたは反対のものである。サンプル体積は、0.45μLから減少させ、±15%限界内のグルコース読み取り値の数を、0.35μLおよびそれよりも僅かなサンプル体積にて、約100%から約5%まで減少させた。逆に、サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、充填量不足のセンサー数は、0.35μLおよびそれよりも僅かなサンプル体積にて約0%から約95%へと増加する。0.2μL〜約0.35μLの充填サンプル体積に対して、わずか約5%の解析が、特定の容量研究において、±15%限界の範囲内に収まる。このように、約0.35μLおよびそれ以下の充填体積に関して、95%の解析は、新たなセンサストリップを用いて繰り返さなければならない。
【0111】
[00129] 図8は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサの容量研究に由来するサンプル体積に関連した、グルコース読み取り値のバイアス/%バイアスのプロットを示し、これを第1の充填により意図的に充填量不足とし、そしてその後図1の方法に応答した第2の充填により充填した。図8において示されたサンプル体積は、第1の充填のサンプル体積である。すべての解析の中で(菱形で示される)、ほとんどは四角によっても示され、このことは、充填量不足を図1の方法により認識しそして追加のサンプルを追加した後、解析が±15%限界内に入ることを示している。このように、図8におけるデータは、第1の充填でのより少ないサンプル体積と関連したグルコース測定値のエラーは、図1の方法に応じて添加される追加のサンプルにより、減少されまたは実質的に取り除かれることを示す。バイアス/%バイアス値の大半は、特に0.25μL〜0.35μLの第1の充填サンプル体積範囲において、±15%限界内ものである。限界外の値を、充填量不足認識システムを使用した追加の試験により、同定することができる。このように、バイオセンサの充填量不足の原因となるエラーの主要な原因は、充填量不足認識システムに応答したバイオセンサの第2の充填により、減少されまたは実質的に取り除かれてもよい。
【0112】
[00130] 図9は、サンプル体積に関連して図8のサンプル体積研究に由来したグルコース読み取り値の%-集団の2つのプロットセットの重ね合わせを示す。それぞれのプロットセットは、2つのプロットを含有する。第1のプロットセット(点線)は、第1の充填により意図的に充填量不足にされたバイオセンサに関して、サンプル体積に関連するグルコース読み取り値のバイアス/%バイアスを示す。第2のプロットセット(実線)は、第1の充填によってっは意図的に充填量不足としそしてそれに続いて第2の充填により実質的に充填されるバイオセンサに関して、サンプル体積に関連したグルコース読み取り値のバイアス/%バイアスを示す。各プロットセットは、2つのプロットを有し、それが充填量不足エラーが検出される場合そして検出されない場合、例えば、バイアス/%バイアスが±15%限界を超える場合または超えない場合など、グルコース解析の集団の%を示す。
【0113】
[00131] 図9における第1のプロットセット(実線)は、第1の充填後のバイオセンサに関するバイアス/%バイアスを示す。サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界内に入るグルコース読み取り値の数は0.35μLでは約100%から約20%へと減少し、その後0.25μLでは約5%まで減少する。逆に、サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界外にあるグルコース読み取り値の数は、0.35μLでは約0%から約80%へと増加し、その後0.25μLでは約95%にまで増加した。
【0114】
[00132] 図9における第2のプロットセット(実線)は、第1の充填により意図的に充填量不足とされ、そしてその後図1の充填量不足認識方法に応答した第2の充填により充填されるバイオセンサに関して、バイアス/%バイアスを示す。サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界外にあるグルコース読み取り値の数は、0.35μLでは約0%から約35%まで増加する。しかしながら、±15%限界外のグルコース読み取り値の数が増え続ける、第1のプロットセットの傾向に従う代わりに、この傾向は逆転し、そして±15%限界外のグルコース読み取り値の数は0.25μLでは約5%にまで減少する。さらに、サンプル体積が0.45μLから減少するにつれて、±15%限界内に入るグルコース読み取り値の数は、0.35μLでは約100%から約65%にまで最初は減少し、そしてその後、0.25μLでは約95%にまで増加する。第2の充填を行わない場合の±15%限界外のグルコース読み取り値の数および図1の方法に応答した第2の充填を有するバイオセンサにおけるグルコース読み取り値の数の間の差異またはギャップは、解析のために不十分なサンプル体積のために廃棄されるセンサストリップの数を減少させることから、潜在的な節約を示す。
【0115】
[00133] 充填量不足認識システムを、センサストリップにおいて、ポーリングシグナルおよび試験励起シグナルをサンプルに対して印加するバイオセンサ上で、実施することができる。センサストリップは、複数の電極および伝導体を有するものなど、様々な構成を有していてもよい。センサストリップは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の電極を有していてもよい。センサストリップは、1またはそれ以上の作用電極、1またはそれ以上のカウンタ電極、1またはそれ以上のその他の電極、これらの組合せ、などを有していてもよい。センサストリップは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の伝導体を有していてもよい。センサストリップは、少なくとも1つのカウンタ電極、少なくとも1つの作用電極、および少なくとも1つの誘導電極、を有していてもよく、それは分離した電極またはカウンタ電極のサブ-エレメントであってもよい。作用電極、カウンタ電極、および誘導電極を有するセンサストリップは、US特許No. 6,531,040に記載される。追加の電極および異なる構成を有するその他のバイオセンサを、使用することができる。
【0116】
[00134] 充填量不足認識システムを、選択された構造、組成物、またはその他の特性を有するセンサストリップを使用するバイオセンサ上で行うことができる。センサストリップは、選択された電極パターン、電極組成または特性、メディエータシステム、レドックス対、これらの組み合わせ、などを有することができる。センサストリップは、選択された規則的なポーリング配列、拡張ポーリング配列、試験励起シグナル、これらの組合せ、などとともに使用することができる。センサストリップ特性は、1またはそれ以上のポーリング出力シグナルを向上させるように選択することができ、それにはサンプルおよび容量出力シグナルが含まれる。向上には、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれる。検出可能には、より強くおよび/またはより異なるポーリング出力シグナルを有することが含まれる。向上には、所望の現象が生じる場合、例えばサンプルが存在する場合またはサンプル体積が十分な場合または不十分な場合に、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれ。向上には、1またはそれ以上の選択されたセンサストリップ特性を有さない同一のポーリング出力シグナルと比較する際に、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれる。向上には、その他のポーリング出力シグナルと比較する際に、より多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有することが含まれる。向上には、ポーリングシグナルの一部分の間(例えば拡張ポーリング配列の間)により多くの検出可能なポーリング出力シグナルを有するが、別の部分の間(規則的なポーリング配列の間)にはそうではないことが含まれる。
【0117】
[00135] 図10は、充填量不足認識システムを有するバイオセンサと共に使用されるセンサストリップ1002のスキーム図を示す。センサストリップ1002は、貯留容器1004を形成する。センサストリップ1002は、貯留容器1004中に配置されるカウンタ電極1006および作用電極1008を有する。“配置される”には、部分的にまたは全体的に貯留容器中に、貯留容器に隣接してまたは近傍に、または電極が貯留容器中に入れられたサンプルと電気的に接触しているような位置、が含まれる。カウンタ電極1006には、サブ-エレメント1010が含まれ、これは貯留容器1004中の作用電極1008の下流に配置される。メディエータは、カウンタ電極1006と作用電極1008との間に配置される。メディエータは、カウンタ電極1006上、作用電極1008上、貯留容器1004中のセンサストリップ1002上、これらの組合せ、などに配置することができる。その他の構成要素は、明確化のためセンサストリップ1002から排除された。その他のメディエータを含むか、またはメディエータを含まないもの、トリガー電極を含まないもの、そしてその他の電極配置のもの、を含むその他のセンサストリップを、使用することができる。3電極および第3の電極上で第2のメディエータ(例えば、フェリシアニド)を有するもの、を含むその他のセンサストリップを、使用することができる。
【0118】
[00136] センサストリップ1002とともに使用されるメディエータは、カウンタ電極1006の第1のレドックス種に、サブ-エレメント1010の第2のレドックス種とは異なるレドックス電位を提供するように選択することができる。異なるレドックス電位は、異なる物質の組成および/または特性を有する電極を選択することにより、得ることができる。サブ-エレメント1010ではメディエータを使用しない一方で、別のメディエータを使用して、異なるレドックス電位を提供することができる。ポーリングシグナルを印加する場合、最低のレドックス電位の種の還元型が最初に得られるか、または最高のレドックスの種の酸化型が、レドックス反応が酸化するものであるか還元するものであるかに依存して、最初に還元される。レドックス反応が還元される場合、より高いレドックス電位を有するレドックス種は、より容易に還元される。レドックス反応が酸化される場合、より低いレドックス電位を有するレドックス種は、より容易に酸化される。異なるレドックス電位は、規則的なシグナルおよび/または容量出力シグナル、容量評価および/または分析対象物解析の正確性および/または精密性、これらの組合せ、などを改善することができる。
【0119】
[00137] メディエータ、M、は、1電子伝達メディエータまたは複数の電子伝達メディエータであってもよい。1電子伝達メディエータは、電気化学的反応の条件のあいだ、1つの追加の電子を獲得することができる化学的成分である。1電子伝達メディエータには、化合物(例えば、1,1'-ジメチルフェロセン、フェロシアニド、およびフェリシアニド)、およびルテニウム(III)およびルテニウム(II)ヘキサアミンが含まれる。複数電子伝達メディエータは、反応の条件のあいだ、1より多い電子を獲得することができる化学的成分である。複数電子伝達メディエータには、2電子伝達メディエータ(たとえば、フェナントロリンキノンを含む有機キノンおよびハイドロキノン;フェノチアジン誘導体およびフェノキサジン誘導体;3(フェニルアミノ)-3H-フェノキサジン;フェノチア;および7ヒドロキシ-9,9-ジメチル-9H-アクリジン-2-オンおよびその誘導体)が含まれる。2電子伝達メディエータには、U.S. Pat. Nos. 5,393,615;5,498,542;および5,520,786に記載される電子-活性化有機分子も含まれる。
【0120】
[00138] 2電子伝達メディエータには、3フェニルアミノ-3H-フェノチアジン(PIPT)および3フェニルアミノ-3Hフェノキサジン(PIPO)が含まれる。2電子メディエータには、フェノチアジン誘導体のカルボン酸およびその塩、例えば、アンモニウム塩も含まれる。2電子メディエータにはさらに、(E)-2-(3H-フェノチアジン-3-イリデンアミノ)ベンゼン-1,4-ジスルホン酸(構造I)、(E)-5-(3H-フェノチアジン-3-イリデンアミノ)イソフタル酸(構造II)、アンモニウム(E)-3-(3H-フェノチアジン-3-イリデンアミノ)-5-カルボキシ安息香酸(構造III)、およびこれらの組み合わせが、含まれる。これらのメディエータの構造式を以下に示す。構造Iメディエータのジ-酸型のみが示される一方、その酸のモノ-アルカリ金属塩およびジ-アルカリ金属塩も含まれる。その酸のナトリウム塩を、構造Iメディエータについて使用することができる。構造IIメディエータのアルカリ金属塩もまた、使用することができる。
【0121】
【化1】
【0122】
【化2】
【0123】
【化3】
【0124】
[00139] 2電子メディエータは、フェリシアニドと比較して、少なくとも100 mV低い、より好ましくは少なくとも150 mV低いレドックス電位を有していてもよい。その他の2電子メディエータを使用してもよい。カウンタ電極1006およびサブ-エレメント1010上の異なるメディエータ、3つの電極を有するセンサストリップにおける第3の電極上の第3のメディエータ、などを含む、その他のメディエータおよびメディエータ組み合わせを使用することができる。
【0125】
[00140] 図10において、カウンタ電極1006およびサブ-エレメント1010は、異なるレドックス電位を有する。メディエータ、M、(示さず)は、カウンタ電極1006での第1のレドックス電位を生成する。サブ-エレメント1010は、メディエータを欠いており、そしてしたがって、異なるレドックス電位を有する。異なるレドックス電位は、センサストリップ中のサンプルにより生成されるポーリング出力シグナルを改善することができる。体積閾値は、ポーリング出力シグナルが高または低レドックス種に由来する場合、をより良く識別するために選択することができ、そしてしたがって、サンプルが十分な容量を有する場合(完全充填条件)およびサンプルが不十分な容量を有する場合(充填量不足条件)の間の差異を増加させる。
【0126】
[00141] 図11および図12は、センサストリップに対して印加される拡張ポーリング配列に応じて、図10のセンサストリップ1002中のサンプルにより生成することができる容量出力シグナルのグラフをしめす。サンプルは全血である。センサストリップを、ゲート型電流測定的試験励起シグナルを有するバイオセンサ中で使用する。このように、拡張ポーリング配列は、電位であってもよく、そして容量出力シグナルは電流であってもよい。その他の電気化学的および光学的解析を伴うものを含む、充填量不足認識システムを有するその他のバイオセンサを、使用することができる。その他の生物学的サンプルおよび分析対象物を解析することができる。
【0127】
[00142] 図11は、作用電極電位を約ゼロボルトの電位を有するカウンタ電極の電位と比較する、完全充填条件を示す。前方矢印は、より高いポーリング電位を示し、一方逆向き矢印はより低いポーリング電位を示す。Mは、メディエータに基づく電流-電圧曲線中の作用電極のおよその電位ポジションを示し、これはこの事例においては、0.2〜0.25 Vのオーダーであってもよい。より高い拡張ポーリング電位およびより低い拡張ポーリング電位から得られた出力電流は、曲線1100から得られ、そして両方ともメディエータの酸化プラトー1110から生成されるものであるため、曲線との関連では実質的に同一である。O2は、サンプル中の酸素のおよそのレドックス電位を示す(-0.3〜-0.5 Vのオーダー)。しかしながら、O2の還元電位がメディエータの還元電位よりも顕著に低いため、作用電極への電気化学的カップリングが、完全充填条件でのカウンタ電極上のメディエータにより支配されている。
【0128】
[00143] 図12は、サンプルがサブ-エレメントおよび作用電極をカバーするが、カウンタ電極をカバーしない充填量不足条件を示す。このように、作用電極電位は、サブエレメントの電位と電気化学的にカップリングされ、そしてカウンタ電極は、電気化学には顕著には関与しない。サブ-エレメントの電位が、メディエータの還元電位よりも実質的に低いO2の還元電位により実質的に規定されているため、より高い拡張ポーリング電位およびより低い拡張ポーリング電位から得られる出力電流は、図11中の曲線1100上の位置に関連して、曲線1200に沿って左に移動する。より低い電位が図12中の曲線1200に沿って左に移動するため、対応する出力電流は、酸化プラトー1210から離れるように移動し、この結果、相対的に顕著に低い出力電流を提供する。このように、拡張ポーリングパルスが図12の充填量不足条件下にてより高い電位からより低い電位へと切り替わる際、より低い電流が、完全充填されたセンサーとの関連で、ボルタンメトリー曲線に従って、より低い電位からされる可能性がある。
【0129】
[00144] 図11および図12において、より高い電位は、約0.4 V〜約0.6 Vであってもよい。より高い電位は、約0.4 V〜約0.5 Vであってもよい。より低い電位は、約0.1 V〜約0.3 Vであってもよい。より低い電位は、約0.15 V〜約0.2 Vであってもよい。その他のより高い電位およびより低い電位を使用することができ、そして電位をメディエータの還元電位に応じて選択することができる。より高い電位およびより低い電位を、出力電流における所望の分離をもたらすように選択することができる。
【0130】
[00145] 使用時には、全血のサンプルを、センサストリップ1002の貯留容器1004中に配置する。バイオセンサは、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する。サンプルの存在を検出する場合、バイオセンサは、以前に検討したように、拡張ポーリング配列を伝達する。サンプルは、拡張ポーリング配列に応じて、容量出力シグナルを生成する。バイオセンサは、サンプルが解析のために不十分な容量を有するかまたは十分な容量を有するか;充填量不足条件または完全充填条件が存在するか;を検出する。
【0131】
[00146] サンプル(全血)がサブ-エレメント1010および作用電極1008をカバーするがカウンタ電極1006をカバーしない場合、サンプルは、解析のために不十分な容量を有する(充填量不足条件)。その他の分類を、充填量不足条件のために使用することができる。カバーには、接続、接触、電気的連絡を有すること、などが含まれる。酸化は、作用電極1008で生じ、還元はサブ-エレメント1010で生じる。そのような還元の一つは、血液の液体サンプル中に存在する酸素の還元である。このように、酸素の還元は、センサストリップ1002が充填量不足条件を有する場合に、第1の拡張出力シグナルを生成することを補助する。
【0132】
[00147] サンプル(全血)が、サブ-エレメント1010、作用電極1008、およびカウンタ電極1006をカバーする場合、サンプルは、解析のための十分な容量を有する(完全充填条件)。その他の分類を、完全充填条件のために使用することができる。拡張ポーリング配列は、メディエータ、Mを還元する。カウンタ電極1006でのメディエータ、M、のレドックス種は、サブ-エレメント1010での酸素のレドックス種と比較して、より高いレドックス電位を有する。このように、メディエータの還元は、酸素還元の第1の拡張出力シグナルとは異なる、第2の拡張出力シグナルを生じる。
【0133】
[00148] 図13は、入力電位に応答した酸素還元およびメディエータ還元由来の出力電流を示す、サイクリックボルタモグラムを示す。入力電位は、0.1 M NaCl中のAg/AgClを参照することに関連している。酸素還元は、何らかの正の電流が流れる場合には非常に僅かに生成し、そして電位が約0.60 Vから約0 Vへと上昇するにつれて、本質的にアノード(酸化)電流の生成を停止する。電位が約-0.30 Vから約0.30 Vへと上昇するにつれて、メディエータ還元からの電流出力は、負から正へと遷移する。センサストリップが充填量不足である場合、作用電極は、酵素反応から生成される還元メディエータを酸化する一方、サブ-エレメントは酸素を還元する。これは、作用電極とサブエレメントとの間での半電池反応を介して、完全なレドックス反応を形成する。約0.30 V〜約0 Vのあいだでの酸素還元からの電流出力とメディエータ還元からの電流出力の重複が存在する一方、約0 Vを超える電流出力は、メディエータ還元のみから本質的には生じる。このように、体積閾値は、メディエータ還元のみからの電流出力またはメディエータ還元と酸素還元の組み合わせからの電流出力を含む拡張出力ポーリングシグナルに反応して選択することができ、それにより、拡張出力ポーリングシグナルには、メディエータ反応のみからの電流出力またはメディエータ反応からの電流出力と酸素反応からの電流出力との組み合わせからの電流出力が含まれる。その他の閾値体積を選択することができる。
【0134】
[00149] 体積閾値は、酸素還元から生じる第1の拡張出力シグナルを、メディエータ、M、の還元から生じる第2の拡張出力シグナルから識別するように選択することができる。識別には、本質的に全ての第1の拡張出力シグナルを、本質的に全ての第2の拡張出力シグナルから分離する、体積閾値が含まれる。識別には、本質的に全ての第1の拡張出力シグナルと、第2の拡張出力シグナルの残りからの第2の拡張出力シグナルのすべて未満とを分離する体積閾値が含まれる。識別には、本質的に全ての第2の拡張出力シグナルと、第1の拡張出力シグナルの残りからの第1の拡張出力シグナルの全て未満とを分離する体積閾値が含まれる。識別には、バイオセンサおよび/または容量の評価の正確性および/または精密性を改善するために選択された体積閾値が含まれる。識別には、高いレドックス電位種または電極電位および低いレドックス電位種または電極電位を識別するために選択される体積閾値が含まれる。識別には、その他の基準に応じて、第1の拡張出力シグナルと第2の拡張出力シグナルとを分離するために選択される体積閾値が含まれる。複数の体積閾値は、サンプル容量、3つまたはそれ以上のメディエータまたはレドックス種、またはその他の基準に応じて、ポーリング出力シグナルを識別するように選択することができる。
【0135】
[00150] バイオセンサは、ポーリング出力シグナルを測定し、それを体積閾値と比較する。ポーリング出力シグナルが体積閾値に到達しない場合;このポーリング出力シグナルが第1の拡張出力シグナルであり、このことはサンプルがサブ-エレメント1010および作用電極1008をカバーするが、カウンタ電極1006はカバーしないことを示す。このように、サンプルは、解析のために不十分な容量を有する;センサストリップは、充填量不足である。対照的に、ポーリング出力シグナルが体積閾値に到達する場合;このポーリング出力シグナルには第2の拡張出力シグナルが含まれ、このことはサンプルがサブ-エレメント1010、作用電極1008、およびカウンタ電極1006を十分にカバーすることを示す。このように、サンプルは解析のために十分な容量を有する;センサストリップは完全充填されていると考えられる。
【0136】
[00151] 充填量不足認識システムを有するバイオセンサのシミュレーションにより、レドックス対の存在が、高いポーリング電位および低いポーリング電位を使用して、サンプル体積が十分であるかどうかを決定することを必要としないことが示される。サブ-エレメントおよびカウンタ電極上のレドックス対(メディエータおよび酸素などの)は、容量出力シグナルを改良することができる。しかしながら、高いレドックス電位および低いレドックス電位は、レドックス対に単純には応答していない。
【0137】
[00152] シミュレーションにおいては、高いポーリング電位および低いポーリング電位を、1 MOhmの抵抗器に印加した。高いポーリング電位および低いポーリング電位は、ポーリングシグナル中の規則的な拡張ポーリング配列と本質的には同一である。抵抗器は、センサストリップ中のサンプルをシミュレートする。電流は、サンプルからの容量出力シグナルをシミュレートする。
【0138】
[00153] 図14および図15は、シミュレーションにおいて使用される入力シグナルおよび出力シグナルのプロットを示す。図14は、シミュレーションにおいて使用される全入力シグナルおよび全出力シグナルのプロットを示す。図15は、図14において示されるポーリングシグナル、試験励起シグナル、および出力シグナルの最後の2回のサイクルの拡大図を示す。入力シグナルには、規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列(電位)、試験励起シグナル(電位)、ポーリング出力シグナル(電流)、そして試験出力シグナル(電流)が含まれる。
【0139】
[00154] シミュレーションには、アッセイ電位または試験励起シグナルを開始する前の、規則的な拡張ポーリング配列の約7回のサイクルが含まれる。各サイクルには、規則的なポーリング配列の2回の規則的な入力パルスおよび拡張ポーリング配列の2回の拡張入力パルスが含まれる。規則的なポーリング配列の2回の規則的な入力パルスは、0.45 Vの規則的な振幅を有する。拡張ポーリング配列は、0.45 Vの高い拡張振幅を伴う第1の拡張入力パルスおよび0.1 Vの低い拡張振幅を伴う第2の拡張入力パルスを有する。拡張ポーリング期間を、0.25秒に固定する。規則的な拡張ポーリング配列はそれぞれ、20 msのパルス幅および100 msのパルス間隔を有する。サンプル率は、100ポイント/秒である。
【0140】
[00155] シミュレーションは、規則的なポーリング配列の2回のパルスを印加する。“サンプル”の存在を、規則的なポーリング配列の第2の規則的な入力パルス(電位)由来のポーリング出力シグナル(電流)が、0.13μAの閾値に到達する場合に、確認する。“サンプル”が存在する場合、シミュレーションは、拡張ポーリング配列を印加する。シミュレーションは、6回試行され(最初の6サイクル)、第2の拡張入力パルスの低い拡張振幅のあいだに、0.13μAの閾値に到達する。第2のパルスの低い拡張振幅からのポーリング出力シグナルがわずか約0.1μAであるため、最初の6サイクルのあいだは、シミュレーションをできない。7回目のサイクルのあいだ、0.13μAに閾値に到達するため、シミュレーションが成功する。第2の拡張入力パルスの低い拡張振幅からのポーリング出力シグナル(電流)は、約3.4秒にて0.13μAの閾値を満たす。このように、シミュレーションは、試験励起シグナルを即時に適用する。
【0141】
[00156] 図16は、充填量不足認識システムを伴うバイオセンサ1600のスキーム図を示す。バイオセンサ1600は、生体液サンプル中の分析対象物濃度を決定する。充填量不足認識システムは、生体液サンプルが、十分な容量または不十分な容量を有する場合または前述したように正確なおよび/または精密な1またはそれ以上の分析対象物の解析を提供するために十分に大きい場合またはそのためには十分な大きさでない場合、をそれぞれ示す。バイオセンサ1600には、測定デバイス1602およびセンサストリップ1604が含まれ、ベンチトップ型デバイス、携帯型または手持ち型のデバイス、などとして実施することができる。手持ち型デバイスは、ヒトの手で持つことができ、そして携帯することができるデバイスである。手持ち型のデバイスの例は、Ascensia(登録商標)Elite血液グルコースモニタリングシステム(Bayer HealthCare, LLC, Elkhart, INから入手可能)の測定デバイスである。充填量不足認識システムは、バイオセンサ中のその他の実施を有していてもよい。
【0142】
[00157] デバイス1602およびセンサストリップ1604を測定することは、電気化学的センサシステム、光学的センサシステム、これらの組合せ、などを実施するために適合させることができる。充填量不足認識システムは、充填量不足条件が生じるときを決定する際のバイオセンサ1600の正確性および/または精密性、1またはそれ以上の分析対象物の解析、サンプルの容量評価、などを改善することができる。バイオセンサ1600を使用して、生体液(全血、尿、唾液、など)中の、1またはそれ以上の分析対象物(アルコール、グルコース、尿酸、ラクテート、コレステロール、ビリルビン、遊離脂肪酸、トリグリセリド、タンパク質、ケトン、フェニルアラニン、酵素、など)の濃度を決定することができる。特定の構造が示される一方、バイオセンサ1600は、追加の構成要素を伴うものを含む、その他の構造を有していてもよい。
【0143】
[00158] センサストリップ1604は、開口1612を有する貯留容器1608およびチャネル1610を形成する基板1606を有する。貯留容器1608およびチャネル1610を、穴を有する蓋によりカバーすることができる。貯留容器1608は、部分的に-封入された体積を規定する。貯留容器1608は、水膨潤性ポリマーまたは多孔性ポリマーマトリクスなどの液体サンプルを保持する補助する組成物を含有することができる。薬剤を、貯留容器1608および/またはチャネル1610中に配置することができる。薬剤には、1またはそれ以上の酵素、メディエータ、結合剤、およびその他の活性反応種または非活性反応種が含まれる。薬剤には、光学的システム用の化学指示薬が含まれる。センサストリップ1604は、貯留容器1608と電気的連通したサンプルインターフェース1614を有していてもよい。サンプルインターフェース1614は、測定デバイスにより容易にすべきセンサストリップ1604上に位置することができる。センサストリップ1604は、その他の構造を有することができる。
【0144】
[00159] サンプルインターフェース1614は、作用電極およびカウンタ電極と接続された伝導体を有する。電極は、実質的に同一の平面上に存在してもよい。電極は、貯留容器1608を形成する基板1606の表面上に配置することができる。電極は、貯留容器1608により形成される容量中に延長されるかまたは突き出すことができる。誘電層は、導電体および/または電極を部分的にカバーすることができる。カウンタ電極は、サブ-エレメントまたはトリガー電極を有していてもよい。サブ-エレメントは、作用電極から上流に位置していてもよい。トリガー電極は、第3の電極であってもよい。メディエータ、M、は、上述したように、トリガー電極と作用電極との間にメディエータを有さずに、作用電極とカウンタ電極との間に配置することができる。その他のメディエータを使用してもよく、またはメディエータを使用しなくてもよい。サンプルインターフェース1614は、その他の電極および伝導体を有していてもよい。サンプルインターフェース1614は、サンプルを見るための、1またはそれ以上の光学的入り口または隙間を有していてもよい。サンプルインターフェース1614は、その他の構成要素および構造を有していてもよい。
【0145】
[00160] デバイス1602を測定することには、センサインターフェース1618およびオプションのディスプレイ1620に接続された電気回路1616が含まれる。電気回路1616には、シグナル生成器1624、および保存媒体1628に接続されたプロセッサ1622が含まれる。デバイス1602を測定することは、その他の構成要素および構造を有することができる。
【0146】
[00161] シグナル生成器1624は、プロセッサ1622に応じて、電気的インプットシグナルをセンサインターフェース1618に対して提供する。電気的インプットシグナルには、充填量不足認識システムにおいて使用されるポーリングシグナルおよび試験励起シグナルが含まれていてもよい。電気的インプットシグナルには、光学的センサシステム用のセンサインターフェース1618中の検出器および光源を操作しまたは調節するために使用される、電気的シグナルが含まれてもよい。電気的インプットシグナルには、電気化学的センサシステムにおいて使用される試験励起シグナルが含まれてもよい。充填量不足認識システム用のポーリングシグナルおよび試験励起シグナルは、電気化学的センサシステム用の試験励起シグナルの部分であってもよく、またはその中に取り込まれていてもよい。電気的インプットシグナルを、センサインターフェース1618によりサンプルインターフェース1614に対して伝達することができる。電気的インプットシグナルは、電位または電流であってもよく、そしてACシグナルがDCシグナルオフセットとともに印加される場合など、一定、可変、またはこれらの組合せであってもよい。電気的インプットシグナルを、単一パルスとしてまたは複数のパルス、配列、またはサイクルとして印加することができる。シグナル生成器1624はまた、生成器-記録機器として、センサインターフェース1618から受けたシグナルを記録することができる。
【0147】
[00162] 保存媒体1628は、磁気的、光学的、または半導体メモリ、その他のプロセッサ読み取り可能な保存デバイス、などであってもよい。保存媒体1628は、固定メモリデバイスであっても、またはメモリカードなどの取り外し可能メモリデバイスであってもよい。
【0148】
[00163] プロセッサ1622は、充填量不足認識システムおよびプロセッサ読み取り可能ソフトウェアコードと保存媒体1628中に保存されたデータとを使用するデータ処理を実行する。プロセッサ1622は、センサインターフェース1618でのセンサストリップ1604の存在、サンプルのセンサストリップ1604に対する適用、ユーザー入力、などに応じて、充填量不足認識システムを開始する。プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に、電気的インプットシグナルをセンサインターフェース1618に対して提供するように方向づける。
【0149】
[00164] プロセッサ1622は、センサインターフェース1618からの出力シグナルを受領しそして測定する。出力シグナルは、電流または電位などの電気的シグナル、または光であってもよい。出力シグナルには、充填量不足認識システムにおいて使用される、ポーリングシグナルおよび試験出力シグナルが含まれる。出力シグナルには、サンプル中の分析対象物のレドックス反応に応じて生成される試験出力シグナルが含まれる。出力シグナルは、光学的システム、電気化学的システム、などを使用して生成することができる。充填量不足認識システム用のポーリング出力シグナルは、電気化学的センサシステム用の試験出力シグナルの一部であっても、その中に取り込まれていてもよい。プロセッサ1622は、上述したように、ポーリング出力シグナルを1またはそれ以上のポーリング閾値と比較することができる。
【0150】
[00165] プロセッサ1622は、ポーリング出力シグナルが上述したようにサンプルサイズが十分に大きくないことを示唆する場合、エラーシグナルまたは充填量不足条件のその他の指示を提供する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上のディスプレイエラーシグナルであってもよく、そしてエラーシグナルおよび関連するデータを保存媒体1628中に保存することができる。プロセッサ1622は、分析対象物解析のあいだまたはその後のいずれの時点でもエラーシグナルを提供することができる。プロセッサ1622は、充填量不足条件を検出しそしてセンサストリップ1604に対してより多くの生体液を添加するようにユーザに促すことができる場合、エラーシグナルを提供することができる。プロセッサ1622は、充填量不足条件を検出する場合、分析対象物解析を停止することができる。
【0151】
[00166] プロセッサ1622は、試験出力シグナルから分析対象物濃度を決定する。分析対象物解析の結果は、ディスプレイ1620に対する出力であり、そして保存媒体1628中に保存することができる。分析対象物解析の実行に関する指示を、保存媒体1628中に保存されたプロセッサ読み取り可能ソフトウェアコードにより提供することができる。このコードは、オブジェクトコードであってもよく、または記述された機能性を記述しまたはコントロールするいずれかのその他のコードであってもよい。分析対象物解析由来のデータは、崩壊速度、K定数、傾き、切片および/またはプロセッサ1622中のサンプル温度を決定することを含む、1またはそれ以上のデータ処理に供することができる。
【0152】
[00167] センサインターフェース1618は、センサストリップ1604のサンプルインターフェース1614中の伝導体と接続しまたは電気的に連絡している接点を有する。電気的な連絡には、有線、ワイヤレス、などを介するものが含まれる。センサインターフェース1618は、シグナル生成器1624から接点を介してサンプルインターフェース1614中のコネクタへと電気的インプットシグナルを伝達する。センサインターフェース1618は、サンプルインターフェース1614からプロセッサ1622および/またはシグナル生成器1624へと出力シグナルを伝達する。センサインターフェース1618には、検出器、光源、および光学的センサシステムにおいて使用されるその他の構成要素が含まれていてもよい。
【0153】
[00168] ディスプレイ1620は、アナログであってもデジタルであってもよい。ディスプレイ1620は、LCD、LED、真空蛍光、または数値的読み取りを示すように適合させたその他のディスプレイであってもよい。その他のディスプレイを使用することができる。ディスプレイ1620は、プロセッサ1622と電気的に連絡する。ディスプレイ1620は、プロセッサ1622とワイヤレス連絡する場合など、測定デバイス1602から分離することができる。あるいは、ディスプレイ1620は、例えば測定デバイス1602がリモートカップリングデバイス、薬物投与ポンプ、などと電気的に連絡している場合など、測定デバイス1602から除去することができる。
【0154】
[00169] 使用時において、バイオセンサ1600は、1またはそれ以上の診断ルーチンまたはサンプルの解析の前のその他の調製機能を活性化しそして行う。センサストリップ1604を、測定デバイス1602と連絡するように配置する。連絡することには、サンプルインターフェース1614がセンサインターフェース1618と電気的および/または光学的に連絡している位置が含まれる。電気的連絡には、センサインターフェース1618中の接点とサンプルインターフェース1614中の伝導体との間の、入力シグナルおよび/または出力シグナルの伝達が含まれる。光学的連絡には、サンプルインターフェース1614中の光学的入り口とセンサインターフェース1618中の検出器とのあいだの光の伝達が含まれる。光学的連絡には、サンプルインターフェース1614中の光学的入り口とセンサインターフェース1618中の光源との間の光の伝達が含まれる。
【0155】
[00170] センサストリップ1600は、液体生体液サンプルを受容する。サンプルは、液体を開口1612に導入することにより、貯留容器1608により形成される容量中に輸送される。液体サンプルは、チャネル1610を介して貯留容器1608中に流れ、それまでに含まれていた空気を押し出しながら、容量を充填する。液体サンプルは、チャネル1610および/または貯留容器1608中に配置された薬剤と化学的に反応する。
【0156】
[00171] バイオセンサ1600は、活性化された場合にすぐに、調製機能が完了した後すぐに、選択された時間の後に、または追加の入力および測定デバイス1602と連通したセンサストリップの配置などのその他の作用が生じる場合に、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列を印加することができる。プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に対して、ポーリングシグナルの規則的なポーリング配列をセンサインターフェース1618に対して提供するように指示し、これがサンプルに対してサンプルインターフェース1614中の電極を介して規則的なポーリング配列を印加する。シグナル生成器1624は、プロセッサ1622により指示されるように、1またはそれ以上の規則的なポーリング期間を通じてサイクル状に発生し、規則的なポーリング配列をセンサストリップ1604中の貯留容器1608に対して印加する。サンプルが貯留容器1608中に存在する場合、サンプルは、規則的なポーリング配列に応じて、サンプル出力シグナルを生成する。
【0157】
[00172] プロセッサ1622は、解析のための生体液サンプルが存在する場合または存在しない場合を検出する。サンプルインターフェース1614は、サンプル出力シグナルをセンサインターフェース1618へと提供する。プロセッサ1622は、センサインターフェース1618からサンプル出力シグナルを受容する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上にサンプル出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中にサンプル出力シグナルを保存することができる。プロセッサ1622は、サンプルポーリング出力シグナルが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達する場合にサンプルが存在することを検出する。プロセッサ1622は、サンプルポーリング出力シグナルが1またはそれ以上のサンプル閾値に到達しない場合に、サンプルが存在しないことを検出する。
【0158】
[00173] シグナル生成器1624は、サンプルが存在する場合に、プロセッサ1622により指示されるように、規則的なポーリング配列から拡張ポーリング配列へと遷移する。プロセッサ1622は、規則的なポーリング配列を停止し、そしてすぐにまたは選択された時間の後に拡張ポーリング配列をサンプルに対して印加する。プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に拡張パルス配列をセンサインターフェース1618に対して提供するように指示し、それがサンプルインターフェース1614中に電極を介して拡張パルス配列をサンプルに対して印加する。サンプルは、拡張ポーリング配列に応じて、体積出力シグナルを生成する。
【0159】
[00174] プロセッサ1622は、生体液サンプルが解析のために十分な容量または不十分な容量を有する場合を検出する。サンプルインターフェース1614は、体積出力シグナルをセンサインターフェース1618に対して提供する。プロセッサ1622は、体積出力シグナルをセンサインターフェース1618から受容する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上に体積出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中に体積出力シグナルを保存することができる。プロセッサ1622は、体積出力シグナルを1またはそれ以上の体積閾値と比較する。プロセッサ1622は、サンプルが十分な容量を有するかまたは容量ポーリング出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合に完全充填条件であることを検出する。プロセッサ1622は、サンプルが不十分な容量を有することまたは容量ポーリング出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達しない場合の充填量不足条件を検出する。
【0160】
[00175] サンプル体積が解析のために十分ではない場合、プロセッサ1622は、ユーザに対して、より多くのサンプルを追加すること、規則的なポーリング配列をリスタートすること、スリープモードに入ること、試験励起シグナルを停止すること、これらの組合せ、などを要求することができる。スリープモードに入っている場合、プロセッサ1622は、より多くのサンプルの追加などの追加の入力を受容する場合、規則的なポーリング配列をリスタートする。規則的なポーリング配列をリスタートするため、プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に対してポーリングシグナルの規則的なポーリング配列をセンサインターフェース1618に対して印加するように指示し、これがサンプルインターフェース1614中の電極を介して規則的なポーリング配列をサンプルに対して印加する。プロセッサ1622は、不活性化することができ、または体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値を満たさない限り、固定された期間のあいだ、選択されたサイクル数のあいだ、これらの組合せ、など、規則的なポーリング配列を介してサイクルすることができる。
【0161】
[00176] プロセッサ1622は、分析対象物の解析を進行させる前に、ユーザにより多くの生体液をセンサストリップ1604に対して追加するように促すことができる。プロセッサ1622は、体積出力シグナルがサンプルサイズが十分に大きくないことを示す場合に、エラーシグナルまたは充填量不足条件その他の指標を提示することができる。エラーシグナルは、ディスプレイ1620上に示すことができるかおよび/または保存媒体1628中に保持することができる。エラーシグナルには、ユーザからの追加のサンプルのリクエストまたはそれを要求するシンボルが含まれていてもよい。プロセッサ1622は、エラーシグナルをすぐにまたは別の時に提示することができる。
【0162】
[00177] より多くのサンプルが貯留容器1608中に存在する場合、より大きなサンプルは、規則的なポーリング配列に応じて、別のサンプル出力シグナルを生成する。プロセッサ1622は、その他のサンプル出力シグナルが同一のまたは別のサンプル閾値に到達する場合に、より多くのサンプルが存在することを検出する。
【0163】
[00178] より多くのサンプルの存在が検出される場合、プロセッサ1622は、規則的なポーリング配列を停止し、そして拡張ポーリング配列をより大きなサンプルに対して印加する。より大きなサンプルは、拡張ポーリング配列に応じて、別の容量ポーリング出力シグナルを生成する。プロセッサ1622は、その他の体積出力シグナルを1またはそれ以上の体積閾値と比較する。その他の体積出力シグナルは、その他の体積出力シグナルのそれぞれが、1またはそれ以上の体積閾値に実際に到達するか、または到達しない場合に、十分なサンプル体積(完全充填条件)または不十分なサンプル体積(充填量不足条件)を示す。第2の充填の後にサンプル体積が解析のために不十分である場合、プロセッサ1622は、選択された回数または十分な容量が得られるまで以前の手順を繰り返し、試験を停止する、などをすることができる。
【0164】
[00179] プロセッサ1622が、サンプルが解析のために十分な容量を有することを検出する場合、プロセッサ1622が、シグナル生成器1624に対して、試験励起シグナルをサンプルに対して印加するように指示する。センサインターフェース1618は、試験期間中サンプルインターフェース1614を介して、試験励起シグナルをサンプルに対して印加する。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、試験出力シグナルを生成する。サンプルインターフェース1614は、試験出力シグナルをセンサインターフェース1618に対して提供する。
【0165】
[00180] プロセッサ1622は、体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合、シグナル生成器1624に、試験励起シグナルをセンサインターフェース1618に対して印加するよう指示することができる。プロセッサ1622は、体積出力シグナルが1またはそれ以上の体積閾値に到達する場合、試験励起シグナルを、センサインターフェース1618に対して提供するためのコンピュータ回路を有していてもよい。コンピュータ回路において、体積出力シグナルは、電気的(アナログ)コンピュータなどの入力中に指示することができる。コンピュータは、体積出力シグナルを、体積閾値の値と比較する。ポーリング出力シグナルが、体積閾値の値と同等か、それより大きいか、またはわずかに大きい場合、コンピュータの出力は、試験励起シグナルの開始を誘導する。
【0166】
[00181] サンプル体積が解析のために十分である場合、プロセッサ1622は、シグナル生成器1624に、試験励起シグナルをセンサインターフェース1618に対して印加するよう、指示する。光学的システムにおいて、センサインターフェース1618は、検出器および光源を操作するための電気的インプットシグナルを提供する。センサインターフェース1618は、検出器から試験出力シグナルを受容する。電気化学的システムにおいて、センサインターフェース1618は、サンプルインターフェース1614を介して、試験励起シグナルをサンプルに対して印加する。充填量不足認識システム用の試験励起シグナルは、試験励起シグナルの一部であってもよく、または試験励起シグナルにより取り込まれていてもよい。サンプルは、試験励起シグナルに応じて、分析対象物のレドックス反応から、試験出力シグナルを生成する。サンプルインターフェース1614は、試験出力シグナルを、センサインターフェース1618に対して提供する。
【0167】
[00182] サンプルは、試験励起シグナルに応じて、1またはそれ以上の試験出力シグナルを生成する。プロセッサ1622は、センサインターフェース1618から試験出力シグナルを受容する。プロセッサ1622は、サンプルにより生成される試験出力シグナルを測定する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上に試験出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中に試験出力シグナルを保存することができる。バイオセンサ1600は、1またはそれ以上の試験出力シグナルに応じて、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物濃度を決定する。
【0168】
[00183] プロセッサ1622は、センサインターフェース1618から試験出力シグナルを受容する。プロセッサ1622は、試験出力シグナルに応じて、サンプルの分析対象物濃度を決定する。プロセッサ1622は、ディスプレイ1620上に試験出力シグナルを示すことができおよび/または保存媒体1628中に試験出力シグナルを保存することができる。
【0169】
[00184] 発明の範囲、用途、または実施を制限することなく、上述した方法およびシステムは、以下の様なアルゴリズムを使用して実施することができる:
[00185] 工程1: バイオセンサの電源を立ち上げる。
【0170】
[00186] 工程2: バイオセンサの自己試験および電気的標準化を行う。
[00187] 工程3: 初期温度およびその他の測定値を採取する。
[00188] 工程4: 選択された周波数の規則的なポーリングパルス配列、規則的な入力パルス幅、そして規則的な入力パルス振幅を開始する。
【0171】
[00189] 工程5: サンプル出力シグナル(s)を規則的なポーリングパルス配列からチェックする。
s<サンプル閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列を継続する(工程#4)。
【0172】
s≧サンプル閾値の場合、5 msec以内に同一のチェックを繰り返す。
繰り返されたs<サンプル閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列を継続する(工程#4)。
【0173】
繰り返されたs≧サンプル閾値の場合、固定期間、拡張ポーリングパルス配列を行う。
[00190] 工程6: 拡張ポーリングパルス配列を開始する:第1の拡張振幅での第1の拡張入力パルス;第2の拡張振幅での第2の拡張入力パルス。
【0174】
[00191] 工程7: 時間0に、拡張ポーリング期間のあいだ、textのカウントを開始する。
[00192] 工程8: 第2の拡張入力パルスの第2の拡張振幅の時点で、拡張ポーリングパルス配列からの体積出力シグナル(v)をチェックする。
【0175】
v<体積閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列に戻る(工程#4)。
v≧体積閾値の場合、5 msec以内に同一のチェックを繰り返す。
繰り返されたv<体積閾値の場合、規則的なポーリングパルス配列に戻る(工程#4)。
【0176】
繰り返されたv≧体積閾値の場合、試験励起シグナルを開始する。
[00193] 工程9: text≧1秒の場合、ユーザインターフェース中にユーザーに対してより多くのサンプルを追加するように警告するよう、追加のプロンプトを開始する。
【0177】
[00194] 工程10: text≧60秒の場合、ディスプレイエラー“不十分なサンプル”。
[00195] 本発明の様々な態様を記述してきたが、その他の態様および実施が、本発明の範囲内において可能であることは、当業者にとって自明であろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
規則的なポーリング配列を印加する工程;
サンプルの存在を検出する工程;
拡張ポーリング配列を印加する工程;
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する工程;
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合を示す工程;そして
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合、試験励起シグナルを印加する工程を適用する工程;
を含む、バイオセンサ中のサンプル体積を評価するための方法。
【請求項2】
拡張ポーリング配列が少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サンプルの存在を検出することには、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する時点を検出することが含まれ、そして
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出することには、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する時点を検出することが含まれる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
以下の工程:
選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する工程;そして
サンプル体積が不十分な場合に遅延期間を計測する工程;
をさらに含み、
ここで、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出することは、遅延期間の後に生じる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
試験励起シグナルが、少なくとも1つの試験入力パルスを、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅とともに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
拡張ポーリング配列における最終パルスが異なる拡張パルスである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
規則的なポーリング配列が少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一な拡張振幅を有する少なくとも1つの同様の拡張入力パルスを有し、
ここで少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、
前記請求項2に記載の方法。
【請求項9】
規則的なポーリング配列が少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が少なくとも1つのサイクルを有し、ここで各サイクルは少なくとも1つの同様の拡張入力パルスと少なくとも1つの異なる拡張入力パルスとを有し、そして各サイクルにおける最終パルスが好ましくは異なる拡張パルスである、
請求項1〜5または7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有し、そして少なくとも1つの異なる拡張パルスが少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅とは同一ではない別の拡張振幅を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分である場合を示すことに、以下の工程:
試験励起シグナルを停止する工程;
ユーザーにより多くのサンプルを添加するよう要求する工程;
別の規則的なポーリング配列をより大きなサンプルに対して印加する工程;
より大きなサンプルの存在を検出する工程;
少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する別の拡張ポーリング配列を、より大きなサンプルに対して印加する工程;そして
より大きなサンプルがサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分なサンプル体積を有するかどうかを検出する工程;
が含まれる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
以下の工程:
少なくとも1つのより多くの体積閾値に到達しない初期拡張出力パルスを検出する工程;
初期拡張出力パルスからの遅延期間をカウントする工程;そして
1またはそれ以上の体積閾値に到達しない遅延期間の後に、より遅い拡張出力パルスを検出する工程;
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列および試験励起シグナルが、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
以下の構成:
作用電極であって基板により形成された貯留容器中に位置するものおよびカウンタ電極と電気的に連通したサンプルインターフェースを有する、基板上のセンサストリップ;および
シグナル生成器を有し、そしてサンプルインターフェースと電気的連通を有するセンサインターフェースと接続された、プロセッサを有する測定デバイス;
を含む、充填量不足認識システムを有するバイオセンサであって、
プロセッサは、シグナル生成器に対して規則的なポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサはサンプルの存在を検出し、
プロセッサは、シグナル生成器に対して拡張ポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出し、
プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合に、シグナル生成器に対して試験励起シグナルを印加する様指令を出し、そして
プロセッサは、試験出力シグナルに応じて、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を測定する、
前記バイオセンサ。
【請求項15】
以下の構成:
プロセッサおよびセンサインターフェースに接続されたコンピュータ、
をさらに含む、請求項14に記載のバイオセンサであって、
コンピュータが、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出し、そして
コンピュータが、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する、
前記バイオセンサ。
【請求項16】
プロセッサが、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅を有する少なくとも1つの試験入力パルスを有する試験励起シグナルを印加するよう指令を出す、請求項14または15に記載のバイオセンサ。
【請求項17】
プロセッサが、選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する、請求項14〜16のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項18】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項14〜17のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項19】
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張パルスを有し、
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有し、
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅とは同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項14〜18のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項20】
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つのサイクルを有し、各サイクルが、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、請求項14〜19のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項21】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有し、そして各サイクルにおける最終パルスが好ましくは異なる拡張パルスである、
請求項20に記載のバイオセンサ。
【請求項22】
プロセッサが、サンプル体積が不十分である場合をカウントし;そして
プロセッサが、サンプル体積が、遅延期間の後にサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分かどうかを検出する、
請求項1〜21のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項23】
以下の構成:
プロセッサに接続されたディスプレイ
をさらに含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサであって、
プロセッサが、充填量不足条件に応じて、ディスプレイ上にエラーシグナルを示し、
プロセッサが、試験励起シグナルを停止し、
プロセッサが、ユーザにより多くのサンプルを添加する様要求し、
プロセッサが、シグナル生成器に対して別の規則的なポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出し、
プロセッサが、シグナル生成器に対して別の拡張ポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出し、そして
プロセッサが、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、シグナル生成器に対して試験励起シグナルを印加する様指令を出す、
前記バイオセンサ。
【請求項24】
カウンタ電極にサブエレメントが含まれる、請求項1〜23のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項25】
以下の工程:
規則的なポーリング配列を印加する工程;
サンプルの存在を検出する工程;
少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する拡張ポーリング配列を印加する工程;そして
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する工程;
を含む、バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための方法。
【請求項26】
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを印加する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および試験励起シグナルが、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
試験励起シグナルが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅を有する少なくとも1つの試験入力パルスを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
規則的なポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である拡張振幅を有する、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスを有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項25に記載の方法。
【請求項33】
規則的なポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、少なくとも1つのサイクルを有する、
請求項25に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である拡張振幅を有し、そして少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
各サイクルにおける最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
以下の工程:
サンプル体積が不十分な場合の遅延期間をカウントする工程;そして
サンプル体積が、遅延期間の後に、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分かどうかを検出する工程;
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分な場合を示す工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項38】
以下の工程:
試験励起シグナルを停止する工程;
ユーザに対してより多くのサンプルを添加する様要求する工程
別の規則的なポーリング配列を印加する工程;
より大きなサンプルの存在を検出する工程;
少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する別の拡張ポーリング配列を、より大きなサンプルに対して印加する工程;そして
より大きなサンプルが、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分なサンプル体積を有するかどうかを検出する工程;
をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
サンプル出力シグナルと体積出力シグナルとの少なくとも一方を、少なくとも1つのメディエータにより改良する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つのメディエータに、2電子伝達メディエータが含まれる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
以下の工程:
規則的なポーリング配列を印加する工程;
少なくとも1つの規則的な出力パルスが、少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出する工程;
拡張ポーリング配列を印加する工程;
少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが、少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する工程;
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分な場合を示す工程;そして
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを印加する工程;
を含む、バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための方法。
【請求項42】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
以下の工程:
少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有する、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスを印加する工程;そして
少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、少なくとも1つの異なる拡張パルスを印加する工程;
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の試験振幅を有する、少なくとも1つの試験入力パルスを有する試験励起シグナルを印加する工程をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
拡張ポーリング配列が、各サイクルが少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、少なくとも1つのサイクルを有する、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一な拡張振幅を有し、そして少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項45に記載の方法。
【請求項47】
各サイクルにおける最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
以下の工程:
少なくとも1つまたはそれ以上の体積閾値に到達していない初期拡張出力パルスを検出する工程;
初期拡張出力パルスからの遅延期間をカウントする工程;そして
1またはそれ以上の体積閾値に到達していない遅延期間の後のより遅い拡張出力パルスを検出する工程;
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
以下の工程:
試験励起シグナルを停止する工程;
ユーザにより多くのサンプルを添加する様要求する工程;
別の規則的なポーリング配列をより大きなサンプルに対して印加する工程;
より大きなサンプルに由来する少なくとも1つの規則的な出力パルスが、少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出する工程;
拡張ポーリング配列を、より大きなサンプルに対して印加する工程;
より大きなサンプルに由来する少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが、少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する工程;そして
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを、より大きなサンプルに対して印加する工程;
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
サンプル出力シグナルと体積出力シグナルとの少なくとも一方を、少なくとも1つのメディエータを用いて改良する工程をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
少なくとも1つのメディエータが、2電子伝達メディエータを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する工程をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列および試験励起シグナルが、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
以下の構成:
基板上に、基板により形成される貯留容器と隣接するサンプルインターフェースを有するセンサストリップ;そして
シグナル生成器を有し、そしてサンプルインターフェースと電気的連通を有するセンサインターフェースに対して接続する、プロセッサを有する測定デバイス;
を有する、充填量不足認識システムを有するバイオセンサであって、
プロセッサが、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、サンプルの存在を検出し、
プロセッサが、シグナル生成器に対して、拡張ポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分かどうかを検出し、
プロセッサが、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、シグナル生成器に対して、試験励起シグナルを印加する様指令を出し、そして
プロセッサが、試験出力シグナルに応じて、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する、
前記バイオセンサ。
【請求項55】
プロセッサとセンサインターフェースとに接続されたコンピュータ、をさらに含み、
コンピュータは、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する時を検出し、そして
コンピュータは、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する時を検出する、
請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項56】
プロセッサが、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅を有する、少なくとも1つの試験入力パルスを有する試験励起シグナルを印加する、請求項54に記載のバイオセンサ
【請求項57】
プロセッサが、選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項58】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項54に記載のバイオセンサ
【請求項59】
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスと少なくとも1つの異なる拡張パルスとを有し、
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一な拡張振幅を有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅とは同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項60】
拡張ポーリング配列が少なくとも1つのサイクルを有し、各サイクルが少なくとも1つの同様の拡張入力パルスと少なくとも1つの異なる拡張入力パルスとを有する、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項61】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と、本質的に同一である拡張振幅を有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項36に記載のバイオセンサ。
【請求項62】
各サイクルにおける最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項61に記載のバイオセンサ
【請求項63】
プロセッサが、サンプル体積が不十分である場合に遅延期間を計測し;そして
プロセッサが、サンプル体積が、遅延期間の後に、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する、
請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項64】
以下のもの:
プロセッサに接続させたディスプレイ、をさらに含み、
ここで、プロセッサは、充填量不足条件に応じて、ディスプレイ条にエラーシグナルを示し、
ここで、プロセッサは、試験励起シグナルを停止し、
プロセッサは、使用者に対してより多くのサンプルを追加するよう要求し、
プロセッサは、シグナル生成器に別の規則的なポーリング配列を印加させる様に方向付け、
プロセッサは、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する時を検出し、
プロセッサは、シグナル生成器に別の拡張ポーリング配列を印加させるように方向付け、
プロセッサは、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する時を検出し、そして
プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合に、シグナル生成器に試験励起シグナルを印加するように方向付ける、
請求項54に記載のバイオセンサ
【請求項65】
少なくとも2つの電極と少なくとも1つのメディエータとを伴うサンプルインターフェースをさらに含む、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項66】
カウンタ電極と作用電極とを伴うサンプルインターフェースをさらに含む、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項67】
カウンタ電極および作用電極に、レドックス対が含まれる、請求項66に記載のバイオセンサ
【請求項68】
カウンタ電極が、サブエレメントを有する、請求項66に記載のバイオセンサ。
【請求項69】
カウンタ電極と作用電極との間に配置され、そして作用電極とサブエレメントとの間に実質的に配置されないメディエータをさらに含む、請求項68に記載のバイオセンサ。
【請求項70】
メディエータに、2電子伝達メディエータが含まれる、請求項69に記載のバイオセンサ。
【請求項71】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および試験励起シグナルが、電気化学的センサ解析の一部である、請求項69に記載のバイオセンサ。
【請求項1】
以下の工程:
規則的なポーリング配列を印加する工程;
サンプルの存在を検出する工程;
拡張ポーリング配列を印加する工程;
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する工程;
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合を示す工程;そして
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合、試験励起シグナルを印加する工程を適用する工程;
を含む、バイオセンサ中のサンプル体積を評価するための方法。
【請求項2】
拡張ポーリング配列が少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サンプルの存在を検出することには、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する時点を検出することが含まれ、そして
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出することには、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する時点を検出することが含まれる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
以下の工程:
選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する工程;そして
サンプル体積が不十分な場合に遅延期間を計測する工程;
をさらに含み、
ここで、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出することは、遅延期間の後に生じる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
試験励起シグナルが、少なくとも1つの試験入力パルスを、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅とともに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
拡張ポーリング配列における最終パルスが異なる拡張パルスである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
規則的なポーリング配列が少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一な拡張振幅を有する少なくとも1つの同様の拡張入力パルスを有し、
ここで少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、
前記請求項2に記載の方法。
【請求項9】
規則的なポーリング配列が少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が少なくとも1つのサイクルを有し、ここで各サイクルは少なくとも1つの同様の拡張入力パルスと少なくとも1つの異なる拡張入力パルスとを有し、そして各サイクルにおける最終パルスが好ましくは異なる拡張パルスである、
請求項1〜5または7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有し、そして少なくとも1つの異なる拡張パルスが少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅とは同一ではない別の拡張振幅を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分である場合を示すことに、以下の工程:
試験励起シグナルを停止する工程;
ユーザーにより多くのサンプルを添加するよう要求する工程;
別の規則的なポーリング配列をより大きなサンプルに対して印加する工程;
より大きなサンプルの存在を検出する工程;
少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する別の拡張ポーリング配列を、より大きなサンプルに対して印加する工程;そして
より大きなサンプルがサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分なサンプル体積を有するかどうかを検出する工程;
が含まれる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
以下の工程:
少なくとも1つのより多くの体積閾値に到達しない初期拡張出力パルスを検出する工程;
初期拡張出力パルスからの遅延期間をカウントする工程;そして
1またはそれ以上の体積閾値に到達しない遅延期間の後に、より遅い拡張出力パルスを検出する工程;
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列および試験励起シグナルが、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
以下の構成:
作用電極であって基板により形成された貯留容器中に位置するものおよびカウンタ電極と電気的に連通したサンプルインターフェースを有する、基板上のセンサストリップ;および
シグナル生成器を有し、そしてサンプルインターフェースと電気的連通を有するセンサインターフェースと接続された、プロセッサを有する測定デバイス;
を含む、充填量不足認識システムを有するバイオセンサであって、
プロセッサは、シグナル生成器に対して規則的なポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサはサンプルの存在を検出し、
プロセッサは、シグナル生成器に対して拡張ポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出し、
プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合に、シグナル生成器に対して試験励起シグナルを印加する様指令を出し、そして
プロセッサは、試験出力シグナルに応じて、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を測定する、
前記バイオセンサ。
【請求項15】
以下の構成:
プロセッサおよびセンサインターフェースに接続されたコンピュータ、
をさらに含む、請求項14に記載のバイオセンサであって、
コンピュータが、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出し、そして
コンピュータが、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する、
前記バイオセンサ。
【請求項16】
プロセッサが、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅を有する少なくとも1つの試験入力パルスを有する試験励起シグナルを印加するよう指令を出す、請求項14または15に記載のバイオセンサ。
【請求項17】
プロセッサが、選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する、請求項14〜16のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項18】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項14〜17のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項19】
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張パルスを有し、
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有し、
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅とは同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項14〜18のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項20】
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つのサイクルを有し、各サイクルが、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、請求項14〜19のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項21】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有し、そして各サイクルにおける最終パルスが好ましくは異なる拡張パルスである、
請求項20に記載のバイオセンサ。
【請求項22】
プロセッサが、サンプル体積が不十分である場合をカウントし;そして
プロセッサが、サンプル体積が、遅延期間の後にサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分かどうかを検出する、
請求項1〜21のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項23】
以下の構成:
プロセッサに接続されたディスプレイ
をさらに含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサであって、
プロセッサが、充填量不足条件に応じて、ディスプレイ上にエラーシグナルを示し、
プロセッサが、試験励起シグナルを停止し、
プロセッサが、ユーザにより多くのサンプルを添加する様要求し、
プロセッサが、シグナル生成器に対して別の規則的なポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出し、
プロセッサが、シグナル生成器に対して別の拡張ポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出し、そして
プロセッサが、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、シグナル生成器に対して試験励起シグナルを印加する様指令を出す、
前記バイオセンサ。
【請求項24】
カウンタ電極にサブエレメントが含まれる、請求項1〜23のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項25】
以下の工程:
規則的なポーリング配列を印加する工程;
サンプルの存在を検出する工程;
少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する拡張ポーリング配列を印加する工程;そして
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する工程;
を含む、バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための方法。
【請求項26】
サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを印加する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および試験励起シグナルが、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
試験励起シグナルが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅を有する少なくとも1つの試験入力パルスを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
規則的なポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である拡張振幅を有する、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスを有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項25に記載の方法。
【請求項33】
規則的なポーリング配列が、少なくとも1つの規則的な入力パルスを有し;そして
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、少なくとも1つのサイクルを有する、
請求項25に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である拡張振幅を有し、そして少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
各サイクルにおける最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
以下の工程:
サンプル体積が不十分な場合の遅延期間をカウントする工程;そして
サンプル体積が、遅延期間の後に、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分かどうかを検出する工程;
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分な場合を示す工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項38】
以下の工程:
試験励起シグナルを停止する工程;
ユーザに対してより多くのサンプルを添加する様要求する工程
別の規則的なポーリング配列を印加する工程;
より大きなサンプルの存在を検出する工程;
少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する別の拡張ポーリング配列を、より大きなサンプルに対して印加する工程;そして
より大きなサンプルが、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分なサンプル体積を有するかどうかを検出する工程;
をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
サンプル出力シグナルと体積出力シグナルとの少なくとも一方を、少なくとも1つのメディエータにより改良する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つのメディエータに、2電子伝達メディエータが含まれる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
以下の工程:
規則的なポーリング配列を印加する工程;
少なくとも1つの規則的な出力パルスが、少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出する工程;
拡張ポーリング配列を印加する工程;
少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが、少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する工程;
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために不十分な場合を示す工程;そして
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを印加する工程;
を含む、バイオセンサ中のサンプルの体積を評価するための方法。
【請求項42】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
以下の工程:
少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の拡張振幅を有する、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスを印加する工程;そして
少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、少なくとも1つの異なる拡張パルスを印加する工程;
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一の試験振幅を有する、少なくとも1つの試験入力パルスを有する試験励起シグナルを印加する工程をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
拡張ポーリング配列が、各サイクルが少なくとも1つの同様の拡張入力パルスおよび少なくとも1つの異なる拡張入力パルスを有する、少なくとも1つのサイクルを有する、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一な拡張振幅を有し、そして少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項45に記載の方法。
【請求項47】
各サイクルにおける最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
以下の工程:
少なくとも1つまたはそれ以上の体積閾値に到達していない初期拡張出力パルスを検出する工程;
初期拡張出力パルスからの遅延期間をカウントする工程;そして
1またはそれ以上の体積閾値に到達していない遅延期間の後のより遅い拡張出力パルスを検出する工程;
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
以下の工程:
試験励起シグナルを停止する工程;
ユーザにより多くのサンプルを添加する様要求する工程;
別の規則的なポーリング配列をより大きなサンプルに対して印加する工程;
より大きなサンプルに由来する少なくとも1つの規則的な出力パルスが、少なくとも1つのサンプル閾値に到達する場合を検出する工程;
拡張ポーリング配列を、より大きなサンプルに対して印加する工程;
より大きなサンプルに由来する少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが、少なくとも1つの体積閾値に到達する場合を検出する工程;そして
サンプル体積が、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、試験励起シグナルを、より大きなサンプルに対して印加する工程;
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
サンプル出力シグナルと体積出力シグナルとの少なくとも一方を、少なくとも1つのメディエータを用いて改良する工程をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
少なくとも1つのメディエータが、2電子伝達メディエータを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する工程をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列および試験励起シグナルが、ゲート化電流測定電気化学的解析の一部である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
以下の構成:
基板上に、基板により形成される貯留容器と隣接するサンプルインターフェースを有するセンサストリップ;そして
シグナル生成器を有し、そしてサンプルインターフェースと電気的連通を有するセンサインターフェースに対して接続する、プロセッサを有する測定デバイス;
を有する、充填量不足認識システムを有するバイオセンサであって、
プロセッサが、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、サンプルの存在を検出し、
プロセッサが、シグナル生成器に対して、拡張ポーリング配列を印加する様指令を出し、
プロセッサが、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分かどうかを検出し、
プロセッサが、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分な場合に、シグナル生成器に対して、試験励起シグナルを印加する様指令を出し、そして
プロセッサが、試験出力シグナルに応じて、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の濃度を決定する、
前記バイオセンサ。
【請求項55】
プロセッサとセンサインターフェースとに接続されたコンピュータ、をさらに含み、
コンピュータは、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する時を検出し、そして
コンピュータは、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する時を検出する、
請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項56】
プロセッサが、シグナル生成器に対して、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一である試験振幅を有する、少なくとも1つの試験入力パルスを有する試験励起シグナルを印加する、請求項54に記載のバイオセンサ
【請求項57】
プロセッサが、選択された体積および体積範囲の少なくとも一方を検出する、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項58】
拡張ポーリング配列における最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項54に記載のバイオセンサ
【請求項59】
拡張ポーリング配列が、少なくとも1つの同様の拡張入力パルスと少なくとも1つの異なる拡張パルスとを有し、
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と本質的に同一な拡張振幅を有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅とは同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項60】
拡張ポーリング配列が少なくとも1つのサイクルを有し、各サイクルが少なくとも1つの同様の拡張入力パルスと少なくとも1つの異なる拡張入力パルスとを有する、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項61】
少なくとも1つの同様の拡張入力パルスが、規則的なポーリング配列の少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅と、本質的に同一である拡張振幅を有し、そして
少なくとも1つの異なる拡張パルスが、少なくとも1つの規則的な入力パルスの規則的な振幅同一ではない別の拡張振幅を有する、
請求項36に記載のバイオセンサ。
【請求項62】
各サイクルにおける最終パルスが、異なる拡張パルスである、請求項61に記載のバイオセンサ
【請求項63】
プロセッサが、サンプル体積が不十分である場合に遅延期間を計測し;そして
プロセッサが、サンプル体積が、遅延期間の後に、サンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分であるかどうかを検出する、
請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項64】
以下のもの:
プロセッサに接続させたディスプレイ、をさらに含み、
ここで、プロセッサは、充填量不足条件に応じて、ディスプレイ条にエラーシグナルを示し、
ここで、プロセッサは、試験励起シグナルを停止し、
プロセッサは、使用者に対してより多くのサンプルを追加するよう要求し、
プロセッサは、シグナル生成器に別の規則的なポーリング配列を印加させる様に方向付け、
プロセッサは、少なくとも1つの規則的な出力パルスが少なくとも1つのサンプル閾値に到達する時を検出し、
プロセッサは、シグナル生成器に別の拡張ポーリング配列を印加させるように方向付け、
プロセッサは、少なくとも1つの異なる拡張出力パルスが少なくとも1つの体積閾値に到達する時を検出し、そして
プロセッサは、サンプル体積がサンプル中の少なくとも1つの分析対象物の解析のために十分である場合に、シグナル生成器に試験励起シグナルを印加するように方向付ける、
請求項54に記載のバイオセンサ
【請求項65】
少なくとも2つの電極と少なくとも1つのメディエータとを伴うサンプルインターフェースをさらに含む、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項66】
カウンタ電極と作用電極とを伴うサンプルインターフェースをさらに含む、請求項54に記載のバイオセンサ。
【請求項67】
カウンタ電極および作用電極に、レドックス対が含まれる、請求項66に記載のバイオセンサ
【請求項68】
カウンタ電極が、サブエレメントを有する、請求項66に記載のバイオセンサ。
【請求項69】
カウンタ電極と作用電極との間に配置され、そして作用電極とサブエレメントとの間に実質的に配置されないメディエータをさらに含む、請求項68に記載のバイオセンサ。
【請求項70】
メディエータに、2電子伝達メディエータが含まれる、請求項69に記載のバイオセンサ。
【請求項71】
規則的なポーリング配列および拡張ポーリング配列、および試験励起シグナルが、電気化学的センサ解析の一部である、請求項69に記載のバイオセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図10】
【図11】
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【図15】
【図16】
【公表番号】特表2013−511024(P2013−511024A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537912(P2012−537912)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/053765
【国際公開番号】WO2011/059670
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/053765
【国際公開番号】WO2011/059670
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
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